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100kw級レーザ

 
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防衛装備庁技術シンポジウム2020の資料から先日レールガンの記事を書きましたが、今回は高出力レーザ兵器が日本においてもいよいよ実用化寸前であるということをまとめてみました。

現在ATLAでは100Kw級が研究開発されており、いよいよ本年度(令和3年度)より照射機が試作され実用化に向けテストが行われる。ATLAにて50kw級の照射テストが行われてきたが、50kw級で破壊出来るのは無人小型機ドローン程度である。

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100kw級で飛来するロケット弾迫撃砲弾を迎撃可能となる。亜音速の巡航ミサイルも迎撃が可能とは思いますが、実証実験次第であろう。

まずは、2021年度予算で通過した10kw級の対ドローン用と限定的だがレーザ兵器としては国内初の実用化となる。

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テロリストのドローン相手にオリンピックの警備には使えそうですが、10kwではあまりに非力。現在試作中の100kwが地上戦・師団防空用でデビューする日が待ち遠しい。

CIWSやSeaRAMの代替となるのが150~200kw級、2020年4月2日の国防総省はレーザー砲による対艦ミサイルの実用的な迎撃には300kWの出力が必要と議会へ報告しています。極超音速ミサイルの迎撃も可能となり、艦の守り神として期待される。


300kw級ともなればマストや砲塔など艦艇構造物の破壊も可能となります。弾道弾を地上から宇宙空間で迎撃するには500kw、ブースト段階の弾道弾を大気圏内で航空機や艦船から攻撃する場合、数百キロの超長距離でら迎撃する場合は1000kw=1Mw以上とされているが、日本は既に反射衛星砲の特許をIHIが取得しているので、500kw級まで開発できればブースと段階の弾道弾を迎撃することも不可能ではなくなる。



ロッキード・マーティン社は、60kwクラスの高出力レーザーシステム「HELIOS」を開発、2021年までに米海軍主力ミサイル駆逐艦アーレイ・バーク級に搭載されると報じられている。当初は60kw級だが150kwまで性能を上げる予定のとこと。



ちなみに米海軍では2020年5月16日にドック揚陸艦「ポートランド」に試験搭載されていた海軍研究局(ONR)の150kwレーザー兵器システム実証試験機「LWSD Mk2 Mod0」がドローンに対する試射を行い、撃墜に成功している。


「LWSD Mk2 Mod0」レーザーシステムは、米ノースロップ・グラマン社が開発。出力150kwの半導体レーザー砲で、米海軍が2012年から実施している「SSL-TM(Solid-State Laser Technology Maturation:固体レーザー技術成熟)計画」において開発されたものである。

日本も150kwを艦艇に搭載される日も遠くないであろう。

将来的には安価で無制限ではあるが、現時点では最も有効な化学酸素ヨウ素レーザーの場合塩素ガス、ヨウ素分子、過酸化水素水酸化カリウムの混合水溶液という化学薬品を使う発振方式だと、有限である。

レーザの分類には、レーザ光放出に用いる媒質の状態により、気体レーザ、液体レーザ、固体レーザ、半導体レーザに、発振方法により、連続して放出する CW レーザ、断続的に放出するパルスレーザに分けられる。

媒質の状態による分類例気体レーザ 液体レーザ 固体レーザ 半導体レーザがあるが、日本は、2010年(平成22年)から2015年(平成27年)にかけて小型高出力ヨウ素レーザ技術を用いた「防空用高出力レーザ兵器に関する研究」が行われた。

しかし化学レーザーでは発展性に乏しく運用面から鑑みても希土類元素を添加した光ファイバーをレーザー媒質として利用するファイバーレーザの方が優位であるため、ATLAで現在試作中の100kw級はファイバーレーザである。その具体的成果が高出力レーザー兵器(UAV対処用車載レーザ装置)と思われます。




(トピックス080 2020/06/04)

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米海軍のレーザー兵器開発試験計画
   5月16日、米海軍輸送揚陸艦LPD-27 Portlandが、米海軍研究局(ONR:Office of Naval Research)のレーザー兵器システム実証試験においてドローンに対する射撃実験を行い、撃墜に成功したと報じられた1。Portland艦長サンダース大佐(CAPT. Karrey Sanders)は声明で、飛行中の物体をも破壊しうる高エネルギーレーザー兵器の実験成功により「我々は潜在的な脅威に対抗しうるこの兵器の貴重な情報を得ることができるだろう」と説明、新たな先端的能力を踏まえ、米海軍における海上戦闘の再定義を図るとも述べた2。
   試験に用いられたレーザーシステム「LWSD Mk2 Mod0」は、米ノースロップ・グラマン社の開発による出力150kwの半導体レーザー砲で、米海軍が2012年から実施している「SSL-TM(Solid-State Laser Technology Maturation:固体レーザー技術成熟)計画」において開発されたものである。このSSL-TM計画の焦点はもともと、爆発物、ISR無人機、安価な武装ドローン、小型自爆ボートなどの脅威に対処することを目標とするものであった3。
   Portlandに先立つ2014年、SSL-TM計画において米海軍は、米レイセオン社製出力30kw級のレーザー兵器システム「AN/SEQ-3 LaWS」を輸送揚陸艦LPD-15 Ponceに搭載し、実射試験において移動中の水上/空中の小型ドローンへの命中及びその一部の破壊に成功、Ponceはこのレーザー砲とともに2017年までペルシャ湾へ展開された4。当初のSSL-TM計画の目標から、Ponceのこの実戦配備の事実をもって、SSL-TM計画はその初期において早くも目標を達成したかに見えた。

顕在化する脅威への対処
   しかし、SSL-TM計画はその後も更新され継続されている。さらに多様な脅威への対処を目標として、PonceからPortlandへとプラットフォームを移し、より高出力での試験が引き続き行われている。Ponceの30kwに比して、今回の150kwという出力は飛躍的に伸びたと言うことができよう。それ以上となると、例えば巡航ミサイルや、マスト・砲塔など水上艦艇構造物の破壊には約300kw、弾道ミサイルの破壊には500kw以上が必要とされる。したがって、今回Portlandによって試験に成功した150kw級レーザーの有効な攻撃対象は、大型ドローンやRHIB(Rigid-hulled inflatable boat:複合型高機動艇)程度まで向上したと考えられる。4月2日米国防総省から米議会への報告書にも「実用的な対艦ミサイルの迎撃には300kwが必要」とある5。現在のSSL-TM計画によれば、2022年までに300~500kw級レーザーをDDG-51 Arleigh Burkeに、2025年以降には1MW級レーザーを水上艦艇や空母に搭載する計画とされている6。
   500kw級や1MW級もの大出力レーザー砲が睨む先には何があるのか。それは、中国が所有するYJシリーズやロシア製モスキートなどのASCM(対艦巡航ミサイル)7、CM-401、DF-21やDF-26などのASBM(対艦弾道ミサイル)8、それらのMaRV(Maneuvering Re-entry Vehicle:機動型弾頭)及びその複数化弾頭、スウォームUAVなど、増大するA2/ADの課題の中で顕在化しつつある中国の潜在的脅威9であろう。
   複雑な3次元経路を飛翔しながら近接するASCMに対しては、極めて短いリアクションタイムの中で確実に撃破できるだけの高エネルギーが必要である。また、マッハ5超の高速で迫るASBMを破壊/無力化するためには、狭帯域に高密度のレーザーを収束させた上、これを超高速で飛翔中の目標に一定時間以上照射し続けなければならない。加えて、複数化弾頭やスウォームUAVに対処するためには、レーザーパルス間での再充電若しくはレーザーシステムの複数装備が必要となる。さらに、新たなゲームチェンジャーと認識される極超音速飛翔体の開発が中国でも進めば10、高出力レーザーのニーズはさらに高まるであろう。
   このように、米海軍は実行可能な技術的ロードマップの下、高出力レーザーの実戦配備を着実に目指している。冒頭Portland艦長に言を俟つまでもなく、これをもって米海軍は中国との海上戦闘におけるイニシアチブを握ろうとしているとも言えるのではないだろうか。

実用段階に入った中国・ロシアのレーザー兵器
   一方、中国やロシアのレーザー兵器についてはどうか。
   中国については、2019年の米国防長官から米国議会への年次報告「中華人民共和国に関わる軍事・安全上の展開2019」の中で「人民解放軍は、指向性エネルギー兵器・地上配備型レーザーの開発などにより、破壊的な潜在力を持つ先進的な軍事能力を追求している」と指摘されている11。
   中国のレーザー兵器開発状況の詳細については情報開示に乏しいが、中国軍が既に限定的な軍用レーザーを運用していると思われる事例はいくつか報道されている。2018年4月、アフリカ・ジブチの中国軍基地から米輸送機C130へ軍用レーザーが照射されて乗員2名が目に軽傷を負い、米国務省が正式に中国政府に抗議した12。また2020年2月、グアム沖の公海上において、中国海軍052D型駆逐艦から米海軍P-8A哨戒機に対して軍用レーザーが照射され、米海軍当局が正式に中国に抗議している13。
   ロシアの状況についても不透明であるが、2018年にレーザー兵器「ペレスヴェート」が実戦配備されたとの報道がなされている14。大型トラックに牽引されたコンテナ様の筐体に搭載された外観以外、能力等の詳細は不明であるが、プーチン大統領は「(ペレスヴェートの)開発によって大きな成果が得られた。これは単なるプロジェクトでもなく、始まりでさえない。軍は既にシステムを受け取った」と述べている15。
   米国はまた、中ロ両国が、米国安全保障上のバイタルノードである人工衛星に対し、レーザー兵器によってその稼働の妨害、弱体化、破壊を目指す公算が大きいと見ている。米国防総省は、中国が2020年中に低軌道人工衛星のセンサーを攻撃できるシステムを導入、ロシアが航空宇宙軍に配備しているレーザー兵器を人工衛星搭載センサーの破壊目的に運用しようとしているとの見通しを、それぞれ明らかにしている16。

おわりに
   このように、レーザー兵器の実戦への投入はもはや「始まりでさえない」。ステルス機やUAV同様、レーザー兵器は既に現実のバトルフィールドに登場し戦力化されているウェポンである。今後とも、米中ロによるレーザー兵器のさらなる高出力化、多用途化の開発はより一層加速するだろう。
   高出力化・多用途化のためには、効率的なレーザー増幅システムの実現、電力源部における充電→放電(レーザー照射)→再充電にかかる費消時の短縮、放熱/冷却機能、バッテリーのマガジン化/セル化、システム全体の小型化/軽量化など、ブレイクスルーが必要な技術的課題がまだ山積している。特に、所望のレーザー出力を得るためにはその3倍の電力供給能力が必要とも言われ17、パワーソース確保のために必要な大規模な電源設備及び関連システム所要のため、目下のところは地上配備型か、搭載プラットフォームが限定される。
   しかし、やがて将来、各プラットフォームが従来火砲に代わって軽量大出力レーザーを主力兵装とする日が、必ずや到来するであろう。
   我が国の多次元横断(クロス・ドメイン)防衛構想において“技術的優越の確保及び研究開発の推進にあたり重点的に資源配分すべき研究分野”と位置付けられているエネルギー兵器18。その研究開発の推進にあたっては、米国等の同盟国・友好国との技術協力・共同研究開発も極めて重要である。

(海上自衛隊幹部学校 未来戦研究室 遠藤 友厚)




(9)高出力レーザに関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 電気エネルギーで励起する高出力レーザは、取扱いの容易さから、様々な場面での活用が期待されています。

 固体レーザの分野では、これまで様々な材料が単結晶あるいはセラミックスの形で用いら
れており、過去、諸外国において多大な時間を投じて探索されましたが、潜在的に有望な特性を持つ材料がいまだに発見されていない可能性もあることから、各種レーザ発振媒質を中心とした光学材料に関して、幅広い要素技術に関する研究が進められています。

 また、レーザ加工用光源や個体レーザの励起用光源等として使用できるファイバーレーザや半導体レーザについても能力向上の重要性は高まっています。

 他方、高出力で発振させたレーザを低損失のまま伝えるエネルギー伝送技術も重要であり、高出力レーザに寄与する新たなアイディアによるエネルギー伝送技術の研究も進められています。

 本研究テーマでは、マテリアルズインフォマテイクス的手法を用いた新材料の発掘、既存の材料を用いた革新的なレーザデバイスの研究や、高出力レーザのためのエネルギー伝送技術を含めて、将来の高出力レーザの実現に向けた新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。



執筆中