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透明マントといえば最近ではハリーポッターで有名だが、100年以上前にH・G・ウェルズが、SF小説『透明人間』書ている。日本では400年前江戸時代初期、熊本の八代城下の下級武士だったという彦一にまつわるとんち話の彦一話、天狗の隠れ蓑が昔話として有名だが、その原型はおそらく江戸時代より前であった可能性がある。

プラトの著作『国家』(ポリテイア)に記されているギュゲスの指輪の話があるくらい、かぶるだけで透明になったり、自らを透明にする術は、人類が昔から空想し、憧れてきた魔法であった。

ところが、この夢のテクノロジーが21世紀の今、まさに実現されようとしている。

米陸軍は、戦場で兵士を見えなくするスーツを1年半以内に開発したいと考えている。カナダのHyperStealth Biotechnology社など一部の企業はすでに、米陸軍が求める条件をもう少しで満たせるところだと主張している。TEXT BY DANIEL CULPAN TRANSLATION BY MINORI YAGURA, HIROKO GOHARA/GALILEO

WIRED NEWS(UK)
1/21茶色い腐った木の右上。
迷彩服だけでもかなりの「透明化」が可能だ。画像は、周囲に溶け込むドイツ軍のスナイパーを撮影した写真集(日本語版記事)から

米陸軍は、戦場で兵士を「透明人間」にするスーツを1年半以内に開発したいと考えている。

米陸軍は、最新のウェアラブル迷彩技術をテストする意向で、「メタマテリアル」メーカーからの提案を募集している。2006年に初めてデモが行われたこの人工構造物質は、理論上は、装着者の周囲の光を屈折させて、特定の角度からは装着者が「見えない」ようにできるものだ。しかし、現実のメタマテリアルはこれまで、研究所の、特定の条件およびスペクトル下にある環境でしか機能していない。

だが現在、米陸軍は、この技術の運用を積極的に検討し、研究所でつくられた素材の応用を求めている。兵士を完全に隠せないにしても、せめて特定の波長で「見えない」ようにしたいと考えているのだ。米陸軍が詳細を明記している文書(PDF)によると、あらゆる気温および気象条件下で機能し、電源が不要でほかの装備と統合可能な兵士用「透明スーツ」をつくりたいと考えているらしい。

ドイツのカールスルーエ大学(KIT)のマルティン・ウェゲネルは、『ニュー・サイエンティスト』誌のインタヴューで次のように述べている。「視認できるすべての色にわたって、肉眼で見える物体を完全に目に見えなくすることは、基本的に不可能だ」。

ウェゲネル氏のチームは2010年に、フォトニック結晶を用いた「透明マント」的装置を開発したが、この装置は特定の波長でしか機能しない(金の表面から1/1000mmの高さのこぶを、赤外線に対して検知できなくすることに成功した。このほかにも、セントラルフロリダ大学(日本語版記事)やケンブリッジ大学(日本語版記事)などが研究を行っている)。

米軍が望めるのはせいぜい、兵士の一部をカムフラージュして、色がぼんやりとした姿に変える(日本語版記事)ことくらいのようだ(ウェゲネル氏も、「装着者が、ほかのものの影の中に溶け込む影のように見えれば、戦場での不可視性としては十分かもしれない」と述べている)。

だが、カナダの迷彩服メーカーHyperStealth Biotechnology社など一部の企業はすでに、米陸軍が求めている条件をもう少しで満たせるところだと主張している。同社によると、2014年に米陸軍の科学者に対してメタマテリアル迷彩のデモを行ったという。

TAGInvisiblityCloakMetamaterialsUSArmyWIRED UK
以下写真ギャラリーは、過去記事・この10枚の写真には「スナイパー」が隠れていますより。掲載されている写真は、ドイツのアーティスト、サイモン・メナーによるものだ。
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3/21右下の大きな2つの岩の上。銃口は見えている。
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わ、わからん!
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以下は 下記リンクで
ほとんどわかりません。

透明マントの開発、格段に進化:戦闘機も隠せる可能性も
【WIRED NEWS】2014.4.15 TUE

セントラルフロリダ大学の研究チームが、可視領域の光を、従来よりも広い面積にわたって制御するナノ構造体の作製に成功した。戦闘機のような大きな物体を隠すことも可能になるかもしれない

TEXT BY OLIVIA SOLON
IMAGE BY SHUTTERSTOCK
TRANSLATION BY TOMOKO TAKAHASHI/GALILEO


WIRED NEWS (UK)



セントラルフロリダ大学の研究チームが、いわゆる「透明マント」の開発で革新的な成果を上げた。可視領域の光を、従来よりも広い面積にわたって制御するナノ構造体の作製に成功したのだ。

透明化技術はこれまで、マイクロ波などのごく限られた波長域でのみ可能だった(なお、現実の透明化技術は、周囲の光を曲げることで物体を覆い隠すものが多く、したがって、見た目は透明というより、映画『プレデター』のような、液体の鏡に覆われた感じになる)。

デバシス・チャンダ率いるセントラルフロリダ大学の研究チームは、物体を見えなくする、漁網のような網の目構造のメタマテリアル(正確に言うと、負の屈折率のメタマテリアル)を作製し、『Advanced Optical Materials』の3月号で発表した。

このメタマテリアルは、銀と誘電体の複合膜を、ナノトランスファー(ナノ転写)プリンティングと呼ばれる技術を用いて、フレキシブル基板上に、広い面積にわたって転写したものだ。

複合膜を多層に重ね、漁網のような網目状のナノスケールパターンを作ることで、可視領域の光を制御できるようになっている。つまり、3次元空間における電磁波の共鳴を、構造操作によって制御することで、光の伝播の精密な制御を可能にしている。

この技術を用いることで、従来のミクロン単位に比べて大きな面積(4cm四方)の素材を作製することができた。

チャンダ氏はWIRED UKの取材に対し、今回の研究の最も重要な部分は、「実用向けに、広い面積にわたって(負の屈折率のような)人工的な光学特性をもたせた」ことだと述べている。

それが成功したのは、「プロセス制御のレベル向上と、高度なプリンティング技術の発達」によるものだ。それでもなお、「大面積で作製されたパターンの質の高さと均一性」にチャンダ氏は驚いたという。

「単純なプリンティング技術を使って、このような大面積のメタマテリアルを作製できることは、ナノスケールでの人工的な光学応答を利用した、画期的デヴァイスの実現につながる」とチャンダ氏は述べている。

チャンダ氏のチームは、今後さらに研究を進めることで、戦闘機を覆い隠すのに使える、大面積の「透明マント」開発に成功する可能性がある。この分野ではほかにも、デューク大学の電気工学チームが、3Dプリントしたポリマーを使ってマイクロ波を屈折させる透明マント技術を開発している。

また、BAEシステムズは2011年に、赤外線カメラ向けの「光学迷彩」技術「Adaptiv」を発表している(日本語版記事)。この技術を使えば、熱追尾式ミサイルや赤外線カメラなどから車両等を見えなくするだけでなく、戦車を牛に見せかけるカモフラージュ映像を表示することも可能になる。
光学迷彩( optical camouflageactive camouflage)は、視覚的(光学的)に対象を透明化する技術で、その原理にはいくつかのバリエーションがある。当初SF作品等に登場する未来技術であったが、近年の科学技術の進歩によって、かなり現実味を帯びてきている。
2002年、ジョン・ペンドリー英語版教授たちが「もし屈折率が負の物質があれば、
無限に小さなものを光で観察できる」と主張する論文を発表したことが契機となり、
開発競争に火が付いた。
光の波長よりも小さな構造の情報を持った光、近接場光を増幅すれば、従来の光学顕微鏡の限界を超えた、光の波長以下のサイズの物体を見ることが可能であるとしている。完全には透明にはならないものの、メタマテリアルなどの新素材を用いることによって、一定の迷彩が実現されており、科学者たちによって可能性が模索されている技術である。軍事利用だけでなく、コンピュータ支援外科メタバースユビキタスコンピューティングの分野でも研究が進められている。
ペルチェ素子を使って戦車を乗用車や動物のように見せかけ、赤外線を利用する探査装置や誘導兵器からカモフラージュする、熱迷彩技術も開発されている。
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ロケットや暗視装置などの赤外線の目(センサー)から、戦車や装甲車、ヘリコプターや軍用機、監視用船舶などを見えなくするステルスディスプレイ装置。
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Hagglunds CV90120-T

旧式化したStrv103やIkv91水陸両用軽戦車に代わるべきCV90の車体を持つ軽戦車である。砲塔は、専用砲塔にスイスの120mm50口径滑腔砲とドイツのラインメタル製120mm滑腔砲が候補にあり、共に低反動砲である。使用砲弾として、NATO使用のドイツ製APFSDS弾のDM33等が可能とされる。全備重量は一般の120mm砲MBTの半分以下の28t である。
全幅約3.2m、615PSの機関で路上最高速度約70km/h。

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約500m離れると、廻りに溶け込んで見分けられないそうです。

ついに透明な戦車がイギリス軍に登場
【らばQ】2007年10月31日 12:05

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Daily Mailによると、新しいテクノロジーによってイギリスの防衛省が、戦車を透明にしたそうです。

カメラとプロジェクターを用いて周囲の映像をそのまま戦車に映し出すことで、戦車の向こう側の景色に溶け込み、戦車そのものが見えなくなる仕組み、とのこと。

トライアルに参加した兵士の一人は「テクノロジーというのは信じられないね。トライアルに参加していなければ信じていなかっただろう」と伝えています。

戦闘のためにテクノロジーを効果的に利用するには繊細にならざるを得ませんが、これと同じメカニズムの戦闘用のジャケットもテストされているようです。

セントラルフロリダ大学の研究チームが、可視領域の光を、従来よりも広い面積にわたって制御するナノ構造体の作製に成功した。戦闘機のような大きな物体を隠すことも可能になるかもしれない

この透明マントを世界で最初に製作したのは日本の慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の稲見 昌彦 教授 
BBCNEWSJapanese scientist invents 'invisibility coat' 18 February, 2003, イメージ 8
光学迷彩のアイデア 
映像投影型(カメレオン型)
カメラで撮影した映像を、シリコン被覆などをほどこした物体にプロジェクターで投影したり、フィルム状の光学LEDで覆った物体に表示して、カメレオンのように周囲に溶け込ませるというもの。これはカメラとコンピューターを併用することで、可能性としては一番現実的である。戦車の迷彩機能として有効で、イギリス軍が2012年に配備すると発表した光学迷彩の装甲を搭載した戦車はこのタイプである。映像を投影可能な素材でできた手袋を使うと、外科医が手術する自分の手で患部を目隠しせずに、あたかも透視するかのように手術を進めることができる。これはコンピュータ支援外科の分野で研究が進んでいる。立体映像で全体を包み込むというアイデアもあるが、いまだに全方位から見て破たんが生じない立体映像の表示技術が確立されていないので、様々な問題がある。
なお光ファイバーを織り込んで周囲の風景を衣類に投影するパッシブ・カメレオン型は実用化されており、米軍やイギリス軍に正式採用されている他、一般にも1着100$程度と安価に市販されている。パッシブ型は精密な投影は苦手だが、砂漠や草原地帯では非常に有効であり、また電力を必要とせず軽量である事から、多くの軍事組織の標準装備に採用されている。
光の透過・回折型(迂回型)
光を完全に透過・回折させる(過去のSF作品などに登場するガジェットでは、特殊な素材や構造を持つ繊維などによって、使用者の周辺の光を透過させるといった説明が行われる例などがある。またいわゆる透明人間などは、これの究極的な姿と言える)。しかし、この方法の場合、相手から見えないだけでなく、こちらから相手を見ることもできない。電磁メタマテリアルと呼ばれる、光に対して負の屈折率を持つ新素材を用いることで、物体の表面で光を迂回させて、反対側に突き抜けさせることで、あたかも光が透過するかのような状態を実現できる可能性が示唆され、軍事・医療分野で積極的に開発が進められている。イメージ 12イメージ 11                                                     通常の物質(conventional material)では媒質となる物体に入射した光は反対側に屈折する(赤色の線)が、負の屈折率を持つ物質(left-handed metamaterial)では入射と同じ側に屈折が起こる(緑色の線)                         
空間歪曲型                                          
空間歪曲などによって光自体の進路を変えてしまう(空間そのものを歪める必要があるので、現在の物理理論では実用の際は巨大なエネルギー(質量)を必要とし、一番現実性が低い方法)。ただし、物質を使って回折させる手法は空間歪曲と数学的に等価な表現であるため(Transformation Opticsと呼ばれる座標変換理論を参照)、前述の回折型とも解釈できる。
電磁波吸収型
可視光を含む電磁波を吸収してしまう素材を用いる。一部のSF作品などでこう解説される事があるが、現実には黒く見えるだけなので、根本的に間違っている。ただし原理上、レーダー等には有効な場合もある。

光学迷彩を搭載する次世代型戦闘車両が開発されている。

アメリカ国防総省DARPAが究極の生存性をもつ次世代型戦闘車両のコンセプトを公開

「戦車」が本格的に使われるようになって約100年。そろそろ分厚い装甲で車体と乗組員を守るのには限界があるのではないだろうか……ということで、まったく違ったやり方で生存性を高める戦闘用車両をアメリカ国防総省の研究機関・DARPAが研究・開発をしているようです。
現代の戦車の原型は第一次世界大戦に現れました。強力な装甲と武装で味方兵士たちの盾となりながら、相手の防御陣地を突破する……というのが主な使われ方でした。
当然戦車を撃破するために対戦車兵器が発達します。戦車の方はそれに打ち勝つため、さらに強力な装甲と武装を施し、大型化して生き残る能力、生存性を高めてきました。
ところがあまりに装甲が分厚く大きいと輸送や補給に重大な問題が発生します。より多くの物資や整備時間が必要となり、広い道路・ある程度のスペースがないと運用できないことになります。

現在の戦闘用車両はそういう意味で進化の限界が近づきつつあります。こうした大型化・重厚化を行わず、車両や乗員の生存性を高めることはできないのか、というのが今回のGXV-T計画の要旨です。
基本的には、極限まで機動性を高めた小型の車両を用い、砲弾検知システムを使って被弾を回避するというもの。サイズは半分、乗員も半分、速度は2倍、地球上の地形の95%を走破できるデザインを目指しています。


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執筆中