防衛省・自衛隊@ModJapan_jp
陸上装備研究所は、自衛隊の火器、弾薬、車両、施設器材等にかかわる研究及び試験評価などを行っています。レールガンやハイブリッド動力など防衛装備の性能を高めるための研究を行い、わが国の防衛と安全保障に貢献しています。
2021/03/19 12:17:03
https://t.co/gyjg4Y1Vwr

レールガンとは、金属の飛翔体を強力な磁界を砲身内に形成して打ち出す兵器で、炸薬を爆発させて弾頭を飛ばす従来の大砲に比べ、安価に大量の飛翔体(弾頭)を発射でき、防御としては、弾道弾を超高空で迎撃したり、対艦ミサイルによる飽和攻撃を短時間で迎撃が可能、攻撃兵器としては安価なコストで長距離対地攻撃を行ったり、飽和攻撃を可能にするものと期待されてきました。
日本においても平成29年(2017年)度予算でレールガンの研究予算が認可され陸上装備研究所のレールガン開発に拍車がかかった。
2016年08月23日
2016年09月01日
2018年12月04日
【WING:航空新聞社】2018.11.15
航空新聞社の情報では2020年度までの研究期間の中で、2019年度中にフィールドテストを始めたいとの情報であった。だが、陸上装備研究所でレールガン・電磁砲がフィールドテストが行われた情報は今までなかった。2021/3/19Twitterの情報は、フィールドテストを既に行ったのではないか?もしくはその直前であると憶測させる初の写真であった。防衛装備庁の陸上装備研究所が研究を進める電磁加速システム、いわゆるレールガンの研究は、2020年度までの研究期間の中で、2019年度中にフィールドテストを始めたいとし、最終的には実際に飛翔体を打ち出すテストを行う考えであることが分かった。レールガンの研究は、各国で実用化に向けて研究が進められていて、特に米国では、飛翔体が目標物に弾着するテストの様子も公開された。陸上装備研究所でも、同研究において成果が現れてきたことで、2020年度内にも同様の試験を行える見込みだとした。防衛装備庁は、11月13・14日に都内ホテルで「技術シンポジウム2018」を開催し、取り組んでいる研究成果を公表した。そのうちレールガンの研究は、毎年研究の進展が示されてきたところ。この度の公表では、飛翔体速度の加速や、レールの低エロ―ジョン(摩耗)化などの結果が得られたとした。陸上装備研究所が保有する研究用レールガンは、電磁加速装置としては、砲身の長さが2メートルで、砲身の内径(レール間の距離)が16ミリ、レール材料は主に銅で、絶縁体の材料がポリカーボネイトのもの。パルス電源のコンデンサバンクエネルギーは1MJで、静電容量が4.8mFとなっている。飛翔体については、電機子の材料がアルミニウムで20グラムの重さ、長さ44ミリ、幅16ミリのもの。研究ではこれまで、磁気センサを使った飛翔体速度の測定で、砲身内部の飛翔体の速度が毎秒2.7キロメートルまで加速させることが可能となったという。また、レールの低エロージョン化の研究では、従来から銅を基本材料として使用してきたが、銅のレールでは、27発の射撃を行うと、レールに飛翔体のアルミと見られる金属が付着するなど、大きな摩耗が見られた。材料の違いによるレールの変化を計測した結果、タングステン70%、銅30%の合金を使用したレールでは、基本材料の銅と比べて37%の摩耗の低減に成功した。これは銅の約60%まで低減したモリブテンのレールよりもさらに摩耗の低減に成功。同研究がさらに進むかたちとなった。また同研究所では、電機子のみの飛翔体だけでなく、弾心などを取り付けた試作の飛翔体も展示して、フィールドテストを意識していることも示した。レールガン研究で重要なことは、コンデンサバンクの小型化だという。電気エネルギーを利用して高初速を得るため、現段階では大型のコンデンサバンクが必要。これが将来の技術的課題だとする。原理として、1メガアンペア以上の電流が流れれば、10キロ以上の飛翔体を毎秒2000メートル以上の初速で発射することが可能だとしている。※写真1=技術シンポジウムで公開されたレールガンのレールと飛翔体※写真2=右側の飛翔体は弾心などが付いたもの
この記事の最後に防衛技術庁技術シンポジウム2020にレールガン研究の最前線~弾丸の高初速化の実現~陸上装備研究所 弾道技術研 の内容をコピペして張ったが、令和2年7月に下北試験場での実験用レールガンの屋外写真と射撃実験の動画を貼っている。
日本ではレールガンの基礎実験は1980年代よりはじめており、1991年には世界でも最先端を走っているという認識があったが、兵器としては米国・英国・トルコ・ロシア・中国に後れを取った感がある。 しており当時の欧米の技術水準を凌駕し
※トルコは多種の兵器応用能力を備える電磁砲を開発し、国際防衛見本市で展示している。
兵器としてレールガン電磁砲が話題となりはじめたのは世界的にはハリウッド映画トランスフォーマー2(2009年)で取り上げられた頃からであろう。日本では、漫画「とある科学の超電磁砲」が『月刊コミック電撃大王』にて、2007年4月号より連載が開始され、テレビアニメが2009年10月から2010年3月まで放送され、レールガンが一気に認知された。
2014年04月12日
2015-6年頃から急速に兵器化のニュースが流れ、米国や英国では3~4年前に盛んに屋外実験のニュースが流布されていた。
レールガンは、物体を電磁誘導(ローレンツ力)により加速して撃ち出す装置である。
この装置は、電位差のある2本の電気伝導体製のレールの間に、電流を通す電気伝導体を弾体として挟み、この弾体上の電流とレールの電流に発生する磁場の相互作用によって、弾体を加速して発射するものである。
弾体を含め電気回路を形成するためには、レールに弾体(それに取り付けられた電気伝導体)の一部が接触している必要があり、この箇所に摩擦および移動に際しての摩擦熱が発生する。
さらに摩擦が起きる電気接点において、わずかな電気抵抗でも生じれば、投入される大電流のために大きなジュール熱が発生し、この電気伝導体等の一部が蒸発・プラズマ化する問題もある。
弾体とレールの接点が蒸発して接点が取れなくなれば、電気回路としての装置に電流は流れず、弾体は発射装置内に取り残される。
私が2018年防衛装備庁技術シンポジウムで開発担当者に聞いた話によれば、日本はレールの低エロ―ジョン(摩耗)化でブレイクスルーがあったとの情報を頂き、レールガン実用化は時間の問題かと思っていた。
ところが、米海軍が提出した2021年度の予算案では、レールガン(EMRG)の開発継続のために2021年度に950万ドルを要求しているが、2022年度から2025年度にEMRGの追加開発資金をプログラムしていないという衝撃のニュースが流れている。
米海軍はレールガン(EMRG)の開発を進める中で、EMRG用に開発されている誘導弾が、海軍の巡洋艦や駆逐艦に搭載されている5インチ砲や、陸軍や海兵隊が運用している155mm砲などの火薬銃からも発射できることに気がついてしまい、現在の技術ではレールガンを実用化するのは費用対コストが見合わないと判断したようである。
【USNI】2021年3月4日午前11時37分(米国海軍研究所)
以下は、2021年2月26日、Congressional Research Service report, Navy Lasers, Railgun, and Gun-Launched Guided Projectile: Background and Issues for Congress(海軍のレーザー、レールガン、砲撃型誘導弾:議会のための背景と課題)である。
報告書から
海軍が開発している3つの新しい艦載兵器、固体レーザー(SSL)、電磁レールガン(EMRG)、超高速発射体(HVP)としても知られる砲撃型誘導弾(GLGP)は、海軍の水上艦が水上機や無人航空機(UAV)、最終的には対艦巡航ミサイル(ASCM)から身を守る能力を大幅に向上させる可能性があります。
海軍は数年前からSSLの開発を進めており、2014年には水上機やUAVに対抗できるSSLの試作機を初めて海軍艦艇に搭載しました。その後も、水上機やUAVに対抗する能力を向上させたSSLの試作機を開発し、搭載しています。海軍が開発しているより高出力のSSLは、ASCMに対抗する能力を備えています。現在、海軍が取り組んでいるSSLの開発は以下の通りです。
・SSL-TM(Solid State Laser Technology Maturation)の取り組み。・ODIN(Optical Dazzling Interdictor, Navy)。・Surface Navy Laser Weapon System (SNLWS) Increment 1 (高エネルギーレーザーと統合された光学ダズラーと監視システム(HELIOS))・高エネルギーレーザー対ASCMプログラム(HELCAP)。
上記の最初の3つの取り組みは、海軍がNFLoS(Navy Laser Family of Systems)と呼ぶ取り組みに含まれます。NFLOSとHELCAPは、国防総省の他の部分で開発された技術とともに、将来のより高性能な艦上レーザーの開発をサポートするものです。
海軍は数年前からEMRG(レールガン)を開発しています。当初、EMRGは海兵隊や陸上の友軍を支援するためのNSFS(naval surface fire support)兵器として開発されました。その後、EMRGは防空やミサイル防衛にも使用できることが判明し、EMRG開発に対する海軍の関心が高まりました。海軍はEMRGの開発を継続しているが、生産モデルのEMRGがいつ海軍艦船に搭載されるかは不明である。海軍が提出した2021年度の予算案では、EMRGの継続的な開発のために、2021年度に950万ドルを要求しているが、2022年度から2025年度にEMRGの追加開発資金をプログラムしていないようである。
海軍はEMRGの開発を進める中で、EMRG用に開発されている誘導弾は、海軍の巡洋艦や駆逐艦に搭載されている5インチ砲や、陸軍や海兵隊が運用している155mm砲などの火薬庫からも発射できることに気がついた。このように火薬庫から発射するコンセプトは、GLGPやHVPと呼ばれている。HVP/GLGPの潜在的な利点は、一度開発すれば、当該火薬銃が既に存在するため、海軍の巡洋艦や駆逐艦、陸軍や海兵隊の砲兵部隊に迅速に配備できることである。
SSL、EMRG、HVP/GLGPに対する海軍の年間資金要求を承認、拒否、修正するかどうかという問題に加えて、議会にとっての課題は以下の通りです。
海軍がこれらの兵器を開発する上で、スピードが速すぎるのか、遅すぎるのか、あるいは適切なスピードなのか。これらの兵器を開発から調達に移行し、量産モデルを海軍艦船に搭載するための海軍の計画。海軍の造船計画には、これらの兵器を収容するための適切なスペース、重量、電力、冷却能力を備えた船が含まれているかどうか。
www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。
え~っ!ウッソ~という情報だが、実は薄々感じていた。英文の軍事ニュースサイトなどでは、『超高速発射弾(HVP)』という既存の火薬砲でも発射可能な高速砲弾の技術革新があり、射出速度や射程が改善して来ており、レールガンに多額の開発費を継続投入に疑問視する声が上がっている等のニュースは散見されていた。

だが、個人的には、米国でおいてすら実用化に耐えうる電磁砲の砲身開発には未だ至っていないことを隠蔽する話なのではないかと疑っている。
試作機や実験用の装置は簡単な原理なので、素人でも簡単な電磁砲は製作することができる。おそらく個人が簡単な電磁砲自作する場合、火薬式の自動小銃より簡単かもしれない。
日本は世界で最も素材開発の科学は発達しており、低エロージョン化の素材について日本は英国米国や中国、ましてトルコに大きな後れをとっていること自体疑問に思っていた。
日本より他国がレールガン・電磁砲を実用化できるほど優れているとは思えなかった。
実際米国や他国のレールガン開発は、実は日本より遅れているのではないかと、かねてより疑問を持っていた。
中国では艦載化したり、携帯化したものが発表されている。
だが・・・私は実戦に使用できる兵器にまで実用化できるか、かなり疑問だ。
2019.01.15 14:00
とりあえずそれらしき砲塔を揚陸艦にのせただけの国威発揚用との見方が主流だ。2019.01.31 産経新聞(Yahooニュース)中国が今月、艦船搭載レールガンの試験 2025年に実戦配備へ 米報道 <1902-013102>複数の米情報機関関係筋がCNBCに、中国による電磁砲の開発は2011年ごろに初めて確認され、2014~2017年に試験を重ねて射程や威力を向上させ、2017年末に艦船への搭載に成功し、2023年までに洋上での試験が完了し、2025年までに実配備できる見通しとなったことを明らかにした。中国の電磁砲は初速がMach 7.5、射程は124哩で、1発$25,000~$50,000と推定され従来型火砲よりもコストが安いという。
2018年02月04日
さらに如何わしい中国ニュースに個人携帯レールガンなるニュースがある。
なんだか、ドン・キホーテで売っていそうな、大人の水鉄砲ぽいレールガンである。下手をすると本体に50%OFFラベルがまだ貼ってあるかも(笑)
アメリカ人男性が製作した個人製作レールガンの方がなんだか中国のよりも威力がありそうに見えます(笑)
あくまでも個人的妄想かもしれませんが、世界初の実戦使用に耐える兵器としてのレールガンを実用化できるのは日本のような気がします。
なぜなら・・・これを読めば単なる妄想ではないことがわかります。↓
レールガン研究の最前線~弾丸の高初速化の実現~ 陸上装備研究所 弾道技術研

残念ながら口径は40mmで、155mmもしくは127mm用のHVP弾を撃つことはできなさそうですが、HVP弾は護衛艦の5インチ砲もしくは陸自の自走砲から射撃することは可能である。
この40mmレールガンはまずは護衛艦DDGイージス艦、DD護衛艦、DDH航空/ヘリ搭載護衛艦、FFM多機能護衛艦に搭載し、対艦ミサイル飽和攻撃や、極超音速ミサイル迎撃として実用化する可能性が高い。発電設備が更にコンパクト化すれば陸自の装甲車輛にも搭載可能となり、中SAMや、PAC3に代わって弾道弾や極超音速ミサイル迎撃にも用いられる可能性が高い。
この40mmレールガンはまずは護衛艦DDGイージス艦、DD護衛艦、DDH航空/ヘリ搭載護衛艦、FFM多機能護衛艦に搭載し、対艦ミサイル飽和攻撃や、極超音速ミサイル迎撃として実用化する可能性が高い。発電設備が更にコンパクト化すれば陸自の装甲車輛にも搭載可能となり、中SAMや、PAC3に代わって弾道弾や極超音速ミサイル迎撃にも用いられる可能性が高い。
従来10発も撃てなかったレールガードが2017~18年に日本技術陣ブレイクスルーがあった成果で、120発というのは大きな前進であると思う。もしかしたら120発は世界的に最多で最先端かもしれない。しかしながら、砲の寿命が120発というのでは実用兵器としては微妙に届いていない。日本は帝国陸海軍時代から常に自国の兵器を実戦で相手に優位に立つため、能力を過少に発表している。本当は150~200発程度は撃てる可能性はある。だがそれでも実用化にはもう少し努力が必要だ!今後の日本の技術研究陣に期待したい!
コメント
コメント一覧 (33)
Ddog
が
しました
Ddog様の見解は、我が日本の防衛装備庁のレールガン研究開発は、決して他国に比べても後れを取っていない。
むしろ、本当に要求性能を満たしたレールガンを開発・配備できるのは、日本だろうということでしょうか?
↓防衛装備庁のレールガンのフィールド射撃動画です。
これを見ると、かなり研究は進んでいるように思うのですが...
https://m.youtube.com/watch?v=VLSaeCb4Z-M
何かの記事で、アメリカは大口径レールガンを目指しているが、日本は実用化のハードルが下がる小口径レールガンを開発しているので、実戦配備できる可能性は高いと見た記憶があります。
Ddog
が
しました
私もかねてから、レールガンは、艦船用の主砲代替よりも、
低電力、大携行弾数の小口径砲の方が、使い出があると考えています。
日本の技術開発力であれば、金さえ投資すれば、世界に先駆けて
実用電磁加速砲が実現できるのではないでしょうか?
しかしながら、心配なのは、砲システムとして、メカニカルな部分での
ノウハウに乏しい点。この辺は欧米の兵器メーカーに大きな差を付けられているので、大きな課題となるでしょう。
又、車載砲などの実現には、F3エンジン開発で得られた先進技術を
注ぎ込んだ、小型高性能の車載ガスタービン発電機などの開発も
これから大きな課題になって来るのではないでしょうか?
いずれにせよ、中韓と違って、世界に誇れる技術開発力を持つ我が国、しっかりとした技術を積み上げて、欧米メーカーとの共同開発・・・と言うのが、実現への一番の近道かと考えます。
Ddog
が
しました
レールガン1発当たりのの必要エネルギーは数MJから数十MJです。
電力量に換算すると数KWhから数十KWh(1kJ=0.277Wh, 3.6kJ=1Wh)となります。
防衛省で開発している小型のレールガンであれば100発分でも100kWh程度の電力量があれば足りることになります。(効率無視)
電気自動車(EV)でも100KWhぐらいの電池を積む時代ですから電力量としては何の問題もありません。
しかしレールガンではこの電力を一瞬で使うことになります。
例えば1KWh(3.5MJ)を0.1秒で使うとなると 1KW×3600(秒)/0.1(秒)=36MW(0.1sec)となります。
発電機や電池ではこんな電力を扱う芸当はできないのでキャパシタの出番となります。が、これが大問題ですね
防衛省資料によると5MJの電源(ほとんどキャパシタでしょう)が20feetコンテナ3台とあります。
ここを乗り越えなければ兵器化は難しい。
Ddog
が
しました
その点レールガンは破壊兵器そのものなので一番期待できます。
残念ながら電気二重層キャパシタ(スーパーキャパシタ)では全く容量不足です。
容量的にはリチウムイオンキャパシタに可能性がありますが、出力の点で難しい。
今どきのキャパシタ研究は電気自動車をターゲットにしたものが主流でしょうから電池的な方向になり、
大容量で、瞬時に出力を求めるレールガンには厳しいように思えます。
それでも何かブレークスルーが出ることに期待したいです。
気の向くままに雑学を というレベルなので
茶々を入れる事しかできず申し訳ありません。
Ddog
が
しました