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これは、正確に言うとATLAが研究しいるのではなく、大学等研究機関に研究を助成し委託するものである。
安全保障に関わる技術の優位性を維持・向上していくことは、
将来にわたって国民の命と平和な暮らしを守るため不可欠

              
防衛分野での将来における研究開発に資することを期待し、
先進的な民生技術についての基礎研究を公募・委託する本制度を創設

本制度が対象とする研究:研究テーマに沿った基礎研究
・学術研究を含めどのような基礎研究を応募するかは応募者の自由に任されます。
・新規性、独創性又は革新性を有するアイディアに基づく科学技術領域の限界を広げるような基礎研究を求めます。
安全保障と科学技術の健全な関係構築に資する基礎研究を期待しています。
・防衛装備品への応用可能性については審査の観点に含めていません。

(1)量子通信・量子暗号に関する基礎研究
キーワード 量子通信、量子暗号、量子計算、ワイヤレス、光子検出、量子中軸
 
●研究テーマの概要及び応募における観点

インターネットの利用に当たっては、安全性と利便性が満たされていることが大切です。特に 前者については、安全な暗号を使用することが必要粂件です。現在は主に計算量的安全性に 基づく数理暗号が用いられていますが、量子計算機が開発され、それを解読に応用されれぱ、 過去に通信したデータを含め安全性が脅かされる可能性があると言われています。

  この脅威への根本的な対策として、情報理論的に安全な量子暗号(量子継配送)のニーズ があります。特にワイヤレス通信においては、盗聴不可能性の確保は重要となります。なお、こうした量子暗号、量子通信においては、伝送速度の確保が実用化において柵に重要な課題と なります。

  本研究テーマでは、将来の安全な通信ネットワークの実現に責する技術のうち、量子暗号、 量子通信、特にワイヤレス量子通信等、量子を用いた通信に・する、新規性、独創性又は革新性が高い基礎研究を慕集します。また本研究テーマにおいては、量子計算機が現実のものとなった場合の数理暗号(主に公開礎暗号)の安全性評価に責する基礎研究についても併せて募集します。

● 期待される研究課題の一例

  ここで示した研究提案は一例であり、募集テーマに合致した内容を幡広<募集します。
 ○波長多重等を駆使し、従来よりも桁違いの高遠かつ安定通信が可能な情報理論的安全性を待つワイヤレス量子通信に関する研究
 ○従来よりも桁違いの高速(少なくともGHz)かつ高感度で実用的な光子検出に関する研究
 ○長距離量子通信の実現に責する従来とは全く原理が異なる革新的な量子中継に関する研究
 ○量子計算機が従来型の(計算量的安全性による)敗理暗号に与える脅威の評価に資する量子アルゴリズムの断規提案とその検証

●タイブAによる応募に当たって満たすべき条件
 (タイプAに求める粂件)
 ○量子通信・量子暗号に関して、将来の応用において必蔓となる革新的な要素については、実験による定量的な評価を行う提案であること。
 ○ワイヤレス量子通信は、その方式が将来的に数十kmまで通信できる見込みがあることを提案書の中で説明すること。
 ○量子計算機の存在による数理暗号の安全性評価に関しては、用いる量子アルゴリズムについて数学的解析を行い、要すれぱ通常の(ノイマン璽)計算機上で動作するソフトウェアも使用して、その有効性を検証すること。

●その他特紀事項 【望ましい又は考慮すべき事項】

 ○将来の量子通信ネットワークの実用化に向けた欠点又はボトルネックを解消する研究に注力すること。
 ○ワイヤレス量子通信は伝送レートの理論限界を解明した上で研究目標を設定してください。また、昼間でも使えるもの、また将来的に数十km先に数Mbps程度の伝送が可能であることが望まれます。また、通信路の障害(たとえぱ霧)に対応可能なネットワーク設計を提案に含めることを期待します。
 ○量子アルゴリズム等の研究では、量子計算機の応用可能性を拡大するような波及効果を持つことが望まれます。
(2)ソフトウェア耐ダンパー技術に関する基礎研究
 キーワード セキュリティ、ソフトウェア、耐ダンパー性、重要情報
 
●研究テーマの概要及び応募における観点

  一般的に、ソフトウェアを配布・流通する過程においては、その実行ファイルが解析されることで、プログラムに含まれている処理フローやノウハウが流出してしまうというリスクをはらんでいます。また、ATMやクローズド環境の通信機器など特殊な端末には、漏えいし改変されてはならないソフトウェアが実装されている場合がありますが、こうした特殊なソフトウェアに対しては、端末にパスワードを設定し認証情報でストレージを暗号化するだけでなく、配布・インストー ル段階における漏えいにも備える必要があります。

  重要情報漏えいのリスクを低減したい鳩合は実行環境をハードウェア的な対策によって保護することが以前より行われてきましたが、この鳩合は、対策を施した特殊な端末が必要となり、利便性や経済性の面で許容できないこともあります。

  本研究テーマでは、ソフトウェア的な対策のみによりソフトウェアのアルゴリズムなどの重要情報を保護する方法の実現に資する耐ダンパー性来に関する、新規性、独創性又は革新性の高い基礎研究を募集します。本研究テーマでは、ハードウェアを併用する耐タンパー技術は対象外とします。

●期待される研究課題の一例

ここで示した研究提案は一例であり、募集テーマに合致した内容を幅広く募集します。
○準同型暗号等の秘匿計算やプログラミング技術によるソフトウェア的な対策で重要情報(アルゴリズムやデータ)を保護し、ソフトウェアの本来処理を実用的な速度で実現する演算手法に関する研究

○難読化の安全性について定量的な評価方法に関する研究

●タイブAによる応募に当たって満たすべき条件 (タイプAに求める条件)

○プログラムとして表現されるアルゴリズムの保護を対象とした研究であることを必須とします。データ保護のみに着眼した提案は対象外とします。
○保護対象のプログラムを利用可能状態で解析できる攻撃者に対して安全性を確保できること。
○研究提案の中に、安全性について定量的な評価方法の検討を含むこと。新規性、革新性があれば、評価方法を中心とした研究提案でも可とします。
○保護方法が、保護対象のソフトウェアの本来処理に大きく影響しないこと。
○実装に関する定量的な目標を設定し、その目標達成を通じて、将来的に実用的な性能を発揮するための方法の検討につながる研究であること。

●その他特記事項 【望ましい、または考慮すべき事項】

○プログラムを数式表現に還元することで、より一般的なプログラムの保護も可能とする提案も歓迎します。
○研究提案において、安全性の定量的な評価方法の検討を必須としていますが、この評価方法は、様々なソフトウェア耐タンパー性の評価にも適用可能な汎用性を持つことを期待します。
○保護手法を知っている攻撃者に対しても安全性を実現できることが望まれます。
※:耐タンパー性とは、機能の変更や重要情報の読み出しの試みを検出、防止する能力があることをいいます。


(3)意図的に組み込まれたぜい弱性に対するサイバー防護技術に関する基礎研究
キーワード ぜい弱性検出、組み込みシステム、サイバー防護、未然防止、人工知能(AI)
              
●研究テーマの概要及び応募における観点

近年、サイバー攻撃は多様化・巧妙化しており、増加のー途を辿っています。このようなサイバー攻撃に効果的に対処するため、防御のための様々な研究や対策が行われています。しかし、攻撃手法も日々進歩しており、潜在的な未知のぜい弱性を悪用されるリスクや、導入する製品に意図的にぜい弱性が組み込まれているサプライチェーンリスクなど、セキュリティリスクを完全に無<すことはできず、この状態は今後も続<と予想されます。このようなぜい弱性を持つ不正なプログラムが知らぬ間にシステムに仕掛けられれば、攻撃者がそれを利用してシステムを動作させないようにする、誤った動作を誘発させる等の事象を突然引き起こす可能性があります。

本研究テーマでは、攻撃者が製造段階等でハードウェアやソフトウェアに組み込んだぜい弱性について、網羅的かつ効率的に検出するために必要となる新規性、独創性又は革新性を有する理論、方法、アイディア等に関する基礎研究を募集します。

●期待される研究課題の一例

ここで示した研究提案はー例であり、募集テーマに合致した内容を幅広<募集します。
○ぜい弱性スキャンやフアジングなど、ソースコード検査等に対して、人工知能などの新たな手法を用いてシステムやソフトウェアのソースコード等のぜい弱性を短時聞に洗い出す研究
○洗い出されたぜい弱性が攻撃者によって意図的に組み込まれたのか否かを判定する研究      

●タイブAによる応募に当たって満たすべき条件 (タイプAに求める条件)

○開発者が意図して組み込んだぜい弱性を効率的に検出できること。
○特定の環境のみで実現可能なものではな<、汎用性や拡張性を兼ね傭えていること。
○さまざまなプログラムでぜい弱性が検出可能であることを実証できること。
○プログラミング枝術やサイバーセキュリティについてある程度の知見は持つものの高度な専門的知識までは持たない人間でもぜい弱性を検出できること。
○提案手法の有効性を実証するための対象を客観的に選定し、研究期間の中で実証すること。

●その他特紀事項 [望ましい、または考慮すべき事項]

○対象ソフトウェアのソースコードがあることを前提としてもよいが、ない場合においても対応可能であることが望ましい。
○ネットワーク機器等のぜい弱性検出に関する提案も望ましい。
○インターネット上のデータベースを参照する等、他のシステム能力に依存しなければ実現できない手法は対象外とします。

(4)人と人工知能との協働に関する基礎研究
キーワード人工知能(AI)、コグニティブコンピューティング、ヒューマンーコンピュータ・インタラクショッ
            
●研究テーマの概要及び応募における観点

人工知能は囲碁のトップ棋士に勝利するなど、その能力を急速に発展させていますが、最近では人と人工知能がペアを組んだチームで囲碁の対局を行う取組みにも注目が集まっています。人工知能は主に教師データの学習、シミュレーションによる状況の再現を膨大数繰り返すことにより、人の長期的、計画的な判断を支援することが可能です。また、入力データの高速処理が可能であるため、自動車の運転のような、反射的な判断が必要なタスクの支援にも用いられています。

一方、人工知能はその判断プロセスを人が解釈することが困難であり、時として人が予期しない動作を行いうるという問題点を抱えています。人が人工知能の支援を安心して受けるためには、人工知能の判断に至る経緯が人にとっても理解可能であることが求められます。また、人工知能による必要な支援の程度は、タスクが同一であっても、人の状態等によって異なると考えられるため、それらを都度画切に人工知能にフィードバックし、支援の内容や程度が調整される必要があります。

本研究テーマでは、このような人と人工知能とが協働するために心要な人工知能側への能力付与や人工知能による人の状態等の把握に関して、新規性、独創性又は革新性の高い基礎研究を募集します。なお、既存技術の改良や改善であっても、新たな着想が含まれており、かつ学術的に価値がある研究提案であれぱ対象とします。

●期待される研究課題の一例

ここで示した研究提案は一例であり、暮集テーマに合敗した内容を幡広<募集します。

○人工知能に対し、人が経験、知識等に基づき最小限の関与を行うことで、人工知能側が現状を把握し最適な行動を可能にするための研究
○人工知能の判断プロセスを、人にとって理解・予測可能にするための研究 
○人のあいまいな指示、ジェスチヤ、パーソナリティや感情変化等を数値化・記号化する研究
○人工知能の判断プロセスに関する情報を、人のために記号化や可視化する研究
○人と人工知能がチームを組んで対処する問題に対し、人工知能が効率的に人の意図を理解して学習・フィードパックする研究

●タイブS及びタイブAによる応募に当たって満たすべき条件  (タイプS、A共通で求める粂件)

○人と人工知能の協働が有効となるような意思決定場面を想定して、研究提案を行うこと。意思決定場面としては社会的に一般的であって汎用性の高い場面を想定してください。
○人工知能を仮想環境又は実環境中のエージェントに実装し、提案手法の評価実験を行う提案であること。

 (タイプSのみに求める条件)
○リアルタイムで人と人工知能が協働する実験システムを構築し、提案手法の有効性を検証すること。
○人工知能の学習や評価に必要となるベンチマーク用のデータセットの塵備を行うこと。                  

●その他特記事項 【望ましい又は考慮すべき事項】

○リアルタイム性が頁求されるシステムに適用可能な手法であることを期待します。
○提案する手法が全体の重思決定能力向上にもたらす度合いについて、定量的な評価を行うことを期待します。

(5)人工知能活用のための安全性確保に関する基礎研究
キーワード 計算理論、データ構造、人工知能(AI)

●研究テーマの概要及び応募における観点

人工知能は画像認識や嗇声認識等の分野において、膨大な教師データから知識やルールを学習することにより、未知のデータに対する推論も高精度で行うことが可能です。一方、教師データに現れない領域の外挿に関しては十分な精度が出ず、誤った推論結果を引き起こすデータの意図的な生成が可能であることも知られています。実世界の問題解決に、人工知能を安全に用いるには、人工知能に用いられるアルゴリズムの問題点、ぜい弱性等を理解し。人工知能にとって想定外の状況、悪意ある欺まん等によって生じうる誤動作を防止する必要があります。また、人工知能に必要な処理を高連で行うためのアルゴリズムや、専用のハードウェア(AIチップ等)の開発が進んでおり、小型軽量の情報端末への応用が進んでいますが、このような端末は、あらゆる利用場面が想定されるため、搭載されるアルゴリズムやハードウェアのロパスト性について十分な検証が必要とされています。

※ロバスト性とは、ある系が応力や環境の変化といった外乱の影響によって変化することを阻止する内的な仕組み、または性質のこと。

本研究テーマでは、人工知能を安全に利用するために、広く普及しているアルゴリズムやAIチップ等を用いた人工知能の問題点、ぜい弱性等を明らかにし、安全性、ロパスト性を確保するための新規性、独創性又は革新性の高い基礎研究を募集します。なお、既存技術の改良や改善であっても、新たな着想が含まれており、かつ学術的に価値がある研究提案であれぱ対象とします。

●期待される研究課題の一例

ここで示した研究提案は一例であり、募集テーマに合致した内容を幅広<募集します。

○人工知能のアルゴリズム又はAIチップ等のハードウェアにおけるぜい弱性に対し、ロパスト性を確保するための方法に・する研究
○人工知能の特性上、将来発生し得る様々な可能性を検討する探索手法、アルゴリズム等の研究
○行動等の推測、予測が可能で、ロパスト性を有する人工知能の基盤アルゴリズムの研究
○人工知能の安全性の評価方法に関する研究


●タイプAによる応募に当たって満たすべき条件 (タイプAに求める条件)

○広<普及している、又は将来的に広く普及すると見込まれる人工知能を対象として、その構成要素(アルゴリズムやハードウェア等)を安全に利用するためのロパスト性に問する提案であること。
                  

●その他特記事項【望ましい又は考慮すべき事項】
○アルゴリズムを研究の対象とする場合は、可能な限り一般化されることを期待します。一方、限定された分野に柵有の問題であっても、その分野が画像認識や音声認識等、人工知能の主要な応用先と考えられる場合は、それらを研究対象とすることが可能です。
研究内容から幾つか見えてくることがある。

まずひとつはサイバー防衛に関して量子通信でハッキングを許さないこと、そして、サイバー戦に勝利すべく研究に力をいれていることが伺われる。

「現代戦」は、AIの進化と緊密であり、戦闘機やミサイルよりも、AI能力が優れた側が、相手方を圧倒し、何もさせなくなってしまう恐れがある。

戦争は、核戦争であれ対ゲリラ戦争であれ、「電子的ソフトウェア」が鍵となって勝敗を左右するようになるのは確実だ。

ライバル国よりもすぐれたAI無しでは、これからの国家・国軍は、情報分析も、外交・宣伝も、作戦立案も、部隊指揮も、ハードウェアの機能発揮も、敵手にかなわなくなります。

AIで劣勢に立ってしまった国家の、戦闘機や軍艦や戦車は、単なる的になりかねない。

日本のサイバー戦能力は我々が思っている以上に脆弱だ。実は2018年現在かなり劣勢にたたされているというのが実情らしい。中国・北朝鮮もかなり力を入れているがロシアの実力が侮れない存在となっている。

2016年12月には、ウクライナの発電所がサイバー攻撃によってダウンし、首都キエフで大規模停電を引き起こした。

中国・北朝鮮・ロシアというサイバー大国を隣国に抱え、それらの国々からと思しき攻撃をたびたび受けていることからも明々白々だろう。日米の送電システム――特に日本のそれは脆弱だと指摘を受けている――が、仮に有事が起きればハッキングされ、大停電が発生する可能性がある。

北朝鮮が非核化しても、今度は低いサイバー攻撃を、韓国や日本に仕掛けてくる公算は高いだろう。その意味で、我が国にとって、サイバー攻撃は差し迫ったどころか、すでに存在する喫緊の脅威なのである。

当ブログでも、ステルス戦闘機を純国産しろとか「強襲揚陸艦」(軽空母)を造って垂直離着陸ができるF-35B戦闘機も運用しろだとか、トマホーク巡航ミサイルくらい買えとか、私のようなミリタリーヲタクは、小学校生から高校生の男子が好みそうな「アイテム」が大好きではあるが、真剣に国防の見地から考えて、研究に力を入れるべき分野は、間違いなくAIであることは間違いない。

AIは時に人間の予想を超えた判断と動きをすることがある。万が一の暴走を抑止する技術を確立しなければ、AIを安易に防衛兵器として利用したり、組み込むことは危険すぎてできないと、ATLAは認識している。人と人工知能とが協働するために心要な人工知能側への能力付与や人工知能による人の状態等の把握に関して、新規性、独創性又は革新性の高い基礎研究は有意義な研究であると評価したい。


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与那国島に配備予定の沿岸監視レーダー=防衛省提供

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 防衛省がサイバー防衛や宇宙監視の分野の能力向上を急いでいる。防衛省内に司令部機能を持つ専門組織の新設を検討するほか、サイバー防衛に従事する人員も2018年度に約4割増やし150人体制とする。宇宙やサイバーは陸海空に次ぐ「第4、第5の戦場」とも言われ、各国の攻防が激しさを増す。18年中に見直す防衛大綱の議論でも焦点になる。

 司令部機能を持つ組織は、陸海空の3自衛隊から要員を集め、早ければ20年にも発足させる。各部隊を統括する海自の自衛艦隊、空自の航空総隊などと同格の扱いとすることを想定。サイバー攻撃への対処にあたる専門人員「サイバー防衛隊」や宇宙監視の部隊などを束ねる。

 人員の増強も進める。18年度にサイバー防衛隊を現状の約110人から150人に増やし、19年度以降もさらに拡充する方針だ。

 宇宙分野では、22年度に宇宙状況を監視する専用部隊を新設。デブリなどを監視できる専用レーダーを海上自衛隊の山陽受信所跡地(山口県山陽小野田市)に配備する。

 こうした体制を整えるのは、各国の宇宙やサイバー分野での攻防が激しくなっているためだ。

 最近では17年6月に、ウクライナを中心に身代金要求型ウイルス(ランサムウエア)による激しいサイバー攻撃を受け、クレジットカードの決済システムや地下鉄の支払いシステム、空港の電光掲示板などが機能停止した。米ホワイトハウスは15日に一連の攻撃はロシア軍によるものと断定する声明を発表した。

 宇宙空間では、中国による衛星破壊実験や、人工衛星の衝突などによりデブリが増加している。衛星が衝突すれば、損傷して機能を失う危険があるため対策の必要性が高まっている。

 各国はこうした現状を踏まえ対策を強化している。米国は18年9月までにサイバー攻撃に対応する部隊を15年比で3倍の6200人規模に拡大する方針だ。多国間の連携も進む。北大西洋条約機構(NATO)は今後、サイバー攻撃への防衛力向上に向けた司令センターを新設する。

 日本は海外と比べて対応が遅れているとの指摘は多く、サイバーや宇宙分野の先進国との連携も進め対応を急ぐ。

 安倍晋三首相は1月中旬にバルト3国を訪問。エストニアのラタス首相と会談し、サイバー防衛などの情報を共有する「日バルト協力対話」を立ち上げることを提案した。宇宙分野では、1月下旬の日仏の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で協力を進めると確認した。

 課題は人材育成だ。IT(情報技術)や宇宙分野に精通した専門人材は自衛隊内部には少ない。防衛省幹部は「システムや装備は予算を投じれば導入できるが、人材の育成には時間がかかる」と指摘する。外部から人材を招くことも検討するが、専門知識を持つ人材は民間企業でも厚待遇のため「公務員の給与体系では確保に限界がある」(防衛省関係者)のが実情だ。
次の防衛大綱で自衛隊に宇宙・サイバー分野を担当する司令部を新設との観測だ。

米国は2010年にサイバー司令部を発足させ、本格的なサイバー戦対応を始めた。
空軍サイバー司令部の隊員たちが2011年、サイバー戦争シミュレーターを操作している。

宇宙・サイバー空間は、陸・海・空に続く“第4、第5の戦場”と呼ばれているが、日本はかなり出遅れている。

宇宙戦司令部・サイバー戦司令部はも陸・海・空自衛隊総括上級部隊と同格が付与される予定だという。まさか、宇宙自衛隊・サイバー自衛隊と名乗るのではあるまいか?・・・・1970年代のSFっぽくていいかもしらん。

日本政府はサイバー戦の人員も増強する予定だが、サイバー戦については「専守防衛」原則の下で、他国の軍事施設にサイバー攻撃を加えることが憲法九条に影響を受け法的に可能かどうか難しいようだ。ただ、日本は巡航ミサイルを整備するなどハードの攻撃能力も徐々に持ち始めたのであるから、サイバー攻撃が可能を前提に整備すべきだろう。


(6)触覚/力覚センサ技術に関する基礎研究
キーワード マルチモーダル、触力覚提示、触力覚センシング
 
●研究テーマの概要及び応募における観点

  エンターテインメント用途では、振動や抵抗力を制御し、人に対するフォースフィードパックを行うことで、臨場感を向上することが可能なAR/VR用情報機器が普及しています。一方、人が精緻な作業を行う際は、作業対象物の形状、質感等の微細な触覚/力覚情報も用いており、これらは視覚に準じた重要な情報と位置づけられています。このため、例えばAR/VRを用いたロボットヘの遠隔操縦、勣作教示等は、作案対叙の触覚/力覚に関する情報の直接的なセンシングや推定と、作業者に対する適切な提示により、より高精度に行うことが可能となると考えられます。また、触覚/力覚情報は応答が遠く直感的な刺激であるため、異変等をいち早く知覚するためにも有効であり、例えば極限環境で作業する遠隔操縦式ロボットの周囲の触覚/力覚情報を操縦者に提示することで、危険予知を棄早く行い、作業の安全を確保することが可能となると考えられます。

  本研究テーマでは、このようなメリットを踏まえた上で、人に遠隔地や仮想環境の触覚/力覚を提示する技術に関する基礎研究を募集します。

●期待される研究課題の一例

  ここで示した研究提案はー例であり、募集テーマに合致した内容を幅広く募集します。

○触力覚センシングのための、小型・省電力・低遅延のセンサに関する研究
○作業対象の属性、形状等に基づき、触覚/力覚提示に必要な情報を推定する研究
○視覚と触覚/力覚等、複数の感覚を同時に提示することによる、臨場感等の向上に関する目指す研究
○触覚/力覚提示の要素を含んだ、ロボット等の新しい遠隔操作システムに関する研究    

●タイプS及びタイプAによる応募に当たって満たすべき条件 (タイプS、A共通で求める条件)

○触覚又は力覚をセンシング又は提示する装置の機能検証に必要な試作を行うこと。
○提案する方法の有効性を、上記装置を用いた辞価実験により定量化すること。

 (タイプSのみに求める条件)
 ○上記装置を用いて、極限環境を想定した環境において、遠隔操縦式ロボット等により精緻な作業を行うことで、提案する方法の有効性を実証すること。
                  
●その他特記事項 【望ましい又は考慮すべき事項】
 ○遠隔地の環境をリアルタイムに追体験するシステムに適用可能であることを期待します。
 ○触覚又は力覚だけでな<、複数の感覚を提示しマルチモーダル化することによって臨場感等の向上を図る提案についても本研究テーマにおいて期待します。
○作業対象物として異なる形状、質感等を有する複数種類の物体を想定した、汎用性を有する提案であることを期待します。
○計算資源や通信インフラがぜい弱であっても機能する提案であることを期待します。

(7)AR/VR提示に関する基礎研究
 キーワード AR/VR、身体負荷
 
●研究テーマの概要及び応募における観点

ヘッドマウントディスプレイのようなAR/VR用情報機器の高性能化、低価格化に伴い、遠隔地や仮想環境の視聴覚を追体験し、略場感を得ることがより手軽に行えるようになっています。

一方、視野角、解像度、遅延といったAR/VRによる情報提示における各パラメータが、臨場感、作業性、身体負荷等に与える影嘗については、それぞれの応用先ごとに実証されており、これらの関係性が一般化されれば、現在用途ごとに行っている最適システム設計を効率的に行うことが可能となります。

本研究テーマでは、AR/VRによる情報提示において、ハードウェア又はソフトウェアの各パラメータが使用者に与える影響を、定量的に把樋するための基礎研究を募集します。

●期待される研究課題の一例

ここで示した研究提案はー例であり、募集テーマに合致した内容を幅広く募集します。
○AR/VRによる視覚情報提示における、視野角と略場感の関係の定量化に関する研究
○AR/VRによる
視覚情報提示における、身体負荷(VR酔い等)を低減する研究
○AR/VRによる情報提示における、各パラメータと身体負荷の関係の定量化に関する研究
○AR/VRによる効果的な危険予知情報の提示方法に関する研究
○操縦者の過去の経験を超えた運動を行うロボットの遠隔操縦時において、操縦者に適切な臨場感を与えるパラメータの同定及び向上のための研究
            
●タイプAによる応募に当たって満たすべき条件 (タイプAに求める粂件)

○AR/VRによる情報提示の効果や負荷に関して、毘知モデルや生体モデル等に基づき一般化可能な知見を得ることを目標とした研究であること。
○AR/VR用情報機器を用いた実験を行い、得られた知見の有効性について定量的に評価を行うこと。
○研究対象とするAR/VR作業は、移動又は微細な作業を想定し、臨場感向上や身体負荷低減の優位性を目的としたコンテンツを提示すること。
                  
●その他特記事項【望ましい又は考慮すべき事項】

○外乱(装置外部の強光源や、使用者の移勣に伴う揺勣等)の影響を考慮した鳩合の提案であることを期待します。
この(6)(7)の研究成果が防衛関係で何に応用されるかと考えれば、(6)はパワードスーツ(7)は遠隔操作ロボットへの応用となる。では(4)+(5)+(6)+(7)と考えるとき、遠隔操作+AIによる人型ロボット兵士による特殊作戦への投入を構想している可能性が高い。

What's new, Atlas?

今のところは、ミリヲタの妄想として片付けられてしまうかもしれないが、例えば日本人拉致被害者救出のために、北朝鮮奥地の収容所へ突入させる特殊部隊要員を想定した場合、生身の特殊部隊員は最小限で、後は多数のアンドロイド型やキャタピラ走行型、空中浮遊型のロボット小隊を編成して救出することが可能となるかもしれない。

近未来、草薙素子少佐は出現するかもしれない



(8)水中における大電力無線伝送に関する基礎研究
(9)水中での音響制御に関する基礎研究
(10)地中埋設物探知技術に関する基礎研究
(11)対象物の自動抽出・自動追尾に関する基礎研究
(12)ナノ構造を持つ赤外線光学材料に関する基礎研究
(13)電波吸収技術に関する基礎研究
(14)バイオセンサ用分子素子に関する基礎研究
(15)新しい原理・アイディアを用いた光検知に関する基礎研究
(16)遠距離光伝搬を制御する技術に関する基礎研究
(17)磁気センサ技術に関する基礎研究
(18)冷却技術に関する基礎研究
(19)高出力レーザ技術に関する基礎研究
(20)GPSによらない測位・航法に関する基礎研究
(21)電気エネルギーの貯蔵及び瞬間放出に関する基礎研究
(22)デトネーションエンジンの安定作動・出力制御に関する基礎研究
(23)金属・非金属のナノレベル微細組織制御に関する基礎研究
(24)大型構造物の接合技術に関する基礎研究
(25)生物を模擬した小型飛行体実現に関する基礎研究
(26)革新的なジェットエンジン技術に関する基礎研究
(27)革新的な船舶技術に関する基礎研究
(28)革新的なモータの実現に資する基礎研究




公告第118号 (29.11.28)
公告第86号 (29.9.1)
公告第66号 (29.8.1)
公告第65号 (29.8.1)
公告第15号 (28.6.15)
公告第10号(27.11.19)
公告第S9号 (27.11.19)
公告第77号 (27.9.28)
公告第46号 (27.7.13)
公告第45号 (27.7.13)