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君は、これまで君の心が
思ったことの集合体


君という存在は、過去に「何を考えたか」によって、その考えたり感
じたりした内容が、ひとつひとつ心に蓄積されミックスされた結果のつ
ぎはぎとして、今、ここに立っている。
すなわち君とは、これまで君の心が思ったことの集合体。

君がイヤなことを思うなら、少しだけイヤな業(カルマ)のエネルギーが心に刻
まれ、そのぶんイヤな君に変化する。
君が優しいことを思うなら、少しだけポジティブな業のエネルギーが
心に刻まれ、そのぶん温かい君に変化する。

こうして人間は、心で思ったとおりのものへと少しずつ変化してゆく。
すべては心が思うことから生まれ、すべては心が思うことによって創
られる。

ゆえにネガティブな心によってイヤな話をしたり、ネガティブな心に
よってイヤな行動をしたりするならば、必ずや苦しみが自分についてく
るだろう。

優しくポジティブな心で話したり行動するなら、必ず安らぎが自分に
ついてくる。
そう、影が君の歩く後ろから必ずついてくるかのごとく。
法句経1、2

善いことを 思ったら、すぐに実行に移す

落ちついた心で何かに打ちこもう、という気持ちがわいてきたなら、
急いでそれを実行に移し、善い業のエネルギーを心に刻んでおくこと。
そうすることで、ネガティブな思考が心を占領しようとするのを防ぐように。
なぜなら、せっかく善いことをしようという心が出てきても、うかう
かしているとすぐに、ネガティブな思考に入れかわってしまうのだから。
たとえば「今日は掃除をしよう」と意気込んでいても、すぐに始めな
いで先に遊びはじめると心が変わり、「やっぱり時間もないし、やIめた」
とネガティブな業を積むはめになるのだから。
法句経116


ネガティブなことを思わない

もし君が、ネガティブな思考にとらわれたり、ネガティブな思考のま
まに話したり行動したならば、そのネガティブな悪業をそれ以上は繰り
返さないようスッパワやめること。
ネガティブな予不ルギーは刺激的でクセになるけれども、それへの中
毒にならぬよう気をつけること。
ネガティブな悪業のエネルギーを心に溜めこんでゆくのは、君の苦し
みを増やすことでしかないのだから。
法句経117

もし、君が業の法則を
知らないままでいたら


君がせっかく眠ろうとしてベッドに入っても、これまで積んできた悪
業のネガティブなエネルギーに支配されると、ネガティブ思考がグルグ
ルと頭の中を駆けめぐって眠れなくなる。そんなイライラした夜はとて
も長く、いつまでも朝がこない。

君が疲れ果てて精神的にまいっていると、目的地まで歩いてゆく道の
りは、果てしなく長いと感じられる。

そして君が、業の法則を知らずに死んでゆき、また生まれ変わりを繰
り返すなら、その苦しみの輪廻転生の道のりは、気が遠くなるほどに長い。
法句経60

自分の内面を見つめることなく
生きていったら


自分の内面を見つめることのない愚か者は、自分を敵のように痛めつ
けながら歩む。悪い業を積んで自滅する結末をいつか迎えるまで、知ら
ず知らずのうちに破滅へ向かって。
法句経66

悪い業(カルマ)

あとになってから「やっぱりやらなきやよかった」と後悔し苦しむな
らば、その行為は悪い業として心に蓄えられる。
その悪業をなしたネガティブなエネルギーが心の中で熟し、やがて苦
しみの報いを泣きながら受けるはめになるのだから。
法句経67

善い業(カルマ)

あとになってから「やっぱりやらなきやよかった」と苦しまずにすむ
なら、その行為は善い業として心に蓄えられる。
その善業をなしたクリアなエネルギーが心の中で熟し、やがて心地よ
き報いを楽しい充実感とともに受けとるのだから。
法句経68

悪業の報いを受けるとき

心の法則を知らない者は、
自分の行った悪い行動・悪い言葉・悪い思考によって
心に悪い業のエネルギーが刻み込まれても気にかけない。
心の法則を知らない者は、
その悪業のエネルギーがたっぷりグツグツ煮られて熟して、
ついにいやな報いを受けるまでのあいだは、
「自分は楽しんでいる。甘い汁を吸っている」と
妄想していられるだろう。

他人に対して生意気な態度をとるという行動をとれば
一瞬、楽しさの錯覚がある。
嫌いな人についてグチの言葉を吐いたり、
嫌いな人に対して「ムカツク」という思考にふけったりするのも、
一瞬は気晴らしになったような錯覚が生じるだろう。

しかしながら悪業のエネルギーがグツグツ煮られて
報いを受けるときには、
愚か者もついに苦しみを味わう羽目になる。
法句経69・119

最低の人とは

行動こ言葉・思考によって、ネガティブなことを言ったり考えたりす
る悪しき業を積みながら、「これが他人にバレないようにごまかそう」
と隠そうとする人こそが、最低の人と呼ばれるにふさわしい。
たとえば、心では「早く帰りたいなあ、この人の話はつまんないなあ」
とイライラ考えて怒りの業を積みながら、表面では笑顔を浮かべて、「あ
なたの話はウィットに富んでいて、おもしろく聴かせていただきました」
なんてごまかすとしたら、内面とうわべの矛盾ゆえに、君の中にストレ
スが溜まる。
そうやって、君はだんだん最低の人になってしまう。
法句経127


悪い業が減らないのは

「あの人はここがよくないのよね」「この人は服のセンスが悪いね」「そ
の人は性格が歪んでるよね」などと、他人の問題点ばかり見ていつもケ
チをつけるとしたなら、さまざまな煩悩エネルギーが蓄積されていくば
かりで、いつまでたってもネガティブな業を減らすことはできないだろ
法句経253

ネガティブ思考を 乗り越えた者の
四つの安心感


ネガティブ思考を乗り越えた君が、
欲望を離れ、怒りと迷いの霧を離れ、
心が美しくなったなら、
次の四つの安心感が君にある。

もし業の報いと輪廻が本当なら、
君が信じようと信じまいと、
死後によい生まれ変わりをするだろう。

もし死んだら終わりで輪廻が嘘だとしても、
今のこの人生でイラつかず苦しまず安らぎがある。

もし悪しき業が苦しみを引きよせるというのが本当なら、
「悪いエネルギーをつくってないから苦しみはやってこないよね」
と安らげる。

もし悪しき業が苦しみを呼ばないにせよ、
「悪い予不ルギーが溜まってないから心がきれいに澄んでいるよ」
と微笑める。
増支部経典

ネガティブな行動・言葉・思考が
不幸な人生をつくる

君がネガティブな行動・ネガティブな言葉・ネガティブな思考をする
のがクセになってしまい、それらを通じて悪い業を心に刻み込んできた
ならば、生きている間から、その業の手不ルギーにより、いつもイライ
ラして不幸な日々を送る。
そのうえやがて死ぬときは、来世においていやな生まれ変わりをする
羽目になるだろう。
「自分は他人に非難されることをたくさんしてきた、バレたらどうしよ
う」とイライラし、死後はいやな生まれ変わりをして、いっそう苦しむ
ことになるだろう。
法句経17


ポジティブな行動・言葉・思考が
幸福な人生をつくる


君がポジティブな行動・ポジティブな言葉・ポジティブな思考を通じ
て善い業を心に刻み込んできたなら、生きている間から、その業のエネ
ルギーによりいつも幸福でいられる。
そのうえやがて死ぬときは、来世において幸福な生圭れとなり、今世
でも来世でも安心して過ごすことになるだろう。
「自分は誰からも後ろ指をさされることはない」と安心でき、死後は善
き生まれ変わりをして、いっそう心配のない生活を送ることになるだろ

法句経18

仏教はあくまでも内面を磨くものであります。
自分の家族や友人会社国家を守る為に苦しみもがく場合は逃避理論にすぎません。
ですから、原始仏教におけるこのブッタの言葉は尊重すべきであっても、人間として文明を維持するには無理があり、ブッタの言葉を理解した上で己の倫理観に照らし合わせるべきだと思う。

その3で紹介した鈴木正三の日々是仏業こそ日本仏教の真髄として、このブッタの言葉を理解すべきと思う。
その4までで紹介したのはこの本の1割にも満ちません。

このブッタの言葉にご興味をもたれた方は是非全編を読んでいただきたいと思います。