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Karim BouchetataのFacebookより引用

サハラ砂漠で積雪 ‼︎ ミニ氷河期到来の前触れか
【アゴラ】白石 和幸2018年01月22日 06:00

サハラ砂漠の入り口、アルジェリアの人口3万5000人の都市アイン・セフラで今月7日、砂漠が10センチから15センチの厚みの雪で覆われた出来事は日本でも報道された。場所によっては40センチも積もった所もあったという。

砂漠で雪が積もるというのは異常現象である。しかも、サハラで今回の積雪が初めてというのではない。1979年に最初の積雪があって以来、2016年12月と2017年1月に続いて、今回2018年1月にまた積雪となったのである。この3年間、積雪が繰り返されたということだ。

世界の報道メディアは、この雪化粧を多くの人が愉しんでいる姿を伝える内容になっている。が、氷河期が近づいているということを感知させる報道はほとんど見当たらない。

スペインでもアンダルシア地方のマラガ市も同じく今月8日、海抜900メートル以上の山が雪で覆われるという現象が起きた。そして市内の気温は摂氏氷点下1度まで下がり、雹も降ったという。

マラガは暖かい地方だ。最近の夏場は気温が40度を超える日も登場するようになっているマラガで、降雪が記録されているのは1954年2月に一度あった。更に時代を遡って降雪が記録されているのは1882年だという。

スペインでも寒暖の差が極端になり、四季の春と秋が無くなり、夏と冬だけになってしまったようである。そして、異常気象も多発している。

特に、地球の温暖化に焦点を絞って、その影響を報道するメディアが増えている。

しかし、現実は温暖化ではなく、地球は氷河期に向かっているというのが正解であるように筆者には思える。

その予測を自信をもって2015年に発表したのが、英国のノーサンブリア大学のバレンティーナ・ザルコバ教授であった。この予測は日本でも既に報道されている。彼女が中心となって調査した研究グループによると、2030年から2040年にかけて地球はミニ氷河期に突入するというのである。その期間は太陽の黒点の数は通常の5万コから僅か50コにまで減少して太陽の活動が低下するとしている。この現象はマウンダー極小期と呼ばれている。この現象によって地球に届く太陽風が弱くなり、宇宙線が地球まで容易に到達するようになって、それが太陽光を反射させて地球が冷えるというわけである。

この研究グループによると、この様な現象はヨーロッパで17世紀後半から18世紀初めに起きたとしている。当時のヨーロッパそして北米は酷寒でテムズ川やドナウ川は凍り、モスクワは半年毎に凍結し、グリーランドは氷河で覆われていたという。

そして、このミニ氷河期が到来する確率は97%としている。仮に、この予測が的中すれば、全地球で深刻な食糧危機に見舞われるようになるのは必至である。日本も17世紀は大飢饉を経験している。

しかも、ヨーロッパと北米の寒冷化をさらに促進させるようになる理由は、この寒冷化の影響で、北大西洋の海水温が非常に低くなるからである。その為、これまで暖かいメキシコ湾からの暖流が北大西洋の異常に冷たい海水に邪魔されて北上しなくなるという可能性があるとされている。それによって、ヨーロッパと北米の氷河期への突入を促進されると考えられている。

更に懸念されているのは、これが引き金となってミニ氷河期が長期化する可能性がないとは言えなくなるというのである。

これから先、僅か15年以内に到来するであろう氷河期のことを想像すると、サハラの雪化粧を愉しんでいる場合ではないのである。事態は深刻な方向に向かっているかもしれないのだ。
昨晩の降雪は横浜でも雪国にいるかのごとき大雪だった。
地球温暖化よりも、寒冷化になるような気がしてならない。

二酸化炭素の濃度よりも、太陽の活動状況の方が地球環境に与える影響は大きいと私は思う。

ここ数年太陽黒点がゼロとなったり、極端に減少し、太陽活動が低下していると専門家たちは警告している。


いま世界は地球温暖化を懸念しているが、一部の科学者は逆に氷河期の訪れを予測している。

「え!?氷河期が来る!?人類絶滅だ~!!」

と絶望するのは早いかもしれない。

氷河期がやってくると言っても、地球が吹雪と氷に覆われるような大規模なものではなく、地球全体の気温が数度下がるだけのミニ氷河期だ。

このミニ氷河期は科学者の予測では2030年くらいにやってくるらしいが、ミニ氷河期という気象現象は過去も地球を襲っている。

直近では1645~1715年の間だ。

この期間の日本は江戸時代。はたして、どんな気候だったんだろうか?


 2030年に氷河期がやってくる!?                            
イギリス・ノーザンブリア大学のヴァレンティーナ・ザルコバ教授が、ウェールズ、ランディドノーで行われた王立天文学会総会で身の凍るような調査結果を発表した。最新の技術によってこれまでよりもはるかに高い精度での太陽周期の予測が可能になり、 ザルコバ教授の予測によると、2030年から2040年の間に太陽の活動は半分以下に落ち込んでしまうという。

参照元:marketwatch.com「Global freezing: A ‘mini ice age’ could be on the way by 2030, scientists say」


科学者が予測する太陽活動の低下と、それによって引き起こされるであろう地球全体の気温低下。このミニ氷河期をマウンダー極小期と呼ぶらしく、一番最近だと1645年~1715年がこの期間に当たらるらしい。

マウンダー極小期の期間は太陽の活動が極端に落ち込み、普通なら太陽の表面に現れる黒点が、この期間はまったく現れなかったのだ。

過去400年の太陽の黒点数のグラフを見て見ると、それが明確にわかる。


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画像参照:wikipediaマウンダー極小期より

気温低下の影響でイギリスのテムズ川では、真夏なのに氷が張り、そこでスケートが出来たという。その様子を描いた絵画が実際に存在する。

そんなマウンダー極小期、ミニ氷河期が2030年ごろに始まるという。

「え!?大丈夫なの??みんな死ぬの!!?」

真夏でもコートが必要なのか?こたつが必要なのか?

そのヒントを得るためにも、かつてのマウンダー極小期では日本で何が起こっていたのかを調べてみた。

■ 日本のマウンダー極小期                                           
二酸化炭素やフロンガスの排出によるオゾン層の破壊、それによって引き起こされる地球温暖化によって、地球は年々気温が上がっている。

それに対して、直近のミニ氷河期が発生した1645年~1715年ごろ、つまり江戸時代は今よりももっと寒かったらしい。

今現在は、真冬でも東京で雪が降ることはあまりない。たまに成人式の日に大雪になって、新成人が大変な思いをするくらいだ。

だが江戸時代はもっと雪が多く降っていた。雪を題材にした絵や落語、文献もたくさん残っている。

また、冷害による飢饉もたくさん起こったという。

しかし江戸の四大飢饉と呼ばれている大規模な飢饉は、この期間中には発生していない。ミニ氷河期が寒いとはいえ、なんとか作物は育つようだ。

またこのミニ氷河期の時代には当てはまる1702年には、忠臣蔵が勃発した。赤穂浪士が吉良義央を討ったわけだが、太陽の活動とは無関係であろう。ただ、討ち入りの時はめちゃくちゃ寒かったかもしれない。

更にいうならマウンダー極小期の真っただ中の、宝永4年(1707)に富士山が大噴火を起こしている。

まったく関係ないけれど、今の日本の活発化する火山活動を鑑みると、富士山の大噴火は次のマウンダー極小期といわれている2030年以降に起こったりして…。 

とにかく、日本の歴史的な出来事を見ても、太陽の活動が落ち込んだ影響と思われる事件は起こっていない。

日本の江戸時代は、確かに現代よりかなり寒かった。しかし、致命的なほどに寒かったというわけではないようだ。

 もしミニ氷河期が訪れたら人類は滅亡するのか?
                                                   先ほど紹介した科学者によると、2030年から2040年の間に太陽の活動は半分以下に落ち込んでしまうという。

太陽の活動状況は黒点を観察することでわかる。黒点の数が多ければ活発化していて、少なければ沈静化しているってこと。このサイクルは通常、約11年周期で繰り返されている。

この太陽の周期と黒点の数について、近年のグラフを見て見よう。


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太陽の黒点の数が、2000年代以降は低下しているのがわかる。

数年前までは「太陽の活動は2013年ごろに活発化するだろう」という専門家が多かったのだが、実際は太陽の活動がそれほど活性化することもなく、再び黒点の数は減少傾向にある。

このような太陽活動周期の沈静化が、今後も続くとしたら…先ほどの科学者の予測も現実味を帯びてくるだろう。

では、本当にミニ氷河期が訪れたら地球はどうなるのだろうか?

何が起こるかはわからないけれど、少なくとも人類が絶滅するようなことはないはずだ。だって江戸時代だって、何事もなく人間は生き残っているのだから。

今より数度気温は下がるかもしれないが、温暖化が進む地球にとっては寧ろラッキーだったりして。

もしかしたら、東京も雪が降るようになり、ホワイトクリスマスの確率も上がるかもしれないし、ウインタースポーツは今よりも盛んになるかもしれない。スキーやスノーボードなんか今よりもが流行したりして。

過去の状況を見る限り、そんなに悲観する必要はないような気がする。

 

ただ、このミニ氷河期をきっかけにして、本格的な氷河期が訪れる可能性もゼロではない。

いま地球温暖化が騒がれているが、本当に危惧するべきは次の氷河期なのかもしれない…。
日本は比較的中緯度なので影響は少ないかもしれないが、高緯度のロシアや欧州北米は大きな影響を受けると思う。

小氷期ならいいが、本格的氷河期になることを警告する学者すらいる。

地球は氷河期に突入した
【Skepticalscience】

科学的知見...
CO2による温暖化効果は、軌道の変化や(例えばマウンダー極小期の)太陽活動の変動と比べて、ずっと大きいです。

懐疑論...
そのうち朝起きたら、9階建てのビル分の雪に埋もれてるだろう。氷河期というのは見事に、ゼンマイ仕掛けのように11500年の周期でやってくる。気づいたら最終氷期が11500年前に起きてます...(Ice Age Now)

ほんの数世紀前、地球は「小氷期」と呼ばれる比較的穏やかな氷河期を迎えた。小氷期の一部は太陽黒点数が著しく減少した期間(マウンダー極小期)と一致してます。太陽活動の低下と火山活動の頻発との組み合わせが大きく貢献し(Free 1999, Crowley 2001)、ヨーロッパ地方では海洋循環の変動が効果があったとされてる(Mann 2002)。

Solar Activity - Total Solar Irradiance (TSI) including Maunder Minimum 
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図1:太陽放射量(Total Solar Irradiance | TSI)。1880年から1978年までSolanki。1979年から2009年までPMOD。

今現在の時代にマウンダー極小期を体験する可能性はあるのか?太陽活動は現在冷却化の傾向を示しています。2009年の活動量ほど低くなったのは一世紀以上前です。しかし、将来の太陽活動を予測するには問題があります。グランド極大期(e.g. 20世紀後半)からグランド極小期(e.g. マウンダー極小期)の周期は無秩序で予測するのは難しいからです(Usoskin 2007)。

例えばマウンダー極小期が21世紀に起きたとしましょう。地球の気候にどんな影響を与えるか?マウンダー極小期まで太陽活動が落ち着いた時、どんな気候応答が生じるかシミュレーションしてみると、太陽起源の温度低下より、人為起源温室効果ガスの温度上昇の方が断然強かった(Feulner 2010)。太陽活動の低下から来る冷却化は0.1℃あたりと推定されており(マックス0.3℃)、温室効果ガスからの温暖化は3.7~4.5℃と推定されてます(排出量によって異なる)。(もっと詳しく…)

 
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図2:1961~1990年をベースとした1900~2100年の地球平均温度偏差。A1B排出シナリオ(赤)、A2排出シナリオ(マゼンタ色)。太陽強制シナリオは三つ:平均(実線)、マウンダー極小期(破線)、マウンダー極小期からさらに放射照度を低下(点線)。NASAの観測された温度データ(青)(Feulner 2010)。

しかし、過去の気候は小氷期よりもさらに劇的な変化を経験してます。過去40万年、地球は何度も氷河期を経験し、10万年周期で、短期間暖まってます。こういった氷期と氷期の間に来る温暖な期間は間氷期と呼ばれており、大体1万年続く。現在の間氷期は1.1万年前始まりました。もしや間氷期が終わる頃なのか?

Temperature of Vostok, Antarctica including interglacials and Milankovitch cycles 
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図3:ボストーク、南極での気温変化(Barnola 2003)。緑色の棒で間氷期がマークされてます。


氷河期はどうやって起動するのか?地球の軌道が変化すれば、北半球へ当たる日光は夏に低下する。北部の氷床は夏、だんだん溶けなくなり、何千年もかけて発達する。これは地球のアルベドを増幅させ、氷床の発達と冷却をより強く強制する。この過程は1万~2万年くらい継続し、氷河期となる。

間氷期の長さは皆異なります。南極にあるドームCの氷コアを使って72万年前までの地球の温度を瞥見できます。42万年前、地球の気候は現在の状態とさほど変わらなかったのです。その期間、間氷期は2.8万年続いたので、現在の間氷期も、人間の介入を除外しても同じくらいの長さに続く可能性があります(Augustin 2004)。

40万年前と現在の似たような状況は地球の軌道によるものです。両間氷期とも、軌道要素の変化から来る強制力は他の間氷期と比べて少ないのです。シミュレーションによれば、現在の間氷期はCO2排出なしでも1.5万年あたり継続されるとの事です(Berger 2002)。

もちろん、人間活動を除外した間氷期の推定は理論上のものです。大事なのは、人間が介入すると氷河期起動のタイミングはどう影響されるのか。この質問に答えた一研究によると、CO2濃度が高ければ高い程、氷河期を起動する「引き金」、日射量は低くなくてはなりません(Archer 2005)。


図4は様々な排出シナリオに基づいて気候応答を検証したものです。緑線はCO2が無い「自然」な応答。青線は人為起源CO2を300ギガトン排出した時のシナリオです(我々はもう既に超えてます)。オレンジ線は1000ギガトンの排出、起きれば13万年氷河期を防ぐという計算です。5000ギガトンの排出(赤線)が起きれば、氷河期時代を50万年遅らせる事ができます。今の状態、比較的弱い軌道強制力と長いCO2の寿命、両方を合わせ考えると、過去260万年、最長の間氷期になる可能性があります。

Future temperature rise based on various CO2 emission scenarios 
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図4:将来の地球平均温度に対するCO2効果。CO2排出無し(緑)、300Gton(青)、1000Gton(オレンジ)、5000Gton(赤)(Archer 2005)。

氷河期が間近という懸念は置いておいていいでしょう。氷河期が本当に切迫してると言うなら、北部の氷床に目を寄せてください。氷床が発達してれば、1万年かかる氷河期の過程が始まってるのかもしれません。しかし、現在の北極の永久凍土層は削剥、融解し初めています。北極の海氷は融解、グリーンランドの氷床は体積の縮小が加速してます。氷河期が起こる条件としてはいまいちです。 

本格的な氷河期まではまだ数百年~数千年ほど猶予がありそうですが、東京の大雪と今までノーマークに近かった草津白根山の噴火は、地球上の火山噴火が活発化と重なる小氷期の到来を予感させます。

このところの野菜の値段の高騰は、一般庶民の財布を直撃しているが、小氷期には深刻な冷害が多発するかもしれません。冷害が深刻化して、米や麦、とうもろこし、大豆が不作になれば、日本のような食料輸入国どころかロシアやカナダのような高緯度の食料生産国も食料難に陥る可能性は否定できない。

小氷期になれば、70億に達する地球の人口は養いきれないかもしれない。
人口が爆発している中国やナイジェリアなど新興国の貧困層には餓死者が出ることは必然だろう。

小氷期が起きる度に高緯度地方に住む民族が南下し、世界は混乱し、民族大移動とともに、戦乱となった。今人類は核兵器を保有している。例えば食糧難から北朝鮮が食糧不足から核兵器を使って、食料を脅し取ることだってあり得るかもしれない。

増えすぎた人類は、例え小氷期を乗り越えたとしても、将来来るべき本格的氷河期に、何も準備をせず怠れば、人類は未曽有の悲劇を経験することなることは目に見えている。

激しい気候変動に、太陽電池発電や、風力発電など再生可能エネルギーに依存することは、難しいだろう。やはり原子力発電は人類の生存の為には、どうしても必要な技術だと思います。核融合発電が実用化するまで四の五の言ってられないと思います。核廃棄物についても、常温核融合による核変換技術で放射能問題も将来解決する見込みもでてきました。

常温核融合再評価の動き 2016/10/10(月) 午後 6:24

エネルギー源さえあれば、空気中の二酸化炭素と水で、食料を合成する技術が出来始めている。
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 科学者によって電気と空気から食料が作られた。(上の画像は電気と空気から作った食品の粉末)この技術はいつの日か世界から飢餓を一掃するかもしれない。

 この研究はフィンランド・アカデミーの資金提供を受け、VTTフィンランド技術研究センターとラッペーンランタ工科大学によって、世界の飢餓問題を解決するという野心的な目標のもと開始された。

電機と空気を使った食料の作り方

 具体的にこの食料を作るには、まず原料(空気から取り出された二酸化炭素、水、微生物)をコーヒーカップ大のタンパク質リアクターに入れる。そして、これを電気分解(イオンを含む液体に電流を流すプロセス)によって化学分解させる。

 プロテインパウダー1グラムを生産するにはおよそ2週間かかる。パウダーの構成はタンパク質50パーセント、炭水化物25パーセント、残りは脂質と核酸である。
 
 多分、美味しくはないし、有名シェフが飛びつくような食材でもないだろう。だが、再生可能エネルギーを用いて空気から作られるのは美点だ。

 大規模なスケールで、効率的に生産されるようになれば、世界の飢餓を解消するうえで大きな役割を果たすことになるかもしれない。

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ネオ・カーボン・エネルギー/ ラッペーンランタ工科大学


■あらゆる原料を空気から作ることが可能

 「実際のところ、あらゆる原料を空気から作ることが可能です。将来的には、この技術が砂漠などの飢饉に瀕している地域へ送られることもあるでしょう」

 VTTフィンランド技術研究センターの首席研究者であるユハ・ペッカ・ピトカネン氏とジェロ・アホラ氏は、今回の研究についてそう説明する。

 彼らの見積もりによれば、この方法は今の段階でも光合成より10倍効率的であり、今後は通常の食料生産に匹敵できるようさらなる効率性の改善が目指されるという。

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VTTフィンランド技術研究センターのジェロ・アホラ氏

 また将来的に家畜の餌として用いることで、現在飼料を生産している土地を人間の食料生産にあてられるよう解放するようなことも可能になるかもしれない。

 さらに従来の食料生産と比べてもいくつもの利点があり、例えば、適正な温度・湿度や特定の土壌の種類など、農業に適した土地を必要としない点も画期的だ。

 その効率化に成功すれば、この方法が再生可能な方法を用いて、環境に負荷を与えることなく生産される未来の食料になるかもしれない。

 そのころには味の方も研究されていることだろう。

via:lut / sciencedaily / the-starなど/ translated by hiroching / edited by parumo
この他に、ユーグレナなどのバイオテクノロジー技術や、陸上での魚の養殖技術の発達など、来るべき小氷期=食糧危機に対応できる技術も発達してきている。

日本人が子供を作らないのは、無意識に来るべき小氷期に備えているのかもしれない。


魚だけではない、肉だってバイオテクノロジーで作れるようになってきた。

世界初、実験室で育った人工肉、培養ミートボールが公開される(米研究)【カラパイア】2016年02月19日  

 

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 すくすくと発育中の人工肉が巷で話題となっている。アメリカ、サンフランシスコのベンチャー企業メンフィス・ミーツ社が、「世界初の培養ミートボール」の調理風景を公開した。

 「フライパンで焼いたときのミートボールの様子を観察しました。ジュージューという音が聞こえ、お肉の焼ける匂いが漂ってきました。お馴染みのミートボールの匂いです」と社長のウマ・ヴァレティ氏が動画の中で話す。「世界で初めて、牛を殺める必要のない牛の細胞でミートボールが調理されました」


The World's First Clean Meatball - Memphis Meats
  
 ウォール・ストリート・ジャーナル誌によれば、メンフィス・ミーツ社は牛と豚の幹細胞から得た筋肉繊維を酸素と栄養で培養したという。その過程で動物が屠殺されることはないが、手始めとして牛の胎児から入手したウシ胎仔血清を使用している。

 今のところ細胞は非常に薄い層のようにしか成長せず、手間もコストもかかる。普通の牛肉なら450gを生産するためのコストは500円程度だが、メンフィス・ミーツの牛肉の場合は200万円だ。

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 3人の科学者によって創立された同社は、これまで牛、豚、鳥から得た幹細胞を使って肉を培養する実験を行ってきた。3、4年以内にアニマルフリーが銘打たれた富裕層向けの製品を販売する予定だという。同社による最初の製品ラインアップは、ホットドッグ、ソーセージ、ハンバーガー、ミートボールなどで、どれも一流シェフが考案したレシピで調理される。

 また動画によれば、従来の畜産業と比べ、温室効果ガスの排出を90%削減できるそうだ。「食肉業界は、製品が持続可能ではないことを認識しています。20年以内に店舗で販売される肉の大半が培養されたものになるはずです」とウォール・ストリート・ジャーナル誌のインタビューでヴァレティ氏は話している。

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 現在、いくつかのベンチャー企業が人工肉の生産競争を行なっている。2012年には、オランダの科学者マルク・ポスト博士が実験室で培養したハンバーガーに2,800万円の値段がつけられ、大きな話題となった。

 同博士によれば、2014年の時点でパティ1つにつき1,200円程度までコスト削減できる見込みがついたという。

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 こうした人工肉を楽しめる時代が来たと言うのは時期尚早だが、そうした食材が食卓に並ぶ日が大きく近づいたことは間違いない。

via:foxnews・dailymail・translated hiroching
根本的な技術として光合成技術は日本が世界を一歩リードしている。

人工で光合成が可能となれば、エネルギーから食料問題まで、一気に解決できる可能性がある。

水と光でつくる究極の新エネルギー
「人工光合成」が世界を救う

【WAOサイエンスパーク】フロントランナーVol.232013-09-20 



自然科学研究機構分子科学研究所 イメージ 16

准教授 正岡 重行


1977年生まれ。大阪府出身。同志社大学工学部卒、京都大学大学院工学研究科博士課程修了。リバプール大学博士研究員、九州大学理学部助教を経て2011年に分子科学研究所に移り現職。2009年より2013年3月まで、科学技術振興機構さききがけ「光エネルギーと物質交換」の研究員も併任。
                                   
日本が研究をリードする人工光合成

【シリーズ「新しいエネルギー生産技術」①】


地球上の生き物で、植物しかもっていないもの。それは「自ら身体の材料をつくり出す」能力だ。使うのは太陽エネルギー(光)と水、二酸化炭素。動物は、その植物が生み出したものを摂取し生命を維持している。私たち人類が利用する石油や石炭など化石燃料も、すべて植物がつくったものが起源だ。それと同じ能力を私たちが手にすることができたら・・・・・・。究極の技術「人工光合成」が現実になろうとしている。どんな未来を私たちにもたらすのだろう。

 生命はすべて植物の光合成によって支えられている――。
 そう聞くと驚く人がいるかもしれませんが、私たちが口にする牛や鶏だって植物を栄養源にして大きくなっているわけですよね。石油や石炭も化石燃料といって植物や動物の死骸が長い年月をかけて変成(別の姿に変わること)したものです。さらにいえば、大気中の酸素の多くは、植物の光合成に由来している。もしも植物が存在しなくなったら、間違いなく私たちは生きていくことができません。

 そう、植物ってすごい能力を持っているんです!

 光合成はみなさんご存じのとおり、光のエネルギーを用いて、地球上に豊富に存在する水、二酸化炭素を原料にでんぷんや糖をつくり出すシステムです。もう少し詳しく言うと、光エネルギーで水を、酸素と電子、そして水素イオン(イオンとは電子を1つ失ったり、得たりした状態の原子。この場合は電子を失った原子)の3つに分離する「明反応」、その水素イオンと電子、さらに二酸化炭素を使ってでんぷんや糖をつくる「暗反応」の2つで成り立っています。「明」と「暗」は文字通り、光を使うかどうかを示しています。

 私が研究している人工光合成は、これと同様の仕組みで燃料や化学原料をつくり出そうという技術です。ちなみに、現段階ではでんぷんや糖をつくるところまでは想定されていません。それよりももう少し構造が簡単な、石油や石炭などに代わる物質を太陽光を使って生み出すことを目標にしています。

 太陽光を利用したエネルギーの生産には太陽光発電などもありますが、たとえばサハラ砂漠のような場所で太陽光発電をしても日本やヨーロッパに運ぶまでに電気の多くは失われてしまいます。これを送電ロスといいます。また、電気は貯めることができません。春につくって余った電気を、最も需要が多い夏に使えないのは、このためです。このように太陽光発電にも問題は多いんです。

 一方、人工光合成でメタノールなど燃料となる液体をつくれば、それをタンカーに積んでいろいろなところに運ぶことができます。液体ですから貯蔵も可能。春つくったものが夏に使える。そして、これが重要な点ですが、できた燃料を使って自動車を動かしても、生産するときに必要な二酸化炭素と燃やす際に出る二酸化炭素の量はほぼ等しいので環境に優しい! プラスチックの原料にもなるし、もちろん化石燃料のように枯渇する心配もありません。

 このような理由から、人工光合成はエネルギー問題解決のための「究極の技術」と考えられてきました。ただし、光合成は複雑な化学反応の連続で謎が多い。技術の確立はなかなか進みませんでした。それがここに来て、優れた研究成果がいくつも出てきました。

 まず、2011年にトヨタグループの豊田中央研究所が人工光合成の再現実験(ギ酸の生成)に成功、電気や有機物を加えない世界初のケースとして大きく報道されました。2012年には、パナソニックも再現実験に成功、豊田中央研究所の5倍の効率で、雑草の一種であるスイッチグラス並みのエネルギーを生み出しています。もうひとつ、こちらは私の研究に大きな刺激を与えたものですが、大阪市立大学(神谷信夫教授)と岡山大学(沈建仁教授)のグループが、葉緑素(光合成を行っている植物の器官)の中の光合成を担う組織が、どんな原子から成り立ち、どんな形(構造)をしているのかを明らかにしました。この研究は世界最高峰の科学雑誌『サイエンス』の「2011年 科学上の10大発見」にも選ばれています。

 人工光合成の研究では、日本は世界をリードしているんです。アメリカをはじめいろいろな国が競って研究を支援していますが、いまのところ研究の“質”では日本が勝っています。実は、「実現するのは困難」と思われていた人工光合成に、それこそ“研究の光を当てた”のも日本人だったんです。

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(人工光合成の概略図)

金属錯体で光エネルギーを取り込め!

光エネルギーを使って、水と二酸化炭素からでんぷんなどをつくり出す光合成というシステム。しかし、水に光を当てただけでは明反応は起こらない。触媒という「自身は変化しないまま、周りの物質の化学反応を促進するもの」が必要で、植物では葉緑素や酵素が触媒の役割を果たしている。人工光合成でも、光を吸収して反応を引き起こす「光触媒」の開発がカギになってくる。

 1972年、東京大学の本多健一教授(故人)と大学院生だった藤嶋昭氏(現・東京理科大学学長)が、光触媒による水分解の現象を発見しました。水中に二酸化チタンと白金(プラチナ)の電極を入れ、光を照射すると二酸化チタンから酸素が、白金から水素が出るというものです(=本多・藤嶋効果)。この研究の成果は、空気清浄や汚れにくい建物の外壁など主に環境の分野に応用されていますが、起こったのは光合成の明反応と同じ現象。人工光合成が実現する可能性を示しており、藤嶋先生はノーベル賞の有力候補にも挙げられています。

 上の図を見てください。これは、人工光合成システムを簡単に示したものです。左側が「明反応」の部分で、こちらに光触媒を入れて反応させます。右側が「暗反応」に相当する部分で、できた水素イオンと電子を右側に移し、二酸化炭素とそれらを反応させて、化学物質を製造します。

 当初は、この光触媒を「本多・藤嶋効果」の二酸化チタン同様、半導体(条件によって電気を通したり通さなかったりする物質)でつくる研究が進められました。ただし、半導体でつくる光触媒には課題があって、一番大きなそれは「光のうち可視光線を使うのが苦手」なこと。一口に光といっても紫外線、可視光線、赤外線などさまざまな波長の光があり、それらを総称して私たちは「光」と呼んでいるのですが、紫外線はそのうちのごくごく一部でしかありません。光エネルギーの約半分を占める可視光線で明反応を起すことが難しいんです。そのため可視光線でも反応が起きる物質、あるいは紫外線でも効率よくエネルギーを吸収する物質の研究が進められています。

 一方、半導体ではなく「金属錯体」を触媒にする研究もあって、私はそちらを行っています。そもそも、半導体は特定の物質を合成するのが苦手。だから、人工光合成において暗反応を担う物質としては半導体よりも金属錯体に期待が集まっていました。私自身は暗反応に加え明反応も、その金属錯体を使って実現しよう、と研究を進めています。

 錯体とは、ひとつの原子ないしイオンを取り囲むように他の原子、分子などが配置された物質のことをいいます。金属錯体は錯体のなかでも金属を核にしたものです。高校の化学でも習わないのであまり馴染みがないでしょうが、私たちの身体の中にも数多く存在するごく身近なものなんですよ。代表的なのがヘモグロビン。ヘモグロビンは鉄を含む金属錯体のひとつで、この鉄(正しくは鉄イオン)が赤いため私たちの血は赤い色をしています。実は、日本の研究者が構造を明らかにした「葉緑素の中の光合成を担う組織」もマンガン原子を核とした金属錯体でした。

 植物は試行錯誤を繰り返しながら光合成システムをつくり上げた。そして、キーとなる物質に金属錯体を選んだ・・・・・・。
 金属錯体は、高度に設計すれば、分子レベルで構造や機能を制御することが可能です。可視光を利用できるというメリットも大きい。もちろん、半導体にもいろいろメリットがあります。いずれにしろ金属錯体と半導体の研究が歩み寄ることで、一歩一歩、実現に向け近づいていくのは間違いないでしょう。


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(試行錯誤の実験が繰り返されている)

ヤル気と根気が研究のカギ

科学技術大国・アメリカも国を挙げての研究に取り組み始めた。世界をリードする日本でも、産官学が連携した研究プロジェクトがスタートしている。日本国内の研究者が参加する「人工光合成に関するフォーラム」は、2020年ごろにメタノールの試験生産、2030年ごろには商業生産開始という目標も掲げた。ますます期待が高まる人工光合成の技術だが、果たしていま、実用化に向け、どの段階にあるのだろうか?

 先ほど申し上げたように半導体と金属錯体のどちらがベストなのかもまだわかっていません。豊田中央研究所とパナソニックの研究も、成果自体は非常に優れたものですが、実用化という点では「まだまだ」でしょう。それより何より、光合成そのものの仕組みが解明されていないという現実があります。たとえば、明らかになった「光合成を担う組織の構造」はわれわれが想定していたものとまるで違った形をしていました。まさに「謎!」で、私たちの知らない何かがそこには隠れている。それがわかれば「人類に必要なものを」「できるだけ効率よく生み出す」仕組みをつくり出せるかもしれません。ですから、いまはどれだけのエネルギーが生み出されたのかで一喜一憂するのではなく、基礎的な研究を積み重ねていくことのほうがもっと重要だ、と考えています。

 そうした努力によって、いずれ人工光合成でエネルギーをつくることができるようになるはず。たとえば、二酸化炭素が大量に発生する火力発電所の横に人工光合成の施設ができ、つくった燃料で発電所を動かすようになるでしょう。さらに進めば、日本のあちこちに施設が建設され、多くの車はそこでつくった燃料で走るようにもなる。これでエネルギー問題は解決! また、人工光合成でデンプンや糖をつくり出すことができるようになるかもしれない。こうなると人口増加に伴い生じている、世界の食糧問題も解決するわけです。
 ほんと、我ながら「すごく重要な研究」にかかわっている、と思います。

 ただ、そんな私ですが、研究者になろうという強い志があったわけではありませんでした。小学生時代は、人気のあったカブトムシではなく、ハサミムシを探すような変わった昆虫少年。高校生になると、アルバイトと遊びに明け暮れる毎日で、今度は遅刻の常習犯。勉強も嫌いで、化学の授業だけ熱心に聞いていたのも、単に、その先生が好きだったのが理由です。それがきっかになり大学では化学を専攻し、化学の面白さに目覚めたのですから、人生は本当にわかりません。

 誇れるのは、ヤル気と根気でしょうか。それがあったらからこそ、人工光合成のような、すごい研究にも取り組めるようになったんでしょうね。

 研究者の醍醐味は、ゼロから何かをつくり上げるところにあります。とはいえ、それが新しいものであればあるほど失敗が付き物。山のように失敗が積み上がっていくものです。これは研究に限ったことではないと思いますが、何事もトライ&エラーでしょう。諦めたらダメ。であると同時に、エラーのなかから本当に面白いものが見つかります。みなさんにも、失敗を恐れずチャレンジし、ぜひ、創造的なものを生み出してもらいたいと思いますね。

《文=WAOサイエンスパーク編集長 松本正行》
人類が持つ英知を結集すれば、来るべき小氷期を乗り越えられると、わたくしは信じております。