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令和2年度予算案
の概算要求研究開発ビジョンが更新された。

「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱について」及び「中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度)について」の2年度目として、
概算要求の目玉は、F-2後継戦闘機開発に始めて予算がついたことと、宇宙防衛を中心とした真に実効的な防衛力として、多次元統合防衛力の構築に向け、防衛力整備に動き出したことだと思う。

また、研究開発に関しても
防衛省は、領域横断作戦を実現するため、優先的な資源配分や我が国の優れた科学技術の活用により、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における研究開発を強化していく内容であった。

また、領域横断作戦の中で、従来の陸海空に加え新たな領域における能力を従来の領域とオーバーラップして自衛隊が一丸となって統合運用を推進し、各種事態に効果的に対処するため、海空領域における能力、スタンド・オフ防衛能力、総合ミサイル防空能力、機動・展開能力を強化していく意思を読み取ることができる。


宇宙空間・サイバー・電波に関して防衛能力強化に向け、航空自衛隊に「宇宙作戦隊」を新設することや、海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」を、事実上「空母化」するための費用などを盛り込み、過去最大となる令和2年度に防衛予算として5兆3223億円を要求することになった。

また、具体的にはまだぼやかしているが、水中防衛システムの構成要素として無人機母艦(USV)を構想していることが、新たに発表された。

あくまでも概念図にすぎないし、いずも型を上回る大型の三胴船トリマラン型の輸送船となると思われる。USVとありが、無人ヘリの発着ポートが6箇所もあって無人で運用するには100年早いだろう。

トリマランである理由は横に広い飛行甲板だが、左右3箇所似にエレベーターが確認できること、
船体形状をごまかしているような概念図は、従来型であれば、船体形状をあやふやにする理由がなく、小型UUV, USVの投入や揚収にトリマラン型は好都合の船型に思える。

日常的には無人機を運用するであろうが、その大きな飛行甲板にF-35Bが離発着できないと否定することはできないであろう。


水中防衛システムの構成要素-無人機母艦(USV)

 無人機母艦(USV)

小型UUV, USVを投入・揚収し、UAVを発着艦させるとともに、これらの無人機にエネルギーや物資等を補給するこ とで、無人機による広域にわたり常時継続的な警戒監視を支援する。また、水中アセットと衛星との通信の中継を 行うことで、多数のアセットの有機的協調を可能にする。

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  主要機能   

• 自律航走(荒天下での安定した運用)
• 水中通信(有人機、無人機、海底センサー等)
• 衛星通信• 小型UUV, USVの自動投入・揚収、UAVの自動発着艦
• 無人機への物資(電池、水中機器等)補給
• UUVへの水中給電

  主要性能  

○滞洋性
目 標:数ヶ月の安定的な運用
技術課題:耐候性、自艦防護(ステルス性)

○管制能力
目 標:発着、補給、給電等を効率的に実施するため、母艦近傍にある複数の無人機(UUV, USV, UAV)を管制
技術課題:近傍無人機の管制(位置の把握、通信の確立)、水中通信(大容量レーザー通信、長距離音響通信)

https://www.mod.go.jp/atla/soubiseisaku/vision/rd_vision_kaisetsu04.pdf 25P

令和2年度防衛予算案の概算要求の目玉は、F-2後継戦闘機開発に始めて予算がついたことと、宇宙防衛を中心とした
宇宙関連では、合わせて524億円を計上していて、航空自衛隊に不審な人工衛星の監視などを任務とする「宇宙作戦隊」を東京の航空自衛隊府中基地に、通信や電子などを専門とするおよそ20人規模で新設することや、通信衛星などに対する電波妨害を把握する装置の導入に向けた費用などが盛り込まれいる。宇宙の監視は、山口県内の自衛隊施設の跡地に設置が計画されている専用のレーダーで行うほか、概算要求には地球の上空を周回する宇宙望遠鏡を整備するための費用が計上された。


「いずも」に利発着可能な、F35Bを6機購入する費用として846億円を計上し、F-35Bの発着艦を可能とする部分的な 護衛艦「いずも」の改修予算(31億円)を要求した。

BM(弾道弾)迎撃ミサイル「イージス・アショア」は発射装置の取得や、人材育成などにかかる費用、122億円が計上。

また2030年代に退役が始まる航空自衛隊のF2戦闘機の後継のステルス戦闘機の開発や、在日アメリカ軍の再編に関連する費用については具体的な金額を明示しない「事項要求」という形で盛り込み、年末の予算編成までに金額を計上することになりました。

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■■■
宇宙防衛について
世界各国において宇宙防衛にかかわる宇宙軍の設立がおこなわれている。

米が「宇宙軍」を発足 中国・ロシアに対抗 
【日経新聞】2019/8/30 8:12


【ワシントン=永沢毅】米軍は29日、地域や機能別に設ける11番目の統合軍として、宇宙分野の任務を統括する組織となる「宇宙軍」を新たに発足させた。主に人工衛星の運用や宇宙での監視などにあたる。宇宙での軍事活動を強化している中国やロシアに対抗する狙いがある。

トランプ大統領は29日の発足式典で「宇宙軍の創設で米国の宇宙での優位性は揺るがないものになる」と強調。中ロを念頭に「宇宙での活動の自由を確保するのは、米国を狙うミサイルを探知し破壊するのに不可欠だ」と訴えた。

統合軍は陸海空軍や海兵隊を地域や任務ごとに編成したもので、アジア地域を担当するインド太平洋軍や核兵器の運用を担う戦略軍などがある。トランプ政権は今回の統合軍としての宇宙軍の発足を踏まえ、次は陸海空軍などと同格となる6番目の独立した軍としての宇宙軍の2020年中の創設をめざす。

ただ、独立軍としての宇宙軍の創設には議会の承認が必要で、予算増や組織肥大化への懸念から米議会や政府内でも慎重論がある。統合軍の発足には議会承認は不要だ。

※SDI構想の最中1985~2002年アメリカ宇宙軍(United States SpaceCommand)は存在

ロシアは、ロシア空軍と宇宙軍を2015年統合しロシア航空宇宙軍が存在する、中国では、同じく2015年国人民解放軍ロケット軍旗下に中国人民解放軍戦略支援部隊が置かれサイバー攻撃や宇宙の軍事利用を担っている。

フランスのマクロン大統領も今年7月に、宇宙領域での防衛戦略を統括する宇宙司令部を9月に空軍に創設すると表明した。

そして日本も世界的な宇宙軍設立の流れにしそって、宇宙・サイバー・電磁波分野に関して、能力強化、部隊設立が行われる見通しだ。

SpeceJSDF自衛隊宇宙部隊 衛星防衛用除去衛星導入へ
2019-08-24 10:02

概算要求直前に読売が飛ばし記事を書いた。
唐突に来年度予算で、妨害衛星を要求することはなかった。
ただ、まったくのフェイクニュースではないと思う。
理研やJAXAにおいて宇宙空間でデブリ除去技術の研究が行われており、ブリ除去技術は即、衛星防衛用除去衛星(キラー衛星)の開発と同じ技術を用いている。そして、日本は、デブリ除去技術で、世界に一歩先んじている。

また、概算予算概要P29に
先進的な民生技術の積極的な活用、民生先端技術を短期で実用化する取組及び安全保障技研究推進制度等の活用を通じた革新的・萌芽的な技術の発掘・育成の取組を推進とあり、革新的・萌芽的な技術の発掘・育成について予算要求を行っている。

研やJAXAに限らず、安全保障技術研究推進制度により主に防衛技術に応用できそうな基礎科学に大学の研究室レベルに研究資金を拠出し、国内の基礎科学の底上げに貢献している。


○ 革新的・萌芽的な技術の発掘・育成(108億円)

・ 先進的な民生技術についての基礎研究を公募
・委託する安全保障技術研究推進制度を引き続き推進
・ 革新的・萌芽的な技術を装備化につなげるための   
橋渡し調査・研究を実施
・ 国内外の先端技術動向について調査・分析等を行う   
シンクタンクの活用や創設等に関する取組

今日インターネットやカーナビ、コンピューター、航空機、宇宙ロケットなど民生技術の多くが軍事技術開発に投資された基礎科学の賜物である。防衛省が民間に資金を拠出し、その成果を還元することは、人類の歴史において極めて自然なことである。
ところが日本のリベラル嗜好の人物の中には防衛省が科学研究のスポンサーになることを批判する人達が少なからず存在する。そういった人達の腐った脳みそによる善悪の尺度による批判は、断固無視し科学の発展に不可欠な軍事技術の研究に大いに頑張って欲しい。

概算要求の概要
 p4

■■■領域横断作戦に必要な能力の強化における優先事項

我が国を取り巻く安全保障環境が格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増す中、宇宙・サイバー電磁波を含む全ての領域における能力を有機的に融合し、平時から有事までのあらゆる段階における柔軟かつ戦略的な活動の常時継続的な実施を可能とする防衛力を構築する。

1 宇宙・サイバー・電磁波の領域における能力の獲得・強化

領域横断作戦を実現するため、優先的な資源配分や我が国の優れた科学技術の活用により、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における能力を獲得・強化する。

(1)宇宙領域における能力強化 

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○ 宇宙作戦隊(仮称)等の体制整備
・ 我が国の宇宙利用の優位を確保するため、航空自衛隊に「宇宙作戦隊(仮称)」を新編(約20名の定員)


・ 宇宙領域における統合運用に係る企画立案機能を整備するため、統合幕僚監部指揮通信システム部指揮通信システム企画課に「宇宙領域企画班(仮称)」を新設


・ 宇宙領域等の新領域に関する装備品等の導入・維持整備に係る検討体制を強化するため、航空幕僚監部防衛部に事業計画第2課(仮称)を、同装備計画部整備・補給課に宇宙通信電子システム班(仮称)を新設・ 米国コロラド州の米空軍基地で実施する「宇宙基礎課程」等に要員を派遣し、宇宙全般に関する知見を習得

○ 宇宙空間の安定的利用を確保するための能力強化等(40億円)
・ 電磁波領域と連携した相手方の指揮統制・情報通信を妨げる能力に関する調査研究
・ 我が国の人工衛星に対する電磁妨害状況を把握する装置の取得

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○ 宇宙を利用した情報収集能力等の強化(59億円)
・ 宇宙空間での2波長赤外線センサの実証研究
・ 高感度広帯域な赤外線検知素子の研究
・ 人工衛星を活用した警戒監視に係る調査研究

○ 宇宙設置型光学望遠鏡の整備(33億円)

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静止衛星軌道上にあるXバンド防衛通信衛星等の周辺を飛しょうするデブリや不明物体の特性を把握するための宇宙設置型光学望遠鏡の構成品を取得

○ 宇宙状況監視(SSA※)システムの取得(154億円)
米軍及び国内関係機関等と連携した宇宙状況監視を行うために必要な関連器材の取得等
※ SSA:Space Situational Awareness

○ 衛星通信の利用(135億円)
・ 衛星通信システムの抗たん性向上
・ Xバンド通信衛星に対応するための装備品等の改修等
・ 商用通信衛星回線の借り上げ、衛星通信器材の整備・維持等

○ 画像衛星データ等の利用(101億円)
・ 画像解析用データの取得(超小型地球観測衛星を含む各種
商用衛星等)
・ 気象衛星情報の利用
・ 海洋状況監視に資する衛星情報の取得

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   Xバンド防衛通信衛星(イメージ) 

○ その他の宇宙政策に関する取組(1.3億円)
・ 米国コロラド州の米空軍基地で実施する「宇宙基礎課程」等に要員を派遣し、宇宙全般に
関する知見を習得(再掲)
・ 宇宙分野における多国間机上演習等への参加
・ 宇宙分野における国際法規範形成の国際的取組への参画

※ 弾道ミサイル防衛関連経費(宇宙関連部分のみ)523億円
宇宙条約によって宇宙空間の「平和利用の原則」が記載されおり、日本も批准している。しかし、明確に禁止されているのは「宇宙空間への大量破壊兵器の配備」および「月およびその他の天体への軍事利用は一切禁止」であるため、読売新聞のリーク記事である妨害衛星(衛星防衛用の除去衛星)は、条約解釈によっては自衛隊でも装備可能であろうと思う。

今後の宇宙を含む広域常続型警戒監視として、ATLAでは以下の研究が行われています。

宇宙を含む広域常続型警戒監視の取組


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■■広域常続型警戒監視システムの課題 

我が国における広域常続型警戒監視に関する課題

センサー探知・類識別能力の向上

 宇宙、見通し外等の監視領域の拡大及び対象の増加に加え、諸外国のA2/AD能力の向上に伴う警戒監視の困難に対応するため、我が国が諸外国に対して優位性を有する半導体技術等を活用して、警戒監視に使用されるセンサーの探知能力を向上していくことが必要である。

 具体的には、宇宙の監視能力の獲得及び向上、警戒監視領域の拡大、輻射機会が限定され、低被探知性の向上した目標の探知能力の向上、パッシブでの多種多様な目標に対する広域探知及び高精度かつ高速な類識別の向上がそれぞれ必要である。

センサープラットフォームの拡大

 監視領域、対象の拡大に合わせた効率的な警戒監視の観点及び常続的な警戒監視の省人化・省力化の観点から、センサープラットフォームの種類の拡大、特に各種無人機、衛星等の無人プラットフォームの警戒監視への活用が必要である。そのためには、各種無人プラットフォームに搭載可能な小型高性能低消費電力かつ低コストなセンサーを開発する必要がある。

 センサープラットフォームの拡大に合わせて、複数プラットフォーム間での分散遠距離探知・情報融合・複合センサー技術を向上させ、電子攻撃等を受けることが想定される脅威下において、抗たん性を確保しながら警戒監視することが必要である。

 宇宙に関する各種技術の獲得は防衛装備庁単独では困難なため、JAXA等の関係機関や米国等の関係国との連携及び民生技術の積極活用により獲得することが必要である。

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様々な領域、工リア及び多種多様な目標に対する常続的な警戒監視を実現するためのセンサーの高機能化・高性能化を実現しつつ、 センサーの搭載性を向上して警戒監視プラットフォームを増加し、多数のセンサー ・プラットフォームを組み合わせたパッシブな分散探知によリ、 脅解におかれた困難な領域の常続的警戒監視を実現するための技術獲得が必要よされ、概算要求の概要 p28に、おいて先進技術の研究技術基盤の強化について予算が要求されている。

2 技術基盤の強化等

(1)技術基盤の強化

戦略的に重要な装備・技術分野において技術的優越を確保するため、新たな領域に関する技術や、人工知能等のゲーム・チェンジャーとなり得る最先端技術を始めとする重要技術に対して重点的な投資を行う。


◆将来的に有望な技術分野への重点的な投資

中長期技術見積り(平成28年度8月公表、現在見直し中)に基づく重点的な研究を推進具体的には、研究開発ビジョン(令和元年8月公表)において示した以下の取組を実施

電磁波領域の取組

○ 電磁波情報の可視化による電磁波管理支援技術の研究(再掲)
○ EMP攻撃等からの防護手段の検討(2億円)
電子機器等を構成する素子や回路といったレベルにおける電磁防護対策の効果をEMP評価装
置を用いて検証し、装備品共通の防護対策のガイドラインを作成
※EMP:Electro-magnetic pulse 電磁パルス

■宇宙を含む広域常続型監視の取組

○ AIを活用した電波画像識別技術の実証研究(9億円)

常時継続的な情報収集・警戒監視活動等を効率的に実施するため、レーダ画像の目標識別への人工知能(AI)の適用を実証

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   AIを活用した電波画像識別技術の実証研究(イメージ)

○ 高感度広帯域な赤外線検知素子の研究(再掲)

■サイバー防衛の取組

○ 装備品内部の情報処理機能を標的としたサイバー攻撃へ対処する技術の検討(1億円)

■水中防衛の取組

○ 潜水艦の総合的な能力評価シミュレータの研究(21億円)

様々な環境下における将来の潜水艦の能力を定量的に評価できるモデリング&シミュレーション技術の研究を実施

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   潜水艦の総合的な能力評価シミュレータの研究(イメージ)


スタンド・オフ防衛能力の取組

○ 島嶼防衛用高速滑空弾の研究(285億円)
島嶼防衛のため、高速で滑空し、高精度で目標に命中する高速滑空弾について、早期装備化に向けて引き続き研究を推進


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   イメージ図は研究開発ビジョン p4 より

宇宙を含む広域常続型警戒監視
研究開発ロードマップ

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■主な研究開発の進め方

電波及び光波センサーに関係する素子、デバイス、信号処理等の技術は日進月歩であることから、本研究開発ビジョンで示したコンセプトやロードマップについても技術の進展等に応じて適宜見直すこととする。戦略的に重要な技術分野における最新の研究開発は、我が国の技術基盤の育成・強化や優位性のある装備品の創製に繋がるものと期待される。

効率的・効果的な広域常続型警戒監視の実現のためには、センサー技術の獲得と合わせて、センサーを搭載するプラットフォームを構成する技術並びに入手したセンサー情報の統合・共有・蓄積等の指揮統制通信に関する技術の進化も必要であるとともに、センサーを用いた捜索方法等の運用に関する事項の検討も必要であることから、センサー技術に関する研究開発は、関連する技術分野の研究の進展及び運用の検討と歩調を合わせて実施する。

人工知能、量子コンピュータ・センシング・通信といった量子技術等の将来のゲーム・チェンジャーとなりうる技術は、ボーダレス化・デュアルユース化が進展し、特に民生分野において進展が速いことから、国内外の技術の進展に合わせて、継続的な技術向上及び最先端技術の反映に努める。

技術獲得の流れ
 
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現実が考えられる将来装備品のイメージを示すものであり、開発予定を示すものではないと注意書きが書いてありましたが、短期的には, 代表的なものとして、, MIM0レーダ1:一や2 波長赤外線センサ一等の中核技術を確立。 その後、センサーの高機能化、搭載性向上等の取組により、監視領域の拡大や搭載ぷラットホームの多様化を通じ先進的な分散探知を実現し、下図のような無人機を含む多数のプラットフォームを組み合わせて、脅成下を含む広大な工リア・ ドメインにおける多種多様な目標に対する効率的な常続的警戒監視を実現する。

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宇宙等に関する政府・諸外国等の動向を注視

宇宙空間の探査及び利用などを規定した「宇宙条約」などの既存の枠組みにおいては、宇宙物体の破壊の禁止やスペースデブリ発生原因となる行為の回避などに関する規定がないため、近年、宇宙活動に関する行動規範や「宇宙活動の長期的持続可能性」についてのガイドラインの策定に向けた国際的な取組が進められているが、政治的な対立やガイドラインの採択方法を巡る意見の隔たりにより最終的な合意には達していない。宇宙における広域常続型警戒監視の実現に当たっては、こういった国際的な取組について注視していく必要がある。また、人工衛星を利用した海洋の監視(MDA:Maritime DomainAwareness)については、政府全体における検討に関与し、MDAの能力強化及び施策の推進に寄与する。

レーダー等のセンサー、通信機器及び電子妨害用の電子戦機器といった電磁波を利用する電子機器については、オープン・アーキテクチャやモジュール化といった考え方に基づく技術標準が米陸軍等で作られ、機器の共通化・多機能化、異なる企業の装備品間の接続の容易化、開発サイクルの短縮化等が進められている。我が国においても、諸外国における電子機器の標準化動向を注視し、装備品の迅速な機能追加・能力向上と装備品の取得コスト抑制という相矛盾する要求を解決する方法を検討していく必要がある。

残念ながら、読売のリーク記事にあるようなキラー衛星の整備といった積極的宇宙防衛兵器の予算要求や、研究開発は公表されませんでした。

しかしながら、JAXAや理化学研究所において宇宙空間でのスペースデブリ障害物の除去研究が国の予算で行われております。


 JAXA>研究開発部門>宇宙活動の安全確保

 理化学研究所>広報>高強度レーザーによるスペースデブリ除去技術

現在JAXAや理化学研究所などで行われている研究は将来的に、キラー衛星や、弾道ミサイル防衛用に応用することが可能である。そのためには、どうしても憲法の改正が行われるべきであると思います。

2015/4/25(土) 午前 9:34 http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/39357245.html



  概算要求の概要 P6

(2)サイバー領域における能力強化

○ サイバー防衛隊の体制拡充(約220名→約290名)
サイバー防衛能力の更なる強化を図るため、陸海空自衛隊の共同の部隊であるサイバー防衛隊を約70名増員image187

○ 陸自サイバー防護隊(仮称)の新編
陸上自衛隊が管理するシステム・ネットワークを、より効果的に防護する態勢を構築するため、陸上総隊隷下のシステム通信団にサイバー防護隊(仮称)を新編

サイバーに関する最新技術の活用

○ サイバー情報収集装置の整備(32億円)
防衛省・自衛隊に対するサイバー攻撃手法等に関する情報収集を行うため、サイバー情報収集装置を整備

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   サイバー情報収集装置(イメージ)


○ サイバー攻撃対処に係るAI適用システムの設計(0.3億円)
不正メール等の自動判別や脅威度の判定にAIを活用

○ ネットワーク機器等のサイバーセキュリティに関する調査研究(0.7億円)
5Gを見据え、防衛省・自衛隊で使用されるネットワーク機器等に必要なサイバーセキュリティ対策についての調査研究を実施


サイバー人材の確保・育成

○ 米国におけるサイバー戦指揮官要員の教育(0.4億円)
サイバー戦における指揮官の意思決定要領等に関する知見を習得するため、米国防大学等の教育課程を受講

○ 陸自通信学校及び高等工科学校におけるサイバー教育に係る体制整備
サイバー人材を安定的に確保・育成するため、①陸自通信学校に陸海空自衛隊共通のサイバー教育を担任するサイバー教官室(仮称)を新設するとともに、②陸自高等工科学校にシステム・サイバー専修コース(仮称)を新設(令和3年度を予定)するための所要の体制を整備

○ サイバーコンテスト(“MOD-CTF”(仮称)(注))の開催(0.2億円)
民間人を対象としたサイバーコンテストを開催し、高度サイバー人材を発掘
(注)Ministry of Defense - Capture the Flagの略 (Capture the Flagは「旗取り合戦」の意)


システム・ネットワークの充実・強化

○ 防衛情報通信基盤(DII)の整備(クローズ系)(76億円)
内部侵入等によるサイバー攻撃からの防護のため、防衛情報通信基盤(DII)のクローズ系システムを整備

○ システム・ネットワーク管理機能の整備(12億円)
陸上自衛隊が運用する全てのシステム・ネットワークの状況を一元的に管理し、所要のセキュリティ対策を効率的に実施するシステムを整備

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    システム・ネットワーク管理機能の整備(イメージ) 


30大綱には、「サイバー領域を活用した情報通信ネットワークは、(略)常時継続的な監視能力や被害の局限、被害復旧等の必要な措置を迅速に行う能力を引き続き強化。また、有事において、我が国への攻撃に 際して当該攻撃に用いられる相手方によるサイバー空間の利用を妨げる能力等、サイバー防衛能力の抜本的強化を図る。その際、専門的な知 識・技術を持つ人材を大幅に増強する。とされている。
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   サイバー防衛の強化を図る上での課題 

【全般】 
 サイバー攻撃には、情報通信ネットワークや情報システム等の悪用により、サイバー空間を経由して行われる不正侵入、情報の窃取、改ざんや破壊、情報システムの作動停止や誤作動、不正プログラムの実行やDDoS攻撃(Distributed Denial of Service Attack)等が存在。防衛省・自衛隊のネットワーク及びシステムにサイバー攻撃が行われた場合には、自衛隊の運用継続に大きな影響を与える可能性があり、対応策の内容は重要な課題となっている。
 また、30大綱に示されたとおり、有事においては我が国への攻撃に際して、当該攻撃に用いられる相手方によるサイバー空間の利用を妨げる能力の獲得も喫緊の課題である。
【技術】
 防衛省・自衛隊においてはシステムをインターネットに接続するオープン系と接続しないクローズ系に分け、サイバー防衛隊及び各自衛隊のシステム防護部隊によって、常時システム及びネットワークを監視・防護している。その一方で、近年、標的型攻撃やゼロデイ攻撃のように、ファイアウォールやマルウェア対策等の従来の未然防止対策をすり抜ける攻撃手法が増加。また、インターネットに接続しないシステムへの攻撃成功の事例も報告されている。
 それに伴い、防衛省・自衛隊においても、使用システムを長期間停止させないために、「未然防止対策」と仮に攻撃を受けた場合においても、いち早く発見・対処する「運用継続対策」を両立させ、システムの抗たん性を向上させることが重要となっている。

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主な研究開発の進め方と効果

 防衛省・自衛隊にとっても、サイバー空間の安定的な利用が必要不可欠となっており、システムの特性上、長期間停止させられないため、未然防止対策と運用継続対策を両立させる必要がある。
 未然防止対策のうち、民生分野との共通技術については、先進的な民生技術の積極的な活用により必要な技術を獲得する。一方、未然防止対策のうち、市場からの調達が困難な装備システムサイバー攻撃対処技術、脆弱性調査技術及び妨げる能力に資する技術や、運用継続対策については、防衛省・自衛隊に固有の要求があるため、研究開発を通じ技術を戦略的に獲得する。
 人工知能、量子コンピュータ・センシング・通信といった量子技術等の将来のゲーム・チェンジャーとなりうる技術は、ボーダレス化・デュアルユース化が進展し、特に民生分野において進展が速いことから、国内外の技術の進展に合わせて、継続的な技術向上及び最先端技術の反映に努める。

国内外のルールの動向を注視

 サイバー攻撃事案への国際法の適用に関して、明確なルールは存在しない。サイバー空間に関する定義も各国で異な る。サイバー攻撃と自衛権の関係については、これまで国際的な場において様々な議論が行われてきた。
 これまでのところ、サイバー攻撃のみをもって「武力攻撃」に該当するか否かについては、国際的にも様々な議論が 行われている段階。政府としては、どのようなサイバー攻撃であれば、それのみでも「武力攻撃」と評価できるかに ついて、今後とも、サイバー攻撃をめぐる情勢や国際的な議論を踏まえつつ、検討を進めていく考え。
 組織としての対応方針、法的認識を整備する上で、国内外のルールの動向を継続的に注視する必要がある。
 情機を踏まえたうえで、研究開発を進めていく。
 
概算要求の概要 P7

(3)電磁波領域における能力強化

我が国に侵攻する相手方のレーダー等を無力化する装備の研究開発

○ スタンド・オフ電子戦機の開発(207億円)
効果的な電波妨害を実施することにより自衛隊の航空作戦の遂行を支援する、スタンド・オフ電子戦機を開発

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   スタンド・オフ電子戦機の開発
○ スタンド・オフ電子戦機の開発(再掲)
開発にあたっては、段階的な開発を取り入れ、早期装備化を図る併せて、大規模改修を行うことなく新規装置等の取り付け等が実施できるよう、電子戦装置のサイズ、電源、冷却能力、ソフトウェア等の設計を行い、将来の能力向上等における開発期間・経費を低減する。

○ 対空電子戦装置の研究(38億円)
陸上から電波を放射し、我が国に侵攻する航空機のレーダを無力化する装置を取得し研究

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    対空電子戦装置(イメージ)

■我が国に対する侵攻を企図する相手方からの電磁波領域における妨害等に際して、その効果を局限
する能力の強化

○ 戦闘機(F-35A)の取得(3機:310億円)
電子防護能力に優れたF-35Aを取得し、航空優勢を確保その他関連経費(整備用器材等)として、別途482億円を計上

戦闘機(F-35B)の取得(6機:846億円)
電子防護能力に優れたF-35Bを取得し、戦闘機運用の柔軟性を向上
その他関連経費(整備用器材等)として、別途236億円を計上


○ 戦闘機(F-15)の能力向上
F-15を能力向上させ、電子戦能力等を向上
※事業全体の詳細はP13参照

○ ネットワーク電子戦システムの取得(1式:104億円)
電波の収集・分析及び通信の無力化により、作戦を有利に進めるため、陸上自衛隊のネットワーク電子戦システムを整備

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      ネットワーク電子戦システム

電子戦部隊の体制強化

○ 新たな電子戦部隊の新編
電磁波領域における作戦能力を強化するため、陸上自衛隊にネットワーク電子戦システムを導入して、電子戦部隊を新編


○ 情報部隊等の改編(艦隊情報群(仮称)の改編)
電磁波情報を含む情報分析機能強化のため、海自「情報業務群」を「艦隊情報群」(仮称)
に改編


■電磁波に関する情報の収集・分析能力の強化



○ 艦艇用の電波情報収集機器の能力向上に関する研究(7億円)
電波情報自動識別能力に優れた艦艇用の電波探知装置と電波管理装置を参考品取得し、艦艇の電波情報収集能力の向上に向けた研究を実施

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      艦艇の電磁波領域能力の向上に向けた研究

磁波管理能力の強化

○ 電磁波情報の可視化による電磁波管理支援技術の研究(9億円)
電子戦等を効果的に遂行し得るよう、電磁波の利用状況を把握し、可視化に資する電磁波
管理支援技術の研究に着手


■訓練演習、人材育成

○ 英海軍が実施する図上演習への参加(0.6百万円)
英海軍が実施する電磁波領域を含む総合演習に参加

○ 電子戦教育装置の換装(2億円)
電磁波領域の能力の維持・強化のため、航空自衛隊の電子戦教育装置の換装に着手し、効率的な人材育成を図る


○ 米国の電子戦教育課程への要員派遣(4百万円)
米国で実施する電子戦運用幕僚課程に航空自衛隊の要員を派遣し、電子戦運用に関する
指揮・統制能力を習得

諸外国における電子戦に関する認識・取組

現代戦は、情報通信技術(ICT)の進展等に伴い、陸・海・空・宇宙・サイバーといった活動ドメインを問わず、また指揮統制、機動、攻撃といった活動の種類によらず、電磁波の利用への依存度をより高めている。

このような状況の中、近年諸外国では、電磁波の利用を阻害する取組を推進し、一部の国は、実戦において高い電子戦能力を示している。

image229ロシアは、軍近代化の結果、ウクライナ危機の際に電子戦により無人航空機(UAV)等の活動を妨害し、ウクライナ軍の戦力発揮の妨害に成功したと言われている。またシリアへの軍事介入の際にも、クラスハ-4と呼ばれる電子戦システムを活用し、西側諸国による飛行禁止区域の設定を効果的に排除したと言われている。

シリアで使用されたとされるロシアの電子戦装備「クラスハ-4」

中国は、2015年に設立された戦略支援部隊が、宇宙・サイバー・電子戦に関する任務を負うと指摘されている。

また電子戦機の活動も活発化しており、我が国周辺においても、2017(平成29)年7 月に初めてY-8 電子戦機が確認され、その後も東シナ海周辺で活動する電子戦機がたびたび確認されている。

米国は、2013年に電磁スペクトラム戦略を、2014年に電子戦政策を発表し、電磁波利用に関する柔軟性等の確保と電磁優位の確保のための取組を進めてきていたが、近年の諸外国等における電子戦能力の向上の中で、米国の電子戦における優位は厳しく脅かされているという認識が生まれ、米国防省は、電磁波領域を、陸海空、宇宙、サイバー空間と並ぶ領域・戦闘空間として位置付け、あらためて重視していく方針を強調している。


①電磁波の効率的・効果的な活用は現代戦の勝敗を左右する重要な分野
②一部の国が高度な電子戦能力を保有する可能性があり、電磁波利用の阻害は現実的な脅威
③体系的な研究開発の取組の遅れと技術入手の困難性から、諸外国に技術的な差がつけられる可能性
といった理由から、防衛省として解決に取り組むべき技術的課題を整理し、我が国が技術的優越を着実
に確保するための実行可能なロードマップを導出することにより、各種施策を推進する。
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電子戦の技術的進展
 電磁波環境をリアルタイムに掌握し、電子戦統制を図ることにより、迅速で効果的な電子対処を実現することが、将来の戦場における戦闘優位へ直結

適切な電磁波管理下での戦闘において優位を確保するための基幹技術が重要

 対象のレーダー及び通信の効果的な対処には、電子的な防護技術の進展の動向を踏まえた技術の発展が必要 特に、衛星を含めたネットワークによる対象の戦術データリンク網を監視し、有効な妨害をかけることは 将来においても戦闘優位の確保に重要

 民生分野におけるレーザー加工技術の進展により、高出力かつ高ビーム品質なレーザー光源が実現しつつあり、遠方の 目標を破壊可能な高出力レーザーシステムが実現される可能性

 米国において、高出力マイクロ波を照射する無人機(CHAMP)の飛行試験による技術実証に成功したとの報道があり、 高出力マイクロ波兵器は技術的には実用化段階と予測

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        無人機(CHAMP)

 電子戦技術の性能向上には、その評価技術が重要かつ必要不可欠  電子戦に用いられる器材のデジタル化の進展に伴い、ソフトウェアにより多種多様な信号波形を簡易かつ柔軟に生成、 また、動的に変更することが今後一般的となる可能性
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今後の進展の方向性

 戦闘優位を確保するために、レーダー及び衛星を含めた戦術データリンク網を監視し、必要に応じて妨害する技術は、今後も重要

 ネットワークの重要性が高まるにつれて通信波に関する電子的な防護性能も向上しており、対傍受性・耐妨害性・低被探知性を有した通信波へのより高度でスマートな通信妨害手法を確立する必要

 大型機によるスタンドオフ・ジャマー、電波収集機の対極にある、小型無人機によるスタンドイン・ジャマー、電波収集の研究を進める必要

 高速化する航空機やミサイルへの低リアクションタイムでの対処、小型無人機、迫撃砲弾といった大量の低価格な脅威への低コストでの対処といった観点で、高出力指向性エネルギー兵器の実現が必要
 高出力マイクロ波については、対象への効果(対象の脆弱性)を継続的に調査分析・評価する必要
 各種センサーに対する我アセットの低被観測性を向上する必要
 電子対処、防護、支援の遅滞ないサイクルを確立するには、人工知能を活用するなどして相当程度の自動化が必要
 将来の電磁波管理に向けて、効果的なESシステムの検討も必要また、対象とする情報のデータ解析/分析技術の向上も必要
 諸外国装備品のステルス性向上に対応可能な装備品の性能評価技術の向上も必要
 電子戦技術は、民生分野では需要が少ないため、防衛省での積極的な取組が必要

将来鍵となる先進的な電子戦技術

 対傍受性及び対妨害性に優れた戦術データリンク通信を高感度に探知受信・分析後に最適な高出力妨害信号を送信する技術

 対象の通信信号を複製、送信することでデータ誤り等を引き起こす技術

 電波放射局限下での有効な電波収集を可能とする無人機搭載型電波収集システム実現のための低被探知電波収集技術、データ統合技術、小型軽量化技術

 高出力かつ高品質なビームを照射し目標を破壊する高出力レーザー技術

 小型かつ高出力なマイクロ波増幅モジュール技術

 相手からのレーダー波の反射に合わせた自らの放射電波の制御により、電波を打ち消し、ステルス化するための電波制御技術

 遅滞の無い電子戦サイクルを実現するため、処理の自律化・高速化を達成し得る人工知能等関連技術

 レーダー、通信器材及び光波センサーに対し、各器材が連携して動作する状態で、戦闘機等の統合的な電子戦能力を評価する技術

 多様な脅威への対処にも適用可能な高忠実度の評価技術

 バイスタティックレーダーに対するRCS評価技術や屋内実大目標計測技術

 計測結果を反映させた電磁界解析による正確なRCS推定

※バイスタティックレーダー:異なる位置にある送信機と受信機を使用するレーダー
RCS:Radar Cross Section

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今後、高出力指向性兵器と高出力マイクロ波が兵器として主要な地位に立つであろうことが明確である。日本は中国、ロシアや欧州米国に遅れることなく国産兵器を装備できることが、21世紀後半、日本国際的発言力を高めるためにぜひとも必要である。

ドローンやUAVを撃墜するには、タ-ゲッティングして数秒間ポイント照射する必要があり、高出力であればあるほど短時間で長距離の目標を撃破することができます。


現在実用化されている50kw級ではせいぜいドローンや速度が遅い無人機ではあるが、100kw級で巡航ミサイルや大型ドローン、弾道弾や砲弾、SSAやASMを撃墜するのは数百キロ級~1mw級の出力が必要とされている。



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主な研究開発の進め方

 電磁波に関する活動に関係する技術及び運用は日進月歩であることから、本研究開発ビジョンで示したコンセプトやロードマップについても技術の進展等に応じて適宜見直すこととする。戦略的に重要な技術分野における最新の研究開発は、我が国の技術基盤の育成・強化や優位性のある装備品の創製に繋がるものと期待される。

 電磁波に関する活動の確立のためには、技術の獲得と合わせて、電磁波情報の共有、行動の統制・最適化等、陸海空自衛隊の統合運用の深化が必要であることから、研究開発はこういった運用の検討と歩調を合わせて実施する。

 研究開発の実施に当たっては、電子戦評価に関する技術を適切に活用し、より実際に近い環境で装備品の効果を正確にかつ安価に把握することにより、優れた装備品の迅速かつ効率的な開発に努める。

 人工知能、量子コンピュータ・センシング・通信といった量子技術等の将来のゲーム・チェンジャーとなりうる技術は、ボーダレス化・デュアルユース化が進展し、特に民生分野において進展が速いことから、国内外の技術の進展に合わせて、継続的な技術向上及び最先端技術の反映に努める。


サイバー等の関連領域に関する諸外国の動向を注視

 電磁波領域とサイバー空間との関係については、米軍においてCEMA(サイバー電磁活動)※1、EMW(電磁機動戦)※2といった、両者を一体化した考え方が現れるようになってきているものの、世界的には議論されている段階である。諸外国の議論を注視しつつ、電磁波領域とサイバー空間での活動について、今後必要に応じて整理していく。

※1.CEMA: Cyber Electromagnetic Activity ※2.EMW: Electromagnetic Maneuver Warfare

 レーダー等のセンサー、通信機器及び電子妨害用の電子戦機器といった電磁波を利用する電子機器については、オープン・アーキテクチャやモジュール化といった考え方に基づく技術標準が米陸軍等で作られ、機器の共通化・多機能化、異なる企業の装備品間の接続の容易化、開発サイクルの短縮化等が進められている。我が国においても、諸外国における電子機器の標準化動向を注視し、装備品の迅速な機能追加・能力向上と装備品の取得コスト抑制という相矛盾する要求を解決する方法を検討していく必要がある。