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日本の学術会議みたいなお花畑な反政府機関がない米国では、米国国防高等研究計画局DARPAによって、画期的な科学実験を通じて世にインターネットやステルス機、無人機、誘導爆弾(スマート爆弾)、マイクロ技術などの開発に貢献してきたことで知られる。

現在力を入れている海事研究には、米軍が他国の潜水艦を探索する「海中における偵察衛星」の役割を果たすことが期待されている。「シーハンター」プロジェクトがある。

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対潜水艦戦(対潜戦)を様変わりさせるとみられているのが、対潜無人船舶システムだ。海上に無人のロボット船を配備し、敵の潜水艦を追跡させる。これにより、現在この任務を担う海軍艦船を他の任務に回せるようになる。

潜水艦の探索は、時間も費用もかかることで知られる。特にディーゼル潜水艦は、動力機関の駆動音が非常に静かで探知が困難だ。「ACTUV(Anti-submarine Warfare Continuous Trail Unmanned Vessel)」と呼ばれるこのプロジェクトは、海軍のあり方を根本から大変革させる。

船体全長約40メートルのACTUV(ロボット船舶)「シーハンター(Sea Hunter)」は現行の潜水艦に比べて機動にかかる費用が安上がりで、しかも敵の潜水艦を効率よく追跡できる可能性を秘めている。

無人機の時代

米国防省の国防先進研究計画局(DARPA)の「中排水量無人水上艇」(MediumDisplacementUSV)シー・ハンターSeaHunter(SH-1)がある。

全長40メートルのディーゼル動力トリマラン(三胴船)で排水量135~145トン、補充をせずに最大90日間1万浬を航行できる。他の船舶にぶつからずに完全自動航行し、対潜戦(ASW)や対機雷戦(MCM)に従事する。


無人ヴィークルならではの用法

一口に無人ヴィークルといっても、大きざも目的も多岐にわたることは分かるだろう。無人ヴィークルの用途は必ずしも有人システムに置き換わるだけではない。無人ヴィークルの技術が成熟すれば、無人ヴイークルならではの任務、用法が生まれて来るに違いない。

 人間の肉体的精神的制約に関係なく任務を遂行できるのが無人ヴイークルの大きな利点だ。MQ-4Cのように24時間以上連続でミッションを遂行するのは有人機には無理だろうし、UCAVならば乗員が失神してしまう10G以上の旋回でも平気で行なえる。

 シー・ハンターの大きさの船で3カ月間も寄港せずに航海を続けるのは乗員には苦行だろうが、シー・ハンターは2019年1月には完全無人でサンディエゴ・ハワイ間の往復を行なっている。

機雷掃討(minehunting)用途の無人ヴイークルMHUl-4がすでに建造されて試験中で、機雷探知用のAQS-24とともに運用される。将来的には機雷掃討、掃海、機雷無力化、ISR、ASW、通信中継、対海賊任務が想定されている。

日本でも防衛装備庁は近未来の戦いはは無人機の戦いとなると考えている。

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水中防衛の取組 https://www.mod.go.jp/atla/soubiseisaku/vision/rd_vision_kaisetsuR0203_04.pdf

将来無人装備に関する研究開発ビジョン https://www.mod.go.jp/atla/soubiseisaku/vision/future_vision.pdf

無人ヴィークルの活動の場は海底から宇宙にまで及ぶが、その中で海戦(海軍)に関係ある無人ヴイークルといえば、無人の水上艇であるUSV(UnmannedSurねceVehicle)と無人潜水艇UUV(UnmannedUnderwaterVehicle)、さらには無人航空機のUAV(UnmannedAerial/AirVehicle)がある。魚雷やミサイルは普通は含まれないが、AIを組み込んだ知能的(スマート)な使い捨て兵器は無人ヴイークルの一種と考えられなくもない。

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米海軍の無人および小型戦闘艦計画執行室(ProgramExecutiveOfficeUnmannedandSmallCombatants)のPM406(無人海洋システムズ担当)が公開ブリーフィングに使っている図(↑)によると、海軍は極小(7メートル以下)、小(7~12メートル)、中(12~50メートル)、大(全長50メートル以上)の4種のUSVを開発する構想を立てており、小さい方から順にクラス1~4とも呼んでいる。

2020年度予算案に2000トン級のクラス4SUV2隻の建造が盛り込まれている。クラス4の想定される任務は電子戦(EW)、水上戦、対水上戦、通信中継、情報収集、監視・偵 察(Intelligence、SuⅣeillance、Reconnaissance)とされ、将来的には兵端やASW、ISR&T(Targeting)も加わるようだ。

 クラス3SUVの近い将来の任務はASW、ISR、それにスウオーム対策となっている。シー・ハンター2号(SH-2)も計画されている。

 クラス2では機雷掃討(minehunting)用途のMHUl-4がすでに建造されて試験中で、機雷探知用のAQS-24とともに運用される。将来的には機雷掃討、掃海、機雷無力化、ISR、ASW、通信中継、対海賊任務が想定されている。


【fabcross】 2020-6-22 
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アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)と米海軍は、無人で航行して任務に就く「No Manning Required Ship(NOMARS)」と呼ばれる水上艦艇の建造を計画している。

NOMARSは、米政府機関による基礎・応用研究のためのプロポーザルを公募する「Broad Agency Announcement(BAA)」により募集が行われた。BAAに記載された内容によれば、NOMARSは100t級無人水上艦艇(USV)の実証艇で、設計段階の想定ではペイロードは25tで、容積は2800立方フィート(約79m3)。巡航速度10ノット以上で、最高速度20ノット以上の高速巡行が可能であることとされている。

NOMARSは、作戦区域の基地から2000海里(約3704km)を自力航行して配置に就き、少なくとも30日間は給油なしで配置を維持できることが目標に定められている。また、場合によって配置転換できることと、高い耐航性も求められており、海況7(波高6~9m)の荒天後も任務を継続できる必要がある。

NOMARSは、必要に応じて武力攻撃を避けるために高速で離脱および再配置する能力も求められているが、米海軍の空母打撃群への編入も見込まれる無人水上艦艇「Sea Hunter」のような作戦計画、意思決定、自律航法などエグゼクティブ級の自律性までは求められていない。

2020年2月3日に発行されたNOMARSのBAA(2020年4月1日最終更新)はフェーズ1に当たる概念・概要設計に関するもので、2022年に詳細設計、2023年から2024年にかけて建造という予定が組まれている。

世界的に水中水上兵器とも無人化大型化が一段と進むと思われる。

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Unmanned Combat Ship 
【Trendhunte】
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これは、BAEシステムズが開発中の新型無人戦闘機「UXVコンバットラント」です。そう、ドローン.... この船は無人のドローンや無人機の母艦にもなっています。これを見ていると、スターウォーズのエピソードIを思い出しませんか?

この戦闘艦は、「ガスタービンとディーゼルオルタネーターによって供給されるツインプロペラシャフト/モーターを備えた完全統合型の電気推進力」を使用するということです。あるいは、2本のシャフト/モーターとディーゼル・オルタネーターで巡航電力を供給し、1本のガスタービンで2つのウォータージェットを駆動してブースト電力を供給することも可能である。" (BAE)これは、燃費コストが低いことを意味する。
無人機のSwarm(群れ)行動 スウオ-ミング(Swarming

鳥や昆虫は群れをなして飛行する、もし群れが意思を持って襲ってくればヒッチコックの「鳥」のような恐怖を感じることがある。


無人機の特性として、安価な無人機のSwarm(群れ)が高額なハイテク兵器を襲い撃滅することが期待される。

昭和に子供であった日本人であれば誰でも知っている有名アニメのヤッターマンに登場する今週のびっくりドッキリメカの戦法である。

DARPAでは
Swarm戦法 スウオ-ミング(S
warming)と呼んでいる。

昆虫や鳥、魚など海生生物の群れのことで、指揮者がいるわけでもないのに統制の取れた集団のように行動する。

スウオーム戦術はUAVで開拓されたが、海戦への応用も少し遅れて実験されている。2014年8月に米海軍のONR(0ffice of naval research)がヴァージニア州のジェイムズ川で行なったデモンストレーションでは小型艇5隻が一団となって航行し、指示された船を自動的に包囲した。

スウオームの妙は、一匹一匹の虫や鳥に高度の知能があるわけではなく、割と単純なアルゴリズムに従った本能的行動を取っているのに、集団としては知的で合理的な行動になるところで、スウオーム兵器の開発には必ずしも高度のAI技術が必要なわけではない。

ONRのデモンストレーションのようなスウオーミングは、たとえば港湾で近寄る船舶を警戒するのに使えるが、攻撃側もまたスウオーム戦術を利用できるのには注意する必要がある。ごく安価な電子装置と市販のAIソフトウェアそれに爆薬を小型のボートに組み込めば、たちまち自爆船のスウオームが出来上がる。いまに攻撃対象の軍艦やタンカーに取り付こうとする自爆船スウオームと、警戒例のUSVスウオームとの追いかけっこが見られるようになるかもしれない。

•2016/09/08

 潜水艦から発射されるUUVは魚雷発射管に制約されて、形状や外形は魚雷に準ずる(長さは魚雷よりも短いものもある)。Mk18Modlソードフィッシュ、サンドシヤーク、アイヴァー(以上小型)、Mk18Mod2キングフィッシュ、LBS-AUV(Littoral Battlespace Sensing Autonomous Undersea Vehicle)、レイザーバック、ナイフフィッシュ(以上中型)などといった名称の計画があり、戦場の状況認識(Battespace Awareness)に関達するものが多い。

 大型、超大型はスネイクヘッドのような拡大した短魚雷型と、日本の海洋研究開発機構(JAMSTEC)の”しんかい”のような深海潜水艇の無人版がある。なお無人潜水機(Autonomous UndenvaterVehicle)は自律ロボットの最先端で、JAMSTECにもいくつも開発計画がある。


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近未来の海戦の主役は、米海軍のヴァージニアVirginia級SSNと、ロシアヤーセン Yasen 級とその後継だろう。

Virginia級で導入されたペイロード・モジュール方式が一般化する結果、敵艦隊撃破を重視した制海任務と巡航ミサイルによる戦力投射の両任務を1隻の潜水艦(特に原潜)が実施できることが挙げられる。




ヤーセンは、米原潜並みの静粛性を確保したうえに、話題の極超音速ミサイルZircon
ジリコンを搭載する



原潜は空母に比べ隠密性に富み、極超音速ミサイルの標的とならず、潜水艦の戦いが制海権を握ることになる。


仮に日中間で紛争となったとしても、日本の潜水艦隊がいる限り中国空母は港を出ることはできず、その間に中国沿岸に機雷を敷設したならば、勝負ありである。

在来型潜水艦ではAIP装備艦が徐々に衰退し、民用高性能電池の爆発的普及に支えられた電池技術により、リチウム・イオン電池あるいはその発展型高性能電池搭載型が主流となる公算が高い。攻撃武器では、潜水艦発射型HSMも導入される。

 次にUUVは、在来型潜水艦の不十分な行動力を補完するため、大型長期滞洋型の移動水中センサー母艇が実用化されネットワーク化(後述)される。また、対潜戦に必須の常続的な水中環境データ収集のため、小型の長期滞洋放流タイプのUUVも導入される。データ回収はAIによる自立航法能力を利用したUUV回収方式が先に一般化するが、衛星通信技術の発展如何では衛星通信によるリアルタイム収集の算もある。



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