【朝日新聞社/MSN】2019/09/11 09:00

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防衛医大などは大量出血した負傷者を救命する人工血液を開発した。ウサギの実験で成功した。人工血液を素早く輸血できれば、大けがによる死者を減らせる。論文を米輸血学誌に発表した。

 血液に含まれる傷口をふさぐ血小板と体細胞に酸素を運ぶ赤血球の二つが出血で失われると死に至る。保存期間は血小板が固まらないよう揺り動かして4日間、赤血球は低温で20日間ほどで、血液型ごとに大量に準備する必要がある。輸血には患者の血液型を調べる必要があり、救急救命士などは輸血できない。

 チームが開発した血液は、人工の血小板と赤血球からなる。それぞれリポソームという細胞膜成分で作った微小な袋に、止血成分と酸素を運ぶ成分を詰めた。重篤な出血状態のウサギで試したところ、10羽中6羽が助かり、本物の血液を輸血した場合と同程度だったという。血液が固まるなどの副作用もなかった。

 常温で1年以上保存でき、血液型を問わない。このため、実用化されれば、病院に着く前に事故現場で輸血でき、救命率が上がる。研究チームの木下学・防衛医大准教授は「離島など十分に血液を準備できない地域もある。人工血液でこれまで救えなかった命を救える」と話している。

 研究成果の論文は(https://doi.org/10.1111/trf.15427)で読むことができる。(三上元)
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http://www.ndmc.ac.jp/wp-content/uploads/2019/07/d81817d6d25089d804a7631561986cfd.pdf

 人工赤血球で血液不足を解決する日がやってくる 
【夢ナビ】講義No.06440

心配される将来の血液不足

 日本は少子高齢化などにより、2027年には101万人分の輸血用血液が不足すると言われています。また献血により集められた血液は、冷蔵保存しても赤血球の変質や細菌の繁殖の可能性があるため、長く蓄えてはおけません。輸血を介したウイルス感染の可能性も完全には克服されていません。血液不足や災害など有事に備えて、安全な血液の確保が求められているのです。そこで、血液を人工的に作る研究が注目されています。

ヘモグロビンから赤血球を再生

 アメリカ、ヨーロッパなど世界で人工血液の研究は行われていますが、日本はその研究をリードする国のひとつです。「人工赤血球」の研究では、ラットの全血液の90%を人工赤血球に置き換えることにも成功しています。

 赤血球はヘモグロビンを濃度高く封入した細胞であり、肺で酸素を取り込んで全身の隅々にまで運搬する働きを担っています。赤血球の細胞膜表面は、糖の化合物でできた「糖鎖」で覆われており、糖鎖には血液型の違いを生み出す物質も含まれています。

 人工赤血球を作る方法として確立されたのが、血液からヘモグロビンのみを精製し、細胞膜の代わりに脂質の合成化合物で作った化学的に安定なカプセルでヘモグロビンを覆うというやり方です。ヘモグロビンは保存期限が切れた献血血液から精製します。精製の段階で加熱と濾過により細菌やウイルスは除外されます。さらに、糖鎖のある細胞膜も完全に排除するので、血液型を問わずにいつでもどこでも投与できます。つまり、廃棄される血液を有効利用し、感染の心配がなく、長期保存ができ、誰にでも投与できる赤血球に「再生」することができるのです。

脳梗塞や心筋梗塞の治療にも活用

 人工赤血球は輸血の代わりとしての利用だけではなく、迅速な酸素供給が鍵となる脳梗塞や心筋梗塞の初期段階の治療、移植用の臓器の保存などへの活用も期待されています。まだいくつかの壁はありますが、将来は医療機関に人工赤血球製剤を常備する日がやってくるかもしれません。

人工血液はベトナム戦争時米国が開発を試み、日本も1970年代ミドリ十字製薬(現田辺三菱製薬株式会社)がパーフルオロケミカル(炭素-フッ素結合を持つ有機化合物)の乳剤のような非生物材料を用いる「フルオゾール(Fluosol)」が実用化した。

大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス(1967年公開)で、ギャオスを呼び寄せるのに人工血液を大量にビルの屋上に用意したなどというシーンもあって、人工血液はできたも同然なのかと思っていました。
しかしながら、いつまでたっても献血にご協力を!というキャンペーンはなくならず、調べると、微細なカプセルが壊れて毛細血管に詰ってしまったり、血液を凝固させて詰まらせたり、臓器に影響を及ぼしたりするなどして、人工で血液を造るににはハードルが高いとの認識をもっておりました。

特にアニメ働く細胞の世界を見ると、赤血球や血小板の代用物質を見ていると、白血球やマクロファージ、樹状細胞、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、・・・とても複雑で、とても人工で作れるものではない。



 
それがニュース記事を読む限りほぼ完成しそうだとの記事だ。100%置き換えられる訳ではないが、ほぼ夢の人工血液ができたようだとの記事だが、ソースは朝日新聞なので、フェイクの可能性も濃厚だが、人工血液の一歩進化したものができたというニュースだ。

映画ブレードランナーに登場する人造人間レプリカントや、攻殻機動隊の草薙少佐が、現実となる前段階を一歩クリアーしたこととなるが、 人工血液は一時的な失血に対応できたとしても、免疫系は依然神秘の領域であって、100%完全な人工血液は今世紀中に完成するであろうか?

人工血液は半歩前進できたことは称賛に値する。確かに神の領域を垣間見るところまで人類は進化してきたが、神の領域に手が届くにはまだまだ大きな壁があり、時間がかかるような気がします。