令和6年度概算要求の概要 と令和5年度 事前の事業評価 評価書一覧」が発表され、新たな新兵器の開発研究の概要が掲載されている。

image229
統合防空ミサイル防衛のイメージ (HGV、弾道ミサイル迎撃のフェーズ) 

極超音速滑空体( Hypersonic glide vehicle, HGV) 極超音速巡航ミサイル(HCM=Hyper-Sonic Cruise Missile)の迎撃にむけ「新艦対空誘導弾」「新艦対空誘導弾(能力向上型)」「03式中距離地対空誘導弾(改)」03式中距離地対空誘導弾(改)能力向上型」長射程迎撃ミサイル(AD-SAM:AreaDefence-Surface-to-Air Missile)/日米共同開発の極超音速滑空迎撃ミサイルGPIGlide Phase Interceptoが担当する。
陸上自衛隊の03式中距離地対空誘導弾(改)に大型ブースターを装着して長距離艦対空ミサイルとしたものです。そして改良型の新艦対空誘導弾(能力向上型)はサイドスラスター装備と明記されました。

 であるならば、03式中距離地対空誘導弾(改)の改良型「03式中距離地対空誘導弾(改)能力向上」もサイドスラスター装備ということになります。03式中距離地対空誘導弾(改)能力向上にサイドスラスターを装備する計画があり、新艦対空誘導弾(能力向上型)AreaDefence-Surface-to-Air Missile)/日米共同開発の極超音速滑空迎撃ミサイルGPIGlide Phase Interceptoがが同時に開発される流れなのでしょう。

まず一番低空で近距離PAC3担当域を03式中距離地対空誘導弾(改)と新艦対空誘導弾が担当し、その外側成層圏THAADミサイル担当空域を新艦対空誘導弾(能力向上型)」と「03式中SAM改・能力向上型」が成層圏~宇宙空間をAreaDefence-Surface-to-Air Missile)/日米共同開発の極超音速滑空迎撃ミサイルGPIGlide Phase Interceptoが極超音速滑空体( Hypersonic glide vehicle, HGV) 極超音速巡航ミサイル(HCM=Hyper-Sonic Cruise Missile)を迎撃する。

HGV等対処能力の獲得HGV等の攻撃に対し、地上の被害を局限し得る高度以上で対処できる能力を獲得 BMD体制強化への寄与 JADGEによる一元的な 指揮統制下に新たに加入し、 HGV等の攻撃に対する 多層防衛体制の強化に寄与
03式中SAMシリーズ開発の流れ
03式中SAM 2003年正式採用
03式中SAM(改)2017年正式採用
新艦対空誘導弾2024正式採用予定
03式中SAM(改)能力向上「早期研究開発分」 
03式中SAM(改)能力向上「新規研究開発分」 ※2028年開発完了予定
image241

新艦対空誘導弾(能力向上型) ※2031年開発完了予定

image218
防衛省より令和4年度の事前の事業評価「03式中距離地対空誘導弾(改善型)能力向上」と令和5年度の事前の事業評価「新艦対空誘導弾(能力向上型)」の開発スケジュール。


image221

新艦対空誘導弾(イメージ)

image276
長射程迎撃ミサイル(AD-SAM:AreaDefence-Surface-to-Air Missile)


ATLAでは極超音速飛翔体(滑空弾)迎撃用ミサイル開発を開始していました。


高高度迎撃用飛しょう体技術の研究

高々度迎撃用技術の研究

image213


高高度領域における弾道ミサイルへの迎撃機会を拡大するとともに低軌道弾道ミサイルや高速CMの対処を可能とするため、推力制御、サイドスラスタ等を含む誘導制御技術の研究を行っています。

弾道ミサイル等を迎撃するためには、迎撃する側のミサイルを高い精度で目標に誘導する必要がありますが、高高度領域では空気が薄く空力操舵による機体制御ができないため、空力操舵に依らないミサイルの機体制御技術が必要です。

image211

「高高度迎撃用飛しょう体技術の研究」においては、ミサイルの機軸と直交方向にガスを放出することにより操舵力を発生させるサイドスラスタに加え、推進装置であるロケットモータの推力の発生方向をジェットタブと言われる小さな弁体を用いて偏向する推力制御を組み合わせた機体制御技術の実現を目指しています。

低RCS対処ミサイル誘導制御技術の研究



近年、戦闘機や攻撃機は敵のレーダに発見されないようステルス性を向上させています。このようなステルス機にミサイルを誘導する際には、ミサイルがステルス機を捕捉し追尾する距離が従来より短くなってしまい、ステルス機がミサイル回避のため旋回してしまうとステルス機を迎撃することが難しくなります。

 「低RCS対処ミサイル誘導制御技術の研究」では、ステルス機の位置や速度等の観測情報を基に未来の運動を予測するとともに、モデル予測制御を応用して、ステルス機へのミサイル会合シミュレーションを行い、最適制御による制御量の導出を反復して効率的な接近経路を計算することにより、ミサイルでステルス機を迎撃することを可能にする技術の獲得に取り組んでいます。

image215

令和6年度概算要求の概要 と令和5年度 事前の事業評価 評価書一覧」が発表され、17種類の新兵器の開発研究の概要が掲載されている。 その中の「11、新艦対空誘導弾(能力向上型)」「12高速高機動目標対応レーダの開発」が該当します。

11新艦対空誘導弾(能力向上型)要旨本文
12高速高機動目標対応レーダの開発要旨本文
 新艦対空誘導弾(222億円)護衛艦部隊の防空能力を強化するため、長射程の艦対空誘導弾 新艦対空誘導弾(イメージ) が掲載された。
image221
 新艦対空誘導弾(イメージ)

2024年に正式採用予定の「新艦対空誘導弾」が改良型の開発が始まったと言うよりようやく表に出たわけです。当ブログで妄想全開で 極超音速飛翔体(滑空弾)迎撃用ミサイル開発開始 ATLA 新型短距離弾道ミサイル対処能力を有する地対空誘導弾システム 募集といった記事を書いたりしていた「新艦対空誘導弾」はと、陸上自衛隊の03式中距離地対空誘導弾(改)に 07式垂直発射魚雷投射ロケットの大型ブースターを装着して長距離艦対空ミサイルとしたものです。

 新艦対空誘導弾は03式中距離地対空誘導弾(改)に大型ブースターを装着して長距離艦載SAMとしたものだが、程距離はTwitterSM-2ERブロック4 (射程370.4 km)並み」ではなく「SM-6(最大射程:約370km以上最大射高:30km以上)並み」というのが不確かながら新艦対空誘導弾の射程距離に関する唯一の情報である、

事業評価には新艦対空誘導弾(能力向上型)への改良内容が掲載されている。
要旨

航空機や誘導弾の低RCS(※)化等の技術進展が見込まれる将来 の戦闘様相において、我の水上艦艇部隊に指向する戦闘機や爆撃機、 高高度から高速で侵入する対艦ミサイル等の脅威に対して優位性を 保持するため、新艦対空誘導弾の能力向上型を開発する。 (※) RCS(Radar Cross Section):レーダ反射断面積 ○ 総事業費(予定) 約584億円(試作総経費) ○ 実施期間 令和6年度から令和12年度まで試作を実施する。また、本事業成 果と合わせて、令和10年度から令和13年度まで各種試験を実施 し、その成果を検証する(試験のための試験研究費は別途計上する。)。 ○ 達成すべき目標 ア 高速目標の経路予測技術の確立高速目標の追尾技術の確立

各国で開発が進められている航空機や誘導弾は低RCS化等の多 様な能力向上が見込まれている。特に、高高度から高速で侵入する対 艦ミサイル等の脅威に対しては、従来の汎用護衛艦の誘導武器システ ムでは十分な対処が困難になりつつある。 このような脅威に対処するため、新艦対空誘導弾をベースとした能 力向上、具体的には、誘導弾が目標の軌道変化に追尾/応答するため のシーカー/サイドスラスタ技術を確立し、日本周辺海域に展開し各 種任務に当たる汎用護衛艦の作戦能力の向上を図る。 ○ 効率性 「新艦対空誘導弾」の成果を最大限に活用することにより、設計及 びブースタ等の構成品に係る経費・期間を抑制する。また、既存技術 及び民生品を積極的に活用し、技術的なリスクの低減を図ることによ り、開発に係る経費・期間を抑制する。 ○ 有効性 海上優勢の獲得及び維持等の諸作戦に従事するにあたって、汎用護 衛艦に装備し、多様な経空脅威から自艦及び近傍の味方の艦艇を防護 することが可能となる。 ○ 費用及び効果 本事業の実施にあたっては、先行開発成果等を最大限活用すること で、研究開発経費の削減が見込まれる。

 新艦対空誘導弾(能力向上型)開発で達成すべき目標としては、「高速目標の経路予測技術の確立」と「高速目標の追尾技術の確立」があげられており、追尾技術の確立としては「高高度から高速で侵入する目標を撃墜するため、誘導弾が目標の軌道変化に追尾/応答するためのシーカーとサイドスラスタ技術を確立する」としている。
高速高機動目標「12高速高機動目標対応レーダの開発」もセットで開発される。
高速高機動目標対応レーダの開発要旨 本文

image227
○ 必要性 低RCS化かつ高速高機動する脅威の開発が進んでおり、現有のレ ーダでは対応不可能なため、これに対応可能なレーダが必要である。 また、当該脅威に対処するために必要なリアクションタイムを確保す るため、送信電力の大出力化及び艦規模に応じた空中線の装備によ り、レーダ距離を大幅に延伸する必要がある。 本レーダは令和13年度に建造予定の護衛艦への搭載が予定され ており、関連事業である「護衛艦用新戦闘指揮システムの研究」及び 「新艦対空誘導弾(能力向上型)の開発」との連携を緊密に図りなが ら本事業を完遂するためには、最低でも試作期間5年、試験期間2年 必要であるため令和6年度からの着手が不可欠である。 現有の艦船搭載用レーダでは、低RCS化かつ高速高機動する脅威 に対処するため、探知距離を確保することができないことから、代替 手段はない。 ○ 効率性 民生品の活用による開発費抑制、レーダ高出力化に対応する窒化ガ リウムの採用、国内技術基盤の強化、技術試験と実用試験の同時実施 等により、早期装備化を追求する。 ○ 有効性 高速高機動目標対応レーダを搭載する護衛艦は低RCSかつ高速 高機動する脅威目標に対処するため、防護対象から遠距離にて目標を 探知し、対処可能となる。 ○ 費用及び効果 本事業は、令和3年度から令和5年度にかけて実施中の「高速高機 動目標追尾実験装置の研究試作」で得た成果を活用するとともに、民 生品の活用により研究開発経費を抑制する。





 サイドスラスターを装備する目的は弾道弾とロシアの極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」や中国の対艦弾道ミサイル「東風21D」「東風26B」、極超音速滑空ミサイル「東風17」の対艦型北朝鮮の極超音速ミサイルなど極超音速兵器が迎撃目標である。

 これは03式中距離地対空誘導弾(改)能力向上もサイドスラスターを装備することを意味し、開発の順序から、まず03式中距離地対空誘導弾(改)能力向上にサイドスラスターを装備し、次いで新艦対空誘導弾(能力向上型)にも適用するという流れになると見られる。汎用護衛艦に装備 し、多様な経空脅威から自艦及び近傍の味方の艦艇を防護するこ

令和5年度 事前の事業評価 評価書一覧
17GPIの共同開発 
要旨  本文

令和6年度概算要求の概要の15/54 35/54にさらっと

○ GPIの日米共同開発(750億円)
極超音速滑空兵器に対し、滑空段階において対処するための誘導弾を日米共同により開発。
※ GPI:Glide Phase Interceptor
(3)HGV等対処能力(統合防空ミサイル防衛能力)
○ GPIの日米共同開発(750億円)【再掲】


●GPIの日米共同開発に750億円

image224

日米が2030年代前半での開発完了を目指すGPIのイメージ図(レイセオン)


超音速防御用のグライドフェーズインターセプター

「統合防空・ミサイル防衛」 

GPIとはGlide Phase Interceptorの略語で、マッハ5以上で飛行する極超音速滑空ミサイルを迎撃する滑空段階迎撃用誘導弾のことだ。防衛省によると、両国は2030年代前半にこの開発を完了する計画だ。

防衛省によると、米国では今、レイセオンとノースロップの2社と契約の上で、両社を競合させてコンセプト検討などを実施中で、高性能で低コストのGPIを開発することを目指している。開発段階でその2つのコンセプトから1つを決定する。その決定を行うのが2030年ごろと言われている。

防衛省は、今回要求した750億円がGPIの基本設計段階の2つのコンセプトにおいて、日本側が担当する部位の試作や製造、試験のための経費だと説明した。しかし、両社どちらかの選定結果にもより、全体的な経費は未定のままだと述べた。

その上で、防衛省担当者は「あくまで予定だが、日本側はロケットモーター(1段目)とかキルビークル(2段目)の推進装置を主に担当する予定。2030年代前半での開発完了を目指している。部隊配備はまだ先のことで時期は決まっていない」と述べた。

極超音速滑空体( Hypersonic glide vehicle, HGV) 極超音速巡航ミサイル(HCM=Hyper-Sonic Cruise Missile)をできるだけ早く遠距離で処理する為米軍は地球低軌道上に赤外線センサーを搭載した小型衛星を数百基配備してHGVの検出と追跡を行う予定です。




GPIの交戦距離は400km以上(開発を進めているSM-6BlockIBの交戦距離は推定300km以上)に設定されている可能性がある




日本は長射程迎撃ミサイル(AD-SAM:AreaDefence-Surface-to-Air Missile)の開発を準備中だが米国の極超音速滑空迎撃ミサイルと共同開発開発するのは自然なながれだと思う。



令和5年度 事前の事業評価 評価書一覧
17GPIの共同開発要旨本文

GPI(Glide Phase Interceptor:滑空段階迎撃用誘導 弾)
image264

我が国の重要防護施設及び水上艦艇部隊に指向される、高速高機動かつ非放物線軌道の極超音速兵器等に対し、従来の防護体制では、対処可能時間が限られ、迎撃が困難になりつつある。
このため、本誘導弾による滑空段階での対処に加え、他のアセットによる終末段階での対処を行うことにより、縦深的な防空能力を整備する必要がある。また本件は、日米共同開発を前提としており、設計参画による技術基盤の強化を狙う。
◆当該年度から実施する必要性米国は令和10年度頃にPDR(※)の実施を計画している。日本側担当の構成品をこれに間に合わせ、共同開発を成立させるためには、当該年度に着手する必要がある。
(※) PDR(Preliminary Design Review):米国における基本設計審査
◆代替手段との比較検討状況
高速高機動かつ非放物線軌道の極超音速兵器等に滑空段階で対処可能な装備品は存在しないことから、代替手段はない。また、本件は、類似の装備品が無く、新規の開発となるため、既存装備品の改良・改善による実現は困難である。
効率性
「新弾道ミサイル防衛用誘導弾の試作」の成果を最大限に活用することにより、開発に係る経費・期間を抑制する。また、日米共同開発により、役割を分担し、必要経費を抑制する。加えて、日米共同開発の特性を生かし、米施設を活用し、試験データを効率的に取得することで試験期間を短縮する。
有効性
早期警戒衛星群を活用して、早期に目標の探知情報を入手し、イージス・システムを搭載した艦艇からGPIを用いてこれを迎撃し、我が国の重要防護施設及び水上艦艇部隊を防護する。
この際、本誘導弾システムは、可能な限り遠方にて対処することで迎撃機会を確保し、確実な迎撃に寄与する。
イメージ図を観る限りGPI搭載艦、イージスアショアではないが、PAC-3 MSE陸上車輛/基地からも発射され原発他の重要防護施設及び水上艦艇部隊に指向される、高速高機動 かつ非放物線軌道の極超音速兵器等に対し、滑空段階(※)における 迎撃能力向上のための誘導弾を開発する。
まず一番低空で近距離PAC3担当域を03式中距離地対空誘導弾(改)と新艦対空誘導弾が担当し、「SM-6(最大射程:約370km以上最大射高:30km以上)並み」その外側成層圏THAADミサイル担当空域を新艦対空誘導弾(能力向上型)」と「03式中SAM改・能力向上型」がその外側400km以上成層圏~宇宙空間をAreaDefence-Surface-to-Air Missile)/日米共同開発の極超音速滑空迎撃ミサイルGPIGlide Phase Interceptoが極超音速滑空体( Hypersonic glide vehicle, HGV) 極超音速巡航ミサイル(HCM=Hyper-Sonic Cruise Missile)を迎撃する。
 一般に、日本の弾道ミサイル防衛体制は、①早期警戒衛星による発射探知、②イージス艦による目標探知・識別・追尾、③イージス艦に搭載されているSM-3ミサイルによるミッドコース段階(大気圏外)での迎撃、④PAC-3ミサイルによるターミナル段階(高度十数km)での迎撃、の4段階からなる。
 ではその最終防衛ラインであるPAC-3の配備状況はどうか。日本が保有するPAC-3は航空自衛隊の高射部隊(24個高射隊と高射教導群)に配備されている。PAC-3の射程は発表されておらず、自衛隊はウェブサイト上で数十kmとしている2)。ただ、軍事業界紙は通常のPAC-3は20km(12マイル)、改良型のPAC-3MSE(Missile Segment Enhancement:ミサイル部分強化型)は35km(22マイル)3)、米軍の準機関紙 Stars and Stripesは29km(18マイル)としている4)。なお自衛隊は中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)5)や中期防衛力整備計画(平成 31 年度~平成 35 年度)6)でPAC-3MSEの配備を進めると記載しており、いわゆる防衛3文書の一つ「防衛力整備計画」7)でも、数値目標の記載はないが、「必要な数量を早期に整備する」としている。

原発とPAC-3
 では、実際にPAC-3は原発や原子力関連施設のミサイル防衛に役に立つのかを検証するために、地図上にPAC-3配備部隊の駐屯地を中心に半径35kmの円を描き、原発と六ヶ所再処理工場の位置をプロットした。
 結果、驚くべきことに、PAC-3の射程を35kmと仮定した場合、その範囲内に入っている原発は一つも存在しないことが分かった。たとえば、稼働中の九州電力川内原発最寄りのPAC-3配備部隊駐屯地は高良台分屯基地(福岡県久留米市)だ。同基地は川内原発からは直線距離で約160kmになる。日本最大の原発である柏崎刈羽原発や稼働中の伊方原発、再稼働を計画している女川原発や島根原発も同様にPAC-3はかなり離れた場所に配備されている。若狭湾でさえ、範囲内に入る原発は一つもない。
 PAC-3はトラックに積まれているため、もちろん移動は可能だ。起動展開訓練も行われている。しかし、政府は「北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、日本に飛来する場合、極めて短時間で日本に飛来することが予想」「北朝鮮西岸の東倉里(トンチャンリ)付近から発射された弾道ミサイルは、約10分後に、発射場所から約1,600km離れた沖縄県先島諸島上空を通過」8)と説明している。検知してから原発の防衛のために移動して間に合うのだろうか。
 さらに問題なのは、六ヶ所再処理工場が無防備だということだ。六ヶ所再処理工場は実際に商業的な再処理が開始されれば、莫大な放射性物質を抱え込むことになる施設だ。これが破壊されれば、日本壊滅に至りかねない。近隣には米軍三沢基地があり、米軍機の墜落といった事故も起きている。フランスのラ・アーグ再処理施設は地対空ミサイルが配備されることがあり、施設の危険度の高さを物語る。
 PAC-3の配備が原発と関係ないように見えるのは当然で、基本的にPAC-3は自衛隊の基地防衛のために配備され、例外的に市ヶ谷の防衛省に配備して都心を防衛している。だからPAC-3で原発防衛などと言うのは、現時点では実効性が全くなく、やってる感を出しているだけでしかない。   

図:原発立地地点とPAC-3配備基地35km圏(沖縄県除く)
image268
図:原発立地地点とPAC-3配備基地35km圏(沖縄県除く)