Ddogのプログレッシブな日々@ライブドアブログ(仮)

政治経済軍事外交、書評に自然科学・哲学・聖地巡礼・田園都市ライフ、私の脳の外部記憶媒体としてこのブログに収めています。日々感じること、発見したことを記録していきます。同時にそれが、このブログをご訪問していただいた方の知識や感性として共有できれば幸せに思います。

カテゴリ: 為替談議 為替相場




まだ生きていたのかジム・ロジャーズ
いまだに、日本でも少数ながら信者がいるから実に不思議だ

最近ジム・ロジャースは、北朝鮮が崩壊し韓国と統一する統一朝鮮の誕生を夢見ているようだ、そして世界中が おでん文字のハングルなんかを学ぶんだとwww(爆)
ジムおじさん、そんなことを言う人を日本語では「ほらふき」って言うんだぜ!

投資専門家の予測が当たらない理由 大資産家は損をしない
【世界のニューストトメスⅤ】2020年07月06日17:00

ジム・ロジャースの予言は当たらないので有名

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引用:http://kinyu-arekore.net/wp-content/uploads/2016/02/jimu2016.jpg


アナリストの予想は逆になる

2020年にコロナ騒動で世界の株式市場が混乱して、個人投資家や専門家を慌てさせている。

大騒ぎした割には各国の経済対策が功を奏して株価は下がらず、為替相場も変動していない。

日経平均は2万円を回復してコロナ前と変わらないし、NYダウは2万ドル半ばを保ち最高値を更新した銘柄もありました。


 
専門家は「経済崩壊確実」「世界は大恐慌に突入」と言っていたが、今のところそうなってはいません。

専門家の予想には法則性があり、下げた日は「崩壊だ」と叫び、上げた日は「力強い」などと言います。

経済メディアやエコノミスト、投資の専門家は少しでも上昇すると「上げ相場だ」と言い、少し下げると「下げ相場だ」と言っているだけです。


XXX銀行チーフエコノミストのような立派な肩書きを書いていても、やっている事はオウムと一緒で、早くAIで自動化したほうが良い。

オウムよりはしっかりした著名投資家や投資機関は中長期の見通しを発表するが、これがまた当たらない。

世界一の投資会社はゴールドマンサックスで、取引高は国家を遥かに上回る数千兆円とも言われていて、さぞ的確な予想をしているだろうと想像する。


だが2011年に東日本大震災が起きた後、GSの責任者は「日本売りで年末には1ドル195円を超え、国債大暴落が起きる」と言っていました。

現実には日本国債は大暴落どころか大人気でマイナス金利になり、年末に1ドルは80円でした。

予想の上手さと投資成績は無関係

GSの経済予想を時系列で並べても当たった例はほとんど無く、わざと逆の事を言って騙そうとしているのではという邪推すら起きてくる。

世界一の投資家のWバフェットも同様で、2008年の北京オリンピックの頃「中国の一人当たりGDPはアメリカ人と同じになり、中国のGDPはアメリカの5倍になる」という計算を披露しました。

この計算では中国の経済規模は日本の10倍になるが、現実には「水増し」を差し引くと未だにアメリカの半分、日本の1.5倍程度で頭打ちになっています。


バフェットと共に大投資家として名高いJソロスはトランプ大統領当選でドルが暴落すると予想したが、逆にドル高株高になって数千億円も損をしたとされています。

ソロスは2016年に中国人民元暴落も予想し、少しは下げたのだが暴落はしなかったので、これも儲からなかったでしょう。

冒険投資家Jロジャーズも2008年ごろは「子供を中国に移住させ、自分も中国人になるつもりだ」と述べるなど大変な入れ込みようだった。


ロジャーズは「中国人はアメリカの4倍いるのだから4倍のガソリンを消費し、4倍の買い物をする」だから中国人になれば世界一の投資家になれると言っていました。

その後中国の失速が明らかになるとロジャースは中国の話をしなくなり、ベトナムとかミャンマーとか怪しげな国を「将来有望だ」と言っていました。



大恐慌でも投資家の財布は痛まない

このように経済専門家や投資専門家、アナリストから世界最大の投資機関まで、彼らの予想は99%まで外れる事になっていて、一般の人と同じレベルです。

それでもバフェットやソロスやGSは、我々一般人の年収を数分で稼いでいるので、相場の予想と投資で稼ぐのは無関係だと分かります。

彼らが運用する数兆円というような金額になると、「どこにいくら配分するか」という運用配分が重要になります。


どの国の株式に何%、どの国の国債にそれぞれ何%、あるいは成長分野の企業買収とか、細分化することで「絶対に損をしない」ようにします。

例えばリーマンショックの時ですら、世界全体では1年だけ0.05%マイナス成長だっただけで、分散していれば打撃を受けなかった筈です。

こうした事がお金持ちや大投資家の投資なので、予想が当たろうが外れようが、彼らの資産は守られているのです。


自分でリスクを負っているようで、実は株価が半分になっても、資産は保護される仕組みになっています。

一般の個人投資家はそうではなく、日経平均やNY株が1割も下がったら、資産の大半を失う人が続出します。

お金持ちや投資機関責任者の発言を真に受けると、個人投資家は酷い目に遭うでしょう。





なんか正直、信用できない感がスゴいです。辻褄が合わないので、その場のノリで言ってる可能性もありそうな気がしてきました。

ジム・ロジャーズの言うことはまったく役に立たないどころか、辻褄があわない話で、ホラ話なのだが、未だマスコミに取り上げられたり、中には信者がいて神のごとくあがめているような人がいるから驚きだ。

ジム・ロジャーズの肩書きは、「三大投資家の1人、ジム・ロジャーズ」だ

確かにジョージ・ソロスと組んで1973年から運用を開始した米国の「クォンタム・ファンド」で、10年で40倍にしたことは確かですが、ジム・ロジャーズが分析を担当し、ソロスがトレーディングを行っていた。投資手法は、「グローバル・マクロ」と呼ばれるもので、世界各国の経済状況や各種金融市場の動向をマクロ的な視点で観測し、株に限らずさまざまな金融商品に投資するというものだった。

組んだジョージ・ソロスは世界三大投資家の1人と呼ばれ当然と思いますが、ジム・ロジャーズが未だに世界三大投資家という肩書きなのは、違和感がありすぎます。

あとの1人はオマハの賢人ウォーレン・バフェットです。どう考えてもジム・ロジャーズが
ジョージ・ソロス、ウォーレン・バフェットと同格とする理由がわかりません。

ジョージ・ソロスと別れたあとは、ジム・ロジャーズ氏は世界旅行はしたものの、何をやってもパッとしません。それでもバブルが崩壊した90年代から日本のマスコミで「投資の神様」と言われ度々取り上げられ、自分もジム・ロジャーズファンドを販売したことがありましたが、運用成果は酷いもので、以後彼との付き合いは私が勤める某社は相手にしていません。

ジム・ロジャーズの予言めいた経済予想は、当たったためしがありませんし、辻褄が合わないことばかり言いますので、私は信用しません。

ジム・ロジャーズは「日本は今後見込みがないので日本の株はすべて売った」と言っていましたが、数年後また、「日本の株は去年中にすべて売った」と言い出しました。

さらに数年後には「それでも私が日本の株を持ち続ける理由」とか言い出して、さらにまた「日本の株はすべて売った」と、誰が彼の言うこと信用し、参考にしろというのか?

ジム・ロジャーズは単なる調子のいい危ない親父でしかなく、社会人であれば危なくって近づいてはいけない人間です。都度判断がコロコロ変わっる人間のアドバイスなど誰が必要だろうか?

ジム・ロジャーズの予想は当たったことがない。
中国株が伸びると言ったり、毎年のように米国経済が深刻なリセッションを迎えると言っていますが、ぜんぜん現実化しません。

ジム・ロジャーズの信者は、あれは、ポジショントークで、自分の影響力を利用し、実際の運用は逆なのだと・・・。ところが当たれば「予言的中」と熱狂する。信者はジムロジャースの関係者ではなかろうか!

ここ20年近くジム・ロジャーズはなぜか常に反日反米主義的な発言が目立ちます。
中国のエージェントと言っても過言ではないくらいの親中派です。
3人目の妻との間に2003年に長女、2008年には次女が生まれましたが、2008年シンガポールへ移住し、「最高の投資は、自分の子供や孫に中国語を習わせることだ。」と話し、自分の娘にもすでに中国語を覚えさせていることを度々語っています。

ジム・ロジャーズの言葉はなぜ話題になるのかといえば、ある意味彼のお仕事は、ウケを狙って過激なことを言うことです。昔ジョージソロスと組んでいた男が突拍子もないことを言えば、マーケットには何の影響力をあたえることはなくとも、今でも週刊誌のネタ程度にはなります。

ジム・ロジャーズが最近日本に関して次のように言及しました。「もし私がいま10歳の日本人ならば……。そう、私は自分自身にAK-47を購入するか、もしくは、この国を去ることを選ぶだろう。なぜなら、いま10歳の日本人である彼、彼女たちは、これからの人生で大惨事に見舞われるだろうからだ」とても正気な発言とは思えません。

最近、彼が度々日本にやってきて発言するのは、日本で講演活動をして小遣い稼ぎをしなければやっていけないからではないかと思っているのです。ソロスやバフェット氏は悠々自適で、自らマスコミに出ませんが、本当に悠々自適の生活なら、好きな世界旅行をしてればいいだけで、何の発言もする必要がありません。また、多額の自己資金を運用し、投資の神様と呼ばれるなら自宅でトレーディングしているはずで、とてもちょくちょく日本に来るわけがありません。

世界三大投資家の1人という肩書きをそろそろ外し、世界三大ホラフキ芸人とでもしたほうがいいでしょう。

あとの二人は・・・昨年亡くなった横山たかし師匠と、できれば復帰してほしい迫真のホラ、ホラッチョことショーンK氏かな(笑)
まあ、ジム・ロジャーズはジョージ・ソロス、ウォーレン・バフェットとと比べるのではなく、横山たかし師匠とショーンK師匠といい勝負ですかね。


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[東京 9日 ロイター] - 9日の円債市場で、10年最長期国債利回り(長期金利)JP10YTN=JBTCが史上初のマイナス金利を付けた。国内銀行勢は追加利下げを織り込み、一段と買い進むと予想され、世界経済の減速懸念を背景に、海外勢も日本国債の物色を強めている。リスク回避の流れは一段と高まり、長期金利はさらにマイナス幅を深くしそうだ。

<「オーバシュートではない」との声も>

9日の円債市場では、10年最長期国債利回りが一時、前営業日比7ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.035%と史上最低水準を更新した。

午後の取引序盤に初のマイナス金利を付けた後、事前に警戒感があった30年利付国債入札を無難に通過すると、一段と利回りに低下圧力がかかった。

日銀のマイナス金利導入決定でも止まらないドル安/円高の進行や株安により、市場参加者は追加緩和を織り込んでいるとの見方が大勢。「追加緩和の有効性は別問題にして、黒田日銀総裁は今回のマイナス0.1%より大きいマイナス金利を実施することは可能としている。その点が材料視されている」(国内金融機関)という。

みずほ証券・シニア債券ストラテジストの丹治倫敦氏は「日銀が足元の金利を押し下げることを宣言し、さらに引き下げる可能性がある以上、中短期ゾーンの金利が下がるのは当たり前だ。金利の低下のスピードが速い気がするが、オーバシュートではない」とみている。

<世界成長めぐる懸念強まる>

8日の欧米債市場が堅調だったことも円債金利を押し下げた。ユーロ圏金融・債券市場は、世界経済の成長率鈍化懸念や欧州金融部門の健全性をめぐる懸念から、安全とされる資産に資金が流れた。

ドイツ10年債利回りDE10YT=TWEBは0.23%と昨年4月以来の水準に低下。米10年債利回りUS10YT=RRも一時、1年ぶり低水準となる1.735%まで低下した。

米金利について「1─3月期の10年米国債利回りのレンジは1.6─2.1%のイメージを持っている。レンジの中でも下の方に向かうリスクが足元では高まっている」(国内証券)との見方が出ている。

3月の米利上げが遠のく状況で、米金利が低下基調になった場合、日米金利差の縮小による円高加速を警戒する見方が増加中。リスク回避の流れが強まることで、円債金利には強い低下圧力がよりかかってきた。

<海外勢・国内銀行勢が相乗り>

海外勢の日本国債に対する需要は一段と強まっている。1年物ドル円ベーシススワップのプレミアムは、マイナス金利導入前の0.5%割れから0.7%に急上昇。円転コストを考慮に入れた海外勢の需要は中短期ゾーンだけではなく、より長いゾーンに向かうとの指摘がある。

一方、これだけ金利が下がると、さすがに都銀をはじめとする国内勢は円債を買えないとの見方があるが、「そんなことはない」と国内証券のマーケットエコノミストはきっぱり否定する。

「国債を買わないと、その分だけマイナス金利の付利が積み上がるだけの話で損をする。追加緩和によりマイナス幅が0.1%よりさらに下がる可能性がある状況で、今のうちに買う方がましだという心理が働く」という。

また、リスク性資産や外債を買うことに慎重な国内銀行勢の中には、日銀が国債買入オペで高く買ってくれれば、マイナス金利でも問題はないとの見方が根強い。

今後の展開について、市場では「2年債や5年債といった中短期ゾーン金利がマイナス幅をさらに深くすることが想定できるので、今後のイールドカーブの平坦化を考えると、現状の10年債利回りがマイナス幅を一段と拡大してもおかしくはない」(外資系証券)との見方が徐々に広がりつつある。

(伊藤武文 編集:田巻一彦)


9日の東京市場は、欧米市場でのドル安・株安を引き継いでリスクオフ心理が強まり、日経平均は前日比900円超下落。ドル/円は一時、114.20円と2014年11月以来の安値を記録した。そして長期債のマイナス金利はスイスに次いで2例目。

これは、日銀が敢えて導入したマイナス金利が導入したことにより達成させたい円安株高と意図したことと真逆の結果になってしまっている。

マイナス金利だから115円で踏みとどまっているという可能性もなきにしも非ずだが、マイナス金利という劇薬を飲み込んでしまったからには誰も経験したことがない未踏の領域に踏み込んでしまったのだから、我々の想定外の副作用が次々に起きるであろう。

長期金利がマイナスとは、お金の借り手が利息をもらえるという異常事態に突入する。年金や保険などの運用で一段の環境悪化が避けられない状況となってきた。

金利低下で利ザヤが縮小し銀行収益を悪化させるという、マイナス金利政策の負の側面に焦点が当たり、金融株売りにつながっている。投資家がリスク回避姿勢を強め、質への逃避としての円買いが強まっていることも日本株を押し下げている。一般的に株価が急落すれば割安感が意識されるが、足元で通期予想の下方修正が相次ぎ、下値不安は高まる一方だが。回帰トレンドでは明日16000円を割れれば一旦底かもしれない。
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山田修輔バンクオブアメリカ・メリルリンチ チーフ日本FXストラテジスト
[東京 8日] - 日銀の「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」導入を受けて、円相場は乱高下している。今年は「円安派」と「円高派」に割れているが、日銀のサプライズ演出後も、二派のバランスは大きく崩れてはいないようだ。

ちなみに、筆者は「円高派」であり、今回のマイナス金利導入決定直後には、ひとまず円高の方向性を維持との見通しを示した。

もちろん、利下げという政策は通常であれば通貨安につながる公算が大きく、マイナス金利で何も変わらないと言い張るつもりはない。だが、以下に示すように、2016年という時間軸では「円高シナリオ」は大きく崩れないと考えている。

<リスクオフの円買いを抑制する効果はあり>

市場で起こった「とりあえず円安」の反応は、金利差拡大のインプリケーションで説明できる。日銀のマイナス金利導入により、短期金利の低下が予想される。また、投資家がイールドを追求する中、長期金利にも低下圧力がかかる。

歴史的に見ると、日米短期金利差とドル円の関係は0.1%ポイントの金利差に対して最大1―2%の変動となっている。日銀の利下げを受けて、金利差が最大20ベーシスポイント(bp)拡大すると推測すれば、1ドル=118円台から121円台という短期的な反応は妥当だ。

「量的・質的金融緩和」の限界が意識され始めている日銀政策が「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」へ移行したことで、確かに緩和余地を与えたし、円はユーロをはじめとするマイナス金利通貨と同じ土俵に立った。リスクオフの局面で、質への逃避フローが円に集中する流れを限界的に抑制する効果はあろう。

ただし、欧州を前例として、「日銀もあと数回利下げを遂行する余地があり、日銀限界説を打ち消す」と、断じるは時期尚早だろう。日本のマイナス金利の費用対効果を見極めるまでは、日銀の現実的な追加利下げの余地は見えてこない。少なくとも、スウェーデンのような欧州小国の金利水準(マイナス1.1%)を、指標と見ることは難しい。

<内需喚起なければ通貨安競争につながる恐れ>

今回の追加緩和の理由について、日銀は原油価格の一段の下落と、金融市場の不安定な動きによりデフレマインドの払拭(ふっしょく)が遅延するリスクを挙げている。為替レートへの直接的な言及はないものの、「金融市場の不安定な動き」とは、特に円高進行を指していると推測される。

マイナス金利が付されるのは、これから積まれる当座預金の一部であるため、実体経済への影響は不確かだが、市場にとっては限界的なコストが重要なので、金利水準には影響する。筆者は黒田プットの水準が1ドル=115円前後であるとこれまで推測してきたが、今回の緩和はそれを再確認させるものである。

しかし、それでも中期的な円安トレンドは再開しないと考える。論拠は以下の通りだ。

まず、今回の利下げが実体経済に大きな影響を与える可能性については、筆者は懐疑的だ。日本の銀行貸出は預金の8割弱にとどまっている。その大きな原因がローン需要の不足にあるとすれば、貸出金利の低下に対してどの程度信用創造が生まれるのだろうか。円高阻止によるインフレ期待低下の抑制効果は見込めるものの、インフレ期待を底上げできるか疑問である。

現に、債券市場で観測される期待インフレ率は上昇していない。為替レートが中期的に下落するには往々にして実質金利差の拡大が必要なため、今回の利下げが継続的な円安トレンドにつながる公算は小さい。

確かに、円金利が低下することで、運用収益には圧力がかかるので、円債から外債をはじめとする他資産へのポートフォリオリバランスのインセンティブは高まるだろう。ただ、昨年後半から収益性より安全性が重要な投資テーマとなっており、円高圧力をかけてきた。積極的なリスクテイクが加速する環境ではないため、「株より債券」「高金利より米債」「ヘッジ無しよりヘッジ付き」と、安全性が優先されるだろう。

また、円安に伴って日本株がいったん上昇しても、今回の緩和により日本の貸出や総需要が底上げされなければ、日本発のリスクセンチメント改善持続は期待しにくい。むしろ、円安が進行することで、アジア通貨に下押し圧力がかかり、通貨安競争に拍車をかけるリスクもある。

昨年後半からの「アジア通貨安、コモディティー安、株安」というネガティブな環境が再現すれば(ドル高に苦戦する米国経済の体力を考慮すれば)、日米金利差にはむしろ縮小圧力がかかることが予想される。

むろん、利下げが通貨安競争につながるか否かは、利下げにより対外的不均衡が調整されるか、拡大するかによるだろう。ただ、相対的に日本経済が安定しており、円が過小評価されている中、日本の需要喚起の効果が薄い利下げは、やはり通貨安競争につながる可能性を秘めているのではないか。

<極端な円高発生時には日銀緊急会合の可能性も>

さて、2014年10月の追加緩和に続き、今回も「完全なサプライズ緩和」となったことで、いったん後退していた「黒田日銀はサプライズ狙い」説が改めて確認された。為替レートへの感応度の高さも再確認されており、今後ドル円が115円台に突入、もしくは実効レートがさらに上昇した場合、市場は自然と追加の利下げを織り込んでいくだろう。

サプライズオプションを切ったことで、今後数カ月はサプライズ演出で緩和効果を増幅させるのは難しくなった。「中央銀行に逆らわない」は、14年までの投機筋の掛け声だったが、15年後半から明らかに潮目が変わってきている。その中でのサプライズが果たして短期戦術としても効果的であるかは、議論が分かれるところだろう。

また、付利を引き下げたことで、金融機関が日銀の国債買い入れオペに応じるインセンティブは低下し、日銀の量的ターゲット達成能力が疑われる危険性がある。中銀バランスシートの拡大は金融政策かい離の1つの指標となってきた。国債買い入れが札割れし始めると、日銀の政策フレームワークの不確実性が増加し、リスクセンチメントを冷やす公算が大きい。

加えて、歴史的低水準にある金利をさらに押し下げることで、ボラティリティー急上昇のリスクが高まっている。短期的に金利市場がドル円にとっても大きなリスク要因となろう。

マイナス領域への利下げは今後、日銀が円高に対抗する政策オプションを与えた。しかし、根本的な実体経済やリスクセンチメントへの影響は軽微であると考えられ、持続的な円安トレンドにはつながらないだろう。

また、金利ボラティリティー上昇、金融緩和の持続性、通貨安競争という、ドル円にとってのリスクを強めた側面がある。人民元下落を起点とした「新興国・コモディティー通貨安、原油安」という次元の高い調整圧力に、日本の金融政策で本質的に抗うことは困難だ。円高圧力がかかりやすい構図を転換することは難しい。極論を言えば、「円高派vs円安派」の違いは、日銀うんぬんではなく、外部環境の見方の違いではないか。

プラザ合意のような大規模な政策協調合意がなされなければ、ドル円については当面、引き続き円高リスクが高いし、金利ボラティリティー上昇につられて、ドル円のボラティリティーにも上昇圧力がかかろう。極度な円高が発生する状況では、緊急の日銀金融政策決定会合が開催されるリスクも念頭におきたい。
シカゴ筋は円高予想
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ドル/円が一時、心理的節目の115円を割り込んだ。政治的な国際協調があれば安心感も広がるが、今月はG20が中国で開かれる。市場が荒れた場合には協調して対応するなどといった、各国の強い決意が市場に伝わるような声明や要人発言が出やすいのだが、開催は2月後半中国だ、スケジュール的にまだ間がある。   
目先、10日のイエレンFRB議長の議会証言が注目だが、この状況では米国の追加利上げに対して慎重なメッセージを出すしかないだろう。株価が反転しても、米金利は上昇せず、ドルが125円の方向に戻していくのは難しいのではないか?
佐々木融JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長
2月9日、JPモルガン・チェース銀行の佐々木融・市場調査本部長は、日本勢による損切りの円買い戻しが本格化すれば、ドル円相場は早い段階で110円近辺に下落する可能性もあると分析。提供写真(2016年 ロイター)
[東京 9日] - ドル円相場は東京時間の9日午前、ついに115円を下抜け、2014年11月以来、およそ1年3カ月ぶりとなる114円台まで下落した。

年明けの120円台からすでに5%近く下落していることになるが、主要国通貨の年初来騰落率をみると、最も強いのが円、次がユーロで、米ドルは上から5番目と中位に位置している。一方、最も弱いのがオーストラリアドルとニュージーランドドルで、それぞれ対円で8%程度も下落している。

つまり、年初来の円高は典型的な「リスクオフ相場」と言って良いだろう。中国をはじめとする新興国経済に対する懸念が続く中、昨年第4四半期に米国やユーロ圏経済もスローダウンし始め、投資家の不安感が一層高まっていると考えられる。

また、そうした流れが、日銀によるマイナス金利導入をもってしても止まらなかったことで、不安感があおられた可能性もありそうだ。

筆者は3月末頃にドル円相場が115円程度まで下落すると予想していたため、予想を上回るペースで円高が進んでいると言える。こうなると、年末時点の予想レートである110円も早い段階で実現する可能性も考えられる。その大きなカギを握るのは、以下説明するように、日本の投資家・企業かもしれない。

<経常収支と直接投資に絡むフローは円買いに転換>

財務省が8日公表した2015年の国際収支データを用いてフローの分析をしてみると、日本の投資家・企業が円高の「運命」を握っていることがよく分かる。

国際収支データによると、2015年1年間の経常収支は16.6兆円の黒字となり、前年に比べ黒字額が6.3倍、金額にして14.0兆円も増加した。実は過去、これほど経常黒字が急増したことはない。演出したのは、貿易収支の改善である。15年の貿易赤字は0.6兆円と、14年の10.4兆円から9.8兆円も改善した。

加えて、第1次所得収支の黒字拡大が経常黒字拡大に寄与した。15年の第1次所得収支は前年比2.7兆円増加し、初めて20兆円台に乗せた(15年中の経常黒字は全て第1次所得収支が稼いだ)。

また、日本企業の海外進出の流れが続いていることを受け、15年は対外直接投資も16.0兆円と過去最高を記録した。

筆者は、円を売却する形で行われる直接投資は全体の半分程度と推計している。したがって、経常黒字から、再投資収益(15年は3.5兆円)と直接投資の半分を差し引いた額が、経常収支と直接投資を通じた円売買額と推計される。それによれば、15年は5.1兆円の円買いと、3年連続の円売りから転じる結果となった。

<損切りの円買い戻しで一段の円高も>

一方、対外証券投資に目を向けると、15年中の動きで目立ったのは、外国株投資の急増である。国内投資家の外国株買い越し額は13.5兆円と過去最高を記録した。内訳は信託勘定(年金基金)が6.4兆円、投信が6.2兆円の買い越しとなっている。

当社は国内投資家による外国株投資は全て為替ヘッジ無しと想定しており、同じく為替ヘッジ無しと想定される外国債券投資(3.8兆円)を加えると、15年中の国内投資家による対外証券投資に絡む円売りは17.3兆円に上ったと考えられる。

経常収支と対外直接投資に絡むフローからの推計円買い額が5.1兆円で、国内投資家による対外証券投資に絡むフローからの推計円売り額が17.3兆円、これに外国人投資家による日本株買いのフローの一部が為替ヘッジ無しだったと想定すると、15年中に国境をまたいで、円相場に影響があったと想定されるフローは11.8兆円の円売りとなる。14年の13.1兆円に続いて2年連続の大幅な円売りだ。

過去にさかのぼってこうしたフローをみると、米国金融危機の混乱以降、11年まではフローと円相場の方向性が同じになっている。しかし、アベノミクスが始まった12年と13年はベーシックバランスのフローがほぼゼロに近い中で急速に円安が進んでいるのが分かる。つまり、この2年間の円安は投機的な円売りにより支えられたものとみられ、円ショートポジションが大幅に積み上がった可能性が考えられる。

その後、14年は貿易赤字拡大を主因にフローが比較的大幅な円売りとなり、実効レートも円安で方向が同じとなったが、15年は引き続きフローが大幅な円売りとなったにもかかわらず、実効レートは若干円高方向に進んでいる。

それでも若干でとどまったのは、海外勢を中心に12―13年に造成されたとみられる円ショートポジションの手仕舞いが、国内投資家による対外証券投資から発生した円売りで吸収されたからだと思われる。

したがって、今後の円相場は、昨年の対外証券投資を通じて、大規模な円売りを行った国内投資家がどのように動くかがカギを握ることになろう。特に、15年中に国内投資家が大規模に投資した外国株は、現在全て含み損を抱えていると考えられる。損切りのための円買い戻しが出てくるようであれば、一段と円高が進むことになるだろう。

また、当社は日本企業が保有する海外留保利益は50兆円程度に上ると推計している。昨年末までの約3年間、円安傾向が続くと予想されていた中で、企業は海外で得た収益を国内に戻さず、海外に留保しておくインセンティブがあったのだろう。これらの留保利益の一部が円高による損失を回避するため、年度末に向けて国内に還流してくる可能性もある。

15年中に行われた過去最大、16.0兆円もの対外直接投資も、海外経済情勢の悪化、円高進行に鑑みると、投資収益が悪化しているとみられ、日本企業がリスクを避ける行動に出る可能性が高くなりそうだ。海外に留保した利益で新たな投資を行うような環境ではないかもしれない。

今後さらに円高が進むかどうかは、国内投資家と日本企業による本格的な円買い戻しが発生するか否かにかかっている。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

日本は貸出金利がもともと低く、引き下げ余地が乏しかった。内需も弱いマイナス金利が実体経済に効果をもたらすことはないだろう。円安を狙ってのマイナス金利と思うが、現状まだわからないが、マイナス金利で円高に振れているのだから、日銀の意図とは違う方向に向いているわけなので、マイナス金利は愚策のような気がする。

むしろ、マイナス金利になれば郵貯銀行や金融機関の経営がおかしくなり破綻する可能性とか、マイナス金利による負の効果の方が気になる。

何よりもゼロ金利にもどそうとしたら金融引き締めになってしまうのだ。




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またもや奇襲!黒田日銀総裁が就任後3度目の緩和策をマーケット予想に反して、29日発表した。日銀は金融政策決定会合を開き、民間金融機関が日銀に預けている当座預金の金利をマイナスにする追加金融緩和の実施を決めた。委員の賛成5、反対4の薄氷の決定だったという。

予想外のマイナス金利の発表にマーケットは一時580円高した後マイナスになり、引け値では+476.85円の 17,518.30円で引けた。

私は、マイナス金利の発表を知った瞬間このマイナス金利は直観としてこれは悪手だ!違うだろう!切り札を切るのが早すぎる!目先マーケットは底打ちして自力反発できる、このタイミングではなく、中国経済がもっと悲惨な状況で日本に悪影響が出た時に切るべき札だと・・・・思った。一時600円近く上がったマーケットに強く違和感を感じた。

しかし、黒田日銀総裁のマーケットを出し抜くセンスは抜群である!

焦点:日銀マイナス金利、不透明な経路 残る外部環境次第の構図
【ロイター】田巻 一彦 2016年 01月 29日 20:55

[東京 29日 ロイター] - 日銀がマイナス金利の採用に踏み切った。マーケットは具体的な効果のイメージをつかみかねているようだが、ドル/円JPY=EBSが円安になったのを見て、これまでの黒田バズーカ1や2と同方向の円安・株高効果があると判断したようだ。

黒田東彦総裁の「賭け」は今回も成功したが、手放しの楽観はできない。中長期的な効果の程度や副作用が読めないためだ。「未体験ゾーン」での日銀のチャレンジが始まった。 

<マイナス金利は円安>

黒田総裁や日銀幹部は「マイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)」の発表後にドル/円が120円後半にシフトし、日経平均.N225が1万7500円台を回復して引け、安どしたのではないだろうか。

日銀にとって初のマイナス金利導入は、市場関係者にとっても「わからないことだらけ」(国内金融機関の関係者)というイメージで、発表直後の日経平均は前日比600円近い上昇から200円超の下落まで大幅に変動した。

ただ、外為市場で「マイナス金利は円安」(別の国内金融機関の関係者)との見方が広がり、120円後半まで円安が進んだことで「円安は株高」という見慣れた構図に乗り、株が買い戻された流れができたようだ。

<不透明な当座預金から流出するマネーの行方>

年初から顕在化したリスクオフ心理の顕在化による株安・円高の流れがせき止められ、「予想外」のマイナス金利は、当面の市場安定化に大きな作用を及ぼした格好だ。

ただ、この効果が持続するのかどうか──。その点は29日夜の段階でははっきりしない。金融政策に詳しい複数のBOJウオッチャーは、マイナス金利の実体経済に及ぼす波及効果の具体的な説明が、この日の黒田総裁の会見でなかったことを指摘する。

黒田総裁は「マイナス金利は、イールドカーブの起点としてさまざまな金利に影響を与える」と指摘。イールドカーブ全体を押し下げることで、経済にプラスの影響を与えるとの考え方を繰り返し強調した。

だが、マイナス金利を嫌がって銀行が当座預金から引き出したマネーがどういう経路でどのようなシフトをした結果、最終的に設備投資の増加から需給ギャップの好転となって物価を押し上げるという具体的なイメージの提示はなかった。

<さえないECBの実績>

先の国内銀行の関係者は「ECB(欧州中央銀行)が先行してマイナス金利を導入したが、ユーロ圏の景気が目立って回復し、物価が目標の2%に向って動き出してはいない。逆にかろうじてデフレに陥ることをかろうじて防いでいる印象だ」と語る。

また、米連邦準備理事会(FRB)が3月利上げを断念した場合、ドル高/円安方向への圧力が弱まり、マイナス金利導入後のドル/円が、120円近辺を中心にしたレンジ取引になる可能性も捨て切れない。

そのケースでは、日本企業の業績上振れ期待がかなりはく落し、昨年末に期待されていた日経平均2万2000円回復と言った株高シナリオの現実性が低下する可能性が高まる。

<長期金利マイナス、重大なメッセージ>

この日の会見で、黒田総裁は中国など新興国経済の不透明感の強まりで、企業や個人のデフレマインド転換の遅延リスクの高まりに対して対応したとの見解を示した。

今後、不測の事態が発生し、さらにインフレ期待を押し下げるような混乱やリスク資産、原油価格などの下落があれば、追加緩和に踏み切る可能性があるだろう。

黒田総裁は「3つの次元の緩和手段を駆使する」と明言した。マイナス金利の幅が、次第に大きくなる展開もありうる。

そのケースでは、地域金融機関の経営にかなりの圧力がかかるなどの副作用が、顕在化するリスクがある。

しかし、それとは別にマイナス金利付き量的・質的緩和(QQE)を強化していくと、史上初めて長期金利(10年最長期国債利回り)がマイナスになるという事態も、全くないとは言えない状況が生まれかねない。

長期金利マイナスとなれば、国は国債を発行する分だけ収入を得ることになり、財政規律のはなはだしい「弛緩」を招くことになる。

何より、長期金利のマイナスは、日本国内に「収益を稼ぐ場所がない」ことを意味し、長期化すれば「日本経済の死」を意味することにもなりかねない。

長期金利がマイナスになる前に、物価を2%まで押し上げることが求められていると言えるだろう。

そのためには、潜在成長力を何としても引き上げることが必要だが、日銀の試算では0.2%台にとどまっている。成長戦略がなかなか結果を出すところまで言っていないことを示すのではないか。

政府も「清水の舞台」から飛び降りるような決断で、マイナス金利を生かす成長パッケージを打ち出すべきだ。政府・日銀のマクロ政策は、「正念場」を迎えている。
単純に考えれば、マーケットにプラスだろう。マイナス金利は円安⇒企業業績上昇⇒株高。マイナス金利で国債などで運用している銀行資金が、国債投資から企業融資が増え設備投資、住宅投資が増え景気が上向く。消費者もマイナス金利下では明日まで貯蓄して資産が目減りするより、今すぐ支出しようとするため消費を押し上げるはず。

そんな単純な話ではないことは、小学生ではないのだから誰も信用しない。
第一、銀行は融資したくとも、企業の資金需要があるわけではないのだから、そう簡単に企業融資が増えるわけがない。また、国債利回りと足並みをそろえて投資や年金基金の収益率が低下するため、消費者は不十分な年金を補うため、通常よりも貯蓄を増やさざるを得なくなる可能性がある。高齢化が急速に進む日本において、消費はさらに減り、結果として景気は一段と減速、ソブリン債需要が高まり、中銀による国債買い入れ・紙幣増刷が増え、利息がほとんどつかない証券の需要は一段と増す。悪循環に陥る可能性が高いのではないか!

マイナス金利は、円を調達通貨として他の通貨で運用する円キャリートレードが増えるので円安要因ではあが、現在の世界の金融市場環境は中国経済の崩壊が顕著で明らかにリスクオフ局面だ!この局面で、いくら低金利の通貨であっても、それを売ろうという動きは続きにくい。中国経済崩壊のリスクオフ局面では金利が低くても安全資産の国債を買う動きが助長されるので、マイナス金利の効果はかなり限定的と思う。

マイナス金利=円安という単純な構図ではない。為替に関して亀岡裕次氏の予想が最も信頼がおけると私は思っていますが、どうやら亀岡氏も私と同意見のようである。

コラム:マイナス金利でも円安は続かない=亀岡裕次氏
【ロイター】2016年 01月 29日 18:37 亀岡裕次大和証券チーフ為替アナリスト

[東京 29日] - 日銀金融政策決定会合でマイナス金利導入が決定された。これを受け、日本の金利低下と株高が進むとともに、1ドル=121円台へと急速に円安が進行した。

日銀は、「世界の金融市場が不安定な動きをしているために物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増している」として、物価目標2%の達成時期を2016年度後半頃から17年度前半頃へと先送りした。

「マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入」とされた今回の決定は、日銀当座預金を3つの階層に分割し、1)これまで積み上げた既往残高については「基礎残高」として従来通りプラス0.1%を適用、2)所要準備額に相当する残高などは「マクロ加算残高」としてゼロ%を適用、3)これらを上回る部分は「政策金利残高」としマイナス0.1%の金利を適用するという内容である。

<マイナス金利が国債買い入れをさらに困難にするリスク>

賛成5、反対4の僅差での決定だったことからもわかるように、この政策はプラスとマイナスの両面を併せ持つ。

プラス効果は、短期金融市場の無担保コールレートや債券市場の利回りなど市場金利の低下が見込まれることだ。一方のマイナス効果は、収益を圧迫される金融機関が超過準備ではなく現金や国債の保有を増やそうとするために、日銀の国債買い入れが円滑に進みにくくなることである。日銀は長期国債買い入れの下限金利を設けずにマイナス0.1%を下回る金利での買い入れも行うとしているが、量的緩和がこれまでに比べて進みにくくなるリスクがあるわけだ。

そもそも、日銀が国債買い入れペースをさらに増額する余地が低下していたからこそ、マイナス金利という新たな政策導入に踏み切ったのだろう。日銀の資産買い入れにより、日銀が保有する国債などの政府債務残高は15年11月時点で前年同月に比べ90兆円増加している一方で、民間が保有する残高は56兆円減少している。

日銀の国債等保有比率は前年同月よりも8%ポイント上昇し、30%に接近している。このペースのままなら、16年末に37%、17年末に45%に達することになる。財政ファイナンスの様相を強め、国債市場の流動性が低下しているなか、日銀は国債買い入れのペースをさらに大幅に増額しにくい状況にある。

<金融機関の収益に与える影響は欧州よりも大きい>

日銀の国債買い入れにより「中央銀行が供給する通貨」であるマネタリーベースは年間80兆円程度のペースで増加し、15年12月に346兆円に達したが、そのうち246兆円が日銀当座預金であり、流通現金は100兆円である。

日銀当座預金のうち所要準備を超える超過準備の238兆円に0.1%の利息が付されている。この付利は、08年10月末に「資金供給円滑化のための手段」として導入されたものであるが、いわば日銀による金融機関への補助金のようなものになっている。

欧州中銀(ECB)が政策金利の下限金利である中銀預金金利を15年12月にマイナス0.3%に引き下げた際には、ユーロ圏の短期金融市場で金融機関が融通し合う翌日物金利(EONIA)が連動するように低下し、国債金利にも低下圧力が働いた。

ただし、日銀当座預金の積み上がりとともに日本のマネタリーベースの対名目国内総生産(GDP)比率は70%近くへと上昇しており、20%前後にある欧米の比率をはるかに上回る水準にある。日本は経済に対する超過準備の規模が欧米に比べて圧倒的に大きいため、付利の低下が金融機関の収益に与えるマイナスの影響も大きい。

それを考慮して、日銀は既往の超過準備に対する金利はプラス0.1%に据え置いたわけだが、金融機関が日銀の長期国債買い入れオペに応じて国債を売って新たに超過準備を保有すれば、0.1%の利息を日銀に対して支払わなければならなくなる。金融機関は、マイナス0.1%よりも金利の高い国債を保有する方が得策と考えやすいので、日銀オペに応じる動きは減りやすいだろう。

少なくとも多くの長期国債利回りがマイナス0.1%以下へと低下するまでは、そうした動きが続きやすいはずだ。金利が低下したからリスク性資産を買う動きが強まるとは限らないだろうし、金利が低くても安全資産の国債を買う動きが助長されやすいだろう。

<金利低下がリスクオンや通貨安を招くとは限らない>

今回のマイナス金利導入は、日本の市場金利低下という点では、円を調達通貨とした取引(円キャリートレード)を増やす要因であり、円安要因ではある。しかし、世界の金融市場環境がリスクオンではなくリスクオフに傾いている局面においては、いくら低金利の通貨であっても、それを売ろうという動きは続きにくい。

むしろ、高金利通貨を売って低金利通貨を買おうという動きになりやすい。ECBが中銀預金金利のマイナス幅を拡大させても、必ずしもユーロ安(ドル高)が進んでこなかったのも、同じ理由である。日銀がマイナス金利を導入しても、量的緩和ペースが強まるのではなく弱まるようであれば、リスクオンの株高や円安には傾きにくいだろう。

米国政府はドル高を懸念して日本の過度な金融緩和依存に警鐘を鳴らしている。それでも、日銀の追加緩和がリスクオン効果をもたらすのであれば、円安効果だけではなく、ドル売り・新興国通貨買いを誘発することで実効為替ベースのドル安効果を期待できる。株式市場の安定にもつながるので、米国は日銀の追加緩和を容認できるだろう。

しかし、リスクオン効果が乏しく、リスクオフの円高やドル高を反転させることが期待しがたいのであれば、米国政府は、マイナス金利幅を拡大させるなどの日銀の追加緩和策に批判的となるだろう。

また、日銀がマイナス金利幅を拡大することはできても、マイナス金利を導入したことによって量的緩和をペースアップすることが難しくなったと市場が判断する可能性は十分にある。

さらに言えば、将来的に日銀が量的緩和ペースを縮小する(テーパリング)局面で市場への悪影響が広がらないよう、金融市場調節の操作目標を再び量(マネタリーベース)から質(金利)へ戻す布石とみなされる可能性すらあるだろう。

市場が日銀量的緩和の限界を察するにつれて、円安効果は減殺されていくのではないか。マイナス金利導入により円安基調が続くとは考えるべきではないだろう。

*亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。
2012年夏ECBは初のマイナス金利を導入した。その結果はどうだったか?
結果は芳しくない。

なによりも、悪手だと思ったのは、バズーカ砲にはもう弾が無いという印象をのこしたことではないだろうか?弾切れでもう後がない!



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八方ふさがり習政権がテコ入れ 人民元小幅安で北京とIMF“裏取引”産経ニュース【お金は知っている】2015.8.22 10:00 田村秀男

中国人民銀行が12日に人民元切り下げに踏み切ると、世界のメディアが、通貨切り下げ競争が始まると騒ぎ立てたが、的外れだ。(夕刊フジ)

 習近平政権は「国際通貨」の地位に押し上げる野望を抱き、「強い元」を掲げてきた。国際通貨になれば、元に対する世界の需要が増えるので、中国の国際的威信が高まる。半面で国内にはデフレ圧力が加わり、景気の落ち込みはかなり深刻だし、不動産市況低迷に続く株価暴落と八方ふさがりだ。

 そこで元高政策を修正し景気をてこ入れせざるをえなくなったのだが、限度がある。大幅な元安政策だと国内外から受け取られてしまうと、資本逃避に加速がかかる。人民銀行は数日間で元相場をドルに対して4~5%切り下げたあと、これ以上切り下げないというシグナルを国内外に送っている。

 習近平政権の狙いは何か。筆者は、安値攻勢による世界市場シェア拡張よりも実利を選んだとみる。それなら小幅安で済む。

 何しろ中国は世界最大の貿易大国で、貿易額は日本の3倍もある。中国の輸出がすべてドル建てで、元安でも輸出価格を据え置いた場合と仮定すると、4%余りの元安水準で推移した場合、中国の輸出業界には年間で11兆円強の「たなぼた利益」が転がり込む。

 国内総生産(GDP)に占める輸出比率は23%程度だから、GDPの1%近い為替差益である。設備過剰が深刻な業種は赤字操業で苦しんでいるが、輸出部門で利益を稼げる。過剰生産能力が日本の生産規模の4倍以上に達する鉄鋼産業の場合、輸出を急増させてきたが、元安で年間3400億円強の利益増となる。

 中国が海外市場向けに値下げ攻勢をかけると、米国をはじめ、全世界から猛反発を食らうだろう。ことに元安を警戒する米議会は対中貿易制裁を決議するに違いない。9月の訪米を控えている習国家主席がそんなリスクを冒すはずはないのだ。
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 グラフは中国の総輸出の増減率と元の対ドル相場の推移である。2008年9月のリーマン・ショック後、中国は元相場を一時的にドル相場に対して固定して輸出増強に努めたが、10年後半からなだらかな元高基調を保ってきた。元高トレンドと並行して輸出の伸び率が下がっている。世界景気の停滞も響いているわけで、小幅な元安で中国が輸出を大幅に増やせる情勢ではないことが読み取れる。

 今回の元安調整はしかも、元を国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨として認定させるうえでは障害にならないことを、ほかならぬIMFが言明している。前日の相場を基準にしているので、「市場実勢を反映させる措置」と歓迎する始末だ。米財務省もIMFの評価を黙認している。ワシントンと北京の間で、穏やかな元の調整を条件に、元のSDR通貨化の道を残す取引が成立したと見える。 (産経新聞特別記者・田村秀男)
私は見識の高い田村秀男記者のこの記事がさっぱり理解できない!
元の切り下げがどうして「元」のSDR通貨化の道なのか?まったく理解できない!

「元」高こそDR通貨化の道ではないのか?
今回の元安調整はしかも、元を国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨として認定させるうえでは障害にならないことを、ほかならぬIMFが言明している。
一体全体
前日の相場を基準にしているので、「市場実勢を反映させる措置」と歓迎する始末だ。が、
どうして>障害にならないことを、ほかならぬIMFが言明になるのか?

市場実勢取引と公定取引の乖離がなくなることはハードカレンシーを目指すのであれば当たり前すぎる前提だが、前日の相場を基準自体が人民銀行が介入などで人為的に操作した相場基準なのだからまったく意味がない。

人民元がSDR通貨に認めないことはIMFを支配する米国の国益として絶対に譲れない国益だ。ワシントンがそんな取引をするはずがない!

本日の「日曜経済講座」では「お金は知っているより」少し解説がついているので、
少しはわかり易いのだが・・・人民元は絶対にSDRにならないだろうと思う。

中国人民銀行が人民元切り下げに踏み切ると、大量の資本が海外に逃げ出した。中国は市場自壊を防げるのか。

 習近平政権はもともと「強い元」策を続けてきた。元をドル、ユーロや円と並ぶ国際通貨の地位に押し上げるという、1990年代半ば以来の中国共産党の悲願達成のためだ。

 国際通貨になれば中国の国際的威信が高まる。年内の設立準備を進めている中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)も外貨調達に頼らなくても、人民銀行が刷る元で用が足りる。石油も軍事技術も元で買えるようになる。韓国、東南アジアなどは元経済圏に組み込まれ、日米の影響力が薄らぐだろう。

 通貨高は、アベノミクス以前の円高の日本がそうだったように、国内にデフレ圧力をかける。

 2008年9月のリーマンショック後の不況は不動産開発投資主導で乗り切ったが、12年には不動産バブルが崩壊し、鉄道貨物輸送量からみる実物景気はマイナス成長に転落した。習政権は14年後半、人民銀行、政府機関、国有企業さらに国営メディアまで総動員して株式ブームを演出したが、この6月に株価は暴落した。いよいよ八方ふさがり、景気てこ入れのためには元高維持策を打ち切るしかなくなった。

 今月11日から元の対ドル相場の基準値の切り下げに転じたのだが、大幅ではない。10日まで保っていた1ドル6・12元を3日間で6・4元とし、切り下げ率は4・4%止まりで、しばらくは新基準値周辺で安定させる構えを見せる。

 切り下げ発表後、上海外国為替市場で起きたのは大量の元売り、ドル買いである。人民銀行はあわててドル売り、元買い介入で応じるありさまだ。中国には14年前半までは年間ベースで数千億ドル規模の投機資金(熱銭)が流入していた。人民銀行は流入外貨を全部買い上げるので外貨準備が膨らむ。

 逃げ足も速い。不動産市場低迷などを受けて昨年後半からは逆に年間ベースで3000億ドル以上の熱銭が逃げ出した。人民銀行は外準を取り崩して元を買う羽目になるので、外準が減る(グラフ参照)。そこで上海株式市場に外資をおびき寄せたが、逃げられて、株価は崩落した。
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 党関係者を中心とした特権階層や国有企業などは元資産の目減りを防ぐために、あらゆる手を使ってカネを外貨に替えて外に持ち出す。だからこそ、人民銀行はしきりにこれ以上の元安にしないとメッセージを市場に発信するのだが、中国の既得権益者に「愛国者」はいそうにない。資金流出のために金融市場では資金が不足し、金利が上昇している。

 興味深いのは、国際金融の総本山、国際通貨基金(IMF)の反応である。

 IMFは、今回の元安調整は前日の元の取引相場を基準値にするので「市場実勢を反映させる措置」として歓迎している。米財務省もIMFの評価を黙認するのだが、なんとも奇妙だ。基準値の参考指標である前日の「市場相場」なるものは人民銀行が介入などで人為的に操作した産物なのだから、とても市場実勢とは言い難い。IMFもオバマ政権も無理やり黒を白と言いくるめてまで、北京を擁護しているかのようだ。ワシントンは北京と裏取引したのか。

 もし元の大幅切り下げとなると、米国を含め世界の産業界への衝撃が大きく、不安定な国際金融市場に激震が走るだろう。94年に中国は元を33%切り下げたら、97年のアジア通貨危機の誘因になった。小幅な元安調整はワシントンにとってもアジアにとっても次善策になる。

 IMFは今回の元切り下げは、元をIMFの特別引き出し権(SDR)構成通貨として認定させるうえでは障害にならないと言明している。そればかりか、IMFが14日に発表した中国に関する年次審査報告書では、「元は安過ぎではない」とした後に続けて、「3年以内に変動相場制に移行すべき」と勧告した。いわばアメとムチである。


「3年以内に変動相場制に移行すべき」と勧告した
まあ、中国共産党が支那を支配している限り絶対に人民元は変動相場制に移行するわけがない。

元がSDR通貨への認定されたらドル、ユーロ、円、ポンドと同列の国際通貨の座に押し上がる。すると、ロシアなどからの兵器購入も元で済むことになる。

 元の勢力拡大は長期的に米国の基軸通貨の地位を脅かしかねない存在になるのだ。金も何も価値を担保する価値のない米ドルが基軸通貨でいられる理由は、現在のブレトンウッズ体制で国際金融システムが機能するからこそ基軸通貨でいられるのである。中国がAIIBやBRICs銀行を設立して現金融秩序を脅かしているのに、
どうしてワシントンが裏取引するのだ?

中国人民銀行は元の切り下げをこれをIMFの勧告に基づいた市場実勢への通貨管理の弾力化であり改革の一環であると説明したのは詭弁にすぎない。

中国は、為替、経済、株式等で、次々打ち出す市場を無視した人為的な常識はずれの緊急避難策を打ち出している。そして、さらに事態を悪化させる

 これまでの中国に対する絶大な信頼の根源は、当局の圧倒的な統制力、リスク制御能力にあった。経済の合理性や本源的価値がどうであっても、景気の悪化、市場の崩落、投資損失や資産の不良化などの心配は共産党政権を崩壊させない目的で当局剛腕を振るうことで捩じ曲げてきた。逆にそのことが信頼となったというとんでもない逆説の上に成り立ってきた。だが、その歪みが溜りに溜ってもはや臨界点に達しているとしか私には思えない。

現在顕在化した中国の危機は、中国当局の制御能力の限界を知らしめ始めている。中国の輸出は1~7月累計で前年比▲0.3%、7月単月では前年比▲8.3%と落ち込んでいる。

中国の賃金相場はアジア新興国で最高となり、価格競争力の減衰が顕著になってきた。輸出による景気浮揚には「元」を弱める必要があるのである。

また、不動産価格の暴落を食い止める金融緩和を実効性のあるものにするためには、人民元安を容認せざるを得ないという因果関係がある。金融緩和により下落圧力を受ける人民元の価値を維持するためには元買いドル売り介入が必要だが、それは金融緩和と矛盾するものである。

元を切り下げて元安にすると大きなデメリットが生じる。人民元高になることを見込んでいた巨額の対外資本流入のおかげで成り立っていた中国金融をさらにひっ迫させ、一段の元安期待を醸成される。元高神話が砕かれたことで、中国企業の国際資金調達は今後著しく困難化し、中国からの資本逃避になる悪循環に陥り、中国の金融システムは逼迫するのだ。

 中国のここ数年の急躍進は貿易黒字と言うより巨額の対外資本調達によって可能となったが、その前提である元高が続かないとなると、資金流入どころか資金流出が加速する。巨額の貿易黒字が続いているのに中国の外貨準備高が2014年以降減少しはじめ、同時に増加し続けてきた対外純資産高も2013年末の1.99兆ドルをピークに2015年3月末には1.4兆ドルと激減した。中国には金が無いのだ!


当局の元安誘導は、その混乱を加速する可能性が高い。そしてSDRになることに一段と遠くなったはずなのだ!



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山本雅文 プレビデンティア・ストラテジー マーケットストラテジスト

[東京 22日] - ユーロ圏では景気が低迷する中で実勢インフレ率がついにマイナス圏入りし、持続的に物価が下落するデフレ状態に入るリスクが高まっている。欧州中央銀行(ECB)による国債購入を中心とする量的緩和(QE)導入は不可避な状況だ。

市場はECBの量的緩和導入を織り込んだ「QEトレード」、すなわちユーロ売り、欧州国債買い、欧州株買いというポジションを大きく積み上げてきた。オランド仏大統領は導入を明言、ドラギ総裁をはじめとする多くのECB高官もこれまでしきりに量的緩和を示唆する発言を繰り返してきた。このため、今回導入されなければユーロの急反発が景気低迷とデフレ圧力を助長し自らの首を絞めることになる、という状況まで来ている。

とはいえ、デフレがもはや現実のものとなり、量的緩和措置の必要性は疑う余地がなくなっていることから、その導入タイミングについては、今回1月会合でも次回3月会合でも大差はないだろう。特に、今回は国債購入開始が見送られ、社債購入でお茶を濁すとしても、それによりECBのバランスシートが拡大する限りにおいて、購入対象が何であるかは本質的な問題ではなくなってきているし、次の政策オプションとしては国債購入に絞られてくるため、国債購入を通じた量的緩和が実施される可能性はむしろ高まる面もある。このため、短期的にユーロが反発するとしたら格好の戻り売り機会となろう。

重要なのは規模とスピードだ。特に2国間のコントラストが重要となる為替相場への影響を考える場合、英米が量的緩和を終了している今、日銀との比較が重要となる。すなわち、日銀の年間80兆円・月間6.7兆円(ユーロ換算で年間5800億、月間490億)のマネタリーベース(≒バランスシート)拡大よりも大きいのか速いのかが、ECBの積極度およびユーロ安圧力のバロメーターとなる。

今回の量的緩和に関する市場コンセンサスは5000―6000億ユーロで、期間は不明だが1年間であると仮定すれば、これだけで日銀の量的緩和の規模・スピードに匹敵し、まずまずのスタートと言えそうだ。この点で面白いのは、ユーロ円相場が昨年10月末の日銀のサプライズ緩和発表前の水準である137円にほぼ逆戻りしており、日欧の量的緩和合戦は引き分け、という市場の評価となっていることだ。

なお、実はECBはすでに的を絞った資金供給(TLTRO)および資産担保証券(ABS)・カバード債購入を通じたバランスシート拡大策を始めており、これらは現在までで月間合計180億ユーロ規模となっていることから、今回の追加資産購入が年間5000億ユーロであっても月間規模が600億ユーロ程度と、日銀を上回るペースと言える。こうした認識が広まると、ユーロ円はさらに下押し圧力を受けるだろう。

<ECBをめぐる不確実性>

ECBの量的緩和決定は、日銀にも跳ね返ってくる。今回1月21日の会合では特に追加量的緩和が議論にならなかったが、原油安の影響で総合インフレが物価安定から大きく下方かい離している状況はECBも日銀も同じだ。

そして、今回日銀は2015年度のインフレ見通し(生鮮食品を除くコアCPI)を、消費税率引き上げの影響を除くケースで前回10月の前年比プラス1.7%からわずかプラス1.0%へ事前予想以上に大きく引き下げ、2015年度中のプラス2%達成はかなり困難になった。こうした状況を放置していると、ECBの量的緩和開始を受けたユーロ円の下落が日本株安や企業マインドに悪影響を与え、さらに追加緩和の必要性を高めることになるだろう。

日銀が2015年度を中心とするインフレ目標達成時期と、参照するインフレ率について原油など本来金融政策ではコントロールできない物価も含み、生鮮食品しか除かないインフレ率をターゲットとし続けるのであれば、早ければ今年4月、遅くとも7月の決定会合で追加緩和を決める可能性が高まってくるだろう。

ただし、ECBに関しては2つの不確実性がある。1つは、資産購入額が示されても、その達成期間が明示されないことだ。市場予想である5000―6000億ユーロ規模の資産購入が発表されても、それが1年間で達成されるものであれば上述の通り日銀を上回るペースとなるが、2年間なのであればペースは半減する。

これと関連して、実はECBはすでに、バランスシート規模を現在の2兆ユーロ強から3兆ユーロ程度へ約1兆ユーロ拡大させる意向を示しているが、具体的な達成期間が明示されていない。実際、ドラギ総裁はまだ目標ではなく意図に過ぎないと明言している。こうした不明確な部分が明確化されるかどうかも、ECBの量的緩和がユーロ相場に与える効果を見る上で重要だ。

量的緩和イコール国債購入、というイメージがあるが、本来は中銀のバランスシートが拡大するのであれば、為替市場へのインパクトの観点からは上述の通り、その規模とペースが重要で、購入対象資産は何であっても大差なく、二次的な問題と言える。

確かに、為替市場では中長期国債利回り格差との連動性が意識されやすいことから、直接的に国債利回りを押し下げる国債購入の方がインパクトは大きい。社債やABS・カバード債の購入は、これら債券の対国債スプレッドを縮小させる「信用緩和」的効果はあるものの、為替市場にインパクトが大きい国債利回り低下にはつながらない。

また、将来的に購入可能な規模についても、国債を除く債券の市場規模が大きい米国と違い、国債市場の方が他の債券よりも規模が大きく、大規模な購入を行うことが可能という面でも、潜在的なインパクトを大きくしている。

もっとも、ドイツ国債利回りはすでに2年債でマイナス0.1%台、10年債で0.4%台へ低下しており、利回り低下の面からの追加的なユーロ安効果はほとんどない。ECBは今後、資産購入規模やペースを通じたシグナル効果をより重視していく必要がある。

<ECB版QEは5年前後拡大か>

どの国債をどう買うかという方法論についても様々な議論が出ている。最も自然なのはECBへの出資比率に応じて機械的にユーロ圏参加国国債を購入するもので、ECBだけでなく各国中銀も購入に参加する方が、ユーロシステム全体としてのデフレ阻止への一致した決意を示すという点で市場へのアナウンスメント効果が高いとみられる。

ギリシャなど低格付けの国債購入に関しては一定の条件が付く可能性があるが、購入対象から完全に排除してしまうと、当該国の国債市場ひいては財政に不必要なストレスをかけてしまうリスクがあり、ユーロ圏全体にとっても利益にはならないだろう。また、低格付け国債も購入することは、ECBのバランスシート劣化を示し、この面からもユーロ安圧力が強まろう。

その他の資産を購入する可能性はないだろうか。前回の政策理事会後の記者会見でドラギ総裁は、金以外のあらゆる資産購入について検討したと述べている。すでに社債のほか、欧州投資銀行(EIB)が域内のインフラ整備資金調達のために発行する債券を購入する案が出ている。イタリア、スペイン、ギリシャなど高債務国の国債が「赤字国債」的性格が強いのに対して、EIB債は「建設国債」的側面が強い。将来的な成長率押し上げにつながることから、国債購入よりも合意が得やすいかもしれない。

ただし、金融市場にインパクトが大きいのは、日銀のような株式・ETF・REIT購入だ。過去の日米英の量的緩和の効果を評価する上で、最も即効性があり効果が目に見えやすいのは通貨安と株高を通じたチャネルであり、国債購入のように批判的見解が絶えず、今後の量的緩和拡大が必要になる局面でも毎回もめるよりは、株式・ETF・REITであればそうした議論は回避できる。今回は可能性が低いものの、将来的に株式購入が開始される可能性も、ゼロではないだろう。

今年第1四半期に量的緩和を開始するとして、過去の日米英の例を見れば、今後さらに拡大され数年間続く可能性が高い。英国は2009年3月から12年7月の最後の拡大まで約3年半、米国では俗に言う08年11月のQE1から13年末のQE3縮小まで約5年間、日本は遡れば01年3月から、途中06年に一旦途切れたが10年に再開され現在までを合わせれば実に14年間、量的緩和拡大が続いている。

現在のECBの場合、原油価格が急反発する場合にはユーロ圏消費者物価指数(HICP)が比較的早く反発する可能性も考えられるが、そうでない場合、5年前後拡大が続く可能性を想定しておいた方がいいだろう。

多少の振れはあろうが、ユーロドルは今年末にかけて1.10ドル、その後も長期にわたり下落基調が続くとすると、パリティ(1ユーロ=1ドル)も視野に入ってこよう。
やっとECBがやっと量的金融緩和を実施した。先日フランスのオランド大統領がついうっかり、量的緩和を実施することを意図的かうっかりなのか?怪しいが金融緩和を漏らしており、それが確認できてほっとした。
昨年1月も相場が荒れ、節分底となったのだが、ECB量的緩和実施で1/15が目先の底となる可能性が大である。しかしながら、日経平均の窓は閉っていないので、依然16500円まで急落する可能性もなくはない。
このジェットコースターのように急騰急落相場は日米の量的緩和で生じたホットマネーが動き回っていることだ。
とりあえず欧米市場の株価は暴騰している。

木野内栄治 大和証券 チーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト

[東京 21日] - 日本企業が生産活動を国内に回帰させる動きが出てきた。報道によれば、パナソニック、シャープ、ダイキン工業、キヤノン、TDK、小林製薬、ホンダといった大手メーカーが、中国などで生産し日本に輸入している製品を国内生産に切り替える検討に入ったという。

また、トヨタ自動車、日産自動車、富士重工業も、米国で販売する車の一部を、日本の余裕のある設備で追加的に生産する可能性があると報じられている。

筆者は、こうした国内回帰の動きは他の企業にも拡大していくと見ている。

この先、2015年度は原発再稼動による電力料金の低下も予想され、法人減税の継続も期待できる。環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意や、労働規制改革が進む可能性もある。地方創生プログラムで操業を優遇する自治体も出てこよう。つまり、安倍晋三首相の言うところの「世界で一番ビジネスがしやすい環境となる」期待が日本にはたくさんある。

一方、中国に目を向けると、人件費の高騰が続いており将来的に不安だ。外資に対する優遇策も減少し、高成長に対する期待も剥落してきた。米国を見ても、自動車工場はフル操業が続いており、同国で増産となると大規模な投資が必要だ。また、世界的に日本製に対する安心感やブランド力も根強い。

このように見ると、2015年度あたりの事業計画では国内回帰の動きが広がろう。

<国内回帰によるJカーブ効果が顕現化>

国内回帰が拡大すれば、貿易収支が改善し円安一服につながると考える。

前回、国内回帰がブームとなったのは2007年だ。例えば、キヤノンが大分で新工場を建設し、東芝がフラッシュメモリーの新工場を建設し、エルピーダメモリは能力増強に3000億円を投じた。

また、何年ぶりとの新工場建設の話題が相次いだ。ホンダが埼玉で約30年ぶり、東京製鉄は鉄鋼業界で14年ぶり、ブリヂストンが30年ぶり、川崎重工業は産業ロボットで40年ぶりと、国内回帰が話題になった。

上記2007年は05年初めからの円安3年目だった。どうやら円安が3年弱続くと、貿易収支が改善する「国内回帰によるJカーブ効果」という新たな経済法則を指摘できる。

経済産業省の海外現地法人調査を見ると、これまでも円安3年目には海外設備投資比率が減少に転じるパターンが続いている。四半期で見ると、2007年4―6月期には海外子会社設備投資額の前年同期比が一時的にマイナスに転じ、08年7―9月期には米国の金融混乱も相まって、明確にマイナスに転じた。それに遅れて日本の貿易黒字は07年10月や10年10月に向けて増加した(12カ月平均ベース)。

足もと、海外現地法人の設備投資額は昨年4―6月期の段階ですでに前年割れとなった。今後の日本の貿易収支は黒字方向に圧力がかかることになるだろう。なお、国内回帰とは別に、最近の鉱物性燃料の価格下落による貿易収支改善効果は甚大で、原発の再稼動も同収支の改善が継続する要因だ。

従来は1年半程度円安が続くと円安が一服するのがパターンだったが、1990年代半ば以降は円安局面が3年弱で一服することがパターンとなっている。かつてはJカーブ効果が貿易収支に1年半で効いてきたが、現代は「国内回帰によるJカーブ効果」が3年目に貿易収支に効いてきて円安一服につながっているのだろう。

<円安一服でも収益改善の根拠>

筆者は円安一服にもかかわらず、日本企業の収益が一段と向上すると期待している。

なぜなら、国内回帰によって、これまで取り逃していた大幅な円安メリットを享受することが可能になるからだ。家電業界は国内で売る製品の多くを海外で作っており、円安の進行で採算が悪化していた。

例えば、パナソニックにとって、対ドルで1円の円安は家電部門での営業利益が18億円減る要因だった。想定為替レート105円/ドルの同社にとって、現在の円安は無視できない減益要因だったので、国内回帰の方針を固めたのだろう。今年、円安が一服しても、これまでの大幅な円安(コスト高)によって取り逃がしていた利益を、今後は取り返すことができよう。

自動車各社では米国での生産がひっ迫しており、国内の稼働率引き上げで対応することになる。新たな設備投資などが最小で済むために限界的な高い利益率を享受することになる。

また、新たに積極投資を行う企業も出てきている。三井造船は船舶やエンジン、港湾クレーンなどを生産する国内主要生産拠点に約170億円を投じて設備を増強することを決めた。ソニーは世界首位の画像センサーの国内2工場に2015年度までに約350億円を投資し、生産能力を1割増強する。東芝は四日市工場に3年間で7000億円を投じる。こうした国内増強も企業の利益に跳ね返ってこよう。

さらに、国内回帰による雇用増加効果も見込める。2015年4月もベースアップ(ベア)が期待できる。一方で、前年比で見ると、昨年の消費増税時の下駄が外れるので、実質賃金は上昇しよう。結果、消費増税でデメリットを被った内需企業の復調も期待できることになる。

いろいろなかたちで日本の企業業績は一段と改善する可能性があるだろう。

<過去にも円安一服局面で海外勢の日本株買い>

以上のように、企業業績の一段の改善と円安が一服する投資環境を前提とすると、筆者は日本株が内外で大変注目されると思う。

外国人投資家にとっては、こうした投資環境は魅力的だ。実は、昨年の夏以降、ドル建て東証株価指数(TOPIX)は下落が続いている。しかし、円安が一服すればドル建て株価は上昇しやすく、企業収益の伸び以上のパフォーマンスが期待できる。外国年金など、為替リスクも取る外国人の投資意欲をおおいに刺激するだろう。

実際、かつて1.5年や3年弱円安が続いた後の円安一服局面では外国人投資家が日本株を大量に買った。例えば、1980年、83年、91年、99年などだ。こうした場面では、電機株や精密株の対TOPIXの相対株価(レシオケータ)は、円安が終了してもなお1年程度は上昇する傾向が見られた。

同じ状況でも近年の2002年や08年は世界同時多発攻撃やリーマンショックで株高が起こらなかったので、現在、投資家はかつてのパターンに気がついていない。

日本人にとっては、円安が一服する投資環境では外貨建て投資がやや減退すると考えられる。一方、日本企業業績の一段の改善となれば、日本株だけが投資対象となり得る。事業会社が国内回帰を探る中で、投資資金も国内回帰を検討すべきなのは当然だ。日本株が世界の中でも日本の中でも注目される時期が近づいていると筆者は考えている。

*木野内栄治氏は、大和証券投資戦略部のチーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト。1988年に大和証券に入社。大和総研などを経て現職。各種アナリストランキングにおいて、2004年から11年連続となる直近まで、市場分析部門などで第1位を獲得。平成24年度高橋亀吉記念賞優秀賞受賞。現在、景気循環学会の理事も務める。





執筆中




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円の実力、42年前と同じ…変動相場移行後で最低           【産経】2014.12.22 21:45

日銀が22日に発表した円の総合的な実力を示す実質実効為替レート(2010年=100)は、12月前半の平均で69.51となった。昭和48年1月(68.88)以来の低水準で、48年2月の変動相場制移行後、初めて70を下回った。円の実力は実際の円相場より低下しており、円安による負担感は数字以上に重くなっている恐れがある。

日銀が12月17日時点で算出した。22日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=119円台だったが、主要通貨に対する円の実力は1ドル=300円程度だった約42年前の水準まで下がっていることになる。15年以上続くデフレで日本の物価が下がり続けたことが主因だ。日銀の追加金融緩和による円相場の急落や、米ドルと連動しやすい中国の人民元が値上がりして円の実力が相対的に落ちていることも影響している。

輸入企業や海外旅行をする日本人には逆風になる。海外で生産した原材料や食料品を輸入する場合、円安による円建て価格の上昇だけでなく、日本より高率の物価上昇分も上乗せされる。ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「輸入業者の負担は円相場の数字以上に重くなっている」と指摘する
為替の見通しは、ほぼ誰に聞いても円安だという。好景気に沸く米国が金利を上げ始め、日本はもう一段の金融緩和をするかもしれないのであるから、日米金利差が開くわけであるから当然の円安だが、私が最も信頼するアナリスト為替のアナリスト亀岡祐次氏は130円には届かない125円が限界ではないであろうかとの分析です。

コラム:ドル130円は望み薄、2015年後半は円高へ=亀岡裕次氏   2014年 12月 25日 14:15 JST

亀岡裕次 大和証券 チーフ為替アナリスト

[東京 25日] - 2015年前半は円安基調になると予想する。世界的に景気が回復傾向を示し、市場がリスクオン志向になると考えられるからだ。

2014年後半は、米国景気が市場予想を上回る好調ぶりを示す一方で、ユーロ圏、日本、中国などは逆に予想を下回る状況が続いた。そのため、供給過剰懸念のある原油を中心に商品相場が下落を続け、ドルは他通貨に対して全面高の状況が続いた。いわば、米国とドルの一人勝ちだ。

ただし、そうした状況は変わろうとしている。米国以外の国(地域)の経済指標も次第に改善しており、2015年前半には市場予想を上回る可能性が高まっている。原油安も過度に進行しなければ、非資源国の経済にプラスに働くはずである。
全世界的な景気回復への期待が高まることで、株高などリスクオンに傾きやすくなる。商品相場の下落に歯止めがかかり、資源・新興国通貨売りとドル買い圧力は後退するだろう。そして、低金利通貨の円は幅広い通貨に対して下落し、円全面安の相場になると予想される。

<ドル円の高値更新は2015年前半の可能性大>

円安がいつまで続くかの最大のポイントは、リスクオンの持続性にあるだろう。米国の経済成長率や潜在成長率が2008年のリーマンショック以前よりも低下している一方で、米国株(S&P500など)の予想株価収益率(PER)はすでに2007のピークを超えている。

ただし、だからと言って米国株の上昇は続きにくいと考えるのは早計だろう。長期金利を考慮した株価水準(米国債利回り-米株式益回り)は、期待成長率が2007年当時よりも低下したことを鑑みても、当時ほどの割高感はないからだ。米国景気が回復基調にある限りは、同水準が2013年ピーク、もしくは2009年ピーク並みにまで上昇する余地は残されているだろう。

もっとも、「国債利回り-株式益回り」の上昇は、金利上昇や株価上昇によりもたらされる。金利上昇が大きければ株価上昇の余地は小さくなり、金利上昇が小さければ株価上昇の余地は大きくなる。これまでの原油安・ドル高を受けて米国の期待インフレ率は大幅に低下しており、米連邦準備理事会(FRB)はこうした状況が続く限りは低金利政策維持の姿勢を示している。多少なりとも期待インフレ率が上昇しても、すぐに利上げ期待が高まるような状況にはない。

米国金利はリスクオン効果で上昇する面はあっても、利上げ期待の高まりにより上昇する面は小さく、当面の金利上昇は限定的となりやすい。そして、低金利政策維持への期待が株高や円安を招く状況が続きやすいだろう。2015年前半、米金利上昇によるドル高効果は小さいだろうが、それでもリスクオンの円安効果によりドル円は今次局面の最高値を更新するものと予想する。

ちなみに、リスクオンの円安にならないとすれば、原油安が続いてエネルギー・セクターや産油国経済への不安が増大し、市場がリスクオフ志向になる場合だろう。だが、原油安を引き起こしてきた米シェールオイルの生産に暗雲が立ちこめている。

米国ではシェールガスの増産により天然ガス価格が下落したためにシェールオイルの増産にシフトしてきた経緯があるが、原油価格の下落を受けて採算が悪化し、10月にシェールオイルの新規掘削は鈍化し始めた。

稼動率が低下し始める可能性もある。米政府・議会がこうした状況で原油増産と原油安を促す効果のある「米原油輸出禁止措置の解禁」を行うとは考えにくい。米シェールオイルの増産が抑制されて供給過剰が解消するとの期待が生まれ、原油安に歯止めがかかる時期は遠くないだろう。原油安がさらに進行してリスクオフの株安や円高を招く可能性は小さいとみる。

<ドル円のピークは125円程度か>

ただし、「米10年国債利回り-S&P500株式益回り」が2013年ピークのマイナス3.4%から2009年ピークのマイナス2.9%まで上昇すると、米株価がピークアウトし、リスクオフの円高に転じると予想する。

米10年国債利回りは現在2.2%台だが、先行きの景況感改善や期待インフレ率上昇の可能性を鑑みると、今後は2.5%以上に上昇する可能性が高い。

米金利が2.5%で、S&P500株式の予想1株当たり利益(EPS)が5%増加するとすれば、S&P500は2250―2400まで上昇する可能性が高く、それらの金利と株価の水準に対応するドル円の水準は過去の回帰分析による推計から114―120円となる。

12月初めにはドル円の実績値が推計値から12円程度上方乖離(かいり)していたが、すでに乖離は10円に縮小している。乖離が次第に縮小していく可能性を加味すると、ドル円の上限は125円程度になるのではないか。

一部には、日米金融政策の相違を背景にドル高・円安が130円以上まで進むという見方もあるが、そうならない可能性が比較的高いだろう。

FRBが量的緩和を停止する一方で日銀が量的緩和を続けるので、相対的にドルよりも円の供給量が増えるという意味では、ドル高・円安になりやすい。だが、ドル円相場は常に通貨供給量比率に沿って動いているわけではない。2013年4月にかけて日銀の量的緩和を織り込んで円安が急伸した後に鈍化したように、2014年10月の追加緩和で急伸した円安が鈍化する可能性はある。

ドル円は2007年6月に124円台まで上昇したが、日米マネタリーベース比率は2015年末時点で2007年の水準を大きく下回る見込みだ。2002―03年のように相対的に円供給が増えても米国株安で円高が進むケースもあり、通貨供給だけで為替は決まらない。

<2015年後半は円高基調に転換へ>

日米購買力平価からは、ドル円の上限をどう考えるべきか。1985年のプラザ合意以降、ドル円は1973年を基準とする企業(生産者)物価ベースの日米購買力平価の近辺で円安から円高に反転するケースが多く、それを超えた2007年は経済協力開発機構(OECD)算出の(物価の直接比較による絶対)購買力平価の近辺で反転した。

ところが、今回はそのいずれをも超える円安が進行した。異次元の日銀量的・質的緩和が異例の円安を招いたと言える。そこで参考になるのが、強い米国を標榜したレーガノミクスの下での米国の高金利・ドル高だ。

1982年10月にかけて277円台までドル高・円安が進み、1973年基準生産者物価ベースの購買力平価からの上方乖離は変動相場制下で最大の30%弱に達した。今回、その乖離が30%に達する水準は129円である。

また、1973年基準の消費者物価ベースの購買力平価はそれとほぼ同等の128円である。円安によって日本の輸出競争力が向上し、相対的に輸入が減る効果がある限り、130円を超える可能性は低いだろう。

海外生産拡大で円安感応度が低下し、従前よりも実質的に円安にならないと日本の貿易や経済への効果が現れにくく、円高に反転しにくいが、今回の円安効果はすでに顕在化し始めている。

日本の貿易赤字は2014年1月にピークアウトし、10月には実質ベースでの収支改善が明確化した。日米の貿易収支比率を比較しても、4月以降は相対的に日本が改善、米国が悪化の方向へと転換している。

過去は、貿易収支の基調転換から1年前後、遅くとも1年半以内に為替が基調転換している。この点からすると2015年4―9月に円高方向に転換しやすいことになるが、これは利上げを視野に入れた米金利上昇がリスクオフの円高を招きやすい時期に重なる。

2015年の為替相場は、前半にドル円で125円程度まで円安が進んだ後、後半は円高基調に転換すると予想している。

原油価格の下落がどこまで続くかが難しい。資源国・新興国の経済がどうなるかで為替マーケットがリスクオンからリスクオフになる。現在好調な米国経済でリスクオンとは言われ確かに円安ではあるが、ドル独歩高でリスクオフ気味になっている。 これが完全なリスクオフにはならないのではないかと思う。
斎藤洋二氏の意見は長期的な円安相場の入り口であると予想する。
長期的に1ドル173円という可能性は無きにしも非ずと思えるが、日本に工場が徐々に回帰し始めているなど、為替レートが切り下がると当初は貿易収支が悪化するものの、それが一定期間を経過すると黒字に向かって上昇するJカーブ効果が出始めるのではないかと思う。長期円安について斎藤氏に異議を唱えないが、2015年は2014年のような劇的な円安にはならないと思う。

コラム:2015年は「逆プラザ」への一里塚=斉藤洋二氏         2014年 12月 30日 14:53 JST

斉藤洋二 ネクスト経済研究所代表

[東京 30日] - 2013年12月27日付の本連載のテーマは、「2014年も続く円安への歴史的大転換」だった。その骨子は、歴史は短期、中期、長期の3つの波により決定されるとするフェルナン・ブローデルの歴史観を援用し、短期予測はノイズの影響で難しいが長期予測は可能と説いた。

実際、日本の未来は中期的に見れば人口減少、長期的にはエネルギー確保の不安を要因に国家の衰退が進んでおり、必然的に通貨「円」は下落するとした。さらに短期的には黒田プット(庇護)に支えられたリスクオンの動きも相まって、円安が進捗すると予測した。アベノミクス2年目の2014年を振り返ると、東京株式市場は2013年の50%には及ばないが10%程度続伸し、円相場は2012年11月の衆院解散時の81円近辺から2013年末105円、さらに2014年は一時122円近辺まで下落した。

2015年も運命的な国家衰退の流れに逆らうすべもなく、貿易収支・財政収支の双子の赤字も加わり円安地合いが続くだろう。ただ近視眼的に見れば、円相場は原油安によるドル需給の緩和を受けて円高の動きを示す場面が増えるかもしれない。しかし、1971年のニクソンショックに始まった40年にわたる円高はすでに終焉しており、2015年は75円(2011年)をピークに円安への歴史的大転換が始まっていることを確認する1年になるのではないだろうか。

<アベノミクスは正念場の第2幕へ>

アベノミクス第1幕は株高円安が進んだ結果、企業業績改善や失業率低下など一定程度の成果が見られたが、国民全体に富が浸透する、いわゆるトリクルダウンの効果は表れず実質給与の低下に個人消費がもたついた状態で幕を閉じた。

アベノミクス第2幕は国民の信任を受けて、消費税再増税が実施される2017年4月に向けデフレ脱却と成長促進を目指して政策手段が総動員されることになるだろう。

具体的には「3本の矢」のうち「第3の矢」の実現が課題だ。アベノミクスの政策評価としては、浜田宏一・内閣官房参与(イエール大学名誉教授)が2013年11月15日の講演で、「3本の矢」を大学の通知表にならって金融政策A、財政政策B、成長戦略Eと採点したことが有名だが、実際のところ、金融政策は時間稼ぎに過ぎず、財政政策による需要拡大の効果が薄れつつある現状、供給サイド改革の本気度が問われている。

ただ過去2年、さまざまな目標が掲げられたが、既成勢力を前にして構造改革遂行の難しさは明白である。

また、例えば鋭く切り込んでいる人口問題を見ても、女性に対して労働参加を求める一方で合計特殊出生率を2013年の1.4程度から1.8程度へ上げるなど女性の頑張りに対する期待の高さは尋常ではない。果たしてアベノミクスは少子化が進む人口動態に劇的変化を与え国家衰退の速度を落とすことができるのか。このように「第3の矢」の多くが画餅に終わる疑念を拭えないが、ともかくその行方を見守るしかないだろう。

仮に成長戦略が有効に機能することになったとしても遅効的である点は否めず、当面は「第1の矢」である日銀による量的・質的金融緩和政策の動向が注目されることとなる。すでに日銀のバランスシートは国内総生産(GDP)比60%に達し、20%台の米連邦準備理事会(FRB)、イングランド銀行(英中銀、BOE)と比べても突出していることから、その資産を対価として発行される通貨「円」の信認に疑念が生じる可能性が高まる。

しかし、2015年度を中心とする期間にコア消費者物価指数が2%程度に達することを目標とする限り、現行の金融緩和政策に著変はないだろう。加えて本指数は2014年10月、11月と2カ月連続で1%を切り(除く消費増税の影響)、6月の直近高値水準に比べ40%以上も下落している原油価格がさらに下押し作用として働くのは必至だ。したがって、追加緩和策の実施を督促する市場の声は再度高まっていくだろう。米国における出口戦略はテーパリングを終え利上げ時期の模索へと移行しているが、日本においては黒田総裁の任期が満了する2018年春まで語られることがないとの見方も浮上している。とすれば、米国と日本との金融政策の方向性の違いは円安基調を下支えすることになるだろう。

一方、2012年11月より50%に及ぶ円下落の実体経済への影響を見ると、雇用状況は改善されつつあるが設備投資に目立った動きが表れていないことは、今後日本経済の成長を見通す上での懸念材料だ。輸出数量の増加に伴い(中小を含めた)企業活動が活性化すると期待されたが、数量効果の実現に手間取っている。

企業のリショアリング(本邦回帰)が本格化する動きも乏しい。これまで日本企業の海外シフトは円高対策を主たる目的として行われてきた。同時に付随効果として中国・東南アジアの労働コストの低さもまた魅力的であり、このメリットを織り込んだ上での国際分業体制が定着した。

その結果、今後円安へと多少振れたとしてもリショアリングの動きが奔流となる可能性は乏しく、国内における設備投資が本格的に喚起される可能性は低い。つまり現下の円安は、国内の生産を拡大するメリットが限定的であるのに対し、輸入物価の上昇によるインフレ税として国民の肩にのしかかる負担感は大きい。

それでもこの2年間の円安・株高は株式保有者にキャピタルゲインをもたらし、また多くの輸出企業の業務利益を拡大させた点において「良い円安」と呼ぶことができた。しかし、今後さらなる円安は、交易条件の悪化や国民生活の圧迫、さらに長期金利上昇に伴う国債利払い増大による財政悪化など「悪い円安」の側面が強まることになるだろう。

<ドル173円を一笑に付せるか>

1985年9月22日のプラザ合意を機に、米国のドル安政策に同調したG5によるドル売り協調介入が続き、円相場は1ドル240円水準から1年半後には150円へと下落し、ついにルーブル合意により同水準で逆介入が行われるに至った。その後円相場は、折からの貿易収支黒字下において円高推移を続け1995年に79円に達した。

現在日銀の行う金融緩和政策は円安政策と言うべきものであり、日本はドル高の水準訂正であったプラザ合意と正反対である円高(ドル安)の水準訂正、つまり「逆プラザの道」を歩み出したかのようである。

実際、貿易収支は2011年を境に、1981年以来30年続いた黒字から赤字へと大きく転換している。加えて、外国証券投資比率の40%への引き上げを発表した年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に代表されるように、国内の機関投資家そして個人投資家はインフレそして円安による円資産の減価を防ぐためにポートフォリオ・リバランスによる海外投資、すなわちキャピタルフライトを積極化させており、その流れは定着したと言えよう。

ちなみに、長期チャートを眺めれば2007年の124円が円相場の当面の目標水準となっているが、そのポイントがブレークされれば、その次の目標は1998年の147円となる。そして、さらに75円(2011年)をトップに124円をネックラインとすればトップとネックラインとの差(124円―75円)が49円あり、結果として円相場は173円(124円+49円)を目指すと読むことができる。

このようなチャート的思考を一笑に付すことは容易だが、日本経済を取り巻く環境が激変しているとすれば心に留め置く価値はあるだろう。


世界は人口増大と技術革新で成長を図っている。かかる状況下、ひとり日本は、人口が減少する一方で、産業競争力の衰えにより「ものづくり国家」の屋台骨が揺らぎ始めており、為替調整への依存度が高まっている。2015年は「逆プラザ」への一里塚になるのではないだろうか。
三菱東京UFJの内田氏も亀岡氏の意見に近い。重なるが敢えて載せておきます。
内田稔 三菱東京UFJ銀行 チーフアナリスト

[東京 26日] - 米連邦公開市場委員会(FOMC)は12月の会合で、正常化(利上げ)開始まで、忍耐強くいることができるとの表現を新たに採用した。すぐにではないとの条件付きながら、利上げ開始に向けて大きく前進した。

10月に株価が大きく下落した際も、フローの量的緩和策を終えた。12月も、原油価格が急落するなど、市場が混乱したタイミングと重なったが、正常化を進める意向を明確に示した。よほどのことがない限り、FOMCはこのまま2015年半ばの利上げへと進んでいくのだろう。

他の先進国の中央銀行が、金融緩和の程度を強める中、正常化に向かう米国のドルが独歩高の様相を呈しているのは、自然な動きと言える。2015年もこうした相対的な金融政策の格差が継続する公算が大きく、ドル高相場がしばらくの間、続くとみる。

インターコンチネンタルエクスチェンジ(ICE)に上場されるドル指数は、すでに2005年以来10年ぶりの高値更新を目前に控えている。欧州中央銀行(ECB)が量的緩和に踏み切り、対ユーロでのドル高が進めば、このドル指数はさらに2003年来の水準へ一段高となる可能性も高まる。しかし、このドル高には死角もありそうだ。

<ドル高はシェール投資抑制の遠因か>

まず、ドル高は米国の物価の伸びを抑制する効果を持つ。もちろん、米国がこれから進める利上げは、引き締めではなく正常化。金利の上げ下げによる金融政策を行うため、利下げを行う発射台を作ろうというものだ。物価の伸びが鈍くても、利上げには着手するだろう。

ただ、引き締めではない以上、利上げに着手した後も、市場の反応をみながらゆっくりと利上げを進めるとみられる。前年比年率換算で5%という高い伸びをみせた第3四半期でさえ、物価の伸びは鈍いままだ。ドル安と原油価格の高騰によって、ガソリン価格が2倍へと跳ね上がり、17回連続しての利上げを行った2004年当時と状況は大きく異なっているということだ。利上げペースが、急ピッチで進むドル独歩高を正当化するほどのものではないという見方に市場が傾くとき、自ずとドル高のペースは和らいでいくだろう。

次に、ドル高が原油価格の下落をもたらしている可能性がある。ドル建てで表記される原油価格は、ドルとは逆相関の位置にあるためだ。ただでさえ、石油輸出国機構(OPEC)の減産合意の見送りや需要見通しの引き下げに加え、米国産シェールオイルの増産も続く見通しであり、原油価格の上昇は見込みにくい。原油価格が低位で推移すると、個人消費への追い風となる反面、採算の悪化を理由にシェール企業が新規の投資を抑制する。ここまで、個人消費と並んで、設備投資も好調であった点を忘れてはならない。

そもそも、今回の米国の景気回復は、2009年6月から始まり、2015年1月で68カ月目を迎える。これは、今回を含む戦後12回の景気回復局面の中でも、すでに5番目の息の長さだ。仮に、2015年6月に利上げが始まれば、その時点で73カ月目と戦後4番目の記録に並ぶ。この息の長い景気回復を支えてきたのが、量的緩和策とシェール革命である点に異論は少ないだろう。

量的緩和策は金利の低位安定を実現し、株式相場や住宅市況の改善を促した。これが、資産効果を通じて、好調な個人消費を支えてきたと考えられる。ただし、その量的緩和策は10月いっぱいで再投資を除き、資産買い入れ(フロー)は終了している。今後は、FRBがバランスシートを維持するといった残高(ストック)の量的緩和策のみとなる。

シェール革命も、先に述べた通り、2015年以降も革命であり続けるのか、疑問が残る。米国には当面、実質金利がマイナスといった追い風も残るが、そのマイナス幅も、正常化に向かう過程で徐々に縮小していこう。2015年の米経済はこれまでの景気の下支えが弱まるうえ、通貨高ものしかかってくる構図と言えよう。

もちろん、こうしたドル高による負の側面が顕在化したり、幅広く市場が材料視したりするまで時間を要する見込みだ。当面、米国が正常化に向かうとの期待から、年央にかけてドル高が進む時間帯が先行するだろう。時として、オーバーシュート気味にドル高の勢いが加速する場面もみられるかもしれない。ただ、ドル高が進むほど、ドル高への逆風も強まる点に留意が必要だ。

<1ドル=130円シナリオの壁>

さて、一方の円を取り巻く環境は、そう大きく変わりそうもなく、依然として先安観は根強い。130円に達するとの見方も増えている通り、基本的にドル円は底堅く推移しよう。

ただし、10月31日の日銀によるサプライズ緩和や、消費税増税の引き上げ延期と衆院の解散・総選挙、さらには日本の格下げといった円安材料のオンパレードが一巡したのも事実だ。特に、重視すべき点は、ブレーク・イーブンインフレ率をみる限り、10月の追加緩和の直後に反発した日本の期待インフレ率が、足元では追加緩和の決定当時よりも著しく低下していることだ。サプライズ緩和が、期待実質金利の低下を通じて、株高と円安へと波及する経路は、実際のところもうあまり機能していない。

事実、12月はドル高の影に隠れ、みえづらいが、幅広い通貨に対する円相場の動きを確認すると、おおむね横ばいか小幅ながらも円高に推移した。また、国際収支の観点でも、2015年の貿易赤字は原油価格の下落により縮小しよう。第一次所得収支(旧・所得収支)の黒字増加も見込まれ、経常収支の悪化には歯止めがかかりそうだ。金融収支では、円建てでみた対外資産価格の上昇によって、対外直接投資も減少する可能性が高い。このため、注目を集める対外証券投資の活発化が予想されるものの、国際収支の全体をみると、必ずしも一段の円安を促すほど円の需給バランスが変化するわけでもなさそうだ。

こうしてみると、2015年のドル円相場は、意図的な円の押し下げとも映りかねない国内サイドのサプライズ緩和がない限り、上昇ペースは鈍化するのではないか。12月にもみられた通り、市場が不安定化する場面では時折、円の買い戻しも起きよう。

特に「取り戻す」がキーワードの安倍首相にとって第1次内閣が退陣した2007年高値の124円台に迫れば、少なくともドル円については取り戻し切ったことにもなる。円安をけん制するトーンをじわりと強めるかもしれない。2015年のドル円は125円程度に迫る場面では上値の重さも増すとみている。
さて、急激な円安は輸出に依存する中国や韓国に深刻な問題を引き起こします。
ドルとリンクさせている為に外貨準備金(≒アメリカ国債)の保有高が膨大に膨れ上がっています。2007年度には、中国の外貨準備金が日本を抜いて世界一になりましたが、日本の外貨準備金が減っている訳ではなく、中国の額が恐ろしいペースで伸びているのです。
しかし中国にしてみても、大量のアメリカ国債を自国が抱えこむことは、決して好ましいことではありません。いくら介入しても、市場原理により徐々に人民元高は進んでいる現状があるので、将来的にアメリカ国債が元本割れ(元ベース)になる可能性が大きい。
かといって為替介入を止めてしまえば、ドル安=人民元高が一気に加速することは確実です、輸出で儲けている中国にとっては大損になります。結局は、現在の利益を優先すれば将来の利益が減ることになり、ドルペッグ制はその場しのぎで負債先送りの政策に過ぎない。
つまり、金利調整策にしろ為替介入策にしろ、本来市場原理に基づいて動く為替相場を無理やり操って固定相場制を図る行為は、国の政策に大きな歪みを生み出すことになり、長期的に見れば決して好ましい政策ではない。
韓国も金融緩和でウォン安に誘導すればよいのだが、韓国は外国からの証券投資額はGDPの4割以上に達し、外資への依存度が高い。ウォン安は外資の韓国売りの引き金になり身動きがとれないのである。
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アベノミクスが打ち出されて以来、2年で1ドル=120円をつけた。回復基調の国内経済に比べ、海外への影響はどうか。調べてみると、隣国の中国、韓国への衝撃度はかなり大きいことがわかった。

不況感が全土に広がっている中国をグラフで見よう。鉄道貨物輸送量というと、唐突かもしれないが、李克強首相が遼寧省共産党書記当時に米国の駐中国大使に向かって「GDPは人為的だが、鉄道貨物輸送データは信用できる」と推奨した。中国はGDPにモノが占める比率が5割程度と高い。そのモノの動きを代表する鉄道貨物は経済実態をかなり正確に反映する。

アベノミクス開始後、円は急速に下がり続けるのに並行して、中国の鉄道貨物輸送量が急激に落ち込む傾向が顕著だ。輸送量は今年初め以来、マイナス基調が続く。円安・人民元高と中国景気不調がなぜ共振するのか。

人民元は12月5日までの2年間で円に対して50%以上も上昇した。人民元高は中国の輸出競争力を損なわせる。製造業の新規輸出受注指数はこの11月で前年比2・1%減だ。日本企業は対中投資を削減し、他の生産をアジアへ移す動きも出ている。このまま、円安・人民元高が続けば、賃上げ率が年2ケタの中国に見切りをつけて、日本にUターンする企業が続出しておかしくない情勢だ。

円安の動因はもちろん、アベノミクス第1の矢「異次元金融緩和」だ。日銀が資金を大量発行すると、ドルに対する円相場は下落する。中国は逆に人民元をドルに対して切り上げざるをえない。

中国当局は外国為替市場に介入して、人民元を小刻みながら切り上げることで、外部からの資本流入を促している。中国本土にカネを持ち込む勢力の多くは中国の党官僚、国有企業など特権層で、大半は利殖目的であって愛国的ではない。人民元を切り下げると、こうした投機資金の多くが中国から逃避する。すると、不動産や株式相場は暴落する恐れがある。従って、習近平政権は汚職高官の不正蓄財資産の対外持ち出しを取り締まると同時に、人民元相場を引き上げざるをえない。中国は自身の制度と内部事情のためにアベノミクス相場に対応できないのだ。

習政権が安倍政権との対話再開に動き出した理由の一端は、以上のような中国側の苦境にあるだろう。高度な技術を持つ日本企業を何とかつなぎ留めないことには、将来が危うい。

一方、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領はこのところ、円安の進行に神経をとがらせている。朴大統領は「(世界的に不透明感が強まっているため)株式市場を含む国内の資本市場ではボラティリティーが高まっており、輸出企業の利益が円安のために悪化する恐れがある」(ロイター通信の10月6日電)と述べた。さらに、韓国・中央日報の日本語ウェブ版11月17日付によると、朴大統領はオーストラリアで16日に開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合で、「自国の状況だけを考慮した先進国の経済および通貨政策は新興国にマイナスの波及効果を及ぼす」と語り、日本の円安政策を暗に批判した。

円安による打撃を端的に反映しているのが、日韓の対照的な株価動向である。円安・ウォン高が電子・電機や自動車、鉄鋼など日本と競合関係にある韓国大手輸出企業の競争力を低下させるとの不安から、韓国株は低迷を続けている。それを尻目に日本株は順調に上昇気流に乗っている。

韓国も金融緩和でウォン安に誘導すればよいのだが、致命的な弱点がある。韓国への外国からの証券投資額はGDPの4割以上に達し、外資への依存度が高い。ウォン安は外資の韓国売りの引き金になりかねない。

経済政策は本来、自国のために行うのが国際的な鉄則だ。日本としては国内需要の拡大を通じて、中国や韓国の経済にも好影響を及ぼす結果を出すよう、粛々とアベノミクスを完遂するのみだ。



 







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[東京 12日 ロイター] - 来週の東京株式市場はじり高基調が継続しそうだ。ドル高/円安基調が引き続き日本株を支援するという。日経平均は心理的節目の1万6000円を回復する公算が大きい。

一方、米利上げ時期を探るうえで米連邦公開市場委員会(FOMC)への関心が高く、FOMC後の動向を警戒する声も出ている。

日経平均の予想レンジは1万5700円─1万6300円。

日経平均とダウ工業株30種.DJIの値動きを比較するNN倍率(終値ベース)は11日に0.933となり、8月29日の0.902を底に反転上昇。8月4日以来、約1カ月ぶりの高値水準となった。米早期利上げ観測を背景に米国株はやや調整含みにあるが、ドル高/円安基調が日本株を押し上げている構図だ。

東海東京調査センター・チーフストラテジストの隅谷俊夫氏は「ドル/円JPY=EBSはいったんトレンドができると10円程度動く傾向がある。今回の円安局面ではまだ5円程度に過ぎず、一段の円安が日本株の追い風になる」との見方を示す。円安による業績改善期待から輸出株が買われ、日経平均は昨年末高値1万6320円をうかがう可能性があるという。

一方、注目は16─17日の米FOMCだ。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見も予定されており、米利上げ時期についてタカ派的な見方が出てくるのではないかとの観測が高まっている。「米国にインフレリスクが乏しいため、市場を荒らすような発言は想定しづらいが、マネーフローが変調すれば、株売りにつながりかねない」(国内証券)と警戒する声が出ている。

また東京市場では秋の新規株式上場(IPO)シーズンが始まる。17日にロックオン(3690.T: 株価, ニュース, レポート)、18日にリアルワールド(3691.T: 株価, ニュース, レポート)、19日にAMBITION(3300.T: 株価,ニュース, レポート)がいずれも東証マザーズに上場する。11日に上場したジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)(7172.T: 株価, ニュース, レポート)が好発進となっただけに、IPO人気が高まりそうだ。

主なスケジュールでは、16日に8月首都圏新規マンション販売、18日に8月貿易統計や4─6月資金循環統計、19日に8月全国百貨店売上高が発表される。

海外では、16─17日のFOMCのほか、15日に8月米鉱工業生産、18日に8月米住宅着工件数と9月フィラデルフィア地区連銀業況指数、19日に8月景気先行指数(コンファレンス・ボード)などの発表が予定されている。
米国経済の順調な回復を見据えてドルを買う動きが強まり、1カ月間で約5円も円安ドル高が進んだ。
上野泰也 みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト

[東京 10日] - ドル円相場が上昇余地を断続的に模索している。米連邦公開市場委員会(FOMC)が10月下旬に量的緩和縮小、いわゆるテーパリングのプロセス完了を決めるよりもかなり前という予想以上に早いタイミングだ。

先週後半以降のドル円の動きをざっと振り返れば、5日の日本時間早朝、仕掛け的なドル買いから一時105.71円まで上昇。1月2日に記録した年初来の円安値105.45円を突破した。8月の米雇用統計発表後に一時104円台後半まで売り戻されたが、市場のドル買い意欲は根強く、8日のニューヨーク市場で106円台に乗せ、10日の東京市場では午後2時現在106円台半ばで推移している。

今回の円安ドル高局面の根底には2つの「期待先行」があると、筆者は整理している。

まず、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革が円売り需要に結びつくという思惑が広がった。具体的には、運用改革積極派として知られる塩崎恭久氏が3日の内閣改造でGPIFを所管する厚生労働相に起用されたことにより、国内株式や外国株式・外国債券の比率を引き上げる方向のGPIF基本ポートフォリオ見直しの「早期実施」期待が強まった。

次いで、日米金利差の拡大を通じて円安が進むとの期待感が急速に広がった。着実な景気回復を背景に米国の利上げが市場のこれまでの想定よりも早く開始されて米長期金利が大幅上昇する一方、日銀の追加緩和観測が再び強まっている日本では長期金利の低位安定状態がこのまま続くとの予想からだ。

むろん、現在の世界経済を見渡した場合、米国経済(および米ドル)の相対的な優位は明らかである。ユーロ圏の景気はウクライナ情勢の影響もあって回復が止まり、日本の4―6月期は大幅なマイナス成長で景気下振れリスクが顕在化し、英国ではスコットランド独立住民投票の行方が不透明さを増している。

消去法で「ドルは買い」となるのは自然の流れであり、これが全般的なドル高局面に結びついている。そうした中であえて対円でドルを買い進む理由は、上記の2点というわけだ。

したがって、今回の円安ドル高局面に持続性が伴うのか、平たく言うと、このまま大きな調整を経ることなく108―110円を目指す「円安の波」が形成されていくのかどうかが、当面の焦点になる。先行した期待に現実の動きがキャッチアップしてくる場合には、このまま円安が進むことになるだろう。一方、期待に現実がキャッチアップしてこない場合には、ドル円はいったん円高方向に揺り戻すことになる。

<GPIF改革めぐる円安期待は行き過ぎ>

まず、2つの「期待先行」のうち、公的年金運用改革について述べると、それが株価上昇や円安につながるとの市場の期待感は、明らかに過大である。

公的年金の運用は国民の大事な財産を預かって行われているわけであり、市場で「高値つかみ」をするようなことがないよう慎重にマネージされるはずだ。委託を受けた運用会社のポートフォリオマネージャーが「上昇相場を作る」ような買い方をして、これに売り向かった海外の短期筋などが結果的に甘い汁を吸うようなことが大規模に起きるのは、当然回避されるだろう。

さらに、GPIFの基本ポートフォリオ見直し問題では、運用資産区分ごとの比率(パーセンテージ)もさることながら、その比率への「移行期間」と「許容かい離幅」が、きわめて重要なポイントになる。要するに、新しい基本ポートフォリオへの移行期間を十分に長くしておき、許容かい離幅も大きな数字にしておけば、日本株や外国資産を短期間で無理に買い増す必要性が薄れるため、その分「高値つかみ」を余儀なくされる可能性も小さくなる。

関係者のコメントを見ていると、話はそうした方向に進みつつあるとの推測は十分可能である。期待先行で日本株買いや円売りが進められた部分は、遅かれ早かれ剥落するだろう。

<年末に向けた日米金利差急拡大は期待薄>

では、米長期金利の上昇を主因とする日米金利差の拡大についてはどうか。こちらについては現時点で明確な結論を出しにくいものの、少なくとも金利差が年末にかけて急拡大するとは考えにくい情勢である。

今月9日、米2年債利回りは早期利上げを警戒して0.56%に上昇し、米10年債利回りは独10年債利回りが1.00%まで上昇するのと連動する形で2.50%まで上昇した。欧州中央銀行(ECB)による量的緩和への過剰な期待から独10年債が水準感を半ば喪失して0.9%割れまで買い進められ、米10年債が2.30%まで急低下した局面が終わったことを、はっきりと印象付ける動きである。

米国と日本の2年債の利回り格差は、9日に0.49%まで拡大した。同日の10年債の利回り格差は1.97%で、節目とみられる2%超えまで、あと一息である。

念のために説明しておくと、2年債利回りはその国の当面の金融政策(政策金利)の方向感を示す代表的な指標の1つとして重要である。また、米国の10年債や30年債の利回り水準や日本との利回り格差は、国内大手生保などが運用先を国内債から米国債にシフトするかどうかを探る上で重要な手がかりになる。

利回り格差が拡大して投資妙味が大きくなれば、日本からの投資マネー流出が増えて、円安が進みやすくなる。米2年債利回りがこのまま強含みで推移し、米10年債利回りが米国のファンダメンタルズに沿った水準とみられる3%以上へと順調に切り上がるならば、ドル円は現在の動きの延長線上で108―110円台を目指すトレンドを形成するだろう。

だが、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長のハト派寄り姿勢、すなわち、利上げを慌てて開始し、それを積み重ねて失敗するよりも、利上げのタイミングやペースが遅すぎて失敗することのほうが、米国経済にとってコストは小さいという基本的な考え方は、今後も変わりがないだろう。イエレン議長がタカ派になびくのではないかというような市場の思惑は、強く否定される可能性が高い。これは米長期金利の一段の上昇を抑制する要因である。

また、米10年債についてはこれまでの相場動向から考えて、2.65%前後で邦銀勢を含む買い需要が厚そうである。この水準を抜けた場合でも、2.75―2.80%を抜けるためには、それなりに大きな材料が必要になる。

さらに言えば、「逆金融相場」入りを警戒して米国株がまとまった幅で調整するシナリオが、年末にかけて意識される。そうなった場合、米国債の利回りは当然上がりにくくなる。決算をにらんだヘッジファンドのポジション手仕舞いの動きも警戒されるところである。

以上のように整理して考えると、先行して広がった期待に対する現実のキャッチアップ度合いが不十分なものにとどまる中で、遅かれ早かれ、ドル円はいったん円高ドル安方向に揺り戻す可能性が高い。
唐突にも麻生財務大臣が、消費税の10%への増税のショックを和らげるため年末に補正予算を編成するという話を出してきた。例のように4兆円くらい予算が余るからである。この財源はいつもの通り、税収見積もりを過小に行い、また国債利回りを高く見積もってきたことから生まれる。このような小手先のことをずっと続けていてもしょうがない。本予算でしっかりとした総合的な経済政策を打出すべきと思う。
田巻 一彦

[東京 12日 ロイター] - 円安進展の波及効果をめぐり、株式市場にばかり注目が集まりがちだが、別のマーケットにもエネルギーが溜まり出している。それは日本国債市場だ。

日銀の量的・質的金融緩和(QQE)で長期金利には低下圧力がかかり続けてきたが、円安が110円方向に一段と進めば、輸入物価を中心に消費者物価指数(CPI)を押し上げ、0.5%台の長期金利とは整合しなくなるとの見方が、国内勢の中でジワリと広がりつつある。

<黒田総裁、円安はマイナスにならずと発言>

日銀の黒田東彦総裁は、足元でドル/円JPY=EBSが107円台を付ける円安局面に関連し、11日のテレビ番組で「今の円安が日本経済にマイナスになるということはない」と述べた。

この発言は、日銀が円安進展を容認していると市場では受け止められ、12日の東京市場でも107円前半での推移となっている。

市場では、この円安が輸出企業の業績を押し上げ、株式市場にとってプラスの材料であるとし、円安が株高に波及するルートに着目する声が多い。

実際、12日の日経平均.N225は、1万6000円台目前の水準に切り上げている。

<円安で意識され出したCPIへの波及効果>

だが、マーケットを取り巻く個人投資家らがあまり注目していないところで、静かに動き出しているのが、長期金利JP10YTN=JBTCだ。いったん0.485%まで低下していたが、12日は0.570%に上昇している。

米長期金利の上昇との連動性を指摘する声や、9月中間期末を控えた調整売りなど市場には多様な声が出ているが、ここから先の展開では、円安がポイントになるとの指摘が国内勢の一部から出ている。

107円台まで上がってきたドル/円が、110円を目指してさらに上昇した場合、CPIに影響を与え出すのではないか、との見方だ。

日銀とエコノミストの物価をめぐる見通しで、最も見方が分かれていたのが、今年秋以降のトレンドだ。エコノミストの中では、昨年の円安進行の効果が1年たってはく落し、その部分のCPI下押し効果と景気減速で、CPI上昇率は1%割れもあると予想されていた。

日銀は1%前半での推移が継続し、やがて上昇率が拡大する過程に入るとみている。足元における約1カ月間での5円近い円安進行は、CPI上昇率の低下を見込んでいた向きにとっては、想定外だったはずだ。

また、一部の国内勢は、110円を突破するような円安が年内に実現するようなら、CPI上昇率は日銀の見通しよりもやや上振れる可能性もあるのではないかと予想しだした。

<国内勢の目線上がる可能性>

今後、半年から1年を見通した場合、円安の進行─CPIの上振れが多くの人の目にはっきりしてくると、財政赤字拡大や経常赤字転落を材料に日本国債を売り仕掛けしようとする海外勢とは別に、国内勢の動向が注目されることになるだろう。

日銀が見通しているように2015年度中にCPI上昇率の2%が視野に入ってくれば「0.5%の長期金利は、整合性があるとは言えなくなる」(国内金融機関の関係者)という声が増えてくると予想される。

長期金利が一足飛びに1%台に上がる可能性は低いだろうが、国内勢の長期金利に対する「視線」が変化し、0.6%台─0.8%台に取引レンジがシフトする可能性が十分にあると予想する。

一方、日銀のQQEの効果で、3カ月物や6カ月物の一部では、マイナス金利が付いており、金融緩和効果が一段と鮮明になっている。

この先、円安が進み続ければ、短期ゾーンは低下し、長期ゾーンは上昇するというイールドカーブのスティープ化が一層鮮明になるだろう。

いったん、そうした金利が形成された時に、その先に市場が何を意識するのか──。1)消費再増税の負担を予想して、長期金利は再び低下していく、2)補正予算などの財政出動で景気がそこそこの回復基調をたどって、1%に向けじわじわ上昇する、3)財政赤字の膨張を意識して急上昇する、という3ルートが予想される。

政府が2)のルートに誘導させようとするなら、消費再増税とその後のマクロ政策はどうなるのか。政府・日銀と市場との神経戦が、一段と熱を帯びて来ることになるだろう。

「アベノミクス」を過少評価されているが、日本経済は「経済の大変化」が起っているかもしれない

米国の実体景気の回復の姿はFRBのベージュブックでは前月に続き、揺るぎない成長見通しが発表された。米連邦準備理事会(FRB)が9月16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、資産買い入れプログラム終了後も事実上のゼロ金利を「相当な期間(considerable time)」維持するとの確約を解除し、来年6月の利上げ開始に向けた下地を整えるとの観測が、有力エコノミストの間で高まっている。
市場参加者の間でFOMC声明のタカ派色が強まるとの見方が強まる中、JPモルガンのエコノミスト、マイケル・フェロリー氏は12日、投資家向けノートの中で、「相当な期間」の文言変更はもはや行き過ぎた考えには見えないとし、イエレン総裁がFOMC後の会見で「穏やかな表現を用い文言を変更することは可能だろう」と指摘した。

9月 19日配達分のアイフォーン大画面版iPhone6プラス」が、事前注文が受け付け開始後数時間で殺到したり、2日に発表された米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業景況感指数は3年5ヵ月ぶりの高水準、7月の世界の半導体売上高は前年同月比9.9%増となり、単月の実積としては過去最高を更新し、5ヵ月連続で全地域で前年を上回った。また、米国の新車販売では8月の新車販売台数は前年同月比5.5%増となり、8月としては2003年以来11年ぶりの高水準となった。。米国では新車の販売が好調であり、米国では中産階級家庭の収入が株高で急速に増え自動車の新車需要が急速に高まっている。 

今年に入って米国の景気の回復状況を示すものとして米国では雇用統計が重要視されてきた。昨年後半、米国の歴史の中でかつてない積雪を記録した大雪は米国経済に大きな被害をもたらした。しかし、9月5日発表された8月の雇用統計では、前月に比べ14万2000人増え(増加幅は市場予測22万5000人)、市場予測を大幅に下回る弱い数字となった。だが、失業率6.1%という水準で推移していけば、米国でほぼ完全雇用状態といわれる5%台前半は現状では来年春にも到達する可能性は高い。

 過去の金融引き締めの過程への動きをみるとインフレ化を恐れて早めに資金の供給を絞りデフレを招いて失敗に終わっているケースが多い。 ましてや今回は信用危機を終演するためにドルを外国にまでタレ流して、財政を使い果した結果、デフレを発生させずに景気をなんとか回復させてきた。イエレンFRB議長によればデフレ経済を起こさずに大量の資金を供給した初期の景気回復には雇用数値が高く出るのはあたりまえである。数値が高いからといってその数値をへし折る政策をとれば再び2-3倍のデフレの種がまきちらされることになる。
 
その種を取り除<ためにさらに大量のマネーがいることになる。日本のようにデフレが長期化してしまった日銀の政策をFRBは反面教師としている点である。一歩間違えれば15年に及ぶ日本のデフレ時代に突入するからである。インフレもこわいがデフレは更にこわいとイエレン議長はみている。

 米株式相場が再び最高値を更新し始めるなど資産価格の上昇が鮮明になる中で、FRB内部でも早期の金融引き締めを求める意見も出始めた。労働市場が改善しても労働参加率の上昇は見込めないという、今までにFRB内で聞えてこなかった動きも生れてきている。労働問題を引き締めの材料にしようとするFRBの結論の声はまだ先になりそうだ。

スコットランド独立問題やウクライナを中心とする地政学リスクで、欧州のマネーが米国に流入して米国債が買われ米国の金利が低下する現象が生まれ、世界的に低金利状態が続<状況が生まれている。景気が拡大化する国での現象と違う流れが生まれ始めている。

 1980年以降バブルの崩壊で約20年近<デフレスパイラルが続いた日本の経済のようになりたくないと、米国や欧州も日本を反面教師として必死に現状戦っている。
 日本は先週、米国のドル安で円相場は急速に円安になり、日経平均は急上昇している。いよいよドル・円相場は年末には1ドル=110円の時代に突入していきそうであるが、多少スピード違反ぎみである。

日本経済はここ15年間で経験したことのないドル高・円安・株高の時代が到来する可能性が高い。

「日本の4-6月期GDPが年率6.8%減 アベノミクス、完全に失敗!」 「試練のアベノミクス4~6月期GDP大幅減 頼みの個人消費も黄信号」 
「力強さ欠く個人消費…政府シナリオに狂い」             
 消費税の反動減がある程度見込まれていたとはいえ、「実質GDPマイナス6.8%」という2014年4-6月期のGDP統計で、「デフレ大好き学者」、「反アベノミクスメディア」から「なんでも批判政党」までが俄然勢いを盛り返しているようです。一部大手メディアや外国メディアもここぞとばかり、アベノミクス批判を繰り広げています。              
 しかし、内閣府が発表したデータを直接調べてみると、“識者”コメントの受け売りだらけの新聞報道とは異なり、「アベノミクスは結構うまくやっている」こと、「GDPをもっと増やすための課題は輸入削減にある」ことが見えてきます。                         
■“実質GDP”は生活実感と大きく乖離              
 「最近、どの行楽地もレストランも混んでいる」 
 「株価もまずまず、企業業績は順調」 
 「不動産業者や人材派遣業者がものすごく強気」 
 という皮膚感覚と、“GDP大幅マイナス成長”の差がどこから出るのか、GDPの推移を見てみましょう(図1)。
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(出所:内閣府)                          
 これをみると、確かに2014年の第二四半期はマイナス6.8%で、2008年のリーマンショックほどではないものの、2011年の東日本大震災直後に匹敵する落ち込みです。でも、この数字だけを見て喜んだり、悲しんだりしていては、受け売りメディアと同じ表層だけの理解にとどまってしまいます。
 実は、この数字には4つ“トリック”があります。 
 まず、消費税の駆け込み需要で第一四半期(1-3月)がプラス6.1%だったので、その反動減です。1-3月に先食いで+6.1%と水膨れしているので、その分が減れば“大幅減”に見えてしまうという点です。 
 加えてこの数字は“季節調整値”で、かつ“年率換算”されています。年末の書き入れ時となる第4四半期は例年GDPの数字が増えるので、それを数学的に平準化するのが“季節調整値”で既にモトの数字ではありません。だから消費税の駆け込みで、いつもは数字が低い第一四半期が多ければその分修正後の数字は大きくなります。また3か月分の数値を概ね4倍にしてみせるのが“年率換算”です。消費税の反動減は今年は1回しかないと分っていても年率にすると効果が4倍大きく見えます。 
4つめは、“実際の数字(名目GDP)ではなく、実質GDPというところ”
です。実質GDPはインフレやデフレの影響を排除するもので、経済学者からみれば“正しい”数字でしょう。でも、実質GDPで行われる操作は、企業経営や投資、実際の生活実感とは相容れないのです。
 例えば、 
 「え~、当事業部の売上は前年と同額ですが、5%デフレだったので実質5%増です!」 
 と事業部長が言えば、まずクビになります。 
 また、 
 「貴方の運用リターンは+8%でしたが、インフレが3%だったので、実質パフォーマンスは5%。これで今期のボーナスを決めます」 
 といわれたらファンドマネージャーは顔を真っ赤にして怒ることでしょう。 
 日常生活でも、 
 「ダイコンの値段が税込150円から154円になっても、消費増税分4円は財布から払っていないのと同じなので値上がりと考えるのは間違いです」 
 といわれて、 
 「へぇ~、そうなんですか」 
 と納得するオメデタイ方はまずいません。
 また、ドル円相場の10年チャートを見るときも、TOPIXの推移を見るときも、インフレ・デフレを調整した数字は机上の空論に過ぎません。このため、投資を考える際にはそのままの数字を使います。さらに言えば、この“実質値”に換算するための係数(GDPデフレーター)も、「ハードディスクの性能が倍になったら価格が同額でも50%価格が下がったとみなす」といった数字遊び的な要素を含んだものなのです。 
 つまり、「実質GDPマイナス6.8%」という新聞の見出しに出る“似て焼いて作った数字”は、アカデミックの世界では意味があっても、投資、経営、会計といった用途には使えないシロモノなのです。                                                
■GDPのモトの数字でみたら「あれっ増えている!」               
 実質ではなくそのままの数字を(名目)、季節調整や年率換算する前のものを見ると、どうしてもアベノミクスを批判したい一部マスコミの説明とは違い、実態は悪くなさそうです(図2)。
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(出所:内閣府)                          
まず、メディア報道から受ける印象と異なるのが、“駆け込み需要があった第一四半期よりも第二四半期の方が多い”ということです。消費税増税や便乗値上げ、円安の影響も入っているのですが、企業の売上や公共投資、実際に消費者が財布から支払う金額はこの数字の方が実感に近くなります。 
さらに言えば、過去の同じ四半期の数値どうしを比較したが、季節的な要因の影響もなく、機械的な季節調整の年率換算なしに、経済の状況を正しく見ることができるはずです。そこで、リーマンショックの影響も一段落し、東日本大震災が起こる前の2010年の各四半期を基準として、対応する四半期の名目GDPとの差額をみたのが図3です。
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(出所:内閣府、eワラント証券)                  
 2010年の各四半期との差額を見ると、リーマンショック前の2008年は今より桁違いに経済活動が活況であったことが見て取れます。また、翌年の2009年各四半期の落ち込みが大きいことと、2011年の東日本大震災やその後も続いたデフレ政策が経済を痛めつけていた事も一目瞭然です。
 ところが、2012年末から始まったアベノミクスによって、2013年第一四半期には目に見えて落ち込みが小さくなっています。とはいえ、2014年第一四半期の駆け込み需要でようやく2010年の水準比でプラスに転じました。驚くべき点は、そこで需要を先食いしてしまったにも拘わらず、第二四半期は2010年の同時期よりも経済活動が活発であったことです。これを見るなら「アベノミクスで日本経済は順調に回復中」ということになり、メディアに溢れる報道と全く逆の結論になります。                                              
■内需も輸出も順調に拡大中、GDPを増やしたいなら輸入削減が不可欠  
 「実体経済が良い方向に進んでいるにも拘わらず、マスコミの受け売り報道に惑わされるな」というと、「ん…まだ信じられない」という声が聞こえてきそうです。そこで、名目GDP(修正前のモトの数字)の内訳を、2010年の各四半期との差額でみたのが図4です。
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(出所:内閣府、eワラント証券)                  
 まず目に付くのが内需合計額(白黒の斜線)の急拡大です。マスコミがなんといっても、デフレ願望学者が政権批判をしても、アベノミクス後の内需は急拡大しています。また、「消費税導入で消費者の財布の紐が固くなった」、「性急な増税で日本の景気が減速した」と特定の海外メディアが大喜びしても、実態はそうではありません。家計の消費(緑の棒グラフ)を見ると、消費税導入後に落ち込んだとはいえ2010年よりも高い水準で、消費者の財布から出ているお金はかえって増えていることになります。 
 また、「アベノミクス第二の矢である財政出動はバラマキばかりで役に立っていない」という声があっても、政府最終支出(黄色に黒の斜線)と公的資本形成(オレンジに黒の横線)は、2013年第一四半期以降、内需拡大をしっかり支えています。「円安で輸出が増える時代ではない」「日本の産業構造が変わった」というのもちょっと的が外れています。確かに東日本大震災以降、日本企業の現地生産の加速、海外企業の日本離れが顕著とされていますが、図4の輸出(茶色)は着実に増加しています。
 それでも課題はあります。「TPPを導入し、国家の枠を超えて行こうというご時勢にGDPという指標に頼るべきか」という意見もありえます。しかし、GDPで株価が動き、国力の目安とされている以上、「内需拡大だけでなくGDPを増やすことも同様に重要」なのです。現在、日本のGDPを大きく増加させることへの最も大きな障害は輸入の急拡大(図4の赤字に黒横線のグラフ)です。せっかくの内需拡大を輸入が喰ってしまっているわけです(日本が世界経済の拡大に貢献しているとはいえます)。 
 つまり、「GDPの計算上、どんなに内需が増えても輸入品を買えばGDPが減る」のです。簡単に言えば、GDP(国内総生産)=国内の経済活動+輸出-輸入です。だから輸出はGDPにプラス、輸入はマイナスになります。 
 このため、現在輸入総額の1/3を占める鉱物性燃料(原油や液化天然ガス)の価格が上がって輸入代金がさらに増えれば、計算上、日本のGDPは目に見えて減ります。また、スマホを買うときに、国産のスマホを買えばGDPが増えますが、中国産のiPhoneや韓国産アンドロイド端末を買えばGDPは製品輸入で減ります(部品の日本からの輸出より製品代金の方が高いので)。もちろん、日本のメーカーのスマホでも、外国製で輸入価格が小売売上の過半を占めていればその分GDPは減ります。 
 同様に、欧米から最先端の医療機器を買い、外国製の衣服を買い、外国産のワインを飲めば国内流通業者の付加価値を除いた輸入代金分GDPが減ることになります。また、どんなに再生可能エネルギーが高くついても、国産の太陽光パネルを使って鉱物燃料の輸入を減らせばGDPがその分大きく増加することになります。                                                      
■GDPの観点から投資を考えるなら              
 輸出入とGDPに着目して投資を考えるなら、以下のようなイベントに注目すべきといえます。                        
◎原発再稼動:鉱物性燃料の輸入減に直結するので、GDP急上昇、日本株復活のきっかけになりえます。 
◎石油、天然ガス価格の低下:直接的に鉱物性燃料の輸入代金が減るので、GDP増加、株高要因になります。 
◎スマホの売上不振:スマホが行き渡り、価格が低下し、新機種を買うことがなくなれば、近年輸入額が急増していた外国産スマホの輸入が減りその分GDPが増えることになります。 
◎中国の環境規制:現在大幅な貿易赤字となっている中国で環境規制が強化されれば、製品価格に転嫁され、中国からの衣類、電気機器、食品などの輸入が減り、一部が国産品に代替されれば日本のGDPが増える可能性があります。また、中国への環境関連の輸出も増えることが予想され、日本株にはプラス要因です。 
◎米ドル・ユーロ・人民元・ウォンに対する円安進展:短期的な株高に加え、輸出企業の採算向上、連結決算への海外子会社の貢献拡大という中期的な影響もあります。さらに、輸入インフレによる名目GDP増加(=株高)に加えて、従来より時間がかかりそうですが輸入品代替・輸入抑制により、長期的にGDPが増加する要因になります。 
◎防衛装備の輸入:政府がどんなに防衛予算を増やしても大部分が高価な外国産航空機の輸入代金に消えればGDPは減ります。すると回り回って株安要因になります。 
◎消費税増税第二弾が1%づつ2回に変更:駆け込みと反動減が少なくなるので、実質GDPの数字操作によるマスコミや受け手の誤解が減り、増税が日本株にとってのかく乱要因となりにくくなります。
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 チーフ・オペレーティング・オフィサー 土居雅紹(どい まさつぐ)

執筆中

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コラム:煮え切らないイエレン議長講演が示すもの
【ロイター】2014年 08月 25日 15:03 JST

James Saft

[22日 ロイター] - 米国の大統領だったハリー・トルーマンは「片腕の」経済学者を連れてきてほしいと懇願した。彼の経済アドバイザーたちがいつも「一方で(on the one hand)かくかく、他方で(on the other hand)しかじか」と言うのにうんざりしていたからだ。・・・

(略)

金融市場は、イエレン議長の講演を全体としてややタカ派的と受け止めた。議長がタカ派的な側面の議論についてより進んで言及したように見えたからだ。確かに議長は、恐らくは現在想定しているよりも早めに利上げする必要性を示すことに積極的になっている。だが、現実にそうなると見込むというのはまた別の話になる。

これは根本的に正直なポジションだが、市場が織り込むのは困難でもある。今後新しい材料を示すデータやイエレン議長からの新たな発言がない限り、市場の期待は今回の講演前とほとんど変わらない地点にとどまるとわたしは予想している。


恐らくは来年中に利上げがあるだろうが、その前に議長が示した数多くの不確実性を取り除けるようになることが先決だ。
米国の連邦準備理事会(FRB)が8月20日公表した7月29日-30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議長要旨で、多<のメンバーが米雇用とインフレ率の改善が加速した場合、「緩和策を現在の想定よりも早<取り除くのが適切だ」との意向を表明したことがわかった。利上げ前倒しを視野に議論を加速させた格好だが、今年3月からバーナンキFRB議長の座に変ったイエレン議長は利上げに慎重なハト派として知られている。今回のFOMCの議事要旨では「緩和策を現在の想定よりも早く取り除くのが適切だ」との意向が強かったが、イエレン氏などハト派が多いFOMCでは労働市場の質の見方などを巡って溝が残り、結論はでなかった。ただ議事要旨公表を受けて、20日のニューヨーク債券市場では「ゼロ金利の解除が早まる」との思わくから金融政策に敏感な2年物国債利回りが上昇した。さらに利上げと米国景気への先行き期待からニューヨーク外国為替市場ではドルを買う動きも強まり、1ドル=104円台後半までドル高・円安が進んだ。 

コラム:関心を集めすぎるジャクソンホール会議              【ロイター】2014年 08月 20日 14:07 JST

(略)
<お祭り>

過去7回のジャクソンホール会議は毎回、株価の上昇をもたらした。借り入れコストを引き下げ、資産価格を押し上げるための新たな策が発表されたり、示唆された後に大幅な株高が起こることが多かった。

そのこと自体で関心の高さは説明がつく。たとえ幻想であっても金持ちになりたいのは皆同じだから、セントラルバンカーの言葉に耳を傾けたがる。ここ数年の株価上昇要因はソーシャルメディア株の堅調など多々あるが、一番の支援材料は金融政策だった。

これはジャクソンホールだけの問題ではない。ニューヨーク連銀のエコノミストらによる調査では、1994年以来、米国株が過剰なリターンをもたらした局面の実に8割は、FRBの金利発表に先立つ24時間だった。グリーンスパン元議長の時代には、景気が悪化すれば市場を支える一方、バブルが醸成されつつある時にはそしらぬふりをしてきたからだ。

バーナンキ前議長とイエレン議長は弱い景気を支える方向しか経験しておらず、景気刺激策はひたすら一方向に流れている。ことしも例外ではなさそうで、米景気が予想外に間もなく加速するということでもない限り、次に景気後退が訪れた時には利下げ余地がないだろう。

より大きな問題は、資産価格の膨張を便利な景気修復の道具に使ってきたことで、投資家が金融政策に異常な関心を抱くようになってしまったことだ。理想的な金融政策とは景気を微調整する道具であって、成長エンジンのようなものではない。

金融政策が中心的役割を果たすようになったことは嘆かわしい。これにはセントラルバンカー自身からも一部賛同を得られるだろう。

真に問われるべきは、この中心的地位が現在の状況特有のものか、あるいはもっと恒久的なものかだ。世俗版の祝祭日と化したジャクソンホール会議やFOMCの直前に、株式市場がアウトパフォームしない時代は再び訪れるのだろうか。 
(略)

 FRBのイエレン議長は米ワイオミング州ジャクソンホールで講演し、10月に量的緩和を終える方針を重ねて表明し、その後に続<利上げの時期とペースについては雇用と物価の動向を見極め慎重に判断する。また市場に言質を与えず、自分の思った通りの政策運営を柔軟に進める姿勢を示した。米国の経済は著しく改善したとし、雇用者数も金融危機前のピークを越えたとし、労働市場は予想より早<改善しているとしている。今年のジャクソンホールでのイエレン議長の講演は、労働問題が中心であった。利上げに慎重なハト派のイエレン議長が行ったものとしては、今回の公演は中立的な内容であった。労働市場の改善ペースが想定より早まっていることにも触れ、利上げに前向きなタカ派の主張も盛り込んだ内容となっている。講演の内容は利上げについて市場の関心を持たせないような内容であった。とは言え、議長は景気回復の基盤はまだもろいと判断しており、利上げを急ぎたくないのが本音ではないだろうか。
アナトール・カレツキー

[21日 ロイター] - 米国株は21日にまたしても最高値を更新した。このあたりで世界的に株価の深刻な調整をもたらす要因を考えてみる価値はある。

当コラムの執筆を始めた2012年以降、繰り返して主張してきたのは2008─09年の世界金融危機時の底値からの株価の戻りは、構造的な強気相場へと様変わりし、向こう10年間続く可能性があるという点だった。

しかし資産価格は決してずっと同じ方向だけには動かない。株価が10%の調整を経験せずにかれこれ2年余りがたち、20%の調整を経ない期間は5年にもなった。これが続くはずはない。

筆者の予想通りに長期的な株高は続くとしても、そう遠くない将来のどこかで、投資家はそれなりに大きく、痛みを伴う損失を被るのはほぼ確実だ。では具体的にどのようなイベントが今の強気相場を終わらせるか、少なくとも20%かそれ以上の調整によっていったん休止させるのだろうか。

明確な答えは、11─12年のユーロ崩壊寸前の事態や米国の景気後退といった大きな経済危機だ。金利の大幅上昇も、本格的な株安の引き金になり得る。

なおもくっきりと記憶される最悪の弱気相場としては、1973─74年と1980─82年、2000─02年、07─09年のケースが挙げられる。いずれも米連邦準備理事会(FRB)による一連の利上げ後に発生しており、現在も金融引き締めは最も幅広く話題になっている投資リスクだ。だがより丁寧にみていくと、経済の基礎的条件と金融政策の両面ともに、少なくとも向こう1年間は深刻な脅威にはなりそうに見えない。

米経済に関する最近のほぼすべての材料は、景気が減速ではなく加速していることを示唆している。欧州や日本は景気後退に再び陥る可能性の方がより大きいだろうが、どちらも09年の惨状からは完全に立ち直っておらず、相当規模の金融ショックを引き起こすことはないだろう。

株価の調整のきっかけとなるほどの大幅な利上げが1年以内に実施される確率はもっと小さいように見受けられる。これは株式市場が、一般的に景気見通しの改善シグナルとなる金融引き締めサイクルの始まりにマイナスの反応をしない傾向があるためだ。歴史の教えるところでは、弱気相場をもたらすには利上げが数年間にわたってずっと続く必要がある。

しかし大きな経済危機や大幅な利上げが今後1年程度で見えてこないとすれば、株価が邪魔立てされずに上昇を続けるか、あるいは経済の基礎的条件や金融政策以外の要因で新たな弱気相場が到来するか、われわれはどちらかの見通しを結論としなければならない。

そして弱気相場につながる別の要因として最もあり得そうなのは、市場の動きそれ自体だろう。投資家の自信の高まりとともに極めて高水準で持続不能となったバリュエーションは、過度の楽観主義や自己満足に転化してしまう。

多くの評論家は、株式市場が既にこの危険で投機的な環境に達したと主張する。とはいえ、これも妥当性はないように思われる。その理由は2つで、1つ目は標準的なバリュエーションの指標は米国では過去平均をわずかに上回っているにすぎず、他のほとんどの市場は平均より低いという点だ。これはFRBのイエレン議長も最近の発言で繰り返し指摘している。

2つ目としては、市場の行動自体から現在のバリュエーションがゆえなくして上昇したのではないと確かめられることが挙げられる。もしもバリュエーションが純粋に過大評価されているとすれば、FRBの量的緩和縮小や、この前の冬の米成長の落ち込み、欧州経済の先行きに対する失望、イラクやウクライナをめぐる緊張といった問題に伴う圧力などに反応する形で、投資家は実際よりもずっと激しく株を売っていただろう。

ところが投資家は、これらの問題が引き起こした一時的な調整を押し目とみなしてより多くの株を買うという反応を示した。これはバリュエーションが危険なほど極大化した水準にはまだ到達していないことを意味している。

ここからは悪い話だ。株式市場のバリュエーションが大幅調整をもたらすほど高まっておらず、金融政策と経済の基礎的条件が今後1、2年は落ち着きを維持するとすれば、株価は本当に行き過ぎの領域に入るまで上昇を続けるという結論に落ち着かざるを得ない。この行き過ぎの領域に達すれば、今なら大して意味がないとみなして無視できるようなたぐいのマイナス材料も、深刻な調整のきっかけとしては十分であることが証明されるだろう。

それならどの程度のバリュエーションが市場を脆弱にするのかという問題になるが、これに解答するのはほぼ不可能だ。ただしかなりはっきりしているのは、市場がこの重要な地点に達しても、わたしを含めてだれもそれに気づかないという点だろう。

となると現在の投資環境は、よく引き合いに出される07年の強気相場のピークではなく、1987年の情景を思い起こさせる。これはあらゆる株価暴落の中で最大規模だったものの、調整期間は最短で最終的な意味合いは最も小さかった。

1987年の暴落は強気相場の始まりから5年後で、局面として現在と似ている点は興味深い。また当時も、1982年8月からの株高が4年経過した後でもなお、株式が安全な投資と考える人はほとんどいなかった。過去10年間に投資家に多大な損害を負わせた大幅な物価上昇が克服されたと考えるのは馬鹿げているとみなされていたからだ。

しかし87年初めまでには、懐疑的な投資家も白旗をあげ、株高を理解したり、信じることができなかった人々までもがともかく買いに動くと決めた。その結果は、株価の突如とした急騰であり、その後の事態は歴史が示す通りで、10月19日に歴史上で最も大きな株価下落が起きた。8カ月分の上昇は、たった1日で消し飛んだ。

現在の株価サイクルも同じ道をたどるのだろうか。

今までのところ、1987年の暴落前に見られた株価上昇ペースの加速の兆しは見当たらない。それでも今後数週間で、米国株が7月につけた最高値を決定的に突破していくようなら、株高の加速が近く始まる可能性はある。特にFRBのイエレン議長が、金融政策に関して市場により安心感をもたらす発言をしたり、ウクライナとロシアの戦争突入懸念が沈静化すれば、そうなるだろう。

その場合、投資家は乱高下に備える必要がある。この乱高下はクライマックスに近づいているどころか、今後の大幅な値上がりと、同じく大幅な値下がりの単なる序章かもしれない。
注目のジャクソンホールでのイエレン米議長の発言が注目を集めた。
2000年8月日銀は日本の景気は企業収益の拡大化で立ち直るとして無謀にもゼロ金利を止め利上げに踏み切った。その結果、半年後には日銀はこの見方が失敗であったと気が付いて利下げに踏み切った。このおかげで日本は長期のデフレスパイラル経済に陥った。
イエレンFRB議長が七色の言葉でタカなのかハトなのかわからない発言に終始したのは日本の失敗を念頭においているような気がします。
米国としては現状の実体経済が利上げによって新興諸国の経済拡大を悪化させ、さらに新興国経済の回復によって米国企業の業績を拡大させ、米国の実体景気を順調に回復する姿が断ち切られるような政策を採るだろうかと考えた場合、米国は自ら首を締めるようなまねはしないと思う。ということであればイエレン議長が出口戦略に慎重になるのは当然と思う。
欧州はロシアとの関係であと数年は景気の後退から金融緩和を強化していかなければならず、日本とて利上げをするどころか消費税10%にするにはもう一段の緩和も選択肢となっている。
経済不安定要因であった投機的ヘッジファンド勢だが、今年の4月からボルカールールの適応を実施してからは以前のように世界経済をゆさぶることができないようになってしまった。銀行からの出資や融資が原則禁止され、ヘッジファンドは銀行から借りている資金の返済を迫られるため、投資している国内外の株式や債券、不動産などの売却を行っている。ヘッジファンドは2014年中にポジションを解消を行っている。
また米政府とFRBは今年6月から金融業者の中心市場で取引をできる最低ラインを設定し、それ以下の業者は市場参加を認めない金融規制を設定したため、今まで市場に大きな波乱の波を起こしていたヘッジファンド勢は市場から抹殺された。市場で言質をとらえられる投機的ファンドがいなくなった。これにより議長は市場に対して言質を与えず、政策運営を柔軟に進める姿勢を示すことができるようになった。これはここ20年間にはなかった状況である。
日本市場で外人が売り越している一つの理由はヘッジファンドの解消売りも含まれていると思う。
米国がすごいのは、ヘッジファンドが市場から退散する時には米国のダウ平均株価を最高値に維持し、ヘッジファンドが損失を招かない形で去らせている。これで米国の利上げとともに大量に売りを浴びせるであろうヘッジファンドの弊害を取り除くことができる。
近代以降、株式のバブル形成と暴落を繰り返している。景気回復につれて物価が上昇し、金利が上昇する、そして、金利の上昇が上昇し、景気が落ち込み株価が暴落して投資家が大損して終わるというものだった。この「景気拡大→引き締め→金利上昇→景気後退」というパターンの繰り返しであった。
 しかし、今回の景気拡大はこのパターンにあてはまらない。金融市場に目を向けると、株式市場では景気の拡大を素直に好感する一方で、米国の長期金利の反応にはほとんど金利の上昇の力がない点である。
3月の時点で、イエレン新議長の発言で米長期金利は一時3%程度まで上昇したが、最近は低下傾向が続いている。今年の年初に債券価格の金利が上昇するとみたヘッジファンドなどは大量の空売り(債券)を仕掛けた。ところが昨年末からの米国を襲った記録的な寒波の影響もあり米景気が一時冷え込んだことなどをきっかけに金利低下債券価格は上昇した。結局、ヘッジファンドなどの読みは外れて、空売りしたポジションを解消するために国債を買い戻す動きが活発になり、米長期金利の押し下げ要因として働いている。
ヘッジファンド勢にいかに空売りしたポジションを解消するために国債を買い戻させたせいで、今回米国の長期金利が低位に安定している。これにより、投機的ヘッジファンド大手は完膚なきまでに収益の悪化を呈して足腰の立たない状態となった。
最近では、ロシアのウクライナ政策で、ロシアの封じ込め政策は、ドイツ・ロシア間投資へ甚大な影響をもたらした。米国には欧州からのマネー(ロシアとの通商の打ち切りでいき場のなくなったマネー)が大量に流入した。米信用危機にタレ流れたドルの帰化である。 ドイツではロシアとの通商打ち切りで浮いたマネーがドイツの国債買いにつながり、ついに10年物金利が1%を割り、フランスでも1.3%に低下した。こうした中で2.5%台の米国債には魅力があったことから欧州から一斉に米国の債券市場や株式市場にマネーが流れた。結局、ウクライナヘの経済制裁で得をしたのは米国であった。
市場では米国株について今回の利上げで長期の上昇相場が終わったという意見が出始めたが、 FRBに利上げの根拠には、米経済がこれから一段と回復していくという見込みがある。現状、米経済は景気回復を支えに企業業績が拡大し、米国の株価もさらに上昇するとの見方が大勢となっている。
 イエレン議長は金融政策の正常化の流れは過去の米国の信用危機より今回の方がはるかに難しいことも知っている。今回の講演でもなんとか市場の思惑的な行動は起こらずにすんだが歴史的とも言える政策転換を軟着陸に進めることが出来るかは今後のイエレン議長の采配をまたねばならないであろう。
 現状、世界の経済は米国と日本の経済の流れを軸に回転している。仮に米国の利上げが速まったとしても、それは米経済の改善が急速に進んでいる証拠であり、米国株についても長期の上昇相場が終わったわけではない。景気回復を支えに米企業の業績が拡大を続ければ、米株式市場も買いがさらに買いを呼ぶ状況となっている。米国では過去利上げ局面で、そのほとんどが最初の利上げから18ヵ月以内にS&P 500種価指数が10%以上上昇している。現状、世界で米国は唯一のリスクオン時代で景気上昇中である。 ドル・株価を目指して世界からマネーが流入する。年末から来年に向けて米ダウ平均は2万ドルを越えるかもしれない。
 一方、日本株については年初から値上がりした株は「5月に売れ」との米国の格言があたかも日本株の格言化となって、市場は値上がりした日本株の暴落を恐れた。さらに年初から消費増税による1997年の再来説が外国人投資家にまで流されて市場はこの呪縛に悩まし続けられた。
アベノミクスも予想外の綻びが起きている。失業率が下がったら労働需給がタイトになり、賃金が上がるはずだ。ところが人手不足で居酒屋や牛丼屋が閉店しても、実質賃金は上がらない。「異次元緩和」が始まってから、物価は上がったが、名目賃金はあまり上がらず、その結果、実質賃金が大幅に下がった。
この原因は、日本の労働市場のゆがみにある。日本では正社員を動かしにくいので、足りない人手は非正社員で補うため、平均賃金は上がらない。また建設・外食などの有効求人倍率は2倍以上なのに、事務職は0.3倍ぐらいしかない。正社員のホワイトカラーが余る一方で、3Kと呼ばれるきつい仕事は時給を上げても人が集まらないのだ。
 黒田総裁になってから円安が進み、エネルギー価格が上がったため、物価だけが上がった。「デフレ・賃下げ」を、もっと悲惨な「インフレ・賃下げ」にしてしまった。
さあ、これでは消費税率10%は不可能であろう。
残されたウルトラCは限られている。GPIFを使った株高政策。日銀の金融緩和第二弾・・・もしくは10%の消費税の凍結
執筆中
――戦略的な財政政策こそが「最先端」の学説である
                                                 周回遅れの正統派経済学

 本稿は、財政政策、いわゆるアベノミクス「第二の矢」の重要性をあらためて論ずるものである。

 筆者はこの主張を、「デフレ脱却のためには、財政政策が不可欠である」という趣旨にて、デフレが深刻化したリーマン・ショック以降、さまざまなデータに基づく客観的な理論実証結果を踏まえつつ、繰り返し主張し続けてきた。そうした研究、言論活動の延長として現在、第二次安倍内閣にて防災減災「ニューディール」を担当する内閣官房参与を仰せつかっている。

 「ニューディール」とは、1929年に起こった世界大恐慌下で、ルーズベルト大統領が断行したケインズ理論の考え方に沿った「公共投資」を主軸とする経済政策である。当方がいま、「ニューディール」の言葉を冠した担当参与を仰せつかっているという事実は、「公共投資を主軸としたデフレ脱却策」の重要性が政治的に認識されたことを意味している。

 ただし、日本の多くの方々は、「財政政策による経済対策なんて――昭和時代でもあるまいし、何を古くさい」と感じているのではないかと思う。

 実際、筆者が主張する「財政政策・必要論」は、国会やメディア上でしばしば取り上げられてきたが、そのなかで、藤井は財政出動をすればそれで景気が良くなると主張しているにすぎず、かつその主張は「一世代前のもの」にすぎない、という趣旨で政治家、エコノミストに「揶揄」されることは少なくない。客観性を重んじるべきはずの学界ですら、「主流派経済学者」たちによって、公共投資の有効性は低いと繰り返し主張され続けている。

 こうした状況のなか、「公共投資が日本を救う」というような筆者の主張は、「トンデモ論」として扱われることが一般的となりつつある。

 しかし、こうした一般のメディアそして主流派経済学者たちの認識は、何重もの意味で間違っている。

 そもそも、筆者も含めた多くの財政政策・必要論者は、景気対策では財政出動をやりさえすればよいなどと考えていない。デフレ不況下では国内の需要が少なく、かつ人びとの投資や消費が伸びないがゆえに、政府支出の拡大をせざるをえないと考えているにすぎない。したがって、デフレが「本当に」脱却できたのなら、財政の拡大は(少なくとも景気対策という意味においては)必要ない、というのが筆者らの平均的な見解だ。

 ただし何よりも重要な誤りは、「財政政策・必要論は、一世代前の説だ」という説それ自体がすでに「一世代前」の説だ、という点にある。たしかにリーマン・ショックまでは、財政政策や公共投資の不要論は日本のみならず、世界の経済学者のあいだでも広く共有されていた。しかし、リーマン・ショックによって世界各国がデフレに陥ったあとは、多くの経済学者が前言を翻し、筆者と同様の「財政政策・必要論」を主張し始めている。

 たとえば、ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツは、2010年の『Real Time Economics』誌上にて、リーマン・ショック以後アメリカの景気が改善しない「最大の問題」は、財政の「規模が小さすぎること」だと主張している。2013年6月に来日した折には安倍総理と会談し、「金融緩和のみならず、政府の拡張的な財政政策を連携させるべきであり、とくに長期的な成長の基礎(教育、技術、研究、インフラ強化)や社会問題の解決のために政府支出を拡大すべきだ」と総理に進言した旨が報道されている。

 あるいは、同じくノーベル経済学賞を取ったクルーグマンは、2013年1月『ニューヨーク・タイムズ』紙上にて、安倍総理が断行したアベノミクスの「第二の矢」として決定した10兆円超の財政出動を高く評価しつつ、「長期不況からの脱却が非常に困難であることは確かであるが、それは主として、為政者に大胆な政策の必要性を理解させるのが難しいからだ」と述べている。まさに、国会で財政政策や公共投資の必要論を主張する筆者等を「揶揄」するような発言を繰り返す政治家たちこそが、「長期不況からの脱却」を妨げている諸悪の根源だと指摘しているのである。

 しかもクルーグマンは同コラムにて、そうした政治家や経済学界の多くの学者たちが信じ込んでいる経済学を、「悪しき正統派経済学」と断じている。そして「世界の先進各国の経済政策は麻痺したままだ。これは皆、正統派経済学のくだらない思い込みのせいなのだ」と述べ、そんな悪しき正統派経済学と「決別」することこそが、デフレ脱却において必要なのだと論じている。

 こうしたリーマン・ショック以後の米国経済学界を中心とした劇的な変化を受け、経済学者スキデルスキーは『なにがケインズを復活させたのか?』(日本経済新聞出版社)という書籍を取りまとめ、いままさに、その本が全世界の多数の経済学者たちに読み込まれている。実際米国では、こうした経済学者たちのケインズ政策への「転向」を受けて、景気対策としての公共投資が大きく注目されており、オバマ大統領はリーマン・ショック後、72兆円という、昨年度のアベノミクスの「第二の矢」のじつに「7倍」もの水準の超大型財政政策を断行した。それ以後も、年始の一般教書演説で、「毎年、インフラの老朽化対策や高速鉄道整備等のための公共投資の拡大を通して、雇用拡大、景気浮揚をめざす」と主張し続けている。

 つまり――「景気対策として財政政策、公共投資を」という説こそが、デフレ不況が世界的に蔓延した今日においては「最先端」の説であり、わが国で幅を利かせる「悪しき正統派経済学」者たちが主張する「財政政策、公共投資なんて一世代古い」という説こそが、「周回遅れの一世代古い」考え方なのである。

公共投資削減がデフレ不況を深刻化させた

 以上、財政政策、公共投資の有効性を論ずる議論を紹介したが、これらは客観データでももちろん裏付けられている。

 たとえばそれは、リーマン・ショックによって不況に陥った国のいずれが早く回復したのかについての国際比較分析からも、明らかにされている。この分析では、金融政策の程度(マネタリーベースの拡大率)や「公共投資額の拡大率」に加えて、産業構造や貿易状態、財政状態などの28個のマクロ指標と、OECD加盟の34の先進諸国のデータを用いて分析されている。

イメージ 2 結果、「名目GDP、実質GDPと失業率」の3尺度すべてと統計的に意味のある関係をもっていたのは、28指標中、ただ1つ「公共投資額の拡大率」のみであった。図1は、そのなかの1つ、名目GDPの回復率と公共投資の拡大(変化)率との関係を示したグラフである。ご覧のように、公共投資を大きく拡大した国ほどGDPの回復率が高いことを示している。つまりリーマン・ショック後、いち早く公共投資の拡大を図った国がいち早くショックから立ち直り、その政治決断ができなかった国はショックから立ち直ることに失敗する傾向が明確に存在していたのである。

 一方、わが国において公共投資は効果をもっていたのか。この点について、筆者らはバブル崩壊後の景気に対する公共投資の効果を分析した。

 この景気に影響を及ぼす変数には多様なものが考えられる。そこではとくに、日本のマクロ経済に大きな影響を及ぼす政府系の建設投資額(以下、公共投資額と呼称)と総輸出額の2変数に着目し、これらが景気動向(名目GDPとデフレータ=物価)にどのように影響を及ぼしたのかを統計分析した。

イメージ 3 その結果、図2、図3に示したような「関係式」(一般に、回帰式といわれる)が導かれたが、これらが示しているのは、「1兆円の公共投資が、2.43兆~4.55兆円の名目GDPの拡大と、0.002~0.008のデフレータの改善につながっている」ということであった。そしてこれらの「効果」は、「総輸出の拡大」に伴う効果よりも、格段に大きなものである。

 ここで重要なのは、この「関係式」を用いると、図2、図3に示したように、実際の名目GDPや デフレータ(物価)の変動をほとんど綺麗に再現できる点である。つまり、「1兆円の公共投資が2兆~4兆円程度のGDPと0.002~0.008のデフレータの改善につながる」という数値は、それなりに高い再現性をもつ一定の信頼性のある数値と解釈できる。

イメージ 4 これらの結果は、91年以降のバブル崩壊後の日本において公共投資は、物価下落というデフレ化を止め、名目GDPを改善させる巨大な景気浮揚効果を持ち続けていることを明確に示している。つまり、90年代前半ならびに、小渕政権下で行なった大型の公共投資の拡大がなければ、デフレはより一層深刻化し、物価も名目GDPもさらに下落していたこと、そして橋本政権、小泉政権以降に行なった公共投資の過激な削減が、日本のデフレ不況を深刻化させていたことが示されたのである。

 クルーグマンは、先に紹介した『ニューヨーク・タイムズ』のコラムで、「(バブル崩壊後の日本で)公的事業への多額の支出が行なわれたが、政府は、負債増大への懸念から、順調な回復が確立する『前』に引き返してしまった。そしてその結果、1990年代の後半にはデフレが定着してしまった」と論じていたが、上記の分析は、このクルーグマンの指摘を実証的に裏付けるものである。

「下駄」を履かされている実質GDP

 ところで、少々専門的な議論となるが、きわめて重要な論点であるので、1つ付記しておきたい。前記のように筆者は、デフレ脱却効果を「実質」GDPよりも「名目」GDPを重視して分析しているが、これはそもそも、実質GDPとは、名目GDPをデフレータの変化率(物価変動率)で除したうえで得られる「加工指標」だからである。したがって、ある政策を行なった場合、名目GDPとデフレータを「悪化」させても、デフレータに対する悪影響のほうが強い場合、見かけ上、実質GDPは「改善」するというきわめてトリッキーな効果が得られる。この「加工指標ゆえのトリッキーな特徴」ゆえに、デフレ下では、実質GDPのみに基づいて政策判断を行なうことは正当化しえないのである。

イメージ 1 図4をじっくりご覧いただきたい。名目GDPはデフレに突入した1998年以降、途端に伸びなくなったものの、実質GDPは相変わらず伸び続けている(!)。これは、デフレになれば物価が下がり、それによって「下駄」が履かされていくからである。だから、この図からも明らかなように、実質GDPでは、デフレになったのかどうかが判別できず、デフレ脱却のための政策を実質GDP「のみ」で判断しては、日本経済をとんでもない方向に導くことにもなりかねない(ただしいうまでもなく、非デフレ下では、実質での評価は必須である)。

 ところで、そうした「トリッキーな効果」は実際に観測されている。たとえば、デフレに突入した1998年以降、金融政策の規模を意味するMB(マネタリーベース)は、名目GDPとデフレータの双方に対して、(じつに驚くべきことにリフレ派が主張する方向とは真逆の)「マイナス相関」をもっていた。ところが、名目GDPとのマイナス相関の程度よりも、デフレータに対するマイナスの程度のほうが大きかったため、「見かけ上」MBの増加によって実質GDPが増えているように「見える」結果となった。しかし、これをして、「MBの拡大にデフレ脱却効果あり!」と主張することはできぬことは、愚か者でもないかぎり誰もが理解できるだろう。そもそもリフレ理論は、MB拡大が物価に影響を及ぼし、結果として消費・投資、そしてGDPの拡大を促すと主張するものであり、それ以前に、物価「低下」をもたらしたものにデフレ脱却効果があるといえぬのは、言葉の定義からして明白だ。

 筆者はこの論点も含め、Voice誌上の「ついに暴かれたエコノミストの『虚偽』」(2014年5月号)にて、リフレ派論者が自説を正当化するために持ち出しているデータの多くが、科学的に正当化できない虚偽的主張だということを、実証的に「告発」し、反論を募集した。その後、本誌上も含めていくつかの反論を目にしたものの、残念ながら、当方の告発に対する有効な反論は文字どおり皆無であった(しかも、それらの反論の大半は事前に公表した想定反論に沿ったものであった)。紙面の都合上、それら反論の検証の詳細は当方の公表資料(たとえば、『統計的「裁判」としてのデータサイエンス』〔行動計量学会〕、『「政治のウソ」を暴くデータ・サイエンス』〔新日本経済新聞〕ならびに、それらで引用した諸文献を参照されたい。いずれも、藤井聡のホームページよりアクセス可能である)に譲るが、ここではその資料(データサイエンスについての学術原稿)のなかで述べた言葉をそのまま掲載する。すなわち、「リフレ論が『偽』であると申し立てた当方の『統計的裁判』において、もしも、データサイエンスを知悉した見識ある裁判長が存在するとすれば、少なくとも現状ではリフレ論の『有罪』は確定した状況にあるといって差し支えない」。 

「問題はこれからの第二の矢だ」

 最後に、第二次安倍内閣が発足し、アベノミクスを展開した2013年のデータに着目し、財政政策の効果を確認してみよう。

 2013年の名目GDPは、+0.9%、「4.6兆円」の成長を遂げているが、それが何によってもたらされたのかを確認したところ、「4.3兆円」が、財政政策によるものであることがGDP統計より明らかとなっている。

 つまり、アベノミクスによって株や為替が大きく改善したものの、「実体経済」の景気回復のほとんど9割以上が「第二の矢」、財政政策によってもたらされていたのが実態だったのである(「第一の矢」は円安をもたらしたが、原発停止のあおりを受けて石油・ガスの輸入量が大幅に増えたことによって、貿易収支がかえって悪化した。これによって、株価増進による資産効果等が結果的に相殺され、「第一の矢」の景気浮揚効果は、2013年では残念ながら明確には検出されなかった)。

 以上、いかがだろうか。国際比較データ、日本のバブル崩壊後のマクロデータ、そして昨年のアベノミクス効果データを見ても、いずれも「財政政策がデフレ脱却効果を強くもつ」ことを示している。

 もちろん、財政政策を考えるのなら、日本の国益にかなう項目により効果的な支出を考えることが重要であり、したがって「戦略的な財政政策」が不可欠だ。たとえば、国会のデフレ脱却委員会にて参考人として当方が主張したのは、「防災・強靭化・老朽化対策」、「インフラ投資」、「研究・教育投資」、「民間投資を誘発するための投資・補助金」、「中小企業支援」などである。こうした主張は、スティグリッツ教授が安倍総理に「長期的な成長の基礎(教育、技術、研究、インフラ強化)」に投資すべきだと進言した内容に、奇しくも一致している。

 デフレ脱却を確実なものにするために「第二の矢」を打ち抜くのなら、成長戦略を見据えたより効果的な財政出動が求められていることは論をまたない。折しも、岩田規久男日銀副総裁(6月3日『ロイター』参照)が主張したように「第三の矢の規制緩和にはデフレ促進の効果がある」ことが懸念されている以上、こうした戦略的な財政政策はいま、日本のデフレ脱却のために是が非でも求められている。

 そしていま、デフレ脱却が進んでいるとはいえ、いまだ勤労者世帯の収入は下がり続け(消費税増税前で駆け込み需要があった3月でもマイナス3.3%、増税後の4月はじつにマイナス7.1%であった)、2013年のデフレータ(物価)は前年比マイナス0.6%の「デフレ」水準であった。非正規も含めた有効求人倍率は1を超えたものの、正社員の有効求人倍率は5月時点で0.67と1からは程遠い状況である。しかもこの状況下で、日本は消費税増税を行ない、補正予算額も昨年度から今年度にかけて4.5兆円規模で縮小されている。

 スティグリッツ教授が「アベノミクスの第一の矢は成功したが、問題はこれからの第二の矢だ」と今年のダボス会議で発言したように、「第一の矢」である金融政策が果敢に進められているなか、この「第二の矢」をデフレ脱却が確実なものとなるまで果敢に打ち抜いていくことの必要不可欠性の吟味が、日本経済の最重要課題である。

 何といっても、「第二の矢」は「第一の矢」と異なり、毎年毎年の是々非々の政治決断が必要なのだ。それができなければ――増税の影響も相まって、日本が再び、本格的なデフレ不況のどん底へと叩き落とされてしまうリスクは避けえない、と筆者は心の底から強く、科学的かつ冷静に懸念しているのである。

クロス円が増幅するドル円の上昇ポテンシャル=亀岡裕次氏     【ロイター】2014年 08月 22日 18:10 JST

亀岡裕次 大和証券 チーフ為替アナリスト

[東京 22日] - 為替相場を決める要因は、市場のリスク許容度という全体要因と、各国金利などの相対要因だが、両者は実際のところ相場にどのような影響を与えているのだろうか。

ドル円を「ドル実効為替レート」と「ドル以外の通貨の対円レート」に分解すると、後者(クロス円にほぼ近い)は時折大きく変動しつつも長期的には上昇トレンドを形成してきた。

クロス円の上昇トレンドは、市場が傾向的にリスク選好にあったことを示す。なぜなら、世界株価が上昇するようなリスク選好時には、円に対して他のすべての通貨が上昇する傾向にあるからだ。リスク選好時には日本に比べ他国の金利が上昇しやすいこともクロス円の上昇に寄与するが、いずれにせよリスク選好がクロス円上昇の背景にある。

そのクロス円が一時的に上昇トレンドをやや割り込んだ動きは、市場がリスク回避に傾いたことを示す。ただし、8月中旬以降はクロス円が急上昇して、再び上昇トレンドに回帰している。

一方、「ドル実効為替レート」にはトレンドが見出しにくいが、今年7月以降は上昇している。7月は、株高などリスク選好がドル安に作用した(リスク許容度が上昇すると、ドルは円以外の多くの通貨に対して下落しやすい)が、米国金利上昇がそれ以上にドル高に作用したため、ドル実効為替は上昇。8月中旬にかけては、株安などリスク回避のドル高効果が、米金利低下のドル安効果をやや上回り、ドル実効為替がやや上昇。その後は、再び米金利上昇のドル高効果がリスク選好のドル安効果に勝り、ドル実効為替は上昇した。最近のドル実効為替は、主に米金利動向に左右されている。

総合すると、7月は、リスク選好でドル以外の通貨の対円レートが上昇したうえに、米金利上昇でドル実効為替も上昇したので、ドル円が上昇。7月末から8月中旬にかけては、リスク回避によるクロス円の下落が、ドル実効為替の上昇を打ち消し、ドル円はやや下落した(リスク回避時には、米金利低下の効果もあって、ドル以上に円が買われてドル円が下落しやすい)。

その後は再び、リスク選好によるクロス円の上昇と、米金利上昇によるドル実効為替の上昇から、ドル円が上昇した。ドル実効為替とクロス円の動きが反対方向だとドル円は小動きになるが、両者の動きが同方向になるとドル円は変動しやすい。

<ドル円予想の鉄則>

米国金利がドル円相場の行方を左右するという考え方があるが、はたしてそうだろうか。米2年国債利回りとドル実効為替レートの動きを比較すると、2013年は連動性が高く、14年は連動性が低いように見える。

13年は米金利上昇とともに株価が下がり、米金利上昇とリスク許容度低下がともにドル高に作用した。これに対し、14年は米金利上昇とともに株価が上がるか、米金利低下とともに株価が下がる局面が多く、金利上昇のドル高をリスク許容度上昇のドル安が打ち消し、金利低下のドル安をリスク許容度低下のドル高が打ち消した。つまり、米金利とリスク許容度が順相関ならば、ドル実効為替レートはリスク許容度の影響を受けて米金利と連動しにくくなるのである。

米金利とドル以外の通貨の対円レートの動きを比較すると、13年12月以前は連動性が低く、それ以降は連動性が高まったように見える。前述のように、前者は米金利とリスク許容度が逆相関、後者はそれが順相関に近く、クロス円はリスク許容度との連動性が高いためである。

ドル円相場は、基本的に米金利よりもリスク許容度、ドル実効為替よりもクロス円と連動するケースが多く、特に米金利とリスク許容度が順相関の場合にクロス円と連動しやすくなる。ただし、今年2月以降のようにクロス円の動きが小さいときなどには、ドル円はドル実効為替と連動しやすくなることもある。リスク許容度よりも米金利に影響されてドル実効為替が変動しやすくなる場合である。

ドル円相場の先行きを考える場合には、リスク許容度とクロス円の動きを軸に考えつつも、それらの変化が小さいと見る場合には、米金利やドル実効為替の動きを考えるべきだ。

<リスクオンの円全面安へ>

これまでのところ、米金利とクロス円は基本的に順相関であり、米金利上昇が株安などのリスク回避を招く状況にはない。景気回復が進まない一方で米金利上昇が加速すれば、リスク回避を招くことになるが、そうなってはいない。米景気回復が進んでいるうえに、米金利は上昇が加速する状況にはない。クロス円が再び上昇トレンドに回帰していることは、市場がリスク選好のトレンドにあることを示している。

今後、米金利の上昇ペースが大幅にならないうちは、リスク回避を懸念する必要性は低いだろう。8月上旬にかけてウクライナやイラクをめぐる地政学リスクでリスク回避に傾いたが、VIX指数でみた先行き懸念の高まり(リスク許容度の低下)は収まりつつある。

一方、米金利とドル実効為替の順相関がやや高まっている。通常は、米金利が上昇(低下)しながらリスク選好(回避)になる場合が多く、米金利上昇(低下)のドル高(ドル安)とリスク選好(回避)のドル安(ドル高)が相殺しあって、ドル実効為替が大きくは変動しにくい。

しかし、米金利が上昇してリスク回避に傾くと、米金利上昇とリスク回避がともにドル高に作用して、米金利とドル実効為替は明確な順相関になる。米金利が低下してリスク選好になる場合も、米金利とドル実効為替は明確な順相関になる。今はそうした状況にあるわけではないが、米金利が上昇した際のドル高効果が、リスク選好のドル安効果を上回り、米金利とドル実効為替の順相関が高まっている。

前述のとおり、米金利上昇がリスク回避を招くことなく、リスク選好状態にある。あくまでもリスク選好のドル安効果が弱いのであり、米金利上昇によるドル高効果(ドル実効為替上昇)とリスク選好による円安効果(クロス円上昇)が重なり、ドル円は上昇している。今後、リスク選好のドル安効果が強まってドル実効為替が下落に転じても、それ以上に円安効果が強まってクロス円の上昇ペースが上がり、ドル円の上昇は続くだろう。

今は「円安」より「ドル高」が優勢だが、リスク許容度の高まりによって「ドル高」より「円安」が優勢になっても、ドル円の上昇は続くということだ。

多くのメンバーが雇用増で利上げが早まる可能性があると判断、との米連邦公開市場委員会(FOMC、7月29―30日開催)議事要旨を受けて、足元では、早期利上げ観測が高まり、米金利とドル実効為替の上昇がドル円の上昇を主導している。景気見通しの改善がないなかで早期利上げ観測が急浮上すると、米金利上昇がリスク許容度を下げて円高に作用し、クロス円もドル円も上昇は続きにくい。


しかし、今回は米国景気見通しの改善を伴うので、リスク許容度は上昇を続けやすく、クロス円とドル円の上昇は継続されやすいだろう。「米金利上昇によるドル高」だけならドル円の上昇は限定的となろうが、今回はそうではなく、「リスク許容度上昇による円安(クロス円上昇)」を伴う状況が続き、ドル円の上昇は大きなものとなるだろう。




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20日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は米経済に対する楽観的な見方から6営業日続伸し、前日比25・62ドル高の1万6947・08ドルで取引を終えた。今月10日につけた終値の史上最高値(1万6945・92ドル)をわずかながら上回り、節目の1万7千ドルも目前に迫った。

幅広い銘柄で構成するSP500種株価指数は3・39ポイント高の1962・87で3日連続の最高値更新。ハイテク株主体のナスダック総合指数は8・71ポイント高の4368・04だった。

主要な米経済指標の発表もなく新たな取引材料に乏しい中、米国は利上げを急がず、経済は堅調な回復を続けるとの見方が相場を下支えした。今週開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)の結果から「米国は株価を押し下げるような金融政策を取らない」(市場関係者)との安心感が広がっている。(共同)

亀岡裕次 大和証券 チーフ為替ストラテジスト

[東京 19日] - 米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和(QE)でもそうだったが、金融緩和期待が浮上した段階では、金利先安観が台頭して金利が低下しやすい。

今月初めの欧州中央銀行(ECB)理事会を前にして、緩和期待が強まった際も、ドイツなどの欧州金利は低下し、その影響は米国の金利低下にも及んだ。ユーロは対円、対ドルで下落し、ドルは対円で下落した。

だが、金融緩和が織り込まれると今度は、金融緩和(金利低下)が経済に与えるプラス効果を期待して株価が上昇しやすく、金利も反発しやすくなる。今回は、ECBが追加緩和(資産買い入れ)の用意を示したことから欧州金利は反発していないが、日米欧の株価は上昇し、米国金利は上向いている。

世界株価の上昇が5月下旬以降に加速しているのは、景気回復下の金利低下がリスクオン効果を強めたからだ。世界的な株高では円安(株安では円高)という基本関係にあり、現在は円安が進みやすい状況だ。しかも米国金利が反発しているので、なおさら円安が進みやすい。つまり、海外中銀の緩和前は金利低下効果により円高になりやすいが、緩和後は金利低下の終息とリスクオン効果によって円安になりやすい。

6月にはイラク情勢緊迫化でリスクオフに傾く局面もあった。投資家が相場の先行きに対する不透明感をやや強めたことを反映して、VIX指数(米国S&P500株価指数のオプション取引の値動きを基にしたボラティリティ・インデックス)は6日を底に上昇し、株安や円実効為替レートの上昇(円高)が進んだ。しかし、地政学リスクによるリスクオフは限定的かつ一時的だった。VIX指数は再び低下して18日には安値を更新し、株高や円安が進んでいる。

ちなみに、ユーロ圏のオペ金利は日米と同等であり、さらなる長期金利低下によるユーロ安の余地も限定的とみられる。一方、今回の緩和によって欧州の信用創造が大幅に拡大して、ECBから銀行への資本注入とともに流通現金が急増しない限り、ユーロ圏のマネタリーベースは日本や米国に対し相対的に減り続けることになる。リスクオン効果と合わせ、ユーロは円やドルに対して上昇する可能性の方が大きいだろう。

<日銀追加緩和がなくても円安へ>

日銀の追加緩和がなくても、通貨供給量の面からは円安が進みやすい。第一に、市場ではすでに日銀の追加緩和観測が後退しているために、金融政策の現状維持方針が示されても円高に反応しにくくなっている。

黒田東彦日銀総裁が4月8日の金融政策決定会合後の記者会見で、2%の物価目標達成を「確信している」とし、「現在、追加緩和を検討していない」「逆方向の調整の余地もある」と述べた直後は1円50銭程度の円高・ドル安が進んだが、その後の会見では円高進行とはならなかった。

第二に、先行きにかけての円供給の相対的な増加を、市場は完全には織り込んでいない可能性が高い。FRBがQE縮小を決定した2013年12月時点で、米国と比べた日本の相対的なマネタリーベース増加を市場はある程度織り込んだのだろうし、日銀の追加緩和期待を含んで円安が進み、追加緩和期待が後退すると円高に振れた。

しかし、ドル円と日米マネタリーベース比率の動きを比較しても、円供給の相対的な増加は14年末ごろまでしか織り込まれていない可能性が高い。日銀が15年末のマネタリーベース残高見通しを示すことで緩和継続を明言すると、ドルやユーロと比べて円が相対的に増え続けるとの見通しが強化され、市場がそれを織り込みながら円安・ドル高が進むことも十分に考えられる。

第三に、日銀の緩和継続は、民間部門の資本フローを通じて円安に作用しつつある。日銀が長期国債の保有残高を増やし続けている結果、民間部門では国債保有が減り、国債以外の資産が増えている。ポートフォリオ・リバランスを行う過程で機関投資家などが増やしている資産の一つが外国証券である。つまり、日銀が緩和ペースを上げなくとも緩和を継続することで、民間部門の国債から外国証券などへの運用シフトが続き、円安方向に作用することになる。

<対外証券投資の増加が円安要因に>

12年10月からの円安の過程で、日本の投資家は利益確定のために外国証券を処分し、対外証券投資は処分超過(資本流入超過)が続いてきた。しかし、過去52週間合計の資本流入超過額は14年1月末をピークに減少に転じており、日本の投資家は徐々に対外証券投資を増やそうという姿勢へと変化している。

過去には、円高が進み始めた10年5月以降の半年間に外国証券の取得が増え、対外証券投資の資本流出幅が拡大したが、その後半年間は資本流出幅がほぼ横ばいとなり、さらにその後半年間は円高とともに外国証券の取得が減り、資本流出幅が縮小した。

つまり、為替動向に対して、当初は逆張り(円高で対外投資増、円安で対外投資減)となり、為替動向が中長期的に続くとの見方が広がるにつれ、順張り(円高で対外投資減、円安で対外投資増)へと変化しやすいのである。今回もそうした経緯を辿っており、対外証券投資における縮小から拡大への転換は、円安継続の見通しが広がってきたためとみなすことができる。

生損保会社などの14年度資産運用計画では、その多くが低金利の国内債券投資に比べて外国証券での運用に積極的な姿勢を示している。相場に応じて機動的に対応という会社も、円安傾向が明確化してくるとオープン外債を増やしたり、為替ヘッジ比率を低下させたりするのだろう。国内のほぼすべての投資家部門で対外証券投資が拡大方向に転じており、日本からの対外証券投資が円安に作用していく可能性は高い。

一方、日本への対内証券投資の過去52週間合計の取得超過額(資本流入超過額)は、5月に拡大に転じている。株式投資の変化によるもので、外国人が日本株投資を積極化させる兆しととれる。10―11年のように為替動向に対し対内証券投資が順張り(円高で対内投資増、円安で対内投資減)の場合は、為替ヘッジ比率を低めていると考えられるが、こうしたケースは少ない。

12年以降のように為替動向に逆張り(円高で対内投資減、円安で対内投資増)の場合は、為替ヘッジ比率を高めていると考えられ、対内証券投資の拡大は円高には作用しにくく、日本株高に作用する。国際資本フローは、リスクオンの円安・株高の動きを後押しする一因となるだろう。

イエレン議長が示す「急がない出口戦略」、ドル105円の壁 
【ロイター】2014年 06月 19日 14:02

田巻 一彦

[東京 19日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が18日の会見で発したメッセージの中で、2つのことが注目された。

直近の強めの物価指標を「ノイズ」と指摘したことであり、もう1つは住宅ローン担保証券(MBS)売却の公算は小さいと言ったことだ。仮に利上げしてもFRBの資産規模は維持されたまま、かなりゆっくりしたスピードの調整が続きそうで、それはドル高/円安があまり進まないことを予想させると指摘したい。

<高めのCPIはノイズ>

最近の消費者物価指数(CPI)は、やや高めになっているとイエレン議長は率直に認めたものの「われわれが目にしているデータにはノイズが多い」と指摘。この部分を根拠にタカ派的な政策アプローチに進むことはない、という強いメッセージを投げかけた。市場が安心したのも、この部分に対する反応が大きかったと考える。

FEDウォッチャーの三菱東京UFJ銀行・シニアマーケットエコノミスト、鈴木敏之氏は「タカ派のメンバーの議論をイエレン議長が、うまくコントロールしていることを印象づけたコメントだった」と述べている。

ただ、 今後の利上げ時期に関し、イエレン議長は「フェデラル・ファンド(FF)金利の道筋に関するFOMC予想は、経済見通しに左右される」とも指摘。

経済がFOMCの想定以上に強まり「雇用とインフレがFOMC目標へと一層迅速に収れんしていけば、FF金利の引き上げ時期も現在の予想以上に早まる公算が大きく、そのスピードも加速するだろう」と述べ、失業率が6%割れに向け、急低下するなら対応するスタンスも明確にし、セントラルバンカーらしくバランスも取っている。

<資産残高維持プラスゆっくりな利上げ>

このようなメッセージとともに、イエレン議長はさらに重要で示唆に富んだ発言をした。「バーナンキ前議長は、2011年のわれわれの原則と対照的に、住宅ローン担保証券(MBS)の売却はありそうにないと示唆しており、それは今も変わっていない」と述べ、MBSは売却できそうもないとの方針を明確にした。

さらに「利上げ後しばらくの間FRBが非常に大規模なバランスシートを維持するとしても、短期金利水準をコントロールできる手段を有していることにも自信がある」と語った。

ここから類推できることは、今回の出口戦略では、FRBが膨らんだ資産残高を維持しながら、ゆっくりとしたテンポで利上げしていくという「政策パッケージ」のイメージではないだろうか。

出口政策の手段としてイエレン議長も示しているターム物預金ファシリティーなどを駆使してFRBの資産を「凍結保存」してマネーの流出を防止し、FFレートをゆっくりと上げていく政策だ。

<上がりづらい米長期金利、ドル/円に105円の壁>

今までに実行したことのない「チャレンジング」な政策であるため、市場がどのように反応するのか不透明な部分が多いものの、緩和効果が長期にわたって市場に残存する「新型」の政策パッケージというイメージが市場に広がれば、米株は比較的堅調に推移する公算が大きいと予想する。

他方、米長期金利は上がりにくくなるだろう。FFレートの上昇テンポが極めてゆっくりである上に、そのゴールである中立金利も、従来の4%からかなり低下する可能性があるためだ。

今回、FOMCメンバーが予想する長期のFFレート(中心値)は4%から3.75%に低下した。この予想が将来、さらに低下して行く可能性はかなりあると考える。

この結果、ドル/円JPY=EBSの先行きも、外為市場関係者の多数が予想しているよりは、天井が低くなる(円安が進まない)ということになるのではないか。年末に110円という予想は、実現性がかなり低下している。私は100─105円のレンジを上抜けるパワーは大幅に減退していると考える。

<大幅原油高なら、日本当局にも難題>

さて、ここまで述べてきた見通しに大きなリスクがあるとすれば、想定外の原油高という事態だろう。イラク情勢が混迷の度を増し、地政学リスクが中東全体に拡大し、原油価格が1バレル当たり150ドルを突破するようになった場合、物価上昇圧力が大幅に増大するだろう。

この事態に直面すると、米国よりも深刻さが増すのは日本だ。物価は日銀が想定した道筋よりも上振れする可能性が出てくる一方、企業収益が圧迫され、株価は下がる可能性がある。物価は上がるが、企業マインドは低下し、それが他のセクターにも波及していく場合、政府・日銀はどう対応するべきなのか。

大幅な原油高のリスクシナリオは、日本の政策当局に難題を突き付けそうだ。
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6月12日には日経平均株価の25日移動平均線(赤色の線)が75日線(青色の線)を下から突き抜け、ミニ・ゴールデンクロスを達成している。
 このGCは2012年11月15日スタートしたアベノミクス相場が出現してから今回で4回目である。この現象が発生した後には日経平均株価は急上昇している。今回と同じようなミニ・ゴールデンクロスを達成したのは昨年9月13日以来9ヵ月ぶりのことである。
米国のドル主導の株価と為替相場の好調な状況下で発生するものであるから、今回のミニGCの評価は非常に高い。なぜなら、25日線と75日線がそろって上昇カーブを描く中でのクロスであり、かつ、4月から新設されたTPX日経インデックス400とTOPIX(東証株価指数)もすでにミニGCを達成済みの中での信頼度の高い「買いシグナル」との評価が高い中でのミニ・ゴールデンクロス達成である。
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日足の一目均衡表もアベノミクススタートと同じ状況になってきた。
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ちなみに13週平均移動線(緑の線)が26週平均移動線(赤い線)を突き抜けるゴールデンクロスも目前に迫っているが、GCする頃には16000円を軽く突破しているだろう。
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週足の一目均衡表をみると雲は再び上昇に向かい、回帰トレンドから判断すると年内に18000円を達成する可能性がある。
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 米国では、2014年の世界経済の成長率について色々な議論はつくされておりIMFは16日、2014年の米経済成長率の見通しをこれまでの2.8%から2.0%に下方修正した。低金利政策を維持し最低賃金を引き上げて経済強化を図るよう米政治家らに求めた。
世界銀行も成長率は、1月時点の予測では3.2%という高めの数値を出していたが、11日には2.8%に下方修正した。
 しかし、それでも連日SP500とNYダウ米株式市場は負の経済をふり切って後半に向けて急拡大していくとの見方が大勢を占め株価は連日高値を更新していく状況となっている。米政府とすれば実体経済の回復におかまいなく、市場の予測だけで株価が上昇していくことは3-5年後のインフレにつながるのでこれはだけは絶対避けなければならない。従って、FRBは現状はなるべく新高値街道をめざす米株価はおさえておきたいところである。
となると、米国の株式市場は現状は先行きの実体景気の回復を市場の参加者のほとんどが信じているだけに米国の実体景気の下方修正はかえって株価の抑制となって息の長い上昇相場となるかもしれない。
VIX指数(恐怖指数)歴史的に低水準の位置にある。 原油価格は今後更に上昇し世界経済の悪化の可能性があるが、米国の株価はこのままいけば7月以降、毎月600-1000ドル程度のダウ平均の上昇は固く、年末にはダウ平均は2万ドルまで上昇を続てしまう。2016-2018年には米国のインフレ化も現実のものとなる。
私が考える最大のリスクは無能なオバマ大統領である。イラクを中心とする地政学リスクの発生はオバマが無能すぎるからだ。次々に起きる事態に何も反応できていない。軍事費は削減するし、国民から歓迎されていないオバマケアは機能していない。世界の警察を止める=米国の覇権の放棄を示唆したオバマのおかげで、世界中の秩序が混乱しはじめている。
ウクライナ、南シナ海、尖閣での中国の横暴、中東情勢の緊迫化すべてリベラルで演説が上手いだけのオバマの無能さにその原因がある。オバマの無能さは不安心理をあおり、VIX指数(恐怖指数)が若干上昇し、安全資産である円や米国債に資金が集まってしまった。
しかし、一方の日本の動きは株価の面で米国株に比べ出遅れ気味で日経平均株価をなんとしても上昇させたいのが日本である
債券はゼロ%近い債券(国債)が多くなっているのに現状の株式の優良株は配当性向だけをみても2%~4%程度のものが多く、この高配当が無視されている状態は明らかにおかしい。
五月の後半あたりから信託銀行買い越しが目立つようになった。
信託銀行は年金の資金運用をまかされている信託銀行の買は年金の買いである。GPIFはまだ本格的に買いに入っていないので、民間の年金基金がGPIFに先駆けて株式を買い始めたと考えていい。
現在、年金は129兆円あると言われており、そのうち13%が株式に投資されていると言われている。今回の債券から株への投資の組み替えで、年金基金は最低20%から最大30%を株式投資に組み替えたいと考えた。そうなれば最低8兆円、最大18兆円程度株式市場に投資を拡大化する考えである。株式市場にとっては大変大きな額である。 10兆円以上株式に投資されるとなると、株式市場にとっては大変化の兆しがでる額である。これから年金が10-11兆日本の株を買ったならば、る日経平均株価の1万8500円から2万円時代は目前である。
 昨年の大幅な株高を呼び込んだ海外投資家と主導権を争うかのように、国内の年金基金による株買いが活発化してきた。6月第2週(9~13日)まで7週連続の買い越しで、5月の買越額は5年2カ月ぶりの高水準。日経平均株価は19日、約4カ月半ぶりの高値をつけており、年金の買いが下支えしている。約129兆円を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の国内株への投資割合を高める改革が動き出す中、これを先取りした動きが出てきているようだ。

19日に東京証券取引所が発表した6月第2週の部門別売買状況によると、GPIFなどの年金基金から運用を受託する信託銀行の買越額は892億円。5月第1週以降、買い越しが続いており、5月の買越額は6873億円と、平成21年3月に次ぐ大きさだった。

買越額が増えた5月第4週は、平均株価が上昇に向けて反転した時期と重なる。足元でも株高は続き、19日の平均株価は前日比245円36銭高の1万5361円16銭と、1月29日以来の高値。年金は基本的に、下がったところで買う「逆張り」だが、5月以降は上昇局面でも買っている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は「投資パターンからみてありえない動き」と、政府がGPIFの株式運用比率を高めるなどの改革を打ち出したことが背景にあると指摘する。

GPIFの目標となる資産構成割合の中で、国内債券60%などに対して12%にとどまる国内株式の比率を高める方向が固まっており、安倍晋三首相は見直し作業の前倒しを田村憲久厚生労働相に指示。新しい資産構成決定後に大量に株を買えば相場への影響が大きいため、今から少しずつ買い増しているという観測が市場で高まっている。現在の枠組みでの国内株運用比率の上限までまだ、余裕があるとみられる。

他の公的年金などもGPIFの投資姿勢に追随する傾向が強く、年金の巨額の株買いが入ってくるとみた海外投資家も再び日本株への投資を増やす「年金買い、外国人買い」(三菱モルガンの藤戸氏)の様相。GPIF改革を契機に、昨年とは異なる国内投資家主導の株高が進んでいる。(高橋寛次)
日本の株式市場にとっては未だ経験したことのない大変化であることは間違いなく日本の株式市場にとっては新しい株式市場にとっては新価格を形成する大きなチャンスである。本の株式市場のすべての面で優良株といわれている株が全面的に買われるかもしれない。高配当orM&Aの拡大化かイノベーションを進める企業の株は当然組み入れ額が拡大化するので狙い目かもしれない
また、2012年11月から13年5月のアベノミクス期待相場の際バイオ関連銘柄が動いた。今回もSTAP細胞騒動も沈静化し、ips細胞を用いた網膜の作成など実績が出始めている。新成長戦略で再びバイオ関連株も動き出しやすい。
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再生医療(iPS 細胞)                                     
再生医療とは、臓器や組織が機能不全等に陥った場合に、細胞や組織を移植することで、失われた機能を再生する医療である。政府は、昨年の成長戦略で、再生医療を産業化するための改革を実施。経済産業省が 13 年 2 月にまとめた報告書では、再生医療の世界市場が 2012 年の 1,000 億円から 2050 年には 38 兆円に膨らむと予測している。 
注目は iPS 細胞である。iPS 細胞の活用により、皮膚や血液などの安全で採取しやすい細胞から、様々な種類の細胞を作成できるようになる。まだ、研究段階で実用化は先であるが、今夏には目の難病を対象とした臨床研究が、2016 年にはパーキンソン病を対象とした臨床研究が始まる予定。
大日本住友製薬(4506)や新日本科学(2395)、テラ(2191 JQS)などが出資するヘリオス(未上場)は、2016 年にも網膜疾患を対象とした治験の開始を計画している。                                              
再生医療(皮膚、軟骨など) 

iPS 細胞を用いない再生医療は、すでに一部で実用化されている。J・TEC(7774 JQG)は、患者自身の表皮細胞や軟骨細胞を培養し、自家培養表皮「ジェイス」や自家培養軟骨「ジャック」を製造販売する承認を厚労省から取得。医療機関において、患者への移植が行われている。他にも眼や毛髪など様々な分野で、実用化に向けた研究が進められている。 
再生医療の普及には、生産技術の確立も重要である。産学官が連携し、iPS 細胞から心筋や網膜、幹細胞から軟骨をつくるなどの量産技術の開発に乗り出しており、2018 年度の実用化を目指している。また、日産化学(4021)は、京都大学と共同で、生産コストを 10 分の 1 にする iPS 細胞の新たな培養法を開発した。実用化は 5 年後の目標だが、将来的なポテンシャルが大きい技術として注目したい。 

混合診療 

混合診療は、公的保険が適用されない診療(自由診療)と保険適用が認められた診療を併用することであり、現在の医療制度では一部の例外を除き認められていない。そのため、自由診療の先端医療を受けた場合、保険適用が認められている診療分を含めた費用の全額が個人負担となる。 
3 月に関西圏が国家戦略特区に指定され、一部の大学病院などで混合診療が容認された。6 月の新成長戦略でも混合診療の拡充が柱の一つとなっており、混合診療解禁に向けた動きが進んでいる。実現した場合は、自由診療の市場拡大が見込まれよう。 
現在、自由診療扱いになっている治療法の中で注目するのは、ガンの樹状細胞ワクチン療法。患者の血液に含まれる免疫細胞を取り出し、培養・活性化した後で患者に戻す。その免疫細胞が、ガン細胞のみを選択的に攻撃することで、正常な細胞を傷つけずに治療できるメリットがある。なお、樹状細胞ワクチン療法を手掛けるテラ(2191 JQS)、メディネット(2370 TM)は、同治療法の保険適用を視野に、治験に向けた動きを進めている。 
 
オーダーメード医療(遺伝子情報) 

個人や病巣の特性を把握し、それに適した治療を行うオーダーメード医療にも注目したい。技術の要は、いかに特性を把握するかである。究極の個人情報とも言われる遺伝子情報の活用は、最も有効な手段。すでにヒトの遺伝子配列は解読されているが、どの遺伝子がどの病気に関連しているかについては未解明な部分も多く、重要な研究テーマである。 
がん治療の分野では、特定の薬剤の効果や副作用のリスクを判別するコンパニオン診断薬を用いて、投薬の是非を決めるタイプの抗がん剤が導入されており、研究開発も盛んである。 

エムスリー(2413)は、ソニー(6758)、米イルミナ社とともに、遺伝子情報と医療・健康情報を合わせて解析する企業を立ち上げた。同分野の知見が高まることで、ガン治療だけでなく幅広い病気の治療、病気予防の分野などへの応用が期待される。安倍政権が打ち出す成長戦略のテーマにも合致しており、政策的な後押しが期待されよう。 
(金沢 澄恵子) 
ダイワ投資情報ウィークリー6月23日号 

 

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武者陵司 武者リサーチ代表

[東京 12日] - 円安・株高の勢いがいまひとつ戻ってこないことを受けて、アベノミクスの前途を不安視する見方が再び強まっているように思える。成長戦略や日銀追加緩和への過度な期待はその裏返しだろう。

しかし、ファンダメンタルズに表れている様々な好材料は、安倍政権や黒田日銀のここまでの施策が奏功し、いずれ市場心理が劇的に好転する可能性を強く示唆している。筆者は、年末にかけてドル110円程度まで円安が再加速し、日本株(日経平均株価)は1万8000円から2万円に到達する可能性が高いとみている。

2012年11月から13年5月までの円安・株高相場を「アベノミクス期待相場」と名づけるならば、今後始まるのはファンダメンタルズの改善を織り込む「アベノミクス現実相場」と言えよう。その意味で、ここからしばらくは「絶好の仕込み場」となりそうだ。

<デフレ脱却宣言は時間の問題>

そもそも、デフレ脱却を示唆する証拠は続出している。第一に、大企業で16年ぶりの月額7000円台、2.4%という高水準の賃上げ(定期昇給とベースアップの合計)が進行しており、ボーナス分まで含めると、3%の消費税率引き上げ分を上回る所得増が見込めそうな気配だ。

消費者物価も上昇基調を続けている。値動きの大きい「生鮮食品を除く総合」は4月、前年同月比で3.2%上昇。日銀が試算する消費増税影響分(1.7ポイント)を除いても、上昇率は1.5%程度に達した計算だ。東大物価指数では、消費税率引き上げ分を上回る物価上昇が起きていたことも確認できる。デフレの原因として長らく指摘されてきた価格の上方硬直性(デフレ継続予想のもとで価格を抑え込む傾向)がついに解消されつつあることが分かる。

また、インフレと賃金に大きく影響する需給ギャップは、政府・日銀それぞれの試算で大幅に改善し、リーマンショック前の水準に近づきつつある。有効求人倍率はすでに06年7月以来の高水準である1.08倍(4月)まで上昇している。

加えて、デフレの最大の原因だった超円高が大きく修正され、再び過度の円高状態に戻る気配はない。中銀の貨幣発行速度、貿易収支、実質長期金利といった為替水準を決定する主要因のいずれもが完璧に円安ベクトルでそろっている。

悲観論者はいまだに日銀の「2%インフレ目標」達成に疑問を呈しているようだが、これらの証拠を見れば、「デフレ脱却宣言」はもはや時間の問題と言ってよいだろう。

<賃上げの好循環スタートへ>

では、デフレ下とデフレ後で、日本経済をとりまく景色はどのように変わるのだろうか。劇的な変化、言い換えればデフレ脱却後の「成長のけん引役」は主に二つ存在すると考える。

ひとつは、日本企業のグローバル展開確立による付加価値創造。もうひとつは、ライフスタイル向上がもたらす豊かな国内需要の創造である。後者は、労働分配率の上昇と実質賃金の増加が推進役となる。そして需要創造の先には、これまで国内に閉じこもっていたサービス産業の中からもグローバルな競争力を持つセクターが多数育つ可能性がある。観光業などはその代表例となろう。

振り返れば、これまでのデフレ下における最大の被害者は労働者とサービス産業だった。持続的な物価下落は労働者への所得配分、サービス産業に対する資源配分を著しく損ね、需要を抑制し続けたのである。

先進主要国の賃金・物価・生産性の推移を比較すれば、デフレに陥った1997年以降の日本の異常性は一目瞭然だ。海外の常識に照らせば、物価上昇率よりも賃金上昇率は大きく(生活水準の向上)、生産性の伸びよりも賃金上昇率が大きくなる(単位労働コストの上昇)はずなのに、日本では97年頃を境にすべてが逆さまになっている。労働生産性は伸びているのに、賃金は下落を続け、またその下落率は物価の落ち込みよりも大きい。

もとよりその最大の理由は、デフレ下で売価とコストの持続的な引き下げを余儀なくされた企業が労働者にしわ寄せをしたことだ。そして、その背景には、売価下落の引き金を引いた超円高があった。

だが今、この景色が一変しつつある。前述したように、円安基調は根付き、需給ギャップは改善し、労働市場も急速にタイト化している。インフレに転じていく環境下で、企業が着実に値上げを実現するためには、優良な労働力を確保することによってクオリティの高いサービスや商品を提供する必要がある。そのためには、ふさわしい対価を労働者に支払わなければならない。

デフレ下での勝負は「どれだけ売価・コストそして労働者報酬を下げるか」だった。したがって、ブラック企業がはびこったが、インフレ下での勝負は「いかに賢く売価を上げていくか」であり、労働者報酬引き上げによる優良労働の確保はより付加価値の高い商品提供のために必須となる。このようにデフレからインフレにシフトすれば、労働市場に対する経営者のビヘイビアが180度変わることは目に見えている。

ちなみに、長年に及ぶデフレ経済において日本の労働者は決して「無意味な被害者」ではなかったと言いたい。20年前と比較した、日本企業のビジネスモデルの転換ぶりは驚嘆に値する。特に製造業は、国内の低コスト生産・輸出モデルから、グローバルサプライチェーン確立による現地生産・販売マーケティングモデルにシフトした。言うなれば、日本の労働者は実質賃金低下を受け入れることで、企業の将来価値創造に向けたビジネスモデル転換コストの一部を負担したのである。

いまや日本企業の収益性は過去最高水準にある。再び労働分配率を引き上げて、労働者に対する所得配分を高めることが可能な状況に来ている。

<成長戦略の正しい姿>

もう一つ、デフレ後の経済で期待を持てるのがサービス産業の再生だ。前述したように、サービス産業は労働者と並ぶデフレの大きな被害者だった。

そもそも、日本の国内総生産(GDP)の7割は内需であり、その大半はサービス産業である。労働者報酬引き下げに伴う購買力低下は、サービス産業にこそ大きな打撃を与えた。

よくデフレの震源地として「ユニクロ」などの製造小売業が躍進した衣料品や、国際競争が激しい家電・自動車などが指摘されるが、そうした分野は実は他国でも価格下落に見舞われている。日本の特殊性は、教育、娯楽、交通、住宅、医療といった内需系サービス分野においてデフレが深刻化したことである。

製造業の雇用が失われているのは洋の東西を問わないが、欧米では非製造業の雇用が着実に創造され続けている。一方、97年以降の日本ではそうした流れはまったく止まってしまった。それもそのはずで、サービス産業は製造業に比べて生産性向上が容易ではない。したがって、サービス産業に属する多くの企業が収益を伸ばすためには値段を上げるしかない。欧米でもサービス産業の雇用増加や価値創造の推進力は値上げであり、その結果として人々はより豊かなサービスを享受できている。それが先進国内需の中核部分である。

一部には、日本ではもう車やテレビはさほど売れないから、需要増にあまり期待しないほうがいいといった悲観論が聞かれるが、もともとそうした分野に成長の起爆剤を求める必要はない。よりレベルの高い教育や娯楽、介護といった、要するに「クオリティ・オブ・ライフ」を高めてくれるような分野にこそ有望な需要はある。

政府に必要なことは、そうしたクオリティ・オブ・ライフの実現のために、需要と供給のミスマッチを解消してあげることだ。モノはもうそれほどいらないと言っている人に、同じモノを押しつけても何も生まれない。必要とされる分野へと資源の再配分を促すことこそが正しい成長戦略の姿である。
20年ほど前、武者氏のレポートを読むと悲観的なことしか書かず「弱気武者」と揶揄していた。それが、リーマンショック前後から俄かに強気の見方をするようになった。最近は強気すぎるのではと思うレポートもあるのだが、このコラムはまともなことを書いてある。
日本のバブルの崩壊後、日銀や政治の混迷で、日本経済はデフレによる物価の下落で企業収益が悪化、人員や賃金が削減され、それに伴って失業の増加、需要の減衰が起こり、さらにデフレが進むという連鎖的な悪循環であるデフレスパイラルに陥っていた。
消えてしまった国内需要を財政で補填しながらなんとか20年近く生き延びてきた。しかし、民主党政権の3年と、東日本大震災で日本経済は、超円高で、財政再建主義者達のおかげで日本経済は滅亡の渕に追いやられてしまった。
私は当初自民党の安倍晋三に期待していなかった。20年間の混迷は自民党の無能な政治家達にも多大な責任があったからだ。まして、政権を1年で放り出した第一次安倍内閣の印象から、ある程度期待はしたが、アベノミクスで日本経済の再建できるとは思っていなかった。小泉政権、民主党政権が行った不十分な金融緩和政策で財政再建政策をとったことによって、日本は長いデフレを継続してしまいました。お金の価値は上がり続け、信用縮小を継続し続けたわけです。
1981年元映画俳優の大統領レーガンが、ベトナム戦争以降低迷した米国経済をレーガノミックスで再建し、今日の米国の繁栄を取り戻したように、アベノミクスは、異次元の緩和を打ち出し、円安と株高で経済はみるみるうちにデフレから脱出しそうな現状となってきた。安倍首相は米国中興の祖レーガン大統領のように日本中興の祖になれるかもしれない。
アベノミクスとレーガノミクスについては実は正反対の概念であることに注目すべきと言うことです。

レーガン大統領が就任した1981年、アメリカはインフレ率10.3%、失業率7.6%という状態のいわゆるスタグフレーションに陥っていた。
レーガノミクスでは、「小さな政府」、「規制緩和」、「民営化」、「供給能力側(サプライサイド)強化」を並行して行うことを政策としたのです。インフレ対策であり、インフレ時には教科書とおりの政策であった。

しかし、安倍首相就任時2012年にはインフレ率▲0.04%失業率4.34%のデフレであった。デフレの場合は、民間の需要が無くなっているから、政府信用でお金を借りて公共事業などに投資して、お金の循環を作り出し、民間の需要回復を計るようにする・・・というのがケインズ経済学です。

お金を発行して国民にばら撒くことです。それを合理的に行うのが公共投資という方法と言うわけです。大量に発行されるお金は、お金の価値を下げていきます。バブルで発生したマネーをリアルマネーで吸収し中和するのですから、莫大な金融緩和とマネー供給が必要であり、アベノミクスはケインズの経済学の教科書通りに進めていると思います。

今のところ財政出動で需要の縮小を止め、2%のインフレ目標で立ち直らせることが出来るかどうか。それが安倍政権の命運を決めることになるでしょう。政府の借金が大きく増加します。ただ、今のところ財政赤字については財務省がプロパガンダするほど問題ではない。できれば消費税10%増税はすべきではない。

財政赤字も日本経済は円安・株高によって、2013年度の法人税収が政府の見込みより最大1兆円上振れしそうな状況になってきた。 2014年3月期決算の上場企業の日本での納税額は前期比5割増えたようだ。回復が遅れている中小企業の納税額は小幅増にとどまる見通しであるが、2013年度の法人税収は最大11兆円強と4年連続で増えそうだ。こうした流れを知ってか安倍首相は外遊先のローマで記者会見し、法人税の実効成立引き下げについて「来年度に着手する」と初めてはっきりと明言した。

これは第三の成長戦略の一環であるが、経済財政運営の基本方針(骨太の方針)でもあるだけにメッセージ性のあるものにしたいようだ。減税については海外でも注目され、アベノミクスの成功、不成功にもかかわる問題だけに日本株の行方にも影響のある問題として注目される。法人税が最大1兆円上振れしたことがはっきりしてきたことで減税論議に弾みがつきそうである。

法人税減税は海外の投資家も注目しているので、減税幅が拡大すれば日経平均株にも影響がでてきそうである。
村田雅志 ブラウン・ブラザーズ・ハリマン 通貨ストラテジスト

[東京 11日] - 為替市場では昨年末、今年はドルが対円を中心に上昇基調を続けるとの見方が大勢だった。たとえばドル円の場合、年末には110円を見込む声が強く、一部からは115円や120円といった威勢のいい見通しも示されていた。

しかし、こうした予想に反し、ドル円は年明けからわずか1カ月で年初に記録した105円台前半から102円ちょうど近辺に下落。4月上旬に104円程度まで上昇する場面もあったが、総じてみれば2月以降は102円を挟んで方向感に欠ける動きを続けている。

今年も半分が過ぎようとする中、こうした相場の流れを受けて、見通しを変更する動きが強まってきた。ドル円は上昇したとしても今年夏場まで103円程度で上値が重く推移するという見通しが市場のコンセンサスとなっている。秋口以降は再び上昇するとの見通しが多いが、それでも年末水準は106円程度と、年初来高値の105円台前半を小幅上回る予想となっている。

ちなみに、為替市場関係者の一部は、昨年末の見通しを変えず、110―120円程度まで上昇するとの見方を維持しているようだが、その達成時期は今年末ではなく、いつのまにか「中期的に」などに後ずれしている。

昨年末にドル円の上昇を見込む声が強かったのは、今年に入っても円売りとドル買いの動きがともに続くとの見方が、それなりの説得力を持っていたためだった。市場関係者の多くは、4月の消費税率引き上げなどを受けて日本の物価が伸び悩むとの見通しから日本銀行が早ければ5月にも追加緩和に動くと予想。追加緩和の方法は定かではないものの、昨年4月に打ち出された量的・質的金融緩和と同様に、相当の円安効果を期待した。

しかし、市場の見通しとは裏腹に、消費者物価(CPI)は堅調な伸びを維持。今年4月のCPIは前年同月比プラス3.4%(総合指数)で、日銀が試算した消費税率引き上げの影響を除いても3月から伸びが加速した。黒田東彦日銀総裁は、基調として労働需給ひっ迫や中長期的な物価予想の高まりが実際の賃金・物価形成に影響を与えていると指摘。4月8日の会見では満面の笑みで2%の物価目標達成への自信を示した。一方、岩田規久男日銀副総裁は物価が2%を恒常的に上回り続ければ、政策を調整すると述べ、直近の日銀首脳発言としては初めて出口戦略に言及した。

早ければ5月と言われていた日銀の追加緩和観測は7月に先送りされたが、最近では年内の追加緩和は見送られるとの見方が増えている。

<米金利低下「中ロ犯人説」の誤謬>

しかし、それでも上述したように「ドル円は夏場まで伸び悩むが、秋口以降は上昇する」との期待が続いている。それは、たとえ日銀の追加緩和期待が後退し、円売りの動きが望めなくとも、ドル買いの動きは続くとの期待が維持されているからだろう。

米国では連邦準備理事会(FRB)が2013年12月に債券買い入れ額を月額850億ドルから750億ドルに縮小することを決定。バーナンキFRB議長(当時)は会合後の記者会見で、雇用の伸びが予想通り継続すれば、債券買い入れは14年の大半を通じて慎重なペースで縮小を続ける公算が大きいとの見方を示した。

3月18―19日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)は声明で、資産買い入れ策終了後も、現行のフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジを「相当な期間」維持することが適切になるとの見解を表明。しかし、FOMC後の記者会見でイエレンFRB現議長が「相当な期間」に関する質問に対し、「おそらく6カ月程度を意味している」と回答したことから早ければ年内にも利上げが実施されるとの見方すら出た。

その後、同議長は早期利上げに対し否定的な姿勢を示したものの、一部地区連銀総裁は15年での利上げに前向きな姿勢を示したままだ。FRBが14年に債券買い入れの縮小を続け、15年の利上げが視野に入るならば、米長期債利回りは上昇するとの期待が強まるのも無理はない。米長期債利回りが上昇するならば、ドル買いの動きも続くとの期待が維持されるのは自然なことである。

しかし、こちらも市場関係者の思惑とは裏腹に、米長期債利回りは今年に入って低下基調で推移。米10年債利回りは年初の3.0%ちょうど近辺から2月初めには2.6%割れ。その後は2.7%を挟んでの上下動が続いたが、5月半ばには節目とされる2.5%を割り込み、5月29日には一時的とはいえ2.4%近辺と13年6月以来の低水準に低下。その後は反発したものの、6月に入っても2.6%近辺で上値が重いままである。

米長期債利回りが今年に入り低下した理由はいくつか指摘されている。一つはベルギーに本社を置く清算機関ユーロクリアを通じ、中国やロシアが米国債の保有額を拡大させているという見方だ。米財務省が発表している米国債国別保有残高によると、ベルギーの保有残高は確かに増加基調で推移しており、今年に入り、中国、日本に次ぎ3位に位置している。

ただ、この見方が仮に正しいのであれば、米国債利回りが低下すると同時にドル買いの動きが強まることになり、ドルの上値が重いという現実を説明できない。中国やロシアが米国債保有額を拡大させていることは否定できないものの、FRBが証券買い入れ枠を淡々と縮小させているにもかかわらず、米長期債利回りが低下基調で推移している理由を中国やロシアの動きだけで説明するのは無理があるように思える。

<10年前の「謎」との共通点>

むしろ説得力が高いのは、FRBタカ派メンバーの見方とは異なり、米国のインフレは今後も当分、低い伸びにとどまるとの期待が強まっているという推測だ。

米国景気は第1四半期に厳冬の影響で大きく減速したものの、第2四半期は市場の期待通りに持ち直した。仮に米景気の拡大期待を背景に市場のリスク選好姿勢が強まり、過剰流動性相場の様相が強まっているのであれば、資金は米国債ではなく米国株により多く回るはずである。しかし、現実には米国株だけでなく米国債にも資金は流れている。

おそらく米国の投資家は、景気拡大期待を維持しながらも、米国でのインフレが当分、弱いとの見方から米国債を買い戻しているのだろう。現に米個人消費支出(PCE)コアデフレータは4月でも前年比プラス1.4%と2カ月連続で加速したとはいえ2%を大きく下回る水準のままだ。

5月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が21.7万人増と堅調な伸びとなったが、平均時給は前年比プラス2.1%と伸び悩み。週平均労働時間は34.5時間と12年以降、同水準を上回ることができておらず、労働参加率は62.8%と1978年3月以来の低水準に低下したままである。これでは米インフレが、FOMCが利上げの基準とする2%を早期に超えることは期待しにくく、FRBは利上げに対して慎重にならざるを得ない。

市場予測によると米利上げ時期は15年後半との見方が有力視されているが、筆者は市場予想より後ずれする可能性があるとみている。イエレンFRB議長やニューヨーク連銀のダドリー総裁は、賃金の伸び悩みなどを理由に金利上昇に対し引き続き非常に慎重な姿勢を崩していない。

また、米中古住宅販売は13年半ば以降、弱含みでの推移となっている。筆者は米利上げ時期が早くても15年第4四半期で、雇用や住宅市場に変調の兆しが見られれば、16年まで見送られる可能性も十分にあると考えている。

債券市場関係者の一部は、米長期債利回りが上昇しない足元の状況が、利上げを10回繰り返したにもかかわらず、米長期債利回りが上昇せず、当時のグリーンスパンFRB議長が「コナンドラム(謎)」と表現した状況に似ていると指摘している。確かに当時(約10年前)も今も、FRBは金融政策を緩和から引き締め方向にシフトさせながらも、そのペースは非常に緩やかなものにすると半ば公言。この見方が正しいのであれば、米長期債利回りは少なくとも今年いっぱい低位安定となり、ドル買いの動きは強まらず、ドル円は低いボラティリティのまま方向感に欠ける動きが続くことになる。

ただ、周知の通り「コナンドラム」の後に起きたのは、市場が予期しない形での米住宅市場の崩壊と世界的な金融不安だった。FRBは慎重に利上げを続けたつもりだったが、実体経済はその重みに耐えきれなかった。

今回もFRBが総意として利上げに前向きな姿勢を示すそのタイミングで、米長期債利回りが上昇し、ドル買いの動きが強まるだろう。しかし、それは09年6月から始まった米景気の拡大局面が終了に近づく合図となり、低ボラティリティが続いたドル円相場に大きな波乱を呼び寄せるかもしれない。

今後の予期せぬ波乱から身を守るためにも、現在のドル円の低ボラティリティを前提とした高金利通貨買いの動きは限定的なものにすべきだろう。
しかし、2014年にはいって、株価は下落しもみ合っている。そしてここ数カ月は歴史的に低いボラティリティとなっている。欧州中央銀行(ECB)によるマイナス金利導入と米雇用統計の発表という重大イベントがあったが、ドル円相場は102円台、ユーロドル相場も1.36ドル前後と最近のレンジ内の動きにとどまっている。
公的年金は9 -10月に債券から株への大転換が始まり、年金を扱う外国人投資家の長期投資が日本株を買いだした。
金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がようやく時代の波に適合した投資と運用をしようという流れになったのを受けて、株価のあり方が大きく変わってくのではないかとみている。すでに投資方針の変更についても、運用委員長である米沢康博早大教授も129兆円の資産運用を時代に合った見直しへと変えていかねぱならないとしている。すでに民間企業と個人は2年前から資産の投資と運用は債券から株投資へと運用の大転換の時代に突入して大イノベーション時代へと変身している。しかし日本の公的年金資産の運用方法は数十年前の投資のままで時代の流れに合わせていなかった。金利が高い債券に投資さえすれば元本を傷つけずに高利回りで運用できる時代は終わった。
現状、デフレ経済で高金利の時代は終わった。物価安の時代は長引く公的資産の年金も考える投資で稼いでいく時代の到来である。 129兆円の運用を低い金利で運用する時代はすぎた。株式の配当にも超優良株で3-5%の利回りの株式投資がある。今年の日経平均株価は個人・企業の投資で株価が上昇すると同時に、公的年金(日本の場合には)の運用の大イノペーションで(債券から株式への投資変更)日経平均が上昇する時代になってきた。現状、GPIFの基本的な資産構成で日本株比率は12%である。これが最低でも20%、平均で25%に上がり、国債などを処分するようだ。 1%比率を高めれば1兆円のようだ。 20%になれば約8兆円、
25%にすれば13兆円も株式に流入することになり、株価は大幅に押し上げられる。 20%上げても7-8兆円流入となると2015-16年には日経平均は2万円は固く、3万円になろう。公的年金の流入は9-10月頃のようだ。
それに最近5月中旬頃から海外の年金を扱う長期的投資目的の資金が4月以降増え始め、5月以降アベノミクスの第3矢の実現間違いなしとみての投資が拡大してきている。先物買いの投機的買いはないが、長期投資の年金の日本株投資が増えている。さらに円については日米の金利差の縮小はそんなに長く続かないとみて、円を売る動きが強まっている。9月以降円安は拡大化するであろう。年末の日経平均は1万8500-9000円、ドルは1ドル=105-110円とみている。
それではリスクが無いのか?中国の不動産バブル崩壊は、社会主義中国国内で起きているので、あまり大きくない。私が考える最大のリスクは無能なオバマ大統領である。
 【ワシントン=青木伸行】緊迫するイラク情勢をめぐるオバマ米大統領の対応の遅さと曖昧さに、米国内で批判が高まっており、11月の中間選挙をにらみ野党・共和党は攻撃を強めている。

大統領は13日、ホワイトハウスで、地上部隊を派遣しないこと以外、具体策を何ら示さず、決定まで「数日を要する」と言い残し、ヘリコプターで遊説先のノースダコタ州へ向かった。

共和党のベイナー下院議長は「下院と国防総省は、イラクの情勢悪化をホワイトハウスに警告してきた。だが、何もせず、イスラム過激組織が首都バグダッドへと迫っているときに、大統領は昼寝をしている」と痛烈に批判した。

マケオン下院議員(共和党)は大統領の言葉をとらえ「ホワイトハウスには、何も決められずに、『あらゆる選択肢を検討している』と言う歴史がある」と皮肉った。

マケイン上院議員(同)に至っては、「大統領は国家安全保障チームを一新すべきだ」とし、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)や、デンプシー統合参謀本部議長らの辞任を要求。過激派組織の脅威増大は「イラクから米軍が撤退した代償であり、大統領はアフガニスタンでも同じ破滅的な過ちを犯そうとしている」と非難した。

一方、ウォールストリート・ジャーナル紙は「(大統領就任から)5年以上がたち、われわれはこの大統領に指導力、戦略的な望みを期待すべきではないということを知るようになった」と批判している。


執筆中



なお、投資等については自己責任でお願いします。


















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2013年 11月 6日 16:14 【ロイター】
[東京 6日 ロイター] -日本株の買い主体がシフトしている。今年前半までけん引役だった海外短期筋は安倍晋三政権の成長戦略に失望して後退。代わって政権の安定感や矢継ぎ早の政策対応などを高く評価する海外年金筋などの長期資金が流入している。

マーケットにはアベノミクス相場第2幕入りを期待する声が出る一方、買いのボリュームが小規模となり、株価押し上げのパワーは低下している。今春のような上値追いの再現を期待する参加者からは、追加金融緩和を切望する声が漏れてくる。

<為替気にしない長期投資家>

日本株とドル/円の相関性が低下している。円安期待の後退は日本株の上値を押さえる要因であり、日々のトレードでは依然として材料にされやすいものの、データでみる限り、以前のような連動性は薄れている。

ドル/円が2013年8月末に98円台前半だった際、日経平均.N225は1万3300円台だった。現在は98円台半ばと為替はほぼ同水準ながら、日経平均は1万4300円台と7%以上、上方に位置する。大和証券の試算では、2012年11月中旬以降のドル/円との相関から得られる予測値に対して、実際の日経平均は500円以上、上振れているという。

円安離れの要因は、日本株の買い主体の変化だ。今年前半のアベノミクス相場をけん引してきたヘッジファンドなど短期筋は、金融緩和期待を背景に日経平均先物買い・円売りのポジションを構築。円安と株高が連動する相場を作った。だが、足元でその買いは一服。今度は、海外年金など長期投資家が日本株への投資を始めている。

実際、海外ファンドでは為替ヘッジなしの人気が高まっている。米国における主要な日本株ファンドの純資産流入累積額をみると、為替ヘッジがあるウィズダムツリー・ジャパン・ヘッジド・ETFの累積額はほぼ増えていない。他方、ヘッジなしのiシェアーズMSCIジャパンETFは概算で12億ドル弱の資金が流れ込んでいる。

大和証券・投資戦略部課長代理の熊澤伸悟氏は、為替の動向をさほど気にしないソブリン・ウェルス・ファンドや年金など長期投資家による日本株投資が、増え始めている表れと指摘。「日本株投資の動機が、円安期待からファンダメンタルズ評価に移行している」と話す。

<アベノミクス相場、第2幕入りも>

東証・大証が発表している投資主体別売買動向では、9月第1週から10月第4週の間に、海外投資家は現物を1兆2736億円買い越す一方、先物(日経平均先物、日経平均ミニ先物、TOPIX先物、TOPIXミニ先物の合計)では3268億円の売り越しだった。9月以降、先物を好む短期筋は売り優勢だが、現物を主体とする長期投資家の買いで吸収している構図だ。

日経平均ベースの予想PER(株価収益率)は15倍強と割安感はないものの、「資金のアロケーション上では、影響のないレベルだ。海外年金などが潤沢な資金をどこに振り向けるかというときに、日本株が選ばれることが多くなっている」(外資系証券エコノミスト)という。

ボラティリティの低下も長期投資家にとって好環境だ。ゴールドマン・サックス証券のデータによれば、日経平均の1カ月満期のインプライド・ボラティリティ(IV)が大きく低下する一方、2年満期のIVは小幅な低下にとどまり、足元では1カ月満期のIVが2年満期のIVを下回っている。

通常、IVは短期満期よりも長期満期のほうが大きく、期間構造は右肩上がりのケースが多い。9月上旬から短期満期のIVが相対的に急低下したことで、「IVの期間構造がダウンワード・スローピング(右肩下がり)からアップワード・スローピング(右肩上がり)へと変化し、アベノミクス相場は短期急騰の第1フェーズから、緩やかな長期上昇の第2フェーズに入った」とゴールドマン・サックス証券・エクイティデリバティブトレーディング部長、宇根尚秀氏は指摘する。

<依然高いアベノミクスへの評価>

同じ海外勢でも、ヘッジファンドと年金など長期投資家で投資行動が大きく異なるのは、アベノミクスに対しての評価が違うことも要因だ。足の速い短期筋が「岩盤規制」などを崩し切れない成長戦略への失望感を強めている。対照的に海外の長期投資家は、政権の安定感や、矢継ぎ早の政策対応などを高く評価しているという。

「アベノミクスのアジェンダ(政策課題)を順々にクリアするにつれて、日本株に対する見方がますます強くなっていく」──。10月中旬、ある外資系証券の日本株営業担当者が香港に出張訪問した際、世界最大級のグローバルファンドのアジア地域担当CIO(最高運用責任者)は、そう話したという。同担当者の出張は3日間だったが、訪問先は20社近くにのぼった。

安倍政権が誕生してから10カ月、国会開会中に限ってみれば、その半分にも満たない間に、安倍晋三首相は日銀による異次元緩和や環太平洋経済連携協定(TPP)への参加、消費増税の実施と文字通り矢継ぎ早に政策を繰り出したと、海外長期投資家は評価している。

政府が18日に打ち出した国家戦略特区での規制緩和概要に対しても、「いま一歩、踏み込み切れていない」(国内証券)との厳しい声もあるが、外資系証券などからは「国家公務員制度改革や特区推進本部の設置など今後、成長戦略を一層推し進めるうえでの土台作りは進んでいる」(BNPパリバ証券・日本株チーフストラテジスト、丸山俊氏)と好意的な受け止め方も出ている。

財政協議が混乱した米国や財政統合への道のりが険しい欧州が政治リスクを警戒させているのに対して、参院選の与党圧勝で、少なくとも3年間の安定政権を得た日本の政治は、相対的な評価ではあるが、海外の長期投資家を安心させているようだ。

<期待大きい日銀の追加緩和>

ヘッジファンドに比べ、年金など海外の長期投資家の買いはロングタームでの投資が期待できる特徴がある。

だが、今までのところ買い上げる規模は小さい。今年4─5月の外国人投資家は、週間ベースで1兆円規模の買い越しもあったが、最近は多くても2000億円程度。日経平均が1万5000円の大台をなかなか回復できないのは、ボリュームの低下が要因でもある。

「Buy my Abenomics」──。安倍晋三首相は9月25日、ニューヨーク証券取引所で世界経済回復のためとして、世界の投資家にこうアピールした。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による株式投資比率引き上げや14年1月からのNISA(少額投資非課税制度)開始など国内投資家への期待もあるが、やはりカギは日本株売買の過半を占める海外勢の動きにかかっている。

海外勢のもう1つの特徴は、日銀の金融緩和への評価や期待が大きいことだ。日銀はすでに国債市場で毎月発行額の7割にあたる量を買い取っており、追加緩和の余地は限られるとの見方もある。

しかし、量的緩和第3弾(QE3)縮小を探る米国やインフレに苦しむ新興国などに対して、金融緩和余地は大きいとみられている。何かあれば対応してくれるという「クロダプット」を信頼する海外投資家は増え始めている。

10月下旬に米国投資家を訪問した国内証券のストラテジストは「彼らは政府・日銀の次の一手に対し、固唾(かたず)を飲んで見守っている」と指摘。ヘッジファンドを含めた海外投資家が、次に本格的に動き出すのは日銀による追加緩和観測が高まる年明け以降になるかもしれない、と話している。

(杉山 容俊;編集 田巻 一彦)
マーケット最大のリスクはオバマの存在だ!10/29当ブログ記事

注目の米バージニア州知事選挙は予想通異なり大差ではなく接戦で民主党が勝利した。マコーリフ氏はクリントン元国務長官の側近である。

[5日 ロイター] - 米NBCとCBSは、5日投開票のバージニア州知事選で、民主党のテリー・マコーリフ氏が共和党のケン・クッチネリ氏を接戦の末下したと報じた。

州選挙本部の統計によると、投票区91%の開票時点でマコーリフ氏の得票率は47%、クッチネリ氏は46%。クッチネリ氏は草の根保守運動「ティーパーティー(茶会)」との結びつきが強い。

米ニュージャージー州知事選、共和党現職が圧勝 大統領選に弾み 
そして
6日の米国株式市場はダウとS&P総合500種が反発した。ダウはマイクロソフト 主導で上昇し、過去最高値で引けた。予想を大きく上回る9月のドイツ鉱工業受注指数も支援材料になった。
ダウ工業株30種 は128.66ドル(0.82%)高の1万5746.88ドル。
米国経済はオバマとティーパーティのチキンレースのおかげで大混乱を起こした。10/22日に発表された9月の米雇用統計は、政府一部閉鎖前にもかかわらず雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回るなど、悪い指標が出た。米国では財政を巡るオバマとティーパーティのおかげで、2013年第4四半期(10-12月)の米実質国内総生産(GDP)の伸び率は0.25ポイント押し下げ、景気指標はさらに悪化する恐れがあると投機的なヘッジファンド勢は煽りたてている。

 ただ、最近発表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、米経済は個人消費が総じて堅調であり、量的緩和と株高による資産効果でマイナス要因を吸収した格好で緩やかな拡大が続いているという内容になっている。米個人消費支出はクリスマス商戦のウエートが大きいとされるが、今年の冬は好調を予想されているが、消費者や企業の心理が上向くとは思えない。11月に発表される米実質GDPについても米指標は成長見通しを下方修正している。

先週末の選挙の結果がティーパーティが惨敗したのはNY市長選挙くらいで予想以上に共和党が頑張った。この結果・・・、来年早々の債務の上限問題、今年の3月に続き、2014年1月に発動される見通しの強制削減の第2弾で、また米議会が紛糾するかと思うと気が重くなる。

米予算の削減幅は3月からの7ヵ月で850億ドルに達する大きな額となる。 12月に向けた米超党派協議でも強制削減の扱いが最大の焦点となる。

 とは言うものの、米経済は現状の低調な動きをこのままずっとひきずってしまうかというと、そうではない。確かに年前半の米国経済は新興国を中心とする外需がさえない状況の中で内需が消費を中心に堅調となって景気回復をカバーし、年後半に入ってからは内需と関連の深い雇用や消費に息切れ感が出始めると今度は製造業の輸出が盛り返してきた。

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一方日本では、来年からは株の売却益や配当にかかる税率が上がるため、今年は来年にかけて利益確定売りが膨らむのではないかとの見方も強い。ただし、これは日本だけの問題であり、米国では税率が上がらないので関係なく、米国株は景気拡大が続けば米株は大幅に上昇する。それに米国の緩和縮小が長期化すれば米国の株価は間違いなく上昇する。
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まだまだ書きたいのですが、眠いので今日は一旦ここまで。

執筆中


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アナトール・カレツキー

毎年冬にスイスアルプスで開かれる世界経済フォーラム年次総会議(ダボス会議)で、出席者は上から世界を見下ろす。標高が高いという地形的理由だけでなく、象徴的な意味でもそうだ。

米国の政治科学者サミュエル・ハンティントン氏が「ダボス・マン」と名付けた世界のジェットセッターらを特徴付けるのは、高所得、高い地位、高尚な修辞なのだから。しかし私は今週、まったく異なる見地からダボス・マンの「亜種」を発見した。世界経済フォーラムが毎年中国で開くようになった「夏季ダボス会議」の出席者らは、上から見下ろすのではなく、東から横目で世界を見ている。この視点の変化は、私のように頻繁にアジアを訪れる者にとってさえ画期的だ。私のような人々も、東のエリート層の希望と懸念にこれほどどっぷりつかる経験は珍しい。

大連で今週開かれているダボス会議で最も驚いたのは、数カ月先についても非常に長期的な視点でも、経済見通しをめぐる意見が東西でかけ離れていることだ。西側エコノミストは概して、発展途上国全般、中でも中国は、早ければ来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米金融緩和の縮小が始まろうという情勢下、深刻な金融危機を恐れているはずだと信じている。新興国は米連邦準備理事会(FRB)の供給する安価な資金を利用して過剰な投資と借り入れを行ってきたが、今度は欧米が5年前に経験したのと同様の厳しいデレバレッジ(資産圧縮)に直面する、というのが一致した見方だ。デレバレッジは翻って、新興国経済の栄光の日々の終わりを意味し、おそらく中国を含む大半の新興国は、多くの発展途上国のさらなる発展を阻んできた「中所得国の罠」を決して抜け出せないかもしれない。この罠は、1人当たり所得が1万ドル程度を超えると成長の足かせとなりはじめ、西側の生産性に追いつくための明白な機会の多くが使い果たされる。国際通貨基金(IMF)によると、中国の1人当たり所得は9160ドルだ。

私は今週中国を訪れるに当たり、発展途上国経済に対する最近の風向きの変化と、その結果として大半の新興国が今年経験した債券、株式、通貨の急落について議論が集中すると予想していた。そして実際、大連においても、それに先立ち深センで清華大学とインステテュート・フォー・ニュー・エコノミック・シンキングが主催したセミナーでも、西側の出席者の発表は、破滅的な債務増大と危険なまでに持続不可能な投資バブルへの警告一色だった。

しかし驚いたことに、深センの中国人エコノミストらは西側の警告などどこ吹く風といった風情で、環境、統治、国民の健康といった問題や、金融市場設計の詳細についての議論に専念したがっていた。大連でも金融面での警鐘は奇妙なほど聞こえず、他の発展途上国のスピーカーは、債務管理よりも人口、教育、統治、汚職、銀行規制、競争、エネルギー、都市計画といった構造問題の方が優先課題だという点で、中国の出席者に同調した。

トルコといえば、バーナンキFRB議長が緩和縮小を示唆してから厳しい金融波乱の犠牲になったとの見方が一般的だが、同国のババジャン副首相はあるセッションで、国内総生産(GDP)の約1.5%相当の「小幅な」資金流出を経験しただけだと指摘した。「これは(トルコの通貨と株式市場の)調整にすぎず、一方でわが国経済は4.4%成長を享受し続け、所得分配の改善も伴っている」。ロシアのドボルコビッチ副首相も同様に、先週の20カ国・地域(G20)首脳会合で世界金融市場の見通しやFRBの政策について強い懸念を表明した出席者はいなかったと指摘した。

こうしたコメントを、自国に都合の良い欺瞞だ、慢心だと一蹴したい誘惑に駆られる。インドやトルコなど一部の新興国が多額の貿易・財政赤字を抱え、西側からの資金調達に強く頼っていることを踏まえれば、なおさらだ。しかしながら中国にはそうした弱点はない。従って中国は米金融政策の転換や、新興国市場へのウォール街の心理の変化に対し、堂々と無関心を決め込んでいられるのだ。李克強首相はそのことを明確に示した。

李首相は、アジアのメディアが「リコノミクス」と呼ぶようになった経済改革計画をお披露目する演説において、西側アナリストが注目する中国の過剰投資と債務急増という2大不均衡にほとんど触れずじまいだった。その代わり、金融、財政、与信政策は概ね今後も安定を維持し、「中国経済を(2桁近くの)急成長から7.5%前後の中程度から高スピードの成長へと減速させる」政策を続けると約束した。首相は「緩和も引き締めもせず、穏やかかつ大胆に難局に対応してきた」金融政策によって、これは達成可能だと主張した。

リコノミクスの要は、与信管理や過剰投資の抑制よりも、政府改革と新たな需要源の創出にあるようだ。李首相は政府改革について、ファイナンス、エネルギー、交通、インフラ、公的部門の資材調達といった分野で、段階的に市場原理と民間ビジネスの役割を拡大するものだと説明。需要の再構成が目指すのは、消費支出の拡大やサービス産業の支援に加え、環境保護、低所得者向け住宅、都市インフラ、開発の遅れた内陸部への投資促進だと述べた。

中国版サブプライム危機を引き起こすと多くの西側エコノミストが予想する債務の増大について、李首相は軽く一蹴。「懸念の種になった地方政府の債務問題に関して、われわれは秩序立った方法で対処、監督するための辛抱強い措置を実行している」と語った。

避けられたはずの5年前の金融危機の影響に未だに苦しむ西側から見れば、この発言は傲慢あるいは妄想と映るかもしれない。しかし3.5兆ドルの外貨準備と世界最大の貿易黒字を抱え、主要金融機関すべてを直接管理して過去30年にわたり金融市場の奴隷ではなく主人として成功を収めてきた政府の立場からすれば、これは至極現実的に響く。そして西側アナリストの間で突如沸き起こった懐疑的見方をよそに、中国が経済をさらに大きな繁栄へと導くことができるなら、同じことは他の多くの新興国にも当てはまるだろう。これらの新興国は、支援と指針を西側ではなく中国に求める傾向を強めている。いずれにせよ、これがダボスならぬ大連から見た景色なのだ。

[11日 ロイター]
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東京株式市場は三角持合いを上放れてきた。
汚染水漏洩と、中国・韓国の妨害で招致が危ぶまれた、東京オリンピックが安倍首相のプレゼンと「お・も・て・な・し」で決まり、東京マーケットは活況だ。
2020年にTOKYOオリンピックを開催が決まらなかった時のリスクばかり気になっていたが、オリンピック効果は想像以上に大きい。これ以上の成長戦略はない大きな経済的効果と思う。日本はこれから5~7年は予想外の経済発展をする可能性が強くなってきた。※東京オリンピック相場は開催2年前昭和36年8月1829.74でピークアウト。山一の日銀特融もあり昭和40年8月1020.49でボトムアウトするまで調整した。
日本は経済の発展を喜ぶだけでなく、中国や韓国などの民度の低い国と違うということを世界に知らしめる品格を高めていく大きな機会にしなければならない。特に特亜諸国の国際社会に対する礼節/節操の無さにはただただ呆れかえっている。
 日米英独仏伊加のG7に新興国を加えたG20首脳会議が6日に閉幕した。5年前の金融危機克服のために始まったこの会議は一応は米国の量的金融緩和縮小などが世界経済に与える影響を注視し、当面は成長重視の政策運営を続ける方針を確認し短期間で経済討議を終えた。
 G20はロシア、新興国側とG7側とシリア問題の政治的対立の場となってしまった。ロシアはG20で新興5力国を味方につけて、シリアヘの軍事介入と、米量的緩和縮小に対して反対する声明を発表した。もともと G20は2008年のリーマンショック危機対応策を討議するために設立されたのであるが、シリアという政治問題に足を踏み入れ、本来のG20の主旨が変質してきた。ミニ国連安保理といったところだろうか?
 化学兵器の使用を確信して軍事攻撃をしようとする米国や仏と反対する議長国ロシアと中国との溝は過去5年間のG20会議の中で最も深い。ロシアがシリアの化学兵器を国際機関の監視下に置く提案をして、アサドが受諾したことにより。米国は振り上げた拳が空を切りそうだ。マーケットにとっては歓迎だが、オバマとケリーの権威は失墜した。
米国のQE3縮小の観測で投資マネーが逆流し、多額の対外赤字などの構造問題をかかえたインドやブラジル、中国といった新興国経済と米国はじめG7各国景況感は逆転した。
5月22日のFRB議長の量的緩和縮小を比較的ゆっくりと織り込んで高値を更新してきたが9月の量的緩和縮小の行方が分からなくなってきた。
シリア問題で一気に指導力の無さを露呈した2期目のオバマ大統領の世界的な影響力の減少はマーケットにとって波乱要因となりつつある。
オバマはロシアや下院の反対を押し切ってでもシリア攻撃をすすめたいところであるが、攻撃をすれば結果としてアルカイダを助けることになり、世界的世論もノーベル平和賞を貰ったオバマがやるべきではないとオバマは窮地に立たされた。オバマ大統領が振り上げた拳をどのようにして下げるのかが注目される。
シリア攻撃が中止がロシアや中国など新興国の反対によることが大きいとなれば、オバマは報復の為9月17-18日のFOMCで緩和縮小を決断する可能性もある。
リーマンショック以後改善する米景気指標や米長期金利上昇による日米金利差を踏まえると基調としてのドル高・円安は変わりそうにない。シリア攻撃が回避されたら米国の軍事費の削減につながり、財政の悪化を防ぐとの見方が強まり米国の緩和縮小が進んで金利高になる。さらに軍事費削減効果などから米景気は拡大し自然体としてドル高・株高となる。足もとでは米国株が堅調だ。 米国長期金利の上昇に伴って、金利敏感セクターから景気敏感セクターの株式物色のシフトが続いている。NYダウの高値形成までは5~7ヵ月の日柄であったことから11月頃一旦ピークアウトするパターンが考えられる。
東京株式市場は建設株・証券株の動きが良いこのラリーは当面月末まで継続すると期待している。過去の五輪招致に成功した事例を見ると、当該国の株価はまず1~3ヵ月程度の上昇が多い。長野冬季五輪の招致成功時 (1991年)では、建設株に1ヵ月間のラリーが見られた。今回は10月初めに消費増税の最終判断が見込まれ、同じ時期には経済政策パッケージの全容が見えてこよう。それまでは市場の期待感が継続すると見でいる。
建設株相場に関しては、短期的な急騰とは別に、高度経済成長期の社会インフラが老朽化問題による上昇要因があるので、長野オリンピック招致時や阪神淡路震災直後の建設株相場のように短期で終わるってしまうことはないかもしれない。その建設時期は1972年の札幌冬季五輪や石油危機の前までが佳境だった。 老朽化したインフラの今後の更新は、本来ならばなるべく平準化して対応したいのだろうが、オリンピック招致成功によって、加速度的に更新することになるだろう。それ、に応じて建設株が長期上昇する可能性もある。
とりあえずメイン会場を建設するであろう大成建設など総合建設株も上昇し、大相場となる可能性もある。 道路株の相対株価に、過去の21年の上昇波動を当てはめると2021年ごろまで、または東京五輪開催に伴い前回は開催2年前にピークアウトしたことを考えても2018年頃までの長期上昇が期待できると言えるのではないだろうか。
私の懸念は中国経済の崩壊だが、最近は中国崩壊が過剰に報道され、過剰反応かもしれない。中国崩壊はまだ先かもしれない。
目先は下記騰落レシオグラフを注意されておいた方がいいでしょう。
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少なくとも120超までは上昇しそうです。


なお投資に関しては自己責任でお願いします。
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星 裕康

2013年4─6月期国内総生産(GDP)1次速報は、前期比プラス0.6%、年率換算でプラス2.6%と事前の市場予測(ロイター予測:前期比プラス0.9%、年率プラス3.6%)を下回った。

これまで安倍晋三首相が掲げる経済政策「アベノミクス」に対する市場の期待が高かっただけに、1次速報のつまずきは、今後の消費税率引き上げ論議に微妙な影響を与えかねない状況だ。市場には、早くも景気対策への思惑がくすぶり始めている。

甘利明経済再生担当相は、今回のGDPについて増税の判断材料の一つとしては、いい数字が出ていると評価。安倍晋三首相も「昨年の政権発足以来、順調に景気は上がってきている。今後も経済政策に万全を期していきたい」と述べ、経済政策に自信をのぞかせた。

首相ブレーンで消費増税慎重派の反応も素早かった。12日に行ったロイターとのインタビューで、浜田宏一・米エール大名誉教授は、消費税2段階引き上げをそれぞれ1年先送りが一つの案であるとの認識を示したほか、本田悦朗静岡県立大学教授もGDPで増税の環境が整ったとは言えないと語った。

消費税率引き上げの最終判断は9月下旬から10月上旬に下されるとみられるが、消費増税論議の揺らぎは、市場が嫌う財政再建への不透明さを誘うことになりかねない。

一方、借金の膨張が止まらぬ国家財政の再建は、まさに待ったなしの状況だ。

国債と借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」は6月末に1008兆6281億円と、初めて1000兆円を突破。7月1日時点の人口推計で割ると、国民一人あたりの借金は約792万円に上る。

財政再建に向けた政府の本気度が試されている──。SMBC日興証券・金融経済調査部のエコノミストの宮前耕也氏が悪化する国家財政に警鐘を鳴らす。

国家予算の歳出と歳入のバランスをみると、1990年台以降、歳出の増加傾向に対して、税収は減少の傾向。こうした歳出・歳入のアンバランスは、開いた「ワニの口」に例えられている。政府・与党が長年、景気が悪ければ歳出増・減税、景気が良くても緊縮財政を先送りしてきた非対称的な対応が歳入・歳出構造のアンバランスを生み、財政赤字を悪化させてきた。

アベノミクスの第3の矢「成長戦略」に対する市場の期待は強いが、財政再建には増税を含めた歳入増だけではなく、歳出削減は重要だ。閣議了解された中期財政計画では、2015年度の財政赤字半減目標を維持したが、具体性に欠いた内容にとどまった。年末に向けて本格化する14年度予算編成などで、財政再建に向けた政府の本気度を見極めていくことになるが、消費増税だけで財政再建は終わりではないことをあらためて確認しておきたい。

(東京 13日 ロイター)
鶏が先か卵が先か・・・株式が先か為替が先か・・・
アベノミックス相場ほど為替と株価の相関関係がはっきりしている相場はない。
夏枯れの東京マーケットで欧米のヘッジファンドは円高株安でちょっとひと暴れした。お盆と猛暑でマーケット参加者が薄い中、米国の金融緩和が延長される思惑から日米金利差が広がらず円高になる観測から円高株安が進んだ。
マーケットでは9月にも量的緩和の縮小に踏み切るとの見通しをたてており、すでに相場には織り込まれたと米国内のアナリスト達の一致した見方である。
米国は2014年に実体景気の拡大が進み、2015年初めまでにはゼロ金利政策から金利上げの時代に突入するとみている。
いづれ日米金利差は広がる広がれば円安ドル高となり株高となると思う。

[東京 14日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸。前日の大幅高の反動で一時マイナス圏に沈む場面もあったが、ドル/円の上昇と連動する形で上げ幅を拡大、きょうの高値で取引を終えた。

もっとも、参加者の多くが夏季休暇中で商いが限られるなか、大きく見ればボックス圏内の動きと冷静に受け止める声が目立つ。

<ボックス圏内との見方変わらず>

日経平均株価は前日比183円高の1万4050円の高値引けとなった。前日大幅高となった反動や心理的節目の1万4000円に接近したことで利益確定売りが出て一時前日比119円安まで下落したが、終盤にかけてドル/円が円安方向に振れると持ち直し、8月8日以来4営業日ぶりに1万4000円台を回復した。終値ベースで1万4000円台となったのは8月6日以来。

もっとも参加者の多くが夏季休暇中で商いが限られるだけに、本格反転したとの見方はまだ少数派だ。市場では「為替連動で上げ下げしているだけで、トレンドが出ているわけではない。株も為替も三角もち合いのレンジ内の動きだ」(国内証券)と冷静に受け止める声が複数聞かれた。

そのドル/円をめぐっては、前日の法人税引き下げ報道をきっかけに、下に向きかけていた海外勢の目線は再び上に向かっている。

大手邦銀関係者によると「海外勢は5月までのお祭り騒ぎは終わってすでにトップはつけたと判断、調整が入るとみてドルを売っていた」ものの、法人税の引き下げ報道が出てきたため、「買い戻しを余儀なくされた」という。

この関係者は「海外勢は(5月高値の)103円がトップという見方に傾いていたが、また3桁があるかもしれないという見方に変わってきている」と話していた。

ドル/円は前日の海外市場の高値を上回り、98.43円まで上昇、1週間ぶり高値をつけた。

(略)

東証1部騰落数は、値上がり1363銘柄に対し、値下がりが296銘柄、変わらずが93銘柄だった。
朝方円安の株高で始まり、為替が若干円高ぎみに振れだすと一気に株安、フランスのGDPが予想以上の伸びたというニュースが伝えられると、円安株高で14000円台に乗せて終わった。
米国は夏枯れのシーズンではあるが、ダウ平均は日本株が売られている中で、最高値圏の中にある。 米国の4-6月期決算は10%内の小幅な上昇にとどまったものの、世界各地から米国株へとシフトする大転換の流れは現状も続いている。7月には米国の株式投信への流入は過去最高となった。また、新興国からは安心して投資できる投資先としてG7米国、日本、英仏独伊にマネーは向かっている。
米国は不死鳥の様な復活を遂げ、日本や欧州が流動性を現状供給している間に、米国のFRBはバーナンキFRB議長の「なんでもあり」の金融緩和政策(ヶインズ経済学では考えられないような)によってバランスシート圧縮という最大の難題をやり遂げてしまった。その難題を果たすために欧州ではユーロ諸国は南欧諸国を中心に財務危機を発生させて米国のドル安を誘導させ、さらには比較的経済が安定し、外貨準備高が多かった日本の円を超円高にさせ、一方、超ドル安を実現させて、日本と欧州の同盟国の力を借りて、昨年後半遂にバランスシートの圧縮という難題をやり遂げたのである。日本と欧州の協力がなければ米国はとても実現できず破綻国家になっていたはずである。
ここ2.3日欧州経済の復調のニュースが伝えられる。
8月14日(ブルームバーグ):ユーロ圏経済は2013年4-6月(第2四半期)に前期比で拡大し、過去最長のリセッション(景気後退)から脱却した。債務危機の発生以後初めて持続した金融市場の安定が追い風で、ドイツとフランスがけん引役となった。
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が14日発表した4-6月の域内総生産(GDP )速報値は前期比0.3%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト41人の予想中央値は0.2%増だった。前年同期比では0.7%減少。1-3月(第1四半期)GDPは前期比0.3%減(改定前=0.2%減)だった。
ドイツとフランスの拡大ペースはともに予想を上回った。ただしユーロ圏では全体的な見通しが改善した一方、リセッションの影響で失業率は過去最悪。南欧の一部諸国で低迷が続くほか、スペインとギリシャでは若年層の半分余りが失業している。
BNPパリバのエコノミスト、リカルド・サントス氏(ロンドン在勤)は「予想を上回った統計はユーロ圏の基調的な改善を示した。力強い輸出がスペインとイタリア経済の縮小を緩め、特にフランスを中心に中核国の成長を促した」と説明。「労働市場の改善を見極める必要はあるが、リセッションの最悪期が恐らく過ぎたことを示すものだろう」と続けた。
この日発表された4-6月GDP統計によると、ドイツは前期比0.7%増と、エコノミスト予想の0.6%を上回る拡大となった。2期連続で縮小していたフランスのGDPは0.5%増加。ユーロ圏全体を見渡せば、イタリアやスペインなど少なくとも4カ国が引き続きリセッション下にある。
ユーロスタットは来月、4-6月GDP改定値を発表する。
欧米株式市場はの中間期末明けでサマーラリーは始まっているが、日本だけは株式市場が薄商いの中相変わらず為替に一喜一憂している。
9月7日の五輪招致が成功すれば建設株や五輪関連株、特に観光業が様変わりになると思います。
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消費税引き上げの最終閣議決定でアベノミクス期待一巡する可能性がある。    QE縮小宣言で米国の景気は加速し10月頃まで米株高になるかもしれません。
 グレート・ローテーションで日本株は国際優良株中心に動くとは思いますが賞味期限は約半年です。
グレートローテーションは、「大転換」とも呼ばれ、世界のマネーが安全資産からリスク資産へと「歴史的な資金移動が起こる」という期待が込められている。リーマンショックでバランシート調整を余儀なくされる中、マーケットにおいて、成長期待の低下と不確実性の高まりから投資家が株式等のリスク資産への投資を抑制する一方、相対的に安全資産とされる債券への投資比率を高める行動傾向を示す「ニューノーマル(日本化現象)」に対する言葉(概念)で、単に株高・債券安基調が続くというだけでなく、投資家の資産配分の方針が大きく転換する(リスクオフからリスクオン優勢へと流れが変わる)ことを意味しています。
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米国は不死鳥の様な復活を遂げ、日本や欧州が流動性を現状供給している間に、米国のFRBはバーナンキFRB議長の「なんでもあり」の金融緩和政策(ヶインズ経済学では考えられないような)によってバランスシート圧縮という最大の難題をやり遂げてしまった。その難題を果たすために欧州ではユーロ諸国は南欧諸国を中心に財務危機を発生させて米国のドル安を誘導させ、さらには比較的経済が安定し、外貨準備高が多かった日本の円を超円高にさせ、一方、超ドル安を実現させて、日本と欧州の同盟国の力を借りて、昨年後半遂にバランスシートの圧縮という難題をやり遂げたのである。日本と欧州の協力がなければ米国はとても実現できず破綻国家になっていたはずである。


米国の実体景気の回復雇用・住宅の回復から米FRBは早ければ9月にもQE3の縮小を決める初めての動きなので不安もあるが、落ち込みを懸念する動きは少ない。
 
 昔、先進国の間では米国がカゼをひけば他の先進国にもすぐそのカゼは蔓延すると言われていたが、米国は債券投資から株式投資への大転換が始まっており、マネーはリスクオンの状況下にあり、カゼが移る流れは発生しない健康体である。
 そして、さらに米国はシェール革命の本流の中にあり、ガス高コストをさけられる状況下にある。このことは米国にとってはこの上ない喜ぶべきことであり、22世紀の米国復活で変わるドル資産投資への大きな条件となる。シェール革命はエネルギー生産増によって米国の経済成長率を高める。 しかも石油の輸入減少を通じて経常赤字を減少させる効果は大きい。

またQE3の縮小開始が早まれば早まるだけ長期金利は上昇しようからいずれに
もこれはドル高要因となる。8月9日までの投機的ヘッジファンド勢によるQE3の縮小開始が早まれば「円高・ドル安、株安になる」などという考え方は実におかしな話である

 
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[東京 15日 ロイター] 米国が円安をけん制してきたことで、円高・株安が進んでいる。短期的な過熱感が強まっていたことから適度な調整と受け止められ市場に動揺は広がっていないが、欧州や新興国が批判に加われば「日本包囲網」が敷かれるとの警戒感もある。

ただ、米国を含め先進国は日銀緩和策を批判すれば自分たちの金融緩和策との整合性を問われるため、「杞憂」にすぎないとの声も出ている。

<米国の為替政策報告書>

米財務省は12日に公表した半期に一度の為替政策報告書で、日本の経済政策が競争上の優位性を得るための円相場の引き下げを目的としたものでなかったか注視するとの立場を示した。「われわれは日本に対し、G7、G20の一員としてこのコミットメントを順守し、競争的な通貨引き下げ、競争上の目的に基づく為替相場の目標設定を控えるよう促す」とし、日本の政策が内需の伸びの支援を意図としたものか、緊密に注視するとした。

100円手前で足踏みを続けていたドル/円は、3月小売売上高など米国の経済指標がさえなかったことに加え、円安けん制を嫌気し、日本時間15日未明に97.60円まで急落。押し目買いが入り一時、98円後半まで戻したが、中国の1―3月期GDP(国内総生産)の伸びが予想を下回ると再び円買いが強まった。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事など、日銀の緩和策に対して支援の声もあるが、市場では18日からの主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で欧州や新興国に日本批判が広がるのではないかとの懸念が強まっている。「『外圧』が規制緩和や構造改革につながればいいが、内需振興策が不十分と評価されれば最悪、日銀緩和策の見直しにもつながりかねない」(外資系証券)という。

ただ、先進国の間ではそれほど日本批判は強まらないとの見方もある。新興国は先進国の金融緩和で通貨高とインフレに苦しんでおり、日本への批判を強めそうだが、自分たちも「超」が付くほどの金融緩和を行っている米国や欧州は日銀の金融緩和策を面と向かって批判はしにくい。

三菱UFJ信託銀行・資金為替部グループマネージャーの塚田常雅氏は「日本の金融緩和策に制約・制限を求めるようなことをすれば、自国の金融緩和策との整合性が問われることになる。米国の為替政策報告書も従来のスタンスと大きな違いはない」と話す。米国は連邦準備理事会(FRB)の金融緩和が「出口」に向かう際の「ショック・アブソーバー」としての役割を日銀の緩和策に期待するはずであるため、強い批判はしないだろうとも指摘している。

<円安の担い手は>

米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の取組(4月9日までの週)によると、投機筋の円ショートポジションは差し引き7万7697枚と474枚減少した。4月4日の日銀緩和策発表で、ドル/円は93円台から4月9日の98円後半まで5円以上円安が進んだが、IMMでは投機筋の円売りポジションはわずかだかむしろ減少したことを示した。実需筋を示す「Commercial」もほとんどポジションに変化はなかった。

市場では「いわゆるミセス・ワタナベが円売りをしたのではないか」(別の外資系証券)との見方もあるが、FXプライム取締役の上田眞理人氏はやはり海外投機筋が円売りの担い手に変わりはないとみている。「シカゴマーカンタイル取引所(CME)のIMM通貨先物は市場全体ではわずかな比率しかない。そこを通さないファンド勢の取引は膨大にある。前週序盤は日本の生保の外債投資が話題になったが、実際の円売りフローは観測されていない。そうしたうわさに機敏に動けるのはやはり投機筋ということになろう。個人の円売りはそれほど増えていない」(上田氏)という。

円安トレンドが変わらないとすれば日本株も底堅い展開が続く見通しだ。日経平均は大幅続落となったが、押し目買いに下げ幅を縮める場面もあった。アストマックス投信投資顧問シニアファンドマネージャーの山田拓也氏は「これだけ過熱感があるなかで下げ渋るのは、やはり日本株を買いたい投資家が依然として存在するということだろう。国内企業業績への市場の期待値は高くないが、それだけにポジティブ・サプライズの余地もある」と話している。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 田中志保)
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4月18日からG20地域財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。
1ドル100円を目前にしてG20でふたたび日本に対して通貨安戦争を仕掛けているとの議論が起こらないよう、円高に振れている。今週中は1ドル=97-100円以内でもみ合うが、G20閉会後100円を突破するのではないだろうか?円安トレンドには変化がないと思う。 G20会議で黒田日銀総裁は金融緩和政策の結果として生じる円安との態度を貫くので、米国が理解している間は日本が名指しで批判される事態はないと思う。1ドル=100円にトライするのはGW以降と考えられます。
 銀の黒田総裁が「必要なことは全てやった」と言い切った。今までの日銀は小出しの緩和で政策を発表して、次の緩和を求められる悪循環であった。ところが黒田総裁は、今回はもう手の内はありませんよと平然と言った。
年内に相当の円安が進むのではないかとの期待をもたせる発表に多くの外国人投資家は今回の異次元の緩和に外国人投資家は円安株高トレンドを確信しているようだ。1ドル=105円台、年内さらに円安は進む可能性もある。
スイスのUBS銀行は「この先10年」と題するレポートを発表した。 「この先10年」という中で10年間では米国の信用危機は発生しない、米国経済の底力と構造変化への楽観的な見方の内容となっている。米国のドル高時代は後10年は続き、ドルの基軸通貨としてのドル高時代が続くとのことだ。 ただし、最近の信用危機は1987年ブラックマンデー1997年アジア危機~ロシア危機でヘッジファンドLTCM破綻、2008年リーマンショックで10年周期で大なり少なり繰り返えされている。2018~2019年頃が少し不安である。
投資銀行ゴールドマン・サックスのエコノミストであるジム・オニールの2003年10月1日の投資家向けレポート「Dreaming with BRICs: The Path to 2050」が発表され米国の覇権が終焉しドルと米国の凋落が始まった。BRICs諸国は中国を筆頭に大躍進が始まった。2008年のリーマン・ショックで米国の信用危機へと突入した。ところが一段のドル安は米国経済を復活させ、2003年から10年後の2013年に米国の実体経済は復活してきた。一方、大躍進を続けていた中国はじめBRICsは2012年頃から賞味期限が切れだした。
最新のゴールドマン・サックスの投資戦略チームが作ったリポートでは、世界経済が年3-4%台の成長を続ければ、2015年までに日本と米国、欧州アジアの4地域の企業収益は金融危機前のピークを超え、米国の株価は2015年までに米国株は2割、日本株は4割の上昇に達するとの内容だ。米ダウ平均と日経平均株価は共に1万9000ドル、1万9000円になるとの内容である。 2015年日本はアベノミックスにより2%の物価上昇年の目標の達成されるかどうかの年であり、米国は米ゼロ金利政策の出口戦略の結論のでる年でもある。
米国のFRBと日本の日銀がとっている異次元の緩和政策は様々な分野にかつてないほどの変化をもたらし影響を与え始めている。日本の生損保各社が外国債券投資にシフトして1ドル=100円に迫った円安をさらに後押しするとの観測が広がってきた。 20年債など超長期国債の利回りが急低下し、日本国債中心の運用では契約者に約束した予定利率を下回る逆ザヤが拡大する懸念があるためだ。 300兆円(約3兆ドル)を超える総資産を持つ国内生保は株価低迷や超低金利が続く厳しい運用環境のもと、資産の4割以上を国債に依存する運用を続けてきた。 20年、30年債の超長期国債を保有すれば他の資産よりは安定した利回りを確保できたが、異次元緩和以後はそれまで1.4%(20年債)程度から一時1%に急低下してしまった。さらに、10年物などの国債は一時史上最低の0.315%に低下してしまった。
4月4日の異次元緩和で日銀は国債の買い入れ額を従来の2倍の月7兆5000億円に引き上げるが、中でも10年を超える国債は従来の8倍の月8000億円に増やすことを決定した。これは生保などが日本の国債から他の外債などの資産に資金をふり向ける効果をねらったものである。これこそが日銀がねらっている異次元の緩和(日本国債から外債を買わせる政策)である。外為市場では、異次元緩和で日本の生保が外債投資を膨らませているが最近の円安の大きな要因との憶測が飛び交い始めている。しかし、生保業界ではこうした行動は日本の生保は今のところとっていない。
円売りの主役は今のところヘッジファンドが投機的な円安説を流している可能性もある。昨年日本の財政破綻を材料に日本国債を大量に売り越したヘッジファンドはどうなっているだろうか?破綻したのは日本国ではなく売りを仕掛けたヘッジファンドであろう。マーケットでは真偽のほどはわからない情報が飛び交っている。
現状、生保やヘッジファンド勢の思惑的行動もあり、こうした日銀の強力な国債買いは日本の債権市場の中で初めてのことなので、長期金利の変動幅が大きくなってはいるものの、一時的な現象にとどまると思う。
ヘッジファンド勢と生保勢のかけひきがあり、毎月大量の国債を日銀が買うという新たな局面で、月大量の日本国債が市場から日銀の金庫の中に押し込められて自由に動けない状態が形成されている。生保もヘッジファンドも国債を買い戻し結果金利の低下が進展する可能性もある。日本の生保が実際に外債投資に向かえば数兆円のマネーが移動し円安は続く可能性はある。
いずれにせよ、1ドル=100円で円安修正が終わるのではなく、G20直前の円高修正は一時的な現象であると思う。

 
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[ロサンゼルス 4日 ロイター] 著名な債券ファンドマネジャーとして知られるジェフリー・ガンドラック氏は、日本が景気を刺激する中で積極的に円安誘導を進めているとして、「円ショート・日本株ロング」戦略を維持していると明らかにした。

米ダブルライン・キャピタル(資産運用規模560億ドル)の最高経営責任者(CEO)を務めるガンドラック氏は「日本は円安を進めようとしており、人々も円安を望んでいる」と指摘。「日本はインフレを欲している」と述べた。

円は「もちろん」1ドル=100円に向かうとし、「200円に行くと思う」と指摘。日経平均.N225も1万3000円に向かっているとの認識を示した。

また、ガンドラック氏は欧州債務問題について、「欧州の当局者が本当に世界を守ろうとしているとの考えを支持することに興味はない」と指摘。スペイン債が入った商品を保有することはないと述べた。

米国債については、従来の弱気スタンスを変更し、過去4年のどの時期よりも「一段と長期の米国債を先月に」購入したと明らかにした。

利回りが2%を超えた後、先月から10年債の購入を開始したという。株式を含めたその他の資産よりも比較的値ごろ感があると指摘。株式は「買われすぎ」だと述べた。
いくらなんでも今から200円はちょっと・・・でも2015年末1ドル=130円は可能性があるかと思います。
拙ブログ10/22記事
10月30日、日銀が決定会合で緩和に転換すればドル・円相場は年末には90円台も。円安に弾みがつくことになろう。

10/15記事
日銀は今こそ発想の転換を目指す時である。10月末以降には待って久しい円安のシナリオが浮上してくる。また、そうならなければ日本の景気回復の道は途絶えてしまう。日銀の独立は保つべきとは思うが、もう過剰な円高に対して日銀は物価目標を設定したり、直接外債購入を行うなど、思い切った策をとるべきである。
民主党の前原経済財政相がパフォーマンスとはいえ10/5の日銀の政策決定会合に参加した。政府は日銀の中立性を犯せないとはいえ、日銀はここで大きく政策を転換して蛇口さえ開いてもらえば、円高は終了する可能性が高いのだ!

9/25記事
リスク選考時の相場
新興国←資源国← ユーロ← ドル  ← 円

危機発生リスク回避の相場
新興国⇒ ユーロ  ⇒ 資源国 ⇒ ドル  ⇒ 円

まもなく、リスク選好の円安(全面安)相場が始まると考えたい。 

自慢です!私の予想は当たったと思います・・・

今の相場はアベノミックスで相場が作られただけではない・・・・
リーマンショック後に超金融緩和によりあふれ出したマネーが金融相場となり、
2012年後半が景気業績のボトムとなり円安も重なり業績相場にもなっている。
いわば金融相場&業績相場であり、景気敏感株も金利敏感株も、日本株も外国株も、輸出株も内需株も・・・そのうえ債券まで買われる教科書には無い信じられない相場である。
株価は超急反騰している買いの主役は外国人。彼等は2月までに4兆円弱買ったが、米国の個人も日本株買いの参列に入った。買いの息は長い。外国人投資家は日本政府と日銀の本気度がかってない高いものと感じたようだ。年内・来年初め20兆円の買いもあるかもしれない。

もちろん、先日のイタリア選挙のような落とし穴は幾つかある。3月末の米国の財政の崖<参照:1/3記事【財政の崖回避へ】>、中国の全人代、3/8の米国雇用統計、

個人所得は20年間で最大の落ち込み2月の米消費支出増加は非常に不安である。


日本においてはTPP参加・ipsバイオ革命・国土強靭化が進行しているが、米国において根本的な革命が起きているそれはシェールガス/オイル革命である。

シェールガス/オイル革命は私が相場を見出して3回目の大革命である。1980年レーガン大統領によるレーガノミックス。これは製造業であった米国経済を金融業主体の経済構造に一変させ3000ドルだったNYダウが6000ドルへ持ち上げた。さらにウインドウズ95発売によるインターネット革命によって1999年3月、NYダウ一気に1万ドルを超えた、そしてシェールガス/オイル革命である。これは22世紀に向かって米国の覇権があと120年続く可能性を秘めた大革命である。

双子の赤字である貿易赤字と財政赤字を一気に解消するだけではない、米国が天然ガスを輸出すると輸出先を失ったロシアは日本の北方領土を返還するからガスを日本に買って欲しいと変化しだした。

中東に興味を失った米国は中東から撤退し、そこに中国が入り込む・・・







執筆中


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