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2017年03月


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USAF F-15C during Operation Noble Eagle patrol. Credit: U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Samuel Rogers

米空軍州兵、F-15退役の可能性について最初期の検討入り
【BusinessNewsline】03/25 08:14

米空軍州兵が現在、国内外で現在、運用を行っているF-15CとF-15Dの2種類のF-15戦闘機について、退役させることが可能かどうか、検討を行っていることが米下院軍事委員会での質疑応答で明らかとなった。

flightglobal.comによると、米空軍担当者は、議会からの質問に対して「限られた資源の中で、最大源の運用を図ることが必要だと考えている。運用は最小限に抑えても、与えられたミッションを全て達成することがことが我々が常に目標としてしていること」と述べ、F-15退役により運用可能機体数が大きく削減となった場合においてもミッション遂行能力には影響は生じないとの見解を示した。

今のところ、空軍州兵の担当者はflightglobal.comの取材に対して「(F-15退役案は)最初期の検討段階(very, very pre-decisional)」と述べるに止まっているが、1976年の導入開始から既に40年超に渡って使用されてきたF-15に関しても遂に、退役の可能性が具体的な検討課題に上ってきたこととなる。

F-15を退役させるという決定が下された場合には、その分の穴をAESAレーダーを新規搭載したF-16の近代化改修機で補うこととなる見通しとなっている。

仮に退役を行うという決定が下さされた場合には、実際のF-15退役計画は、F-16へのAESAレーダー搭載の改修費用などと共に、2019年度予算案に盛り込まれることとなる予定。
というニュースが流れた。

NORAD傘下の州兵のF-15C/Dが退役となっているが、いつのまにか太平洋空軍傘下の第5空軍(5th AF)第18航空団(18th WG)嘉手納の在日米空軍のF-15C/Dが退役する話になっている。
約460機のF-15C/Dのうち空軍に230機、州空軍に230機配備されている。

米空軍がF15の退役検討、コスト削減狙い
【産経ニュース】2017.3.29 23:50

【ワシントン=黒瀬悦成】米空軍は、沖縄の米軍嘉手納基地にも配備されている主力戦闘機F15C/Dについて、早ければ2020年にも退役させる方向で検討に入った。

米空軍のウエスト作戦部長(少将)ら複数の高官が今月下旬、下院軍事委員会の即応小委員会での公聴会で明らかにしたところでは、空軍はF15C/D計236機を退役させ、代わりに多用途戦闘機F16に新型のレーダーを装備してF15と同様の制空戦闘機の役目を果たせるようにする。

空軍高官らは「決定事項ではない」としつつ、機種を一本化することで効率化が図られ、コスト削減につながると強調した。

戦闘攻撃機型のF15ストライクイーグルは対象外となる見通し。

だが、公聴会ではF16にF15の代役が務まるのか、性能を不安視する指摘が複数の議員から相次いだ。しかも、F15の本来の後継機であるF22は、オバマ前政権下での国防予算見直しのあおりで、生産数は当初計画の4分の1となる約200機(試験機を含む)にとどまっており、戦力弱体化の印象は避けられない。

嘉手納基地のF15も、F22でなくF16を軸に交代させる事態が現実味を増せば、中国が空軍力を増強させている現状をにらみ、日本でも論議を呼ぶのは確実だ。

米国はオバマ大統領とゲーツ国防長官が犯した間違いを再び犯そうとしている。
米軍が弱体化し、中国に舐められる元凶を作ったのは、まちがいなくこの二人だ。
F-22を2007年までに750機製造するはずであったのが、648機→546機→451機→381機→295機→277機と逓次減らされていき最終的に187機になってしまったのが元凶だ。

F-35がまともに機能する戦闘機であればなんら問題がなかったのだが、一機種で
F-22,F-15,F-16,AV-8B,FA-18、A-10全ての空海軍の戦闘攻撃機の後継を目指したことが無理があった。また、XF-35の対抗機種ボーイングXF-32が見た目で最悪であったのが悲劇だった為、F-35に決まったことに胸をなでおろしてしまったのだが全ての間違いであった。当時のF-22とF-35のハイ・ロ―ミックスは世界最強に思えた。

F-15C/Dがもし退役したら、空軍にはF-16しかなくなってしまう。F-22が圧倒的に数が不足し、F-35が未だ使い物にならない。F-35のミッションソフトウェアはバグだらけで使い物にならず、現在のところ初歩的な阻止攻撃能力・限定的な空対空能力・近接航空支援能力・敵防空網制圧能力しか持っていない。暫時アップグレードをし続けているが、いったいいつF-35は完全体になることやら 

更にF-35の保守点検に必要なAutonomic Logistics Information System(ALIS:自律型情報ロジス ティックスシステム)だけでも200億ドル(約2兆円)から1000億ドル(約10兆円)の追加費用が必要だと言われ、F-35計画が間違っているのは解っているのだが、今更引き戻せないF-35無限地獄になってしまっているのだ。

F-35のおかげで、予算不足に陥った空軍は遂に虎の子のF-15まで手放さざるをえなくなってきているのだ。まるで東芝を視ているようだ。東芝と米空軍は、ともに理論的には正しい決断に見えたが、現場が見えていない間違ったトップの机上の決定によって、巨大な組織が崩壊しかかっている。

いま、ここでF-15C/Dを退役させたら、再び米空軍は誤った決定を下すことになるだろう。

現在F-16は4500機が製造され米国だけでも2244機導入した優秀な戦闘機ではあるが、同じ第四世代戦闘機F-16とてもはや酷使していて、F-15C/Dに替わる理由は薄い。

F-16C/Dの40倍の容量のコンピューターを積みAESAレーダー搭載するならば、最強の第四世代戦闘機になると思う・・・・(あれ?まるでかつての自衛隊FX案のF-2改ではないか!)だが、F-15より兵装搭載量が劣るのが弱点だ。AESAレーダー搭載F-16も良いが、Advanced F-15 2040Cにすべきだ。もし。F-16の改良型に何かしらの不具合が発生したならば、F-35で犯した間違いである機種を単一化するデメリットについてなんら学習していなかったことになる。

F-22の生産は中止されたが、F-35は2017年8月までに開始する予定となっている初期作戦運用試験(IOT&E)は、早くとも16ヶ月開始が遅れ、2018年12月から2019年当初の開始にまでずれ込んでいるのだ。

F-35のソフトがバグだらけで完成版ソフトである「3F」ソフトの開発進捗率は41%・・・
コンピューターが固まり再起動ばかりするコンピューターの戦闘機では未だ作戦に投入出来かねる状態だ。2045年までに空軍が計画していたF-35を調達することができない可能性があり、F-35がF-15を完全に置き換えることができるとは思えない。

確かに1976年に運用を開始したF-15は老朽化して耐用年数が近づいていて、いずれ退役することになるが、作戦航空機が足らないと大騒ぎしている状態で、F-15C/Dを早期に退役させるわけがないではないか?F-15C/Dの穴を埋められる機体が用意出来るなら、退役することもあるだろうが、現状では考えにくい。もっともF-22を再生産するなら別だが・・・・・。F-22はあと100機はほしい

2010年のRAND研究所の考察ではF-22生産ラインを再開し75機製造した場合はインフレ調整後で200億ドルになるという。新造ラプターは1990年代の機体ではく、当時と同じ機体ではないので製造費用はもっと高くなる。

F-16でも十分機能するかもしれないが、予算を削減することに狂奔する議会にF-15C/D型を2020年代のどこかで退役させたのでは、空軍の航空優勢を維持できなくなるという現実を突き付け、議会に善後策としてF-22を再生産か、F-152040Cを選択させるべきだろう。

このニュースはF-152040Cの予算獲得のために空軍が議会を脅していると考えるべきではないか?と私は思う。

デジタル時代の現代は、プラットフォームよりシステムはの方が重要になってきており、極端なことを言えばB767にミサイルとシステムを積んでもOKではあるが、ドックファイトを主にするのでなければ、B-52が50年現役でいるようにプラットフォームとしてF-15は有用であり、退役させる意味が無いと思う。

トランプ大統領が北朝鮮を空爆しようか?と考えている矢先に、F-15C/D早期退役はありえないだろう。


【追記】2017.4.7

★F-15+F-22編隊が仮想敵機と交戦したら41-1で大勝
【航空宇宙ビジネス短信・T2:】2017年4月7日金曜日

戦闘機命派には胸のすくニュースでしょうね。ただし今回の演習の条件、敵機役の機種は不明ですし、条件は近接航空戦の想定だったようですね。いずれにせよ現役戦闘機各機種を組み合わせて運用する構想の有効性が実証されましたね。そこでF-15が引退したらどうなるのでしょうか。
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Combined Force of 4 F-15s and 4 F-22s achieves 41-1 kill ratio against 14 “Red Air” fighters at WSEP

 F-15、F-22各4機合同部隊が41-1キルレシオで「レッドエア」14機編隊に対抗したWSEP演習成果発表へのコメント
 Apr 04 2017 
By David Cenciotti


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ラプターとイーグルの混合編隊が敵に数的に劣勢でも問題なく威力を証明した。

ウェポンシステムズ評価事業 Weapons Systems Evaluation Program (WSEP) でフロリダのティンダル空軍基地に派遣されたのはマサチューセッツ州軍航空隊(ANG)の第104戦闘飛行隊のF-15イーグル9機だ。

「コンバットアーチャー」として知られるWESPは空対空演習で第53ウェポンズ評価集団が主催し、空対空戦技術やウェポンシステムズの実効性引き上げを目指す。実弾ミサイル発射は戦闘機パイロットに貴重な機会だ。

「WESPの狙いは二点」とジェフリー・リヴァース大佐(第83戦闘機隊司令)は米空軍公表資料で述べる。「戦闘航空部隊(CAF)に練習と即応性維持の機会となります。乗員の知見を維持し、ミサイルを発射したらどうなるかを五感で学ばせます。シナリオは現実を直接反映している点で通常訓練と同じですが、実目標に実弾を発射する点が違います」

コンバットアーチャーで使うミサイルは弾頭を外し遠隔データ送信装置をつけている。AAMはメキシコ湾上空でMQM-107Dストリーカー他各種無人標的機に発射される。QF-4は最近引退した。

マサチューセッツANGのイーグル編隊はのべ221ソーティー中212ソーティーで機関銃合計14,461発を発射し、各銃は100パーセント作動し、ミサイル17発が目標捕捉し命中率は83%だった。

「ティンダル基地展開には課題がふたつありました。まずWSEPでキルチェーンの演習と実効性の確認が主眼で、ミサイルが目標を確実に撃破するのを見ました。二番目に大規模展開演習としてイーグル4機編隊の訓練を行いました。演習は敵に数で劣勢なシナリオで演習最終日には当方のイーグル4機とF-22四機編隊が『レッドエア』戦闘機部隊14機と交戦しました。訓練想定でレッドエアには被撃墜後も生き返る設定としました。最終結果はブルーエアは敵機41を撃墜し、損失は一機だけでした。大きな成果ですが、完璧をめざすのが目標で、デブリーフィングはどうしたら41-0が実現するかが中心でした」

目を引く成果だ。ROE(交戦規程)やシナリオ、敵の構成、シミュレーション条件などは不明だが。イーグル/ラプター編隊の相手がどの機種だったのか、アメリカ最強のニ機種がどのように協調して敵機をすべて撃墜したシミュレーションなのかも知る由もない。

撃墜被撃墜率からWVR(視程内)の直接交戦だったのではないか。ただしBVR(視程外)航空戦が将来の主流になりそうだ。この場合航空優勢は明確に確保できない。
ステルスF-22が対抗軍の情報を収集、融合、配給した状況認識を高性能敵勢力との交戦に投入した。ステルス性こそないがF-15搭載のAESA(アクティブ電子スキャンアレイ)レーダーの威力が実証された。

仮想敵編隊の機種は不明と書いたとおりだが「ティンダル空軍基地のエプロン上には104飛行隊の他にカナダCF-18、F-35、F-16、F-22があった」と空軍報道資料にある。この一部がレッドエア役だったのだろう。


Top image: file photo of a U.S. Air Force F-22 and F-15, 104th Fighter Wing, flying together during Cope Taufan 14 exercise.
F-15をF-22と組み合わせることで、F-22の不足分を補うことができ、F-15がいかに有用な戦闘機なのか実証する記事である。

日本もF-15とF-35を組み合わせればかなり有効なフリートとなることが推測できる。
日本のF-15JPre-MSIP機をAdvanced F-15 2040Cとする有力な根拠となるであろう。
Advanced F-15 2040C 2016/7/18(月) 午後 2:24

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連日森友学園が~!籠池が~!昭恵夫人が~!と、
日本は平和すぎて・・・幸せ過ぎて涙が出てしまう。 

昨日 コートは着ているが、スカートを履き忘れたと思われるアラサ―の女性を見かけるなど あまりの平和な 光景に鼻血が出そうになった(笑)
   


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私は連日報道される森友学園問題にまるで興味がない。駄目野党が更に自滅していく姿は滑稽で、多少興味もなくはないが、そんな流暢に国会で、国政をもて遊んでいる場合だろうか?

北朝鮮をめぐる情勢は一触即発だ。もしかすると、米国が北朝鮮攻撃に踏み切った場合、北朝鮮より在日米軍基地のみならず日本にミサイルが飛来する可能性は高い。国会は、本会議で国有地取得問題に時間を割いている間に、国民の命が危機に脅かされているのだ!愚かしいバカマスコミ、バカ野党!民進党の支持率が下がって当然だ!

昭恵婦人がはしゃぎすぎただけの話。こんな小ネタで政権をひっくり返そうと言う野党が浅ましすぎる。



オバマケアこそ廃止はできなかったが、トランプ政権は、次々に選挙公約を有言実行している。

オバマ政権が8年間も北朝鮮を放置したため、北朝鮮は核と・弾道ミサイル開発を心置きなく続けてきた。その結果、オバマは核ミサイルを米国へ打ち込むことが出来る北朝鮮を作ってしまった。米朝二国間交渉か、全面戦争を覚悟した軍事的圧力強化のどちらかを選択することが迫られている。

挑発を続ける北朝鮮のミサイル発射実験に対して、米国が北朝鮮を本気で攻撃するのではないかと、日本と韓国以外では警戒が高まっています。

北朝鮮を米国が攻撃するか?それともその前に中朝開戦をするのか?はたまた中朝で、米国と対峙するのか?

 トランプ氏が、政権スタート時に北朝鮮との交渉をする可能性はあった。だが、トランプ政権の重要ポストには保守強硬派が目立ち、北朝鮮の核開発の解決方法は政権の転覆だと考えている。

朴槿恵政権が事実上終わった、次は従北反米の文在寅になるだろ。そうなると、統帥権は米国にあるとしても、米国は北朝鮮を攻撃しづらくなる。

1994年3月、北朝鮮は「国際原子力機関(IAEA)」による査察の一部を拒否し、6月には寧辺(ニョンビョン)の実験炉から燃料棒の抜き取りを行った。ウラン濃縮を行った北朝鮮に対し、当時の米国のビル・クリントン大統領は、核施設への空爆を指示。

北朝鮮に対し、死者は南北朝鮮国民を中心に想定100万人だが、全面戦争へ突入してもやむをえないとした。だが韓国の金泳三大統領が、韓国も深刻な被害を受けるとして中止を要請したため攻撃は実施されなかった。この躊躇が決定的な失敗であった。

3月17日ティラーソン国務長官は日本の次に訪韓したが、最大の目的は、韓国が中国側に寝返ってTHAAD配備を拒否することを防ぐことであった。

ところが韓国は中国の顔色を伺い夕食会を開かなかったうえ、ティラーソン国務長官が疲労していたという嘘をつき、米国側は激怒、韓国をもはや同盟国と考えていないようだった。

 次期韓国政権がTHAAD配備を拒否したら同盟を打ち切るぞと言い切ったそうです。 同盟を直ちに打ち切るかはともかく、配備を拒否したら米国は在韓米軍の撤収に動くと見るのが日米の専門家の常識となっています。

かろうじて韓国は 「パートナー」という言葉を使っていますが、米軍は北朝鮮の核武装を防ぐために韓国の基地は使うと言っているだけである。

北朝鮮は未だ米本土を核攻撃する能力は有していない。今が米国本土に被害が及ばない最後の段階にあるこの段階で文在寅が大統領になれば、米国は北朝鮮を攻撃しづらくなる。一気に進む北朝鮮の核・ミサイル開発に対して武力行使をするには今が最後のチャンスである。5月の大統領選前に実行に移す可能性を考える。

米国が「北朝鮮への直接的な軍事行動の検討」に入ったと米紙ウォールストリート・ジャーナルや、経済専門サイトのビジネスインサイダー(BI)が伝えた。
BIは米シンクタンク「ストラトフォー」の北朝鮮専門家とともに米軍の攻撃シナリオを推定しており、特に重要なのは核施設の攻撃だとする。具体的には、レーダーに探知されないステルス機と、トマホーク巡航ミサイルによる核施設への電撃的な攻撃が主となるとしている。

グアムや米大陸から出撃するステルス爆撃機B-2は約2.8tのEGBU-28「バンカーバスター」特殊爆弾を最大8発搭載可能だ。この特殊爆弾はGPS誘導が可能で、爆撃目標の13キロ手前で投弾できる。対空火器が密集する重要目標に近づく必要がないため「一方的な攻撃」が可能だ。こうして核施設やミサイル製造施設、ICBMの発射基地を破壊する。

一方、F-22やF-35など小型のステルス戦闘機(攻撃機)は、山岳地帯に隠れる移動式のミサイル発射車両を捜索・破壊することとなるが、これは世界最強の米軍でさえ、簡単なミッションとは言い切れない。

韓国紙の朝鮮日報(電子版)は昨年9月5日の北朝鮮によるミサイル発射の直後に、事態の深刻さを強調。このとき黄海北道黄州から発射された3発の弾道ミサイルは、高速道路のトンネル内に隠され、発射時だけ外に出していたことが分かったとしたうえで「トンネル内に隠れている場合、米国の偵察衛星などで事前に発見することは不可能だ」と指摘した。

BIでは、これを破壊するためには米特殊部隊がパラシュート降下してミサイル発射車両を捜索し、直接攻撃するか、もしくは上空の味方米軍機に位置を伝えて爆撃を誘導する必要があるとしている。ただ、北朝鮮全域で200発ともされるノドンやスカッドなどの弾道ミサイルをすべて破壊するのは難しい。

もちろん、イラク戦争や湾岸戦争の戦訓から言って、移動式弾道ミサイル発射車両を米軍がすべて破壊できるわけがはなく、弾道ミサイルが日本に向けて発射され、日本の民間人にも死者が出るのは必至なのだ!

もう一つ、ちょこっと株価が下がったが、まあ米国株が上がりすぎたので一休みがあって当然なのだが、トランプ政権の政策実行能力をウォール街が疑い出したのも当然であり、いかにトランプといえども、民主主義国家米国で独裁政治をさせてはくれない。

そこで、北朝鮮との戦争を画策しないだろうか?

北朝鮮空爆作戦はパンドラの箱を空けることになるのか
【航空宇宙ビジネス短信・T2】2017年3月26日日曜日

The National Interest                                               Want to Open the Ultimate Pandora's Box? Bomb North Korea

Robert E Kelly
March 24, 2017
http://nationalinterest.org/blog/the-skeptics/wanna-open-the-ultimate-pandoras-box-bomb-north-korea-19892


レックス・ティラーソン国務長官は対北朝鮮軍事行動は選択肢の一つと公言し波風を立てた。長官はバラク・オバマ前大統領の「戦略的忍耐」の段階は終わったと端的に述べている。長官は軍事行動を検討中と発言していないが爆撃は選択肢だ。米軍は北朝鮮に大きく航空優勢を保っており、海軍も投入可能だが、地上部隊投入は大きなリスクを伴う。

北朝鮮への制裁攻撃措置はここ数年何度となく想定されてきた。北朝鮮が韓国、日本、米国を挑発してきたためだ。軍事行動を招いても仕方ない挑発もあった。1968年には情報収集艦USSプエブロを拿捕し乗組員をほぼ一年解放しなかった。1998年には日本上空を飛行したミサイルを発射した。2010年には韓国コルベット艦を撃沈し、韓国領の島を砲撃し50名を殺した。それでも毎回、米韓日は行動を留保してきた。自制には理由があり、ドナルド・トランプ大統領も行動を制約される可能性がある。

1. ソウルは北朝鮮攻撃にきわめて脆弱

これがおそらく最大の軍事作戦の足かせだ。韓国は北朝鮮の報復攻撃の標的になる。イスラエルがアラブ諸国を攻撃しても報復攻撃を心配しなくてもいいのと大違いだ。ソウル含む京畿道は軍事境界線に近く韓国人口の55%を占め、経済政治の中心地だ。これだけの大都市圏は防衛もままならず逆に容易な標的であり、平壌による反撃は避けられない。

2. トランプは韓国、日本から事前承認を得る必要がある


各国は報復攻撃を受けるはずだ。かりにどちらかの国が承認せず米国が攻撃を強行すれば同盟関係が壊れる。右寄りの安倍政権の日本がリスクを受容するとしても、韓国は今の状態では反応しにくい。韓国左翼勢力は空爆を認めない可能性が濃厚で5月大統領選で勝利をつかむのは確実といわれる。

3. 空爆は短期「外科手術」で終わらず数日あるいは数週間続く可能性がある

そうなると限定行動ではなく本格的戦闘の様相を呈してくるはずだ。北朝鮮は数十年かけて地下トンネル網を構築し軍事力を温存する体制になっているのは朝鮮戦争で米空爆から大損害を経験したためだ。また道路移動式発射装置や潜水艦も重点的に整備している。仮に北朝鮮の核施設ミサイル施設を全部攻撃しようとすると空爆作戦は大規模かつ長期化する。北朝鮮は残る装備を韓国と日本の攻撃に投入するだろう。作戦が長期化すれば北朝鮮の反撃の可能性も高くなる。

4. 北朝鮮が超えてはいけない一線は 

朝鮮人民軍(KPA)も独自の交戦計画を持っているはずで攻撃を受けた場合の対応も想定しているだろう。北朝鮮にとっては核・ミサイルが指導部の次に重要なはずで、KPAが黙って攻撃を甘受したままのはずがない。また米航空戦が長期化すれば、全面戦争の様相になるはずで限定戦から離れていく。北朝鮮エリート層は事態打開を求め、限られた国家予算を自由に使えるKPAに国家体制の保護者としての期待が高まり、軍部は強力な反撃を企てるはずだ。そうなるとこれも戦闘規模の拡大につながる要素になる。

5. 北朝鮮が人間の盾作戦をとるのは必至 

米航空作戦が短期間で終わらないと、北朝鮮は国内標的に国民を集結させるだろう。北朝鮮上層部は1990年代の飢餓で国民百万から二百万を平気に餓死させており国民の犠牲になんら良心の呵責はない。

6. 米空爆作戦で最重要な対中関係はぎくしゃくし、数年か数十年修復不可能となる

中国が反対したままならば、米国が事前通告して作戦を実施する可能性は少ない。中国は北朝鮮を嫌悪しても崩壊は望まず、米国がアジアで今以上の覇権を手に入れるのを恐れている。米国は北朝鮮問題で中国の支援を必要としながら、対中関係を危険に晒すリスクは望まず、北朝鮮問題を理由に貿易投資、中国のドル保有高、東・南シナ海、気候変動その他を犠牲にしたくないはずだ。

代償や制約があって空爆作戦が実施できないわけではない。確かにハードルは高いが米国が空爆作戦を検討しているのは北朝鮮がここまで危険になっているのを示している。

Robert Kelly is an associate professor of international relations in the Department of Political Science at Pusan National University. More of his writing can be found at his website. He tweets at @Robert_E_Kelly.

韓国を訪問したティラーソン国務長官は3月17日、「オバマ前政権の北朝鮮に向けた戦略的忍耐の政策は終わった」と述べた。北朝鮮の脅威が高まれば軍事行動をすると宣言したうえで、ティラーソン国務長官は中国に向った。

そこで3月18日の王毅外相との会談で北朝鮮への制裁の実施を求めるなど、かなりのプレッシャーをかけた。もともと選挙戦でトランプ大統領は、中国に北朝鮮を調教する義務があり、北朝鮮制裁をするよう種を撒いてきたと思う。

北朝鮮問題について、中国がこれまでのように優柔不断な態度をとり続ければ、米国は軍事行動も辞さないというのだ。

中国側から考えてみれば、もし、万が一でも北朝鮮が米韓側に堕ちた場合は中国は直接国境を接する為非常に困る。

また、米国に対し北朝鮮カードを使い米国を懐柔してきたがそれができなくなってしまう。

そこで、中国は、北朝鮮に親中傀儡政権を樹立させる為に北朝鮮に中国軍が進駐する可能性がある。 

北朝鮮問題で中国軍が進駐する可能性
【航空宇宙ビジネス短信・T2】2017年3月21日火曜日

これはどうなのでしょうか。中国がこの通り動くのかわかりませんし、ティラーソン国務長官が中国に何を伝えのか、(中国が簡単に言うことを聞くとは思えません)、習近平主席の訪米が4月上旬、韓国大統領選挙が5月上旬という中で、北朝鮮への軍事行動があるとすれば4月中旬から5月初めまでの可能性が高いのですが、それまでに人民解放軍が国境を超えるのか、また中国が現状維持を望んでも北朝鮮が自滅の道に向かいつつある中で大きな力が朝鮮半島に働くかもしれません。そうなると待てば待つほど中国には不利な状況となりますからPLAが電撃進駐をし、北朝鮮軍と先に交戦状態に入る可能性も排除できないですね。あるいは自暴自棄の金正恩が北京や上海にミサイルを発射しないとも限りません。(日本が被弾する可能性のほうが高いですが)4月は神経をすり減らす月間になりそうです。

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                                                                                                        China could potentially stop a US strike on North Korea — without starting World War III                                                             中国は米軍北朝鮮攻撃を発生させないはず、ただし第三次大戦を巻き起こさない形で

By Alex Lockie, Business Insider
Mar 16, 2017 7:18:36 pm                                    
http://www.wearethemighty.com/articles/how-china-could-potentially-stop-a-us-strike-on-north-korea-without-starting-world-war-iii
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北朝鮮のプロパガンダポスターでは米国を狙うミサイルが描かれている。.| Via Flickr.         
北朝鮮が弾道ミサイルを連続発射し、米国・同盟国のミサイル防衛網を突破する狙いを示したのを受け、米軍が北朝鮮で斬首作戦をいつ実施するのに注目が集まっている。

Business InsiderがStartforのシム・タックとともに作戦決行の場合の予想を詳しく述べていたが記事では大事な国を失念していた。中国だ。

米軍が北朝鮮攻撃に踏み切れば中国はどう反応するだろうか。

中国は北朝鮮の現状のまま維持したいはずだが第三次世界大戦の開始は望んまない

北朝鮮が核の恫喝を米、韓国、日本につきつけるのは中国としても認めないとしても、朝鮮半島統一は防ぎたいはずだ。

中国は北朝鮮の隣国であり、米軍は攻撃するとしても中国を警戒させたくないはずだ。だからといって30分なのか30日なのか不明だが事前通知をすれば中国は攻撃を実施させないよう動くはずだ。

南北朝鮮統一は中国にとって脅威


「統一となれば強力な国家が中国国境の隣に出現」し、民主体制が機能し、技術力を誇示するのは「中国が出現してほしくない事態」とタックは言う。
米軍25千名が現在韓国に常駐するが、数十年に渡り38度線から北に入っていない。中国としてはこのままにしておきたいと考えているはずだ。

北朝鮮が消滅すれば中国はむき出しになったと感じる

中国にとって北朝鮮とは「米軍同盟軍への物理的緩衝」だとタックは指摘する。
米軍が北朝鮮国内に基地を設営すれば、中国国境に近く、中国封じ込めの手段となる。

タックは米軍により朝鮮統一が生まれることは中国として「なんとしても防ぎたい」とし、中国軍が国境を渡り西側諸国と戦火を交える「可能性はまったくない」と言い切る。

北朝鮮を過度に支援し西側に対抗させれば中国の自殺行為


緩衝だからといって強制収容所と米核攻撃を公然と狙う国際的孤立国家を中国が援助にかけつければ「第三次世界大戦を開始することになる」とタックは言う。

そこで中国は北朝鮮滅亡を遅らせようとしても、西側に対抗する部隊を派兵するまでに至らないのではないか。朝鮮戦争の状況とは違う。

中国の対応はまず外交


現在、米国は空母打撃群一個、原子力潜水艦、F-22、F-35を太平洋に展開中だ。米軍の主要装備がフォールイーグル演習に参加中だ。

だがタックによれば北朝鮮の運命は軍事作戦計画よりも国務長官レックス・ティラーソンが会談する中国外交筋にかかっているという。

外交努力は失敗しても非軍事解決策に希望は残る


「利用できる外交手段は残っており、軍事オプションしか残っていないのではない」とタックは述べ、「仮に軍事オプションしかないと実施を決定すれば高い代償につく。軽く流せるような規模ではない」という。

両陣営とも軍事行動をいきなり取るのではなく考えられるすべての外交手段を試すとしても迅速をめざすはずだ。

タックは米国が北朝鮮攻撃が迫っていると中国が見れば、平壌に圧力をかけ交渉の座につかせるはずだという。西側主導の秩序で朝鮮半島統一の日が来るのは避けたいはずだという。

「中国は軍の北朝鮮進駐で罠をしかける」(タック)

「中国軍部隊が公然と現れれば米軍も北朝鮮への進軍を考え直すのではないか。なぜなら大規模交戦のリスクになるからだ。

中国軍が平壌や北朝鮮国内核施設付近に現れれば、米軍は爆撃を簡単に実施できなくなる。

中国が「完全無欠の」指導者に事態解決を求めるのは確実


国際社会の意見に無関心で国内で自由な意見を認めない中国でさえ人命を軽く扱う金正恩を公然と支援したいとは思わないはずだ。

北朝鮮内に入る中国軍は「政変を迫り、金正恩に」武装解除を求めるはずだとタックは見る。

「北朝鮮の存続を図り、中国の利益に沿って動かせても米軍の格好の目標にさせないはず」(タック)

これが中国に一番理想的であり、米軍攻撃も実現できなくできる。

中国の勝利になっても、中国は悪漢と見られるはず


中国指導部としては強力な統一朝鮮が米国主導で国境の向こうに出現するのは避けたい。また北朝鮮崩壊で大量の難民が流入するのも防ぎたいところだ。一方で朝鮮半島の核による緊張は緩和したいはずだが、これを実行すると中国が醜い一面をさらけ出す。

米軍攻撃を避けるべく、北朝鮮の核兵器解除を中国が一方的に進めたとしよう。その場合、中国が北朝鮮の核開発をこれまでなぜ黙認し、技術拡散をなぜ止めなかったのか、深刻な人権侵害に黙っていたのはなぜかとの非難を呼ぶことだろう。

で結局どうなるのか

中国の関心は北朝鮮国民25百万人を独裁圧政から「救い出すことではなく」緩衝国家として残すことだとタックは指摘する。

中国としては金正恩に代わる政権を立ち上げる可能性を希求し、新政権はやはり西側に対抗し米国と協調路線を取らないことが大切だ。

中国が望む北朝鮮とは「西側に反旗を翻し、自国路線を主張する」国家だとタックはいう。

中国が影響力の行使を怠れば時の利は逃げるだろう。■


TRUMP’S NO-WIN NUKE OPTIONS
米朝対決の勝利なきシナリオ
核問題 互いに好戦的で負けず嫌いなトランプと金正恩
北朝鮮の核問題は最悪の状況になりかねない

ジョン・ウルフソル(元NSC上級部長〔核不拡散担当〕) Newsweek2017/02/28イメージ 6

 ドナルドートランプ米大統領と同じく、筆者はニューヨークで育った。だからトランプも子供の頃、地元のテレビ局で平日夜11時から放送されていたドラマ 『スター・トレック』のファンだったのではないか。

だとすれば、トランプも「コバヤシマル」を覚えているだろう。宇宙艦隊アカデミーの士官候補生か全員受けなければいけないシミュレーション課題だ。ただしそのプログラムは、候補生たちがどんな対策を講じても失敗するようにできている。この課題の狙いは、候補生たちが絶望的な状況にどう対応するかを観察することだった。

トランプがコバヤシマルを知らなかったとしても、いずれ似たような経験をするだろう。それは北朝鮮の核・ミサイル開発計画にどう対応するかという課題だ。既に北朝鮮は今月12日、弾道ミサイルの発射実験を実施。金正恩国務委員長が、アメリカ本土まで到達町能な長距離ミサイルの発射実験を行うのも時問の問題とみられている。

そもそもこの実験は、トランプが金をあおった結果ともいえる。トランプは先月、「北朝鮮がたった今、アメリカに到達可能な核兵器開発の最終段階にあると声明を出した。あり得ない!」とツイート。事実上、やれるものならやってみろと金を挑発したのだ。

おそらく北朝鮮は、核兵器製造に必要な量のプルトニウムを91年に取得している。以来、アメリカなどの国が中心となって、経済制裁や外交協議など数多くの説得努力を重ねてきたが、北朝鮮は着々と核開発を進めてきた。

諸外国による説得の努力に中国が手を貸すこともあったが、北朝鮮を翻意させるほどの圧力をかけることはなかった。中国としては、北朝鮮が核武装することより、北朝鮮が崩壊することのほうがずっと恐ろしかったからだ。

トランプは、中国にもっと圧力をかけて北朝鮮を動かすと主張したが、感情的にまくし立てるだけで明確なプランは示していない。このため北朝鮮の核問題では、2つの核保有国の未熟な(そして短気な)リーダーが、お互いムキになって「自分のほうが上」であることを示そうとするシナ少オしか残されていない。そこに勝者はない。

そんな悲観的な状況で、アメリカにはどんな選択肢があるのか。「まだまし」から「最悪」まで、4つの選択肢を検討してみよう。

 北朝鮮と直接交渉する

多くの専門家は、アメリカが北朝鮮に直接関にアして、開発計画を凍結するよう説得するべきだと主張する。例えばアメリカが、経済制裁と米韓合同軍事演習の両方を凍結すると約束すれば、北朝鮮も核とミサイル開発計画の凍結に応じるかもしれない、というのだ。

こうした取引は、アメリカの安全保障と、韓国との同慰閔係を傷付けるだろう。韓国はかねてから、在韓米軍に戦術核を再配備させることを求めており、その要請を強める可能性が高い。
あるいは、トランプが選挙戦中に口走ったように韓国自身が核武装するので、アメリカはそれを認めろと要求してくるかもしれない。

そうこうして北朝鮮から開発凍結の合意を取り付けたとしても、その後の査察で、北朝鮮が全ての核施設の公開に応じるとは思えない。つまり凍結合意が成立したとしても、その後の維持体制は北朝鮮のペースで進むことになる。しかもこれまで無数の合意を破ってきた北朝鮮を信じるのは、まっとうな選択肢とは思えない。

 北朝鮮が降参するか崩壊するまで圧力をかける

バラクーオバマ前大統領は8年間に複数回、あらゆる選択肢を検討した。
だがそ力だブに、最大限の圧力をかける選択技は却下した。北朝鮮の資金、食料、天然資源へのアクセスを完全に阻止するというものだ。

確かに、現在の対北朝鮮制裁には、まだ強化できる余地がある。しかし海上封鎖はできても、中国の全面的な協力がなければ、陸上貿易を完全に封じることはできない。従って最大限の圧力をかけるという選択肢も、北朝鮮の核計画を阻止できないだろう。
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北朝鮮を挑発してミサイルを発射させ、アメリカのミサイル防衛網で迎撃する

これは2人のリーダーが最も好きそうな選択肢だが、アメリカ側のリスクは大きい。ロナルドーレーガン大統領が『スター・ウォーズ』(『スター・トレック』のライバルだ)にほれ込んで以来、アメリカは戦略防衛構想(SDI)に2500億ドルを投じてきたが、
いまだに長距離ミサイルを確実に迎撃できる防衛網を構築できていない。

アラスカに基本的なミサイル防衛システムがあるが、その防御率は50%以下。いくらトランプでも、米国民を守れる確率がコイントス以下では、北朝鮮のミサイル発射を誘発するのがいい考えではないと分かるだろう。

 政権転覆

トランプの一部の顧問やネオコン(新保守主義者)の間では、これは唯一の選択肢と考えられている。確かにイラク戦争は大失敗だったが、北朝鮮の場合ほかに選択肢はないし、今回はうまくやれるはず、というのだ。それにこの計画を知ったら、中国が自ら北朝鮮に乗り込んで始末を付けるだろう。

中国は韓国やアメリカが北朝鮮を占領したり、朝鮮半島を再統一したりすることを絶対許さないはずだ――。

これら4つの選択肢は、どれも好ましくない。その危険性を考えれば、オバマが戦略的に耐える方針を取ったのは無理もない。その結果には誰も満足していないし、それを引き継いだトランプには同情する。だが、この問題に取り組むことは、大統領候補に名乗りを上げ、実際に大統領に就任したことでトランプが引き受けた任務だ。
スター・トレックの「コバヤシマル」のようなシミュレーション課題だったらよかったのだが、その勝利なきシナリオは避けることのできない現実として存在する。N 
コバヤシマルエピソードは子供の頃 再々放送で視た
そういえば・・・

萩尾望都の「11人いる」はスタートレックの「コバチャシマル」にインスパイアーされて作った作品だということか・・・

閑話休題

北朝鮮がコバヤシマルであっては困るのだが、ぱっと見たところのところ、上映が始まればNo-Win-Scenarioかもしれない。

米中開戦は北朝鮮が片付かない限り当面ないだろう。
米国は北朝鮮処分を中国にやらしたいところであろう。
だが、中国軍は朝鮮戦争の頃の中国軍ではない。中国兵は皆一人っ子の兵士であり、誰もまともに戦えないであろう。

一方北朝鮮軍は督戦兵に脅されながら戦う死兵であり、地上戦で中国軍が圧倒できるとは思えない。国内が巨大な要塞と化している北朝鮮と戦えば中国軍は泥沼となるであろう。しかしながら、食料も兵器も、燃料も備蓄が尽きれば世界中を敵に回している北朝鮮がいつまでも抵抗できるはずもなく、中国が傀儡政府を樹立させるシナリオがコバヤシマルシナリオの中で比較的日本人の犠牲が少ない可能性がある。私としては中国政府による軍事介入シナリオを支持したい。

統一コリアは韓国以上に狂った国になるはずで日中ともに苦労することになり、核なんて持たせたらそれこそ「キチガイに刃物」統一コリアは日本に核ミサイルを打ち込みかねない。
日米中露による半島非核化、国交謝絶が望ましい。





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2017/3/21(火) 午後 11:57

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JST成果集2016 その1 からのダイジェストの続きである。

よくよく読むと、論文・引用データからノーベル賞クラスの研究者を選出・発表することでも知られる「トムソン・ロイター引用栄誉賞」が授与 された研究だらけで、まだ暫くノーベル賞自然科学賞分野に日本人科学者が毎年のように選出され続けても不思議ではない。


ナノテクノロジー・材料

不可能と言われた技術に挑戦
赤﨑 勇 (名城大学 教授、名古屋大学 特別教授・名誉教授)
豊田合成株式会社
天野 浩 (名古屋大学 教授)
エルシード株式会社
中村 修二 (カリフォルニア大学サンタバーバラ校 教授)
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青色発光ダイオード
ノーベル賞を受賞した未踏の領域

2014年のノーベル物理学賞は、高効率青色発光ダイオード(LED)を発明した赤﨑勇終身教授、天野浩教授、中村修二教授の3氏に贈られた。LEDは、1960年代に赤色や黄緑色が開発されたが、青色は実用化が困難で「20世紀中の実現は不可能」とさえ言われていた。そうした中、赤﨑教授、天野教授、中村教授は1980年代から90年代にかけ、世界中の研究者が諦めていた窒化ガリウム(GaN)の高品質単結晶化やp型化などに取り組み、青色LEDの開発・実用化に成功した。これは高輝度、省エネルギーの白色光源の実用化につながり、世界の省エネ化や配電設備を持たない人々への照明提供に貢献している。また照明のみならず、青色LEDは情報処理、交通、医療、農業といったさまざまな分野に広く応用されている。さらに、3氏が開発した窒化ガリウムの実用化技術は、今後電気自動車やスマートグリッド(次世代送電網)などの電力変換器に用いられるパワーデバイスなどへの応用も期待されている。

透明な酸化物の半導体IGZO-TFTが引き起こす
ディスプレイ革命…………………………… 49
細野 秀雄 (東京工業大学 応用セラミックス研究所 教授/元素戦略研究センター長)
自由に曲がる透明トランジスターの構成
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プラスチックの基盤に薄膜作製が出来るため、指で簡単に曲げることが出来る
新たな地平を切り拓くのは革新的な材料である

現在、パソコンやテレビの多くは液晶となり、これらに使用されるTFT(薄膜トランジスター)パネルの世界市場は10兆円規模にも上るとされている。だが、これほどの大きな市場を支え、現在のTFT液晶に主に使用されている「アモルファスシリコン半導体」にはさまざまな問題がある。今後さらに高機能化していく技術に半導体の性能が追いつかないのだ。
そこで注目されたのが、細野秀雄教授がERATO、SORSTで開発した「透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)」である。その物質の1つであり、細野教授のグループによるIn-Ga-Zn-O(インジウム・ガリウム・亜鉛からなる酸化物)を用いたTFT(以下、IGZO-TFT※ )の発明により、国内外の企業が実用化研究を加速させ、TFT液晶パネル開発は新たな世界へと進み始めたのである。
2011年5月には、これら一連の功績が認められ、Society for Information Display(SID)より「Jan Rajchman Prize」賞が贈られた。また2013年には、アモルファス半導体国際会議から「Mott Lecture Award」の栄誉が与えられた。「新たな地平を切り拓くのは、革新的な材料である」が持論の細野教授は、材料研究の重要性を世界に発信したのである。2016年、細野教授は「物質、材料、生産」分野で、「ナノ構造を活用した画期的な無機・電子機能物質・材料の創製」の業績を認められ、日本国際賞を受賞した。

未開拓の物質系に秘められた新機能を発掘
細野 秀雄 (東京工業大学 応用セラミックス研究所 教授/元素戦略研究センター長)
超伝導応用
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「トムソン・ロイター引用栄誉賞」の事実が語るインパクト!

超伝導とは、特定の金属や化合物を超低温に冷却した際に、電気抵抗がなくなる現象を指す。もともと超伝導の研究は、金属系物質や銅酸化物系物質を用いて研究されてきたのであるが、2008年に細野秀雄教授が発表した論文「鉄系高温超伝導物質の発見」は、この超伝導の世界を揺るがすインパクトをもたらした。磁性と超伝導は競合するので、磁性の象徴的元素でもある鉄を含む物質が超伝導の材料になることなど、超伝導に携わる関係者の誰ひとりとして想像していなかったのである。
この世紀の発見のインパクトは、Science誌が「ブレイクスルー・オブ・ザ・イヤー2008」の一つと評価したことや、2013年9月には細野教授に、論文・引用データからノーベル賞クラスの研究者を選出・発表することでも知られる「トムソン・ロイター引用栄誉賞」が授与 されたことからも容易に判断できる。
つまり、この論文を機に、世界中で鉄系超伝導ブームと呼ばれるほどの研究フィーバーが起き、超伝導の新たな可能性を見ることが出来たのである。

磁石を電気で制御!
マルチフェロイックス研究………………… 53
十倉 好紀 (東京大学 大学院工学系研究科 教授)
電気磁気効果の概念図
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ローレンツ電子顕微鏡法によって得られたら2次元スキルミオン結晶(左)とモンテカルロ法シミュレーションで得られた2次元スキルミオン結晶図(右)
マグノンホール効果の概念図
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強誘電性と強磁性が共存し電気磁気効果を示す物質が発見され、より大きな異常電磁気力効果は「マルチフェロイックスと名付けられた。大きな電気磁気効果が実現できれば、わざわざ鉄芯にコイルを巻かなくても、電気をスイッチ代わりに磁力のオン・オフができて効率のよい、画期的な電磁石が理論的には可能だ。

しかし、キューリー夫人に存在を予言された物質は1960年代に発見されたが、その効果は非常に弱く、応用につながらないまま、年月が過ぎていった。2001年にスタートしたERATO「十倉スピン超構造プロジェクト」によって、磁場を加えると誘電率がいきなり数百倍になる物質の創製に成功した。十倉教授の マルチフェロイックス創製が、単に新たな物質創製にとどまらず、強相関量子科学の扉を新たに開いた。
2014年9月、トムソン・ロイター社が、過去20年以上の引用数データをもとに特に注目すべき研究領域のリーダーたる研究者を選ぶ「トムソン・ロイター引用栄誉賞」27人の中に、十倉教授が選ばれた。

21世紀のパラダイムシフトである量子力学の応用が期待できます。

ハードディスクを大容量化
トンネル磁気抵抗(TMR)………………… 55
湯浅 新治 (産業技術総合研究所ナノスピントロニクス研究センター 研究センター長)
市販ハードディスク 最大容量の変化
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ハードディスクの内部構造
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HDD製造装置産業の市場独占を実現した驚異の発明!

近年、ハードディスクの容量は急速に増え続け、2012年には4TBのハードディスクが一般に販売されるようになった。2000年に販売していたハードディスクのなかで、最も容量が大きいものが75GBだったことを考えると、この12年間で約50倍以上容量が増えたことになる。
この飛躍的な進化には、湯浅新治氏らがさきがけで開発し、SORSTで発展させてきた「トンネル磁気抵抗(TMR)素子」が重要な役割を果たしている。この研究がなければ現在の大容量ハードディスクは実現できなかったと言っても、決して過言ではない。実際、市販ハードディスクの最大容量は、TMR素子が実用化された2007年付近を境に、急速に増加している。

相対論の検証から地下資源の探索まで
香取 秀俊 (東京大学 教授/理化学研究所 主任研究員)
光格子の模式図
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実験装置の概要
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  • a. コア直径40μm、長さ32mmの中空ファイバーに魔法波長の光格子(赤い波線)を形成し、その中にストロンチウム原子(青い丸)を捕獲した。中空ファイバー中で光格子を1次元的に構成する。隣り合うストロンチウム原子の間隔は魔法波長の半分(約0.4μm)になる。
  • b. 使用した中空ファイバーの断面図。中央部分が中空になっている。
1次元格子中で原子を拡散させる
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ファイバーに原子を導入した直後は、横方向の原子の広がりは小さく、複数原子が捕獲されている格子が存在する(上図)。このような格子では原子どうしの相互作用が起こる。原子をいったん光格子から解放して原子を拡散させた後、再び原子を光格子に捕獲し直すことで、1格子あたりの原子数をほぼ1個以下にまで低減した(下図)
宇宙年齢138億年を経ても誤差は0.4秒

きわめて精度の高い時計では、「重力が強いと時間はゆっくり進む」というアインシュタインの相対論の影響が測定できるようになる。研究グループが目標とする10-18精度(138億年前のビッグバンから今日までの宇宙年齢を経ても0.4秒しか狂わない精度)を持った光格子時計では、わずか1cmの高低差で重力がもたらす(一般相対論的な)時間の進みの違いが検出できるほか、人の歩く速さで起きる(特殊相対論的な)時間の遅れも検出できるようになる。
また、周囲より比重の高い鉱脈などが地下にあると、地上で感ずる重力が強くなるので時間の進みがゆっくりになる。それを検出できる小型の光格子時計が実現すれば、地下資源の探索も可能になるだろう。今回の成果を足掛かりに、光格子時計の小型化・可搬化を目指した技術開発がなおいっそう進むと期待される。

結晶化不要・極微量で可能な分子構造解析
藤田 誠 (東京大学 大学院工学系研究科 教授)
結晶スポンジ法の原理
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結晶化必要なし 極小量で構造解明

結晶スポンジは、直径約0.5から1nm(ナノメートル。1nmは10億分の1m)の穴(細孔)が無数に開いた細孔性錯体結晶。細孔に分子を吸蔵することは以前から知られていたが、一般的な細孔性錯体では、ゲスト分子がランダムに穴に詰めこまれてしまうため、X線構造解析に必要な周期性は得られない。そこで研究グループは、細孔性錯体に「分子認識能」(分子の形状や性質に合わせて最適な位置に安定な形で穴に取り込む能力)を持たせることで、取り込んだ分子を周期配列させることに成功した。これが結晶スポンジの原理だ。これにより、常温で液体の化合物でも結晶化せずに単結晶X線構造解析をすることが可能になった。

創薬から科学捜査まで広がるニーズ

すでに明らかなように、藤田教授らの研究グループが開発した「結晶スポンジ法」は、微量化合物の構造決定に決定的な威力を発揮する手法である。実際同グループでは、天然物から合成化合物に至るまで既に100種類以上の構造決定に成功しているという。
しかし無論、それらはほんの一部であり、微量成分の構造決定を必要としている分野は数多い。たとえば、「創薬・プロセス化学研究」では、代謝化合物の構造決定、大量検体のハイスループット合成における構造決定、新規プロセス開発・品質管理における不純物構造決定など、「食品科学研究」では調味料・加工食品・原材料の不純物構造決定、天然健康食品リード化合物の構造決定など、さらに「香料研究」「農薬・化粧品・有機化合物関連の科学捜査」などだが、まだまだニーズは増えるだろう。そして疑いもなく、結晶スポンジ法はそれらのニーズにこたえ、多くの分野に多大な貢献をなしていくはずである。

気体を“選んで”吸着・分離
北川 進 (京都大学 物質-細胞統合システム拠点 拠点長・教授)
多孔性配位高分子(PCP)
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                                                                          無数の「孔」があいた構造を持つ。グレーは骨格、                                                                               水色は孔の表面。
光照射でPCPを活性化し酸素を捕捉する様子
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化石燃料から発生する二酸化炭素の回収なども可能に

酸素、二酸化炭素、メタン、水素など、気体は、固体や液体に比べて扱いづらい。気体を選択的に分離・貯蔵する技術の開発は、さまざまな分野のブレークスルーにつながると期待される。工場などで排出される二酸化炭素を回収、貯留できれば、環境問題解決の切り札となるだろう。水から水素ガスを容易に分離できれば、燃料電池の普及が飛躍的に進むに違いない。そんなイノベーションの扉を大きく開く可能性を秘めているのが、北川 進教授が開発した多孔性配位高分子(PCP)だ。

スマートフォンの放熱設計に不可欠
高品質グラファイトシート… ……………… 63
吉村 進 (長崎総合科学大学 客員教授)
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高熱伝導性グラファイトシートによるヒートスポットの低減
革新的な機能を生み出す新炭素材料

その後、吉村教授は委託開発事業で高熱伝導性グラファイトフィルムの事業展開を図るのと並行して、自身が総括としてERATO「吉村パイ電子物質プロジェクト」を率いることとなった。プロジェクト名にあるパイ電子とは、有機化合物の性質や機能の発現において重要な役割を果たしている電子である。吉村教授は新しい機能を有する炭素系物質の創生を目指して研究を進め、グラファイト薄膜とカーボンナノチューブの低温合成、グラファイトにアルカリ金属等を挿入した新しい層間化合物の合成と量子効果の発見、炭素薄膜による太陽電池の開発、グラファイト表面を利用した溶液重合エピタキシーの方法の確立、炭化中間体を含むシリカガラスの発光現象の発見等、多くの成果を生み出した。特にグラファイト薄膜とカーボンナノチューブの低温合成では、CVD法(材料をガス状にして堆積させる手法)を用いて、600℃から1000℃での合成を実現したのである。これにより、通常の半導体製造プロセスでのグラファイト生成が可能となった。
また、CVD法によるカーボンナノチューブの低温合成の作成条件と制御法、カーボンナノチューブの成長メカニズムの研究結果は、名城大学 飯島澄男教授を代表とする国際共同研究(ICORP)「ナノチューブ状物質プロジェクト」に継承され、新物質カーボンナノホーンを生む下地となった。カーボンナノホーンは現在、燃料電池の電極材料として開発が進んでおり、実用化目前といわれている。このように吉村教授のERATOでの成果は、さまざまな分野で実を結びつつある

汎用性、経済性に優れた重合法
大日精化工業株式会社
後藤 淳(シンガポール Nanyang Technological University 准教授)
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リビングラジカル重合の特長

低分子化合物(モノマー)を化学反応でつなげて、ひものような高分子化合物(ポリマー)をつくることを重合という。産業界では、ラジカル重合という方法がよく用いられるが、得られるポリマーの長さ(分子量※)がまちまちで、その構造の制御もできないという欠点がある。この欠点を解決すべく登場したのが、リビングラジカル重合である。この方法なら、分子量がほぼ均一で、構造の制御されたポリマー(構造制御型高分子)を得ることができる。リビングラジカル重合は、わたしたちの生活を支える最先端の高分子材料の創製を可能とし、高付加価値材料の新しい生産技術として、豊かな産業利用が期待されている。

超臨界流体で成分分析を高速全自動化
馬場 健史 (九州大学 生体防御医学研究所 教授)
分析に欠かせない前処理技術

農産物や食品の検査、病気の診断などの現場では、分析結果をより迅速でより正確に得ることが求められている。そのネックになっているのが、分析サンプルから目的の成分を抽出する前処理だ。目的の成分の抽出や分離といった工程は、熟練者による煩雑な作業が必要で分析スピードには限界があり、抽出の回収率や精度のバラつきもある。また、空気に触れるだけで酸化や分解してしまう成分など、抽出そのものがうまくいかない成分もある。馬場健史教授を中心とした開発チームは、これらの問題を「超臨界流体」を用いる方法で解決。超臨界流体を用いた抽出分離装置により、多くの分析をより迅速で正確に全自動で行うことに成功したのである。

従来のX線撮像装置の限界を超える
百生 敦 (東北大学 教授)
コニカミノルタ株式会社等
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開発に成功したX線撮像装置で実際に得られた親指の画像(中:微分位相画像、右:散乱画像)。腱や軟骨など、従来法(左:吸収画像)では撮影できない組織が描画されている。
柔らかい組織も映しだす!革新的X線撮像装置を開発

骨などの検査のために行われる従来のレントゲン撮像では、被写体がX線を吸収する度合いによって濃淡を得ている。内臓などの組織を検査する時は、そのままでは十分な濃淡が得られないため、バリウムなどの造影剤を体内に入れてX線撮像したり、MRIなど高額な装置を使う必要があった。もしも、X線で軟組織も撮像できるようになれば、患者の負担も軽く、病気の早期発見に役立つようになるかもしれない。
このようなX線撮像装置の開発を20年も前から目指してきた人物が、百生敦教授である。百生教授は、従来のX線撮像装置の限界を超えた医療現場で役立つ装置を開発したいと考え、様々な研究開発を進めてきた。
百生教授が見出した全く新しい原理のX線撮像法を、医療機器メーカーのコニカミノルタ株式会社が製品化へ向けて開発している。既に初期の乳がん病巣や軟骨の撮像に成功し、医療現場でも大きな期待が寄せられつつある。

高真空中でも気体・液体の放出を防ぐ!
針山 孝彦 (浜松医科大学 医学部 教授)
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ショウジョウバエの幼虫を電子顕微鏡内に直接入れて観察
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ハムシにナノスーツ法を適用し、前脚の微細構造を撮影した高真空/高解像度写真。
「変形した死んだ生物」の観察から「リアルな生きた生物」の観察へ

生物表面の微細構造を電子顕微鏡で観察するには、電子線が透過しやすいよう、試料を顕微鏡内の高真空チャンバーに配置する必要がある。すると、体重の80%近くを水が占める生物はどうなるか。生物の体表は多様な環境に対応するため細胞外物質(ECS:細胞内から外側に分泌されて集積した物質)で覆われてはいるが、高真空下のような極限状態ではECSは気体や水分の放出を抑制できなくなる。当然ながら、脱水による体積収縮で表面の構造は大きく変形し、生物は死に至るのである。そのため、できるだけ生きた状態に近い微細構造を観察できるよう、化学固定した上で乾燥処理や表面金属コーティング処理を施して、「死んでいる生物」を電子顕微鏡で観察しているのが現状だ。
ところが2013年4月、「生きたままの生物」の電子顕微鏡観察が可能になった。2008年CRESTに採択された研究代表者下村政嗣千歳科学技術大学教授の共同研究者である針山孝彦教授らのグループは、ECSやそれを模倣した薄い液膜に電子線またはプラズマを照射することで、高真空中でも気体・液体の放出を防ぎ生命を保護する、「ナノスーツ(ナノ重合膜)」を開発したのである。

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情報通信技術

コンピューターの処理回数を大幅に圧縮
湊 真一 (北海道大学 大学院情報科学研究科 教授)
膨大な組み合わせを超高速に列挙する

不可思議という単位がある。万、億、兆、京などと続く数の単位で10の64乗のことだ。実は、電車の乗り換えや電気の配電網など、さまざまな組み合わせの中から最適なものを選ぼうとすると、その選択肢は10の64乗という膨大な数になることも珍しくない。これを短時間・低コストで1つ1つ列挙して、最適なものを選ぶにはどうしたら良いか。そのカギを握る技術が、処理の計算手順・戦略を記述して最適な答えを効率的に導き出すアルゴリズムだ。
現在コンピューターは、産業プロセスの最適化や解析、マーケティング、バイオインフォマティクス(生命情報科学)など、さまざまな情報処理に活用されている。近年、爆発的に増大しているビッグデータを処理するために、ハードウェアの高速化とともに、アルゴリズム技術の重要性が高まっており、その高速化が求められている。そこでERATO研究総括の湊真一教授は、離散構造(記号によって表現される概念)を極めて高速に処理するための離散構造処理系の研究に取り組んだ。
コンピューターの処理回数を圧縮する

この研究の基盤となったのが、湊教授が1993年に考案し、世界的にも注目されているZDD(ゼロサプレス型BDD:Zero-suppressed BDD)である(図1)。基本的な離散構造の1つに論理関数があり、一般に論理関数の値をすべての変数について場合分けした結果は二分決定木(Binary Decision Tree)として表現できる。コンピューターの処理に置き換えると、分岐の数は処理の回数を意味する。処理回数を減らすための工夫として、BDD(Binary Decision Diagram)というデータ構造を用いたアルゴリズムが1986年に米国で考案された。湊教授が考案したZDDは、このBDDを集合データの処理に進化させたもので、特に「疎な組み合わせの集合」、例えば1万アイテムの商品から10アイテムを選び出すといった、巨大な母集団から非常に少数を抽出するようなケースで、処理回数を大きく圧縮できる。ケースにもよるが、ZDDを使えばBDDよりもさらに数十~数百倍の圧縮が可能になる場合があるという。
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右のZDDが、湊教授が考案したゼロサプレス型BDD


人間とロボットの新たな関係
石黒 浩 (大阪大学 大学院基礎工学研究科 教授
株式会社国際電気通信基礎技術研究所 石黒浩特別研究所 客員所長)
存在感が伝わる通話でストレス軽減効果

ハグビーを開発したのは、石黒浩教授だ。見かけだけではなく繊細な動きまで人間と酷似したアンドロイド、人間との自然なコミュニケーションを目指すロボビーなど、人間と豊かにかかわる人間型ロボットの研究に取り組んでいる。
研究テーマの1つが、遠く離れた場所にいても自分の存在感を相手に伝えられる「ジェミノイド(遠隔操作型アンドロイド)」だ。ある人物そっくりのジェミノイドをつくり、遠く離れた場所から本人が遠隔操作して応対をする。すると、あたかも自分がそこにいるかのような存在感が相手に伝わり、自然な対話が実現できることが確かめられた。
さらに研究を進め、存在感を伝えるために必要な部分は何かを突き詰め、機能を削ぎ落としていくと、抱きかかえたり、握ったりしながら会話すれば、遠隔操作による細かな動きや人間に似た顔などなくとも、存在感は十分強く伝わることが分かった。そこで開発されたのがハグビーだ。携帯電話などの通信メディアを頭部のホルダーに収納し、抱きしめながら通話すると、相手を抱きしめているような感触、耳元から伝わる相手の声、声に同調した振動といった必要最小限の要素によって、相手の存在を強く身近に感じることができる。その効果を検証したところ、ハグビーを抱きながら通話したグループは、携帯電話で通話したグループと比べ、ストレスを受けると分泌する「コルチゾール」というホルモンの血中濃度が減少し、人との接触で見られるようなストレス軽減効果があることが確かめられた。
この研究によって得られた知見は、今後の通信メディアのデザインに新たな示唆を与えるものだ。例えば電話を使った遠隔カウンセリングなどでは、ハグビーのような「抱いて話す」メディアが効果的だと考えられる。

目の前の3D映像に触れる
舘 暲 (東京大学 名誉教授)
3Dディスプレイの普及と課題

近年、バーチャルリアリティ(VR)やロボット技術の普及により、人と情報メディアとの関係性は、これまでの視聴覚による受動的な情報伝達から、身体を介在した、より能動的な視聴覚体験へと進化しつつある。
人が日常的に得る体験は「触る」「持つ」「歩く・走る」「触れ合う」など、視聴覚のみならず全身の運動や皮膚感覚を伴う身体的経験である。こうした経験を記録・伝送・再生できるプラットフォームがあればロボットやVR空間を介した遠隔体験や遠隔就労、また新たな体験コンテンツの創造が可能になる。
こうした技術課題を解決する画期的な情報メディア技術が発表された。舘暲名誉教授らの研究グループが開発したテレイグジスタンスシステム「TELESAR V(テレサファイブ)」と、裸眼3Dディスプレイ「Hapto MIRAGE(ハプトミラージュ)」である。
TELESAR Vは、人と同期して同じ動作をするアバター(分身)ロボットと、ロボットの視覚・聴覚・触覚を人に伝送するコックピットにより構成される。遠隔地にあるロボットを介して、まるで自分自身がそこにいるかのような感覚で人とふれあい、モノを操り、その接触状態やつかんだときの感覚を伝える。
このようなシステムはテレイグジスタンスと呼ばれる、舘教授が長年にわたって提唱してきた概念を具現化したものだ。高い臨場感を持って自分がいる空間とは別の空間を体験可能にするだけではなく、自己の存在感をも伝達できる、双方向のコミュニケーション技術だ。

身のまわりのものをコンピューターに!
未来型情報環境の実現… ………………… 79
石川 正俊 (東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授)
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動く紙に表示される画像(右)と、動く手のひらに表示される画像(触覚刺激も表示されている)
イメージ 26「1ms Pan/Tiltシステム」と「触覚ディスプレー発振機アレイ」
実験システム概要
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「手のひら」視触覚ディスプレイ

インターネットやスマートフォンなどの情報通信技術の社会浸透により、世界はいま急速に高度情報化社会に移行しつつある。しかし、これだけ普及したコンピューターやスマートフォンにも注文がないわけではない。例えば、小さな電子機器の中に必要な機能をたくさん埋め込むあまり重くなること、ディスプレイや入力の自由度がそれほどないことなどである。
そこで、従来のコンピューターやスマートフォンから大きく発想を転換したシステムが、CREST研究代表者の石川正俊教授らの研究グループによって開発された。空間内を動いている対象(人の手のひらや紙・ボールなどの物体)を、動きを拘束することなく素早く追跡し、そこに遅延なく映像を投影したり触覚刺激を生じさせたりするシステムである。このシステムを使えば、身のまわりのあらゆるものがコンピューターに変身する可能性がある。

対象を素早く追跡し、触覚刺激を提示


これは、2つのシステムを統合した新しいシステムである。
まず、動いている対象を素早く正確にトラッキング(追跡)するのが、「1ms Auto Pan/Tiltシステム」。研究グループが開発した高速画像処理で対象の位置を2ミリ秒(0.002秒)ごとに抽出することが可能な「高速ビジョン」と、2枚の小型ミラーを用いた「高速視線制御ユニット」とによって、ちょうどオートフォーカスが自動的にフォーカスを合わせるのと同じように、画面の中心に対象がくるようミラーの上下・左右(パン・チルト)方向を制御する技術である。
この光学系に同じ向き・角度でプロジェクターを接続することにより、高速で運動する対象に映像を投影することが可能となった。性能としてはパン・チルトともに最大60度のレンジを有し、40度の視線方向の変更を3.5ミリ秒(0.0035秒)で行うことができる。
一方、同じく研究グループの開発した超音波振動子アレイを用いた「非接触触覚ディスプレイ」は、収束させた空中超音波の放射圧によって「手のひら」などの対象に触感を生じさせるシステムである。現在のシステムでは、7.4 グラム重(500円玉を持ったときに感じる重さとほぼ同じ大きさ)までの力を1cm径程度のスポットに集中して提示できる。また、力の大きさや振動パターンを1ミリ秒単位で変化させたり、スポットの位置を皮膚上で高速に移動させることも可能だ。
以上の「1ms Auto Pan/Tiltシステム」と「非接触触覚ディスプレイ」を統合することで、従来は画面に表示していた情報を、触覚刺激とともに、動く対象に位置ずれなく投影するシステムを構築した。その意味で、近年注目されているプロジェクションマッピング技術の動物体版・触覚提示版ということもできる。

非接触でデータ伝送する3次元チップ
黒田 忠広 (慶應義塾大学理工学部 教授)
積層チップ間の通信技術の進化
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小さな消費電力で高速にデータをやりとり

技術が進みコンピューターの処理能力が上がるにつれて、より膨大なデータがやりとりされるようになった。処理するデータが増えると消費電力も増加し発熱して動作できなくなる。そこで、近年消費電力を大幅に削減する研究が進められ、大きな注目を集めている。情報化社会の加速度的な進化に対応するためには、どうしても消費電力の削減が必要になってくるのだ。
黒田忠広教授を中心とするチームはCRESTにおいて他より先駆けて、その「近距離データ無線通信技術」で消費電力を一挙に従来の1000分の1に減らすことに成功した。近接場結合(コイルを使い、とても短い距離を無線で通信する方式)による積層チップ間無線通信技術「ThruChip Interface(TCI)」である。
具体的な数字をあげれば、ボタン電池1個分というわずかな電力でなんと2時間映画600万本のデータをチップ間で伝送できるようになった。1400年分の映像記録に相当するデータ量だ。これは、以前から低電力化とワイヤレス化の研究に取り組んできた黒田教授のチームだからこそ実現できた画期的な技術であり、次のステップを切り拓く大きな可能性を秘めた研究なのである。

1000分の1の電力低減を実現させたスルーチップインターフェイス

消費電力を1000分の1まで低減させたTCIとはどのようなものか。簡単にいうならば、大規模集積回路の中で、積み重ねられたチップとチップとのやりとりをワイヤレスで行う技術である。チップを平面に並べるのではなく積み上げていくことで高速化を図る、いわゆる「三次元実装」は世界中で研究が進んでいる。しかし、チップとチップを結ぶワイヤボンディングという技術は処理速度が遅く、また縦に穴を開けて信号の通り道を作っていく貫通シリコンビアは製造コストが高いなどの大きな欠点があった。(図参照)
そこで、チップを貫通する穴を開けるのではなく、回路技術を使ってチップ間を無線で結ぶというのがスルーチップインターフェイス=TCIなのだ。チップ上にある配線を使ってコイルを作る。片側のコイルに流れる電流を変化させるとコイル間を貫く磁界も変化し、もう一方のコイルで電圧の変化となってデータが伝わる。このように2つのコイルの間を非接触でデータ通信ができるという非常にシンプルな仕組み。シンプルではあるが「チップ間のデータの転送に磁界結合を使う」という発想が唯一無二のものだった。
スーパーハイビジョンから監視・暗視カメラまで
株式会社 ブルックマンテクノロジ (青山 聡 代表取締役社長/川人祥二 会長)
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イメージセンサーは、人間の眼の網膜にあたる。被写体をセンサーの受光面に結像させ、その光の明暗を電気信号に変換して画像を映し出す。
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月明かり程度(照度0.1ルクス)の場所で撮影した画像。肉眼ではほとんど色の識別ができない暗さの中でも文字まではっきり見えるため、監視カメラなどに利用されている。下はCCD撮影。

家庭でも超高速撮影ができる。ブルックマンテクノロジのホームページ(http://brookmantech.com/sample.html)の動画でミルククラウンの美しい現象を体感できる。
人間の網膜にあたるイメージセンサーの性能を左右する「電子シャッター」「A/D変換」技術

カメラを人間の視覚にたとえると、イメージセンサーは、取り入れた光を電気信号に変える網膜にあたる。CCDとCMOSの2種類の方式があり、CCDが電気信号をバケツリレーのように順々に運んでいくのに比べ、CMOSは電気信号を一括処理するため、高速かつ最適に信号を処理できる利点がある。
イメージセンサーの性能は、超高精細の映像を、いかに「超高感度」かつ「超高速」で撮影できるかで測られる。川人教授は、高性能化を実現させるため、フィルムカメラのシャッターの役割を果たす「電子シャッター」と、光の情報をアナログからデジタルに変換する「AD変換」技術の開発に取り組んだ。その実用化のために、大学発ベンチャーとして株式会社ブルックマンテクノロジを設立。2009年にはA–STEPにも採択されて研究開発を重ねた結果、革新的技術の開発と実用化に成功した。

月明かりでも被写体の色と動きを鮮明にとらえ明るいシーンまでしっかり表現

成果のひとつが、「CMOSグローバル電子シャッター」。従来の CMOS イメージセンサーの電子シャッターは、画素ごとに露光タイミングが異なる「ローリングシャッター」のため、動画を撮影した時のひずみが大きかった。CCDイメージセンサーで使われているグローバル電子シャッターなら、露光を同時に行うため、ひずみのない画像を実現できるが、CMOSイメージセンサ―ではリセットノイズと呼ばれるノイズが原理上除去できず、きれいな画像が得られなかった。しかし、独自技術を用いることでリセットノイズの除去に成功。CMOSでもグローバルシャッターの使用を可能にした。
また、従来のCMOSイメージセンサーが抱えていた、照度1ルクス(ろうそく1本の明るさ)程度では撮影が難しく、ダイナミックレンジ(扱える明暗差の幅)が狭いという2つの課題を、独自のAD変換技術などによって同時に解決した「超高感度・広ダイナミックレンジCMOSイメージセンサー」を開発。0.1ルクス(月明かり程度)でも被写体の色と動きを鮮明にとらえられ、明るいシーンまでしっかり表現することに成功した。この技術は、2012年には、中小企業優秀新技術・新製品賞の最高賞である中小企業庁長官賞を受賞している。

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社会技術・社会基盤
インフルエンザウイルスの画期的な合成法を開発
河岡 義裕(東京大学 医科学研究所 教授)

自然災害による犠牲者ゼロを目指して
片田 敏孝 (株式会社アイ・ディー・エー社会技術研究所 取締役研究所長/群馬大学 大学院工学研究科 教授)


被災者台帳を用いて
田村 圭子 (新潟大学 危機管理本部 危機管理室 教授)

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震災からの復興

科学技術イノベーションを活用
鈴木 賢二 (福島県ハイテクプラザ)
清水 友治 (岩手大学)
吉澤 誠 (東北大学)

津波塩害農地をエコで復興
菜の花プロジェクト………………………… 93
中井 裕 (東北大学大学院農学研究科 教授)

低炭素社会構築型の復興シナリオの提案
低炭素社会戦略センター(LCS)



国際的な活動/産学連携事業の成果/知識インフラの構築/次世代人材の育成/表彰・受賞・ライセンス

グローバルな問題の解決へ… …………… 95

研究機関と産業界をつなぐ… …………… 97

科学技術情報インフラの構築… ………… 99

次世代の科学技術を担う人材の育成…… 101

表彰/受賞など… ……………………… 103

執筆中
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Lockheed Martin Ground based Laser Weapon System. Credit: Lockheed Martin
Lockheed Martinは16日、世界最大となる出力58 kWのシングルビームのレーザー兵器を US Army Space and Missile Defense Command/Army Forces Strategic Commandに納入したことを発表した。

Lockheed Martinが開発したレーザーは、ファイバーレーザー(fiber laser)を束ねることで、スケーラブルにレーザーの出力を増大させることを可能にしたものとなる。

このレーザーはまた、目標におけるレーザーの収束率を物理上の限界にまで高めたものともなっており、出力規模もさることながらエネルギー効率の観点からも高エネルギー兵器としての限界を目指したものとなる。

Lockheed Martinは今後、このレーザー兵器を、戦術車両に搭載することで、次世代の対空防御兵器として、実用化することを予定している。

中東の最前線では、敵対勢力が安価なドローンを戦闘攻撃に活用してきていることが、最近になってから米軍の前線部隊を悩ますところとなっている。

米軍部隊の間では、テロ勢力が使用しているこうした数百ドル程度のドローンによる脅威を排除するため、1発300万ドルもするパトリオットミサイルを使用する例も増えてきている。そのため、ドローンを安価なコストで排除できる新テクノロジーの開発は、大きな課題ともなっている。


Source: Lockheed Martin
アフガニスタンの泥と岩で作ったタリバンのアジトを1発7000万円~1.5億円もするトマホークで攻撃したのも馬鹿げていると思ったが、いくらなんでも2万円のドローン相手にパトリオットはないだろう!

2万円のドローンを1発3億円のパトリオットミサイルで撃墜
【The U.S. Army:Gigazine】2017年03月23日 06時00分00秒

1機2万円ほどのドローンを撃墜するために、1発3億円のパトリオットミサイルを発射した事例があるとアメリカ軍司令官が語ったことが話題になっています。

Small drone 'shot with Patriot missile' - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-39277940

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CNN.co.jp : 2万円の市販ドローン、4億円のパトリオットで撃墜
http://www.cnn.co.jp/fringe/35098336.html

これはアメリカ陸軍訓練教義軍団のデビッド・パーキンス司令官が、2017 AUSA Annual Meetingの中で語ったもの。以下のムービーで、15分あたりから該当する発言を聞くことができます。

AUSA 2017 - GEN David Perkins, Commanding General, U.S. TRADOC - YouTube

AUSA 2017 - GEN David Perkins, Commanding General, U.S. TRADOC

パーキンス司令官によれば、Amazonで200ドル(約2万円)ほどで買えるようなドローンを、パトリオットミサイルで撃墜した事例があったとのこと。実行したのはある同盟国の部隊だそうですが、どこなのかは明かされていません。

当然、1発300万ドル(約3億円)とも言われるパトリオットミサイルを使うのは経済的には妥当とはいえないもので、パーキンス司令官は「私が敵なら、eBayで300ドルのクアッドコプターを買えば、それだけでパトリオットミサイルを浪費させられると考えます」と指摘。わざわざ高価なパトリオットミサイルを使わなくてもいいように、大規模な地対空ミサイル防衛網を整備すべきだと主張しました。

英国王立防衛安全保障研究所のジャスティン・ブロンク氏は「この事例は明らかなオーバーキルです。国家間戦争に備えて設計された高価な兵器を所有する軍隊が、安価で容易に利用できる民間技術へ対応するときに直面する課題が露呈しています」と状況を説明しています。

ちなみに、ブロンク氏によると、パトリオットミサイルのレーダーシステムは洗練されているとはいえ、小型のドローンを効果的に狙うには苦労するかもしれないとのこと。

近年、イラクではドローンに武器を取り付けて治安
部隊を狙う事例もあるとのことで、対ドローン戦用の適切な武器が求められるようになっているようです。
なにも、ドローンをPAC-2で撃墜せずに携帯式スティンガーか、7.62mmガトリング砲や35mmのチェーンガンでも楽勝で、「だからレーザー兵器が必要だ」というかなり情報操作くさいニュースでしたが、BM(弾道弾)やミサイルを撃墜する手段の一つとしてレーザー砲は将来兵器として重要な兵器であることには違いない。

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レッドストーン陸軍造兵廠:米軍宇宙ミサイル防衛司令部/陸軍部隊の戦略防衛司令部は、3月16日60kWスペクトルに結合された高出力固体ファイバーレーザー計画のテストが正常に修了したと発表した

先週行われたテストにおいてレーザーは200秒間に57.5kWの連続照射に成功した。当初設計数値を超えており、今回使用しなかった3つ経路を更に追加すると、電力は60kWの当初設定目標を上回ります。

この画期的な技術的ブレークスルーは、防衛用高出力ファイバレーザ実験初の成功です。

納入後、レーザーは高エネルギーレーザー移動試験トラックと統合され、試験環境で使用され、戦闘の用途に関連する分析や研究に共されます。
残念ながら実用化しなかった化学レーザー搭載のYAL-1にかわって発電エネルギーをレーザー照射に使うことが出来るレーザー兵器システムの実用化はもう目前である。
2010/2/21(日) 午前 0:36
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先ごろモスボールにされその後解体された世界初の弾道ミサイ迎撃用空中レーザー照射機YAL-1が搭載していたCOIL(Chemical Oxygen Iodine Laser:酸素沃素〈ヨウソ〉化学レーザー)は、3メガワット=3000kwとされているが、小型化が望めなかった。

このロッキード・マーチンGLWS陸上レーザー照射機(Ground based Laser Weapon System)の60kwはたかが知れている出力ではあるが、ファイバーレーザー(fiber laser)を束ねることで、小型高出力化への道がひらけるのである。
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従来の技術ではエネルギー効率は
10%程度であった、近年30~35%に上がってきた。しかし、出力が上がるとエネルギー効率が落ち、なかなか実用化する段階にはなかった。
ちなみに現在揚陸艦ポンセに搭載試験されているLaser Weapons System(LaWS)の出力は30kwで、速度の遅い小型UAVをなんとか撃墜できる程度である。

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2012年に納入実験されたボーイング社製 高エネルギーレーザー・モバイル・デモンストレータ(HEL MD)の出力は10kwにすぎず、2013年12月の実験では90発の迫撃砲弾と若干の無人標的機を撃墜に成功している。

ロキードマーチン社はHEL MDの出力10kwから60kwにアップグレードしたものである。

各ファイバーは個別に10kwを生成しますが、ビームを結合してより大きな出力を得ることができます。個々のファイバーであれば個別に冷却することができ、従来技術レーザーが引き起こした過熱問題を防ぎます。(過熱すれば、その熱を取り除くことの難しさは指数関数的に増加する)。

ロッキードの技術はさらに進化し、すべてのレーザーを単一のコヒーレントなビームに結合し、長距離でのより鮮明な焦点を可能にします。

基本的に、プリズムが単一の光線を色の虹に分割する方法の逆で、「スペクトルビーム合成」し、多くのレーザーを取り込んで数百のファイバーを組み合わせることも可能で1つのビームにまとめることができます。

60kwであれば亜音速の巡航ミサイルや航空機を撃墜可能であるが、1回路10kwファイバーレーザーの束をあと3回路ファイバーレーザーを加えることができるのでこのシステムでも90kw~100kw級は可能とであるという。

高速で飛行する巡航ミサイルを撃墜可能となる実用化兵器として300kw~500kwが必要であるが、ロッキード・マーチン社はそれを実現するブレイクスルーが成されたと考えられています。



NEW: Lockheed Martin - High Energy Laser Weapon Systems For Air, Land & Sea Platforms [1080p] 20


日本のレーザー兵器の現状と展望

【防衛装備庁(ATLA)】高出力レーザシステム 
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高出力レーザシステムは、高出力で集光性に優れたレーザ発生装置、移動目標にビーム照射可能な追尾照準装置及びビーム指向装置等で構成されます。迎撃フローに示す様に、赤外線カメラで高速目標を追尾し、高出力レーザ光を集光させ、撃破するまで追尾・照準・照射します。


日本の場合「高出力レーザ技術の研究は平成28年度をもって終了する。

飛来するミサイル等に対して艦船、地上重要防護施設等の近接防空用等、将来の装備品への適用を見据え、小型高出力ヨウ素レーザ技術に関する技術資料集めであった。
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「将来のレーザシステムの検討に資するよう、大気伝搬特性に関するデータ蓄積を今後も継続されたい」で評価終了している。

そこで、今後の我が国の高出力レーザー兵器の動向を少し考察したい。
残念ながら、資料はわずかしかない。防衛装備庁、川崎重工 

が、2012年の資料だが、役に立つ。
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他国と同様レーザーレーダーから研究がはじまりましたが、1990年初頭には早くも
10kw級の二酸化炭素レーザーを実用化していた。

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2000年前後には20kw級になり
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高出力レーザー技術研究では、ロッキード・マーチン社製並の50kw沃素レーザーであったことが伺える。

P26以降の 4.これからのレーザー技術

レーザの装備化のために

小型・高出力化技術⇒可搬性・搭載性に優れ、さらに小型化、操作性に優れたレーザ光源を追求(半導体、固体レーザ等)一方で、瞬間撃破を可能とする高出力、集光性の優れたレーザ光源を追求

捕捉・照射技術⇒発生したレーザ光の効果を上げるため、より高精度な捕捉と追尾は必要。

伝搬特性・目標破壊の効果を把握⇒高出力レーザによる大気の熱的影響も含め伝搬特性を把握、各種脅威目標に対する破壊の効果を把握

レーザ光の優位性を活かし、要求に応える研究を促進

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以上を読む限り、ロッキード社のブレークスルー技術は2012年の資料に複数の光増幅を集光する挿絵があるので、日本の方が早かったか、同じ方向性と思われます。

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もう一つ、最新護衛艦「あさひ」がガスタービン電気モーター駆動のハイブリッド推進機関COGLAG方式を採用したことに注目したい。

また、大量発注予定の次期新型護衛艦30DEXもハイブリッド推進機関COGLAG方式を採用する予定だ。計画ではまだなんとも言えないが、なぜかあさひ型も30DEXも対空防御兵器が手薄なのである。

当初この高出力レーザー兵器はあさひ型には搭載されないが後日装備となる可能性が高い。

ガスタービンの強力な発電量で、艦載対空高出力レーザーエネルギーをまかなうことができる。化学レーザーと違い、ガスタービンによる発電であれば、無限とはいかなくとも、燃料がある限り弾が尽きないのである。これによりミサイル飽和攻撃にも十分耐えられる不沈艦になるのである。

日本も沃素レーザーから次はガスタービンをエネルギー源としたこのロッキード・マーチン社方式の実用ファイバーレーザーに移行すると思う。研究から実用化に早急に向ってほしいものだ。

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謎多き日本最大の科学研究所「理研」、その全貌とブッ飛びの研究成果 ここに日本の未来がある!
【現代ビジネス】2017.3.20 山根 一眞ノンフィクション作家/獨協大学特任教授

日本最大の科学研究所「理研」。1917年に設立され、湯川秀樹や朝永振一郎など日本の科学史を彩る研究者たちが参集した。100年目を迎える2017年には450の研究室、3000人の研究者を擁し、全国に研究施設を持つ。

そこでは今どんな研究が行われているのか? 研究者たちは何を目指しているのか?

その全貌を明かそうと仙台から播磨まで5拠点で70人にインタビューし、このたび『理化学研究所 100年目の巨大研究機関』を上梓したノンフィクション作家・山根一眞さんが、大興奮の研究成果をご紹介!

水でできたプラスチック?

「山根さん、面白いものを見せてあげましょう」と差し出されたのは、ちくわほどの大きさの半透明のぶにゅぶにゅした不思議な棒だった。それは「98パーセントが水」なのだという。水? こりゃ、いったい何なんだ?

3月20日、理化学研究所が創立100周年を迎える。

通称、理研。日本最大の科学研究所だが、その実態はほとんど知られていない。

私は、といえば、わかっているつもりだった。理研が完成させた巨大加速器「SPring-8」を取材したのはもう20年も前のことで、それ以降も、いくつかの理研による科学成果の取材は行ってきたのだから。

だが、100周年を機に「理研の科学力」を徹底して知ろうと取材を始め、呆然とした。研究室の数が約450、研究員は3000人にのぼっていたのだ。

理研のウェブサイトには詳しい「最新成果」が公開されているので、まずはそれに目を通してからと思ったが、その数は2800件を超えていた。

理研とは、「最新成果」にじっくりと目を通すことすら容易でない、まさに日本最大の巨大研究機関だった。

そこで、取材対象を絞りに絞ったが、それでも会った研究者は3000人のごく一部にすぎなかった。

そうして会った一人。毎年、ノーベル賞候補として名が伝えられる十倉好紀さん(理研・創発物性科学研究センター長)が差し出したのが、固体の水だった。


水は、固体なら氷と決まっている。だが、これは冷たくない。放置しても溶けて水にはならない。クラゲの体のようだが、長く放置しても干しクラゲにはならない。

ただの水にある粉を混ぜれば、5秒で作れる「水プラスチック」。水なので環境にはとてもよろしい。水が材料なので石油は不用で資源には困らない。そして、将来は今のプラスチックに代わる素材になる可能性が大。

いくら聞いても、既存の「プラスチック」や「水」の固定観念の延長腺上に、こんなものはイメージできなかった。

このぶにゅぶにゅした「水プラスチック」は、十倉さんが率いる創発物性科学研究センターの相田卓三さんが作り出した常識破りの成果なのだ。

相田さんによる「水プラスチック」の論文は、世界中から2万4000回も引用されていた。つまり、「世界の大期待物質」なのだ。

論文の引用回数はその研究の「凄さ度」を示すが、十倉さんとなると、さすが親方、その独創的成果は抜きん出ていて、論文の引用回数はじつに8万回だと知った。ノーベル賞候補とされるゆえんでもある。

……という十倉さんや相田さんは、理研の科学者、3000人のごく一部なのである。


スパコン「京」の知られざる成果


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三橋貴明 日本人が知らない日本製スパコン”京”の凄さ!中国の1位はまやかし                                                              「世界一になる理由は何があるんでしょうか。2位ではダメなんでしょうか」という蓮舫参議院議員(現・民進党代表)の歴史に残る迷言で危うく潰されそうになったのが、スーパコンピュータ「京」だ。

これも理研が作り、運用してきた大きな柱だ。

だが、それによる研究成果をすらすらと口にできる人は少ない。

無償で研究者が利用した場合は成果の公開が原則だが、企業が有償で駆使した場合は成果は公開しなくてよい。そのため、企業がスパコン「京」で開発した製品の多くは、ベールに隠されたままなのだと知った。

たとえば、自動車であれば、格段の空力特性で低燃費、衝突事故によるダメージを軽減するボディなど、スパコン「京」が大いに役立ったとしても、メーカーはそんなことは言わないからだ。

自動車の衝突実験を「実車」のみで行った場合と比べると、スパコン「京」によるシミュレーションによって日本の全メーカーは年間1000億円以上のコスト軽減ができているはず、とも聞いた。

一方、積極的に成果を公開している珍しいメーカーがある。住友ゴム工業だ。

住友ゴムは、スパコン「京」を駆使して自動車タイヤのゴムの分子の動きをシミュレーションし、理想的な省エネタイヤを開発、発売した。もし、日本中のクルマがこの省エネタイヤを使えば、日本全体でのガソリンの節約額は8000億円にのぼると試算されていた。

この省エネタイヤの開発のためには、ゴム内部の分子構造を見る必要があった。そのために利用したのが、理研の「SPring-8」と「SACLA」だった。

たとえ話だが、「電子顕微鏡の1億倍よく見える」と言われるX線分析装置が世界最大規模の「SPring-8」(放射光実験施設)で、さらにその1億倍よく見えるとしてデビューしたのが、世界最高性能の「SACLA」(X線自由電子レーザー施設)だ。

その「透視」で得た分子の挙動データをスパコン「京」にぶち込むことで、超省エネタイヤの作り方がわかったのである。

光合成の解明


「SPring-8」と「SACLA」を駆使して解明できた成果に、光合成の解明がある。

あらゆる生物が太陽エネルギーで生きているというのは、植物が光合成をやってくれているおかげだ。

植物は水と空気中の二酸化炭素を取り込んで、葉を茎や幹を作り果実を結ぶ。アマゾンの鬱蒼たる熱帯雨林もコシヒカリもフライドポテトもマスクメロンもイチゴの「あまおう」も、光合成による炭水化物の生産のおかげだ。光合成は酸素を放出してくれてもいる。光合成によって、私たちの命は支えられている。

光合成は、太陽光をエネルギーに使い水を分解して酸素と水素を作ってもいる。だが、その化学反応のメカニズムは複雑、かつ超高速で進められているため、長いこと人がとらえ知ることは不可能とされてきた。

だが、その壮絶工場の製造工程で必要な化学物質(触媒=タンパク)の正体が、「SPring-8」と「SACLA」で突き止められていた。岡山大学大学院教授、沈建仁さんの大成果だ。

その触媒を人工的に合成、化学反応の道筋をつかむことで、水と太陽光だけを原料に、タンクの中で水素エネルギーや食糧、燃料、建材、さらに肥料まで作れるようになる「日」が見え始めたというのだ。

石油不用のプラスチック、8000億円分のガソリン節約タイヤ、太陽光と水だけで生産できる人類の生命維持資源……。

今回の取材では、理化学研究所の研究成果のごく一部に触れただけだが、資源に乏しい日本が、資源輸入に頼らず、環境にダメージを与えず、豊かさを維持していく「持続可能な社会」という魔法を手にできるじゃないか、という確信をもった。

理研抜きに日本の科学は語れない


科学は難しい。最先端科学は理解できない、という人が圧倒的に多い。「日本人がノーベル賞受賞!」というニュースが報じられるたびに日本中が熱くなるが、それぞれの研究内容は一般の人には理解しがたい内容ばかりだ。

それは当然のことで、いずれも世界の最先端の科学での業績だからだ。

理研の最先端の研究を訪ね歩いたが、私自身、研究者が語る「用語」すら理解できないことがしばしばだった。

その「用語」を理化学の専門事典で調べても、収載されていないことが多かった。新しい発見や新しい考え方に対して創られたばかりの「用語」だからだった。

研究者たちはマイペースで、研究について、その成果について話し続けるのだが、それは、その分野の大学院の最先端の講義を聞いているようなもので、正直、何度も逃げ出したくなった。

しかし、仙台、埼玉県和光、横浜、大阪府吹田、神戸、兵庫県播磨と理研の研究拠点を訪ね、およそ70人の研究者に会いインタビューを続けながら、これはえらいことになっているぞ、という思いがどんどん強くなっていった。将来像が見えなかった持続可能な社会は作れるじゃないか、と思ったのはそのひとつだ。

理化学研究所は、2014年にSTAP細胞をめぐる不幸な事件に突き落とされ、皮肉にもあの事件によってその名が広く知られるようになった。理研を取材しているというと、「あの事件のことか」と聞かれることが多かった。それは、あの出来事が理研のすべてと受けとめらてしまっていることを物語っている。

それが、長年にわたり理研を取材してきた私には、何とも無念でならなかった。

日本の科学力を語るには、理解するには、理研抜きにはあり得ない。だからこそ、一度、きっちりと理化学研究所の全てを取材して歩きたいという思いがやっと叶ったのである(結果は、その片鱗を知るしかできなかったが)。

人類史に残る偉業


2016年12月、理研の実験核物理学者、森田浩介さんのグループは、日本の科学界の100年以上にわたる悲願だった新元素の合成、そして周期表への記載を、13年半におよぶ苦闘の末になしとげた。

「113番元素=ニホニウム」の合成成功は、アルファベットの26文字に新たな1文字を加えたのに匹敵する偉業だ。

3月14日、東京・上野の学士会館でその命名式典が行われ私も参列した。

臨席された皇太子殿下が、「高校時代に周期表を30枚も手書きして覚えた」というエピソードを紹介された。私は高校時代に、「水兵離別バックの船、なーに間があるシップ直ぐ来らー」の語呂合わせで覚えたが、皇太子殿下はどんな語呂合わせで覚えたのだろう。周期表の語呂合わせは20〜30種類はあって、世代によって異なるからだ。

続いて国際純正・応用化学連合(IUPAC)のナタリア・タラバソ会長が挨拶に立った。会場には、あそこにも、ここにもと、ノーベル賞受賞者を含めた日本を代表する科学者たちの姿があった。こんな厳粛な科学の会を見るのは初めてだった。

そして、タラバソ会長は、まさに「高らかに」こう締めくくった。

「IUPAC会長として、113番元素がニホニウムとして命名されたことをここに宣言します」

理化学研究所は、奇しくも100周年を迎える日の6日前に、日本の科学界の1世紀以上にわたる悲願を達成したのだ。

この命名宣言は、理研の101年目からの新しい日々の始まりだ。明日から、どんな成果が続くのか目が離せない。

* * *

理研はあまりにも巨大で、私一人でイタンビューを続けることの無力感にさいなまれたが、それでも理研が科学立国・日本の源泉であり、ここに日本の未来の姿があると確信した。

理研の研究者たちの取り組みを知らずして、日本の未来を考え、未来を描くことはできない。70人に続き、まだお目にかかっていない2930人のインタビューを行うことは到底不可能だが、1人でも、1テーマでも多く、日本の科学力を知るための取材を続けねばならないと身の引き締まる思いでいる。
理化学研究所は、国立研究開発法人理化学研究所として、自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、計算科学、生物学、医科学などに及ぶ広い分野で研究を進めています。
スタップ細胞騒動と原子番号113・ニホニウム発見で世間の耳目を集めた理研だが、理研が現在研究している事案は世界を大きく変える発明を手掛けている。

21世紀に入っての量子力学の進展は目を見張るものがある。
先日紹介した
にあるように、人間がかつて宗教や哲学で扱ってきた心や宇宙の真理が解き明かされようとしています。

理研はを量子力学と少なからず関係がある。戦前の理研を代表する科学者仁科芳雄は量子力学を確立したニールス・ボーアの講演を聴いて物理学の新しい分野の研究に興味を持ち、1923年4月にコペンハーゲン大学のボーアの研究室に移った。ここでは研究員として5年半過ごした。 帰国後、1931年7月に理研で仁科研究室を立ち上げ、当時国内では例のなかった量子論、原子核、X線などの研究を行なった。翌年に中性子が発見されるとX線の代わりに宇宙線を研究対象に加えた。1937年4月には小型のサイクロトロン(核粒子加速装置)を完成させ、10月にボーアを日本に招いている。1939年2月には200トンもの大型サイクロトロン本体を完成させ、1944年1月から実験を始め、原子爆弾開発を目指したことは有名。

理研と並び日本の科学の中核を為すのが科学技術振興機構(略称JST)です。
日本の各研究機関を支援し、研究成果の社会還元とその基盤整備を担うわが国の中核的機関です。理研とも文部科学省傘下で、重複したいますが、ともに産学協同で科学振興の役割を担っています。

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グリーンイノベーション

エネルギー問題解決へ
光合成最大の謎を解明… …………………… 3 
沈 建仁 (岡山大学 大学院自然科学研究科 教授) 
光合成の明反応の流れ
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光合成は明反応と暗反応の2段階で成り立っている。明反応はその名のとおり太陽の光を利用して水を分解し、酸素や生命活動のエネルギーとなるATP(アデノシン3リン酸)などを合成する反応で、PSⅡはその最初の段階で水を分解して酸素をつくる触媒としてはたらく。
PSⅡの全体構造
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PSⅡは19個のタンパク質の複合体で、2つが左右対称につながっている。黄丸が触媒のはたらきを中心になって行う部分で、4個のマンガン原子などから成ると推測されたが、構造は解明されていなかった。
人工光合成技術の確立が実現すれば、石油や石炭のように二酸化炭素を発生させることのない、本当の意味でのクリーンエネルギーが実現するかもしれない。光合成は生命活動の根源であり、多くの生物がその恩恵にあずかってきた。これからは未来エネルギーの礎として、さらに私たちの暮らしを支えてくれることになるだろう。

新たなエネルギー変換技術の開発に道
内田 健一 (東北大学金属材料研究所 准教授) 
齊藤 英治 (東北大学原子分子材料科学高等研究機構/金属材料研究所 教授)
表面プラズモンを使った光–スピン変換
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  • 〈a〉 研究の概念図–この実験で使った素子の模型図
  • 〈b〉 走査型電子顕微鏡で撮影した金微粒子
  • 〈c〉 金微粒子近くの電磁場分布のシミュレーション結果
    左では強力な電磁場が発生、右では電磁場の補強効果は起こらない。
特定の金属微粒子を含んだ絶縁体磁石に可視光を当てることで、光のエネルギーをスピン流(磁気の流れ)に変換することに世界で初めて成功                                            
充電や交換、燃料補給なしで長期間エネルギー供給が可能な電源の研究開発において、現在、最大の課題が常時利用可能な動力源の確保である。単一のデバイスでさまざまなエネルギー源を同時に利用することができるスピン流は、未来を拓く大きな希望だ。内田准教授によって発見されたこの変換原理は、今後の研究の進展によって、表面プラズモンとスピン流を融合した新たな研究分野の誕生や、外部電源を必要としない電気、磁気デバイスの研究開発へ大きな貢献を果たすことだろう。


高い能力と経済性
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小江 誠司(九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所/大学院工学研究院 教授) 




貴金属を使わない人工触媒の開発に成功(日刊工業新聞 2013年2月8日)
近年、次世代を担うエネルギーキャリア(エネルギー貯蔵媒体)の代表として「水素」が注目され、官民でさまざまに議論されている。化石燃料の枯渇化が進行し、未曽有の事故を経験したいま、安全かつクリーンで、しかも持続可能なエネルギーの供給は21世紀の最も重要な課題の1つであるとの認識が、ようやく社会に定着してきたのである。

そんななかで、一貫してエネルギー源としての水素に着目し、酵素による水素活性化のメカニズムの解明、水素からの電子抽出、そしてエネルギー利用技術の開発に努めてきたのが、小江誠司教授の研究グループである。同グループは、すでに2007年、水素活性化酵素と同様の働きをする最初の「モデル化合物」を発表した。その後、2008年にCRESTに研究代表者として採択され、研究を重ねた結果、2013年2月には、ついに水素活性化酵素の「完全モデル化」に成功した。

自然エネルギーの決定版
塗るだけで太陽電池!… …………………… 9 
中村 栄一 (東京大学 教授)
連続塗布製膜プロセスイメージ図
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塗布型p-i-n三層型有機薄膜太陽電池の成膜プロセス



カラム/キャニオン構造を横から見たもの

カラム/キャニオン構造を上から見たもの
あらゆるものを太陽電池にできる魔法の技術

有機薄膜太陽電池と呼ばれるこの技術は、量産が進めば現在、安価なシリコン製の太陽電池と比較しても生産コスト抑制の点でそれを十分に上回るものが提供できる。これだけでも素晴らしい成果だが、何よりの特長は塗るだけで、その物質による太陽光発電が可能になる ということだ。つまり、屋根の瓦に塗ると外見はまったく変わらないにもかかわらず、家庭内の電気をすべて供給することができるという、夢のような話も可能になるというから驚きだ。さらに近い将来、自動車のボディなどの工業製品だけでなく、カーテンや壁紙など、これまで考えられなかったものでも発電できるようになるかもしれないのだ。 

大気中に浮遊する微小な物質の複合分析装置を開発
PM2.5 の実態解明に貢献!……………… 11 
竹川 暢之 (首都大学東京 大学院理工学研究科 分子物質化学専攻 教授)
小ささゆえに健康や気候へ重大な影響を引き起こし観測すらままならないのがPM2.5である。 PM2.5を構成する化学物質は多種多様で、その実態を解明するために必要とされる分析法が確立していないのが現状である。
小ささだけでなく「変わりやすさ」も研究の障害に このため、エアロゾルの実態を把握するには、化学組成をリアルタイムで計測することが必要だ。小さなエアロゾルをもれなく速やかに捕まえる。最大の課題の解決法として、竹川教授たちが試行錯誤の末にたどり着いたのは、「粒子トラップ」だった。各要素技術を効果的に組み合わせることで、単独では成し得ない新しい分析が可能になったのが立体的な格子の「粒子トラップ」で、リアルタイム分析が可能になった。

サハラ砂漠を地球の発電所に!
住友電気工業株式会社故 笛木 和雄(東京大学 名誉教授) 
故 北澤 宏一 (東京大学 名誉教授) 
故 前田 弘 (物質・材料研究機構 特別名誉研究員) 
紙すき技術応用の排ガス浄化装置… …… 15 
株式会社エフ・シー・シー北岡 卓也 (九州大学大学院農学研究院教授)
この送電ロスをゼロにできれば、世界的なエネルギー問題の多くを解決できるのだ。

その答えの1つが超電導を利用した高温超電導線材である。超電導とは特定の物質を超低温に冷やした際に電気抵抗がゼロになる現象を指し、この原理を利用すれば低損失の送電線が実現可能になる。

この技術を利用すれば地球規模の電気革命も起こせると考えられている。「サハラ・ソーラー・ブリーダー計画と呼ばれるその計画は、太陽光発電の巨大なシステムをサハラ砂漠につくり、その電気を高温超電導線材を使い世界中に送電するという夢のプロジェクトだ。計算上、サハラ砂漠の4分の1の面積で世界中の電力を賄うことができる。数千kmの送電が可能になれば決して不可能なことではないのだ。
半分の貴金属触媒で世界基準をクリア!
株式会社エフ・シー・シー/北岡卓也(九州大学大学院農学研究院 教授)
貴金属量の少ない浄化装置の開発が急務

自動車や自動二輪車の生産は世界中で拡大し続けている。今後も排ガス規制の強化は続くだろう。これまでの浄化装置は主に触媒として使っている貴金属を増やすことでしか、規制の強化に対応できなかった。しかし、この方法はすでに限界を迎えている。白金やロジウムなど有限な資源を今のペースで使い続けることはできないのだ。
貴金属使用量の少ない、効率のよい排ガス浄化装置の開発は緊急の課題であった。

紆余曲折を経てたどり着いたのは、セラミックスの粉末にパルプを加えた原料を手すき和紙などを作る要領で、シート状にするという方法「湿式抄紙製法」だった。さらに、それを巻き取り、ハニカム(蜂の巣)状に成形する。高温加熱してパラジウムとロジウムを触媒として加えることで新しい排ガス装置が完成したのだ。
貴金属の使用量はどうなったのか?なんと白金は使う必要さえなくなったのである。そして、これまでの約半分の貴金属量で、現在の世界基準、欧州自動二輪車の排ガス規制EURO3(一酸化炭素;2.0g/km、炭化水素;0.3g/km、窒素酸化物;0.15g/km以下)をクリアすることができたのだ。これで効率のアップはもちろんのこと大幅なコストダウンも実現できたことになる。従来の問題点であった耐熱性も高く、1000℃でも浄化性能が低下しないという大きな特性も持っている。
ペーパー触媒はすでにエフ・シー・シーによって製品化が実現した。紙すきという昔からの技術を利用して画期的な成果を生み出したのだ。

日本かおり研究所株式会社大平 辰朗 (国立研究開発法人森林総合研究所 樹木抽出成分研究室長)
トドマツの葉から抽出した精油が、NO2を除去する能力が圧倒的に高いことがわかった。トドマツに特に多く含まれるβ-フェランドレンやミルセンなどの成分が効果を発揮したのだ。
ではなぜ精油がNO2を無害化できるのか。調査の結果、精油に含まれる成分が空気中のNO2と引き合って「凝集(粒子が寄り集まってより大きな集合体になること)」することがわかった。

こうして「クリアフォレスト事業」が立ち上げられ、これまでは廃棄されていた間伐材の枝葉を活用し、省エネ&低コスト型の新抽出装置の開発に成功した。

北海道釧路市にプラント(生産設備一式)を設営し、地域の連帯による「トドマツの枝葉の収集から抽出まで」の連続したシステムが開発された。

トドマツの精油を効果的に抽出するため、今までの水蒸気蒸留装置とはまったく違う考え方の「マイクロ波減圧コントロール抽出装置」の開発を成功させた。この装置は抽出時間が短縮されるだけではなく、抽出温度や圧力の調整も簡単にできる。水蒸気蒸留ではないので、排水もなく手間がかからない。まさに省エネ&低コスト型の抽出装置なのだ。精油を抽出した後に残った葉にも脱臭効果があるので、消臭活性剤としての展開も今後期待できる。
森の資源を有効活用し持つ力をすべて使い切る。これは日本の森を再生させる、という面でも類を見ないシステムと言えそうだ。

ライフイノベーション

再生医療や創薬の発展に期待
iPS 細胞を樹立…………………………… 19
山中 伸弥 (京都大学 iPS 細胞研究所 所長 / 教授)
iPS細胞は多能性幹細胞である。多能性幹細胞とは培養すれば骨・心臓・肝臓・神経・血液など、その他人間の体を構成するどのような細胞にも分化する「万能性」を持った細胞のことである。今まで皮膚などを構成する細胞が多能性幹細胞になるということは考えられなかった。なぜならそれはタイムマシーンのように、時計の針を逆戻りさせて、細胞を受精卵と同様の状態に戻すことにほかならないからだ。
しかし、皮膚の細胞にわずか4つの遺伝子を導入するだけで、この時計の針を戻すという一見不可能な技術が実現できたのである。

世界初の快挙!
髙橋 政代 (理化学研究所 多細胞システム形成研究センター
網膜再生医療研究開発プロジェクト プロジェクトリーダー)
iPS細胞の登場から7年、実用化へのマイルストーン
世界に衝撃を与えた山中伸弥教授によるiPS細胞の樹立から7年後の2014年9月12日、滲出型加齢黄斑変性の患者に、患者自身のiPS細胞由来の網膜色素上皮(RPE)細胞のシートを移植する手術が行われた。iPS細胞から作製した組織を使用した臨床手術として、世界初の事例である。
今回の手術は、初期段階の臨床研究として行われた。主な目的は安全性の確認で、大幅な視力改善といった顕著な治療効果を期待するものではない。新規治療法として確立し、一般化されるまでには、今後長期にわたる臨床研究が不可欠だ。世界に衝撃を与えたiPS細胞は、人類に大きな恵みをもたらすための初めの一歩を踏み出した。
医薬品開発の研究にも貢献
谷口 英樹 (横浜市立大学 大学院医学研究科 教授)
ここで開発した技術を「臓器原基移植療法」と名付け、臓器移植の代替治療として提唱している。この技術に基づく治療が実現すれば、肝移植の待機中に死亡する患者を救済することができるのだ。そのため研究グループでは、今後は臓器原基の大量製造技術や最適な移植方法の検討を重ねて、肝臓疾患の患者を対象とする再生医療の実現化を図り、肝臓以外の臓器への応用の可能性についても研究を加速させるという。
一方、本研究の成果は、日本の創薬産業にも大きく貢献する可能性がある。現在の医薬品開発に利用される細胞のうち、最も重要で市場性が高いのはヒト肝細胞で、代謝安定試験・酵素誘導など、医薬品開発でのスクリーニング(新薬候補の選別)に役立っているが、残念ながら、その供給はほぼ100%を欧米に頼っているのが現状だ。そこで、今回開発した技術によりiPS細胞由来のヒト肝細胞・肝組織を大量に製造してスクリーニングに供することができれば、日本の創薬産業の国際競争力向上に寄与すると考えられるのである。

貼るだけで治療ができる!
奇跡の細胞シート… ……………………… 25
岡野 光夫 (東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 名誉教授・特任教授)
「これは人類の宝だ」と言わしめた技術

ヒトの臓器は機能を失った場合、自然に元に戻ることはまずない。臓器移植は現在の医学では可能になったものの、倫理的な問題を含むことや、患者数に対してドナーの数が圧倒的に少ないという問題もあり、根本的な解決になっていない。人工的に臓器をつくり出すことができれば、より多くの患者を助けることが可能になるのだ。岡野光夫教授は、人類の夢とも言える人工臓器の作製に応用できる細胞シートの作製技術を確立した。
この細胞シートはさまざまな臓器の組織を対象とした基盤技術となり、筋芽細胞シート(ハートシート)は治験が終了し、世界初の心不全治療用再生医療製品として承認された。その他、食道、中耳、関節軟骨、歯根膜、角膜の臨床応用が国内外で進められている。心筋梗塞などの虚血性心疾患の治療だけを考えても、全世界で数百万人いるといわれる患者を救うことが可能になるかもしれないのだ。

患部に「貼るだけ」で治療ができる奇跡のシート

細胞シートの凄さは多くあるが、なによりその施術の簡易さが際立っている。基本的に患部に「貼るだけ」で良いのだ。縫合も必要ないため、医師にとっても患者にとっても負担の少ない治療と言えるだろう。角膜の手術も基本的に眼球に貼るだけで終わってしまう。また、心筋梗塞など、これまでは臓器移植しか方法がなかった治療も、壊死した部分に貼るだけで心臓が回復するという、これまでの常識では考えられないような治療法なのである。
また、患者の細胞を使用する細胞シートを使えば、これまでのようにドナーも必要なくなるため、すぐに治療を始めることができる上に、拒絶反応も起こらないという驚くべきものなのだ。

医学と理工学が一体となって実現する世界

現在の医療現場は昔と違い、医学だけでなく理工学との共同研究が求められている。先のシャーレの開発も、医学の世界だけでは解決できない問題だった。岡野教授は「神の手」と呼ばれるひと握りの特別な医師だけが救える命を、医学と理工学が協力し開発するテクノロジーにより、医師の経験に関係なく、より多く助けることができると考えている。
細胞が「自分を食べる」
水島 昇 (東京大学 大学院医学系研究科 教授)
飢餓状態の栄養補給と細胞の健康維持の役割についても解明

リアルタイムでの観察やノックアウトマウスなどの研究手法の開発を機に、オートファジー研究は飛躍的に進んだ。絶食させると全身でオートファジーが活発になることや、オートファジーに必要なAtg5遺伝子を欠損したマウスが出生直後深刻な栄養不良状態に陥って死亡しまうことなどから、オートファジーが飢餓状態の栄養補給に重要な役割を果たしていることがわかった。また、神経細胞特異的にAtg5遺伝子を欠損したマウスに運動障害が現れた。神経細胞内を観察するとタンパク質の異常蓄積と凝集化が起こっていたことから、オートファジーは、飢餓時のアミノ酸供給だけではなく細胞内の不要なタンパク質を取り除く恒常的な役割を持つことが明らかになった。
さきがけ終了後、研究代表者となったSORST「オートファジーによる細胞内クリアランス機構」では、不要タンパク質を取り除く役割に着目し、様々な組織におけるオートファジーの役割を調べた。例えば、マウスの受精卵では、受精後4時間以内にオートファジーが非常に活性化することを確認した。そして卵細胞特異的にAtg5遺伝子を欠損したマウスは、排卵、受精は正常に行われるものの、着床に至る前に発生が止まり死んでしまった。正常なマウスでは、受精直後にオートファジーが活性化することで、母親由来の不要なタンパク質を取り除くとともに、発生の過程で必要となる新たなタンパク質合成の材料となるアミノ酸を確保していたのだ。
飢餓状態にする修行が無意味でナンセンスではない科学的根拠がある証拠か・・・

免疫学の常識を覆す!
自然免疫の役割を発見… ………………… 29
審良 静男 (大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 拠点長)
花粉症などの治療薬開発に貢献

審良氏の発見はすでに、自然免疫をターゲットとした創薬の研究開発に役立っている。例えば、日本全国で2,000万人以上の患者数がいるとされ、国民病とまで称される花粉症や、アトピーの治療薬の開発などである。また、ヘルペスなどの感染症治療薬は既に一部が実用化されており、審良氏の発見からわずか10数年で免疫学は大変なスピードで進化した。今後、さらに免疫機構が解明されれば免疫の異常反応系の病気だけでなく、がんなどの難病の治療も可能になると期待されている。
ノーベル賞が与えられてしかるべきだったのだが、
2011年に同分野の研究を行っていたジュール・ホフマンブルース・ボイトラーが受賞したため、同分野での受賞の可能性は事実上消滅し・・・非常に残念だ。

1細胞レベルでの観察を実現!
マウスを丸ごと透明化… ………………… 31
上田 泰己 (東京大学 医学系研究科 教授 / 理化学研究所 生命システム研究
センター グループディレクター)
0.5gの脳には約5億個近くの細胞がある。個々の細胞を見ることは、日本列島の外側から人間1人1人を見分けるよりも難しいことなのだ。

個体全身を一つのシステムとして総合的に解析するために、全身の細胞ネットワークや遺伝子の働きを1つの細胞レベルの解像度で3次元画像として取得するためのイメージング技術の開発に挑戦した。

脳の細胞を見ようとしても、細胞の中の水やタンパク質、脂質によって光が散乱するため、不透明でよく見えない。「見えないのであれば、透明にすればいい」と上田教授は考えた。光の散乱の原因となる脂質の除去、そして、組織内の屈折率の均一化によって、透明度の高い脳サンプルを得ることに成功する。

生物学や医学分野、睡眠・覚醒リズムの解明にも

上田教授らによって実現されたこの技術は、三次元病理解析や三次元解剖学への応用、免疫組織化学的な解析への適応も可能だ。この技術は個体レベルの生命現象とその動作原理を解明できることから、生物学はもとより医学分野においても大きな貢献が期待できそうだ。上田教授が進めている睡眠・覚醒リズムの研究においても、この技術は大きな役割を果たす。研究において大切な1個1個の細胞の活動を調べ、その仕組みを解き明かす助けとなるのだ。いずれはうつ病や総合失調症などの精神疾患を解明し、治療することも可能になるという。さらなる夢に向かって、共同研究グループの挑戦はまだまだ続きそうだ。

植物の受精卵分裂の撮影に初めて成功!
東山 哲也 (名古屋大学 WPIトランスフォーマティブ生命分子研究所 教授)
植物の「細胞再生能力」と「新たな細胞融合現象」を発見

このプロジェクトの代表的な成果は「細胞の再生能力」の解明である。被子植物では、受精卵の不等分裂によって頂端細胞(最終的に植物体を形成する)と基部細胞(胚への栄養供給を担う)が生じる。頂端細胞を前述のレーザー技術で破壊し、その後の影響を連続観察すると今まで知られていない驚きの事実が明らかになった。頂端細胞がダメージを受けると、すでに胚柄細胞になろうとしていた細胞が、頂端細胞を補うためにその役割を担う「細胞運命転換」が行われることが分かったのだ。これは植物の驚くべき再生能力の証明といえる。
さらに、まったく新しいタイプの細胞融合現象も発見された。植物が種子を作る際には花粉から伸びた花粉管が、種子の元になる組織に導かれる。この時、花粉管を誘い込むのが卵細胞の隣にある2つの助細胞だ。花粉管が助細胞に到達すると、先端から2つの精細胞が勢いよく放出され助細胞の一つが潰れる。そして、精細胞の一つは卵細胞と受精して胚に、もう一つは中央細胞と受精して胚乳になる。東山教授らは代表的な実験植物であるシロイヌナズナを使って、残った助細胞に起きる変化を調べた。その結果、助細胞と胚乳が融合して互いの中身が交じり合う細胞融合現象が観察されたのだ。これで助細胞の誘引物質が急速に薄まり花粉管の誘引を抑える。この研究によって、花粉管の誘引停止が起きる仕組みが明らかになった。
これまで植物の細胞融合は受精以外では知られておらず、この発見は植物細胞に対する見方を大きく変えるだけではなく、細胞の新たな機能を提示したことになった。これはまさに教科書を書き換える大発見といっても過言ではないのだ。

スプレーするだけでがん細胞を可視化
浦野 泰照 (東京大学大学院薬学系研究科・医学系研究科教授)
現在のがんの検診法で検出可能ながんは1cm程度が限界で、数mmサイズを見つけることは極めて難しい。がんの再発を防ぐためには、1mm程度の転移極小がんもすべて取り除く必要があるのだが、これまでは手術する医師の経験が頼りで、見落としや取り残しが問題となっていた。
研究加速で、浦野泰照教授と米国国立衛生研究所(NIH)の小林久隆主任研究員は共同で、短時間でがん細胞のみを検出する画期的な試薬の開発に成功した。生体内の物質を可視化する蛍光色素「有機小分子蛍光プローブ」を患部に少量スプレーするだけで、がんの部分だけを光らせることができるのだ。 局所散布するだけでがん部位が目に見えるほど明るく蛍光を発するようになるのは世界初の技術で、まさに画期的なものであった。

がん細胞のみを狙い撃ち!
分子標的療法で実現… …………………… 37
間野 博行 (東京大学 大学院医学系研究科 細胞情報学分野 教授)
がんを飲み薬で治すことも可能になる夢の研究

40年ほど前まで、「日本人のがん」といえば、圧倒的に胃がんだった。しかし時代が下るに従って肺がん死亡者数が急激に増え続け、2009年には男女とも胃がんを上まわって1位となった。この肺がんが飲み薬で治るかもしれないという、夢のような研究成果が発表された。本成果は、今後、肺がんだけでなく、がん医療全体の新たな道筋を示すものとして世界中から注目を浴びている。
間野博行教授らは、がんの原因遺伝子を発見するための新しい手法を開発し、CRESTで2007年に肺がんの原因遺伝子としてEML4-ALK融合遺伝子を、研究加速で2012年にRET、ROS1融合遺伝子を発見した。さらに、2013年にRAC点突然変異遺伝子を発見し、乳がん、悪性黒色腫、膵がんなどの原因遺伝子である可能性を示した。簡単にいえば、これらの遺伝子の活性を阻害する薬を投与することで、EML4-ALK融合遺伝子などが原因のがんを一掃できる。実際、2011年8月には、米国において奏効率61%という驚くべき治療効果を示したALK阻害剤クリゾチニブが、EML4-ALK陽性肺がんに対する飲み薬として初めて承認された。治療標的の発見から僅か4年での新薬承認は、世界の抗がん剤開発史上最速だ。日本においても、2012年3月に製造販売承認がおり、同年5月に薬の販売が始まった。現在では世界中で12,000人以上に、日本だけでも2,500人以上に使われている。また、国内で開発され、2014年7月に製造販売承認がおりたALK阻害剤アレクチニブは、奏効率93.5%というまさに夢のような治療効果を証明した。既に900人近い日本人が治療されている。今後、EML4-ALK陽性肺がんの治療への更なる貢献が期待されている。                           
遺伝子の故障が がんを生む

約60兆個ともいわれる我々の細胞を制御するのは、約2万からなる遺伝子である。細胞の制御はコンピューターの様な精緻な仕組みが働いているが、ごく稀に遺伝子が壊れ、異常な信号を発信し始めることがある。この遺伝子の故障が原因となり、がん細胞が生じる。遺伝子が壊れる原因は、ウイルス、化学物質への暴露、遺伝子複製中のミスなどさまざまある。EML4-ALK融合遺伝子の場合は、遺伝子の複製時などに、EML4遺伝子の一部とALK遺伝子の一部が入れ替わってしまう結果生じる。(略)
この遺伝子を抑える薬が1つあれば、がんの進行を止め、完治させることも可能になる。

副作用や経済負担の少ない医療を目指す
片岡 一則 (東京大学 大学院工学系研究科/医学系研究科 教授)
薬剤をがん細胞に届けるだけでなく、その核となる部分に直接作用させる事ができるため、大幅に副作用を低減することができる。しかも薬剤の量も遥かに少量で済むために経済的な負担も軽減することができるのだ。またこの技術では、薬剤以外に遺伝子を運搬することも可能なため、今最も注目されているiPS細胞を使用した再生医療と組み合わせることにより、体内で細胞分化を制御できるようになる可能性があるという。

移植後、早期に元の骨と一体化!
HOYA Technosurgical 株式会社
田中 順三 (東京工業大学大学院理工学研究科 教授)
弾力のあるスポンジ状!メスでも切れて周囲の骨にもすぐなじむ

今回開発された人工骨は、コラーゲンにハイドロキシアパタイトの細い結晶を生きた骨と同じ4対1の割合で混合し繊維状にした「スポンジ状」のものだ。これは生体内で吸収されやすい上、コラーゲンとの複合繊維にしたことで、これまでの人工骨にはない弾力性が生まれた。これなら手術の際にもメスやハサミで簡単に加工できる。さらに、骨の欠損部分が複雑な形状でも、人工骨自身が変形するので、簡単かつ確実に該当部分を埋めることができる。
さて、このスポンジ状の人工骨は生体内でもうまく機能するのか。動物を使った有効性確認のための試験が始まった。ウサギの脚の脛骨内に直径5mmの欠損を作り、そこに直径5mm厚さ3mmの人工骨を移植して、12週まで経過を観察した。この結果、開発された人工骨は生体内の骨代謝のサイクルに取り込まれ、骨芽細胞による人工骨周辺とその内部での「骨の形成」と破骨細胞による「人工骨の吸収」が同時に起こって、最終的に自家骨に置換することが確認された。最終結果としては、術後24週で6割以上が完治し、残りもほぼ周囲の骨に同化するという結果が得られた。安全面でも特に問題は見つからなかった。

医療機器から生活用品まで
中林 宣男 (東京医科歯科大学 名誉教授)
石原 一彦 (東京大学 教授)
日油株式会社
中村 耕三 (国立障害者リハビリテーションセンター 総長)
石原 一彦 (東京大学 教授)
京セラメディカル株式会社
MPCポリマーが医療を変える

ポリマーという言葉を知らない人はあまりいないと思うが、ポリマーとは何か?と問われると答えられる人はなかなかいないであろう。身近なところで言えば、紙おむつやペットシートなどに使用されている高吸水性ポリマーや自動車のポリマーコーティング等が有名なところであろう。同じポリマーという名がつきながら用途としてまったく違うのは、
もともとポリマーは一般的には高分子の有機化合物を指す化学用語であり、さまざまな種類があるためである。
このポリマーの一種が、医療の現場でも重要な役割を果たしている。中林宣男名誉教授と石原一彦教授が、長年共同研究として進めてきた「リン脂質極性基を有するポリマー(MPCポリマー)である。                        
医療用チューブやカテーテルの材料として使用されるシリコンやポリエチレンなどは、体内に入ると異物と判断され血液凝固などの拒絶反応を誘起するという大きな問題があった。この問題を解決したのがMPCポリマーなのである。MPCポリマー生体膜(細胞膜)の構成成分であるリン脂質極性基を導入したポリマーであり、シリコンやポリエチレンにコーティングするだけでタンパク質や血球等が極めて付着しづらくすることができるのである。
光学顕微鏡と質量分析計を融合
イメージング質量顕微鏡… ……………… 45
瀬藤 光利 (浜松医科大学 解剖学講座 細胞生物学分野 教授)
小河 潔 (株式会社島津製作所 基盤技術研究所 先進技術開発室長)
病理組織の「観察」と分子の「質量分析」を融合

2004年から質量顕微鏡の開発を牽引してきた瀬藤教授によれば、開発の根底には、生命現象を分子によって説明する「分子生物学」が1990年代に医学分野にもたらした、新しい発想があった。
顕微鏡を用いて「病変部のパターンを認識する」病理学のほか、経験的に得られた膨大な知見を体系的に構築し、発展してきた医学の世界に、「ヒトの体は分子でできている」という世界観が入り込んできたのである。言い換えれば、「病理組織を観察する」という従来の方法に、「その組織は一体どんな分子でできているのかを特定する」という新たな方法が加わったわけだ。そして、その「どんな分子でできているか」を明らかにすること、つまり試料に含まれる多様な分子の種類や性質を解き明かすには、それらの質量を測定・分析して答えを導き出す「質量分析」が適している。
こうして、病理学的な「観察」と分子生物学的な理解をもたらす「質量分析」を融合させ、分子のありかを地図のように画像化できるイメージング質量顕微鏡の概念が生まれた。
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『「軍事研究」の戦後史 科学者はどう向きあってきたか』=杉山滋郎・著 毎日新聞2017年2月5日 東京朝刊 (ミネルヴァ書房・3240円)

 科学者が軍事研究をしてよいのかどうかが、いま問われている。科学者の代表機関・日本学術会議は昨年、軍事研究を否定した声明を半世紀ぶりに見直す検討を始めたが、軍事研究の定義などを巡り、推進派と反対派の議論はかみ合っていない。

 本書は科学史家である著者が国内外で積み重ねられてきた軍事研究に関する論争の要点を丁寧に追い、入り組んだ議論の出口を探る試みだ。

 「自衛のためなら軍事研究ではない」「いや、軍事組織から資金を得れば軍事研究だ」。こうした最近の論点は過去にも繰り返されてきた。著者は民生用と軍事の技術が「相乗り」する新たな傾向を指摘し、入り口だけで線を引く発想に一石を投じる。また戦後、声明は実際に守られてきたかと問う。それは、あたかも政治権力に翻弄(ほんろう)される被害者然とした科学界への疑問でもあるだろう。

 歴史研究が直ちに具体的処方箋を出せるわけではないが、最終章では解決につながる問題提起も試みている。そこからは科学者が「軍事研究に手を染めない」ために本当に必要なのは観念論ではなく、歴史の教訓と時代変化を踏まえた主体的取り組みであるとの思いが伝わる。(千)

軍事研究禁止を継承、日本学術会議が新声明案
【2017年3月13日】 大学ジャーナルオンライン編集部

軍事研究をしないとする過去の声明見直しを検討してきた日本学術会議の検討委員会(委員長・杉田敦法政大学教授)は過去の声明の基本方針を継承するとした新声明案をまとめた。4月の日本学術会議総会で正式決定される見通し。

 声明案によると、防衛装備庁が進める軍事、民生両面で利用可能な技術研究は、防衛省による研究への介入が著しく、学術の健全な発展という見地から問題が多いと指摘。むしろ必要とされるのは科学者の自主性や自律性が尊重される民生分野の研究資金充実だとした。

 さらに、研究成果が科学者の意図を離れ、軍事目的に転用されて攻撃目的に使用されることもあるとし、大学など研究機関は軍事面、安全保障面での研究とみなされる可能性のある案件に対し、適切性を技術的かつ倫理的に審査する制度を設けるべきだと主張している。学会などがそれぞれの学術分野でガイドラインを設定することも求めている。

 日本学術会議は1950年に戦争を目的とする科学研究を絶対に行わないとする趣旨の声明、1967年に軍事目的のための科学研究を行わないとする声明を発表している。
しかし、防衛装備庁が2015年から軍事研究への助成制度をスタートさせ、助成制度応募の可否をめぐって大学内で混乱が見られたことから、2016年から検討委員会を設置して声明を見直すかどうかの対応を検討していた。2月には東京都内で安全保障と学術の関係に関するシンポジウムを開き、軍事研究をしないとする過去の声明の取り扱いについて意見交換したが、その際軍事研究に反対する声が続出した。
日本の科学者の任意団体「日本学術会議」が、「軍事研究禁止を継承」という声明案をまとめた。左翼が忌み嫌う「日本会議」の親戚か?そうではないらしい、大学で研究を行う象牙の塔の科学者の任意団体が、世俗の事情も知らず、理想論を「言い放ち」正義面している呆れたニュースが流れた。
「日本学術会議」に所属するマッドサイエンティストの身勝手な信条と異なるからといって安全保障技術研究推進制度 軍事研究禁止を継承」という声明案までまとめ反対する権利はないはずである。学術研究者は全員同じ左翼信条でなければならないというのが、「日本学術会議」の言い分だ。共産主義にシンパシーを感じることが平和を守ると言う、彼らの考え方はまるで論理的ではない、個々の信条を認めないと言う「日本学術会議」の行動様式はまさに例外を認めない専制的な共産主義国家と同じである

日本国民の生命と財産を北朝鮮や中国から守りたいと考える科学者の研究を妨げることは犯罪だ。
北朝鮮が何の非もない日本を狙って核ミサイルを打ち込むかもしれない、中国が国内情勢の悪化から目をそらすために、沖縄を獲りにくるかもしれないなど、以前に無かった危機が確実に高まっているこのご時世に・・・マッドサイエンティストにもなれないバカ科学者達は新聞テレビを視ないのか?
アニメでは正義の科学者たちは科学忍者隊を組織してエイリアンが率いる悪の秘密結社を壊滅していたが、現実の日本の科学者はなんと愚鈍でだらしないのだろ。
日本学術会議の科学者の頭の中は、いまだに1945年のままである。目前に迫っている北朝鮮や中国の核攻撃や弾道ミサイルの恐怖、あるいは、国際社会が直面しているテロとの闘いという現実を正しく分析する能力を持っていない。
日本学術会議の科学者たちは、ただ、「軍事研究」とは、人を殺害する武器を「つくる悪である」という幼稚園児なみの認識しかないのである。軍事研究イコール殺戮の武器研究という「単純正義」に基づくイデオロギー集団と化した「日本学術会議」に科学を担ったり語ったりする資格はない。
本来の科学者の「役割と使命」を知る人々が、こんな政治集団からは早く抜け出して「新団体」をつくって欲しいと思う。
 日本は北朝鮮がノドンやムスダンなどを展開した前世紀末から射程内に入っている。核の小型化こそ未完であったが、核と同様に大量破壊兵器に分類される生物兵器や化学兵器も大量に装備しているとみなされてきた。

 しかし、日本自身が安全保障の観点から問題視することはなかった。改めて気づかされることは、日本は自国の安全に無頓着で、何らの対策もしてこなかったということではなかろうか。

 一昨年の安保法案審議でも見たように、実質的、かつ具体的な議論は一切避けて、憲法論議に終始した。今回明らかになったような脅威が一切議論に上らないため、いつの間には「日本が危機に直面することはないかのような」錯覚に捉われてきた。

 実は北朝鮮以上に潜在的な脅威が中国であることは先にJBpress拙論「『国の守り』を放棄する学術会議でいいのか」で述べた通りである。

 ともあれ、日本では隣国の脅威などを議論するのをタブー視して、ただ米国の抑止力をあてにするだけである。

 普通の国家であるならば、普段から英知を集めて非常時に備えた準備をするのが当然であるが、日本ではそうした意識が欠落している。その最たるものは日本学術会議が「軍事目的の科学研究を行わない」と決めたことであろう。

 安全保障は何を差し置いても優先されるべきことであり、科学研究の総力結集が欠かせないからである。

現代戦の様相

 言霊信仰の強い日本では、「戦争」という言葉は忌避される傾向にある。特に戦後生まれの日本人は軍事に関する認識をほとんど持ち合わせていない。

 そこで、実戦場裏としてはベトナム戦争映画の「プラトゥーン」か、仮想空間で得体の知れない何かが作用して通信遮断などによる混乱をもたらす状況などではなかろうか。

 かくて、戦争は戦場にある将兵たちの戦い、あるいは関係する少人数の領域のことくらいの認識である。従って、軍人をはじめとした特定の人に任せておけばよいというものである。

 しかもその様相は、爆撃機が侵入してくる敵軍に対して爆弾を投下して阻止・減殺する。その後、当方は侵攻してきた残余の敵に対して、戦車や大砲などの火力支援を受けた歩兵が相手の陣営に突入するという第2次世界大戦からベトナム戦争までくらいのパターンである。

 しかし湾岸戦争では、偵察衛星と巡航ミサイルの組み合わせによって、敵に発見されずに従来は考えられなかった遠隔地の主要人物や施設などをピン・ポイントに攻撃できるまでになり、当方が被害を受けることなく破壊率を著しく高めることができた。

 これはエレクトロニクスの活用によるIT技術の急速な進歩で、軍事革命(RMA:Revolution in Military Affairs)が主張され、軍の改革で兵器・装備と共に指揮統制システムが一新されたからである。

 緊急な対応が必要な場合には、第一線部隊である歩兵中隊が、直上の大隊、連隊、旅団等の指揮を受けることなく、師団長から直接指揮される状況さえ生起する。これは、第一線部隊の状況やそれを指揮するに必要な情報が上級レベルでも共有され同時並行的に処理できる情報処理システムなどが開発されたからである

 こうした先進技術を駆使して編み出されたのがエアー・ランド・バトルと称された「空地戦」構想であった。地上部隊がエレクトロニクス化され、指揮通信衛星などを介して空軍部隊や陸軍航空部隊と連携しながら作戦戦闘を遂行できるまでになってきたのであった。

 電子化された基本部隊は「デジタル師団」とも呼称された。通信システムだけでなく、指揮・統制、情報処理などにおいても、デジタル処理で同時多目的対処ができる師団に改編されてきた。

 しかし、科学技術の進歩は著しく、デジタル師団も「今は昔」というほど激変し、無人偵察機や偵察衛星などによって得た情報が宇宙通信衛星を経由してリアルタイムで取り入れることが可能となり、一段とエレクトロニクス化が進捗している。

 そのために、作戦場面も陸に侵入される以前の海空領域で接近を阻止する「接近阻止・領域拒否」A2/AD(Anti-access/area-denial)戦略で、いわゆるエアー・シー・バトルと称されるものである。

戦争は向こうからやって来る

 日本は北朝鮮の被害国である。うら若い無辜の日本人数百人が北朝鮮首領の命令を受けた工作員によって、日本の領土で拉致され連れ去られた。不法に拉致された被害者を取り戻すために、何度も外交交渉を行い、飴と鞭で対処してきたがいまだに解決に至っていない。

 そうした中で、北朝鮮は6か国協議に見せかけた時間稼ぎで関係諸国を翻弄し続けてきた。また、核の小型化とICBM(大陸間弾道弾)の開発を急ぎ、米国を射程に収める核ミサイルの装備で、米国の核抑止力に風穴を開けようとしてきた。

 米国を攻撃目標に設定できることで、日米同盟が機能しなくなり、日本を孤立化させることができるとみているのだ。

 また、中国は経済発展に伴って軍事力が増大した1990年代以降、領海法を施行して日本の領有である尖閣諸島を自国領に組み込んでしまった。

 また、東シナ海の日中中間線周辺に位置するガス田については、日中両国で話し合うことになっていた合意を勝手に反古にし、試掘を継続している。

 日本は憲法前文にあるように、「国際社会における公正と信義を信頼」して、平和を愛する国家として軍隊を放棄し、また「国際条約など」誠実に順守してきた。

 それにもかかわらず、上記のように北朝鮮は日本人を拉致し、日本を射程に収める弾道ミサイルを開発装備してきたし、中国は日本領の尖閣諸島を力にものを言わせてかすめ取ろうとしている。

 日本が北朝鮮や中国にどんな悪事を働いたというのだろうか。北朝鮮では1995年夏の大洪水で穀物生産が約800万トンから400万トンへ半減する危機的状況に陥った。日本は世界食糧計画(WFP)などの要請に基づき、人道的観点から50万トンの米の食糧援助を決定した。

 また、中国に対しては有償無償併せて総額7兆円弱のODA(政府開発援助)支援を行ってきた。今日における中国の発展の基底には、日本の支援によるインフラ整備が大いに寄与しているとされる。

 このように、日本は北朝鮮と中国に多大の貢献をしてきた。しかし、両国は共産主義体制と独裁で国内に不満が山積しており、その空気抜きに外に敵を見つけてナショナリズムを高揚する政策をとっている。敵に見立てられているのは、ほかならぬ日本である。

 日本は軍隊を持たず、交戦権も認めていないので戦争を仕かける意志も能力もない。辛うじて警察官の職務を準用して、専守防衛に任ずる自衛隊が存在するだけである。普段は大規模災害発生時に知事などの要請に基づき人命救助や被災地の復旧・復興の任を帯びて派遣される。

 PKOなどで海外に派遣された部隊も道路・橋梁の復旧や医療・給水支援などがほとんどであり、日本や自衛隊が戦争を仕掛けるなどは思いもよらない。しかし、北朝鮮のように向こうからやって来る脅威には敢然と対処し、領土と国民を守らなければならない。

学術会議の会員に防衛意志はないのか

 ざっくり言えば、北朝鮮の脅威が明らかになる以前の1990年代後半に中国が沿岸に配備したCSS-6(東風15、DF-15)が日本を射程内に入れた時から20余年間、日本は自国への危機として真剣に向き合うことなく過ごしてきた。先の安保法案審議はまたとない機会であったが、例によって神学論争に明け暮れた。

 この時点でも野党はノイジー・マイノリティを煽動して、「戦争法案」だと強弁して「日本の安全」のための具体的な論議をしようなどとは考えもしなかったようである。

 米国の問題視に連動して、いまようやく「ミサイルが飛んできたら」「核爆発が起きたら」という議論になりつつある。それでもいまだに「たら・れば」の仮定でしかなく、「脅威の襲来」という現実認識に至ろうとしない。

 多くの日本人が誤解のうえで親近感を抱いているスイスは、ソ連が人間衛星ガガーリンを打ち上げたことで、核戦争もあり得ると予測し、核シェルターや対処訓練を地方自治体に義務づけた。各家庭には核戦争が起きた時の対処行動のための分厚い手引書を配布した。

 政府主導ではあるが、どれもこれも脅威の認識と対処の必要性を国民が容易に認識できたから進められた政策である。これは「中立の維持」と「自分の国は自分たちで守る」という固い決意に根づく国民皆兵が根底にあることと大いに関係している。

 国防は他人事ではなく自分事であり、国家の総力を挙げて対処すべきことであるが、日本人にはこの意識が完全に欠落している。

 先に開かれた日本学術会議の総会では、軍事研究に関して「安全保障や平和と学術との関係など、より広く継続的な議論が必要」「軍事や国防とどう向き合うかといったテーマは(人文系・工学系など)色々な分野の専門家が垣根を越えて議論するべきもの」(「朝日新聞」2017年4月15日朝刊)という指摘が相次いだとされる。

 こうした慎重な対応を求める声があったにもかかわらず、それを無視する形で、総会に先立つ数週間前に開かれた幹事会が決めた「軍事目的の科学研究を行わない」とした声明を追認したのである。

 軍事研究に関係しなければ平和が留保され、静謐な研究環境が保証されるというものではない。スイスに見るように、むしろ、外部からの脅威は自力で払いのける努力をしなければ、安全な研究環境はおろか、言論の自由や集会(学者の場合は研究発表の場としての学界であろう)の自由までも奪われよう。

 それどころか、独裁者の邪魔になるエリートたちはソ連時代のサハロフ博士などのように監房に閉じ込められ、あるいは文化大革命の中国のように農村に下放され、酷使されるのが落ちではなかろうか。

先進科学研究が日本人を救う


(1)過去の事例から


 1995年に起きた地下鉄サリン事件が残した教訓は大きい。当方が攻撃兵器として使用する意志がなくても、他方に攻撃意志が存在する限り使用の可能性があり、その場合の防護法は確立しておく必要がある。

 当時は既に化学兵器の存在が確認されていたが、自衛隊が防護のための研究を主張しても国会では、「けしからん」という声があり、特に野党からの批判が激しかった。

 しかし、思いもしないことに、オウム真理教が朝の通勤時間帯を狙って地下鉄でサリンを散布し、大変な騒動になった。そこで、防護法を研究していた自衛隊に災害派遣が命じられた。

 死者13人、負傷者6300人余に及んだが、野党の主張どうりに防護の研究もやっていなかったならば適切な処置ができず、被害は10倍、100倍になっていたかもしれない。

 最近の事例でも、金正男氏殺害にはVXが使用されたし、シリアでは化学兵器自体が使用され多数の死傷者が出た。ちなみにシリアは化学兵器を1300トン保有するとされるが、北朝鮮は2500~5000トンを保有しているとみられている。

 2011年の東日本大震災に伴って発生した福島第2原発事故も大きな教訓を残した。特にメルトダウンしているとみられた原子炉の過熱を防止し、放射能の散逸を少なくすることが必要であった。

 しかし、核という言葉が出るだけで日本人にはアレルギーにも似た体質がしみ込んでおり、核兵器対処はいうに及ばず平和利用の原子力についても安全神話で囲い込まれ、対処についてはほとんど研究が行われていなかった。

 この2つの事例からも分かるように、大量破壊兵器と総称される核・生物・化学(ABC)兵器が存在する限り、その防護法についての研究は必要不可欠である。

(2)近未来の戦争様相

 大量破壊兵器は保有の誇示で抑止効果を発揮できる。従って、国際社会の監視を潜り抜けて保有に邁進する国家やテロ組織などが出てきても不思議ではない。今日では製造などに関する情報も出回っており、研究開発の費用を投じないでも比較的容易に手に入れることができる。

 国際社会では核兵器や生物・化学兵器についての取り決めや査察制度はあるが、十分に機能していないため、いろいろな問題が出てきている。

 また、今日ではコンピューターなしの社会は考えられない。軍隊においてもあらゆる部隊などに導入されている。従って、従来は第一線の兵士の損耗で勝敗がおおむね決したが、近未来の様相は全く異なる。

 政治中枢と部隊の指揮中枢の通信システムや師団長の指揮統制システムを破壊や混乱させることで、シビリアン・コントロールが機能しなくなり、あるいは部隊の戦力発揮が阻害される。

 情報収集には衛星や無人機などが多用されるが、収集システムや伝送システムなどを混乱させるだけで、軍隊が無用の長物にならないとも限らない。

 強力な電磁パルスを発射して内装しているコンピューターを機能不全に陥れ、また情報伝搬の電波より強力な電波を発信して情報伝送を混乱させる電子戦などは一層拡大の方向にある。

 さらには相手の情報を盗み取り、当方に有利なように操作・改変まで行うサイバー戦などは隆盛の一途であろう。

独創的兵器・装備の必要性

 電子化された部隊は、コンパクトで機動性に富むなど優れた点が多い。しかし、逆に電子戦に脆弱であり、またコンピューターに内包された情報はハッキングされ、カウンター・インテリジェンスとして利用されやすい。

 セキュリティには最先端の理論と技術が必要なことは言うまでもない。それに関わる基礎研究、さらに応用研究、そして技術開発などは最高学府や研究所などに依存せざるを得ない。

 また、CIA(米中央情報局)の盗聴がエドワード・スノーデン氏によって明かされ、中国開発の格安スマホ用ファームウェアには利用者の個人情報を収集する機能が組み込まれているなど、エレクトロニクス化は情報収集にも巧妙に利用される。

 しかし、日本は自由民主主義という国家体制上からこうした盗聴システムなどに関心はないし、サイバー攻撃能力も持ち合わせていない。このことは、サイバー防衛能力も保有していないに等しいということでもある。

 防衛能力は攻撃能力と表裏一体の関係にあり、サイバー防衛試験などのためには擬似的な攻撃装置がなければならない。

 先の米国大統領選ではトランプ候補を勝利させるためにロシアがサイバー攻撃を行ったと報道されてきたし、それ以前から、中国は米欧日などの最新兵器情報をハッキングし、新兵器の迅速な開発・装備化に役立ててきたことが分かっている。

 日本でもサイバー・セキュリティを任務とする部隊が新たに創設される状況にあるが、自民党の安全保障調査会(会長・今津寛衆院議員)は、ようやくサイバー・セキュリティ小委員会を新設し、自衛隊による敵基地攻撃の一環としてのサイバー攻撃能力の保有に向けた検討を始めるよう提言をまとめた段階である(「産経新聞」平成29年4月21日)。

 これも、北朝鮮の脅威が顕在化したからで、概略の構想は、北朝鮮が日本向けに弾道ミサイルを発射した場合、まず「SM-3」(イージス艦搭載)と「PAC-3」(ペトリオット装着)によるミサイル防衛(MD)システムでしのぎ、敵基地攻撃手段としての戦闘機や巡航ミサイルなどと連動する形で相手のネットワークにサイバー攻撃を仕かけて第2撃以降の発射を阻止するという、極めて受動的なものである。

おわりに

 北朝鮮は4発のミサイルを同時発射し、3発は日本のEEZ内で約50キロの範囲内に着弾した。「在日米軍基地の攻撃を担う部隊」が発射訓練をしたことを明らかにした。最近の緊張状態の中で発表する北朝鮮の声明には、韓国を火の海にし、日本を沈没させるというセリフもある。

 日本から攻撃を仕かけなくても、時と場合によっては相手国から侵略してくることが予測される。自衛隊はこのように侵略してくる軍隊、その国家に対する抑止力として防衛力を構築している。日本から進んで他国を侵略する意志などないことを国会答弁で、また自衛隊の編制や装備の面から見ても確認できる。

 すなわち「専守防衛」が日本の防衛政策の柱の1つでもある。しかし、禍は突然のようにやってくる。在日米軍基地が目標ということは、日本の領土に落下させ、日本人に被害を及ぼすということでもある。

 こうした事態を抑止することは、自衛隊や防衛企業だけで為し得るものではない。国家の総力を結集した防衛態勢の確立には、理論研究を行っている大学や研究機関などの協力も不可欠である。

 しかし、防衛省が先端研究を助成するために平成29年度から設けた「安全保障技術研究推進制度」に、当初は意欲を示していた多くの大学も、日本学術会議の声明を受けて、二の足を踏み始めている。

 個人的な思想信条から会員の中にも反対者がいるであろうが、「軍事目的の科学研究は行わない」とする声明は自縄自縛に陥る危険性を内包しているように思えるがいかがであろうか。

新生「先進技術推進センター」が目指す橋渡し研究と今後の連携のあり方(
説明資料

執筆中


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「人は何のために生まれ、何のために死ぬのか」「人は何処より来たりて、何処より去るのか」「見えない世界が見えてくる、人類究極の命題への挑戦の書」
PHP研究所 
心の世界はあるのか。あるとすれば、それは科学的に証明できるのか? 人は何処より来たりて、何処へ去るのか? 人はなぜ生きているうちは見えるのに、死ねば見えなくなるのか? 心の世界のあの世と、物の世界のこの世はつながっているのか? つながっているとすれば、どちらが実像でどちらが虚像なのか? 人の心なくして、この世(宇宙)は存在しないのはなぜか? 祈りは願いを実現するのか?……これらの問題を、量子論を通して考えてゆくと、意外な事実が明らかになってくる。それが、理系的思考に慣れていない人にも読めるよう、平易に表現されており、これらの問題を考えたことがなければないほど、知的な興奮を呼び覚ましてくれる。「人類究極の謎」を量子論から科学的に解き明かす、瞠目の一冊。

もくじ

はしがき

第一部 見えない宇宙の探索

   一.見えない宇宙の探索はなぜ必要なのか 24
   二.量子論的唯我論―コペンハーゲン解釈が説く、驚くべき世界観 33
   三.物心二元論の古典的な科学観を超克する 41

第二部 量子論が解明する心の世界

   一.量子論の誕生 49
   二.量子論を理解するための五つの基礎理論 59
     1光は波動性と粒子性を持っている 62
       (1)光の波動性を検証する 64
       (2)光の粒子性を検証する 67
     2電子も波動性と粒子性を持っている 76
     3一つの電子は複数の場所に同時に存在できる
                                (電子の状態の共存性)81
     4電子の波は観測すると瞬間に一点に縮む(電子の波束の収縮性) 84
     5電子の状態は曖昧である(電子の不確定性原理) 93
     6人間の心こそが、この世を創造する(量子論的唯我論) 99
   三.量子論への反論
コペンハーゲン解釈に対する反論 102
     1「シユレデインガーの猫のパラドックス」による反論 102
     2EPRパラドックスによる反論 112
   四.量子論への支持
コペンハーゲン解釈に対する支持 118
     1ペルの定理による立証 118
     2アスペの実験による立証 119
   五.量子論が解き明かす不思議な世界 126
     1ミクロの粒子は心を持っている 126
     2人間の心が現実を創造する 131
     3自然と人間は一心同体で以心伝心である 134
     4空間は万物を生滅させる母体である 138
     5万物は空間に同化した存在である(同化の原理) 141
     6空間のほうが物質よりも真の実体である 142
     7物質世界のこの世が空間世界のあの世に、
       空間世界のあの世が物質世界のこの世に変わる
                 (この世とあの世の相補性) 147
     8実在は観察されるまでは実在ではない
                 (自然の二重性原理と相補性原理) 150
     9光速を超えると、あの世へも瞬時に行ける 157
     10未来が現在に影響を及ぼす(共役波動の原理) 164
     11この世はすべてエネルギーの変形である
                  (波動と粒子の相補性) 165
     12宇宙の意思が波動を通じて万物を形成する(波動の理論) 168
     13祈りは願いを実現する 177
     14量子論が解き明かす世界観 186

第三部 あの世とこの世の関係

   一.あの世とこの世の相補性(その一) 193
     1相対性理論から見た、あの世とこの世の相補性 193
     2量子論から見た、あの世とこの世の相補性 201
   二.あの世とこの世の相補性(その二) 205
     1実像と虚像から見た、あの世とこの世の相補性
                  (相対性理論の観点から) 205
     2宿命と運命から見た、あの世とこの世の相補性
                   (量子論の観点から) 218
   三.東洋神秘思想と相対性理論と量子論の関係 222
   四.宇宙の意思の伝達媒体としての波動の理論 229                 
第四部 進化する量子論―物質世界の解明

   一.量子論が指向する未来科学、ナノテクノロジーの世界 241
     1トンネル効果の発見 241
     2半導体の発見 242
     3量子ビットの発見(量子コンピュータの開発) 243
   二.量子論が解き明かす真の宇宙像 250
     1宇宙はエネルギーのゆらぎから生まれた 250
     2宇宙空間のエネルギーが新しい物質(暗黒物質)を生み出す 253
      (1)真空の宇宙では暗黒物質(万物の素)が
                   生まれたり消えたりしている 255
      (2)暗黒エネルギーが宇宙を加速膨張させている 257
     3並行世界説としての多重宇宙説(もう一つの宇宙像) 260

第五部 量子論の明日への期待―心の世界の解明


   一.多重宇宙説の研究こそが新たな真理の扉を開く 271
   二.人間の生物的時間と宇宙時間 276
     1生理時計 276
     2心理時計 278
     3年齢時計 280
     4人間の寿命と宇宙時計 282
      (1)心拍数や呼吸数から見た寿命時間 282
      (2)遺伝子から見た寿命時間 284
   三.心の時間をいかに生きるか 288
   四.幸福とは何か 292

補論 タイムトラベルは可能か

   一.光速とタイムトラベルの関係 相対性理論の観点から 304
      I先速は「宇宙の最高速度」 304
      2先速が時間と空間を二つにつなぐ 305
      3光速も空間も時間も、重力によって変わる 306
      4光速の壁は破られたのか 307
   二.素粒子の重さと速度とタイムトラベルの関係j-量子論の観点から 317
      1素粒子天文学(ニュートリノ人文学) 317
      2ニュートリノはどうしてできるのか 318
      3素粒子の種類と分類 320
       (1)物質の構成単位として見た素粒子の分類 322
       (2)重さと速度の関係から見た素粒子の分類 323

   三.因果律は崩壊しない?―――タイムトラベルの観点から 328
   四.タイムトラベルは人類の夢 335
      1タイムマシンで未来や過去へ行けるのか 335
       (1)未来へのタイムトラベルは理論上は可能 335
       (2)過去へのタイムトラベルは理論上は不可能 338
      2タイムトラベルの具体的な方法 340
       (1)未来へのタイムトラベル 342
        ①フラックホールを利用する方法
        ②中性子星を利用する方法
       (2)過去へのタイムトラベルの方法 344
        ①タイムスコープによる方法
        ②回転宇宙による方法
        ③ワームホールによる方法
        ④宇宙ひもによる方法
      (3)因果律の崩壊なしに、過去へのタイムトラベルを
                                  可能にする方法 354

参考文献
この本は、どこかの新興宗教の教祖や怪しい霊能師、タレントの美輪明宏氏、江原啓之氏あたりが書いたのならいざしらず、数学者の岸根卓郎京都大学名誉教授(1927年生まれ)によって書かれたのだ。
PHP総研人名事典 岸根卓郎 
京都大学教授を経て、現在、京都大学名誉教授、南京経済大学名誉教授、元沸教大学教授、元南京大學客員教授、元The Global Peace University 名誉教授・理事、文明塾「逍遥楼」塾長。著者の言説は、そのやさしい語り口にもかかわらず独創的、理論的かつ極めて示唆に富む。京都大学では、湯川秀樹、朝永振一郎といったノーベル賞受賞者の師であり、日本数学界の草分けとして知られる数学者、園正造京都帝国大学名誉教授(故人)の最後の弟子として、数学、数理経済学、哲学の薫陶を受ける。既存の学問の枠組みにとらわれることなく、統計学、数理経済学、情報論、文明論、教育論、環境論、森林政策学、食料経済学、国土政策学から、哲学・宗教に至るまで幅広い領域において造詣の極めて深い学際学者である。宇宙の法則に則り東西文明の興亡を論じた『文明論』は、「東洋の時代の到来」を科学的に立証した書物として国際的にも注目を集め、アメリカおよび中国でも翻訳され、中国ではベストセラーとなり、内外でも絶賛され大きな反響を呼んだ。また、著書の『宇宙の意思』は「生」と「死」について、洋の東西における「死生観」の対比を、東洋の神秘思想から西洋科学の量子論に至るまでを視野に入れてひもとくものとして極めて高い評価を得た。本書は、その『宇宙の意思』と『見えない世界を科学する』『量子論から解き明かす「心の世界」と「あの世」』を、より深化させたものである。
(データ作成:2015年)
まず、カバーの裏表紙にある「誰も見ていない月は存在しない 月は人が見たときはじめて存在する」という言葉は、量子論の「この世のモノは見るまで存在しない“非実在性”は巨視的世界にも当てはまる」解釈に基づくようだが・・・。

このコペンハーゲン解釈と呼ばれる問答は、禅問答である。一般人からすれば非常識でチンプンカンな話で、四次元の住人である我々の日常感覚と大きくかけ離れいる。人類が誕生する前から月はあったと証明されたら?盲人にとっては存在しないのか?などと考えてしまうのだが、私の反論もその程度である。

アインシュタインとボーアの伝記を書いた、物理学者のアルバハム・パイスによれば「我々は彼の客観的実在性に関する理解についてよく話し合いました。散歩をしていた時、アインシュタインが突然立ち止まり、私の方を向いて、あなたは月は見ている時しか存在していないと本気で信じているのかと尋ねたことを覚えています」と、彼のアインシュタインですら己の理性を疑ったのだ。しかし、数式は量子論の正しさを証明し、量子エンタングルメントは実験によっても証明されている。

量子論の知ってしまうと、あのアインシュタインですら反論できないのであるから、そういうものだと自分の常識を一度破壊する必要がある。考えてみれば般若心経の「色即是空」「空即是色」、デカルトの我思う、ゆえに我あり」Cogito ergo sumも、同じことを言っているのだ。ちなみにデカルトは哲学者でもあり著者岸谷教授同様に数学者でもあった。

 いうまでもなく、生ある者はいつかは必ず死ぬ。なぜなら、それこそがこの世における「生者必滅の理」だからである。身近な者が死んで、この世から消え去ることほど侈く切ないことはない。また、望みもしないのに、いきなりこの世に放り出され、混沌たる人生を経験させられ、最後に再び見知らぬあの世へと連れ去られることほど「理不尽」に思われることもなかろう。そのときになって、私たちは、はじめて、

「人は何のために生まれ、何のために死ぬのか」

 あるいは、

「人は何処より来たりて、何処へ去るのか」

などと真剣に「自問自答」し「苦悶」することになる。

 ところが、ここに銘記すべきことは、そのような「苦悶の根源」こそが、外ならぬ「私たち自身の心の世界の問題」であり、しかも、それはまた見方をかえれぱ「私たちが神より課せられた天命」でもあるから、私たち自身がいつかは解明しなければならない「人類究極の命題」ともいえよう。

 それにもかかわらず、この「命題」(心の世界の解明)への対応は、近代西洋科学では、これまでは「科学外の問題」として「不問」とされてきた。それこそが、いわゆる近代西洋科学の「鉄則」とする「物の世界のこの世」と「心の世界のあの世」を分別(峻別)し、そのうちの「物の世界のこの世」のみを研究対象とする「物心二元論」の「西洋の科学観」である。                           
 ところが最近になって、この「命題への対応」は「最子論」の登場によって大きく変わろうとしつつあるといえよう。なぜなら、量子論は、この「命題」を、従来のような「心の世界のあの世」を無視し、「物の世界のこの世」のみを研究対象とする西洋の「物心二元論」の「理論的な科学実験」(従来の物理学)によってでもなければ、東洋本来の「心の世界のあの世」と「物の世界のこの世」を分別せずに、両者を一体として考える物心一元論の「思弁的な思考実験」(哲学・宗教)によってでもなく、両者を「融合」した、まったく新しい「物心一元論」の「思弁的で理論的」な「思考型の科学実験」によって解明しようと取り組んでいるからである。

ちなみに、その一例が荘子の「心の世界」について説く「思弁的」な名言、すなわち、

「視乎冥冥 聴乎無聾」(めいめいにみ むせいにきく)
 (見えない宇宙の姿を《心》で視、声なき宇宙の声を〈心〉で聴け)

 に対する、量子論の「思弁的・理論的」な「思考型の科学実験」による回答(解答)である。

すなわち、量子論はこの問題に対しても、 「宇宙は〈人間の心〉なくしては決して〈存在〉しえないから、見えない宇宙の姿も、声なき宇宙の声も、〈人間の心〉があってはじめて〈見たり聞いたり〉することができる」
 ことを「科学的」に立証した(コペンハーゲン解釈、後述)。そして、そのことをもっともよく比喩的に表しているのが、量子論を象徴する、かの有名な、

 「月は人間(その心)が見たときはじめて存在する。人間(その心)が見ていない月は決して存在しない」
 であるといえよう。このようにして量子論は、私たちに、 「〈人間の心〉こそが〈宇宙を創造〉するから、〈人間の心〉なくしては〈宇宙の姿〉(宇宙の存在)も〈宇宙の声〉(宇宙の真理)も解明しえない」 ことを「科学的」に立証した。

 そればかりか、量子論はまた、
 「宇宙も人間と同様に〈心〉を持っていて、〈この世のあらゆる事象〉は、そのような〈宇宙の心〉と〈人間の心〉の〈調和〉(相互作用)によって成り立っている」
 ことをも「科学的」に立証した(コペンハーゲン解釈、後述)。しかも、そのことを傍証しているのが、驚くべきことに、二〇〇〇年も前の「東洋の神秘思想」にいう、

 「天人合一の思想」 (宇宙の心と人間の心は一体である)
 であり、同じく「西洋の論理思想」(ライプニッツによる)にいう、
 「大宇宙と小宇宙の自動調和」 (大宇宙の神の心と小宇宙の人間の心は自動的に調和している) であるといえよう。

 さらに、「量子論」は、
 「〈宇宙は心〉を持っていて、〈人間の心〉を読み取って、その〈願いを実現〉してくれる(叶えてくれる)」 ことをも科学的に立証した(コペンハーゲン解釈、後述)。それこそが「量子論」を象徴する、もう一つの有名な比喩の、

 「祈りは願いを実現する」 である。

 加えて重要なことは、「量子論」は、「〈見えない心の世界のあの世〉は存在し、しかもその〈見えない心の世界のあの世〉と《見える物の世界のこの世〉はつながっていて、しかも〈相補関係〉にある」 ことをも「科学的」に立証した。いいかえれぱ、「量子論」は、
 「〈見えない心の世界のあの世〉と〈見える物の世界のこの世〉はつながっていて〈物心一元論の世界〉である」
 ことをも「科学的」に立証した(ベルの定理とアスペの実験、後述)。
 以上を総じて、本書で究明すべき「究極の課題」は、
 「第一に、人間にとって、もっとも知りたいがもっともわからないため、これまでは〈物心二元論〉の観点から〈科学研究の対象外〉として無視されてきた〈心の世界のあの世の解明〉と、第二に、同じ理由で、これまでは〈科学研究の対象外〉として無視されてきた、〈心の世界のあの世と物の世界のこの世の相補性の解明〉について、それぞれ〈量子論の見地から科学〉しなければならない」
 ということである。

その結果、私か本書を通じて学びえたことは、
 「人類は〈量子論の世界〉を知らずして、〈見えない心の世界のあの世〉についても、その〈見えない心の世界のあの世と、見える物の世界のこの世の関係〉についても解明しえないから、人類はもはやこれ以上先へは進めないし、〈深化〉もできない」 といえよう。その意味は、
 「いまや、西洋本来の〈物の豊かさ〉を重視する《物心二元論〉の物質追求主義の〈物欲文明の時代〉は終焉し、これからは東洋本来の〈物の豊かさ〉と〈心の豊かさ〉を同時に重視する〈物心一元論〉の〈物も心も豊か〉で、〈徳と品格〉を備え、〈礼節〉を知る、〈精神文明の時代〉がやってきた」
 ということである(後述)。しかも、そのことを史実によって科学的に実証しているのが、私の、
 「〈文明興亡の宇宙法則説〉にいう、今世紀中にも見られる、〈西洋物質文明〉から〈東洋精神文明〉への〈文明交代〉による、〈心の文明ルネッサンス〉の到来である」
 といえよう。
 さればこそ、私はここに本書を上梓し、熱い想いを込めて、
「神よ、願わくば、人類に〈心の世界の扉〉を開かせたまえ!」
 と祈りたい。しかも、それこそが、私が本書の課題を、「量子論による心の世界の解明」 におき、その書名をして、「量子論から解き明かす「心の世界」と「あの世」」 とする所以である。

とはいえ、「量子論」は現代科学の最先端をいく「もっとも高度な科学」であるから、それに依拠する本書もまた必然的に「高度なもの」とならざるをえない。そのため、私は本書の執筆にあたり、それを可能なかぎりわかりやすく解説するよう最大限の努力を払ったつもりである。とはいえ、ここでとくに注意しておきたい点は、

 「読者が従来の〈古典的な科学観〉(デカルト以来の物心二元論の科学観)から〈脱却〉ないしは〈超克〉しえないかぎり、〈量子論の理解〉は本質的に〈不可能〉である」
 ということである。なぜなら量子論が指向するような、 「〈真に創造的な学問〉は人知を超えた〈神の領域〉(心の世界)にある」 からである。

その意味は、 「〈真に創造的な学問〉は、〈物の世界の科学〉を超えて、〈心の世界の科学〉(神の領域)にまで踏み込んだ学問(科学)である」
 ということである。いいかえれぱ、
 「〈真に創造的な学問〉は、〈論理性〉と〈実証性〉の外に、〈精神性〉をも兼ね備えた学問(科学)である」
 ということである。さらにいうなら、
 「量子論こそは、まさにそのような〈物の世界の科学〉を超えて、〈心の世界の科学〉にまで踏み込んだ〈従来の学問の域を超え〉る〈物心一元論〉の〈真に創造的な学問〉である」
 といえよう。そして、
 「本書もまた、そのような〈量子論〉に依拠した、〈従来の学問の域を超え〉る、〈真に創造的な学問〉を目指して、〈心の世界の解明〉に迫ろうとする」
 ものである。

 なお、ここに付記しておきたいことは、本書は私の前著の「見えない世界を科学する」{彩流杜、二〇一}年)の姉妹編であり、しかも両著とも「心の世界の解明」を共通のテーマとする「心の書」であるという点では同じであるが、本書の「特徴」は、その「分析の視点」をとくに「量子論に集中」したということである。つまり、本書の特徴は、従来の哲学舎や宗教書のような「形而上学」の「思弁的」な「心の書」とは異なり、現代の最先端科学の「量子論」に基づく「形而上学と形而下学」を融合した「思考型の科学実験」に基づく「新しい心の書」であるという点にある。

 ただし、ここに誤解なきよう、とくに断っておきたい点は、本書は従来の「形而上学」の「思弁的」な「哲学書」や「宗教書」などの「心の書」を決して否定するものではなく、逆に、それらの「価値」を「量子論」の観点から「科学的に止揚する」ことにある。ゆえに、このような見地に立って、本書と私の前著の「宇宙の意思」(東洋経済新報社、一九九三年)や「見えない世界を科学する」(彩流社、二〇一一年)などをも併せ読み進めていただければ、それらの「相乗効果」によって、三者とも、より理解が深まるものと考える。
(略)
二〇一四年 初春  
              岸根 卓郎
かなりくどい文章ではあるが、自分も文章を書いていて思うのだが、あふれ出る言葉を文章にするとこうなりやすい。溢れる情熱を誠実に書き起こしたものだと私は思います。

そこで、本文とは直接関係ないのだが、量子論の「非現実性は巨視的世界にも当てはまる」話として、寺澤武一氏の傑作漫画コブラに出てくる「カゲロウ山登り」の回を本書を読んで想い出したので、紹介したい。

「カゲロウ山登り」
その山が存在する。そう信じている者だけに存在する、幻の山「カゲロウ山」。山頂を求め最初は9人だった仲間が次々と死んでいく。山の存在を信じられずに…。そして、その死の影には裏切り者の気配が。最後まで生き残ったのは、山頂に求めるものがあると信じていた奴と知っていた奴だった。 

本エピソードは、デカルトの「我思う、ゆえに我あり」Cogito ergo sumがその昔元ネタかと思っっていたが、なんと先駆的量子論的な漫画であったのか・・・しかも原作は1970年代末だ!哲学や宗教とこの量子論はかなり近いのだ。いや、真理の追究において単に経路が違うだけなのかもしれない。

p177-187
13 祈りは願いを実現する

「誰も風を見た人はいない。それでも誰も風の存在は疑わない」
 であろう。それと同様に、
 「誰も神を見た人はいない。それでも誰も神の存在は疑わない」
 であろう。私は、そこにこそ「神を信じる人の祈り」としての「宗教」が生まれたと考える。
しかも驚くべきことに、
 「量子論は、ついにその〈祈り〉が単なる宗教儀式ではなく、〈現実を創造〉し、〈願望を実現〉することを〈科学的〉に立証した」といわれている。

その意味は、
 「この世のくありとあらゆるもの〉は、すべて〈人間の意識〉(心)が創り出している〈想念の世界の産物〉であるから、〈人間の祈り〉(想念、心)によって〈現実を創造〉すれば、〈願望を実現〉することができる」 ということである。それゆえ、
 「祈りは願いを実現する」 ということになる。
もともと、
 「祈りとは、宗教が対象とする至高の存在(神、佛)に向けて、人間が願い(思念、想念)を集中すること」
 であるが、その祈りは全人類を通じて、古代から現代に至るまで連綿として継承されてきた。なぜなら、それは、
 「〈人間〉には〈心〉があり、心があれば〈悩み〉が生まれ、悩みが生まれれば〈神〉に縋りたくなり、神に縋りたくなれば〈祈り〉たくなり、祈りたくなれば〈宗教〉が生まれる」
 からである。
とすれば、この事実こそは、
 「祈りが宇宙の意思(神の心)を通じて願望を創造(実現)することを、人間自身が暗黙裏に認めてきた(信じてきた)証である」 といえよう。

このことを「量子論の立場」から、私なりに解釈すれば、

「祈りには〈空間〉(森羅万象を生み出す母体)が大きく関与していて、その空間に〈人間の祈り〉(人の想念、心)が〈電子〉(その波動)を介して〈同化〉すると、そこに〈素粒子の心〉にも変化が生じ、それによって〈願望の事象〉が生まれ(波束が収縮し)、〈祈りが実現〉する」 ということになろう。このようにして、私は、「〈人の祈り〉は宇宙空間を通じて、〈人の願い〉を〈実現する〉ことを〈科学的〉(量子論的)に立証しえた」 と考える。

そればかりか、このことはまた、 「〈宗教〉の〈存在意義〉の重要性をも〈科学的〉に立証しえた」 ことになると考える。

 以上が、「祈りは願いを実現する」という「量子論の主張」についての私の理解であるが、同じことを、さらに「宗教論の観点」からも考えれば、佛教でも、 三界は唯心の所現」
 すなわち、
三界(現世、この世)は、人の心の現れにすぎない」
 と説いているが、その意味は、
「この世は、人の心が創り出した意識(想念)の世界にすぎない」
ということである。とすれば、そのことはまた、量子論の主張する、
「この世は、人の意識が創り出した想念の世界である」
 とも完全に一致することになる。そうであれば、量子論と同様、宗教(佛教)によっても「人は祈り(想念、心)によって、現実を変え、願いを実現することができる」
 ということになる(参考文献20p194)。
このようにして、私は、ここでも「東洋の神秘思想」(佛教)
と「量子論」の「近さ」を思い知らされる。

 そこで、このような「両者の近さ」について、以下に改めて私見を付記すれば、それはアインシュタインが、     
 「ネズミ(人間を比喩)が見つめただけで(ネズミの意識、ネズミの心だけで)、この世が変わるなどとはとうてい信じられない」 との揶揄によって、量子論の主張する、
 「人間の意識(心)によって、この世は変わる」
 に対し猛烈に反論した点についてである。

 佛教ではその根本思想の一つに「輪廻転生の思想」がある球仁の思想では、人間は死ねば天人、人間、動物、地獄の生き物のいずれかに再生し、それを永劫に繰り返すと説き、人間はこの輪廻から抜け出さないかぎり(解脱しないかぎり)、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の「六道」の間を永遠に輪廻転生することになると説く。

  ところが、佛教では、この「六道」よりもさらに上位に「輪廻転生の世界」を超えた「悟りの 世界」(意識の世界、想念の世界)としての、声聞(しょうもん)、縁覚(えんかく)、菩薩の「四聖道」があると説き、
 その「四聖道」(悟りの世界、祈りの世界)へ行けるのは「人間だけである」として、その「特権」 を「人間以外の生物」には与えていないのである。

その意味は、
 「佛教では、この世のすべての事象は四聖道の特権を与えられた人間の意識だけで創り出されて いるから、アインシュタインのいうような四聖道の特権を与えられていないネズミのような人間 ではこの世は変わらない」  ということである。

  以上を総じて私のいいたいことは、
 「量子論によれば、ミクロの世界のあの世では、人間の意識(心)によって、その現実は瞬時に 姿を変えるから(波束の収縮)、基本的には、そのミクロの世界によって構成されているマクロ の世界のこの世でも、ミクロの世界のあの世の法則(コペンハーゲン解釈)に支配され、人間の 意識(祈り)によって、この世の現実を変え(創造し)、願いを実現することができる」  ということである。

  そして、いみじくも、そのことを二〇〇〇年も前に説いたのが、次のキリスト教の『新約聖 書』の聖句である。すなわち、 『イエス答えて言い給う。神を信ぜよ。誠に汝らに告ぐ、人もし此の山に「移りて海に入れ」と言うとも、その言うところ必ず成るべしと信じて、心に疑はずば、その如く成るべし。この故に汝らに告ぐ、凡て祈りて願う事は、すでに得たりと信ぜよ、然らば得べし』(『新約聖書』マルコ伝第一一章二二~二四節)
 と。そうであれば、私は、二〇〇〇年も前にバイブルに説かれた、
 「祈りは願いを実現する」
 という、この聖句の正しさが、二〇〇〇年後の今日に至って、ようやく「量子論」によって「科学的」に「立証」されることになったと考える。

 そこで、このことに関連して、ここで改めて視点をかえ、後に述べる「宿命と運命」の観点からも「祈りは願いを実現する」について、私見を追記すれば、
私は、
 「あの世(ミクロの世界)での多様な確率的な可能性の〈宿命〉が、〈波束の収縮〉によって、この世(マクロの世界)での唯一の現象(実在)として顕現したのが〈運命〉であると考えるから、〈祈り〉によって、あの世での〈宿命〉を、この世で〈波束の収縮〉によって変えれば、この世での〈運命〉も変えることができるので、〈祈り〉によって〈願い〉(運命)を叶えることができる(実現できる)」 と考える。

この点については、すでに「アスペの実験」でも、「相補性原理」でも、私見を明
らかにした。

 以上が、私の「祈りは願いを実現する」との見解であるが、この点に関連してさらに心理学者のバス教授の理論についても私見を追記すれば、彼は、 『人間のニューロンには数十億の原子レベルの意識が含まれており、それらが人間の心となって、原子、分子、細胞、組織、筋肉、骨、器官などで観測を行っている』 という。もしそうであれば、
 「人間の心は、物事を原子レベルで感知することができる」
 ということになる。もちろん、これは「注目すべき見解」である。なぜなら、
 「原子レベルといえば、それは潜在的な実在(祈り、宿命)が、波束の収縮によって、顕在的な実在(運命)に変わる素粒子レベルのことであるから、このバスの理論は、量子論の観点から見た、前述の私の〈祈りは願いを実現する〉との考えとも通じることになる」 からである。

 以上を総じて私は、 「人間の〈祈り〉が〈波動〉を介して空間に〈同化〉すると、そこに祈りとしての〈宿命〉が生まれ、それが同じく〈波動〉を介して時間の経過とともにこの世に運ばれると、それが人間による〈波束の収縮〉によって現実の事象としての〈運命〉になり、祈りは〈実現〉する」 と考える(図3-4を参照)。

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                                                   それゆえ、私は、 「〈祈り〉とは単なる宗教儀式ではなく、〈人間の願望〉を実現するために必要な〈人間の心の在り方の問題〉である」 と考える。

そして、この考えこそが、私の主張する「量子宗教」(著者造語)の意味である。
なお、この「量子宗教」について詳しくは、私の前著の『見えない世界を科学する』を参照されたい(参考文献21p322-331)。

 以上のようにして、私は、 「祈りは願いを実現することを、量子論的見地から〈科学的〉に立証しえた」と考える。とすれば、これこそは、本書の課題とする、
 「〈量子論による心の世界の解明〉への〈一つの解答〉である」
 ともいえよう。

 ところが残念ながら、現実には、 「祈りは必ず願いを実現する」 とは思えない。
なぜだろうか。私見では、それには主として次のような理由があるからではな
かろうか。

一つは、 マクロの世界のこの世に住む私たちが、「祈り」によって、ミクロの世界のあの世で選択したことが(それが「願いとしての宿命」)、時間の流れるマクロの世界のこの世に時系列順に運ばれてきたのが、その時々の「現実としての運命」である。ところが、残念ながら、私たちは自身がミクロの世界のあの世で、祈りによって選択したこと(宿命)と、それがマクロの世界のこの世に時系列順に現れてきたこと(運命)との「相補性」については「まったく気づくことができない」から、その「違い」が私たちにとっては「祈りは願いを実現するとはかぎらない」と映るのではなかろうか。

二つは、私たちこの世に生きる一人ひとりはすべて「異なる願い」を持っているから、それらの多くの「異なる願い」は、多くの場合、互いに「背反」したり、「競合」したりしているはずであるから、もしもそれらの多くの人々の「すべての願い」が「祈り」によって「すべて実現」したとすれば、そのとき、社会は「大混乱」に陥ることになるから、「宇宙の意思」によって、そうならないようになっているのではなかろうか。

 以上のような理由から、私は、 「いまだ隠された宇宙の意思」(いまだ知られざる神の意思)によって、祈りはすべての人々の願いをすべて実現することはできないようになっている」のではないかと考える。

そうであれば、私は、「その隠された宇宙の意思(神の意思)とは何か」 を探ることもまた、「心の世界の解明を目指す、量子論にとっての重要な課題の一つ」ではなかろうかと考える。

14 量子論が解き明かす世界観

 以上は、「量子論が解き明かしてきた数々の不思議な世界」、なかんずく「コペンハーゲン解釈の世界」について見てきたので、最後にその要点を箇条書きにして「総括」しておく。

(1) この世が存在するかぎり、必ずあの世も存在する
(自然の二重性原理と相補性原理)
(2) あの世とこの世はつながっていて、しかもあの世がこの世へ投影されている(自然の二重性原理と相補性原理、ベルの定理とアスぺの実験)
(3) この世とあの世は、その境界領域において互いに干渉し合っている(ベルの定理とアスぺの実験)
(4) この世が虚像で、あの世が実像である
(自然の二重性原理と相補性原理)
(5) 物質世界のこの世が空間世界のあの世に変わり、空間世界のあの世が物質世界のこの世に変わる(状態の共存性と相補性原理)
(6) 人間はなぜ生きているうちは見えるのに、死ねば見えなくなるのか(自然の二重性原理と相補性原理)
(7) 人間にとって、あの世の宿命は、この世の運命である(相補性原理)
(8) 人間の意識がこの世(現実の事象)を創造する(波束の収縮性原理)
(9) 万物は空間に同化した存在である
(波動性と粒子性、および同化の原理)
(10)空間のほうが物質よりも真の実体であり、空間こそが万物を生滅させる母体である(波動性と粒子性、および同化の原理)
(11)万物は観測されるまでは実在ではない(波動の原理)
(12)未来が現在に影響を及ぼす(共役波動の原理)
(13)素粒子はあらゆる形状や現象を生み出す素因である(波動の原理)
(14)この世はすべてエネルギーの変形である
(ディラックの原理と波動の原理)
(15)宇宙の意思が波動を通じて万物を形成する(波動の原理)
(16)祈りは願いを実現する(波動の原理と波束の収縮性原理)


量子論と意識と脳 2017/1/19(木) 午前 2:21 

死後の世界を量子論で科学する.mp4


いま、科学は20世紀の常識を大幅に超越した新たな段階に到達し始めた。
我々の20世紀持っていた常識は、丹波哲郎の大霊界話に負けてしまったかもしれないのだ・・・・いままでオカルトや超常現象といった非科学的なものが科学される時代となってきたのだ。




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在日米軍を狙うということは日本を攻撃することです。ここまであからさまに日本攻撃の意図を公言されて黙っていていいのでしょうか。どうもミサイル実験だからと安閑としているようで理解に苦しむのが日本の言論ですが、日本を攻撃すれば経済賠償が取れなくなるから日本は攻撃するはずがない、とたかを括っている向きがありますが、相手は完全に狂っているのでそんな「正常な」判断は通用しません。韓国の政情が一層不安定になっているため、今年は最大の危機を迎えるのではないでしょうか。しかし朝鮮半島は世界にとって危険な地帯になりましたね。

 North Korea Is Practicing for Nuclear War
 North Korea isn’t testing its missiles. It’s preparing for a nuclear first strike.
 BY JEFFREY LEWIS
MARCH 9, 2017
http://foreignpolicy.com/2017/03/09/north-korea-is-practicing-for-nuclear-war/

North Korea Is Practicing for Nuclear War 


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                                                 今週月曜日午前、北朝鮮は北西部からミサイル4発を発射し、620マイル飛翔した後日本海に着弾させた。今回のテストは大陸間弾道弾ではなかったが、一斉発射したところに意味がある。平壌は亡命した高位外交官Thae Yong-hoの解説どおり、核弾頭装着の最終段階に着実に向かっている。また北朝鮮は開戦初期に核兵器を大量投入する交戦構想を準備している。ここに露呈している米韓作戦構想を組み合わせると朝鮮半島の軍事衝突は核戦争に発展する危険性が見え、ドナルド・トランプ大統領が自分のツィッターに寄稿する暇は生まれないほど迅速に展開するかもしれない。

これまで北朝鮮はノドンミサイルを全てノドン近郊のテスト施設から発射していた。スカッド・ノドンミサイルの改修作業の実証が目的だった。

だが最近になり北朝鮮はスカッド、ノドンミサイルを各地から発射している。これはミサイルテストではなく、軍事演習だ。北朝鮮はミサイル性能はすでに確認ずみだ。軍が行っているのは核戦争の事前演習だ。

さらに北朝鮮はこの点を堂々と主張している。昨年のノドンミサイル試験のあと、地図を公開し、そこにはミサイルは釜山までの距離と同じ飛翔をして海上に落下したことが示されていた。「演習では飛翔距離を制限し南朝鮮の作戦域内にある港湾、航空基地への先制攻撃をシミュレートした。米帝国主義に核兵器を打ち込む」と説明していた。

今回北朝鮮が発射したのは四発の「射程延長型」スカッド・ミサイルで620マイル飛翔した。地図では四発とも岩国海兵隊航空基地を囲む円弧内に到達している。北朝鮮からは「演習に加わったのはKPA(朝鮮人民軍)戦略軍所属の火星 Hwasong砲兵隊で有事の際は日本国内の米帝侵略部隊を攻撃するのが任務」と説明が出た。
ではなぜ北朝鮮は在日米軍を核攻撃演習をしたのか。

米韓両国は最大規模の合同軍事演習フォールイーグル Foal Eagle を展開中だ。演習は総合的なもので二ヶ月にわたり、米韓数万名が参加し、F-35も岩国から参加する。フォールイーグルは米韓作戦構想 OPLAN 5015 のリハーサルであり、北朝鮮先制攻撃を主眼とし指導部排除も含む作戦構想は軍事挑発行動への対応として想定するものだ。北朝鮮が毎年の演習を侵攻作戦の予行演習と考えるのは当然だろう。今年の演習では米韓特殊作戦部隊のパラシュート降下、核兵器ミサイル施設強襲が山場のひとつだ。

懸念せざるを得ないのは北朝鮮、韓国、米国の戦闘構想の絡み合い方だ。北朝鮮の軍事演習により同国が核兵器を大量投入して在日在韓米軍を攻撃し、侵攻を食い止めようと真剣に考えていることが明らかになった。北朝鮮声明文では「撃退」の語を使っている。北朝鮮亡命者によれば指導層は開戦直後に大量死傷者を発生させて米国韓国の攻撃を力で後退させられると真剣に考えている。                                                    米側には核兵器を大量投入すれば金正恩の自殺行為と見る向きが多く、事実サダム・フセインもムアマル・カダフィも米軍事力の前に通常兵器による防衛では無力であった。そこで北朝鮮ICBMが登場する。金正恩がまずソウル、東京を灰にしてトランプ大統領が手を出せなくするのだ。

金正恩の戦略は核兵器を早期に投入することがカギだ。米国に抹殺される前に特殊部隊がミサイルを見つける前に。まず使用する、そのあとで考えるのだ。

米戦略も先制使用を考える。金やトランプがどこまで自制できるのかわからないが高望みできないようだ。両者ともに先制攻撃を真剣に考えるはずだ。さらに韓国にも独自の先制攻撃構想があり、OPLAN 0515 とは別に韓国の弾道ミサイル、巡航ミサイルを使う作戦がある。そうなると三カ国それぞれ先制攻撃構想があることになる。

一般国民が北朝鮮ICBMに釘付けになる理由は理解できる。核ICBMは北朝鮮の究極の目標であり、最後の抑止手段だ。同時に開戦の様相を考えることも重要だ。両陣営の軍事力、作戦構想が開戦可能性を上げるのか、下げるのか見極める必要がある。月曜日のミサイル発射はフォールイーグルを横目に警告の意味があり、ICBMでなかろうが意味は変わらない。■

Photo credit: AFP PHOTO/KCNA VIA KNS
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北朝鮮の労働新聞が7日掲載した、砲兵部隊による訓練で発射される4発の弾道ミサイルの写真(共同)
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は7日、在日米軍基地の攻撃を担う部隊が弾道ミサイル発射訓練を「成功裏」に実施し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が立ち会ったと報じた。6日に日本の排他的経済水域(EEZ)内などに着弾したミサイル4発を指すとみられる。韓国周辺で継続中の米韓合同演習に反発、日本にある米軍基地を標的に核攻撃をためらわない姿勢を明示し、日米韓への挑発の水準を高めた形だ。

米韓演習に対し、同通信は、弾道ミサイルの集中攻撃で「無慈悲に粉砕する」という朝鮮人民軍部隊の「報復意志」を強調した。

ミサイル発射は「戦略軍火星砲兵部隊」が実施したとしている。戦略軍はミサイル運用を統括。火星砲兵部隊は「有事に日本駐屯米帝侵略軍基地を攻撃する任務を担う」とした。

訓練は、核弾頭の取り扱い手順と作戦遂行能力を判定するため、実施されたとし、「実戦をほうふつとさせる訓練を通じ、最強の核攻撃兵力に強化された同部隊の威力が誇示された」と主張した。

7日付党機関紙、労働新聞は4発がほぼ同時に打ち上がる写真を掲載。韓国軍合同参謀本部は「スカッドの改良型だ」と射程約千キロの「スカッドER」が発射されたとの見方を示した。昨年9月に日本のEEZ内に着弾した3発もスカッドERだとみられている。

発射に立ち会った金委員長は、4発が「アクロバット飛行隊のように一つの姿で飛んでいく」と感嘆し、「超精密化」されたミサイルを相次ぎ開発し、質量ともに強化するよう指示したという。同通信は、米韓演習に対し「将兵がわが領域に一点の火花でも散らすなら、核弾頭をフル装填(そうてん)した火星砲で挑発の本拠地を焦土化する覚悟を固めた」とも強調した。
2017年3月6日午前7時34分頃に、北朝鮮西部の東倉里(トンチャリ)からスカッドの改良型であるスカッドER弾道ミサイルが4発ほぼ同時に発射された。防衛省によると、4発とも秋田県男鹿半島の西300─350キロの日本海に落下し、うち3発は日本のEEZ内に、残り1発もEEZ付近に落ちた可能性があるという。

スカッドER(Extended Rangeスカッドの胴体部分の延長や弾頭重量の軽量化などにより射程を1000kmに延長した固形燃料ミサイルだが、弾頭重量はスカッドCの弾頭重量500kgに対して250kg程度と航空機爆弾1発程度思われます。

※スカッドB射程300Km弾頭950Kg⇒スカッドC射程600km弾頭500kgということは1km飛行するするのに燃料は(950kg-500kg)/(600km-300km)=1.5kg 400km射程を延ばすには267kgの燃料が必要なので弾頭重量は250kg

現状ではスカッドERには核爆弾は搭載できないと思われます。
しかし、TEL(Transporter Erector Launcher vehicle:起立発射機輸送車)が発射するのに要する時間は1時間半と、策源地攻撃は航空機からでは不可能である。

スカッドC/D/ERの保有数は600発、内在日米軍基地攻撃可能なスカッドERは100発程度(以前はスカッドの保有数が500発であったから)、戦術目的であるならばスカッドERは、脅威ではあるが、深刻な脅威とは言い切れない。ただし、戦略目的で、弾頭にVXガスや生物兵器を用いた場合は、日本にとって大きな脅威となる。


今回の発射は、発射実験と言うより演習であるとの意見もあるが、東倉里からなるべく長距離を飛行させ、なおかつ日本の上空は通らず、日米のミサイル防衛で迎撃されないように発射しているという事から、単なる打ち上げ花火のこけおどしだと思う。
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日本にとって、脅威なのは射程1300kmノドン(保有数200発)と射程1500kmのテポドン(配備数不明)である。日本攻撃専用ともいえる液体燃料のノドンミサイルであるが、固体燃料スカッドERとノドンMRBMが数十発斉射された場合、現行の日本の弾道ミサイル防衛(BMD)はとても厳しい脅威である。

ノドンは液体燃料であるがゆえに、これまでは発射の兆候がつかめ策源地攻撃論があったが、今後、固体燃料式陸上発射「北極星2号」(KN-11)やムスダンなど、固体燃料ロケットが主流となり、航空機での策源地攻撃は事実上不可能となる可能性が高い。

1998年8月にテポドンが日本列島を飛び越えて太平洋に着弾し、この時は1500キロメートル以上飛行し高度219kmだったとされている。

テポドンの最大到達距離は約2,000kmで上昇限度は500kmと推測されていて、現状のSM-3A迎撃ミサイルで迎撃は可能である。

「こんごう」に搭載されているSM-3ブロック1Aは上昇限度推定500kmであるが、今後配備されるSM-3ブロック2Aは上昇限度推定1,000kmに強化されます。

北朝鮮としては万が一迎撃されては面子がたたないのでイージス艦が居ない場所に打てば絶対に迎撃される恐れが無いので、秋田沖に発射し他と思われます。
しかも着弾地点は日本海の日本とロシアの中間地点なので、これでは迎撃はできません。

これで日本もオフショアSM-3とTHAADミサイル配備が焦眉の急となった。
北朝鮮が国営メディアを通じ、弾道ミサイル発射に「在日米軍基地の打撃を担う部隊が参加した」と報じたのは、ミサイル技術の向上を誇示し、トランプ米政権が発足して以降、対北朝鮮対応で連携強化を図る日米両国のミサイル防衛(MD)を攪乱させる意図がありそうだ。日米両国にとってMDのさらなる能力向上が急務となる。

■信頼性高い

朝鮮中央テレビが7日に放送したミサイル発射の映像は約2分20秒。カウントダウン後に発射台付き車両から4発が轟音とともに炎を噴き出し、打ち上げられる瞬間を2つのアングルから撮影。その後、青空に4本の噴煙を残して飛んでいく様子が延々と映し出された。

発射したのは5発で、うち1発が失敗に終わったとの情報もあるが、北朝鮮が発射成功に自信を持っていたことがうかがえる。

それを裏付けるのが、金正恩朝鮮労働党委員長が発射に立ち会った事実だ。朝鮮中央テレビが放送した写真には、金委員長が「戦略軍火力打撃計画」と書かれた地図上で、目標地点とみられる日本周辺を棒で指す姿も写っていた。

北朝鮮は2000年代からスカッドERの発射を繰り返してきた。先月中旬には潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の射程を伸ばし、移動式地上発射型に応用したミサイルも発射。防衛省の分析部門は「技術の信頼性は高い」と指摘する。日本(在日米軍)を射程に入れるミサイルの性能は進歩し、命中精度も向上しているとされる。

■打ち落とす

自衛隊のMDは、日本を標的とするミサイルを海上配備型迎撃ミサイル「SM3ブロック1A」と、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の二段構えで迎撃する。

在日米軍も嘉手納基地(沖縄県)にPAC3を配備しているほか、日本海上にSM3を搭載したイージス艦を少なくとも1隻は常時展開している。

北朝鮮から在日米軍基地にミサイルが発射された場合、自衛隊と米軍が連携して迎撃することが想定される。スカッドERは迎撃が難しい高高度から落下するタイプではなく、防衛省幹部は「現在の自衛隊のMDでも十分に打ち落とせる」と自信を見せる。

■三段構えも

しかし、今回は、ほぼ同じ地点に3発を着弾させた昨年9月とは異なり、日本の排他的経済水域(EEZ)周辺の約50キロの範囲内に4発を撃ち込んだ。同時に複数の攻撃目標に打ち分けたことから、さらに多くのミサイルを別の場所から発射される可能性があり、MD能力を一層向上させることが課題となる。

政府高官は「今のままでいいとは思っていない。2層態勢でいいのかどうか…」と語る。

「迎撃ミサイルの種類が多ければ多いほど撃ち落とせる可能性も高まる」(航空自衛隊幹部)ことから、政府は現行の二段構えから三段構えへの転換も視野に入れる。自民党内で進むMD強化に向けた議論で、米軍の最新鋭迎撃システム「THAAD」導入が検討されているのはこのためだ。(小野晋史、ソウル 名村隆寛)
SM-3が2005年に配備されて以降、2009年の北朝鮮によるミサイル発射実験に際して、日本政府は弾道ミサイル等が日本の領土に墜落した場合にはこれを迎撃すると発表したが、その後日米が北朝鮮のミサイル発射実験をSM-3で撃墜したり、撃墜しないまでも擬似撃墜実験をした事はない。ハワイ沖での発射実験のように本当に北朝鮮のミサイルを迎撃できるのか?最近ではこの私ですら疑問を持っている。

あらかじめ準備万端で実施された迎撃実験といつ発射されるかわからない実戦では違うので、本当に有効なのか、実際に弾道ミサイルを迎撃実験するしか証明できない。

北朝鮮も、日米の迎撃を恐れ、飛行ルートは北朝鮮本国上空をなるべく長く飛行するルートを選好しているので、北朝鮮も日米が実際に迎撃を行うことを恐れていることも確かなのだが、トランプ政権は北朝鮮の実弾弾道弾迎撃を日米共同で実行させる可能性が高いと思う。

多大な血税をつぎ込んだミサイル防衛が本当に機能するのか?それを証明する最初の弾道ミサイル迎撃を日米は直ちに実施すべきと思う。

2016/10/17(月) 午後 7:50
ミサイル防衛のBMDミサイルの重層化に加え、レールガンの導入が求められる。


しかし、もはや、BMDだけでは不十分になりつつある。
BMDだけでは日本を守りきれない。トランプ政権誕生で、策源地攻撃能力検討本格化 2017/2/5(日) 午後 0:39 

だが、固体燃料ミサイルの移動発射機(TEL)を航空機や巡航ミサイルで攻撃する差策源地攻撃論を無意味にする。

1991年の湾岸戦争発生時、イラクは600発のスカッドミサイルと数十基の移動発射機(TEL)攻撃は困難を極め、圧倒的な航空優勢の状況で多国籍軍が攻撃しても、スカッドは火を噴き続け、停戦時までソ連製TEL×6基、国産TEL×4基が最後まで残存しました。

国土中が要塞化した北朝鮮ではTEL攻撃は絶望的な作業となる。今回のスカッドERで改めて策源地攻撃を一歩越え、抑止力としての報復攻撃力を持つべきであるという議論も始まろう。
北朝鮮が試射した弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。北朝鮮当局によると、ミサイル発射は日本国内の米軍施設を攻撃する訓練であったという。そのため、トランプ政権周辺からは、現在韓国で実施されている米韓合同軍事演習にB-52爆撃機やB-1ステルス爆撃機を派遣して北朝鮮を威圧すべきだといった声まで上がっている。

 そして、日本でも北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対抗するため、いわゆる「敵基地攻撃論」が浮上してきた。

攻撃対象は基地ではなく「発射装置」

 敵基地攻撃能力保有に関する議論(いわゆる敵基地攻撃論)は1956年に国会で論じられて以来、弾道ミサイルの脅威が取り沙汰されるたびに浮上してきた。

 ただし、弾道ミサイルの性能やシステムそのものが60年前と現在では大幅に変化しているため、「敵基地攻撃能力」という表現自体が時代遅れとなっている。

 北朝鮮による対日弾道攻撃という文脈に限定して、敵基地攻撃論を考えてみよう。現時点において北朝鮮が日本を攻撃する際に用いる弾道ミサイルは、基本的には「TEL」と呼ばれる地上移動式発射装置から発射される。そのため、ミサイル発射基地から弾道ミサイルが発射されていた60年前と違い、北朝鮮の弾道ミサイルを破壊するには、ミサイルが装填された地上移動式発射装置を破壊しなければならない。すなわち、“敵基地”ではなく“敵発射装置”を攻撃する能力が必要となるのだ。

 ミサイル発射基地の場合、強固な防御が施されている半地下サイロ式ミサイル発射装置から弾道ミサイルが発射されることになる。そのため、発射装置そのものを破壊するには強力な破壊力が必要である。とはいうものの、ミサイル発射基地は移動することがないので、その位置を特定できれば、攻撃すること自体は可能である。

 一方、大型トレーラーのような車両にミサイル発射装置が搭載されているTELは、地上を動き回ることができる。大型トレーラーといっても、ミサイル基地に比べれば攻撃目標としては極めて小さい。したがって、地上を移動してさまざまな場所に隠れるTELを偵察衛星や偵察機などで発見することは至難の業とされている。

先制攻撃の厚い壁

 敵基地攻撃論(現代的には敵発射装置攻撃論)の難点は、TELの発見が困難だという点だけではない。北朝鮮が弾道ミサイルを発射する以前に、攻撃準備を開始した北朝鮮軍のTELをことごとく破壊してしまわなければならない。すなわち、自衛隊による先制攻撃が不可欠となるのだ。

 先制攻撃ができなければ、抑止能力としては機能しない。したがって、いわゆる“専守防衛”を基本原則とする国防方針は根本的に変更しなければならない。さらには国防システム全体を抜本的に一変しなければならないことになる。

 いわゆる敵基地攻撃論は強力な先制攻撃能力を手にすることが前提であり、それだけの覚悟の上で主張しているものと思慮されるが、憲法9条を巡る議論同様に、永きにわたる神学的論争に陥りかねない。

 そして、軍事技術的にも解決しなければならないハードルは高いし、北朝鮮の弾道ミサイル攻撃を抑止する先制攻撃能力を手に入れるだけでも天文学的数字にのぼる国防費が必要となる。

抑止力として機能している「報復攻撃力」

 だが、日本としては悠長に言葉遊びにも似た論争を繰り返している余裕はない。日本は、北朝鮮とは比較にならないほど強力な対日ミサイル攻撃能力を保持する中国やロシアといった軍事的脅威に取り囲まれている。可及的速やかに、先制攻撃能力よりも着実に手にできる、そして先制攻撃能力同様に抑止力として機能することが期待できる軍事力を手にすることが必要だ。それは報復攻撃力である。

 いわゆる専守防衛という枠組みで構築されてきた自衛隊の戦力では、先制的(敵の攻撃に先立って)にせよ、報復的(敵の攻撃を被った後)にせよ、北朝鮮や中国の領域を攻撃することはほとんど不可能な状態である。

 したがって北朝鮮にとってみれば、対日軍事攻撃の計画が日本側に漏れても自衛隊が先制攻撃を仕掛けてくる恐れもないし、攻撃開始後に自衛隊が北朝鮮領内に反撃してくることも考えなくてよい。北朝鮮指導部にとって怖いのは、日米安保条約が発動されてアメリカが日本に代わって報復攻撃を仕掛けてくることだけである。

 日米安保条約では、いくら北朝鮮が日本攻撃準備を整えているといっても、アメリカが日本に代わってTELを片っ端から破壊して対日ミサイル攻撃を事前に阻止することはできない。あくまでも、日本にミサイルが飛来してきた段階で日米安保条約発動が検討されるのだ。

 北朝鮮にしろ中国にしろ、そしてロシアにしろ、このようなメカニズムは百も承知だ。そのうえで、日米同盟は、それら日本に対する軍事的脅威国に対する抑止機能を(少なくともこれまでのところは)果たしてきた。

 ということは、アメリカの先制攻撃能力ではなく、日本に代わるアメリカの報復攻撃能力が抑止機能を果たしているということになる。

 したがって日本は、いつになったら埒が明くか分からない先制攻撃力の構築を目指すよりも、その一段階前の国防努力として日本独自の報復攻撃力を手にするべきなのだ。

報復攻撃力の比較的安価な構築方法

 ただし、「核」報復力に関しては、国際条約の制約や日本の国内事情を鑑みれば、日米同盟におけるアメリカの切り札的存在としてアメリカの核抑止力を利用するのが当面は得策である。そこで日本がまず着手すべきは、非核戦力における報復攻撃力である。

 たとえば北朝鮮の対日弾道ミサイル攻撃(非核)に対する報復攻撃力として考えられるのは、北朝鮮の特権的指導部を徹底攻撃できるだけの破壊力を持った長距離巡航ミサイル、引き続いて弾道ミサイル(いずれも非核高性能爆薬弾頭搭載)を手にすることである。

 日本から北朝鮮を報復攻撃するには射程圏800~1800kmのミサイルが必要である。だが現在のところ日本はそうした長距離巡航ミサイルは保有していない。この種のミサイルを国産で製造する技術力は持っていても、実際の製造には時間がかかるため、とりあえずは同盟国アメリカからトマホーク巡航ミサイルを調達するのが現実的だ。

 トマホーク巡航ミサイルの最新鋭機種は1基およそ1億7000万円程度である。300基を購入しても500億円ほどであり、日本がアメリカから購入するF-35戦闘機3機分ほどの投資ですむ。

 アメリカから調達したそれらのトマホーク巡航ミサイルは、海自駆逐艦の垂直発射装置や潜水艦の魚雷発射管から発射することができ、北朝鮮指導部にとっては極めて深刻な脅威となる。そして、これまでアメリカの報復攻撃力しかなかったところに日本自身の報復攻撃力が加われば、北朝鮮に対する抑止力は著しく強化されることになるのだ。

 実現への道のりが遠い敵基地攻撃論を議論する前に、実現可能性が高い報復攻撃力の構築へ取りかかるのが日本の防衛にとり急務である。
北朝鮮の建国の真相が帝国陸軍の残置諜者畑中理が暗躍し満州で麻薬ビジネスに関わるなどして、日本に帰れなかった帝国陸軍諜報機関の人員が人民軍最高幹部だという仮説を私は信じています。

“金策“こと畑中理氏は1951年朝鮮戦争中に死亡したがその後北朝鮮人民軍長老が最高権力を掌握していた。その老幹部達が存命であれば日本への核攻撃は絶対にないと思ってはいた。が、しかし、その長老達が次々天寿を迎え。長老が居なくなり抑えが効かなくなった現在、対日核攻撃の可能性はゼロではなくなった。


巻頭のフォーリンポリティ誌はサダム・フセインもムアマル・カダフィも米軍事力の前に通常兵器による防衛では無力であった。そこで金正恩がまずソウル、東京を灰にしてトランプ大統領が手を出せなくする為に北朝鮮は開戦直後に核を使い大量死傷者を発生させて米国韓国の攻撃を力で後退させる主張している。

しかし、北朝鮮が最優先プライオリティは金王朝の維持であり、核兵器を大量投入すれば金正恩の自殺行為となる。緊張状態の安定は米国と北朝鮮としても望む状態であり、北朝鮮が自暴自棄とならない限り、北朝鮮は日本に核ミサイルを撃ち込まない確率が高いと思う。

金正恩は米国に抹殺される前に本当に核使用するだろうか?またトランプもあんな何の特にもならない国に米兵の血を流させるのか?米戦略も先制使用を考えるか?両者ともに先制攻撃を真剣に考えるはずだ。

実際には朝鮮半島での武力衝突は起きるかどうかわからないが、日本でも左翼や親中系の煽動に乗じて、沖縄独立という中国の策謀で混乱したり、自衛隊の増強を妨害されたり、安倍政権が崩壊するなどのシナリオが起きれば、朝鮮半島情勢に影響を与える。

結論として、結局今よりも高い緊張感の中で、危機の安定を暫く続けるしかないと思う。





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次世代ステルス戦闘機で日英共同研究へ

次世代ステルス戦闘機で日英共同研究へ
【日テレNEWS24】2017年3月14日 02:29 

防衛装備庁が次世代ステルス戦闘機での技術協力に向け、アメリカ以外の国で初めてイギリスとの共同研究に乗り出し、近く新たな覚書を交わすことが関係者の取材でわかった。

 防衛装備庁では次世代の戦闘機を来年度までに国産か国際共同開発にするか判断することになっている。次世代戦闘機では、敵のレーダーに探知されにくいステルス性能が重要で、日本は国産ステルス機「X-2」を開発し、国内での技術力を高めてきた。

 一方、イギリス軍は去年、国内で初めての共同訓練に飛来した戦闘機「ユーロファイター・タイフーン」が主力だが、防衛省関係者によると、イギリス政府は日本の持つ高性能のレーダー技術に関心を寄せているという。

 日本とイギリスの両政府は、ステルス戦闘機に求める性能や保有している技術について互いの情報を交換することなどを盛り込んだ覚書を今月16日にも署名し、今年秋までに共同開発に進めるかどうか判断したいとしている。
防衛省は昨年(2016年)7月にF-2後継戦闘機の開発製造について入札を行った。
F-2後継機が公募されたが、純国産F-3戦闘機は飛ぶのか? 2016/7/2(土) 午後 6:08 
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[シンガポール 29日 ロイター] - 日本の防衛省は7月、総事業費が最大で400億ドル(約4兆1100億円)とも言われる次世代戦闘機の入札の準備に入る。海上での領有権問題で中国との緊張が高まるなか、防空体制の強化を目指す。

防衛省は計画を進めるに当たり、必要な情報を提供する協力企業を7月5日まで募集。手を挙げた企業になるべく早く連絡し、情報提供を求める予定だと、同省関係者は語る。

事情に詳しい複数の関係者によると、防衛省は既に国内の主契約業者となる三菱重工業とともに、米防衛大手ボーイング(BA.N)とロッキード・マーチン(LMT.N)に対して、F3戦闘機計画への参加を求めているという。

関係者によると、最終決定は2018年夏ごろに下される見込み。この件が機密事項であることを理由に、関係者は匿名での情報提供に応じている。戦闘機の配備は早くとも2020年代の終わりが予定されている。

ライフサイクルコストなどの費用を含め、最大400億ドルと推定される100機のF3の開発・生産計画は、近年の戦闘機計画を上回る規模となり、世界の防衛企業の関心を集めるとみられている。

親密な日米関係を踏まえ、日本は米軍と密接に連動できる戦闘機を優先するため、米国以外の企業が選ばれる可能性は低いとアナリストは分析している。

アジア海域で領有権紛争を繰り広げる中国に対して、日本が制空権を維持するための戦闘機を必要とするなかで、今回の入札は行われる。軍事専門家によると、中国の戦闘機は、米国やその同盟国が保有する戦闘機に比べいまだ性能的には劣っているが、その能力を向上させており、安倍晋三政権にとって安全保障上の課題となっている。

三菱重工が主体となって開発した現行のF2支援戦闘機の代替とみられる、新たな次世代国産機は、日本が購入を決めたロッキード・マーチンのF35のほか、近代化改修が行われているボーイングのF15とともに日本の空を守ることになる。三菱重工業の広報担当者は個別の案件にはコメントはできないと語った。

<次世代戦闘機は輸入か国産か>

日本は西側の防衛企業から既存の戦闘機を直接輸入する事にもオープンで、F15のように自国でのライセンス生産を行いたい方針だ、と関係者は明らかにする。

「われわれが長年築いた日本との協力関係をさらに高めることのできる新たな機会にもちろん興味を抱いている」。ロッキード・マーチンの担当者はロイターの取材に対しメールで回答した。「議論が進むなかで、日本のF3計画について、さらに学ぶことを楽しみにしている」

ボーイングは「日本でのプレゼンスを高める手段を常に模索している。どうやって顧客の防衛ニーズに応えることができるか、話し合いに応じる構えだ」とメールで回答した。

F3計画に詳しい関係者によれば、日本は長年、長距離飛行とミサイル内蔵を可能とする、ツインエンジンを備えたステルス戦闘機の取得に興味を示してきた。

これらの要求を満たす現役戦闘機はロッキード・マーチンのF22だけだが、生産は既に停止されており、日本側の意向にもかかわらず、米国は同機に対して禁輸出の措置を講じている。

このため、日本はF3の設計と製造を国内で行う可能性が高い、と事情をよく知る関係筋は語る。ただ、これは計画費の高騰を招く。開発費の増加は、国家予算の重荷となるため、日本にとって障壁となる。ただ、日本政府が昨年、長年維持していた武器移転を解除したことで、将来的に輸出することでコスト軽減を図る可能性もある。

ボーイングとロッキード・マーチンのほかに、F3計画に参加する可能性がある企業には、ユーロファイター・タイフーンを製造・開発した企業コンソーシアムがある。これには、エアバス・グループ (AIR.PA)と英BAEシステムズ(BAES.L)、伊フィンメッカニカが含まれる。最近、戦闘機グリペンの最新型を公開したスウェーデンのサーブ(SAABb.ST)も参加の可能性がある。 ユーロファイターの企業コンソーシアムを代表し、エアバスの広報担当者は、「常に日本政府と日本企業と定期的に連絡を取って、われわれの対応能力や協力の可能性について話し合っている」と述べた。

サーブの広報担当者はコメントしなかった。
F-2後継機が公募されたが、公募結果は公表されていない。F-2後継機決定は2018年夏によていされている。F-2後継機(F-3)の初飛行は2025年を予定している。

応札企業としては、三菱重工(日本)、ボーインク(アメリカ)、ロッキード・マーチン(ア
メリカ)、BAEシステムズ(イギリス)が候補になっている。

防衛省は次期主力戦闘機入札について、国産、輸入とも明言はしていない。
第6世代戦闘機は日本とアメリカで同時に開発が始まっている。
Next Generation Future U.S. Fighter 2014/9/15(月) 午後 2:00
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Lockheed Martin 案

F-22生産再開の検討の動きもある。
2016/4/28(木) 午前 2:09 
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そのまま再生産すれば案外、一番F-22がコストが安いかもしれませんが、レーダーなどアビオニクスを更新するといきなり上がってしまうのは目に見えてます。手堅いが・・・米国が再生産を決定しない限りありえません。

F-2後継の次期主力戦闘機は心情的には純国産戦闘機になってほしいのだが、
現実問題からすると、開発費だけで2兆円~3兆円、運用30年の保守費用を含めると4兆円という巨額費用になり、ゆえに、純国産機は現実的には非常に厳しい。もし防衛省の計画ではF-2後継F-3を100機調達した場合、1機あたりの価格は400億円以上となってしまう。

このままでは、F-3開発計画自体がとん挫する可能性がある。2012年頃から英国がタイフーン後継として、日本との共同開発を模索し始めてきた。

日本主導で欧米のメーカーも巻き込み世界販売することができれば、1機あたりのコストを下げることができる。具体的には、日米欧の共同開発で300~1000機製造する場合、1機あたりコストは150億円~200億円まで下がるかもしれません
中央部胴体 : ノースロップ・グラマン(米国)
中央部胴体パーツの一部 : TAI(Turkish Aerospace Industries Inc.)
(トルコ)
後部胴体、垂直尾翼、水平尾翼 : BAEシステムズ(英国)
尾翼で使用するパーツの一部 : テルマ(デンマーク)、マゼラン・エアロスペース(カナダ)
複合材料製の機体構造部品 : コングスベルク
(ノルウェー)
エンジン : プラット&ホイットニー
(米国)
垂直離着陸型用のリフトファン : ロールス・ロイス
(英国)
レーダー : ノースロップ・グラマン
(米国)
ヘルメット装備ディスプレイ : VSI(Vision Systems International)
(米国)
射出座席 : マーティン・ベーカー
(英国)

ボーイング、ロッキードマーチンやノースロップにしても、日本との共同開発は、米国の第六世代戦闘機採用競争にに勝ち抜く要因になる為、是非F-2後継戦闘機の入札に参加しておきたいところだろう。

例え国際共同開発となったとしても、日本が中核となって、1000機を輸出できる戦闘機をつくってほしいものです。



【追記】

★★日英共同開発戦闘機が実現する可能性
【航空宇宙ビジネス短信・T2:】2017年3月28日火曜日

これはどうなるのでしょうか。米側と英国の違いも体験できるでしょうが、そんなに共同開発が簡単だとは思えません。ましてや英国が資金面で大きな役割を果たすとは思えません。さらに両国の置かれた作戦環境、仮想敵が違います。とはいえ、今年中に何らかの展開がありそうですね。引き続き注視していきましょう。
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 Japan-UK Fighter Project Sign Of Closer Defense Partnership
Tokyo and London explore building a combat aircraft together
日英戦闘機共同開発は2国間防衛協力の新しい方向性を示す


Mar 24, 2017 Bradley Perrett and Tony Osborne | Aviation Week & Space Technology
http://aviationweek.com/defense/japan-uk-fighter-project-sign-closer-defense-partnership

日英共同開発戦闘機が生まれる日がくるのか
TMHI製F-2は20230年代に後継機が必要となる。
ユーロファイター・タイフーンのRAF退役は2040年以前。
日本側は次期戦闘機に有人案を想定。
英国は無人機を重視しつつ、有人機版にも道を残す。


英国は日本と戦闘機共同開発をめざし、2030年代の供用開始を狙う。この驚くべき動きは両国が防衛技術で密接になっているあらわれだ。

日英共同開発戦闘機が実現しなくてもBAEシステムズ三菱重工業 (MHI) の進める国産戦闘機開発に参画したいと考えている。共同開発となれば日本は費用分担の相手先として英国に期待するはずで、単なる技術助言の役割では終わらない。

そうなるとフランスが問題となる。英国との共同開発を一番強く求めていたのはフランスだ。

日英両国はそれぞれのプロジェクトで現状の情報を交換することから始める。日本の将来型戦闘機と英国の進める将来戦闘航空機システム(FCAS)が対象。共同開発の可能性を模索し、両国は相互に助言すると日本防衛省は述べ、まず技術内容を見せ合うようだ。

日本にとって英国は米国に次ぐ防衛技術パートナーになってきた。2012年に両国は2国間協力強化で合意し、2014年に日本は武器輸出に道を開いた。この決定で日本企業も海外提携先と共同開発や生産が可能となった。
2016年両国政府は日本製シーカーを英国が進めているMBDA製メテオ空対空ミサイルに搭載する検討に入ると発表。

防衛省からは共同開発戦闘機の供用開始時期で何も発言がないが、開発日程はそんなに遠い先の話ではないようだ。日本は次期戦闘機の運用開始をMHI製F-2の後継機として次期戦闘機の運用開始を2030年代に想定している。ユーロファイター・タイフーンは英空軍を2040年以前に去ることになりそうで、後継機を事前に準備する必要がある。

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An F-2 landed with a Typhoon in the background during an RAF deployment to Japan in November 2016. Credit: Crown Copyright
2016年11月、F-2とRAFが日本に配備したタイフーンが共同訓練を行った。Credit: Crown Copyright

両国はそれぞれの戦闘機要求をまず理解した上で、今年末までに共同開発すべきか決めると日経が伝えている。

2国間の相違点は有人機にすべきかだ。日本が進めてきた将来型戦闘機研究は最新版26DMUまですべて有人機だ。日本の防衛産業技術陣は空対空戦は複雑過ぎコンピュータに任せられないと考えている。これに対しFCASは無人機想定だ。

日本は縮小版実証機を有人機MHI製X-2として飛行させているが、英国は無人機BAEタラニスで技術評価中だ。さらに英仏両国は技術実証機二機で無人戦闘航空機の実証を2025年までに実施する合意済みだ。
とは言え英国防省はFCASが有人機になる場合もあると発言。

日本側は大型機を想定している。設計では航続距離、飛行時間にくわえ装備搭載量を操縦性より重視し、スタンドオフで大型高性能ミサイルを使用する想定だ。このコンセプトはRAF退役済みトーネードF3に似る。

将来型戦闘機はF-3の呼称で運用されMHIが生産する。日本は平成30年度末までに国産開発を決定するはずだ。英国が同時期に態度を決めるか不明だ。決定から数年後に実証機が飛び、供用開始は2030年代中頃だろう。

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Japan’s Future Fighter concept designs envisage an unusually large aircraft. Pictured is DMU25, which is similar to the  the latest design, DMU26. Credit: Colin Throm/AW&ST
Credit: Colin Throm/AW&ST
日本の将来型戦闘機の概念設計から意外に大きな機体だと判る。ここに示したDMU25のあとに最新型DMU26がある。Credit: Colin Throm/AW&ST



日英共同研究の中心がステルス技術だと日テレNEWSが伝えており、同技術が戦闘機設計で優先順位を与えられるとするが、日本開発の直近の戦闘機F-2ではロッキード・マーティンが相当の支援をしている。

英国のステルス技術は米国協力のもとで開発され、第三国と共有は許されないが、その他分野は独自開発で日本にも提供可能だ。日本からすれば英国は技術提供で米国より寛大と感じるかもしれない。

IHIが高性能33千ポンド推力エンジンの実証機を作成中で将来型戦闘機への搭載が期待される。英国にはエンジン大手ロールズロイスがあり、日本製エンジンは採用しないだろうが、二国共同開発エンジンが必要となる。ただし日本側からすればこれまでの設計を捨てたくないだろう。むしろ新開発技術を共同開発エンジンに反映するのではないか。さらに航空自衛隊はロールズロイスの関与があれば心強く思うはずだ。

英国の視点からすれば本案件でBAEシステムズには共同開発が実現しなくても戦闘航空機技術の維持発展が期待できる。これこそ同社が狙っていた目標であり、英国にタイフーン後の戦闘機事業がないのが現状だ。
BAEは今もエアバスとレオナルドの協力の下タイフーンを製造中で、ロッキード・マーティンF-35事業でも開発段階から製造面で大きな役割を果たしている。タラニスで経験を積んだ同社技術陣は英仏技術実証機の製造を進めるが全面的な開発や製造が実現する保証はない。

1月に123百万ポンド(150百万ドル)でトルコ政府は英政府と合意し、BAEがトルコの進めるTF-X戦闘機開発を支援することになった。トルコはBAEの知見や施設を利用し、BAEは戦闘機開発の分野にとどまることになる。
日本との協力が同じ形になってもトルコ案件から数年遅れることになり、BAEには技術陣をうまく配置できる利点が生まれる。英国としてもトルコあるいは日本事業に開発生産面から協力国として参加できる。

だが日本は英国の資金も期待しているはずだ。両国とフランスはほぼ同じ国防予算規模が日本も共同開発相手先がほしいはずだ。その点で検討が始まればフランスが英国の協力国から外れる可能性が生まれる。

その他日英防衛協力の進展を示すものとして英国防省は3月15日、部隊展開時の物資役務の相互提供に両国が合意したと発表。またRAFタイフーン飛行隊は11月に日本へ移動し、航空自衛隊と初の共同訓練を国内で展開した。英戦闘機の日本配備も数十年ぶりとなった。■


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韓国の憲法裁判所は朴槿恵を8人の裁判官全員の一致した意見として「大統領の違憲・違法行為は憲法守護の観点から容認できない」と罷免を宣告した。

大統領選挙は罷免から60日以内に実施される。韓国メディアは、5月9日になる可能性が高いと報じている。

韓国国民は憲法裁判所の判断を支持し、愚かにも国民の勝利だと悦に入っているのだから始末に負えない。 
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10日、韓国の朴槿恵大統領の罷免が決定したニュースは日本でも速報を含め大きく伝えられ注目を集めているが、この日の日本の主要紙がそろって夕刊1面でこれを報じたことについて、韓国のネットユーザーが歓喜の声を上げている。写真は10日の夕刊紙売り場。
2017年3月10日、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の罷免が決定したニュースは日本でも速報を含め大きく伝えられ注目を集めているが、この日の日本の主要紙がそろって夕刊1面でこれを報じたことについて、韓国のネットユーザーが歓喜の声を上げている。 

韓国・聯合ニュースは同日、朝日新聞、日本経済新聞、読売新聞、東京新聞など日本の主要各紙の10日付夕刊1面を並べた写真を掲載し、「大統領 弾劾/日本の夕刊1面を飾るトップニュースに」とのタイトルで報じた。写真キャプションには「憲法裁判所の朴槿恵大統領の弾劾決定を、日本の夕刊各紙が『朴大統領 罷免』の見出しで一斉に1面トップで報道した」などとある。 

これに韓国のネットユーザーが注目、さまざまなコメントを寄せているが、その中で最多の共感を集めたのは「国の格が上がりました」と歓喜するもの。他にも「これがまさに韓国国民の力だ」と罷免決定を成し遂げた庶民の力を誇る声が多く、「日本人にはできない芸当だろうな」「日本国民は成熟した大韓民国の国民意識を見て学びなさい!」「どうだ、日本とは違うだろ?」「日本人はうらやましくてたまらないはず。日本の民主主義は終わってるからね」など日本を上から見たコメントも目立つ。 

また、「日本のメディアは韓国のことが気になって仕方ないみたいだな」「久しぶりに韓国国民であることを誇らしく思った。世界の人たちが見てるかな?非暴力で事を成し遂げた国民の力を」「当然、世界的にも海外ニュースのトップに決まってる」と、日本や海外メディアでの扱われ方を気にするコメントもみられた。 

朴氏罷免が決まったことで、「(朴政権が進めた)慰安婦合意を破棄しよう」とのコメントも出ているが、今後日韓関係はどうなっていくだろうか。(翻訳・編集/吉金)
なんともため息ががでる記事である。「バカじゃなか?ぜんぜん羨ましくない」、「自国が破滅に向かうことを喜んでいるのだ!」なんとも、気の毒な民族である。

熱情にのぼせる韓国人の「国民情緒」は理性や論理が通じないサイコパスなのだ。
憲法裁判所の裁判官全員が「弾劾妥当」と声をそろえたのは、予想通りの展開だ、もともと韓国の法曹界は「法より情」の矛盾しているのだから、まともな判断をできるわけがない。国民の「情緒」が国の左右を決めたのだから、今後韓国が破綻しても、自己責任であるから、以後絶対に文句を言ってはいけないのだ。

しかし、金正恩は大喜びであろう。対北融和と反日色の濃い左派系の有力者が支持率で抜き出ている。親北政権の誕生は時間の問題、弾道弾4発を打ち上げたくなる気分にさせてしまうのだろう。

5月の選挙では、反米親北の文在寅(ムン・ジェイン)民主党前代表が大統領に当選する可能性が高い。現時点で、文在寅は各種世論調査で30%台の支持率を誇り、他を大きく引き離している。

弾道弾を4発打ち上げれば、米軍のTHAADミサイル迎撃システム配備にマイナスになるだろうと考えるのは、非朝鮮民族のまともな理性の考え方だ。同じ朝鮮人である金正恩は、民族の特性をわきまえている。

朝鮮人は理性的思考抜きに、強いものに取り入るパブロフの犬なのだ。これを事大主義と言うのだが、弾道弾を4発も同時に打ち上げる金正恩は、中国や米国に頭を下げない強者に見えてしまうのだろう。

 文在寅はTHAAD配備には批判的で、中国との関係悪化を避けるために配備を先送りすべきだと主張しているので、当選後運び込まれたTHAADミサイルは撤去することになるだろう。

トランプ政権は北の核・ミサイル施設への先制攻撃や金正恩暗殺作戦を示唆し始めている。米国政府は韓国政府に対し「THAADの配備を認めないのなら、韓国防衛に責任は持てない」と通告したとされる。米国が攻撃すれば北朝鮮は当然、韓国や日本にミサイルを撃ち込むだろう。米朝を仲介する国は出そうになく、朝鮮半島の緊張は高まる一方だ。

そんな中で「文在寅大統領」が誕生すれば、米韓同盟に亀裂が入る可能性が高い。トランプ政権も、韓国軍が陸上戦闘で北朝鮮と戦わないのなら、北朝鮮攻撃計画が成立しなくなる。
 
 韓国の保守派は北朝鮮との対決を支持してきた。半面、左派は融和政策を唱えてきた。「第2次朝鮮戦争」間近とも言うべき状況下で、韓国は激しい左右対立に突入する。その先の展開は誰も読めない。

だが韓国国軍を含めた保守派はかなりの危機感があるはずで、国軍が軍事クーデターを起こし再び戒厳令がひかれ憲法が停止される可能性が高いのではないか?

もし、韓国軍内には 麗水・順天事件(1948年)があったように、韓国軍内に部隊規模で北朝鮮の高度な隠密性がある細胞・シンパの従北勢力が入り込んでいるのではないかという情報もある。

トランプ政権が北朝鮮を軍事攻撃しなかった場合、半分の確率で、軍事クーデターが起き、起きなかった場合は、親北朝鮮政権が誕生後、韓国経済が破綻するだろう。経済が破綻した韓国は、南北統一を熱望する国民情緒ができるかもしれない。
韓国が経済崩壊しても、慰安婦問題を拗らせる韓国を日本は一切援助しないだろう。

さすれば、日本にとって北朝鮮より危険な核兵器を持った統一朝鮮が誕生する可能性がある。

日本人は真剣に国防と言う意識を持つことになるかもしれない。











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安倍晋三首相は10日夕、官邸で記者団に対し、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊の施設部隊について、5月末を目途に撤収させる考えを明らかにした。あまりも唐突な撤収表明だった。現地情勢が突如悪化したとは思えないが、私はとりあえず撤収に賛成である。

 このまま、自衛隊員の犠牲が出ないまま撤収できることを願いたい。
なぜなら、現憲法下では安保法制が出来ても、もし現地武装勢力や盗賊をやむを得ず射殺したとしたら、殺人犯になったのでは、あまりにも酷い。

国連はPKO受け入れ国との間で地位協定を結んで現地の法律による訴追を免除されますので、例えば「米兵が誤って現地の一般市民を殺害した場合」、当該兵士はアメリカ本国の軍事裁判によって裁かれます。

しかし駆けつけ警護の任務を付与された自衛隊には軍事法廷自体がありませんから、現状では一般日本人と同様に日本の刑法で裁かれることになります。日本では未だ前例がなく、どのような裁判になるのかはわかりませんが、
野党やリベラルのマスコミが焚き付ければ、最悪の場合、状況次第で殺人罪も有り得る。

また、自衛隊員が死亡した場合、最大9000万円が支払われるとはいえ、現憲法下で死亡したのでは割にあわない。

もともとは、民主党野田政権時代の2011年7月、国連安保理決議に基づいて、11月15日に自衛隊の南スーダン派遣を閣議決定し、11月28日に司令部要員が出発し、年を明けた2012年1月から先遣部隊が派遣されたものでした。

南スーダン建国後すぐ内戦に突入し、以来5年間に渡って無防備に等しい状況で、現地土人達の部族紛争に付き合わされる事になった。

自衛隊の現地任務はインフラ整備のための道路工事だったが、周辺には武器を持った武装勢力やテロリストがうろつき、他の国連部隊が攻撃されても自衛隊は戦うことができなかった。

安倍首相は2013年にPKOでの問題点を糺す為、安保法制の整備方針を示し、2014年に国会提出したが、SEALDsのバカ学生やプロ市民、野党、マスコミ、言論人が戦争法案だとして大反対したが、安保法制が可決されても、自衛隊は戦争を行える状態ではない。

バカなパヨク達のおかげで安保法制は骨抜きになってしまい、結局、敵から攻撃され、自衛隊員が死傷するまで反撃してはならない状況は何も変わらなかった。

南スーダンは事実上紛争中の国家に自衛隊が非武装で駐留している状態にもかかわらず、軽装甲車両しか送れず、駆けつけ警護に必要な装備(96式装輪装甲車等)は現地に送ることができなかった。「駆け付け警護」任務が加えられたが、装備はほぼ非武装に近かった。戦闘行為をするなら89式装甲戦闘車やUH60でも持って行き、自衛隊員や、現地で活躍する外国人NGO職員の安全を確保するよう整備すべきだ。だが、反対する野党勢力やそれを支持する日本の護憲リベラルに問題があるが、安保法制も片手落ちで放置した安倍政権にも問題がある。

意を決して南スーダンに赴いた武士(自衛隊員)にとっては、屈辱的な決定であろうが、現憲法下ではやむを得ない。早期の憲法改正が必要だと痛切に感じる。


暴言を書かせてもらうが、アフリカの国々はもっと内戦を行い、欧州が経験した中世~近代まで続いた殺戮の時代を経験するべきかもしれない。日本も、戦国時代を経験し、織田信長によって、近代の戸が開かれ、徳川家康が江戸幕府を誕生させるまで、血で血を洗う戦国時代(内戦)を経験したからこそ、近代国家を成立させることができた。アフリカの人々は自分達自らで近代の戸を開く歴史を築かない限り、部族間紛争は終わることができないだろう。土人の部族紛争に自衛隊がこれ以上付き合うことは無い。

 


南スーダンPKO、陸自撤収は大英断だった
今しかなかったタイミング、自衛隊はしばらく国内に注力せよ

【JBpress】2017.3.21(火)  渡部 悦和

安倍晋三首相は、3月12日、南スーダン国連平和維持活動(UNMISS)に従事している陸上自衛隊の撤収を決断し、その旨を発表した。

 積極的平和主義を掲げる安倍首相にとって、今回の決定は苦渋の決断であったと思うが、英断だと高く評価したい。現地で活動する自衛隊員とその家族も安倍首相の決断に感謝していると思う。

 日本の一部の野党やマスメディアは、安倍首相の英断に奇襲を受けたのであろう、「なぜ、今なのか。撤収の理由は何か」などと愚かな質問を発している。しかし、撤収のチャンスは情勢が小康状態にある今しかないのだ。

 南スーダンの情勢は今後さらに悪化する可能性(飢餓の発生に伴う情勢の悪化など)がある。情勢が混沌として抜き差しならない状況での撤収は困難である。

 自衛隊が撤収することに対して批判する国々は出てくるであろうし、現地の自衛隊員に対しあからさまに「卑怯者」とののしる者も出てくるだろう。過去においても、UNDOF(国連兵力引き離し監視軍)からの撤退の時もそうであった。

 一方、国連のハク副報道官や南スーダンのマヤルディ大統領が「日本が南スーダンでしてくれたことに感謝したい」と述べたように、自衛隊は5年の長きにわたり立派に活動してきたと思う。

 実際の撤収は現在活動している部隊の交代時期の5月末になるが、粛々と撤収準備を行い全員無事の帰国を祈念したい。

 本稿においては、安倍首相の撤収決断までの国会での議論などの経緯を振り返り、我が国が抱える安全保障上の諸問題や国際平和協力活動をめぐる諸問題を指摘し、それら諸問題に対する解決策を考えてみたい。

 結論的に言えば、それら諸問題の根本原因は憲法第9条の問題であり、憲法改正が喫緊の課題であることを指摘したい。

撤収のタイミングとして今が最適である

 PKOに参加する自衛隊の撤収を判断するには、以下のようないくつかの要素を検討しなければいけないが、私は安倍首相の撤収決断のタイミングは適切であったと評価する。

 安倍首相に反対する党やマスメディアは、「治安の悪化でないなら、なぜこのタイミングか。」と批判しているが、これは自衛隊の撤収作戦を全く知らない者の批判である。治安が小康状態だからこそ撤収するのだ。

●自衛隊の撤収作戦が難しいか容易か
主として現地の治安状況が大きな要素


 自衛隊にとって、治安が悪い状況下における撤収作戦は難しい作戦となる。情勢が小康状態の今こそ撤収のチャンスなのだ。

 撤収作戦は襲撃される可能性のある難しい作戦であることを理解してもらいたい。まず撤収の準備を自衛隊の宿営地を中心として実施しなければいけない。撤収準備間に襲撃される可能性があるので警戒を厳重に行いながら、同時並行的に撤収準備をしなければいけない。

 撤収の際には徐々に部隊がいなくなるので、残される部隊が攻撃される可能性は徐々に増してきて、最後に撤収する部隊が最も狙われやすいので特段の注意が必要になる。

 撤収準備は宿営地のみならず、撤収のための全経路において行うことになる。その際の最重要事項は安全の確保であり、予想される危険に対して万全の対策を講じる必要がある。

 現地の治安状況が悪化すると、撤収間の安全確保が難しくなるので、情勢が小康を保っている今が最適なのだ。

●我が国を取り巻く安全保障環境


 撤収に際しては、日本を取り巻く厳しい安全保障環境を考慮すべきで、この考慮要素は自衛隊の活用について国内任務で使うのか、国外任務で使うのかという問題でもある。

 一部の野党やマスメディアの議論で抜けているのは、日本を巡る厳しい安全保障環境だ。日本は今、内憂外患が絶えない厳しい環境にある。

 内憂については、日本は1000年に1度の地殻変動の大激動期にあり、今後、首都直下地震や南海トラフ大震災はほぼ確実に発生する。これらの大震災が引き起こす未曾有の危機に備えなければならない。

 私が思い出すのが2011年だ。この年の3月11日に東日本大震災が発生したが、陸上自衛隊はハイチのPKOに派遣されていた。当時ハイチで活動する隊員は、日本に帰って災害派遣に参加したいと熱望していたが、その願いは叶わなかった。

 海外での任務を優先するか国内での任務を優先するかの問題だ。

 私は国内での任務を優先すべきだと素直に思う。特にハイチのPKOも南スーダンのPKOもその主体は施設部隊である。この施設部隊は災害派遣では大活躍する虎の子の部隊だ。その施設部隊が早期に日本に帰ってくれるのはありがたい。

 外患については、中国、北朝鮮、ロシアの存在だ。直近の危機である北朝鮮の核ミサイルの開発や我が国に向けたミサイルの実射は、非常に危険な段階に入っている。

 つまり、3月6日に北朝鮮が発射した「4発のミサイルの目標は在日米軍基地である」と北朝鮮自身が発表したように、日本が狙われているのだ。

 また中国は、尖閣諸島周辺の日本の領海をしばしば侵犯し、世界第2位の経済大国となり、世界第2位の国防費で急速に軍事力を増強している中国は脅威であるし、北方四島を占領するロシアにも警戒が必要だ。

 内憂外患の絶えない厳しい時代において、規模の小さな自衛隊の一部を海外任務で使うのが適切か否かの検討が必要だ。

日本が危機の時にPKO撤収を政局にすべきではない


 日本が内憂外患の絶えない時期にPKO問題を政局にすべきではない。ましてや北朝鮮が日本を狙ってミサイルを発射している状況において、完全に国内の些末な問題である「森友学園問題」を巡り低レベルな議論を繰り返す日本の国会は異常である。

 特に民進党は、その前身である民主党が南スーダンPKOへの自衛隊の派遣を決断し、派遣を命じたことを忘れてはいけない。撤収までの責任は、政府与党のみにあるのではなく、民進党にもある。

 民進党は、治安の悪化や駆けつけ警護問題に絡めて自衛隊の撤収を主張してきた。今、安倍首相が撤収を決断したのだから、素直に撤収を喜べばいいではないか。

 「森友学園問題」とPKO撤収問題を絡めて何が何でも政局にしようとする意図が垣間見える政党を誰が支持するというのか。すべての国会議員がすべきは、5年間の長きにわたり灼熱の地で黙々と施設作業に従事してきた自衛隊に感謝し、5月末の無事の帰国を祈念することではないのか。

政府の答弁に対する違和感


 一方で、政府の国会答弁を聞いていると、素直には納得できない発言があった。

 例えば、自衛隊の活動地域であるジュバ周辺で政府軍と反政府軍の銃撃戦があったとしても、ずっと「治安は安定している」と言い続けてきたが、その認識は国民の認識や現地の自衛官の認識とは違うのではないか。

 特に現地で活動する自衛隊員にとっての治安問題は命にかかわる事項であり、現実の治安が悪化しているにもかかわらず、「治安は安定している」と言われ続けると良い気持ちはしないのではないか。

 また、日誌の問題があったが、「戦闘」ではなく「衝突」が国会答弁では適切だという発言にどれほどの国民が納得したであろうか。「戦闘」と言ってしまえば、PKO参加5原則の1つ「紛争当事者間での停戦合意」が成立しなくなるという事情は分かるが、違和感はある。

 政府答弁の不自然さの根本原因は憲法第9条にある。憲法第9条に整合する解釈をしつつ、何とかして国連PKOに自衛隊を参加させたいと思うから、すっきりしない政府解釈と答弁を続けなければいけないのだ。

我が国のPKO参加に関する本質的な問題点は何か?

 今回のPKO撤収に関する国会議論の不毛さの根本的な原因は、憲法第9条第2項(「前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」)にある。

●PKOへの自衛隊の参加と憲法第9条の問題

・政府の解釈

 武器使用は要員の生命等の防護のための必要最小限のものに限られること、停戦合意が破れた場合には、業務を中断して撤収することができること、以上の2点をもって憲法で禁じた武力行使を行うことはない。

・東京外国語大学の伊勢崎賢治教授の主張

 伊勢崎教授によると、ルワンダ内戦における大量虐殺がトラウマとなり、その反省をもとに1999年にコフィー・アナン国連事務総長(当時)が告示(国連部隊による国際人道の遵守)を宣布した。

 この告示により、国連PKOは「紛争の当事者」となることが前提になった。日本政府は、国際人道法に制約されながら戦闘つまり交戦することも9条2項で禁止する「交戦権の行使」として解釈しているのだから、他国の紛争の当事者となるPKOへの自衛隊の参加の違憲性は改めて問われるべきだったと主張している*1。

 また、伊勢崎教授は、「今PKOに加わることは、『紛争の当事者』になることを前提としなければなりません。それは、つまり、『敵』を見据え、それと『交戦』することです。9条が許しますか?これは9条の問題なのです」と言い換えて説明している*2。

 政府としては、「敵を見据え、それと交戦する以前に撤収する」のだから9条に違反しないと解釈するのであろう。いずれにしても、憲法第9条の改正なくしてPKOを巡る明快な議論はできないであろう。憲法改正に向けて特段の努力をすべきである。

*1=“日本はずっと昔に自衛隊PKO派遣の「資格」を失っていた!”、現代ビジネス

*2=南スーダンの自衛隊を憂慮する皆様へ~誰が彼らを追い詰めたのか?、現代ビジネス


●参加5原則の問題

 参加5原則は以下の5点であるが、今回の派遣から撤収までの経緯に鑑み、参加5原則の妥当性こそ真剣に議論し、必要ならば修正すべきであろう。

①紛争当事者間で停戦合意が成立していること
②紛争当事国(紛争当事者)が我が国の平和維持隊への参加に同意していること
③平和維持隊が中立的立場を厳守すること

④以上の原則のいずれかが満たされない状況が生じた場合、撤収することができること
⑤武器の使用は、要員の生命等の防護のための必要最小限を基本。安全確保業務及び駆け付け警護の実施にあたり、自己保存型及び武器等防護を超える武器使用が可能

 今回、治安との関係で問題になったのが「①紛争当事者間で停戦合意が成立していること」である。

 最近の平和維持活動においては、内戦に伴う「住民の保護」が主たる任務となることが多く、紛争当事者間で停戦合意が成立していなくても、「住民の保護」の任務を遂行することになる。

 自衛隊だけが、「停戦合意が成立していないから撤収します」と言えば、平和維持部隊を構成する他国部隊などから批判されるであろう。停戦合意を5原則から外すか否かも含めて議論すべきだろう。

 また、⑤の武器使用権限のさらなる緩和が必要なのか否か、憲法第9条の交戦権との関連での議論もすべきであろう。結果として憲法改正の議論をすべきであろう。

●いわゆる「一体化」の問題


 伊勢崎教授の一体化に関する意見と政府の解釈は違うが、どちらの解釈が適切なのかは議論すべきであろう。伊勢崎教授の意見によると、自衛隊はまぎれもなく「PKF(Peace Keeping Forces)の工兵部隊」として活動してきた。

 歴代の自衛隊の施設部隊は、PKFの工兵部隊であり、現場ではずっとその扱いであった。自衛隊はPKFであるだけでなく、PKFという多国籍軍としての「武力行使」に“一体化”して活動する。当たり前である、一体化しなかったら、多国籍軍としてのPKFは成り立たない。

 施設部隊として送られた自衛隊が、基地に閉じこもり、全く何もしなくても、他のPKFの部隊が交戦すれば、自衛隊も自動的に交戦主体としてみなされる。国際法から見れば、自衛隊はじっとしていても、PKO参加の時点で、静的に、「武力の行使」と一体化する*3。

 この問題も9条2項が禁じる交戦権の問題と関連し、憲法を改正することにより解決できる問題である。

筆者の意見

 今回の安倍首相の南スーダンPKOに従事する陸上自衛隊の撤収に関する英断を高く評価する。

 南スーダンからの撤収によって自衛隊が参加するPKOはなくなるが、次に参加するPKOを過早に探したりするのは適切ではない。

 今やるべきことは、国際平和協力業務のみならず、我が国の安全保障全般に大きな影響を及ぼしている憲法第9条第2項の改正について議論をし、努めて早く改正することである。

 憲法の改正がなされるまで、自衛隊は、我が国が直面する内憂外患に鑑み、主として国内任務に専念すべきである。ただし、例外的な国外任務として、アジアで発生した大震災(地震、津波など)に対する積極的かつ短期の災害派遣活動を重視して実施すべきである。

 最後に、自衛隊に対し、この5年間の南スーダンでの活動に感謝するとともに、5月末の無事の帰国を祈念してやまない。

*3=自衛隊「海外派遣」、私たちが刷り込まれてきた二つのウソ~ゼロからわかるPKOの真実、現代ビジネス



アマイ!(I might たぶん )


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東日本大震災から6年が経ってしまった。未だに日本人の多くは、つい昨日のことのように覚えている。2011年3月10日には自分が何をしていたか覚えている日本人はほとんどいなかったと思うが、ところがあの日2011年3月11日は自分はどう動いてどう思ったか、皆驚くほど覚えている。

30年位前、自分が生きているうちに関東大震災のような巨大な災害が起きるとはまるで思ってもいなかった。しかし、1995年1月17日の阪神淡路大地震、2007年7月16日中越沖地震や広島土砂災害(2014年8月)や御嶽山噴火災害(2014年9月)昨年発生した熊本地震はまだ1年が過ぎていないが、未曽有の災害は日本列島においてはいつ次の災害が起きてもおかしくはない。

日本人は、美しい国土を貰った見返りに、様々な天災が身に降りかかることを宿命としている民族なのだと思う。

最近、外国人が日本と日本人の魅力を発見して観光客が大挙やって来るようになったが、日本人と日本の文化、国土の魅力によるところが大きい。2000年以降1980年代から日本のアニメや漫画で子供時代を過ごした人々が日本に関心をもつのは当然のことかもしれないが、一つの切っ掛けとなったのが東日本大震災での日本人の冷静な振る舞いと、秩序ある姿を見た時に、外国人達は日本の文化文明に感銘したのではないかと思う。

日本の文化は縄文時代早期約7300年前に起こった鬼界カルデラの破局噴火以来、日本人は災害に鍛えられた我々が築き上げた至宝なのだと思う。常に自然の恵みと、脅威にさらされてきた我々の先祖から連綿と続くこの日本人の自然観、生死観が日本の文化を日本文明にまで昇華させたのだと思う。

日本は中華文明の亜流ではなく、サミュエル・ハンチントンは文明の衝突において「日本は世界八大文明の一つ」と言う。
一部の学者は日本の文化と中国の文化を極東文明という見出しでひとくくりにいている。だが、 ほとんどの学者はそうせずに、日本を固有の文明として認識し、中国文明から派生して西暦100年ないし400年の時期にあらわれたと見ている。 
世界のすべての主要な文明には、二カ国ないしそれ以上の国々が含まれている。日本がユニークなのは、日本国と日本文明が合致しているからである。 

美しくも過酷な自然環境がなければ、日本文明は誕生しなかったかもしれず、日本人は東アジアの他の民族とさほど差もない目立たない辺境の野蛮人であったろう。

被災し家族を失った方々には無神経な言い方かもしれないが、東日本大震災は
見方によれば、未曽有の自然災害も大きな意味で神の祝福と考えるべきだと思う。

この自然災害を忘れ去ってしまえばただの愚かな民族と成り下がってしまうが、次に起きるであろう未曽有の災害にどう備えるかが、鍵なのだと思う。

 東日本大震災は地震と津波、原子炉災害が重複した複雑な大規模災害であった。これらを徹底して総合的に研究し、今後発生が予想されるマグニチュード(M)9クラスの南海トラフ地震、マグニチュード(M)8クラスの房総沖地震、M7クラスの首都圏直下型地震、に生かさなければならない。

自然災害が起こる時期や場所、規模などを変えることはできないが、法整備や活動計画などのソフト面と、自衛隊などハード面とをうまく組み合わせることで、国や自治体を強靱化し、災害が発生した際の対応をより適切にすることはできる。1995年22年前に起きた阪神淡路大震災当時、自衛隊が左翼の情緒と法に縛られ初動が遅れたことを反省し、改善したことが、東日本大震災では活かすことが出来た。

だが、東日本大震災では、一部に「想定外」という表現が使われ、「行政面で災害に備えることは難しい」との論議があった。 しかし「南海トラフ地震」などの被害想定を、「想定外」でかたづけるのではなく政府は、「備えれば備えただけ被害を少なくできる」とする「目標設定型」に変更している。

熊本地震では、最大時の自衛隊の派遣人員や患者輸送、給食支援などで阪神淡路大震災を大きく上回る成果を挙げることができた。

発災後、国と自治体などは被災の全容把握を待つことなく、計画に基づいて、自衛隊は、応急対策活動を直ちに開始、被害が甚大と見込まれる地域に、国全体の人的・物的資源を重点的かつ迅速に投入、通行の可否情報や応急復旧、交通規制などの情報を共有し、これらの運用を一体的に行い緊急輸送ルートもかなりスムーズに行われたと思う。

 全国から警察災害派遣隊や緊急消防援助隊、自衛隊が投入され、全国的な医療チームの現地投入や緊急搬送などかなり迅速に行われたと思う。東日本大震災の発災初期に経験した混乱を学習し、多くの教訓が生かされていた。

今後起きうる災害には、陸上自衛隊が導入を決定したMV22オスプレイや水陸機動団に装備される水陸両用車(AAV7)は、災害派遣時にも使用される。孤立した被災地に大量の人員と物資が搬入できるようになるだけでなく、陸路からの接近が難しい被災地に、陸上自衛隊を海から投入できるようになる。

マスコミは、もう少し、こういったことを称賛してもよいかもしれません。



南海トラフ巨大地震解明へ 海底の監視強化
【日本テレビ】2017年3月11日 17:39

東日本大震災の後、次に起きると懸念されている南海トラフ巨大地震。海上保安庁はこの地震のメカニズムを解明しようと、海底の動きの監視を強めている。

 近い将来、南海トラフで起きるとされる巨大地震では、大阪や名古屋は震度6強以上の揺れに、太平洋沿岸は30メートル以上の大津波に襲われると想定されている。

 この地震のメカニズムを解明するため、海上保安庁は2006年から海底が移動した距離を観測していて、東日本大震災の翌年には調査地点を6か所から15か所に増やし、調査を続けている。その結果、地震を引き起こす「ひずみ」が広い範囲で蓄積していることに加え、分布にムラがあることがわかった。

 海上保安庁海洋情報部・石川直史火山調査官「今回の我々の調査によって、場所によって(海底の)動きの大小に違いがあるということがわかってきた。将来起こりうる地震がどういった地震かより詳しくわかるようになる」

 国の地震調査委員会も巨大地震の予測のための大きな一歩になると評価しており、海上保安庁は観測回数をさらに増やし、監視を強化することにしている。
【内閣府】南海トラフ地震対策 
政府は、東日本大震災発生前より綿密で実効性の高い対策を行っているが、いざとなれば国民一人一人の民度にかかってくる。
明日起きるかもしれない震災に我々は備えることが日本人である宿命であり、日本文明なのだと思う。




 “恐ろしいほどよく当たる”として注目を浴びる「MEGA地震予測」が静岡、和歌山、高知など太平洋沿岸地域に不自然な兆候を捉えた。異常変動の一部は、南海トラフ巨大地震の想定震源域内に出現しており、連動が懸念されている東海地震、東南海地震、南海地震に加え、九州を含む「4連動地震」につながる恐れも指摘される。

 MEGA地震予測を主催する「地震科学探査機構(JESEA)」の村井俊治会長が現在、注目を寄せているのは、東西南北への動きを示す「水平方向」の地殻変動だ。

 「南関東周辺は現在、『南東方向の動き』が主流となっているが、伊豆半島(静岡県)の先端は南西、房総半島(千葉県)の先端は北方向に動くという不自然な動きを見せている。潮岬(和歌山県)や室戸岬(高知県)なども周辺地域と異なる動きをしている。こうした状況はそれぞれの地域の地下で歪(ひず)みがため込まれていることを示しており、巨大地震が発生しやすい環境が生まれているといえる」と村井氏はいう。

 九州では昨年4月の巨大地震の震源となった熊本県の周辺地域が不安定な状況となっており、地震発生のエネルギーにつながる歪みが拡大。今月2日には、日向灘を震源とする最大震度4の地震が発生したことにも村井氏は神経をとがらせる。

 「日向灘でマグニチュード(M)7クラスの地震が起きると、南海トラフでM8クラスの地震が誘発されるという研究者もいる。現在は九州から東南海、南海、東海、千葉県に至るまでのベルト地帯に異常変動が出現しており、日向灘が揺れたことで、南海トラフ巨大地震に日向灘を加えた『4連動地震』の発生にも警戒をしていく必要があるだろう」

 地震は、小さな揺れでも別の地震の“呼び水”になることがあるとされる。特に3月は気候が変わり、各地で雪解けを迎えることなどから「地下にたまったエネルギーの留め金を外す『誘因』が起きやすい季節だ」と村井氏は言う。

 巨大地震はいつ起きてもおかしくない。備えだけは万全にしておきたい。


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米国は北朝鮮攻撃に踏み切るのか 考えるべき4つの要素
【航空宇宙ビジネス短信・T2】2017年3月4日土曜日

キチガイに刃物。北朝鮮が常軌を逸した行動に出ているのはそれだ危険を感じているからでしょう。人類史上の汚点、とよくぞ言ってくれたと思いつつ、トランプが強い姿勢を見せつつ対話に金正恩を引きづりおろせるのかきわめて疑問です。本人は米軍攻撃を恐れて逃げ回り、過食でストレスを解消しているとのことですが、オサマ・ビン・ラディン同様に仮に特殊部隊が狙えば、個人崇拝をたちきるためにも写真を撮影した後遺体は処分されるでしょう。当然北朝鮮攻撃に踏み切れば日本も無傷ではいられないはずですが、これまで放置してきた代償と考えるべきかもしれません。

The National Interest Would America Really Invade North Korea?

Harry J. Kazianis
March 3, 2017
http://nationalinterest.org/blog/the-skeptics/would-america-really-invade-north-korea-19654


トランプ政権は北朝鮮攻撃を本当に検討中なのか。

どうもそうらしい。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば「ホワイトハウス内部で対北朝鮮戦略の見直しが進んでおり、軍事力行使あるいは政権交替により核脅威を取り除く可能性が浮上していると内部事情に詳しい筋が語っている」

国家政権の交替を始める方法はいろいろあるが、こと対北朝鮮軍事作戦に関する限り、選択肢はひとつしかないようだ。平壌は世界経済とつながっておらず、制裁措置で屈服させるのは不可能で、国際社会が非難を強めたところで効果は薄い。そうなると現時点では効果の上がる手段は軍事力しかないようだ。

ではDPRK相手の軍事作戦はどんな形になるか。現代戦で確実なことはないのが事実だが、一つ確かなことがある。北朝鮮を攻撃し、世界最悪の政権を除去しようとすれば大災害発生はあきらかだ。

2014年に指摘しているが、政権転覆を目指し北朝鮮を攻撃すれば正気の沙汰ではない4つの理由がある。
まず、金正恩はこの20年の歴史を勉強しているはずだ。

ワシントンが平壌の悪漢を処分する決定をしたらどんな進展になるだろうか。北朝鮮の軍事装備の大規模破壊で始まるだろう。空母打撃群複数が投入されるはずだ。地上侵攻を狙い、韓国に部隊が集結するはずだ。地上運用の航空機が増強され、韓国、日本、米軍基地のミサイル防衛が強化される。多くの点で1991年の湾岸戦争の前例が注目され、攻撃部隊を増強してから敵を圧倒する。いかにも簡単である。

問題はこれだけの規模の軍事力は秘密裏に集結出来ないことだ。

北朝鮮は即座に状況を知るはずだ。平壌は生存をかけ猛攻撃を仕掛けてくるはずだ。サダム・フセインの愚かさは連合軍が世界最強の軍事力を自分の足元で編成するのを許したことだが、金正恩は唯一の可能性は軍事力増強の事実を知った段階で全力で攻撃することだとわかっているはずだ。

二番目に北朝鮮が核攻撃に踏み切るのは必至だ。

エチオピアより貧しい国が巨額予算で核兵器取得に走る理由は何か。答えは単純だ。政権転覆を狙う勢力にリスクを感じさせることだ。ワシントンが真剣に北朝鮮転覆を狙うのなら、平壌がそのまま静観するはずがない。北朝鮮ミサイルに米本土を確実に攻撃できる性能や精密度があるのか議論があるが、ソウルや東京なら十分攻撃できるとみられる。そうなれば原子の惨状が生まれる。金正恩は連合軍侵攻には勝てないことを十分承知しており、できるだけ多くを道連れにする決定に走るだろう。

三番目に金正恩は我々が忘れている別の大量破壊兵器を投入する可能性がある。

米国防総省の2012年度報告では「北朝鮮は化学兵器(CW)開発を長年に渡り進めており、神経ガス、びらん剤、血液剤、窒息剤の製造備蓄能力を有している。北朝鮮は通常兵器に手を加えCWを投入できるはずで火砲、弾道ミサイルを利用するだろう」 一部報告書では北朝鮮の化学兵器備蓄を5,000トンと試算している。

では生物兵器はどうか。評価はわかれるが、同報告書は可能性が高いと指摘しており、「北朝鮮はバクテリア、ウィルス研究を続けており、攻勢の際に投入することを想定している。同国には必要な施設と軍需産業がすでにあり、生物戦の実施能力は高い」

悪夢のシナリオとなる化学兵器あるいは生物兵器の投入可能性が皆無とは言えない。少量でも投入されればソウルではパニックが発生し、その規模は9/11どころではない。民間人相手に恐ろしい攻撃が加えられることは回避しなければならない。

四番目に予知出来ないことがあまりにも多すぎる。

北朝鮮潜行工作員がシャルリ・エブドのような襲撃事件をソウルにとどまらず日本でも実行することがある。あるいは軍部が核ミサイルで対象地区を汚染することだ。北朝鮮再建の費用推定は考えるだけで恐ろしいが、中国には事態に介入する強い理由があるはずだ。

北朝鮮は人類史の汚点であり、抹消すべき存在だ。だが北朝鮮政権はこれまで60年以上も侵攻に備えている。このことは忘れてはならない。

公正な立場で言えば、トランプ政権は以上の選択肢を示してなんらかの対話を金正恩に求めるべきだと思う。まさしく取引を目指す「ドナルド流」だ。これにはアジア各国も異論はないはずで、朝鮮半島の緊張緩和はだれもが望むところだ。2017年にこれが実現するよう祈る。北朝鮮で危機状況が発生すれば考えるだに恐ろしい。

Harry J. Kazianis (@grecianformula) is Director of Defense Studies at The Center for the National Interest and Fellow for National Security Affairs at the Potomac Foundation. Kazianis also serves as Executive Editor of The National Interest.



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★これが北朝鮮攻撃のシナリオだ
【航空宇宙ビジネス短信・T2】2017年3月7日火曜日

文中では明確にしていませんが、韓国軍の役割が重要ですね。また日本の自衛隊がどう絡むのか、韓国が協同作戦を良しとするのか、それとも「国民感情」から拒絶するのか。滅亡が避けられないと悟れば北朝鮮は韓国も道連れにしようとするはずで文字通り国家存亡をかけた戦いになるのではないでしょうか。

 The US is considering a direct strike against North Korea — here’s how it would go down
 Alex Lockie
Mar. 4, 2017, 12:16 PM


http://www.businessinsider.com/how-us-would-strike-north-korea-2017-3/#first-a-decision-would-need-to-be-made-1

ミサイル発射実験、金正男暗殺を経て、米国は金正恩政権を狙う直接軍事行動の検討に入ったとウォールストリート・ジャーナルが伝えている。

ドナルド・トランプ大統領は北朝鮮を最大の対外課題で最大の脅威と公言している。米国へ到達可能だと同国が繰り返し伝えるミサイルは「実現させない!」とツイッターで述べた。

だが現実に北朝鮮の核開発能力を破壊すること、あるいは金正恩政権の除去は米軍の最良装備でも危険な任務だ。

そこで Business Insider は Startfo rのシム・タック主任研究員(北朝鮮専門家)から対北朝鮮作戦がどんな形になるのか聞いみることにした。

開戦の決定
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対北朝鮮軍事行動は簡単にはいかない。韓国の、場合によっては日本の一般市民ならびに太平洋地区の米軍に死者が生まれるだろう。作戦が一番円滑に行ってもこれは避けられない。
米大統領が軽々しく決断できる内容ではない。

北朝鮮核施設と地上部隊の全面的破壊をめざすのか、最重要核施設に絞った奇襲攻撃を加えるのかの選択を米国は迫られるだろう。

全面攻撃となれば「米国は長期戦に引きずり込まれる」(タック)ので迅速かつ意味のある攻撃で北朝鮮核兵器の大部分を除去する選択を重視するはずだ。

潜水艦、水上艦艇をゆっくりと位置につけ、ステルス機も北朝鮮付近の基地に配備するが北朝鮮の警戒心を招くことは避けるはずだ。

時が熟せば、爆撃機が出撃し、艦艇は火力を解き放つ。その時点で米軍は相当の軍事力を集めているはずだ。「唐突に記事が出て空爆開始を知ることになるでしょう」(タック)

B-2はミサイル製造工場を空爆する。30千ポンドの地中貫徹爆弾で地下施設を狙うB-2はグアムあるいは米本土から運用されるはずだ。

最初の標的は
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最初の標的は原子炉、ミサイル製造施設、ICBM発射台だとタックは見る。

巡航ミサイル多数が海上から発射され、F-22は防空網を無効にし、B-2は判明しているミサイル施設を破壊する。

またF-35やF-22は移動式ミサイル発射装置を必死に探すが、山地に隠れているはずだ。北朝鮮がミサイル発射すれば、米韓ミサイル防衛網により迎撃される。

北朝鮮の報復を制限する

核施設が灰燼に帰し、指揮統制機能がほぼ全部破壊されても「北朝鮮にはまだ選択肢が残る」とタックはいい、「大規模な通常砲撃を韓国に向けて発射するはずだ」

だが下図を見てもらいたい。北朝鮮砲撃のすべてがソウルに到達出来るのではない。ソウルには大規模地下避難所が整備され、市民の保護は短時間で可能だ。とはいえ、都市機能に損害は避けられない。

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タックによれば北朝鮮砲撃隊は非武装地帯に照準をあわせ、北朝鮮部隊の南進を支援するはずだという。また射程範囲内には米軍部隊もある。

在韓米軍25千名も北朝鮮軍から深刻な危険にさらされる。

ただし北朝鮮砲兵は最高の能力を有する部隊ではない。米軍撃滅と同時にソウルも狙うはずで長距離攻撃の威力も制約を受ける。火砲を発射すれば、上空の米軍機の格好の標的になる。

水中戦
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北朝鮮には核弾道ミサイルの水中発射が可能な潜水艦が一隻あり、同艦が一旦出港しミサイル防衛網の有効範囲外に出れば米軍にも大きな危険要因となる。

幸いにも米海軍には最良の対潜装備がある。ヘリコプターから聴音ブイを投下し、駆逐艦が高性能レーダーを作動する中、米潜水艦は海中で異常な兆候はないか耳を澄ます。北朝鮮の旧式潜水艦は米韓日の海軍部隊の相手にならない。

金正恩殺害
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「斬首」あるいは金正恩政権排除は北朝鮮専制体制に大打撃となる。

金正恩は陰惨な方法で政府高官の処刑していると言われる。犬に食わせる、迫撃砲で殺害する、対空砲を発射する等だがねらいは単純で中国とのつながりを有するものを狙っているとタックは指摘する。

金正恩が中国との接点をもつものを排除できるのは自身の国内権力が堅固になっているためだ。

指導者不在で北朝鮮軍の戦意も影響は避けられないが、それでも戦闘は中止しないだろう。

「技術的にいえば北朝鮮は『永遠の指導者』金日成の指導下にある」とタックは解説し、「斬首作戦を実行しても指導層以下が崩壊する保証はないが、後釜につくものには面倒な状態になるだろう」
北朝鮮は指導者消滅を黙って見ていないだろう。攻撃の兆候を知れば、金正恩は地下深くに身を隠し、国民に猛攻を命じるはずだ。

米軍が防御に回る
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ただし北朝鮮が大打撃を受けても黙ったままと見る向きは皆無だ。

非武装地帯には大規模な地下トンネル網があり、北朝鮮は地上部隊を韓国へ送ろうとするはずだ。

「地上戦は大きな要素です。可能性がいちばん高いのはDMZ地帯での戦闘で米軍は北朝鮮越境より韓国内で防御を固めるでしょう」

北朝鮮空軍は小規模かつ旧式だが、壊滅すべき存在だ。

米特殊部隊の投入
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米特殊作戦部隊は北朝鮮防空体制の崩壊を見てからパラシュート降下し、移動式ミサイル発射台含む攻撃手段の破壊を目指す。

米側には大きな難題が控える。200基以上のミサイル発射装置の所在を北朝鮮全土でどうやって突き止めるのか。一部には軌道がついており山地に入れば米偵察機でも探知困難になる。

そこで特殊部隊の出番となり、北朝鮮軍の動きを監視し米軍機に情報を伝えるのだ。

結末
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北朝鮮の狙いは謎のままだ。核保有に至っても国際社会が介入しないと読んで事実そのとおりとなったがその読みが不作為につながる可能性もある。

北朝鮮がサイバー攻撃を加え、米国あるいは同盟国の電力網を止める可能性があるが、米サイバー軍団も備えを固めているはずだ。

北朝鮮は米軍施設の破壊、ソウル攻撃をねらいミサイルを発射するだろうが、米国は同盟国とすでに待機している。

そうなると戦いは厳しく犠牲の多い展開になりそうだが、プロパガンダに慣れきった北朝鮮でさえ自国の置かれた状況がどれだけ不利かが身にしみて判るはずだとタックは言う。

壊滅的な攻撃を受けた後でも北朝鮮核兵器の一部は隠れたままになっており、北朝鮮は報復攻撃を試みるかもしれない。

「大規模報復を狙えば、戦闘はさらに伸びて結局北朝鮮は勝利をめざせなくなります。そもそも北朝鮮が米韓日に勝てると見る向きは皆無です」(タック)


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北朝鮮崩壊後のシナリオを検討せよ
【航空宇宙ビジネス短信・T2】2017年3月8日水曜日


The National Interest
The Real North Korea Problem Isn't Missiles or Nukes (But a Collapse)

Harry J. Kazianis
March 7, 2017

http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/the-real-north-korea-problem-isnt-missiles-or-nukes-collapse-19697

朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)は究極の大統領の悪夢でパンドラの箱だ。核兵器、化学兵器、生物兵器をミサイルで飛ばし、米本土到達も含む。北朝鮮は核兵器実験を通じ北東アジアを動揺させる方法を熟知しているようだ。

核兵器だけに目を奪われる一方で、世界は大事な可能性を見過ごしている。北朝鮮が崩壊する日が来たらどうなるか。大量蜂起、経済不信あるいは内戦により超大級の悪漢金正恩は数百万の生命を道連れにするだろう。
2013年にRANDコーポレーションがこの問題を真正面から検討した報告書を刊行している。筆者ブルース・ベネットは恐ろしい論旨を淡々と展開し、考えられる事態、米側同盟国の対応策をまとめている。以下同報告書から可能性のある5つの事態を紹介する。

1. どんな崩壊が考えられるか


「どんな状況で金正恩政権は崩壊するか。政権の崩壊と政府の崩壊の2つが考えられる。政権崩壊なら金一族による統治が否定され、新指導者が代わりに現れる。この場合、国家統制の仕組みと組織はほぼ現状どおりとなるが、一時的に最高権力者の追放により混乱は避けられない。新指導者は政府上層部を多数追放し忠誠を誓うものに置き換える」

だが次のシナリオはもっと恐ろしい。

「もう一つは政府機構の崩壊だ。この場合、金一族は機能できず、あるいは放逐され、北朝鮮新体制の再構築は単独人物では不可能だ。派閥が多数形成され、国の支配をめぐり策略するなか全土の統治効果は弱まる可能性がある。中央統治機能は機能しなくなる。
「政権崩壊が国家政府崩壊につながることに注意が必要だ。北朝鮮は政権、政府機能のいずれでも崩壊を経験していないが、崩壊の兆候がすでにあらわれている。金正恩体制は『機能を失いつつある、消滅に向かう独裁体制』と表現するべきだ」

2. 内戦の可能性

「北朝鮮国内でWMDを投入した内戦が発生すれば、韓国も巻き込み甚大な被害が生まれる。内部抗争で韓国を狙う砲兵隊特殊部隊の実効性が大きく下がる。だが絶望的になれば意図的に韓国を攻撃してくるかもしれない。そうなると核、化学・生物兵器で韓国内に相当の死傷者が生まれる。韓国経済・社会にも大きな損害が加わる。韓国は祖国統一の負担に耐えられず、韓国から見て最悪なのは韓国が内戦状態を沈静化できず国内を不安定化させ犯罪と内乱が蔓延する状態だ。

3.中国の介入を招くのが最悪


「さらに中国介入の可能性がある。中国は介入を望んでいるとの見方もある。実施になった場合、中国は統一を阻止するだろう。韓米軍と並んで中国軍も進入し、韓米連合軍対中国軍の戦闘が生まれるかもしれない。中国との戦闘により統一も遠のく。

4. 大飢饉の発生


「現在でも北朝鮮の食料供給は大変である。政府が崩壊すれば北朝鮮は飢饉になる。資金力のあるものは食料を貯めようとするが食料価格は急上昇する。食料が姿を消せば、軍や武器を持つ層が食料を襲う事件が増え、僅かな食料を手に入れようとするはずだ。北朝鮮支援に当たる人道団体も国内治安状態の悪化で支援を減らすはずだ。食料供給が今より下がれば北朝鮮では飢餓線下に追いやらられる国民が多発するだろう」

5. 国土再建・統一費用は韓国に高くつく

「統一費用は非常に高額になる。財政負担は数兆ドルになり、北朝鮮崩壊5年以内に大部分が発生するが、その後数十年間にわたり発生するものもある

「韓国政府の負担は年間2,500億ドルとなるだろう。統一費用を2兆ドル(軍事作戦で5,000億ドル、南北の戦災復興に5,000億ドル、北の経済開発に1兆ドル)とすれば、韓国年間政府予算の約8年分に相当する。統一費用を10年間負担しようとすれば、政府予算は大幅に増額する必要があり、税収を倍増する選択肢も現れる。なお、上記試算には人道援助、保険医療は含まれていない。

これで明らかなように北朝鮮が示す危険は核兵器だけではない。北朝鮮崩壊あるいは何らかの形の統一は米国やアジア内同盟各国にも大きな課題となる。歴史を見れば独裁体制が永遠に続かないのは明らかで、将来どこかの時点で直視せざるを得ない。DPRKが次回核実験を実施した場合は見出しに踊らされず、この記事を再度読み直してもらいたい。■


Harry Kazianis is Director of Defense Studies at the Center for the National Interest and Executive Editor of The National Interest. 
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トランプは本気で北朝鮮を攻撃しようと考えている可能性がある。
通常兵器では日米韓の敵ではないが、問題は化学兵器、生物兵器、場合によっては核爆弾を弾道弾を日本に打ち込まれるリスクを恐れなくてはならない。

日本のマスコミはどうでも良い問題をとりあげて大騒ぎしているが、深刻な問題は朝鮮半島である。

北朝鮮は歴代日米韓政権と中国・ロシアが甘やかした結果、とんでもない化け物になってしまった。

いまさら、滅しようとしても、とんでもない災難が降りかかる。ここはいかに封印するかだが、封印するにも核兵器を使い物にならなくする必要がある。

もし、私が軍事作戦を立案するならば、北朝鮮上空、主にミサイル基地上空でだが、できるだけ広範囲にEM爆弾を爆発させ、北朝鮮中の電化製品をショートさせる作戦を行うことが肝要だろう。また、衛星で確認しつつ、バンカーバスターで地下トンネルを塞ぎ、可能な限り飽和攻撃を行い、巡航ミサイルの集中発射で中距離ミサイル基地の破壊を行う。それでも打ち上げられたミサイルは徹底的に撃ち落とす作戦を立案する。




執筆中

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3/6夕方父より、母が意識不明だという電話を受ける。今夜は危険だと言うので、急遽、都内に住む下の妹と姪を連れ常磐道を水戸に向かった。

認知症の母は、つい先日も自宅に帰ることができなくなって警察にお世話になった。
父の介護疲れもだいぶ溜ってきたところだった。私は母が旅立ちたいと思うなら、旅立っても構わないと思った。無理な延命は本人や介護をする父の負担となるだけだ。
それでも私が着くまで間に合うだろうか?ついアクセルを踏んでしまった。

到着すると母はICUの中に居た。血圧と脈拍が枕元のディスプレイに表示されていた。血圧123脈拍89・・・私より数値が良い・・・

看護婦さんは意識はないと言う。今晩が山ですねとのこと。妹が母の手を握った、母親は握り返した。私も「お母さんわかる?」と呼びかけると、母は目を開けようとする仕草をして強く握り返してきた。母はまだ暫く現世に居たいとの意思表示をしたのだと思った。「無理することはないよ」と言ったのだが、母は強く手を握り返してきた。
「大丈夫だから・・・」と母に話しかける。父親は隣で中途半端な医学知識もあり、条件反射で動いているだけだといかにも唯物論者ぶっている。

ただ、父のくそ弱いハートはすでに折れてネガティブになっていた。

医者は状況が落ち着いたと言うので、我々は一旦ICUを出て、自宅に戻った。
真夜中父は寝なかった・・・何かあったら真っ先に父の携帯に電話が掛ってくることになるからと言うので、寝ようとしなかった。私も父に付き合うことにした。

政治的な話をすると、元日教組で共産主義者の父の意見を私が論理的に粉砕してしまうので、父は感情的に喚き散らし出すことが多い。数年前私はあまりにも不敬な父を本気で刺殺したいと思ったことがあったので、天皇陛下の退位問題や、北朝鮮がミサイルを発射した話は極力避けた。

すると、ボケ始めた元県立高校の体育教師は、昔話をしはじめた。
父は、日教組だったせいか教頭にも校長にはなろうとしなかった。

茨城県の教育界は腐敗しきっているらしい。教育界どころか、県議会の各部会が利権を貪り喰っていると言う。
ネットで調べると部会ではなく委員会となっているが、教育部会(文教警察委員会)が県立高校の管理職(校長・教頭)の人事権を持っていると言う。部会は県議会議員だが、その部会には元教師の参与という役職があるという。

結論から言うと、もし、県立高校の教師が管理職(校長・教頭)になりたいと思うと300万円~500万円の口利き料をその参与に渡すと言うのだ。おそらくすべて参与が懐にいれるのではないとは思うがその先は解らないと言う。その参与に父の友人が何人かなったと言うのだ。そんな不正を見て見ぬふりをしていたのか?自分が言っていた正義がどうのこうのは?昭和7年生まれの84歳の父を責めた。

父は正義を糺す側ではなく、糺される側にいたと言う。金は貰っていないが、管理職になりたい先生方を友人に何件も紹介したと言うのだ。(金を貰っていたら私の家は裕福だったはずだが、そんなことはない)では、県立高校の校長・教頭全員が払っているのかと問い質すと、全員ではないが、6~7割が試験を受けたうえで上納金を払い任命を受けているのではないかと言う。

親父が紹介し、口利きの際に袋の中身は「3~5」と伝えたのだが、菓子と一緒の袋に「3万円~5万円」を包んだ人は落ち、父に文句を言ったと言うのだ。父は結婚式のご祝儀ではないのだからと、仲介を頼んだ人物に「常識がない」と蔑んだという。私は呆れかえった・・・

教育部会よりも当然建設部会(土木企業委員会)の方がそういう話は聞いたというのだ・・・東京都が伏魔殿だと言うが、とんでもない地方議会はどこもかしこも伏魔殿なのだ。

新聞記者達は知っているのかと聞くと、新聞記者達の方が悪徳だと言うのだ。
一種の政治ゴロと結託して、議会や教育関係者のスキャンダルを記事ではなくネタとして強請タカリをする輩の方が多いのではないかと父はいう。

確かに水戸には誰も読んだことがないような新****新聞・常○新聞など小規模な新聞が存在し、私自身も偉そうなことを言えないのだ。私が若からし頃元国会議員の息子と取引をしていた際、料亭に地方の怪しい新聞社の記者と同席していたことがあった。今と違いバブル時代は、法に抵触するような仕事も私も日常業務として、こなしていた・・・。確かゴルフ場の開発に絡む話だった・・・・

怪しい土木業者の社長や、元国会議員の息子に若手営業マンの私は可愛がられて怪しいことに加担した。怪しい取引の仲介は・・・バブル時代よくある話だった、だが・・・教育者はそんなことをしてはいけない!

目くそ鼻くそかもしれないが、教育者たる校長・教頭が金で役職を買うというまるで中国のような腐敗が起きているかと思うと気が重くなる。これはアジアなのか儒教社会の悪弊なのか・・・

父も私も30年前のバブル時代の話なので現在がどうなのかはわからない・・・
だが、他の県は知らないが少なくとも茨城県の教育界は日教組も管理職(校長・教頭)も腐っていたのか・・・呆れかえって悲しくなった。高校時代教師を尊敬できなかったのも無理はない・・・どこまでが事実なのかは私も判断が出来ないが気持が暗くなった。

因みに、母は今日夕方ICUを出て、一般病棟に移った。私は夕方水戸を立ち先ほど横浜に戻った。






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ロシアの新世代爆撃機 
【Sputik】2017年02月27日 07:36

ロシア航空宇宙軍用の新たな戦略爆撃機(長距離飛行用の次世代航空複合体、PAK DA)の開発者たちは、素案を擁護した。国立航空システム研究所が伝えた。

現在装備されている長距離爆撃機
Tu-22M3、戦略爆撃機Tu-95Tu-160の3種類の航空機全てが長距離航空機PAK DAに代わる予定。

PAK DAを製造する際には、経済的要素も考慮される。ツポレフ160は未だにそれを凌駕するものはない傑作だが、非常に高価だ。新たな爆撃機はツポレフ160よりも安価となり、より大量に生産される。                        
От ТУ-22М3 до ПАК ДА 5М Будущее ВКС России

新たな爆撃機の開発は2013年から行われている。「全翼機」の図式で製造され、亜音速で飛行する予定。


ロシア次世代爆撃機PAK-DAは本当に飛ぶのか
【航空宇宙ビジネス短信・T2:】2017年2月28日火曜日

いろいろ苦境にあるロシアでこんな機体が本当に実現するのかわかりませんが、米国の国防筋は同機の存在を脅威としてこれから大々的に騒ぎ立てて予算を獲得するのでしょうか。

Russia to start building its next generation flying wing stealth bomber to replace the Tu-22, Tu-95 and Tu-160 aircraft

Feb 27 2017 - 
By David Cenciotti

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PAK-DA想像図(出展 militaryrussia.ru、スプートニクニュース提供)は公式な想像図ではなく、実際の機体と異なる可能性がある。

およそ四年前ロシアの次世代ステルス爆撃機のコンセプト図が承認をうけていた。今や同機が現実のものになりそうだ。

ツボレフ設計局が2009年から取り組んできたPAK-DA(高性能長距離航空機)はロシアが2023年に就役ををねらう新型爆撃機で既存のTu-95ベア、Tu-22M3バックファイヤー、Tu-160ブラックジャックの後継機をめざす。

国営スプートニク通信は新型戦略爆撃機の初飛行を2021年頃とし、その数年後に一号機を引き渡すとしているが、楽観的すぎる予測だ。

いずれにせよステルス爆撃機は亜音速飛行の全翼機となる。米X-51、ファルコンHTV-2他が極超音速の攻撃機材を狙う中で、ロシアは超音速も視野に入れていない。スピードの代わりに高度ステルス性能、電子装備と人工知能による誘導ミサイルを搭載する。

「ミサイル搭載爆撃機を完全にレーダーから隠しつつ超音速飛行させるのは不可能。このためステルスを重視した。PAK-DAが搭載する人工知能ミサイルは射程7千キロに達し、状況から進路、高度、速度を自ら決定する。このミサイル開発はすでにはじまっている」とのロシア航空宇宙軍司令官ヴィクトル・ボンダレフ発言をロシア紙ロシスカヤガゼータが伝えている。
このロシア全翼機は空対地ミサイル・空対空ミサイルを搭載の上、通常型および誘導式爆弾を運用する。2016年の報告書ではPAK-DAは6,740カイリの航続距離になるとしていた。兵装ペイロードは30トンだ。

このPAK-DAから名称未定の「第六世代」戦略爆撃機が2040年代から50年代に登場すると噂されていたおり、昨年の資料によるとロシアは第六世代、第七世代の軍用機の開発に取り組んでいるという。

ただしロシアが本当に新型ステルス爆撃機に加え第六、第七世代機を運用できるか断言できない。

ロシアは現実には次世代ステルス戦闘機もAESAレーダーもまだ試験段階であり、実戦化していない。

第五世代戦闘機となるT-50 PAK-FAは各種の開発課題に直面したまま、費用も超過し、日程も遅れたまま未だに就役していないことを忘れてはならない。

スホイはこのPAK-FAを原型に第六世代機をつくるといわれており、Su-27からSu-35を完成させた前例もある。

ということはPAK-FAが5++世代機に発展する可能性があり、それが第六世代機に将来発展するかもしれない。

一方、PAK-DA想像図がインターネットに流布しているがその通りのクールな機体になるのかしばらく待とう。
実に様々なPAK DAの想像図が出回っています。
一番最初に出回ったのが、可変翼を持った二等辺三角形のような機体であった。
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エンジン:AL41F1(T-50に搭載するエンジン)
航続距離(?):12000~15000km
ペイロード:24000k
最大離陸重量12400k
巡航速度(?):マッハ2
燃料重量:5000
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次に、正三角形に近い無人機のような機体が流布していた。
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明らかに超音速爆撃機で、一部では米国で開発の噂があった極超音速偵察機ファルカンやオーロラに対抗するマッハ3以上の極超音速爆撃機ではないかとの憶測が流れていました。

それが、2013年にロシア空軍のViktor Bondar中将の発言としてPAK DAは「ステルス性能を有した機体となっており亜音速での飛行する。Tu-160爆撃機よりも多くの兵器を搭載できる。」と設計が変更となったようだ。
現在(2017年3月5日現在)のロシア語wikiのPAC DAスペック 
エンジン:Кузнецов(クズネツォフ)
最大離陸重量: 100〜200トン
最高速度:亜音速
航続距離:NA

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風洞実験モデルの画像を見ると、ステルス三角翼機になる可能性は高い。


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この設計図では、大口径のターボファンエンジンが二基となっているが、2017年2月更新の最新の情報によると、B-2のような高価格な機体にしないながらも超音速性能を有するTu160戦略爆撃機の後継機体になるというと書かれており、まだ実際のところの詳細はわからない。

因みに米国のXB-21爆撃機が超音速機なのか亜音速機なのか明確に示されていない。B-2の最高速度は1000km/hであるので、XB-21も同程度と思われる。故に似たような形状の全翼機であるこのロシアのPAK DA爆撃機も飛行速度もM0・8、最大速度1000km/h程度ではなかろうか?

冒頭のCGはファンサイトだというが、ただの個人のファンサイトにしては手がこんでおり、そこにはエンジンが4基で描かれている。
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エンジンが4基のPAK DAについては超音速性能を有するか否かは不明である。





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