【「マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術」松藤民輔著(講談社)の注目点】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/19161190.html
【阿修羅版:「マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術」松藤民輔著(講談社)の注目点】
http://www.asyura2.com/08/hasan59/msg/399.html

「マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術」は、一度7月に立ち読みで読みましたが、当時原油高で、私は必ず下落すると思っていましたが、彼は「原油価格はバブルで、元の50ドルに戻る。原油高はドルの下落・ドルの上昇は原油の下落」と書きつつも、150ドル突破200ドル突破もバブルであると玉虫色に書いている点が気に入らなかった。
私も②原油価格の今後の推移に関する考察 2年後:ゴールドマンとの予想勝負! において
ゴールドマンサックスは2年後1バレル=200ドルと予想していますが、私の結論は、「2010年実用化のホンダのバイオエタノールが出回る頃には、1バレル50~60ドル台まで再び下落することもありえると思っております。」と予想したいところだが、少し弱気で中国インドの新興諸国をギリギリ生かさず殺さずのライン70~100ドルあたりではないか? 
自分のブログ記事をセルフカバー
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/8723465.html 
私もさすがに元の50ドルと断言する勇気が無かったですね・・・松藤氏を批判できないですね。

私の記事も玉虫色ではあったが、私の記事の方が早いし、ほぼ同じことを書いているので、松藤氏の思考回路には賛同したが、私には買う必要ないと判断した。ただ、改めて読むと金融危機でドルに資金が回帰する点を松民氏が読み切っていた点は賞賛に値する。

彼はコモディティ商品である原油の暴落を強く書けなかったのには、原油の暴落と、彼の推奨する「金」の高騰とは、二律背反してしまうからだ。しの矛盾から、ドルの高騰は原油安、ドルの暴落は原油高と分析しながらも、金と原油の関係から原油の暴落は示唆するに留まっていた。確かに「有事のドル」が終焉した場合「金」と考えるのは自然な流れかもしれないので、松藤氏の読みもけして間違いとも言い切れない部分はあります。

でも、私Ddogは金復活には常に「異」を唱えます。確かに金は有限な希少資源であることに間違いございません。ただし、世界中で流通保管している「金」15万5000トン採掘可能埋蔵量7万トンに対し世界経済は明らかに巨大すぎてしまうと考えるからです。彼は金の理論価格2289ドルと計算しているが、世界経済に合せた金本位制になった場合今の金価格は高騰するが、明らかに私がスリムのジーパンを履こうとするようなものだ、例えがわかりにくいですね、メタボのオヤジが・・じゃなくて、金魚鉢で鯨を飼おうとするが如く無理な話です。1トロイオンス1000ドルの金は暴騰するのではなく、金融危機とともに沈んだ。彼の予想は見事に大外れ、昨日1トロイオンス725ドル。

金のアナリスト達が間違う点は私には分かっている。金は、資産的価値を持つ前に工業製品の素材的価値がある点である。金の根源的価値はどこから来ているか?そのルーツを商品アナリスト達は軽視しているからだと思う。

金は加工しやすい金属である。装身具の宝飾品、ボタンであるとか、スプーンや蜀台・器などに用いられ、金箔にして室内に張ると、照明手段が「火」であった時代、室内を明るくする貴重な金属であったからこそ価値があったわけです。

現在は、金以上に加工耐久性がある代替素材が開発され、室内は照明器具が発達してい為、金は人類の科学技術の進歩により実用価値が下落し続けている逆相関関係にある点を考慮にいれていないような気がします。

そう、実はマネーにおいても価値の入れ物であった金が、別の素材、紙幣や帳簿、電子マネーに置き換えられ続けていることを重要視していない点を私Ddogは見逃しておりません。確かに、金以外の価値の器が動揺し、一時的に金に逃避したとしても、また新たな素材を人類は見つけ、有限な金の代替素材をまた発見することになると思います。

金も投資手段として有効なものと思いますが、あくまでも分散投資の1つにすべき点注意してください。

もう1点、金ETFの盲点。金ETFもETFを組成している発行体本体が破綻すれば、影響は免れない金融工学商品である点をお忘れなきようお願いします。

※投資は20過ぎたら(行いましょう)。健康のために、賭けすぎには注意してください。