副島隆彦批判

副島隆彦に塗る薬はないと思っていたが、症状が悪化している。自惚れるのも程々にしてもらいたい。

アメリカ経済崩壊論は副島が言い出したのではなく、ソビエト帝国の崩壊を著した副島も私も尊敬する小室直樹先生が昭和55年(1980年)の「アメリカの逆襲」第2章安保・自由貿易体制終わるに既に予言されている。アメリカによって日本の破局がもたらされアメリカも自滅することは予測されている。平成5年(1993年)国民の為の経済原論Ⅱアメリカ併合編において、小室先生の予言とは多少異なる展開ではあるが、米国経済衰退の見通しは、ある程度当たっている。これら書籍が今日の副島のネタ本であることは間違いない。

小室先生もそのネタもとは自著「経済学をめぐる巨匠たち」(2004年)にも書いているようにシュンペーターの資本主義の没落理論である。P310「資本主義はその成功故に没落する」の一文に集約されている。

しかしながら小室先生と副島の言っていることは全く似て非なることを言っている。決定的違いとは何か?小室先生は自らの研鑽と天才的ひらめきにより自己の理論を問う純粋学問の立場に立っている。また、日本を愛する故の書籍や理論である。

一方副島は、投稿にもあるように「あーあ、こんな国に生まれちゃったよ」といった戦後教育に純粋培養された反国家的、反民族的視点論調が私の神経を逆なでさせる。

小室先生は陰謀論にかかわるようなことはほとんど言及していない。しかし自称弟子の副島は、「預金封鎖」の風説流布で日経新聞や経済誌を読むような読者層の失笑を買い、副島離れが進んだ。そのせいで、彼の読者ターゲット層を陰謀論を好む普段はスポーツ新聞しか読まないような下流層でも、多少社会的興味がある層、インテリ層でもドロップアウトして下流層になってしまったとうな層、ロスジェネ層を読者ターゲットに合わせて、くだらん本を粗製乱造している。特にロスジェネ読者層のルサンチマン(社会に対する怨念)に迎合し、「貴方は騙されているんですよ!」と吹聴する陰謀論を副島は流布している。

副島読者層は、副島からくだらん知識を吹聴されたあげく本代を副島に搾取されている哀れな人達に私は見えてしまいます。

小室先生の本を熟読している者にとっては、陰謀論を多用する副島は小室理論を曲学阿世し、冒涜しているようにしか思えない。小室先生を尊敬する者の多くは副島を小室学派とは絶対に認めないであろう。副島は小室理論を自分の妄想と偏見で捻じ曲げてデットコピーしただけで済まさず、小室先生の顔に泥を塗るような本を量産している。

図書館で借りたた「時代を見通す力など」など、直近ちょっと話題になっている歴史に関する本のダイジェスト版で、元本を読んでいる読者層は、非常に内容に物足りなさを感じる本である。なんだ直近で読んだ他の著者本の内容を焼きなおしただけジャン!失望しとても完読するに値しない本であった。

以前私は、副島の本を何冊か買って読んだが、私の貴重な本棚のスペースを占有するに値する本ではなく、いずれも即ブックオフ行きで、買うことを止めた。

数冊本棚の隅に残してあるが・・・批判するときに取っておいてある程度だ。副島は弟子を使い異常なペースで本を出版している。本を粗製乱造している著者には本の重さはあったも中身の重さがまるで無い。
副島を愛読する人間の顔を見てみてみたいものだ。

学問道場の副島隆彦は、中途半端な幸福の科学「大川隆法」やザイン「小島露観」にすぎない。

この977号の副島隆彦の文章を読む限り、彼はアメリカ発の世界恐慌を熱望しているようにしか読めない。まだ世界恐慌がこれから猛威を振るうか回避されるか誰にもわからない時期に、もし回避されたのなら、副島はどうするのだろう。己のプライドを満足させる為に世界恐慌を熱望する副島を信奉するのはカルトに等しい。預金封鎖は彼の予言期限をとっくに過ぎている。

世の中には、権力者や金持ち、利益団体、友愛団体は存在する。メーソンやイルテミナそういった力を持つ者や秘密結社の類が連携して、まるで彼らが世界を支配しているかのような世界観には賛同しかねる。

陰謀論の立場ではなく、学術的なメーソン研究の本を読む限り、フリーメーソンなどは、表の宗教的政治的対立、戦争革命に疲れた人間達が、社会的身分的立場を抜きに心の平穏を得る為の中世から近代にかけてのSNS(Social Networking Service)いわばミクシイみたいなものである。副島らが妄想する秘密結社は、外部者から見た場合、得体の知れない秘密結社にしか見えないにすぎないが、SNSに性格が似ているのではないかと思う。

人と人とのつながりを促進・サポートしたり、コミュニティを形成し、友人・知人間のコミュニケーションを円滑にする手段や場として、メーソンでは集会場所=ロッジを提供したり、趣味や嗜好、居住地域、あるいは「友人の友人」といったつながりを通じて荒廃したヨーロッパの人間関係を再構築する場を提供する、団体にすぎないと思う。繰り返される戦争を嫌気して、戦争が起きないためには世界政府が確立できれば、平和な理想的世の中になると理想論を語り合うのは、社会的利害が対立しないコミュニティ内においては、むしろ自然な事ではないかと思う。

フリーメーソンの啓蒙思想は、副島らが妄想する、陰謀論とはだいぶ乖離していると思う。秘密結社の会員が権力者であれば、多少は陰謀じみたことを思考したとは考えられるが、国際政治におけるその影響力は、中学高校における部活動と考えるべきだろう。本業である学業の余技程度に過ぎない。もっともその余技に人生をかける人もいますが・・・基本的には余技です。

小室先生は一切そういった世界観を持っていない。神の見えざる手の存在を、ユダヤや石工らが連携して力を合わせて行っていると思い違いするのは、いかにもアウトサイダー的世界観だ。神を冒涜する妄想だ。それぞれ利益反する彼らが共通の利益と意思を持っているとは考えがたい。副島はアポロ計画陰謀論のように陰謀論を安易に信じている、よく謙遜する時に使われる意味ではなく、副島は真性の「浅学非才」な男である。