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ベル・ヘリコプターは次世代ヘリコプターとして開発中のティルトローター機『ベル V-280 バロー』のプロトタイプを完成させ今後地上を移動するなどの地上試験を実施すると発表しています。(写真はモックアップ機)

アメリカの航空宇宙専門ニュースサイト『Aviation Week』によるとV-280 バローのプロトタイプ(試作機)が完成し初飛行に向けた地上での試験を実施すると報じています。

Bell V-280 Tiltrotor Being Prepared For Ground Testing | Defense content from Aviation Week

記事によると、 ベル・ヘリコプターは昨年12月に飛行システムの電源関連を調整を始めており、今月に入ってからはチームマネージャーが訪れた先月の段階でエンジンを始動させる試験を実施していたといいます。今後の計画としては『9月の初飛行』を予定しており、2月中に地上試験(振動試験)に入るとしています。

V-280 バローはアメリカ陸軍の次世代垂直離着陸機開発計画の元開発されている機体でライバル機としてはシコルスキー・エアクラフト及びボーイングのS-97 RAIDERが存在しています。最終的にどちらかの機体が採用され2020年以降を目処に現在運用されているUH-60 ブラックホークを退役させ運用を開始する計画です。

V-280 バローはV-22こと『オスプレイ』でお馴染みのティルトローターを採用した垂直離着陸機となっています。違いに関してはオスプレイのように複雑な折りたたみ構造をもっておらず(派生型は除く)、V-22と比べ安価な機体になること言われています。
機体スペックは巡航速度520km/h、最高速度560km/h、最大飛行距離3,900km、戦闘行動範囲930~1500kmとなっておりUH-60ブラックホークと比べ飛行速度は250km/h速く1,700km遠くを飛行できる特徴があります。

エンジンまわりに関してはオスプレイではエンジンごと回転させプロペラの方向を変更していたもののV-280ではエンジンは固定したままでギアボックスを介してプロペラの方向を変更させる方法が採用されています。稼働範囲は0度から95度となっています。

▼V-280 エンジンは固定された状態でプロペラのみを稼働させる
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▼V-22 オスプレイはエンジンごと稼働させプロペラの方向を変更しています
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またコックピット周りは一体化した大型タッチディスプレイに全ての情報を表示するという方法が採用されています。

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V-280に関してはオスプレイのように複雑な折りたたみ構造を有する機体や胴体部分がくり抜かれた輸送型など幾つかの派生型が計画されています。




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V-22 Ospreyに次ぐ、第二のティルトローター機として、Bell HelicopterとLockheed Martinが開発を進めてきたBell V-280 Valorについて試験機の開発が完了し、地上試験に移行したことが、Aviation Weekの記事で明らかとなった。

V-280 Valorは、US Armyが進めている次世代垂直離着陸機開発計画「joint multi-role technology demonstrator (JMR-TD)」向けに開発が進められているティルトローター機としては第三世代に属するもので、現行のV-22 Ospreyよりも高速で、長距離の運用を行うことができることを念頭に開発コンペが開始となっていたものとなる。

US Armyは2014年10月に、JMR-TDの最終候補としてBell Helicopterの「V-280 Valor」他に、Sikorsky-Boeingが推す「SB-1 Defiant」の2機を選定。以後、これらの2社が中心となって飛行試験用の実機の開発が進められてきた。

地上試験が順調に進んだ場合、V-280 Valorの初飛行試験は9月にも実施となる予定となっている。

(Text by BN editorial team)
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Bell Helicopter V-280 Valor
Bell Helicopterは13日、US Army向け兵器見本市「AUSA 2014」の席上で、開発中の次世代ティルトローター機「V-280 Valor」のフルスケールモックアップを初公開した。

V-280 Valorは、US Armyが進めている次世代垂直離着陸機開発計画「joint multi-role technology demonstrator (JMR-TD)」向けに開発が進められている第三世代のティルトローター機で、現在運用中「V-22 Osprey」よりも高速で、長距離の運用を行うことができることを念頭に開発が進められているものとなる。

US Armyは、今年の8月、JMR-TDの最終候補としてBell Helicopterの「V-280 Valor」他に、Sikorsky-Boeingが推す「SB-1 Defiant」の2機を選定していた。

Bell Helicopterでは、今後、既に、高い実績を誇る「V-22 Osprey」の次世代機となるV-280 Valorの開発にリソースを集約することで、最終的にJMR-TDを勝ち得ることを目指す。

US Armyでは、JMR-TDで決まった機体を現在運用中のSikorsky UH-60の後継機種として配備することを計画している。

(Text by Gerald Byrd)
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いよいよUH-60ブラックホークの代替の次世代ティルトローター機V-280ヴァローが今年初飛行する。

V-280は、アメリカ合衆国のアメリカ陸軍の軍用ヘリコプターの数種類の系列を完全に新規開発する計画「統合多用途・将来型垂直離着陸機計画Joint Multi-Role / Future Vertical Lift , 略語:JMR / FVL)」の一環として先行計画である「統合多用途ヘリコプター計画」(Joint Multi-Role, JMR)として製作される。

将来型垂直離着陸機計画(FVL)は、米陸軍の汎用ヘリコプターである「UH-60 ブラックホーク」、同じく攻撃ヘリコプターである「AH-64 アパッチ」 、重輸送ヘリコプターである「CH-47 チヌーク」、特に代替機の開発に2回( 1回目: RAH-66 コマンチ ” Comanche ”2回目:ARH-70 アラパホ ” Arapaho” )も失敗した軽偵察・観測ヘリコプター「OH-58 カイオワ」の将来的な代替機を開発する。

V-280バローはV-22オスプレイと異なりエンジンナセルは固定でプロップローターのみが可変する。

オスプレイより小さな機体になり、後部ランプドアはない。艦船への搭載もありえるが、主翼を折り畳む機構は付いていない。

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V-280の280は巡行速度性能が280ノット(時速520km)で飛行するよう設計されることからその名前がつけられた。愛称の"Valor" は「武勇、剛勇、勇気」を意味する。アメリカ英語式の発音では「バロー」英国式は「ヴェイラー」である

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Bell V-280 バロー は、戦闘においてさまざまな作戦遂行が可能である。
l V-280 バロー は、地上作戦を支援するように設計され、小規模な部隊およびその支援部隊専用に設計されています。

安全でサバイバル能力に優れた設計は、アーマープレートと一体型のキャビン、フライバイワイヤー方式採用による無駄のないコンポーネントを備えており、極めて高度な対応力と運動性能を誇ります。

既存のヘリコプターの 2 倍以上のスピードと航続距離を備えた  V-280 バロー は目標まで極めて迅速に到達することができます。ティルト ローター機のスピードと航続距離は、これまでは不可能であった異なる次元の作戦を行うことが可能となります。

バロー のミッション遂行用の装備パッケージは偵察、監視、分析情報、及び敵味方等の情報を、統合デジタル表示で飛行中に把握することができます。空中戦ボードには、リアルタイムで統合データとミッションの最新情報がトラックされ表示されます。

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V-280 は 4名 の乗員と 14人 の完全武装の兵士を乗せて 毎時 563 km で最大800 nmi (1,500 km)までの往復が可能で、現在のヘリコプターのおよそ2倍の作戦行動半径と速度で、片道であれば2,100 nmi (3,900 km)の回航距離でC-17に乗せずに自力で作戦地域に展開可能である。
エンジン:ゼネラル・エレクトリック T64 ( General Electric T64 )・ターボシャフト x 2基
乗員:4名
乗客:最大14名
巡航速度:510km/h(280kt)
航続距離:500 nmi (930 km)-800 nmi (1,500 km)




関連情報


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Bell Boeing Demonstrates Successful V-22 Osprey Forward-Firing Capability. Credit: Bell Helicopter
Bell Boeingは8日、ティルトローター機「V-22 Osprey」を使った前方発射型ミサイル(forward-firing capability)の試射実験を行い実験に成功したことを発表した。

今回の実験成功によりV-22 Ospreyでも他の戦闘機で標準的に装備されているミサイルの装備が可能であることが示されたことになり、V-22 Ospreyの運用上必要とされてきたFARP(Forward Arming and Refueling Points)の依存性を削減することが可能となったことになる。

今回の実験は、Bell Boeingによる自己資金により先月、アリゾナ州ユマにあるUnited States Army Proving Groundで行われた。

V-22 Ospreyの場合、これまでは、軍用ヘリコプターに装備されている防御用の口径7.62mmのガトリング銃がドアガンとして装備されるケースはあったが、技術的制約のため攻撃用兵器は搭載されたことはなかった。また同様にV-22 Ospreyによって置き換えが進められているCH-46 Sea Knightに関してもドアガン以外の武装は装備されてはこなかった。

(Text by Gerald Byrd)
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V-22. Credit: Peter Gronemann/Flickr (CC BY 2.0)
先月末に行われたイエメンでの侵攻作戦中に作戦に使用されたMV-22 Ospreyが着陸に失敗(crash landing)する事故を起こし、3名の米海兵隊員の特殊部隊の兵士が死傷していたことが判った。

flightglobal.comによると死亡したのは1名としている。

作戦を統括している米中央軍は同誌の取材に応じて「事故は侵攻作戦を遂行中に起きたもので、攻撃を受けた結果により事故が発生したものではない」とコメントしている。

MV-22は一見、ヘリコプターのような機体のように見えるが、ヘリコプターとは飛行特性は全く異なり、特に降下速度の範囲がシビアでUH-60 Black Hawkなど同じ速度で急降下着陸を行うと失速を起こして墜落に至ることが指摘されている。そのため、急襲攻撃作戦などの特殊作戦には不適格ではないかとする議論がこれまも幾度となく続いている。

米軍はこれまでイエメン内戦には介入してこなかったが、トランプ政権が成立したことにより、方針の転換が図られていた。

(Text by Newsln editorial team)

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Bell Helicopter V-247 Vigilant
Bell Helicopterは22日、ティルトローター機「V-22 Osprey」の無人機版「V-247 Vigilant」の開発表明を行った。

V-247は、V-22同様に両翼の端にティルトローターを装備した無人機(ドローン)で、離着陸する際にはヘリコプターのように垂直に、また、巡航飛行時を行う際には、通常の有翼機としてヘリコプターを上回る速度で飛行を行うことを可能にしたものとなる。

Bell Helicopterは、海上での偵察任務や、リーサルな攻撃任務用としてこのV-247をUS Marine Corpsの艦載用の無人機として開発を行うことを計画している。

US Air Forceが使用している主力の無人機となるGeneral Atomics MQ-9 Reaperは、運用には本格的な飛行場が必要となっており、中東などで運用を行う際に陸上基地を必要としていた。

そのため、これまで本格的な無人機の導入は、US Marine Corpsでは遅れていた。

V-247は、翼幅が65フィート(約20メートル)、ローター径が30フィート(約9メートル)で有人機のV-22とほぼ同じクラスの無人機としては大型機となる予定。

また、2機のV-247を使用することにより連続24時間の情報収集偵察(ISR)任務も可能となる予定。

Source: Bell Helicopter

(Text by Gerald Byrd)



追記 2017.09.01


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Bell V-280 Valor is a third-generation tilt-rotor aircraft being developed by Bell Helicopter for the United States Army’s Future Vertical Lift program. And here is the first demonstrator aircraft being readied for its maiden flight.

The V-280 Valor is Bell’s submission for the U.S. Army’s Joint Multi-Role Technology Demonstrator (JMR-TD) phase, the technology demonstration precursor to Future Vertical Lift (FVL), a replacement for the service’s Sikorsky UH-60 Black Hawk and Boeing AH-64 Apache helicopters.
The V-280 will have a crew of 4 (including two pilots) and be capable of transporting up to 14 troops. Its cruising speed will be 280 knots (hence the designation V-280) and its top speed will be 300 kts. It’s designed for a range of 2,100 nautical miles and an effective combat range of 500 to 800 nmi although the Army’s requirements for the demonstrator call for hot and high hover performance (at 6,000 feet and 95 F), and the ability to self-deploy 2,100 nautical miles at a speed of at least 230 knots.
Featuring a triple-redundant flight-by-wire Flight Control System and cutting edge avionics, the first prototype of the next generation helicopter is expected to perform its first flight in the next few months. On Aug. 30, what looks like a 100 percent complete aircraft, sporting the registration N280BH, was spotted at Bell Helicopter Amarillo Assembly Center(where the demonstrator aircraft began ground vibration testing with a 95 percent complete helicopter back in February 2017): the Valor is probably being prepared for engine tests ahead of its maiden flight (planned for Sept. 2017).
The T64-GE-419 engines and gearboxes in the nacelles are clearly visible in the interesting images in this post obtained from a short video filmed by our friend Steve Douglass. Interestingly, unlike the V-22’s engines, that rotate with the gearboxes, in the V-280, the gearbox is the only thing that rotates. According to Bell “The output shaft is connected to the drive system through a spiral bevel gearbox that transfers power to the fixed gearbox and proprotor gearbox, which rotates on two big spherical bearings driven by a conversion actuator mechanism.” The Valor’s tilting gearbox design vastly simplifies the Osprey’s complex hydro-mechanical clockwork required for the tiltrotor action.