2018年12月末新多用途ヘリUH-X(UH-1K?)の初飛行が行われた。


陸自は永年UH-1系列のヘリを運用してきたのであるから、費用対効果を考えると無難な選択であったと思う。

次は、陸自次期戦闘ヘリはどうなるのか?が興味がもたれるところです。

自衛隊次期攻撃ヘリは海上運用の想定も
【航空宇宙ビジネス短信・T2】2018.12.02日曜日 

イメージ 2Japan sets naval-friendly requirement in search to replace AH-1S  Cobra fleet 

陸上自衛隊AH-1Sコブラ後継機は海上作戦運用の想定
By: Mike Yeo    
https://www.defensenews.com/digital-show-dailies/japan-aerospace/2018/11/29/japan-sets-naval-friendly-requirement-in-search-to-replace-ah-1s-cobra-fleet/

 
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陸上自衛隊のAH-1SヘリコプターがTOW対戦車ミサイルを発射している。東富士演習場にて。2014年8月19日。 (Kitamura Toshifumi/AFP via Getty Images)

日本は現行ベル/富士重工AH-1Sコブラ攻撃ヘリコプターの後継機で艦載運用を想定する。

今年初めに出た情報要求(RFI)では新型ヘリコプターを海上運用型とし「臨時飛行施設または海上基地」から運用すると想定しているとベル顧問を務めるジョージ・トラウトマン退役中将が述べている。

国際航空宇宙展の会場でDefense News取材に答えたトラウトマン前海兵隊航空部隊司令官はRFIは「30機、40機、50機」各調達の価格および個別情報を求めているという。また今後3ないし4ヶ月内に提案要求が出るとした。

ベルにはAH-1Zヴァイパー案があるが、三菱重工業はUH-60J/JAブラックホークに補助翼および兵装運用箇所を追加した案を提案している。同社はブラックホーク、SH-60シーホーク各種を自衛隊向けにシコースキーのライセンスを受け1990年代から生産している。

エアバスは民生用H145で日本に進出しているが、今回はタイガー攻撃ヘリコプター案ではなくH145案を提示する。同社は神戸にあるヘリコプター修理点検施設の拡充を発表している。

その他にはボーイングがAH-64Eアパッチを、イタリアのレオナルドがAW249攻撃ヘリコプター(現在開発中)を提案する見込み。

日本はアパッチAH-64D13機をライセンス生産で導入済みだ。ただし同機は当初64機調達予定が大幅に規模縮小された。同機搭載のロングボウレーダーの性能が期待以下と評価されているといわれれる。■


離島奪還作戦の想定のためか、次期攻撃ヘリは陸上自衛隊の従来の運用構想と異なる性能が必要となります。水陸両用部隊への配備想定でしょうね。ロングボウが不要ならアパッチが今後長く活用できる機材になりますが、すでに既存機生産で肝心のスバルがひどい目にあっていますので今回はAH-1Z(米海兵隊が使用中)に傾くのではないでしょうか。
動き出す陸自新戦闘ヘリ  2018/6/1(金) 午前 2:35 

情報要求(RFI)


防衛装備庁は5月7日、陸上自衛隊が将来取得を検討する新戦闘ヘリコプターの取得の是非や、取得方法などを検討するにあたって、必要となる情報を提供する企業の募集を開始した。

陸上自衛隊は現在、AH-1S対戦車ヘリコプター59機とAH-64D戦闘ヘリコプター12機を運用しているが、AH-1Sは老朽化による退役が進んでいる。

AH-1Sは90機が調達され陸自の第1〜第5対戦車ヘリ隊に配備されていたが、第2、第5対戦車ヘリ隊は既に1個飛行隊に編成を縮小している。

当初の導入目的は対戦車戦闘であったが、島嶼防衛において対海上火力としての運用をもとめられるようになったが、AH-1Sでは十分な能力が無く、陸自も島嶼防衛の運用研究を十分にしているか私は疑わしいと感じていた。

なぜなら、遮蔽物が無い海上戦闘において、低速の戦闘ヘリはSAMや対空砲の格好の的でしかならないからだ。

純国産の観測ヘリコプターOH-1に続いて、多用途ヘリの純国産、その改良型として国産の戦闘ヘリ開発という構想が陸自と国内メーカーに存在したことは確かであったが、陸自内でも、対空ミサイルを備えた敵部隊に対し戦闘ヘリコプターの抗甚性や有用性についての意見が分かれているとのところだ。

いわゆる官製談合事案で多用途ヘリの国内開発が中止され、当初の計画になかったV-22オスプレイの導入もあり、UH-1Xの純国産案が実現しなかったことなどから、今後戦闘ヘリの存続が怪しくなってきている。

2018年末新に制定された防衛大綱2018には機動運用部隊1個ヘリコプター団と明記されてはいますが、中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度) には戦闘ヘリ調達が明記されていません。下手をすると日本から戦闘ヘリ部隊が消滅してしまうのか?と危惧しています。

また13機しか調達されなかった虎の子のAH-64Dのうち1機が昨年墜落事故を起こし、わずか12機しか保有していないうえ、アメリカ国防総省がサポートを2025年をもって打ち切る方針を明らかにしており、それに先立って2019年頃から予備部品の枯渇が始まる事が予想されており、へたをすると、自衛隊は戦闘ヘリ部隊が維持できなくなってしまう。陸自の戦闘ヘリコプターの、早期の機種選定が焦眉の急となっている。


しかしながら、離島奪還にはヘリコプターによる部隊展開は欠かせないものであり、輸送ヘリを護衛する戦闘ヘリは絶対必要な兵器の一つであり、いずも空母化等を考えると新戦闘ヘリ導入は必然であると思われる。

現在出ている次期戦闘ヘリ案を採用可能性順(あくまでもDdogの主観)に並べてみます。

1.ベル社 AH-1Zヴァイパー

当ブログではAH-1Zについては再三再四、陸自次期戦闘ヘリ有力候補であると紹介していますが、AH-1Zに関して陸自次期戦闘ヘリの大本命だと考えています。

AH-1Z「ヴァイパー」は、機首に20ミリ機関砲、機体両側面の翼に無誘導ロケット弾誘導式対戦車ミサイルAGM-114ヘルファイアミサイル、また翼両端にAIM-9 サイドワインダー空対空ミサイルAIM-92 スティンガー空対空ミサイルを搭載します

機体の重要部分には防弾性が付与されているほか、敵が発するレーダー波やレーザーなどを検知し、対空ミサイルが自機に向け発射された場合、これを妨害する自己防御システムを搭載している。

動き出す陸自新戦闘ヘリ  2018/6/1(金) 午前 2:35 

AH-1Zは低ライフサイクルコストが重視され、複合材ローターシステムは定期修理が不要で寿命が約10,000時間あり、運用費用はAH-64Aの約40%に抑えられ、時間辺りの運用費用はAH-64Dの3分の1とのこと。

AH-1Zは海兵隊で採用されているだけあり、艦艇での運用能力に長けている。
現在、陸上自衛隊は2018年に「水陸機動団」が編成されるなど島嶼部防衛に力点を置き換えています。島嶼防衛に部隊移動をするため、戦闘ヘリを海上自衛隊の艦艇に載せ移動を行う場合、いずも型/ひゅうが型護衛艦や、おおすみ型輸送艦に搭載される。

護衛艦の狭い艦内スペースを最大限活用できるよう、ローターには折り畳み機構が備わっており、さらに洋上での運用という観点から欠かせない、潮風などによる塩害への対策として、機体への腐食防止コーティングや、部品の接続部分などに対する徹底した密閉措置が施されています。

現在、陸上自衛隊が運用しているAH-1SやAH-64D「アパッチ・ロングボウ」といったヘリコプターには折り畳み機構などはなく、自衛隊次期攻撃ヘリは海上運用の想定した場合、AH-1Zは相対的に有利である。

また、AH-1Zの機首に装備されている高精度のTSS(ターゲットサイトシステム)「AN/AAQ-30A」では、世界でも最高精度を誇る光学および赤外線センサーと、目標指示用のレーザー照射装置などを組み合わせたもので、これにより遠距離にいる目標を識別し、誘導兵器との組み合わせによって正確に攻撃が可能となる。島嶼防衛において、遠距離の海上目標を攻撃するのに非常に有利に働く。

またTSSは、島嶼防衛とや、敵味方や民間人が複雑に入り混じると予想される対テロ作戦においても有効なシステムだ。

AH-1Z ヴァイパー(英語: AH-1Z Viper)は、AH-1W スーパーコブラの発展型攻撃ヘリコプターである。UH-1N ツインヒューイの後継にあたるUH-1Y ヴェノムと並行して開発された。

■概要
AH-1ZはAH-1W、UH-1YはUH-1Nの後継機を目指してベル・ヘリコプターが開発した。また、UH-1Nの性能向上改修も並行して行われ、コストダウンを図っている。アメリカ海兵隊は1996年にAH-1Z計画の進行を決め、11月15日にベル社に契約を与えた。

2000年には試作機であるNAH-1Zがロールアウトし、試験飛行を行ったが、水平安定板の設計変更が必要と判明したことから戦力化に遅れが生じ、配備の開始は並行して開発されていたUH-1Yよりも少し遅れることとなった。
(略)

■火器管制システム

照準装置は、AC-130などにも採用されているロッキード・マーティン社製AN/AAQ-30 ホークアイ目標照準システム(TSS)を搭載。これは、第3世代型FLIR(前方赤外線画像監視装置)、低光量カラーTVカメラ、レーザー測距器、アイセーフレーザー照準装置を統合した目標照準装置となっている。第3世代型FLIRは最大探知距離が約35km、識別距離が約10km。解像度は640×480、4段階の視野切り替えが可能で、中波赤外線および長波赤外線を併用し、様々な状況下での高い捕捉能力を持つ。

低光量カラーTVカメラは解像度が768×494、無段階の18倍ズームが可能。TSSは5軸のジンバルにより安定化され、目標の探知、分類だけでなくAH-64Dでは不可能な、遠距離での目標の識別、認識も可能。複数目標の自動追尾も可能で、動目標で3目標、静止目標で10目標の追尾が可能。TSSはAH-1WのNTSやAH-64AのTADS/PNVSなどの第一世代システムと比較して2倍の捕捉能力を持ち、AH-64Dのアローヘッドよりも性能が高い。

オプションでスタブウィング上にAN/APG-78 ロングボウ火器管制レーダーを元に開発されたCRS(Cobra Rader System)またはSCOUTと呼ばれるミリ波レーダーを搭載可能。性能的にはAN/APG-78 ロングボウ火器管制レーダーに若干劣るものの、動目標なら約8km、静止目標でも約5kmの捕捉距離を持ち、100以上の目標を自動で位置、分類を探知、戦術優先順位を判別してモニターに表示する事が可能(AN/APG-78 ロングボウ火器管制レーダーは約1,000個の目標を捕捉し、そのうち最大256個を追尾可能で優先度の高い16目標が表示される。動目標なら約8-10km、静止目標なら約6kmの捕捉距離を持つ)。

■自己防御システム

AVR-2A レーザー警戒装置、APR-39B(v)2 レーダー警戒装置、AAR-47(v)2 ミサイル警戒装置、赤外線妨害装置、ALE-47 チャフ・フレアディスペンサーを装備。

排気口にはIRサプレッサーが搭載されている。

オプションとしてALQ-211 先進統合電子戦システムの搭載が可能で、各警戒システムが連動し、敵レーダー範囲の表示や回避ルートの指示、脅威発信源に自動的にジャミングをかけるなどにより、より高い生存性を実現できる。

■武装

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固定兵装として機首ターレットにM197 20mm機関砲を装備。ターレットは固定モード、HMSDモード、TSSモードの三つのモードを選択可能。HMSDモードではヘルメット表示照準システムの動きを感知し、ガンナーが向いた方向にターレットが連動する。TSSモードではTSSによりロックオンした目標の動き、距離、速度、温度、風などのデータを元に自動的に計算し、最適な照準を行う。弾薬としてはM56焼夷榴弾、PGU-28/B半徹甲焼夷弾などが使用可能で、M56を使用した場合初速1,040m/sと、AH-64のチェーンガンより3割ほど上回るため、空対空戦闘でも有効。

スタブウィングが大型化され、BGM-71 TOWまたはヘルファイア対戦車ミサイルを最大16発搭載可能となった。ロケット弾の射撃モードはCCIP(弾着地点連続計算)とCCRP(投下地点連続計算)の二つのモードがある。CCIPではHMSDにロケットの弾着予想地点が表示され、目標と重なるように発射することで命中する。CCRPモードではあらかじめTSSにより目標をロックオンし、FCSの指示するように飛ぶ事で自動的に射撃する。

使用可能な弾頭としてはM151・M229破片榴弾、M261多目的HE子弾内蔵弾頭、M255A1フレシェット弾、M262照明弾、M264煙幕弾などがある。対ヘリ戦闘任務を偵察ヘリに任せている陸軍とは違い、海兵隊の用兵思想では攻撃ヘリ自身が空対空戦闘も行うので空対空戦闘能力が高く、AIM-9 サイドワインダー空対空ミサイルやAIM-92 スティンガー空対空ミサイルが装備可能。


2.SUBSRU UH-X簡易改造 戦闘ヘリ 案
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コスト面から判断すれば、実質的に1番かもしれません。(※UH-Xが12億円程度なら・・)、おそらくUH-1Yヴェノム武装型に近いものになるとは思います。ただ、ヴェノム武装型そのものでは軽武装すぎますので、次期戦闘ヘリとしてUH-X簡易改造型を戦闘ヘリとして提案するのであれば、ヴェノムの武装ハイドラ70ロケット弾ポッド用ステーション×2が簡易型の有翼ポッドを吊るしポッド用ステーションが4程度に増強したものになる可能性は高い。また、搭載ミサイルは、中距離多目的誘導弾もしくはそれを改造したATMもしくは、AH-64D同様AGM-114ヘルファイアー8発であろう。

固定武装は改造費用がかさむので無いと予想します。もし、UH-Xに遠隔操作銃ポットまで求めるのであれば、AH-1Z ヴァイパーを導入すべきである。UH-X軽武装型にはヴェノムのGAU-16 50口径(12.7mm)重機関銃GAU-17 7.62mmガトリング銃またはM240 7.62mm機関銃マウント×2は引き続き採用されるでしょう。

米海兵隊ではUH-1YヴェノムとAH-1Z ヴァイパーはセットで運用している。
確かに、UH-X軽武装型はコスト的には最も競争力があるが、AH-1Z ヴァイパーとセット運用しなければ、役に立たない可能性もある。

SUBSRU UH-X簡易改造戦闘ヘリ案は、どちらかというと、わずか40機しか製造されず、飛行中止が続く国産OH-1観測ヘリと、主力観測ヘリであったOH-6の後継機になるような気がします。なお、OH-6は既に定期整備(IRAN)最終号機が2016年に整備完了しており、最早引退までは待ったなしという状態です。

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3.三菱重工業/シコースキー UH-60J(DAP形態)
UH-60J/JAブラックホークに補助翼および兵装運用箇所を追加した案

UH-60Jには、増槽装用ポットを懸架できるアームが装備されている。

多目的汎用ヘリコプターであるUH-60は、数多くの派生型や亜種が生産開発されており、そのなかでもMH-60L Direct Action Penetrator(DAP)は、米陸軍型MH-60Lを基にした特殊作戦機の改良型であり、三菱重工は、UH-60J(DAP形態)を新戦闘ヘリとして提案していると思われる。

日本にはUH-60系列のヘリは航空自衛隊 に救難ヘリ UH-60J(37機)海上自衛隊 - 救難型UH-60J(19機)対潜哨戒型SH-60J/K (103/74機)汎用型陸上自衛隊 - UH-60JA(40機)海自の主力ヘリSH-60J/Kシリーズと併せれば、現在計273機が導入されており、部品の共用化など運用メリットは高い。

事実上の攻撃ヘリであるUH-60L(DAP形態)はESSSまたはETS翼が装備され、2基の固定M134ミニガン、4基のAIM-92スティンガー空対空ミサイル、1基のM230 30mmチェーンガン、および2基のAGM-114ヘルファイアミサイルを保持するM299ランチャーなどさまざまなハードポイントに兵器を組合わせることができる。


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DAPの機種下部にあるポッドは、Hellfires用のレーザー指示子を含むFLIR(Forward Looking Infrared)ポッドです。M230機関砲、ロケット弾ポッド、その他の武装が施された型があり、ドアガンにはM134D ミニガンが搭載される。



大本命はAH-1Zヴァイパーだが、UH-60J(DAP形態)を対抗機種として2位に推したい・・・・ところだが、三菱重工製のUH-60JAは単価が約50億円と高額であり、新造機として調達するならば武装型の調達単価はAH64とかわらなくなる。新戦闘ヘリに予算が回らずAH-64Dの二の舞になるリスクもなきにしもあらずで、予想順位は3番とした。

4.エアバス社 H145武装案

私は、.エアバス社 H145武装案も棄てがたいと思っています。
エアバス社 H145は、EC 145とも呼ばれていますが、川崎重工とMBB(ダイムラーベンツ航空部門)が開発したBK117双発の軽量多目的ヘリコプターの最新発展型
であるOH-1が3年以上飛行停止で、OH-6の退役が進む中、観測ヘリとして民間型BK117を採用してはどうか?と、かねてから思っていたからである。

H145武装案はH145Mヘリコプターに多様なエアバス製のヘリコプターに装着できる兵装システム「HForce」を装着したものである。


ユーロヘリ社は「HForce」兵装システム70mmロケットランチャーから、タレス製のセミアクティブ式レーザー誘導ロケット弾「FZ275」を発射する試験を、スウェーデンのエルブダーレンにあるスウェーデン軍の試験場で2017年12月第1週に行った。

カナダのL-3 WESCAM製複合光学センサー、MX-15Dを利用して照準を行い、発射したFZ275の射程は最大4500m。

高価な専門の攻撃ヘリを用意しなくても、ある程度の攻撃能力を汎用ヘリコプターに付加することができますので、任務に応じてアタッチメント方式の兵装を交換することができるため、より多くの場面に投入できるという特徴もあるが、よく冷静に考えれば、エアバス社のH-145は川重UH-X案のエアバス社バージョン的なものでもあり、それならば、SUBARU UH-Xに「HForce」兵装システムを搭載すればいいだけで、陸自側にわざわざ機種数を増やすH145Mヘリコプターを導入するメリットは無い。


エアバス社はH145案ではなく、タイガー攻撃ヘリコプター案を提案するべきである、よほど頭が悪いのか、まさか談合事件(陸上自衛隊新多用途ヘリコプター(UH-X)開発事業の企業選定に 係る事案の敵討ちでH145武装案を提案したわけではないだろう。

5.川崎重工 OH-1強化型戦闘ヘリ案
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本来、これがAH-Xの大本命であったはずだが・・・・
官制談合事件で川重製UH-Xが中止になった煽りで、OH-1強化型戦闘ヘリ案はなくなったとみていい。

なにせ、当のOH-1が2015年2月17日に洋上への不時着を起こして以来飛行中止がが続き、下手をすればこのまま引退となりかねない状況だ。洋上不時着事故原因は、新品のブレードとディスク同士が高温・高圧で接触することでまれに発生する固着によって、接触部に予期せぬ負荷かかり高圧タービン・ブレードが疲労破損したこということだったが、2015年8月今度は三菱重工のTS1-10ターボシャフトエンジンに深刻な問題あり、一部の機体を改修して飛行試験を行っているが、以来3年が経っても飛行中止が解除されたニュースを聞いていないという洒落にならない状態である。

OH-1にはデータリンク能力が無く、偵察した画像データなどを着陸後ビデオで渡し解するなどもはや時代遅れである。OH-1自体がこのまま廃棄される可能性もあり、OH-1ベースの攻撃ヘリはコスト的にも技術的にも現実的ではない。

仮にエンジンを当初予定されていたOH-1ベースの次期多用途ヘリコプター向けの出力増強型・新型のXTS-2に換装しても、問題を解決できる保証は無く、OH-1強化型戦闘ヘリ案は幻となることが濃厚だ。ただ、陸自自体が国産戦闘ヘリを強く希望しているとの話があるので、若干の可能性は残る。

6.イタリアのレオナルド社 AW249攻撃ヘリコプター(現在開発中)
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まあ、当て馬もいいところ・・・

もし仮に10億円を切るのであれば話は別だが、ヨーロッパ産のましてや開発中のヘリなど残念ながら検討の議題にあがるだけでも立派なものだ


 【ワシントン=黒瀬悦成】米軍事情報誌「ディフェンス・ニュース」(電子版)は19日、米陸軍が制式採用している最新型攻撃ヘリAH64E「アパッチ・ガーディアン」について、「安全性に死活的に重要な部品の耐久性に信頼を持てない」として製造元のボーイング社からの調達を中止したと報じた。

 米陸軍高官が同誌に明らかにしたところでは、問題の部品はヘリの羽根(ブレード)をローターヘッドに固定するのに使う「ストラップ・パック・ナット」で、沿岸域や悪天候下での飛行や過激な操縦で急激に損耗し、飛行中のヘリの安全に深刻な影響を与えることが判明した。

 このため陸軍は今年3月ボーイング社に対し、問題の部品が改良されない限り、同社からAH64Eを一切受領しないと通告した。一方で、同社と陸軍はこの半年、共同で部品の改善に取り組み、今年の夏には改良部品を提供できる見通しになったとしている。

 同誌によると米陸軍は現在、653機のAH64Eを保有。台湾や韓国などにも供与している。また、米陸軍ではAH64Eが導入された2013年以降、5件の大規模事故があり、今月も南部ケンタッキー州フォート・キャンベルでの墜落事故で乗員2人が死亡した。

 一方、陸上自衛隊はAH64Eの前身であるAH64D「アパッチ・ロングボウ」を運用。今年2月には1機が佐賀県で墜落事故を起こし、ローター関連部品の欠陥が原因との指摘も出ているが、米国での問題との関連は明らかでない。
その後ボーイングがボーイングが部品の改良に成功したというニュースは伝わってきていない。

AH-64Dのままでいれば、日本も面倒なことにならなかったのに・・・
まあ、ボーイングが部品の改良に成功しない限り、米国が調達を中止にしたAH-64Eアパッチガーディアンが陸自次期戦闘ヘリとなることはない。

ちなみにAH-64Eアパッチ・ガーディアンを採用しているのは、アメリカと韓国と台湾(アメリカのFMS:対外有償軍事援助による)のみである。2013年、韓国が導入を決定している。恐るべしK国の法則・・・こんなところでも発動している!

第一法則 :
国家間から企業、個人に至るまで、韓国と組むと負ける。

もはやK国の法則は法則ではなく檀君の呪いだろうか?