image069
https://www.wpafb.af.mil/News/Article-Display/Article/2198566/afrl-afsoc-launch-palletized-weapons-from-cargo-plane/

【DefenseNews】Valerie Insinna 2020.05.28 


image067
U.S. Air Force Tech. Sgt. Aaron Avery, a C-17 Globemaster III loadmaster from the 816th Expeditionary Airlift Squadron, prepares to drop supplies into Afghanistan on Feb. 26 in support of Operation Enduring Freedom. The Air Force is developing "palletized munitions" that can be airdropped out of a C-17 to strike a target. (SSgt James L. Harper Jr./U.S. Air Force) 米国空軍のアーロン・エイブリー軍曹は2月26日、第816遠征空輸中隊のC-17 Globemaster IIIロードマスターとしてアフガニスタンに物資を投下する準備をしている。アーロン・エイブリー軍曹は、第816次遠征空輸中隊のC-17グローブマスターIIIのロードマスターとして、不朽の自由作戦の支援のために2月26日にアフガニスタンに物資を投下する準備をしています。空軍は、C-17から空輸して目標を攻撃する「パレタイズド弾庫」を開発している。(SSgt James L. Harper Jr./U.S. Air Force)

【ワシントン】C-130JスーパーヘラクレスとC-17グローブマスターIIIのような大型輸送機は、多数のミサイルを同時に発射攻撃可能な空中発射用ラックを空中投下することができる重武装の空中巡洋艦なる可能性があります。

これまでのところ、空軍はC-130とC-17からの「パレタイズドミューニッション(空中兵器発射機)」投下テストを2回実施し改成功したと、空軍戦闘統合能力サービス室副所長の Gen. Clint Hinote少将は発表した。

"我々は今、試作と実戦投入をどのように進めるかについて議論しているところだ」と、ミッチェル航空宇宙研究所が5月27日に開催した講演会にて語った。

その名が示すように、パレタイズドミューニッション(空中兵器発射機)とは、スマートパレットに取り付けられた武器の束であり、空輸プラットフォームから投下される際に、弾薬の追跡情報や標的情報を供給することになる。

2月に公開された情報要求では、この技術は「弾倉ボックス」と特徴づけられており、機動性のある航空機が脅威地域から離れて、大量のスタンドオフ兵器を発射することができる。


"すべてはキャパシティの問題だ "とヒノテ氏は説明した。"長距離攻撃が本当の攻撃になるように、十分なキャパシティを作らなければなりません。私たちが見てきたのは、いくら爆撃機部隊が大きくなっても、合同戦力が必要とする能力は常に増え続けているということです。だからこそ、ここには貨物プラットフォームを使って戦力を増強できる本当の可能性があると考えているのです。

空軍特殊作戦司令部は1月28日、ユタ州ダグウェイ試験場でMC-130Jがパレタイズドミューニッション(空中兵器発射機)の3回の空中投下を行った際に、この技術のデモンストレーションを1回行った。

"この場合、木製パレットに積み上げられた弾薬は、ローラーシステムを介して展開されたCombat Expendable Platforms (CEPs:戦闘用消耗品・プラットフォーム)である」と空軍研究所は5月27日のリリースで述べている。"AFSOCの乗組員は、実際の兵器と同じ質量の6つの模擬弾薬を装備した5つのCEPをリリースしたが、その中には4基のCLEAVER(Cargo Launch Expendable Air Vehicle with Extended Range)が含まれており、低高度から高高度までの広範囲の空中投下が行われた。

Defense News からの質問に答えて、AFRL(空軍研究所) は、模擬長距離巡航ミサイルは空軍が設計したクレートシステム(木枠箱方式)だけでなく、市販のパレットシステムからも配備されたことを明らかにした。

CLEAVER は別の取り組みの一環として研究所が開発中の新兵器であるが、将来的にはパレタイズ(空中兵器発射機に搭載可能化)された軍需品に使用される可能性がある。

2月27日には、空軍機動司令部がC-17で同様のデモを実施し、模擬パレタイズド弾の2回の空中投下を行ったとAFRLは述べている。

今後のデモでは、空軍特殊作戦コマンド(AFSOC) は、より高度な形態の模擬弾薬や、弾頭と端末誘導システムで構成可能なフルアップ兵器ヴィーグルをリリースすることを計画している。

しかし、空軍は他の技術的な選択肢を探している。4 月に締め切られた情報提供の要請を通じて、空軍は新規または既存のパレタイズド弾薬のコンセプトに関するデータを求めた。空軍は、将来の実験努力、運用評価、またはパレタイズド弾薬システムの購入に情報を提供するために、その情報を利用したいと考えている。

空軍特殊作戦コマンド(AFSOC) によると、5 社が RFI に回答したという。

努力が前進した場合、一つの大きな問題は、空軍のどの組織が戦闘機や爆撃機に近い戦闘役割を果たしている機動部隊の指揮権を持っているのかを把握することになるだろう。

"ある種の極めて合理化された指揮統制が必要になるだろうし、そうでなければどこかにインテグレーターが必要になるだろう」とヒノート氏は述べ、パレタイズされた軍需品を製造する技術的な課題よりも、空軍内部の文化的な障壁を克服するのが難しいと付け加えた。

ヒノート氏はまた、新しいプログラムを進めるための資金を見つけるのは難しいかもしれないことも認めている。

"政権最後の年だ。あまり多くの変更をせずに早期に予算を回す必要があり、新たなスタートを切ることが困難になる継続決議の可能性も視野に入れている」と語った。

しかし、「それはすべて一時的なものだ」と語った。

5/28/20更新 過去のパレタイズド弾薬実験に関するAFRLからの情報を追加しました。

image004
2006年のテストでC-17から重量50千ポンドのロケットを投下する能力が実証された。このロケットは極超音速滑空体の空中発射に使われる。Credit: Steve Zapka/U.S. Air Force

いま米空軍では、爆撃機とか輸送機など飛行船を含む大型航空機を武装化する提案が数多く出されています。



【ZAPZAP】2016年10月08日 

image089

爆撃機から輸送機そして戦闘機まで、飛行しながら燃料を補給する空中給油機があります。主に軍用でのみ仕様されている機種なのですが、米空軍は次世代空中給油機としてステルス性能とレーザー兵器の搭載を要求していると報じられています。(写真はアメリカのステルス輸送機)

 海外の航空宇宙専門サイト『Aviation Week』によるとアメリカ空軍が将来運用を目指す空中給油機の仕様策定作業が既に始まっているとしており、機体の最低条件としてステルス機であること、そして自衛用のレーザー兵器を搭載することが求められているとしています。


アメリカ空軍における空中給油機は1957年の運用開始からボーイングのKC-135 ストラトタンカーが未だに現役で担っています。2011年2月には後継機としてボーイングのKC-46が選定され来年2017年に18機の調達を目指しています(最終的には179機調達するとしています)。今回、仕様策定作業が始まったというのはまだ調達されてもいないKC-46の後継機にあたる大型の空中給油機になります。

空中給油機は戦闘地域から離れたエリアで運用されるのですが中国やロシアのミサイル技術が向上しており長射程の対空ミサイル(参考)の脅威に晒される可能性があるとしてステルス技術は必須となるとしています。またレーザー兵器に関しても接近する対空ミサイルをセンサーを破壊したり本体を迎撃する手段として搭載する仕様になると考えられます(参考)。
 
▼衝突寸前で回避された空中給油の例

KC-135はアメリカ初のジェット輸送機として開発された機体がベースとなっており、KC-46は中型旅客機ボーイング767がベースになっています。世界を見ても輸送機や旅客機の派生型として空中給油機が開発されることが多いのですが次世代空中給油機は『ステルス機』ということで既存の機体ではなく別の機体として開発されることになりそうです

ただ、アメリカではステルス輸送機なるものが開発されていると報じらたこともあり現在はどうなったのかは不明なのですが空中給油機として航空大手が採用に向け名乗りを挙げてくるかもしれません。

▼ロッキード・マーティンのステルス輸送機 Speed Agile
image091

image093

▼ロッキード・マーティンのステルス輸送機
image095

▼ノースロップ・グラマンのステルス輸送機
image097

戦闘機にもレーザー兵器を2023年にも搭載する予定という。

常識的に考えれば、戦闘機より大型機を比べた時、大型機の方が先にレーザー兵器を搭載するだろう。仮に100~150kw級の戦闘機に搭載されても射程距離は極めて短くせいぜい数km程度でしかないだろう。


かつて米国はロフテッド状態の弾道ミサイルを破壊する目的で、ボーイング747にABL(Airborne Laser、空中発射レーザー)
化学レーザーを搭載したYAL-1を実験を行った。

大陸間弾道ミサイル(ICBM)より近距離で動きも遅い戦術弾道ミサイル(TBM)への対応を設計の主眼にしながらも、ブースト段階での大陸間弾道ミサイルへの使用も考慮に入れていた。大陸間弾道ミサイルが長距離なためにこの挑戦は、ABLがそこまで届くかどうかは能力の限界であった。

中短距離戦術弾道ミサイルは近距離で発射されるためにABLは敵性空域を飛行することなく、より簡単に迎撃できる。液体燃料型の大陸間弾道ミサイルの中には戦術弾道ミサイルに比べて薄い外板を持つものがあるので、これに損傷を与えるのは比較的容易である。

また、大陸間弾道ミサイルのブースト段階はより長いので、追跡して攻撃する時間もそれだけ長く取れる。とはいえ総合的に判断すれば、ABLで大陸間弾道ミサイルに対処するのは効果が低いとされ、2008年に計画は残念ながら中止となった。

ABLには酸素ヨウ素化学レーザーが用いられYAL-1に搭載された。水酸化カリウム(KOH)と過酸化水素(H2O2)、塩素ガス(Cl2)を反応させて準安定状態の酸素(O2)が生成され、反応室内でヨウ素ガスが加えられてヨウ素原子を励起状態にした上で超音速ノズルから噴出する。ヨウ素ガスは断熱膨張によって瞬時に-145℃にまで温度低下することで強力なレーザー光を放射する。出力は1mw(=1000kw)あり、YAL-1には遠距離(600km先)の目標に対しては20発分、近距離(300km)目標に対しては約40発を破壊する化学燃料が搭載されていた。

計画中止の理由は、化学レーザーでは発展性に乏しく運用面から鑑みても固体レーザーの方が優位ということもあったが、YAL-1の中止は予算的な問題との事。

1メガワット級とはいえ、大気層に阻まれミサイル本体を焼き切るのではなく、外板を歪ませるものであるが、やそれでも出力不足とされた。化学レーザーでは小型化は難しく、現在の流れは固体レーザーの大出力化が行われ、5月16日 ハワイ沖にてドック型揚陸艦USSポートランド(LPD 27)から150kw級のソリッドステートレーザーが発射され、無人機撃墜実験に成功。1メガワット級とは約300世帯分の消費電力を瞬時に放つものである。150kw級とは50世帯分の電力に相当。(1世帯当たり3kw


150kwのエネルギーを発生する発電機を搭載可能なのは駆逐艦ではなく、満載排水量25000トンクラスの大型艦となるのである。

少なくとも空対空ミサイルや弾道弾を撃破するには1メガワット級が望まれることから、米空軍輸送機からレーザー兵器が搭載されるであろう。

また、大型輸送機は無人機を発射回収する空中空母として使用計画が提案されており、実用化される可能性は高い。



image106
輸送機から投下されたキャニスターから大量の小型無人機が展開するという新兵器です。

また、既に最新の地上攻撃型AC-130J ゴーストライダーは、2019年アフガニスタンに実戦投入された。



AC-130はベトナム戦争の頃より40mm機関砲や105mm榴弾砲や20mmバルカン砲を積み制空権を奪った空域においては絶大な地上攻撃能力を持っていた。

AC-130に今年(2020年)には航空機初のレーザー兵器搭載予定である。


YAL-1エアボーンレーザー搭載機計画は頓挫したが、現在も研究開発は行っており、いずれ、米軍の輸送機は、スタンドオフ攻撃能力を持ち、レーザー兵器で防衛する空中巡洋艦となっていくであろう。対空戦闘可能な爆撃機B-21の実用化も間近であり、米空軍輸送機の空中巡洋艦化計画は、着実に進行しつつある。


また、AWACS・空中給油機などの大型航空機を守る無人戦闘機も開発中である。



以上のような米軍の大型機運用思想からすると、米空軍輸送機は輸送機とも使い、局面においては、空中巡洋艦化する計画が進行中であると考えていいであろう。