Ddogのプログレッシブな日々@ライブドアブログ

政治経済軍事外交、書評に自然科学・哲学・聖地巡礼・田園都市ライフ、脳の外部記憶媒体としてこのブログを利用しています。2020/11/30以前はGoogle検索でキーワードを入れると常に上位にありましたが、日本のトランプ大統領デモを紹介した記事が米国でバズって以降検索アルゴリズムから排除され検索ヒットされにくい状態です。是非ブックマークをお願いします。このブログをご訪問していただいた方の知識や感性として共有できれば幸せに思います。

2009年03月

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①『「資本主義は嫌いですか」副題:それでもマネーは世界を動かす 竹森 俊平 著』を読む-その1

東洋経済2008年経済書ベスト1に選ばれただけのことはある、本当に良書でした。それゆえ図書館で人気が高くなかなか順番が来ずに、漸く順番が回りやっと読み終えました。図書館の順番待ちではなく出版と同時に買うべき1冊でした。次回作は是非とも出版日に買いたいと思います。
【「2008年決定版経済・経営書ベスト100」(週刊東洋経済)】
http://movie.geocities.jp/uwasano_uwasano/touyou-keizaisyo2008-2.html

竹森教授の前著「1997年-世界を変えた金融危機」(朝日新書)にも触れた「リスク、不確実性および利潤」(1921年)の経済学者フランク・ナイトの思想が紹介されている。
【フランク・ナイト】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88
【フランク・ナイトの「真の不確実性」】
http://stojkovic.blog20.fc2.com/blog-entry-1132.html

ナイト教授はミルトン・フリードマンとは対極的な思想の持ち主だった。なぜなら、彼にとって「予想ができない領域」が存在するという事実こそが、経済学にとって一番大切な認識だったからである。
「発生確率が予想できる危険」を「リスク」といい、それが予想できない危険を「不確実性」というというのが、今日の標準的な用語法にもなっている「リスク」と「不確実性」である。

企業家は確率予想のできない危険、すなわち「不確実性」の領域に踏み込むことによってのみ「利潤」を得られる。なぜなら、事業にかかわる危険が、確率予測のできる「リスク」だけであるならば、事業についての収入と生産費の期待値が計算できてしまい、企業間の熾烈な競争が継続する。その結果、平均的には「利潤」は消滅してしまうのである。
平和な時代が続くことにより経済はデフレへと傾くと私(Ddog)は理解した。

それに対して、危険についての確率予想のできない「不確実性」の領域に踏み込むなら、企業家は、時に「利潤」を得られる。(ブルーオーシャン戦略)なぜなら、「不確実性」の領域では、「利潤」についての確率予想も成り立たないから、他の者から見ればあまりに無謀な事業に乗り出している場合には、他の者はその企業家に「競争」を挑もうとしない。それゆえ、その企業家が「莫大な利潤」をつかむということもありえる。

この「不確実性」に挑戦する事で企業家は初めて利潤を手にする事ができることを資本主義の主要な原理として覚えておこうと思う。

ナイトはこれについて面白いことを言っている。予想のできない世界のことなので、あくまでも白分の直感にすぎないと断った上で、彼は、「企業家は平均的には利潤を得る代わりに、損失を被っている」という推測を述べるのである。彼がそう主張する理由は単純明快だ。「企業家とは、本来、自惚れの強い人間がなる職業だから」と言うのである。
ブルーオーシャン戦略は1000円の床屋にその創業者が本を書いて広告が張ってあったが、なるほど「企業家とは、本来、自惚れの強い人間がなる職業」か!その経営者も自分のビジネスモデルを自画自賛していたが、運が良かっただけにすぎない。ホリエモンやヒルズ族はまさに皆自惚れやで愚か者の側面が無ければ企業しないのだろう。日本人に企業家が少ないのも自惚れ屋が生き難い国民性からかもしれない。

本書第Ⅰ部「ゴーンウィズアバブル」で「ミシシッピーバブル」が事例として紹介されていますが、意外と肯定的に捉えています。そして今回のサブプライム・バブルを分析しています。
【ミシシッピー会社事件】
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=167495
【「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」はトンでも本です。-その2】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/19366408.html
P25~26
ところで、2008年6月の英フィナンシャル・タイムズ紙に、イギリス人のジェームズ・マクドナルドという評論家が面白い論説を載せている。「サブプライムは1719年にフランスが発明した」と言うのである。与信審査もろくにしない、本来価値の低い住宅ローンである「サブプライム」を、トリプルAの証券に仕立て上げるアメリカの金融機関の手法が、『サブプライム危機』発生このかたよく話題にされるが、無価値な証券を人気のある証券に転換する「錬金術」を初めて開発したということでは、ミシシッピー会社がそのさきがけだという主張である。
気の利いたことを言うものだと感心する。こういうことだ。ここで「無価値な証券」というのは、ずばりフランス国債である。ルイ14世が乱費をしたせいで、1714年の公債桟高はすでに国民生産の100%を超えていたのである。フランスの財政は、まさに破綻の際に立っていた。1715年のルイ14世の死の直前、政府は800万ルーブルの借り入れをするために、なんとその四倍の3200万ルーブルという額面の手形を発行しなければならなかったという事実も、それを裏書きする。というわけで、情けないことに当時のフランス国債のステータスは、今日のジャンク.ボンドよりも低かった。
それを「人気の証券」に転換する。「人気の証券」とは一体、何かといえば、それはミシシッピー会社の「株式」であった。株式に人気があるということならば、その会社の事業内容が何かが気になるところだろう。先に見たようにミシシッピー会社は仏領アメリカにおける通商権、開発権を独占していた。それを足場にして、「人気株」を大量に発行しては事業権の買収を繰り返し、やがては中国貿易の権利も、インド貿易の権利も、さらにはアフリカ貿易の権利も買い占めた。そればかりではない。タバコの専売権も、いや貨幣鋳造権さえ買い取った。さらにジョン・ロウは、フランス国債残高のすべてをミシシッピー会社が買収するという壮大な計画まで発表していた。まあ・「ミシシッピー会社」とは、フランスという強大な帝国そのものをM&Aによって丸ごと乗っ取るプロジェクトの「コード・ネーム(暗号名)」だったと考えていただければ話が早い。それでともかく、一般大衆はミシシッピー会社の株式を買い、ミシシッピー会社はそれで得た金を使ってフランス国債を買う。これで見事、「ジャンク並の国債」を「人気株」に転換する作戦が成功する。人々が望むならば、フランス国債を使って直接、ミシシッピー株を買うことも認められた。
なるほど、このほうが手っ取り早い。
強国「フランス」の買収という気宇壮大な計画を打ち出すことのほかに、ミシシッピー株を「人気株」にするための絶対の「切り札」が、ロウにはもう一枚あった。つまり、彼は「ミシシッピー会社」の支配人であるだけでなく、「バンク・ロワイアル(王立銀行)」という、彼自ら創設した当時のフランスの中央銀行の総裁でもあったので、紙幣の発行を意のままにできたのである。王立銀行総裁としてのロウは、緩和的な金融政策を実行した。つまり紙幣をどんどん発行して、自分が支配人であるミシシッピー会社の株式が市場で順調に消化されることを援護したのである(それはまるで、グリーンスパンの金融政策を見るようだったと、マクドナルドは皮肉っている)。
最後には破綻したのだが、私は通貨制度において、いかにただの紙切れを価値があるか、この共同幻想がいかに大切であるのか痛切に思う。
P66
経済学説史の最高の権威であるオーストリアの経済学者、ヨゼフ・シュンペーターのロウについての評価を見てほしい。
「私がいつも思うことだが、ジョン・ロウ(1671~1729)は経済学者として『別格』である。金融の詐欺師たちは(しかしこの実務の天才を彼らの一人に数えるのは適当だろうか?)、
時に政治経済思想らしきものを持つこともある。(略)だが、ロウの場合をそれと同等に扱うことはできない。彼は自分の事業計画の経済学的な側面を、実に見事で、しかも深遠な思想で裏打ちした。この思想は彼を『古今東西の第一級の金融理論家』の位置に据えるものである。もし、ロウの行ったさまざまな事業が成功していたならば、一つの大国の経済活動を金融の基盤から掌握し、改革するというロウの壮大な計画(彼の計画の意図を一言で表現すれば、まさにそういうことになる)は、同世代の者や歴史家たちにきわめて違ったものに映っただろう」
一体、ロウの考えのどこをシュンペーターは「深遠な思想」と呼んだのか。「古今東西の第一級の理論家」とまで彼を評価したのは、なぜなのか。答えはロウの抱いていた「管理通貨」の思想にある。つまり、当時の通貨というものは、金や銀のように、人知によって供給量を白由に調整できないものであったのに、ロウは供給量が必要に応じて自由に調整できるような通貨、すなわち「管理通貨」を確立しようと考えたのである。どのようにしたら「管理通貨」を確立できるのか。人類の歴史において、これに対する答えは一つしか提出されていない。「ただの紙切れ」を通貨として用いるのである。
P67
今日ではもちろん、金や銀との見換が保証されない「ただの紙切れ」は、どこの国でも通貨として用いられている。しかるに、「紙幣」とは経済原理からしても、また法律の規定からしても、「国債」と同じように政府の「債務」である。もちろん国債と紙幣の問には大きな違いがある。国債に対して政府は金利を支払わなければならず、満期になれば全額を紙幣で返済しなければならない。それに対して、政府が国民に支払った紙幣に対して、政府がさらに金利を支払う必要はなく、しかも債務としての紙幣には「満期」が存在しない。
「紙幣」はファンダメンタルな価値(ほぼゼロ)と乖離した「バブル」が発生することによって初めて、経済の有用性が発揮できる。「バブルが必ずしも経済的害悪でない」のである。全員で価値があると考えるから価値があることが有用なのであって日銀が管理している間は、政府ではない独立した機関が有効に価値を維持し続けることが出来ると思うが、政府発行紙幣となると危険だと私は思う。短絡的に政府発行紙幣を発行増発すればジョン・ロウと同じ結果を招くことは目に見えている。

少し「金融の仕組みはロスチャイルドが全部作った」の話に戻るが、著者の安倍氏の紙幣に対する考え方は、本書の竹森氏と意見の相違という次元ではなく、明らかに安倍氏の無知か、資本主義を否定する意図的なプロパガンダではないだろうか?悪意がないとすれば安倍氏は竹森俊平氏の著作物を読んでから執筆すべきであったろう。

ちなみに、このジョン・ロウこそが、かのゲーテのファウスト(錬金術師)の悪魔「メフィスト」モデルであったとは知らなかった。ただの紙切れを金にも等しい価値を持つ貨幣に換えたのである。
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為替談議 09/03/28  円高要因としての「日本版HIA」とテクニカル考察

近く1ドル87 円トライの可能性が高まってきたと警告をいたします。

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円ドル為替月足チャート(グラフをクリックして下さい)
http://www.forexwatcher.com/charts.htm

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円ドル為替週足チャート(グラフをクリックして下さい)

週足グラフを見ていただきたい、52 週線が円安局面では支持線となり円高局面では抵抗線となっている移動平均であり、グラフでは現在100.50円/ドル程度に移動平均線はある。また、101 円どころは、1995年4月79.75円の円最高値後、1999年11月101.25円2005年1月101.67円と長期のフシでもありこれ以上の円安ドル高は期待しにくい。円ドルの円高円安それぞれのピークと次ぎのピーク間のリズムは30~39 週間程度のリズムが続いております。※2008年3月1日1ドル=95.77円から39週後12月16日1ドル=87.19円

8月15日110.48円から数えると30週目が3月の第2週、39週目が5月第2週にあたりそろそろ残念ながら円安のピークが到来します。

円高のピークは12月16日(12月第3週目)から数えると、30週目が7月の第3週、39週目が9月第4週にあたり、近く円安は100円に届かず円高傾向のリズムへ入ると考えるべき局面です。その後は8月~9月まで円高が想定されますが、52 週線も低下することも見込み今日の水準97円で計算すると▲10%で87.30円、▲15%で82.45円なので、1ドル=87~82円と計算できる。

まずは昨年12 月16日安値の1ドル=87.19 円をトライとするでしょう。そこで踏みとどまる事ができれば、一旦円高のリズムも止まるかもしれませんが、テクニカル以外の要因では87円を突破してしまう要因が多い。

4月1日からの事業年度に受け取る配当金に適用される、平成21年税制改正案では外国子会社からの配当金に追徴課税をしないことが盛り込まれている。

【平成21年度税制改正に関する経済産業省意見】
http://www.meti.go.jp/topic/data/080827-2-3.pdf

【円高要因としての「日本版HIA」】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/8990146.html

日本企業の海外留保利益は年間2兆円前後増加しており、08年度末の海外留保金は約18兆円となる見通し。今年末の税制改正に盛り込まれ、来年の通常国会で法案が成立した場合、HIAと同様にその3割程度が日本へ還流すると仮定すると、その金額は5兆円強と推計できる。

国内還流(レパトリ)となれば為替レートへ大きな影響を及ぼす。確かに国内に資金需要が無ので、極端な円高は杞憂に終わるとの考え方も成り立つが、金融危機後欧米の金融機関の信用も失墜している現状では一旦国内へ退避する動機もある。

2005 年のブッシュ政権下米国が実施したHIAでは20 円のドル高となった。米国版HIAは時限立法であったが、国内還流が起これば3月5日99.68円から79円へトライする事も十分にありえると考えるべきです。

ガイトナーのバットバンク構想は市場では評価され、NYダウも10000ドルまで戻しそうな雰囲気である。これも実体経済が悪化すれば一時的な現象で終わってしまう恐れも強いが、現在金融不安は一時期よりは後退している。その為、金融不安=ドルの調達市場の機能不全によって、沈んだドル/ユーロであったがユーロ高に転じつつある。

同時に米国の債券利回りも低下しはじめ、金融不安の第二幕が終了したと考えてもいいと思う。

しかし、私は下の記事を読んで不安でいっぱいだ。

【米金融危機の再発防止 09/2/27日経新聞3面】

改革案公表規制強化に転換
【ワシントン…大隅隆】ガイトナー米財務長官が26日発表した金融規制改革案は、従来の規制の死角だった銀行以外の企業や、デリバティブ(金融派生商品)などの新たな金融商品を幅広く監視する一方、経営者の報酬体系見直しの必要性も明記した。金融危機の芽を事前に摘む狙いだが、議会で成案を得るまでの道筋は不透明だ。日本や欧州などのグローバルな規制との調和も課題になる。

今回の改革案は、1929年の大恐慌後の規制見直し以来の約80年ぶりの大改革になる公算が大きい。当時の改革は、預金の取り付けを防ぐために連邦預金保険公社(FDIC)、投資家保護を狙いに証券敢引委員会(SEC)をそれぞれ設置した。

ガイトナー長官は米国の金融システムは「不安定でもろすぎるため、大規模な危機が数年おきに起きる」としたうえで、「多少の規制の見直しではなく、ゲーム(競争)の新しいルールが必要」
と強調した。根底にあるのは、預金を扱う銀行に厳しい規制と保護を与える従来の考え方からの脱却だ。

改革案では、規制対象について「金融システムにとって主要な金融機関と市揚」と定義した。
銀行中心の規制や州単位の規制などを見直し、金融システムに影響の大きい金融機関は銀行だけでなく証券、保険、ノンバンクでも連邦の単一当局が集中監視する仕組みをつくり、システム危機のリスクを縮小する。

様々な監督官庁が入り乱れる規制当局の再編では「独立かつ単独の規制当局が主導する」形が望ましいとの考えを打ち出した。米連邦準備理事会(FRB)に権限を与える案が有力だが明言を避けた。議会では、独立した規制当局に広範囲な権限を与えることへの懸念もあるためだ。

MMF(マネー・マーケツト・フアンド)の監視強化も打ち出した。MMFが銀行の普通預金に相当する機能を担っている米国の市揚実勢に対応した形だが、リーマン・ブラザーズ破綻後に、MMF市場から資金が流出した経験などを踏まえた。ただ、登録制の対象となるヘッジファンドは「一定規模以上」とするにとどまっており、今後の焦点になる。

規制の網を広げる一方で、現行規制の見直しにも着手する。金融機関の自己資本比率規制では、好況時には多額の自己資本積み増しを求める「可変的規制」の導入案の検討も明記した。短期的利益のために経営者が過剰なリスクをとる閤題にも言及し「規制当局が経営幹部の報酬慣行の標準を示すべきだ」とした。危機の芽を初期から摘む監督の考え方も示した。

この改革案は、四月初旬にロンドンで開く20カ国・地域(G20)の首脳会合(金融サミット)でオバマ米大統領か米国案として提示する見通し。オバマ政権は、金融規制見直しに積極的な姿勢をとっているが、ドイツやフランスに比べると、民間の自由度を尊重する構えだ。世界的に競
争力がある米金融業の地位低下につながる懸念があるためで、G20会合でも首脳同士が議論することになりそうだ。

この記事を読む限りでは、ガイトナー長官はプロシクリカリティ(BIS規制など会計上の問題で、貸し出し資産の悪化の為追加融資が出来ない状態のこと)を強めないように配慮していると感じるが、はたして、ポピュリストのオバマ大統領がプロシクリカリティをどの程度配慮するか疑問だ。4月のG20でガイトナーの配慮を考えず、オバマが欧州と妥協して、安易な規制強化が打ち出したら最後、世界経済は万事休す、一巻の終わりです。

安易で過度な金融機関への世界的規制強化が行われるような事があれば、規制強化の結果として、大恐慌時、FRBが愚かにも行った金融引き締めと同じ効果となってしまうのでないかと懸念しています。

金融機関への規制強化=金融引き締め=大恐慌の可能性!があります。オバマが安易に欧州勢と妥協してしまえば、せっかく回復しかけたNY市場も世界経済も灰塵に帰してしまう恐れがあります。

火傷をした金融機関はバブル崩壊後の日本の金融機関を見ればわかると思うが、過剰に慎重になります。なにも規制を強化しなくても、今後欧米の金融機関は十分慎重になると思います。
それゆえ、G20での安易な規制強化には反対なのです。

そして、G20での規制が強化されたとしたら、円高ドル安の号砲と考えるべきです。株式市場市場は世界恐慌突入前の最後の輝きを放ち、やがて漆黒の闇へ堕ちていくような気がしてなりません。
90円の辺りでドルを買った人、逃げておきましょう!(責任は持ちませんが)と書きかけて、
円ドルのシカゴ筋のポジションをチェックしたところなんと、円ショート(円売り)ポジションが増えている!

【シカゴ先物市場建玉推移】
http://www.forexwatcher.com/cmepos.htm
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せっかく円高に注意と書いた文章で私は円高に振れると考えていますが、シカゴ筋は私と考えが違うようだ、シカゴ筋が円ショートとなるとまた難しくなる。つくづく為替の奥深さを感じます。「さあ、どちらさんもヨゴザンスカ!張った!張った!」

※このブログはDdogの個人的意見です、投資等に参考にする場合自己責任でよろしくお願いします。
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⑥「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」はトンでも本です。-その6

WBCも侍ジャパンが優勝し、こんな下らない本に精力を傾けるのもバカらしくなってきましたので、「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」非難は今回で一旦終わりにしたいと思います。

陰謀と言うものは存在すると私は思っていますが、陰謀の主役はあくまでも権力と軍事力を有する国家であると私は考えています。国家の利害と反する行為を、悪の秘密結社が送り込んだ要員によって国家権力が操られていると考えるのは、妄想です。現実的に考えてみてください。もし、仮にそのような事実があれば、野党もしくは政治的対立者の絶好の攻撃材料となってしまいます。

この「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」のP147のルシタニア号事件などは、あくまでも疑惑の対象は米国政府です。ロスチャイルドが計画したものではありません。
【ルシタニア号事件】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%BF%E3%83%8B%E3%82%A2%E5%8F%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6



9.11についても、100%支持はしないし、断定はしないが、当局の関与は疑わしいとは思っている。陰謀は国家が関与するものについては私もすべて否定はしません。

しかし、秘密結社、友愛団体というものは存在するが、秘密結社、友愛団体が国家権力以上の神秘の力を持つという考え方には同意できません。まして、アカデミックな開かれた学会で大天才たちが議論しても、思う様に運営できない経済政策を100年200年前からの陰謀の計画通り進めていると主張する連中は詐欺師だと思う。結果から過程を説明する事は誰でもできることです。「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」が出版されたのは9月30日だが、それまで起きた事をコジツケ説明しているが、既に起きた事を後講釈するのは簡単だ。ところが、出版後に破綻したユダヤ系の投資銀行リーマンブラザーズの破綻を陰謀論者はいったいどう説明するのか?本書の思考回路ではとても説明できないし、予想もされていない。

WikiによればFRBの筆頭株主であるNY連銀の株主構成は以下となっている。
ニューヨーク連邦準備銀行株の大株主株式保有比率は 
Chase Manhattan Corp.(Chemical+Chase) 32.35% 
Citibank,N.A. 20.51% 
Morgan Guarantry Trust Co. 8.87% 
Bankers Trust Company 4.86% 
Republic National Bank of N.Y. 4.60% 
Bank of New York 4.46% 
Marine Midland Bank 4.15% 
National West Minster Bank USA. 2.94% 
Midlantic National Bank 2.76% 
United Jersey Bank 0.58% 
Key Bank USA.N.A. 0.08%
リーマンブラザーズはユダヤ系しかもロスチャイルド系で破綻したが、ロスチャイルドが金融を裏から操作しているなら絶対にリーマンの破綻は無かったであろう。
P142~144
FRBの実務は連邦諮問評議会が行う事となっています。連邦諮問評議会は、12の特権的都市にある連邦準備銀行の役員によって選出されますが、役員は連邦準備法により一般には非公開となっています。
そして、米国の金融政策(金利、通貨の数量と価値、および債権の販売等)は、すべてニユーヨーク連邦準備銀行が決定することになっています。
そのニユーヨーク連邦準備銀行設立時の株主は、ナショナル・シティ.バンクやファースト.ナシヨナル.バンク、ナシヨナル・バンク・オブ・コマーススなどの銀行でしたが、これらの銀行の株主を調べると-
ロスチャイルド銀行(ロンドン)
ロスチャイルド銀行(ベルリン)
ラザール・フレール(パリ)
イスラエル・モーゼス・シフ銀行(イタリア)
ウォーバーグ銀行(アムステルダム)
ウォーバーグ銀行(ハンブルク)
'''リーマン・ブラザーズ(ニューヨーク)'''
クーン・ローブ商会(ニューヨーク)
ゴールドマン・サックス(ニューヨーク)
チェース・マンハッタン銀行(ニューヨーク)
モルガンと、ロックフェラーのチェース・マンハッタン銀行を除いて、すべてロスチャイルド系投資銀行が株主で、米国政府は一株も所有していないのです。(ユースタス・マリンズ『民間が所有する中央銀行』秀麗社より)。
だいいちFRBの最高意思決定はFOMC(連邦公開市場委員会)である。FOMCの議事録は公開され、私などもレポートや新聞記事で翻訳されたものを読んでいる。この文章ではNY連銀が大株主なのですべて意志を決定すると思いっ切り勘違いしている!恥ずかしいというより、意図して知らぬふりをしている犯罪だ!それをありがたがって感心する読者もいるのだから、有害図書としか言いようが無い。

昨日のWBCサムライジャパンの優勝に思うにも取り上げたが、もし、WBCの決勝戦が仕組まれていたとでも言い出す奴がいたら一言「つまらない人生だね」と言いたい。あたかも野球の神様がいてあのような場面を演出したのは、神の見えざる手とも思える。また、経済や相場歴史においても、あたかも神の見えざる手に導かれるようなことが数多あります。陰謀論者は神を信じず、ロスチャイルドやイルテミナ、フリーメーソンの陰謀が働いていると錯覚するのと同じです。

経済がシナリオどおり動くなら、誰も苦労はしない。そしてリスクがなければ、誰も儲かりはしない。貿易がなぜ尊い営利行為であるかといえば、リスクを覚悟して大海原へ船出し、人跡未踏の砂漠を越えて品物を運んだからだ。ロスチャイルドだろうが、何だろうがリスクを覚悟して投資しない限り、儲けは無いはずだ。ロスチャイルドがリスク無しで儲けていると宣伝するこの書物は、負け犬に負けた理由は君ではなく、あのロスチャイルドがいけないのが理由だと、その場しのぎの脳内麻薬を与えているにすぎない。

負け犬には、勝つために何がいけなかったのか、どうすればいいのか正しく思考させることを停止させてしまう。また、正しく思考できないから、相場で負ける。負けた理由は陰謀のせい、そしてこのトンでも本を素晴らしいと思い込む。悪循環に陥るだけです。

運よく私のブログにたどり着いた、「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」を信ずる皆さん、是非私の警告を信じて下さい。本書を信頼する方は勉強が足らないのです、毎朝、日経新聞を読み、週刊の経済誌を読み、まともな経済書籍を読みましょう!すぐに本書が本当に下らない本だとわかってくるはずです。


【追加】
Googlで検索すると、本書を評価する記事が圧倒的多数で、私は暗澹たる気持ちとなってしまいます。
日本の経済オタク層は私のようなこのトンでも本を読む物好きはいないのだろう。インテリでも経済をよく知るものが少ないのかわからないが、このように本書を評価する現象は日本の衰退の表れであると私は強く憂います。

ロスチャイルドは典型的な強欲資本主義者であり、強欲資本主義者達は、欲の皮がつぱった人間達の集団であるならば、きれいなピラミッド組織が永年にわたって統制がとれていると考える方がどうかしている。

人間は複数集まればグループを作りお互いに対立するものです。ましてや、強欲資本主義が集まる世界征服を企む秘密組織が集団指導体制などありえない。

陰謀論の中には、イルテミナや、フリーメーソンなどの組織のトップは宇宙人だとか書いてある本もある。起こったことを元に、原因を講釈すると、説明がつかないことに気づいた為に、宇宙人支配説を持ち出さざるをえないと思います。さすがに本書ではそこまで書いてありませんが、これ以上正気でそういった陰謀論者の書いた「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」反論するのが馬鹿らしくなります。

くどいようだが、安倍さんは、金利は元々無いものから取る悪だと言っているが、誰が無利息で人に金を貸すだろうか?利息は悪だそうだ。イスラム教が普及した後中東は何故停滞したか?金利が悪とされ銀行家が育たなかったからだ。近年ようやくイスラム金融が行われるようになった。イスラム金融は利息ではなく手数料を取る事で、宗教の呪縛から逃れ銀行業務を実質行っている。

安倍さんの主張は経済より倫理宗教を優先するイスラム原理主義者のレベルだ!完全に私と価値観が異なる。
安倍さんが理想とする社会は誰も金を借りず、誰も金を貸さない社会なのだろう。私も早く住宅ローンを完済したいものだ。
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今日も、ブログを更新せずWBC関連番組を見続けていました。

原監督のシャンパンファイトの掛け声「本当にお前さん達はね、強い”サムライ”になった!!」なんという名言でしょう。監督が選手を祝福する言葉として愛がこもり、尊敬があり、感謝の念すべて詰っていました。このような労いの言葉をかけらられる、監督(上司)としての原の力量人間性を見直してしまった。

WBC優勝インタビュー&シャンパンファイト

イチローの記者会見は心に打たれました。イチローも神ではなく、天才でもなく、一人の人間であったのだ。生身の人間として苦しみもがき、神経をすり減らしすべてを集中することにより、あの場面で決勝打が打てるのだ。そして私の目にはイチローがツァルトスツラの如き超人、いや神にも見える。「神ロー」の誕生である。


「苦しいところに始まって、苦しさから辛さになって、辛さを越えたら痛みになって、心がね・・・」
記者会見の席でも「痛覚に感じない痛み」「ずっと谷で・・でも最後に山がきて」と本当にイチローは辛かったのだろう。



ナショナリズムとかそんな陳腐な言葉でWBCの日本優勝を表現したくはないが、素直に皆子供もサラリーマンもおじいちゃんおばあちゃん、皆歓喜の声をあげ、感動し、喜び、素晴らしいじゃないか!これをナショナリズムと言わずしてなんと言う!ナショナリズムバンザイ!日本バンザイ!

古代ギリシャが戦争をする代わりにオリンピック競技会を始めた理由が今日は特にわかるような気がします。

国という集団のくくりは、このようなスポーツの祭典でも戦争でも結束する集団的高揚感を味わう脳内麻薬であると思う。そういった脳内麻薬が無くして集団の結束を維持することは容易ではないはずだ。また人間は無意識のに脳内麻薬を欲しているのだとも思う。

戦争に反対し忌避する理性の陰で、無意識のうちに人間には争い戦争を欲し、そして戦争を引き起こす無意識の作用が眠っていると思う。ナショナリズムの高揚感=自己の自我の拡大という脳内麻薬を欲する本能的な行動原理でもあるのだろう。今はスポーツ大会がその代用を担っているのかもしれない。野球、サッカー、オリンピック、まさに国を代表する選手は戦士でありサムライであったのだ。

もし、国という概念が無く、人間の集団が自分達の集団に誇りを持つという行為はありえるのだろうか?
例えば宗教は国としてのナショナリズムの高揚以上の高揚感を広く与える事が可能なのであろうか?
具体的には、米国のユダヤ人は「USA!USA!」のナショナリズムを感じるのであろうか?それともイスラエルに感じるのであろうか?国を亡くし流浪の民であるユダヤ人は強力な宗教をナショナリズムの代用としてきたというが、戦争もせずにナショナリズム民族としての結束を維持し続けることが本当に可能か私には理解できない。ロスチャイルドが、宗教的崇高な目的の為に世界政府を樹立させる民族的ナショナリズムを持続して持ち続けることなど幻想に過ぎないのではなかろうか?(また脱線修正します)

私はかねてより日本の経済の回復、そして日本の未来はどうすべきか?と考えた時。一つの手段としてナショナリズムの高揚による力を使うべきであると考えています。日本および我々日本人が地球を救うという崇高な理想をぶち上げるべきと考えています。日本の技術、文明、環境観、宗教的寛容さと日本が島国で培った高度な閉じた社会としての文明を、広く人類に啓蒙すべきではないかとも考えるのです。

クールジャパンとして世界中から耳目を集めている今、環境問題、技術、文化、宗教、ライフスタイル、サブカルチャーそして日本そのものが21世紀の地球の未来を救い、世界に貢献するんだ!と小泉のようにリップサービスでもいいから大言壮語するトップが欲しい。人間に誇りと使命感を与えれば、誰でも活躍できるものです。ビジネス用語で言えばモチベーションです。今の日本、特に今の青年達には絶望のみで、希望がない。夢でもいいから希望の欠片を振り撒くトップが欲しいところです。そして若者・・若者に限らず日本人に対して愛を持ち、労を労い、リスペクトしてくれるような原監督のような首相はいないものか?

政府は有形の経済対策の他にナショナリズムの高揚ができる政策を立てるべきだと考えていました。ひょっとしたら・・・麻生太郎にその期待をしたのだが、彼は単なる漫画好きでしかなかったのだ。

神は日本に傑出した政治家を与えず我々日本人に試練を与えているのかもしれません。

イチローのあの一打を野球界に授ける為に、野球の神様はイチローに試練を与えたのだ、そして降臨したのだろう。決勝戦延長1.3塁のあの場面でイチローですよ!そして打った!原監督もよくぞ辛抱してイチローを使い続けてくれた。今回のMVPはイチローでもあり何よりもイチローを使い続けた原監督かもしれない。

もし、WBCの決勝戦が仕組まれていたとでも言い出す奴がいたら一言「つまらない人生だね」と言いたい。あたかも野球の神様がいてあのような場面を演出したのは、神の見えざる手とも思える。また、経済や相場歴史においても、あたかも神の見えざる手に導かれるようなことが数多あります。陰謀論者は神を信じず、ロスチャイルドやイルテミナ、フリーメーソンの陰謀が働いていると錯覚するのと同じです。
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軍事関係ブログでは一斉に3/20速報が載り【Ddogのプログレッシブな日々】は出遅れましたが、少々新鮮なF-15SEの画像をお楽しみ下さい。
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アメリカの12の地区連邦準備銀行 
第一地区 ボストン連邦準備銀行 140万株 3.8% 
第二地区 ニューヨーク連邦準備銀行 996万株 27.2% 
第三地区 フィラデルフィア連邦準備銀行 151万株 4.1% 
第四地区 クリーブランド連邦準備銀行 247万株 6.8% 
第五地区 リッチモンド連邦準備銀行 292万株 8.0% 
第六地区 アトランタ連邦準備銀行 341万株 9.3% 
第七地区 シカゴ連邦準備銀行 414万株 11.3% 
第八地区 セントルイス連邦準備銀行 85万株 2.1% 
第九地区 ミネアポリス連邦準備銀行 98万株 2.7% 
第十地区 カンザスシティ連邦準備銀行 137万株 3.7% 
第十一地区 ダラス連邦準備銀行 248万株6.8% 
第十二地区 サンフランシスコ連邦準備銀行 508万株 13.9%
NY連銀の株主構成は、
ニューヨーク連邦準備銀行株の大株主株式保有比率は 
Chase Manhattan Corp.(Chemical+Chase) 32.35% 
Citibank,N.A. 20.51% 
Morgan Guarantry Trust Co. 8.87% 
Bankers Trust Company 4.86% 
Republic National Bank of N.Y. 4.60% 
Bank of New York 4.46% 
Marine Midland Bank 4.15% 
National West Minster Bank USA. 2.94% 
Midlantic National Bank 2.76% 
United Jersey Bank 0.58% 
Key Bank USA.N.A. 0.08%

連邦準備制度は何ですか?

しばしば連邦準備制度理事会か単に「連邦政府」と呼ばれた連邦準備制度は、合衆国の中央銀行です。 それは、より安全で、よりフレキシブルで、より安定した通貨的、そして、財政的なシステムを国に提供するために議会によって作成されました。 数年間、役割は、発展して、広がっています。
連邦準備制度理事会はいつ創設されましたか?
連邦準備制度理事会は1913年12月23日に創設されました、ウッドロー・ウィルソン大統領による 連邦準備法の調印で。 行為は下院Resolution7837としてカーターGlass代表(D-VA)、下院BankingとCurrency委員会の次期会長によって作成されました。

連邦準備制度理事会の責任は何ですか?

今日、連邦準備制度理事会の責任は、4つの通常領域に落ちます:
•完全雇用の追求と居座り相場における経済における金融状態に影響を及ぼすことによって、国の財政政策を行います。 
•国の銀行業と金融システムの安全と健全さを確実にして、クレジット消費者の権利を保護するために金融機関を監督して、規制します。 
•金融システムの安定を維持して、金融市場で起こるかもしれないシステミックリスクを含んでいます。 
•公衆、金融機関への米国政府と、そして、国の支払いシステムを操作する際に大きな役割を果たすのを含む外国公式の団体に、ある金融サービスを提供します。 


連邦準備制度はどのような制度ですか?

連邦準備制度は、議会に経済と経済活動のときにオンの広い見解をそれに与えるように国のすべての部分で構造を設計させます。 それはワシントンDCで中央の、そして、政府の政府機関(知事のBoard)で基本的に構成された連邦制であり、12の地方の 連邦準備制度理事会は、国中に大都市に位置する、バンクスです。 これらのコンポーネントはある金融機関を監督して、規制することに対する責任と活動を共有します。 預金受入れ金融機関と、そして、連邦政府への銀行業務を提供するために。 そして、消費者がバンキングシステムとの彼らのビジネスで適切な情報と公正な処理を受け取るのを確実にするために。
Systemの主要な部品は連邦公開市場委員会(FOMC)です。(その連邦公開市場委員会は、順番制で勤める、知事のBoardのメンバー、ニューヨーク連邦準備銀行の社長、および他の4連邦準備制度理事会バンクスの社長で構成されています)。 FOMCは公開市場操作、どれがお金の市況に影響を及ぼすのに連邦準備制度理事会によって使用されたメインツールであるか、そして、および金融の成長を監督します。

だれが連邦準備制度理事会を所有していますか?

連邦準備制度は、だれによっても「所有されない」で、また営利機関ではありません。 代わりに、公共の目的と個人的な局面の両方を持っていて、それは政府の中の独立実体です。
国家の中央銀行として、連邦準備制度理事会が権威に米国議会に由来しています。 決定が政府の幹部社員か立法部門で社長か他の誰によっても批准される必要はないので、それは 独立している中央銀行であると考えられています、そして、議会によって当てられた基金を受けません、そして、知事のBoardのメンバーの用語は複数の大統領の、そして、議会の期間、わたります。(議会は定期的に活動を見直します)。しかしながら、連邦準備制度理事会は、議会で見落としを受けることがあって、法令から責任を変更できます。 また、連邦準備制度理事会は政府によって確立された経済と財政方針の総合的な目的の枠組みの中で働かなければなりません。 したがって、連邦準備制度理事会が「政府の中で独立している」と、より正確に記述できます。
12の地方の連邦準備制度理事会バンクス。(国の主要なバンキングシステムの操作兵器が組織化された多くが私法人が好きです--ことによると「所有権」に関して何らかの混乱に通じるということであったので、そのバンクスは、議会によって設置されました)。 例えば、加盟銀行への株のReserveバンクス問題株。 しかしながら、準備銀行株を所有しているのは民間企業でストックを所有するのと全く異なっています。 Reserveバンクスは利益のために操作されません、そして、法によって、ある在庫量の所有権はSystemの会員資格の状態です。 借金の担保として株を販売しませんし、取り引きしませんし、また誓約しないかもしれません。 配当が法で1年あたり6パーセントあります。

どのように連邦準備制度理事会に資金を供給しますか?

連邦準備制度理事会の収入は主としてそれが取得した米国の政府発行有価証券での関心から公開市場操作まで引き出されます。 収入の他の源はSystemによって保持された外貨投資での関心です。 料金は手形交換や、資金移動や、自動化された情報センター操作などの預金受入れ金融機関に提供されたサービスのために受信されました。 そして、ローンのときに、貯蔵所に団体の関心を集めてください(レートはどれがいわゆる割り引きであるかに関して評価します)。 費用を支払った後に、連邦準備制度理事会は、収益の残りに米国国家財政委員会に引き渡します。

議会は、なぜ連邦準備制度理事会に比較的独立していて欲しかったですか?

連邦準備法を形成することにおける議会の意図は、財政政策に政治を入れないようにすることでした。 Systemは政府の他のブランチと政府機関から独立しています。 それは、自己に融資されて、したがって、議会予算編成を受けることがありません。

連邦準備制度理事会が責任を行う際にかなりの思慮深さを持っているので、それはだれに責任がありますか?

議会には連邦準備制度理事会の究極の責任があります。(いつでも、それは、 連邦準備法を修正できます)。 法律はそれを必要とします。 毎年の衆議院議長への活動に関する連邦政府レポート、および 毎年の議会の銀行業委員会への財政政策のためのプランに関する2倍。 また、要求されると、連邦政府の職員は議会の前で証言します。
財政的な責任を確実にするために、連邦準備制度理事会バンクスの財務表と知事のBoardは毎年独立している社外監査役によって監査されます。 さらに、政府Accountabilityオフィス、およびBoardの監察総監室は連邦準備制度理事会活動を監査できます。

連邦準備制度とReserveバンクスは今までに、監査されますか?

知事のBoard、連邦準備制度理事会バンクスと全体で連邦準備制はいくつかのレベルの監査とレビューをすべて被りやすいです。 連邦政府のBanking Agency会計監査法(1978年にPublic法95-320として制定される)では、政府Accountabilityオフィス(GAO)は連邦準備制度理事会活動の頻繁なレビューを行いました。(それは、合衆国会計検査院長が連邦準備制度を監査するのを認可します)。 さらに、Boardの監察総監室(OIG)は、それらのBoard機能がReserveバンクスに委任したのと同じくらい上手にBoardプログラムと操作を監査して、調査します。 完成して活発なGAOレビュー、完成したOIG監査、レビュー、および査定はBoardの Annual Reportに記載されています(2002年前に、レビューはBoardの Annual Reportに記載されました: 予算Review)。
Boardの財務表、およびそれらの声明に影響するその法令との準拠性が、毎年OIGによって保有された社外監査役によって監査されます。 また、Reserveバンクスの財務表は毎年独立している社外監査役によって監査されます。 さらに、ReserveバンクスはBoardによる学年試験を受けることがあります。 Boardの財務表とReserveバンクスへの連結財務表はBoardの Annual Reportで発表されます。

http://www.federalreserve.gov/generalinfo/faq/faqfrs.htm#1
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少々飽きてこられたでしょうが、もうすこしお付き合いを。
300ページの本書は中身が無く初回読了するのに1時間ほどで読みきったが、あまりに「と」論すぎてすべてに突っ込みたくなる。
本書を読む前に、「すべての経済はバブルに通じる」読了後に竹森俊平「資本主義は嫌いですか」副題:「それでもマネーは世界を動かす」を読んだ。ともにこの金融危機に対しての著者の分析した本であるが、この2冊と比べるまでもないが「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」は経済学書ではなく「読み物」にすぎない。

あまりに、軽い!経済学のエッセンスも感じない陰謀論だ。ライトノベルズか携帯小説を読む時と同じ脳細胞のパフォーマンスだ。Ctrl+Alt+Deleteを押してパフォーマンスの脳細胞使用率を確認したら1~2%だった。(これは冗談です)
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「すべての経済はバブルに通じる」「資本主義は嫌いですか」を読んでいるときのDdogの脳内パフォーマンス


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「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」を読んでいるときのDdogの脳内パフォーマンス



【陰謀論という「脳内麻薬」:雪斎の随想録】
http://sessai.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-38de-1.html
「陰謀論」は、人間の「意図」と「結果」が必ず一致するという思考の産物である。
 「陰謀論」は、人間の世界の複雑さを観察することに耐えられない人々こそが、走りやすい代物だといえよう。「複雑な」世界の様相を読む際に単純な「解」を見つけ出して、「俺だけが、『解』を知っている」と思うことは、人々に倒錯した優越感を与えるものである。「陰謀論」が後から後から出てくる背景には、そうした「脳内麻薬」の需要に「陰謀論」が応えているからであろう。
 特に、古今東西、世の中に「苦境」の空気が流れれば、それを「誰か」のせいにしたくなる人々が出てくる。第一次世界大戦後のドイツでは、その「誰か」とはユダヤ人であり、その空気がナチスの擡頭をもたらした。ナチスの擡頭と第二次世界大戦は、古くからの反ユダヤ感情に「ユダヤの連中なら、やりかねん」」といった類の「陰謀論が招いた災厄であった。
いや私の場合、逆に本書を絶賛する知的水準の低い人々を見下すと、優越感という脳内麻薬が分泌されているのかもしれません。なるほど、雪斎殿が指摘する陰謀論者の脳内麻薬に通じるものがある。陰謀論を信ずる人々は経済の仕組みが複雑すぎて理解できないのだ!たぶん、「すべての経済はバブルに通じる」「資本主義は嫌いですか」を読了し理解する能力を持ち合わせていない。(おお!陰謀論者をバカにすると脳内麻薬が分泌される!)

さて、脳内麻薬を分泌させる為、本書に戻ります。

p68~78にわたり初代ロスチャイルド、マイヤー・アシュムル1744年(生まれ)が30歳の時(1774年)秘密会議を行い、世界革命行動計画書を書いたという。
1~25項あるが、知識人であれば1つ2つ読むだけでも十分偽書であると思うだろう。
①人間を支配するには暴力とテロリズムに訴えると最善の結果が得られる権力は力の中に存在している。
②政治権力を奪取するにはリベラリズムを説くだけで十分で考そうすれば有権者の思想のために自らの力、特権を手放すことになり、その放棄された力、特権をかき集めて手中に収めればいい
おいおい!1774年はアメリカ合衆国独立(1776年)前、大英帝国の勃興期だぞ、絶対王政期はテロなどせずとも今日の民主主義が当たり前の時代と異なり、王族を支配すれば簡単に人間を支配でき時代だ、イギリスは古くから議会を持っていたが、庶民院が貴族院に優越するようになったのは1911年にすぎない。絶対的な民主主義が確立するとよくも当時に想像できたものだ。
1774年当時はジョンロックのNatural RightsからLiberalismという新しい考え方が勃興しアメリカ合衆国が独立戦争に動き始めた時期であり、アメリカ独立運動家のワシントンやジェファーソンが大英帝国から見た場合テロリストであった時代だ。フランス革命は1789年です。フランス革命は幸運にも国王側から見たテロリスト集団が国家の転覆になんとか成功したのだが、その事も読みきっていたとは思えない。たとえこのロスチャイルド家が裏で革命を幇助したとしても、フランス革命前、まだアメリカ合衆国が独立できるかどうかもわからない時代、リベラリズムが今日のように確立する前にこの文章が書かれたのは不自然だと、歴史的知識があればすぐ気がつくはずだ。
明らかにこの文章は、アメリカ合衆国が覇権掌握後に書かれた文章であろうと推察します。
特に『⑮我々の力を行使すれば、失業と飢えが作り出され大衆にのしかかる・・・』この文章は、1774年当時フランス革命前の庶民がいかに困窮していたか、18世紀の産業革命における都市の貧困状況を当然知っていれば書くことはありえない一節だ。庶民階級は困窮があたりまえの状況だ、「失業と飢え」を「力を行使して作り出す」そんな発想をする事は、これが書かれたのは大恐慌を脱した頃、豊かな庶民階級が存在する欧米で書かれたものであろうことが読み取れます。(頭悪杉!)偽書です。

よくよく考えると、フリーメーソン(石工ギルドから発展した自由・博愛・平等を謳う親睦団体)とイルテミナ(悪魔崇拝をしていた秘密結社1776年設立)とロスチャイルドの行動計画書はまったく正反対の信条が書かれている。陰謀論者である安倍氏はこのことを踏まえて三位一体と考えること自体矛盾を感じないのであろうか?

フリーメーソンは自由・博愛・平等を愛する団体だが、ロスチャイルドはメーソンに「自由・博愛・平等」を教えてやったと書いてあるが、メーソンは「世界革命行動計画書」が書かれるはるか以前より存在していた。不自然だと思わないのだろうか?
イルテミナの行動原理は、共産主義の原型ではあるが、改革派ユダヤ教の強い信者であるロスチャイルド家当主が無宗教論者(=西欧では悪魔崇拝とされる)を援助するとは到底思えない。イルテミナの主張は共産主義に通じるが、ユダヤ教信者がロシア共産主義国家を創造するとは思えない。陰謀主義者はメーソン、イルテミナ、ユダヤの伝統を引き継ぐロスチャイルドを三位一体で時として混同して悪役に仕立てる。実際はそれぞれの主張に隔たりがあり、陰謀論者の主張は矛盾だらけである。

中には、ロスチャイルド、ロックフェラーなどの巨大財閥のバックには、イギリス王室、オランダ王室などが陰謀の主体であるという考え方や、 ロスチャイルドとロックフェラーの対立説の関係について諸説がある。思想面で考えると、王室の地位を危ぶませるフリーメーソンを王室が容認することはなく、メーソンとユダヤ財閥の関係も怪しくなる。

本書P109~110では、1948年マルクス、エンゲルスの共産党宣言はユダヤ人の国家に属さない思想を実現したとしてプロレタリア(労働者階級)を指導するユダヤ人と書いている同じp110で、1848年ロスチャイルドに繋がる200家族が、フランス銀行、フランス産業界が独占されると書いている。この安倍氏は、手当たり次第に陰謀論を信ずるあまり、思想的矛盾は一切関係なし、私の如き凡人にはこの矛盾の整合性はとても理解できない。世界の歴史はユダヤ人がすべて動かしていると考えれば矛盾しないとでも思っているようだ。安倍氏にとってロスチャイルドは神の如く神秘のスーパーパワーを有していると言っているのに等しい。 

1870年に第一次世界大戦から第三次世界大戦の100年後の計画が立てられたと主張していますが、到底信じられません。この30年後日本がロシアに勝利するようなことすら、1870年に予想していたとすることは到底不可能、1848年独逸は統一され、鉄血宰相ビスマルクの時代ではあったが、戦争は外交の延長線上にあり、国家総動員の世界大戦という概念は存在していなかった。陰謀論者の妄想にはあきれ返る。

さてp132で銀行家達の私有銀行FRBとのことですが、FRBのホームページにFRBの設立の趣旨、詳細は説明してあり。

設立に当たり、抜き打ちで行われたことは事実であるが、1776年の建国以来、アメリカ合衆国では度々中央銀行の設立の試みはあったものの、州の独立性が損なうことを理由として、反対され、列強の中で唯一中央銀行は成立せず、個々の銀行等が金準備を使って紙幣を発行していた。しかし、中央銀行が無い通貨は信用されず、1907年にロンドンでの米銀の手形割引拒否に端を発する恐慌が起き、アメリカ合衆国内の決済システムが混乱した。その対策として、J.P.モルガンやポール・ウォーバーグ、ジョン・ロックフェラーの後ろ盾の下に、1913年に、ウッドロー・ウィルソン大統領がオーウェン・グラス法に署名し、同年多くの上院議員が休暇中の12月23日に、ワシントンD.C.に駐在する連邦準備制度理事会と12地区に分割された連邦準備銀行により構成される連邦準備制度が成立した。これは事実である。

そういった経緯から、国家に対し独立性を保つ為政府が1株も持たない中央銀行として設立されたのだが、中央銀行を設立しなければ、今日の米国の繁栄は無く、覇権も握っていなかったであろう。

中央銀行が設立されるのは経済学的に合理的判断で、FRBが陰謀の所産である考え方にはまったくの誤解であり、不合理な考え方である。

さらに、FRBが存在しなければ、米国は1971年のニクソンショックの頃には崩壊していた可能性すらある。特に今金融危機はFRBが最後の資金の出してとして存在しなければ、米国の文明社会は崩壊していたであろう。

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米シティグループ、1-2月は営業黒字 CEOの内部メモで明らかに
http://www.afpbb.com/article/economy/2580435/3901081
【3月11日 AFP】経営難に陥っている米金融大手シティグループ(Citigroup)は、前年の赤字から一転して、今年1-2月は営業黒字を確保する見通しだという。AFPが10日に入手した、シティのヴィクラム・パンディット(Vikram Pandit)最高経営責任者(CEO)による内部メモで明らかになった。

 パンディットCEOはメモの中で、「シティは09年1-2月に収益をあげている。それも07年第3四半期以来、最も好調な四半期業績となる見込みだ」と述べている。この2か月の収入は190億ドル(約1兆8800億円)以上だという。

 パンディットCEOは一方で、「四半期決算にはもう1か月残っている。市場の動向次第で結果は変わってくる可能性もある」と語り、慎重な姿勢も示した。

 シティはこれまで、5四半期連続で赤字を計上している。かつて世界最大の金融機関だったシティは、不動産市場の崩壊や金融危機などで大打撃を受け、現在は米政府から公的資金による資本注入を受けている。(c)AFP
この記事は、NY市場と東京市場の株価とドルの長い暗いトンネルを抜け出す号砲となった。

だから株や経済は面白い、陰の極で迷いながらも人とは逆に株を買う、人が有頂天になっている時に株を売る。人間の心理を観察する楽しさ、勉強すればした分だけ、この世の中の仕組みを理解することができる。世の中の流れを読む痛快さ、今の世界はエキサイティングで知的刺激に満ちている!

この世の中は、ユダヤだのイルテミナだのに支配され自分達は騙され続けていると信じている、無能な陰謀論者達には、この知的ゲームの楽しさ醍醐味は一生味わえないだろう。

目先は完全に流れが変わりましたが、けして手放しで喜ぶことはできません、先日のG20は何事も無く、纏まらずにほっとしたのですが、4月のG7如何によっては恐慌突入の可能性を残しているからです。

恐慌の定義として信用の悪化が懸念されます。米金融機関については最悪期を脱したが、ビックスリーの去就は予断を許さない。オバマ政策の不手際の懸念については強く持っています。麻生政権に至っては、言語道断。もし、効果的な経済対策をするのであれば、まず与謝野を切り、消費税を引き下げるべきである。

オバマ政権と麻生政権、4月2日のG7に運命はかかっているのです。

私は、グルーグマンが本当にケインジアンアかどうかは別として、ケインジアンをあまり信用していません。どちらかといえばフリードマンとその弟子であるバーナンキFRB議長のマネタリスト派を信じています。

かつて、当時FRBの理事であった現バーナンキ議長はフリードマンの90歳の誕生日のスピーチでフリードマンを讃え、「貴方の大恐慌の分析は正しかった、FRBは利上げをしてしまい恐慌を引き起こしてしまった。しかし、貴方のおかげで二度と恐慌下で金利を引き上げる過ちを起こさないだろう」と、述べた。
http://www.federalreserve.gov/BOARDDOCS/SPEECHES/2002/20021108/default.htm
私(Ddog)はバーナンキがFRB議長である限り恐慌は起きないと思っています。(グールーグマンがなったら即、恐慌突入でしょう。)
しかし、G7やG20で、世界的な過度な金融機関への規制強化が行われるような事があれば、規制強化の結果として、大恐慌時、FRBが愚かにも行った金融引き締めと同じ効果となってしまうのでないかと懸念しています。金融機関への規制強化=金融引き締め=大恐慌の可能性! グルーグマンあたりが安易に口に出してはいるが、陰謀論者の諸君が望む国際金融機関を規制することは大恐慌の引き金を引く事と等しい!マーケットがとんでもないことになってしまう恐れは残っています。G7やG20あるいはサミット等で安易な規制強化を妥結してしまうリスクはまだ高い。

安易な金融規制の強化を行えばNY市場の株価がここから1/4となる可能性すらある。6000ドルをこの秋から来年にかけ6000ドルを割るか否かが目安ではないか、高値からの58%調整が、大恐慌を除く過去の大きな調整場面での下値目処となり、それを割り込めば恐慌突入の可能性がある。。

日銀の白川総裁はその点非常に注意深く、私を安心させる考え方を持っている。
【「金融危機への対応:日本の経験と現在のグローバル金融危機」】
http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/ko0902c.htm

自己資本の厚みは、本来、当該企業の収益の成長性に関する市場の期待を反映しているはずです。しかし、国が政策目的で行った資本増強は将来の損失バッファーとなるという点では民間ベースで調達された資本と変わらないものの、将来の成長に期待してリスク・マネーを投じるという民間ベースの資本とは違った動機があります。また、会計上表れた自己資本比率の高低のみをもって金融機関の健全性を判断する傾向――換言すれば、将来の成長可能性ではなく将来の損失許容力で判断する傾向――が強まれば、健全であるが故に公的資本を受け入れていない金融機関が、健全でないが故に公的資金を受け入れた金融機関に比べ、自己資本比率が低いという理由で、競争上不利な立場に置かれるという逆説的な事態が発生することにもなりかねません。さらにこうした事態を避けるため、多くの金融機関が一斉に規制上の自己資本比率の引き上げを図ろうとすると、実体経済活動がさらに悪化することにもなりかねません。今後、金融機関の規制・監督を見直していく際、自己資本比率規制のあり方は極めて重要な論点ですが、そうした一般的な論点とは別に、金融危機時においては自己資本比率規制の枠組み自体がプロシクリカリティを強めないように配慮することも必要となります。
※プロシクリカリティ=BIS規制など会計上の問題で、貸し出し資産の悪化の為追加融資が出来ない状態のことを指します。

日米は、安易な金融機関の規制強化に反対なので、恐慌突入は回避できると考えていますが、欧州では怒りに任せて金融規制を強化の動きが見え、どうなるか予断を許さない。

もし、恐慌回避ができたのなら、目先株価は回復期に入った可能性は高い。日経平均9200円(26週線)戻りが目処か?

市場では今も悲観論があふれて、投資家が投資行動を起こそうとすれば超悲観論が流される。日本の黒字企業だけをみればPERは15倍程度のものがごろごろしている。このおいしい魚を外国人投資家がねらわないはずがない。米国の景気は金融機関を中心に超悲観論的な収益予測が上昇方向へと上方修正される動きがあるが、こうした超悲観論予測は今後次々に消えていく。海外の投資家は企業収益が改善されている米国株に現状的をしぼっているが、次のねらいは日本株買いへとつながると思います。

中国の全国人民代表大会(全人代)では温家宝首相が景気回復のための十分なタマは備えていると追加的な財政支出策を用意できるとの見方を示した。日本も4月2日のG20に向けて財政支出の拡大や株価対策が打ち出されることを考えると、8000円台をめざすことは間違いなさそうで年度末には75日線もクリアーするのではないかとみている。4月初めのG20に向けて世界の財政支出をからめた景気対策は本格化するであろうが、テクニカル面では相場の転換を示唆した動きがはっきり出てきており、今週は中期的な方向性を占う一週間となる重要な週となりそうだ。

いずれも日経平均は直近の高値から63%下がったところで底入れし、本格的な回復局面に入った。この経験則が今回もあてはまるとすれば、日経平均の大底は約6500円程度と言われているので、もう下値余地は限られている。現在、東証1部のPBR(株価純資産倍率)は約0.8倍と言われる日PBR1倍以上が正常値と言われていることを考えると日経平均は9000円あたりまでとりあえず戻しても良いという見方がある。

とはいえ、本格的回復は来年2010年以降で、まだまだいやな場面は遭遇すると覚悟はしています。
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④「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」はトンでも本です。-その4

申し訳ない、まだまだ非難させていただきます。

銀行のマネー回路P43~49
「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」はトンでも本です。その1


これの問題点は安倍芳裕氏がアダム・スミスを勉強すればこんなに恥ずかしい馬鹿な寓話を創作しなかっであろうし、一ブロガーのDdogに徹底的に馬鹿にさずにすんだ。本人に少々学があれば、このブログを読んだらさぞかし恥ずかしいだろう。安倍氏は経済学の基礎を全く勉強していない、無知な人間であるから非難されて当然です。(仮に知っていて意図的に書いたのなら悪意です)

アダム・スミスは、経済成長の理由を分業に求めた。分業により、作業効率が上がり、経済規模の拡大に伴い、経済は効率化し、富が拡大すると考えた。それを可能としたのが資本の蓄積である。(資本主義の精神について小室直樹先生の指摘するエストを参照)

アダム・スミス以前は、重農主義と重商主義が争っていました。重農主義の立場からは、貿易により富を蓄積する重商主義は、植民地から富を奪ってきているだけだ、と批判されました。太陽と労働力から作物を育て、収穫する農業は、いわば、無から有を生み出しており、経済において、新しく富を生み出すプロセスは農業だけであるという主張なのです。
残念ながら、安倍氏の経済学のレベルはアダム・スミス以前のレベルにも達していない。私から言わせれば経済学の基礎力が無い素人さんです。

銀行家は基本的に資金を投資して回収できそうな産業に融資して回収するのが生業だ。最初から回収見通しが無い案件に出資しない。あのサブプライムローンがこの逸話ですよと言いたいのだろうが、根本的に間違っている。銀行家は融資する時点では地価が上昇続ければ回収可能と考え融資したのだ。それに比べ、上記の融資話は最初から回収不能である。銀行と闇金を完全に誤解しているのではないか?銀行は回収可能である案件にしか資金を出さない。金融のイロハも知らずにどうしてこのような恥知らずの本が出せるのか?編集者も反省すべきだ。

銀行家が銀行家たる所以は、成長できる産業に資金をリスクテイクして融資することによる。今日、銀行家のリスクテイクによるおかげで、産業が発展できた。トヨタ、パナソニック、キャノン、SONY、ホンダ・・・錚々たる企業すべて金融システムがなければこの世に存在はしないのです。
今日の金融危機の問題の一つが、銀行が融資したい企業は無借金経営でバランスシート上借金する必要が無くなっている。例えばトヨタは無借金経営である。2008年6月の時点で上場企業の4割が無借金経営である。銀行が融資したくとも、融資したい先は融資不要。一方融資してほしい企業は、成長性が見出せない点に有る。バランスシート不況とも言われています。

にもかかわらず、P52で
フォード自動車の創業者ヘンリー・フォードは一金融業者たちの目的は、消減不可能
な債務の創造による世界支配である」と語っています。
安倍氏はリチャードクーの本を読んだ事が無く、バランスシート不況が何かも知らない。だから、このような恥知らずの無知をさらけ出している。
安倍氏の信者諸君参考までに下記URLを勉強されたし
【第7回「大恐慌もバランスシート不況だった」(2008/03/12)】
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/koo.cfm?i=20080311d8000d8

読めば読むほど、安倍氏の経済知識の欠如が、ここまで酷いとは思わなかった。
さらに安倍氏はマルサスの人口論モドキの思考を繰り広げております。
p53ご存知のとおり、地球は有限です。
私たちの経済活動というのは、地球という閉鎖空問の中でおこなわれ、その地球自体が持つ生産能力および浄化能力の範囲内でしか持続的におこなうことはできません。この資源循環を超えて経済成長を続けていけば、やがて環境的破減に行き着きます。
つまり、今の貨幣システムでは、経済的な破綻か環境的な破滅か、どちらかという選択肢しありません。
経営者たらは、誰もが経済的破綻を避けたいと思うはずです。自分や家族だけでなく杜員やその家族の生活までも、その双肩にかかっているのですから。目前の問題である経済的破綻を避けるために、とりあえずは将来的な問題である環境を犠牲にしてしまうのも仕方のない選択なのかもしれません。
かつては、経済が成長すれば皆が豊かになるとされていました。しかし、実際には経済格差が拡大するのみで、一部の富者と大多数の貧者に分かれてしまいました。貧老が増えれば消費が止まり、成長も止まります。
マルサスの人口論というのは、第二次世界大戦を引き起こした影の犯人であると私は考えるのです。
マルサスは人口の増加が生活資源を生産する土地の能力よりも不等に大きいと主張し、人口は制限されなければ幾何級数的に増加するが生活資源は算術級数的にしか増加しない、という命題を示す。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E8%AB%96
植民地獲得競争も、独逸におけるヒットラーの台頭、日本の満州への進出、いずれもマルサスの予言が、民族の生存という切迫した状況を戦前に引き起こしたと私は考えています。戦前において、欧米列強によって、アジアアフリカは割拠されつくし、地球上に残された植民地になりうる土地が消失した。イタリアに至っては、エチオピア相手に苦戦を重ね不毛の地を手に入れようと躍起になっていた。マルサスの人口論を信奉すると、行くつく先は戦争である。

遅れて発展してきた、日独伊が英仏蘭の植民地を獲得しようと利害が対立し、戦争となったのである。一説には日米戦争はルーズベルトやチャーチルが謀略を練り日本を戦争に引きずり込んだ説が有るが、アメリカとて、フロンティアを中国大陸に求めたのである。そこで日米の利害対立が起きた。さらに驚くことに、同盟国であったドイツですら、中国大陸の利権を求め、中国国民党政権に近づき、日中戦争は、実は日独戦争に近かったのである。(参考/ 『秘史発掘「日中戦争はドイツが仕組んだ」副題:上海戦とドイツ軍事顧問団のナゾ 阿羅健一 著 小学館』を読む)マルサスの人口論とは、民族の生存というナショナリズムに火をつける呪われた理論だ。

戦後、マルサスの人口論は、緑の革命等で、克服されたかに見えた。グローバル化が進展し、共産諸国も、新興国も世界マーケットに参加したことにより、マルサス的な考え方はまた再び台頭し始めています。こういった安倍氏のような、労働生産性の向上、技術革新に重きを置かない、非アカデミックな主張は、中途半端な環境論として、不毛な戦争を引き起こす可能性を秘めていると、私は考えるのです。

私はユダヤ教の教義といわれる考え方には賛同しませんが、ユダヤ教およびユダヤ教徒を必要以上に敵視悪魔視する考え方は、もっと賛同できない。私は知的でより客観的に近い真実を求めているものです。

私は、天皇陛下を敬い、日本国を愛する一市民であるが、反ユダヤ思想は、日本伝統のの寛容で美しき思想と相反する。反ユダヤ=愛国と捉えるリチャード輿水のような単細胞な連中は、私からすれば、不敬罪な連中である。

古代ユダヤと天皇家の繋がりを考慮した場合、古代ユダヤは、天皇家と日本国の成立にかかわる可能性もあるのだ。(日ユ同祖論、古代ユダヤ失われた十支族伝説を私は信じている。)現代のユダヤ人と古代ユダヤのDNA的繋がりが無いか希薄である可能性が大ではあるが、だからといって反ユダヤ思想に加担するのもいかがなものか?遠くの親戚程度の配慮ぐらいしてやろうじゃないかと私は思っています。

輿水一派は、本人達たちなりにもし国を想っているかもしれない、ならば、それに免じて国賊の称号はつけないまでも、国を滅ぼす異物である。創価学会、共産党、社民党、日教組などもこの範疇である。

だが、最近この反ユダヤ陰謀論の発信元は日米の離反を画策する中国のインテリジェンス工作ではないかという疑惑を抱くようになりました。リチャード輿水の動きはもしかしたら中国の工作員が絡んでいる可能性を感じます。

まだまだ続きます
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「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」はトンでも本です。-その3
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やっと図書館で順番が回ってきて、全部読みましたが、真性の「と」本(とんでも本)です。
yellow_halberd殿 gnq**611殿 全部読みましたので批判させていただきます。本書を執筆した安倍芳裕氏はたぶん善意の方で人間性も悪くないと思います。しかし、お金とは何か?と疑問に思った時に勉強をしたという本が世間にはびこる陰謀論の教科書ガイドみたいな本ばかり読んだのがまずかった。阿修羅掲示板の引用もあって笑ってしまった。阿修羅掲示板を引用するようでは本のレベルが知れよう。ちなみに私も阿修羅掲示板の一投稿者です。(阿修羅掲示板では無知層の方々よりことごとく「と」論を論破する為Ddogは「工作員」という栄誉の称号を頂いている)

この本の内容は虚実が織り交ぜて書かれている。経済史や金融の知識が皆無の人間が読むとここに書かれていることが真実であるかのごとく錯誤してしまう恐れが有る。また本書は、実に平易な言葉で書かれており、読者層のレベルに合わせている点は巧みだと思う。本書を真に受ける度合いで人間の知的レベルの高低が解ると言うものです。本書冒頭で多くの人が「お金の仕組みを知らない為だ」と書いているが、私も100%理解していると偉そうな事はいえないが、安倍氏は自分が仕組みを解明したとでも思っているのか!単なるここ20年に出版された「と」論のユダヤ陰謀史観を纏めたにすぎない本だ。

1990年頃まで本屋へ行くと、ノストラダムスの大予言関係の「と」論本が山と積まれていました。ところが、ご存知のとおり、見事に大予言が外れ、そういった危機扇動本の著者や読者はどこへいったでしょうか?オウム真理教に入信したような連中は間違いなくそういった「と」論本の読者層であったと思います。

90年代から代わって増えてきたのが所謂ユダヤ陰謀論関係の書籍です。1986年宇野正美著「ユダヤが解ると世界が見えてくる」副題:1990年「終末経済戦争」へのシナリオが50万部を越すベストセラーとなり、ニューズウイークでは日本人の知性の低さを嘲るなど、だいぶ物議をかもしたことがありました。本書はそういった「と」論本の王道を行く書籍であると認識します。ノストラダムス本を読んでいたような知性が低い読者層はオウム真理教亡き後、「と」論愛好者はリチャード輿水支持層や、ベンジャミンフルフォード、副島隆彦、中丸薫、太田龍の読者層になったと思われます。

こういった、カルト本は知性が低い読者向けに世の中で起きている事件現象をわかり易く解説して、自身の正当性を納得させる、ツカミから入ります。ツカミは当たり前のことだが、なるほどと思わせる事実です。最後には自分の主義主張へと引きずり込むのが特徴です。

「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」のつかみは、「お金の歴史」ですね。お金の歴史は良くまとめられた文章です。ただ、通貨とは何か安倍氏はまるで今まで議論されてきていないとでも思っているらしい。オメデタイ人物だ。通貨概念論は経済学よりも記号論とか共同幻想論といった社会人類学や哲学的側面で議論されていることに気がついていない。本書の引用書籍には、まったくそういったアカデミズムでの引用書籍が無い。

おそらく通貨について調べる時、経済学のコーナーで調べてしまったのだろう。あまり経済学には参考図書ないので、「と」論の本を読んでしまったところに、安倍氏の思想形成の問題が有る。1980年代に盛り上がったニューアカデミズムの洗礼を受けていれば、通貨について調べるならば、社会人類学とか、哲学からであると容易にそのことに気づくはずだが、いったい彼はその時代、安倍氏はどんな本を読んでいたのだろうか?少なくともそのジャンルを読んだのなら何かしら引用が有ってもいいはずだ。

西欧における紙幣の原点が金細工師の預り証であったこと。金細工師達が、実際には無い金を有ると偽ることから紙幣がはじまったと、兌換紙幣ことをことさら強調し紙幣の欺瞞性を説いているが、通貨の本質を理解していないからこそ、素朴な疑問を持ち、通貨の欺瞞性を強調している。

兌換紙幣ですら価値がない欺瞞だと主張する人間にとっては、不兌換紙幣はまるで価値が無い紙切れだろう。そこで提案だ、本書の印税で得た通貨に価値が無い欺瞞だと思うなら、安倍さん私喜んで頂きますのでご連絡下さい。1億円でも2億円でも喜んで引き取りに参上します!まさか、銀行に預けるようなことはしていないですよね。貴方が非難する金融システムに、貴方の貴重な財産を託してるような馬鹿な真似はしていないと思いますが?(笑)

もちろん、安倍さんは拒否するはずです。拒否をするということは、安倍さんも福沢諭吉と1万円・発行日本銀行と印刷された紙切れ(通称「万札」)は、価値がある紙切れだと信じているのでしょうね。通貨の価値は、皆で価値が有ると信ずる事が重要な事であり、貨幣の根拠ないし、その生成の必然を求めることはナンセンスな問題である。

そもそも、銀行制度の発達のおかげで、人類は様々な問題も抱えつつ原始社会から今日の近代的社会を構築するのに成功している。その歴然たる事実の前では、聖書やコーランにも書いて有るように金融システムが悪であるというなら、必要悪であろう。金融システムが無ければ産業革命も無く、近代の萌芽が起こっていたかすら怪しい。金融システムが無ければ人類史はまったく異なる歩みを歩んでたであったであろう。

例えば仮にロスチャイルド家が安倍氏の主張するように本当に不当な利益を上げているのを放置していたと言うなら、安倍氏以前の人間はリカード・ベンサム・ケインズ・マルクス・ウェーバー・シュンペーターやサムエルソン、小室直樹であろうとも全員バカで騙され続けていると宣言しているに等しい。今日の金融システムは人類が試行錯誤を繰り返し作り上げてきたシステムであると私は理解している。そして、現在金融危機に直面し、新たなシステムの構築を多くの人間が試行錯誤をしているのである。ロスチャイルド家の一存で物事が決定されるほど世の中単純ではない。

本当に「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」というなら、人類の進歩と発展の礎は全部ロスチャイルドが作ったといっているに等しい。安倍氏はこの矛盾に気がついているのだろうか?(笑)

今日のような金融危機の時代で、不遇な扱いを受けている者にとって、自分が不幸なのは自分に責任があるのではなく、誰かに騙されていると考えると、実に精神衛生上都合が宜しい。本書はそんなニーズを汲み取る本である。

それでも目が醒めない本書を支持しているみなさん提案です。金融システムが信用していないのなら、全財産のうち通貨・銀行預金をユニセフにでも寄付したらどうだ!そして出家するのです。ありゃこりゃこれはカルト教団の手口そのものだ、寄付する先をカルト教団に置き換えると***真理凶の手口そのものですね。皆さん、こういったカルト本の正体が見えたでしょうか?


<ご参考>
【「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」はトンでも本です。-① 】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/19366250.html
【ミシシッピー会社事件・「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」はトンでも本です。-② 】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/19366408.html

【人類初のぺ-パーマネー:堺屋太一著「大激震」その3】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/24214737.html

【「すべての経済はバブルに通じる」小幡績(おばた・せき)著 光文社新書刊を読む】
その1
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/24542616.html
その2
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/24583749.html
その3
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/24659106.html
その4
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/24695100.html
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アイン・ソフ<AinSoph>
「天地創造/アイン・ソフ:スペシャル・ライブ駱駝に乗って」<RIDE ON A CAMEL> (1991年)
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格付け:AA+ 幻のアイン・ソフ超名盤。(1977~1978録音)BELLE ANTIQ9120(1991)

1. RIDE ON A CAMEL:駱駝に乗って 11:30
1976年Autumn作 収録:歌島橋Studio live 1977年Summer 
2. INTRO:イントロ~METRONOME7/8:メトロノーム7/8~
PEACOCK’S FEATHER:孔雀の羽~METRONOME7/8:メトロノーム7/8 12:40
1975年Winter作 収録1978 12/30 live at BAHAMA
3. ODDESSA:オデッサの石段 12:40
1977年Autumn作 収録1978 12/30 live at BAHAMA
4. ARIA:アリア 11:20
1977年Spring作 収録:歌島橋Studio live 1977年Summer 
5. TURKEY’S MARCH:七面鳥の行進 4:15
1975年Summer作 収録1978 12/30 live at BAHAMA
6. A STORY OF MYSTERIOUS FOREST“Original Version”:妖精の森(オリジナルバージョン)24:25
1975年Winter作 収録1978 12/30 live at BAHAMA with DADA*

All composed by 天地創造/AIN SOPH Except “ METRONOME7/8”help from CARAVAN’S “Introduction”

天地創造/AIN SOPH
山本要三Yozx(guitars)
藤川喜久男Kikuo Fujikawa(keyboards)
鳥垣正裕Masahiro Trigaki(bass)
名取寛 Hiroshi Natori(drams)

*DADA
小西健司Kenji Konishi(keyboards)
泉 陸彦Mutuhiko Izumi(keyboards)

先週末、御茶ノ水ディスクユニオンのクリアランスセールへ出かけ、幻の名盤「駱駝に乗って」(未開封)を定価以下で発見。1890円で入手に成功しました!※稀にしか見ることはなかったが有っても中古でプレミアムがついているか、定価(3008円)でしか見かけたことがなかった。

ライブ盤なのだが、未発表曲と妖精の森(あの名曲)のオリジナルヴァージョン!を含め未発表で構成され、スタジオテイクアルバムと遜色ないどころか、むしろノリノリの変拍子の勢いは、スタジオテイクアルバムよりも活き活きとした素晴らしいアルバムだ!

山本要三のGuitarは冴え渡り、藤川喜久男のKeyboardは山本のギターと絡み、鳥垣正裕Bass名取寛のDramsのリズム隊は心地良い変拍子を叩き出している。ライブでこのような超絶テクニックをさらりと演奏してしまう彼らのテクニックは、プログレの本家イギリスにおいても、立派に通用するのではないだろうか?! 

なんといっても、このアルバムの存在を知ってから、この一曲目の「駱駝に乗って」を聴きたくてたまらなかったのだが、山本要三のギターはアンディ・ラティマーの哀愁漂うエモーショナルなギターそのものではないか・・・。77年78年といえばCAMELに元CARAVANのリチャード・シンクレアBass, Vocal(1977-1979)ヤン・シェルハース- Keyboards (1972-1978)さらにツアーメンバーとしてやはり元キャラヴァンのデイブ・シンクレアOrgan Piano Synthesizerと元キングクリムゾンのメル・コリンズSax(1977-1979)が在籍していた傑作「Rain Dances」(1977)「Breathless」(1978)「A Live Record」(1978)いわゆるCAMEL+CARAVANでCARAMELと揶揄された黄金期に、日本ではアインソフがこのような素晴らしいCAMELをトリュビュートしたライブテイクを残していたとは知らなかった。
ちなみにこの時代のCamelのDrumsはオリジナルのアンディ・ウォードが務めていましたが、意識して聴くと名取寛のDramsもアンディ・ウォードの多彩なドラムスに聞こえるから不思議だ。

本作の音源は30年以上前のカセットテープである、巷に出回るキングクリムゾンやピンクフロイドのプライベート盤に比べても音質がよく、小生の使用するミニコンポではあまり違和感を覚えさせない。無音に近いときには消去しきれないカセットのノイズらしき音が聞こえますが、これが逆にカセットテープ全盛の頃の味わいがあって良い。

録音された1977年~1978年(筆者が中学3年~高校1年)といえば、Ddogは地方に住むプログレ感染初期患者でした。キングクリムゾン・イエス・ピンクフロイド・ELP・ジェネシスの他にも、キャメルとかマイクオールドフィールドなどの凄いバンドが存在することを漸く知りだした頃でした。少ない小遣いからLPを買には本当に勇気が要り、プログレの音と情報に飢え、ひたすらNHKFMのサウンドストリートの木曜金曜の渋谷陽一氏、そしてクロスオーバーイレブンなどをFM雑誌片手にカセットテープでエアーチェックしまくっていたのを思い出します。テープのノイズを聴くとそんな懐かしい時代を想いださせます。

「騎駝に乗って」
アイン・ソフは,美狂乱や新月と違って,影響を受けたバンドが数多くあるが,このナンバーがどんなバンドの影響を受けて出来た曲か,気づかない人はいないだろう。タイトルも曲構成も,そしてメロディーも,一度アンティー・ラティマーかビーター・バーデンスに聴かせてみたいものだ。ここまでくると,ニヤリどころではなく,思わず笑い出してしまいそうだ。当時ステージでもおなじみの一曲て、ここでのテイクはスタジオ・ライヴ・ヴァージョンとなっている。
「イントロ~メトロノーム7/8~孔雀の羽根~メトロノーム7/8(反復〕」
この曲は初期,もちろんまた天地創造というバンド名の頃からの古いナンバーにして,彼らの十八番。この曲がオリジナル盤に入らなかったのは不思議なくらいで,昔NHKのある番組でもかかったのだ。典型的な3部構成からなり,「孔雀の羽根」のパートのスムーズな演動が印象的。
「オデッサの石段」
彼らの中期の代表作。ステージでもよく演奏された。天地創造/アイン・ソフの持ち味がもっともよく出たナンバーで,当時すぐにセカンド・アルバムが出される状況にあったら,真っ先に収録されていただろう佳曲だ。
「哀しみのアリア」
この曲は超レアなナンバーで,ステージでも数回しか演奏されておらず,なおかつタイトルさえまだまともについていなくて,このタイトルは,ぼくが当時曲のイメージからつけたものだ。この曲も「駱駝に乗って」同様もろにあるバンドの影響から作られた。まずは聴いてほしい。ハイ・テンボで進む前半とスロー・テンポの後半からなる2部構成のナンバーだが,特に後半のスロー・テンボになってからの,めくるめく美しくも哀愁あるメロディー・ラインとくれば,ほらあの南十字星がチラついてさたでしょう!?要三のギターの甘~い音色かとてもスーパー・マリオ・ミーロしている!!
「七面鳥の行進」
珍しく短めの曲。山本要三はまた,ブリテイッシュ・トラッドが大好きで,こんな楽しいトラディショナル・ダンス・ナンバーを書いた。この曲も大作の合い間の息抜き的な意味もあって,当時よく演奏されていた。インクレディブル・ストリング・バンド,ヘロン,ダルシマー,リンデスファーン,スティール・アイ・スパンにペンタングル&モア…。ブリティッシュでしか聴けないこれらのバンド,ぼくも大好きで,最近特にCDで耳にする機会が増えている。こんな可愛いい(チャーミング)ナンバーをアイン・ソフがやっていたなんて,ちょっとした発見でしょ?このナンバーは,要三の強い希望により収録されたのだ。
「妖精の森(オリジナル・ヴァージョン)」
アイン・ソフの全ナンバーでも,一番人気のある曲となると,やはりこの曲らしい。これだけの大作にして,このまとまりの良さはどうだろう。多くは語らすにおこう.キングから出たスタジオ・ヴァージョンと是非聴き比べてほしい。キーボード奏音が違うことと,DADAが参加していることがポイント。ところで、本テイクも,スタジオ・ライヴとはいえ,お客を入れたわけではなく,リハーサル・スタジオでのマルチ録音で,本当はオープン・リールによるマスターがあったのだが,どうしても見つからず,やむをえず,オープンよりダビングしたカセット・テープを,今回のマスターとした。しかし,それでも,もしCDラジカセあたりで聴いたなら,正規のスタジオ録音に近いレベルで楽しめるはずだ。DADAの効果的なシンセ・サウンドをバックに要三のギターは,鳴くというより泣きまくっている。こんな美しい音を出せるのは,日本では他に森園ぐらいのものだろうとぼくは思うのだが…。また,藤川のノスタルジックなエレピか凄く良いと感じてしまうのは30代それも後半のヒトだろう…な。是非ともこのCDを聴いての感想等をマーキー編集部までください。評判,セールスによっては,ひょっとして山崎編集長か賀川社長が,Vol.2を出してくれるかもしれないし…。
(高見博史1991.8.18)

1977年の渋谷陽一氏のNHK番組でのプログレベスト15です。

1位:E.L.P/Karn Evil 9
2位:ピンク・フロイド/葉巻きはいかが 
3位:イエス/シベリアン・カートゥル
4位:キング・クリムゾン/レッド  
5位:ジェネシス/ラムライズ・ダウン・オン・ブロードウエイ     
6位:クイーン/ボヘミアン・ラプソディー     
7位:カンサス/伝承
8位:ディビッド・ボウイ/ウイッピング・オール
9位:ヴァンダー・グラフ・ジェネレーター/ワンダリング
10位:キャメル/ラヤダ・ゴーズ・ツゥ・タウン  
11位:レッド・ツェッペリン/聖なる館     
12位:タンジェリン・ドリーム/架空の楽章
13位:クラフト・ワーク/トランス・ユア・エクスプレス 
14位:10CC/芸術こそ我が命 
15位:ルネッサンス/オープニング・アウト     
http://www.eva.hi-ho.ne.jp/hide-oba/members/oba_c/oba_1.html  
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④『「すべての経済はバブルに通じる」小幡績(おばた・せき)著 光文社新書刊』を読むその4

21世紀型バブルーキャンサーキャピタリズムの発現
キャンサーキャピタリズムp224~225

リスクテイクバブルは、バプルを超えたバブルである。旧来の20世紀までのバブルを超えた21世紀型バブルなのだ。そして、このリスクテイクバブルとは、キャゾサーキャピタリズム(癌化した資本主義)の発現である。

金融資本は、あたかも意志を持つかのように自己増殖し、当初は経済を活性化するように見える。しかし、一旦増えすぎると、それは、さらに過剰に増殖し、激しく機能しすぎることになる。増殖した金融資本は、投資機会を求めて世界中をさまよう。そして、発見した投資機会において利益を実現し、投資機会を食いつくす利益を得た金翫本を訂に増殖することになるが、一方、求める投資機会は食いつくされているから、枯渇する。

自己増殖を止めない金融資本は、投資機会を自ら作り出すことを求める。その成功により、金融資本はさらに増殖するが、実体経済には過度の負担がかかり、金融資本に振り回されることになる。ここに、本来、実体経済の発展を支える存在であった金融資本が、自己増殖のために実体経済を利用するという主客逆転が起きる。そして、これが最終的には実体経済を破壊し、金融資本自身をも破滅させる結果をもたらす。

しかし、これは金融資本の自己増殖本能による宿命である。これをキャンサーキャビタリズムと名づけた。キャンサーキャピタリズムは、21世紀初頭に、まずリスクテイクバブルとして現れたが、今後も様々に形を変えて、世界金融市場に繰り返し出現し、21世紀を席巻するだろ。

最初にこの小幡氏がいうところのキャンサーキャピタリズムに該当する最初の事件はLTCM(Long-termCapitalManagement)の破綻事件であろう。

LTCMは、2人のノーベル賞受賞の経済学者ロバート・マートン、マイロン・ショールズがソロモンブラザースの花形トレーダージョン・メリーウェザーと1994年に設立した。LTCMは、コンピュータープログラムで、市場に存在する僅かな理論価格とのズレを発見し投資するクオンツ(数学的金融投資手法)による裁定取引を行った。ローリスクローリターンのポジションを二つ創り、相対的割り高の方を売り、割安のほうを買い、その鞘をレバレッジを最大限活用する事で、ローリスクハイリターンを実現した。4年間のリターンは年40%の高い収益を上げた。各国の政府系投資ファンド著名金融機関、各中央銀行までも出資していった、瞬く間に1000億ドルを越える巨大なファンドとなってしまった。

メインプレーやとなってしまうと、出し抜く相手が消滅し、逆にLTCMを出し抜こうという動きも出てくるようになる。利益の源泉を枯渇させない為には投資対象とする市場を広げる必要もあった。当初は米国や日本のような流動性が高い市場為替、債券市場でプレーしていたのが、ロシアの国債市場や、アジアの市場まで広げ、アジア危機、ロシア危機が発生したことにより、レバレッジをかけすぎていたLTCMは、瞬時に破綻してしまったのである。


そもそも、新興のヘッジファンドの類は、巨大で愚鈍なな機関投資家を出し抜き、収益を上げる性質なもので、ジョージソロスのクォンタムファンドなど老舗のヘッジファンドなどの運用成績を上回ることに存在意義があった。メインプレーヤーを機敏に出し抜く手法が収益の源泉でもあった。ところが自らがマーケットのメインプレーヤーとなってしまっては、今度は出し抜かれる側に立たされるうえ、今までのような手法で高い運用率を得ることが構造上困難となってしまう。

金融工学(クオンツ)に裏打ちされた理論とコンピューターモデルは、まともな利ざやがある投資機会を次々消失していき、低いリターン水準を膨らませる為にレバレッジを高めた投資となる構造上の歪がある。ヘッジファンドは自らの資金を保有するのではなく、委託された資金を運用する運用者である場合が大きい。資金の運用者と資金運用委託者は異なるため、委託者が運用者を選好するのは、唯一運用成績である。そうなると、運用側はますますレバレッジを上げ、危険な賭けをはり続ける宿命も負ってしまうのである。

自己増殖した金融資本が自分で自分の首を絞めること=キャンサーキャピタリズムが登場したのである。(小幡氏命名)
キャンサーキヤピタリズムの未来p242~234

米英を中心とする既存の金融資本の増殖と、実体経済の投資機会の不足というアンバランスを解消することが、21世紀の新型バブルから現代経済社会を守るための考えうる対処法であるが、これも対症療法に過ぎない。金融資本の自己増殖本能を断ち切らない限り、永遠に発症リスクは残り続けるのである。そして、新興国の実体経済が発展し、その収益の蓄積によって生まれた産業資本が金融資本に形を変え、新たな金融資本同士の投資機会争奪戦が激しさを増すことを考えると、さらにキャンサーキャピタリズムは進行し、その発症であるバブルは激しく、頻繁に起こることが予想される。そして、金融資本同士の増殖争いは、国家および経済圏の覇権争いという形態をとりうる。

現実の金融市場において、これは、既に起こっている。産油国は経済的生き残りを賭け、将来の布石として、政府系ファンドという形で金融資本を増殖させようとしており、それは、実体経済における貿易によって富を蓄積した中国などにおいても同様だ。

一方、米国ドル資本は、衰退の様相を見せている。この衰退は、サブプライムシヨツクを発端とする2007年からのリスクテイクバプル崩壊の過程で加速している。キャンサーキャピタリズムが、世界に先駆けて米国経済および米国金融資本そのものを蝕んでいるのであり、病は着実に進行しているのである。

キャンサーキャピタリズムの病が癒えるのは、この病に蝕まれた既存の金融資本が一度消滅してからとなろう。いくつかの投資銀行の破綻などにその兆候は現れているが、さらなる発症が続くであろう。

今後、多くの識者の議論に反して、実体経済が相対的に力を持っようになり、金融資本の影響力は低下することになる可能性がある。原油高、資源高、穀物高によるインフレ危機が騒がれているが、これはモノの値段が上がっているのではなく、お金の価値が下がっているのである。これこそ、実体そのものである資源や穀物と、マネーとの価値の逆転現象であり、金融資本の価値低下衰退を示している。これがさらに進めば、実体経済と金融資本との主客が再び逆転し、本来の姿に戻る可能性がある。そのときこそ、本当にキャンサーキャピタリズムが決定的に崩壊し、病が完治するときである。

しかし、今回のリスクテイクバブル崩壊は、まだ、第一次崩壊過程と思われ、今後、幾度となく、キャンサーキャピタリズムは発症し、リスクテイクバブルは繰り返され、さらに別の形のバブルやそれ以外の発症があるであろう。

キャンサーキャピタリズムの完治はいつか。それは意外と遠いようで近い気もする。しかし、それまでには、これまで以上の激痛と悶絶を経なければならないだろう。少なくとも、その覚悟だけは、我々は今からしておかなければならない。


本書は、今日高度に発達した資本主義社会の構造的問題点をリスクテイクバブルからキャンサーキャピタリズム(強欲資本主義)の構造を、資金運用側の現場の視点で分析している。ここもと私が非難して止まない陰謀論的金融危機解釈が、いかに子供だましの妄想であるかが理解できるというものである。

『「すべての経済はバブルに通じる」小幡績(おばた・せき)著 光文社新書刊』を読む
その1
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/24542616.html
その2
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/24583749.html
その3
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/24659106.html
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私(Ddog)はアメリカが、日本以上に本音と建前が別々な社会であると思っています。

このサブプライムローン関連商品について、私(Ddog)は当初似非AAA格商品とは疑わず格付け会社が算定した格付けAAAはAAAと信じておりました。例えば「強欲資本主義ウォール街の自爆の神谷秀樹氏」や、 ぐっちー氏などは、初めから詐欺的商品であったと見抜いていたというからすごい。(多少本当かな?とは疑いますが・・・そうなのでしょう。)

米国の優秀な金融マンの多くも似非AAA格商品であると見抜いていたでしょう。その為私は仮説:金融危機自作自演説をブログに上程しました。本書を読んで修正を検討します。

本書を読むと、私もそうですがAAAをAAAと信じなければ金融業界では商売ができない構図であったことっを指摘しています。そこには本音では疑問に思っても、商売としては恣意が入る隙間は狭いと思っています。今思えば、皆が「裸の王様」に裸だよと言えない状況が出来上がっていたと思います。
P93~96 プロとしてリスクを度外視してこれに飛びつかないわけにはいかなかったのだ。なぜか。それは、プロにとって、目先、ライバルよりも高いリターンを上げることができるかどうか、ということが最優先だったからである。ライバルに勝つためというのが、リスクの高い似非トリプルA債券を買った最も重要な理由であった。

プロとはどのような人々か何プロとは、他人のお金を預かって運用している、金融機関やファンドにおける運用者のことである。彼らは、自分のお金を投資しているのではなく顧客を説得して、他のファンドではなく自分のファンドにお金を預けてもらい、それを運用しているのだ。したがって、ライバルよりも高いリターンを上げて、顧客に継続的にお金を預けてもらうことがプロとして仕事を続けていく上で、最も重要なのである。

このとき、社債(CDO・ABS・CDS等)を早めに買ったライバルたちは、それぞれ13%や7%ものリターンを得ており、一番乗り遅れたファンドでも、99で買って3%以上儲けている。一方、きちんとリスクを考慮して投資を自重したファンドの場合、リターンはたった1%となってしまう。

つまり、顧客から預かったお金を1%しか増やすことができず、13%や7%増やしたライバルに決定的に負けた結果、ファンドは解散に追い込まれる可能性が高い。

なぜなら、お金をプロに預けている出資者たちは、ファンドの運用成績という結果だけでしか、そのプロを評価できないからである。出資者たちは、他の同じようなファンドと比べて、短期であっても、低いリターンしか出せないファンドからは資金を引き揚げ、より高いリターンを上げているファンドに資金を移すのである。

このような状況においては、プロのファンドマネージャーにとっては、ファンドが大きな損失を出して破綻するリスクも怖いが、顧客が自分のファンドからお金を全額引き揚げてしまい、ファンドが解散させられてしまうリスクも同じように怖い。ファンドマネージャーとして、市場から退場を迫られる、という点では、大きな損失を出しても、利益を出せなくても、全く同じなのである。つまり、リスクを取らなければ、損失が出ていなくとも、どうせ資金は出て行ってしまい、自分のビジネスは破綻してしまうのである。

したがって、リスクがあろうがなかろうが、表面利回りが高いものに手を出さざるを得ない。そして、ライバルがそうすればするほど、自分も同じことをしなければ負けてしまう。
悪貨が良貨を駆逐するように、愚かで向こう見ずなファンドマネージャーが、賢明で慎重なファンドマネージャーを駆逐するのである。そして、賢明なファンドマネージャーは、駆逐されないように、愚かで向こう見ずな振りをするのである。

したがつて、素人よりもプロのほうが、リスクを無視しなければいけないというリスクに直面しており、この罠に嵌るリスクが高い。しかも、リスクが不当に高いとわかっていながら嵌らざるを得ないのである。
ファンドが上げる運用益が賢い運用成績であったのか、愚かで向こう見ずの投資であったのかは、投資家からは判断がつきにくい。その為構造的に金融市場全体ではリスクを過剰に取る仕組みとなってしまっていたのである。

私もこの視点を見逃していました。が、陰謀論の人達は、こういったリアルな状況は、まったく理解せずに、原因を陰謀の存在として単純化して納得している。
p103 金融市場全体がバブルで膨らむことによって、すべての運用者の資産が膨張した結果、すべての運用者が利益を上げることになったため、ライバルに勝ったことには全くならなくなったからである。

そして、市場全体で見ると、大幅な利益の実現とは、全体の資本量の増大であるから、これは、運用者に委託される資本が増大したことを意味した。一方、投資先はそう簡単に増えない。この結果、資本市場全体で、より多くの資本がより希少となった利益機会を求めて世界中をさまようことになったのである。

これはどのような帰結をもたらすだろうか?普通に事業に投資して、その事業リスク相応の事業利益を上げる投資機会は、これを求めて世界をさまよう資本の急増により投資し尽くされ、残った投資機会は急速に減少していった。

こうなると、事業リスクを取って投資するのではなく、リスクをリスクでなくすプロセスに依存して利益を上げるしかなくなった。そして、ほとんどの資本が、事業リスクを取らずに、リスクをリスクでなくすプロセスによって利益を上げるようになった。

これらの資本は、市場全体の資本量の増大によって、更に大きな利益を上げていった。なぜなら、資本量が増大すればするほど、流動性が増大し、投資需要増大により、投資商品は高騰、同時に、流動性プレミアム増大による投資商品価格上昇も起きるからである。そして、さらにこのような資本は膨張していった。

最後は、転売を狙わない保守的な投資家ですら、このプロセスに参加せざるを得なかった。通常の債券投資や事業投資の機会が枯渇してしまったからである。したがって、年金基金などもサブプライム関連証券に大量に投資した。

すなわち、先ほどの杜債Aのような商品を99円や100円で買って保有することにより、3%あるいは2%の利回りを狙ったのである。これにより、増殖を続ける金融資本市場は、転売せずに保有し続ける保守的な投資家を引き込むことに成功した。

ここにリスクテイクバブルは極まった。バブルが極まれば、後は崩壊するだけである。
結局収益よりも、次に確実に売れる流動性の確保がはるかに重要である。
事業リスクのあるものに投資を行うことにより、そのリスクテイクに対する報酬としてリターンが得られるインカムゲイン的発想ではなく、その事業リスクが、他の投資家に転売できるか否かのキャピタルゲイン的発想で、流動性リスクに姿を変えているのである。

将来、他の投資家が買ってくれることが確実であれば、流動性リスクは消失することになり、リスクがリスクでなくなってしまうのである。

新しい投資家が、買い手として次から次へと現れる仕組み、すなわち流動性をシステイマティックに作り、リスクがリスクでなく在ることが構造的かつ確実に起こるようにするシステム、それがサブプライムローン債権の証券化スキームであった。

小幡氏はこれをねずみ講のスキームと同じと考えた。そして、バブルとはねずみ講そのものであり、資産市場での売買そのものが、ねずみ講と同じ構造を持っていると結論づけたのである。

バブルに最初に参加した投資家、あるいは作り上げた投資家は大きな利益を上げ、後からバブルに参加した投資家は、参加するのが遅れるたびごとに利益が減少する。そして、最後に参加し、転売を意図しない長期保有の投資家は、バブル崩壊の直撃を受けるのであった。

したがって、バブルの膨張・崩壊プロセスは、ねずみ講の生成、破綻のプロセスと同様の形態をとるのである。

ただ、これが意図的であったのか、無作為であったかは判断が分かれるとは思います。

小幡氏は、バブルに対する一般の認識、評論家やエコノミスト、経済学者らの専門家の認識ですら誤っている。いや、むしろ・専門家と称する人々のほうが、世間のバブル認識よりも致命的な誤りを犯しているとも指摘している。

「バブルの最中には、皆、熱狂してしまって、誰もバブルがバブルであることに気づかず、投資してしまう」ということはない、証券会社の営業推進責任者以外、誰もがバブルと認識している。例えば上海総合株価指数が6000ポイントをつけていて誰もがバブルだと確信していた。2003年頃から2008年の北京オリンピックまでは中国は投資できるというチャイナコンセンサスなるものが存在していた。08年を待たず、07年には相当ヤバイにもかかわらず、ババ抜きを最後までやり続けていた。

サブプライムショックも同様だ。サブプライム関連証券および同様の証券化市場が完全にバブルとなっていることがわかっていた。「バブルに投資することは、明らかに失敗で、後で振り返って、バブルであることに気づいていれば投資しなかったのに、と後悔する」ということもあり得ない。バブルとわかって投資しているからだ。正確にいうと、バブルだからこそ投資しているのである。

プロほど利益を最大化するためにぎりぎりの瞬間までバブルの波に乗ろうとした。しかし、ぎりきりの瞬間まで乗っていれば、降りるタイミングはピンポイントでしかない。バブルが崩壊するまさに直前の瞬間に、降りなければならないのである。

だが、これは論理的に不可能である。なぜなら、全員がバブルとわかってバブルに乗っており、そしてその全員が、崩壊する瞬間、その一瞬前に降りようとしているからだ。全員が降りれば、その瞬間にバブルは完全に崩壊する。だから、誰もバブルを崩壊させずに降りることはできないのである。

同時に降りようとしたのは中途半端なプロではなく、世界に名だたるプロ中のプロの投資家だった。つまり、ヘッジファンドや著名投資銀行が破綻することとなったのである。

「バブルは危険なものであり、賢明なプロの投資家は近づかず、素人が下手に手を出して失敗するケースばかりである。したがって、バブルの疑いがあるものには決して近づいてはいけない」というのは誤りである。

真実は、投資のプロであればあるほどバブルを探し歩き、あるいは、自分でバブルを作り、そして膨らませて、そのバブルに最大限乗ろうとするのである。したがって、金融市場の参加者がプロの投資家であればあるほど、バブルは頻繁に起こり、そして激しく膨らみ、最後には、崩壊して、金融市場の傷は深くなるのである。

『「すべての経済はバブルに通じる」小幡績(おばた・せき)著 光文社新書刊』を読む
その1
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/24542616.html
その2
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/24583749.html
その4
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/24695100.html
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昨年10月末にDdogが仕込んだ株は、その後上昇したが予想通りまた3月に入り安くなってきました。再度買い向かっております。3月20日の春分の日までに株を仕込んでおこうと思います。相場の格言「節分天井彼岸底」しかし、ぐっちーさんのあたりまえだけどね・・・を読むと少々弱気になる。
株に関しては外人>年金なので外人の売りにじわじわ押されるわけですが、HF(ヘッジファンド)が弱って思い切りショートが振れないので、リバランスの年金買いと外人売りが拮抗するとちょうど今のように低位安定横ばい相場が形成される訳です。

○この人たちは通常4月に入るとこの資産配分の比率を見直します。今年の実績を見て決めますので当然このパフォーマンスですから日本株の比率は下がることになります。

先ほどの20%が5%とかになり、100億の年金だったら、20億が5億になりますから、当然まず売りますし、その後のリバランスの買いも5億で拮抗すればいいだけですので今のサイズの4分の1程度しか買いがないことになります。そうなると次の拮抗点は日経平均4000円とかいわれてもちっともおかしくない。
だが、経験則からいけば、「まだはもうなり!」

NYダウは、テクニカル面では昨年10~11月の安値形成時に何度も意識した13 週移動平均カイリの▲24%水準である6100 ドルと考えております。彼岸底で下げ止まるような気がしてなりません。10 日の米FRB議長講演、3月13日からのG20 財務相・中央銀行総裁会議までには何らかの動きがあることを期待したい。欧州が主張するような金融規制が銀行の貸し渋りを助長して経済をより悪化させるような事態に至らないことを望みたい。

ただ、問題なのは経営不安なtoo bigなシティAIGとビッグ3の行方だ。シティは国有化に近い、りそな銀行的処置になると思う。しかし、度々の増資に出資したサウジの皇子達の資金や、政府系ファンド(SWF)が到底納得はしない。外交問題となる可能性すらあるので、国有化も安易には出来ないのである。

昨秋リーマン・ブラザースを見殺しにした結果、予想以上にその悪影響が響き、こうなるとビッグ3の救済もここまでくれば救済せざるを得ないであろう。マーケットも株価水準を倒産寸前の1ドル近くまで押し下げ、政府に何とかさせようとする無能で厚顔無恥なCEO達に最後通告を突きつけている。これら経営者が国営化やむなしと白旗を揚げた段階で救済の手をさしのべることになろう。近く何らかの手が打たれて、金融機関と自動車産業は救済されるので3月20日以降、徐々に世界経済情勢は好転していく可能性を信じたい。

しかし、米政府とFRBの予測は非常に巌しい。米国景気の回復に向けて、最初の調整局面の峠は越えたかもしれない。個人消費は一旦これ以上落ちようがないところまで落ち込み、それに合わせた在庫、雇用、設備投資の調整が急速に進展している。

せっかくの調整進展も回復へのしっかりした対策が伴わなければ、無駄になってしまう。いまだに金融安定生策の基本となる金融システム不安がくすぶったままになっている。金融システム不安が米国市場ではオバマ政権への政策の信頼を揺るがしている。Ddogはオバマがいかに有能であろうと経済を立て直すことは至難の業で、あると思っていた。しかも、今のところオバマは私が予想していたより無能であるように思える。

オバマ政権の景気対策はその迅速さを評価できる。金融機関対策は不十分。景気と金融はいわば車の両輪であり、適切な金融機関対策が採られなければ、景気対策も住宅対策も無駄になってしまう。ストレステスト後の資本増強もバッドバンクも民間資金頼みでは心許ない。不況が長期化した場合にはゼロ金利政策の導入もありうるとの見方が強い。

米国では、2月の失業率が8.1%と約25年ぶりの水準に上昇するなど、一段の景気悪化を示す要素が増えてきている。新たな金融安定化策の詳細がいまだに発表されないこともあり、金融安定化システム不安が株価を圧迫する構図が続きそうである。こうした状態が続けば金融機関・企業の資産は更に目減りして業績の悪化を拡大していくことになるであろう。今月中旬の次回FOMCでは長期国債の買い切りなど新たな資金供給策を協議するとみられるがマクロの金融政策の余地は次第に狭まっている、日本では「失われたl0年」で経験済みだが、米国は「失われる10年」を覚悟しないといけないようだ。 

しかし、米国経済に下げ止まる兆しも見えている。1月の米個人消費が前月に比べて0.6%増え予想を上回る。前月水準を上回ったのは昨年6月以来である。個人所得も前月比0.4%とプラスになった目消費支出の伸びは市場予測平均の0-4%増を上回った。また2月のISM(米製造業景況感指数)は35.8%と0.2%上昇し、2ヵ月連続の上昇となって、実体経済でも下げ止まりの兆しが無くは無い。また米主要小売業の2月の売上高5ヵ月の連続マイナスとなったものの、ウォルマートの安売り店が4.5%増の売上げを伸ばしている。米国の3月の製造工業生産予測が前月比2.8%増という高い伸びになるなど経済予測値よりも明るい。

一方、為替市場では急ピッチで進んだ円安へ進んだが、私の予想通り100円手前98-99円のラインで止まった。円米ドルはおよそ36~38日の日柄リズムや企業の外国子会社利益の還流推進策を前に、3月中は円高にはなりにくい。

日米首脳会談後の急激な円安は大量の米トレジャリーを引き受ける見返りに米国が円安を承認した可能性すらある。噂では円建の米国債との噂もある。円建ての米国債を日本が発行を引き受ければ日本円は円安に向う可能性があるが、4月以降では円高への反転に注意が必要と思っています。

米国政府とFRBが米国景気の超悲観論を唱えれば唱えるほど米国への輸出で景気を拡大してきたユーロにとっては先行きの景気後退観は高まって金融の一段の緩和→ユーロ安の悪循環に陥っている。

米国の一極的権力を打破するため原油、ガス資金をドルからユーロにシフトして運用していたロシアは原油の暴落とユーロ安で国家財政は破綻の危機にさらされ、軍事費の削減、財政の緊縮を進めなければならず、オバマ米新政権と軍事拡張策を話し合わなければならなくなってきた。ロシアは日本とも北方4島を今までにない政治的かつ特殊な方法で話し合いを持ちたいとしてきている。ロシアは原油が30-40ドル台であと2-3年続いたら国家財政の破綻ともなりかねない状況となってきた。

ロシア・ユーロの一連の景気・為替面での変化(昨年半ばまでの逆流現象)は一昨年までのロシア・ユーロのドル売り、ユーロ買いに対する報復的な動きであるとの見方もある。特に昨年のロシアの政治的な世界での発言力は米国にとっては苦々しいものであったに違いない。

全国人民代表大会では中国政府は8%成長と4兆元(58兆円)の大規模な景気対策を打ち出したが、市場では期待感がやや肩透かしとなった、世界の株価は下落したが中国政府は追加の財政支出策を考えているので、中国経済立て直しに伴う日本や世界経済への恩恵は年央以降大きなものとなろう。

結論は、冒頭にも書いたように、3月20日までの間が日本株を買う勝負どころではないか?

※責任は一切持ちません。
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第1章 証券化の本質

小幡氏は証券化のメリット、デメリットはあるものの、金融市場の証券化は何も生み出さないと談じている。(P30)証券化の本質は人間の本性である「欲望」に深く関わっていた。

偉大なる流動性を生み出す「標準化」p41
資産が、リスクとリターンヘの標準化を通じて「商品化」されることで、多くの投資家を
呼び込み、流動性が飛躍的に高まる。それにより、この資産に投資するリスクが大幅に低減する。これが、本源的な元の資産のリスクが不変であるにもかかわらず、投資リスクが急減し、資産価格が高騰する、という証券化の本質なのだ。
資産の「商品化」は、企業の収益状況や、債券のキャッシュフローそのものを改善するものでないにもかかわらず、流動性をこの金融商品に与えることによって、資産価値を増大させた。つまり、「商品化」により、資産に対する投資リスクのシスティマティックな低減が起こり、これが価格上昇をもたらしたのである。
すなわち、資産の「商品化」は、価格上昇スパイラルを作り上げる可能性がある。そして、この「商品化」こそが、資産価格の上昇スパイラルメカニズムの本質なのである。
最初に証券化商品を知ったのはバブルの最中1988・9年頃長銀(日債銀だったかな?)へ転職した先輩がRIETを日本でやると熱く語っていたことを思いだされます。

バブル崩壊を経験した日本人の多くは本能的にABSやCDOがヤバイとは思っていたが、専門外の私(Ddog)を含め多くのプロの金融専門家は、この10年証券化ビジネスに魅力を感じてきたのは上記の理由であり、リスクを軽視してきたその最大の理由は、日本国債ですら最上級から転落したという、厳しい格付け機関の審査への信頼と、その絶対的盲信であったと思う。金融危機が発生した以後露呈した格付け機関の能力不足に、格付けを信頼していた誰しも落胆したと思う。

この章に関連するレポートを検索してみました。

【『証券化』に潜むリスク:大阪証券取引所】
http://www.ose.or.jp/futures/report/0807/pdf/rerk0807.pdf

【証券化商品に対する格付けを考える―サブプライム・ローン問題で露呈したもの】
http://www.jsri.or.jp/web/publish/review/pdf/4801/03.pdf

【「証券化と金融危機-ABS CDOのリスク特性とその評価」:金融研究研修センター】
http://www.fsa.go.jp/frtc/seika/discussion/2008/20090305.pdf

そして、第2章リスクテイクバブルとは何かp61、サブプライム関連商品で3つの疑問を提示している。
3つの疑問
サブプライム関連の証券化商品(以下サブプライム関連証券)に関して、冷静に考えてみると、いくつかの疑問が生じる。
第一に、サブプライム・ローンというリスクの高い債権を証券化した投資商品は、リターンに比べてリスクが高すぎるように見える。それにもかかわらず、このジャンク(くず)と呼んでもよいような投資商品に、欧米の投資銀行、ヘッジファンド、年金基金など、プロ中のプロである世界一流の投資家たちが殺到したのはなぜなのか。
第二の疑問は、世界一流の投資家たちによってバブルが生じることなどあり得るのか、というものである。サブプライム関連証券に多くの投資家が殺到した結果、価格が上昇し、バブルとなった。このバブルが弾けて大きな損失を出したのは、素人ではなく、投資家の中でもプロ中のプロだったのである。彼らはなぜ間違いを犯したのか。彼らがバブルを引き起こすなどということがありえるのか。
第三の疑問は、たとえサブプライム関連証券がバブルとなり、そして崩壊したとしても、
そんな米国の一部の証券化商品のバブル崩壊が、なぜ住宅関連にとどまらず、また米国国内にとどまらず、世界の金融市場全体に影響を与えているのか、というものである。
答えは、プロ中のプロは投資の王道を行ったにすぎない。要は、投資対象は、ジャンクでも何でもOKということだ。投資対象の実体に関係なく、「儲かれば何でもよい」という下品な真理こそ実はこれが投資の王道なのだが、彼らはこの真理に忠実だったのだ。

世界一流の投資家であればこそ、「実体」という、投資の初心者やファイナンスの教科書が囚われている要素にはこだわらない。なぜなら、投資家が狙っているのはキャピタルゲインであり、彼らにとっては買った価格より高く売ることだけが目的だから、儲からなくては優良な商品に投資しても、意味を持たないからである。米国内に限らず、欧州のプロの投資家が、サブプライム・ローン関連商品に手を出していった。

日本人はこれまでリスクを取りに行かなかった、その為1500兆円の個人金融資産が、安全資産、預金、国債に滞留し、経済が成長しないのである。今回の金融危機において金融機関の毀損は最も少なく、いまや世界中で最も信頼される通貨であるのである。
※ ポンコツ政治家達が円高を阻止しひたすら円安に誘導はしているので、バランスが良い。特に中川元財務大臣のG7(09年2月)での演技(?)は迫真に迫るものであった。

本題とは関係ないが、ここもと私のブログにおいて、小泉政権下の金融政策において、グルーグマンや竹中の主張に頑として譲らなかった日銀を評価している。また政府発行紙幣の愚を私(Ddog)は主張するものです。

本書p84~86の社債が個別銘柄特有の材料に起因する需給関係で暴騰する話は、ファンダメンタルが改善され格付けが変化するとか、ジャンク債がBBBへ格上げになるような特殊な場合を除いて、私は知らない。Ddogは債券ディーラーではないので、何とも断じる事ができないが、私が持つ債券ディーリングの基礎的知識ではありえない話だ。ありえないからバブルと片付けられる???よくわからない。格下げで値段がつかない話は今回の金融危機ではよくある話だが・・・・その逆はあまりない。なぜって、日本では低格付け債の発行もあるが、社債を発行できるのは主に高格付けの企業に限られる。※低格付け債で発行される銘柄は公共性が高い企業に限られる。債券市場では同格付けの債権は銘柄に関係なく同等に扱われるのが基本だ。この部分について後の章でサブプライム関連商品に置き換え説明しているが、誤解を招く恐れが有るので、小幡氏は訂正を検討するべきだと思う。

何がバブルを膨張させるのか、それは「バブルであること」、すなわち、いったんバブルになってしまえば、バブルとなっているそのこと自体がすべてなのだ。そこでは、価格の上昇が需要を呼び、これが価格の高騰をもたらす。そして、さらなる需要の増加につながり、価格がさらに高騰する。バブルにおいては、この循環が本質であって、価格高騰が起きた最初のきっかけはきっかけにすぎない。バブルに理由は要らない。バブルはバブルであることが重要なのだ。これが、バブルの最も重要な特徴であり、バブルの本質である。
これは、東京大学教授の岩井克人氏が論じる、貨幣は貨幣であるから貨幣である、という自己循環理論と同じである。なぜ、貨幣が貨幣となりえたのかはわからず、あるモノが貨幣として選ばれた決定的な要因が何であるかは明確に説明できない、という点も、貨幣とバブルで共通なのである。
現在は多くの国で紙幣が貨幣として流通しているが、なぜ、紙が貨幣となり得たのか、その決定的な理由はない。かつては金が、あるいは、貝殻や石が貨幣として選ばれたが、なぜ他のモノでは駄目だったのか、という説明はできないのである。それは、自己循環理論の外一すなわち、論理の外から持ち込まなければならない。すなわち、貨幣は、それが貨幣であると人々が信じてしまえば、貨幣となり得るのであり、決定的な埋由はないのである。

『「すべての経済はバブルに通じる」小幡績(おばた・せき)著 光文社新書刊』を読む
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その3
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その4
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/24695100.html
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