image032
回転翼哨戒機(能力向上型)の試作機



三菱重工業は本日、回転翼哨戒機(能力向上型)の試作機の飛行試験を開始しました。
image032
回転翼哨戒機(能力向上型)の試作機

本日の試験では、当社のテストパイロットが試作機を操縦し、県営名古屋空港(愛知県西春日井郡豊山町)において約30分間のホバリングを行った後、無事同空港へ着陸しました。

この回転翼哨戒機(能力向上型)は、防衛装備庁との契約に基づき、2015年より同空港に隣接する名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場において当社が開発に携わっているもので、2001年8月に初飛行した海上自衛隊向け回転翼哨戒機「SH-60K」をベースに、搭載システムや飛行性能などの能力向上を図った最新鋭のヘリコプターです。今後、2021年度の防衛装備庁への納入に向け、引き続き飛行試験を実施する計画です。

三菱重工業は今後も、防衛・宇宙関連技術の研鑽・発展に邁進し、事業を通じて日本の安全保障へ貢献していきます。
本日の試験では、当社のテストパイロットが試作機を操縦し、県営名古屋空港(愛知県西春日井郡豊山町)において約30分間のホバリングを行った後、無事同空港へ着陸しました。



image031
三菱重工が飛行試験を始めたSH-60K能力向上型の試作機(防衛装備庁の資料から)
かねてよりATLAでは、主力回転翼哨戒ヘリSH-60Kを改良した能力向上型の回転翼哨戒ヘリの開発が行われていました。

image039

浅海域を含む我が国周辺の海域において対潜戦の優位性を確保するとともに、海賊対処をはじめとする近年の我が国周辺における各種事案に適切に対応していく必要があるため、これら情勢に対処しうる能力を付与したのがSH-60L (SH-60K 能力向上型)である。

SH-60L (SH-60K 能力向上型)は、潜水艦の静粛化・ステルス化に対応し、浅海域を含む日本周辺海域で対潜戦の優位性確保と、海賊対処を含む日本周辺での各種事案に対応できる能力を持つ。

開発事業は2015年度から2020年度までの装備品を含む飛行試験機の試作段階を終え、2020年度から2022年度にかけて技術・実用試験が実施される計画である。今回の初飛行を皮切りに、開発・搭載される電子機器や地上との連携などの技術・実用試験が本格化する予定である。

私が気が付いた外観的特徴は1か所のみ(試験用ピート菅を除く)

形状変化箇所

image087

60Lには後部ESMアンテナの下に、60Kにはない突起物が両側にあります。
これが何かはいまのところ不明ですが、高速大容量のリンク用に新たに装備された適応制御ミリ波ネットワ-クシステム用アンテナの可能性が高い。


image084

近年のネットワーク中心の戦いにおいて、増大する通信所要に対応するため、ミリ波帯において、高速大容量移動通信を実現するための通信システムです。

GaN(ガリウムナイトライド)増幅器を用いたアクティブ・フェーズド・アレイ空中線と通信制御技術を組み合わせることにより、マルチアクセス、マルチホップ可能なミリ波高速ネットワークの構築を実現します。

この試作機は防衛省へ納入された後、海上自衛隊厚木航空基地で性能確認試験が実施される予定。性能確認試験は2機で、2021年度から2023年度に実施します。厚木では2日から3日に1回の頻度で飛行する予定。厚木基地で性能確認試験を実施する理由は、SH-60Kの後方支援能力があり、艦艇配備先の横須賀基地に近いことなどが挙げられている。

SH-60L (SH-60K 能力向上型)

<主要諸元>
全長(m):19.8m
全幅(m):16.4m
全高(m):5.4m

世界最強クラスの対潜能力を誇る我が国の海上自衛隊は、日本近海はほぼ敵潜水艦の隠れ潜むことは難しい状況となっている。

しかしながら、仮想敵国 特にロシアの静粛化は著しく、これに対処する為に海自はマルチタックス戦術を用いはじめた。これで潜水艦の最大の優位性である水面下に隠れるという戦術ができないくなる。

image043
https://www.mod.go.jp/atla/research/gaibuhyouka/pdf/MultiStaticSonar_19.pdf

マルチタックス戦術とはアクティブソナーから発射された音波を複数の艦の複数のソナーが受信し、データリンクし目標潜水艦の位置を特定する戦術である。

SH-60L (SH-60K 能力向上型)の登場で、マルチタックス戦術にマルチタックス適用ソナーと中継用にも使える適応制御ミリ波ネットワ-クシステムを搭載しデータリンクも行う対潜ヘリが加わることとなり、更に広範囲の海域をマルチタックスで索敵可能となる。

特に特定することが難しい沿岸浅海域においてマルチタックスは能力が生かされるといい、これで日本近海域だけでなく中国の沿岸大陸棚の浅海域においても中国潜水艦は海自にその位置を特定されることとなる。ただでさえ世界最強能力を誇る海自の対潜能力だが、マルチタックスが可能なソナーを搭載したSH-60L (SH-60K 能力向上型)の登場で中国潜水艦にとっては更に逃げ場所がなくなることとなる。