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2020 China Military Power Report 

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ご興味ある方はCHINA-MILITARY-POWER-REPORT原文をお読みください。

EXECUTIVE SUMMARY v

CHAPTER 1: UNDERSTANDING CHINA’S STRATEGY  1

CHAPTER 2: MISSIONS, TASKS, AND MODERNIZATION OF
       CHINA’S ARMED FORCES IN THE “NEW ERA”  38

CHAPTER 3: FORCES, CAPABILITIES, AND ACTIVITIES ON
       CHINA’S PERIPHERY  94

CHAPTER 4: THE PLA’S GROWING GLOBAL PRESENCE  122

CHAPTER 5: RESOURCES AND TECHNOLOGY FOR FORCE
       MODERNIZATION  138

CHAPTER 6: U.S.-CHINA DEFENSE CONTACTS AND
                    EXCHANGES  154

SPECIAL TOPIC: CHINA’S 2019 DEFENSE WHITE PAPER  159

SPECIAL TOPIC: THE PLA’S APPROACH TOWARD
                   INFORMATIZATION AND
                  INTELLIGENTIZATION  161

SPECIAL TOPIC: EMERGING MILITARY CAMPAIGN
                CONCEPTS  163

APPENDIX I: CHINA AND TAIWAN FORCES DATA  164
APPENDIX II: DEFENSE CONTACTS EXCHANGES  167
APPENDIX III: SELECTED PLA EXERCISES IN 2019  169
APPENDIX IV: CHINA’S TOP CRUDE SUPPLIERS IN 2019  170
APPENDIX V: ACRONYMS  171

エグゼクティブ サマリー

第1章 中国の戦略を理解する 中国の戦略を理解する 1
第2章 使命と課題と近代化 、任務および近代化 新時代」における中国の軍隊 38
第3章 及ぼす力、能力及び活動 中国のパースペリシス 94
第4章 成長するPLAの世界的プレゼンス 122
第5章 力のための資源及び技術 近代化 138
第6章 米中国防上の交流 154

SPECIAL TOPIC.

特別テーマ中国の2019年国防白書159
特別テーマ PLAの情報化・情報化への取り組み AI(人工知能)化 161
特別テーマ 緊急軍事作戦の考え方 163
付録 I. 中国・台湾軍のデータ 164
付録Ⅱ:ディフェンス・コンタクト・エクスチェンジ 167
付録III:2019年の選択されたPLA演習 169
付録Ⅳ:2019年の中国のトップクルーデッドサプライヤー 170
付録Ⅴ:慣用句 171

まとめるのが大変と思ったところ、高橋浩祐 氏がまとめた記事があったのでまずは転載。
【Yahooニュース】2020.09.02(水) 23:42高橋浩祐 | 国際ジャーナリスト

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中国海軍の094型原子力潜水艦(写真:ロイター/アフロ)

「中国は現在、世界最大の海軍を保有している」「中国軍の目的は2049年末までに世界一流の軍隊になることである」――。

米国防総省(ペンタゴン)は9月1日に発表した、中国の軍事力についての年次報告書「2020 China Military Power Report」の中で、こう指摘した。

200ページにわたる同報告書の中で、ペンタゴンは中国海軍が現在、130隻以上の水上戦闘艦を含む約350隻の艦艇を保有していることを指摘し、米海軍の約293隻を上回っていると述べた。

中国、戦略ミサイル原子力潜水艦(SSBN)4隻を運用

報告書はこのほか、中国海軍が核弾頭搭載の弾道ミサイルで攻撃できる094型原子力潜水艦(SSBN)(晋級)4隻をすでに運用し、新たに2隻が各種装備などを船体に取り付ける艤装(ぎそう)中と指摘した。この094型原子力潜水艦は、最大射程7500キロの潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「巨浪2(JL2)」を12発搭載でき、中国南部の海南島の亜竜湾海軍基地に配備されている。

報告書は中国海軍が2030年までに094型と、現在開発中の最新の096型原子力潜水艦(唐級)を合わせてSSBN8隻を保有する可能性があると指摘した。

また、報告書は、中国が攻撃型原子力潜水艦(SSN)を6隻、攻撃型ディーゼル潜水艦(SS)を50隻それぞれ保有運用していると指摘している。そして、2020年代を通じて、65隻から70隻の潜水艦を維持すると予測している。

中国の空母については、中国海軍が現在、旧ソ連製を改修した「遼寧」と中国初の国産空母「山東」の2隻を運用している事実を指摘。国産空母2隻目が2023年までに中国海軍に引き渡され、2024年までに運用を開始するとの見通しを示した。中国はさらに国産空母3隻目を建造中で、4隻目は計画保留中とみられている。

「中国の核弾頭保有数、今後10年間で倍増」

また、報告書は、中国の核弾頭保有数が今後10年間で、現在の200個程度から少なくとも倍増するとの見通しも示した。

報告書はさらに、中国が射程500キロから5500キロの地上発射弾道ミサイル(GLBM)と地上発射巡航ミサイル(GLCM)を1250発以上保有していると指摘した。これに対し、アメリカは射程70キロから300キロの一種類の通常弾頭型GLBMを配備し、GLCMは保有していないと述べた。

ミサイル防衛については、中国がロシア製の地対空ミサイルS-300やS-400、さらには国産システムを含め、世界最大規模の先端的な長射程の統合防空システムを保有していると指摘した。

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中国の習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)

中国の習近平国家主席は2049年の建国100周年に向け、「中華民族の偉大な復興」という「中国の夢」(チャイナドリーム)を提唱している。習氏は、中国が2049年までにアメリカ軍に匹敵あるいはそれを上回る「世界一流の軍隊」を保有するとの目標を2017年に初めて打ち出した。

●中国の公表国防費は日本の防衛予算の3倍以上

報告書は、中国の2019年の公表国防費が1740億ドル(約18兆5000億円)に達し、日本の防衛予算の3倍以上に及んでいることを示している。
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インド太平洋地域の主要国の国防費(出所:2020 China Military Power Report)

また、報告書は中国と台湾との戦力比較の表も掲載している。

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中国と台湾の戦力比較表(出所:2020 China Military Power Report)

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中国と台湾の戦力比較と中国のミサイル戦力についての表(出所:2020 China Military Power Report)

China Military Power Reportは米国防省の報告書であり今年は20年目となっている。
21世紀の20年間で中国の軍事力がどのように変化したかについて報告している。

今年の報告書では、中国の軍事はいままで張子の虎であったものが、米国や民主主義国家の脅威にになりつつあると報告している。

中国による海外拠点の確保は太平洋からインド洋を経て中東、アフリカ諸国に至る海上交通路の確保が目的であるとし、既に拠点化されたジプチのほかにもタイ、シンガポール、インドネシア、ミャンマー、パキスタン、スリランカ、UAE、ケニア、タンザニア、セーシェル、アンゴラ、タジキスタンの12カ国にも拠点設置を検討中とみられると指摘した。

更に、カンボジアのリーム海軍基地、ナミビア、バヌアツ、ソロモン諸島へも触手を伸ばしている可能性にも言及している。米国政府の報告書が、中国が潜在的な基地や物流拠点として検討している可能性のある場所を具体的に特定したのは、これが初めてである。

核兵器 
複数の国防高官は最近、中国は今後10年間に核戦力を倍増させるつもりであると述べている。しかし、この報告書は、中国の現在の核弾頭の備蓄量は200+であると指摘している。

【Yahooニュース】JSF 9/2(水) 8:32  より

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ICBMは戦略兵器であり搭載されている弾頭は全て核弾頭です。ゆえに一撃で何もかも決めるために予備弾は用意されておらず、ランチャー数=ミサイル数になります。一方、IRBM以下は核弾頭だけでなく通常弾頭を用意して戦術目標を攻撃する用途も担っているので、再攻撃用の予備弾が用意されておりランチャー数<ミサイル数という構図になっています。

「200+」を200発と理解してはならない

 アメリカ軍の「中国の軍事力」報告書の2019年版と2020年版を見比べれば直ぐ分かりますが、2020年版ではミサイルの予備弾数の推定を止めてしまっています。「+」とは「~より上」「~以上」という意味であり、例えば「200+」とは「少なくとも200発はあるけれど正確な保有数は分からない」という意味です。決して「200+」を200発そのままだと理解してはなりません。
国防省の報告書は最新版では保有数が曖昧であり専門家の多くが推定していたよりも少ない。JSF氏は米軍は確な保有数は分からないとしているが、国防省は、正確に近い数字を把握しつつインテリジェンスの駆け引きとして正確な数値を表に出さないのではないかと私は解釈します。

報告書はまた、中国が警告時に発射するためのサイロ型の核戦力を構築していることを示唆しているが、これは多くのアナリストを驚かせ、北京を核戦力についてワシントンやモスクワとの交渉に引き込もうとする米国の努力が続いていることに疑問を投げかけることになるだろう。

海軍の動向
昨年の報告書では、人民解放軍海軍は "地域最大の海軍 "とされていた。今年は、この部隊が「世界最大の海軍」であるとしている。文書は、米海軍が293隻しかないのに対し、中国の海軍は350隻を保有していることを明記している。米国国防総省が、米国の世界的なパワープロジェクション能力の基礎となるものを含む複数の戦略的非対称性に注目していることは、ワシントンの関係者だけでなく、北京をはじめとするアジアの首都でも注目されるだろう。

台湾海峡両岸の軍事的不均衡 
スティルウェル国務次官補は最近、1982 年に台湾に提供された「六つの保証」に関す る機密文書を公開し、米国の対台湾政策をめぐる曖昧さを軽減した。この報告書は、両岸の地上戦力のバランスに大きな変化があることを示している。昨年、中国の現役陸上戦力は 3:1 であったが、今では 5:1 に近づき、全体では 12:1 となっている(主に台湾の国防改革によるものである)。このような不均衡の拡大は、ワシントン、台北などでは、中国の台湾侵攻の時間軸に対する懸念を強めることになるだろう。

海事上の緊張問題
報告書は、「中国はしばしば『対話』をパワープレーとして、また武力よりも政治的、経済的、軍事的な強制力を行使する手段として好んでいる」と述べている。最近のサウスチャイナ・モーニング・ポストの記事によると、北京は中国軍に対し、米軍に対して最初の発砲をしないように指示したという。報告書は、中国が「紛争を誘発する閾値以下にとどまるように計算された」強圧的な戦術を好むことを示唆している-例えば、先週の南シナ海への中国の弾道ミサイル発射を含む。緊張が高まるにつれ、米国はスプラトリー諸島での浚渫のために、中国企業と国有企業24社に経済的な制限をかけている。特に炭化水素の探査と掘削に関連した追加措置は、ますます危険な潜在的なフラッシュポイントとなっている。

国防費の支出
報告書によると、国内総生産に占める中国の公式国防費の割合はわずか1.3%に過ぎないが、昨年のインフレ調整後の公式国防費は6.2%増加した。このように、中国は2019年に公式に国防費に1740億ドルを費やしたが、他の軍事関連支出を含めた実質的な数字は2000億ドル以上になる可能性があると報告書は指摘している。これは中国の国防費を2010年からほぼ倍増させることになり、過去10年間のインフレ調整後の年間平均成長率は8%になる。来年には米国の大規模な防衛費削減について米国の当局者が議論する可能性が高いため、中国と米国の防衛費の動向には大きな関心が集まりそうだ。

参照:

【Yahooニュース】2019/10/30(水) 19:22 高橋浩祐 | 国際ジャーナリスト

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米海軍空母「ニミッツ」。インド太平洋地域の海洋覇権をめぐる中国との攻防はいかに。(写真:ロイター/アフロ

アメリカ軍の再建を掲げるトランプ政権下で、アメリカ海軍は2034年までに保有艦艇を355隻に増やすことを目指してきたが、その実現が大いに危ぶまれている。中国の今後のさらなる海洋進出を念頭に置いた、アメリカ主導のインド太平洋戦略にも影響を与えかねない。海洋覇権をめぐる中国との攻防が激しさを増すなか、アメリカは海軍力の優位性を保てるのか。

アメリカ海軍作戦副部長ロバート・バーク海軍大将が10月25日、バージニア州アーリントンで開かれた軍事ジャーナリストらが集う会議に出席し、次のように断言したのだ。

「355隻の海軍というのは素敵な目標だ。しかし、艦艇の準備万端さの方が海軍にとってはるかに重要である」

「われわれは355隻体制に到達できるだろうか。アメリカ海軍の予算が組まれる今日の財政状況を考えると、全体として305隻から310隻は保有できる。それは適切に要員があてがわれ、適切にメインテナンスされ、適切に装備され、そして、適切に準備された場合にだ」

アメリカ海軍は現在、290隻の艦艇を保有する。しかし、海洋進出が目立つ中国の急速な軍拡への強い危機感も背景にあり、2016年に空母や潜水艦などを含め、保有艦艇を355隻に増強する計画を立てた。トランプ大統領もこれを支持している。

●355隻体制には2倍以上の予算が必要

アメリカ海軍は、2020会計年度(19年10月~20年9月)の国防予算では、2056億ドル(約22兆3800億円)を要求。そして、2024年までに314隻体制を目指す計画を示した。しかし、前年度の2019年度予算では、2023年までに326隻体制を打ち出していた。つまり、2019年度からすでに計画が尻つぼみになってきている。

それでも、アメリカ海軍は、自らの2020年度造船計画でも改めて、2034年までに355隻体制の目標を改めて打ち出している。しかし、アメリカ議会予算局(CBO)が10月8日に公表した、この海軍造船計画に関する分析報告書によると、355隻体制に到達するには、過去30年の年平均予算の138億ドルの2倍以上に当たる288億ドルの予算が毎年必要になると見込まれている。そして、このCBOの分析報告書は、海軍当局者によるアメリカ議会への説明をもとに、355隻の目標が下方修正される可能性を示している。

つまり、今後よほどの大胆な財政出動がない限り、アメリカ海軍の355隻体制はすでに張りぼての目標と化しているのだ。

●アメリカ海軍の屋台骨を揺るがす財政難

アメリカ海軍の屋台骨を揺るがしているのが、今や約23兆ドル(約2500兆円)に及ぶアメリカ連邦政府の累積債務だ。アメリカ財政の台所は火の車なのだ。

振り返れば、アメリカは第2次世界大戦終了後、圧倒的な海軍力で太平洋など世界の7つの海を守り、航行の自由を保障してきた。しかし、第2次世界大戦を終えた1945年には6768隻もあった米海軍の艦船は今や、その5%にも満たない290隻にまで減っている。

このため、アメリカは、マラッカ海峡やソマリア沖での海賊の出現といった事態を引き起こしてきたほか、南シナ海では、野心あふれる中国の実効支配の動きを容認せざるを得なくなってきている。

「1980年代にはアメリカ海軍は600隻を保有し、艦艇一隻の平均的な造船費用は10億ドルだった。しかし、290隻を保有する今日では、平均造船費用は20億ドルに及んでいる」。1980年代に海軍当局に勤務したトーマス・モッドリー氏は、前述のバージニア州アーリントンで開かれた会議でこう発言している。

モッドリー氏によると、空母打撃群が常にアメリカ海軍の金食い虫で、その費用は膨らんでいる。空母打撃群の費用は、1980年代は海軍全体のオペレーティングコストの14%を占めていたが、現在は31%にまで達しているという。

アメリカ海軍が目標とする355隻体制は、12の空母打撃群をベースに計画が立てられているが、モッドリー氏はこの体制を維持するのは困難で、「非常に大胆な目標」と一蹴している。

●中国の台頭

中国は過去10年間でアメリカの4倍に当たる戦闘艦数を建造し、中国海軍は現在、すでに水上戦闘艦370隻余りと潜水艦約66隻を保有しているとみられている。一部の専門家は、中国海軍が2030年には水上戦闘艦450隻超と潜水艦100隻超をそれぞれ擁する可能性を示している。この中国の艦艇数は、単純比較すればアメリカを圧倒的に凌駕する。特に中国は潜水艦や揚陸輸送艦、小型水上戦闘艦の増強に注力し、アメリカの海洋覇権を徐々に脅かしつつある。

アメリカ海軍がかりに2034年までに海軍の保有艦艇を355隻に増やせたとしても、中国相手にアメリカの海洋覇権を維持するためにはそのスピードも資金も十分ではなくなってきている可能性がある。その分、アメリカは日本やオーストラリア、インドといった中国周辺国との連携をさらに強めざるを得なくなろう。


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  中国海軍の新鋭055型駆逐艦は最先端装備満載のうえ米海軍巡洋艦よりも大型艦である

(北村 淳:軍事社会学者)

 8月下旬に米連邦議会調査局が公表したレポート「中国海軍力の近代化」および9月初旬に米国防総省が公表したレポート「中華人民共和国の軍事ならびに安全保障の進展─2020年度版」では、中国海軍の強大化に関して深刻な警鐘を鳴らしている。

わずか20年足らずで・・・

 先月(8月)28日、艦齢およそ30年の中国海軍051G型駆逐艦「湛江」と「珠海」が退役した。これら2隻の駆逐艦は、1968年から1991年にかけて幾度かの改良を加えながら建造された中国海軍051型(旅大型)駆逐艦の最後の退役艦となった。

 051型駆逐艦は、それまで中国沿海域しか活動できなかった中国海軍が初めて外洋に乗り出すことが可能な軍艦を手にするために建造された。中国は西側諸国はもちろんソ連との関係も悪かったため、この中国初の近代的駆逐艦を、かつてソ連から手に入れていた軍艦を参考に独自に造り出すことになった。

 051型一番艦である「済南」は1971年末に就役したものの、建艦技術だけでなく、操艦技術や海戦能力をはじめとする海軍自体の練度も極めて低かった。そのため、外洋に051型駆逐艦を展開させるには長い年月を要した(一般的に、海軍建設には少なくとも25年以上は必要と言われているので決して特別なことではない)。

幾度かの改造を繰り返して、051型16番艦と17番艦である051G型の「湛江」と「珠海」が就役したのは91年であった。そして97年2月から5月にかけて、「珠海」は93年に就役した当時の中国海軍にとっては最新鋭駆逐艦であった「哈爾浜」(052A型駆逐艦)とともに、アメリカ、メキシコ、チリやペルーなどの中南米諸国、そしてオーストラリアを親善訪問する遠洋航海を実施した。これが中国海軍にとって初の太平洋横断大航海であった。

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中国海軍の軍艦で初めて太平洋を越えてアメリカを訪問した駆逐艦「珠海」

 それから23年経った現在、中国海軍は米国防総省や米連邦議会調査局のレポートが指摘するように、アメリカ海軍を凌駕しつつある大海軍へと成長してしまったのだ。

中国に先を越された350隻艦隊

 トランプ大統領は2016年の大統領選挙期間中から350隻艦隊建設(あるいは355隻、トランプ自身、350隻と言ったり355隻と言ったりしている)すなわち大海軍建設による「偉大なアメリカの再現」を公約としている。

 大統領就任後、355隻艦隊の建設は法制化されて、2017年当時280隻ほどであった米海軍戦闘部隊編成用艦艇を355隻に増強することは、海軍や国防総省、そして予算を決定する連邦議会にとっての義務ということになった。

もちろん軍艦の建造は数カ月で完成するような事業ではないため、それから3年経った現在、莫大な軍艦建造費が投入され始めているとはいっても、アメリカ海軍が保有している戦闘用艦艇戦力は296隻(米海軍公表9月3日現在:戦略原潜14隻、攻撃原潜54隻、空母11隻、強襲揚陸艦10隻、巡洋艦22隻、駆逐艦69隻、沿海域戦闘艦22隻、輸送揚陸艦23隻、掃海艦8隻、戦闘補給艦30隻、その他の支援艦艇33隻、ただし上記国防総省レポートの集計時点では293隻とされている)に留まっている。

 軍艦建造に携わる造船メーカーは、新造艦の建設以外にも大がかりな修理やメンテナンスなどもこなさなければならない上、造船所施設の老朽化や熟練技術者の減少などの問題に直面している。それに加えて、新型コロナウイルス感染の拡大により、造船所のフル操業も困難となってしまっている。

 そのため、トランプ大統領が主導する現在のようなペースで建造を続けていくことができたとしても、退役する軍艦の数を計算に入れると、アメリカ海軍が355隻艦隊を手にするのは2050年を待たねばならないとも言われているのが現状だ。

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米海軍の最も新しい巡洋艦ポート・ロイヤルが就航したのは26年前で、それ以降巡洋艦は建造されていない

「質・量」共に世界最強に躍り出る中国海軍

 一方の中国海軍は、アメリカ海軍の分類に従うと、すでに350~360隻艦隊を達成していることになる。そのため国防総省のレポートでも「中国海軍は、隻数においては、世界最大の海軍である」と指摘している。


 艦艇の総トン数で比較するならば、超大型空母や強襲揚陸艦、それに巡洋艦や駆逐艦など比較的大型の軍艦を多数保有しているアメリカ海軍のほうがいまだ中国海軍を上回っている。とはいっても、めざましい勢いで大型駆逐艦を生み出し、空母や強襲揚陸艦も続々建造中の中国海軍に、総トン数においてもアメリカ海軍が追い抜かれるのは時間の問題である。

アメリカ海軍にとって、そして当然のことながら日本にとっても、隻数や総トン数以上に深刻な問題は中国新鋭艦艇の戦闘能力の飛躍的向上である。

 上記の国防総省と議会調査局のレポートでも詳細に指摘しているとおり、中国海軍艦艇には米海軍や海上自衛隊艦艇よりも強力な各種ミサイルが積載されている。中国海軍がまさに「質・量」共に世界最強の海軍の座をアメリカ海軍から奪う日が迫りつつあるのだ。

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中国は同時に2隻の最新鋭055型駆逐艦を誕生させている

それでも「張り子の虎」と見くびり続けるのか

 中国では、鄧小平の経済近代化路線を軍事面でバックアップするために、1980年代中頃から海軍力の近代化が開始された。その進捗状況や中国海軍戦略の内容などを分析することで「いずれ中国海軍が恐るべき存在になりかねない」と推測する者は、すでに20年ほど前からアメリカ海軍内部や海軍関係者の中にも存在していた。

 そして、オバマ政権下で海軍を含めた軍事予算が大幅に削減されると、近い将来にはアメリカ海軍を凌駕しかねない中国海軍の増強を尻目にアメリカの海洋戦力増強を鈍らせるとは何事か、といった危機感を表明する海軍将校も少なくなかった。

 しかしながら、オバマ政権はもとより、東アジア方面には関心の薄い米海軍首脳主流や国防総省首脳たちは、そのような警鐘に耳を貸そうとはしなかった(それどころか、筆者の友人である、中国警戒派の急先鋒であった海軍情報局大佐などは退役に追い込まれてしまった)。

 ことここに至って、ようやく米国防総省も米連邦議会調査局も、中国海軍にアメリカ海軍が追い抜かれる現状を明確に表明した。しかしながら、いまだに中国海軍力に対して「数だけ多くても仕方がない」「高性能は見かけ倒し」「みかけは虚仮威しで実際は張り子の虎にすぎない」といった見方をする勢力がアメリカにも日本にも少なくない。

 とりわけ中国海軍と東シナ海で直接領域問題で対峙しており、南シナ海では海上航路帯が中国海軍の脅威を受けている日本にとって、交渉を有利に進めるにせよ、軍事衝突に勝利するにせよ、いずれにしても中国海軍の現状を直視することを絶対に回避してはならない。
あちゃ~北村さんも感化されてしまった・・・
確かに米国は巡洋艦と分類された船は20年以上も就役していませんが、ミサイル駆逐艦に分類されているズムフォルト級は満水排水量15000t弱であり単に巡洋艦に分類されていないだけで、巡洋艦と呼ばないだけです。

「China Military Power Report」とは、米国防省が議会に向に書かれた中国の軍事力に関する年次報告書である。国防省が議会に対して中国人民解放軍はとんでもない軍拡を行っている、このままだと米国の覇権が危うくなるから予算をつけろというレポートであることを忘れてはいけない。

北村氏は過大に中露の脅威を分析する傾向にある軍事評論家だが、北村氏が更なる焦燥感を与える今年のレポートは、トランプ大統領よりより反中国的傾向を強める米議会に対してより予算を認めるよう説得できる上出来なレポートだったと思う。

中国が2049年の建国100周年までに「世界一流の軍事力・科学。経済」を持ち世界の覇権を取ることを目標に、透明性を欠いたまま、軍事力の質・量を広範かつ急速に強化していることを指摘している。

質の面でも真に実戦的な訓練が行われており、2020 年 6 月の人民解放軍の機関紙『解放軍報』第一面に掲載された記事である。ある旅団は長距離機動後、従来であれば一旦結節を設けて次の行動への準備をしていたような場面で、息をつく間も無く、対抗部隊の空軍機から襲撃を受けたという。この記事は、移動間も各指揮系統の間で連携を保持し、次の作戦に移る態勢がとれていること、空地の連携によって陸軍部隊を空軍機が攻撃したことも注目される。

海軍においては、2018 年 4 月、南シナ海において中国の史上最大規模の海上閲兵が行われた。閲兵には、空母「遼寧」を含む艦艇 48隻、航空機 76 機、人員 1 万人以上が参加。

閲兵が終了するや「遼寧」を含む艦隊は訓練海域へ移動、西太平洋及び東シナ海において、航空部隊や潜水艦部隊との「背中合わせ方式(演習の統制を最小限にして双方が自由な意思で対抗する方式)」の訓練を実施したというのである。

ソース:防衛研究所 「世界一流の軍隊」を目指す中国軍-

量の増大は、的が増えた程度にしか感じないが、質的向上がどの程度なのかが気になる。
紛いなりにも、ブルーオーシャンネービーになりつつあるのだが、大陸国家中国は海洋戦略を全く理解していない。


人工島には地下壕や掩体壕がなく、ルトワック曰く、開戦3分で使い物にならなくなる。
珊瑚礁を砂で埋め立てているので、純な爆弾で穴が開けば、海水が入ってしまい、応急復旧は不可能である。なぜなら穴を埋める土が存在しない。

戦略的効果もなく、戦術的には人工島に軍事物資を集積すればするほど米軍にとって都合がいい。

中国が言う第一列島線、第二列島線という考え方は国境線にこだわる大陸国家の発想であって、海洋国家の発想ではない。海洋は航空機や潜水艦水上艦船が自由に航行するところであり、列島線は意味がない。中国はマリタイム・パワーとシーパワーの区別がついていない。「シーパワー(海軍力)」とは装備や訓練を拡充することで増強できる海軍力そのものを指す。「マリタイム・パワー」とは狭義の軍事力だけでなく、関係諸国と友好な関係を持ち、その友好国との軍事的、外交的、経済的、文化的な関係によって形作られる総合的な海軍力のことであり、海洋においてはどれだけ同盟国を増やし、寄航できる港、ロジスティック拠点の確保が重要である。

現在中国は、軍艦を大量建造することにご執心で、シーパワーの増強を図っている。強大な海軍建設をすることによって、関係諸国が中国を恐れるのは当然だ。その結果として、中国はマリタイム・パワーを失う。

中国としてはできるだけ海外拠点を建設したいのだが、マリタイムパワーを理解していない中共は、戦狼外交とよばれる前世紀の帝国主義的な軍艦外交を繰り返し、中共ウイルスのマスク外交で世界の顰蹙を買い、一帯一路構想の貸し剥がし援助では敵国ばかり増え、既存のジプチ以外建設は困難になりつつある。

「2020 China Military Power Report」を読むと中国海軍ようやく気がついている気配なくはないが、習近平は自分のメンツの方が大切なようだ。

当ブログにおいて中国海軍恐れるに足らず、「数だけ多くても仕方がない」「高性能は見かけ倒し」「みかけは虚仮威しで実際は張り子の虎にすぎない」といった「所詮張子の虎論」を繰り返し記事にしているが、所詮張子の虎論を補強するエピソードを一つ追加しておく。




妙佛DEEPMAX:別の意味で怖すぎる ポンコツ兵器 大迷惑


DEEPMAX氏の情報によれば、アメリカ軍の発表では4発ミサイルを打ったとされているが、ところが南方の海上に到達したのは2発だっけで、残りの2発は国内に落下したという情報があるとのことです。
4発のうちに2発が行方不明というDEEPMAX氏の情報はあくまでも伝聞だが、当初南シナ海に着弾したミサイルは2発と発表されていたこともあり、可能性は高い。

中国共産党の軍隊である人民解放軍の内実は実に腐敗が酷くとても戦争ができる組織ではないという。

中国人民解放軍の兵器の稼働率の低さは、そのメンテナンスが正しく行われていない。
軍内部での売官問題は常軌を逸しており、金で官職を買った司令官達は、官職を買った資金を回収するために、兵器とか食料を横流しを行う。


中国は昔から軍隊は大きすぎて伝統的に末端までで監督が行き届かない、監査システムはあるが、末端は好き勝手に行い統制がとれていない。

例えば銀行でも中央銀行から視察に来ても飲み食いさせてお金を渡すのが伝統的中国人の文化なので統制できてない。

賄賂をもらって装備品を発注したり、メンテナンスに必要なものとか資金が横流しされているとかねそういうことで、ミサイルを撃ったとしても、4発中2発が行方不明になったとしてもおかしくはない。

中国は軍のミサイルだけでなく、衛星を宇宙に送る宇宙ロケットでも事故発射失敗が多発している。

大紀元2020/09/10

中国は天津の大爆発事故など爆発事故がすごい多い、ゆえに兵器の管理で変な事故も多発している。その共産党・人民解放軍が核兵器と弾道ミサイルを大量に持っているっていうのももっと怖い。共産党/人民解放軍にとっても核ミサイルがどこに落ちるかわからないようでは、命取りである。