【防衛装備庁:お知らせ】
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平成30年8月1日

7月31日に、防衛省と印国国防省との間で、UGV(陸上無人車両)やロボティクスに適用可能な、画像による位置推定技術に係る共同研究に係る取決めの締結を行いました。

本共同研究は、防衛省と印国国防省が共同で、全球測位衛星システムが使用できない環境において周辺画像により自己位置を推定・補完する技術について、評価用実験装置を仮作して試験評価を行うものです。本共同研究により、当該技術の確立が期待されます。
今回の僅か数行の発表ではあるが、このニュースの裏には、日本はインド太平洋戦略に則り、IT大国のインドと組んで、サイバー戦で劣勢な立たされた状況でも戦闘できる能力の構築を行う研究が開始されたと考えられる。

中国やロシアは、GPSの電波を妨害する技術を持っているため、現在米軍においては、戦場でGPSや衛星通信が無効になる可能性に備えて、従来のC4Iシステムとは違い、全地球測位システム(GPS)使用を前提としていないシステム構築をおこなっている。

UGV(陸上無人車両)やロボティクス(自律型ロボット)を開発は、21世紀の戦場においては必須な核心技術である。日本とインドがそれぞれの得意分野を活かし共同でUGV(陸上無人車両)やロボティクス(自律型ロボット)の研究が行われれば、中露や欧米に対抗できるUGV(陸上無人車両)やロボティクス(自律型ロボット)を開発に繋がる可能性がある。

日本は今後課題のサイバー戦能力向上などIT関連技術をインドと提携し共同研究していく嚆矢となる可能性がたかい。

日本におけるUGV研究

日本の場合は非武装型の爆発物処理用ロボットや偵察型がほとんどである。
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2011年の東日本大震災に伴う福島原発事故の際、高レベル放射能汚染地帯での遠隔操作車両の必要性を感じ2014年には試作車による性能確認試験が開始された。現在実験中のUGVが、CBRN対応遠隔操縦作業車両システム(シーバーンたいおうえんかくそうじゅうさぎょうしゃりょうシステム)遠隔操縦作業車両を主体としたシステム。名称にある「CBRN」は、Chemical(化学剤)、Biological(生物剤)、Radiological(放射線)、Nuclear(核)の頭文字を取った頭字語である。

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無人での遠隔操縦のほかに有人で運用することもできるため、車両保護のための放射線遮蔽板や除染が容易な塗料、ラジエータへのフッ素コーティングなどのほかに、乗員室保護を目的とした放射線遮蔽板や空気浄化装置も装備している。

CBRN対応遠隔操縦作業車両システムは2タイプ存在し、大型のアームを有する型と、ブルトーザー型の排土装置を有し、先端をバケット、切断機、把持機から選択可能な油圧アーム装置といった作業装置を選択装備することが可能な小型マニピュレーターを備えた車両である。2タイプとも、可視カメラ、赤外線カメラ、γ線カメラなどのカメラが車体各部の計6ヶ所に備えられているほか、LRFやγ線計測装置も有している。

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CBRN対応遠隔操縦作業車両システムは衛星通信での遠隔操作も可能だが、ミノフスキー粒子が散布された戦場 衛星通信が遮断された状況においても、CBRN対応遠隔操縦システム中継ユニット(中継用自動運転車両)にて遠隔操作が可能となるシステムでもある。

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CBRN対応遠隔操縦システム中継ユニット

いまのところ、武装型は日本では製作していないが、将来に向かってUGV(陸上無人車両)やロボティクス(自律型ロボット)の研究は怠ってはいない。
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ATLA先進技術研究所では、装輪車両下車後の隊員に随伴し、偵察や物資輸送の支援を行い、隊員と連携して任務を達成するロボットシステムについて研究を行っている。

小隊や分隊単位の歩兵の作戦行動を支援するロボットシステムは、諸外国においても必要性が認知されており、特に米国では Squad X や SMET(Squad Maneuver Equipment Transport)といったプロジェクトで同様の目的を持つ UGV(Unmanned Ground Vehicle)を中心としたシステムの研究開発が進められている。

日本の先進技術推進センターでは、小隊や分隊単位の歩兵の作戦行動を支援するロボットシステム実現のために、将来的なロボット装備に適用することを見据えた、萌芽的な要素技術の研究である。環境認識や自己位置推定といった自律化のための要素機能を厳しい環境下で発揮するための技術や、支援の対象となる隊員の状態を認識する技術の研究が必要となる。

この技術開発をIT強国であるインドと共同で開発しよとしている。

また日本の実績のある技術や、民生分野から導入可能な技術を組み合わせて、自衛隊の任務を支援可能なロボットシステムを構築し、その実証実験を通してロボット技術に対するニーズを顕在化させることである

現在、ATLAと民間企業の間では、水面下で意見交換を密に行い、運用ニーズの
分析及び技術シーズのマッチングによるロボットシステムの構築と実証を繰り返し行っている。

世界的なロボット企業と言えばアルファベット(Google)の鬼才アンディ・ルービン
が買ったボストン・ダイナミクス社東大発ベンチャー・SCHAFT(シャフト)社があげられるる。


が、2014年10月にアンディ・ルービンが失脚すると、この二社とも、アルファベット社は短期採算見通しの立たないロボット事業は売却対象とされ、2017年6月SCHAFT社とボストン・ダイナミクス社は孫正義率いるソフトバンクグループへ売却されその傘下企業となった。

民間企業とはこの2社も含まれるわけで、インド+ボストンダイナミクス社+シャフト社+ATLAが共同研究した場合、高い実用性を備えた真に必要とされるロボットシステムに発展させることが見込まれている。ターミネーターはペッパー君の後輩になる可能性があるのである。

日本でも歩兵の電脳化は密かに進んでいます。


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■インドのロボットといえば・・・







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