イメージ 1

大阪市大が人工光合成でメタノール製造 32年までの実用化目指す

2011.4.21 20:21
 大阪市立大の神谷信夫教授らの研究グループは21日、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を原料に、人工光合成でアルコール系燃料のメタノールを製造する構想を発表した。平成32年までの実用化を目指す。実現できれば世界初。石油などの輸入化石燃料や原子力発電に依存しない循環型の国産クリーンエネルギーが確保できることになり、注目を集めそうだ。

植物の光合成では、二酸化炭素と水から炭水化物と酸素が作られるが、神谷教授らのグループは、その際に水を分解する「タンパク質複合体」の詳しい構造を解明し、18日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表した。

このタンパク質複合体と同じ化学構造の触媒を人工的につくり出し、太陽光エネルギーを利用することで、二酸化炭素と水から、炭水化物の代わりとなるメタノール燃料の製造が可能になるという。

この日、大阪市役所で会見した神谷教授と同大複合先端研究機構プロジェクトリーダーの橋本秀樹教授は、27年までに人工光合成装置を開発、32年までにメタノール燃料製造の実用化を目指すスケジュールを明らかにした。

新たな研究施設の建設に約8億円が必要になる見込みで、経済産業省の補助事業を活用したい考え。すでに企業数社との交渉も始めているという。

橋本教授は「排出された二酸化炭素から燃料が製造できるようになれば、究極の循環エネルギーになる。最終的には、原子力発電に代わるシステムを目指したい」と話した。
イメージ 2
自然界での光合成は、水・二酸化炭素と、太陽光などの光エネルギーから化学エネルギーとして炭水化物などを合成するものであるが、大阪市立大の神谷信夫教授らの研究グループが人工光合成を遂に解明したようだ。水を分解して酸素を発生させる仕組みを原子レベルで解明することに成功し、これで太陽光から高効率で電気を取り出せる可能性が高まりました。
 
これは、非常に大きな技術的ブレイクスルーである。ES細胞とならぶ日本が21世紀をリードする科学的快挙であると思います。

 

意外とスゴイ!「純国産エネルギー」の実力 【週刊SPA】

イメージ 3

洋上風力> 
関東沿岸域の風カ資源は、東電の年聞電カ販売量に匹敵!

京大学の石原孟教授は、’07年に関東地方沿岸域での洋上風力の賦存量(理請的に導き出された資源の量)に関する論文を発表、業界関係者を驚かせた。
「関東沿岸から50㎞の全海域を対象とした場合の総資源量は年間287テラワット(2870億キロワソト)/時で、'05年の東京電カの年間販売量とほほ同じ。太平洋沿岸は風況が良く、大規模溝止風力発電施設は大きな可能性を秘めています」
と石原教授は解説する。

「新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)の調査によると、年平均風速7m秒以上、海岸から30㎞以内、水深200mまでの海境での風力資源量は12億キロワット。このうち水深50mの海域の5%に着床式、つまり海底から直接立てる形で風力発電施設を造れば、IOOO万キロワットの設備容量が確保できます。さらに、浮体式、つまり海上に浮かべる方式で水深200m海域の3%に風車を造れば3600万キロワット。 洋上風力発電の設備利用率30%から換算して、l00万キロワットの原発17基分(稼働率80%)の発電量に匹敵します」

イメージ 8

 
世界の風力発電はいまや5兆円産業

優れた災害対策技術もある。
「欧州と異なり、日本には巨大な台風が来ます。’03年には、宮古島で欧州製の風車が根元から折れてしまうということがありました。そこで我々は、台風・地震・津波などさまざまな災害に耐えるための設計指針を'07 '10年にまとめました。 それ以来、台風で破壌された風車はなく、今回の人震災でもほとんど被害はありませんでした。日本の風箪の般計技術は高く、欧米やアジア各国からの問い合わせが相次いでいます」

「洋上風力発電はコスト面からみて厳しいのではないか?」という疑問に対して、石原教授は次のように答えた。
イメージ 7

「確かに、陸上の風力発電所に比べて、洋上風力発電所の建設コストは高いです。着床式、つまり海底から立てる方式で1.5倍、浮体式で2倍のコストがかかるとみられています。しかし、陸上では風の強いところでも年平均風速6m/秒程度であるのに対し、洋上では7.5m/秒。障害物もなく、風が安定的に得られるのです。発電量に換算すると、洋上は陸上の約2倍、発電コストはほぼ同じです。洋上風力には、景観や騒音等を気にしなくてもいいことや、道路なとの制約条停がなく、大型風車の運搬や設置が容易というメリットもあります」

日本ではまだ主要電源として認識されていない風力発電だが、世界各国はどんどん風力に力を入れ始めていると石原教授は言う。
「10年来に世界の風力発電設備容量は1億9439万キロワットに達し、過去13年間の平均成長率は28%。風力発電への投資は全発電施設の新規投資の5分の1を占め、5兆円産業となつています」

石原教授は「日本には風力資源も技術もある。あとは、国の目標と支援策」と指摘する。
「外洋は基本的に国が管理しているので、日本も欧米のように政府が音頭をとらなくては民間が動けません。また、自然エネルギーによる発電を買い取るための「固定価格買い取り制度」を早期に導入すべきです。同制度を取り入れた国々では爆発的に自然エネルギーが普及しています。なにより、いつまでにどのくらいの風力発電設備を造るのかという国家ピジョンが必要.これらがそろってこそ、企業の参入や投資を呼びこむことができるのです。 エネルギー対策はもちろんのこと、地球温暖化対策や新たな産業・雇用を生むためにも、今こそ政府は風力発電普及のため金力を尽くすべきではない でしようか」
イメージ 4
















<波力> 
日本の沖合の波パワーは3億キロワット以上!

 
イメージ 9

「日本は世界第6位の領海・排他的経済水域(EEZ)を持っています。この膨大な海洋エネルギー資源を利用しない手はありません」
と語るのは、東京都の波力発電検討会の委員長を務めている東京大学の荒川忠一教授だ。

「日本の沖合の波パワーの賦存量(理論上潜在的に存在している量)は、3億キロワット一300ギガワット)以上とみられています。最近の先進的な波力発電装置のエネルギー変換効率は30%程度なので、3%を利用すれぱ3000万キロワット以上の波力発電設備を設置することができます」

問題は、実用化して軌道に乗るまでは、設備の設置コストが非常に高いことだ。しかし、普及していけばどんどん安くなるという。
イメージ 10


ほかの海洋エネルギー、漁業との共存も

検討会の報告書によると、米国のオーシャン・パワー・テクノロジー(OPT)社の2年前の分析では、普及時(年平均1OO基量産ぺース)の設備コストは、1メガワットあたり約3.9憶円、発電単価は15円。風力は1.5億~3.1億円のコストで発電単価8~16円。太陽光は7.2億~10.4億円のコストで、発電単価は50~134円(現在はさらにコストが下がっている)。波力はほかの再生可能エネルギーと比べても遜色ない米国をはじめ、英国、ポルトガル、オーストラリアなど、海洋エネルギーの利用に積優的な国は、さまざまな助成優遇措置を設けて産業を育成しようとしている。

(略)
 
波のエネルギー密度は太陽のおよそ20倍、風のおよそ4倍。そのため、波力発電施設は設置面積が少なくて済む。

「洋上風力発電の隙間を埋めるように発電設備を設置するなど、ほかの海洋エネルギーと組み合わせられるという経済的利点もあります。同一海域で一帯事業として実施し、海底ケープルなどのインフラをシェアすれぱ、よりコストが下げられるでしょう」

そのほか、浮き漁礁や養殖場として、漁業との共存も模索されている。
日本ではまだ実用化されていないが、世界では再生可能エネルギーとして注目され、100を超えるブロジェクトが進行中だという。「欧州再生エネルギー評譲会は、波力発電導入量を'20年には5テラワット(50億キロワット)と試算しています。日本も乗り遅れてはなりません。今後の目標は、'20年 までに30Oメガワット(30万キロワット)以上、30年までに20~30ギガワット(2000万~3000万キロワット)の導人です。」
 週刊SPAではこの他に

イメージ 12

地熱エネルギーの利用、太陽熱発電森林間伐材汚泥バイオマス酸化マグネシウム太陽光レーザー分解⇒マグネシウム発電(蓄電)用水路や砂防ダムなどの既存の施設を利用した小水力ついで発電について特集されています。

イメージ 13

イメージ 15
イメージ 16

イメージ 14

Mgを貯蔵媒体としたクリーンエネルギー循環コンセプト
 
マグネシウムを用いた革新的エネルギー貯蔵 私たちは、マグネシウムを用いたエネルギー貯蔵を提案します。マグネシウムを水と反応させるとモル当たり86キロカロリーの熱と水素を発生します。この水素を燃料電池として使用したり、水素燃焼エネルギー58キロカロリーを使うこともできます。
反応生成物である酸化マグネシウムは、太陽光や風力などの自然エネルギーを用いて、マグネシウムに戻すことができます。これにより、安定供給の難しい自然エネルギーを貯蔵することができるのです。 

私は3.11以降も従来の日本のエネルギー政策のにおいて原発を増設してきたことを否定しない。しかし、現実的には従来の原発政策は困難となってしまった。原発の新設や増設が難しくなれば、日本のエネルギーに占める比率が今後20%から10%に下がってしまうだろう。温暖化の主犯ではないとは思うが二酸化炭素を排出する石油火力発電に頼るわけにはいかない。

ご心配なく、着々とクリーンな国産エネルギー開発は進んでいます。
ISEP 環境エネルギー政策研究所のサイトは参考になります。

イメージ 5

太陽光発電は住宅向けの太陽光パネルを筆頭に電力各社大規模発電所の建設が始まり産官学共同で太陽光発電世界一を奪回するプロジェクトも始まっています。
 
イメージ 6

スペインで進んでいる太陽熱発電も日本の技術が使われている。また、オーランチオキトリウム藻を使ったバイオメタノール技術など、有望な技術は目白押しだ。
 

 
私は、自分達が今まで原子力発電による電気の恩恵に被っておきながら、今回の福島原発事故で原子力発電に対してヒステリーのように拒絶反応する人々を軽蔑しています。 しかも、自分達は知らなかったと被害者意識で、ネットでエゴイスティックなエコ正義を振りかざす馬鹿達には辟易する。

だが、原子力発電にとって替わる技術が開発され商業ベースで実用化が可能であればそれにこしたことはない。エゴなエコではない、現実的で明るいエコな未来が望ましい。
 
本日は代々木公園で開かれているアースディ東京へ娘と出かけます。