イプシロン 搭載カメラ映像

2013.9.21 14:25
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した新型固体燃料ロケット「イプシロン」初号機の打ち上げが14日、成功した。小惑星探査機「はやぶさ」を積んだ「M(ミュー)5」ロケットの2006年の打ち上げ以来途絶えていた固体燃料ロケットが7年ぶりに復活したことになる。宇宙開発を前進させる技術革新や小型衛星を比較的低コストで打ち上げる道を開いたことが意義とされる。ただ、意図せざる結果ではあるが、イプシロンが日本の平和に貢献していることも知っておいた方がいい。その証拠に、韓国や中国のメディアから、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に転用可能ではないかと警戒する声が挙がっている。

ICBM転用に警戒

共同通信によると、中国の国営中央テレビは14日、「イプシロンの技術は弾道ミサイル製造に転用できるため、軍用目的についての憶測を呼んでいる」と伝えた。韓国の有力紙「朝鮮日報」電子版も14日、「ICBMへ転用可能」と報じた。この電子版には、8月22日にも、イプシロンを日本の軍事大国化の一例とする記事が掲載された。

戦後、自国の平和を損なうほど過剰な「平和主義」をとってきた日本に対して、よくここまでいえるものだとは思う。日本にICBMを持つ意図はない。

そもそも政府は、憲法9条によって「性能上専(もっぱ)ら相手国国土の壊滅的な破壊のためにのみ用いられる、いわゆる攻撃的兵器を保有することは、直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることになるため、いかなる場合にも許されない。ICBM、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母の保有は許されない」(2013年版『防衛白書』)との立場をとっている。

防衛省自衛隊は、C4ISR(指揮・統制・通信・コンピューター・情報・警戒監視・偵察)や衛星防護の分野で、宇宙利用を進めているが、そこまでだ。

そんなことを百も承知の近隣諸国から警戒の声があがるのは、固体燃料ロケットの技術が、核兵器の運搬手段であるICBMや中距離弾道ミサイル(IRBM)などを開発するための中核的技術でもあるからだ。ロシアは戦略ロケット軍に配備していたICBMを、人工衛星打ち上げロケットへ商用転用している。

侮られないための保険

宇宙ロケット、特に固体燃料ロケットの技術は、発射が迅速にできることなどから、弾道ミサイルと裏表の関係にある。筆者は、2013年1月5日の「安倍政権考 維持された核オプション」でも記したが、自前の技術に基づく平和利用のための原発は、核オプション-核武装するかどうかの選択の自由-を担保している。それと似た構図であり、固体燃料ロケットの技術は核オプションの構成要素でもある。

日本の固体燃料ロケットには長い歴史があり、イプシロンが初めてではない。1963年にはL(ラムダ)ロケットの最初の打ち上げに、70年にはLロケットで人工衛星の軌道投入に成功した。60年代後半以降、日本は核兵器およびその運搬手段であるICBMなどの製造能力を潜在的に持つ国だと見なされてきた。

イプシロンの安全保障上の意味合いは、核オプションを構成する固体燃料ロケット技術を日本が持ち続けることを意味する。そこで、近隣諸国がICBMを連想したのだが、これは日本にとって悪い話ではないかもしれない。

日本は非核兵器国であり、米国の核の傘に依存している。核の傘を日本へ真剣にさしかけるよう米国に促すためにも、その他の核兵器国や非友好国が日本をこれ以上侮らないためにも、平和利用の発電・宇宙開発の副産物である核オプションという保険はあった方がよいだろう。

(論説委員 榊原智)
イプシロンロケットについて2012.09.30にCSM(Conventional Strike Missile)非核ミサイルを対中国抑止力として日本は配備せよ という記事を書いた。日本のロケット軍事転用については、糸川博士が1954年ペンシルロケットの実験成功以来ずっと議論され続けてきた。6月には防衛省が短距離弾道ミサイルの開発の検討に入ったことが報道され、
イプシロンロケットの軍事転用について発射直後から特亜諸国で騒がれだした。

イメージ 1ロケットとミサイルに技術的共通点が大きいのは事実です。冷戦時代の米ソの宇宙開発競争は、同時に弾道ミサイル開発競争でもありました。

朝日新聞の記事では「固体ロケットは、ICBMと共通の技術が使われ、積み荷を換えればミサイルに早変わりする」 という私と同じ視点であるが左側から見たイプシロン報道でした。

しかしイプシロンあくまでも宇宙ロケットであってICBMではなく、ボタン一つでICBMに転用できるものでもない。

実はイプシロンの能力は対中国攻撃用の中距離弾道弾とし使用する場合オーバースペックです。朝鮮半島に対してももちろん長距離すぎます。

極論を言えば1段目の固形ロケットだけ利用すればより実用的な中距離弾道弾になるかもしれません。でもこのことは隠しておきましょう。

核弾頭を積むことができる固体燃料ロケット技術を日本が保有しているのは事実だが、特亜諸国が勝手に日本はICBM運用能力を保有したと思い込んでくれれば、これは日本にとって十分な抑止力となる。






政府は、日本の安全保障には核兵器、核抑止力が必要だと認め、それを米国の核の傘で充てている。米国の核の傘に日本があるかぎり、イプシロンの軍事転用の必要はないが、ひとたび米国の核の傘が外れるような事態がおきれば、核を持たない日本には-ミサイル防衛(MD)は完全ではなく安心できないため-核攻撃を抑える術がなくなってしまう。日本は核武装もしくはCSMを配備する必要が生じる。その時このイプシロンの存在は日本にとって大きな保険となる。

先ほども述べましたが、ロケットとミサイルに技術的共通点が多いのは事実です。しかし、同じロケット打ち上げであっても、日本の打ち上げは国際社会からは何も言われないのに対し、北朝鮮が打ち上げると大量破壊兵器 開発だ、国連決議違反だと国際社会から抗議を受けます。この違いは北朝鮮が核やミサイル等の大量破壊兵器開発について、過去に国際的取り決めを破り、違反 を繰り返していたため、北朝鮮に対する国際社会の信用が皆無な点から来ています。北朝鮮のロケット開発は、大量破壊兵器開発を意図したものであると国際社会から見做されており、その為にロケット発射も弾道ミサイル関連技術だとして安保理決議で禁止されているのです。 

国際社会から信用を失っている北朝鮮に対し、幸いなことに日本は信用に恵まれ、ロケット開発にあたっても、直ちに大量破壊兵器開発に繋がらないと国際社会は認知しています。警官が持っている拳銃と全裸中年男性が持つ出刃包丁、どちらも凶器であることには変わりありませんが、どちらが危険であるかは明白でしょう。日本政府は北朝鮮の飛翔体発射を非難するにしろ、日本の宇宙開発の正当性を主張するにしろ、どちらも矛盾の無いロジックを用意し、それを世界に説明することで、信頼をより強固にする必要があるかと思います。既に一度ロジックが崩れたのは痛いですが、このまま「人工衛星と称する事実上の弾道ミサイル」を続けるのもよろしくないでしょう。 

なお、
イチャモンつけてきた当の韓国ですが、ロケット開発についての信用が特にアメリカからありません。韓国の宇宙開発の始まりである盧泰 愚政権時の人工衛星打ち上げ計画公表の際、アメリカは韓国へのミサイル部品の輸出を一時取り消しています。また、韓米ミサイル覚書と呼ばれる2国間協定により、韓国の弾道ミサイル開発は大きな制約を受けていますが、この協定を韓国は度々破っており、アメリカからその度に抗議を受けています。この他にも玄武-2の開発にあたり、ロシアから諜報活動で入手した技術情報を基にしたとされており、なかなか手癖がよろしくありません。 

韓国も隣にイチャモンつける前に、まずは自分の手癖の悪さを治して信頼を得るのが良いと思います。
今話題の池井戸潤氏の2012年の直木賞作品下町ロケットを読まれるとがあるだろうか?ロケットは「ハイテクの集大成ではなく「超アナログの世界」な世界です。下町ロケットでは液体ロケットのバルブ開発ベンチャー企業の話でしたが、ロケットの部品は、ミリの1/1000単位で部品同士をつなぐ溶接面の微かな凹凸からでも、大爆発は誘発されてしまう(スペースシャトル・チャレンジャー号は、寒さによってわずかに縮んだゴム部品から、発射直後に空中分解してしまった…)。その打ち上げも熟練エンジニアたちが、神経をすり減らしながら精密緻密にロケットの発射準備を整えていくハイテク製品ではなく工芸品でした。
いま話題のTVドラマ池井戸潤氏の「半沢直樹」を私(Ddog)はTVをあまり観ないので当然ほとんど観ていない。(「あまちゃん」も観ていない・・・・残念ながら)

しかしながら、イプシロンは工芸品を工業製品にする画期的なロケットのように思います。イプシロンは、最短わずか一週間の打ち上げ準備。ノートパソコンでエンターキーを押すだけで、イプシロンは宇宙に飛び立つ。究極のモバイル管制は画期的です。


車の場合ドイツが発明し、米国が量産化に成功し日本が故障しない車を作った。
宇宙ロケットも日本が信頼できる画期的なロケットを開発したのである。


しかし、低軌道への安価な衛星投入はイプシロンよりスペースプレーンの方が有利かも知れない。英国と日本では 空気吸い込み型ロケットエンジンを開発中である。


2013年現時点でもし全ての開発計画が承認されれば、2019年には最初の試験飛行が実施され、2022年には国際宇宙ステーション (ISS) に到達する計画である。打ち上げ能力は高度300 kmの赤道軌道に15トン、ISS軌道では11トンと見積もられており、これは欧州補給機 (ATV) より約45%多い数字である。


 
 










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