ライデン天文台(オランダ)の天文学者マーゴット・ブラウワー氏らの研究チームは、宇宙における重力分布の測定データを分析し、「エントロピック重力理論(ヴァーリンデ理論)」と一致する結果を得たと報告した。エントロピック重力理論は、2010年にアムステルダム大学の理論物理学者エリック・ヴァーリンデ教授が発表した重力についての新理論。重力とは「電磁気力」「強い力」「弱い力」と並ぶ自然の基本的な力ではなく、実は「見かけの現象」に過ぎないとする理論であり、発表当時、物議を醸した。この理論に立つと、宇宙の全質量・エネルギーの約27%を占めるとされる目に見えない未確認の重力源「暗黒物質(ダークマター)」を想定しなくても良くなる点も注目されている。ブラウワー氏らの研究論文は「英国王立天文学会月報」に掲載された。

研究チームは今回、3万3000個超の銀河の周囲での重力分布を測定し、それらのデータがヴァーリンデ理論による予測値と一致するかどうかを調べた。その結果、観測された重力分布はヴァーリンデ理論とよく一致していることが確かめられたという。

重力分布の測定には「重力レンズ効果」を用いる。銀河の重力によって銀河の周囲の空間が歪むため、歪んだ空間がレンズの役割を果たし、その空間内を通る光の進路が曲がる。これによって手前の銀河のまわりでは背後の銀河の像がわずかに歪む。この歪みを測定することで重力分布を調べることができる。

イメージ 1重力レンズ効果による銀河の像の歪み(出所: Netherlands Research School for Astronomy)
 
重力レンズを使って調べると、銀河の周囲では、アインシュタインの一般相対性理論から予想されるより強い重力が、銀河の半径の数百倍に及ぶ範囲に広がっていることがわかる。一般相対性理論に矛盾しないようにこの重力分布を説明するには、見えない重力源であるダークマターの存在を仮定する必要がある。一方、ヴァーリンデ理論では、ダークマターを想定せず、目に見えている天体だけを重力源として計算しても観測結果を上手く説明することができる。

ブラウワー氏は「ダークマターを仮定しても銀河のまわりの重力分布は説明可能である」と指摘する。つまり、今回の研究によってダークマターの存在が直接否定されたわけではない。ただし、ダークマターによる説明では、実際の観測で得られたデータと合致するようにダークマターの質量を決める必要がある。つまり、理論と現実を一致させるための自由変数として、ダークマターの質量が使われている。一方、ヴァーリンデ理論はこうした自由変数を利用しておらず、理論から直接導出した予測値が実際の観測結果と一致するという強みがある。

今年11月には、理論提唱者であるヴァーリンデ教授本人も、エントロピック重力によって「銀河の回転速度問題」を説明できるとする論文を発表した。渦状銀河の外縁部は、非常に速い速度で回転していることがわかっているが、目に見える通常の天体の質量にもとづく計算ではこの速度の説明がつかない。この問題を既存の重力理論の枠内で説明するには、目に見えない大量のダークマターを重力源として想定する必要があった。

エントロピック重力理論では、重力とは「物体の位置に関する情報量の変化によって生じるエントロピー的な力である」と説明される。物体の位置が変動することによって、情報量としてのエントロピーが変化し、この変化が重力という形を取って現れるという。つまり、重力とは、エントロピー変化にともなう見かけ上の現象ということになる。

この主張は、「電磁気力」「強い力」「弱い力」と並ぶ自然の基本的な力として重力をとらえる従来の物理学理論とは大きく異なっている。また、「情報」という概念を使って重力について説明しているところも、エントロピック重力理論の特徴である。三次元空間内の情報はすべて二次元平面に保存されるとする物理学上の仮説「ホログラフィック原理」とも深く関わっている。

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このニュースを読み、なにやらすごいことらしいと、検索すると、ニューサイエンス系 でもあり、多少信憑性に欠けるが、TOCANAでわかり易く解説している記事があった。だが、よく読むとオカルト・ニューサイエンスではない純粋に物理学の画期的な発展になる記事ではないだろうか?                                         
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ニュートンが万有引力の法則を見出して以来、“重力”は宇宙の厳然たる事実として誰もが受け入れてきた。しかし、ここにきて人類の世界観が大きく変わろうとしている。なんと、「重力もダークマターも実在しない」という驚愕の理論が実証されたというのだ!                                        
「ヴァーリンデの重力仮説」

イメージ 3英紙「Daily Mail」(12月19日付)によると、今年11月オランダ・アムステルダム大学で物理学を教えるエリック・ヴァーリンデ教授が、アインシュタインの重力理解は完全に間違っている上、謎の暗黒物質ダークマターも存在しないとする「ヴァーリンデの重力仮説」を発表し、物理学界に激震が走ったが、オランダ・ライデン大学の研究チームが、同理論を実証実験でも裏付けたという。

 まず、研究チームは、恒星や銀河などが発する光が、途中にある天体などの重力によって曲げられたり、その結果として複数の経路を通過する光が集まるために明るく見えたりする現象である「重力レンズ」を観察。そこで得られた3万個以上の銀河における重力の分布を、「アインシュタインの理論(ダークマターモデル)」と、「ヴァーリンデの重力仮説」から導き出した重力の分布予測と比較したところ、両者ともに観測結果と一致したそうだ。

 同研究を率いた博士課程に在籍するマーゴット・ブラウアー氏によると、ヴァーリンデの重力仮説も従来の理論とほぼ同じぐらい正確であることが分かったが、同説は“自由な変数”(ダークマター)を用いていないため、従来の理論よりもシンプルであるという。

「ダークマターモデルの方が、若干ヴァーリンデ予測よりも正確ですが、ダークマターモデルは自由な変数を使っているのに対し、ヴァーリンデ仮説は使っていないという点を考慮すれば、ヴァーリンデ仮説の方が理論としては幾分か優秀です」
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そもそもダークマターとは、銀河の回転スピードが「観測されている物質」だけのデータから計算された速度よりも速いことから、物理学者らが「宇宙空間には目に見えない物質があって、重力を及ぼしているに違いない」と考え、想定した仮想物質である。

 すでにダークマターは、物理学に必要不可欠な概念として定着しているが、宇宙空間の現象を説明するために持ち出された“余分な物質”であることに違いはない。そこで、ヴァーリンデ教授は、従来の重力理論を考え直し、方程式からダークマターの存在を完全に取り除く必要があると考えた。教授によると、重力は宇宙の基礎的な力ではなく、“創発的な現象”であるという。

100年越しの科学革命到来か?

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                                                 「創発的重力」とは、エントロピーの副次的効果として、重力のようなものが見かけ上出現するというもの。教授はこの理論を、オランダ人理論物理学者ヘーラルト・トホーフトが提唱した、我々の世界はホログラムから生まれる立体映像で、そもそも重力のない2次元空間から生じたものであるという「ホログラフィック原理」に適応し発展させた。ちょうど、熱が物質の運動に付随した現象であるように、重力も他の基礎的な物質の活動に付随している“現象”だといういうわけだ。

「空間、時間、重力についての常識はすぐに再考されなければなりません。物理学者はもうずっと、アインシュタインの重力理論が量子力学と折り合いが悪いことに気付いています。私の新理論は、そういった物理学の袋小路に劇的な変化をもたらすものです。我々は科学革命前夜にいるのです」(ヴァーリンデ教授)   
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 物理学の標準モデルでは、世界は4つの基礎的な要素(重力、電磁気力、弱い力、強い力)で構成されているとされるが、何年もの間このモデルでは説明できない現象がなおざりにされてきた。たとえば、最良の理論である一般相対性理論をもってしても重力そのものやダークマターを完全に説明することができないのだ。

 また、一般相対性理論は微小な粒子を扱う量子力学とも折り合いが悪いため、この閉塞状態を打破できる新理論を物理学者は求め続けてきた。そして、その候補として「ヴァーリンデの重力仮説」が浮上してきたのだ。

 もし今後、ヴァーリンデの重力仮説が、さらなる実証テストをパスすれば、1世紀にわたり物理学を席巻してきたアインシュタインの重力理論の座を奪い、ダークマター理論も打ち捨てられることになる上、古典物理学と量子力学を統合した“統一理論”の完成につながる可能性まであるという。

イメージ 7アインシュタインが「特殊相対性理論」を発表した1905年から、100年余りの時を経て、物理学界に大胆な革命が起ころうとしている。今後の研究次第であるが、もしかしたら人類の宇宙観がヴァーリンデ以前と以後でガラリと変わってしまうかもしれない。今後もヴァーリンデ教授から目が離せない!
(編集部)                          
参考:「Daily Mail」、「Big Think」、ほか
なんともすごいことになってきた! エリック・ヴァーリンデ教授と同じオランダのライデン観測所の天文学者マーゴット・ブラウワー氏が率いるチームは、3万個以上の銀河の中の物質の分布を詳しく調べた結果、ヴァーリンデの重力仮説を使うとき「物質の分布が暗黒物質なしで説明できる」ことを発見したとの実証ニュースは本物ではないだろうか!ヴンデァーリの重力仮説(エントロピック重力理論)が実証されれば間違いなくノーベル賞ものだ!世界中の物理学者達の多くが失業してしまうかもしれない。

もし「ヴァーリンデの重力仮説」が本当なら、20世紀最大の発見の一つアインシュタインの一般相対性理論が覆り、歴史的な発見となる。人類はまた大きく一歩進歩するかもしれない。

「ヴァーリンデの重力仮説」とは、エントロピーの副次的効果として、重力のようなものが見かけ上出現するというもの。「重力」が“見かけの現象”にすぎず、暗黒物質を想定しなければ、電磁作用と弱い力と強い力の矛盾も解決できるかもしれないと期待されている。現代科学はアインシュタインの重力理論がもしかしたら間違っていたかもしれないので、袋小路に入ってしまっている。
 東京大学などの国際研究チームは宇宙の始まりを説明する物理学の「大統一理論」を証明するためスイスで進めていた実験の結果をまとめた。大統一理論が予言するミュー粒子という素粒子の崩壊現象は発見できず、現在提案されている理論の多くと矛盾する結果となった。研究チームは観測感度を10倍引き上げた新たな実験を2017年から始める計画だ。

 研究チームが進めていたのは「MEG実験」。電子と似た性質を持つミュー粒子が壊れて電子とガンマ線になる現象の有無を確かめていた。大統一理論では1兆に1回程度の頻度で起こるとされる。スイスの研究所で13年までの約4年間観測した2兆4千億のミュー粒子では、この現象が見つからなかった。

 森俊則東大教授は「複数提案されている大統一理論に厳しい条件が課されることになり、正しい理論の候補を絞り込める」と話す。17年から始める「MEG2実験」では、3年間で25兆のミュー粒子を観測し、崩壊現象を見つけることを目指す。
ヴァーリンデの重力仮説(エントロピック重力理論)は、同じくオランダ人理論物理学者ヘーラルト・トホーフトが提唱した、我々の世界はホログラムから生まれる立体映像で、そもそも重力のない2次元空間から生じたものであるという「ホログラフィック原理」に適応し発展させたものだそうだが、ホログラフィック原理によるホログラフィック宇宙論とは・・・

ホログラフィック宇宙
【日経サイエンス】 2003年11月号 J. D. ベッケンスタイン(ヘブライ大学)

http://www.nikkei-science.com/wp-content/uploads/2003/10/200311_056.jpg 「ホログラフィック原理」と呼ぶ理論によると,宇宙は1枚のホログラムに似ている。ホログラムが光のトリックを使って3次元像を薄っぺらなフィルムに記録しているように,3次元に見える私たちの宇宙はある面の上に“描かれた”ものだ。はるか遠くの巨大な面に記録された量子場や物理法則と,私たちの宇宙とは完全に等価だ。
 
 ブラックホールの研究を通じて,ホログラフィック原理の正しさを示す手がかりが得られた。常識に反して,ある空間領域のエントロピー(情報量)は,領域の体積ではなく表面積によって決まることがわかった。この驚くべき発見は「究極理論」を目指す研究のカギになるだろう。
 
 物質がブラックホールに落ち込んで消え去るとエントロピーも永久に失われ,熱力学の第2法則が破れてしまうように見える。私(ベッケンスタイン)は英ケンブリッジ大学のホーキング(StephenW. Hawking)らの研究成果にヒントを得て,「ブラックホールは事象の地平面の面積に比例したエントロピーを持つ」と1972年に提唱した。さらに一般化すると,ブラックホールの全エントロピーとブラックホール外にあるエントロピーの総和は決して減少しない。これが「一般化第2法則」だ。
 
 この考え方を発展させると,ホログラフィック原理にたどり着く。例えば3次元の物理過程を,その2次元境界面について定義された別の物理法則によって完全に記述できるとする考え方だ。近年の理論研究によって,宇宙をホログラフィックととらえる考え方は定着したように思える。これに伴い,物理現象を記述するには場の理論が最上であるという過去50年にわたる基本的な信念を放棄せざるを得ない,と考えられるようになってきた。

重力は幻なのか? ホログラフィック理論が語る宇宙
【日経サイエンス】 2006年2月号 J. マルダセナ(プリンストン高等研究所)

http://www.nikkei-science.com/wp-content/uploads/2006/01/200602_020.jpg上下,左右,そして前後──空間の次元が3つあることは,私たちの身のまわりを見れば実感できる。これに時間を足せば,空間と時間が4次元で溶けあった「時空」になる。というわけで,私たちは4次元宇宙に住んでいる。しかし,本当にそうだろうか?
 
 私たちが感じている重力や空間次元の1つは,もっと次元の低い時空での粒子の相互作用から生まれる一種の「幻」なのかもしれない。「ホログラフィック理論」と呼ばれる物理学の理論によると,重力のない2次元空間は重力のある3次元空間と完全に同等だと考えられる。ホログラムから生まれる立体映像のように,重力を含む3次元の世界は2次元空間の物理から生じているのかもしれない。
 
 この2次元空間は,3次元空間の境界面に存在する。境界面上で起こっている物理現象は,クォークやグルーオンが強く相互作用する様子に似ている。一方,3次元空間内部での現象は,重力の量子論を含んでいる。2つの世界が同等であることから,量子力学と重力理論を適切に融合する道が開けてきた。量子重力理論は,自然界のすべての力を統一しようとする試みのカギを握っており,超ひも理論の研究者が何十年にもわたって進展させてきたものだ。
 
 量子重力的な効果はふつうは完全に無視できるが,ビッグバンの始まりでは非常に重要だった。このため,ビッグバンがどう始まったのかを説明するには量子重力理論が必要になる。また,ブラックホールの内部で何が起こっているかを理解するうえでも重要だ。
このホログラフィック宇宙論をヴァーリンデ教授は修正し、宇宙の情報の一部は空間そのものの中に保存されるとするとしたのが、ヴァーリンデの重力仮説(エントロピック重力理論)のようだ。

【宇宙】「重力もダークマターも存在しない」 オランダの物理学者が新理論を発表 【2ch.net】2016/11/14(月) 12:04:47.76 

オランダの物理学者エリック・ヴァーリンデ教授は、ダークマターの存在を仮定しなくても銀河の回転速度問題を説明できるとする新理論を発表した。ダークマター(暗黒物質)は、宇宙の大半の質量を占めながらもこれまでまったく観測されたことがない謎の物質。見えている天体だけでは説明がつかない天文学的現象を説明するために導入されたダークマターだが、ヴァーリンデ教授の理論が正しければ、そもそもそのような仮定をする必要がなかったことになる。 

ヴァーリンデ教授は2010年、「重力は存在しない」という理論を発表して話題になった。その理論によれば、重力とは自然の基本的な力ではなく、見かけ上の現象に過ぎない。ミクロの粒子の運動によって熱という現象が現れると説明できるのと同じように、時空構造内に保存されている情報の変化によって現れる現象として重力を説明できる。この理論はエントロピック重力論と呼ばれている。 

渦状銀河の外周部は、通常の天体の量によって説明できるよりも遥かに速い速度で回転していることが分かっている。従来の重力理論でこの現象を説明するためには、観測できないが存在している大量のダークマターを重力源として仮定する必要があった。ヴァーリンデ教授は今回、エントロピック重力理論を適用することで、銀河の回転速度を正確に説明できることを示した。 

ヴァーリンデ教授「新しい重力理論が観測結果と一致するという証拠を得た。大きなスケールでは、重力はアインシュタインの理論予測のとおりには振舞っていないように見える」 

ヴァーリンデ教授の理論の核には、トホーフトとサスキンドによって導入された「ホログラフィック原理」がある。ホログラフィック原理では、宇宙のすべての情報は、宇宙を取り巻く巨大な球体の表面に記述可能であるとした。一方、ヴァーリンデ教授はホログラフィック原理を修正し、宇宙の情報の一部は空間そのものの中に保存されるとする。この余分な情報の存在によって、ダークマターやダークエネルギーを説明できるという。 



http://phys.org/news/2016-11-theory-gravity-dark.html

ダークマターはアインシュタイン特殊相対性理論でその存在を否定された光の伝播媒体とされたエーテルみたいに存在しない概念だったのだ。 理論理を成立させる為の存在だあれば、どんなに観測しても、その存在が証明されず謎であるのも納得できる。

ヴァーリンデの重力仮説(エントロピック重力理論)は現在まったく、目途が立たないアインシュタインも夢見た“大統一理論”にも繋がるかもしれない。それどころか20世紀にあらゆる理論の基礎理論となったアインシュタインの一般相対性理論を覆し、古典物理学と量子力学の統一理論にもつながる21世紀の新たな画期的な理論になるかもしれない。

【そうか!でもわからない人向け参考】