(7)量子技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 近年、国内外において、コンピューティング、セキュリティ、センシング等の各種分野での量子技術に関する研究開発が盛んに行われています。

 例えば、量子計算機はハードウエア技術一ソフトウェア技術ともにここ数年急速な進展を見せており、既に用途特化型で商用化される等、期待される計算能力からその用途開発に注目が集まっています。また、この量子計算機の進展に伴い、将来的にエラー耐性量子コンピュータが実現し暗号解読に応用されれば、情報通信における安全性が脅かされる可能性があるといわれています。この脅威への対策として量子暗号をはじめ、伝送速度や通信距離、リアルタイム性等の実用性も考慮したよりセキュアな情報通信のニーズが高くなっており、特にワイヤレス通信においては、盗聴不可能性の確保が期待されています。

 また、センシングの分野では、霧等で隠された目標を探知できる量子レーダ・イメージング、超微弱な磁場や電場を検出できる量子センサ等は従来にない革新的な能力が見込まれるものの、未だ原理研究の域であり、実用化までには要素技術からシステムアップまでの多くの課題解決も期待されています。

 本研究テーマでは、将来的に量子効果を用いることで飛屋的・ゲームチェンジャー的な発展への寄与が期待できる、各種量子技術に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。
日本が今もっとも注力すべき研究分野が量子論ではないかと思う。
中国が、世界中の大学研究室へ留学生を送ったり、ハッキングしてかき集めた量子論の情報をもとに、量子論に関する特許をとり、世界の覇権を握る野望を持って投資している分野だ。

元々日本がその最先端であったが、反日親中経済新聞曰く日本が脱落するとの説、学術会議の反日先生たちは、「科学者による軍事研究反対」を叫ぶ前に現状を認識すべし!


次世代計算機の量子コンピューターをはじめとする量子技術(総合2面きょうのことば)を巡り、世界の覇権争いが激しくなってきた。国の基礎研究力を示す論文数では中国が米国を抜き首位に立つ。半導体技術が支えたデジタル社会に次ぎ、量子技術が21世紀の革新をけん引する可能性が強まる。新たな時代の勢力図は産業競争力や安全保障にも影響する。日本は対応が遅れ脱落の懸念がある。

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量子技術は量子力学と呼ぶ理論に基づく次世代のテクノロジーだ。計算機や暗号、センサーの技術に革新を生む可能性を秘める。新型コロナ危機の中でデカップリング(分断)を深める米中が早期の導入に向け、激しくしのぎを削る。

量子計算機で先行する米国は、この分野の研究論文の数(2014~18年)で1948本と世界1位だ。中国は2位の1495本。これにドイツや英国、日本が続く。日本経済新聞社が出資するアスタミューゼによると、応用開発力とみなせる特許出願数(01~18年)も、米国(1852件)が中国(1354件)をおさえた。

安全保障に関わる量子暗号関連の分野では、中国が優位だ。論文数は2169本と米国(1051本)の約2倍。人工衛星や北京―上海間の通信網を生かし、情報漏洩を防ぐ技術の導入を急ぐ。センサーを含む全体の論文数でも中国が首位だ。

焦りを募らせる米ホワイトハウスは8月、6億ドル(約630億円)超を投じ米エネルギー省傘下に5つの研究センターを設けると表明。「未来の産業で米国が主導権を握るため強力な行動をとる」と強調した。量子技術の諮問委員会にはグーグルやIBMの関係者も名を連ね、民間とも連携して投資を拡大する。

IBMが7月に開いた量子計算機の「オンライン夏合宿」には世界から約4千人の学生らが参加した。米国は官民で人材育成にも取り組む。

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欧州勢も手を打つ。新たに20億ユーロ(約2500億円)の投資を打ち出したドイツのほか、英国やオランダも研究を急ぐ。

各国が力を入れるのは、産業競争力や安全保障に影響を与えるとみるためだ。20世紀を変えた半導体やレーザーの革新に次ぐ「量子革命」が進行中といわれる。19年にはグーグルが量子計算機でスーパーコンピューターより約15億倍速く問題を解いたと発表した。

強大な計算力は困難だった材料や薬、金融商品の開発や人工知能(AI)の利用に道を開く。米ボストン・コンサルティング・グループによると、量子計算機の経済効果は本格導入時に世界で最大8500億ドル(約90兆円)に達する見通しだ。

真空管でできた初期のコンピューターは、トランジスタの登場や半導体の進化を通じてデジタル社会を築いた。同じ道をたどるとすると、いち早く量子技術を使いこなした国は別次元の世界へと踏み出す。

開発レースはこれからが本番だ。現在主流の量子計算機は構造が複雑で技術的な課題は多い。壁を乗り越えれば覇権を握れる。中国ではアリババ集団などが研究力を高める。ソフトとハードを合わせた総力戦となる中、日本が取り残される懸念が強まる。

(AI量子エディター 生川暁)


(8)光波領域における新たな知見に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 赤外線、可視光、紫外線等の光は、原子や分子、結晶等の物質の表面や内部と相互作用し、物質の状態を変化させ、あるいは物質の状態に応じて様々な影響を受けることから、光に関する技術を発展させ、新たな活用を生み出すためには、光と物質との相互作用に関する理解が重要となります。

 近年では、光の強度、周波数、時間、位相等を精密に制御することで、これまで得られなかつた物質に関する情報を得ることや、物質の状態を変化させることが可能になっており、また、物質の科学的な理解が進み、物質構造等を精密に制御することにより、光の発生や検出に関する新たなアイディアの研究が進められています。

 本研究テーマでは、光波領域における新たな知見を得ることを目的として、光と物質との相互作用に関する基礎研究や、光発生、光検出、光計測、光反応等に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。

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https://www.nanonet.go.jp/magazine/feature/10-9-innovation/66.html

光と電波の間の領域、テラヘルツ光と呼ばれる領域で、電波ではありますが、光の性質も同時に持つ最先端の科学分野です。

電波には物を透過する性質があり、光にはレーザ光線のように直進する性質があります。
 
電波や光などは、その周波数(振動数)に応じたエネルギーを持っています。例えば、青い色は赤い色に比べて、大体2倍も高いエネルギーを持っています。テラヘルツの光はエネルギーの観点から見ると、およそ、室温付近つまり人の体温に近いエネルギーを持っています。そのため、体内の生体関連物質、つまり生物の活動や構成に関係するタンパク質などの大きな分子や遺伝子といった物と大変密接に関係しあいますから、それらの分析や改質などの加工に最も適した手法の一つとなる可能性を秘めています。しかもレントゲン撮影で使われるX線やガンマー線などの放射線と違って、人体に悪影響を与えない安全な光と考えられています。

医療や薬学そして情報通信やセキュリティー分野ばかりでなく、建物や橋梁の非破壊検査などといった非常に幅広い応用分野が広がっています。
 

(9)高出力レーザに関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 電気エネルギーで励起する高出力レーザは、取扱いの容易さから、様々な場面での活用が期待されています。

 固体レーザの分野では、これまで様々な材料が単結晶あるいはセラミックスの形で用いら
れており、過去、諸外国において多大な時間を投じて探索されましたが、潜在的に有望な特性を持つ材料がいまだに発見されていない可能性もあることから、各種レーザ発振媒質を中心とした光学材料に関して、幅広い要素技術に関する研究が進められています。

 また、レーザ加工用光源や個体レーザの励起用光源等として使用できるファイバーレーザや半導体レーザについても能力向上の重要性は高まっています。

 他方、高出力で発振させたレーザを低損失のまま伝えるエネルギー伝送技術も重要であり、高出力レーザに寄与する新たなアイディアによるエネルギー伝送技術の研究も進められています。

 本研究テーマでは、マテリアルズインフォマテイクス的手法を用いた新材料の発掘、既存の材料を用いた革新的なレーザデバイスの研究や、高出力レーザのためのエネルギー伝送技術を含めて、将来の高出力レーザの実現に向けた新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。
近年の材料開発の現場では、情報科学分野のさまざまなアルゴリズムが重要な役割を担うようになってきています。たとえば、過去の材料実験・シミュレーションデータを利用した効率的な探索アルゴリズムによって、よりスピーディーに新素材を開発・商品化することが可能になっています。 このような材料開発における新しい取り組みを総称して「マテリアルズ・インフォマティクス」と呼びます。

この研究で、近年兵器として実用化しつつあるレーザー砲の照射ワット数を上げることが可能となる新材料を探す研究だそうです。

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(10)光の伝搬に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 光(レーザ光)の伝搬においては、レーザ光のど-ム形状が伝搬特性に影響を与えることが知られており、ある波面形状では、障害物に対する自己回復性を持つことから、長距離伝搬においても集光性が保たれることが知られています。

 さらなる長距離伝搬においては、波面を積極的にコントロールすることで集光特性を改善する研究が行われており、天文学の分野では既に実用化されていますが、高出力のレーザ光を大気中で高速移動させることに対応可能な高速応答性に優れた技術についてはさらなる研究の進展が期待されています。     

 また、レーザ光の時間軸のコントロールも伝搬特性に影響を与えますが、特に超短時間のパルスであるフェムト秒レーザは、大気を含む物質中の伝搬において自己収束することが知られており、この現象を活用すべく、レーザ生成プラズマチャネルによる放電誘導等に応用するといった様々な研究が進められています


 本研究テーマでは、高出力レーザの長距離大気伝搬における光の伝搬特性や伝搬時の現象を応用した研究等を含む新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。

フェムト(femto, 記号:f)は国際単位系(SI)における接頭辞の一つで、基本単位の10の-15乗倍の量を示します。基本単位が秒ですから、1フェムト秒は「1000兆分の1秒」となります。
光は真空中で1秒間に約30万キロメートル(およそ地球を7周半)進むことができますが、1フェムト秒では光でさえわずか1万分の3ミリメートル(0.3ミクロン)しか進めません。それ程に極短い時間が「フェムト秒」なのです。

レーザには連続して発振する「CW(Continuous Wave)レーザ」と一定のパルス幅で発振する「パルスレーザ」があります。フェムト秒レーザはパルスレーザで、そのパルス幅がフェムト秒レベルのレーザです。

レーザ強度はI = E / St で表されます。Eはパルスエネルギー、Sはビームスポットの面積、t はレーザパルスの時間幅です。この式からもわかるように、フェムト秒レーザは、エネルギー総量はさほど大きくなくとも、そのエネルギーをフェムト秒レベルまでに圧縮しているので、凄まじいレーザ強度を持つことになります。

フェムト秒レーザーこそ、弾道ミサイルを迎撃する大きな鍵となりそうです。

(11)高速放電及び高出力・大容量電力貯蔵技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 レーザ、金属加エ、高エネルギー物理等の分野においては、大きな電気エネルギーを貯蔵するとともに、貯蔵した電気エネルギーをほぼ瞬間的に放出することへの需要があり、このために、短時間でエネルギーを放出するためのスイッチング素子や、電気エネルギーを貯蔵し/モルス放電可能な装置に関する研究が進められています。

 特に、ピーク電圧が百キロボルト以上の高圧パルスを扱うスイッチングの場合、現在もギャップスイッチやサイラトロンが使用されており、半導休素子化に向けた研究の進展が期待されています。

 また、既存技術で高圧パルスを高速連続出力(1秒間で複数回のパルスを出力)可能とするシステムを構築した場合、エネルギー貯蔵装置を含め、現状ではシステムの大規模化及び電圧/電流波形の補正回路が必須となり大型化が避けられないことから、システム全体の小型化に関する研究の進展も期待されています。

 本研究テーマでは、以上のようなシステムの実現に寄与し得る出力、容量の大きな電力貯蔵装置そのものの他、高電圧′りレスをナノ秒程度の短い立ち上がり時間で出力可能な電源システム等について、スイッチング素子及び再充電回路も含めたシステム全体の高性能化に寄与し得る新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。

電力を瞬間的に貯め、放出する技術を、レーザー兵器に応用するのであれば、電気二重層キャパシタが最も有力な電力貯蔵技術です、電気二重層キャパシタは急速充・放電が可能なため、電気を化学反応なしに“電気のまま”貯蔵できます。電荷の吸着・脱離によって充電・放電を行うため、充電時間が短いことと、利用の繰り返しによる劣化が少ない。

電気二重層キャパシタの電極は、正・負極とも活性炭などの多孔質・大表面積の素材を用います。電極と電解液との間に形成される電気二重層を絶縁層として、電荷を吸着して電気を貯蔵します。
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電気二重層キャパシタの原理 出典:新エネルギー・産業技術総合開発機構「未来へ広がるエネルギーと産業技術」

瞬低・停電補償に使われているほか、電鉄車両の回生ブレーキに伴う電力の充・放電に関する開発や、ハイブリッド自動車に二次電池と併用して利用する研究、風力発電・太陽光発電の発電電力平準化のための研究開発も行われています。


(12)冷却技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 超伝導素子に代表される量子効果デバイスは、性能発揮あるいは性能向上のために極低温に冷却する必要があり、コンプレッサーを持つ冷凍機や液体窒素等の冷媒が必要ですが、このことがシステムの小型化や長期圃のメンテナンスフリー稼働の妨げとなっています。そのため、デバイスの普及を促すため、機械的な動作や冷媒を不要とした新たな冷却技術の実現が期待されています。また、高出力デバイスやレーザ等では、素子性能の維持や長寿命化のためにジャンクション部や発光部を効率的に_冷やす必要がありますが、こうした部位からの放熱も重要な課題です。

 機械的動作が不要な冷却技術に関してはペルチェ効果が有名ですが、高性能化を実現するためには、高ゼーペック係数、高電気伝導、低熱伝導といった一見矛盾する性質を同時に満たす熱電変換材料を創出する必要があります。これに関しては、近年の強相関系物理学の進展により、これらの3要素を高いレベルで満たした新たな熟電変換材料が創出されており、またナノ構造による性能向上も期待されています。

 電子冷却以外の様々な方法についても、例えば、原子気体の冷却のために開発されたレーザ冷却によって固体素子を冷却する新たな光学冷却技術の研究が進められています。また、ダイヤモンドに匹敵する熱伝導率を持つ材料や、微小構造を持つデバイスにおける格子振動の解析等、熱輸送そのものの把握及び改善に向けた様々な研究が進められています。

 本研究テーマでは、冷却技術に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します


近年中国が所有する対艦弾道弾やロシア製モスキートなどのASCM(対艦巡航ミサイル)それらのMaRV(Maneuvering Re-entry Vehicle:機動型弾頭)及びその複数化弾頭、スウォームUAVなど、短時間で対応するには、もはやミサイルによる迎撃では間に合いません。

極超音速ミサイルや弾道弾の迎撃は、レーザー砲がやがて主力になるものと思われます。兵器としてのレーザー砲は、従来の火砲やミサイルに代わって主力兵装とする日が、必ずや到来すると思われます。

現在世界的には150kw級のレーザー砲が実用化し始めましたが、主にドローンや高速艇、迫撃砲弾、ロケット砲弾クラスの破壊が可能となりました。2018年の米国防総省から米議会への報告書には、「実用的な対艦ミサイルの迎撃には300kwが必要」とされ、巡航ミサイルや、大型船舶・戦車砲塔など構造物の破壊が含まれます。しかしながら、弾道ミサイルの破壊には500kw以上1MW級が必要とされいます。

 高出力化・多用途化のためには、効率的なレーザー増幅システムの実現、電力源部における充電→放電(レーザー照射)→再充電にかかる費消時の短縮、放熱/冷却機能、バッテリーのマガジン化/セル化、システム全体の小型化/軽量化など、ブレイクスルーが必要な技術的課題がまだ山積しています。

レーザ技術 - 防衛省・自衛隊




(13)物理的又は化学的に優れた新たな材料・構造に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 近年、ナノメートルオーダーの周期的な微細構造を構成することで光や電波、熱の制御を行える機能や、撥水効果等を高める機能を有するメタマテリアルに関する研究が進められており、並行して、これらのメタマテリアルをより効率的に大型、大面積に生成する研究も進められています。

 また、優れた機能を有する構造として、現状では、対象とする材料が限定される中空構造等の複雑な構造は、いまだ目的の構造の製造には制約があることから、様々な構造を平易に作成可能とする新たな着想が期待されています。あるいは、DNAの自己組織化を活用することで、新たな機能性ナノ構造やデバイスを作成する研究が行われるようになっており、分子レベルで相当複雑な構造体が再現性良く組み立てられています。こうした分子レベルの構造体は、生体との親和性も高いため、医療や創薬の分野でも注目されていますが、それらに留まらず、電子デバイスや微小機械工学分野への応用も考えられ、その波及範囲はかなり広いものと考えられます。

 さらには、発生した損傷を自発的に回復する機能を有した自己修復材料に関する研究も進められており、インフラのみならず、各種機器の運用コスト低減や長寿命化も期待されています。

 本研究テーマでは、以上のような研究事例に留まらず、物理的又は化学的に優れた新たな材料や構造及びそれらの件成プロセスに関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。なお、金属材料、非金属材料のいずれも対象とします。








新素材産業は21世紀で最も潜在力のある分野である。すでに20世紀後半より、特殊セラミック、炭素繊維、特殊なプラスチックなどで世界をリードしている。例えば、「炭素繊維」の分野では世界市場の、日本企業3社で49%のシェアを占めている。

日本は新素材技術の発展のため、積極的に「投資」を行っている。いつ、どれだけの利益につながるか読みにくい基礎研究を大切にしており、しっかりと予算を投じて、基礎研究に取り組んでいる。日本が「新素材」の分野で強いのは、政府主導のもと「産学官」連携を強化してきたことや、大企業と中小企業が協力関係にあることも、新素材分野における強さをもたらした。

中小企業は細分化しているため、それぞれに専門知識と技術の蓄積があり、研究開発能力が高いと評価した。そのため、日本企業にしか作れないものが多く、特許数も世界有数である。

防衛装備庁の公募に係る研究テーマは、日本の未来を支える基礎研究に投資を行う貴重な事業と言えよう。


(14)先進的な耐衝撃・衝撃緩和材料に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 高速物体の衝突及び爆発による衝撃から人を含む物体を保護するためには、耐衝撃性に優れる材料や衝撃を緩和出来る耐衝撃材料が重要となります。

 耐衝撃材料としては、高速物体の衝突により破壊されにくい硬度、靭性、弾性及び振動減衰特性が高い材料が期待されています。

 また、ダイラタンシー材料のように高速変形に対して硬度が特異的に増加するといった、衝撃の速さに対して特異的なふるまいを有する材料がいくつか知られており、従来にない特性を有する耐衝撃材料を得られる可能性が期待されています。

 こうした分野の研究に関しては、高速事象及び爆発による衝撃に関する計測手法、耐衝撃性についての数値解析による原理の解明や、その原理を用いた耐衝撃材料の設計、製造についての研究が進められています。

 本研究テーマでは、高速物体の衝突及び爆発の衝撃に耐える、又はその衝撃を緩和する材料の原理究明や、効果の優れた耐衝撃材料の創製に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。


(15)接合技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 接合技術は、小型の電子部晶から大型の建造物に至る複雑な製品を製造する際に常に必要とされる極めて重要な基盤技術であり、近年、その技術的な革新には目覚ましいものがあります。

 例えば、輸送機器分野では、従来、リベット締めや溶接等が使用されてきましたが、重量軽減や安全性向上を目的に素材を適材適所に組み合わせて用いるマルチマテリアル化の流れを受けて、材料選択性に優れる接着剤による化学的接合を利用した新たな接合様式が注目されており、低コストや常温接合のメリットを活かして、機器取り付け等への接着剤の活用も検討されています。

 また、身近な分野では、無裁縫技術による衣類のシームレス化が実用化されており、密閉性に優れたジャケット等が商品化されています。

 さらには、微細な部品を扱う半導体やMEMS分野でも、革新的なデバイスの実現にはナノ加エや化学処理等を活用した接合技術の開発が鍵となっています。

 一方、接合技術には解決すべき課題が残されており、例えば、接着力発現原理の解明、腐食等も考慮した信頼性の向上(海水環境下を含む)、非破壊検査手法の確立、難接着性のスーパ一エンプラ等の新材料への対応等が挙げられます。そのため、従来に無い発想と様々な先端技術(レーザ加工、ナノ加エ、マテリアルズ・インフォマテイクス、積層造形、分子技術、先端計測技術等)を駆使して、接合技術を新たな段階へと押し上げることが期待されています。

 本研究テーマでは、様々な接合技術について、各層の異種材料間における基礎的な接合メカニズムの解明、接合強度の向上、機能・性能・信頼性の向上、新たな接合手法の提案、非破壊検査手法の確立等に資する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。







その1
その2
その3
その4