民進党・長島昭久衆院議員が離党の意向で記者会見(2017年4月10日)
 私、長島昭久は、本日、一人の政治家として「独立」を宣言いたします。
つい先ほど、野田幹事長に離党届を提出してまいりました。

 このたび私が民進党を離れる決意をした最大の理由は、保守政治家として譲れない一線を示すということであります。

 共産党との選挙共闘という党方針は、私にとり受け入れ難いものです。一昨年の「安保法制廃案」の熱狂の中で、突然打ち出された共闘路線は、まともな党内論議もないまま共産党主導で進められ、最近では民進党の基本政策にまで共産党が影響を及ぼすかのような場面が目立つようになりました。消費税しかり、TPPしかり、エネルギー政策しかり、憲法改正問題しかり、そして、いま審議入りもできない状況で紛糾しているテロ等準備罪法案しかり、です。

 個々の共産党議員は、みな優秀で正義感にあふれ、真剣に議会活動に取り組んでおられます。政策の方向性は異なれど、その質疑内容には常々敬服しておりました。

 しかし、衆議院議員選挙は「政権選択の選挙」です。そこにおいて、国家観も、目指すべき社会像も著しく異なる共産党と選挙協力をするということは、(中間選挙的な色彩の強い)参議院議員選挙で選挙協力を行うこととは本質的に異なります。したがって、国民の理解を得ることは難しいと考えます。

 とくに、国家の基本である外交・安全保障政策において、私のめざす「リアリズム」と共産党の路線とは残念ながら重なることはありません。それを「安保法制廃案」というとても現実的とは思えない一点で折り合いを付けようとしても、政権を担った途端たちまち破綻することは火を見るよりも明らかです。

 これまで私が外交・安全保障政策に力を入れてきたことは周知の通りです。それだけに、今般のアメリカによるシリア空爆、暴発寸前の朝鮮半島情勢を目の当たりにし、我が国の安全保障のためにアメリカとの同盟関係を強固にし、我が国独自の国防努力を行っていくことは焦眉の急です。安全保障は、やり過ぎても、やらなさ過ぎてもいけません。国際情勢の現実を直視しながら、「慎慮」をもって力の行使を判断せねばなりません。これが外交・安全保障のリアリズムです。そのような私の問題意識と共産党に引っ張られる党の政策との間には覆い隠しようもない断絶があります。そのことの故に、このたびの離党という決断に至ったことは偽らざる事実です。

 しかし、これだけでは「離党」の説明にはなっても、冒頭に申し上げた「独立」する説明には不十分でしょう。じつは、私には、一人の「保守政治家」として、どうしてもやり遂げねばならない大義がございます。今日はせっかくの機会なので、そのことについてお話したいと思います。

 私にとって今回の行動の大義は、「真の保守をこの国に確立したい」という一点にあります。

 私は、2年前の夏。安保法制を採決する本会議場に一人茫然と座っておりました。前日までの激しい党内論争に敗れ、失意のどん底で党議拘束に従い安保法案に反対票を投じました。

 じつは、当時、私は党内論議と並行してツイッターを使って様々な方と議論を戦わせていました。そのとき、安保法制の賛否をめぐる左右の主張の対立の激しさ、醜さに衝撃を受けました。議論がかみ合うどころか、単なる罵り合い傷つけ合いに陥っていたのです。これをネットの世界の出来事と片付けるのは簡単ですが、じつは現実にも同じような罵り合い、果ては議員同士の殴り合いが、委員長席周辺で繰り広げられました。

 このまま国家の基本にかかわるような問題―特にこれから、憲法改正という戦後政治の根幹にかかわるような究極のテーマが控えています―で左右の衝突が繰り返され、過激な極論や暴論のぶつかり合いが続くようでは、日本社会における保守とリベラルの分断、亀裂は抜き差しならないところまで行くのではないかと深刻な危機感を抱きました。その恐ろしさは、今日のアメリカの分断状況を見れば想像に難くないと思います。

 そのような国家を二分する争点において、対立する双方の意見を調整し国会における熟議に反映させる責任を担うべきは、私たち国会議員です。そして、そのような社会の分断、国家の亀裂を生じさせないようにするのが、この国の保守政治家の責務ではないかと考えるに至ったのです。それ以来、私は、党議拘束の桎梏に身もだえするような重圧を感じながら、「真の保守」とは何かを考えてまいりました。

 「党内ガバナンス」という魔法の言葉によって、一致結束して「アベ政治を許さない!」と叫ぶことを求められ、過去に自分たちが推進し、容認してきた消費税も、TPPも、ACSAも、秘密保護法制も、安保法制も、憲法改正論議も、共謀罪も、すべて反対、徹底抗戦、廃案路線で突き進む。行き詰まると、院外のデモ隊の中に飛び込んで、アジる、煽る、叫ぶ。そこには熟議も、建設的な提案もない。与野党の妥協も政策調整の余地もない。

 国民世論の統合を期待されている国会において、かえって国民の中にある分断の萌芽をさらに拡大しているようにしか見えません。もちろん、これは野党だけの責任ではありません。政権の側にしばしば見られる独善こそ厳に慎むべきです。

 そこで、「真の保守」とは何か。それは、我が国の歴史と伝統を貫く「寛容の精神」を体現したものだと考えます。ですから、「真の保守」は多様な意見を包摂することができるのです。じつは、この間気付いたのですが、リベラルの皆さんの方が権力に対するルサンチマンのようなものがあって、寛容さに欠ける言動がしばしば見られます。政府や保守的な主張に対する攻撃は時に激烈です。「市民連合」なる組織を率いるある政治学者が、一国の総理に向かって「お前は人間じゃない。叩き斬ってやる」などと叫んだりしていました。

 一方、保守の側も昨今劣化が激しく、籠池さんのように、教育勅語を信奉していれば保守だといわんばかりの粗雑なキャラクターが際立っています。私は、「真の保守」というのは、国際社会でも通用するような歴史観や人権感覚を持ち得ねばならないと考えております。不寛容なリベラルも、粗雑な保守も、一度立ち止まって国内外の現実を直視し、それぞれの議論を整理し直すべきではないかと思うのです。

 「真の保守」は、左右の主張を包摂しつつ、対立点について粘り強く説得に努め、この国に「秩序ある進歩」(私の尊敬する小泉信三の言葉)をもたらすことに力を注ぐべきではないかと考えます。それは、「中庸」の思想に通じるものがあります。中庸は、過剰に対する自制と不正に対する毅然とした姿勢によって、一方に偏ることなく常に調和を重んずる思想です。足して二で割るといった単純な話ではありません。中庸を保つためには、強い意志と高い理想がなければなりません。

 私は、ここに、特定の党派から独立した一人の保守政治家として、我が国を取り巻く内外の諸課題と真摯に向き合い、あるべき政治のかたちを創り上げるために、私の問題意識を共有してくださる同志の皆さんと共に、中庸を旨とした「真の保守」政治の確立という大義の実現を目指して行動を起こすものであります。

衆議院議員 長島昭久

なかなか聞きごたえがある、良い会見であった。極めて論理的で論考した離党宣言は傾聴に値する。今まで民進党に籍を置いていたのが間違いである。

長島議員は「真の保守」を目指さして離党したという。真の保守であれば離党は遅過ぎた。あの安保法案の時に反対票を投じるのではなく、反対票を投じるのではなく離党すべきであった。

長島議員は嘆く
共産党との選挙共闘という党方針は、私にとり受け入れ難いものです。一昨年の「安保法制廃案」の熱狂の中で、突然打ち出された共闘路線は、まともな党内論議もないまま共産党主導で進められ、最近では民進党の基本政策にまで共産党が影響を及ぼすかのような場面が目立つようになりました。消費税しかり、TPPしかり、エネルギー政策しかり、憲法改正問題しかり、そして、いま審議入りもできない状況で紛糾しているテロ等準備罪法案しかり、です。
長島議員が離党した民進党はもはや政権交代可能な政党としての価値は無い!
もはや民進党は共産党に乗っ取られたようなもの、次の政権を担うことが可能な保守政党ではなく、かつての社会党のように万年野党、野合の衆である政治的使命は終わった。

民進党には江田憲司議員、笠浩史議員玄葉光一郎議員、原口一博議員、馬淵澄夫議員、細野豪志議員など保守派議員もいるが、早々に長島議員の後を追って党から離れるべきだ。まともな政治家であれば、共産党と共闘するような、党に籍をおくべきではない。

北朝鮮がもしかしたら日本にミサイルを打ち込むかもしれない国民の生命が危機に立たされる非常時に、南北朝鮮や中国の工作員の活動を抑止する共謀罪成立の足を引っ張り、一般的良識を持つ国民にとっては、民進の主張には違和感を感じざるを得ない。

「二重国籍問題」を抱える蓮舫のような品性のない下品な人間を党首と仰ぎ、口を開けば、暴走する安倍政権を打倒しか言わない民進党が責任ある政党とは思えない。・・・・暴走しているのは蓮舫や辻元清美だろう。

民進党は政府・与党の醜聞追及とあら探しに明け暮れてきた。党としてまとまって動けるのは、森友問題しかないのかもしれない。多くの国民はバカではない。森友学園問題での民進党の醜態は、自民党に替わる政権政党たり得ないと感じているはずだ。世論は、そんな民進党の実態を見透かしているのだろう。世論調査でも、民進党は森友学園問題で、むしろ支持率を下げている調査も多い。もはや民進党は泥船であるとの共通認識が今後更に醸成されて行くでしょう。

怪しげな情報に飛びついてはブーメラン自爆を繰り返し、党利党略に走り打倒安倍が唯一の党の主張の党など無用の長物だ。

民進党はもはや国家にとって無用な存在だ。次の選挙では勢力が縮小し消えてなくなるであろう。保守派議員ははやく民進党を離党すべきである!

長島氏の離党の大義は「真の保守をこの国に確立したい」という一点にある、と述べた。その上で、「真の保守」は、日本の歴史と伝統を貫く「寛容の精神」を体現し、国際社会でも通用するような歴史観や中庸な感覚を持たねばならない、と言う。

日本の不幸は、まともな野党が育たたないことにある。中庸であるべきリベラル派は中庸ではなく、現実を無視し、空想理念にはしり、国益を無視する人達の集まりだ。

日本の伝統を否定するラジカルな政治屋を排除した真の保守による二大政党による政権交代が望ましいのだが、旧社会党的なリベラルを取り込んでしまうと、どうしても民主党になってしまう。民進党を解党しても旧社会党的な政治屋を排除しない限り、政権を任せられる野党は育たない。

自民党に代わる保守派による政権交代可能なまともな野党をはやく結成してほしい。もしそうであれば私は応援したい。
長島昭久元防衛副大臣が4月10日、民進党を離党することを表明した。

「私は2年前の夏、安保法制を採決する本会議場に一人茫然と座っておりました。前日までの激しい党内論争に敗れ、失意のどん底で討議拘束に従い安保法案に反対票を投じました」

会見で読み上げられた「長島昭久『独立宣言』―真の保守をめざして」には、離党を決意するに至る苦悩が偲ばれた。慶應義塾大学・同大学院で憲法を学び、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で国際関係論を修めた長島氏は、自他ともに認める保守政治家で、外交防衛に関する知見は政界随一との定評がある。

国家観を論理的に話せる政治家


筆者は、国会議員になる前の長島氏に会ったことがある。新橋のホテルのティールームで政治家の役割について話を聞いたが、初めて国家観を論理的に話せる政治家を見た思いがした。

だがその才能と知識は民進党では十分に生かされたとはいえない。もともと党内で保守勢力は優遇されず、しかも長島氏が率いる「国軸の会」は10名に満たなかったからだ。

「長島さんは本来なら自民党から出るべき人だ」。そのような評価が常につきまとったことも、かえって仇になったのかもしれない。また同年生まれだが学年が1つ下の前原誠司元外相や9歳年下の細野豪志民進党代表代行に当選回数で遅れをとったことも痛かった。永田町では年齢よりも政治キャリアの長さがものを言う。

「(2016年9月の)代表選に挑戦したかったが、(20名必要な推薦人が)13名しか集まらなかった」

離党会見で長島氏は、浮かばれなかった悔しさをにじませながらこう語った。無念だったのは昨年の代表選ばかりではない。同年7月の東京都知事選でも苦汁をなめざるをえなかった。都議会民進党(当時)が長島氏擁立に動き、政治資金関連のチェックも完了し、都議会公明党との水面下の連携計画も進められていたにも関わらず、党本部の支持を得られず頓挫せざるを得なかったからだ。

おそらくこの時、長島氏はもがいていたのだろう。それでも民進党を離れなかった長島氏だったが、なぜいま離党なのか。

「細野さんの静岡県知事選出馬の噂がきっかけではないか」。長島氏をよく知る人はこう語る。

細野氏の静岡県知事選出馬の話が出たのは、3月上旬のこと。「自民党の塩谷立静岡県連会長が細野さんの出馬を暗に漏らし、これを地元紙が報じたようだ。6月に2期目の任期満了を迎える川勝平太知事は、文化振興には熱心だが県職員の評価は高くない。ここで自民党が擁立する知事に変えたいという意向がある」。自民党の静岡県関係者は背景をこう説明する。

細野氏より先に民進党を離党したかった?


もっとも細野氏は「我々は川勝知事を支えてきたし、立派な知事なので出ていただきたい。いまは川勝知事の出馬に向けて準備しているところだ」と自身の出馬をきっぱり否定。ただ川勝知事はいまだ出馬表明をしておらず、「優れた人がいればバトンタッチしたい」と思わせぶりな発言もしている。

静岡県関係者もこう述べる。「このままずっと民進党にいても、細野さんは浮かばれない。しかし党を出て知事を2、3期も務めれば、国政の状況も変わる。その時になってもまだ60歳。改めて国政に戻っても首相を十分に狙える年齢だ」。

ゆえに長島氏はいま離党したのだと、長島氏の関係者は説明する。「もし細野さんが静岡県知事選に出馬するのなら、細野さんは民進党を離党することになるが、長島さんは細野さんに遅れて民進党を離党したくなかったのだ」。

ではなぜ、長島氏は細野氏よりも先に民進党を離れたかったのか。

それは2015年8月まで遡るという。当時の国会は安保法制審議の真っ最中で、民主党(当時)は法案成立阻止に懸命だったが、長島氏と細野氏、そして馬淵澄夫元国交大臣が率いる各グループは「解党的出直し」を検討する勉強会を立ち上げていた。

「これをとりまとめて、3人で発表するはずだった。ところがその前に、細野さんが前原さんや江田憲司さんとともに岡田克也代表(当時)に解党を迫ってしまった。長島さんが渡米していて、留守の時だった」(長島氏関係者)

この時、長島氏は激怒したというが、むしろ落胆したのではなかったか。外交防衛畑を歩き国政しか頭になかった政治家が、その翌年に東京都知事を目指そうとしたのも、そうしたことによる心境の変化ではなかったか。

「私としては(離党は)遅きに失した感がある」

「いつが(離党の)ベストのタイミングかは、私には想像がつかない」

長島氏は離党会見でこう述べたが、ようやく今になって、その諦めがついたのではなかったか。なお長島氏は否定しているが、すでに水面下で自民党へ移る約束ができているという話も伝わっている。

実際に自民党の下村博文東京都連会長は長島氏に歓迎の意を示しているし、ある派閥はオブザーバーとしての参加を打診しているという。東京ブロック選出の長島氏は次の衆院選まで自民党籍を得ることはできないが、会派に所属することは可能だ。

民進党には大きな打撃

一方で、長島氏が抜けた民進党の打撃は非常に大きい。10日午後5時頃、蓮舫代表は顔をひきつらせながら衆議院の民進党役員室に入っていった。これから執行役員会が開かれ、長島氏の離党について検討される。より大きな問題は、党内に長島氏に続こうとする離党予備軍が複数いるらしいという点だ。そうなれば、ますます蓮舫氏の求心力は低下するに違いない。都議選を戦うまでもたない可能性も出てくる。

細野豪志氏、代表代行を辞任 民進党、蓮舫執行部に打撃
【The Huffington Post】2017年04月13日 18時06分 JST 執筆者:中野渉

民進党の細野豪志代表代行は4月13日、憲法改正を巡る蓮舫執行部の姿勢に不満があるとして、代表代行の辞任届を野田佳彦幹事長に提出した。野田氏は受理した。共同通信などが報じた。離党は否定した。

辞任理由について「憲法に対する考え方の違いだ。いまの執行部は改憲に消極的だ」と述べた。

細野氏は10日、幼児から高校までの教育無償化などを盛り込んだ憲法改正私案を発表したが、蓮舫執行部は安倍政権下の改憲に消極的で、細野氏の改憲私案公表に党内の賛否は割れていた。

 
民進・細野氏、代表代行を辞任 改憲巡り、蓮舫執行部に不満 - 共同通信 47NEWSより 2017/04/13 15:15)
細野氏が憲法改正私案を発表したのは、10日発売の月刊誌「中央公論」。これに対して、野田氏幹事長は記者会見で「党内で決まったことには従ってもらわないといけない」と細野氏を批判していた。

7月の東京都議選を前に、民進党では都連幹事長を務めた長島昭久・元防衛副大臣が離党届を提出したばかり。時事ドットコムはこの状況を受けて「蓮舫代表ら執行部には新たな打撃となった」と伝えた。