Ddogのプログレッシブな日々@ライブドアブログ

政治経済軍事外交、書評に自然科学・哲学・聖地巡礼・田園都市ライフ、脳の外部記憶媒体としてこのブログを利用しています。2020/11/30以前はGoogle検索でキーワードを入れると常に上位にありましたが、日本のトランプ大統領デモを紹介した記事が米国でバズって以降検索アルゴリズムから排除され検索ヒットされにくい状態です。是非ブックマークをお願いします。このブログをご訪問していただいた方の知識や感性として共有できれば幸せに思います。

洞爺湖サミットが無事終了し、東京の地下鉄にも平穏な日常とともに無事ゴミ箱が帰ってまいりました。

環境・気候変動問題、資源食料問題、世界経済危機問題、イラン北朝鮮の核・ジンバブエアフリカ問題、それにしても世界はかくも多くの難問を抱えているのだろうか、そして人類はこの危機をどう乗り切るのだろうか。

■「米国のジレンマ」

サミットが終了して思い出したのは、日々参考にさせていただいております、溜池通信:吉崎達彦氏の昨年のレポート「アンラッキーセブンの法則」です。
http://tameike.net/pdfs7/tame369.PDF

○ブラックマンデー(1987年)→日銀の低金利→日本の株・不動産バブル→バブル崩壊(1990年)
○アジア危機(1997年)→ロシア危捜(1998年)→Fedの利下げ→米国のlTバブル→バブル崩壊(2000年)
○サブプライム問題(2007年)→Fedの流動性供給→資源バブル→バブル崩壊?(2010年?)

7のつく数字で「アホ」になり、10の倍数で崩壊する、「いち」「にー」「しゃーん」・・の「世界のナベアツ」のような話だが、「1の位が7の年に国際金融危機が生じ、その後は利下げによるバブルが発生し、1の位がOの年になって崩壊する」という一見根拠が無い話のようだが、危機→利下げ→その反動といった循環で考える視点は、単純なジンクスではなく、慧眼な世界観だと思いました。

原油価格については、新興国の需要増により、かつてに比べて需要は増したものの、それでも1バレル30ドル程度であったものが140ドルを越える原油価格は、需給関係から考えて経済的合理性で説明できるものではない。行き場を失ったグローバルマネーが小さな国際商品市場に流入しているために、ファンダメンタルズから乖離したバブル価格になっているのである。

「アンラッキーセブンの法則」からいえば、今のような資源バブルの状況は、やはりあと2年くらいは続き、2010年に一気に資源バブルが破裂するかもしれない。

およそこの手の物価上昇局面において、政府が物価統制で介入が成功してインフレが収まったという例はない。過去バブルが崩壊するときは、総じて利上げによってである。そして、欧米金融機関のバランスシートが大きく毅損している現状では、大きく利上げに向かう状況が整っているとは考えにくい。資源バブルの時代は、もう少しだけ続くのかもしれない。

米国の実体経済は予測見通しで騒がれているほど悪いものではないのに米連邦準備理事会(FRB)は今回のサブプライムショックによる米国景気見通しについて、あまりにも深刻な状況になると判断して、米政策金利を5.25%から短期間のうちに2%に利下げしてしまった。その結果信用リスクを回避すべく金融市場に大量の流動性資金を供給してインフレを促進してしまったことに政策的間違いを指摘するとの意見がある。

バーナンキ議長の米連邦準備理事会(FRB)が今回のサブプライム問題発生後、米政策金利を5.25%から短期間のうちに2%に利下げしてしまったのは、政策的に間違いで無く、正しい処置であったと私は思う。日本のバブル崩壊時、日銀の三重野ように小出しにしかも最悪のタイミング、常に後手後手で下げていった為、ゼロ金利に追い込まれたあげく、リフレ政策までとらざるを得なくなるまで追い込まれ、今日の結果になってしまった。バブルの生成と崩壊をリアルタイムでつぶさに見ていたアラフォー以上の世代の人間であれば、私と同様、バーナンキの対応の正しさを評価できると思います。

FRBは米国景気見通しについて、深刻な状況になると判断して、信用リスクを回避すべく金融市場に大量の流動性資金を供給して金融緩和を促進した。その結果市場では、米国当局のベア・スターンズ救済劇を受けて一旦楽観論が台頭した。そうした楽観論が完全に消え、再び悲観論が台頭している。連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)と連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)の信用不安が再燃したのだ。
NY株、一時1万1000ドル割れ 米住宅公社の経営不安で
 【ニューヨーク=山下茂行】11日のニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が急落し一時、2006年7月以来、約2年ぶりに1万1000ドルの大台を割り込んだ。米住宅公社の経営悪化懸念や原油高を背景に売りが増え、ダウ平均は一時前日比248ドル安まで急落。正午(日本時間12日午前1時)現在、182ドル70セント安の1万1046ドル32セントで推移している。
 ポールソン米財務長官は同日、経営悪化が懸念されている米住宅公社2社に関し「現行形態で支援する」との緊急声明を発表した。国有化を含む政府による救済策をひとまず否定したことが市場では嫌気された。原油価格が大幅に上昇し、景気の先行き不安感も改めて意識されている。
 連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の政府系住宅公社2社は住宅ローン関連業務を幅広く手掛け、住宅不況のあおりで業績・財務が急速に悪化している。ここ数日、経営不安から株価が急落、国有化を含む政府による救済観測が高まっていた。両社の株価はこの日、前日比約5割下落した。
 原油価格上昇でインフレや個人消費の減速懸念が強まっているほか、一般の製造業などにも業績悪化の兆しが広がっていることで、株式市場からの資金流出に弾みがついている。
 http://www.nikkei.co.jp/news/market/20080711c8AS2M1103R110708.html 
 ファニーメイとフレディマックは非常に重要な機関 米大統領
 ブッシュ米大統領は11日、記者団に経営不安が強まるファニーメイとフレディマックを「非常に重要な機関だ」とし、政府も事態を重視していることを明らかにした。今後の対応策はポールソン財務長官と米連邦準備理事会のバーナンキ議長が「極めて精力的に作業している」と強調した。(02:05) 
 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080712AT1C1100Q11072008.html  

住宅価格の下落の影響は、サブプライムローンに留まると考えるほうが不自然です。上の記事は、プライムローンも返済困難になり始めてきていることを示している。政府系住宅公社に加えモノライン、地方銀行などの破綻リスクが消えていないこと、消費者ローンに対する引き当てや住宅モーゲージの債権放棄などの形で不良債権処理コストがまだ増大する可能性がある。

悪いことに、来週は2008年第2四半期の決算発表が重なる。7/17JPモルガンチェース・メリルリンチ・バンクオブNYメロン。7/18シティ7/21バンクオブアメリカの決算が控えている。

年後半に増加が見込まれる不良債権処理負担とのバランスから考えて、これまで大手銀行が行ってきた資本増強は十分と言えるのか、という点に尽きる。金融システムを取り巻く環境には依然として極めて高い不確実性がある。その意味では、市場が金融システムの安
定に自信を持てるようになるのはまだかなり先、ということになろう。

FRBが通貨を供給することで、ファンド勢の手に落ちた資金は原油を初めあらゆる商品相場に投資されて価格をつりあげていった。原油価格はすでに1バレル=145ドル台に上昇し、金価格・穀物相場も上昇している。すでにこれら相場は実需に伴う価格の上昇でなく、投機筋同士の売貢によって価格が上昇する状況となってしまった。

商品価格が大幅に上昇してきているので、FRBはインフレにも対処しなければならない。金融政策は複雑さを一段と増し、総合的な金融政策をとらねばならなくなってきた。米国では景気が落ち込むなかで、米国の消費者物価上昇率は前年比4%を超えている。市場では投機筋ばかりではなく、年金資金や、ミューチャルファンドまで、ドルを売って商品相場に手を出している。急激な政策金利安が過剰な流動性資金を生み、ドル安となり原油高・食料高のインフレが諸悪の根源となっています。

最近公表された米国経済データの中で興味があったのは、米国の5月の家計貯蓄率である。
驚くことに、あの脳天気なキリギリスであるアメリカ人が貯金を始めたことである。個人向け税還付(戻し減税)を受けた可処分所得の伸び(前月比十5%超)に比べ、個人消費の伸びは限定的(同十0.8%)となり、この結果、家計貯蓄率は0.4%から5.0%に急上昇した。ブッシュ大統領最後の経済政策は、減税の僅か1割強しか消費に回らず、減税の消費刺激効果が極めて小さな結果となりそうである。

米国人が、今までの過剰消費を悔い改め、米国社会が変化を始めたとポジティブにとらえたいところだが、実際には米国の個人が借入に大きく依存した過剰消費体質が変わろうとしたのではなく、単純にもはや過剰消費を続けられなくなった可能性の方が高いと思う。

米国の個人が消費・貯蓄行動を正常化させた場合、米国の個人消費が今後暫くマイナス成長を続けることを覚悟しなくてはならない。住宅価格の下落で個人が家計のバランスシートの調整を行えば、米国はデフレ経済に突入する可能性があるということである。そんな中での利上げは容易に実行できないであろう。

原油高・資源高による悪いインフレの高進を受けて強引に利上げを行ったにせよ、再び利下げに追い込まれる可能性を排除できない。市場では、向こう12ヵ月間で米国の政策金利(FF金利)が0.8%程度引き上げられることが織り込まれているが、家計貯蓄率の上昇傾向がはっきりしてくれば、市場の利上げ期待が大きく修正されることになると読むべきである。

今回の世界的なインフレ懸念は米国の行き過ぎの利下げがもたらしたもので、悪いインフレといわれる賃金上昇などによるインフレでない。従って、米国が利上げに踏み切ればインフレ、原油高・ドル安を解消に向かうのだが、終焉させる手立ては米国の利上げしかないのに、利上げが容易にできないと言うことである。

米国のジレンマを解消するには、いまのところ「アンラッキーセブンの法則」のジンクスが当たることをひたすら願うだけです。神頼み状態です。

②サミットが終わって思う ■FRBの戦い へ続く 
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/12699395.html

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天皇制に関するアイデンティティ(自出自我)とナショナルアイデンティティ(国家的自我)について。

日本国憲法 第1条『天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。』

戦後の日本の悲劇の一つが、この皇室に関する日本国民のアイデンティティが分断されてしまったことではないかと考えることがあります。

本来、国家、国民が価値観を共有できればそこに対立は起こりにくいものである。戦後GHQの巧みな日本統治戦略として、日本が再び覇権を求めないような国家にする為に、ナショナルアイデンティの分断政策が取られました。特に皇室に関するアイデンティティの分断は巧妙に仕掛けられたと考えられています。

戦前の皇国史観のナショナルアイデンティは僅か80年足らず(実際は50年足らず)の歴史しか無く否定は容易であったが、昭和天皇が行幸し全国を慰問し続け、圧倒的大部分の国民は昭和天皇を熱烈に歓迎し受け入れている様子を確認したGHQは、2000年続く伝統の皇室というナショナルアイデンティの存在否定は不可能と判断したのではないかとおもいます。

2000年続く伝統の皇室というナショナルアイデンティの存在否定は不可能であるならば、天皇制に批判的な学者をアカデミズムの世界や、マスコミ界で重職につけ、皇室批判を繰り返させ、日本のアイデンティティの分断を図ったのではないでしょうか?

アイデンティティという言葉は、集団との関係性の中で「個」を捉えようとしたときに用いられる相対的な概念であるので、外国人との接触が少なく、国際情勢の中で日本の位置を見つけようと意識しない人達はナショナルアイデンティティに無縁な人は多数存在します。
ナショナルアイデンティティに無縁な人達からすれば、なぜ、皇室が敬われているかも理解し難いことは容易に想像もつきます。たとえ、GHQが洗脳しなくとも皇室を敬わない集団は存在したかもしれません。

よく、海外で成功した日本人のインタビューや国際的に活躍している人達の本を読むと、共通するのは、海外に出ると強く「日本」、「日本人」を意識するようになるという。自分の妻も米国で日本語を教えていた時期があり、海外勤務を終えた友人の話も総合すると、海外に出ると、自分が日本人であり、強く日本を意識したというのだ。そして、海外で捉える日本のニュースでは、皇室を頂く日本のイメージは強いとのことだ。


第二次世界大戦後に日本に進駐した連合国軍の中にもしソ連軍が含まれていれば、日本はドイツのように分割統治されただろうし、皇室が存在しなければ日本人のアイデンティティも今日のような同質性を維持することは・とうてい不可能だったと想像されるのである。

これら、日本のナショナルアイデンティティが確立できたのは、皇室を頂点とした天皇制が、国家開闢依頼連綿と続いてきたことにその原点がある。

仮に、皇室が存在せず、四国と九州と関東に別な王朝が存在し、絶えず戦乱状態であったのなら、大陸や半島からの侵入を許し、戦乱が収まる平和な時代が存在しなかったかもしれません。今日のような日本は誕生せず、世界に誇る日本文明は生まれなかったかもしれません。朝鮮のようにほとんど文化らしいものが存在しない惨めな国だったかもしれません。(韓国は、お茶や生け花、柔道、剣道、さくら、寿司、武士道まで日本の素晴らしい文化を自国が起源だと詐称している姿は惨めでなりません。最近は針、漢方の東洋医学、論語、漢字まで、明らかに中国古来のものを自国起源と主張しています。惨めです。)

日本のアイデンティティを考える前に、そもそも「アイデンティティ」とは何か?「ナショナルアイデンティティ」と区別すべきものであろうか?

「自分は何者か」、私の心に機会あるごとに生じる問い、それは「アイデンティティ」と呼ばれるものである。「自己のアイデンティティとは、自分が何者であるかを、自己に語って聞かせる説話である。「日本人とは?」これは「ナショナルアイデンティティ」と呼ばれます。

ユダヤ人が、ユダヤ人たる所以を考えると、生物学的ユダヤ人は存在しない。紀元前597年、エルサレムはバビロニア軍に包囲されて陥落し・大半の住民はバビロニアに連行された。ユダヤ人はさらに西暦135年にローマ帝国に反旗を翻して、ハドリアヌス帝によってエルサレムから追放され・世界中に離散することとなった。パレスチナを追われたユダヤ人を離散(ディアスボラ:)の民と呼ぶことはご存知だと思う。

ユダヤ人は、ヨーロッパ・アジアにも流れてゆき・遠くインドやシベリアにもユダヤ人の集落が存在するといわれる。1948年にイスラエルが建国されて、世界各地からユダヤ人がパレスチナに戻ってきたが、彼らはさまざまな色の皮膚や髪をしていたという。彼らが共通してもっていたのは、ただひとつ、ユダヤ人(ユダヤ教徒)というアイデンティティだけであった。(アシュケナジーのことは後日)アイデンティティとは民族国民を語るうえで、避けて通ることができない。ユダヤ人にとっては「アイデンティティ」と「ナショナルアイデンティティ」と区別は少ないかもしれません。

華僑も一種のディアスボラといえるだろう。華僑もまた世界のあらゆる国や地域に居住している。そしてその多くは共同体を構成している。いわゆる中華街である。中国人は異郷の地に何世代にもわたって住んでいても、白分たちの生活様式や風習・すなわち文化を維持するために集団生活を行っているのであろう。この中華街の文化そのものが華僑の「アイデンティティ」にほかならない。華僑にとっては「アイデンティティ」と「ナショナルアイデンティティ」と区別は曖昧である。

この点、日本人の場合、「自分は何者か」、私の心に機会あるごとに生じる問いは、「自己のアイデンティティ」とは、自分が何者であるかを、自己に語って聞かせる説話である。「日本人とは?」これは「ナショナルアイデンティティ」と呼ばれます。つまり、こうやって、天皇とは、皇室とはと語るという試みを通して、初めて「私」は生み出されうるのかもしれない。

この自分のストーリーはいつでも、無数のエピソードを読み貯めた書籍や自分の経験を基に「選択、配列」し直し自分のストーリーを紡ぐこと、自分を納得した形で自分なりに構成し直すことがアイデンティティと呼ばれるものかもしれません。

その無数の選択がそれぞれのアイデンティティを形成し、Ddogの自我を形づくっているのかもしれません。しかし、個人のアイデンティティは、つねに外界の影響を受けながらも、その本質は通常変わらないものと考えていますので、天皇・皇室を敬わない方々のアイデンティティは、私がいかに説得しようとも、変わる事がないでしょう。また変る程度のアイデンティであれば、私はこうやって熱く語ることもないかもしれません。

アイデンティティを確立する過程は、個人的な内的過程であるが、他者との相互的な関係性にも左右されることもある。アイデンティティとは、自我を中心に、他者と異なる自分の違いを意識すること、他者との違いを明確にしていく過程で認識させられるものかもしれません。

日本人であることは、日本国籍者にとっては事実であるが、それをアイデンティティとして意識させられるには、外界からの日本人としての差異化、たとえば、外国で日本の文化を紹介する、日本の代表として会議に参加する、あるいは、日本人として差別経験を受けるといった日本人であることを意識させられる体験、あるいは、日本人であることが現実的にも有利であるといった状況に置かれることなどが前提になる。

反皇室の方々も、日本の中では、あたりまえで存在しなかった日本人としてのアイデンティティが外国に行って、初めて新たに自分のアイデンティティの構造の中に加わり、相対的に自己概念の中で大きな位置を占めることになるということがときに起こりうるのではないかと思います。

同じ日本人としてアイデンティティが共有できないのは、GHQの占領政策が皇室の共同性を解体させ・個人がある具体的な共同体に属することの内的な意味を希薄化させたことにあるかもしれないと私は考えています。

近年のグローバリゼーションは、外側から日本全体のあり方を揺さぶっている。今まで、国内問題としての天皇制・皇室に関する議論であったものが、ナショナルアイデンティティとしての天皇・皇室を意識せざるを得なくなったと思う。

歴史的に見れば、例のないことではない。日本は、江戸後期の本居宣長の国学~幕末の水戸学の隆盛とともに明治初期に知識階級の人びとによって、日本人としてのアイデンティティと伝統を再構築した。西欧のキリスト教国に対抗する為に、擬似一神教というべき、天皇制(皇室システム)を発明し、神道で国体(国家体制)を固め、その思想的基盤や徳目を武士道と論語で補足した。しかし、これも皇室が存在してはじめてできることである。

現在のグローバリゼーションのうねりの中で、日本人は、明治期とは異なるアイデンティティの再構築を求められている。私はその根幹を、天皇制(皇室システム)に求め、自我の安定ができていますが、天皇制を否定する可哀想な人達は、日本人としてのよりどころや共有意識を伴う「文化」として何を根幹にすえるのであろうか?

日本人としての共同体に帰属する心理的誘因が存介しているであろうか?より積極的に、日本人としてのナショナルァイデンティティ以上にコスモポリタンとしての意識をもつことを志向していた公言しようとしても、自我の自出に悩まないはずはない。

日本人であることは単なる国籍の問題であり、事実としての意味しかもたないと考える人びとも多くなってきているのだろうか?結果として、自分のアイデンティティを日本人というナショナルアイデンティティという単純なもののみではなく、自分自身で、何に「帰属意識」や「忠誠心」をもつかによって、収捨選択しているのだろうか?

世界はグローバリゼーションにより、以前とはまったく変わってしまった。複合的な帰属や結合の範囲が外側へと開かれ、国民国家を超えて広まりつつある「グローバリゼーション」の意味するものとは、何であろうか?元の場所にはもはやいかなる安定もなく、これから向かおうとする先も最終地点ではなく、自己アイデンティティとナショナルアイデンティティとの間にいかなる必然的結びつきも存在しないという事態かもしれません。グローバリゼーションの進展は、天皇制(皇室システム)を否定する人達にとって、自我が安定することは無いはずです。そういった不幸な人達は、絶えず不安を感じ、心の安定を手に入れることができないと思います。
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日経平均サイコロ0 サイコロゼロが意味するもの

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クリックすると見やすくなります。

上記は私が永年見慣れたリアルタイムでのサイコロや騰落レシオの確認画面です。
サイコロの項目はゼロと表示されるかと思ったらブランクで「0」と表示されませんでした。
記念に残しておきます。「私は日経平均サイコロゼロを目撃しました!」。

正直に告白しますと、株上昇=「善」株の下落=「悪」で価値判断をする私でございましたが、2008年7月4日(金)だけは「サイコロゼロ」を目撃したくて、「下がれ下がれ」日経平均の日中足の相場を見つめてしまいました。誠に申し訳ございませんでした。


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クリックすると見やすくなります。

過去日経平均サイコロゼロとサイコロ1のその後です。過去の経験則からいえば底打ちのシグナルとなるのですが、もしかしたら、このサイコロゼロが意味するものは、単純な底打ちシグナルではなく、21世紀初頭の世界を暗示する、歴史の峠にさしかかったシグナルであったのかもしれません。

注目の米国の雇用統計は予測の範囲内、3日の欧州中銀(ECB)理事会は0.25%の利上げを決め、たが、トリシェ総裁が「先行きについてバイアスは持っていない」と発言し、3日のNY市場でユーロ/ドルが1.56ドル後半に下落。現在も1ユーロ1.566ドルと逆にドル指数は上昇した。悪いニュースの大半が既に織り込まれているのかもしれない。今回も「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、歓喜の声の中で消えていく」であってほしい。また、「相場は悪魔の鏡」でもある。つまり、株価を形成する情報とは、合理的なもの、真実、会社の収益状況、技術力といったものだけではなく、群集心理、間違った噂や誤解、作為的嘘、恐怖心、熱狂的な思い込みなど投資家のあらゆる心理をも映し出したもので、相場は、「悪魔の鏡」なのです。

世界の株式市場の株価収益率は現在、14.3倍、東証予想で15.94倍、JASDQ15.34倍で、過去10年に見られた平均水準と比べて低く、90年代の平均も下回っている。「幽霊と相場師は淋しい方に出る」相場の格言に従えば、千載一遇のチャンスの始まりでもあるかもしれません。
 
ECBの利上げも、G8でドル防衛の合意をしている関係上、ECBの早急な次回の利上げも考えにくい。ユーロが一段の利上げをすれば、米欧金利差の拡大→ドル安→資源高→ユーロ圏インフレの加速となる。

ECB利上げの矛(ほこ)を収めたのは、国際協調路線を遵守するためではなく、ドル安がドル防衛の楯(たて)ではあるが、ECBの利上げインフレ防衛の楯を自ら攻撃することになる文字通り矛盾した金融政策である為である。7/2にポールソン米財務長官がECBを訪れ、トリシェ総裁と非公式に会談した際には、一定の圧力が加わった可能性も高い。 

他方、4日の米原油先物は1バレル=145.45ドルで、小生の原油天井宣言から20ドルも上回ってしまった。2年後には70~100ドルに収まる予想も若干不利になってきた。ヘッジファンドの一部がこの先のドル下落を見込み、ドルショート/原油ロングのポジションをかなり積み上げており、短期的な上下はあるにしても、ドルが下がると原油が上がる構図ができつつある。 同時に欧州系証券や商品投資顧問業者(CTA)が原油先物を買って株式先物を売るポジションを作る動きもある。

最近の急速な原油や鉄鉱石などの原料商品価格の上昇で企業の利益予想を下方修正をせざるを得なくなっている。その上でGMやフォードの倒産が囁かれるほどに、自動車販売が不振で、消費もスローダウンしており、コストアップを価格に転嫁する力が落ちて企業業績もだいぶ悲観せざるをえない。

加えて今後は、米大手銀行の4―6月期決算を控えて、巨額損失計上の思惑が株式市場の逆風になる。「米金融機関の決算だけでなく、国内輸出企業の4―6月期決算で原油高の影響などを確認したいとのムードが強くなってきた。マーケットの悲観的な見方は着実に強まっている。 サイコロゼロの意味する国内株式市場の絶望観はいまのところ深い。

結局のところ原油価格が今後どうなるかが、世界経済の命運を握っているのかもしれない。

石油市場に限って言えば、現物の需給はかなり緩んでいると思われる。価格上昇によってさすがの米国のガソリン消費も減少している。新興国の消費が多少増えていても、むしろ世界全体の在庫は増えているものと見られる。それにもかかわらずの価格上昇であり、まことに不自然な現象が続いている。

原油価格を押し上げているのは投機マネーだけではなく、年金資金政府系ファンドなどの商品市場に流入している資金は、投機筋の資金ではなく、株式市場、為替市場、債券市場を睨みながら移動している巨大グローバルマネーが問題である。

原油がバブルである状況であることは、投機筋自身が意識してもいるので、そういった資金の逃げ足も速いはずである。現状、石油市場に代わる投資先が無いから原油先物市場やコモディティ市場に滞留し、インフレを加熱させているのである。今後も暫く石油市場は急落と急騰を繰り返すと思われます。

米国では、減税のカンフル剤も8月頃にその効果も切れ、実態経済は底割にむかい、金融機関の信用不安がまた再燃している。4~6月で米シティ銀行が新たに1兆円の不良債権の追加償却に迫られているという話である。メリルリンチにも資産の評価損の拡大予想が出ている。
サブプライムローンなんて危険な融資だけではなく、金融の根幹を成す、プライムローン、クレジットの破綻や商業用の不動産担保融資の焦げ付きの発生などである。7月の中旬に米国大手金融機関の4~6月期の決算が公表される。

商業用不動産向けの融資残高は3兆ドルもある。サブプライムローンが1兆ドルであることを考えるとかなりの規模である。商業用不動産向けの融資は、サブプライムローンほどには杜撰に実行されたとは思われないが、商業用不動産の価格もバブル崩壊で下落が続いている。金融機関の信用不安は続くことになる。このままでは、FRBは年後半に利上げできる状況ではない。

石油価格の高騰がインフレを加速して、個人消費、企業業績の実態経済に悪影響を与える。信用不安は疑心暗鬼を招き、マクロ経済の回復が阻害されれば、商業用不動産住宅価格のさらなる下落を招く。またこれらの資産価格の下落が続けば、金融機関の経営安定がさらに遠のくということになる。まさに最悪のスタグフレーションのスパイラルに陥る。

さてここで、石油市場を安定させる提案。洞爺湖サミットで世界統一の石油先物市場を創設し、世界中の石油市場をつくり、市場の共通言語を日本語で行います。石油産出国から二酸化炭素がんじがらめの規制を強化するのである。原油先物市場の規制を、日本の優秀な官僚に任せ、思う存分好きなように規制を強化するのである。原油先物市場や商品市場が暴落し、二度と浮上しないことは確実。(冗談です)

真剣な提案。石油市場への参加者に二酸化炭素排出権を買い取らせる国際的仕組みを作れないであろうか?産油過去に二酸化炭素排出権買い取らせることも悪くはないと思ったが、そうすると減産してますます石油価格の高騰を招く。強欲なグローバルマネーを規制するには、二酸化炭素排出権を買い取らせる仕組みでも、国際的に協調して課税する仕組みを作り上げることはできないであろうか?

私から言わせれば、もともと二酸化炭素排出権取引など、海老の養殖ビジネス詐欺と50歩100歩の詐欺行為に近い。排出権を売った中国企業がその売った排出権で、環境改善をした話はあまり聞かない。ここはG7+中国インドが呉越同舟で検討すべき課題ではないだろうか?

もう一つ、石油市場に滞留するマネーの出口として、背に腹は代えられないので、日本の株式市場の開放+日本が円高政策へ転換もグローバルマネーの受け入れ先として実現性がある。手始めにブルドッグ***の経営陣を得意の国策捜査で血祭りに上げ、過剰な防衛をした企業へ制裁を加える。Jパワーはどさくさ紛れに日本政府が黙ってM&Aをしておく案は、机上の空論とはいえどうだろうか?

しかし、過去の歴史から鑑みると、経済の混乱の帰結は全て戦争である。米国がこれから世界に撒き散らす、食糧暴動→政権転覆→混乱の周辺国への拡大は、米国の世界戦略トランスフォーメーション戦略に合致している。紛争地域への米軍の介入は、イラク戦争を口実に不介入で、中ロEUに米国が今までしてきた役割を押し付け、疲弊を狙うかもしれない。またトランスフォーメーション戦略は都合が悪ければ、紛争回避の口実も作りやすい。

今後米国は自分の手を汚さずに世界で紛争の種を撒く戦略をとるかもしれない。

チベット、新疆ウイグル自治区の少数民族、中央アジア諸国を扇動し、中国のナショナリズムを高揚させ、民族運動とロシア、インド、北朝鮮、ベトナム国境を緊迫させるであろう。そして、中東は一段と緊迫化して、産油国に米国への要請をさせるようなことを画策するかもしれない。地下資源を有するアフリカ諸国は食料暴動が深刻化して、米国に治安維持を要請する国が出現するかもしれない。

米国はこのままただ指をくわえ、唯自国が破綻していくのを眺めているだけだと思ったら大きな勘違いであることだけは間違いない。

★あくまでも勝手で無責任な私見ですので、責任はもちません。★
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日経平均サイコロ1‼

本日7月2日 1965年(S40年)3月2日以来の日経平均は43年ぶりに10 日続落となった。この結果、日経平均のサイコロジカルライン(過去12 営業日で値上がりした日の数)は遂に1 まで低下した。
2007/11/02 から2007/11/13まで8日間続落した後11/19以来のサイコロ1である。

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短期的には、騰落レシオ83.0%で、サイコロ1であり東京株式市場は一旦自律反発のタイミングに近付いていると思います。(勘意外のなにものではない)
昨年11/19に15042 円で引けた日経平均は、2 日後の11 月21 日に14837 円で底入れし、12 月11 日に戻り高値16044円をつけるまで、約1200 円値上がりしたこともある。

国内要因のみで判断した場合日経平均はお買い得ゾーンにあることは間違いない。事実、東証1部の配当利回りは再び10 年国債の利回りを上回り始めている。

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しかし、外部要因を考えると気持ちが萎える。7/3ECB 理事会では、政策金利の引き上げが確実視されている。「欧州と米国の金利差拡大→ユーロ高・ドル安(円高)→原油高」という流れになるであろう。利上げが予想の範囲なのか否かでも変ってくる。
7/2発表される米6 月の雇用統計では、失業率の上振れや非農業部門雇用者数の下振れが予想を下回ると、米国株や日本株下げが加速する場面もあると見ている。

今日ガソリンスタンドではリッター180円を越えてきた、原油高が続き、世界的にインフレが炎上している。そして来月はいよいよ何か波乱が起きそうな北京オリンピックである。
ここで、溜池通信の引用 http://tameike.net/comments.htm#new
<6月30日>(月)

○岡崎研究所が定期的に行っている「日米台三極対話」の2006年東京会議の席上で、アメリカ側参加者のランディ・シュライバーが「2008年はパーフェクトストームになるかもしれない」と言っていたことをふと思い出しました。このシュライバー氏、アーミテージ一家の若頭みたいな存在で、見かけは優男だがノリは体育会系、というナイスガイを絵にかいたような人物ですが、それ以前には「米中関係は相互確証破壊(MAD)の経済版」という名セリフも残していて、こちらは溜池通信などで何度も紹介した記憶があります。

○さて、「パーフェクトストーム」というと、2000年ごろにそういうハリウッド映画があったので、単純に「2008年は大嵐の年だ」と解していたのですが、もうちょっと深い意味があるらしいのですね。ウィキペディアを引くと、"Perfect storm"はこんな風に説明してある。

The phrase perfect storm originates from the 1997 book The Perfect Storm which refers to the simultaneous occurrence of weather events which, taken individually, would be far less powerful than the storm resulting of their chance combination. Such occurrences are rare by their very nature, so that even a slight change in any one event contributing to the perfect storm would lessen its overall impact.


○つまり、同時発生的に数箇所で起きた天候の変化が、相互作用を起こして巨大な災害をもたらすというのが「パーフェクトストーム」であって、「バタフライ効果」や「シナジー」に近い意味を持つらしい。2008年という年は、米大統領選、北京五輪、台湾総統選など、いくつものイベントが重なるので、思いもかけぬ方向に物事が発展していくかもしれない、ということを言っているわけです。

○その2008年は、まさに今日、その前半戦を終了したわけですが、経済と安全保障の両面で嵐が発生してしまい、なるほどこれはただ事ならぬ状態に進みつつあるという感があります。特に経済面はひどいことになっている。昨年夏に発生したサブプライム危機という台風は、2つの方向に広がって惨事を拡大している。ひとつは米国経済の内部であり、住宅市場の下落および金融機関の経営悪化という問題を引き起こしている。そしてもうひとつは全世界的なインフレであり、米欧当局が踏み切った大規模な金融緩和が資源バブルをもたらしている。

○ここでまことに悩ましいことがある。つまり米国内の住宅&金融問題には金融緩和が必要であり、それは日本の前例を見ても自明のことである。ところがグローバルインフレの治療では金融の引き締めが必要である。そしておそらく、7月3日になればECBは利上げを行うだろう。Fedがそれに追随するかどうかはかなり悩ましく、「国内の住宅&金融問題とグローバルインフレ」のどちらを優先するか、腹をくくらなければならない。その場合、「不況で国はつぶれないが、悪性インフレでつぶれた政権はナンボでもある」という故事に学び、秋から利上げに踏み切るのではないか、というのが現時点のワシの読み筋である。

○となると、この間の為替の動きなどはかなり危なっかしい。教科書的には、「米ドルが利上げに向かうからドル高」となるけれども、大統領と財務長官と連銀議長の3人が勢ぞろいして「口先介入」を行うという辺りからしてかなり心もとない。為替市場というものは、この手の地雷があれば、誰かがかならず踏みに来るものではなかったか。92年のイギリス、94年のメキシコ、97年のタイ、98年のロシアなど、「わが国の通貨は大丈夫」と言うそばから狙い撃ちされていったものである。2008年のアメリカだけは例外になると誰がいえようか。

○こういう経済面の不安に加えて、安全保障面でも不穏な空気が流れているような気がする。例えば中東。米大統領選挙はオバマ候補優勢になっており、オバマの外交方針は「話し合い路線」である。では、次期大統領は「悪の枢軸」とでも話し合うのか、ということになったとき、イスラエルは果たして黙っているだろうか。イランの核施設攻撃、みたいな挙に出るのではないか。

○上記はかなり極端なケースだが、北京五輪が大荒れになってしまう、という可能性だってなくはない。吹浦忠正さんが指摘している「北京五輪10の杞憂」をご覧ください。東京五輪の実務を体験されているだけあって、以下のような懸念が単なる「杞憂」とは思われません。

① 大会期間中に地震、テロ、国内での暴動、新型ウィルスによる感染症が発生すること。
② 中国と台湾が統一チームとなること。
③ 星条旗、英国国旗など主要国の国旗が逆掲揚されること。
④ 開会式のさなかに、選手・役員または観客席でチベットの“国旗”が振られること。
⑤ 中国の偏狭な愛国主義が昂揚して、反日的な観衆がいたりして、応援がアンフェアになること。
⑥ 競技施設工事が間に合わなかったり、手抜き工事で競技施設が崩壊すること。
⑦ 器具に不具合が生じ、競技が中断したり、選手が怪我をしたり、情報機能が混乱すること。
⑧ 新たな国が核実験をすること。
⑨ 競技中にものが投げ入れられたりして、競技の継続に支障がおきること。
⑩ 台湾の選手が入賞した際に、表彰式が混乱すること。

○ほかにも「開会式に金正日が出席して、ブッシュ大統領と鉢合わせする」など、いくらでもトラブルの種はある。こんな風に、経済面と安全保障面の両方の嵐が重なって、予想もつかない騒ぎに発展してしまうんじゃないか。ということで、この夏は「パーフェクトストーム」にご用心。――ちなみに「7月1日」は、例の「足して8になる危険日」に当たりますぞ。(不規則発言の6月2日分をご参照) http://tameike.net/diary/june08.htm

要するに、北京オリンピック以降は危険なのである。夏以降は、米国の減税処置に伴う反動も恐い。米株は例年巨額の税還付で5月まで株高との季節性があり。例年税還付のピッチが緩む3月に株価の反落となったのも、パターン通り今年は7月初までのブッシュ減税が上乗せ。過去の戻し税時も株価をサポート・設備投資減税は年内稼動が条件。10-3月
の設備投資は枯れやすい。同様のケースであった2004年、2005年はいずれも10月底値。
年央が売り場、10月以降が買場となるかもしれません。

下値は、3/14安値 11787が意識されるのではないか?万が一そこが破られたら、10500円までの下落が予想されます。

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※、このブログは私の好き勝手な批評ですので、当たらなくても文句を言わないで下さい。
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6月24日深夜、私のブログで、ECBが利上げしない限りユーロ天井と書いたとたんに、

 [フランクフルト 25日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は25日、欧州議会の経済金融委員会で証言し、7月の理事会で利上げする可能性をあらためて示唆した。ただ、複数回の利上げの可能性には言及しなかった。
 トリシェ総裁は、ECBが高度の警戒状態にあると述べるとともに、賃金と物価のスパイラル的なインフレを招くリスクが特に高まっているとの認識を示した。
 7月利上げの方針を確認することはなかったものの、小幅利上げする可能性がある、との6月理事会後の会見で示した見解を繰り返した。
 総裁は「6月5日に理事会を代表して述べたことに付け加えることも取り消すこともない」とし、「インフレ期待をしっかり抑えるために、次回の理事会で小幅に金利を動かす可能性があると述べた。その可能性がある、と述べた」と語った。
 6月理事会後、金融市場は7月の25ベーシスポイント(bp)利上げ、さらに年末までの25bp追加利上げの可能性を織り込んだ。
 一部のECB理事会メンバーは、さらなる引き締めの可能性は排除できないとの見方を示す一方で、トリシェ総裁はこの日の証言で、複数回の利上げに言及したことはないと言明。「ECB理事会のスポークスマンは一人しかいない。まったく単純なことだ」と述べた。
 「複数回の利上げを想定しているとは言っていない」と述べたうえで「ただし、もちろん前もってコミットすることは決してない」と付け加えた。
 
以上のニュースが流れた、Ddog的には大恥である。

トリシェ総裁の証言について、アナリストは7月利上げ観測を確認するものとして7月3日のECB 理事会では。0.25%の利上げ予想する見方が大勢を占めている。

6 月5 日の定例理事会では政策金利の据え置きを12 ヶ月連続で決定(年4.0%)。しかし、原油高や食糧価格上昇による物価上昇圧力の高まりでトリシェ総裁はインフレ進行に警戒感を表明してはいたが、G8でドル防衛の話し合いが行われ、ドル防衛の合意がなされたが、トリシェに無視されたことになる。

[フランクフルト 27日 ロイター] ポールソン米財務長官は来週、トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁と会談する。米財務省は今週、ポールソン財務長官が6月29日から7月3日まで、モスクワ、ベルリン、フランクフルト、およびロンドンを訪問することを明らかにした。
 ECBの報道官は、同財務長官がフランクフルトのECB本部を1日に訪問することを確認した。
 財務省によると、欧州での会談は世界経済などが中心となり、為替問題も議題となる可能性がある。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/reuters/20080628/163942/

とりあえず、7/1のポールソン米財務長官、トリシェECB総裁との会談の推移を見守りたいところだ。

基軸通貨ドルがぶれるということは世界中でインフレが炎上中することを意味します。(我が家の家計も火の車で炎上中ですが、まもなく燃え尽きそうです。)

世界インフレはまだ始まったばかりかもしれない。ガソリン、小麦粉、卵、食パン、バター、米(世界的には)身近なものが上昇しているが、1970年代の物価上昇から比べればまだ初期段階かもしれない。

インフレの主因は原油高であることに間違いが無い。そこで、堺屋太一氏が通産省退官前に書いた初期の小説「油断」(1975年)を読み返してみると、まるで今日のことを予言する小説でもありました。
ホルムズ海峡が封鎖となり、原油の供給が止まり、国内に餓死者を含む犠牲者が出る可能性を予測した、日本列島沈没やノストラダムスの大予言など当時のベストセラー小説とは格段にリアリィティのあるフィクションでした。皆様も今日的状況の把握と今後の予測に、読み返してみてはいかがでしょうか?
《油断のあらすじ》
ある日、中東で戦争が勃発。石油の供給が断たれ、麻痺していく日本。そして198日後、300万人の生命と、国民財産の7割が失われていた――。本作、つまり時代を震撼させた「警世の予測小説」は、著者を交えた各分野の研究者によって、現実に精密な計算によって弾きだされた予測だった。著者はそれを小説のかたちをとって世に問うたのだ。資源貧国・日本があてもなき「依存」を省みるのに、十分すぎるほどの戦慄を覚えるフィクションの傑作。 
http://www.timebooktown.jp/Service/bookinfo.asp?cont_id=CBJPPL1C0660200W

農産物といえども、先進国の農業は耕運機、輸送、肥料、ありとあらゆる過程で原油がなくては成立しない。まして漁業は燃料がなくては致命的だ。

石油や化石燃料を製造や輸送の過程で使わない商品はほとんどない。私は現在東急沿線に住まいがあるので、買い物や通勤などほとんど車を利用しなくても生活が出来るが、以前地方都市に住んでいた。何処へ行くにも車無しでは生きていけなかった。さしずめ引きこもりにでもなるしかなかったろうが、買い物はやむをえずするだろう。それでも走行距離と回数は極力減らし、まとめ買いをするか、自転車バイクに切り替えていたかもしれない。

日本なら限界集落でもなければ、バイクで済むかもしれないが、構造的に車社会のアメリカの都市は想像するだけ恐ろしい。原油価格が200ドルにでもなれば、田舎町は機能すらしなくなるかもしれない。MadMaxか北斗の拳の世紀末的風景が目に浮かんでしまう。

CPI(消費者物価指数)は日本の場合まだ完全にデフレを脱していないというが、子供時代に体験した1970年代のオイルショックー狂乱物価時の風景を思い起こす。

1970年代の2ケタのインフレと、2ケタの金利、当時のインフレは毎日のように物価が上昇し、物価が上昇するから、その懸念でモノが買われ、その循環需要でスパイラル的に物価が上昇した。当時各国の主要政策は、インフレを最優先した為に、市中は資金不足に陥り、個人・企業が消費と投資を控え「スタグフレーション」という言葉を小学生であった私も覚えたほどだ。

先進各国政府はインフレ対策として賃金や価絡の引き上げを抑える「賃金・価格統制」がとられた。今のコンビニ規制ではないが、TVの終了時間が早まり、ネオンの規制で、東京タワーも早々消灯日本とドイツでは日曜日のマイカー利用の自粛、ガソリンスタンドの日曜・祝日全面休業とか、米国ではガソリン配給制などもあった。今日の状況はまだまだ生ぬるくも感じる。

米国で、日本車が認知されたのは当にそんな時代であった。ホンダのCVCCエンジンのシビック。トヨタカローラの人気が一気に高まった。

今回の原油高騰は、一気に新エネルギー、脱石油社会が急加速で訪れることとなろう。太陽光発電、電気自動車、非食料原料のバイオオイル、藻原料のエネルギー、潮流発電etc・・・。
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/8723465.html
一気に技術革新が訪れることは間違いない。日本の産業界は再度浮上する可能性は大きい。

1970年代、ドルの金兌換の停止を宣言するドルショックはドルの信認低下に見舞われ、インフレ抑制のために大幅利上げが必要だったが、大恐慌の再発が懸念されていたため、FRBが通貨供給しない為、単独で大恐慌を引き起こす前に米国では「FRB国有化」の議論が浮上していたとの記事もあった。

今日の「サブプライム問題」以降のドルの信認の低下とインフレは1970年代当時そのままであるかもしれない。行き場を失った投機資金は新興国の成長による資源需要の急増、さらにはピークオイル思惑と合致し、これが「原油高」に拍車をかけた。さらには穀物食料、資源高に波及し、「インフレ圧力」を世界に撒き散らしつつある。行き着く先は、70年代の価格統制は考えにくいものの、原油高とインフレが各国同時増税のような負の効果を発揮し、「世界経済同時不況時代」に突入することになるのだろう。
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今後2~3年で原油価格は200ドルを超え、300ドル・400ドルとなってしまうのだろうか?
中国が元凶かと思うが、元高でコスト高、人件費もUPとなり成長の限界が見え出している。
ひとまず、五輪が無事に終了するか見届けてからでも行動するのも遅くはないかもしれません。
ちなみに、北京五輪のインフラは整備したが、肝心の五輪ツアー客はほとんど北京を訪れなさそうだ。
【米流時評】
http://beiryu2.exblog.jp/8176111

資源価格の高騰を抑える“裏技”として、資源のドル決済をやめることを検討している動きがあります。ドル安で目減りする自国通貨換算分がなくなる為、資源にドル換算マイナス分を上乗せする圧力が減るメリットがある。ロシア大統領のメドベージェフ氏は以前、「輸出取引をルーブル建てにしたい」と発言し、中国は外貨準備の運用先をユーロなどにシフトしつつあります。日本も円高となれば相殺できます。つまり利上げです。米国としては、「基軸通貨ドル」防衛論の本質は「脱・米国」の世界潮流への米国の危機感でもあります。

ECBが7月利上げをもし強行すれば、ドルがユーロに対して売られ、石油や金も一段と上昇、⇒米国・中国経済の失墜に備えるしかないでしょう。
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①米国のテロリスト国家に対するテロ支援国家解除について
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/11709131.html
の続き

一方「北東アジア安保」派は、米中が平和主義国家であるかの錯誤をしている。両国とも日本のような平和の惰眠を貪る国家ではないのだ。

田中宇曰く今後、日本に脅威を与えそうな周辺諸国との関係は、新安保体制の中で解消される方向が定着し、アメリカにとっては、米軍を日本に駐留させておく必要がなくなる。在日米軍の撤退と、日米安保同盟の解消が、次の段階として見えてくる。隣の韓国ではすでに、在韓米軍の撤退傾向が定着している。

確かに日本国内に常駐する米軍は少なくなるかもしれない。三沢や岩国などは米本土に移転する可能性もあるが、米国軍の「トランスフォーメーション」戦略を理解していれば、田中宇氏の、米軍の撤退と日米安保をリンケージした考え方は成立しない。
スティーヴン・ M・ウォルト氏の【米国世界戦略の核心  世界はアメリカンパワーを制御できるか】より抜粋
 アメリカがまず優先しなければならないのは、現在の優位をできるだけ長く保つ、ということだ。このためには、アメリカは世界の国々に向かって「アメリカの優位が他の選択肢よりも遥かに好ましいものだ」ということを納得させなければならない。この目標を達成するためには、アメリカの対外政策に欠如しがちな(もちろん、これはアメリカにとってこれまで必要がなかったから欠如していた部分なのだが)ある一定のレベルの判断力と自己抑制が必要とされる。したがって、今日からアメリカは生まれ変わらなければならない。なぜなら、アメリカは今まで地理・歴史・度重なる幸運などで驚くべき有利な条件に恵まれてきたが、それらの全てを一瞬で浪費してしまうことも可能だからだ。また、友好国と結んでいる現在のパートナーシップの消滅を早め、アメリカの封じ込めを狙った新しい国際的な枠組みの登場まで許してしまえば、最終的にそのツケを支払うことになるのは他でもない、当のアメリカ白身なのである。

日中韓三国の結束を最も警戒しているのは米国に他ならない。田中宇の描く、多極化社会で、ヨーロッパ連合と等しくアジアの連合体が完成してしまえば、米国の地位低下はもとより、自国の国益の低下を望むとは思えない。

また、米国エスタブリッシュメントと中国は共産党の利害が一致して、切っても切り離せない関係になってしまっている説を説く青木直人氏の意見も疑問だ。

もはや中国のコスト上昇や、人口構成を考えれば中国の成長の限界が見え出している。過熱する中国のナショナリズム、また経済や情報などかつて共産党の制御下にあったものの制御が利かなくなりつつある。米国のエスタブリッシュメントと共産党の利害がいつまで一致するか疑問である。

古森氏のブログで、米国内にも根強い反対論があることを紹介しています。
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/616380/

 ■根強い反対論 
しかしブッシュ政権は明らかに対北朝鮮政策のこの部分を変えてしまった。

  この変転だけをみる限り変節とか背信と評しても、そう的外れではないだろう。実際に米国側でもこの政策変更を批判的にとらえ、日本側が黙って受け入れるべきではないと主張する関係者は多い。 

 北朝鮮の核兵器開発問題をここ十数年追ってきた議会調査局のラリー・ニクシュ専門官は「この点だけに絞れば、日本側からSELLOUT(裏切り)と断じられても不当ではない」と語る。

  ブッシュ政権の1期目で国務次官として北朝鮮と交渉したジョン・ボルトン氏も「北朝鮮の核兵器を破棄させないまま、テロ国家指定だけを解除することは当初の政策を逆転させる欠陥だらけの融和策で、日本への悪影響も大きい」と非難する。 

 確かにライス・ヒル主導の交渉では北朝鮮の核兵器に関して、寧辺地区のプルトニウム抽出施設の「無能力化」を求めるだけで、濃縮ウランなど隠された核やシリア、イランへの核技術の拡散などは不問だった。

  だからこそ、拉致へのリンケージを除いても北朝鮮に報奨を与える「テロ指定解除」への反対が議会でも広範なのである。 

 ■外交成果狙い 

 しかしブッシュ政権はなぜこんな拙速な対応を急にとるに至ったのか。 

 朝鮮情勢を専門とするヘリテージ財団のブルース・クリングナー研究員は「任期の残り少ないブッシュ政権が外交成果を誇示したいからだろう」と診断する。

  大統領選が過熱してバラク・オバマ候補がブッシュ外交の全否定を叫び始める前に区切りをつけるというブッシュ政権の狙いを指摘する向きもある。 

 それにしても、日本人拉致の悲劇への強い同情を事あるごとに表明してきたブッシュ大統領自身が、なぜ結果として拉致解決を軽視する方向へと動いたのか。

  「ライス国務長官が北朝鮮核問題への対応を優先させても拉致への悪影響は少ないという趣旨を大統領に説き、一任の同意を得た」(ニクシュ氏)という見方が有力である。 

 日本側では「拉致議連」の平沼赳夫、松原仁、西村真悟各議員らが頻繁に訪米し異例の集中度で北朝鮮のテロ国家指定解除への反対を訴えてきた。その結果、米国議会での同趣旨の反対は明らかに、輪を広げ、勢いを強めた。 

 ブッシュ政権はたとえ指定解除を決めても、その実施には議会の同意を得ねばならない。

  議会では下院ですでに北朝鮮が核拡散での潔白を証さない限り、指定解除はないとする法案が可決され、上院でも同種の動きがある。

  日本側が指定解除への流れに改めて激しく反発すれば、米国議会でのこうした動きもさらに強化され、指定解除の見通しは減ることとなる。 

 日本があくまで反対を貫く場合、具体的な政策オプションとしては(1)6カ国協議からの撤退(2)北朝鮮の「核申告」の承認への反対(3)米国の北指定解除への反対の公式表明(4)寧辺施設の破壊作業への経費支出の拒否-などがある。

  いずれの選択も日米関係への新たな摩擦のリスクをはらむが、みなそれなりに米側内部の反対論を鼓舞する効果をも秘める。

しかし、大統領の拒否権でテロ指定は解除されてしまう。

いいかげん日本も米国に対して影響力を行使すべきだろうと思うが、実は目立たぬよう動いている。日高義樹氏の「アメリカ狂乱」P34~38
ひとつはマケイン上院議員の二〇〇八年二月二十日の大統領選挙運動の収支決算で、二〇〇七年十月一日から十二月三十一日の三カ月間にあわせて三千七百三万六千四十九ドル七十七セントの収入があったことをFEC連邦選挙委員会に報告している。 
その報告書には、財務責任者としてジョセフ・シューマックラー氏が署名をしていた。もうひとつはそのシューマックラー氏が二〇〇七年十月四日付けで三菱UFJ証券の国際担当責任者に任命されたことである。シューマックラー氏はアメリカの三菱UFJ証券の会長に就任し、三菱UFJグループの最初の外国人重役になった。 
(略)
マケイン陣営は予備選挙戦が始まり、全米的な関心を集めている異色の民主党大統領侯補たち、黒人のオバマと女性のヒラリーに対抗するために、これまでとは違った方法で政治資金を集め、これまでと異なる支持者たちを集めるべく努力し始めた。 
その中心になったのが、日本の金融機関三菱UFJ証券のアメリカ会長、ジョセフ.シューマックラー氏だった。彼が実際にどのように動いたのか、いかに活躍したかは、二〇〇八年三月の時点ではまったく明らかになっていない。だがはっきりしているのは、シューマックラー会長がマケイン陣営の資金集めの責任者になり、マケインの起死回生を実現させたことだ。 
スーパー・チューズデーのあと資金ぐりが難しくなった大統領候補たちの中で、ふんだんな資金を手にしたマケインは予備選挙で鮮やかな勝利を次々に手にしたが、シューマックラー氏の手腕によるところが大きいのは明らかだ。
資金難のマケイン候補に、手を差し伸べたのは、ジャパンマネーであり、日本のインテリジェンスが機能し始めた可能性がある。チャイナマネーの推すヒラリークリントンはオバマ候補に敗れた。ヒラリー大統領の米国だけは日本の国益に反することは明白だった。
米国のリベラルなマスコミを除き中国に対してネガティブな感情がGoodを上回っている。http://pewglobal.org/reports/pdf/260.pdf
ちなみに、中国は米国の友好国か敵か?のアンケートでは、友好国13%・敵34%・どちらでもない41%その他12%
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=teconomy&page=2&nid=3600229&start_range=3594282&end_range=3600856

今、アメリカは日本にうしろめたさを持っているはずである。これを機に福田さんが洞爺湖サミットの席上でさらっと「日米構造協議と年次改革要望書」ぐらい廃止を提案てもアメリカは嫌とはいえないはずである。

たとえ、裏側でどういったやり取りがあるにせよ、日本政府は北朝鮮のテロ支援国家解除に強く反発すべき時である。米国に対してNo!と言うチャンスである。特に与党は米国にむけてではなく、日本国民向けであっても、言うべきである。ここで反対しておくことが重要である。アメリカはテロ支援国を解除したが、日本は反対、そうすれば日本の援助資金を北朝鮮へ渡すなど言語道断である。資金援助はテロ支援国を解除した国が勝手にやればよい。

今後左翼や朝日新聞の贖罪史観の連中は勢いづき、北朝鮮の利権に群がろうとする政治家が、拉致問題にこだわっていては何も進展しないとか言い出すだろう。そして、今こそ日朝友好とか言い出すだろう。私はこれを厳しく批判します。
左翼や朝日新聞の贖罪史観の連中北朝鮮利権に群がろうとする日朝友好議員連盟に名を連ねるような政治家を粉砕するのがネットブロガーの使命かもしれません。


①米国のテロリスト国家に対するテロ支援国家解除について
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/11709131.html
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米国のテロリスト国家に対するテロ支援国家解除についての考察。

MSN産経ニュース
 【主張】北の核計画申告 不十分な内容を憂慮する
北朝鮮が核計画の申告書を提出したことを受け、ブッシュ米大統領はテロ支援国家指定解除の通告を議会に行った。
 かねて予想された事態とはいえ、日本にとって死活的に重要な核兵器情報が除外、先送りされるなど、きわめて遺憾である。申告は厳しく検証されるというが、指定解除が発効する45日間でどこまで、実効的かつ完全な検証ができるのか、憂慮せざるを得ない。
 北がテロ支援国家指定リストからはずれれば、経済支援なども可能となる。「拉致解決なくして北支援なし」は日本の国論ともなっている。それだけに今回の米政府の措置は拉致問題の解決にブレーキをかけ、日本の国益を損ないかねない。ただ指定解除が最終的に決まったわけではない。日本は窮地に追い込まれないよう、総力を挙げるべきときだ。
 申告書には、核爆弾の原料となるプルトニウムの抽出量や核施設の稼働実績などが記載されている。争点になっていた(1)高濃縮ウランによる核開発(2)シリアの核開発への協力-に関しては申告書とは別の文書に盛り込まれた。北の主張に米側が譲歩した格好だ。
 核兵器に関しては、核廃棄への「第3段階」に先送りされた。
 今回の申告は、2005年9月の6カ国協議国による共同声明を基本にしている。この声明で北朝鮮は「すべての核兵器および既存の核計画を放棄することを約束した」とうたっているだけに大きく後退しているのは明らかだ。
 北がテロ支援国家に指定されたのは大韓航空機爆破事件の翌1988年からだ。指定解除には対象国が(1)過去6カ月間、テロを支援したことがない(2)将来テロを支援しないと確約している-の2点を証明しなければならない。
 だが、忘れてならないのは、米政府が拉致事件をテロ支援国家指定の条件に加えると言明したことだ。小泉純一郎元首相の訪朝後、当時のアーミテージ国務副長官などの発言であり、拉致事件は2004年公表された「国際テロ年次報告書」から明記されている。拉致は現在進行形のテロであることを銘記すべきだ。
 日本政府は米政府などとこうした認識を共有する努力をどの程度払ったのだろうか。米議会が指定解除を覆すには新たな立法が必要となる。外務省だけでなく、与野党議員もあらゆるルートを駆使して巻き返しを図ってほしい。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080627/kor0806270320002-n1.htm

米国によるテロ支援国家指定解除について、福田首相は「歓迎すべきこと」と発言しました。福田首相は親中派の顔をした親台湾派であり、彼は一流の狸であることを考えると、その発言の真意、米国と北朝鮮の間での裏読みがあってのことと思います。

しかし、私は一日本人として米国務省、北朝鮮、官邸・外務省への失望と怒りの感情を止めることは難しい。今回はヒステリックな非難をブログで書いても無駄なので、外交無能政府への非難の論評とはせず、拉致被害者を置き去りにしてまでも、なぜ、米国と北朝鮮が妥協したのだろうか?その裏側を考察してみました。

ブッシュ政権は、クリストファー・ヒル国務次官補が北朝鮮の金桂寛外務次官と06年11月、07年1月と会談を重ねるまでは、一貫して北朝鮮の指定解除には日本人拉致事件の解決への進展が必要だとする核と拉致問題に関してはリンケージ政策を掲げてきた。

ところが、ブッシュ政権は昨年対北朝鮮政策で大きく舵を切ったことは間違いなさそうだ。ヒル-キムゲダン会談により「テロ支援国家解除」が秒読みとなることは予想される事態であった。

この裏読みには二つの大きく異なる見方がある。
「北朝鮮と台湾に東アジアの現存秩序を破壊させないことが米中の共通利益である」とする米中安保体制確立論。
北朝鮮の国家生存権の保障を中国から、米国に託した、中朝開戦論(米中対立論)である。

米中接近説でこの事態の説明を試みる意見として、田中宇氏 「日米安保から北東アジア安保へ」
http://tanakanews.com/080624eastasia.htm 
や、青木直人氏「テロ指定解除」
http://aoki.trycomp.com/2008/06/post-47.html 
などがあります。
中朝開戦論は 佐々木敏氏アカシックレコードの「中朝開戦論」があります。
http://www.akashic-record.com/y2008/ckmbdr.html#02


米国は当初二国間会談を拒否し、6カ国会談でしか交渉テーブルに就かないことを公言していた。これに対して米国を二カ国協議のテーブルに就かせる為に、北朝鮮はミサイル連射実験を行い、最後は核実験まで行われた。

結論から言えば、「北東アジア安保」体制論には多くの点で無理があり、中朝開戦論もいささか突拍子もなくはないが、北朝鮮の得意とする「等距離外交」の新装開店復活ではないかと思います。

北朝鮮は、スターリン批判後の中ソの対立を利用して互いに牽制させる「中ソ等距離外交」   をソ連が崩壊する1991年まで繰り返してきました。北朝鮮は中ソ両国に対し強請タカリの巧みな提案外交を行い、援助引き出しすることに成功している。強請タカリ能力にかけては、まさにお家芸である。かつての北朝鮮の得意とした中ソバランス戦略(蝙蝠外交)を米中に置き換え、新装開店し復活したにすぎないのではないだろうか?

朝鮮半島の歴史は、巨大な強国である中国歴代王朝の北方シナ方面からの侵略圧力に対してどう対処するかの歴史でもあった。今の北朝鮮は中国の属国ではない証拠に自国内に中国軍の駐留を許すことはなかった。

ヒル-キムゲダン会談の中身ははたして何であったか?北朝鮮が核廃棄を紳士に米国に提案したとは思えない、米国も北朝鮮の核廃棄を真剣に信じるほど馬鹿ではないだろう。

産経新聞2007年8月10日付朝刊1面「米の協調路線 背景に金総書記メッセージ」によると、北朝鮮のキム・ジョンイル(金正日)総書記は2006年10月の「偽装核実験」のあと「朝米関係を正常化し韓国以上に親密な米国のパートナーになる」というメッセージをブッシュ米大統領に送ったという。

北朝鮮の核(ミサイル)開発の仮想敵国は日本や韓国ではなく、対中国の金王朝転覆に備えるためである説の方が動機として説得力がある。1991年東西冷戦の終結を受けて、北朝鮮と韓国が同時に国連に加盟した。その時点で、北朝鮮と韓国はお互いに独立国家としての正統性の問題には、いちおうの決着が付いた。北朝鮮金王朝にとっても韓国および在韓米軍の軍事的脅威は低くなった。半島国・北朝鮮にとって、韓国や米国の圧力より中国の圧力の懸念の方が高い。北朝鮮金王朝にとって脅威となるのは、自国民と中国共産党以外無くなったに等しい。

北朝鮮の核開発が具体化したのは1990年初頭である。1989年天安門事件。ベルリンの壁の消滅、1990年湾岸戦争、東西ドイツ統一、1991年ソ連邦崩壊、1994年金日成死去、金王朝が朝鮮半島の統一を望まず、王朝の延命を第一目標の核開発である。

ソ連邦の解体、東側陣営の崩壊は、中国共産党にとっても脅威である。もし、北朝鮮の国家体制が崩壊して韓国に吸収され、北朝鮮最北端の中国との国境線、鴨緑江の沿岸にまで米軍が進出する可能性がでてきた。

中国としては、北朝鮮の体制崩壊は即自国の体制崩壊に繋がる可能性があるため。やむをず、石油や食糧の援助を北朝鮮にしてはいるが、いつ米国の勢力圏にはいるかわからないので、半島の統一を回避したい思惑もあったと思う。中国共産党の防衛策を考えれば、金王朝崩壊の兆しが有れば、地政学上占領する必要がある。

金日成は、1994年7月8日に死去した。このことは北朝鮮崩壊へ繋がる動きではないかと、考えた。心臓病を患い、巨大な瘤や82歳と年齢的なことを考えれば一般には病死は事実と考えられているが、金正日との対立や暗殺を疑う声が上がった。

1992年1月30日に金日成は「国際原子力機関」(IAEA)の核査察協定に調印したが、早くも1993年3月には「核拡散防止条約」(NPT)を脱退し、1994年3月にはIAEAまで脱退し、査察拒否を表明し、核開発疑惑が強まった。これに危機感を覚えたアメリカは同年6月、ジミー・カーター元米大統領を北朝鮮へ派遣する。カーターとの会談で金日成は韓国大統領金泳三との南北首脳会談実施の提案を受け入れた。

核米朝間の緊張が最高度に達した直後に米朝枠組み合意に決定的な役割を果した金日成は中国から見れば危険な存在である。金日成の死去の中国が関わっていたか真相は基本的に不明である。北朝鮮もこの中国の圧力を感じていたはずである。

2007年2月の「6か国協議」で核施設も閉鎖、無能力化すれば最大で100万トンの重油(に相当する支援)を米国を含む6か国協議参加国からタダでもらえる、という「合意」が成立した。北朝鮮の年間石油輸入量は100万トンとも言われており、それに匹敵する重油(を輸入するための金銭)を米国が単独で北朝鮮に与えることが可能になった。

石油を手に入れれば中国から援助を貰う必要が無くなり、中国からの圧力に抗することも可能となる。

米国からすれば、北朝鮮を寝返らせることは、対中国政策でこの上ない戦略的魅力でもある。この魅力に比べ、拉致被害者への同情など秤にかけることすら米国は考えないであろう。

②米国のテロリスト国家に対するテロ支援国家解除についてへ続く。
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/11709712.html
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「グッドウィル」が廃業のニュース MSN産経新聞ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080625/biz0806252107021-n1.htm
グッドウィル廃業、日雇い派遣規制強化へ
2008.6.25 21:07 
 日雇い派遣大手のグッドウィルが廃業を決めたことで、日雇い派遣の規制強化の動きが強まりそうだ。日雇い派遣は、1日単位の派遣契約で、仕事がある度にメールなどで呼び出されて働く雇用形態。雇用が不安定なうえ、安全教育などが不十分で労災事故が起きるなど社会問題になっている。
 建設・港湾など禁止業種への派遣、派遣先からさらに別の事業所に派遣される二重派遣と違法行為も日雇い派遣で相次いだ。大手のフルキャストが昨年8月、グッドウィルは今年1月に事業停止命令も受けた。
 日雇い派遣をめぐっては、民主党など野党は原則禁止を主張。与党も公明党が原則禁止を表明し、自民党と調整している。「7月上旬には与党案が出る」(厚生労働省)見通しだ。政府・与党は、8月下旬に招集される臨時国会中に日雇い派遣の原則禁止を盛り込んだ労働者派遣法の改正案の提出を目指す。
 日雇い派遣ではフルキャストと並ぶ大手グッドウィルの廃業が経済界に与える影響は大きい。日本人材派遣協会は、「安全教育の徹底など見直すべき所は見直さなければならないが、日雇い派遣は企業側、労働者側双方にニーズがある」と原則禁止に反対する。
 国際会議の通訳など専門的職種以外でもダイレクトメールの封入業務、イベントの販売職、引っ越し作業など繁閑が1日単位である職種は多く、派遣先企業の経営者も「(日雇い派遣が)有効に機能している分野も多い」と反論する。特にアルバイトを直接雇用するための募集経費をかけられない中小企業は、日雇い派遣がなくなることへの危機感は強い。
 派遣協会は、製造業のライン勤務などで社会保険逃れのための日雇い派遣契約を禁止する自主ルールを策定した。違反企業は社名公表というペナルティーがある。しかし人材派遣会社は全国に約1万社あり、約800社の協会加盟社以外には適用されない自主ルールでは限界もある。
 厚労省は労働者派遣法改正に向けた議論のなかで日雇い派遣についても協議している。7月に有識者会議の報告を受けて日雇い派遣の禁止職種など具体的内容を詰める予定だが、「例外をどう認めるかは難しい」(厚労省)と話す。ただ日雇い派遣の規制強化により、企業が正社員の雇用を増やすかは未知数だ。
(財川典男)
結局、辞任した折口雅博はグッドウィルを残せなかったか。わずか13年の栄華であった。
今件は、折口らの責任もさることながら、小泉政権時代に安易に施行された「改正職業安定法及び改正労働者派遣法」がもたらした弊害であることは、誰でも思うことだろう。

かつて日本の身分社会は「士農工商」であった。当然権威の順番で、士→農→工→商の序列ですが、実際の経済力の序列は商→工→農→士の順番で、権威と経済力の順番が真逆であった。この身分社会が、世界史的にも稀有な江戸時代の平和と安定をもたらした、秘密であった。

ならば、現代は如何に。権威の順でいくと、公(公務員)→能(企業経営者:能力労働者)→正(正社員)→使(使い捨て派遣労働者)「公能正使」の順で、経済力も同じ序列である。(意見はあろうが・・・)これでは社会が安定しない。

失職するリスク順でいくと、「使能正公」です。これでは社会の安定は望めません。
社会を安定させるには、派遣社員の時間給は極力高くし、社員より月収を多くし、公務員を薄給にすべきです。大阪府の府組合委員長及び、府職員組合の無責任な合理化安拒否の姿勢は全く酷い。あれじゃ大阪府民の皆様も許し難いでしょう。
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米、金利据え置きの公算 24日からFOMC
 【ワシントン=米山雄介】米連邦準備理事会(FRB)は24日から2日間の日程で、金融政策を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。原油や食料価格の高騰で物価に上昇圧力がかかっているため、昨年9月から続けてきた利下げを休止し、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を現行の年2.0%に据え置く公算が大きい。
 金融政策の判断は25日午後に発表する。声明で米景気見通しやインフレ懸念にどのように言及するかも焦点となる。(07:03) 
NIKKEIネット 
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080624AT2M2301Y23062008.html

今回のFOMCは据え置きとの見方であるが、利上げ方向転換を更に一層匂わすだろう。

シカゴ筋の円ドルドルユーロのポジションを見てください。
イメージ 1

円ドル
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ドルユーロ
いずれもドルロング(ドル買い)トレンドになってきている。


昨夜23日NHKの特集でサブプライム問題の特集を組んでいた。
マネー⇒ドル市場(サブプライム関連商品)⇒コモディティ(金・石油・穀物)への資金の流れを誰でもわかり易く説明していた。マネーの激流は石油市場に現在流入中だ、資源の枯渇を折込にはいっているので、今回はバブルではなく、水準訂正であるとの意見もあるが、正真正銘のバブルであろう。

バブルの真っ最中にはバブルであることに気がつかないものだ。米国の不動産のように崩壊した後、NHKで、当然バブルであったかのような、報道をするものだ。多くの日本人は、米国の不動産市況を冷ややかに見つめていた為、今回サブプライム問題の被害が少なかったのである。またマネーはすでに次の宿主を探して移動先を物色中である。

今年の初めは、サブプライムローン問題の影響を受けて今年の年央以降、インフレ懸念を背景に景気は減速し、ユーロ安に進んでゆくであろうと言われていたが、外為市場ではユーロ高へ振れた。しかし、シカゴの先物ではもはやユーロショート(ユーロ売建)に振れだした。次回以降のFOMCで利上げを読んでのことだろう。

金融不安、スタグフレーション懸念の中で、FRBとECBがどんな姿勢をとるのか見極めたい。バーナンキ議長は6月3日、「我々は外為市場の展開を注意深く監視している。ドル価値の下落は歓迎できない。ドル価値の変化がインフレとインフレ期待に及ぼす影響を注視している。ドル安は物価上昇を招いている」と発言した利下げ打ち止めともと取れるドル安をけん制発言。ポールソン米財務長官も「最近のドル安傾向を踏まえた為替相場への対応を聞かれ、ドル買いの市場介入を検討対象から排除しないドル買い介入をしてまでもドル安を阻止したい」と発言。ニューヨーク連銀のガイトナー総裁も9日「ドル相場に強い注意を払っている」と強調。市場で遂に米国がドル安の改善に動き出したと判断している。

6月5日にはトリシエECB総裁は7月の利上げ説の可能性を示唆した。トルシ発言は、ドル安を抑えたい米国にとっては、迷惑な発言であった。

ここでユーロが利上げに踏み切れば「ドル高→原油安」の夢ははかなく消えてくることは間違いない。ユーロが利上げすれば介入の効果はゼロに等しくなってくる。

大阪でのG8では協調介入してドル防衛の合意はできていると思われるが、FOMCで利上げが遅れれば、背に腹は替えられずユーロ単独となる可能性がある。

1929年の大恐慌も欧州との国際協調路線が破られた結果発生し、1987年のブラックマンデーの際には、1985年のプラザ合意で、円高ドル安が合意され、更なるドル安懸念がくすぶるなかで、西独が不要なインフレ防止のために利上げが引き金であった。米独金利差の縮小→ドル暴落の懸念→株価暴落であった。

ただでさえ、先進7カ国では制御できなくなってきている世界経済は、少しでも各国の足並みの乱れが再び世界恐慌の引き金を引きかねない。

欧州は、米国のドルが基軸通貨であることを心よく思っていない。ユーロが誕生して10年欧州は様々な陰謀トラップで、中東の資金を抱き込みつつ、米ドルの崩壊を巧みに誘い、ユーロはここ1~2年、次の基軸通貨になるのではないかと市場ではみられている。

単一通貨ユーロ誕生から10年目を迎えたが、ユーロは通貨としては抜群の成長カを備えた勝者であるが、ユーロ圏の労働コストは他のどの地域より高く、インフレ圧力も強く受けている。スタグフレーションのリスクは米国よりユーロ圏の方が大きいとの見方をしている。さらに、野党が逆転し政権をとり反米政策を取っていたスペインの不動産バブル崩壕はこれから悪化が表面化する。ユーロ圏のユーロ圏外輸出を見ても、最大の輸出先である米英の景気が減速する影響は大きく、アジアの新興国の景気が堅調でも輸出全体を支えるには役不足である。

ユーロは今後下落する可能性が高くなってきた、ECBは利上げをしてインフレだけはなんとか抑えたいところであるが、今後の景気落ち込みを考えると利上げを7月実施すれば、その反動は大きなものとなって、年後半以降、はねかえってこよう。ドル安が原油高を招き、食料高とも連動して世界全体にインフレが及ぶ。ECBの利上げの現実味が増すなかで、FRBが利上げしてもドル下支えに結びつくかどうか疑問である。

円は、最も利上げが見込めない通貨であるために円安に振れる可能性はあるが、最近にわかに世界で最もスタグフレーションへの耐性に強い通貨である見方も増え、ドルとユーロとの狭間で翻弄される可能性が高い。

タイトルに、ユーロ天井としたが、あくまでもECBが利上げを先走らない前提である。欧州もユーロ高が続くとエアバス事業などの輸出産業が崩壊しかねないリスクを抱えている。これがかつてのドイツ単独であるならば、インフレ恐怖性が骨身にしみこんでいる為、すでに利上げしていたろう。拡大ヨーロッパ連合とすれば、米ドルとの協調路線を7:3でECBが協調を重視する可能性の方が高いと私は読んでいる。

なぜなら、米当局がドル防衛戦略にかじをきっても海外の中央銀行との政策の不一致が起こることがあれば世界経済は同時不況どころではなく、ドルの崩壊をきっかけとした、世界恐慌に突入する可能性があるからだ。

これは勘だが、先進国の協調はあと1.2年は持続できるかもしれない。ならば、目先はユーロは一端天井を打って、ドルが買い戻される可能性がある。

となれば、原油価格も落ち着くかもしれません。
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本日6/16は、株高、円安ドル高となり、マーケットは一息ついております。しかし、経済雑誌や、各種レポートを読むと、いよいよ米国の信用危機第2波が押し寄せつつある感じだ。先日ドイツ銀行の武者陵司氏の日本株強気の記事を載せましたが、楽観論がだいぶ幅を利かせすぎている。そういう時ほど、足元をしっかり確認しなくてはならない。米国のリセッションはもはや確実で、アメリカ信用危機と商品価格高騰のダブルパンチで消費者は自信喪失、本格的な経済悪化がやってくるリスクを検証したい。

米労働省は6月6日、5月の非農業部門の雇用者数が前月より4万9000人減ったと発表。住宅はさらにひどく、全米の1戸建て住宅価格は前年同期より14%下落した。

真に景気回復しているか否かは、問題の元凶である住宅市場を見るべきだ。住宅価格がバブル時代の水準に戻る必要はないが、今の下落ぺースには歯止めをかけなければ、景気の回復には程遠い。

信用収縮と商品価格の高騰により、今のところ景気刺激策の効果を鈍らせている。そのせいで、9・11テロ後の困難な数カ月に起こったような、消費者牽引型の素早い景気回復も期待できない。全米産業審議委員会が発表した5月の消費者信頼感指数は、16年ぶりの低水準だった。

住宅ローン延滞率は79年以来で景高となり、サブプライムとオルトA(信用力の高い「ブライム」とサブプライムとの中間的な信用力と評価された個人向け一の住宅ローンで、住宅評価額がローン残高を下回る(含み損)案件が驚異的に増えているのだ。延滞はサブプライムローンだけではなく、遂に、普通の住宅ローンにまで波及しなじめてきたのである。
2チャンネル式で表現すると。キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!! 

一般的米国中産階級は、住宅担保融資に頼りきった消費生活を20年以上続けてきた。住宅価格の値上がり分を担保にお金を借りる住宅担保融資は、車を買ったり旅行へ行ったりであるが、生活費の一部となっていたのである。住宅担保金融は、現代版、打出の小槌であったのである。

80年代日本でも、都市部で不動産所有者は同じことをしていた。米国の銀行はいよいよ住宅担保融資から撤退を開始している。日本のバブル崩壊時は土地の総量規制に相当するものだ。ついに金持ち父さんの、梯子を外し始めたのである。日本のバブル期不動産投資は、更なる不動産へ再投資へ向かい土地の総量規制とともに土地神話が崩壊していった、バブル崩壊の構図と何等変わりが無い。

日本で起きたバブル崩壊と、米国でこれから始まるバブル崩壊が同じ動きとなるのか、予測はつき難い。金融機関を待ち受ける次の難関は、焦げついたクレジットカードや商業用不動産関連の損失処理だ。米連邦預金保険公社(FDIC)は、米経済が堅調だった04~07年の間、銀行の破綻を1件も経験しなかった。だが今年は、すでに4行が破綻している。

銀行はFRBから資金を借り、それを消費者や市場に貸し出す。だが今の銀行は、まるで乾いたスポンジ。自行の損失の穴埋めのためにマネーを吸い込んでいる。バブル崩壊の金融地殻変動ベア・スターンズ1社で済むはずがない。

米投資会社大手カーライルのデビッド・ルーベンシュタイン会長は5月12日、「金融機関のすべての損失が確定するのに少なくとも1年かかる見通しで、一部の金融機関は破綻する可能性がある」とまで発言。欧米の中央銀行が今後に備える「防火態勢」を取るなかで、いずれ「第2のベア・スターンズ」が出てくるに違いないと、お互いの実情をわかっている銀行同士が疑心暗鬼となっているのだ。

格付け大手スタンダード.アンド・プアーズ(S&P)が2日発表したリーマン・プラザーズ、メリルリンチ、モルガン・スタンレーの証券大手3社の格下げだった。バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースの銀行大手2行も今後引き下げの方向とし、「米大手金融機関の見通しは現在、大部分がネガティブ」とコメントした。

6/16(月)リーマンブラザース6/17(火)ゴールドマンサックス6/18(水)モルガンスタンレーの決算発表は、注意して見る必要がある。

6/4、格付け大手ムーデイーズが、モノライン(金融保証会社)大手のMBIAとアムバックの格下げを検討すると発表。S&Pも、アムバックをSP500指数から外した。サブプライムローン関運商品の保証業務などで追加損失の恐れがあるとの判断だ。モノラインの格下げを放置すれば、信用危機第二波の破壊力はますます懸念される。

金融機関だけではない。GMも含めたビック3が、風前の灯である。GMは大型車「ハマー」の売却を検討すると表明。米新車販売台数は7ヶ月連続前年割れで、ビックスリーのシェア低下は著しい。一部メディアは、GMの破産法申請の可能性に言及した。

悲観一色の時は得てして心配ないのだが、楽観ムードが漂っている時ほど注意しなくてはならない。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は5月21日、「世界的な金融危機による米経済への影響は、大方の予想以上に深刻で長期化する」との見通しを述べた。金融市場の混乱が与える実体経済への影響は、これからいよいよ本格化する可能性がある。

4月の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の声明では、各金融機関に対して、100日以内に実行しなければならない勧告を行っているが、7月下旬には約束の100日となる。リスク資産の所有や損失を、簿外分まで含め徹底的かつ即時に情報開示し、必要に応じて自己資本を増強する必要に迫られている。

経営が悪化した世界の金融機関は、アジア・中東などの政府系ファンド(SWF)に計600億ドルもの資本増資をしてもらい救済されたが、その後の株価下落でその価値は350億ドルにまで目減りし、現時点で各国のSWFは250億ドルもの損失を抱えている。この結果、金融機関が再びSWFに救済を求めることは、難しいだろう。

日本、欧州、ロシアが14日、大阪市で開いた主要8カ国(G8)財務相会合で、ポールソン米財務長官は「強いドル」が世界経済の安定にとって重要だと強調し、各国も異論を唱えなかった。同長官は会合後「最近の原油価格の上昇が米国の景気低迷を長引かせるリスクを認識している」との声明も発表。ポールソン長官は米経済について「いまは減速しているが、長期的な潜在力は強い。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映すればドルが強くなるのは自然だ」と発言している。

金融当局から発せられる楽観論は、金融機関の自助努力の時問稼ぎを後押しするムードづくりの一環に過ぎないが、時間稼ぎであろうと、遂に米国は為替介入に踏み切るかもしれない姿勢を示しだした。

強いドル発言のリップサービスや、一歩踏み込んだ投機筋へのブラフも、深刻な米国経済状況が依然脱出できていない裏返しのメッセージである。

FRBとすれば、信用崩壊を食い止めるために、市場に供給した流動性が、住宅市場や、株式債券市場に向かわず、商品・原油市場に流れ込んでしまった。

BRICsという言葉すらない頃の原油価格は、米国民のガソリン消費が増えれば上がり、減れば下がった。現在の商品相場高騰の背景には、ドル安や投機など数多くの要因がある。だが根本的な原因は、世界経済の構図が変化し、アメリカの地位が低下しデカップリングはすっかり進んでいる。世界は今やアメリカ抜きで成長し始めてきている点は、完全にFRBの誤算であるとは思う。

原油高騰の要因には、投機筋の資金だけでなく、年金基金や大学基金など長期投資家が、商品指数を運用対象にした商品ファンドに積極的に投資している点も誤算である。

金融市場を避けて商品市場への投資を本格化させているのは、長期投資家が、景気後退とインフレが同時進行する「スタグフレーション」に対して懸念を抱いているからだ。スタグフレーションの兆候が表れると、株式市場は景気減速懸念を織り込む形で下落し、債券市場はインフレ懸念を織り込む形で下落する。株式市場が上昇すると債券市場が下落し、株式市場が下落すると債券市場が上昇するという通常の相場がこれまで続いてきたが、5月に以降スタグフレーションを織り込むように、株式市場と債券市場の同時下落の兆しが見え始めたとはいえ、現在の米経済はスタグフレーション(不況下のインフレ)とは程遠い。消費者物価指数は年率3%で上昇しているが、第2次石油危機の真っただ中にあった79年(年率13%上昇)と比べれば、はるかに低い点は救いである。

ドル安のおかげで好調な企業もある。「ハイテクや資本財、原材料、航空機など多くの業界が、国外での力強い成長の恩恵を受けている」エアバス社は、ユーロ高の為に、米国で工場を建設するのではないかといった冗談とも本気とも取れる噂話まで出ている。

ECBも下手に米国より先に利上げしてユーロ高による競争力の減退は避けたいところであろうから、インフレに対しては各国の足並みを揃え利上げに向かう可能性は高いと思いますが、FRBが対応を誤る(利上げのタイミングを逸する)と、ドル安が進行し、商品高になってしまいます。

もう一点、米国の大統領選挙の行方も今後のFRBの政策を左右してくる可能性がる。

オバマは、中低所得層の減税、住宅差し押さえ対策を推し進め、ローンの借り換え支援政策を進め、高所得者の減税は期限切れで廃止。配当キャピタルゲイン減税の縮小。一方のマケインは、富裕層の節税を規制している代替的最小課税制度(AMT)の撤廃や自由貿易の拡大、夏季のガソリン税凍結を提案しているが、ブッシュ減税は恒久化を経済政策としている。

オバマを支持している有力者の「ソロスファンド」のジョージ・ソロス氏も近著『金融市場の新パラダイム』で、「現在の危機は通常のバブル崩壊ではなく、スーパーバプルの崩壊だ」と述べている。各国の協調が崩れ、スタグフレーションの進行によって、FRBの金融政策の手足が縛られると、いよいよ「スーパーバブル」の崩壊が始まる可能性は否定できないとの見解をだしている。

穿った見方をすると、オバマ大統領の場合は、「スーパーバブル」の崩壊を覚悟しなくてはならないのかもしれない。

NEWSWEEK 2008.6.18「Why It's Worse Than You Think まさかのシナリオ」
と、週刊エコノミスト2008.6.17「米国経済深刻」を読むを主に参考にしてまとめました。
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保守主義とは ブログ版-2


私の場合、幕末から明治期にかけての歴史観は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」~「翔ぶが如く」~「坂の上の雲」により形成されてしまっています。どうしても、幕末から明治期を俯瞰する上で、司馬史観のフィルターを通して江藤氏の作品を評価してしまいますが、最晩年に残した「南洲残影」( 文藝春秋)1998年は、帝国陸軍の本質にせまる、江藤氏の慧眼があったと思います。
しかしながら、西郷隆盛の死と、三島由紀夫の死、そして江藤淳の死はそれぞれ殉死ではあったが、それぞれ違う対象に殉死したと感じています。誰一人天皇陛下の御為に自刃したものではありません。南洲公は特権を剥奪された旧武士階級と、薩摩藩島津家のルサンチマンを鎮護する為に、英雄として殉死した。その結果、真の近代日本の誕生したものである。

三島に対する私の考え方は揺れている。保守主義が、親米保守(現実主義)と反米保守(理想主義)の溝が深まるにつれ、三島が夢見た然るべき日本の国体とは、如何なるものであったのか?米国の属国である日本の現状を三島が憂えたことは十分共感できる問題であった。その側面で三島は評価されるのであるが、日本が置かれた地政学的立場や、経済政治構造を踏まえた上で、三島は真剣に国を憂いていたのか私は疑問に思っています。

自衛隊に決起を促すより、日本国民に向かい、真の独立国とは何か?米国より脱却する覚悟があるならば、憲法を改正し、核武装を行う自覚・覚悟ができるまで、その作品によって日本国民を先導すべきであった。そして、今日まで命を永らえていたならば、私も、消極的な親米保守主義の看板を掲げることなく、反米保守主義者でいたかもしれない。結果として、彼の方法論が空想の域を出ることは無かった。

三島は、反米保守主義ではあるが、尊皇攘夷主義者でもない。三島は昭和天皇より、226事件の青年将校達へ、強い憧憬を持っていた。国士であるはずの、青年将校達が持つ彼らの無謀な空想主義を昭和天皇はその英邁な現実主義で葬り去ってしまった。三島の一連の昭和天皇に対し不敬な発言と「仮面の告白」の三島像すべてを勘案し考察する限りにおいて、三島の死は自己愛に殉じたものであると評価したい。

儒教論語と大アジア主義を語るのであれば、道徳教育を受けた江戸期の武士階層と明治~戦前の高等教育を受けた知識人軍人階級であるならばその共通規範は論語であり、大アジア主義者達は、皆論語の影響をつよく受けていることも事実である。ところが論語の本場である中国人が論語の理想に程遠い「無規範な民族」であることを見落としていた。そのことが、悲劇のはじまりで、第二次大戦の遠因でもあったと思う。武士道の聖書、葉隠れの主題である、理想的な死こそは、武士道の根幹を成す目標でもあった。

江戸期以前の武士は保守思想ではなくリアリストであったかもしれないが、日本の保守思想の根源を求めるのであるならば、太平記の楠正成、貞永式目の北条泰時まで遡る必要があるだろう。伝統的思想の基盤の上に論語が何世代にも渡って武士階級を教育していった結果が、武士道であり、保守思想の根源であった。尚、近代保守思想の根源に留めるなら、尊皇攘夷運動こそ、のその始原である。

幼少期に母親を亡くした江藤淳の精神思想には保守思想とは別に、常に自分を満たしてくれる愛を求め続けたのではないか?と感じさせられるものがあります。「妻と私」を読む限り、妻をなくして呆然とした初老の普通の男性の戸惑いがあるだけで、思想的破綻は全く感じない。「南洲残影」は、鎮台軍と、薩摩武士団の憧憬と憎悪が並立するその帝国陸軍の生い立ちと、226事件の底流に流れる滅びの美学、死への憧憬を三島の死に見つけたものであるが、江藤氏も死に対して憧憬があったのかもしれないが、江藤氏は愛に殉じたものである。江藤氏の保守思想の破綻との説にはまったく同意しかねる。

今週、文春文庫「山下奉文」(やましたともゆき)昭和の悲劇:福田和也(2008年4月)
を読んだ。山下奉文といえばマレーの虎「イエスorノー」エリート陸大卒であるにもかかわらず、東条英機らの統制派に組せず自らの出身母体である貧農出身の青年将校に同情し皇道派に担ぎあげられた経緯、第一次大戦を観軍武官として欧州で過ごし、欧米の力量を知りすぎ、最後まで開戦反対派でもあった。この山下像は、司馬史観とは別な視点、また山下将軍について様々な角度から検証された本であった。

所謂シンガポールの華僑虐殺事件を命じたその背景、悪役として演じなくなくてはならなかった憲兵達の苦悩を、改めて知りました。アジアの団結に程遠い状態で英米を相手に戦争突入してしまった日本。薄氷を踏む戦いに勝利し、大英帝国の終焉に立ち会わされ、晴れやかな気持ちとは裏腹に非力な日本陸軍を引き入らざるを得なかった山下将軍。フィリピンで絶望的な状況で少しでも将兵の消耗を減らす為の戦術を取らなくてはならないその絶望、慮ると苦痛です。

傷病兵を脱走兵と誤認して殴打した逸話も、苦痛ですが、我々死とは程遠い環境で、戦時中の善悪を弾劾できるものではない。そして戦犯として、自刃せず、作業服で処刑された山下将軍の死も、「南洲残影」に見る、陸軍大将西郷隆盛の死と繋がるものを感じました。なかなかの力作ではありました。

偉大な先達の血の上に今日の日本の礎があるにもかかわらず、憲法9条を守れと、叫ぶ護憲団体の人達は、そうした先達に対して敬意を払うどころか侮辱を重ねています。護憲団体は、革新系の人達と世間一般では呼ばれていますが、ある意味では、護憲団体も広義の意味では保守・守旧派であるといえよう。しかし、こういった人達を保守主義者とは呼びません。

井沢元彦さんの「言霊」「穢れと茶碗」などの著作によれば、古来日本人は、「死=穢れ」の思想を持ち、死につながる軍事は穢れたものと見なされ、平安時代の日本は、死刑も廃止され、国家として常設軍を廃止してしまった。これが平安末期の源氏と平氏の勃興につながるのだが、憲法9条はこの古来よりの日本の思想と合致してしまった為、容易に改正できない大きな理由でもある。護憲団体は日本古来の伝統思想に裏打ちされた保守的思想の団体とも思えます。改憲が未だに実行できないのは、GHQやその後のCIAの暗躍の成果ばかりではない。

公明党=創価学会に至っては、宗教保守であり、226の北一輝は法華経の信仰が深かった。

日本における保守主義とそうではない境界は、時代により異なる仮説も成り立つが、保守する思想対象を持ち、急進的に変革に向かう思想に対して制動する思想であるように感じます。

それでは、「2008年を基準とした保守主義とは?」と考えると、反グローバリズム=反米主義=愛国主義(反米保守)、反グローバリズム=反米主義=親中国主義=新大アジア主義、愛国主義=反中国主義=親米主義(親米保守)、反グローバリズム=愛国主義=親米主義、・・・。組み合わせによって、自称保守主義者の思想を定義分類する意義が曖昧と感じる時代ではある。保守主義をあえて定義するのであれば、少なくとも天皇制を基軸とした国家体制を維持していく思想であると定義したい。

共産主義がソビエト連邦の解体とともに終焉したにも関わらず、現在も尚、環境原理主義や、(反原発主義者は今はいずこ?)護憲団体、反グローバル主義、新大アジア主義を隠れ蓑として、中共や半島の走狗としてゴキブリのごとく生きている腐れ左翼こそ、思想的な行き詰まりの権化である。そして、自分達の思想の崩壊を棚に上げ、場外から保守主義を罵倒しているのではなかろうか?

以上保守主義について考察した原文は、掲示板 阿修羅の雑談板 において、書き込んだ文章をブログ用にまとめたものです。


PS プログレッシブな日々って革新的な日々だけど....コンサバな日々に改名するかナァ。このプログレはプログレッシブロックのプログレで、前進の日々とご理解ください。
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保守主義とは

保守主義といっても、日本と世界では様々な保守主義が存在しています。
近代的保守主義・政治的保守主義・宗教保守主義、保守主義は、伝統主義者のように「古き良きものへの回帰」への希求をするものばかりではない。ネオコンもNeoconservatism「新保守主義」の訳であるので、保守主義の枠に入ると認識しています。

また日本においては、9.11以降、米国のイラク戦争への考え方の違いから、保守主義を反米保守主義(ナショナリズム)と親米保守主義(対米従属主義)の溝が深まり、日本における保守を大きく二つに分けて分類されています。

もともと、保守主義という言葉は、フランス革命後王政復古の機関紙を、「Le Conservateur」と名付けたことに由来するそうです。

保守主義とは、フランス革命後、その急進的恐怖政治に対して、英国の下院議員エドマンド・バーク(Edmund Burke)が、『フランス革命の省察』を著し、フランス革命を全否定して、フランス革命をイギリスに波及させない思想を、保守主義の誕生とする説がある。
結局、軍事力で制圧する対仏戦争を主導するための思想書として成立している歴史がある。単なる伝統主義とは一線を画す思想であると私は思う。

保守主義とは、革命による急進的変化を嫌うが、単に現状維持を主張するものではなく、ただし、変革を受け入れるにしても伝統や歴史的背景、そこに連なる共同体の存在。宗教的連続性を尊重した上で、変革を容認する思想であると考えています。

また、フランスでの王政復古派は、フランス革命における行き過ぎた民主主義による腐敗と暴力に対峙する思想として勃興してきたものである。

政治には理想と現実に常にギャップが生じるものです、民主主義の理想と現実のギャップの結果、ギャップを埋めるものとして、保守主義思想の発生した歴史的背景があると思います。

日本では、保守主義を、反米保守主義(ナショナリズム)と親米保守主義(対米従属主義)に二分して保守主義を論じるのが今日的傾向ですが、違和感を感じています。

私は自分の思想を、消極的な親米保守主義と自己規定していますが、親米でも反米でもない保守主義者であると考えています。世間一般的な保守の分類に従えば、反米保守主義的立場をとる、江藤淳や、三島由紀夫と自民党主流派に代表される親米保守主義は対峙する思想であるが、私が定義する消極的な親米保守主義とは、双方ともに相容れないものではない。吉田茂より連綿と続く自民党主流派の親米保守主義も反米保守主義もけして二律背反なものとは思わない。

個人的には消極的親米保守主義ではなく、正統保守主義であると宣言したいところだが、西部邁氏の「真正保守思想」と宣言するほど傲慢ではないので、個人的思想を消極的親米保守主義と便宜的に自己規定している。

現在の日本において、反米保守主義政治を成就させるには、ハードルが高く、現実的ではない、「理想主義」であると思う。日本は、憲法を改正し核武装をする覚悟をして、きちんとしたインテリジェンスを持ったうえで、国益を最優先する真の保守政治家と、国際社会を認識できる選挙民によってのみ、反米保守主義は成立するものであると考えています。

日本に親米保守政治の路線を引いた張本人である宰相:吉田茂の選択は、間違っていなかったと思う。敗戦後荒廃した国家を建て直す選択としての、親米保守政治は非常に現実的な選択であった。東西冷戦下、軍事的負担をアメリカに肩代わりさたことにより、経済再建を優先することができた。吉田茂は、「戦争で負けても外交で勝ったこともある」とか「金さえ儲かれば条約でも何でも結ぶ」とGHQに対して放言をした伝説からも、吉田茂の姿勢が窺われます。

日本国憲法の果たした役割は、昭和26年のサンフランシスコ平和条約締結当時の時勢からすれば、非常に現実的な選択であったと思う。平和条約締結と同時に結んだ日米安保条約改定前にさっさと改憲するべきであったのが残念である。60年安保反対闘争の時勢の空気を知らない世代である私からすると、空理空論かもしれないが、朝鮮戦争終結後55年体制が出来る前に改憲するべきだったのだろう。

自民党の中でも改憲派として、鳩山一郎、河野一郎、岸信介が存在したが、改憲は果たせなかった。大勲位:中曽根康弘氏は健在だが、2代目3代目ときたらまったくデキが悪い。現役では中川秀直、平沼赳夫だが、正直頼りがいが無い。

江藤淳は、この改憲を実行しようともしない自民党政治に幻滅した保守主義者であり、「閉ざされた言語空間」(文春文庫)において、不法な状況下で新憲法が想起され、米国が極東軍事裁判の正当性を保つ為、占領下日本の検閲を周到に用意し実行されたか告発している。GHQによる検閲がもたらした、日本人の自己破壊の増殖が、今日自民党を跋扈する、護憲派親米保守議員たちである。

改憲を阻んできた、吉田茂の流れを汲む池田勇人、佐藤栄作、大平正芳、宮沢喜一、現役では加藤紘一、河野洋平、山崎拓、古賀誠、谷垣禎一(名前を打ち込むだけで無性に腹が立つ。)安倍晋三は、村山富一誕生に手を貸しているので、純粋な改憲派ではない。護憲派の議員は、保守主義者に分別していいものか疑問が残るし、親米主義者であるともいえないメンバーだ。

反米保守が、嫌米主義者ではない記述を発見した。江藤淳は、「保守とは何か」(文芸春秋)において、日英同盟が対等な同盟関係であったのは、日清・日露の戦役で勝利した愛国的軍、板垣退助らの自由民権運動以来の政党政治、旧制高校出身の官僚があって上に天皇がいて、国家としての体をなしていた。日米同盟はその点及ばない。日米同盟において対等な同盟国として責任感をもって行動するのであれば、21世紀の半ばまで心配のいらないのではないかとの内容を著しています。

江藤淳がとりあげた「南洲残影」の西郷像と、司馬遼太郎の「翔ぶがごとく」の西郷像には、多少の差異はあるが、合成された私の西郷像は、維新前の西郷も超現実主義者でもあり、革命者でもあり、同時に維新後は保守主義者であった。維新後の西郷は、滅び行く武士階級の守護者として祭り上げられ、太政官政府に対して後の民権運動や大アジア主義思想へ連なる、反政府の保守主義者と定義できる。

玄洋社:頭山満は、日本における民間の国家主義運動の草分け的存在となり、後の愛国主義団体や右翼団体に道を開いた。その思想はやがて、226の青年将校=陸軍皇道派、そして三島由紀夫へと受け継がれていった。理想論的保守主義(現在の反米保守)の源流は、彼らが保守した思想とは水戸学的尊皇攘夷運動の残像であったかもしれない。

保守の思想は、けして守旧の発想ではなく、国家開闢より続く伝統に裏打ちされた現実主義の政治でもあり、明治期の反太政官政府主義、大アジア主義、更には、明治期に新たな思想としての武士道も含まれるのではないだろうか。三島由紀夫や、江藤淳、小林秀雄、西部邁、西尾幹二の思想それぞれが保守主義であることに間違いは無い。例えば西部邁氏が、真正保守思想と自称するのも理解できるが、保守思想を細分化した故に、不毛な対立を招くことだけは避けてもらいたい。

保守主義とは ブログ版-2へ続く。http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/10752004.html
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秋葉原通り魔事件に思う。

今回のこの事件の被害者の方のご冥福を心からお祈りいたします。

決して犯人を弁護するつもりも無く、当然死刑に処するべき事件であるが、今回の事件の背景にあるものは、単純に今日の日本社会の歪、小泉構造改革の弊害であると結論を下していいだろうか。

私は、小泉元首相の就任の記者会見の「なんてったって小泉♪」を聞いて以降一貫して小泉政権と、その構造改革を否定してきた。阿修羅の過去ログを調べていただければ一貫している。しかし、未だに世間では小泉は人気がある上再登板を望む声さえある。けしてマスコミの捏造や偏向報道ではない。日本の民主主義が菲薄である証明のようなものだ。
悲しいかな、小泉を支持した無党派層は無責任な無関心層であり、小泉自身、国益と国民の幸福に無関心な男であった。

株式と経済展望のTORA殿 http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu169.htmが説明しているように、小泉一人に今日の格差社会の責任を負わせるつもりはない。小泉は稀代の政治家であったのは事実だろう。格差の拡大と福祉の切り捨て、55年体制の破壊はしたが、彼には思想も無く、破壊後のビジョンも無かった。日本国民の幸福と、国益に興味が無く、総理大臣である自分に酔いしれ、政局が趣味であったのが不幸であっただけだ。日本国民の多くはポピュリスト小泉を未だに支持している。小泉一人の責任ではなく、我々国民の自業自得なだけだ。秋葉原の加藤容疑者は我々日本人が深い「闇の影」で育ててしまったのである。

格差社会は小泉改革と、米国が毎年突きつける「年次改革要望書」と、政策当局の失政がすべての原因で、生み出されたものではない。根本的な原因は、世界がフラット化(グローバル化)したことである。格差社会の原因の根源を、我々は自覚せねばならないだろう。1989年11月9日にベルリンの壁が崩壊し、1995年8月24日ウインドウズ95が発売され、世界は急速にフラット化し一つになり始めた。世界中の人間が平等になり、平等な競走を強いられ始めた究極の自由(競争)社会の到来である。

自分も含めた日本の今の世代は、唯日本に生まれただけで、いったいどれだけの努力をしたというのだろう?近代から幕末、明治大正昭和、先達達の尊い犠牲と、奮闘努力の遺産を少しずつ食い潰している3代目4代目なのかもしれない。インド人や中国人、発展途上国の一部富裕層を除いた庶民に対し日本に生まれただけでどれだけ幸せであったか?

安全な水を飲み、風呂に入り、最近値上がりしたとはいえ、物価の上昇は途上国から比べ微々たるもので、飢餓にはほとんどの日本人は無縁である。

多くの日本人は、日本人に生まれた幸せを日々感謝することはあるのだろうか?また、今日の繁栄を築く礎となった先達達にどれほど関心をもっているだろうか?常日頃の心得として、私は、神社仏閣へはよく参拝をします。その際、自分の願いではなく、まず感謝を祈るよう心がけています。また、最近は、運よく九段下で地下鉄を乗り換えるようになった為、月に一度は靖国へ感謝をしに、参拝させていただいています。

日本と同じような国の繁栄を中国インド、その他発展途上国が望み、努力したならば、発展途上国が繁栄することを邪魔することはできない。フラット化した共通の競争グランドに立ったのならば、もはや国境とか、民族の垣根は低くなり、意味すら持たなくなる。

先進国の大多数の人間の生活レベルが下がり、中国インド発展途上国に中産階級が発生し、日本を含めた先進国の生活水準に近付くことは、社会学ではなく熱力学の第2法則=エントロピーの法則で説明ができる。

日本が、自由主義、自由貿易主義、平等、博愛主義の旗を掲げるならば、今日の海外諸国民との格差の縮小、国内社会での格差の拡大は熱力学の第2法則で説明が付く、必然の結果と考えて然るべきである。現実は厳しい。私にとっても等しく厳しい。

日本でもフラット化した世界構造に気が付いている層は、世間から非難をされようが、自分の子供たちへの教育投資に狂奔している。富裕層といわれる人でも、子供が多ければ、家計を切り詰め高額な所得は教育費に消えていっている。フラット化した世界で生き抜く対策は教育意外に無い。加藤容疑者の母親も教育熱心であったと報道されているが、子供に期待する願望だけ強かったのだろう。塾へ子供を任せきりの程度で、子供にプレッシャーを与えるだけの親だったのだろう。子供の教育こそが、唯一、階層輪廻を打ち破る手段であることは間違ってないと思う。日本人も、中国やインドの天才児と同じ競技場で戦わなくてはならない。老人医療費は削っても、教育費用は削るべきではない。

すでに就業している人間は、転職したとしてもステップアップできる人間は限られている。悲しいことに、大半の日本人の身分は下がることはあっても、上へ登る事は至難の業である。身分が固定化している、封建主義社会と大差はない?いや、明治初期の特権を剥奪され、路頭に迷った武士階級のごとく、多くが下流へ流されるリスクを抱えている分だけ現代は封建社会以下かもしれない。

日本は幸いなことに、グローバル化する大きな障害として、地理的環境と、言語的環境がある。日本語の修得には膨大な時間と労力がかかり、中国東北部の一部では稼働し始めているが、英語圏におけるインドのような国は無い。日本語による文化学術は、英語に頼る必要が無い点も大きいと思っている。非英語圏の諸国民は、自国言語の本、ネット、学術論文など情報は極々少数である為、英語圏に吸収され独自の文化がグローバル化の波の中に消えてしまうだろう。その点日本の文化の価値は高まる。

フラット化してグローバルに均一化した世界では、日本製 made in japan はブランドとしての価値を与えている。クールジャパンが21世紀最初の文化的トレンドとなりつつある今、日本はグローバルな海の中、蓬莱島として存在することが可能な数少ない国である。他国人に比べこの点は極めて有利かもしれない。そして、これほど幸せなことは無い。

今回の秋葉原での下等容疑者の凶行は、けして特異な事件ではなく、日本人が曝されている、フラット化した世界の自由競争によって齎された現実であることを自覚せねばならないと思う。
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原油が急騰した。そして、民主党の副大統領候補選びが始まった。時を同じく「ビルダーバーグ」会議が開催された。
原油価格最高値を更新 1バレル=139・12ドル
2008.6.7 08:22
 【ニューヨーク=長戸雅子】6日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ドル安やイランの核開発をめぐる地政学的リスクの高まりを受けて急騰しした。取引の指標となる米国産標準油種(WTI)の7月渡しは一時1バレル=139・12ドルをつけ、取引中の最高値を更新、140ドル台を目前にした。これまでの最高値は5月22日の135・09ドルだった。

 終値は前日比10・75ドル高の138・54ドルと最高値を更新。上げ幅も過去最大で記録ずくめとなった。

 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が利上げに踏み切る可能性を示唆したことを受けて、為替市場で、ユーロなどに対するドル安が進行。ドル建ての原油取引に割安感が出たことも相場を押し上げた。

 イスラエルのモファズ副首相が同国の有力紙に「イランが核開発計画を続けるなら、攻撃を行うことになるだろう」と発言し、中東情勢の緊迫化の懸念が高まった。市場関係者は「一時的かつ過剰反応の側面がある」とする一方、イラン核問題が「軍事衝突のリスクなど(中東地域の)懸念材料であり続けている」と指摘した。

 5月の米雇用統計で失業率が2004年10月以来の高水準となったことに加え、米証券大手モルガン・スタンレーが7月初めまでに原油相場が150ドルに達する可能性を指摘したことも拍車をかけた。

http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080607/fnc0806070823003-n1.htm

FRBが、金融緩和をやめ、利上げに踏み切りドル高に振れれば、石油価格が天井を打つかと判断した。しかし米国の利上げ前にECBが利上げをしたら、ユーロ高となりドルが売られ原油が上がってしまった。

まだ天井宣言をするには早すぎました、反省します。

そして、時を同じくして米国大統領選挙、民主党の副大統領候補が誰となるか?話題になっています。

ヒラリーは副大統領ポストの獲得に積極的だそうですが、ヒラリーが副大統領候補説は早くも消えそうである。溜池通信では、「ドリーム・チケットの場合、正副大統領が夫婦で揃って写真を撮るときに、ビル・クリントン元大統領が写ってしまいます。」との分析。なるほど。
「ヒラリーに対する処遇論では、すでにいろんなオプションが検討されていて、なかでも渋いのが「最高裁判事に任命」というもの。なにしろこの仕事は終身であるし、リベラル派が少ないという問題もあるし、三権の長だからステータスも高い。そうでなければ、上院にとどまって院内総務(Majority Leader)を目指すのが、彼女にとっても民主党にとってもベストだと思いますけれども。」とかんべい氏は分析しています。


副大統領候補に名前が挙がる可能性のある12人の略歴。(アルファベット順) 

◎ジョぜフ・バイデン氏(65歳) デラウェア州選出の上院議員。現在上院外交委員会の委員長を務め、外交政策に造詣が深い。しかしオバマ候補は、米国の将来を変えるという自らのスローガンの新鮮さをアピールするために、あえて現職の上院議員を選ばないのではないかとの思惑も。 

◎ウェズリー・クラーク氏(63歳) 元陸軍大将、元北大西洋条約機構(NATO)軍総司令官。2004年の大統領選の予備選に出馬した。クリントン氏を支持していたため、党内結束に貢献できるか。国家安全保障に明るい。ただ、前回の予備選出馬時は精彩を欠いたため、民主党支持者に訴えることができるかどうかに疑問符も。

◎ヒラリー・クリントン氏(60歳) オバマ氏と激しい予備選を戦ってきたヒラリー氏だが、世論調査では、オバマ大統領候補─クリントン副大統領候補の、いわゆる「ドリームチーム」結成は、同党支持者の間で高い支持を集めている。長引いた予備選で傷ついた党内結束を回復するため、オバマ候補自身もこの選択肢を排除していない。ヒラリー氏を起用することで、オバマ氏の弱点である、女性や白人労働者層の支持獲得に期待ができる。一方、ビル・クリントン元大統領の夫人でもあるヒラリー氏が副大統領になった場合、クリントン元大統領の国政への影響力を懸念する声も。  

◎クリストファー・ドッド氏(64歳) コネティカット州選出の上院議員。現在上院銀行住宅都市委員会の委員長を務める。スペイン語に堪能で、ラテンアメリカ問題に明るい。今回の民主党予備選に出馬していたが、早々と撤退し、オバマ氏支持に回った。オバマ陣営の外交・経済政策への貢献が期待されるが、バイデン氏と同様、現職の上院議員であることが弱点か。 

◎チャック・ヘーゲル氏(61歳) ネブラスカ州選出の共和党上院議員。ベトナム戦争従軍の経験があり、保守派として知られるが、イラク戦争については歯に衣を着せぬ批判を繰り広げる。共和党及び無所属議員との距離を縮められる人材と期待される。 

◎ティム・ケーン氏(50歳) バージニア州知事。予備選初期からオバマ氏を強く推してきた。同州は大統領選では伝統的に共和党が強いことで知られるが、ここ数年は民主党が支持基盤を広げている。オバマ陣営にとり、同州での票集めに期待がかかる。 

◎サム・ナン氏(69歳) 元ジョーシア州選出の上院議員。元上院軍事委員会委員長。外交、軍事政策に造詣が深いが、69歳という年齢と、保守的な考えの持ち主であることを考慮すると、オバマ氏とうまくタッグを組めるかどうか。

◎エド・レンデル氏(64歳) ペンシルベニア州知事。強力にクリントン氏をバックアップしてきたため、同氏の支持層に訴え、本選の行方に重要なペンシルベニア州での票集めに貢献できる立場にいる。地方検事、フィラデルフィア市長を歴任。 

◎ビル・リチャードソン(60歳) ニューメキシコ州知事。自身がヒスパニック系米国人のため、急速に数を増やしているヒスパニック系住民の支持獲得に有利とみられている。折衝能力に定評あり。エネルギー庁長官、下院議員、国連大使などを歴任。外交政策に明るく、政府内の事情通としても知られる。 

◎キャスリーン・セベリウス(60歳) カンザス州知事。現在2期目を務める。女性。共和党の支持基盤である同州の知事を務めていることで、党派を超えた活躍が期待できる。国政レベルの経験がほとんどないことが弱点か。 

◎テッド・ストリックランド(66歳) オハイオ州知事。同州の予備選ではオバマ氏とクリントン氏が激しいつば競り合いを繰り広げたが、同氏はクリントン氏の強力なサポーターだった。下院議員の経験があるものの、全国レベルではほぼ無名。 

◎ジム・ウエッブ氏(62歳) ヴァージニア州選出の上院議員。現在1期目。ベトナム戦争従軍経験あり。海軍長官などを務める。作家としての顔も持ち、ベトナム戦争を題材にした「フィールド・オブ・ファイア」など、これまでに小説を7本出版している。同州では最近民主党が支持を広げており、オバマ陣営にとっての追い風となれるか。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-32142620080606

私は、キャスリーン・セベリウスカンザス州知事(60)が副大統領候補にふさわしいと思います。
白人女性で中西部の票が期待できる点でヒラリーにするより、基本理念の「変革」にふさわしい。

それで、なぜ原油価格と副大統領候補選びが関連するか取り上げたかといえば、同時に「ビルダーバーグ」会議が開かれているからだ。

陰謀論原理主義者が敵視する「ビルダーバーグ」にオバマ、ヒラリーが出席したそうだ。
Press Let Rip At Obama Spokesman Over Exclusion From Secret Meeting
Reporters flown out of Washington as nominee meets Hillary at Bilderberg confab
http://infowars.net/articles/june2008/060608Exclusion.htm

その、出席者にはカサーリン・セベリウス(カンザス州知事)も含まれている。
http://www.prisonplanet.com/articles/june2008/060608_b_list.htm

「ビルダーバーグ」とは第1回会合がオランダ・オーステルベークの「ビルダーバーグ・ホテル」で開催されたところから命名された、裏のサミットなどとも言われる。

アメリカ、カナダ、ヨーロッパ諸国で影響力を持つ政界、財界、王室関係者約100人ほどが集まり、政治経済や環境問題なども含む多様な国際問題について討議する完全非公開の会合である。

最終目標は、あくまでも欧米による世界統一権力の樹立で、裏で世界を動かす秘密会議であるとされる。もし、陰謀原理主義者が言うように、世界を動かす力があるとするなら、第1回の会合が1954年で、その後、日本が高度経済成長を始め、欧米諸国の優位を経済面で破壊した合理的説明ができない。欧米による世界統一権力の樹立であれば、日本の台頭を許すはずもなく、中国インドなどは、最貧国のままで放置しておいただろう。

今回も、バーナンキFRB議長・ライス国務長官・ポールソン財務長官IT石油関係のCEOやら、欧州各国の
要人が出席しているようだ。当然そこで討論された内容は、各国政府や企業の政策に影響を及ぼすであろうが、「ビルダーバーグ」は懇親会の域にすぎないのではないか?世界でも超多忙な人達が、いちいち世界を支配する実務政策政策の決定を毎年、2.3日集まって決められるものであろうか?日本の場合、省庁でいえば課長クラスの実務者が根回しに根回しを重ね行うものであるが、いかに文化が違うとはいえ、2.3日の会合で、そんな陰謀めいた取り決めが出来るわけがない。

出席者それぞれ、利害関係は持っているわけで、何か決定するとなれば、利害調整はとても不可能で、2.3日の会議でで済むはずもない。

しかしながら、世界的な懇親会の出席者の中に USA "Sebelius, Kathleen" Governor of Kansas とあれば、民主党の副大統領候補になる可能性は大きい。

話が原油価格からかけ離れてしまったが、欧米諸国が持つ石油権益は年々減少している。欧米統一国家なるものを目指すなら、原油価格の上昇はこれ以上容認できるものでもない。「ビルダーバーグ」で石油価格のことが討議されたことが反映されて、石油価格が140ドル近くまで急騰したということは絶対にないはずである。ただ、時期が時期だけに陰謀論者の想像力が膨らんでいることだろう。

ECB利上げ、やがてFRBも利上げしていけば、過剰流動性による投機資金は絞め上げられるのが経済原理というもの。悔しいが、石油天井宣言は時期尚早でした。それでもあと2年から3年後1バレル200ドルに一度は達したとしても、再び100ドル以下に下落することもありえる意見は曲げるつもりは無い。

もう一つ勝手な予想。クリントン夫妻の離婚。大統領になれなかったら、ヒラリーにとってビルクリントンは何の価値もない男である。もう我慢の限界だろう。
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今週は、週刊エコノミストの武者陵司氏の日本株強気の記事が最高でした。

私個人の印象では武者氏=超弱気派のイメージでしたが、近年宗旨替えをしたのか、好き勝手なことがいえない地位まで出世してしまったのかは、不明だが、強気の日本株式展望を語っている。

あの弱気派代表の武者氏が、ネガティブ要因をスルーしている気がしないでもないが、今回の記事は読み応えのある記事でした。是非皆様も週刊エコノミストを買ってオリジナルをお読みください。他にも、先物主導下落の記事は読み応えありました。記事は、私がブログの制限文字数に納まるよう、要約したものです。


高付加価値技術を持つ日本
上昇余地は世界で最も大きい

武者陵司・ドイツ証券副会長兼チーフインベストメントオフィサー

グローバル経済における日本の優位性、強力なプライシングパワー(価格決定力)、日本株式の割安さなど、看過されてきた日本の魅力に日が当たっていくだろう。

米国経済は峠を越え回復へ戦後最大危機説が花盛りであった。恐怖に突き動かされた金融資産価格の暴落、短期金融市場の機能停止、米国大手金融機関の空前の評価損などから金融恐慌の危機が追っていた。しかし、3月半ばの米連邦準備制度理事会(FRB)の非常事態政策により、恐怖心が一掃され、市場は急速に正常化しつつある。非常事態政策とは、①ベア・スターンズ救済、②証券会社に対する直接融資、③FRBによる貸し出し担保としてのモーゲージ(不動産担保ローン)の受け入れーである。恐怖から信用収縮へ、信用収縮から恐慌へといった事態は回避されたといってよいだろう。

米国は借金を重ねて無理な成長を続けてきたが、そのつけがサブプライム禍となって表れており、今後は深刻な債務の巻き戻し、景気の著しい後退は避けられないとの金融危機必然説が間違いだったためではないか。しかし私はこの市場価格暴落は多分に偶然的要素(①サププライムをシヨートできる手段の開発、②時価会計の厳格適用、③銀行の自己資本比率についての新しい国際基準である新BIS規制の適用、④重層的証券化による各下落の伝染)が重なつたことによってもたらされたものであり、政策と市場の復元力により、実態以上に売り込まれたクレジット資産や株式の市場価格は回復していくと予想してきた。

鍵は、米国経済の回復力いかんであるが、過大な不安は必要あるまい。①米国の企業部門の過剰(設備、雇用、債務)が小さく、企業利益も金融を除けば過去最高の水準にあるので、深刻な雇用調整が起きないこと、つまり雇用者所得が守られること、②過去1年問、国内総生産(GDP)を1%押し下げた住宅部門の調整は最悪期を過ぎたこと、③迅速な政策対応、④グローパル経済の追い風(純輸出の寄与)から、リセッション(景気後退)の可能性は小さいと考えていいのではないか。

1年後の米国は、①堅調な景気、②消滅したバブル・割安化した金融資産、③より効率化・透明化した金融市場がそろうことになる。ドルは01年からの長期下落から大転換すると見込まれる。

重要な日本のプライシングパワー

世界繁栄は日本の高度成長期と同様、中国などの途上国で低生産性の農民の巨大な工場労働者への転換により生産性が著しく高まっていることによってもたらされた。そして、その、“果実”は途上国だけではなく、先進国にも大きく波及している。多国籍企業は低賃金労働力活用により大幅な超過利潤を獲得している。先進国の消費者は物価下落により実質購買力を向上させている。そうした富と成長の源泉はいまだ途上国において潤沢である。

各国はこの一体化、統合化された世界経済の追い風をいかにより多く享受するかの競争をしている。1次産品価格の上昇は、グローバル化の結果、発生した超過所得を新興国の購買カとして取り戻す動きと解釈するべきである。それは新たな世界需要を生む。
世界の高成長、企業の高利潤、潤沢な資本余剰・投資資金など、グローバル投機を助長する環境は継続しているのである。

そのなかで、日本企業のプライシングパワーが一段と重要になっている。世界経済が完全に一体化したことによって国際分業が変化し、それぞれの国が同じ物を作って角を突き合わせることがなくなった。
現在の国際分業において必須なのは、自分の国で作った物をより高く売る力である。自分の国で作った物を安くしか売れない国は、労働生産性は上がっていても利益は増えないし、国民の暮らしは豊かにならない。

そうした観点からすると、日本は国際分業のなかで極めて有利なポジションを得ていると言える。
今や日本が特化しているのは最先端のハイテクの素材、あるいは部品、あるいは高級な機械装置といったものであり、安価なものは海外に移転している。いわば高付加価値の「ブラックボックス部分」を日本が担い完成品組み立ては韓国、中国、台湾、あるいはヨーロッパ諸国で行つという分業が起こっている。それが世界最大級の日本の貿易黒字維持を可能にしている。

日本には海外で生産された所得、つまり中国やインドで実現した劇的な物的生産性上昇の成果が、有利な交易条件によって入ってくる。グローバル経済統合のなかで、日本は極めて有利なポジションを獲得しているのである。

日本株が割安な3つの理由

それにしては、日本株式は著しく割安である。
株式益回り6%、配当利回り1.7%に対して、日本国債利回り1.6%、預金金利0.4%という大幅なリターンギャップは日本で過去40年間なかったことである。

第1の理由は振り子の行き過ぎで、バブルのピーク時は株高、円高といずれも極端に高かったが、18年かかったその是正運動が行き過ぎてしまい、陰の極である円安、株安に振れたということであろう。

第2の理由として、資本が日本から逃げ出したことが指摘される。外国株、外国債券など個人投資家の海外投資が増加している半面、株主の権利軽視、M&A(企業の合弁.買収)に対する拒否などの日本側の理由により外国資金の流入が阻害されている。

第3に、賃上げ不在、内需創造の不在が起こっている。米国や欧州連合(EU)では、日本と同様、グローバル企業の収益が好調だが、その超過企業利潤は、国内における賃金の上昇、企業配当の上昇、株価の上昇などとなって国内の内需に結びつき、エンターテインメント、通信、サービス、ソフト、ヘルスケアなどの新しい産業と雇用が伸びている。

日本の場合は、企業の超過利潤がそのまま過剰貯蓄となって海外に漏出し、内需を作り出せないでいる。
日本は、①賃金上昇か、②財政出動か、③金利裁定の復活・資産価格の上昇か、④移民の受け入れなどにより、内需の振興が必須になっている。

以上の日本経済と株式の現状は、改善・向上の余地が世界で最も大きいことを示している。国際投資家は、それを無視できないだろう。

特に、世界経済とドルに対する不安が払拭される時、最も注目されるのは日本株式であろう。日本経済の輸出依存度は14%と低いが、上場株式だけをとると、輸出・世界需要主体の製造業の比率がほぼ50%と高く、世界景気に敏感だからである。

武者氏の株式予想に、私の慎重な見方を書き加えるのも非常に奇妙な感じである。5月21日発表のFRBの景気予測は0.3%~1.2%へ大幅に下方修正された。また米失業率も上昇して、米国経済はけして楽観できるものではない。日本でも、ガソリン・食料品などの物価の上昇により、個人消費・外食等が控えられるなどしている。日増しに高まる、日本の消費者の生活防衛意識にっよってもたらされる、新たな不況要因は今後悪化する可能性は高い。また、3日の駅売りの夕刊紙には貸し渋りによる倒産件数の増加の記事が載っていた。また、四川大地震による、中国での経済的影響は、オリンピック前の景気の失速の懸念が高まりつつある。円安へ推移することにより、企業業績増加期待も、中国需要減退で相殺され、むしろ低下してしまう恐れすらある。また、消費税の増税論議は、潜在的な日本株下落要因でもある。私は無いと踏んでいるが、年内総選挙も株価下落要因だ。

今回日本の経済体質を弱めているものに、賃上げ不在、内需創造の不在が最大の要因ではないだろうか?大阪府や国地方の役人の給与は引き下げるべきであるが、民間の給与所得の抑制が日本経済の回復を拒む最大の要因ではないだろうか?ちなみ私が勤務する某社の支給予定ボーナスは40数%の下落です。わたしゃ生きていけません!
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