9月12日に防衛装備庁のHPに漠然と「将来海上装備」募集の公募が載った。

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「本募集は、将来海上装備(研究開発を行うことにより取得可能な海上自衛隊向け装備品等)の技術的検討(以下「本検討」という。)を実施するにあたり、装備品等に関連する実績、知見、能力を有する民間企業者のうち、本検討に対して情報を提案する意思のある企業を募集することを目的としています」とのことだ・・・・

漠然すぎて現時点では、搭載兵器なのかセンサーレーダーの類なのか、はたまた艦艇なのか?これだけでは想像がつきません。

しかしながら、なにか画期的な兵器開発を目指しているのではないかと思われます。現時点ではまったく雲をつかむような話ですが、文章からすると、10年以内に実現可能な新兵器、レールガンや高出力レーザー、潜水艦より発射する兵器に関する装備ではなかろうかと想像できます。

そこで、ネット検索を駆使して将来的に日本が必要とする将来海上装備品について少々 考察 妄想したいと思います。

日本の国防において、何が最も必要かと言えば、中国、北朝鮮からの核ミサイルに対し鉄壁の防御体制だと思いますので、真っ先に思いつくのが、レールガンを搭載した弾道ミサイル迎撃艦である。


ターミナルフェーズの弾道弾を海上で大型揚陸艦に搭載したレールガンで迎撃する艦だ。実現可能な将来海上装備の筆頭ではないだろうか?

マッハ8のロシアのZircon極超音速対艦ミサイルや、実用性は怪しいが中国の対艦弾道ミサイル(ASBM)DF-21の飽和攻撃に対し、撃墜するのに現行のSAM体制、イージスシステム+SM-2/SM-3/SM-6だけではこころもとない。

射程が100~200kmのレールガンであれば、Pac-3やTHAADが受け持つ大気圏突入後の弾道弾を迎撃可能である。動力は原子力+ガスタービン(戦闘時必要な電力を供給)が望ましい。当面は大型発電機が搭載可能な大型艦にレールガンを搭載するので、かつての戦艦クラスや、空母大型揚陸艦クラスにのみ搭載が可能。

もし、効率的に電力を発電し、蓄電、瞬時に供給できるような画期的なシステムが開発できたのであれば、レールガンは1門ではなく複数門同時に発射できるようになると、今世紀末には次第に大艦巨砲主義化していくと思われます。

更に、高出力レーザーも個艦防御用として搭載されることになるであろう。

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レールガンや、高出力レーザー砲が、もし、1000km級の射程を得られたとするならば、北朝鮮内陸部の発射場を砲撃可能となり、ターミナル・フェーズだけではなく上昇段階のブースト・フェーズも迎撃可能となるのではないか?

参考になるようなコンセプト画像があったので、「防衛装備庁の将来海上装備」からは逸脱するかもしれませんが、参考までに。

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まずは、発展の過程として、レールガン1門と高出力レーザー照射機を搭載する艦が出現すると思われます。上の画像はアーレイバーグ級ミサイル駆逐艦Flight III
の代替案/後継案の一つのようです。

レールガンが実用化すれば、ズムウォルト級ミサイル駆逐艦にも、 155mmAGS(Advanced Gun System)にかわりレールガンが搭載されるかと思われます。
検索すると海外の好事家さん達はズムウォルトに倣って、砲を隠蔽するタイプの近未来のレールガン搭載艦を描いているようです。


ですが、先の長門プラモ改造レールガン航空戦艦にしても、下のアイオワ級プラモ改造航空戦艦にしても、もし建造するなら、砲身は隠蔽せず堂々と出してほしい。
戦艦の価値は、仮想敵国を威圧する砲艦外交の威圧手段にこそ最高の存在価値があるのだから、ステルス砲塔も悪くはありませんあが、第二次世界大戦型の砲塔の方が威圧感が高そうです。

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上の写真のモデルは1970年代にIOWA型の第二次世界大戦型の戦艦に航空設備を搭載した、強襲揚陸艦支援艦をモデル化したものです。上陸地点に砲撃し上陸支援を行うコンセプトだと思います。40cm砲塔をそのままレールガンに置き変えれば21世紀でも通用するコンセプトだと思います。

レールガン戦艦を新造するのであれば、ネット検索を好事家の方々が作られた画像が有ったので、防衛装備庁の将来海上装備のイメージ画像として参考に貼らせてもらいます。
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レールガンの行き着く先は・・・・大艦巨砲主義の復活!
・・・・・かもしれません。

話は防衛装備庁の将来海上装備とは少しはなれてしまいますが、2015年海上防衛の専門グループ「スタートポイント」と、提携する英国の電子企業によって公開されたコンセプト艦2050年の弩級戦艦 Dreadnought2050は近未来のwarshipとして多くのことを示唆してくれます。

2050年の弩級戦艦 Dreadnought 2050 2015/9/30(水) 午後 11:59
低コスト最小のマンパワーで運用するゲームチェンジャー的なコンセプトは、当に21世紀のドーレットノートだ。
三重構造の船殻と、スタイリッシュなデザインが高速航海を可能にする。目立った銃器が確認できないのもスピードを維持するためのものだ。だが、船首には電磁レールガンを装備している。
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ロシアとトルコでも興味深い近未来的軍艦のコンセプトモデルが発表されています。

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艦艇の重量は2000トン。長さ98.5メートル、幅12メートルで乗員は60~70人とされています。兵装は艦首に100mm単装砲、VLS(垂直発射装置)を6セル(48発)、近接防御火器システムとして機関砲とミサイルをそれぞれ1基搭載しています。また艦尾にはヘリコプター格納庫、及び甲板が備わっているとのことです。


トルコ防空フリゲートTF4500
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海自の将来海上装備の一つはこのコンセプトモデルに近いもののような気がします。

CSM非核弾道ミサイルを防衛省はその開発を隠さなくなり始めた。
● EMPロケット弾
○ EMP弾に関する研究(14億円)強力な電磁パルスを発生し、センサ・情報システムの機能を一時的または恒久的に無力化するEMP弾構成要素(EMP放射部)を試作するとともに、併せてEMP防護技術に関する検討を実施※ EMP:Electro Magnetic Pulse(電磁パルス)
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● 島嶼防衛用高速滑空弾
○ 島嶼防衛用高速滑空弾の要素技術の研究(100億円)島嶼防衛のための島嶼間射撃を可能とする、高速で滑空し、目標に命中する島嶼防衛用高速滑空弾の要素技術の研究を実施
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●島嶼防衛用新対艦誘導弾
○ 島嶼防衛用新対艦誘導弾の要素技術の研究(77億円)諸外国が保有するミサイルの長射程化を踏まえ、その覆域外から対処が可能となるよう、現有の対艦ミサイルの射程及び残存性の向上を目的として、新たな島嶼防衛用対艦誘導弾の要素技術の研究を実施 
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これを水上艦もしくはSLBMとして潜水艦から発射するのも将来海上装備ではなかろうか?

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活発な北朝鮮の核弾頭およびミサイル実験により、中国は日本が弾道ミサイル潜水艦を開発するのではないかと真剣に心配している。

日本が核抑止能力を持つなら弾道ミサイル潜水艦、「開発能力は間違いない」と中国メディア警戒 【Record china】2017年8月27日(日) 10時40分

2017年8月26日、日本の核抑止能力としては弾道ミサイル潜水艦を開発するのが最も適している。中国メディアが日本の核保有の可能性を論じた記事で、こんな見方を伝えている。記事は「日本は核兵器を造るつもりはないが、開発能力を持つことは間違いない」と断言。警戒を促している。 

中国網は「日本の核兵器潜在力 原潜が中露の脅威になるか」との記事で、日本が核武装した場合の運搬手段について検討。米国のナショナル・インタレスト誌(電子版)が報じた軍事専門家の「技術的に見ると、日本にとって陸上発射ミサイルが最も容易だ。日本には世界一流の宇宙技術があり、ミサイルサイロから発射する弾道ミサイルを研究開発できる」との分析をまず紹介した。 

具体的には「日本には長距離の大陸間弾道ミサイルの必要がなく、中国とロシアを射程距離に収めるだけでよいので、100発前後の中距離弾道ミサイルを保有できる」と例示。「ミサイルにそれぞれ3発・10万トン級の核弾頭を搭載し、北海道のミサイルサイロに配備するか、道路の車両に配備できる」としている。 

さらに「日本はステルス爆撃機を開発し、核巡航ミサイルや核爆弾を搭載することが可能だ」とも言及。「これは非常にフレキシブルな核攻撃方法で、核攻撃ばかりか通常の精密攻撃も可能だ。航空自衛隊は72機規模の爆撃機編隊を維持できる。1機に4発の近距離ミサイルを搭載でき、それぞれ10万トン級の核弾頭を1発搭載できる。これにより日本は一度に288発の核弾頭を投射する能力を手にする」と計算している。 

しかし、日本の場合、陸地面積が狭く人口密度が高いため、陸上発射ミサイルは配備先が攻撃を受けやすく、爆撃機も新型防空ミサイルの発展により生存能力が大きく低下するなどの重大な欠陥があると指摘。「こうなれば、日本にとって最も適した核抑止方法は海からのものとなる」と“アドバイス”している。 

海上戦力に関しては「日本には世界トップクラスの潜水艦技術があり、弾道ミサイル潜水艦を開発し、これを東太平洋の広い海域で巡航させることができる」と説明。「日本は米国に潜水艦発射ミサイル・MIRV技術の共有を要請できる。英国の原子力潜水艦に配備されているのは、米国製の『トライデントIID5』ミサイルだ。日本は米国のミサイル開発計画に資金を提供できる」と日米連携にも触れている。 

その上で「日本は中国に倣い、5隻規模の弾道ミサイル発射原子力潜水艦を維持できる」との米専門家の見解を引用。「1隻に16発のミサイルを搭載し、それぞれ4発・10万トン級の核弾頭を搭載する。交代制で常に1隻を巡航させる」との計画まで描いてみせている。(編集/日向)

中国人は、日本人より妄想力は高いかもしれない。

Grand Panjandrum IWM FLM 1627.jpg英国の将来装備は、戦車を発明し、ドーレットノート型戦艦を開発した国だけのことはあって、かなり奇抜だ。

ただ、パンジャムドラムのような、珍兵器も開発してしまうのも英国の伝統である。
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All Photo by Royal Navy

 イギリス王立海軍(英海軍)は8月28日、次世代の潜水艦システムのコンセプトを発表。イギリスの研究者や若いエンジニアが参加したプロジェクトで、すぐの実用化を目指すものではなく「50年後」の姿を予測したもの。英海軍は、このコンセプトを元に今後の潜水艦運用のあり方のヒントにするという。英海軍の担当者はBBCの取材に対し、「このアイデアのうち1割でも現実化できれば、軍事的に世界で優位に立てるだろう」と話した。

 潜水艦のコンセプトはいくつかに分かれるが、どれも斬新なアイデアだ。“司令塔”の役割を担う母船「Nautilus 100(ノーチラス100)」は水深1000mまで潜ることができ、数ヶ月間海中に留まったまま活動できるという。アクリル製材でできた有人の潜水艦で、20人の乗船が可能。この母船をハブとし、様々な自律型無人潜水機(UUV)に指示を与えるというわけだ。

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 一方、母船に付随するUUVも驚くようなアイデアが詰まっている。まず1つ目は「ウナギ型UUV」だ。母船もしくは水中基地から発射され,ウナギのような動きで海中を遊泳する。数百キロ連続で水中にとどまることができ、複数の機体が水中で交信して偵察・防諜を行い、水中通信ネットワーク網を構築することができるという。
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さらに、このウナギ型UUVからは「マイクロドローン」が発射される。この小さい自立型の機体は敵の船や潜水艦を追跡し、接近することが可能。このマイクロドローンのすごいところは行動が完了したら、“自然消滅”するところだ。機体は塩水に溶ける特殊なポリマーからできており、一定期間を過ぎると溶けてなくなってしまうのだ(ただし英海軍は「現時点で実現可能な技術ではない」としている)。

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 そして最後は「自律型魚雷」だ。母船から発射されるこの魚雷はいわばトビウオ型とも言うべきか、水中に潜ったり、ジャンプして空中に顔を出したりして、水面に沿って潜水(飛行)する。敵のレーダーは、こうした動きを捉えることが極めて困難になる。もし敵に発見されても、水中深くに潜ってしまうので、いずれにせよ敵から発見される可能性はゼロに近いという。潜水時は内蔵電池、空中ではマイクロタービンを動力とする。                                 
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 英海軍の担当者はBBCの取材に対し、「我々は世界で最も高度な技術を持つ軍隊の1つである。それはこうした独創的で挑戦的なアイデアを生み出すことができるからだ」と述べている。かつて世界の海を制覇した英海軍は、将来的、再び海洋国家として復活するかもしれない。
21世紀のパンジャムドラムでなければ、防衛装備庁とも共同で開発に参加しても良いだろう。

China is developing a warship of naval theorists’ dreams, can be submerged in water
【HEDGE】June 1, 2017 Jeffrey Lin and P.W. Singer
An arsenal ship that can be submerged in water.
Posted with permission from Popular Science

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中国海軍 可潜アナーセルシップ 

アーセナル・シップ (Arsenal ship) はアメリカ海軍が20世紀末頃に建造を計画していた新たな戦闘艦の種別の名称である。直訳すれば兵器庫艦となるが一般的にその名前で呼ばれることはない。コンセプトの構想からある程度詳細な設計までが行われたが、具体的な建造計画までには至らなかった。
戦闘艦の一種として外洋航行能力を備えた比較的大型の船体に、主に対地攻撃用の大量のミサイルをVLS内に搭載するが、戦闘用レーダーを搭載せず、自衛用兵器も最小限度に留めているなど、意図的に兵器搭載量のみを拡大させた艦とされた。

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中国は2タイプの可潜アナーセルシップを構想中
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一つ目のタイプは半可潜艦で、水上を高速力(60ノット?)で機動可能ではあるが、
ステルスモードの際は大部分は潜水できるが艦橋の一部は水上に頭を出している
可潜アナーセルシップ

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第2のデザインはより従前通りです、それは基本的に、シュノーケル、潜望鏡と通信アンテナを詰め込まれる2つの司令塔による巨大な、従来は、推進された潜水艦です。
第2次大戦潜水艦に同様に通常は水上艦のように水上で運用され、水中は長時間潜水はできません。戦闘の間だけ、そして、攻撃中でだけ潜水するタイプです。

防衛装備庁の将来海上装備・・・という点では検討に値するのではなかろうか?
将来、中国が実用化したら、可潜艦攻撃ミサイル/巡航ASROCが防衛装備庁の将来海上装備の研究となるかもしれません。

最後にもしかしたら防衛装備庁の将来海上装備の大本命として、スチーム/電磁カタパルトも可能性がある。

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電磁カタパルトをいずもを改装して載せることも、・・・防衛装備庁の将来海上装備とは、実は航空護衛艦を新造する密かな研究なのかもしれません。

海上自衛隊の究極の悲願は、機動部隊第一航空艦隊)の再建・・・・ですから・・・。


架空艦が完成。「いずも型」をベースにした設定で、全通甲板型の「おおすみ型」から「いずも型」までの流れを汲む航空護衛艦として建造してみた。海上自衛隊 航空護衛艦 DDV-185 「 あかぎ」
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ちなみに上の動画は台湾人、下の画像は米国人が製作したものです。

おまけchaos-craft999氏の大和型戦艦近代化案ギャラリー

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