○ 将来戦闘機システム開発の実現性に関する研究(24億円)

 国際共同開発の可能性を含め、開発の実現性を検討するため、各種研究の成果を踏まえた将来戦闘機の技術的成立性に関する研究(バーチャル・ビークル)の成果を活用し、機体仕様の精緻化、国内の開発体制及び海外との協力の検討等に必要な技術資料の収集を実施 

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バーチャル・ビークル(将来戦闘機)27~29DMU
下の26DMUと比べ、コックピットが小さくなったのか、全体がやや大型化した印象だ。しかし、あくまでもイメージ図であるからなんとも言えない。
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26DMU
26DMU将来戦闘機  2015/12/17(木) 午前 1:11 

26DMUの後もデジタルモックアップは微妙に改良していたようだ。F-3は25DMUを元に開発するという情報もあるが、この平成30年度概算予算の概要に描かれたデジタルモックアップは、25DMUとは異なる。25DMUを若干改良した26DMUが最終型と思ってはいたが、引き続き27DMU・28DMU・29DMUと微妙に訂正したバーチャル・ビークル(将来戦闘機)として、F-3の電子的原型機となっているようだ。

図のバーチャル・ビークル(将来戦闘機)は、おそらく27DMUではなかろうか?
今年の防衛シンポジウムでは28DMUがさりげなく将来戦闘機として描かれているこもしれない。最新型のデジタルモックアップは兵器庫の扉などを改良するなどしたと思われます。現在行われているヴァーチャヴィーグルが、しいて言えば29DMUになり、その研究を踏まえ、F-3の設計がはじまるのではないかと思われます。

26DMUと比べ垂直尾翼と尾翼が、若干大型化して、機体も大型化したのではないだろうか?
また、左右エンジン排気部の間に尾っぽのような仕切りが出来、機首も若干長くなった変化が見受けられる。

◆将来戦闘機システム開発の実現性に関する研究

○ 機体仕様の精緻化(コスト低減の追求) 
○ 国内の開発体制及び海外との協力の検討 
○ 将来の拡張性

正式には来年(2018年)夏頃に完成する搭載エンジンであるXF9-1の開発終了を待って、F-3戦闘機の開発が最終決定される。

しかし、防衛省は既にF-3は国内の主契約業者となる三菱重工業とともに、オールジャパン(川重・SUBSRU・新明和工業・日本飛行機・IHIなど)に加え、米防衛大手ボーイングとロッキード・マーチンに、英国(BAEシステムズ)、場合によってはエアバス・グループ 、伊フィンメッカニカ、スウェーデンのサーブも参加の可能性がある。

おそらくF-3戦闘機は日本主導の国際開発になる可能性が高いだろう。

ライフサイクルコストなどの費用を含め、4兆~5兆円と推定されるプロジェクトに、
200機程度のF3の開発・生産計画は、とてもペイできないので、国際共同開発の流れはやむを得ないかもしれない。

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F-4EJ改 航空自衛隊 

日本はF-4ファントム戦闘機以降、長距離飛行とミサイル内蔵を可能とする、双発のステルス戦闘機の取得に興味を示してきた。

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F-2は単発戦闘機であるが、当初FS-X構想は国産の双発戦闘攻撃機であったが、

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F-2A 航空自衛隊 

米国の政治家・産軍複合体の理不尽な圧力によって、F-16改良の日米共同開発となり、泣く泣く単発戦闘機となった。

日本はF-4ファントム後継F-X戦闘機として、ロッキード・マーチンF-22の導入を熱望したが・・・・・、
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日本側の意向にもかかわらず、米国は同機に対して禁輸出の措置を講じその上F-22の生産ラインを閉じてしまった。

単発エンジンのF-35戦闘機が予想通りポンコツであったため、今日米空・海軍は今日の戦力低下を招いてしまった。

自衛隊が求める将来戦闘機(F-3)は大量のウエポンベイを備えた戦闘機だが、現行の既存の機体のF-35等の改修でも得られない。航空自衛隊のニーズを満たす戦闘機は世界に存在しない。

このため、日本はF3を双発の戦闘機として設計と製造を国内主導で行う可能性が高い。

ただ、日本単独では計画費の高騰を招く。開発費の増加は、国家予算の重荷となるため、日本にとって障壁となる。ただ、日本政府が2015年、長年維持していた武器移転を解除したことで、将来的に輸出することでコスト軽減を図る事も念頭に国際共同開発を選択せざるを得ない。

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日本側のF-3戦闘機は有人双発大型ジェットを想定している。23DMU~26DMUの変化を考察すると、運動性よりも航続距離と滞空時間を重視し大型高性能のミサイルを搭載できる兵装庫を備えるマルチロール戦闘機の実現を目指しているように見える。

共同開発に参加するであろう英国側は、無人戦闘機を構想し、第六世代戦闘機は、有人戦闘機が、複数の無人戦闘機を引き連れミッションを行うというのが世界的な潮流だ。
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2030年F-3+無人ウイングマン構想  2016/10/6(木) 午後 11:21

F-3戦闘機には、胴体内兵装庫にAAM-4Bもしくはその後継JNAM長距離空対空ミサイル6発と、AAM-5B短距離空対空ミサイル2発を収納可能なことが求められている。さらに今回研究が開始された、島嶼防衛用新対艦誘導弾、やASM-3なども搭載すると思われる。
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策源地攻撃にも参加する場合、F-3には自衛隊が保有決定した各種誘導爆弾も搭載するであろう。
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GBU-38/B JDAM Mk.82 500ポンド爆弾にGPS/INS誘導装置を付加した精密誘導爆弾(及び追加キット)。2007年度導入。F-2A/Bに搭載可能。
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GBU-31 JDAM 2016年3月に調達が決定した2000ポンド精密誘導爆弾。

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GBU-54 LJDAM(レーザーJDAM) GBU-38にセミ・アクティブ・レーザー・ホーミング誘導(SALH)方式を追加した精密誘導爆弾。F-2A/Bに搭載可能。
2015年7月時点で築城基地第6飛行隊において訓練弾の配備が確認されている。

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GBU-39 SDB 2015年12月に調達が決定した精密誘導爆弾。

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GBU-12 ペイブウェイ 2016年3月に調達が決定した500ポンド精密誘導爆弾。


○ 将来中距離空対空誘導弾の研究(73億円)
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 戦闘機への内装化及び将来の経空脅威に対応する小型・高性 能電波シーカに関する研究を実施し、ダクテッドロケットエン ジンを搭載した誘導弾との適合性を日英共同研究により検証 

※ ダクテッドロケットエンジン:高速で飛しょうすることに より、空気取り入れ口にて圧縮した空気と、燃料反応剤が反 応して生成した高温・高圧の燃料をラム燃焼室にて混合させ ることにより燃焼させ、推力を得る推進装置
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敵を凌駕する高度な技術を持つ驚愕の新戦闘機 F-3 の正体

将来の戦闘機(F-3)に求められるのは、敵を凌駕する高度な技術を駆使した新たな戦い方が必要である。すなわち「高度に情報(Informed)化/知能(Intelligent)化され、瞬時(Instantaneous)に敵を叩く「i3 Fighter」が必要である。具体的には、

①   射撃機会を増やすのと無駄弾を無くすために、誰かが撃てる、打てば当たるクラウド・シューテイング。
②   電波妨害に負けないフライ・バイ・ライト・システム
③   世界一の素材技術を使い、敵を凌駕するステルス性。
④   世界一の半導体技術で次世代ハイパワー・レーダー。
⑤   世界一の耐熱材料技術で次世代高出力スリム・エンジン、などの開発。


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●XF9-1エンジン

平成29年6月28日 防衛装備庁が(株)IHIと契約して研究試作を実施してきた戦闘機用エンジンの研究試作(コアエンジン)が、平成29年6月28日に試作品がATLA札幌試験場に納入された。


第二次世界大戦末期 日本初のジェット機「橘花」に搭載された 推力475kgの
「ネ20」から72年、日本は世界最高水準の戦闘機用エンジン推力15トンの「XF9-1」が完成目前である。

エンジン2基合わせて30,000㎏の推進力で、F-3の想定機体重量:約20,000kg
最大離陸重量:約35,000kgを支える。スーパークルーズも可能で、推力偏向ノズルを持つ、F-3が有人機としては究極の格闘戦闘能力と、マルチロール能力を持つことになる。

ステルス戦闘機同士の空中戦にもになった場合、互いをレーダーで捕捉できないまま近づき、出合い頭に至近距離での撃ち合いになる可能性がある。その為、高運動性を備えていれば、すれ違いざまに攻撃が可能となる。

もちろん、エンジン出力不足で、ドックファイトができないF-35は、ステルス機同士の空中戦では生き残れない可能性が高い。

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将来の戦闘機用エンジンの心臓部となるコアエンジンは、7月より防衛装備庁において所内試験を開始し、その性能を確認始まっている。 今後、将来の戦闘機用エンジンを実現すべく、コアエンジンの研究成果を反映したプロトタイプエンジンXF9-1を平成30年6月までに試作し、その性能を確認していく計画だ。 

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IHIが戦闘機用「コアエンジン」、防衛装備庁に納入
【Yahooニュース】日刊工業新聞7/5(水) 7:30配信

(略)
IHIは2010年度からコアエンジンの開発を始めた。世界最先端の流体コンピューターシミュレーション技術のほか、ニッケル超合金やセラミック基複合材(CMC)など、日本独自開発の金属材料を取り入れた。15年度からは川崎重工業や三菱重工航空エンジンなどの協力を得ながら、推力15トン級ジェットエンジン「XF9―1」の開発を開始。18年6月までに試作品を納入する計画だ。           (略)
イメージ 7Tokyoexpress 2017年7月18日 
(防衛省)次世代戦闘機用エンジン「XF9-1」実証エンジンは2018年6月完成が目標。今回IHIで完成、防衛装備庁に納入されたのはエンジン全体の性能を決定する心臓部に当たる「コア」部分である。「XF9-1」の目標推力はアフトバーナ作動時15 ton+、非作動時11 ton+。直径1 m、全長4.8 mとコンパクトに纏められている。

 ■クラウド・シューテイング。
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射撃機会を増やすのと無駄弾を無くすために、誰かが撃てる、打てば当たるクラウド・シューテイング能力F-3はを持つ。

ネットワークで繋がった有人機、無人機の群れの中から、どれかが敵を探知すれば直ぐに誰かが撃てる“新データリンク”「統合火器管制」システムを搭載する。

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■   電波妨害に負けないフライ・バイ・ライト・システム
操縦系統などには電子戦に強い光ファイバーを使った「フライ-バイ-ライト」(FBL)システムを採用する。「FBL」はすでに海自の新型哨戒機「P-1」に搭載、世界で初めて実用化に成功している。

   世界一の素材技術を使い、敵を凌駕するステルス性
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機体構造には高い電波吸収機能のある「シリコン・カーバイド繊維」を採用する。コクピットキャノピ–には高い電磁遮蔽性能を持つ「プラズマテレビ用電磁シールド」を採用する。さらに機首レーダー収納部には電波反射波の方向を曲げる機能を持つ「メタマテリアル」を使う。これ等の基本素材は、我国で開発済みかあるいは開発の最終段階にある。

凌駕の アクティブレーダーステルス
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航空機の外形形状に沿ってレーダー送受信素子を配列する次世代型センサー・システム、スマートスキンにより、敵レーダーを解析し同じ電波を180度返すことで、
忍者が術を使って隠れるように、レーダー的に不可視化にする。


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■   世界一の半導体技術で次世代型ハイパワー・レーダ
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*現在世界各国で主流となっているレーダーはガリウム・砒素(GaAs)半導体素子を使ったAESAレーダーである。「F-3」に搭載するレーダーは、(GaAs)素子に代わり、出力が3倍もある、従って探知距離が飛躍的に伸びるガリウム・ナイトライド(GaN)半導体(窒化ガリウムとも云う)素子を使用する。

「GaN」送受信素子は、2012年就役した新護衛艦「あきずき」クラスに搭載された
「FCS-3A」射撃管制レーダー(三菱電機製)に使われたのが世界最初である。

また「F-2」戦闘機近代化計画の一つとして「F/APG-2」レーダーの搭載が始まっているが、これも「GaN」素子で作られている。

さらに従来の99式空対空誘導弾「AAM-4」を改良した「AAM-4B」誘導弾にも「GaN」素子製のAESAレーダーが新たに装備された。「GaN」素子製のレーダーを実用化したのは我国が最初で、米国を含む他国では未だ開発途上にある。

*「F-3」には、高出力の(GaN)レーダーと赤外線センサー(IRST)および電子支援装置(ESM)から得られるデータを融合して、ステルス機の探知、対処を可能にする「戦闘機搭載用センサー/スマートRFセンサー」を開発し、前述の「統合火器管制システム」の主装備として搭載する。



無人装備研究開発ビジョンに基づく研究開発

 ○ 高い安全性・信頼性を有する無人機に関する構想検討(0.3億円)
 我が国の国土国情に適した運用のため、安全性・信頼性を特に重視した遠距離見通し外運用型無人機の実現に向けて運用者の意見を聴取し、平成29年度作成のデジタルモックアップ及び概算コストモデルに反映


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