以前私のブログ記事で、元Goldman Sachsの神谷秀樹氏の「強欲資本主義ウォール街の自爆」(文春新書)の書評を書いた。http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.gif
一部抜粋
金融本来の仕事は、実業の事業構築を助けるのが役目で、「経営の相談に乗るバンカー」であるべきものが、近年のウォール街では「顧客第一主義の原則」は消え、顧客は証券の仕入先か売り先にすぎなくなってしまい、「いかに利益を抜くか」がすべてになってしまった。

 
ずる賢く阿漕な仕事をする輩は昔から存在したが、近年は阿漕なビジネスをしないと職務怠慢とされてしまう風潮がある。
 
 
顧客サービス部門と自己投資部門は明確に分離され、万里の長城のように隔てれられ、別会社であると顧客に説明する為の自己倫理規定であったが、顧客サービス部門が得た情報で投資部門が大きな利益を上げるようになり、チャイナウォールが社内的には機能しなくなった。
 

ゴールドマンと顧客の歪んだ関係 【NEWSWEEK:2010.4.28】


金融危機                                       米証券取引委員会の訴状で明らかになった強欲ウォール街あきれた手口


ダニエル・グロス(ビジネス担当〕
ゴールドマンは自分たちは顧客の操り人形だと主張するしかし常に顧客の利益を最優先しているわけではない すべては顧客のために。これがウォール街に君臨するゴールドマン・サックスのモットーだ。
だから米証券取引委員会(SEC)が4月16日、証券詐欺罪で同社を提訴すると、同社は当然のごとく事実無根と反論し、徹底的に争う構えを示した。

私は証券法のプロではない。だが同社弁護団が法廷で、ゴールドマンは顧客のために働いただけだという主張を軸に議論を展開するだろうことは容易に想像できる。

いつだって自己利益を追い求めているゴールドマンが、それもすべては顧客のためだとおっしゃる。
確かに、同杜の経営理念の第1条には「ビジネス遂行上最優先すべきは、顧客の利益である。ビジネスの成功は、顧客への貢献への結果、得られるものであり、これはわが社の発展の歴史を見ても明らかである」とある。

決算報告と共に株主に送った書簡には、私が数えたところ「顧客」という語が56回登場していた、「すべては君のため」と歌ったのはミュージシャンのプライアン・アダムスだが、ゴールドマンも「すべては顧客のため」と繰り返す。株主宛の書簡には「機関投資家を中心とする顧客のために、当社は助言者や資金の供給者、市場の作り手、資産の管理人、そして共同投資家としての役割を果たします」とある。

ゴールドマン・サックスはなぜ、政府が提供した低利の資金や政府保証の付いた債務を使って投機やヘッジを行ったのか。株主宛の書簡によれば、「当社が取るリスクや生み出す利益の大部分は、顧客の二ーズないし目的を推し進める取引に由来する」そうだ。

保険最大手のAIGからクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の購入という形で損失保証を受けた(結果的にはAIG救済に投じられた税金で支払われた)理由についてほ、こう説明している。「それは同じ取引で顧客が行う反対取引のリスクを回避するために設計された。こうすることで当社は、顧客が具体的な投資スタンスを示すのを助ける上で仲介者の役割を果たした」

顧客とカモは紙一重

門外漢には理解し難い文面だが、要するにゴールドマンとて所詮は顧客の操り人形にすぎないと言いたいらしい。

とはいえ、顧客とカモは紙一重なのがウォール街の常。同社とて、常に顧客の利益を最優先してきたわけではなさそうだ。サププライムローン(信用度の低い個人向け住宅融資)関運商品の危険に気付いてからも同社が顧客に売り続けていた、との指摘もある。

また英紙フィナンシャル・タイムズは16日付の記事で、ゴールドマンの運営する18億ドル規模の不動産ファンドの価値が05年以降、98%も下落したと報じている。ゴールドマンも自己勘定で投資していたから大損をしたが、顧客に損をさせる一方で何千万ドルもの手数料を稼いでいたのも事実だ。

16日付のSECの訴状は、同社が一部の顧客を明らかにえこひいきしていたことを指摘している。
SECによれば、同社は有力顧客であるヘッジファンド「ポールソン・アンド・カンパニー」の強い要請を受けて債務担保証券(CDO)を組成し、それを細分化して他の顧客に売っていた。

ポールソンがゴールドマンにCDOを組ませたのは、空売りするためだったらしい。同社はこのCDOに含まれるローンが高い確率で焦げ付き、その大部分の価値が失われると予想していた。

分かりやすく言えば、開発業者(ポールソン)が建設会社(ゴールドマン)に分譲マンションの建設を委託し、一方でそれが倒壊した場合の損失を保証する保険を買っていたに等しい。

 
「欠陥住宅」と知リながら
 
それだけではない。彼らの計画はさらに手の込んだものだった疑いがある。SECによれば、ゴールドマンはポールソンおよび「ポートフォリオ選定代理業者」のACAマネジメントと組んで、故意に欠陥だらけで標準以下の「建築資材」を使ってマンション(CDO)を建てていたらしい。

SECは、ACAがゴールドマンの監督の下、ポールソンが選定した担保証券をCDOに組み込んだ証拠をつかんでいる。そしてゴールドマンは、このマンション(CDO)の欠陥や危険性を説明せずに一般の顧客に「分譲」していたという。

狙いは当たった。ゴールドマンは欠陥CDOの組成・販売手数料で大儲けし、有力顧客のポールソンもその空売りで大成功を収めた。
一方で、その他の不運な顧客(細分化されたCDOを購入した複数の銀行)は大損した。

ゴールドマン会長のロイド・ブランクファインに言わせると、投資銀行はひたすら顧客に奉仕するのが役目であり、後は「神の御業」に従うのみだという。名言だが、補足が必要だ。その神の名は「強欲」である、と。
NEWSWEEK 2010.4.28
お恥ずかしい話だが、前財務長官ヘンリーポールソンの強欲は有名でしたので、このニュースのPaulson & Co. Inc.って、前財務長官のHenry  Paulsonのプライベート企業かと一瞬思ってしまいました。ちなみに財務長官時代のヘンリーポールソン氏は、「毒をもって毒を制する」の格言通りの業績でであったと私は評価しています。
 
Paulson & Co. Inc.のCEOJohn Alfred Paulson New York UniversityMBA from Harvard Business SchoolBoston Consulting Groupに入社して⇒ Bear StearnsGruss Partners LP.と経て、同社を立ち上げたという、いわば絵に描いたような強欲ウォール街の典型的人物だ。
 
もちろん、私も今回のジョンポールソンの倫理観なき行為は糾弾されるべきだとおもっておりますし、一遍の同情も持ちえません。
 
しかし、オバマの政治的道具の生け贄にされれたと思います。米共和党下院監視・政府改革委員会のトップであるアイサ議員らは、SEC(証券取引委員会)によるゴールドマン・サックスの提訴が、オバマ民主党による金融規制改革法案の推進と時期を合わせて行のは、オカシイと主張している。
 
アイサ議員らはSECのシャピロ委員長に書簡を送り、「論議を呼んでいるSECの提訴の決定とそのタイミングに政治が不当に影響を与えた」と懸念を表明した。SECによるゴールドマン提訴に続いて、金融規制改正法案への支援拡大を訴える民主党のキャンペーンにあわせていると激怒している。
 
党派的な政治課題を推進するために独立した監督機関を利用することは運邦法に違反するというのだ。これは「政府の介入が市場原理を歪めることを極端に嫌う国民性」や、米国の建国の精神からすればオカシイと異議を唱えて当然だと思う。
 
最近オバマはSECどころか、FRBまで政治利用しようとしている。FRBが独立しているからこそドルは暴落せずに済んでいる事実をまるで理解していないようだ。
 
 
オバマの支持率の低下は、演説だけ上手で何も実績がなく焦ったオバマが、国民皆保険制度が不完全な形ながらも導入したことだ。我々日本人の感覚からすれば、国民皆保険は当たり前のことだが、移民の国米国では感覚が違う。いや違って当たり前かもしれない。だが、我々日本人も今回日本の民主党が行った子供手当の矛盾を見て、理解したと思う。
 
韓国に子供がいる在日の韓国人に適用することは、明らかにオカシイ、憤りを感じるのと同じことらしい。つまり、「不法入国した者の面倒を見るため、なんで自分の税金を払わねばならないか!」ということらしい。
 
「あまりの国民皆保険制度の不評に中間選挙を控えたオバマは、ウォール街へ宣戦布告のパフォーマンスをした」これが今回のゴールドマンサックス事件の真相ではないだろうか?
 
私も、常識はずれなウォール街の連中を擁護しようとは思わないが、過去の歴史を紐解くと、そういった必要悪を必要以上に取り締まった国や政権は、必ずと言っていいほど没落していったのである。
 
 兵庫県尼崎市に住む50歳代とみられる韓国人男性が、養子縁組したという554人分の子ども手当約8600万円(年間)の申請をするため、同市の窓口を訪れていたことが分かった。市から照会を受けた厚生労働省は「支給対象にならない」と判断し、市は受け付けなかった。インターネット上では大量の子ども手当を申請した例が書き込まれているが、いずれも架空とみられ、同省が数百人単位の一斉申請を確認したのは初めて。【鈴木直】

 尼崎市こども家庭支援課の担当者によると、男性は22日昼前に窓口を訪れた。妻の母国・タイにある修道院と孤児院の子どもと養子縁組をしていると説明し、タイ政府が発行したという証明書を持参した。証明書は十数ページに及び、子どもの名前や出生地、生年月日などが1人につき1行ずつ書かれていた。担当者が「養子はどの子ですか」と聞くと「全員です」と答え、男女で計554人と説明したという。

 男性には実子が1人いる。子ども手当は月額1人につき1万3000円(10年度)で、計555人分が認められれば、年間8658万円の手当が支給されるが、厚労省子ども手当管理室は「支給はあり得ない」と言う。

 今回のようなケースについては、国会審議で野党から問題点として指摘されていた。手当の支給要件は(1)親など養育者が日本国内に居住している(2)子どもを保護・監督し、生活費などを賄っている--の2点だけ。母国に子どもを残してきた外国人にも支給されるうえ、人数制限もなく、機械的な線引きが難しいためだ。こうした盲点を突かれ、ネット上では「100人を養子縁組しても手当はもらえる」といった書き込みや批判が絶えない。同省は今月6日、ホームページに「50人の孤児と養子縁組をした外国人には支給しない」と記したものの、根拠は「社会通念」とあいまいだ。何人以上なら不支給という明確な基準はなく、同様の申請が各地で続発しかねない状況となっている。

 尼崎市の男性は、子どもへの送金証明や面会を裏付けるパスポートのコピーなど外国人に求められる書類をそろえており、事前に調べてきた様子がうかがえた。市の担当者は「可能ならもらおうという意欲を感じた」と話している。