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次期戦闘機画像(TOP)はimaginary -wings さんより



例年11月に開催される防衛装備庁技術シンポジウムが、中共ウィルスの患禍で、中止となり、後日オンラインで発表するとの告知があった。3月24日からようやくUPされはじめました。閲覧したところ、次期戦闘機関連の資料が多く目立ちました。そこで、当ブログの人気記事F-2後継機 FX次期戦闘機(F-3)は日本主導の日米共同開発で決着! 2020年4月19日記事に防衛シンポジウム2020からの最新情報を補足する形で紹介したい。2020年4月の記事と併せて読んで頂ければ幸いです。


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https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2020/index.html

研究開発成果 No3 次期戦闘機 装備開発官(次期戦闘機担当)付開発管理室

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まずは、〇
新冷却システム(アビオニクスを効率的に冷却するために新型の熱移送システム)と〇電動アクチュエーション(操縦系統を従来の油圧から電動化することにより、フライ・バイ・ライトで電動アクチュエーションシステムで稼動することにより機体内部を簡素化)の写真が公開された。これは良いが・・・

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いったいこの機体構造に関する写真はいったい何?イラストのは部分構造供試体とはあるが、ひょっとして部分構造供試体は次期戦闘機のものか?疑問に思いました。

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下の図は従来公開されていた機体構造についての画像だ。
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機体構造面での大きな特徴は一体化・ファスナレス構造、ヒートシールド技術が挙げられる。これは「機体構造軽量化技術の研究(2014-2018)」によるもので、X-2でも一部さ採用されている。従来機と比して大幅な軽量化が見込まれ、リベットの使用低減などによるメンテナンス性の向上も特色と言える。当ブログ
2020年4月19日記事当より。

「部分構造供試体」とそっくりではあるが、この画像の構造物は次期戦闘機の機体の一部に思えてならない。
一体化・ファスナレス構造を採用したのは、私の認識が正しければ開発したのは日本であり、採用したのはX-2のみだ。

ちなみに、下の画像は
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下記記事に掲載したX-2の機体の強度試験の準備中の
2013年の8月の写真であり明らかにX-2の機体構造と異なる。

2014年07月19日

X-2ではなく次期戦闘機関係の
部分構造供試体とのことだ。2つ疑問に思った
①設計開始というのは意図的フェイクニュースで、実は既に凡その設計は終わっており試作段階にあるのではないだろうか?
②単なる機体構造研究の構造体試作品(
部分構造供試体)だとしたらある程度次期戦闘機と似た構造でなければが試作の意味が薄れる。例えばF-35。F-35は単発機なので明らかに構造が異なる、まさか秘密裏にT-4後継練習機を試作?それもないだろうから・・・次期戦闘機をある程度想定した部分構造供試体なのだろうか?考えすぎだろうか?

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事業の目的

戦闘機等の作戦及び任務の成否に影響を与えるミッションシステムを自国において自由に能力向上及び改善等ができるよう、柔軟な拡張性等を有するオープンアーキテクチャを適用したミッションシステム・インテグレーション技術について、Flying Test Bedを活用して実飛行環境下において確認する。
オープンアーキテクチャ:システムを構成する機器間のソフトウェア、ハードウェア及び通信等の規格を共通化させること Flying Test Bed:評価対象となる機器を搭載し、飛行中の各種データを取得するための航空機

事業概要

多様なセンサやウェポンを統合・連携させたミッションシステムは、戦闘機等の作戦及び任務の成否に多大な影響を与えることから、ミッションシステムの開発、能力向上、改善等を自国で自由にコントロールできる能力を保持することが重要である。このため、本事業では、柔軟な拡張性等を有するオープンアーキテクチャを適用したミッションシステムを試作し、Flying Test Bedを活用した実飛行環境下での飛行試験等で検証を行うことにより、当該能力の基盤となる戦闘機等のミッションシステム・インテグレーション技術を確立する。
ミッション・システムMission systemとは軍用機が任務を果たすために使用するコンピュータや電子機器のこと。ミッション・アビオニクスとも呼ぶ。

オープンアーキテクチャ ( Open Architecture) とは、主にコンピュータなどの分野で、設計や仕様などの全部または一部を、オープン(公開、開放)にしたアーキテクチャ(設計・仕様)のこと。

インテグレーションとは
統合、統一、融合、一体化

任務を遂行すべき電子機器を統合し一体化しつつ、オープンな設計仕様とするために、自国での改良が容易となる。次期戦闘機を国産化としたい動機は、将来の技術発展にあわせ、機体を改造・改良の自由を他国に縛られず自由に選択する為である。

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〇ウェポンリリースステルス化の研究
将来の戦闘機において要求される優れたステルス性の確保に必須であるウェポン内装システムについて、高速飛行時あるいは高機動時の複雑かつ厳しい空力荷重条件下においても、短時間の内にベイ扉を開放してミサイルを発射し、機体から確実な分離を実現する技術の研究を行っています。

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研究開発成果 No1 先進統合センサ・システムに関する研究
装備開発官(航空装備担当)付第4開発室
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IRセンサはレドームとほぼ同じ位置に設置し、レーダーも、ESM(電波支援装置/電波逆探知機)ECM(電波妨害/電子攻撃装置)を統合するシステム。

またIRセンサとしては従来型の右側の改良版が搭載されると思われるのだが・・・なぜかASM-2 93式空対艦誘導弾らしきミサイルが描かれている。どうも・・・この意味が私には理解できない。
※裏を取ることができませんでしたが、ねこすけさんの情報によれば新センサー実験を行ったとのことです。

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従来先進統合センサーのイラストは水平尾翼機があるタイプの26DMU仕様の配置でしたが今回初めて、現在出回っているV字尾翼の24DMUの延長線にあるテンペストに似たNGFタイプで描かれている。また、次期戦闘機に関する機器等のイラストに載る戦闘機のほとんどは水平尾翼が描かれており、次期戦闘機は水平尾翼がついたタイプになる可能性が高いのではと想定していました。

まだ二転三転するかもしれないが、この水平尾翼が付いていないイラストが初めて載ったことで、私が唱えていた次期戦闘機は水平尾翼付きタイプの配置になる説の根拠が一気に弱まってしまった。次期戦闘機には水平尾翼が無いテンペストに似たNGFタイプになる可能性が若干高くなったようだ。

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次期戦闘機画像imaginary -wings さんより

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研究開発成果 No2 ステルス戦闘機用レドームに関する研究
装備開発官(航空装備担当)付第4開発室

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〇周波数特定選択板(FSS)レドーム
FSSレドーム
は特定の周波数は透過するが、それ以外は通りにくくすることで、ステルス性を高めるという。

研究開発成果 No5 推力偏向ノズルの研究
航空装備研究所 エンジン技術研究部

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推力偏向ノズルを採用することで水平尾翼や垂直尾翼をより小さくすることが可能となり、ステルス性が向上する。恥ずかしながら、
推力偏向ノズルは運動性能を高める目的は、なにもドックファイトに勝利する為だけについたものではないということを、この資料で初めて認識しました。

ゆえに、ステルス性に重点を置くならば、本設計にはいった次期戦闘機は水平尾翼が無いテンペストに似たNGFタイプを選択する可能性は高い。

その偏向ノズルを取り付けるXF-9エンジンが現有既存エンジンを押しのけモンスターエンジンであることが研究資料より明らかとなった。

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極超音速エンジンとなってくると上のグラフにあてはまらないが、少なくとも既存の第五世代戦闘機のエンジンには勝る性能である。つまり、世界No1のジェットエンジンである。
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今回XF9の発電能力が180kw級であると初めて公表された。現在ATLAで試験中のレーザー砲100kw級小型機やドローンを撃墜可能だとされるが、180kwあれば将来空対空戦闘に必要とされる能力は200~300kw、次期戦闘機は双発機であるから、十分にクリアーできる。
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仮に中国がこのXF9の設計図をハッキングして入手したとしても、素材の生産、工作技術がついていくことはできないだろう。
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動画ファイル_航装研_戦闘機用エンジンXF9の研究_地上試験状況
(YouTube防衛装備庁公式チャンネルが開きます)

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動画ファイル_航装研_戦闘機用エンジンXF9の研究_高空性能試験状況
(YouTube防衛装備庁公式チャンネルが開きます)

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研究開発成果 No4 航空機用構造ヘルスモニタリング技術の研究
航空装備研究所 航空機技術研究部

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第6世代戦闘機としての必要要件として、ウイングマン(無人機)の運用能力について。
現在次期戦闘機の開発と並行して無人戦闘機を2035年配備を目指し開発が始まった。

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imaginary -wings さんのCGにDdogが加工


今のところ次期戦闘機が単座機になると決まったわけではないが、おそらく単座機になると予想されます。

しかしながら、無人機を単座機で使いこなせるかという問題が生じます。
私の予想では無人戦闘機は遠隔操縦なしで自律飛行や戦闘が可能になると予想されてはいるが、有人機である次期戦闘機が編隊長となって、「攻撃開始」とか、「攻撃停止」「帰還」、「散開」など等最低限の指示はすると思う。無人機のAIとの意思疎通についてはは私は音声になると予想しているのですが、もしかすると脳波を介した
認識拡張技術も併用されるかもしれません。

残念ながらアムロやシャーのようなニュータイプが使うファンネルのように無人機に複雑な動きを指示するものではありませんが、機械的な
認識拡張技術が現在研究されています。

認識拡張技術

認識拡張技術

隊員の認知状況や意図を把握し、行動を支援するためのロボット等のインタフェース(BMI/BCI)の検討など隊員の認識・能力を拡張する研究を行っています。

BMI: Brain-Machine Interface
BCI: Brain-Computer Interface

BMI/BCI技術とは

BMI/BCI技術は、隊員の意図を予測する能動型と隊員の認知状況を把握する受動型に大別され、ロボット等の高知能化情報システムの操作や隊員の状況に合わせた情報提示などを可能とする脳と当該システムとの間の情報伝達方式のことをいいます。

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執筆中