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5月26日、米疾病管理予防センターは、知られている抗生物質すべてに耐性を示す細菌への国内初の感染症例を報告した。写真はプラスミド上のコリスチン耐性遺伝子であるmcr─1を有する大腸菌。
CDC提供写真(2016年 ロイター)
[26日 ロイター] - 米疾病管理予防センター(CDCP)は26日、知られている抗生物質すべてに耐性を示す細菌への国内初の感染症例を報告し、この「スーパー耐性菌」が広がれば、深刻な危険をもたらしかねないと重大な懸念を示した。

トーマス・フリーデンCDCP所長はワシントンのナショナル・プレス・クラブでの講演で「ポスト抗生物質の世界に突入するリスクがある」と語った。

所長によると、ペンシルバニア州に住む49歳の女性がかかった尿路感染症は、「悪夢のような細菌」に最終的に投与される抗生物質コリスチンでも制御できなかったという。女性には発症前5カ月の旅行歴もなかった。

このスーパー耐性菌は、米国微生物学会の医学誌に掲載されたウォルター・リード陸軍病院の研究結果の中で報告された。それによると、プラスミドと呼ばれるDNAの小片を媒介して、コリスチンへの耐性を示す「MCR-1」遺伝子が取り込まれたという。

研究チームは「我々の知る限り、MCR-1が米国で見つかった最初の例だ」とし、「真に幅広い薬剤耐性菌の登場を告げるものだ」と指摘した。

ハーバード大医学大学院の上級講師である微生物学者のゲール・キャッセル博士は「適切に抑制されなければ、病院のような環境でもすぐに広がる可能性がある」と指摘。ただ、ペンシルバニア州の患者がどのように感染し、コリスチン耐性菌が米国や世界でどのくらい存在するかを調べなければ、拡散するスピードはわからないと述べた。
我々人類が誕生するはるか前から、病原菌やウイルスは動物の生命を脅かしてきた。しかし、病原菌やウィルスは宿主すべてを殺してしまうと自分達の生存も出来なくなってしまう。その為、病原菌やウイルスは生存を許す生物や固体を選別する。
病原菌やウイルスに生存を許された固体のみ生き延び、進化し、またある時期再び病原菌やウィルスによって大量死が起り、再び生存を許された固体のみ生き延びる。そうやって生物は進化を遂げてきた。進化した生物はやがて人類となり、現在人類は地球を覆い、地球の主として増殖している最中だ。

農耕が始まった1万年前人類は地球上にわずか100万~1000万人程度と推定されている。それが、西暦0年およそ2000年前は2~3億人に増えた。それから産業革命が始まったばかりの18世紀初頭は10億、第二次世界大戦前人類は20億人であった。感染症は人類の死亡の常に上位であった。

黒死病、天然痘、ペスト、ハンセン病...。これらの感染症に、人類は翻弄され常に劣勢に立たされていた。ところが、1928年、イギリスのセントメリー病院に勤務していた細菌学者フレミングが、実験中偶然にアオカビが、ブドウ球菌を殺す何らかの成分を作っていると直感し、それが何か研究を始めた。

 1940年、化学者フローリーは努力の末、この成分を純粋に取りだすことに成功し、ペニシリンと名付けた。ブドウ球菌などの細菌をきれいに殺してしまうのに、人間など高等生物にはほとんど害がないという魔法の薬でした。ペニシリンはさっそく大量生産され、第二次世界大戦の戦場で多くの兵士の命を救うことになった。

終戦後にもペニシリンは大きな威力を発揮し、1950-60年代にかけて人類の平均寿命は急上昇し、人類が大量増殖を始め、いまやわずか70年で人類は70億人にまで増殖した。

しかし、人類が優位に立てたのはほんの70年にしぎなかった。細菌は素早く逆襲を開始しました。あらゆる抗生物質が効かない「スーパー耐性菌」の出現は、人類の春の終わりを告げる恐ろしいニュースかもしれない。しかも、全く旅行歴が無い女性が突如罹患したということは、かなり耐性菌は世界に浸透している可能性を疑うべきだ。

 ペニシリン以前から用いられていた化学療法剤として、サルファ剤があった。
このサルファ剤は終戦直後の日本で赤痢が流行した際、有効な治療薬として有難がれ、あちこちで多用された。ところがしばらくしてサルファ剤の効かない赤痢菌が出現し始め、1950年頃にはもはや赤痢菌の80%がサルファ剤耐性菌となってしまったのでした。他の病原菌でも事態は同様で、現在では医療の現場でサルファ剤が使われることはほとんどない。

この赤痢の流行はストレプトマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリンといった抗生物質の投入によってほぼ食い止められ、赤痢による死亡率は大幅に低下した。ところが1957年頃から赤痢菌はこれらの薬剤に対しても耐性を獲得し始め、後に導入されたアンピシリン(ペニシリンを改良したもの)やカナマイシンさえ効かない、六剤耐性菌というものまでが出現してしまった。その後赤痢だけでなく、腸チフスや淋病、化膿菌などあらゆる菌に次々と耐性菌が現れ、抗生物質の地位は揺らぎ始めた。

こうした耐性の広がりにより、黄色ブドウ球菌では98%、肺炎球菌でも37%がペニシリンに耐性になっている。

多剤耐性菌の出現メカニズムについても驚くべきことに、耐性菌は一剤ずつ順番に耐性を獲得するのではなく、一挙に多剤耐性となるための遺伝子を種の壁を超えてお互いにやりとりし、耐性を広げてしまうのだ。

たとえば四剤耐性大腸菌と普通の赤痢菌を混ぜておくと、やがて耐性遺伝子が受け渡され、赤痢菌も四剤耐性になってきます。抗生物質という多数の「魔法の弾丸」を手に入れて勝ち誇っていた人類に対し、細菌たちは弾丸の種類だけ「防弾チョッキ」を用意し、さらにそれを量産して友軍に横流しすることまでしているのだ。

 人類の側も決して手をこまねいているわけではなく、次々に新しい抗生物質を開発しては戦線に投入し、懸命の戦いを続けているのだが・・・・。しかし新たな抗生物質を開発しても開発しても耐性菌は出現し、そのいたちごっこには限りがない。

皮肉なことに、抗生物質の乱用こそが耐性菌の蔓延の原因となっているとも言われている。抗生物質が使用されるたびにほとんどの細菌は死滅するが、耐性を持ったものだけが生き残り、増殖してしまうからだ。家畜の飼料に混ぜたり、病気のたびに「念のため」と抗生物質は安易に使用されており、一説には、現在使用されている抗生物質の半分から3分の1は実際には不必要なものであるとも言われている。

我々自身が「弱い菌を滅ぼし、強い菌をいっそう鍛えている」皮肉な結果になっている。

 こうした耐性菌の中で、現在最も問題になっているのが、「メチシリン耐性ブドウ球菌」(MRSA)だ。メチシリンはβ-ラクタマーゼによって分解されにくい、耐性菌に強い抗生物質として登場しましたが、これさえも効かないブドウ球菌がMRSAだ。MRSAは抗生物質が多用される大病院などで多く発生し、「院内感染」として大きな問題になっている。

MRSAに対して安心して使える抗生物質はバンコマイシンだった。1956年の登場以来40年以上も耐性菌が出現せず、人間側の「最後の切り札」としての地位を守り続けてきたが、1997年、ついにバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の出現が報告された。

2000年リネゾリドとい完全に人工合成の化合物で、今まで知られている抗生物質とは全く違った機構によって細菌の増殖を抑えるかにみえたのだが、使用開始から半年ほどで早くも耐性菌が出現してしまっている。

1950年日本で発見された最終兵器コリスチン(2015年3月日本承認)も、早くも2015年11月コスチン耐性を持つ細菌を中国の養豚場で発見されてしまったのだ。この細菌は、あらゆる抗生物質が効かない時に医師が頼りにするコリスチンにも耐性を持つことから、「スーパーバグ(スーパー細菌)」と呼ばれている。

なお、スーパーバグはコリスチン耐性を示す「MCR-1」という遺伝子を持つことが確認されており、強い伝染能力を持つことが分かっている。

世界最大の抗生物質「乱用」国の中国、耐性菌対策を採らなければ2050年までに毎年100万人の死者―台湾メディア              【レコードチャイナ2016年5月24日 10時20分 (2016年5月27日 00時02分 更新)

2016年5月23日、台湾・聯合新聞網は世界保健機関(WHO)が21日に発表した世界で拡大傾向にある抗生物質の「耐性菌」問題に関する文章を引き、2050年までに抗生物質の耐性菌によって世界で毎年1000万人が亡くなると伝え、特に現在世界の抗生物質使用量の約半分を占める中国が有効な対策を採らなければ毎年100万人が早死するだろうと報じた。

抗生物質の効かない耐性菌は世界中の人々の健康を脅かす深刻な問題となっているが、とりわけ世界最大の抗生物質使用国である中国では、その過剰摂取(乱用)が専門家から指摘されている。たとえ現在は治療が可能な病気であっても薬の過剰摂取を続けていると、細菌の薬に対する耐性が強くなり、やがて人々の健康にとって大きなリスクとなる。

WHOは人々が抗生物質を服用する際の注意点として、その薬を用いた治療が本当に必要なのかどうかを考えるべきこと、医師が処方した抗生物質は使いきり、余っても他の人に与えたりしないことなどを指摘した。一方、医師に対しては、本当に必要な時だけ抗生物質を処方すること、新型の抗生物質の研究開発を支援すること、耐性菌問題についての宣伝や啓発活動を世界中で行うことなどを勧めている。さらに万が一世界中で協調行動が取られなければ、世界は「ポスト抗生物質時代」に入り、ありふれた感染症でも命取りになってしまうこともあると警告した。(翻訳・編集/矢野研介)

カナダのカルガリー大学のヨハン・ピッタウト氏という医学者が、

「もし、この新しく出現した衛生上の脅威を無視したなら、遅かれ早かれ、医学界はカルバペネム系抗生物質に耐性をもつ細菌との対決に晒される。それらは、様々な感染症を引き起こし、結果として、医療コストの膨大な増加によって治療不能の状態に導かれる可能性がある」
医学誌ランセットに記している。

今回の記事は、遅かれ早かれ、医学界は抗生物質に耐性をもつ細菌との対決に晒されたが、遂に最後の防壁が破壊され「医学界が負けてしまった」。
> 結果として、治療不能の状態に導かれる可能性
簡単にいえば、「近代医療の崩壊」である。

次に世界的に流行するかもしれないインフルエンザやエボラ出血熱・・・・未知の病原菌やウィルスで、あらゆる抗生物質が効かない病原菌やウイルスでパンデミックが発生すれば・・・人類が滅亡してしまう可能性すらあるのだ。

Gigazine.net
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抗生物質コリスチンに耐性を持つ細菌が中国で見つかるなど、近年、抗生物質の効かない耐性菌・スーパーバグが世界的に話題になっています。そんな抗生物質の効かない耐性菌による伝染病が2050年までに流行し、3秒に1人が死ぬ未来がやってくる可能性を示唆する報告書が、イギリス政府により公表されました。

Home | AMR Review
http://amr-review.org/

In 2050, superbugs may kill 1 person every 3 seconds, report warns | Ars Technica
http://arstechnica.com/science/2016/05/in-2050-superbugs-may-kill-1-person-every-3-seconds-report-warns/
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Global antibiotics 'revolution' needed - BBC News
http://www.bbc.com/news/health-36321394
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新薬や強力な薬品が、抗生物質の使用方法を大きく変えてきましたが、これに警鐘を打ち鳴らすような調査報告書をイギリス政府が公表しました。報告書は「2050年までに抗生物質の効かない伝染病が流行し、年間で1000万人(3秒に1人が死ぬレベル)を死に至らしめることで世界経済に100兆ドル(1京1000兆円)のダメージを与えるかもしれない」というショッキングな予測を行っています。

加えて、腸手術・帝王切開・移植手術・免疫療法などは、命に危険を及ぼすレベルの伝染病にかかる危険性が高いということで、行われなくなる可能性を報告書は指摘。さらに、強力な伝染病の出現により出産は非常に危険な行為と認知されるようになり、治療可能な病も伝染病拡大の恐れから処置不可能となり、不治の病になってしまう可能性があるとも指摘されています。

これらの推測内容は、KPMGとRand Europeという2つのコンサルティンググループにより作成されました。しかし、製作者は「推測値は恐らく過小評価である」と述べています。専門家によると現存する薬剤耐性を持つ菌は、世界規模で見ると年間で少なくとも70万人を死に至らしめており、この数値すらも過小評価かもしれないとのこと。なお、報告書には伝染病の拡大に基づく医療費の変化については詳細が述べられていません。

報告書では抗生物質の効かない伝染病で多くの人々が死に絶えるような恐るべき未来を回避するために必要なのは「抗生物質や抗菌剤の乱用抑制と、新薬開発の奨励、およびこれらの事実の周知」としています。
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By oliver.dodd

そして、これを実現するのに必要な10個のステップも記しています。

・抗生物質の乱用を世界的な一般認識として広めるようなキャンペーンを行う
・衛生面の改善と伝染病の防止
・農業で抗菌剤を使用することを止める
・薬剤耐性菌を監視するための体制を世界的に改善する
・抗生物質を使用すべきか否かを素早く診断するための新しい方法の奨励
・抗生物質の代替となる治療法や、ワクチンの奨励
・感染症の専門家を支援すること
・抗菌剤と耐性菌に関する研究を行うための世界的な組織を設立すること
・新薬の開発を奨励
・世界連合を組織すること

なお同報告書はイギリスのデービッド・キャメロン首相の要請で調査・作成されたもので、調査を率いたのは経済学者のジム・オニール氏。調査期間は2年に及んでいます。オニール氏はBBC放送に対して「我々は、抗生物質をスイーツのように扱うことを止めるよう、これまでとは異なる方法で世界中に知らしめる義務があります」と、調査報告書の重要性について語っています。


薬剤耐性菌 世界で拡大
 【中日新聞】(2015年2月24日) 【夕刊】

2050年 年間1000万人死亡予測                            
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 抗生物質などの薬が効かない薬剤耐性菌が世界で急速に拡大している。                 2050年には年間1千万人が耐性菌によって死亡するとの予測もある。                   抗生物質の使いすぎなどが背景にあるとされ、事態を重く見た世界保健機関(WHO)は対策を強化。専門家は危機に対応する国際的な枠組みづくりを呼び掛けている。

キャメロン英首相が立ち上げた耐性菌に関する調査チームは昨年12月に初の報告書を公表。効果的な措置を講じなければ、耐性菌による年間死者数は50年に現在の70万人(推定)の14倍以上に当たる1千万人になると予測した。

地域別ではアジアが473万人で最も多く、アフリカ415万人、南米39万2千人、欧州39万人など。耐性菌拡大に伴う医療費負担増大も懸念されている。

報告書は「効果的な抗生物質がなくなれば、手術の際に感染症の危険が大きく高まる」と指摘。「世界各国、特に(中国やインドなど)新興国にとって保健、経済上の深刻な結果をもたらす恐れがある」と警告した。

WHOも昨年4月の報告書で耐性菌の拡大に警鐘を鳴らした。同5月の総会で
は各国に早急な対策を促す決議を採択。今年5月の総会では耐性菌対策に関する行動計画策定に向けた議論が行われる。

だが一部の専門家は現行の取り組みでは不十分だと指摘する。米国や英国、ス
ウェーデンなどの専門家グループは2月、WHO機関誌に論説を発表、耐性菌対
策のための法的拘束力のある国際的枠組みづくりを訴えた。

耐性菌をめぐっては医療現場でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や、ほとんどの治療薬が効かない多剤耐性緑膿(りょくのう)菌などが特に問題になっている。WHOは抗生物質の処方を最小限に抑えるよう医療従事者に勧告。一般患者には医師が処方した時のみ抗生物質を使うよう呼び掛けている。
(ジュネーブ・共同)

それでも一握りの神から選ばれた人類は必ず生き延びるはずだが・・・