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https://www.mod.go.jp/j/yosan/yosan_gaiyo/2020/yosan_20200930.pdf

待望の2021年度予算の概算要求が今年は中共ウィルス患禍の影響で、ようやく1ヶ月遅れで公開された。

P1 令和3年度概算要求の考え方

1 「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱」(平成30年12月18日閣議決定)に基づく「中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度)」(平成30年12月18日閣議決定)の3年度目として、真に実効的な防衛力として、多次元統合防衛力の構築に向け、防衛力整備を着実に実施。

少子高齢化等も踏まえた人的基盤の強化に優先的に取り組む。また、領域横断作戦を実現するため、優先的な資源配分や我が国の優れた科学技術の活用により、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における能力を獲得・強化。さらに、領域横断作戦の中で、新たな領域における能力と一体となって、各種事態に効果的に対処するため、海空領域における能力、スタンド・オフ防衛能力、総合ミサイル防空能力、機動・展開能力を強化。また、平時から有事までのあらゆる段階において、必要とされる各種活動を継続的に実施できるよう、後方分野も含めた防衛力の持続性・強靭性を強化。加えて、軍事技術の進展を踏まえた技術基盤の強化等に取り組むとともに、安全保障環境の変化を踏まえ、日米同盟・諸外国との安全保障協力を強化。

この際、格段に速度を増す安全保障環境の変化に対応するため、従来とは抜本的に異なる速度で防衛力を強化。また、既存の予算・人員の配分に固執することなく、資源を柔軟かつ重点的に配分し、効果的に防衛力を強化。さらに、あらゆる分野での陸海空自衛隊の統合を一層推進し、縦割りに陥ることなく、組織及び装備を最適化。

格段に厳しさを増す財政事情と国民生活に関わる他の予算の重要性等を勘案し、我が国の他の諸施策との調和を図りつつ、調達の効率化にかかる各種取組等を通じて、一層の効率化・合理化を徹底

概算要求段階で過去最大の5兆4898億円の要求となった。
主に宇宙やサイバー、電子戦など新領域に対応するため「宇宙作戦群」や「自衛隊サイバー防衛隊」「電子作戦隊」といった組織を新設となる。新領域での攻撃能力を向上させる中国やロシアへの抑止力とする。

注目の地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替案については、 現時点において計上すべき予算をあらかじめ確定することが困難であるも のの、イージス・アショアの代替措置の早期実現が重要であるとの観点から、予算編成過程におい て、検討結果を予算に反映させることが必要であるため、今後、検討していくものとする。金額を示さずに予算を求める「事項要求」に留まった。

 
1 主要な装備品等
P44-45
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個人的にもっとも目に留まった点は、現在開発中の次期戦闘機だが、私が予想したように、テンペストや24DMUのような水平尾翼がない形状ではなく、26DMUのような形状となる可能性が高いイラストが載った点だ。

具体的に次期戦闘機として載った訳ではないが、P28 高機能レーダ技術の研究(41億円)のイラストである。このイラストは26DMUのものを使用しているが、24DMUやNGF次期戦闘機に近い形状であれば26DMU

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拡大画像はぼやけてしまいましたので・・・
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NGF次期戦闘機

過去最大の防衛予算の概算要求といっても、国内総生産(GDP)に占める防衛費の割合は対GDP比1%前後にとどまるとみられる。米国エスパー国防長官は同盟国に国防費をGDP比で2%まで高めるよう要求している。もしあと5兆円防衛予算が増えたのなら無人戦闘機や大型無人SUV・UUVでもう一つ第二無人護衛艦隊を編成できるかもしれない。また陸上においては将来生身の人間の兵員1名が10名の人型アンドロイドタイプのロボット兵小隊を率いるようなロボット小隊で編成された普通化連隊などができないものかと、つい妄想してしまいました。

話は逸れたが、今回の予算は防衛省が宇宙や電子戦といった新領域での技術開発や訓練、組織改編に重点的に予算配分している。本日東証がストップしたのは、もしかしたら中国のサイバーテロではないのかと疑ってしまった。中露だけでなく気を抜けば韓国北朝鮮に対しても脆弱な国内サイバー防衛は体制の構築は焦眉の急であり、新領域での防衛能力向上を進めている概算要求に重点が置かれている。

1 宇宙・サイバー・電磁波の領域における能力の獲得・強化


我が国を取り巻く安全保障環境が格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増す中、宇宙・サイバー・電磁波を含む全ての領域における能力を有機的に融合し、平時から有事までのあらゆる段階における柔軟かつ戦略的な活動の常時継続的な実施を可能とする防衛力を構築する。

(1)宇宙領域における能力

※宇宙関連経費約724億円 
※弾道ミサイル防衛関連経費の宇宙関連部分を除く。

領域横断作戦を実現するため、優先的な資源配分や我が国の優れた科学技術の活用により、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における能力を獲得・強化する。

SSA(※)の強化

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○ SSA衛星(宇宙設置型光学望遠鏡)の整備(211億円)
・ 令和8年度をめどに打上げ予定のSSA衛星について、衛星の設計等に着手
・ SSA衛星の複数機運用に関する概念検討
・ 軌道上サービスに関する調査研究

○ SSAシステム等の整備(118億円)
・ 米軍及び国内関係機関等と連携した宇宙状況監視を行う
ために必要な関連器材を取得等

※ SSA:宇宙状況監視(Space Situational Awareness)

ミサイル防衛のための衛星コンステレーション活用の検討

○ 衛星コンステレーションによるHGV(※)探知・追尾システムの概念検討(2億円)
※ HGV:極超音速滑空兵器(Hypersonic Glide Vehicle)

○ 高感度広帯域な赤外線検知素子の研究(15億円)

宇宙利用における抗たん性の強化

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バンド防衛通信衛星(イメージ)

○ 衛星通信システムの抗たん性向上等(10億円)
・ Xバンド防衛通信衛星と他の商用通信衛星をシームレスに活用できるシステムの構築等
○ 「みちびき」を活用した衛星測位能力の抗たん性向上(4億円)
マルチGNSS(※)受信機の研究
衛星測位能力の抗たん性を向上するため、みちびき(公共専用信号(※)含む)・GPS・ガリレオの測位信号の共通化受信機を研究
※ GNSS:全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System)
※ 公共専用信号:政府が認めた利用者だけが使用できる信号

宇宙を利用した情報収集能力等の強化

○ 画像衛星データ等の利用(152億円)
・ 画像解析用データの取得(多頻度での撮像が可能な小型衛星コンステレーションを含む各種商用衛星等)
・ 海洋状況監視に資する衛星情報の取得
○ 衛星通信の利用(113億円)
・ Xバンド通信衛星の整備・維持
・ 商用通信衛星回線の借上げ、衛星通信器材の整備・維持等

○ 諸外国との国際協力(2億円)
・ 米国コロラド州の米空軍基地で実施する「Space100」課程等に要員を派遣し、宇宙全般に関する知見を習得
・ 宇宙分野における多国間机上演習への参加

※ 弾道ミサイル防衛関連経費(宇宙関連部分のみ)513億円

組織体制の強化

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宇宙作戦隊のシンボル・マーク

○ 宇宙作戦群(仮称)の新編
宇宙領域における指揮統制を担う部隊を新編し、当該部隊及び宇宙作戦隊を隷下部隊に持つ宇宙作戦群(仮称)を新編
○ 宇宙関連事業に係るプロジェクト管理業務に対応するため、防衛装備庁事業監理官(情報・武器・車両担当)に「宇宙事業管理班(仮称)」を新設するとともに、名称を「事業監理官(宇宙・地上装備担当)(仮称)」に変更





(2)サイバー領域における能力


サイバー防衛隊等の体制強化

自衛隊サイバー防衛隊(仮称)の新編

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サイバー人材の確保・育成


○ サイバーセキュリティに関するハイスキル人材の育成(7百万円)サイバーセキュリティに関する高度な知識・技能を有するハイスキル人材の育成を加速化するべく、部外教育機関を活用した教育を実施

○ 陸自通信学校におけるサイバー共通課程の拡充(0.8億円)
令和元年度から実施している各自衛隊の共通教育であるサイバー共通課程の規模を拡充し、人材育成の一元化を強化


○ サイバーセキュリティ統括アドバイザー(高度サイバー人材)の採用(0.2億円)
サイバー領域における最新技術やサイバー攻撃の最新動向等サイバーセキュリティに関する高度な知見を有する民間の高度サイバー人材を採用

○ 米国におけるサイバー戦指揮官要員の教育(0.3億円)
サイバー戦における指揮官の意思決定要領等に関する知見を習得するため、米国防大学の
教育課程を受講

○ 自衛隊サイバー防衛隊(仮称)の新編
自衛隊指揮通信システム隊を廃止して自衛隊サイバー防衛隊(仮称)を新編。より効果的・効率的な任務遂行が可能となるよう、陸海空自衛隊のサイバー関連部隊から要員を移管して、サイバー防衛能力の抜本的強化を図るため、サイバー防護機能の一元化に着手

サイバーに関する最新技術の活用

○ 装備品に搭載されている情報処理システムを標的としたサイバー攻撃へ対処する技術の研究(21億円)
サイバー攻撃の状況下においても、防衛省・自衛隊が保有する装備品に搭載されている情報
処理システムの運用継続を実現するため、装備品のサイバーレジリエンス(※)技術の研究を実施
※ サイバーレジリエンス:サイバー攻撃等によってシステムやネットワークの一部の機能が損なわれた場合においても、柔軟に対応して運用可能な状態に回復する能力

実戦的な訓練環境の整備

○ サイバー演習環境の整備(16億円)
サイバー攻撃等への実戦的な対処訓練を行うため、自衛隊の全てのサイバー関連部隊が利用可能な装置を整備

システム・ネットワークの安全性の強化

○ サイバー防護分析装置の整備(54億円)
サイバー攻撃に関する手法等を収集・分析し、防衛省・自衛隊に対するサイバー攻撃に対処
するための装置を整備

○ サイバー攻撃対処に係る部外力の活用(27億円)
サイバー攻撃対処に関する高度な専門的知見を必要とする業務について、部外力を活用

○ 防衛情報通信基盤(DII)の整備(クローズ系)(81億円)
内部侵入等によるサイバー攻撃からの防護のため、防衛情報通信基盤(DII)のクローズ
系システムを整備

情報セキュリティに係る措置の強化


○ 防衛産業に対する各種情報セキュリティ施策を推進するため、防衛装備庁装備保全管理官
に「産業サイバーセキュリティ室(仮称)」を新設

今年度予算も昨年に引き続き宇宙・サイバー・電磁波という「新領域」における対応能力の獲得・強化を打ち出している。すべての能力を有機的に融合する領域横断(クロス・ドメイン)作戦により個別の能力が劣勢である場合にも、これを克服し、日本が優位にないという防衛省の危機感が読み取れる。

米中激突の危機は高まっており、平時からの北朝鮮・中国・ロシアからのサイバー攻撃、サイばー攻撃に連動した宇宙インフラへの攻撃への対処は、表に見えないが、かなり危機的である。

平時の今でも民間の通信インフラや金融システム、に対しサイバー攻撃は仕掛けられており、中国が台湾侵攻を決意し他場合、D-Day直前には我が国のネットセキュリティーは民間だけではとても持ちこたえられないのではないかと、私は危惧しています。

ネットセキュリティは防衛だけでは済まされない。相手を攻撃するサイバー攻撃について来年度予算になまるでなかった。ソフトウエア的な新領域にどの程度の予算を回せるかは未知数の部分が多いとはいえ、ネット空間では攻撃をしなければ防御はできない、補正予算でなんとか一歩前にでてほしいものと思います。

電磁波の領域においては有事敵国に対して防衛インフラに対する攻撃に対し、一歩前に踏み出した。スタンドオフ電子戦機の開発である。



(3)電磁波領域における能力


我が国に侵攻する相手方のレーダー等を無力化する能力の強化

○ スタンド・オフ電子戦機の開発(153億円)
効果的な電波妨害を実施することにより自衛隊の航空作戦の遂行を支援する、ス
タンド・オフ電子戦機を開発

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スタンド・オフ電子戦機の開発

○ ネットワーク電子戦システムの取得(1式:88億円)
電波の収集・分析及び通信の無力化により、作戦を有利に進めるため、陸上自衛隊のネットワーク電子戦システムを取得

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ネットワーク電子戦システム

〇 艦艇の電波探知妨害能力の研究(0.2億円)
航空機やミサイルからの電波を探知し、無力化するための電波を照射する電波探知妨害装置の能力向上について実証検証を実施

ネットワーク電子戦システムにおける機動型電波収集技術の開発 

21世紀はネットワークでいかに陸海空が連携して敵勢力を撃滅するかが鍵、陸上戦闘における優位を保つために陸自が予算要求

我が国に対する侵攻を企図する相手方からの電磁波領域における妨害等に際して、その効果を局限する能力の強化



○ 戦闘機(F-35A)の取得(4機:402億円)
電子防護能力に優れたF-35Aを取得し、航空優勢を確保その他関連経費(整備用器材等)として、別途591億円を計上
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戦闘機(F-35A)

○ 戦闘機(F-35B)の取得(2機:264億円)
電子防護能力に優れ、短距離離陸・垂直着陸が可能なF-35Bを取得し、戦闘機運用の柔軟性を向上その他関連経費(整備用器材等)として、別途106億円を計上
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戦闘機(F-35B)

○ 戦闘機(F-15)の能力向上
電子戦を含むF-15の能力向上に必要な改修を実施
※事業全体の詳細はP14参照
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戦闘機(F-15)の能力向上

〇 艦艇用デコイシステムに係る調査研究(0.3億円)
高性能の対艦ミサイルの脅威に対応するため、将来の艦艇用疑似電波発生装置(デコイ)に係る研究を実施
〇 電子戦評価技術の研究(35億円)
高機能・高性能化する電子戦器材や装備品の性能を正確に把握・評価するため、将来の電子戦評価システムに係る研究を実施
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電磁波領域におけるゲーム・チェンジャーになり得る技術の研究

高出力マイクロ波(HPM)発生装置の研究
○ ドローン対処レーザシステムの車両搭載実証(33億円)
ドローン等に効率的に対処が可能な高出力レーザシステムを実証
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ドローン対処レーザシステムの車両搭載実証(イメージ)

〇 高出力マイクロ波(HPM)発生装置の研究(11億円)
高出力マイクロ波(HPM)発生装置の将来の実用化を見据え、小型化・高出力化等の研究を実施
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高出力マイクロ波(HPM)発生装置の研究 (将来の艦載イメージ)

対ドローン用の高出力マイクロ波兵器だが、1960年代~70年代にかけて子供だった私達世代にとっては怪力光線であり十分にSF兵器が登場したような未来の兵器です。
それが、自衛隊の兵器として紹介できるのはなんとなく誇らしい気持ちがし、胸熱です。
電磁波に関する情報の収集・分析能力の強化

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電波情報収集機(RC-2)

○ 電波情報収集機(RC-2)に搭載する装置の取得
(71億円)
情報収集機能の強化のため、現有の電波情報収集機(YS-11EB)の後継として、受信電波周波数範囲の拡大や遠距離目標収集能力の強化など能力向上した電波情報収集機の搭載装置を取得


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次期電子情報収集機の情報収集システムの研究(イメージ)

○ 次期電子情報収集機の情報収集システムの研究(50億円)
多用機EP-3の減勢に伴う後継機(次期電子情報収集機)の開発に向け、航空機搭載型情報収集システムの信号検出能力、方位精度及び類識別能力の向上に関する研究を実施

情報通信能力・情報共有態勢の強化

○ 戦術データリンクの整備(108億円)
目標情報の迅速な伝達・共有を図るため、艦艇及び航空機の戦術データリンクを整備 電磁パルス(EMP)攻撃等からの施設の防護

○ 自衛隊施設の電磁パルス(EMP)防護性能を安定的に維持・機能させるための維持管理手法を検討(0.4億円)

訓練演習、人材育成

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統合電子戦訓練の実施(イメージ)

○ 統合電子戦訓練の実施(0.2億円)
電磁波領域における運用能力を強化するため、陸海空自衛隊の統合による電子戦訓練を実施

○ 英海軍が実施する図上演習への参加(4百万円)
英海軍が実施する電磁波領域を含む総合演習に参加

○ 米国の電子戦教育課程への要員派遣(4百万円)
米国で実施する電子戦運用幕僚課程に航空自衛隊の要員を派遣し、電子戦運用に関する指揮・統制能力を習得

○ 次期電子情報収集機の情報収集システムの研究(50億円)
多用機EP-3の減勢に伴う後継機(次期電子情報収集機)の開発に向け、航空機搭載型情報収集システムの信号検出能力、方位精度及び類識別能力の向上に関する研究を実施

○ 米国等で行われる電子戦シンポジウムへの参加(2百万円)
米国等で実施される電子戦シンポジウムに要員を派遣し、最新の電子戦技術等に関する情報収集を実施