溜池通信:かんべえの不規則発言2月12日http://tameike.net/comments.htm#new
『暗流―米中日外交三国志』http://books.yahoo.co.jp/book_detail/32013276の書評は秀逸でした。
なるほど、日米中関係でなく米中日関係ですか、適格ですね。米中関係の複雑な絡み合いを眺めつつ日本が主導でどうすることもできないなかで、日本は進路を選択しなくてはならない。米中は短期的に融合路線をとるが、長期的には対立路線。では、日本はどうするか?‘鏸篤洩繕化、日中接近、自主防衛、と麌霑?耄、という4つの選択肢をあげて検討していますが、実際にできることはかなり限られており、「私たちの好き嫌いが入り込む余地はさほどない」ということになる。同感ですね。me too!

日本政府は今のところ悲しいかな、国家戦略無きが国策で、日米安保条をその国家戦略の柱としています。日米安保条約にしがみ付くのが、(けして良い訳ではないが)今までは最善の選択で、選択の余地はありませんでした。{このことを、小林“空想保守愛国主義”よしのり氏は、親米主義者を「ポチ」呼ばわりして激しく攻撃していますが、現実がまるで見えない戦後左翼の連中といい勝負である。}

長い鎖国政策の末、ペリーの黒船が来航しておよそこの150年間の日本の外交国策は、「日本は明確な戦略に沿って動くというよりも、大きな衝撃を外部から受け、それに反応する形で進路が決まっていく国家なのではないか。明治維新後の歴史を見ると、そう思う」

鋭い歴史観日本人論であると思います。実際、戦後の日本の外交政策は、宗主国のアメリカの属国であることを甘受しました。宗主国の無理難題に右往左往しつつも、その都度ドルショックもオイルショック、プラザ合意も無難に乗り越えてきました。冷戦時代の漁夫の利を得る国家戦略は、ある意味で大正解ではなかったかと思います。日本が戦前明確な戦略を持って、満州事変やら日華事変の挙句、太平洋戦争に引きずり込まれてしまったよりも、日本人に合った優れた国家戦略であったかもしれません。

日本は国家戦略や、謀略などインテリジェンスなど不得手で、世界中からたかられるだけの情けない国家だと思い込んではいませんか?かんべい氏も秋田記者も、インテリジェンス無能国家Japanの前提で論じています。

ところが、久しぶりの目から鱗の本があります。佐藤優氏:「国家の謀略」http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31990572によると、意外にも、日露戦争から満州事変、陸軍中野学校に至る頃の日本のインテリジェンスは、イギリス・ソ連に次ぐ能力を持っていたそうです。

なるほど、日露戦争前後の明石大佐のロシア革命工作http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h13/jog176.htmlは、インテリジェンスの歴史の金字塔とも呼ぶべき成果であるし、日本の戦国時代はインテルジェンスの元祖忍者の大国ですから、日本人にインテリジェンス能力が欠如していることはありえない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B8%E8%BB%8D%E4%B8%AD%E9%87%8E%E5%AD%A6%E6%A0%A1陸軍中野学校の存在は、今日大半の日本人はあまりよく知らないと思うが、インド、ビルマ、インドネシアの独立に大変大きな役割をしていたようです。、戦前の日本はインテリジェンス大国で、戦前も朝日新聞に代表される馬鹿新聞の世論扇動さえなければ、戦前の日本はそれなりの国家戦略は成功していたかもしれない。

さて、戦後の日本も決して無能ではないようです。よく「ラヂオプレスによると」とか、北朝鮮やロシア情勢のニュースの前に「ラヂオプレス」発の記事を見かけます。この「ラヂオプレス」ただの通信社ではないことは知っていますか?財団法人「ラヂオプレス」は戦前、中野学校関係者と英国諜報機関へも留学した外務官池田徳眞により設立された対敵謀略宣伝本部の一部門外務省ラヂオ室が、戦後モニタリング機関として存続しているとのことです。北朝鮮の金日成の死去も世界で最初に傍受したのも「ラヂオプレス」です。ちなみに、未確認情報ですが、その当の北朝鮮の防諜機関も中野学校の流れを汲んでいるとの噂もあります。

日本は21世紀の多極化した世界を乗り越える為、インテリジェンスを本格的に再構築しようとしています。

2005年9月21日産経新聞「在外公館に情報官 外務省5年間で100人配置」との記事
http://blog.livedoor.jp/wildhorse38/archives/50094021.html
2006年12月31日読売新聞「陸上自衛隊が海外情報部隊を設立」するニュース
http://blog.goo.ne.jp/worldnote/e/0f5a8f1ad23b70fa6dad5322cf3564db
中央情報隊のうち、現地情報隊(約70名:朝霞駐屯地)は、ヒュミント部隊です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E6%83%85%E5%A0%B1%E9%9A%8A 
ヒュミント部隊とは、海外で人相手の情報工作をする組織で、いわゆる日本版の007です。

あと5年待てば、組織が稼働してくることでしょう。憲法改正、せめてスパイ防止法が制定されれば、日本も普通の独立国家として自立することが出来るかもしれません。真の独立国で無い限り、アメリカに対し対等な同盟国としての地位は得ることができないでしょう。沖縄のレイプ?事件も対等でない日米安保条約がその原因であるし、昨年の慰安婦問題みたいな不愉快なことは起きなくなるでしょう。

インテリジェンスの基盤整備ができて、初めて日本は目や耳を持つことが出来るのです。目や耳を持たなければ、けして口から言葉を発することが出来ないのです。正しい物言いが出来れば、日本にとって正しい日米同盟条約を締結することが可能ではないかと、期待しています。

最期に、これはびっくりの話。
北方領土は、戦後日本のインテリジェンス活動の成果だそうです。もともと、千島列島は、1951年サンフランシスコ平和条約2条C項で、日本は南樺太と、千島列島を放棄した。当初日本は千島列島に北方4島が含まれると解釈していたようだが、1956年の日ソ国交回復交渉の中で南千島は日本の固有の領土であるとし、北方領土神話を作ったとのことです。
私は、「北方領土は日本固有の領土である教」を信じています。

もうひとつ、おまけ。
「日本は衰退する」「21世紀は中国の時代」と、最近宣伝されているのは、「対日謀略と、対中国謀略宣伝活動」の一環だと考えるべきかと思います。株は安いとき(皆が恐怖している時)買うものです。