アイン・ソフ<AinSoph>
「天地創造/アイン・ソフ:スペシャル・ライブ駱駝に乗って」<RIDE ON A CAMEL> (1991年)
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格付け:AA+ 幻のアイン・ソフ超名盤。(1977~1978録音)BELLE ANTIQ9120(1991)

1. RIDE ON A CAMEL:駱駝に乗って 11:30
1976年Autumn作 収録:歌島橋Studio live 1977年Summer 
2. INTRO:イントロ~METRONOME7/8:メトロノーム7/8~
PEACOCK’S FEATHER:孔雀の羽~METRONOME7/8:メトロノーム7/8 12:40
1975年Winter作 収録1978 12/30 live at BAHAMA
3. ODDESSA:オデッサの石段 12:40
1977年Autumn作 収録1978 12/30 live at BAHAMA
4. ARIA:アリア 11:20
1977年Spring作 収録:歌島橋Studio live 1977年Summer 
5. TURKEY’S MARCH:七面鳥の行進 4:15
1975年Summer作 収録1978 12/30 live at BAHAMA
6. A STORY OF MYSTERIOUS FOREST“Original Version”:妖精の森(オリジナルバージョン)24:25
1975年Winter作 収録1978 12/30 live at BAHAMA with DADA*

All composed by 天地創造/AIN SOPH Except “ METRONOME7/8”help from CARAVAN’S “Introduction”

天地創造/AIN SOPH
山本要三Yozx(guitars)
藤川喜久男Kikuo Fujikawa(keyboards)
鳥垣正裕Masahiro Trigaki(bass)
名取寛 Hiroshi Natori(drams)

*DADA
小西健司Kenji Konishi(keyboards)
泉 陸彦Mutuhiko Izumi(keyboards)

先週末、御茶ノ水ディスクユニオンのクリアランスセールへ出かけ、幻の名盤「駱駝に乗って」(未開封)を定価以下で発見。1890円で入手に成功しました!※稀にしか見ることはなかったが有っても中古でプレミアムがついているか、定価(3008円)でしか見かけたことがなかった。

ライブ盤なのだが、未発表曲と妖精の森(あの名曲)のオリジナルヴァージョン!を含め未発表で構成され、スタジオテイクアルバムと遜色ないどころか、むしろノリノリの変拍子の勢いは、スタジオテイクアルバムよりも活き活きとした素晴らしいアルバムだ!

山本要三のGuitarは冴え渡り、藤川喜久男のKeyboardは山本のギターと絡み、鳥垣正裕Bass名取寛のDramsのリズム隊は心地良い変拍子を叩き出している。ライブでこのような超絶テクニックをさらりと演奏してしまう彼らのテクニックは、プログレの本家イギリスにおいても、立派に通用するのではないだろうか?! 

なんといっても、このアルバムの存在を知ってから、この一曲目の「駱駝に乗って」を聴きたくてたまらなかったのだが、山本要三のギターはアンディ・ラティマーの哀愁漂うエモーショナルなギターそのものではないか・・・。77年78年といえばCAMELに元CARAVANのリチャード・シンクレアBass, Vocal(1977-1979)ヤン・シェルハース- Keyboards (1972-1978)さらにツアーメンバーとしてやはり元キャラヴァンのデイブ・シンクレアOrgan Piano Synthesizerと元キングクリムゾンのメル・コリンズSax(1977-1979)が在籍していた傑作「Rain Dances」(1977)「Breathless」(1978)「A Live Record」(1978)いわゆるCAMEL+CARAVANでCARAMELと揶揄された黄金期に、日本ではアインソフがこのような素晴らしいCAMELをトリュビュートしたライブテイクを残していたとは知らなかった。
ちなみにこの時代のCamelのDrumsはオリジナルのアンディ・ウォードが務めていましたが、意識して聴くと名取寛のDramsもアンディ・ウォードの多彩なドラムスに聞こえるから不思議だ。

本作の音源は30年以上前のカセットテープである、巷に出回るキングクリムゾンやピンクフロイドのプライベート盤に比べても音質がよく、小生の使用するミニコンポではあまり違和感を覚えさせない。無音に近いときには消去しきれないカセットのノイズらしき音が聞こえますが、これが逆にカセットテープ全盛の頃の味わいがあって良い。

録音された1977年~1978年(筆者が中学3年~高校1年)といえば、Ddogは地方に住むプログレ感染初期患者でした。キングクリムゾン・イエス・ピンクフロイド・ELP・ジェネシスの他にも、キャメルとかマイクオールドフィールドなどの凄いバンドが存在することを漸く知りだした頃でした。少ない小遣いからLPを買には本当に勇気が要り、プログレの音と情報に飢え、ひたすらNHKFMのサウンドストリートの木曜金曜の渋谷陽一氏、そしてクロスオーバーイレブンなどをFM雑誌片手にカセットテープでエアーチェックしまくっていたのを思い出します。テープのノイズを聴くとそんな懐かしい時代を想いださせます。

「騎駝に乗って」
アイン・ソフは,美狂乱や新月と違って,影響を受けたバンドが数多くあるが,このナンバーがどんなバンドの影響を受けて出来た曲か,気づかない人はいないだろう。タイトルも曲構成も,そしてメロディーも,一度アンティー・ラティマーかビーター・バーデンスに聴かせてみたいものだ。ここまでくると,ニヤリどころではなく,思わず笑い出してしまいそうだ。当時ステージでもおなじみの一曲て、ここでのテイクはスタジオ・ライヴ・ヴァージョンとなっている。
「イントロ~メトロノーム7/8~孔雀の羽根~メトロノーム7/8(反復〕」
この曲は初期,もちろんまた天地創造というバンド名の頃からの古いナンバーにして,彼らの十八番。この曲がオリジナル盤に入らなかったのは不思議なくらいで,昔NHKのある番組でもかかったのだ。典型的な3部構成からなり,「孔雀の羽根」のパートのスムーズな演動が印象的。
「オデッサの石段」
彼らの中期の代表作。ステージでもよく演奏された。天地創造/アイン・ソフの持ち味がもっともよく出たナンバーで,当時すぐにセカンド・アルバムが出される状況にあったら,真っ先に収録されていただろう佳曲だ。
「哀しみのアリア」
この曲は超レアなナンバーで,ステージでも数回しか演奏されておらず,なおかつタイトルさえまだまともについていなくて,このタイトルは,ぼくが当時曲のイメージからつけたものだ。この曲も「駱駝に乗って」同様もろにあるバンドの影響から作られた。まずは聴いてほしい。ハイ・テンボで進む前半とスロー・テンポの後半からなる2部構成のナンバーだが,特に後半のスロー・テンボになってからの,めくるめく美しくも哀愁あるメロディー・ラインとくれば,ほらあの南十字星がチラついてさたでしょう!?要三のギターの甘~い音色かとてもスーパー・マリオ・ミーロしている!!
「七面鳥の行進」
珍しく短めの曲。山本要三はまた,ブリテイッシュ・トラッドが大好きで,こんな楽しいトラディショナル・ダンス・ナンバーを書いた。この曲も大作の合い間の息抜き的な意味もあって,当時よく演奏されていた。インクレディブル・ストリング・バンド,ヘロン,ダルシマー,リンデスファーン,スティール・アイ・スパンにペンタングル&モア…。ブリティッシュでしか聴けないこれらのバンド,ぼくも大好きで,最近特にCDで耳にする機会が増えている。こんな可愛いい(チャーミング)ナンバーをアイン・ソフがやっていたなんて,ちょっとした発見でしょ?このナンバーは,要三の強い希望により収録されたのだ。
「妖精の森(オリジナル・ヴァージョン)」
アイン・ソフの全ナンバーでも,一番人気のある曲となると,やはりこの曲らしい。これだけの大作にして,このまとまりの良さはどうだろう。多くは語らすにおこう.キングから出たスタジオ・ヴァージョンと是非聴き比べてほしい。キーボード奏音が違うことと,DADAが参加していることがポイント。ところで、本テイクも,スタジオ・ライヴとはいえ,お客を入れたわけではなく,リハーサル・スタジオでのマルチ録音で,本当はオープン・リールによるマスターがあったのだが,どうしても見つからず,やむをえず,オープンよりダビングしたカセット・テープを,今回のマスターとした。しかし,それでも,もしCDラジカセあたりで聴いたなら,正規のスタジオ録音に近いレベルで楽しめるはずだ。DADAの効果的なシンセ・サウンドをバックに要三のギターは,鳴くというより泣きまくっている。こんな美しい音を出せるのは,日本では他に森園ぐらいのものだろうとぼくは思うのだが…。また,藤川のノスタルジックなエレピか凄く良いと感じてしまうのは30代それも後半のヒトだろう…な。是非ともこのCDを聴いての感想等をマーキー編集部までください。評判,セールスによっては,ひょっとして山崎編集長か賀川社長が,Vol.2を出してくれるかもしれないし…。
(高見博史1991.8.18)

1977年の渋谷陽一氏のNHK番組でのプログレベスト15です。

1位:E.L.P/Karn Evil 9
2位:ピンク・フロイド/葉巻きはいかが 
3位:イエス/シベリアン・カートゥル
4位:キング・クリムゾン/レッド  
5位:ジェネシス/ラムライズ・ダウン・オン・ブロードウエイ     
6位:クイーン/ボヘミアン・ラプソディー     
7位:カンサス/伝承
8位:ディビッド・ボウイ/ウイッピング・オール
9位:ヴァンダー・グラフ・ジェネレーター/ワンダリング
10位:キャメル/ラヤダ・ゴーズ・ツゥ・タウン  
11位:レッド・ツェッペリン/聖なる館     
12位:タンジェリン・ドリーム/架空の楽章
13位:クラフト・ワーク/トランス・ユア・エクスプレス 
14位:10CC/芸術こそ我が命 
15位:ルネッサンス/オープニング・アウト     
http://www.eva.hi-ho.ne.jp/hide-oba/members/oba_c/oba_1.html