日銀は19日の金融政策決定会合で追加緩和を決定し、資産買い入れ基金を10兆円増額した。ちょっとした粗品か福袋をマーケットにばら撒いた。

だが、効果は1日しか持たなかった。反日暴動をしてお茶を濁す中国経済の炎上が止まらないことがマーケットを冷やす要因だと思う。

正直なところ日本の株式マーケットは機能していない。参加者がいないのだ。
昔仕手株で10億ロットで動かしていたようなお客様も今は個人向け国債や銀行預金に資金を寝かすだけ・・・・夢や希望が極端にないマーケットは無味乾燥である。

だが、世界は見えないところで動き出しているかもしれない。欧州中央銀行(ECB)が南欧諸国の国債を無制限に買い入れることを表明し、QE3が実施された。
そしてQE3に対し定石通りに日銀の追加緩和は円高を阻止した。

欧州ではドイツ憲法政判所が、欧州安定メカニズム(ESM)を合憲とし、ECB(欧州中央銀行)による国債購入への道が開けた。10月上旬にはESMが発足し、要請する国があれば、国債購入が実施される見込みだ。

しかし、不幸なことにスペインは折角の国債購入支援を財政緊縮を拒否しようとしている。ECBの無制限の国債購入の支援条件としての財政緊縮が規模だけでなく分野も指定しているのが支援拒否の理由出そうだ。スペインはECBの無制限の国債購入 を拒否しESMやECBの国債購入には至らず、欧州の信用不安は再び高まる可能性はある。だが、背に腹は代えられず最終的には受け入れると思う。

ドイツのメルケル首相の発言からは、ドイツが以前に比べて危機対策に積極化している様子がうかがえるが、欧州の景気減速が広がる中、債務危機対策に時間をかける余裕はどの国にもなく、でも結局スペインはESMに国債購入を要請し、ECBによる無制限の国債購入も可能となるだろう。国債購入というセーフティネットの構築によって信用不安は抑制され、景気は回復しやすい状況となるだろう。

QE3の規模が小さいなど悪口を言われているQE3だが、住宅を中心に景気回復は進んでいる。 QE3では政府機関発行モーゲージ債(MBS)を、雇用が改善
するまで毎月400億ドル買い続けるというもので、景気回復期待を高め、リスク選好に働くだろう。GDP(国内総生産)の7割を占める個人消費は、株価や住宅価格など資産価格の影響を受けやすい。

今年半ば以降の株高を受けて個人消費は上向きつつあり、QE3がそうした傾向を強めることになるだろう。

 来年初めに「財政の崖」で景気が後退するリスクもあることから、雇用に慎重な企業も少なくないが、資産効果で個人消費が回復すれば、連動するように雇用も増加ベースが加速すると思う。

 FRBによる資産購入で、ドルが市場に供給されるため、QE3は米金利低下やド
ル安を生む要因となる。が、一方で市場のリスク選好度を高め、景気回復期待を通じて米株価上昇や金利上昇を生む要因にもなる。当面は後者の効果が優勢となるだろう。そして、リスク選好の下で、ドルは多くの通貨に対して下落するだろうが、円はドル以上に下落するだろう。

リスク選考時の相場
新興国←資源国← ユーロ← ドル  ← 円

危機発生リスク回避の相場
新興国⇒ ユーロ  ⇒ 資源国 ⇒ ドル  ⇒ 円

 まもなく、リスク選好の円安(全面安)相場が始まると考えたい。  



 これはあくまでの個人の相場観です。相場による損失の責任は負いません。あしからず!