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カテゴリ: 自然科学


Navy Labs To Reopen The Once Taboo Case On Nuclear Cold Fusion
Federal labs are reexamining the DOD’s research into cold fusion and low-energy nuclear reactions, potentially leading to revolutionary technologies.
【THE WAR ZONE】BRETT TINGLEY APRIL 9, 2021

海軍研究所、かつてタブーとされた常温核融合を再調査
連邦政府の研究所では、国防総省の低温核融合や低エネルギー核反応の研究が見直されており、革新的な技術につながる可能性があります。
BY BRETT TINGLEY APRIL 9, 2021
THE WAR ZONE

米海軍地上戦センター(インディアンヘッド)の研究者たちは、「常温核融合」説の核心である低エネルギー核反応(LENR)について、説明のつかない現象の解明に乗り出した。

米海軍、米陸軍、米国立標準技術研究所の管轄下にある5つの政府系研究所が実験を行い、ほとんど理解されていない、大きな議論を呼んでいるこのテーマの論争に、最後に決着をつけようとしています。

LENRにまつわる論争や汚名にもかかわらず、米軍全体の多くの専門家は、LENRの背後にある科学は確かなものであり、いつか実用的な技術が開発されれば、軍事作戦を100年以上も前に見たことがないほど大きく変えることができると信じています。

LENRとは、過去数十年間に科学者が観測した結果を説明しようとする理論であり、ある種の非融合核反応に起因するユニークなタイプの異常なエネルギー生成を示すものである。LENRや低温核融合への関心は、20世紀初頭に、既知の化学過程で生じる異常な熱効果に遭遇したことにさかのぼる。この現象は何十年もの間、原因不明のままだった。1989年、化学者のスタンリー・ポンスとマーティン・フライシュマンが、室温での「持続的な核融合反応」に成功したと発表したことが、この分野での最大の論争のひとつとなった。 
 
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SPAWAR/U.S. NAVY
Craters on the surface of a sample of palladium which may have resulted from low-energy nuclear reactions。

世界中の科学者がデータを検証し始めたが、言うまでもなく、すべての人がフライシュマンとポンスの結論に同意したわけではなかった。実際に低温核融合反応が起きていると考える人もいれば、何か誤解された化学反応が起きていると考える人もいたし、二人の化学者が全く新しい現象を観察したと考える人もいた。マサチューセッツ工科大学(MIT)のある科学者は、ボストン・ヘラルド紙で2人の不正を告発したほどだ。しかし、他の研究室ではこの結果を再現することができず、フライシュマンとポンスは結論を撤回してしまった。

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BOSTON HERALD/NEW ENERGY TIMES

それでも、十分な研究者たちは、少なくともLENRには何かがあると信じており、このテーマは真剣に再検討する価値があると考えている。2016年のサイエンティフィック・アメリカンのゲストブログ「It's Not Cold Fusion... But It's Something」では、「混乱の中に、多くの科学的な報告が隠されている。But It's Something "では、「混乱の中に、多くの科学報告が隠されており、そのうちのいくつかは立派な査読付き雑誌に掲載されており、LENRの「元素の変換を含む」多様な実験的証拠を示している」と主張している。同じ記事によると、LENRは "4,000~5,000Kの局所的な表面温度を生み出し、実験装置の表面に散在する少数の微細な部位の金属(パラジウム、ニッケル、タングステン)を沸騰させることができる "という研究結果もあるという。さらに最近の理論では、LENR反応は核融合とは全く関係がなく、代わりに弱い相互作用によって生成され、既知の物理学と完全に一致するとされている。

Naval Surface Warfare Center, Indian Head Divisionは、LENR現象の真相を解明するために、入手可能なデータを誠実に調査し、新たな実験を行っています。NSWCインディアンヘッドは、推進力や武器に関連する爆発物、推進剤、火工品、燃料、その他の反応性物質の開発と試験を行う研究分野であるエネルギー学を専門としています。 

NSWCインディアンヘッドのプロジェクトマネージャーであるオリバー・バーハムは、過去にLENRをめぐる論争があったにもかかわらず、同研究所では、ほとんど理解されていないこの反応の背後にある科学は、もう一度検討する価値があると考えているという。"バーラムはIEEE.orgのインタビューに答えて、次のように述べています。「科学的に優れていれば、論争の的になっているものを調べることにそれほど不安はありません。"私たちの取り組みの要点は、良い科学をしたいということです。何かを証明したり反証したりするのではなく、真剣に取り組みたいと思っている科学者のチームを集めることが目的です」。Barham氏によると、この研究所は、米国海軍兵学校、米国陸軍研究所(ARL)、国立標準技術研究所が収集した数十年分のデータを再検証する「誠実な仲介者」の役割を果たすという。

インディアン・ヘッド社のチーフ・サイエンティストであるカール・ゴッツマー氏によると、かつては「コールドフュージョン」について言及するだけでも「キャリアが終わる」と考えられていたが、インディアン・ヘッド社は政府が出資する研究所であるため、科学的な成果が得られる可能性があれば、このような物議を醸すようなテーマを追求する自由度は少し高いという。

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 NSWC INDIAN HEAD
Carl Gotzmer (left) and Oliver Barham

国防総省(DOD)は、以前からLENR研究に関心を持っていました。以前、海軍のLENR研究は、海軍航空兵器基地(NAWS)のチャイナレイクと宇宙・海軍戦システム司令部(SPAWAR)のシステムセンター・パシフィックで行われていた。LENRの専門家であり著者であるスティーブン・クリビットによると、SPAWARは "現場で最も興味深い実験と観察を行い、米国のどのLENRグループよりも多くのLENR論文を主流の雑誌に発表した "という。SPAWARのLENR研究は2011年に終了した。 

そのわずか2年前、米国防情報局(DIA)はLENR研究に関する報告書を発表し、世界中の利用可能な科学的データに基づいて、"以前は不可能と考えられていた条件下で核反応が起こっている可能性がある "と述べています。この報告書によると、イタリアと日本がこのテーマの国際的な研究をリードしており、米国ではこのテーマに関する汚名を着せられているため、LENRにまつわる情報のほとんどが国際会議で発表され、米国のデータは海外の科学者の手に渡っているという。 

DIAは2009年に最終的に、「LENR実験の核反応が本物で制御可能であれば、最初に商業化されたLENR電源を誰が作るかによって、将来のエネルギー生産と貯蔵に革命を起こすことができる」、「商業化されれば、この現象の潜在的な用途は無限である」と結論づけた。さらに、LENRは数十年の寿命を持つバッテリーにつながり、遠隔地や宇宙でのセンサーや軍事活動の電源に革命をもたらす可能性があるとし、「このような高エネルギー密度の電源の軍事的可能性は非常に大きく、"馬力からガソリンへの移行以来、米軍にとって戦場の最大の変革 "につながる可能性がある」と述べている。

新しい形態のエネルギー生産と貯蔵は、DODにとって重要な関心事です。遠隔地や紛争地域で軍事活動を行う場合、エネルギーや燃料の必要性は最も重要な物流上の課題の一つであり、サプライチェーンのインフラを確立することは大きな課題となります。DODは、モジュール式の太陽エネルギーユニットから、小型原子炉の開発、さらには宇宙の衛星から太陽エネルギーを戦場に送るなど、さまざまな新しいエネルギー生産の形態を検討している。また、国防総省の関連業者は近年、核融合技術の進歩を謳っており、米国の同業他社も同様である。このように、エネルギーは防衛研究開発の最も緊急性の高いテーマの一つとなっており、迫り来るエネルギー革命は、紛争地域や遠隔地で力を発揮できるかどうかという点で、世界のパワーバランスを崩す可能性があります。


1994 - (LENR) - SPAWAR San Diego Research Lab: Infrared Measurements

米海軍研究所の『Proceeding』誌2018年9月号に掲載された記事によると、LENR研究は、室温に近い超伝導体や、"ほぼ無期限の滞空時間 "を可能にし、"攻撃、防御、偵察、おとり、または陽動目的のための広範な地下群戦術を促進する "新たなエネルギー密度の高い電源など、幅広い新技術を切り開く可能性があるという。この他にも、LENRエネルギー源が開発されれば、革新的なアプリケーションになる可能性があることが記されている。

他にも選択肢はたくさんある。LENRは海中監視のための電力供給と運用の柔軟性を提供し、音響トモグラフィーの能力を向上させることができる。曳航式ソナーシステムは、電力に依存せず、より遠くまで移動して接触を図ることができる。燃料補給がほとんど必要なくなると、ロジスティクスと補給は劇的に変化する。

LENRによる自律的な電力供給は、パッシブ・アコースティック・センシングを補完するアクティブ・アコースティックの断続的な使用を検討する機会を提供します。また、信号諜報活動のための次世代リスニングポストや、海洋領域を監視するためのユビキタスなセンサーネットを構築する方法を提供することができる。

地球近傍の軌道では、オンボード電源、宇宙推進、軌道再配置能力の維持などの用途が考えられる。宇宙推進のための推力には反応質量が必要であるが、LENRベースのシステムでは、エネルギー源を推進剤質量から分離することにより、高い効率で推力を拡大することができる。

海軍システム司令部(NAVSEA)の職員である著者は、「LENR とその副産物を徹底的に評価して開発しないと、海軍にとって直接的な価値があるだけでなく、軍事的、戦略的、地政学的な意味を持つ破壊的な技術において、早期に足場を固めて先発者としての優位性を確立する機会を逃すことになる」と書いています。急進的な技術革新は、常に既存の開発努力の外にあるものです。そのような不慣れな技術は、強力で持続的、かつシステム的な反発を引き起こす可能性があります。海軍は、蒸気が帆に取って代わり、石炭が石油に、石油がディーゼル電気に取って代わり、木造船が鉄甲船に、戦艦が空母に、そして従来型の推進力が原子力に取って代わられた時など、何度もこの反発に遭遇してきました。

この表現は、2017年に当時の海軍作戦本部長ジョン・リチャードソン提督が記者団に語った「私の感覚では、私たちは海戦の観点から非常に実質的な何かの幕開けを迎えています」という言葉を不気味に反映しているように思えます。帆から蒸気への移行、木造から鉄甲船への移行、そして海軍力にとっての意味という点では、核推進の出現と同じくらい実質的なものだ」。リチャードソン氏はまだその発言を明らかにしていない。

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  DTRA/THE BLACK VOLT

研究工学担当国防次官補室(ASD R&E)は、2016年の時点で、国防長官が "最近の米国産業基盤のLENRの進歩の軍事的有用性 "に関するブリーフィングを下院軍事委員会に提出するよう勧告している。国防脅威削減局(DTRA)は、2006年にこのテーマを真剣に検討し、10年後に再び検討し、2016年には "LENRの分野が徐々に受け入れられつつあることを示す兆候がある "とし、"SPAWAR本部とSSC-Pacificの両方が、この現象は本物であり、核の性質を持っていると言っている "と書いている。その報告書は、"低エネルギー核反応が起こるメカニズムを解明するためには、さらなる研究が必要である "と結論づけている。DTRAの主な目的は、大量破壊兵器の拡散や誤用に対抗し抑止することですが、DTRAのホームページに記載されているミッションの大部分は、"将来の脅威ネットワークを予測し理解すること "と "革命的な基礎科学と戦場を変える技術を理解すること "です。海軍、DTRA、DIAがLENRをいかに革命的な技術であると説明しているかを考えれば、LENRのような革命的な技術がDTRAの管轄であることは明らかである。

NSWCインディアンヘッドは、年末までにLENR実験の初期結果とデータのレビューを発表する予定である。War Zoneでは、これらの動向をフォローし、より多くの情報が発表され次第、レポートを更新していきます。 

Contact the author: Brett@TheDrive.com



20世紀最大の科学スキャンダルといわれた「常温核融合」をアメリカ海軍が真剣に再検討している



室温環境下で核融合を起こす「常温核融合」は、これまで「実験に成功した」という報告がいくつか存在するものの、どれも再現性が低いことから科学的には否定されています。しかし、これまでに行われきた常温核融合の研究をアメリカ海軍が真剣に再考していると、アメリカの電気・情報工学研究団体の学会誌「IEEE Spectrum」が報じました。


Whether Cold Fusion or Low-Energy Nuclear Reactions, U.S. Navy Researchers Reopen Case - IEEE Spectrum


常温核融合の研究を行っているのは、インディアンヘッド・アメリカ海軍海上戦闘センター(NSWC IHD)の科学者による研究チームです。NSWC IHDの研究チームは陸軍やアメリカ国立科学技術研究所のグループと共に、「常温核融合が本当に存在するのか」を含めてこれまでの研究を検証しているとのこと。


核融合は、水素のような軽い原子を融合させ、より重い原子に変化させることです。例えば陽子1つ・中性子1つ・電子1つで構成される重水素原子と、陽子1つ・中性子2つ・電子1つで構成される三重水素原子をぶつけあって核融合反応を起こすと、陽子2つ・中性子2つ・電子2つのヘリウムが生まれ、同時に莫大なエネルギーが放出されます。


核融合は連鎖的に反応する核分裂と異なり、原理的に暴走しない仕組みになっているため、安全性が比較的高いことがアピールされています。しかし、核融合反応を連続的に起こすためには1億度を超える高温や高圧が求められるほか、非常に強力な超電導磁石や反応によって飛び出る高速中性子に耐えうる施設が必要になることから、記事作成時点でも実用化には至っていません。


そんな核融合反応が「室温環境下で簡単な設備を使って起こすことができた」と、サウサンプトン大学の化学者であるマーティン・フライシュマンとユタ大学の化学者であるスタンレー・ポンズが1989年に発表。両氏は「パラジウムとプラチナの電極を、重水の入った容器に入れて電流を流したところ、過剰な熱や中性子線が検出されたと主張しました。


高温・高圧環境が必要な核融合反応が室温環境下で確認できたという報告は世界中に大きな衝撃を与え、多くの科学者が追試を行いました。しかし、常温核融合の存在を有意に裏付けるほどの再現例は報告されず、さらにフライシュマンとポンズの実験が信頼性の低い方法で行われたことが明らかとなり、「両氏の報告が正しいとはいえない」と結論づけられました。そのため、フライシュマンとポンズの報告から始まる常温核融合は「20世紀最大の科学スキャンダル」と呼ばれることとなりました。


フライシュマンとポンズの報告が否定されたことで、常温核融合の存在はほとんどの科学者から懐疑的にみられていますが、それでも常温核融合の研究を続ける研究者は多く存在します。


例えば、Googleの研究チームがマサチューセッツ工科大学やブリティッシュコロンビア大学ローレンス・バークレー国立研究所の研究者と共同で「Revisiting the cold case of cold fusion(低温核融合という未解決問題を再考する)」というタイトルの論文を、2019年に学術誌のNatureで発表しました。


この論文の中で、Googleの研究チームは2015年から5年間にわたって1000万ドル(約11億円)を常温核融合の研究に費やしたことを明らかにしました。さらに研究の結果、フライシュマンとポンズの報告を裏付ける証拠は見つからなかったものの、「常温環境下でも、金属が局所的に高温になることで常温核融合が起こる可能性」を示唆しました。


NSWC IHDの主任研究員であるカール・ゴッツマー氏によれば、このGoogleの論文に後押しされる形で、常温核融合の研究がNSWC IHDで本格的に始まったとのこと。ゴッツマー氏は「率直に言って、常温核融合を長年研究してきた他の研究者からは、『常温核融合に手を出したらキャリアが終わる』と思われていました。しかし、NSWC IHDが政府の研究施設である以上、科学的な成果が期待できるのであれば、議論の的になっているテーマを追求する自由があると考えました」と述べました。


また、NSWC IHDのプロジェクトマネージャーであるオリバー・バーハム氏は「私たちの取組みの軸は『良い科学を行いたい』ということです。何かを証明したり反証したりではなく、テーマを真剣に考えてくれる科学者のチームを集めたいのです」と語りました。


研究チームは過去30年以上にわたって積み重ねられてきた常温核融合についての文献やデータを精査・分析し、実験に最適な金属や実験装置の共通点を探っていくとしています。なお、2021年内に最初の研究結果を発表したいと考えていると研究チームは述べています。


ゴッツマー氏は「最も重要なのは、個々の現象のメカニズムを明らかにすることです。メカニズムが判明すれば、より精度の高い実験が可能になり、再現性の高い実験が可能となります」と述べました。また、バーハム氏は「私たちが集めた頭脳集団からいい分析結果が得られることを楽しみにしています」とコメントしました。



再び常温核融合に関する話題が密かに熱を帯びている。日本がバブル景気の真最中にでた常温核融合のニュースに私は狂喜した。あれから三〇有余年一時は似非科学、詐欺まがいの言い方をされた常温核融合であったが、一部の現象を信じる熱心な科学者たちが存在し否定されても地道に研究を続けているニュース読むたびに
、私は信じていた、必ず再現されると・・・・

皮肉にも2011年の原発事故の放射能処理に常温核融合の技術が使われと知り、常温核融合は可能性があると知った時は嬉しかった。


2015年09月20日

日本で常温核融合の研究は、NTT基礎研究所が1990年代前半に常温核融合現象の追試に成功のニュースが流れ、1994〜1998年に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトが組まれ、再現実験に取り組んだが、過剰熱の発生を実証できなかった。

2001年には三菱重工業がパラジウムなどの多層膜に重水素ガスを透過させて「核変換」に成功、2005年には大阪大学がパラジウムのナノ粒子に水素ガスを注入して過剰熱を常温核融合現象を確認した。



2016年10月10日



2016年02月20日

2015〜2017年にはNEDOのプロジェクトが再び実施され、120グラムのナノ複合金属材料から10〜20ワットの過剰熱を発生させ、約1カ月持続したという成果を得ている。このように日本の一部の研究グループは諦めず、検証のための実験を続けてきた。

今になって思えば、常温核融合は巨大利権になる要素の塊であり、化石燃料の利権を持つ者やその他科学者が潰しにかかってくるのは当たり前だった。

常温核融合が現実化すれば、オイルマネーや原発関連の関連利権は一気に権益を失ってしまう。かつて日本は石油を止められると脅され無謀な大戦争に打って出てしまったことがある。湾岸戦争も、イラク戦争も石油利権が原因である。

そのエネルギー源を化石燃料からそっくり置き換えてしまうテクノロジーが「核融合発電」であるエネルギーのコストが劇的に下がりパラダイムが転換される。

常温核融合の反応メカニズムは解明されたとはまだ言えないが、現象は間違いなく確認されているので、既存のエネルギー源を置き換える可能性が2015年頃よりではじめた。

NEDOプロジェクトに参画したトヨタグループの技術系シンクタンクであるテクノバは、常温核融合による発電コストを1キロワット時当たり2.6円、既存の火力発電の5分の1に下がると試算する。

 もしエネルギー・コストがこれだけ下がったら、交通・運輸、物流、製造、素材、情報、サービスなど様々な産業分野でコスト構造が大きく変化する。企業の競争優位性を高める視点も変わってくるだろう。

 常温核融合の実用化は、電気自動車の電熱ヒーター用など出力5キロワット程度の発電であれば、「2025年までには可能」(テクノバ)と言う。そこで実績を積めば、数100万キロワット出力の発電所を代替することを、高温プラズマの核融合発電よりも早く実現できるかもしれない。

 
2020年01月18日

2014年ロッキード・マーチンが10年以内に小型 核融合炉を実現し原子力空母や潜水艦の動力源となることを発表し、衝撃を与えた。ロッキーマーチンの研究は順調だと数年前にニュースが流れレーザー核融合の実用化の目処はたっていると思う。


2014年10月16日

それゆえ常温核融合研究には米国は関心を持たなかったとは思うのですが、常温核融合も研究が進み米海軍としても無視できなくなってきたのだと思う。


執筆中






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【日経ビジネス】2021.3.10 鷲尾 龍一

 三井物産が2025年以降に「引退」が検討されている国際宇宙ステーション(ISS)の民間主導の後継計画に名乗りを上げる方針であることが、日経ビジネスの取材で分かった。国際協調のもとで運用してきた宇宙での実験施設が将来、民間主導になった場合、日本企業が参画する足場を確保する狙いがある。

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ISSは老朽化が課題になっている。日本は実験棟「きぼう」を持っている(写真:NASA提供)

 ISSは日本や米国、カナダ、欧州宇宙機関加盟各国、ロシアの15カ国が協力して運用している有人の宇宙ステーション。地上から約400kmの軌道で地球や天体を観測し、宇宙環境を利用した研究や実験を行っている。

 1998年に建設が始まり、運用期限は2020年から24年への延長が合意されているが、30年代に「寿命」を迎えるという見方がある。月面有人探査を優先するトランプ米前政権が25年以降のISSへの資金拠出を打ち切り、民間に移転する方針を示していたが、米議会には28~30年まで運用を延長する法案が提出された。欧州は30年まで延長する方針を示しており、しばらくは各国による運用が続く可能性がある。

 ISSの一部である日本の実験棟「きぼう」は09年に完成しており、比較的新しい。文部科学省は「ISS を含む地球低軌道における 2025 年以降の活動については、各国の検討状況も注視しつつ、検討を進め、必要な措置を講じる」としている。

 関係者によると、三井物産はISSの建設、運用が民間主導になった場合に備え、米企業との提携を視野に入れて協議を始めた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)にも意欲を伝えている。宇宙ステーション全体の建設費用は数千億円規模になるとみられるが、きぼうのような1つのモジュールは「数百億円で済む」という。JAXAの支援を受けつつ、企業コンソーシアムを形成し、この部分に資⾦を拠出することを想定している。

 実際に日本の民間企業が宇宙ステーションに参画する場合、①現在のきぼうを改修して、米国企業が建設するであろう新たな宇宙ステーションとつなぐ②新たなステーションに接続できるモジュールを新造する③米国企業が建設したステーションの一部を買う・借りる──などの手法が考えられる。

宇宙で商社が生きる道

 米国主導の有人月探査計画「アルテミス計画」へ日本も参加を表明するなど、主要国の政府の関心は月など「深宇宙」へ向き始めている。しかし、ISSがある地球の低軌道の重要性は変わらないと三井物産はみている。「地上400kmまでは重力を突破するのに苦労するが、それ以降の推進は比較的難しくない。今後も地球低軌道は宇宙の入り口として重要になる」(同社関係者)ためだ。

 一方、米国と宇宙での覇を競う中国は22年ごろまでに独自の宇宙ステーション完成を目指している。今後激しくなる宇宙競争において、日本がどういったポジションを取るべきかが重要になる。

 宇宙で人が暮らすには、医療や細胞培養、家電が使えるかどうかといった様々な実験も必要だ。地上の人々の暮らしを支える日本企業が、宇宙に進出するためのイノベーションの場を確保しなければ宇宙ビジネスで後れを取る恐れがある。

 ISSの維持費は年間数千億円とされ、日本だけで2010年代以降、毎年度200億~400億円ほどを予算に計上しており、費用対効果も注目されてきた。三井物産が民間事業者として宇宙ステーションの後継計画に参画するには、宇宙に関心が低かった企業の進出意欲をかきたて、宇宙ステーションを使う需要を広げられるかが鍵になる。

 JAXAは衣食住やエンターテインメント、教育など科学的な研究分野以外での民間利用を広げたい考えで、「総合商社としてのネットワークを活用して、需要を集めてくる」(三井物産関係者)ことが期待されているようだ。既に三井物産は他社と共同で、人工衛星の打ち上げを仲介する米スペースフライトを買収するなど、宇宙と地上の企業をつなぐ事業へ乗り出している。

 旅行などで宇宙ステーションの商業活用を狙う米ベンチャーAxiom SpaceはNASAからISS に接続するための新たな居住モジュールの建設を20年に受注した。米国では民間主導の後継計画を見据えた動きが本格化している。


2021年01月14日

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【マイナビニュース】鳥嶋真也 2020/01/31 08:00

目次
アクシアム・スペース

米国航空宇宙局(NASA)は2020年1月28日、国際宇宙ステーション(ISS)に民間企業の商業モジュールを構築する計画に、米企業「アクシアム・スペース(Axiom Space)」を選んだと発表した。

最初のモジュールの打ち上げは2024年の予定で、その後も複数のモジュールを結合させ、ISSの運用終了後は独立したステーションとしての運用を目指す。

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アクシアム・スペースがISSに構築を予定している「アクシアム・セグメント」の想像図 (C) Axiom Space

アクシアム・スペース

アクシアム・スペースは2016年に設立された企業で、テキサス州ヒューストンに拠点を置き、民間による宇宙ステーションの開発や運用をビジネス化することを目指している。

同社を設立したのは、宇宙産業の起業家であるKam Ghaffarian氏と、2005年から2015年までNASAでISSのプログラム・マネージャーを務めていたMichael Suffredini氏。現在の従業員数は60人ほどだという。

NASAはかねてより、地球低軌道における活動を民間に開放し、NASAは月や火星の探査に注力するという方針のもと、さまざまなプログラムを進めている。ISSについても、現時点でNASAは2024年まで運用を主導するものの、その後は民間に移管することで、NASAは月や火星探査に資金を集中させることを考えている。さらに、そもそもの問題として、ISSの各モジュールは2030年ごろまでに徐々に寿命を迎える。

こうしたことを背景に、アクシアム・スペースはISSに、自社で開発したモジュールを追加して運用し、さらにISSの運用終了後はモジュールを切り離して、独立した宇宙ステーションとして運用することを目指している。

NASAは昨年5月、「NextSTEP-2 Appendix I solicitation (付録I募集)」というプログラムで、ISSにモジュールを追加したい業者を募集。12社が応募し、その中から審査の結果選ばれたのが、アクシアム・スペースだった。

計画では、アクシアム・スペースはまず2024年後半に最初のモジュールを打ち上げ、ISSの「ハーモニー(ノード2)」モジュールにある、ISSの進行方向に面したフォワード・ポートに結合する。その後、2基のモジュールを追加で打ち上げ、最初に打ち上げたモジュールに結合。最大3基で運用することがNASAより認められている。

この3基のモジュールは「アクシアム・セグメント」と呼ばれ、宇宙飛行士の居住施設や、さまざまな宇宙実験が行える研究施設、宇宙船のドッキング・ポート、そして現在のISSにある「キューポラ」に似た、大きな窓ももった展望室などをもつ。電力や冷却系は、ISS側から提供を受ける。

当初はISSの構成要素のひとつとして運用されるものの、ISSの運用が終わる前には、電力などを作り出す新たなモジュールを打ち上げ、3基のモジュールにドッキング。そしてISSの運用が終わると、独立した宇宙ステーションとして新たな運用を始める計画だという。

この「アクシアム・ステーション」は、ISSで行っていたさまざまな実験や研究を受け継ぎ、ISSの運用終了によってギャップが生まれないようにするとともに、民間の宇宙飛行士や宇宙旅行者も受け入れるなど、国際的に利用可能な商業宇宙ステーションとして運用される。その建設費や運用費は、現在のISSの数分の1になるという。

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アクシアム・セグメントの想像図 (C) Axiom Space

同社はまた、モジュールの構築に加え、ISSと、アクシアム・モジュールへの、民間の宇宙飛行士の有人飛行を、年間約2~3便の割合で提供するとしている。

アクシアム・スペースのパートナー企業には、ボーイングをはじめ、イタリアのタレス・アレニア・スペースなどが参画。とくにボーイングが開発している「スターライナー」宇宙船は、ISSやアクシアム・ステーションへ民間の宇宙飛行士を飛行させる手段となることが期待されている。

またNASAでは、ISSに結合しない形での商業宇宙ステーションの実現を支援する計画も進めており、近いうちに提案が出される予定だという。

アクシアム・スペースのSuffredini CEOは「私たちは、さまざまなユーザーが、研究したり、新たな技術を発見したり、月や火星を探査する技術を試験したり、そして宇宙や地上で使うための優れた新製品を製造し、私たちの生活を改善したりするための、宇宙のインフラを提供するために存在します」と語った。

「人類の夢である、誰もが宇宙で生活したり、仕事をしたりできる未来に、一歩近づきました」。

また、NASAのジム・ブライデンスタイン長官は「アクシアム・スペースによる商業宇宙ステーションの開発は、NASAの宇宙飛行士の活動や、科学研究、地球低軌道での技術実証など、長期的なニーズを満たすための重要なステップです。NASAは産業界と協力し、世界経済に利益をもたらし、宇宙探査を推進する方法に変革をもたらします」とコメントした。

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ISSの運用終了後、独立して運用されるアクシアム・ステーションの想像図。アクシアム・セグメントに、電力生成などを行うモジュールを取り付ける (C) Axiom Space

出典
NASA Selects First Commercial Destination Module for Space Station | NASA
Axiom selected by NASA for access to International Space Station port
Axiom Space - Axiom Commercial Space Station
Assembly Sequence: Watch the Axiom Space Segment of the ISS constructed module-by-module

鳥嶋真也 とりしましんや
著者 プロフィール
宇宙開発評論家、宇宙開発史家。宇宙作家クラブ会員。
宇宙開発や天文学における最新ニュースから歴史まで、宇宙にまつわる様々な物事を対象に、取材や研究、記事や論考の執筆などを行っている。新聞やテレビ、ラジオでの解説も多数。
著書に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)があるほか、月刊『軍事研究』誌などでも記事を執筆。
Webサイトhttp://kosmograd.info/ Twitter: @Kosmograd_Info
おそらく三井物産は、ISSの後継計画のアクシアム・宇宙ステーション計画に参加するものと思われます。

アクシアム・宇宙ステーションは初めはISSにドッキングして運用を開始するのだそうだ。ISSの運用が終了後、日本の宇宙開発はどうなるのかと少しだけ心配しておりましたが、日本の民間企業も米国のベンチャー企業に負けず頑張っているのでほっとしたニュースでした。

私が小学1年生だった1969年に公開された映画「2001年宇宙の旅」に登場する漆黒の宇宙空間に回転しながら輝き浮かぶ巨大な二重リングの宇宙ステーション。宇宙ステーションといえば、この巨大なスタンリーキューブリック監督の宇宙ステーションが長らく定番となっていた。

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大きさは直径300mのリングが二つ組み合わさった形状をしており、軸部分にドッキング・アームを有する開口部を有している。リング部は一分間に一回転し、遠心力による人工重力を生み出している。

遠心力で人工重力を発生させるアイデア宇宙開発の初期段階よりあり、1966年9月 14日、アメリカのジェミニ 11号は、無人のアジェナを長さ 30mのロープで結んでぐるぐる回転させ、初めて人工重力をつくり出した。回転によって生じた遠心力が人工重力となって働くからである。機動戦士ガンダムに登場するスペースコロニーも遠心力で人工重力を発生させている。

しかしながら現実は、旧ソ連の人類初の宇宙ステーションサルート1号からISSに至るまで、宇宙ステーション内は無重力である。

当初計画では2017年に人工的に重力を発生させるセントリフュージ(生命科学実験施設)という大型の研究モジュールが設置される予定で期待されていました。
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直径は2.5mの装置を回転させ、遠心力を発生させることにより疑似人工重力を発生させるもので、人工重力環境が生物に与える影響について研究を行う予定でしたが、 2005年に中止となってしまいました。勿論装置内に人間が乗る予定はありませんでした。

なお、日本の実験棟きぼう内に設置されている細胞培養装置(CBEF)には小型のセントリフュージが装備されており、軌道上で0Gと1G環境の同時比較実験ができるようになっています。

月面到達を米国に先を越され
月面着陸を断念たソ連が、地球低軌道での宇宙ステーションサリュート1号(1971年)~7号(1982年)、ミール(1986~2001年)を軌道上に送り込み、米国も宇宙実験室スカイラブ(1973~1979年)を打上げて暫く運用するも、スペースシャトル計画に移行した。

1980年代に入ってソ連のアフガン侵攻で、再び米ソの政治緊張が高まってきたソ連へ の対抗から国際宇宙ステーション(ISS)計画が浮上した。米国と欧州、日本、カナダが参加することと なった。1988年の旧ソ連の崩壊後、 1994年ロシアはISSに参加することとなり1998年組み立てが開始された。2011年7月に完成し、当初の運用期間は2016年までの予定であったが、現在のところ2024年までは運用の継続を予定している。

2004年1月に米国は新宇宙政策を発表し、有人月面探査の再開と将来的な火星への有人飛行実現を目指すこととなり、NASAは日本のJAXA、欧州宇宙機関 (ESA) 、カナダ宇宙庁 (CSA) 、オーストラリア宇宙庁と協力してアルテミス計画を推進中である。2024年に再度の有人月面着陸を目指し、2028年までに月面基地の建設を開始するプロジェクトです。月軌道プラットフォームゲートウェイを2026年までに完成させ、月と地球を往復させ、月面基地建設を支援するものです。




日本は、米国に次いで二番目に月面に立つ可能性があります。






アルテミス計画から排除されてしまったロシアは、中国と共同で月面基地開発を目指すこととなってしまいました。中国は、軍が軍事目的で宇宙開発を行っており、宇宙の平和利用を考えていない為国際社会から元々排除されていた。

【ZAKZAK】2021年03月11日

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海外メディアによると日本で言うJAXAにあたるロシアのロスコスモスは中国の中国国立宇宙局と共同で月軌道上もしくは月面に宇宙ステーションを建設する覚書を交わしたと報じました。

 ロスコスモスのプレスリリースとして、今月9日『ロシアと中国は、月面基地の創設に関する覚書に署名した』という内容を発表しました。


これによると、建設されるのは国際科学ステーション(MNLS)というもので、月の探査と利用、月の観測、基礎研究、または多目的研究などを行う目的に建設されるというもので、現時点で月面上に建設するのかもしくは軌道上に建設される実験研究施設複合体とし、月に人間が滞在する可能性を秘めたもので運用としては長期間の無人による実験とその技術検証を行うとしています。

双方は今後MNLSの作成のためのロードマップを共同で作成するとしており、プロジェクトの計画、正当化、設計、開発、実装、運用において緊密な関係を築くとのことです。

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中国の宇宙開発

中国の宇宙開発はアメリカとソ連の有人月面着陸レース以降、月面に探査車を送り込むなど将来の有人月面着陸に向けた技術の獲得を進めています。一方で、アメリカを中心とした日本や西側各国はゲートウェイという月軌道上に宇宙ステーションを建設することで合意。有人月面着陸、そして将来の有人火星探査を行うとしています。

この計画について欧米各国とは距離を置くことになったのはロシアです。これは欧米とロシアの政治的な問題もあり、特にアメリカではロシアがウクライナのクリミア半島を強制的に併合したことを受け関係が悪化。アメリカで運用されているロケットでロシア製エンジンを使用しないなど、国際宇宙ステーション以外の協力は事実上行っていないとされています。

また中国についても中国国立宇宙局の組織自体が人民解放軍と分離できておらず、宇宙開発に携わる人間がそもそも人民解放軍と強い関係性をもっています。そのため、宇宙の平和利用という点で問題があるとされており、これまでロシアを含め欧米各国は中国とは協力をしないという態度を取り続けていました。

しかし、事実上欧米のゲートウェイにも参加することができず、ロシアは単独で月を目指すこともできないため結果として中国とタッグを組むという道を選んだということになります。
経済崩壊中の中国がこのまま莫大な資金がかかる宇宙計画の資金を捻出できるとは思いません。やがてロシアもアルテミス計画に招かれるものと、私は予想しています。


中国?そのうち統一国家ではなくなるのでしょう。習近平の「中国の夢」は夢でしかなくやがて更なる悪夢が待ち構えているでしょう。
 
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米航空宇宙局(NASA)の追跡・データ中継衛星(2017年6月23日公開、資料写真)。(c)AFP/NASA/HANDOUT〔AFPBB News


 今日米国が世界一のGNPを維持している理由の一つが基軸通貨ドルの存在である。
第一次世界大戦後英国のポンドより基軸通貨の地位を奪い、第二次世界大戦後ブレトンウッズ体制を確立したものの、その後1972年金との交換が停止されて以降、ドルの価値を担保するものが米国の強い経済力と、強い軍隊の存在がドルの基軸通貨としての価値を担保している。米国が今日の地位にいられるのは、官民をあげてイノベーションを行い、強い軍事力を維持していることだ。 

国防高等研究計画局DARPA
1958年、前年のスプートニク・ショックを受けて設立(当時はARPA)。 DARPAのミッションは、米軍の技術優位性を維持し、国家安全保障を脅かす
「技術的サプライズ」を防止すること。

ラディカル・イノベーションとなる見込みのあるHigh Risk, High Payoff研究の実用化を目指して研究助成し、今日のインターネットの基盤となったARPANETや集積回路研究、GPSなど、社会にインパクトをもたらすイノベーションの実現も米国にはDARPAががあってこそだと私は思います。

最近では手術支援ロボットのダヴィンチや音声アシスタントアプリのSiri(アップル)などステルス技術、暗視技術、防空ミサイルの精密誘導技術、空中照準レーザー、無人航空機(UAV)など多数の軍事技術を開発は、米軍が最強でいられる理由の一つである。

 DARPA(及びPM)が現在の地位を確立したのは、80年代後半から90年代と思われるが、
 ITや材料開発等における成果が一般にも目に見えるようになるには今世紀になってからだ。

日本も菅総理が地味にぶち上げた
 官民合わせて120兆円の研究投資と、日本学術会議による科学技術振興妨害の事実を世間に曝し、防衛省防衛装備庁の研究予算の投資は、10年20年後、必ずや日本の宝になっていると思います。

防衛装備庁 令和3年度公募に係る研究テーマ一覧の続き 最終回その4です。


(26)先進的な演算デバイスに関する基礎研究


研究テーマの概要及び応募における観点


 近年、情報処理の規模は年々増大しているものの、その処理を支える半導体の微細化による性能向上は限界が顕在化しており、既存の情報処理アルゴリズムを処理局面に応じて適応的に高速化する新しい手法、アーキテクチャが期待されています。

 さらに、これに対する解決策の一つとして、従来のノイマン型アーキテクチャ以外のアーキテクチャを採用した演算デバイスの研究も行われており、こうしたデバイスは、特定の情報処理の飛躍的な高速化も期待されています。

 例えば、生体の脳を模擬したニューロ・モルフィツク・コンピュータは、アーキテクチャとしては既に実用レベルであると考えられ、それぞれの特長を生かすための処理方法についての研究が進められています。また、ニューロ・モルフィツクでは省電力化や高速化の観点からアナログ回路の利用が見直されてきており、そのような研究も行われています。

 加えて、DNA等の生体分子反応を用いて演算を行うDNAコンピューティング、生体内の組織をコンピュータに見立てて演算を行う分子コンピューティング、バイオコンピューティング等の非常に萌芽的な研究も行われています。

 本研究テーマでは、既存のアーキテクチャや演算手法の改善に留まらない演算デバイス又は演算機構等に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。




image084バイオコンピューターといえば、昭和38年生まれの私としては、人造人間ハカイダーのDNAコンピューター(キカイダーとハカイダーを造った光明寺博士の脳を載せた)を連想してします。








(27)高周波デバイス・回路に関する基礎研究

キーワード 高周波、マイクロ波、ミリ波、テラヘルツ、高出力化、デバイス、雑音指数、シンセサイザー、位相雑音位相同期

研究テーマの概要及び応募における観点

 電子通信技術の進歩に伴い、マイクロ波よりも周波数の高いミリ波、サブミリ波領域の活用が期待されていますが、そのためには、高周波領域で動作するデバイスの実現や性能向上が鍵となっています。近年、ワイドギャップ半導体技術の進歩に伴い、高効率で大出力のデバイスの研究が進んでいます。

 高周波領域におけるデバイスについても、こうした技術革新を踏まえつつ、更なる高出力化を目指した様々な研究が期待されています。

 また、受信素子についても、各種先進技術を活用した様々なセンサや回路が研究されており、将来の高感度デバイスや超低雑音発振器等への活用が期待されます。

 加えて、移動体通信技術の進捗により、超低位相雑音の周波数可変発振器や、GPS等の外部信号に依存することなく複数局間の同期を図る手法についても重要となっています。

 本研究テーマでは、マイクロ波及びそれ以上のミリ波、サブミリ波、テラヘルツ波領域で動作する高周波デバイスあるいは回路に閲し、現状の問題点や課題を分析した上で、その解明につながるような新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。






(28)次世代の移動休通信に関する基礎研究

キ-ワ-ド 長距離伝送、高能率伝送、強靭化、冗長性 リアルタイム、テラヘルツ、半導体、光無線、RF-hikari 変換 光ファイバー光学材料

研究テーマの概要及び応募における観点

 最新の移動体通信網である5G は、高速伝送、低遅延の特性を有し、機械と機械がつながるための通信基盤である一方、次世代の移動体通信網とされるポスト5G は、より高速な光ファイバー網と、より高い無線周波数でコアネットワークに接続された無線アクセスネットワークにより、さらなる超高速伝送、超低遅延な通信を目指して研究が進められています。

 他方、無線アクセスネットワークとコアネットワーク間も光ファイパーを敷設する必要が出てくるため山間部、海上や上空といったコアネットワークから離れた場所での無線アクセスネットワークの利用や、災害等の様々な事態で既存の無線アクセスネットワークに障害が起きた時に、その活動場所に迅速に無線アクセスネットを構築することが難しくなることも想定されます。

 そのため、今後、既存の光ファイバーや高速無線伝送に代わる長距離でテラビット級以上の伝送路を容易に構築する革新的な通信技術、デバイス技術、材料技術の進展が期待されています。

 本研究テーマでは、無線アクセスネットワークとコアネットワークを連接するフロントホール網やバックホール網の長距離化、強靭化、迅速な展開性に寄与する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。


国内で春に商用化する通信規格「5G」の次世代をにらんだ各国の競争が始まった。日本は2030年をめどに5Gの10倍以上の速度を実現するといったポスト5G(6G)の総合戦略を官民でつくる方針で、中韓やフィンランドも研究や投資に着手した。通信は規格に関わる特許を持つと、機器やソフトの販売で巨額の利益が出る。5Gで遅れた日本は巻き返しに動く。

総務省は月内に、東大の五神真学長を座長とし高市早苗総務相が直轄する官民研究会を立ち上げる。NTTや東芝の関係者らも招き、6Gの性能目標や政策支援などの総合戦略を6月までにまとめる。育成すべき技術は予算などで開発を後押しする。

5Gの次の高速通信では、個人の立体映像を離れた会議室や教室に浮かび上がらせたり、ロボットが身の回りの世話をしたりする社会を描く。膨大なデータを瞬時に送るため、総務省は6Gは最低でも5Gの10倍以上の速度が必要とみる。大量のデータを運ぶのに適しているが、未利用の高い周波数の電波を通信に使えるようにする。

6Gは各国も30年ごろの実現に向けて研究に動き出している。中国政府は19年11月、6Gの研究開発を担う2つの機関の立ち上げを発表した。フィンランドの大学や政府系機関も6Gの研究開発プロジェクトを始動した。韓国ではサムスン電子とLG電子が19年にそれぞれ研究センターを設けた。

2時間の映画を3秒でダウンロードできる超高速通信の5Gは19年4月の米韓から商用化が始まった。国内でも春からNTTドコモなどの携帯大手が順次サービスを始める。5Gの普及もこれからだが、各国はすでに5Gの次を見すえる。

あらゆるモノがネットにつながり、医療データなどの流通も増える30年代は情報の抜き取りや改ざんを防ぐセキュリティー対策も求められる。電力消費を抑える技術も必要だ。セキュリティーは東芝が理論上絶対に解けない量子暗号を使った通信システムを開発中。NTTは光信号を電気信号に変えずに省エネ化する次世代通信の開発を急ぐ。

総務省は6Gの標準化に向けた国際電気通信連合(ITU)などの議論で、日本企業が強みを持つセキュリティーなども標準技術に採り入れるよう働きかける。

サイバー創研によると、5Gの標準規格に関する必須特許の出願件数は19年2月時点で、サムスンが世界全体の8.9%を占めて首位だった。華為技術(ファーウェイ)が8.3%、米クアルコムが7.4%で続く。日本勢は5.5%のドコモが6位で最高だった。

特許を海外企業に押さえられると日本企業は特許料を負担しなければならず、ものづくりの競争力も落ちる。携帯基地局の日本勢の世界シェアはNECが1%、富士通は1%以下まで下がった。スマートフォンなどの携帯端末でも日本勢の存在感は薄れている。
防衛装備庁ATLAも国策として5Gを飛び越えて2030年に6G実用化を目指す。2030年ごろの実用化を目指す次世代の移動通信システム「6G」の開発戦略を推進する産官学のコンソーシアムが2020年12月、設立された。2020年に国内で商用サービスが始まった第5世代(5G)移動通信システムで日本は欧米や中国、韓国などに後れを取っってしまったが、日本は国策として6Gでは軍民共用オールジャパンで中核技術の開発などに先手を打ち、巻き返しを図る。

6Gには世界トップレベルの1000億円規模の国費を投入し、国際競争力を強化する。
6Gは5Gと比べ、通信速度や同時に接続できる機器数が10倍、情報伝達の遅れは10分の1となり、消費電力も現在の100分1になると想定される。また、衛星などを活用して海中や上空、宇宙などを通信エリア化する。

6Gはドローンやウィングマンを第6世代戦闘機が自由自在に操作することが可能となる。


(29)海中通信、海中ワイヤレス電力伝送及び海中センシングに関する基礎研究


 研究テーマの概要及び応募における観点

 四方を海に囲まれた我が国においては、海中を有効利用するための海中通信技術や海中ワイヤレス電力伝送技術、物体の海中センシング技術の研究が進められています。 海中通信においては送受信器の離隔距離や通信速度の向上、海中電力伝送においては送受信器の離甲距離や電力伝送効率の向上、海中センシングにおいては物体の探知距離や探知精度の向上が必要となりますが、海中では音・光・電波の伝わり方が大気中とは大きく異な海中の環境状況や、海中環境下での伝搬特性を把握した上で、海中特有のアプローチが期待されています。     

 本研究テーマでは、海中における音響、光、磁気、電界等のうちいずれか又は複数の手段を用いた送受信波器による海中通信、海中ワイヤレス電力伝送及び海中センシングに関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。


(30)水中音響に有効な材料及び構造に関する基礎研究

 キーワード:音響トランスデューサ材料、水中センサ、水中音響材料 

研究テーマの概要及び応募における観点

 水中では電波が届きにくいため、水中センシングには主に音響トランスデューサが用いられています。音響トランスデューサは船に膳装され、主に座礁回避のための水深の計測、漁業目的として魚群を探知するものとして利用されるのみならず、水中インフラの監視のためにドローンや水中ロボットといった無人機にも搭載されています。これら無人機には将来更なる行動の長期化が期待されており、搭載機器には省電力化、小型化の進展が期待されています。

 また、洋上の風力発電プラットフォームといった新たなインフラでは、その海中への放射音が環境生物等に影響を与えることが懸念されており、水中ヘ音が放射されにくくするための遮音、吸音に関する技術の進展が期待されています。

 本研究テーマでは、音響トランスデューサの省電力化や小型化、水中放射音の低減等、水中音響に関する新たなアプローチの基礎研究を広く募集します。

日本近海においては、海底に設置された固定ソナーに加え、通信網更に充電ポイントが設置されたのなら、無人UUVが広大な日本のEEZを巡回し、中韓朝露といった敵対国の潜水艦をルンバのようにお掃除していく近未来図が見えてきます。

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(31)航空機の性能を大幅に向上させる基礎研究

キーワード無人化、多機協調、制御の高度化、航空機間通信、新たな設計技術、飛行管理技術、材料・構造技術、複合材料、自動積層、トポロジー最適化、疲労強度、空力、新たなエンジン方式・推進方式、極超音速、燃責向上、センサレス制御、電動化、ハイブリッド、長寿命化、寿命予測、非破壊検査、信頼性工学、メンテナンスフリー

研究テーマの概要及び応募における観点

 近年、航空機全般において、部品レベルに留まらず全機レベルでの電動化や人工知能(AI)を活用した新たな設計技術、AR/VR技術による新たな航空機制御技術に関する研究、航空機に使用される素材・構造に関しても新たな研究が進められています。

 次世代の炭素繊維が開発される等複合材料の更なる高強度化が見込まれていますが、例えば、自動積層技術を用いつつ、トポロジー最適化、人工知能(AI)等を活用することにより、繊維配向と積層構成を最適化し、低コスト化と高強度を両立させる技術が期待されます。

 航空機において重要な課題となる推進装置においても、デトネーションのようなシンプルかつ軽量な構造と高い効率を両立した革新的なエンジン方式が研究されています。エンジンの状態把握に必要なセンサは、その能力や耐環境性等の限界からセンシングできる状態量に制約があることから、センサレス制御技術に関する研究が進められています。センサレス制御技術は、部品点数の削減による小型・軽量化や信頼性の向上、低コスト化といった利点もあるため、当該技術の進展が期待されています。

 また、航空機間の通信手段においても、光通信技術等が進展し、幅広い環境下においても航空機間の通信が可能となれば、航空機単体のみならず複数の航空機が連携した航空機群としての性能も大幅に向上することが期待されています。

 本研究テーマでは、以上のような研究事例に留まらず、航空機及び航空機群としての性能を大幅に向上させることができる技術、もしくは航空機への適用を前提とした新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。









(32)船舶/水中航走体の性能を大幅に向上させる基礎研究

キーワード無人化、多機協調、制御の高度化、自律航行化、自己位置推定、自己状態把握、安全性向上、抵抗低減、動揺低減、構造軽量化、燃費向上、高効率化、周辺環境把握、自動類識別、信頼性向上、デジタルエンジニアリング、海洋エネルギー、電動化、ハイブリッド、長寿命化、寿命予測、非破壊検査、信頼性工学、メンテナンスフリー

研究テーマの概要及び応募における観点

 近年、船舶の自動化や無人化のために新たな船舶制御技術の研究が進められている一方、船舶において常に重要な課題となる、船体抵抗低減、波浪中や係留時の船体動揺低減、構造の軽量化、燃章の向上の面でも、新たな手法により大幅な性能向上に寄与する技術の研究が期待されています。

 水中航走体においては、限られた通信能力とセンシング能力であっても、長時間にわたって活動し得る自己位置推定、自己や環境の状態把握能力、人工知能(Al)を活用した制御の高度化やより高い信頼性の確保に関する技術や、水中航走体単体ではなく、多数の機体の協働を可能とする技術の進展も期待されています。また、海洋で利用可能な自然エネルギー(太陽光、風力、潮汐、塩分濃度差等)を活用した長期信頼性の高い小型発電システムに関する技術により、水中航走体の行動拡大に寄与することが期待できます。

 本研究テーマでは、以上のような研究事例に留まらず、船舶や水中航走体の性能を大幅に向上させることができる技術、もしくは、船舶や水中航走体への適用を前提とした新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。


(33)車両の性能を大幅に向上させる基礎研究

キーワード無人化、多機協調、自動運転、追従走行、車両技術、駆動方式、不整地走行、低燃費、安全性、新たなエンジン方式、全方向駆動、電動化、ハイブリッド、燃料電池、長寿命化、寿命予測、非破壊検査、信頼性工学、メンテナンスフリー

研究テーマの概要及び応募における観点

 近年、車両においては、ハイブリッドや電気自動車、燃料電池自動車等の環境性能や燃費性能を向上させる技術やその基盤となる革新的素材開発技術等、自動運転を目指した環境認識技術及び自動ブレーキや自動パーキング等、人工知能(Aりを活用した操縦支援技術等の研究が進められる-方、車両において常に重要となる、駆動方式、新方式のエンジン、車体軽量化等の面でも、新たな手法により大幅な性能向上に寄与する技術の研究も期待されています。さらに、未舗装路や軟弱地といった悪路走行に関する技術についても研究の進展が期待されています。

 本研究テーマでは、以上のような研究事例に留まらず、車両の性能を大幅に向上させることができる技術、もしくは車両への適用を前提とした新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。


(34)ロケットエンジンの性能を大幅に向上させる基礎研究
キーワード 機能付加、性能向上、物性改良、安全性向上、信頼性向上、固体ロケット、液体ロケット、ハイブリッドロケット、ゲル化推進剤ロケット

研究テーマの概要及び応募における観点

 近年、ロケット推進技術分野において、推力制御が可能なゲル化推進剤ロケット、幅広い飛しょう領域において高比推力が獲得可能なエアロス′くイクノズル、固体ロケットにおける固体推進剤高充填率化、ロケットエンジン用構造材料の高耐熱化といった研究が進められており、ロケットエンジンへの新たな機能の付加や、ロケットエンジンの性能の向上が期待されています。

 また、高エネルギー′くインダや新素材の適用により、既存のロケットエンジンの構成要素を改良することで、ロケットエンジンの機能付加や性能向上のみならず、ロケットエンジンの安全性や信頼性の向上も期待されています。

 一例を示しますと、スクラムジェットエンジンを搭載した極超音速飛しょう体が注目されていますが、ロケットエンジンの新たな機能付加、大幅な性能の向上、安全性・信頼性の向上に関する技術は、極超音速飛しょう体を所定の速度・高度まで加速するための高性能ロケットブースタの実現につながる魅力的な技術です。

 本研究テーマでは、以上のような研究事例に留まらず、ロケットエンジンの新たな機能付加、大幅な性能向上、安全性一信頼性向上を実現するための新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。





その1

(1)人工知能及びその活用に関する基礎研究
(2)脳情報科学に関する基礎研究
(3)デジタル空間再現及び感覚提示に関する基礎研究
(4)多数の移動体の協調制御に関する基礎研究
(5)生物模倣に関する基礎研究
(6)サイバーセキュリティに関する基礎研究

その2

(7)量子技術に関する基礎研究
(8)光波領域における新たな知見に関する基礎研究
(9)高出力レーザに関する基礎研究
(10)光の伝搬に関する基礎研究
(11)高速放電及び高出力・大容量電力貯蔵技術に関する基礎研究
(12)冷却技術に関する基礎研究
(13)物理的又は化学的に優れた新たな材料・構造に関する基礎研究
(14)先進的な耐衝撃・衝撃度和材料に関する基礎研究
(15)接合技術に関する基礎研究

その3

(16)積層造形技術に関する基礎研究
(17)耐熟技術に関する基礎研究
(18)先進的な計測技術に関する基礎研究
(19)磁気センサ技術に関する基礎研究
(20)赤外線センサの高精細化に関する基礎研究
(21)化学物質検知及び除去技術に関する基礎研究      
(22)地中又は海底における物質・物体把握技術に関する基礎研究
(23)宇宙・ニアスペースからのリモートセンシングに関する基礎研究
(24)強電磁波からの防護に関する基礎研究
(25)外部のシステムに依存しない自立した測位・航法に関する基礎研究

その4

(26)先進的な演算デバイスに関する基礎研究
(27)高周波デバイス・回路に関する基礎研究
(28)次世代の移動体通信に関する基礎研究
(29)海中通信、海中ワイヤレス電力伝送及び海中センシングに関する基礎研究
(30)水中音響に有効な材料及び構造に関する基礎研究
(31)航空機の性能を大幅に向上させる基礎研究
(32)船舶/水中航走体の性能を大幅に向上させる基礎研究
(33)車両の性能を大幅に向上させる基礎研究
(34)ロケットエンジンの性能を大幅に向上させる基礎研究

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【Newswitch】2020年1月20日 

政府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が準備する2021年度からの「第6期科学技術・イノベーション基本計画」素案には、総額約30兆円や10兆円大学ファンド以外にも複数の注目ポイントがある。各取り組みに政府の担当機関と時期が記され達成度が毎年、確認される。また公募型研究資金を獲得した研究者には、どのような研究データを持つのか報告してもらう。これにより産業界の協力も進み、同計画の実効性が高まると期待される。(編集委員・山本佳世子)

次期基本計画の素案は、デジタル変革(DX)などによる社会変革、研究力強化、人材育成が3本柱だ。以前と同様の項目もあるが、実現に向けて担当と時期をふんだんに盛り込んだ点が第5期までと違う。また従来は関わりが薄かった厚生労働省も、社会人教育で主担当となった。

関係者の注目が高い博士後期課程学生の経済支援は「25年度までに約3割が生活費相当額を受給」と記す。5期までは、学生支援の一環で2割としていたが、今回はプロ研究者の卵と位置付け直して数値を引き上げた。

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5年間の中での実現度合いは毎年、初夏に出すCSTIの統合イノベーション戦略で明らかにする。実はこれは「AI戦略2019」から採用された手法だ。20年6月のフォローアップでは項目別に評価され、「約90の項目のうち計画通りは約9割」という成績も出された。こうなると各担当機関は、真剣にならざるを得ない。

加えて「これらを政府が明示することで(今後の変化を見通す)予見性が高まり、産業界も具体的に動ける」(内閣府関係者)という。漠然とした目標しか出せなければ、産業界も真剣に取り合わない、という反省が背景にある。

また研究データの利活用に向け、全ての公募型研究資金の新規分で、研究データの概要を出す取り組みも注目だ。

ただし、研究者にとって大事なデータの中身は伏せたままだ。これにより同様の研究の無駄を省いたり、企業が関心を持つデータで産学共同研究が始まったりする動きが期待できそうだ。

研究投資、官民合わせて120兆円へ
出典:日刊工業新聞2020年1月20日

政府は19日、統合イノベーション戦略推進会議(議長=加藤勝信官房長官)を開き2021年度に始まる5カ年の「第6期科学技術・イノベーション基本計画」の策定に向けた答申素案をまとめた。5年間で政府の研究開発投資は総額約30兆円、官民合わせた研究開発投資は総額約120兆円を目指す。人文・社会科学を含めた「総合知」を活用し、超スマート社会「ソサエティー5・0」の実現を目指す。3月にも閣議決定する予定。

次期基本計画では、デジタル化と研究力の強化、教育・人材育成が柱となっている。

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持続可能で強靱(きょうじん)な社会を目指すために、スーパーコンピューターなどのデジタル化に向けた基盤技術の整備や開発を進める。地球規模課題の克服や安全・安心な社会に向けた研究開発や社会実装を目指す。産学官連携の強化やスマートシティー(次世代環境都市)の創出などを進める。

研究力の強化は、若手研究者のポスト確保や女性研究者の活躍促進を目指す。研究データの管理やスマートラボでの研究加速、研究施設の整備を進める。

教育・人材育成として、教育現場のデジタル化「GIGAスクール構想」を推進する。

研究拠点・データ連携拡大 各分野戦略

会議では、各分野の政府戦略も示された。政府が年度内に策定する「マテリアル戦略」の中間論点整理では、物質・材料研究機構やスーパーコンピューター「富岳」など日本の強みとなる研究基盤の強化や、デジタル変革(DX)化によるデータの蓄積と利活用を促すべきだとした。

今回策定された「バイオ戦略2020(市場領域施策確定版)」では、30年時点でのバイオ関連市場規模92兆円を目指すとした。人材や投資を呼び込み市場に製品やサービスを供給するため、研究機関や企業、投資ファンドなどによるコミュニティーを形成することで、事業化の促進や地域経済の活性化につながるとした。研究開発や事業化のために各種データを連携する環境の整備を盛り込んだ。

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さらに「量子技術イノベーション戦略(量子戦略)」の関連で、基礎研究や人材育成などに産学官で取り組む国内拠点「量子技術イノベーション拠点」を整備し、その中核拠点を理化学研究所に置くとした。東京大学や産業技術総合研究所など国内8拠点で量子コンピューターや量子デバイスの研究開発に取り組み、拠点横断的な取り組みを強化する。

さらに50年までに温室効果ガスの排出量の実質ゼロを目指し、経済と環境の好循環を生み出すための国の方針「グリーン成長戦略」では成長が期待される14分野で高い目標を設定。長期の技術開発や実証に向けた基金での支援や、脱炭素化に投資する企業への税制優遇措置などを掲げた。

日刊工業新聞2021年2月19日
皆さん知っていましたか、今日本政府は未来に向けかつてない多額な研究投資を行うことを決めました。軍事技術なのか民間技術なのか、そんな境界線など何の意味がない。

優れた技術は軍事と民生両方に応用が利くものだ。

奇しくも日本の癌として炙り出された日本学術会議問題は、
無能な左翼学者の年寄り集団による、公的資金の欺騙であり、政府は利権と化した学術会議から手を引くべきだと私は思う。

日本は技術立国として世界をリードする為に、これからも最先端技術投資していくべきと思う。

さて、防衛装備庁 令和3年度公募に係る研究テーマ一覧 の続き その3になる

(16)積層造形技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点

 積層造形技術は、金属、樹脂、セラミックス、複合材、コンクリート、生体材料等からなる原料を積み上げながら、エネルギーを加えることにより、立体造形物を製造する技術であり、製造コストの低減や軽量化に繋がり得る、新たなものづくりシステムとして注目を集めています。

 本技術については、切削や鋳造といった従来の加工法では難しい複雑な3次元形状部品だけでなく、ハイエントロピー合金と呼ばれる多成分系合金の実現や結晶配向性の制御による高性能材料、さらに、配線や形状記憶合金等の組込やマイクロ・ナノスケールの造形による高機能部材等の実現を目指して様々な研究が進められています。また、金属材料の組織制御や異種材料間の接合についても研究されており、-体の部品であっても箇所ごとに異なる機
能・性能を備えた部品の製造が可能となりつつあります。

 一方、造形過程の基礎的なメカニズムの解明、性能一品質の向上(原料の性能・品質、造形物の品質・精度・表面粗さ、造形物の再現性・均一性等)、設計技術や検査技術の確立等の課題が存在しています。

 また、本技術を活用した新たな付加価値を持つ製品・サービスの創製においても、従来加工法の単なる代替ではない、新たな発想が期待されています。

 本研究テーマでは、積層造形に関する技術(積層造形装置、原料、造形物等)、積層造形技術と他製造・加工技術の融合や積層造形技術を活かした斬新なデザイン・機能等、積層造形技術の発展及び活用に資する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。



積層造形技術とはいわゆる3Dプリンター技術のことだが、3Dプリンターはもともと1980年、日本の名古屋市工業研究所にて発明されたものですが、いまや航空機の複雑な金属製品が造形できるようになりましたが、層と層の結合部が破断しやすく強度面で大きな制約がまだあります。また製造コストの面から量産品にとってかわれるものではありません
まだまだ課題が残されています。

(17)耐熱技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点

 極超音速飛翔体や航空機のジェットエンジンの高圧タービン部を代表とする高温環境下で使用される材料は、高温領域において強鹿や耐圧性、耐酸化性、耐環境性の高い材料が求められます。これまでも、様々な耐熱超合金、セラミックス基複合材料、耐熱コーティング等の技術が実用化されていますが、新たな技術による更なる飛躍的な耐熱性能向上が期待されています。

 また、通信やレーダのレドーム等についても、求められる温度帯は異なるものの、高耐熱かつ電波透過性の優れた材料や、遮熱性能や放熱性能を向上させる新たなアプローチ、加熱された大気や物体の電波伝搬特性の解明等が期待されています。

 本研究テーマでは、それぞれの使用場面で既に実現されている耐熱性を大幅に超えつつ、優れた強度、耐圧性、耐酸化性、耐環境性を兼ね備える材料や耐熱性を向上させる技術、電波透過性を発揮できる耐熱技術に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。






(18)先進的な計測技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点

 近年、触媒材料・デバイスの新規開発や高度化が求められていますが、そのために必要な技術として、使用環境下で、動作中の触媒の挙動観測、進行中の化学反応の分析、デバイスの動作過程等を計測するオペランド計測に関する研究が進められています。

 特に、極限環境といわれるロケットエンジンやジェットエンジン等の高温環境下の燃焼過程、超高圧下で発生する至短時間の分解反応、極低温における量子素子の動作過程等、極限環境下における現象の計測の進展も期待されています。

 また、大気中の風向風速分布は、ドローン等の小型飛しょう体の飛しょう経路に大きな影響を及ぼすものであり、レーザ計測によるリアルタイム計測・表示技術等の研究が進められています。

 本研究テーマでは、上記の例に限らず、既存技術では計測が難しかった場面で使用可能な、先進的な計測技術やセンサに関して、新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。

(19)磁気センサ技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点

 近年、磁気センサはスマートフォンやハードディスク等に使用され、日常生活に欠かすことのできないものとなっており、極めて高感度な超電導磁気センサ(SQUID)や小型、高感度で安価な磁気インピーダンスセンサ(MIセンサ)等、多くの検出方式の研究が進められています。

 これらの磁気センサは、検出感度、周波数特性、ダイナミックレンジ、動作環境(動作可能温度及び外部磁気量)、価格等が様々ですが、例えば、医療機器等に使われているSQUIDは他の方式の磁気センサと比較して圧倒的に高い感度を有していますが、超電導体を使用するために液体窒素あるいは液体ヘリクムでの冷却が必須となります。

 また、MIセンサは多くのスマートフォンに内蔵されるほど安価な磁気センサですが、光ボンビング磁気センサや超電導磁気センサと比べると感度は低くなります。

 このように、全ての要素で優れた磁気センサは存在しないために、磁気の検出が必要となる条件毎に、それぞれの特徴から最も適した検出方式の磁気センサが期待されています。

 本研究テーマでは、新たな磁気センサの原理や構造、材料探索手法や新たな磁気センサの開拓につながる物質と磁気(磁場)との相互作用の解明、従来より飛運的に小型又は高感度な磁気センサ(NVセンターダイヤモンド量子磁気センサ等)、検出感度の向上に必要となる地磁気やセンサの動揺等による影響を大幅に低減できる新たな磁気雑音低減手法、また、微小磁気信号や高雑音下の信号検出に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。


(20)赤外線センサの高精細化に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点

 近年、赤外線センサがあらゆる分野で利用されてきており、可視画像のように高精細な赤外線画像が求められています。可視カメラ並みの高精細画像を得るためには、分解能が高く、広い視野で撮像できる赤外線センサが必要になります。

 高い分解能と広視野を実現するには、赤外線受光面の1画素が小さく、かつ画素数が多い赤外線検知素子が必要であるため、現在赤外線検知素子の多画素化が急激に進展しています。

一方で、多画素化による画素の狭ピッチ化は画素サイズ内に設けられるキャパシタ容量の制限やインジウムバンプ間距離の制限を受け、また多画素化によるセンササイズの拡大は基板ウエハの品質や大口径化等に問題を生じることから、従来の手法によるさらなる多画素化は限界に達しつつあり、これを解決するための革新的なアイディアや実証に関する研究が期待されています。

特に、小容量のキャパシタ、コンパレータやリセット回路を画素ごとに設け、蓄積時間中にリセットと蓄積を繰り返すことで、実質的な電荷容量の制限をなくす方式などの研究が行われています。

 また、赤外線センサの高性能化に欠かせない基板材料の高品質化や大口径化は、画素数の増大のみならず飛躍的なコスト低減も期待でき、それらの研究も求められています。

 本研究テーマでは、高い分解能と広い視野の赤外線画像を得るための将来の赤外線センサの高精細化に伴う課題について、検知素子レベルで解決を図るような新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。


暗闇の中でも精細なカラーで見えるようになったら・・・やばいっしょ・・・

(21)化学物質検知及び除去技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点

 人体の防護のために、外界に存奪する微少量の有害物質を検知・除去する技術は重要です。

 近年では構成する配位子や金属イオンの組み合わせにより多様な設計が可能な多孔性金属錯体についての様々な研究が行われており、例えば、分子を吸着することによる分子構造あるいは分子集合状態の変化に応じて色が可逆的に変化する方式、また、カーボンナノチューブやグラフェンといった次世代の炭素系材料を使用したナノチップ、あるいは、特定の分子等を選択的に識別するために分子設計した官能基等の分子認識素子を用いたアレイ化といった技術は、検知器の高性能化や小型化への進展に寄与するものとして期待されています。

 また、化学物質の除去については、フィルター表面への加工技術、ナノ孔形成技術やセラミックスフィルターの研究が進められています。

 本研究テーマでは、微量な化学物質を短時間で検知可能なセンサ、従来の検知性能を大幅に向上させ得る技術や、化学物質検知に関する原理検証、メカニズム解明、有害な化学物質を選択的に除去・吸着する技術に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。

(22)地中又は海底における物質・物体把握技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点

 侵襲計測を行わずに、遠隔から地中又は海底における土壌等の状態や埋設物の有無を計測することができれば、土木工事、災害救助、資源探査等において有益な情報を得ることができます。また、地中又は海底に埋没された物体に対し、存在の有無を検知するだけではなく、その材質、内部構造等の把握や地中、海底の詳細なイメージングが可能になれば、埋設物体の状態や危険性の判断が可能となります。

 現在、こうした用途には電波や磁気、超音波等を利用したセンシング技術等の研究が進められていますが、従来よりも探知距離を飛躍的に延伸し、又は精度を高めるためには、革新的なセンサやシステム、効果的な雑音除去及び信号処理アルゴリズム等が期待されています。

 本研究テーマでは、地中や海底の土壌等の状態把握や埋設物体の探知に関して、イメージングにおける高い精度、迅速性等の特徴を有する埋設物体把握技術に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。






(23)宇宙・ニアスぺ-スからのリモートセンシングに関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点

 近年、人工衛星等によるリモートセンシング技術に関する研究が進められており、電波や光波等の各種センサによって遠方から広範囲を詳細に観測することが可能となっています。

 特に海洋内部等の直接観測が困難な空間に関しては、リモートセンシングによって取得されるデータは直接観測の時間的・空間的分解能の不足を補間することができるため、数値予報や内部状況把握に用いられています。

 今後のリモートセンシング技術の動向としては、センサ自体の観察能力(出力、感度、精度)の向上や、搭載性・運用性(大きさ、重量、消費電力、寿命)の改善が見込まれます。

 また、センサ以外にも、観測の広域常続性に寄与する衛星コンステレーション等の観測システムの協調・制御能力の向上や、観測データの処理(オンボード処理やリアルタイム処理)技術の発展が見込まれます。

 さらに、これらの技術により、高精度な観測データを広域的・常続的にリアルタイム取得することが可能になった場合、ナウキャストやより詳細な内部状況把握等、データの利用方法の発展も期待されます。

 本研究テーマでは、宇宙・ニアスペースからのリモートセンシング技術に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します





(24)強電磁波からの防護に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点

 半導体集積回路(マイクロエレクトロニクス)は、その微細化及び動作電圧の低減によって、超高集積化、高速化及び消費電力の低減を達成してきていますが、その分、外部から照射された強電磁波に対しての脆弱さが増大しています。例えば、EMP(Electro Magnetic Pulse)等による電磁波攻撃に晒された電子システムは、誤動作を生じたり破壊されたりする恐れがあり、高度に情報化された現代社会の安全・安心に関わる大きな懸念事項となっています。

 従来の対策として、機材を厳重にシールドする方法がありますが、航空機や車両等の移動体では、重量・寸法・コストの面で適用性が極めて低く、エネルギーインフラや情報インフラ設備にとってもコストの高騰に繋がります。

 本研究テーマでは、半導体集積回路やモジュール周辺で軽量・コンパクト低コストな対策を施し、従来の技術では防護しにくい強電磁波の影響を排除又は低減する方策に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。


ファラデーケージによるシールド

 電磁パルスはファラデーケージで防護することができます。ファラデーケージとは、19世紀の科学者、マイケル・ファラデーが発見した原理によります。

 構造は意外に単純で、アルミや銅など、導体(電気が通る物)で囲まれた空間で、金網の箱やアルミ蒸着されたビニール袋などが知られています。鉄製の箱であれば、磁場の影響も受けにくいので電磁パルスに有効です。

 乱暴に説明するなら、鉄やブリキなどの金属製の箱の中に電子機器をしまっておけば、電磁パルスの影響を受けずらい。それがファラデーケージの原理です。

 ネットでは、EMP攻撃の対策として、大事な個人データ用にアメリカのサーバーを借りた人も居ます。なかには「(EMP対策に)ステンレス製のドラム缶を買った__…」なんて強者もいました。「非常時はマキでお風呂を沸かせる」のがその理由で、筆者も少し心が動きました(笑)。

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無印良品の工具箱。鉄製なので重いですが、ファラデーケージにはうってつけ



(25)外部のシステムに依存しない自立した測位・航法に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点

 GPSに代表される衛星測位システム技術は、生活の様々な場面で既に浸透しており、将来も自動運転技術や農作業の無人化技術等において不可欠となってきていますが、都市の高層ビルの谷間、屋内、地下、水中、トンネルの中等では、測位信号が外乱や遮蔽等により届かないため、衛星に依存しない航法・測位技術も期待されています。

 そのような技術に関して、従来は慣性航法技術を使用するのが一般的ですが、長時間にわたって慣性航法に頼ると誤差が累積するという問題があり、このような問題点を解消するため、慣性センサやビジョンセンサを含めた各種センサから取得可能な自己情報や事前情報等から自らマップを作成する技術や、月己位置堆定を高精度化する技術等が注目されています。

 本研究テーマでは、衛星測位システム等、外部のシステムからの情報に依存せず、広い範囲で使用可能で長時間にわたって累積誤差の飛躍的な低減につながるような測位・航法技術に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。ただし、事前に多数のマーカーを設置する必要のある方式は避けてください。




その1

(1)人工知能及びその活用に関する基礎研究
(2)脳情報科学に関する基礎研究
(3)デジタル空間再現及び感覚提示に関する基礎研究
(4)多数の移動体の協調制御に関する基礎研究
(5)生物模倣に関する基礎研究
(6)サイバーセキュリティに関する基礎研究

その2

(7)量子技術に関する基礎研究
(8)光波領域における新たな知見に関する基礎研究
(9)高出力レーザに関する基礎研究
(10)光の伝搬に関する基礎研究
(11)高速放電及び高出力・大容量電力貯蔵技術に関する基礎研究
(12)冷却技術に関する基礎研究
(13)物理的又は化学的に優れた新たな材料・構造に関する基礎研究
(14)先進的な耐衝撃・衝撃度和材料に関する基礎研究
(15)接合技術に関する基礎研究

その3

(16)積層造形技術に関する基礎研究
(17)耐熟技術に関する基礎研究
(18)先進的な計測技術に関する基礎研究
(19)磁気センサ技術に関する基礎研究
(20)赤外線センサの高精細化に関する基礎研究
(21)化学物質検知及び除去技術に関する基礎研究      
(22)地中又は海底における物質・物体把握技術に関する基礎研究
(23)宇宙・ニアスペースからのリモートセンシングに関する基礎研究
(24)強電磁波からの防護に関する基礎研究
(25)外部のシステムに依存しない自立した測位・航法に関する基礎研究

その4

(26)先進的な演算デバイスに関する基礎研究
(27)高周波デバイス・回路に関する基礎研究
(28)次世代の移動体通信に関する基礎研究
(29)海中通信、海中ワイヤレス電力伝送及び海中センシングに関する基礎研究
(30)水中音響に有効な材料及び構造に関する基礎研究
(31)航空機の性能を大幅に向上させる基礎研究
(32)船舶/水中航走体の性能を大幅に向上させる基礎研究
(33)車両の性能を大幅に向上させる基礎研究
(34)ロケットエンジンの性能を大幅に向上させる基礎研究

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(7)量子技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 近年、国内外において、コンピューティング、セキュリティ、センシング等の各種分野での量子技術に関する研究開発が盛んに行われています。

 例えば、量子計算機はハードウエア技術一ソフトウェア技術ともにここ数年急速な進展を見せており、既に用途特化型で商用化される等、期待される計算能力からその用途開発に注目が集まっています。また、この量子計算機の進展に伴い、将来的にエラー耐性量子コンピュータが実現し暗号解読に応用されれば、情報通信における安全性が脅かされる可能性があるといわれています。この脅威への対策として量子暗号をはじめ、伝送速度や通信距離、リアルタイム性等の実用性も考慮したよりセキュアな情報通信のニーズが高くなっており、特にワイヤレス通信においては、盗聴不可能性の確保が期待されています。

 また、センシングの分野では、霧等で隠された目標を探知できる量子レーダ・イメージング、超微弱な磁場や電場を検出できる量子センサ等は従来にない革新的な能力が見込まれるものの、未だ原理研究の域であり、実用化までには要素技術からシステムアップまでの多くの課題解決も期待されています。

 本研究テーマでは、将来的に量子効果を用いることで飛屋的・ゲームチェンジャー的な発展への寄与が期待できる、各種量子技術に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。
日本が今もっとも注力すべき研究分野が量子論ではないかと思う。
中国が、世界中の大学研究室へ留学生を送ったり、ハッキングしてかき集めた量子論の情報をもとに、量子論に関する特許をとり、世界の覇権を握る野望を持って投資している分野だ。

元々日本がその最先端であったが、反日親中経済新聞曰く日本が脱落するとの説、学術会議の反日先生たちは、「科学者による軍事研究反対」を叫ぶ前に現状を認識すべし!


次世代計算機の量子コンピューターをはじめとする量子技術(総合2面きょうのことば)を巡り、世界の覇権争いが激しくなってきた。国の基礎研究力を示す論文数では中国が米国を抜き首位に立つ。半導体技術が支えたデジタル社会に次ぎ、量子技術が21世紀の革新をけん引する可能性が強まる。新たな時代の勢力図は産業競争力や安全保障にも影響する。日本は対応が遅れ脱落の懸念がある。

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量子技術は量子力学と呼ぶ理論に基づく次世代のテクノロジーだ。計算機や暗号、センサーの技術に革新を生む可能性を秘める。新型コロナ危機の中でデカップリング(分断)を深める米中が早期の導入に向け、激しくしのぎを削る。

量子計算機で先行する米国は、この分野の研究論文の数(2014~18年)で1948本と世界1位だ。中国は2位の1495本。これにドイツや英国、日本が続く。日本経済新聞社が出資するアスタミューゼによると、応用開発力とみなせる特許出願数(01~18年)も、米国(1852件)が中国(1354件)をおさえた。

安全保障に関わる量子暗号関連の分野では、中国が優位だ。論文数は2169本と米国(1051本)の約2倍。人工衛星や北京―上海間の通信網を生かし、情報漏洩を防ぐ技術の導入を急ぐ。センサーを含む全体の論文数でも中国が首位だ。

焦りを募らせる米ホワイトハウスは8月、6億ドル(約630億円)超を投じ米エネルギー省傘下に5つの研究センターを設けると表明。「未来の産業で米国が主導権を握るため強力な行動をとる」と強調した。量子技術の諮問委員会にはグーグルやIBMの関係者も名を連ね、民間とも連携して投資を拡大する。

IBMが7月に開いた量子計算機の「オンライン夏合宿」には世界から約4千人の学生らが参加した。米国は官民で人材育成にも取り組む。

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欧州勢も手を打つ。新たに20億ユーロ(約2500億円)の投資を打ち出したドイツのほか、英国やオランダも研究を急ぐ。

各国が力を入れるのは、産業競争力や安全保障に影響を与えるとみるためだ。20世紀を変えた半導体やレーザーの革新に次ぐ「量子革命」が進行中といわれる。19年にはグーグルが量子計算機でスーパーコンピューターより約15億倍速く問題を解いたと発表した。

強大な計算力は困難だった材料や薬、金融商品の開発や人工知能(AI)の利用に道を開く。米ボストン・コンサルティング・グループによると、量子計算機の経済効果は本格導入時に世界で最大8500億ドル(約90兆円)に達する見通しだ。

真空管でできた初期のコンピューターは、トランジスタの登場や半導体の進化を通じてデジタル社会を築いた。同じ道をたどるとすると、いち早く量子技術を使いこなした国は別次元の世界へと踏み出す。

開発レースはこれからが本番だ。現在主流の量子計算機は構造が複雑で技術的な課題は多い。壁を乗り越えれば覇権を握れる。中国ではアリババ集団などが研究力を高める。ソフトとハードを合わせた総力戦となる中、日本が取り残される懸念が強まる。

(AI量子エディター 生川暁)


(8)光波領域における新たな知見に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 赤外線、可視光、紫外線等の光は、原子や分子、結晶等の物質の表面や内部と相互作用し、物質の状態を変化させ、あるいは物質の状態に応じて様々な影響を受けることから、光に関する技術を発展させ、新たな活用を生み出すためには、光と物質との相互作用に関する理解が重要となります。

 近年では、光の強度、周波数、時間、位相等を精密に制御することで、これまで得られなかつた物質に関する情報を得ることや、物質の状態を変化させることが可能になっており、また、物質の科学的な理解が進み、物質構造等を精密に制御することにより、光の発生や検出に関する新たなアイディアの研究が進められています。

 本研究テーマでは、光波領域における新たな知見を得ることを目的として、光と物質との相互作用に関する基礎研究や、光発生、光検出、光計測、光反応等に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。

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https://www.nanonet.go.jp/magazine/feature/10-9-innovation/66.html

光と電波の間の領域、テラヘルツ光と呼ばれる領域で、電波ではありますが、光の性質も同時に持つ最先端の科学分野です。

電波には物を透過する性質があり、光にはレーザ光線のように直進する性質があります。
 
電波や光などは、その周波数(振動数)に応じたエネルギーを持っています。例えば、青い色は赤い色に比べて、大体2倍も高いエネルギーを持っています。テラヘルツの光はエネルギーの観点から見ると、およそ、室温付近つまり人の体温に近いエネルギーを持っています。そのため、体内の生体関連物質、つまり生物の活動や構成に関係するタンパク質などの大きな分子や遺伝子といった物と大変密接に関係しあいますから、それらの分析や改質などの加工に最も適した手法の一つとなる可能性を秘めています。しかもレントゲン撮影で使われるX線やガンマー線などの放射線と違って、人体に悪影響を与えない安全な光と考えられています。

医療や薬学そして情報通信やセキュリティー分野ばかりでなく、建物や橋梁の非破壊検査などといった非常に幅広い応用分野が広がっています。
 

(9)高出力レーザに関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 電気エネルギーで励起する高出力レーザは、取扱いの容易さから、様々な場面での活用が期待されています。

 固体レーザの分野では、これまで様々な材料が単結晶あるいはセラミックスの形で用いら
れており、過去、諸外国において多大な時間を投じて探索されましたが、潜在的に有望な特性を持つ材料がいまだに発見されていない可能性もあることから、各種レーザ発振媒質を中心とした光学材料に関して、幅広い要素技術に関する研究が進められています。

 また、レーザ加工用光源や個体レーザの励起用光源等として使用できるファイバーレーザや半導体レーザについても能力向上の重要性は高まっています。

 他方、高出力で発振させたレーザを低損失のまま伝えるエネルギー伝送技術も重要であり、高出力レーザに寄与する新たなアイディアによるエネルギー伝送技術の研究も進められています。

 本研究テーマでは、マテリアルズインフォマテイクス的手法を用いた新材料の発掘、既存の材料を用いた革新的なレーザデバイスの研究や、高出力レーザのためのエネルギー伝送技術を含めて、将来の高出力レーザの実現に向けた新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。
近年の材料開発の現場では、情報科学分野のさまざまなアルゴリズムが重要な役割を担うようになってきています。たとえば、過去の材料実験・シミュレーションデータを利用した効率的な探索アルゴリズムによって、よりスピーディーに新素材を開発・商品化することが可能になっています。 このような材料開発における新しい取り組みを総称して「マテリアルズ・インフォマティクス」と呼びます。

この研究で、近年兵器として実用化しつつあるレーザー砲の照射ワット数を上げることが可能となる新材料を探す研究だそうです。

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(10)光の伝搬に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 光(レーザ光)の伝搬においては、レーザ光のど-ム形状が伝搬特性に影響を与えることが知られており、ある波面形状では、障害物に対する自己回復性を持つことから、長距離伝搬においても集光性が保たれることが知られています。

 さらなる長距離伝搬においては、波面を積極的にコントロールすることで集光特性を改善する研究が行われており、天文学の分野では既に実用化されていますが、高出力のレーザ光を大気中で高速移動させることに対応可能な高速応答性に優れた技術についてはさらなる研究の進展が期待されています。     

 また、レーザ光の時間軸のコントロールも伝搬特性に影響を与えますが、特に超短時間のパルスであるフェムト秒レーザは、大気を含む物質中の伝搬において自己収束することが知られており、この現象を活用すべく、レーザ生成プラズマチャネルによる放電誘導等に応用するといった様々な研究が進められています


 本研究テーマでは、高出力レーザの長距離大気伝搬における光の伝搬特性や伝搬時の現象を応用した研究等を含む新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。

フェムト(femto, 記号:f)は国際単位系(SI)における接頭辞の一つで、基本単位の10の-15乗倍の量を示します。基本単位が秒ですから、1フェムト秒は「1000兆分の1秒」となります。
光は真空中で1秒間に約30万キロメートル(およそ地球を7周半)進むことができますが、1フェムト秒では光でさえわずか1万分の3ミリメートル(0.3ミクロン)しか進めません。それ程に極短い時間が「フェムト秒」なのです。

レーザには連続して発振する「CW(Continuous Wave)レーザ」と一定のパルス幅で発振する「パルスレーザ」があります。フェムト秒レーザはパルスレーザで、そのパルス幅がフェムト秒レベルのレーザです。

レーザ強度はI = E / St で表されます。Eはパルスエネルギー、Sはビームスポットの面積、t はレーザパルスの時間幅です。この式からもわかるように、フェムト秒レーザは、エネルギー総量はさほど大きくなくとも、そのエネルギーをフェムト秒レベルまでに圧縮しているので、凄まじいレーザ強度を持つことになります。

フェムト秒レーザーこそ、弾道ミサイルを迎撃する大きな鍵となりそうです。


(11)高速放電及び高出力・大容量電力貯蔵技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 レーザ、金属加エ、高エネルギー物理等の分野においては、大きな電気エネルギーを貯蔵するとともに、貯蔵した電気エネルギーをほぼ瞬間的に放出することへの需要があり、このために、短時間でエネルギーを放出するためのスイッチング素子や、電気エネルギーを貯蔵し/モルス放電可能な装置に関する研究が進められています。

 特に、ピーク電圧が百キロボルト以上の高圧パルスを扱うスイッチングの場合、現在もギャップスイッチやサイラトロンが使用されており、半導休素子化に向けた研究の進展が期待されています。

 また、既存技術で高圧パルスを高速連続出力(1秒間で複数回のパルスを出力)可能とするシステムを構築した場合、エネルギー貯蔵装置を含め、現状ではシステムの大規模化及び電圧/電流波形の補正回路が必須となり大型化が避けられないことから、システム全体の小型化に関する研究の進展も期待されています。

 本研究テーマでは、以上のようなシステムの実現に寄与し得る出力、容量の大きな電力貯蔵装置そのものの他、高電圧′りレスをナノ秒程度の短い立ち上がり時間で出力可能な電源システム等について、スイッチング素子及び再充電回路も含めたシステム全体の高性能化に寄与し得る新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。

電力を瞬間的に貯め、放出する技術を、レーザー兵器に応用するのであれば、電気二重層キャパシタが最も有力な電力貯蔵技術です、電気二重層キャパシタは急速充・放電が可能なため、電気を化学反応なしに“電気のまま”貯蔵できます。電荷の吸着・脱離によって充電・放電を行うため、充電時間が短いことと、利用の繰り返しによる劣化が少ない。

電気二重層キャパシタの電極は、正・負極とも活性炭などの多孔質・大表面積の素材を用います。電極と電解液との間に形成される電気二重層を絶縁層として、電荷を吸着して電気を貯蔵します。
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電気二重層キャパシタの原理 出典:新エネルギー・産業技術総合開発機構「未来へ広がるエネルギーと産業技術」

瞬低・停電補償に使われているほか、電鉄車両の回生ブレーキに伴う電力の充・放電に関する開発や、ハイブリッド自動車に二次電池と併用して利用する研究、風力発電・太陽光発電の発電電力平準化のための研究開発も行われています。


(12)冷却技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 超伝導素子に代表される量子効果デバイスは、性能発揮あるいは性能向上のために極低温に冷却する必要があり、コンプレッサーを持つ冷凍機や液体窒素等の冷媒が必要ですが、このことがシステムの小型化や長期圃のメンテナンスフリー稼働の妨げとなっています。そのため、デバイスの普及を促すため、機械的な動作や冷媒を不要とした新たな冷却技術の実現が期待されています。また、高出力デバイスやレーザ等では、素子性能の維持や長寿命化のためにジャンクション部や発光部を効率的に_冷やす必要がありますが、こうした部位からの放熱も重要な課題です。

 機械的動作が不要な冷却技術に関してはペルチェ効果が有名ですが、高性能化を実現するためには、高ゼーペック係数、高電気伝導、低熱伝導といった一見矛盾する性質を同時に満たす熱電変換材料を創出する必要があります。これに関しては、近年の強相関系物理学の進展により、これらの3要素を高いレベルで満たした新たな熟電変換材料が創出されており、またナノ構造による性能向上も期待されています。

 電子冷却以外の様々な方法についても、例えば、原子気体の冷却のために開発されたレーザ冷却によって固体素子を冷却する新たな光学冷却技術の研究が進められています。また、ダイヤモンドに匹敵する熱伝導率を持つ材料や、微小構造を持つデバイスにおける格子振動の解析等、熱輸送そのものの把握及び改善に向けた様々な研究が進められています。

 本研究テーマでは、冷却技術に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します


近年中国が所有する対艦弾道弾やロシア製モスキートなどのASCM(対艦巡航ミサイル)それらのMaRV(Maneuvering Re-entry Vehicle:機動型弾頭)及びその複数化弾頭、スウォームUAVなど、短時間で対応するには、もはやミサイルによる迎撃では間に合いません。

極超音速ミサイルや弾道弾の迎撃は、レーザー砲がやがて主力になるものと思われます。兵器としてのレーザー砲は、従来の火砲やミサイルに代わって主力兵装とする日が、必ずや到来すると思われます。

現在世界的には150kw級のレーザー砲が実用化し始めましたが、主にドローンや高速艇、迫撃砲弾、ロケット砲弾クラスの破壊が可能となりました。2018年の米国防総省から米議会への報告書には、「実用的な対艦ミサイルの迎撃には300kwが必要」とされ、巡航ミサイルや、大型船舶・戦車砲塔など構造物の破壊が含まれます。しかしながら、弾道ミサイルの破壊には500kw以上1MW級が必要とされいます。

 高出力化・多用途化のためには、効率的なレーザー増幅システムの実現、電力源部における充電→放電(レーザー照射)→再充電にかかる費消時の短縮、放熱/冷却機能、バッテリーのマガジン化/セル化、システム全体の小型化/軽量化など、ブレイクスルーが必要な技術的課題がまだ山積しています。

レーザ技術 - 防衛省・自衛隊




(13)物理的又は化学的に優れた新たな材料・構造に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 近年、ナノメートルオーダーの周期的な微細構造を構成することで光や電波、熱の制御を行える機能や、撥水効果等を高める機能を有するメタマテリアルに関する研究が進められており、並行して、これらのメタマテリアルをより効率的に大型、大面積に生成する研究も進められています。

 また、優れた機能を有する構造として、現状では、対象とする材料が限定される中空構造等の複雑な構造は、いまだ目的の構造の製造には制約があることから、様々な構造を平易に作成可能とする新たな着想が期待されています。あるいは、DNAの自己組織化を活用することで、新たな機能性ナノ構造やデバイスを作成する研究が行われるようになっており、分子レベルで相当複雑な構造体が再現性良く組み立てられています。こうした分子レベルの構造体は、生体との親和性も高いため、医療や創薬の分野でも注目されていますが、それらに留まらず、電子デバイスや微小機械工学分野への応用も考えられ、その波及範囲はかなり広いものと考えられます。

 さらには、発生した損傷を自発的に回復する機能を有した自己修復材料に関する研究も進められており、インフラのみならず、各種機器の運用コスト低減や長寿命化も期待されています。

 本研究テーマでは、以上のような研究事例に留まらず、物理的又は化学的に優れた新たな材料や構造及びそれらの件成プロセスに関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。なお、金属材料、非金属材料のいずれも対象とします。








新素材産業は21世紀で最も潜在力のある分野である。すでに20世紀後半より、特殊セラミック、炭素繊維、特殊なプラスチックなどで世界をリードしている。例えば、「炭素繊維」の分野では世界市場の、日本企業3社で49%のシェアを占めている。

日本は新素材技術の発展のため、積極的に「投資」を行っている。いつ、どれだけの利益につながるか読みにくい基礎研究を大切にしており、しっかりと予算を投じて、基礎研究に取り組んでいる。日本が「新素材」の分野で強いのは、政府主導のもと「産学官」連携を強化してきたことや、大企業と中小企業が協力関係にあることも、新素材分野における強さをもたらした。

中小企業は細分化しているため、それぞれに専門知識と技術の蓄積があり、研究開発能力が高いと評価した。そのため、日本企業にしか作れないものが多く、特許数も世界有数である。

防衛装備庁の公募に係る研究テーマは、日本の未来を支える基礎研究に投資を行う貴重な事業と言えよう。


(14)先進的な耐衝撃・衝撃緩和材料に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 高速物体の衝突及び爆発による衝撃から人を含む物体を保護するためには、耐衝撃性に優れる材料や衝撃を緩和出来る耐衝撃材料が重要となります。

 耐衝撃材料としては、高速物体の衝突により破壊されにくい硬度、靭性、弾性及び振動減衰特性が高い材料が期待されています。

 また、ダイラタンシー材料のように高速変形に対して硬度が特異的に増加するといった、衝撃の速さに対して特異的なふるまいを有する材料がいくつか知られており、従来にない特性を有する耐衝撃材料を得られる可能性が期待されています。

 こうした分野の研究に関しては、高速事象及び爆発による衝撃に関する計測手法、耐衝撃性についての数値解析による原理の解明や、その原理を用いた耐衝撃材料の設計、製造についての研究が進められています。

 本研究テーマでは、高速物体の衝突及び爆発の衝撃に耐える、又はその衝撃を緩和する材料の原理究明や、効果の優れた耐衝撃材料の創製に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。


(15)接合技術に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 接合技術は、小型の電子部晶から大型の建造物に至る複雑な製品を製造する際に常に必要とされる極めて重要な基盤技術であり、近年、その技術的な革新には目覚ましいものがあります。

 例えば、輸送機器分野では、従来、リベット締めや溶接等が使用されてきましたが、重量軽減や安全性向上を目的に素材を適材適所に組み合わせて用いるマルチマテリアル化の流れを受けて、材料選択性に優れる接着剤による化学的接合を利用した新たな接合様式が注目されており、低コストや常温接合のメリットを活かして、機器取り付け等への接着剤の活用も検討されています。

 また、身近な分野では、無裁縫技術による衣類のシームレス化が実用化されており、密閉性に優れたジャケット等が商品化されています。

 さらには、微細な部品を扱う半導体やMEMS分野でも、革新的なデバイスの実現にはナノ加エや化学処理等を活用した接合技術の開発が鍵となっています。

 一方、接合技術には解決すべき課題が残されており、例えば、接着力発現原理の解明、腐食等も考慮した信頼性の向上(海水環境下を含む)、非破壊検査手法の確立、難接着性のスーパ一エンプラ等の新材料への対応等が挙げられます。そのため、従来に無い発想と様々な先端技術(レーザ加工、ナノ加エ、マテリアルズ・インフォマテイクス、積層造形、分子技術、先端計測技術等)を駆使して、接合技術を新たな段階へと押し上げることが期待されています。

 本研究テーマでは、様々な接合技術について、各層の異種材料間における基礎的な接合メカニズムの解明、接合強度の向上、機能・性能・信頼性の向上、新たな接合手法の提案、非破壊検査手法の確立等に資する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。





その1

(1)人工知能及びその活用に関する基礎研究
(2)脳情報科学に関する基礎研究
(3)デジタル空間再現及び感覚提示に関する基礎研究
(4)多数の移動体の協調制御に関する基礎研究
(5)生物模倣に関する基礎研究
(6)サイバーセキュリティに関する基礎研究

その2

(7)量子技術に関する基礎研究
(8)光波領域における新たな知見に関する基礎研究
(9)高出力レーザに関する基礎研究
(10)光の伝搬に関する基礎研究
(11)高速放電及び高出力・大容量電力貯蔵技術に関する基礎研究
(12)冷却技術に関する基礎研究
(13)物理的又は化学的に優れた新たな材料・構造に関する基礎研究
(14)先進的な耐衝撃・衝撃度和材料に関する基礎研究
(15)接合技術に関する基礎研究

その3

(16)積層造形技術に関する基礎研究
(17)耐熟技術に関する基礎研究
(18)先進的な計測技術に関する基礎研究
(19)磁気センサ技術に関する基礎研究
(20)赤外線センサの高精細化に関する基礎研究
(21)化学物質検知及び除去技術に関する基礎研究      
(22)地中又は海底における物質・物体把握技術に関する基礎研究
(23)宇宙・ニアスペースからのリモートセンシングに関する基礎研究
(24)強電磁波からの防護に関する基礎研究
(25)外部のシステムに依存しない自立した測位・航法に関する基礎研究

その4

(26)先進的な演算デバイスに関する基礎研究
(27)高周波デバイス・回路に関する基礎研究
(28)次世代の移動体通信に関する基礎研究
(29)海中通信、海中ワイヤレス電力伝送及び海中センシングに関する基礎研究
(30)水中音響に有効な材料及び構造に関する基礎研究
(31)航空機の性能を大幅に向上させる基礎研究
(32)船舶/水中航走体の性能を大幅に向上させる基礎研究
(33)車両の性能を大幅に向上させる基礎研究
(34)ロケットエンジンの性能を大幅に向上させる基礎研究

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日本学術会議なる日本共産党親派の学者が多数在籍する政府系外郭団体が、2020年秋新任者の推薦を菅総理に提出したが、政府調査で不適任と認める6名の任命を総理が拒否したところ、学問の自由が侵害されたという難癖をつけ自分たちの行ってきた反政府活動を棚に上げ、政府からの補助金がもらえないと大騒ぎをし、大きな騒動となった。学術会議は科学者による軍事研究反対を叫び、政府から委託を受けた研究者に圧力をかけ、日本の科学技術の発展と学問の自由を阻害してきた。この騒動でその事実が世間に曝され、世間から大きな批判を浴びた。



その学術会議の学者先生達が目の敵にする防衛装備庁が研究費を出す安全保障技術研究推進制度でありますが、騒動が起きて初めて今年も例年通り2月5日防衛装備庁のHPに令和3年度の研究テーマの公募がUPされた。

学術会議問題があった為、何か影響があったか確認したが、今年のテーマも例年と変わらず、直接兵器開発に関わるものではなく、基礎科学の研究に関わるものが大半である。

令和3年度公募に係る研究テーマ一覧 

(1)人工知能及びその活用に関する基礎研究
(2)脳情報科学に関する基礎研究
(3)デジタル空間再現及び感覚提示に関する基礎研究
(4)多数の移動体の協調制御に関する基礎研究
(5)生物模倣に関する基礎研究
(6)サイバーセキュリティに関する基礎研究
(7)量子技術に関する基礎研究
(8)光波領域における新たな知見に関する基礎研究
(9)高出力レーザに関する基礎研究
(10)光の伝搬に関する基礎研究
(11)高速放電及び高出力・大容量電力貯蔵技術に関する基礎研究
(12)冷却技術に関する基礎研究
(13)物理的又は化学的に優れた新たな材料・構造に関する基礎研究
(14)先進的な耐衝撃・衝撃度和材料に関する基礎研究
(15)接合技術に関する基礎研究
(16)積層造形技術に関する基礎研究
(17)耐熟技術に関する基礎研究
(18)先進的な計測技術に関する基礎研究
(19)磁気センサ技術に関する基礎研究
(20)赤外線センサの高精細化に関する基礎研究
(21)化学物質検知及び除去技術に関する基礎研究      
(22)地中又は海底における物質・物体把握技術に関する基礎研究
(23)宇宙・ニアスペースからのリモートセンシングに関する基礎研究
(24)強電磁波からの防護に関する基礎研究
(25)外部のシステムに依存しない自立した測位・航法に関する基礎研究
(26)先進的な演算デバイスに関する基礎研究
(27)高周波デバイス・回路に関する基礎研究
(28)次世代の移動体通信に関する基礎研究
(29)海中通信、海中ワイヤレス電力伝送及び海中センシングに関する基礎研究
(30)水中音響に有効な材料及び構造に関する基礎研究
(31)航空機の性能を大幅に向上させる基礎研究
(32)船舶/水中航走体の性能を大幅に向上させる基礎研究
(33)車両の性能を大幅に向上させる基礎研究

順番に、紹介します。

(1)人工知能及びその活用に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点

 現在の人工知能(AI)技術の主力である機械学習手法は、膨大な教師データから知識やルールを学習することにより、未知のデータに対する推論も高精度で行うことが可能ですが、誤った推論結果を誘導するために意図的に生成されたデータが入力されることにより、不適切な結果を引き起こす可能性があることから、安全性や頑健性の確保に向けた研究の進展が期待されています。

 また、現在の機械学習手法は、新たなタスクに対してはそのままでは適切に対応することができないことが多く、改めて学習処理が必要となりますが、その有効な解決手段の-つとして転移学習があります。ただし、多様な新規タスクに迅速かつ柔軟に適応するため、これに加え軽蔑学習やメタ学習等の新たなコンセプトの研究が進められています。

 また、現状の人工知能(AI)は通常その判断プロセスを人が解釈することが困難であり、その結果、利用者にとって意図しない動作を行い得るという不信感を与えてしまう可能性があることから、人がAIの支援を安心して受けるためには、AIの判断に至る経緯が人にとって理解可能となるような研究も進められています。

 さらには、人間の思考や発想がどのように生まれているのかを、脳科学と人工知能(AI)を結びつけて分析することや、従前考えられていなかった分野における人工知能(AI)の活用の可能性も期待されています。

 本研究テーマでは、人工知能の活用時に必要な安全性・柔軟性の確保、人と人工知能(人工知能を持った機械を含む)との協働時に必要な信頼性・双方向コミュニケーション能力・多数のロボット等を制御する際の適切なヒューマン・マシーン・インタラクションの確保に向けた新たなアプローチでの基礎研究を幅広く募集します。また、これらの観点に照らして有用な人工知能そのものについての新たなアプローチでの基礎研究も幅広く募集します。


1956年のダートマス会議において人間の頭脳と同等の情報処理をコンピューターにさせる概念として人工知能(AI: artificial intelligence)の概念が誕生した。しかし、20世紀末になっても、人間の脳の再現には程遠く、人類が実現したことは、「特化型AI」(Narrow AI)、特定のタスクについて、人間と同等(あるいはそれ以上)の処理をこなすことができるテクノロジーである。Pinterestなどのサービスでの画像分類や、Facebookでの顔認識がその一例である。

2015年、GoogleDeepMindが開発したプログラム「アルファ碁」(AlphaGo)が囲碁の対局で人間のプロ棋士を破ったことにより、ディープラーニング技術が注目を浴びた。


初期のAI研究者は「機械学習」といって、世の中の特定の事象についてデータを解析し、その結果から学習して、判断や予測を行うためのアルゴリズムを使用する手法だといえます。

機械学習では、特定のタスクを完了するための明確な手順に沿って手作業で一つ一つソフトを開発し、ソフトウェア・ルーチンをコーディングしていくので、少しでも条件から外れるとまったく機能できなくなってしまう。

これに対しディープラーニングでは、個別に対処するのではなく、大量のデータと、タスクを実行する方法を学習できる能力を提供するアルゴリズムに基づいて、マシンの「トレーニング」が自動的に行われます。そのディープラーニングをゼロから学習させるよりも迅速で簡単に使用できるのが、移転学習という最先端の考え方である。


防衛装備庁が資金を提供している人工知能研究は、例え将来的に軍事に応用されるかもしれないが、国際競争において日本が後れを取らない為の基礎技術であり、未来を支える礎なのである。

また、発達著しいAIだが、その判断(思考)のプロセスが、倫理規定やコンプライアンスにも沿った形で行われていることを実証できなくては、主にキリスト教国の人達が警戒するAIの暴走に繋がるおそれがある。どのようなロジック、あるいはどういった経緯から結果が導き出されたのか、人間がプロセスを理解し、管理し、間違っていたなら修正できるようにするためにも、AIの判断理由と根拠を示す必要がでてきています。





また、人間の脳とAIを繋ぐ技術に関しても、基礎研究の資金を防衛装備庁は出しています。



「次世代人工知能推進戦略」 - 総務省


DARPAやフランス・中共軍で始まっている強化人体改造、所謂サイボーグの研究に対抗する為にもこの人工知能及びその活用に関する基礎研究は、必要不可欠である。





中共は経済、軍事、技術などの分野でアジア地域だけでなく覇権を米国から奪取し世界を支配しようとしている。世界を再構築・支配をしようとしている中共の試みに抵抗することは、私たちの世代の課題である。

日本学術会議の世界観は1945年で思考停止している。日本を代表する学者先生達の唱える、「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という高尚なお題目は、日本政府にではなく、中国共産党に向かって言うべきであろう。


 (2)脳情報科学に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 近年、脳活動計観測機器の高性能化、小型化、脳活動解析技術の向上、リアルタイム解読アルゴリズムの開発により、作業者の心的影響のより高精度な観測に加え、認知機能の向上や認知機能のモデル化への応用が可能となってきています。また、脳科学や認知科学を利用して個々人に最適な学習プログラムを作成し、またその学習効果を把握することにより、教育や訓練の効率化を図ることが期待されています。

 さらに、ブレイン・マシーン・インタフェースとして動作を伴わない迅速な動作教示等の実現も期待でき、将来的に、脳への情報の伝達も可能になれば、視聴覚、力覚や触覚等の刺激提示を用いずに人への迅速なフィードバックを行えるようになると考えられます。

 こうしたブレイン・マシーン・インタフェース技術を活用することで、例えばロボットの遠隔操縦、動作教示等において、作業等をより迅速かつ高精度に作業者への負担を低減させつつ行うことが期待されています。

 さらに最新の研究動向として、ブレイン・マシーン・インタフェース技術を用いて認知機能を向上させるトレーニングが注目されていますが、fMRI等の大規模な研究設備を用いた研究が主体となっています。当該技術を脳波や心拍、視線等のより簡便でリアルタイムに計測可能な指標へ応用することができれば、認知機能向上技術をより一般的なものとすることが可能となると期待されます。

 本研究テーマでは、脳活動計測・解析・解読技術や認知機能の向上に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。





この技術は、超高齢化社会を超高齢化社会へ突入する2025年問題の解決に国策として取り組む課題である。

期せずして人類を襲った中共ウィルスが、あらゆる遠隔化の模索(企業、学校など)、非対面、非接触文化が定着し、遠隔医療の初診解禁などの規制緩和、行政、商習慣の脱ハンコ化の動きが一気に加速した。遠隔操作ロボットに必要な機器のコスト低下、遠隔操作を支える技術の進化、5G通信などの通信インフラの整備など人類の進歩と未来に関して脳科学に国費を投入すべき案件である。

これを、「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という主張は完全に正当性がない。

ただし、ブレイン・マシーン・インタフェース技術は、例えば次期戦闘機におけるウィングマンとしての無人機を運用する技術として必要不可欠であることも間違いない。








(3)デジタル空間再現及び感覚提示に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 近年、サイバー空間を現実空間と融合させる仮想空間、複合空間の研究が進展しており、例えば、サイバー空間上で、現実の人や物体の分身(アバター)を生成し、現実空間とシームレスに融合させることで、空間制約を取り払ら超臨場感システム技術を適用したサイバーフィジカル融合が現実化されてきています。

 こうした技術を適用することで、遠隔地のエ噂の生産機械のアバターを手元の3次元ヘッドマウントディスプレイに表示させ、あたかもその工場にいたかのような状況を作り出し、仮想体験させる研究も進められています。

 一方、ヘッドマウントディスプレイのような、仮想現実(VR)拡張現実(AR)複合現実(MR)代替現実(SR)といったxR用の情報横暴の高性能化、低価格化に伴い、遠隔地、過去、仮想環境等の視聴覚を体験し、臨場感を得ることがより手軽に行えるようになってきました。視聴覚以外にも、振動、力、動き及び超音波を制御し、人に対するフォースフィードバックを行うハブテイクス技術や、体性感覚(平衡感覚)、喚覚等を利用した感覚提示技術による臨場感の向上技術に関する研究も進められています。

 本研究テーマでは、サイバー空間を現実空間と融合させる仮想空間技術、複合空間技術、xR技術に必要なヒトへの感覚提示・センシング技術に関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。



防衛分野で駆使されている技術は、元をたどると日本のゲーム業界で発展したものです。
航空練習機や車輛や演習トレーニングやシミュレーションソフトは世界中の軍隊で使用活用されています。例えば米空軍向けのガンシップ乗組員のトレーニング、パラシュートトレーニングといったものがあり、もはや普通に使用されています。もとをただせば、TVゲームをベースとした技術です。

実際の戦場を模したシミュレーションは、長い間軍のトレーニングに用いられてきました。しかしVRヘッドセットとゲームから発展した最新のプログラムは、より戦闘のトレーニングに適したものとなっています。AR/VRを使った次世代のトレーニングシステムは、低コストで、高い再現度のソリューションを実現します。また必要なリソースも少なくて済みます。

軍需産業で開発されたVR技術が、逆に一般消費者向けVR市場で活用されるという循環もおきています。現在は軍事訓練にAR/VR技術を用いる軍事向けのAR/VR利用はまだ発展途上にあり、その効果について結論を出すのは早急です。しかし今後も、防衛分野で利用が進むことは、間違いないと言えそうです。


(4)多数の移動体の協調制御に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 近年、単体のロボットや中央集権的な制御准構ではなく、比較的単純な多数のエージェント(ロボット)を社会性昆虫、魚又は鳥のように群として自律制御させて目的を達成させることを目指す研究が進められています。

 特に多数の異種エージェントの協調行動や競争行動の学習については、仮想環境にて強化学習や進化戦略を使った手法が多用されています。

 そこでは、まずは仮想環境において、各個休の学習が行われ、実環境に移行させる手法が一般的ですが、仮想環境で所要の機能が発揮できても、実環境においては様々な条件の違いにより求められる動作やタイミングが異なり、さらには時々刻々と変化する環境にも対応しなければならないことから、こうした仮想環境から実環境への移行に関する問題の解決も期待されているところです。

 本研究テーマでは、完全自律の群知能システムや多種多数の知的エージェントの協調制御についての新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。







ドローンの兵器化の潮流は止まることがなく大きな潮流へとなっている。2020年のナゴルノ・カラバフ紛争(アゼルバイジャンVsアルメニア戦争)や、2019年サウジアラビアの石油施設と油田がイエメンの反政府武装組織フーシによる無人機(ドローン)攻撃を受け、大きな被害を受けた事件はエポックメーキングとなった。






ドローンは単独で用いられるのではなく、無数のドローンが昆虫や魚、鳥の群れのように自律して相手に襲い掛かることが予想される。

無数個体の群れを制御する場合、研究すべきは、直接的な制御よりも、自然界に存在する絡合についての研究ではないでしょうか?


生物の行動学の研究とともに、DARPAなどで研究されている強化兵士(サイボーグ)の基礎研究に繋がるような基礎研究もおこなわれている。しかし、何度も繰り返すが、民生と軍事との境は無い。

(5)生物模倣に関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 近年、軽量で運動性故に優れ、かつエネルギー効率の良い、生物の身体構造を模倣した新しい移動体に関する研究が進められており、こうした移動体への適用も期待される生物の筋骨格や腱駆動方式を模擬した人工筋肉に利用可能な素材の開発、ワイヤーアクチュエータの素材や制御技術、3Dプリンタによる複雑な軽量骨格構造の造形等の要素技術の研究が進められています。

 また、こうした移動体lま、遠隔地へ移動し、複雑な地形を長時間静粛に動き回ることが可能臣になるとも考えられることから、各種顔面における状況監視や災害時における被災者検知等への活用が期待されているところです。

 本研究テーマでは、生物の持つ優れた構造機能やセンシング、情報伝達、動作等を模倣し、従来にはない棲能性材料や情報取得、伝達・共有による効果的・効率的な群行動の発現や、従来の移動体では不可能な運動性能・効率の実現を目指した新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集します。








(6)サイバーセキュリティに関する基礎研究

研究テーマの概要及び応募における観点、

 近年、サイバー攻撃は多様化・巧妙化しつつ、増加の-途を辿っており、このようなサイバー攻撃に効果的に対処するため、防御のための様々な研究が進められています。

 現状のサイバー攻撃対処は、高度な専門知識を有した人材による人手を介する対処が必要であるため、多様化するサイバー攻撃に対し、保有する多くのシステムを防御することが困難となっています。そのため、サイバー攻撃を受けた際にも、被害拡大防止とシステムの運用継続とを両立させつつ、自動でサイバー攻撃に対処可能なシステムの実現が期待されています。

 また、近年、人工知能(AI)等の情報処理技術の発達を悪用し、意図的なフェイク情報を大量拡散させ、利用者の判断を誤らせる新たなサイバー攻撃が懸念されており、そうした攻撃の早期検知、与える影響や拡散されやすさの推定、拡散防止やデマだと気づかせるために有効な情報発信等の手立て、拡散元の特定等も期待されています。

 実際のサイバー攻撃の前段階においても、ぜい弱性を持つ不正なプログラムや部品が製造段階で意図的にシステムに仕掛けられれば、攻撃者によりそれが利用され、システムが動作不能になる、誤動作が誘発される、重要な情報が不正に取得される等の事象が突然引き起こされる可能性があります。こうしたぜい弱性を網羅的かつ効率的に検出するための汎用的な理論又は方法等に関する新しいアプローチの基礎研究も期待されています。

 さらに、ソフトウェアの不正解析等による重要情報漏洩のリスクを低減する対策として、プログラムとデータを暗号化した状態のまま実行する技術がありますが、この技術をソフトウェアの処理性能を低下させずに行えるようにすることも期待されています。

 本研究テーマでは、以上のような研究事例に留まらず、サイバーセキュリティに関する新たなアプローチの基礎研究を幅広く募集.します。

サイバー攻撃者を特定空間に誘導し、ある程度の行動を許容した上で対処するようなアクティブディフェンスに資する技術も対象とします。

また、個別の攻撃に対処する方法だけではなく、サイバー脅威インテリジ工ンス(CTl)のような攻撃目的まで効果的に解析し、その目的を達成させないための対処技術、サプライチェーンリスク対策として、暗号通貨で用いられるような分散型ブロックチェーン技術(取引屋歴を随時検証可l能とする手法)も対象とします。

ただし、実際に攻撃を受けた際の対処技術については、自動化が可能であることを前提としてください。



現代における軍事的活動は、情報通信ネットワークに極めて依存しており、平和ボケした普通の日本人は驚くであろうが、有事に限らず、中国・北朝鮮は日米始め西側の民主主義国に対し日常的にサイバー攻撃を行っています。日常的にシステムの弱点を探している為、有事に際しては、情報指揮通信システム等に対するサイバー攻撃が行われる蓋然性が高いと考えられます。また、サイバー空間においては、攻撃側が圧倒的に有利であるという特徴もあります。

防衛省・自衛隊のサイバー防衛能力の抜本的強化を図ることとし、そのために、新中期防において、共同の部隊として「サイバー防衛部隊(仮)」1個隊を新編する予定だ。

現在、陸・海・空各自衛隊の共同の部隊である自衛隊指揮通信システム隊の隷下に「サイバー防衛隊」が存在しますが、2023年度までにこの体制を見直し、サイバー防衛を主な任務とする防衛大臣直轄の共同の部隊として「サイバー防衛部隊(仮)」を新編されます。

2024年4月に新編される「サイバー防衛部隊(仮)」は、サイバー攻撃に対する防衛機能に加え、有事において相手方によるサイバー空間への攻撃も視野に入っている予定です。

中共や北からのサイバー攻撃は軍民問われていません。日常的に自衛隊によるサイバーセキュリティは軍民あげての防衛努力が必要です。


その1

(1)人工知能及びその活用に関する基礎研究
(2)脳情報科学に関する基礎研究
(3)デジタル空間再現及び感覚提示に関する基礎研究
(4)多数の移動体の協調制御に関する基礎研究
(5)生物模倣に関する基礎研究
(6)サイバーセキュリティに関する基礎研究

その2

(7)量子技術に関する基礎研究
(8)光波領域における新たな知見に関する基礎研究
(9)高出力レーザに関する基礎研究
(10)光の伝搬に関する基礎研究
(11)高速放電及び高出力・大容量電力貯蔵技術に関する基礎研究
(12)冷却技術に関する基礎研究
(13)物理的又は化学的に優れた新たな材料・構造に関する基礎研究
(14)先進的な耐衝撃・衝撃度和材料に関する基礎研究
(15)接合技術に関する基礎研究

その3

(16)積層造形技術に関する基礎研究
(17)耐熟技術に関する基礎研究
(18)先進的な計測技術に関する基礎研究
(19)磁気センサ技術に関する基礎研究
(20)赤外線センサの高精細化に関する基礎研究
(21)化学物質検知及び除去技術に関する基礎研究      
(22)地中又は海底における物質・物体把握技術に関する基礎研究
(23)宇宙・ニアスペースからのリモートセンシングに関する基礎研究
(24)強電磁波からの防護に関する基礎研究
(25)外部のシステムに依存しない自立した測位・航法に関する基礎研究

その4

(26)先進的な演算デバイスに関する基礎研究
(27)高周波デバイス・回路に関する基礎研究
(28)次世代の移動体通信に関する基礎研究
(29)海中通信、海中ワイヤレス電力伝送及び海中センシングに関する基礎研究
(30)水中音響に有効な材料及び構造に関する基礎研究
(31)航空機の性能を大幅に向上させる基礎研究
(32)船舶/水中航走体の性能を大幅に向上させる基礎研究
(33)車両の性能を大幅に向上させる基礎研究
(34)ロケットエンジンの性能を大幅に向上させる基礎研究

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中共ウイルス の患禍は世界経済を飲み込み、現在世界的食糧危機が懸念されております。

世界は少なくとも過去50年間で最悪の食糧危機の瀬戸際に立っていると2020年6月に国連は発表された食糧安全保障と栄養へのCovid-19の影響に関する国連報告書において警告し、大惨事を回避するために迅速に行動することを世界各国政府に求めました。

報告書において食料の収穫は豊作であり、穀物などの主食の供給は「強固」とありますが、しかし、世界的流通網の混乱に対して脆弱です。パンデミックとロックダウン封鎖が食糧を収穫、売買する人々の流れと食料の流通を妨げているため、かつてないほど脅威にさらされていると国連の報告書は述べています。



また、2020年8月中国の習近平は「飲食店での浪費をやめ、節約習慣をしっかり育てよ」という、いわゆる「食べ残し禁止令」を突然出した。


武漢ウィルス研究所で発生した中共ウイルスと三峡ダムが決壊寸前となった長江域の大洪水のほか、米国との貿易戦争で経済が大失速、戦狼外交の弊害によりオーストラリアとの食肉輸入制限もあって、現在中国国内は深刻な食糧危機となっているようだ。

現時点の食糧問題の主なものは、食料の偏在と、グローバル化した流通網が、バンデミックの影響から食糧生産の担い手である季節労働者の流れと食料流通網が寸断さたり、バッタの大量発生による蝗害、異常気象等による一部困窮国家に食料がいきわたらないという一時的現象がおきている。

しかしながら、世界が21世紀に食糧危機に陥るとする説は、「世界人口の急増」「農地の拡大の限界」「水資源の制約」「化学肥料を用いた農業の持続可能性への疑問」「緑の革命の終焉」「開発途上国における飼料需要の急増」などを理由に、繰り返し懸念されれている。

環境破壊は進み、結果気候変動をもたらし、自然災害が多発しており2050年には100億を超える地球の人口を支えられるのか誰もが漠然とした不安を抱えていることも事実です。

1798年、英国の経済学者マルサスは、人口論を著した。その中で、「人口の増加が生活資源を生産する土地の能力よりも不等に大きいと主張し、人口は制限されなければ幾何級数的に増加するが生活資源は算術級数的にしか増加しないので、生活資源は必ず不足する」、という帰結を導き、欧州各国による植民地獲得競争に拍車をかけた。

世界各国の元国家元首の政治家、外交官、産業人、自然・社会科学者、各種分野の学識経験者などが集まり、1968年4月に立ち上げのたスイスに本部がある民間団体ローマクラブが、資源と地球の有限性に着目し、マサチューセッツ工科大学のデニス・メドウズを主査とする国際チームに委託して、とりまとめた研究で
1972年に発表された「成長の限界」において、「人口増加や環境汚染などの現在の傾向が続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」と警鐘を鳴らしている。

しかしながら人類は、たゆまぬ努力を重ねてきた。マルサスが人口論を論じた時点では肥料は伝統的な有機質肥料が中心であり、単位面積あたりの農作物の量に限界から農作物の量が人口増加に追いつかず、人類は常に貧困に悩まされるという現象は自明であったが、1900年以降にハーバー・ボッシュ法などで化学肥料が安定供給されたことにより一時的に克服された。

成長の限界が発表された、1972年の世界
人口は約39億人、2019年が77億人と世界人口は約2倍になったが、その間に食肉生産量は約4倍に増やした。つまり、約50年前にくらべて、世界の人々は平均で約2倍の肉を食べている。やがて到来するであろう100億の人口を支えるカギは、現在フードテック呼ばれる新たな技術にかかっている。そのいくつかは、日本の技術が担っている。

また、
最近魚介類の高騰が気になる、日本近海での乱獲は海産物の資源が枯渇しつつある。

私は、西暦2000年私は佐賀市に住んでいた。当時近所のスパーで冷凍の中国産ウナギのかば焼きが特売時1串100円、通常150円で売っていた。

2005年私は京都に住んでいた、京都市内は物価が高かったが、スーパーでは冷凍スルメイカは1杯100円であった。

2015年サンマは1匹50~80円が相場であった・・・

現在ウナギのかば焼きは中国産でも1串400~500円、冷凍スルメイカはピンキリだが1杯300円、サンマは格安でも120~150円。

イワシ、サバも高級魚の仲間入りだ、かつてのニシンやホッケ、ハタハタも塩鮭も大衆魚であった。


世界は日本食の美味しさに気が付いてしまい、海産物需要が急増している。海洋資源の枯渇が年々深刻な状態になっている。2050年一般大衆が海産物を食べることはできなくなる恐れがある。一皿100円の回転ずしはどうなってしまうのか?

昨年フードテックがマーケットで話題となり、日経産業新聞ではフードテック特集記事が組まれた。
なかなか秀逸な記事です。参考までにコピペしておきます。

【NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞】2020年12月27日 5:33

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植物肉では米ビヨンド・ミートが先行する

先端技術で食分野に革新を起こす「フードテック」が芽吹き始めています。世界の人口増に伴う食糧難や畜産で生じる温暖化ガス、消費者の環境・健康志向……。新型コロナウイルスの感染拡大で、食料生産国が輸出を制限する動きに警戒も強まりました。人の命に欠かせず、豊かな生活の実現に必要な食料をどのように持続させるか。日経産業新聞は「実れ フードテック」の連載企画をこの春に立ち上げました。テクノロジーの進化で食の課題に挑む企業の現場に迫ります。これまでの連載をまとめました。

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発芽した大豆の抽出物を分析装置にセットする

先端技術で食分野に革新を起こす「フードテック」が芽吹き始めた。世界の人口増に伴う食糧難や畜産で生じる温暖化ガス、消費者の環境・健康志向……。新型コロナウイルスの感染拡大で、食料生産国が輸出を制限する動きに警戒も強まる。人の命に欠かせず、豊かな生活の実現に必要な食料。「実れ フードテック」ではテクノロジーの進化で食の課題に挑む企業の現場に迫る。初回は植物肉の知られざる開発の最前線を追った。

「新型コロナが長期化した際、食料の安定供給の観点からもフードテックの議論を進めていく必要がある」。17日、農林水産省がウェブ会議システムを通じて開いた「第1回フードテック研究会」。日本ハムや不二製油グループ本社など約80の企業・団体150人以上が参加し、たんぱく質供給に関する課題について議論を繰り広げた。

研究会の参加企業のなかに「植物肉の魔術師」と関係者をうならせる注目のフードテック企業がある。その名はDAIZ(ダイズ)。2015年に熊本市で創業されたスタートアップだ。植物肉の新規参入企業の多くが出来合いの植物肉のもとや大豆を外部から調達するのに対し、DAIZは植物肉原料となる大豆を発芽させるところから挑む。栽培技術を究め、多彩な味を編み出す様は魔術師さながらだ。


魔法の種は市内の起業支援施設に構える研究所にある。足を踏み入れると、冷蔵庫のような外観の栽培装置が7基並ぶ。研究員が1基の扉を開けると中には20本の試験管がずらり。それぞれに小ぶりなクリーム色の大豆が数粒ずつ入っている。

栽培装置ごとに酸素や二酸化炭素(CO2)の濃度と温度を変えて、異なる産地、品種の大豆を芽が出るまで育てる。この発芽が風味を左右する。約16時間かけて発芽する間に大豆のうまみ成分のグルタミン酸の量は通常の5~10倍に増えておいしくなる。

「味付けしていないのにおいしい」。DAIZの筆頭株主で有機栽培ベビーリーフを手掛ける農業法人・果実堂(熊本県益城町)がサラダ用の発芽大豆をコストコなどの小売店で販売したところ、店頭の評判は好評だ。

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緻密なデータ分析 約700種類の成分を研究

「隠し味」は緻密なデータ分析にある。研究所で芽が出た大豆は液体成分を抽出し、分析装置にかける。研究員が画面のグラフを見つめ、味や香りなどを左右する約700種類の成分を分析する。うま味や甘みに関係するグルタミン酸などのアミノ酸量が発芽条件でどう変わるかを見極める。

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発芽した大豆の抽出物を分析装置にセットする

落合孝次執行役員は「人工知能(AI)を使い、地道な分析で少しでも本物の肉の味覚や食感に近づく道を探している」と話す。大手食品会社を経て、米国でバイオベンチャーを立ち上げた経験がある落合氏は、DAIZの研究開発の要だ。

研究所で最適な栽培法などがわかった大豆は、熊本県益城町の工場で植物肉のもとに加工する。鶏肉風、牛肉風、豚肉風――。本物の肉の味に近い植物肉のもとを、ここまで細かく作り分けられるのが強みだ。

アミノ酸含有量が異なる複数の大豆を最適な比率で混ぜる「秘伝のレシピ」がそれを可能にしている。「エクストルーダー」と呼ぶ装置で熱や圧力、強いひねりの力を加え、水蒸気爆発させてポップコーンのように膨らませれば完成だ。

記者も試食した。小籠包(ショウロンポウ)は割ると肉汁があふれて本物と遜色のない味わい。唐揚げもジューシーで完成度は高いと感じた。

DAIZは果実堂を設立した井出剛社長と落合氏の出会いから生まれた。「穀物として眠っている状態の大豆ではなく、目がさめて遺伝子が動き始めたばかりの発芽中の大豆に目を向けてください」。落合氏の言葉で井出氏は植物肉のアイデアをひらめき、17年に開発を始めた。

現状、市販をしていないが、20年6月に既存工場で量産を始め、外食店や食品メーカー向けに供給する。21年には約10億円を投じ、新工場も設ける。DAIZに出資するニチレイフーズとは冷凍食品を開発する計画。23年に植物肉だけで売上高30億円をめざす。井出氏は「狙うは日本最大の植物肉会社」と語る。

フードテック 国内外で勃興、世界の食糧需給の行方に危機感

フードテックが国内外で勃興している。植物肉に代表される代替肉のほか、人工的に魚を育てる養殖、品質を保持してうまみも引き出す熟成、食品の味をおとさずに長期保存する冷凍技術、ゲノム編集技術を用いた食品など裾野は広い。

背景にあるのは世界の食料需給の行方への危機感だ。農水省によると、50年に穀物や畜産物など世界の食料需要は58億トンと10年に比べ1.7倍に膨らむ見通し。所得階層別にみると、低所得国の需要が2.7倍に急増するとみられる。

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世界人口は50年に15年より3割多い97億人となり、人類は「たんぱく質不足」になる恐れがある。足元では新型コロナの影響でロシアやウクライナなど食料生産国が供給を制限する動きも出始めた。自国優先主義が広がれば、将来を待たずに食料危機が現実味を帯びる。どう危機を乗り切るか。有力な解決手段として植物肉が浮上する。

畜産物需要は推定6~7割増えるが、牛肉1キログラムを得るのに約10キログラムの穀物飼料が必要となるなど環境負荷は大きい。牛のげっぷや家畜の排せつ物から出るメタンガスは二酸化炭素(CO2)の25倍も温暖化への影響があるとされる。気候変動の一因と目されるなか、環境負荷の低い植物肉は、菜食主義者も多い欧米で「脱ミート」の波に乗った。

調査会社ジオンマーケットリサーチによると、新規参入が相次ぐ植物肉市場は、18年に119億ドルだったが、25年は212億ドルになりそうだ。

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植物肉では米ビヨンド・ミートが先行する

植物肉で先行する米ビヨンド・ミートは19年5月に植物肉専業として初めて米ナスダック市場に上場。スイスのネスレは19年に欧州で大豆と小麦が原料の植物肉のハンバーガーの販売を始めた。日本では植物肉をうたう商品が店頭に増え始めたのはここ1年のことだが、食品素材メーカーの老舗企業も動き出した。

19年秋、大丸心斎橋店(大阪市)の植物肉総菜店「アップグレードプラントベースドキッチン」に大豆由来の総菜がずらりと並んだ。ひき肉や豆乳ベースのチーズが原料のラザニア、唐揚げなどに来店者は舌鼓を打った。植物肉への関心を高める消費者との接点を増やす狙い。

仕掛け人は不二製油グループ本社。1960年代から植物肉の研究を始め、外食向けなどに豆腐ハンバーグといった植物肉を供給してきた。植物肉のもとである大豆たんぱく素材の国内市場で約5割とシェアは首位だ。素材供給という黒子に徹していたが、消費者向けにも進出をうかがう。

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不二製油の直営店は19年、大丸心斎橋店に開業。現在は緊急事態宣言に伴い休業する(大阪市)

本業のBtoB(企業間取引)でも植物肉を取り扱いたい企業からの相談が引きも切らず、7月に千葉市に新工場を稼働させる。強みは一日の長がある技術力で、植物肉のもとは粒状型で50~60種類をそろえる。温度や圧力の設定だけでなく、食感を出すのに使うでんぷんなど副原料の配合方法にノウハウがある。フル稼働が続く大阪府の工場と2カ所で増産する。

プラント・ベースド・フード・ソリューションズ事業部門の芦田茂シニアマネージャーは「肉に近づけるだけでなく、大豆由来ならではのあっさりした味の良さを生かしたい」と、強みの大豆の味に徹底してこだわる。

日本でも消費者の健康志向を背景に高たんぱく・低カロリーな食材として大豆の注目度は高まる。新旧の食品メーカーが入り乱れ、技術や味を競い合う。世界の胃袋を満たす日本発の植物肉カンパニーが生まれるか。食の未来を巡る競争の幕が上がった。

(企業報道部 古沢健、大阪経済部 川原聡史)




植物肉、迎え撃つ日ハム・伊藤ハム 日本の味で勝負


3月末、東京駅改札内の商業施設「グランスタ」の弁当エリアに大豆ミート専門の店舗が現れた。伊藤ハムグループの伊藤ハムフードソリューション(東京・目黒)が期間限定で開いた店舗だ。「大豆ミートのそぼろ弁当」や「大豆ミートのハンバーガー キーマカレー」などの植物肉を用いた約20の商品が並んだ。

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伊藤ハムが「グランスタ」に開いた店舗では「大豆ミート」の弁当などを販売した

「想像以上に肉っぽい」「肉を使っていないことに気づかない」。商品を購入した消費者から寄せられた感想に伊藤ハムは植物肉を用いた食品メニューの完成度に自信を深めた。4月18日からはJR錦糸町の駅ビル内の直営店でパン類や弁当の販売を始めた。順次、販売網を広げる方針だ。

食肉国内最大手の日本ハムも3月、大豆を用いた家庭向け植物肉の新ブランド「NatuMeat(ナチュミート)」を立ち上げた。植物肉を使った総菜のほか、ハムやソーセージを展開する。ソーセージでは大豆に加え、こんにゃくを用いるのが特徴。より食感をジューシーにするなど工夫をこらして勝負する。

植物肉市場は欧米で盛り上がりをみせるが、日本でも普及の兆しが見え始めた。国内では食肉とは畑違いの大手食品メーカーで植物肉市場参入の動きが広がるなか、長年食肉加工のノウハウを培ってきた日本ハムや伊藤ハムなど食肉大手も相次ぎ新規参入に動く。食肉を巡る危機感が老舗を新分野への挑戦に突き動かす。

日本ハム・ソーセージ工業協同組合(東京・渋谷)によると、国内の食肉加工品の生産数量はここ数年横ばいが続き、2019年は18年比0.6%減った。最近は物流コストが増え、消費者の低価格志向で小売店での価格競争も激しい。さらに伊藤ハムの春名公喜・事業戦略統括部長は「世界で食肉需要が増え、供給不足や価格高騰が懸念される」と語る。

植物肉 日本の新規参入組 大豆の扱いで一日の長

食肉大手にとって、植物肉は自社のビジネスの脅威にもなりかねない。だが、日ハムの畑佳秀社長は「世界的に人口の伸び以上に食肉需要が高まっており、植物肉がすべて食肉と置き換わることはない」と指摘。むしろ、日ハムは危機から転じ、日本が植物肉の世界で飛躍するチャンスがあるとみる。カギを握るのは日本伝統の食文化だ。

日本フードアナリスト協会の横井裕之理事長は、「日本は精進料理などの文化があり、大豆を扱うのは得意だ。植物肉は世界的に有望な市場となるので、さらなる発展を期待できる」と話す。畑氏も「日本では豆腐をはじめ、大豆たんぱくが重宝されてきた。植物肉は新たなたんぱく質のメニューになる」と意気込む。

実はニッポンハムグループは魚や高たんぱく質の乳製品を展開し、たんぱく質を供給している。食肉をはじめ、多様なたんぱく質食品を提供する総合食品メーカーとして成長する戦略を描く。植物肉を有力な武器に育てたい考え。

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日本ハムは15年から外食向けに植物肉を提供し、研究開発を重ねてきた

布石は打っている。日ハムは大豆ミート以外でも、細胞培養技術を持つインテグリカルチャー(東京・新宿)と19年に連携し、培養肉の基盤技術開発を進める。安定した製造技術の開発につなげるため、日ハムの肉製品の製造ノウハウを、インテグリ社に提供する。

ただ、欧米が植物肉の実用化では先行している。米ビヨンド・ミートや米インポッシブル・フーズは大手ファストフードチェーンと組み、植物肉を使ったハンバーガーなどを販売して人気を集める。ビヨンド・ミートの19年の売上高は18年比3.4倍となった。スイスのネスレや米ケロッグのほか、米食糧大手のカーギルなど資本力のある食品メジャーも続々と新市場開拓に乗り出した。

ビーガン(完全菜食主義者)やベジタリアン(菜食主義者)、健康のために肉を食べる回数を減らす「フレキシタリアン」といった欧米で流行する食文化も植物肉の普及を後押しする。

植物肉元年 日本勢 ニッポン流の味付けで対抗

後発の日本はどのように対抗すべきか。横井氏は「大豆ミートは味と食感の両方でまだ改善の余地がある」とし、「大豆だけでおいしくするのは限界がある。たとえば、こんにゃくや寒天の粒子に肉のエキスを染み込ませて混ぜ味を強くするなど、新しい発想が必要だ」と提言する。

日本は世界の多様な食文化を「消化」し、独自に発展させてきた歴史がある。カレーやラーメンなどはその代表例だろう。植物肉でも日本流の「味付け」が始まった。

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植物肉を手掛ける国内メーカー

「ゼロミート」ブランドでハンバーグを18年秋に投入した大塚食品は味の改善で試行錯誤を続ける。「食感、味、香りのどれか一つだけ満たしても本物の肉には全く近づかない」。新規事業企画部の嶋裕之部長は強調する。

顕微鏡や味覚測定器で肉のハンバーグの食感や味を科学的に分析。粒の形や大きさを近づけ、パルミチン酸など脂肪酸の割合も似せると味や食感が近づいていった。

植物肉の課題は大豆臭さを消すことだ。濃い味付けなどで覆い隠す方法もあるが、塩分が強くなる。そこで大豆原料を処理する工程や原料の配合、ソースの味を工夫することで大豆臭を低減させ、香りを肉に近づけた。

伊藤ハムは3月に立ち上げた「まるでお肉!」シリーズで食肉加工のノウハウを注ぎ込んだ。「大豆ミートのメンチカツ」など揚げた商品を加えたのが特徴だが、味付けの仕方や油脂の使い方、食感の出し方にも苦労したという。

日ハムの植物肉のハンバーグは香りにこだわる。デミグラスソースのような濃厚さとは違う、カレーに近いスパイシーな味わいを意識し、爽やかな香りのするオレガノなどの香辛料を使った。食肉メーカーとして培ってきた香辛料で肉の臭みを消すノウハウが植物肉の開発にも生かされた。

培養肉や、卵を使わないマヨネーズやクッキー生地、液卵を開発する米ジャストに出資するなどフードテックを有望な投資先と位置付ける三井物産。吉川美樹専務執行役員は「日本的なセンスで疑似肉を提供できる。商品開発にいま取り組んでいる」と明かす。

食品や外食業界で、20年は日本で植物肉普及の元年になると言われる。テクノロジーはあくまで手段。料理の世界ではどんなに素材が良くても調理の腕前次第で味は変わる。フードテックも問われるのは、技術を使いこなす経営の腕前とセンスだ。

(企業報道部 古沢健 大阪経済部 川原聡史)

【第2部 養殖で耕す】


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FRDジャパンの十河COOはサーモンの陸上養殖で食糧危機の解決を目指す(千葉県木更津市)

世界的な人口増と乱獲で水産資源の枯渇が懸念されるなか、食分野の課題を先端技術で解決するフードテックで養殖にイノベーションを起こす動きが広がる。天然魚の漁獲量の頭打ちに直面するが、海のない陸上で魚を養殖したり、環境に配慮した餌で養殖による海洋汚染を軽減したりする。「実れ フードテック」の第2部では、新しい養殖技術で豊穣(ほうじょう)の海の恵みを目指す旗手たちの現場を追う。

千葉県木更津市。鳥がさえずる上総丘陵にFRDジャパン(さいたま市)の養殖場がある。東京湾から10キロメートルほど離れた内陸部で、バイオテクノロジーなど先端技術の研究所が立ち並ぶかずさアカデミアパークの一角にたたずむ。2018年に稼働し、同社が「プラント(工場)」と呼ぶトラウトサーモンの陸上養殖の実験場で、1日当たりの換水率を1%未満に抑える「完全閉鎖循環式」を編み出した。

魚の陸上養殖、食料危機問題解決の切り札に

FRDジャパンは「海に依存しない陸上養殖の商業化」を掲げる養殖スタートアップの旗手だ。天然海水や地下水を使わずに、水道水をほぼ100%循環させて養殖する新方式に挑んでいる。

プラント内に入ると、配管や網目状の歩道が張り巡らされた大部屋の足元に16の飼育槽が並ぶ。のぞき込むとそれぞれ数百尾が円を描くようにグルグルと同方向へ泳いでいた。大きさや餌の食べっぷりなど、サーモンの「性格」で分けている。

自動給餌機の先のパイプが突如くるくる回り始めた。粒状の餌が空気圧で吐き出され、丸々育ったサーモンが食いつく。

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FRDジャパンの飼育槽には数十尾のトラウトサーモンが養殖されている(千葉県木更津市)

さいたま市のふ化場から持ち込むサーモンは初めは体長20センチメートルで200グラムにすぎないが、9カ月かけて大きいものでは60センチメートル、5キログラムまで育つ。切り身にして地元のスーパーや飲食店に出荷する。試食すると食感やうまみは天然物と遜色ない。

「陸上養殖は問題解決の切り札になる」。十河哲朗最高執行責任者(COO)は強調する。三井物産の新規事業の立案制度を経て独立した。十河氏の視線の先にあるのは、将来の食料危機問題だ。

地球で人口が増え続けており、たんぱく源の不足が将来、懸念されている。十河氏は「魚、牛、豚、鳥とたんぱく源の候補は数あるが、人口100億人時代は魚が有力」と指摘し、「陸で魚を養殖できるようになれば、社会にインパクトを与えられる」と目を輝かす。

実際、魚の需要は旺盛だ。国連食糧農業機関(FAO)によると、16年の世界の養殖業の生産量は1億1000万トンにのぼり、天然の水産資源の漁獲量の9200万トンを上回る。発展途上国では人口増と経済成長で魚の消費量が増え続ける。

半面、水産資源は乱獲による枯渇の危機に直面する。FAOによると世界の水産資源のうち3割以上が乱獲状態だ。漁獲枠に余裕のある水産資源量は漁獲量のわずか6%。養殖なしでは世界の食卓をまかなえない「たんぱく質危機」が迫る。

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頼みの綱の養殖だが、従来の洋上養殖は自然環境に左右される。地球規模でも適した漁場は国内では三陸海岸、海外ならノルウェーのフィヨルドなど入り江の多い穏やかな海に限られる。例えば、サーモンはノルウェーとチリが養殖の世界生産の8割を占める。餌などによる海洋汚染や生態系破壊も深刻だ。養殖場所や生産量の制限もあり、増産余地は限られる。

代替技術として陸上養殖もあったが、採算性の壁に普及は阻まれてきた。水の取り換えや水温調節の電気代などでかさむコストが課題だった。FRDジャパンは水を取り換えない陸上養殖で、この壁を崩しつつある。

バクテリアで水質を維持、水道水をほぼ100%循環して養殖

カギは水質を維持するバクテリアだ。独自のろ過層で魚の排せつ物に含まれる毒性の高いアンモニアを硝化細菌で毒性の弱い硝酸に変える。この硝酸も一定量たまると、魚の病気の原因になる。独自開発の脱窒処理装置で、脱窒菌を用いて硝酸を窒素に変える仕組みも加えた。従来方式は硝酸を減らすため、1日約3割の水を替えていた。

人体では血液が常に体を循環し、腎臓などで血液をろ過する。FRDジャパンは水質やバクテリア量、給餌タイミングなどをIT(情報技術)で制御。「低コストで最適な生産のため、条件を変えながらデータを積み重ねている」(十河氏)

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新方式は水道水に塩分やミネラル分を加えて海水を再現し、蒸発分のわずかな水の補充で済む。水を取り換えると、海水から病原菌を水槽に持ち込むリスクが上がるうえ、育成に適切な水温に調節する電気代が増える。新方式は電気代も大幅に下げられる。十河氏は「上水道があれば陸上養殖できる」と強調する。

現在の実験プラントは年30トンで約1万匹を養殖できるが、この規模では採算が合わない。21年度以降、40億~50億円を投じ商用プラントを建てる。さいたまのふ化場も統合し実用段階に入る。年1500トン、約50万匹相当を出荷する計画だ。

課題は大規模化した際のコスト低減だ。コンパクトで効率的な設計が肝となる。水槽なら八角形と円形では水中の酸素のムラやよどみの起きやすさが異なり、机上だけでなく実地で確かめる。ろ過槽も設備の配置方法や規模を見極めている。エンジニアリング技術が重要なため、大手エンジニアリング会社から技術者を招いた。

洋上養殖のサーモンは設備投資が少ない一方、日本やアジアなど消費地までの物流コストが重い。「日本で陸上養殖しても近距離のアジアでは価格競争力はある」と語る。将来、陸上養殖のサーモンが量産されれば、日本の消費者は手ごろな価格で舌鼓を打てそうだ。

「魚が死んでおしまいだよ」。13年の創業当時に陸上養殖は無謀とみられ異端扱いされた。ようやく、陸上養殖サーモンが食卓に並ぶ光景が現実味を帯びてきたが、日本のサーモンの年間輸入量は約20万トン。まだ、彼我の差は大きい。十河氏は「本当の挑戦はどれだけ低コストでおいしい魚を育てられるかだ」と力を込める。

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陸上養殖、水産大手や海外企業も触手 SDGsが後押し


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丸紅と日本水産はデンマークの陸上養殖に強いダニッシュ・サーモンを共同で買収

 魚の養殖は海洋汚染や生態系破壊につながる恐れがある。国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」や、環境や社会などに配慮した企業を選別する「ESG投資」の流れが強まるなか、水産会社や海外企業も陸上養殖の事業化に動く。
 鳥取県米子市。遠くに大山を臨む日本海沿岸の陸地で、国内初のマサバの大規模陸上養殖の試験に取り組むのが日本水産と日立造船だ。6月8日、大型トラックの荷台から伸びたホースから飼育槽に、次々とマサバの稚魚が注ぎ込まれた。
 FRDジャパンの「完全閉鎖循環式」と異なり、飼育に使う水は施設の地下からくみ上げる海水を入れ替えながら循環させる。地下水のため水温は一定で、冷やす電気代を抑えられる。飼育槽とろ過槽を結ぶ配管は外気や日光で水温が上がらないよう地下でつなげた。地下海水ならマサバの沿岸養殖でネックになるアニサキスに犯される心配もない。
 「1カ月も持たないのではと心配したが、1カ月半たった今も順調に育ちほっとしている」。日本水産の平山健史・養殖事業推進課長は語る。年240トンを見込む出荷の第1弾は来春。無事に育て上げるには、大きくなるにつれペースが速まる水質悪化の制御が欠かせない。これを支えるのが日立造船の浄化技術だ。
 同社はし尿の浄化や水族館の水質管理で実績がある。汚水のアンモニアをバクテリアで浄化する際に、強みの高効率ろ過技術を生かす。バクテリアは担体と呼ぶ素材に付着するため、その表面積が大きいほど浄化効率が高まる。表面に凹凸を加えた独自の担体で「効率が上がる」(平山氏)。
 陸上養殖に関わる企業の裾野は広がる。マルハニチロは山形県でサクラマスの陸上養殖実験を進める。商社では三井物産がFRDジャパンに約85%を出資するほか、丸紅と日本水産は4月、閉鎖循環式の陸上養殖に強いデンマークのダニッシュ・サーモンを共同で買収した。

海外勢、陸上養殖で大規模プロジェクトを計画

 海外勢ではオスロ証券取引所に上場するアトランティックサファイアやノルディックアクアファームズなどが陸上養殖に取り組む。アトランティック社は米フロリダ州で年9万トンのサーモンを陸上養殖する巨大プロジェクを進める。
 米国はサーモンの一大消費地でもある。ノルウェーや米国勢は桁違いの規模感で進む一方、日本ではまだ小規模なのが現状だ。FRDジャパンの十河哲朗最高執行責任者(COO)は「どこが最初に収益化にこぎつけるかの競争に突入している」と指摘する。
 シンガポールの投資ファンド傘下のソウルオブジャパン(東京・港)も三重県で年1万トンのサーモンの陸上養殖を計画し、23年にも出荷する予定だ。投資マネーも流入するなか、戦いは熱を帯びてきた。

(企業報道部 逸見純也)

衛星データで餌やり新潮流、ウミトロンが狙う養殖革新



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「ウミトロンパルス」では海水温や塩分濃度などの海洋データを確認できる

餌を制する者が養殖を制する――。餌は魚の成長を左右するうえ、魚の種類によっては養殖コストの6~7割を占めることもあるからだ。餌やりは重労働で、水の汚染源にもなる。餌は課題の宝庫で、ここでイノベーションを起こせば、ビジネスとしてうまみがある。餌と向きあい、餌やりの効率化や環境配慮タイプの開発に企業が挑む。

陸上養殖が広がるが、養殖の現場は依然、海が中心だ。海は水温や塩分の変化、赤潮の発生など自然現象にさらされる。海の状況を宇宙からつかみ、養殖業者に届け始めたのがシンガポールに本社を置く養殖スタートアップのウミトロンだ。

データを駆使し、餌やりを効率化

7月に立ち上げた新サービス「ウミトロンパルス」は、人工衛星の情報を使い、専用サイトで海水温や塩分濃度など魚の生育管理に必要な海洋データを確認できる。養殖場に近い局所的なデータも見られる。

養殖業者がデータを駆使して海の状況を適切に把握できれば、効果的な餌やりにつながる。例えば、赤潮発生時に餌をやると魚が酸欠で死にやすくなる。赤潮接近が事前にわかれば餌を止められる。無駄な餌が減れば赤潮の拡大も抑止し、海洋汚染の防止にも役立つ。

世界の養殖業者や漁協、研究者の利用を想定し、すでに国内外から数十件の登録がある。当日データだけなら無料。月額30ドル(日本円で約3200円)の有料プランは過去のデータまで閲覧でき、48時間以内の変化を予測する機能を備える。

ウミトロンが宇宙に目をつけたのは必然だった。共同創業者の藤原謙代表は宇宙航空研究開発機構(JAXA)で人工衛星を開発していた。三井物産に転じ新規事業を開発していたときには農業の衛星データ活用にも触れた。藤原氏は成長する養殖分野に目を付け、2016年に創業した。

22年には藤原氏の母校の東京工業大学などと組み、海洋観測システムを搭載した小型衛星を打ち上げる計画もある。プランクトンなどの情報を高解像度で観測し、魚類や貝類、藻類の養殖に生かす。ウミトロンパルスとの連動も見据える。

宇宙に突き進むウミトロンだが、活動の原点は地に足をつけた「餌やり革命」にある。全国で白い箱形の装置が置かれた養殖いけすが増えている。高さと奥行きが1メートル強、幅が80センチメートルほどの装置の名前は「ウミトロンセル」。遠隔操作できる「スマート給餌機」だ。

飼料を蓄えるタンクやカメラ、コンピューターなどが備わる。いけす内のデータを取得し、生産者に届ける。箱の上部の小型太陽光発電パネルで電力を賄う。アプリを用いて遠隔で餌やりのタイミングや量を設定し、食べているか確認できる。

人工知能(AI)が魚の食欲を3段階で判定し、生産者は給餌を続けるか判断する。魚が餌を食べていない時はプッシュ通知で知らせ、餌の無駄と海洋汚染を防ぐ。餌やりは重労働だ。いけすとの往復や運搬の手間やコストが重い。ウミトロンセルは海が荒れて近づけない時も餌をやれる。

技術開発には泥臭い努力の積み重ねがあった。リアス式海岸での養殖が盛んな愛媛県愛南町。18~19年度にわたりマダイ養殖で効果を検証した。藤原氏は養殖場近くに3カ月近く住み込み、社員も足しげく通い、生産者の声を基に改良を加えた。同社は藤原氏を筆頭に社員30人の約7割がエンジニアという技術者集団。佐藤彰子マネージャーは「養殖に特化し、改良と新機能の実装が素早いのが強み」と語る。

感覚頼みで1日数回が限度だった餌やりを10回以上に分けて最適化でき、マダイが1キログラムまで成長する期間を4カ月短縮することに成功。餌も削減できた。現在は中四国や近畿を中心に数十社がレンタル利用する。「遠隔操作で海に出る負担が減った」「無駄が減った」と評判は上々だ。

餌を巡る技術革新の波はやり方だけではなく原材料にも及ぶ。時代の潮流は「脱魚粉」だ。

魚向けの飼料、脱魚粉に動く

世界で養殖生産量が伸び、日本水産油脂協会(東京・渋谷)は「飼料用の魚粉の需要は今後10年でさらに増える」と指摘する。価格は高騰傾向で不足も見込まれる。そもそも天然魚の枯渇対策のはずの養殖の餌に使うのは矛盾してしまう。

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飼料大手フィード・ワンは07年にいち早く魚粉比率を4割ほど減らした飼料を製品化した。魚粉の代わりには大豆かすなどの植物性たんぱく、添加する魚油の代替にはパーム油などを採用する。

さらに魚粉依存度を下げる研究を進める。昆虫や菌類由来のたんぱく質を魚粉、藻類由来油を魚油のかわりに使うことを検討し、今はまだ高いコストの低減を探る。

国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の14番目に「海の豊かさを守ろう」という目標がある。商品の購入でSDGsを重んじる消費者が増えており、脱魚粉の達成度合いで養殖魚が選別される可能性がある。

養殖スタートアップのFRDジャパン(さいたま市)は20年1月、養殖や加工、流通が環境に配慮して適切に管理されていることを示す国際認証「ASC認証」を取得した。ASCはオランダに本部がある非営利団体で、認証を取るには飼料原料のトレーサビリティー(生産履歴の追跡)や海洋資源への依存度低減が必要だ。約10種類の餌を使い分ける同社は魚粉比率を減らした。

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FRDジャパンは魚粉比率を減らした餌を使うなど環境配慮に努めている

十河哲朗最高執行責任者(COO)は「持続可能な養殖場で育った魚を買うことが豊かな食と環境を残すことにつながる」と語る。実際、イオンやイトーヨーカ堂など小売り大手が認証を取った事業者の魚を積極的に取り扱い始めた。

餌の与え方と原料に向き合って切磋琢磨(せっさたくま)することが、養殖の世界を量的にも質的にも次のステージに引き上げる。

(企業報道部 古沢健)


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ウナギの仔魚は透き通っていて柳の葉のように見える

8月2日は土用の丑(うし)の日。ウナギが恋しくなる季節となった。数ある養殖魚のなかでも、日本の食文化を象徴するウナギは実は約99%が養殖物だ。ところが、養殖に必要な稚魚が減っており、満足に食べられなくなる日が来てもおかしくない。解決の切り札として、卵のふ化から人が手がける「完全養殖」の実用化に近畿大学水産研究所が乗り出した。日本の養殖技術をけん引してきた同研究所は専門家を招いて難関に挑む。

紀伊半島のほぼ南端、和歌山県那智勝浦町に近大水産研浦神実験場がある。飼育室に円筒形の水槽(縦約75センチメートル、横約25センチメートル)が4つ並ぶ。

目をこらすと透明で長細いニホンウナギの仔魚(しぎょ)が見える。仔魚は、稚魚の「シラスウナギ」になる前段階を指す。人工的にふ化させたもので、柳の葉のような形だ。体長は最大35ミリメートルほどで、数百匹が泳ぐ。田中秀樹教授は「早いもので11月ごろシラスウナギになる」と説明する。

土用の丑の日などに親しまれるウナギの養殖は岐路に立つ。天然のニホンウナギは5~15年ほど日本の河川や河口域で暮らして海へ下り、約2千キロメートル南方のマリアナ諸島の西側海域で産卵。ふ化した仔魚が海流に運ばれて稚魚のシラスウナギとなり、日本列島などにやってくる。

従来の養殖は5センチメートルほどのシラスウナギが海から川に上がろうと河口付近に集まったところを網で捕まえ養殖池で育てる。早ければ半年ほどで50センチメートル前後の成魚になる。今、養殖の要のシラスウナギの漁獲が安定せず不漁が目立つ。乱獲や環境変化が原因とされる。今年は豊漁といわれるが、最盛期の約半世紀前の10分の1ほどにすぎない。

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卵から成魚まで、完全養殖で窮地を救う

窮地を救う技術と目されるのが完全養殖だ。卵を人工的にふ化させて成魚に育て、生まれた卵をまたふ化させて2代目を育む。天然の稚魚に頼らない人工飼育の循環だ。

近大水産研には苦い経験がある。1980~90年代に採卵とふ化に成功したが、餌を食べず中断していた。その後、国立研究開発法人の水産研究・教育機構が2010年に完全養殖に成功した。近大水産研はそこで開発され、公表済みの技術をもとに研究を再開した。

近大で研究を率いる田中教授は機構出身だ。約30年ウナギを研究し、完全養殖の成功に貢献。定年退職して18年に近大に移った。田中教授は「完全養殖はまだ実験室段階の技術」と強調する。機構を含め実用的な低コストで量産するめどは立っていない。「養殖に強い近大の知見も応用し、完全養殖を実用段階にする」ことがミッションだ。

ウナギはいちから育てるのが難しい。仔魚を得る受精卵を生み出し、仔魚からシラスウナギにするのが至難の業だ。機構での成功体験を再現するだけでも「簡単ではなく、うまくいく時といかない時がある」。仔魚の生態は謎が多いうえ、飼育法が他の魚と違って特殊だけに設備や技術の再現が容易ではないのだ。

まず手間がかかる。飼育環境下ではほとんどオスになってしまうため、採卵する母親候補にホルモン入りの特別な餌を与えメスにする。自然に起きない成熟を促すことも必要で、ホルモンを投与をして卵と精子を得る。

人工授精で無事にふ化した仔魚もシラスウナギまで育つのは最大でも5%ほどだ。ネックは餌で、仔魚はほかの魚が口にする生きたプランクトンなどを食べない。

課題の餌、新たに開発

田中教授は機構時代、ウナギがなかなか餌を食べないことに悩んだ。成分や大きさを何度も変え、サメの卵などを使う餌を食べると突き止めた。ただサメの卵は成分や品質の変動が大きく、安定調達にも不安がある。近大ではサメの卵を使わず、酵素で処理して消化しやすい魚粉を含んだ餌を使う。新たな餌も開発していく。

生育環境への目配りもカギを握る。水温は低いと成長が遅れ、高いと細菌が繁殖しやすいため、セ氏25度を保つ加温や冷却が必要だ。

シラスウナギになってからも道のりは長い。かば焼き可能な成魚に育つのに実験室では早くて約1年、卵を産む循環を回すにはさらに時間を要する。25年ごろ完全養殖にめどをつけ、試験提供にこぎつけたい考え。

実は今育てる仔魚は田中教授にとって近大では2度目の挑戦だ。初回の19年は最も長生きしたもので飼育期間は149日(最大37ミリメートル)で、そこで全滅してしまった。今回は成長差は大きいものの最も長いもので約100日を迎えた。田中教授は「まず完全養殖を再現する。それからよりよい餌の開発などで近大の知見を生かす」という。

近大の知見を生かす

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近大水産研でウナギの仔魚(しぎょ)を育てる水槽と田中教授(和歌山県那智勝浦町)

「海を耕す」との理念で1948年に誕生した近大水産研はブリなど18魚種で養殖のもとの種苗生産に世界で初めて成功した。2002年に成功したクロマグロの完全養殖も世界初の快挙だ。

田中教授はこうした実績に期待する。近大が持つ養殖用飼料会社との太いパイプも生かせそうだ。とはいえ、他の魚と性質が大きく異なるウナギの完全養殖は、論文やデータベースをあたればたちどころに解決するような生易しいものではない。「むしろ文字や数字に表れない研究者の知見にヒントが隠されている」と考え、密なコミュニケーションを進めていく。

ニホンウナギは絶滅危惧種でもあり、近大以外でも量産の研究が進む。田中教授の古巣の機構は量産に必要な餌や飼育システムの確立をめざす。東洋水産グループのいらご研究所(愛知県田原市)も研究を進めている。

シラスウナギの減少には台湾や中国などアジアの国・地域も悩んでいる。食文化を守るためにも、完全養殖をはじめとする技術が果たす役割は大きい。

(企業報道部 大林広樹)

人手不足に悩む水産業に助っ人 AI・DXで「漁夫に利」



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漁獲量の減少や人手不足に悩む水産業に、強力な助っ人が現れた。人工知能(AI)が魚の種類や品質を自動で仕分けたり、気象衛星でも観測できない海水温のデータを「見える化」したり、デジタル技術が水産業の現場の生産性改善を後押しする。熟練の勘をデジタル化し、漁獲から仕入れまで安定した魚の供給と保全につなげる。水産のデジタルトランスフォーメーション(DX)の現場を追った。

宮城県気仙沼市の魚市場。海の漁師たちの活気とは対照的に、アーム型のロボットが黙々とベルトコンベヤー上に流れる魚を素早くつかみ、魚の種類別にトレーへ仕分けていた。東北大や民間企業の研究グループが2019年4月から始めたAIによる自動仕分けシステムの実証実験だ。22年3月までに漁港や市場での実用化を目指す。

カメラが頭の向きやサイズの異なる魚を撮影すると、画像を読み取ったAIが1尾あたり約0.1秒で魚種や大きさ、脂の乗りを判別する。その後、ロボットが判別結果を基に種類ごとに分けた箱に選別する。市場に運ばれた魚は、鮮度を維持するために魚種別に作業員を配置し、素早く分別する必要がある。AIやロボットで作業を自動化すれば、人手不足を解消し、作業負担を減らせる。

「将来的にAIによる判別結果を流通のデジタルデータ化に生かしたい」。プロジェクトに携わる東北大大学院工学研究科の鹿野満特任教授はこう話す。魚種や数量のほか、水揚げ日時や場所を一元化し、すし店や居酒屋などの買い手が閲覧できる仕組みを作る。魚の流通は仲買人の流通網に頼るのが現状で、漁業者も不特定多数の買い手と直接取引できるようになれば販路拡大につながる。「流通が少ない魚が広がるきっかけにもなり、漁業者の収益向上や資源の有効活用に貢献したい」(鹿野氏)と話す。

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スマートフォンを使って、水揚げした魚の品質判断ができる技術も導入が進む。電通などは、仕入れ時にマグロの品質を自動で判定するAIソフトを開発した。「TSUNA SCOPE(ツナスコープ)」というスマホアプリで、スマホのカメラでマグロの尾の断面を撮影すれば、AIが『おいしいマグロ』を瞬時に判別する。

マグロは魚体ごとに鮮度や味が異なり、通常はベテランの目利き職人が尾の断面を見て、脂や身の収縮具合、赤身の色や艶から品質を判定する。AIは職人が目利きした結果と大量のマグロの尾の断面画像を蓄積する。品質は「A(最上級)」「B(上級)」「M(並品)」の3段階など使い手によるカスタマイズが可能で、9割の確率で正確に見分ける。中国・大連や静岡県焼津市などの水産加工場が導入した。

ツナスコープは、職人の後継者不足という課題を解決する可能性がある。通常、目利き技術を培うためには、20年ほどの長い歳月がかかる。ツナスコープのプロジェクトリーダーを務めた電通の志村和広氏は「日本が育ててきた目利き技術を残すため、AIで職人の技術を保存・継承していきたい」と意気込む。

漁獲量は減少傾向、収益改善に向け生産性向上が喫緊の課題

国連の持続可能な開発目標(SDGs)の1つに「海の豊かさを守ろう」という目標がある。海洋資源を守りつつ、持続可能な形で利用することは、世界が達成すべき目標だ。農林水産省によると、19年の漁業・養殖業の国内生産量は前年比6%減の416万トンと減少傾向が続く。農水省は水産資源の維持と回復のため、サンマやクロマグロなど計8魚種で漁獲量を制限。今後、新たに15魚種の追加も検討する。

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漁師は漁獲量を制限された環境下で、燃料代などのコストを下げて利益を出す必要がある。京都大発ベンチャー、オーシャンアイズ(京都市)は、潮の流れや海水温のデータを推定する技術を開発し、漁師の抱える悩みの解決を試みる。

多くの漁師は船上で、長年の経験や熟練の勘をもとに魚をとる漁場を決める。その際、潮の流れや海水温は重要な判断材料となる。しかし、衛星データの更新頻度が少なかったり、雲で隠れた部分の情報は取得できなかったりと最新の情報に頼れないのが現状だ。

オーシャンアイズが開発した「漁業ナビ」は、AIなどが気象衛星のデータを基に海の表面温度や潮流の向き、強さを推定する。漁業ナビの情報を基に、魚を捕りやすい領域や網入れのタイミング決めに生かす。漁師は燃油代などのコストを抑え、収益を上げられる。

気象衛星「ひまわり」が24時間365日観測するデータをAIで蓄積し、雲で隠れて観測できないエリアを補完する。温度を色で表した海水温図も作れる。さらにスーパーコンピューターを用いて、潮の流れを矢印で示した潮流図を作製し、1時間毎に最新のデータを提供する。海底までの水温のほか、最大2週間先の海況も約2キロメートル四方の解像度で予測し、将来の海況も予想できる。

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モニター上の海水温のデータは1時間ごとに更新され、漁師が漁場を決める判断材料となる

同社の笠原秀一取締役は、「魚がどこにいるのかという手掛かりが増えれば、効率的に漁ができる」という。22年3月までに海外展開や遠洋漁業船への導入を視野に地球全体のカバーを目指しており、「収益の不安定さに悩む漁業者を支援しつつ、海の豊かさの維持に貢献したい」と話す。

AIで養殖魚の尾数を計測

養殖魚の生産現場でも人手不足や高齢化が進んでいる。マルハニチロやTokyo Artisan Intelligence(トウキョウ アーチザン インテリジェンス、横浜市)は20年4月から、AIでブリやカンパチの養殖魚の尾数を管理するシステムの運用を始めた。これまでは健康状態のチェックやいけすを移し替える際、カンパチとブリをあわせて年間1000万尾のカウント作業が生じていた。

カメラで1秒間に数十枚の画像を撮影し、魚の特徴を学習したAIが動きの激しい魚の尾数を計測する。従業員の体力的な負担を軽減できるほか、計測作業をしていた2~3人分の労力を減らし、いけすの修繕などの他の作業に充てられ、生産性を高められた。

養殖業の場合、エサ代はコストの5~6割を占める。養殖中の魚の数を正確に把握すれば、余分なエサを与えることを防げる。今後は、ブリやカンパチの稚魚や他の魚種にも対応していく。

農林水産省によると、漁業の就業者数は10年に20万2880人だったが、19年には14万4740人と10年近くで3割減少した。現場の高齢化も進んでいる。漁夫の「利」となるDXは、水産業の足腰の強さを維持する切り札となる。

(大阪経済部 丸山景子)

【第3部 Coolに冷やす】


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冷凍パンでも出来たての風味を再現できる

日本で冷凍事業が始まって100年。進化を続ける冷凍・冷蔵技術が新たなビジネスを生み出している。冷凍しておいしさを保ったまま食品を届けるサービスや、食材を効率よく凍結させる機械など新たな製品も登場する。2020年の国内の冷凍食品市場は過去最大を更新する見込み。食品ロス問題の解決を後押しする「Coolテック」が熱を帯びてきた。

「冷凍パンはじめました」。東京さくらトラム(都電荒川線)の梶原駅を降りて商店街を3分ほど歩くと、冷凍パン専門店「パンフォーユー カジワラ」が見えてくる。空き店舗を改装した小さなパン店の店頭には、北海道から沖縄県まで地方のパン店から取り寄せた20種類のパンが並ぶ。

ただ、店内に入ってもパンの焼ける香ばしい香りは一切しない。パンは一つ一つ袋詰めされ、冷凍された状態で保管されている。食パンやあんパン、カレーパンにバゲットなど品ぞろえは様々だ。

店舗を運営するのはスタートアップのパンフォーユー(群馬県桐生市)だ。自宅に毎回違った店の数種類のパンを郵送する定額サービス「パンスク」も手がける。

冷凍してもパン本来の芳醇な香り

記者も自然解凍したクロワッサンを食べてみると、外側はサクサク、中はふわふわで、ベーグルも袋を開けた瞬間、パンやごまの香ばしい香りが漂ってきた。

食感と香りの秘密は包装材にあった。袋は包装資材メーカーと共同で開発。密閉性が高く、酸化の原因となる酸素の透過を抑え、中にあるパンの水分は逃がさない。

一般にパンを冷凍すると、パンに含まれる水分が失われ、パン本来のモチモチとした食感を損ね、パサパサとした食感になってしまう。パン本来の芳醇(ほうじゅん)な香りは時間とともに消えて、パンの風味も落ちるという。パンフォーユーは独自の包装材で、水分やパンの芳醇な香り成分だけを閉じ込める。

冷凍のタイミングにも工夫がある。パン店には袋と冷凍方法を教えるビデオを配布。パンを焼き上げて店頭に並べる一番おいしいタイミングで袋に入れて冷凍する。ビデオでは「袋を閉じるときに空気を抜き過ぎないようにして、パンの香りも追い出さない」などの注意点も細かく指南する。一般の冷凍庫で問題なく冷凍できるという。

パンフォーユーが指南する方法で保存すれば、焼いてから30日後の冷凍パンが、常温で1日置いたパンよりモチモチとした食感で、水分量も多いという調査結果もある。

パンを提供する地方のパン店側の評判も上々だ。「ブーランジェリーサイ」(群馬県高崎市)の店主の斉藤貴規さん(41)は「全国のパン好きに届けることができて、商圏も広がった。安定収入につながるのが1番のメリット」と話す。

パンフォーユーの矢野健太社長は「冷凍パンを宅配するビジネスは海外でもほとんどない」と話す。同様のビジネスを海外展開してほしいというオファーもあり、世界に羽ばたく可能性も秘める。

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コロナ禍の外出自粛、Coolテックで食を豊かに

コロナ禍で外出自粛や在宅勤務が広がるなか、Coolテックは食の豊かさを家庭にもたらす技術としても注目される。

「冷凍とは思えないおいしさ」、「本当に冷凍ですか?」。健康食配達サービスのファンデリーの公式ツイッターには驚きのメッセージが数多く寄せられる。一般の消費者向けに総菜や弁当を宅配する「旬をすぐに」を7月に始めた。

ほぼ全ての食材で国産にこだわり、食材の旬に合わせて毎日メニューをつくる。「宅配食は参入も多いが、旬のおいしさを届けて差別化したい」(同社)という。そのおいしさを支えるのが「イータマックス冷凍システム」と呼ぶ冷凍技術だ。

同システムを使えば、冷媒を蒸発させる蒸発器と空気の温度差を小さくして運用でき、蒸発器に霜が付くのを防げる。霜が付かないため、冷却の効率が上がり、セ氏マイナス70度の低温状態で食材を一気に冷凍できる。

サービス開始に合わせ、69億円を投じて埼玉県本庄市に初の自社工場を1月に竣工し、同システムを用いた最新の冷凍設備も導入した。

冷凍する際、水の分子が集まった氷の結晶が表面で膨張して食材の細胞組織を破壊してしまう。解凍した場合にこうした水分が「ドリップ」として溶け出し、味や香りを損なう。氷の結晶が大きくなる前に急速冷凍すれば、おいしさを保ったまま出荷できるという。同社は「スイーツなどメニューを増やし認知度を向上したい」と意気込む。

冷食市場の拡大、技術進化を促す

冷食の国内消費量は2019年に295万トンと過去最高を記録した。新型コロナウイルスによる影響で中食需要も高まり、20年には300万トンの突破も視野に入る。冷凍技術の進化が市場拡大を加速させている。

10月に開かれた展示会「冷食JAPAN」でひときわ人だかりができたブースがあった。ラベル用の粘着材料大手のリンテックだ。展示していたのは5月に発売したラベル素材「CHILL AT」。低温環境下でもラベルを貼り付けられる。

展示では氷水で冷やされたペットボトルを使ってCHILL ATの特徴を実演して説明した。シールはボトルについた結露をものともせず、しっかりとボトルにくっついた。一方、通常の粘着剤を使ったシールを貼り付けようとすると少し手でこするだけで、シールがはがれてしまった。

一般の粘着剤は低温下では硬くなってしまう。そのため、ボトルに付いた水分が邪魔をして粘着剤がボトルに届かず、すぐはがれてしまう。

そこでCHILL ATは米国子会社が開発した特殊な成分を配合した粘着剤を採用。低温下でも柔軟性を失わないため、粘着剤が対象物に付着した水分同士の隙間に入り込むことができ、水分があってもしっかりとラベルを貼れる。

マイナス5度でも冷凍食品などの製品パッケージに貼れて、マイナス80度の環境下でもはがれないという。「コロナ禍で冷食需要が拡大しており、冷食のラベルのニーズも高まる」(山本貴司市場開発室長)とみる。

冷凍技術の進歩は食品のおいしさを保つだけでなく、物流や食品ロスの削減などにも一役買う。国内の食品ロス量は612万トン(2017年度推計)で、そのうち、328万トンが食品関連の事業者から排出されたと見込まれる。新しいラベル素材のように、無駄を減らす技術開発が一段と求められる。

(企業報道部 逸見純也、古沢健)


  
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セ氏マイナス30~35度に冷やす特殊冷凍で鮮度を封じ込める。

冷凍技術は新型コロナウイルス禍で売り先を失ったり、自然災害で傷ついたりした青果物の救世主としても存在感を示している。特殊冷凍事業のデイブレイク(東京・品川)は冷凍果物の配達サービスを手がけるかたわら、地方企業への技術提供を始めた。捨てられるはずだった果物を長持ちさせる技術は、地域活性化と食品ロスの削減に貢献し、新たなビジネスのタネにもなっている。

リンゴ、ナシ、イチゴ、ブドウ――。長野県南部の豊丘村にある冷凍カットフルーツ加工場。白い作業着姿の担当者が包丁でへたや傷などを取り除いてカットしている。そばには2台の急速冷凍機が並ぶ。四方から冷気が吹き出し、セ氏マイナス30~35度に冷やす。

冷凍直後のイチゴは真っ赤な表面にうっすらと白い結晶がたくさんできているのがわかる。包装して冷凍庫で貯蔵する。

冷凍技術で「地域おこし」

果物は冷凍保存すると、風味や食感、色味が損なわれやすいが、ここでは3年以上保つことができる。解凍後もおいしく食べられ、凍結状態でもサクサクの食感だ。

10月に本格稼働したばかりの加工場を運営する南信州クリエイション(同村)は4月に立ち上がった新興企業だ。「地域おこし協力隊」として来村した前田隆幸氏が定住のために起業し、社長を務めている。はじめから高品質品をつくれるのは、デイブレイクが支援しているからだ。

適した冷凍機の選定を手伝い、冷凍ノウハウを惜しみなく提供した。完成した冷凍果物の販売も支え、デイブレイクの電子商取引(EC)サイトで今後扱う。

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高品質を3年以上保つ冷凍ノウハウと急速冷凍機(後ろ)を加工場に提供し、販売も支援(長野県豊丘村)

デイブレイクは特殊冷凍機の専門商社として、機械の販売と導入支援を手がけてきた。機械はメーカーの市販品だ。デイブレイクの強みは、冷凍機の性能を最大限に引き出しながら、高い品質を実現させる独自の「使いこなし術」にある。同じ冷凍機でも使い方で味に差が出るのだ。

勝負は冷凍の前から始まっている。果物が熟れた状態で適切な大きさに素早くカットする。木下昌之社長は「最もおいしい状態で『タイムカプセル』にのせるためだ」と表現する。

マイナス35度にもなる急速冷凍は時間の設定や並べ方がカギとなる。果物により水分量などが異なり、固まるのにかかる時間は少しずつ違う。一度に入れすぎると温度が十分下がらず、中心部までしっかり固まらない。冷凍保管庫でも温度管理と包装の仕方がまずいと色や食味が劣化する。

詳細は門外不出ながら、一連の工程のなかで劣化を防ぎ、おいしくするための条件を同社は知り尽くしている。それゆえ、変色を防ぐ褐変防止剤などの添加物は使わない。「食材ごとの細かい品質維持ノウハウは機械メーカーも持っていない」(木下社長)

この技術を地域産品の価値向上に生かす場が加工場だ。「捨てられる無駄を価値に変える循環型経済をつくり、雇用を創出したい」と木下社長。総勢7人が働く南信州クリエイションの前田社長は「指導のおかげで質の高い商品が作れる。地域のイメージアップにつなげたい」と意気込む。

木下社長は実家が冷凍機の設置や整備を手がけていたことから、冷凍に思い入れがあった。2013年にデイブレイクを創業する前、タイの露店で食べた果物のおいしさに感動し、日本でもこのままの鮮度で味わえないものかと思案した。

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デイブレイクの木下社長(中央)はさまざまな食材で冷凍データの収集を進める

食品ロス解決にも一役

一方、果物が大量に捨てられている実態にも心を痛めた。様々な食材で冷凍や解凍の実験を重ねてデータを取り、ノウハウを積み上げていった。

19年春に規格外や傷ついた果物を冷凍加工して届けるサービス「HenoHeno(ヘノヘノ)」を始めた。原料は全国50超の生産者から買い取り、都内で加工してきた。だが物流費がかさみ、時間も要するので輸送中に傷むリスクがあった。

生産者のそばに加工場を設ければ、コストを抑えて質の高い完成品を量産できる。地方企業と連携して3年で50カ所に増やす目標を掲げる。機械や技術を地域と共有する「シェアリングファクトリー」と位置づける。

ヘノヘノは企業向けで累計200件に達した契約先で在宅勤務が広がった影響で、解約も出ている。その半面、一般向けはネット販売が巣ごもり需要で好調だ。コロナの余波で売り上げが減った観光農園などのイチゴやサクランボを積極的に冷凍加工したところ、「食べるだけで社会貢献になる」と人気を集めた。

ヘノヘノに続いて始めたスムージー原料を含めて、カフェなど業務用の引き合いも多い。加工場網は安定供給に役立つ。

冷凍技術を果物向けにとどめるつもりはない。解凍の方法に至るまでさらなる研究を進め、野菜や肉、魚といった幅広い生鮮品を売りたい生産者と、高品質で長期保存できる冷凍品がほしい事業者を結びつけて技術で支援していく考え。「あの時、あの場所で、あの人と食べた味が忘れられない」。木下社長はこんな体験を増やすために走り続ける。

(企業報道部 大林広樹)


急冷・小型化、コロナ禍で急増の冷食 新技術に磨き
    

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FOOD展2020には3日間で2万8000人の来場者がつめかけた

新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛や在宅勤務が増えるなか、脚光を浴びる冷凍食品。保存ができて手軽に調理できることから需要は右肩上がりで増え続けている。冷凍機器や冷凍庫メーカーもこの商機を逃すまいと冷凍技術を磨き、勝負をかけている。

10月上旬、新型コロナ禍にもかかわらず、東京ビッグサイト(東京・江東)には3日間で延べ2万8000人の来場者がつめかけた。食にまつわる展示会「FOOD展2020」で、特に注目されたのが、初めて開かれた「冷食JAPAN2020」だった。

入場ゲートをくぐると、ひときわ目を引いたのが冷凍機メーカー、タカハシガリレイが展示した急速冷凍機器の「超小型L字形フリーザー」だった。

冷凍食品を大量に生産するため、食品メーカーはトンネル状の冷凍装置を使った「トンネルフリーザー」を使うことが多い。タカハシガリレイはトンネルフリーザーの業界最大手で、その登録商標を持つ。

トンネルフリーザーを小型に

食品をベルトコンベヤーで運びながら、機械の内部でセ氏マイナス35度の冷風を吹き付けて急速冷凍する。大量生産が可能な一方、コンベヤーで運びながら冷却するという構造のため、広いスペースも必要だった。

そこで同社は機器内部で食品に吹き付ける冷風の強さを秒速5~6メートルから秒速18メートルまで引き上げ、さらにコンベヤーの上下のノズルから風が吹き出し、2方向から冷やすように設計を工夫した。

強い冷風で食品の表面の温度層を壊しながら急速冷凍する。その結果、通常の2倍の早さで冷やせるようになり、これまで最も小さかった製品よりもさらに設置面積が半分のサイズまで小型化に成功した。山森悠示主任は「今あるスペースを使って冷食を作りたいという需要は大きい」と話す。冷食の需要が高まり、これまで冷蔵の商品を作っていた企業が新事業として導入を検討する事例が増えているという。

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タカハシガリレイはトンネルフリーザーを従来製品の2分の1まで小型化した

三菱重工冷熱も小型化ニーズに応えた自然冷媒冷却設備を展示した。環境負荷の低い二酸化炭素(CO2)やアンモニアを冷媒に使用。見た目はまるで小さな物置のようだ。設置面積は従来品より31%減、重量も27%減の3トンまで減らした。荷物搬入用のエレベーターを使って運べるという。

日本や欧州では2016年に改正されたモントリオール議定書を受け、冷蔵・冷凍倉庫や凍結設備に使われてきた冷媒をR-22冷媒(フロン)から環境負荷の低い自然冷媒への切り替えが進んでいる。「今後、中小規模の倉庫の更新需要に備えて提案していきたい」(同社)と意気込む。

産業用冷凍機大手の前川製作所は冷蔵帯専用の冷却装置を売り込む。構造はトンネルフリーザーと同じく、コンベヤーで食品を運びながら冷風を吹きかけて冷やす。新製品はコンピューターによる気流解析(CFD)を繰り返し、送風ファンなどの配置を改善した。上部から吹く冷風が均一に行き渡るように工夫した。

従来は送風ファンやクーラーの位置によって冷却にムラが発生することもあった。食品を冷やす場合、規定の温度以下まで冷やすため、冷却ムラによって冷蔵帯の食品でも冷やしすぎて凍結してしまう恐れもあった。

「食品は素早く冷やさなければ、菌が繁殖して味も落ちてしまう」(同社)と話す。ムラなく冷やすことで食品のおいしさを保ったまま出荷できる。コンビニエンスストア向けに弁当や総菜を供給する食品メーカーの需要を見込んでいるという。

Coolテック、iPS細胞の研究にも応用

大手のメーカーが冷凍技術を競う一方、独自の技術で存在感を高めるメーカーもある。

「急速冷凍を競う時代はもう終わった」。冷凍・凍結装置製造のアビー(千葉県流山市)の大和田哲男社長はこう話す。アビーの武器は大和田社長が発明した「セル・アライブ・システム(CAS)」という冷凍システムだ。

CASエンジンと呼ぶ装置を冷凍機に取り付け、凍結機のなかに磁界を発生させる。すると微弱な電流が素材に含まれる水の分子を振動させ、氷の成長を抑え、その後瞬時に冷凍させることによって細胞を壊さずに凍らせることができる。解凍後に水分がドリップとして流れ出てうまみを損なうこともない。

実際にCASを使って凍らせた数年前の生しらすを記者が試食してみた。新鮮な生しらすとほとんど味も変わらず、見た目も水分が溶け出している様子はなかった。

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アビーのCASを使えば鮮度を大幅に保ったまま冷凍できる

魚や肉のほか、調理済みの食品や野菜、果物でも同様に凍らせることができる。既存の冷凍機に装置を取り付けるだけなのでコストも抑えられる。海外や飲食店の引き合いが絶えないという。

アビーの技術力は医療分野でも応用されている。京都大学の山中伸弥教授が所長を務める京都大学iPS細胞研究所(京都市)。iPS細胞研究の最先端でCASが活用されている。山中教授とiPS細胞の研究を進める長船健二教授と連携し、研究所にCASを使った冷凍庫を4台導入する。

CASエンジンを取り付けた冷凍庫ならば、iPS細胞を使った組織を超低温ではない温度でも細胞を壊さず保存できる。今後数年間で保存に最適な温度帯や解凍装置などの研究を進める方針だ。冷凍・冷蔵技術の先進国ともいえる日本。分野や国をまたぎ、Coolに冷やす技術が世界を席巻する日が近いうちに訪れるかもしれない。

(企業報道部 逸見純也)

養殖しやすいサーモンは、人口増に伴う食糧危機に対抗する切り札の一つになる、と食品業界ではかねて評されでいる。畜産は飼料として膨大な穀物を使い、家畜が排出するメタンガスは地球温暖化の原因となる。その点、魚類は環境負荷が小さく、人工肉や培養肉の技術と並んで期待が大きい。

 しかし、海での養殖は世界的に適地が不足している。年間を適して低水温で、波が穏やかな深い入り江というのがサーモン養殖の条件だが、それを満たすのはノルウェーとチリのフィヨルドくらいしかない。そして、両国の養殖適地はすでに利用し尽くされている。おまけにノルウェーとチリは大消費地のアジアから遠く、輸送コストが大きい。

 そこで期待されるのが、陸上でサーモンの陸上養殖施設だが、現在国内に続々と工場が建設されている。引用記事のFRDジャパンを遥かに上回る大規模のア′トランティツクサーモンの陸上養殖システムをソウルオブジャパン社が建設し始めた。


シンガポールに設立された世界的養殖企業の日本法人ソウルオブジャパン(東京・渋谷)が三重県津市で建屋の面積は6万7000㎡と、東京ドームの1.5倍の広さの施設を建設している。完成は2023年の予定。円筒状の水槽を36基設置し、その容積は8万~10万m3に達する。水道水からつくった人工海水をバクテリアでろ過しながら循環させ、アトランティツクサーモンを育てる。商業スケールでの陸上養殖システムではアジア最大級で、完成すれば年間1万トンのサーモンを供給する一大拠点となる。

元々は2018年、ポーランドで、陸上養殖に初めて成功した。現在、日本と米国、フランスの3カ国で養殖施設のプロジェクトが動いている。日本が建設で先行しており、2019年には伊藤忠商事と日本国内の販売が本格化する。

陸上養殖施設は消費地に近く、国内生産した新鮮な商品は、刺身としてこれまでのサーモンの概念を覆すらしく、温暖化による漁獲量の減少が、逆に食の質が向上する怪我の功名となる好例だ。

人口肉の現状

主要な穀物は当面、需給のバランスを保つとみられる。ただ、その多くを飼料用が占める。人口増で不足するタンパク質を増産しようとすれば主たるカロリー源である穀物の食用分を減らしてしまう。

欧州の一部ではコオロギとか昆虫を食用にし未来のタンパク質源という動きがあるが、我々日本人には勘弁してほしい。

日本では古くから精進料理など大豆など高タンパクの農作物を使った疑似的な肉を生産してきた。近年豆腐によるタンパク質補給等、植物由来のタンパク質すら使わない代替肉が登場している。


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更に技術は進化し、オランダのマーストリヒト大学で医学・生理学の教授を務めるマーク・ポスト博士が、2013年世界で初めて細胞培養した肉の開発に成功した。

ポスト博士は2016年に共同創業者としてモサ・ミートを設立し、22年には培養肉を製品化する計画を練っているが、モサ・ミートがつくるのはミンチ肉だ。だが、日清食品はステーキ肉の人工培養に取り組んでいる。



日清が牛の細胞から培養するのは高級和牛のステーキ肉。2017年から東京大学の竹内昌治教授と共同で手掛け、既に1cm四方の培養肉の開発に成功している。日清食品では「25年3月までには7cm四方で厚さ2cmのステーキ肉の生産を目指す」とのことだ。

日本の食肉の売上高の大半をブロック肉が占めており筋組織の塊を肥育できれば将来、流通の幅が一気に広がる、と日清HDはみている。

培養ステーキ肉は牛から採取した細胞を培養して増やす。そして、増えた細胞を鋳型のようなシャーレに置いて、筋肉のもととなる厚さ2mmのフイルムのような薄い筋芽細胞モジュールをつくる。これを培養液の中で積層し、筋線経に近い肉の塊にしていく。

筋細胞が一方向に並んだ「配向筋組織」を形成すると、かみ応えのある培養ステーキ肉が完成するという。現時点では1cm四方の培養肉をつくるのに1週間が必要だが、将来はクリーンルームで自動生産できるようにする予定だ。

現在イズの大型化を進めると同時に、味も課題となる。より本物に近づけるため、脂肪や血液成分などをどのように加えるかの研究も進んでいる。

野菜工場
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建屋の中で原材科をつくる先例となっているのが、LEDを使って野菜を育てる植物工場。日本では1970年代から研究となってはいたが、今のととろ建屋や設備の投資がかさみ、採算に乗りにくい。2019年度の国内市場は84億円と、わずかな規模にとどまっていた。


それがここにきて広く定着する兆しが見えてきた。1kg当たりの取引価格は800~1000円と露地栽培の3倍ほどのコストがかかるが、安定供給が確保されているうえ、異物が混入していないので食品加工に使うと検査の手問が省けるコンビニのサンドイッチ用野菜の供給源として定着しはじめた。

建屋をつくる工場ほど大げさな仕掛けではないが、個人農家規模で導入できるテクノロジーで農作物の生産力を引き上げるスマート農業と呼ばれる分野で、日本の大手企業が次々に参入してきている。温室ハウスに機器を張り巡らして収量や品質を高める。各社は日本が得意とする工業用制御の技術を農業生産に生かそうとしている。



オムロンは中国江蘇省の無錫市で、果物や野菜などを生産する実証実験を続けている。日照量、温湿度、二酸化炭素(CO2)量を自動で計測。ハウスの窓の開閉や太陽光の遮断、かん水、CO2の管理をし、農作物の潜在力を最大限に引き出す。「糖度を高める栽培も可能」という。


プラント建設のJFEエンジニアリングは14年から北海道苫小牧市などに生産工場を構え、トマトなどの作物を育成してきた。

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JFEエンジは、ロシア・モスクワ近郊で人気の日本生まれのイチゴを生産する大規模工場の建設プロジェクトも手掛けている。

今後は、中東などでも日本製植物工場プラント進出がを本格化する予定だ。温室の水耕栽培は水を循環させるため、「基本的に少量の水でつくることができる」。乾燥地帯ににこそ植物工場は向いている。

自動車部品大手のデンソーも浅井農園(津市)と共同でハウス農場を運営している。

デンソーが開発した自動収穫ロボット「RARO(ファロ)」は、車るで生き物のように動く。搭載カメラで赤く成熟したトマトの房だけを選別しロボットアームに取り付けたハサミで器用に摘み取る。


露地栽培は天候に左右されるのみならず、次第に土地が痩せていく。食糧安全保障の観点から考えれば、世界の農業は屋内型の施設栽培に移行せざるを得ない。

日本は、培養肉で日清食品HDのようなフロントランナーが存在し、食品バイオテクノロジーのスタートアップも次々に生まれている。

食料を生み出すフードテック、アグリテックは日本だけではなく世界の潮流でもある。
欧米では食と農林水産業に対する投資が盛り上がり、米IT大手も注目している。

 例えば米GV(旧グーグル・ベンチャーズ)は、北米で農家向け電子商取引(EC)サイトを展開するファーマーズ・ビジネス・ネットワークに出資しでいる。アマゾン・ドットコムは食品スーパーのアマゾン・フレッシュを通じて食品の知見を積み上げている。

 前述したモサ・ミートのマーク・ポスト博士が13年に培養肉でハンバーガーを試作した際の資金はグーグルの共同創業者セルゲイ・プリン氏が提供した。“新しい肉”を研究するスタートアップには、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏も資金を投じる。言うまでもなく彼らの目利きは厳しい。着目するのは、商品やサービスが世の中の課題の解決につながるかどうかだ。
 
こうした食ビジネスに期待するマネーを受け、米国で注目すべきネタートアップが次々に誕生している。例えば世界で初めてクロマグロの細胞培養に成功した米シリコンバレーのフィンレス・フーズ。23年ごろに培養マグロ肉による刺し身の提供を目指す、サーモンの細胞培養も計画しているという。

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日経ビジネス 2020.11.23 食料危機という勝機 P47

商業ベースに乗せるフードテックの国際競争は、数年後には激しくなるとみられている。

フードテックは観光に代わる日本の再成長産業の核とすべきだ!

環境問題、しいては食糧問題は、人口100億目前の地球にとって非常に大きな問題だ。
中国など多くの国家が利己的な姿勢を強めており、食料のいつどこで広がってもおかしくない。習氏の振る舞いは、食糧の確保が国際関係次第で不安定になりかねないという世界の実情を映している。

日本はグローバルサプライチェーンが進化する恩恵を受けて食卓を豊かにしてきた。農林水産省の発表によれば、2018年度の日本の食料自給率は37%(カロリーベースによる試算)と過去最低を記録した。これをおおまかに解釈すれば、日本で食べられているもののうち、37%が国内で生産されたもので、残りの63%は海外からの輸入に頼っているということになる。

大規模な気候変動が起きなくても、食料の多くを輸入に頼っている日本は、食料問題は常に潜在的安全保障上の脅威となっている。

国際情勢は年を追うごとに不透明になっているのに、食料自給を現状のまま放置していいはずはない。従来の農業や畜産だけでは限界がある。食糧安全保障の観点から、企業が積極的に世界的に競争力がある。

また、世界的に人気が高まる日本食だが、その材料となる日本製食材は高級品として世界的に認知されている。

現在自動者(ガソリン車)生産が日本の主力産業として、2019年-2020年の日本の自動車業界の業界規模(主要対象企業9社の売上高の合計)は65兆7,148億円となっています。多くの雇用と経済を支えている。しかし教条的な二酸化炭素排出ゼロの世界的に誤った潮流により、今後自動車産業は日本を支える屋台骨としていられるかどうか確実ではない。

もし、自動車産業に代わる日本を支える主要産業候補として、新しいフードテック技術(食料生産)やサービスの開発により、世界で年間売上高で700兆円の新産業が生まれる余地がある。食は人口増加によって需要が生まれる確実な感度産業だ。ここにイノベーションを持ち込めば、勝機は得られる。

日本企業の現場は食を生む技術の蓄積が進んでおり、今後の主力事業と位置付ける動きは広がるだろう。食料事業に活路を見いだす取り組みは、一企業のビジネスというだけにとどまらない。それは日本の安全を確保し、懸念が拭えない世界の危機を救うことにもつながる。

2050年日本のフードテック技術が人口100億人に達した人類の未来と地球を救うことになるであろう。




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【BUSINESS INSIDER】Dave Mosher 2021.01.13 10:30

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2010年2月19日、NASAのスペースシャトル「エンデバー」から宇宙飛行士が見た国際宇宙ステーション。NASA

・NASAは、10年以内に国際宇宙ステーション(ISS)を廃棄しようとしている。
NASAとアメリカ議会は、ISSが太平洋に落ちる前に、その代わりになるステーションを軌道上に乗せることを望んでいる。

・元NASA幹部によって設立されたスタートアップ、アクシオム・スペースは、全民間の前哨基地「アクステーション」の建設、打ち上げ、組み立てに取り組んでいる。

・NASAの元宇宙飛行士であり、アクシオム・スペースの事業開発担当バイス・プレジデントでもあるマイケル・ロペス=アレグリアによると、NASAが新しいステーションを利用するための費用は、ISSに毎年支出している35億ドルよりもはるかに少ないという。

・「それは経済的にも理にかなっている」とロペス=アレグリアはBusiness Insiderに語り、NASAは浮いた予算を月、火星、そしてその先の深宇宙探査に使うことができるとした。

国際宇宙ステーション(ISS)はサッカー場ほどの大きさの実験施設で、時速2万7000km以上の速さで地球の周りを回転している。この施設にはこれまで20年にわたって継続的に人間が居住してきたが、今、岐路に立たされている。

スペース(SpaceX)が多くの宇宙飛行士をISSに送り込むようになり、彼らは数多くの新しい科学実験を行い、ISSはついに最大限のポテンシャルを発揮できるようになった。一方で、ISSは老朽化が進んでおり、アメリカ議会は2030年までに宇宙飛行士を退去させ、施設を廃棄することを望んでいる。

政権交代によって退陣する予定のNASA長官、ジム・ブライデンスタイン(Jim Bridenstine)は、民間セクターを活用する代替案を提唱してきた。ISSが軌道を外れて太平洋の「宇宙船の墓場」に落ちる前に、民間企業がモジュールの建設、打ち上げ、テストを行って新たな施設を作るのを支援するというアイディアだ。

ワシントン・ポストによると、ブライデンスタイン長官は2020年初頭に上院の公聴会で、もしNASAが地球低軌道の基地から撤退して、その領域を他国に譲り渡せば、「それは悲劇になる」と語った

だが、急成長中の民間航空宇宙会社アクシオム・スペース(Axiom Space)の計画通りにすべてが進めば、そのような未来を回避し、地球低軌道上におけるアメリカの強力かつ継続的な存在感を示すことができる。その上、NASAは、新たな最先端の施設を利用しながら、年間数十億ドルを節約することができるだろう。

ISSの運用と維持のために「NASAはISSの維持管理に年間35億ドル(約3600億円)の予算を投じている。もちろん、共同で管理している4つの機関も支出している」と、アクシオムの事業開発担当バイス・プレジデントでNASAの元宇宙飛行士でもあるマイケル・ロペス=アレグリア(Michael López-Alegría)は、以前Business Insiderに語った。

「彼らはその予算のいくらかを、アルテミス計画あるいは次の政権が決める計画のもと、深宇宙探査に使いたいと考えている」

この35億ドルのうち、NASAが科学技術開発に投じているのは約5億ドル(約520億円)だけだ。

「例えば、ホテルを所有するのではなく、ホテルの一室を借りれば費用は安くなり、その少ないコストでこれまでと同じメリットを受け続けることができる」とロペス=アレグリアは言う。

「それは経済的にも理にかなっていることだ」

 ISSは廃棄しなくてはならない

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民間初となる宇宙ステーション「アクステーション」の完成予想図。Axiom Space

ISSの最初の部品であるロシアのモジュール「ザーリャ」は1998年に打ち上げられ、その2年後から、乗組員が施設での継続的な居住を開始した。

NASAはこの施設を軌道上で15年間使用する計画だったが、必要であれば30年は維持できると述べていた。さらに、NASAと他国のパートナーは、その期間をあと2年、つまり2030年までは延ばすことができると考えている。だが、ロペス=アレグリアは最終的にはISSを「廃棄すべきだということは間違いない」と言う。

「自然に朽ちていくに任せるわけにはいかない。もし制御できない状態になった場合、何かに損害を与える可能性が非常に高いからだ。我々は宇宙ステーション『ミール』でその恐怖を味わった。ISSはこれまで運がよかっただけだ」と彼は言う。

「ISSはミールよりもはるかに大きく、廃棄する際に大きな破片が地上にまで到達するかもしれない。慎重に行わなければ、最悪の事態になる可能性もある」

そうなる前に、アクシオム・スペースはNASAと締結した1億4000万ドル(約145億円)の契約に基づき、少なくとも1つは新しいモジュールをISSに取り付けたいと考えている。その後、同社はさらに多くのモジュールを打ち上げることを計画している。

「2024年に最初のモジュールをISSの前部に取り付け、その後、半年間隔でさらに2つのモジュールを取り付ける」とロペス=アレグリアは述べた。彼は民間企業だけで運用する宇宙船の最初の司令官になる準備もしている。「Ax-1」と呼ばれるこのミッションでは、2021年後半にスペースXの宇宙船「クルー・ドラゴン」で3人の有料の乗客をISSまで運ぶことを目指している。そしてその乗客の1人は俳優のトム・クルーズ(Tom Cruise)かもしれない。

ロペス=アレグリアは「5年後にはもうISSではなく、アクシオム・モジュールに飛ぶことになるだろう」と語った。


最終的に、アクシオム・スペースによる民間初の宇宙ステーション「アクステーション(AxStation)」にはISSから独立して機能する、独自の電力、水、ロボットアームなどのシステムを備える予定だ。同社は2028年から2030年の間にアクステーションをISSから切り離し、単独で軌道を周回させたいとしている。

「商業的に成功した実績のある後継機があれば、実現できるはずだ」とロペス=アレグリアは言う。「つまり、NASAと他の4つの宇宙機関はこれまでISSでやってきたことを新しいプラットフォームに移行して、ISSを廃棄できるということを意味する」

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アクシオム・スペースは、「アクステーション」を2028年までに組み立てることを計画している。Axiom Space

ただし「アクステーション」はISSと同様に多額の投資が必要で、実現が保証されているわけではない。これまで、トランプ政権はこのプロジェクトのために年間1億5000万ドル(約160億円)の予算を要求してきたが、議会に拒否されてきた。そして2020年には要求額から大幅に削減された約1700万ドル(約18億円)が割り当てられた。

しかし、アクシオム・スペースの最高技術責任者であるマット・オンドラー(Matt Ondler)によると、同社は政府からの資金援助に大きく依存しているわけではないという。NASAから受け取る1億4000万ドルの契約金についても、最初のモジュールの設計、建設、打ち上げから「データと教訓」を得るために利用されるとオンドラーはエアロスペース・アメリカに語っている

「アクステーションは、投資家からの出資金や我々のビジネスの収益から資金を得ているため、アクシオム・スペースがすべてを所有し、運営することになる」






(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)
国際宇宙ステーション(ISS)については最初のモジュールが1998年に打ち上げられ、少なくとも2024年まで運用を継続することが、ISS参加極間で合意されているが、2030年まで運用は延長されそうだが、2030年代には廃棄が予定されている。

地球低軌道における2025年以降の有人宇宙活動の在り方に係るオプション整理に向けた検討状況

国際宇宙ステーション (ISS) に参加しているNASA(米)、ESA(欧)、ロスコスモス(露)、JAXA(日)、CSA(加)は
低軌道の宇宙空間利用は民間企業に託し、今後は地球と月との間(月周回軌道)を往来する月軌道プラットフォームゲートウェイ( Lunar Orbital Platform-Gateway, LOP-G)を建設し、月開発に活動に主軸を置くことになる。


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月周回有人拠点(Gateway)は、月面及び火星に向けた中継基地として、米国の提案のもと、ISSに参加する宇宙機関から構成された作業チームで概念検討が進められています。
質量は、国際宇宙ステーションの6~7分の1で、Gatewayの組立てフェーズでは、4名の宇宙飛行士により年間30日程度の滞在が想定されています。
本構想について、国際パートナーや産業界との協力による2028年の完成を目指し、米国及びカナダ政府が参加を表明しており、ヨーロッパ、日本、ロシアが参加に向けた検討を実施しています。
Gatewayでは、Near Rectilinear Halo Orbit (NRHO軌道)という軌道をとることにより、軌道面が常に地球を向き、地球との通信が常時確保されます。
Near Rectilinear Halo Orbitという軌道を利用することにより、地球からの到達エネルギーが月低軌道までの70%程度であり、輸送コストが比較的小さくなるという利点があります。
また、月の南極の可視時間が長く、南極探査の通信中継としても都合がよい軌道となっています。
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Gateway構想について、JAXAは、これまでにISSや有人宇宙活動、宇宙ステーション補給機「こうのとり」で培った技術を活用した参画を検討しています。
具体的には、居住機能及び補給での貢献を念頭に、Gatewayミニ居住棟(HALO)への機器の提供、欧州宇宙機関(ESA)、NASAとの連携による国際居住棟(I-HAB)のサブシステム(環境制御・生命維持装置)での参画、及び地球からGatewayへの物資補給には、宇宙ステーション補給機「こうのとり」を改良して現在開発中の「HTV-X」に、月飛行機能を追加して使用することを検討しています。
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国際宇宙探査の概要

ゲートウェイは2020年代中盤の建設を目指している。NASAを含む世界各国の14の宇宙機関でつくる国際宇宙探査協働グループ (ISECG)*「参加14機関: ASI(伊)、CNES(仏)、CNSA(中)、CSA(加)、CSIRO(豪)、 DLR(独)、ESA(欧)、ISRO(印)JAXA(日)、KARI(韓)、NASA(米)、Roscosmos(露)、 SSAU(ウクライナ)、 UKSA(英)」 は、月、火星及びそれ以遠の太陽系において人類の存在感を拡大していく上で、LOP-Gは決定的に重要である。

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6月7日に開かれたイベントで、NASAは国際宇宙ステーション(ISS)を地球の低軌道での商業活動のハブとする案を発表した。長い間、NASAは、宇宙での民間事業を支援する拠点としてISSを位置づける計画を練っていた。

「国際宇宙ステーションの商用利用の解禁をお伝えするために、私たちはここに来ました」と、NASAの首席報道官Stephanie Schierholzはカンファレンスの口火を切った。20の企業とNASAの職員がステージに上がり、この新たな商用化の発表と、その機会や計画に関する討論を行った。

計画には、民間宇宙飛行士がアメリカの宇宙船を利用してISSを訪問し、滞在することを許可する内容も含まれている。また、「宇宙での製造」、マーケティング活動、医療研究「などなど」、ISSでの民間事業の活動を許可するとNASAは話していた。

NASAは、5つの項目からなる今回の計画は、ISSの政府や公共部門の利用を「妨げるものではなく」、民間の創造的な、また利益追求のためのさまざまな機会を支持するものだと明言している。NASAの全体的な目標は、NASAが、ISSと低軌道施設の数ある利用者のなかの「ひとつ」になることであり、それが納税者の利益につながると話している。

NASAの高官から今日(米時間6月7日)発表された、5つの内容からなる計画は次のとおりだ。

その1:NASAは、国際宇宙ステーション商用利用ポリシーを作成した。搭乗員の時間、物資の打ち上げと回収の手段を民間企業に販売することなどを含め、初回の必需品や資源の一部を提供する。

その2:民間宇宙飛行士は、早ければ2020年より、年に2回まで短期滞在ができる。ミッションは民間資金で賄われる商用宇宙飛行とし、アメリカの宇宙船(SpaceXのCrew Dragonなど、NASA有人飛行計画で認証されたもの)を使用すること。NASAは、生命の維持、搭乗必需品、保管スペース、データの価格を明確に示す。

その3:ISSのノード2 Harmonyモジュールの先端部分が、最初の商用目的に利用できる。NASAはこれを、今後の商用宇宙居住モジュールの第一歩と位置づけている。6月14日より募集を受け付け、今年度末までに最初の顧客を選定し、搭乗を許可する。

その4:NASAは、長期の商用需要を刺激するための計画を立て、まずは、とくに宇宙での製造と再生医療の研究から開始する。NASAは、6月15日までに白書の提出、7月28日までに企画書の提出を求める。

その5:NASAは、長期にわたる軌道滞在での長期的な商業活動に最低限必要な需要に関する新たな白書を発表する。

商用輸送の費用を下げることは、この計画全体にとって、きわめて重要であり、その問題は繰り返し訴えられてきた。それは、費用を始めとするさまざまな問題を解決し、単に商用化を許可するだけでなく、実行可能なものにするための手助けを、民間団体に呼びかけているように見える。もうひとつの計画は、次の10年、さらにその先に及ぶ長期にわたり、民間団体からのISSへの投資を呼び込み、ISSを民間宇宙ステーションに置き換える可能性を開くというものだ。それは最終的に、寿命による代替わりの問題の解決につながる。

補給ミッション中のSpaceXのDragonカプセルがISSを離れるところ。

TechCrunchのJon Shieberが、4月、ISS米国立共同研究施設の次席科学官Michael Roberts博士をインタビューした際に、宇宙ステーションの商用化について話を聞いている。

Roberts博士は、ISSで民間団体が事業を行えるようになる可能性は一定程度あると明言していた。これには、たとえば、関心の高い製薬業界の前臨床試験や薬物送達メカニズムといった分野の「基礎研究」も含まれる。製造業界では、無重力や真空という環境を利用して、現在の製造方法の改善を目指す民間企業をRoberts博士は挙げていた。

重要な細目としては、ISSで許されるマーケティング活動の範囲の拡大がある。ISSに搭乗してるNASAのクルーは、マーケティング活動に参加できる(とは言え、カメラの前でいかにもクルーらしく振る舞う程度だが)。民間宇宙飛行士の場合は、広告や宣伝が許される範囲が大幅に柔軟化されるため、さらに大きな仕事ができるようになる。理論的には、もしこれがディストピアの方向に流れたならば、レッドブルの超絶エクストリームな宣伝活動がもっと増えるということだ。

NASAによれば、現在も50の民間企業がISSで実験を行っているとのことだが、今回の発表は、その機会を、より望ましい形と規模の枠組みに、時間をかけて整備させてゆくことを意味している。






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PHOTOGRAPH BY SCHOOL OF PHYSICS AND ASTRONOMY, UNIVERSITY OF GLASGOW


2つの粒子が強い相互関係にある「量子もつれ」と呼ばれる現象を、英大学の研究チームが世界で初めて画像に記録することに成功した。今回の実験で得られた画像処理の技術は、量子コンピューティングや量子暗号の進化にも貢献することが期待されている。

ミクロの世界を正しく説明するうえで欠かせない量子力学に、「量子もつれ」と呼ばれる現象がある。量子もつれとは、2つの粒子が強い相互関係にある状態であり、粒子のスピン、運動量などの状態をまるで「コインの裏表」のように共有する運命共同体のような状態を指す。

例えば、一方の粒子を観測したときのスピンが上向きであれば、もう一方は瞬時に下向きになる。このような量子もつれにある2粒子間の状態は、どれほどの距離──たとえ銀河の端から端という途方もない隔たりがあろうが、維持されるのだという。この同期の速度が光の速度を超えるという、まるで空間など存在していないかのような非局所性から、偉大な物理学者アルバート・アインシュタインが、かつて「不気味な遠隔作用」と呼んだほどだ。
12月25日武田邦彦先生の虎ノ門ニュースの「虎ノ門サイエンス」のコーナーは興味深かった。久しぶりに新しい単語を覚えた「絡合:らくごう」である。訓読みでは「からみあい」であるが、おそらく量子力学の量子のもつれ現象が、この絡合の正体だと私は直感した。

もしかしたら、量子のもつれ現象の方が絡合の一側面なのかもしれないが、「絡合」という不思議な現象が、何なのか解明することが、21世紀の最先端の科学的課題の一つかもしれません。

武田先生が説明する絡合とは、実に幅広く興味深い現象で、科学的量子論からの視点ではなく、私にでもわかる文系的実利的平易な話で、絡合の多寡が幸せに関係しているとか、夫婦関係から生物学や
宗教、超常現象といった広範囲な現象にかかわることに話が及んだ

 

モルボックスの不思議な生物で、単細胞生物で、脳とか神経というものがまったくないにも関わらず、複雑な動きをします。
春から夏にかけては無生殖ですが、環境悪化など生命の危機が来ると、有性生殖を行い、仲間を増やします。乾燥に耐えるため、冬は体細胞同士集まって越冬します。

細胞と言うより、一つの単細胞生物が環境に応じ集まり絡み合い一つの多細胞生物のように振舞う不思議な生物です。単細胞生物と多細胞生物の進化過程で7億年前に出現し進化が止まっている生物でもある。単細胞生物が多細胞生物として進化していく過程で、孤立した単細胞生物が集まり、多細胞生物であるかのように振舞って7億年生き抜いてきたのである。

だが、その一部は
助け合う群れが、いつの時か群れではなく多細胞生物として集団で生きるようになり、ひとつの生物として成り立つっていった。

多細胞生物が出現した古生代カンブリア紀、およそ5億4200万年前から5億3000万年前の間に突如として爆発的進化が起きた。今日見られる動物の「門(ボディプラン)」が出そろった。これをカンブリア爆発というが、多細胞生物が出現したのがこの時期である。単細胞ではお互いに機能的に動かないが、多細胞生物として1つの生き物となることにより、単細胞よりより生存競争に勝っていく多くの生き物が出現し、ある者は
ある者は効率よく栄養を確保する為に捕食者となり、ある者は捕食者からのがれる為に、またより多くの仲間(子孫)を残す為に、自然淘汰というトライ・アンド・エラーを繰り返し続けていった。この現象を進化とも言うが、どうして元々は個別の生物であった細胞がそう振舞うのか?依然謎でありその謎のことを「絡合」という仮説で説明しようというのが、「絡合」のサイエンスなのだと思う。

「絡合」という現象を理解する為に武田先生が取り上げたカンブリア紀の生物の例を取り上げて「絡合」の正体をのヒントを探ってみたい。

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最も初期の多細胞生物にハルキゲニアが居たが、トライ&エラーで多細胞生物となっていく過程がわかる生物で、上下に突起物ができたが、足として使うのは下の棘でよくなり、目も幾つがいいか試され目が1~5つのハルゲニアがいた。進化というトライ&エラーだとしても
単細胞生物に留まるではなく、初期のモルボックスに満足するではなく、ハルキゲニアで留まるのではなく、より複雑な次の段階に進んでいくのであろうか?いやどうやって複雑な生物に進化できるのか?考えてみれば自然淘汰で説明できるほど単純ではない、プラナリアの例は良い考察対象である。


体のどこが欠けてしまったのかを細胞が判断して再生できるから?

 ここ20年ほどでプラナリアの再生について多くのナゾが解かれました。解かれたナゾを理解してもらうためには、①多細胞生物の個体は多くの細胞でつくられていること、②細胞に番地を振り分けるシステムがあって多細胞生物の形がつくられていること、の2点を理解してもらわなくてはいけません。すなわち、プラナリアの体はたくさんの細胞でつくられた“細胞の社会”であり、その細胞の社会には各細胞に番地を振り分けるしくみがあるということです。プラナリアの体が半分に切られると、残っている細胞が、どの番地の細胞を失くしたかを知り、失った番地の細胞をつくりなおすことができるから再生できるのです。
?

 プラナリアの“細胞の社会”は、筋肉細胞、神経細胞、腸細胞といったいろいろな個性を持った細胞でできています。しかし、プラナリアの再生過程で、筋肉の細胞は筋肉の細胞から、神経の細胞は神経の細胞から再生されるわけではありません。プラナリアには、どんな種類の細胞にもなれる“オールマイティの細胞(新生細胞)”がいて、この新生細胞が分裂・増殖して、必要に応じて筋肉になったり神経になったりして再生を実行します。多くの生き物では成体になる前に新生細胞を失くしていくのに対して、プラナリアは成体まで残すことができるため、高い再生能力を持っていることがわかります(注)。プラナリアは新生細胞を増やすことで体の一部分から必要な細胞をつくり出しているのです。この新生細胞は“細胞の社会”が持っている番地のシステムを使って必要な細胞をつくり出します。番地のシステムについては他の機会に詳しく話したいと思います。

 人の社会ではGPSのシステムを発達させてポケモンGOを楽しむようになりましたが、“細胞の社会”ではカンブリア紀くらいにGPSのシステムをつくることに成功して、体の番地をつくり、体のどの部分で細胞を何回分裂させて、どんな種類の細胞をつくるかのトライ&エラーをすることで、いろいろな形の生き物をつくり、環境に合わせて生き物が進化してきたのではないかと考えられています。

?(学習院大学理学部教授 阿形清和)
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その、GPSのようなものが一体何なのか・・・IPS細胞や細胞分化について遺伝子で説明しているが依然謎なのである。細胞がどう自分の役割を認識して、役割に応じ機能したり、その役割の細胞を正確にどの程度増やしていくか・・・人類はある程度のことは解明したが、根本的なことは依然謎なのである。それが出来れば癌を根本的に治療する道が開けるし、社会科学とか、思想哲学、株価や経済まで説明できるかもしれない。もしかしたら、発想は飛躍しすぎるが、超能力といった超常現象まで解明できるかもしれない。


例えば、イワシや渡り鳥が群体を作って一糸乱れぬ集団行動とって移動したりするが、なぜそれが可能なのか?個々のイワシ同士が連絡を意図してとりあってから行動しない限り、こうも複雑な群れを人間が再現しようとしても3次元ではようやくその嚆矢が放たれたばかりである。魚や鳥といった個々の生物が、あたかも巨大な生物のような集団の動きをすることと、個々の細胞が連絡を取り合っていないのに、多細胞生物として成り立つ現象をは、科学にとって長らく解明できない謎だった。いま、その現象を神秘として片づけるのではなく、「絡合」という仮説として、アルゴリズムやビックデータで解き明かされようとしている。それは、がん細胞、脳、神経システムも絡合で説明できるかもしれないというのだ・・・


絡合やそのGPSのようなものとは何でしょうか?量子力学の量子のもつれと細胞の位置認識とか、群れの科学との関連性については、アルゴリズムやビックデータで解析してある程度解明できたが、それでも動物の個体どうしたちがどうやって互いに情報をやりとりし、コミュニケーションを取り、決断を下しているのか未だその根本的な謎はとけていない。

科学は、過去に絡合という考え方の断片を説明した、宗教や哲学にその答えがあるのではないかとしている。かつてお釈迦さまやキリスト-マホメットは断片的ながら宗教的アプローチで、絡合について説明をしていた。

実は私たちの世界と言うのは、
誰か所謂創造主によって生かされているのではないか? 私たちは、神と呼ばれる何者かによって作られたコンピューター・シミュレーションの世界に生きているのではないか?

この世が仮想現実かもしれないという説は、東洋哲学において般若心教において色即是空・空即是色と1000年以上前から言われてきたことだが、今、現代科学の物理学者や哲学者から提示されている最新理論は、同じことを言っています。例えば量子重力理論という学問があって、一般相対性理論と量子力学の双方を統一する理論と期待されています。物理学の基礎概念である時間、空間、物質、力を統一的に理解するための鍵であり、物理学における最重要課題の一つと言われているのですが、大きさと言う空間を持つ量子(10のマイナス44乗)、これの情報交換がこの我々の世界を作っているのではないかという仮説です。

超弦理論理論から言えば、
人類が生活しているこの世界には素粒子を含め物質と言うものは存在せず、水の波紋や、弦が揺れるがごとき、コンピュータードット画面のような実態の無いも情報の上に成り立つっており、この世界は映画マトリックスのように一種の仮想現実ではないかという理論が脚光を浴びています。

この世界は、すべてシミュレーテッドリアリティであるとする仮説、シミュレーション仮説シミュレーション理論)ホログラフィック原理(ホログラム宇宙論)などです。

極端な話ですが、我々が住む世界は情報だけで構成されている可能性があり、それが絡合を成立させていると思うのですが、我々が感じる物質と情報を絡み合わせているこれら情報とは絡み合うという意味ですが、絡合と呼ばれるのかもしれません。


文学研究科哲学専攻博士後期課程修了
後藤  蔚
要旨

 量子論では、同じ一つの電子が「粒」であると同時に「波」であると見做される。量子論を創ったボーアがこうした「相補性」を表すシンボルとして古代中国の「陰陽思想」を象徴する太極図を好んで用いたことはよく知られているが、本稿では、量子論を仏教と関係づけて見てみたい。大乗では「縁起のゆえに無自性、空」であると説くところを、量子論では、真空こそが量子が絶え間なく生成・消滅を繰返している舞台であるという。

目次

1.縁起
2.場
3.自己同一性
4.法の相続
5.自我
6.重ね合わせ
7.シュレーディンガーの猫
8.実在
9.結び

1.縁起

仏教の基本思想を一口で云えば、ものは「縁起」によって有る、ということであろう。「因果」というと、原因があって結果があり、今度はその結果が原因となって次の結果を生み、…という具合に、普通は直線で考える。つまり因果の「系列」である。しかし、「縁起」はそうではない。縁起は因果のように一方向に進む(一次元)のではなく、「網」をなす。それも二次元や三次元ではなく、多次元、無限次元の網である。何故なら、縁起は、普通の物理的空間、時間を越えて(空間、時間を通らずに)働くものもあるからである。例えば「業(ごう)」というのはそうしたものの一つであろう。「運命」と呼ばれるものも、そうした無限次元の網の一部を指して云っているのだと考えることが出来る。

 ところで、「縁起」とは云い換えれば「関係」ということである。小乗仏教では、先ずものがあって、それらが縁起の関係に入る、とした。それはおかしいと云ったのがナーガールジュナである。ものが固有の性質を持ったものとして自己完結的に存在しているのならば、それが他のものと関係するのは不可能ではないか。大乗仏教はここから起った。先ず有るのは縁起(関係)であり、諸のものは縁起によって有る。だから、諸のものは「無自性」であり、「空」である。「縁起のゆえに無自性、空」とはそれを云う。

2.場

 このように「空」は「無」ではない。空だからこそ、そこでは、多様な関係を通じて、諸々のものが生じ、成長し、滅している。まさに空とはそこにおいて諸々のものが活躍する舞台に他ならない。量子論ではこの空を「場」と呼んでいる。ものは「素粒子」から成るとして、量子論においては、「素粒子とは場に起る状態の変化として出現するものである」とされる。

つまり、素粒子なる「もの」が存在するのではなく、「場」に起る「状態の変化」が即ち素粒子なのである。

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朝永振一郎は『量子力学的世界像』で、場に起る状態の変化を電光板の上に現れる光点に喩えている1。図のように、ボードに沢山の電球が縦横に配列されていて、それが次々と順を追って点滅する。我々には「もの」がアからイへ「動いた」ように見えるが、実際には、夫々の場所で、そこに固定されている電球が一瞬、点って消えただけである。素粒子とはこの電光板の上に現れる光点のようなものに他ならない。つまり、それは「場」(電光板)に状態の変化(光の点滅)として現れるものであり、何か或る「もの」がアからイへと動いたのではない。

 同じことは、仏教では「草を焼く焔」に喩えて主張される。倶舎論にいわく、

有刹那故定無行動。然於無間異方生中如焼草焔行起行増上慢2。

 有刹那なるが故に、定んで行動すること無し。然れば無間に異方に生ずる中に於いて、草を焼く焔の行くが如く、行の増上慢を起すもののみ3。

 焔相続中仮立燈号。燈於異処相続生時。説為燈行。無別行者4。

焔の相続の中に、仮に燈の号を立つ。燈が異処に於いて相続して生ずる時を、説いて燈行ずと為す、別に行ずる者無きなり5。

 草原に火を点けたとき、我々は「焔」が草原上を「動いて行く」と見るが、実際に起っているのは、次々と、隣接する草がその場所で燃え上がっては消えて行くということだけである。それは、電光板で順次、電球が点滅して行くのと全く同じである。

3.自己同一性

 もう一度電光板に戻ろう。

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図の電光板で、Cの光点はもとAにあったのがやって来たのか(A→E→C)、それともBにあったのがやって来たのか(B→E→C)を問うとしよう。明らかに、そのような問いには何の意味もない。何故なら、そもそも「何か」が動いた訳ではないのだから。素粒子とは場に起る状態の変化であった。上記のことは、素粒子が「自己同一性」を持たないことを示している。

 自己同一性を有しないとは、名前をつけて区別することが出来ないということである。米粒が二つある場合には、それらは互いに区別出来るから、例えば一方に a、もう一方に b と名前を付けることが可能である。それで、二つの箇所AとBに二つの米粒を置くには二通りの仕方が存在する。即ち、(Aに a、Bに b)と(Aに b、Bに a)とである。一方、状態の変化として、AとBの二つの場所を光らせる仕方に何通りあるかを考えて見る。これは明らかに一通りしかない。ということは、素粒子はどれもみな同じであり、互いに区別出来ないのである。


4.法の相続

 2で見たように、「素粒子」は「電光板上の光点」に喩えられ、一方、「草を焼く焔」はその光点と同じ振舞をするのであった。では、「何」が「草を焼く焔」に喩えられているのか。

以下、これについて順を追って見て行こう。

 仏教では事物を「法(ダルマ)」と呼ぶ。この法について、「諸法無我」ということが云われる。つまり、事物の本性は無我であり、実体がない、と。

 先に引用した倶舎論は小乗の一派である「説一切有部」の教えを集大成したものであるが、法は一刹那の存在であるとされる。法は一刹那の間だけこの世界に有る。従ってそのような法に運動はないというのが、先の「有刹那なるが故に、定んで行動すること無し」である。

 これをもう少し詳しく云うと、法がこの世界に生起するのは他の諸法からの働きかけ(因、縁)に依るが、そうして生じた法は一刹那の間だけ存在して、あとは自発的に滅する。「有刹那」とは一刹那だけ有るということであり、従って、それは云い換えれば「刹那滅」ということである。このように諸法が次々に生起しては消滅する、その流れが事物なのであり、我々も例外ではない。このような法の連続は「相続」と呼ばれる。上記の引用文で「草を焼く焔」に喩えられているのは、まさに、このように相続して続いて行く法に他ならない。

 ところで、ゼノンの背理に、「飛ぶ矢は飛ばない」というのがある。矢は、各時点において確定した位置にある(そうでなければ、矢はどこにあるというのか)、だから、矢は飛ばない、と。これが背理であり得るのは、時間の前後を通じて不変な「矢」という実体があるとするからである。一つの実体が、夫々の時点において、夫々特定の位置を占めるとすれば、それは飛んではいない。これに対して、倶舎論の世界ではこの背理は生じない。矢を構成する諸法は刹那滅である。

それらの諸法は、その場で一瞬にして消滅する。次の刹那には、すぐ近くの別の場所に、別の諸法が一瞬間だけ生起して別の矢を構成する。かくて、あたかも一つの「矢」なるものがあって、それが「飛んでいる」ように見えるのである。それは、電光板で、「何か」がアからイへ動いたと見えるのと同じである。これは、矢だけの話ではない、この世界の全ての事物について云えることである。何故なら、あらゆる事物は諸法の相続としてのみ存在するのだから。

 さて、説一切有部は、法は一刹那の存在ではあるが、それは「有る」のである、と主張する。この派が「説一切有、部」と呼ばれるのはそのためである。同じ小乗でも、経量部は、法は「仮」であると見た。さらに、大乗の中観派では、法は「空」であると説く。それが1で見たナーガールジュナの主張である。

 このような違いがあるにしても、法の本性は無我であり、実体がないとする点では、どの派も共通している。それは三法印(諸行無常、諸法無我、涅槃寂静)の一つとして、初期仏教の時代から主張されて来たことであった。この「諸法無我」は、実体のないものの相続という意味で、量子論の「素粒子とは場に状態の変化として現れるもの」という見方に通じるものである。

5.自我

 さて、では、仏教のいうように、全ての事物は刹那ごとに生じては滅し、前後を通じて不変な実体というものが存在しないとするならば、青年の太郎が老いても同じ太郎であるなどということは不可能である。だとすれば、仏教で修業ということを強調したところで、何の意味もないことになろう。

 これは仏教にとって大問題であるから各種の説が提出されたが、その一つが「唯識」説である。唯識では、「現行(げんぎょう)」が「種子(しゅうじ)」として「阿頼耶識(あらやしき)」に「熏習(くんじゅう)」されることによって、自己同一性が保たれる、とする。

 これを簡単に説明しよう。

・現行とは、眼識、耳識、鼻識、舌識、身識、意識、末那識(まなしき)の七識が現に生起
して活動したところを云う。
・末那識とは、阿頼耶識を対象に、それが「自分」であるとして執着し続ける心である。
・阿頼耶識とは、蔵識とも呼ばれるように、種子を内蔵する場である。

 さて、現行は、第八の識である阿頼耶識に種子を熏習する。そうして熏習された種子は現行を生み、あるいは自らと同じ種子を阿頼耶識に生む。このように、現行と種子とは、「現行熏種子」、「種子生現行」、「種子生種子」という動的関係にあり、そうした関係を通じて、若い太郎は、太郎として、成長し、老いて行く。

 いずれにしても、人間とは「識の転変」に過ぎず、自己などというものは存在しないが、阿頼耶識という蔵があることによって同一性が保たれているのである。その転変の様は「暴流(ぼる)の如し」6と云われる。これに関連して思い出されるのがヒュームの「知覚の束」説である。ヒュームは、人間とは「想像を絶する速さで互いに継起し、絶え間ない変化と動きの只中にある別々の知覚の束・集合に過ぎない」7と云う。唯識における「識の転変」がヒュームでは「知覚の束」とされている。それらの知覚を担う「何者か」は存在せず、人間とは「知覚の束」に過ぎない。

 唯識では種子の熏習説によって人格の同一性を確保したのであるが、ヒュームはあくまで同一性を否定する。ヒュームによれば、人間とは知覚の束に過ぎないけれども、それらの知覚は類似や因果関係で緊密に結ばれているので、それを観察した「私」は、その知覚の束に同一性を帰するのである。では、他人の知覚の束に同一性を観察するこの「私」の同一性はどこから来るのであろうか。これに対して、ヒュームは、知覚以外に自我と呼ばれるようなものは存在しないのだと主張する。ヒュームは云う:「私が自我と呼ばれるものの内に見つけるのは、常に、熱や冷、明や暗、愛や憎、苦や快などの個々の知覚であり、それ以外のものは決して観察しない」8。

6.重ね合わせ

 こうした点について量子論ではどう考えるか。観察者がいようがいまいがこの世界は存在し、そこでは物理の法則が成立している、これが古典物理学の見方である。それに対して量子論では「観察」という行為が重要な役割を果す。以下、これについて見て行きたいが、その前に、2で紹介した電光板の喩えは素粒子の持つ性質の一面を伝えるためのものに過ぎないことを注意しておこう。素粒子はこの他にも色々と意外な面を有するが、それら全てを電光板の喩えを使って説明出来る訳ではない。

 先ず、電子のような素粒子は一つ二つと数えることが出来るのであるが、では一個の電子はどこか特定の場所にいるのかと云えば、そうではない。ボーアをはじめとするコペンハーゲン派の見方によれば、電子は「波」のように広がっているのであるが、我々が電子を「観測」すると電子の波は「収縮」し、電子はどこか一点で発見されるのだという。

 電子が波のように広がっているとは、電子が「重ね合わせ」の状態にあるということである。電子は「或る場所にいる状態」と「別の場所にいる状態」とが重ね合わさっている。ただし、それは「電子は A 点と B 点の両方に同時にいる」ということではなく、また、「電子は A 点か B 点のどちらか一方にいるのだが、どちらにいるかは分らない」ということでもない。「一個の電子が A 点にいる」状態と「同じ一個の電子が B 点にいる」状態とが、同じ一個の電子の中で重なり合っているのである。

 観測していないときには重ね合わせの状態にあった電子は、それを観測した瞬間に一点に収縮する。どの位置に収縮するか、つまり電子がどこで発見されるかは、「確率」的に決まる。

これがボーアらの考えたことで、何とも奇妙な見方である。しかし、電子は、我々がそれを観察しようがしまいが、いつでも特定の位置にあるというような従来の見方を続ける限り、あいついで発見された各種の実験結果を矛盾なく整合的に説明することは不可能なのである。それほど素粒子は、我々の直感とはかけはなれた振舞をするということが実験であきらかになった。
 この新しい見方を推し進めて行けば、人格の同一性どころの話ではなくなる。次節ではそれを見てみたい。

7.シュレーディンガーの猫

 一時間以内に原子核崩壊を起す確率が 1 / 2 の放射性物質があるとしよう。鉄の箱の中にこの放射性物質と放射線の検出装置、そして検出装置に連動した毒ガス発生装置をセットし、そこに生きた猫を入れて蓋を閉じる。原子核崩壊が起れば、毒ガスが発生し猫は死亡する。

さて、一時間が経過したとして、猫は生きているか、死んでいるか。これが有名な「シュレーディンガーの猫」の問題である。
 猫の生死は、蓋を開ければすぐに分る。シュレーディンガーが問題にしたのは、蓋を開ける前の猫の状態をどう考えるかという点である。

 量子論では、観測前の放射性物質の状態について、原子核崩壊を「起した状態」と「起していない状態」とが半分ずつ重ね合わさっていると考える。そして、猫の生死は原子核崩壊の有無と完全に連動している。だとすれば、猫の状態も重ね合わせになっていると考えざるを得ないではないか―これがシュレーディンガーの提起した問題である。つまり、整合性を保って考える限り、猫は「原子核崩壊が起きて死んだ状態」と「原子核崩壊が起きずに生きている状態」とが半分ずつ重ね合わさっているとせざるを得ない、と。

 この問題に対しては多くの物理学者が説明を試みて来たが、誰をも納得させる解答は未だ見つかっていないという。

8.実在

 量子論以前の物理学では、我々の周りの世界は、我々とは独立した存在であると仮定されていた。つまり、世界は、我々がそれを観測するかどうかに係わりなく、そこにある、と。これを「実在」性の仮定と呼ぶことにしよう。

 量子論以前には、もう一つ、「局所」性も仮定されていた。相対性理論が主張するように、二物体間に瞬時に物理的影響が働くことはないという仮定である。

 さて、1965 年、ベルは、実在性の仮定と局所性の仮定とがともに正しければ、或る種の不等式が成立つ、ということを数学的に証明した。これが「ベルの不等式」と呼ばれるものである。その後、この不等式を検証するために多くの実験が行われたが、1982 年、遂に、アスペは、ベルの不等式は成立しないことを実験で示した。

 二つの仮定がともに正しければベルの不等式が成立する、ところが、アスペの実験によって不等式は成立しないことが分った。従って、実在性の仮定が間違っているか、局所性の仮定が間違っているか、のどちらかである。

 量子論のコペンハーゲン解釈は既に 1920 年代に確立されていたが、コペンハーゲン派が主張していたのがこの実在性の否定である。
 ボーアによれば、「電子とは本当は何であるのか」を尋ねるのは無意味である。物理学はこの世のものが何であるかを述べるものではなく、この世のものに関して何がいえるかを告げるものである。

 量子力学以前、科学者は、我々のまわりの世界は、我々とは独立した存在である、と仮定していた。つまり、我々がそれを観察するか否かに係わりなく、世界は存在する、と。月は見たときにだけあるのではない。しかし、ボーアにとって、電子とは、事実上、それを観測するときにだけ出現するものである。

 日常生活においては、我々は、「弾丸が的に向って飛ぶ」というとき、発射点から着弾点までの間、弾丸は一本の軌道上を飛んでいるものと信じている。他にどんな可能性があろう。

しかし、電子は違うのである。始点と終点とは確定しているが、それらを結ぶ一本の定まった経路というものは存在しない。どのようにして始点から終点に至ったかは問えないのである。

 結局、ボーアの考えでは、量子力学とは、時刻t1と時刻t2とで行われる二つの観測を関係づけるアルゴリズムを供給するものである、ということになる。例えば「電子」というのは、一つの「モデル」であって、それによってアルゴリズムが出来、特定の結果を予言出来るのである。それ以上のことを問うても意味がない。我々はt1とt2との間で何が起っているかを知り得ないし、知る必要もない。

 このようにコペンハーゲン派は実在性の仮定を捨て、局所性の仮定は残したが、逆に、実在性の仮定を残し、局所性の仮定を捨てたのがボームらの「量子ポテンシャル論」である。

 コペンハーゲン解釈では、波として広がっていた電子が観測によってどの場所に見つかるかは確率的に決まるとしたが、そうした「確率解釈」に強硬に反対したのがアインシュタインである。彼の「神は賽を振らない」という言葉はよく知られている。それを受けて、ボームは、電子の見つかる場所は偶然に委ねられているのではなく、我々には知られていない未知の「隠れた変数」がそれを決定しているのだとした。これが、実在性を肯定し、決定論の立場に立つ量子ポテンシャル論である。

 実在性の仮定を捨てない立場としては、このほか「多世界解釈」がある。コペンハーゲン解釈では、「一個の電子が A 点にいる」状態と「同じ一個の電子が B 点にいる」状態とが同じ一個の電子の中で重なり合っている。観察によって波は収縮し、電子は A 点か B 点かいずれかで見つかる。これに対して、多世界解釈では「一個の電子が A 点にいる」世界と「同じ一個の電子が B 点にいる」世界とが重なっている―同時進行する―と考える。波の収縮は起らない。この多世界解釈をとれば「シュレーディンガーの猫」のパラドクスは生じない。

世界は可能性の数だけ枝分れして行くので、「猫が生きている世界」と「猫が死んでいる世界」とが並行して存在する。そして我々も、「生きている猫を見る我々がいる世界」と「死んでいる猫を見る我々がいる世界」の二つに枝分れして存在しているのである。

 多世界解釈が何故このような奇妙な見方をするかと云えば、コペンハーゲン派のいう「波の収縮」は数学的に説明出来ないものだからである。多世界解釈では、波の収縮を仮定する必要がない。

9.結び

 コペンハーゲン派では、広がっていた波が観測によって一点に収縮すると考えるのであった。コペンハーゲン説は、このように、観測行為というものに決定的に特別な物理的意義を与える。観測とは別に、何か独立した世界がある訳ではない。どういう観測をするかに応じて世界が形成されるのである。

ジョン・ホイーラーはそれを特別版「二十の扉」に喩えている9。この特別版「二十の扉」では、あらかじめ「答」は決まっていない。私の発する一つ一つの質問に対して、先方から「はい」か「いいえ」かの返事が返って来る。それらの「はい」「いいえ」が積み重なることで「答」が決まって行くのである。即ち、それらの「はい」「いいえ」の系列に矛盾しないものが「答」なのであり、従って、その「答」はゲームを始める前には存在しない。しかし、だからといって、その「答」に辿り着いたのは私の力だという訳ではない。その原動力は「はい」「いいえ」を返した先方にある。そうではあるが、一方で、私が別の質問の仕方をすれば、それに応じて「答」も変わっていただろう。以上を量子論について云えば、観察に応じて世界が形成されるのであるが、観察に対してどう反応するかを決めているのは先方―世界―である。

 こうした見方を唯識説のそれと較べてみよう。「唯識」とは単に「ただ主観的な認識作用のみがある」という意味ではなく、「客観と主観との両者を含めたあらゆる存在はすべて、ただ表されたもの、知られたものに過ぎない」という意味である。唯識説は、あらゆる存在は認識された姿として立ち現れているだけであって、認識された姿の背後に実体的に何かが存在すると予想してはならない、と主張する。「現実に認められる外的現象と内的精神とはすべて、何か或る根源的なものによって表されたものに過ぎない」というのが唯識説の根本教義であり、この根源的なものが「阿頼耶識」に他ならない。

 最後に、量子論の主流となっている見方と仏教とに共通したところを、整理しておこう。

1.事物は実在しない。事物は「草を焼く焔」あるいは「電光板上の光点」で喩えられる。

2.「縁起のゆえに無自性、空」とは大乗の基本的な見方である。一方、量子論は「場」に適用することで「場の量子論」となる。真空とは「粒子と反粒子が絶え間なく生成・消滅を繰返している空間」である。つまりは、仏教においても、量子論においても、この世界とは関係の場である。先ずあるのは関係の場であり、そこから事物が立ち現れる。なお、特殊相対性理論によれば、ものといっても、それはエネルギーと別物ではない。

3.世界は、我々がそれをどう見るかに応じて出現する。唯識の基本思想は「三界は虚妄にして但だ一心の作るところ」であり、一方、量子論によれば、観察する我々とは独立に観察対象が存在するのではない。同じ一つの電子が「粒」であると同時に「波」であるとは、どう見るか―どういう実験をするか―に応じて粒としても現れ、波としても現れるということである。

 なお、以上に述べた量子論(標準理論)には重力の理論(一般相対性理論)が反映されていない。この二つを総合するものとして「ひも理論」が提唱されている。ひも理論によれば、素粒子とは、振動する「ひも」である。同じひもでも様々に振動し得る。その振動パターンに応じて、一本のひもが様々な素粒子となって現れるのである。それはバイオリンの弦に喩えられる。弦は様々な周波数で振動し、それがド、レ、ミ、…となって現れる。ド、レ、ミ、…は「現れ」に過ぎず、基本的な要素ではない。

 振動とは響きであり、同期である。空海は『声字実相義』に「五大にみな響きあり」と云っている。この宇宙の全ては響きとして存在するのだとすれば、それはひも理論の見方に他ならない。

注 1.朝永振一郎(1965)47 頁 2.世親(大正巻二九)68 頁 3.西義雄(1935)中巻 206 頁 4.世親(大正巻二九)157 頁 5.西義雄(1935)下巻 497 頁 6.横山紘一(1996)139 頁 7.D.Hume(1978) 252 頁 8.同 9.P.C.W.Davies and J.R.Brown(1986) 邦訳 38 - 9 頁

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War Zone は、謎に包まれた発明家サルヴァトーレ・ペイス博士が作成した米海軍の奇妙な特許と、米国特許商標庁(USPTO)による承認の異常な状況について、引き続き調査を続けています。調査の一環として、私たちは最近、海軍航空システム司令部(NAVAIR)の内部電子メールを入手しました。海軍のエキゾチックエネルギー生産特許は相変わらず謎に包まれているが、これらの電子メールはサルヴァトーレ・ペイスの発明を取り巻く裏話を追加し、特許が以前に知られていたよりも厳格な内部評価プロセスを経ていることを示唆している。また、これらの電子メールは、特許から生まれた研究プログラムが、実際に何らかの実験的な実証を行ったことを示唆しているようにも見えます。

昨年、米海軍に割り当てられたいくつかの珍しい特許が公開されたが、その中には、一見過激で型破りな主張が含まれていたため、眉をひそめた。これらの特許には、「高温超伝導体」、「高周波重力波発生装置」、力場のような「電磁場発生装置」、「プラズマ圧縮核融合装置」、「慣性質量減少装置」を特徴とする航空宇宙/水中ハイブリッド船などの奇妙な技術が含まれていた。これらは本当にSFのように聞こえ、UFOのような性能を持つ船の理論的な構成要素を説明しているようです。

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An image from Pais's "Craft Using an Inertial Mass Reduction Device" patent.

海軍の各発明は、特許出願が提出された時点では、メリーランド州パッツェント(パックス)リバーにあるNAVAIRの海軍航空戦センター航空機部門(NAWCAD)の航空宇宙技術者であったサルバトーレ・セザール・パイス博士のものである。ペイスの最近の発明の一つ一つは、本発明者が "ペイス効果 "と呼ぶものに依存しており、本発明者によって数多くの刊行物に "急速な(しかし滑らかな)加速-減速-加速過渡現象の下で加速スピンおよび/または加速振動を介して帯電した物質の(固体からプラズマへの)制御された運動 "として記述されている。

NAVAIR の指導者たちは、USPTO に上訴したにもかかわらず、この特許とその基礎となる概念は、実験的な証拠がないことや、質量削減や量子真空工学のような、論争の的となっている高度に理論的な概念と類似しているように見えることから、専門家たちからは大部分が嘲笑されてきました。それにもかかわらず、The War Zoneは、一連の電子メールのやり取りの中で、発明者であるペイス博士の声明を入手しました。

The War Zoneが最近入手したNAVAIRの内部メールは、Pais氏の一見奇妙な「Craft Using an Inertial Mass Reduction Device」特許の特許申請と内部審査プロセスに関連しています。このリリースに含まれるすべての名前は編集されていますが、メールの署名の一部が編集されていないことから、多くのメールがサルヴァトーレ・ペイス博士によって書かれた可能性があるように思われます。しかし、本誌では簡単にするために著者をパイズと表記しているにもかかわらず、これらのメールが本当にパイズ自身によって書かれたものであるかどうかを100%確信することは、結局のところ不可能です。

これらの特許とその出所については多くのことが明らかになっていませんが、これらの電子メールは、パイスとパックスリバーの他の NAWCAD の従業員が特許の承認を得るために行った内部プロセスについて、いくつかの新しい詳細を提供しています。一つには、これらの電子メールは、Paisが2016年から2018年の間に、「Craft Using An Inertial Mass Reduction Device」特許のための2つの別々のインセンティブ賞から700ドルを追加で稼いだことを明らかにしています。

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電子メールの主な内容は、発明の開示や特許出願プロセスに関連する官僚的な手続きや事務処理についてです。これらの電子メールには、法律顧問室を含む NAWCAD の個人や、NAVAIR 内の他の場所、例えば海軍試験翼アトランティック、オハイオ州ユニオンタウンの製図会社で特許申請書の説明のために雇われた人物が含まれています。

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これらのリリースに含まれる発明開示書によれば、Pais氏は、「慣性質量低減装置を用いたクラフト」、「圧電誘導高温超伝導体」、「高周波重力波発生器」、および「超高強度電磁界発生器」といういくつかの特許が相互に関連していると主張していることがわかる。重力波発生装置出願は、電磁波発生装置出願と慣性質量低減装置出願の両方の後続特許として引用されており、高温超電導体出願でも密接な関連特許として記載されています。

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高周波重力波発生器の開示形態。

発明開示書(「慣性質量低減装置を用いたクラフト」、「圧電誘導高温超電導体」、「高周波重力波発生装置」)の3つの発明開示書はすべて、これらの発明が出願前にNAVAIRの複数の従業員に開示されていたことを示しています。

また、これらの電子メールには、Paisの発明がPax Riverの技術移転オフィス(TTO)で審査されたことも示されている。NAWCADのTTO所長のLinkedInプロフィールによると、このオフィスの使命は「NAWCADの使命を前進させ、国家の経済的幸福を高めるために努力すること」であり、「NAWCADの研究所や試験施設の利用を促進し、外部の顧客やパートナーとの戦略的パートナーシップを開発し、知的財産を商業化すること」とされている。

Pais氏の発明は2015年後半のある日に「技術およびマーケティングの審査」を受け、その後、Pais氏は2016年と2017年を通してNAWCAD発明評価委員会の前で彼の発明を擁護しました。NAWCADはその後、2016年4月に「慣性質量低減装置」特許を取得し、特許承認のために個別にUSPTOに提出したため、発明はこの審査プロセスをクリアしたように見えます。
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それは、2015年後半の審査期間中にNAWCADオフィスオブカウンセルが連邦規則37 CFR§501.6の米国コードを引用したことでした。このコードは、"施設、設備、材料、資金、または情報の政府による貢献をもって"、または "発明者の公務に直接関係があるか、またはその結果として行われた "従業員が勤務時間中に行った発明に対して政府が権利を有すると主張しています。NAWCAD は Pais の "Craft Using an Inertial Mass Reduction Device" 特許に十分に興味を持ち、このコードを引用して米国政府のために特許を主張しました。

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ペイス氏は、慣性質量減少装置特許の発明開示書に、「ここに記載された発明は、私の割り当てられた職務の遂行の直接的な結果としてなされたものであるため、私はここに本発明の全権利、権原および利益を政府に譲渡することに同意し、私は本発明についていかなる権利も保持しないことを理解しています」と記載された書類に署名し、日付を記入しています。

しかし、Paisの下には、「私の割り当てられた職務と本発明との間には、いかなる関係もありません」と書かれています。本発明は、支部や課による職務遂行や割り当てられた業務とは無関係に行われたものです。" 彼は後に、同じ開示書に "発明概念(発明)全体とそれに関連するものは、政府の貢献は一切なく、発明者の自作である "と書いています。
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NAWCAD が 37 CFR § 501.6 を引用し、Pais が「私の割り当てられた職務の遂行の直接の結果として作られた」と記載されたフォームに署名し、日付を記入したにもかかわらず、彼の職務と発明の間には何の関係もなかったと書いているのは不思議なことです。発明はまた、明らかにPaisの割り当てられた職務と直接的な関係がないにもかかわらず、いくつかの内部のNAWCAD/NAVAIR審査委員会によって評価され、NAWCADの指導者によってUSPTOに保証されました。

ペイス氏は、当時の NAWCAD の航空宇宙技術者としての任務には、F-18、F-35、P-8A などの航空機のための燃料熱管理システムの設計と解析に従事したほか、Naval Power, Avionics, and Thermal Laboratory (NPATH)、Variable Cycle Advanced Technology (VCAT)、Unmanned Carrier-Launched Airborne Surveillance and Strike (UCLASS) などのプログラムに従事したことが含まれていたと、同じ形式で書いています。

これらの特許を記述した学術論文の1つが2016年に出版に向けて受理された後、Pais氏は数人のNAVAIR社員にメールで「この論文で最もユニークなのは、先進電力・推進/量子真空工学の世界的権威の1人であるDr. [REDACTED]の承認をすでに得ており、彼はこの論文を "非常に良い論文 "と称して無条件の承認を与えていることだ」と書いています。また、[REDACTED]は、もう一人のトップテーマ専門家である[REDACTED]を含む、彼の同僚数人にもこの論文を転送しました。"
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このメールの中で編集された名前が誰なのかは不明だが、「高度な動力と推進」と「量子真空工学」の分野がいかに小さいかから、いくつかの候補があると思われる。これらのトピックの交差点における世界の権威である2人の作品、通年の「奇妙な科学」の契約者であるハル・プットホフと航空宇宙技術者のH.デビッド・フローニングは、ペイスの「慣性質量減少装置を使用した工芸品」の特許出願と共に、"非特許文献書類 "として含まれていました。

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Froningは、米国空軍が資金提供した超音速機の設計や、航空機の推進を支援するための有向エネルギーの利用に関する広範な研究を発表しています。さらに、オーストラリアを拠点とするFroningは、「推進力と電力のための電磁気学の新しい方向性」や、核融合反応制御するために特別に調整された電磁場を使用することについての査読付き研究を発表していますが、これは過去数年間に米海軍に代わってPaisが特許を取得した技術と同じものです。

Froning氏は2016年に『The Halcyon Years of Air and Space Flight』という本を執筆しています。この本は、「空と宇宙における次の大きなステップに向けて直面している残りの障壁」を検証したもので、「それらを克服するために必要とされる可能性のある材料やエネルギーシステム、推進・飛行システム」の例を提供しています。奇妙なことに、"Salvatore Cezar Pais, Ph.D. "というタイトルのAmazonユーザーが、2016年半ばにこの本に感動した5つ星のAmazonレビューを残したようで、この本の本質は "量子真空の工学による高度なフィールド推進力 "の開発であると指摘しています。この書評が本当にペイズ自身によって書かれたものかどうかは不明だが、ペイズの特許が公開される数年前に投稿されたことは注目に値するが、彼の名前が世間の注目を浴びることになった。

 
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結局のところ、このメールの中で編集された主題の専門家が誰を代表しているのかは不明である。それでも、Froning氏の本のレビューに書かれている言葉のいくつかは、これらのNAVAIRの内部メールのいくつかに書かれている言葉とエコーしている。2016年4月20日に送信された同じ電子メールの中で、Paisは多数のNAVAIRの従業員に「極端なクラフトスピードの可能性、したがって現在の工学材料と方法を使用した銀河間飛行の実現可能性は、この出版によって可能になる」と書き、一方、この書評は、Froningの研究が「銀河間飛行という我々の究極の文明的目標に向けて数歩を踏み出す」と書き、「最先端の材料と工学的方法で実現可能である」と書いた。

Paisは2016年4月20日の電子メールの最後に、"一つ確かなことは、この技術論文の存在と、この分野の第一人者による現在の受容が特許審査プロセスを大幅に促進し、うまくいけば海軍の技術的に進歩した未来のための2つの重要な特許の頂点に達することである "と付け加えています。
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9日後、Pais氏は、特許出願がUSPTOに提出されたことを記し、「[REDACTED]は立派な仕事をして、並外れた特許出願を作成しました。そのシンプルさとミニマリズムによる発明コンセプトは、その高度な量子真空物理学にもかかわらず、オッカムの剃刀に敬意を表しています。ご推薦とご支援に感謝します。" パイス氏が言及しているのは、特許出願時のNAWCADの弁理士であるマーク・グルート氏のことかもしれません。以前の報告で述べたように、Glutは "Craft Using an Inertial Mass Reduction Device "の特許出願プロセス全体を通して委任状を授与されていました。

2017年5月の電子メールで、Paisは「[Redacted]は手ごわい特許弁護士です」と書き、「これらの高度な概念を簡単に理解でき、技術的に認められる特許出願に翻訳するのは容易ではありませんでした」と付け加えています。同じ電子メールの中で、Paisは受信者の "ビジョンとリーダーシップ "に感謝し、"私たちの議論は多くの素晴らしいアイデアを生み出しました "と書き、Paisは "それらを理解し、バックアップしてくれたあなたに非常に感謝しています "と書いています。
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ペイス氏の特許についての前回のレポートでは、ペイス氏が学術論文の中で、Naval Aviation Enterpriseの最高技術責任者であるJames Sheehy博士に「目下のコンセプトについて何時間も考えさせられる議論をしてくれた」と公に感謝の意を表していることを紹介しました。高温超電導体の特許に関連した電子メールの中で、海軍航空エンタープライズの無名の人物が、「このコンセプトには強力な理論的裏付けがある」と書き、特許出願プロセスでの支援を申し出ている。以前にも報告したように、Pais氏の発明のコンセプトの操作性と可能性を個人的に証明するUSPTOへの声明文を書くために、Sheehy氏が介入したのである。

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慣性質量低減装置を用いたクラフト」の特許出願後、海軍航空企業の無名の人物が「おめでとうございます!」と書いてパイスを祝福した。さて、この理論をデモに落とし込むための小型のデモを作る。sec219 BAR/TT [Basic Applied Research/Technology Transfer] の募集が出ていますが、これがBAR/TTプロジェクトの発端になるかもしれません。この人物がシーヒー博士である可能性もある。Sheehy氏はLinkedInのプロフィールで、「CTOとしてNAEのS&T [科学技術]の選択を監督し、提唱している」と書いていますが、この電子メールの個人の署名には「ST」が含まれています。最終的には、この電子メールでの修正のレベルが高いため、この個人の身元は不明のままです。
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このメールに記載されている提案されたセクション219のBAR/TTプロジェクトへの資金提供は、最終的に認められたようです。パイス氏は、1年後の2017年に、ラジカルな新しい推進コンセプトのための2つの学術論文を発表し、2019年には再び "ハイブリッド航空宇宙・海底クラフト(可潜機) "のための資金提供を受けたことを挙げています。

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NAWCADの指導部が行った別の声明は、この219 BAR/TTプロジェクトの結果として「Pais効果」をテストするために実証実験が設計されたことを示唆しているように見える。2017年、海軍航空エンタープライズの最高技術責任者であるSheehy博士はUSPTOに手紙を書き、Paisが "高い電磁(EM)電界エネルギーと磁束値を達成するための実験的実現可能性を実証するための試験品と計測器を設計するために、現在NAWCADから資金提供を受けている "と宣言しました。Sheehyは、Paisは当時 "プロジェクトに1年 "であり、"高度な高エネルギー密度/高出力推進システムを設計し、実証するための一連の実験をすでに開始していた "と付け加えた。

米海軍のファクトシートによると、その後改正された 2009 年度国防許可法の第 219 条は、「防衛研究所が基礎研究と応用研究、防衛研究所が開発した技術の実用化への移行、必要とされる科学技術の専門知識を持つ人材の採用と維持、研究所の活性化と再資本化に資金を提供できる仕組みを確立した」という。基礎研究とは、プロセスや製品への具体的な応用を意識せずに、現象の基本的な側面や観察可能な事実をより深く知ることを目的とした研究である。応用研究とは、認識された特定のニーズを満たすための手段を理解することです。それは、プロトタイプの設計と開発に向けられている場合もあります。同じシートには、"技術の移行は、成熟した技術を記録的なプログラムに移行させるものである "と付け加えている。

高温超電導体特許出願(PA)に関連する電子メールでは、"Navy.mil "の電子メールアドレスを持つ個人が、一次審査官との電話面接を試みることを提案し、"我々はこのPAを非常にうまく弁護できる "と指摘しています。
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高温超電導体の特許出願に関連するUSPTOパブリックペアのウェブサイトで発見された文書に基づいて、私たちは、Pais、NAWCADの弁理士Mark Glut、第一の特許審査官、および別のUSPTO審査官の間で2019年6月6日に行われた電話インタビューを知っています。そのインタビューの中で、Paisは、実験的証拠が不足しているにもかかわらず、高温超電導体の理論的基礎は健全であると主張した。
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高温超伝導体に関するメールには、パイス氏が2017年にエネルギー研究誌「Joule」に断られたことが記されている。Jouleの編集者は、"室温超電導の話題はもちろん非常にエキサイティングだが、我々が再考する前に、提案された理論的経路のいくつかの説得力のある実験的検証を提供してもらう必要があるだろう "と書いていた。" しかし、Pais氏の論文「Room Temperature Superconducting System for use on a Hybrid Aerospace-Undersea Craft」は、2019年のAIAA SciTechフォーラムの議事録に掲載されている。その論文には実験データは含まれていない。
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高温超電導体の出願は、発表時点ではまだ保留中です。

最近の科学的ブレークスルーとペイス特許

ここ数ヶ月の間に、いくつかの重要な開発が科学界に波紋を呼んでいますが、それはペイス氏の特許が主張していることを達成したと報告されています。10月中旬には、研究者が初めて室温超伝導体と呼んでいる根本的なブレークスルーがネイチャー誌に発表され、新しい方法と発電レベルへの扉が開かれる可能性がある。興奮にもかかわらず、この種の超電導を達成するには極端な圧力が必要で、最も低いものでは海面の大気圧の260万倍の圧力が必要であった。今のところ、世界初の室温超電導体は、極小のスケールで研究室に残ることになるだろう。

先月、もう一つの根本的な高温超伝導体の設計が世界に明らかにされた。マサチューセッツ工科大学(MIT)とそのスピンオフ企業であるコモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS)の研究者たちは、革新的な新しいコンパクト核融合炉の設計を詳述した7つの記事をJournal of Plasma Physicsの特別版で発表した。MIT/CFSは、SPARCと呼ばれるこの原子炉は、「世界初のネットエネルギー制御核融合実験」になる可能性があると主張している。

MITプラズマ科学・核融合センターの副センター長であり、SPARCプロジェクトのリードサイエンティストであるMITのマーティン・グリーンワルド氏によると、SPARCの設計で活用されている重要な技術の1つは、核融合反応を封じ込めるために「はるかに高い磁場を発生させることができる、いわゆる高温超伝導体(HTS)を使用する新しい電磁石技術」であるという。
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MIT/CFS
Concept art for the SPARC reactor.

HTS技術におけるこれらの最近の開発は、「ペイス効果」を可能にすると主張されている物理的なメカニズムとは無関係のように見えるが、国防総省の研究室で密室で働いている謎の発明家だけが、これらの「聖杯」技術を追求しているわけではないことを確かに示している。

いつものように、疑問が残る

これらのナヴィア内部の電子メールは、サルヴァトーレ・ペイス博士の奇妙な発明をめぐる謎と、 ナヴィアの指導者がUSPTOにその特許の操作性を保証した理由の解明には至らないかもしれませんが、 発明者の特許出願プロセスと特許が受けた内部審査についての詳細を明らかにしています。

パイス氏が、信じられないほど革命的であり、現在の方法や材料で技術を開発することが可能であることを一貫して証明してきたという理解を深めるだけでなく、これらの電子メールは、NAWCAD と Pax River 発明評価委員会の多くの従業員が、パイス氏の特許を USPTO 申請プロセスでクリアするのに十分なほど真剣に取り組んでいたことを明らかにしています。

また、これらの発明は、第219条基礎応用研究/技術移転プログラムに資金を提供し、物理的なデモンストレーションと更なる実験的なテストに成功したことも知っています。また、これらの発明は、特許が出願される前に、海軍以外のパートナーへの技術移転を促進するために、受賞歴のある NAWCAD 技術移転オフィスによる前述の技術およびマーケティングの審査を受けていることも分かっています。

これらの新情報にもかかわらず、私達はこれらの奇妙な特許とそれが「海軍の技術的に高度な未来」に何を意味するのか、これまでと同様に謎に包まれています。ペイス氏の理論を裏付ける実験的検証や専門家はまだ見つかっていません。

それにもかかわらず、The War Zoneは、これらの特許とそれにつながった研究プロジェクトに関連して、複数のFOIA要求を追求し続けています。

FOIAリリースは以下で全文を読むことができます。このFOIAリリースをThe War Zoneに提供してくださった読者のMichael E. Boyd氏に感謝します。

2020-010057 FINAL VERSION Email.pdf

2020-004558 Patent documents_Redacted.pdf


Contact the author: Brett@thedrive.com






情報は何が正しく何が間違っているか・・・常識にとらわれると本質が見えない。
軍事情報サイトWarZoneに掲載されたことが大きい。

例えば雑誌ムーに載ったニュースであれば私のブログに載せることはない。雑誌ムーは嫌いではないが・・・、
リアリストであるミリタリー関係者や比較的エリートが読むWarZoneに特集されえているのである。WarZoneの調査で特許出願のステップを踏んで開発されたものであるということは、フェイクニュースだと頭から否定してはいけない。

この記事に登場する小型核融合炉もロッキードが10年以内に実用化されると2014年ロイターでも報道されている。



本当にTR-3Bが存在するか否かについては私は懐疑的ではあるが、基礎技術は存在すると考えて良いだろう。




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【WING】2020.11.02

高出力レーザ照射により小型UAVに対処と定義

 防衛装備庁は10月30日、「車両搭載型レーザ装置(近距離UAV対処用)」の研究に関して情報提供企業を募集するとホームページ上で発表した。
 装備庁はこのUAV対処用車載レーザ装置について、レーザ発生装置、捜索標定装置、電源・冷却装置などを主要構成製品として、高出力レーザを照射して小型UAVに対処するものと定義している。

 情報提供企業の要件としては、日本国法人であり国内に製造技術を有する企業であること、防衛省が取扱い上の注意を要する文書などの開示について適当であると認めることを挙げている。また、関連技術の調査、検討、研究などの実績を有することを挙げているが、これについては下請けや協力企業を含めることを想定しても構わないとしている。情報提供意思のある企業は、11月13日17時までに所要の書類を揃えて担当窓口に提出する必要がある。・・・
 https://www.mod.go.jp/atla/rfi.html
令和2年10月30日

車両搭載型レーザ装置(近距離UAV対処用)の研究に関する情報提供企業の募集について


【 乗りものニュース】2020.11.03 乗りものニュース編集部

「メーサー」でも「レーザー砲」でもなく「レーザ」です。

 防衛省の外局である防衛装備庁は2020年10月30日(金)、「車両搭載型レーザ装置(近距離UAV対処用)」の研究に関して情報提供企業を募集するとホームページ上で告知しました。

「車両搭載型レーザ装置(近距離UAV対処用)」とは、小型トラックにも積載可能なコンパクト性を有する対UAV(無人航空機)用の近距離対空装備です。

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車両搭載型レーザ装置のイメージ(画像:防衛装備庁)。

 世界的に低コストながら高性能な小型UAV(無人航空機)が増えるなか、複数の小型UAVが連携して攻撃してくる事態も想定できる一方、現有装備品でこの脅威を軽減するのは難しいため、新規開発するとのこと。


 システムは、レーザー装置、捜索標定装置、電源装置、冷却装置などからなり、車両停車後、速やかに照準し、レーザーを連続発射できることが求められるそう。すなわち、「即時対処性」「低コスト性(高い費用対効果)」「機動性」の3つに優れたシステムを要求しています。

 なお防衛装備庁では、「車両搭載型レーザ装置(近距離UAV対処用)」について、2021(令和3年度)の防衛予算の概算要求で約33億円(後年度負担額を含む)を計画しています。

【了】

近距離対UAV用レーザーであるので、出力30kw級であろうと思われます。

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ATLAでは出力58kwの化学励起ヨウ素レーザー技術は既に開発済ではあるが、実用兵器となると自衛隊では初装備になる。

乗り物ニュースの編集部が、「メーサー」でも「レーザー砲」でもなく「レーザ」です。との注釈が釈然としない。
メーサー」とはゴジラ映画に登場する陸上自衛隊の対ゴジラ兵器で、強力な殺獣光線を発する架空の兵器のことで、語呂がよかったので書いたのであろうが
「レーザー砲」でもなく「レーザ」の意味するところが「?」である。自衛隊が「レーザー」と表記せず一貫して「レーザ」と表記していることを単に揶揄しているだけなのか?それともレーザー砲より出力が落ちるので、あえて「レーザ」としたのかが、どうもその意図が釈然としない。

情報提供企業の募集ともあるので、30kw級以下しかも市販品の「レーザ」発振装置をUAVを撃墜可能程度に高出力化改造する程度という可能性もゼロではない。

防衛装備庁(ATLA)は技術研究本部(TRDI)時代から長年「高出力レーザ兵器」の開発を手掛けてきた。技術研究本部における破壊用レーザー兵器の研究は、1975年(昭和50年)から1976年(昭和51年)にかけて研究試作が行われた、最大出力10 kWのガスダイナミックレーザー「励起実験装置(熱方式)」と最大出力215 WのHFレーザー「励起実験装置(化学方式)」
が嚆矢(こうし)である。1989年(平成元年)から1990年(平成2年)にかけて最大出力10 kWの放電励起CO2レーザーを使用する「高出力レーザ集光実験装置」が研究試作が行われた。

2010年(平成22年)から2015年(平成27年)にかけて小型高出力ヨウ素レーザ技術を用いた「防空用高出力レーザ兵器に関する研究」が行われた。主に護衛艦等の艦船の近接防空用や基地等の地上重要防護施設に適用し得る高出力レーザシステムに関する実験的技術研究であったが、試作品を用いた最適化試験が電子装備研究所で継続されている。

現在、小型化・高出力化し実用化に向け研究中であった。ただ、化学レーザーでは発展性に乏しく運用面から鑑みても固体レーザーの方が優位であるため、ATLAでも固体レーザーの研究に切り替えていると思われる。その具体的成果が高出力レーザー兵器(UAV対処用車載レーザ装置)と思われます。

レーザ技術~物理学が生んだ未来の兵器~電子装備研究所 システム研究部 


電子装備研究所

高出力レーザシステム


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高出力レーザシステムのイメージ図
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高出力レーザシステムの迎撃フロー

高出力レーザシステムは、高出力で集光性に優れたレーザ発生装置、移動目標にビーム照射可能な追尾照準装置及びビーム指向装置等で構成されます。迎撃フローに示す様に、赤外線カメラで高速目標を追尾し、高出力レーザ光を集光させ、撃破するまで追尾・照準・照射します。




ロッキード・マーチン陸上レーザー照射機(Ground based Laser Weapon System)納入。/ 日本のレーザー兵器開発の現状と展望 2017年03月25日









【海上自衛隊幹部学校】(コラム121 2018/09/13)

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“Game Changer”

   2018年6月、米国防総省統合エネルギー推進部長Lawrence Grimes氏は、ロシアや中国などの強力なライバルの台頭を念頭に、「エネルギー兵器分野における同盟国との国際的な研究開発協力の推進が、今後より一層重要になるだろう」と述べた。同氏は、連携協力先としてドイツ・英国・カナダ・オランダ・オーストラリアのほか、NATOの名前も挙げている。この協力には、特にレーザーなどのエネルギー兵器システムの共同開発のみならず、同種兵器を用いる場合の戦域管理体制に関する研究など、多国間での協力を必要とする作業も含まれており1、米国が、将来の脅威変化に対応すべく、同盟国との協力の下、同種兵器の実用化に向けて具体的な準備を進めようとしていることがわかる。このことは、これに先立つ本年4月、同省首席研究開発担当官であり工学博士のMike Griffin氏が「トランプ政権の安全保障政策においては、現在の研究開発段階にあるエネルギー兵器を、早急に配備段階へとシフトさせることに重点を置く」と述べた2ことと符合する。

   従来型兵器とは一線を画し、Game Changerとして期待されるエネルギー兵器開発の現状と、我が国の防衛政策との関わりなどについて考察してみたい。

エネルギー兵器とは

   一部の読者には釈迦に説法・孔子に悟道の非をご容赦いただき、エネルギー兵器とはどのようなものなのかを、ここで概観してみる。

   ここでいうエネルギーとは、一般に「○○波」と表現することのできるもの:音波/超音波、光波、電波/電磁波などを指す。これらのエネルギー体を兵器として用い、目標に対し物理的影響を及ぼすことを目的としたものがエネルギー兵器である。

   したがって、その起源は全く新しいものではない。すなわち、古代の戦場でその心理的な威圧効果に気付いた戦士や武士が、自らの怒声をもって行った“雄叫び”や“哮(たけ)り”は、元祖LRAD3とも呼べる原始的な音波エネルギー兵器であったし、また、第2次ポエニ戦争におけるシュラクサイ包囲戦(シラクサの戦い、とも)でアルキメデスが考案し実用化した“燃える鏡”は、岸壁に配置した多数の巨大な鏡で太陽光線を一束に集め、これを沖合のローマ艦艇目がけて焦点照射し焼き払った戦功を誇る、れっきとした光波エネルギー兵器であった。現代のエネルギー兵器は、これに最新科学技術を用いることで、兵器として多くの優れた特性が備わり、実用化されれば極めて優位な兵器システムになるとされる。

   すなわち、ミサイルや弾頭が目標を破壊する従来型兵器との比較においてエネルギー兵器は、

    -飛翔時間がなく瞬時に目標に到達する即効性

    -誘導の必要がなく、指向イコール命中となる精確性(ただし精緻な照準には距離・重力・大気成分等を加味した各種の補正を必要とする)

   -エネルギー生成源である電力等の供給が滞らなければほぼ無限回数攻撃が可能な連続性

   -実弾消耗による補給のようなロジスティクスをほぼ考慮しなくてよい自立性

   -1発数億円の従来ミサイルに比して圧倒的に破格の単価あたりの経済性(後述する米輸送揚陸艦Ponce搭載30kwレーザーの1回照射コストは約100円)

   -出力が調整可能=兵器効果を可変制御できることから、小は一過性の微弱な超音波やマイクロ波を人体に生理的に作用させ一時的に戦闘員の継戦能力を奪うようなものから、中は電磁波で電子機器回路を麻痺・損壊等させビークルやセンサー、誘導武器等の無能力化を狙うもの、大は高出力レーザーにより目標物を直接破壊・撃破するものまで、防勢的~攻勢的/局地的~全域的/戦術的~戦略的…とシームレスな運用が可能な柔軟性等々、従来型兵器とは別次元の数々の優位性を有するのである。

エネルギー兵器開発のいま

   この分野の研究開発においても先行している米国のレーザー兵器を例にとれば、米海軍は2014年より出力30kw級のレーザー兵器システムを輸送揚陸艦LPD-15 Ponceに搭載し、実射試験において移動中の水上/空中の小目標への命中及びその一部の破壊に成功している4。出力30kwというのはおおよそ一般家庭10戸分を賄えるくらいの電力であるが、レーザー兵器出力としては小目標または目標の一部への破壊力にとどまる。それ以上となると、例えばマストや砲塔など艦艇構造物の破壊には約300kw、弾道ミサイルの破壊には500kw以上が必要とされる。ONR(Office of Naval Research:米海軍研究所)によれば、現在米海軍ではSSL-TM(Solid-State Laser Technology Maturation:固体レーザー技術成熟)計画の一環として、アーレイバーク級DDGに150kw級のレーザーシステムを搭載した洋上試験を、2019年以降に行う予定である5。米陸軍でも、2017年、Stryker型装甲車に搭載したモジュール型高出力レーザー「MEHEL (Mobile Expeditionary High Energy Laser) 2.0」が小型UAVの破壊実験に成功し、こちらは主として施設警備の対ドローン防空用として、2020年の実用化に向け試験が続けられている6

   電磁パルスを用いる電磁エネルギー兵器の用法は、概念としてはEWにおけるEA7と同じで、電子機器/電子システム/センサー・ネットワーク等に対する電磁的な破壊や無能力化を企図するものである。このようなEMP(Electronic Magnetic Pulse=電磁パルス)による攻撃は、一般に核爆発の副産物として発生するHEMP(高高度電磁パルス)によるものが知られているが、核爆発は必然的に放射能汚染・熱線・爆風による広大かつ長期間に及ぶ甚大な人的/物的損害を伴う。このため、核爆発を利用せず、かつnon-kineticなEMP攻撃として、米空軍ではHPM(高出力マイクロ波)を発生させるHPM巡航ミサイルの開発が進んでいる8。同ミサイルは、高性能炸薬と化学反応を組み合わせることなどによって極めて強力な爆発を得て強磁界を作り、その中に強磁性体を通す等の原理により、瞬間的にHPMを発生させて、範囲内のすべての電子機器に対し一瞬で不可逆的な被害を与える。しかし、範囲内に存在する人体へは影響を及ぼさない。影響範囲はHPM出力・目標までの距離及び電磁パルス拡散によって制御可能である。

   先のGriffin氏の言葉を借りれば、米国は着実にエネルギー兵器をその研究段階から配備段階へとシフトさせるべく、日々研究を積み重ねていることがわかる。

我が国の国防政策におけるエネルギー兵器の意義

   このように従来型兵器とは異なる多くの特質を有し、将来のGame Changerと目されるエネルギー兵器であるが、翻って我が国の防衛政策上では、その意義はどのように認識されているのだろうか。

   「平成28年度中長期技術見積り」によれば、我が国が脅威に対する技術的優越を確保するために確立すべき、特にゲームチェンジャーとなり得る先進的技術分野の一つに“高出力エネルギー技術への取組み”が掲げられている9。これと併せ、中期防に示されている防空能力向上等の観点から、高出力指向性マイクロ波やEMP弾、電磁加速システムに関する技術研究が行われている10

   また本年5月、自由民主党政務調査会の『新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画の策定に向けた提言~「多次元横断(クロス・ドメイン)防衛構想」の実現に向けて~』の中で、エネルギー兵器は“技術的優越の確保及び研究開発の推進にあたり重点的に資源配分すべき研究分野”と述べられている。また、研究開発の推進にあたっては“米国等の同盟国・友好国との技術協力・共同研究開発”の重要性が強調されている11

   なぜこのようにエネルギー兵器への期待が一様に高いのか。それはこれまで述べてきた、従来型兵器とは別次元の数々の優位的特性に基づくものであると言えるのではないか。

   拙見ながら、筆者は今を去る約20年前の初任幹部の頃より“兵器無力化兵器”(従来型兵器やそのプラットフォームの機能を無力化する兵器)なるものがあったら… と夢のような妄想を抱いていた。人を殺傷することなく、ミサイルや戦車などの武器としての機能だけを止める、兵器無力化兵器。科学技術の進歩が目覚ましい今日、エネルギー兵器の数々の優位性を用いれば、それはもはや夢ではない。

   例えば、

   ・飽和攻撃を企図して大挙飛来する誘導ミサイル群やSwarm攻撃を狙って押し寄せるドローン群の中に強力なHPMミサイルを必要数撃ち込み、それらの電子機器に不可逆的な障害を与えれば、一瞬でそれらの運動エネルギーをゼロにし無力化することができる。

   ・侵攻してくる艦隊や海上民兵船団に対し、その至近上空でHPMミサイルを用いれば、敵の人的損害を生じることなくビークルだけをただの鉄の箱と化すことができる。

   ・敵司令部の建造物を突き止めることができたなら、建物内に軍人・民間人・老若男女がどれだけ混在していようと、彼らに一切の危害を加えることなく、建物内のすべてのコンピューター・指揮通信システム・電子機器だけを瞬時に破壊することができる。

   ・北朝鮮から弾道ミサイルの発射が確認され、万が一ミッドコースでイージスシステムが迎撃に失敗し、さらにターミナル段階においてマッハ20を超えて飛来する弾道ミサイルを万が一PAC-3が迎撃に失敗したとしても、光速で届くメガワット級高出力レーザーが、捕捉・照準と同時に破壊することができる。

   このように、多彩なエネルギー兵器を縦深的に配備することで、脅威を領域の十分遠方で無力化し続けられる。EMP兵器の有するゼロ・カジュアリティ(ハードとしての兵器のみを無力化できること)、出力可変レーザーの有する秀でた即効性・経済性など、従来型兵器のみしか選択肢がない現状の各種戦場面における多くのハードルやジレンマを、エネルギー兵器は打破できる可能性がある。宇宙やサイバーへと拡大した将来の戦闘ドメインにおいても、敵兵器のみを効果的に無力化できる有効な防衛力となり得るのではないだろうか。

おわりに -希望的展望-

   将来の戦闘様相の多様化・複雑化・不透明化にかんがみれば、エネルギー兵器は実現すれば我が国にとっても夢の装備である。それだけに当然期待も高いわけであるが、技術的には大出力化(パワーソースの確保)・小型化・制御技術等々、まだまだ多くのブレイクスルー、開発試験、大規模な実証実験等を必要とする。厳しい財政状況が続く中、将来戦を見据え我が国の防衛のニーズに合った陸海空防衛力整備を技術的に可能とし、我が国がこの分野で技術的優越を確保するためには、冒頭Grimes氏の言にあるように、同盟国・友好国間における技術協力・共同開発を強力に推進していくことが求められるだろう。それが結実した暁には、夢の“兵器無力化兵器”の登場を期待したい。

(幹部学校未来戦研究所 遠藤 友厚)

(本コラムに示す見解は、海上自衛隊幹部学校における研究の一環として執筆者個人が発表したものであり、防衛省・海上自衛隊の見解を表すものではありません。)

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1 [ AIR FORCE MAGAZINE :“B-21 to Reach Major Milestone this year ; Mattis Arrives in China ; F-22 Pilots More Experienced Than Ever Before”] <http://www.airforcemag.com/DRArchive/Pages/2018/ June%202018/June%2026%202018/B-21-to-Reach-Major-Milestone-this-year-Mattis-Arrives-in-China- F-22-Pilots-More-Experienced-Than-Ever-Before.aspx> 2018年7月28日アクセス。

2 [ AIP :“New DOD R&D Chief Outlines Vision for Jumpstarting Military Innovation”] <https://www.aip. org/fyi/2018/new-dod-rd-chief-outlines-vision-jumpstarting-military-innovation> 2018年8月25日アクセス。

3LRAD=Long Range Acoustic Device(“エルラド”=長距離音響発生装置)

4 [ YouTube :“Laser Weapons System(LawS) demonstration aboard USS Ponce”] <https://m.youtube.com/ watch?v=sbjXXRfwrHg> 2018年8月17日アクセス。

5 [ AFCEA :“Warships Set to Make Waves With Powerful Lasers”] <https://www.afcea.org/content/ warships-set-make-waves-powerful-lasers> 2018年8月17日アクセス。

6 [DEFENSE WORLD.net :“US Army Demos Laser Weapon On Stryker Armored Vehicle”] <http://www.defenseworld.net/news/18766/US_Army_Demos_Laser_Weapon_On_Stryker_Armored_ Vehicle>2018年8月23日アクセス。

7 EW=Electronic Warfare(電子戦)EA=Electronic Attack(電子攻撃)

8 [ MIL-Embedded :“Raytheon EMP weapon tested by Boeing, USAF Research Lab”] <http://mil- embedded.com/news/raytheon-emp-missile-tested-by-boeing-usaf-research-lab/> 2018年8月21日アクセス。

9 平成29年版防衛白書 P.432 なお、この他に「無人化への取組み」「スマート化、ネットワーク化への取組み」「現有装備の機能・性能向上への取組み」の計4つが、今後の研究開発において重視すべき技術研究分野とされている。

10 平成29年版防衛白書 P.433

11 [自民党 Lib Demsニュース:“新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画の策定に向けた提言~「多次元横断(クロス・ドメイン)防衛構想」の実現に向けて”] <https://www.jimin.jp/news/policy/137478. html> 2018年7月31日アクセス。





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【Yahooニュース】10/27(火) 4:17配信 

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夜空に浮かぶ月(2019年6月10日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News(AFP=時事)

【AFP=時事】月面にはこれまで考えられていたよりはるかに大量の水が存在する可能性があるとした論文2本が26日、英科学誌ネイチャー・アストロノミー(Nature Astronomy)に掲載された。将来の宇宙探査で、飛行士が月面で飲み水や燃料を補給できる可能性を高める発見だ。

 月にはかつて水が全く存在しないと考えられていたが、約10年前、月面に閉じ込められた水の痕跡を確認する一連の観測結果が発表されていた。ただ、これまでの研究では水(H2O)と水酸基(OH)の区別はできなかった。

 今回の論文のうちの1本を執筆した研究チームは、月面の恒久的に太陽光が当たらない場所に無数に存在する極小サイズの「コールド・トラップ」に氷が蓄積していることを確認。水が閉じ込められている表面面積はこれまで考えられていたよりもはるかに広い約4万平方キロに及ぶ可能性があるとした。

 2本目の論文では、従来よりも短い波長を用いた観測により、太陽光が届く場所にも水分子が存在する証拠を確認したとされている。【翻訳編集】 AFPBB News

ITmedia佐藤由紀子2020年10月27日 14時47分 公開

 米航空宇宙局(NASA)は10月26日(現地時間)、太陽光の当たる月の表面で水(H2O)を確認したと発表した。月に水が存在することは既に確認されているが、太陽光の当たらない場所のみだった。地球からも見えるクレーターで水が確認されたのはこれが初。

 発見したのは、NASAとドイツ航空宇宙センターの共同プロジェクトによる成層圏赤外線天文台「SOFIA」。ボーイング747を改造したこの特別機は、最高で4万5000フィート(約1万4000メートル)の高度で飛行し、直径106インチの望遠鏡を備え、地上の望遠鏡では見ることのできない太陽系の天体を観察している。

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月と月に閉じ込められた水分、SOFIAのイラスト(画像コピーライト:NASA / Daniel Rutter)
 
SOFIAの望遠鏡は赤外線カメラで水分子特有の波長を検出できる。この機能により、月の南半球で地球からも見える「クラビウスクレーター」内に高い濃度の水分子を発見した。解析の結果、1立法メートル当たり約350ミリリットルの水が存在するとみられる。ちなみに、サハラ砂漠にはこの100倍の水があるという。それだけ微量ではあるが、この発見は、水がどのように生成され、過酷で空気のない月面でどのように持続するかについての新たな疑問を提示する。

 
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SOFIAの望遠鏡(画像:NASAの動画より)
 
SOFIAは引き続き太陽に照らされている月面で水の探索を続ける。SOFIAが収集したデータは、極地探査ローバー「VIPER」のミッションを補足し、将来の有人宇宙探査のための月の水資源マップ作成に反映する。

 NASAは「アルテミス計画」の下、2024年には宇宙飛行士を月面に送り込む計画だ。



月の雫という甲州の銘菓をご存じだろうか?
今は信玄餅のほうが有名だが、信玄餅より歴史のあり、月の雫は
信玄餅とならぶ甲州の二大銘菓である。


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月の雫(つきのしずく)は、江戸時代享保年間より作られている甲州の名物菓子で、山梨特産の甲州ブドウを糖衣でくるんだもの。白い液状のざらめを練って加熱し、その中に生のブドウを入れることによって作る。この名称はブドウが月の光を吸って育つという伝承がもとになっているともいわれる。

偶然に月の雫と名付けられたこの菓子は、まさに月に存在する水を表現したようだ。

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硬い岩石は糖衣で、岩石の中の水は葡萄の果実・・・偶然とはいえ何やら因縁を感じる。
100年後、一般市民が観光でもし月世界旅行が可能となったとしたら、月旅行のお土産は月の水でぶどうの果肉を再現した「リアル月の雫」がお土産の定番になるかもしれませんね。(笑)

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2020年10月1日(木)中秋の名月
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まあ、スマホではこの程度
中秋の名月は満月の日の前日ですが、ほぼ真ん丸に見えます。
町田市上空澄んだ夜空に浮かぶ
中秋の名月。





 
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JAXAとトヨタ、有人与圧ローバの愛称を「LUNAR CRUISER」に
決定
【JAXA・トヨタ自動車株式会社】2020年08月28日

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)およびトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、両者が共同研究を進める燃料電池車両技術を用いた月面でのモビリティ「有人与圧ローバ」の愛称を「LUNAR CRUISER(ルナ・クルーザー)」と命名しましたので、お知らせいたします。

「LUNAR CRUISER」という愛称には、共同研究において試作車の製作など実際にモノづくりを進めていく中で、関係者や一般の方々に親しみを持ってもらいたい、トヨタのSUV・LAND CRUISERがもつ「必ず生きて帰ってくる」という精神や、品質、耐久性、信頼性を月面という過酷な環境を走る有人与圧ローバにも引き継いでいきたいという想いを込めています。

JAXAとトヨタは、2020年代後半の打ち上げを目指し、2019年6月13日に締結した共同研究協定に基づき、有人与圧ローバの研究を進めています。今年度(2020年度)は、シミュレーションによる走行中の動力や放熱の性能確認、タイヤの試作・走行評価、VR(仮想現実)や原寸大の模型を活用した有人与圧ローバ内部の機器配置の検討など、各技術要素の部品の試作、試作車の製作に取り組んでいます。
さらに、JAXAとトヨタは、“チームジャパン”の仲間づくりの一環として、「有人与圧ローバが拓く“月面社会”勉強会(通称、チームジャパン勉強会)※」を通じ、有人与圧ローバを出発点として、将来の月面社会のビジョンや課題について様々な業種間で横断的に意見交換を行っています。

JAXAとトヨタは、今後も、様々な業界の企業の技術力や知見を結集し、“チームジャパン”として持続的な月面活動の実現に向けて挑戦してまいります。

JAXA、トヨタ、三菱重工業株式会社の3者が幹事会社となって2019年8月より開始。現時点で、勉強会を3回、月面社会共創セッションを1回開催し、参加登録企業は約100社。

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トヨタがテレビCMで月面移動車輌のことを取り上げていました。2019年6月13日に有人の月面探査機に取り組むためJAXAとトヨタが共同研究契約に署名したことは知っていましたが、調べてみると私の予想以上に開発が進んでいることに驚きました。




2020年01月02日

2017年12月24日


2020年8月28日宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタ自動車株式会社(トヨタ)は、JAXAとトヨタが共同研究中の有人加圧の月面移動車輌を「LUNAR CRUISER」と命名したことを発表しました。
トヨタの人気SUV・LAND CRUISERをもじって、LUNAR CRUISERってべたすぎるネーミングにちょっと笑いましたが、よく考えれば、トヨタにとって、これしかない本気のネーミングです。

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共同研究期間 2019年6月20日~2021年度末。各年度の研究内容(概要)は以下の通り。
2019年度 実際の月面走行に向けて開発が必要な技術要素の識別、試作車※の仕様定義
2020年度 各技術要素の部品の試作、試作車※の製作
2021年度 試作・製作した部品や試作車※を用いた実験・評価
一般市販車をベースとして改造した車両 

2029年の打ち上げを目指した構想(案)

2022年~ 1/1スケール試作車の製作・評価、月極域での走行系に関するデータ取得・実証
2024年~ エンジニアリングモデルの設計・製作・評価、フライトモデル(実機)の設計
2027年~ フライトモデルの製作・性能品質検証



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人員は米国のオライオンロケット→月近傍有人拠点ゲートウェイ経由で有人月面離着陸機で月面へ降下

有人与圧ローバー(ルナクルーザー)は日本のrH-3ロケットHTB-X発展型で月軌道

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2台のLUNAR CRUISERを月面へ 2台のLUNAR CRUISERは2029年に月面へ搬入され、2034年までの間に5回の有人月面探査を行う。1回の探査で数百kmの範囲を走行、次の探査地域へ移動するのを繰り返すため、6年間の走行距離は1万kmと見積もられている。

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月面に降下する月面車の想像図。着陸機は、ヘラクレスを元にJAXAが開発する案が有力で、1機の着陸機に2台の月面車が搭載される


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https://news.mynavi.jp/article/ises2019-3/

月面探査する宇宙飛行士は4人チームのため、2人乗り月面車を2台利用する。4人乗り1台としないのは万一1台が故障したとき、もう1台に4人乗って月着陸船へ引き返すためだ。これまでに説明した通り、貨物搭載量10tの着陸機で月面へ搬入されるため、1台の重量は5t以内にする必要がある。

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Car&Leisure


トヨタとJAXAは、2020年代後半の打ち上げを目指し、2019年6月13日に締結した共同研究協定に基づいて有人与圧ローバの研究を進めており、今年度(2020年度)においては、シミュレーションによる走行中の動力や放熱の性能確認、タイヤの試作・走行評価、VR(仮想現実)や原寸大の模型を活用した有人与圧ローバ内部の機器配置の検討など、各技術要素の部品の試作、試作車の製作に取り組んでいるほか、“チームジャパン”の仲間づくりの一環として、「有人与圧ローバが拓く“月面社会”勉強会(通称、チームジャパン勉強会)」を通じて、将来の月面社会のビジョンや課題について様々な業種間で横断的に意見交換を行っていると述べた。

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重量6トン 長さ6メートル、幅5.2メートル、高さ3.8メートル(マイクロバス2台分)です。13立方メートルの居住空間(4畳半/ワンルームほど)を備え、乗員2名。ただし、車両の緊急事態を想定して、4人の乗車が可能。2名の宇宙飛行士が最長42日間生活可能。真空の月面で、車内では宇宙服を着ないで生活できるよう生命維持装置を備えたキャンピングカーであり、仕事をする移動研究所でもある。むしろ「移動可能な月面基地」と言う方が適切かもしれない。

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燃料電池電気自動車(FCEV)技術を使用し水素燃料を使用。トヨタの次世代燃料電池を搭載し、一回の水素酸素の充填で、1000km走破。5回のミッション無人での移動を含め1万kmの月面走行を予定。太陽光発電と蓄電を行い補助エネルギーとする。

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発電によって生成された水は飲用等に活用。また、月面の極部分のクレーター内に存在が予想される水を発見する為に月面各所を移動する。発見した水は将来月面活動を行うのに貴重な資源となる。

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月面で「1泊2日」の過酷な旅


月の自転周期、つまり1日の長さは地球の28日に相当するので、月面探査が42日間というのは、ちょうど月の1日半に相当する。これは月の日の出時刻に着陸し、夜を経て翌日の日没時刻に離陸する計画だからだ。

月面車はまず、14日間続く月の昼の間、数百kmの探検に出て、出発地点の月着陸船近くに戻ってくる。ここで14日間の夜を過ごしたあと、再び14日間の昼の旅に出る。従って月面車は、オフロードを数百km走れる燃費性能と、14日間の夜を過ごす能力を兼ね備えていなければならない。

月の夜は過酷だ。表面温度はマイナス170度という、南極よりはるかに寒い環境になるため、人間はもちろん機器類、特に液体を使うバッテリーなどが破損してしまうからだ。保温のためにエネルギーが必要だが、夜間は太陽電池も使えない。南極観測での「越冬」に対して、月面の「越夜」とも呼ばれる、高いハードルだ。

トヨタはこの「燃費問題」と「越夜問題」を、燃料電池で解決することにした。日中は燃料電池の電力で走行し、夜間はヒーターの電力として利用するわけだ。既にトヨタでは燃料電池自動車「ミライ」などを販売しており、月面車もこの技術を利用する。地球上の燃料電池車は水素と空気中の酸素から電気を生み出すが、月面車は水素と酸素の両方をタンクに溜め、燃料電池に供給する。反応して生成された水は、地球上では捨ててしまうが、月面では宇宙飛行士の飲み水などに利用できる。燃料電池本体は基本的に、地球上で市販する自動車用のものを使えそうだとのことだ。


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月面拠点




初日本製月面探査車輌はルナクルーザーではないベンチャー企業製となりそうです。

執筆中

 
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いはらき新聞:Yahooニュース】7/9(木) 13:00配信

北茨城市の景勝地、五浦海岸一体の海底深部に約1650万年前、大規模な油田・ガス田があったことを解明したと、茨城大などの研究チームが8日発表した。海岸に広く分布する岩の塊を分析して天然ガス成分の検出に成功。埋蔵量950億立方メートル以上の巨大ガス田に匹敵する油・ガス田が存在していたと推定した。国内の探査船による地下資源探査では茨城沖も調査対象海域となっており、同大は「茨城沖に石油、天然ガス資源があるポテンシャルが高まった。今後の地下資源探査の進展が期待される」と指摘している。

研究成果は地質学の国際学術誌に公開された。

五浦海岸を含む海域は、炭酸塩による岩の塊を主とした堆積岩でできている。研究チームは2013年以降、炭酸塩の岩塊から多くの岩石試料を採取し、光学顕微鏡やイオン化検出器などを使った高感度分析法により、微量なガス成分の測定に成功した。炭酸塩の体積は少なくとも600万立方メートル(東京ドーム5個分)以上あり、そのほとんどが天然ガスに由来する成分で、海底の約73億立方メートル以上のメタンガスが化学変化して作られたとされる。

炭酸塩の岩塊ができたのは、大陸から日本列島が分離し日本海が拡大する地質時代(約2000万年~1500万年前)に当たる。激しい地殻変動によって海底深部の油・ガス田に亀裂が生じ、重量の軽い天然ガスが数万年以上にわたって断続的に海底に湧き出したと分析している。

五浦海岸は岡倉天心が晩年に居を構え横山大観らを指導した場所として知られ、国の登録記念物になっている。天心史跡の六角堂を取り囲む岩の奇景は炭酸塩の岩塊層になっている。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構が運航する探査船「たんさ」による国の地下資源探査は、2019~28年度に全国の5万平方キロメートルで行われる計画。海底に音波を放つ方法を使い、油田やガス田の可能性を見つける。茨城県の50~100キロ沖も調査対象に選ばれている。

茨城大大学院理工学研究科の安藤寿男教授は「海底で出た天然ガスは風化したものを含めるとはるかに大量で、研究結果は巨大油・ガス田の存在を示す証拠となった。自然の風景や芸術で由緒ある場所で、地質の不思議さが明らかになったことは意義深い」と強調した。

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五浦海岸で採取した岩を手にする安藤寿男教授=茨城大水戸キャンパス

私がまだ高校生の時分、 1979年イラン革命政権が石油国有化に踏み切ったため第二次オイルショックが発動した。閉鎖された常磐炭鉱から装遠くない高校に通っていた私は、希望的観測で、常磐炭鉱の沖合いにでも海底油田があったらいいなという話を地学の先生としたことがある。石炭と石油が出るところは根本的に違うと一蹴された。だが、もし茨城県沖に本当に海底油田が存在するならば、妄想が現実になる。

はたして、北茨城の海底に巨大油田などあるのであろうか?


中国が侵略を試みている尖閣諸島周辺の海底資源の可能性は、1961年東京水産大学の新野弘教授 と米ウッズホール海洋研究所の地質学者のケネス・O・エメリー博士 が、論文を発表して初めて指摘された。1968年、国連・アジア極東経済委員会(ECAFE)が東シナ海で海底調査を行い、1969年に出されたその報告「東シナ海海底の地質構造と海水に見られるある種の特徴に就いて」の中で、ECAFEは「台湾と日本との間の浅海底は、世界的な産油地域となるであろうと期待される」として、石油有望地域と評価した。

これを受けて、日本、中国のそれぞれが、尖閣諸島周辺海域で調査した。日本は1969年、70年に、スパーカ震源による地震探査法で調査し、推定埋蔵量1,095億バレルとはじいた。中国側調査(1980年代初め)で 700億~1,600億バレルと埋蔵量評価した。爾来、この海域に巨大な石油・天然ガス田の存在が有望視された。

イラクの推定埋蔵量に匹敵するという推定埋蔵量の信用性は、1660年代の調査技術の水準から考えると希望的観測にすぎなかった。1994年近代的地震探査による政府公表の埋蔵量によると、約5億キロリットルと国会で答弁している。バーレル換算32.6億バーレルという数字である。参考ソース

中国は尖閣諸島は中国の核心的利益だと主張していたが、最近は中国固有の領土だといい始めている。実はそんなに埋蔵量がない尖閣よりも、茨城沖のガス田/油田の方が大消費地首都圏に近く日本にとって、メリットが大きい。だからといって尖閣を中国に1mmとも譲るわけにはいかない。寸土を失うものは全土を失う。
尖閣で中国を放置すれば、次に茨城県沖にどんな屁理屈を付けやってこないともいえない。

ガス田で言えば南房総に既に巨大なガス田があり、房総からさほど遠くない常陸沖に巨大なガス田があってもおかしくはないであろう。また、ガス田があるならば、もしかとすると、房総~常陸沖に油田があっったとしてもおかしくはないであろう。

関東天然瓦斯開発株式会社

天然ガスはどこに眠っているの?
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当社が開発している南関東ガス田は、千葉県を中心に、茨城・埼玉・東京・神奈川県下にまたがる広大な水溶性天然ガス 田です。可燃性天然ガスは、その存在している状態により、構造性天然ガス、炭田ガス、水溶性天然ガス等に分類されます。水溶性天然ガスは、微生物起源のメタンガスが、地下の地層水に溶解しているものです。

千葉県で天然ガスが産出するのは、上総層群(かずさそうぐん)という地層です。これは第四紀更新世(こうしんせい)という地質時代(今から約300~40万年前)に海底に堆積した、主に砂岩と泥岩からなる地層です。

この砂岩と泥岩の互層中にある地層水にガスが溶けた状態で存在し、ガス層を形成しています。この地層水は、「かん水」と呼ばれ、昔の海水が地層の中に閉じ込められたものです。その成分は現在の海水とよく似ていますが、現在の海水と比べて約2,000倍のヨウ素分を含む等の特徴があります。

豊富な埋蔵量

南関東ガス田は可採埋蔵量が3,685億m³にも達する、わが国最大の水溶性天然ガス田です。その中でも茂原地区は、(1)埋蔵量が豊富で、(2)鉱床の深度が浅く、(3)ガス水比(産出水量に対するガス量の容積比)が高い等、天然ガス開発に有利な条件を備えています。

当社鉱区における天然ガス可採埋蔵量は、約1,000億m³。現在の年間生産量で計算すると約600年分にもなります。
(算定方法はJIS(M-1006-1992)の容積法による。)

メタンハイドレードよりも、現状では期待が持てる案件である。

石油・天然ガスとは|採用情報|国際石油開発帝石 [ INPEX ]
https://www.inpex-recruit.com/energy/about01.html

日本のエネルギーの20%を占める。日本の年間天然ガス消費量はちょうど1000億㎡。
茨城沖に巨大ガス田があっても輸入に頼らざるをえないことにはかわらない。
メタンハイドレード開発もあわせて国策としてすすめていただきたいものだ。

一般に石油は太古のプランクトンなどの生物が堆積してできたケろジェン説が有力で、プレートの境である日本近海で、温暖で浅い海面が長期的に存在していたとは思えず、事実秋田や新潟には小規模ながら油田があっても太平洋岸にはガス田はあっても油田は一切無い。

石油ってどうやってできたの?【石油情報センター】

大昔の生物がくれた贈り物

 石油は、数億年前の生物の死骸が化学変化を起こしてできた化石燃料といわれています。石油の成因については、長い間「有機(生物)起源説」と「無機(無生物)起源説」の両論が主張されていましたが、現在ではほぼ、有機説に統一されており、その中でも「ケロジェン起源説」が有力です。この説では、生物の死骸が海底や湖底に堆積し、その大部分が化石化してケロジェンと呼ばれる物質になり、長い間に地熱と地圧の影響を受け熟成されて石油に変化したとされています。
 できた石油は、地下の圧力で上へ上へと浸透し、油を通さない岩層(帽岩)で遮られた背斜トラップに移動集積して、貯留したものが石油鉱床です。
 石油は、岩石の隙間に貯留しています。石油は、地下に沼や湖のように貯まっているわけではありません。「貯留岩」と呼ばれる砂岩や石灰岩などの孔や隙間に貯留しているのです。
 現代の生活に欠かせない石油は、実は過去の生物が私たちに残してくれた偉大な贈り物なのです。




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少なくとも常磐沖はずっと海底であったようで、プランクトンが降り積もっていた可能性は高いのだが・・・私は山師ではないので石油があるのか無いのかは断言できません。

わたしは石油の起源について圧倒的多数派である石油有機起源説(ケロシン説)ではなく、主に東欧やロシアで唱えられている石油無機起源説(マントル起源説)を支持したい。


無機起源説は1870年代、元素の周期律表で知られるロシアの化学者メンデレーエフが唱えたのが始まりで、旧東側諸国では従来から定説とされていた学説で ある。ただし、旧西側諸国では、定説とされてきた石油「有機」由来説に真っ向から反対するものであったため長く顧みられることがなかった。その後トーマ ス・ゴールドが取り上げたことで、西側諸国でも脚光を浴びることとなった。 天文物理学者であるゴールドの説く石油無機起源説は、「惑星が誕生する際には必ず大量の炭化水素が含まれる」「炭化水素は地球の内核で放射線の作用により 発生する」「この炭化水素が惑星内部の高圧・高熱を受けて変質することで石油が生まれる」「炭化水素は岩石よりも軽いので地上を目指して浮上してくる」と いうものである。

無機起源説の根拠としては「石油の分布が生物の分布と明らかに異なる」、「化石燃料では考えられないほどの超深度から原油がみつかる」、「石油の組成が多 くの地域でおおむね同一である」、「ヘリウム、ウラン、水銀、ガリウム、ゲルマニウムなど、生物起源では説明できない成分が含まれている」などが挙げられ る。 また、有機成因説が根拠としている、石油中に含まれる炭化水素の炭素同位体比を調べた結果、炭素数の少ない炭化水素ほど、質量の軽い炭素同位体を含む割合 が多くなるという傾向は、地下から炭化水素が上昇する過程で、分子の熱運動により重い同位体が分離され、炭素12比率があがることも説明可能となる。

この石油無機起源説であれば、太平洋プレートが北米プレートの下に入り込む常磐沖にマントル起源の炭化水素が湧き上がってきて油田を形成しているという説の方がしっくりくる。
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https://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/sec4.1.html

あるのか無いのかはわからないが、あったらいいな常磐油田。




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【読売新聞】2020/06/04 18:04 
 
厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染を予防するワクチンについて、2021年前半から順次、国民に接種を開始できるよう、生産体制の整備などを後押しする目標を明らかにした。21年に延期された東京五輪・パラリンピックの開催前から、接種が可能になる体制づくりを目指す。

 政府は20年度第2次補正予算案で、メーカーの製造拠点に対し、原料を作るための装置や製造ラインの設置を支援する費用などを盛り込んだ。

 海外では、10種類のワクチンの臨床試験が始まっており、国内企業でも今夏以降に臨床試験を始める計画が進んでいる。

 
Newsweek 2020.07.04


2021年に延期された東京五輪・パラリンピックを是非とも開催するには、開催前には例の流行病(はやりやまい;中共ウィルス)に対する
ワクチン開発と予防接種が必要なのではないかと思っておりましたが、「厚生労働省は7月2日、新型コロナウイルスのワクチンを早期実用化する『加速並行プラン』」を策定した。

現在国内外で研究開発が進むワクチンは、通常ワクチン開発
と、実用化には、どんなに急いでも数年を要するというのが常識であった。ただ、緊急性と金の匂いがするので大幅に早くなるだろうと、私を含め多くの識者(わたしは識者にはいらない)が、1~2月に予想していたワクチン開発時期(早くて2年後)が、予想が大幅に早まり、早くもWHOの7月2日時点のまとめによると、現在、臨床試験に入っている例の流行病(はやりやまい;中共ウィルス)に対するワクチンは18種類(ANNニュースだと17種類)。このほかに129種類(ANNニュースだと150種類)が前臨床の段階だという。※18種類129種類のソース元はAnswersNews

政府は世界のワクチンの開発状況を鑑み、最終的に国民全員に接種することを念頭に、国費を投じて製造ラインを整備すると、マスコミにリークした。

通常は臨床試験が終わり実用化のめどが立ってから着手する製造ラインの整備について、研究中から政府が資金を投入し、審査・承認の過程も大幅に短縮する計画だ。ただし、ワクチンの生産体制が整った後も、大量供給できるまでには「生産開始後半年~1年程度」かかるとした。

新型コロナウイルス 治療薬・ワクチンの開発動向まとめ【COVID-19】
AnswersNews】2020.07.03


治療薬
(略)

ワクチン

WHOの7月2日時点のまとめによると、現在、臨床試験に入っているCOVID-19ワクチンは18種類。このほかに129種類が前臨床の段階にあります。
 
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臨床試験を行っている主なCOVID-19向けワクチン】 (社名・研究機関名/開発状況): 英オックスフォード大/英アストラゼネカ/ウイルスベクターワクチン「ChAdOx1-S/AZD1222」。P2/3試験を英国で実施中 |中国カンシノ・バイオロジクス/北京バイオテクノロジー研究所/ウイルスベクターワクチン。P2試験を中国で実施中 |米モデルナ/mRNAワクチン「mRNA-1237」。P2試験を米国で実施中。7月からP3へ |北京生物製品研究所/武漢生物製品研究所/不活化ワクチン。P1/2試験を中国で実施中 ||中国シノバック・バイオテック/不活化ワクチン。P1/2試験を中国で実施中 |米ノババックス/組換えタンパクワクチン「NVX-CoV2373」。P1/2試験を実施中 |独ビオンテック/米ファイザー/mRNAワクチン「BNT162」。P1/2試験を欧米で実施中 |米イノビオ・ファーマシューティカルズ/DNAワクチン「INO-4800」。P1試験を米国で実施中 |独キュアバック/mRNAワクチン。P1試験をドイツなどで実施中 |中国クローバーバイオ/英グラクソ・スミスクライン/サブユニットワクチン「SCB-2019」。P1試験を中国で実施中 |英インペリアル・カレッジ・ロンドン/RNAワクチン。P1試験を英国で実施中 |アンジェス/大阪大/DNAワクチン「AG0301-COVID19」。P1/2試験を日本で実施中 |※WHO(世界保健機関)や各社の発表情報などをもとに作成

開発が先行しているのは、英オックスフォード大と英アストラゼネカのアデノウイルスベクターワクチン「ChAdOx1-S/AZD1222」と、米モデルナのmRNAワクチン「mRNA-1237」。

ChAdOx1-S/AZD1222はP3試験に入っており、mRNA-1237も7月中にP3試験を始める予定です。米ファイザーは7月1日、独ビオンテックと共同開発している4種類のmRNAワクチンのうちの1つ「BNT162b1」のP1/2試験で良好な結果が得られたと発表。7月中にも大規模なP2b/3試験を始めます。


ワクチン開発には欧米の大手製薬企業も参入しています。米ジョンソン・エンド・ジョンソンは、ウイルスベクターワクチン「Ad26.COV2-S」のP1/2a試験について、9月としていた当初予定を前倒しして7月後半に開始する予定。米メルクはオーストリアのテミスを買収し、獲得した麻疹ウイルスベクターワクチンの臨床試験を今年後半に始める予定です。

サノフィとグラクソ・スミスクラインは、共同開発中のワクチンについて今年後半にP1試験を開始し、来年後半に開発を完了させることを目指しています。両社のワクチンは、サノフィの組み換えDNA技術に基づくSタンパク質抗原とGSKのアジュバントを組み合わせたもの。サノフィは米トランスレート・バイオともmRNAワクチンの開発で提携しており、GSKも抗ウイルス抗の開発で提携するビル・バイオテクノロジーズとワクチン開発でも協力しています。

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【COVID-19向けワクチンを前臨床段階で開発中の主な企業】 (社名・研究機関名/開発状況): 米ジョンソン・エンド・ジョンソン/ウイルスベクターワクチンを開発。7月後半にP1/2a試験開始予定 |仏サノフィ/英グラクソ・スミスクライン/今年後半にP1試験開始予定 |米メルク/2種類のワクチンを開発。いずれも今年後半に臨床試験を開始予定 |仏サノフィ/米トランスレート・バイオ/mRNAワクチンを開発 英グラクソ・スミスクライン/米ビル・バイオテクノロジーズ/― |塩野義製薬(子会社UMNファーマ)/組換えタンパクワクチンを開発年内に臨床試験開始予定 |IDファーマ/ウイルスベクターワクチンを開発最短で9月の臨床試験開始を予定 |KMバイオロジクス/不活化ワクチンを開発。年度内の非臨床試験終了が目標 |第一三共/mRNAワクチンを開発。21年3月ごろの臨床試験開始が目標 |田辺三菱製薬(子会社のカナダ・メディカゴ)/植物由来VLPワクチンを開発。8月までに臨床試験開始予定 |※WHO(世界保健機関)や厚生労働省、各社の発表情報などをもとに作成
 

国内ではアンジェスが治験開始

国内では、大阪大とアンジェスが共同開発するDNAワクチン「AG0301-COVID19」が、6月30日にP1/2試験を開始しました。対象は20~65歳の健康成人で、目標症例数は30例(低用量群15例、高用量群15例)。アジュバントを含む同ワクチンを2週間間隔で2回、筋肉内注射し、安全性と免疫原性を評価します。


塩野義製薬は、グループ会社のUMNファーマで組換えタンパクワクチンの開発を進めており、年内の臨床試験開始に向けて厚生労働省などと協議を進めています。KMバイオロジクスも不活化ワクチンの開発に着手しており、年度内の非臨床試験終了が目標。アイロムグループのIDファーマはセンダイウイルスベクターを使ったワクチンを開発中で、9月にも臨床試験を開始する考えです。第一三共は、mRNAワクチンの臨床試験を来年3月ごろに始めることを目指しています。


田辺三菱製薬もワクチン開発に乗り出しています。カナダ子会社のメディカゴが植物由来ウイルス様粒子を使ったCOVID-19向けワクチンを開発中。非臨床試験の中間結果で良好な結果が得られたことを明らかにしており、8月までに臨床試験を開始するために規制当局と協議しています。順調に進めば、臨床試験は来年11月に終了する予定です。


日本政府は、オックスフォード大とアストラゼネカが開発しているワクチンの日本への供給に向け、同社と具体的な協議を進めることで合意しました。第一三共、MeijiSeikaファルマ、KMバイオロジクスの3社と協力し、海外から供給される原液を国内で製剤化する方向で検討が進められています。


政府は今年度第2次補正予算案で製造ラインの整備費を基金化し約1400億円を計上。補正予算の成立後、1件200億~300億円をめどに5件程度を公募で選定する予定だが、1件目は臨床試験に日本で最初に入ったアンジェスで決まりだろう。



あと国産では、英国のバイオベンチャーUMNファーマを買収した塩野義製薬が、組換えタンパクワクチンを開発、年内に臨床試験開始予定 。

IDファーマは、遺伝子治療関連技術開発を目的とした、国家研究プロジェクトが開始される。プロジェクトの運営会社である「株式会社ディナベック研究所」が設立され、政府第三セクターと製薬会社7社が出資して、その後アイムロGなどと経営統合し、2015年に社名変更した会社。
最短で9月の臨床試験開始を予定 

KMバイオロジクスは熊本医科大学教授太田原豊一博士の首唱により、戦前熊本医科大学に、ワクチン、抗血清、診断抗原等の製造・供与を目的に設置されていた実験医学研究所を母体として財団法人化学及血清療法研究所を熊本市に1945年設立された会社。

不活化ワクチンを開発。年度内の非臨床試験終了が目標



|第一三共/mRNAワクチンを開発。21年3月ごろの臨床試験開始が目標 |田辺三菱製薬(子会社のカナダ・メディカゴ)/植物由来VLPワクチンを開発

あらふしぎ、以上国産は5社。その5件政府助成の候補になるのであろうか?



コロナワクチン、安全性と有効性をどこまで追求すべきなのか
ワクチンについてわたしたちが知っておきたいこと
【NATIONAL GEOGRAPHIC】2020.07.04 

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2020年3月16日、米国ワシントン州シアトルにあるカイザー・パーマネンテ・ワシントン健康研究所で、臨床試験中のコロナワクチンの接種を受けるニール・ブラウニングさん。(PHOTOGRAPH BY TED S. WARREN, AP IMAGES)

 新型コロナウイルスのワクチンに関しては、現在世界で140種類以上の研究が進められている。だが問題は、ワクチンの安全性と有効性をどこまで高めれば十分と言えるのかという点だ。

 通常ワクチンの開発には何年もかかるが、パンデミック(世界的大流行)になった新型コロナウイルスのワクチン開発は異例の速さで進められている。米国のバイオテクノロジー企業のモデルナ社は、7月に臨床試験の第3段階に入る。米国政府は5月、「オペレーション・ワープ・スピード」と名付けたワクチン開発加速計画に数十億ドルを投資すると発表した。(参考記事:「新型コロナの遺伝子ワクチン候補、最初の臨床試験をクリア」)

 とはいえ、ワクチンが速くできればいいというわけではない。科学者たちの中には、最初にできたワクチンで満足してしまうことに危機感を抱いている者もいる。また、ワクチンがどの程度安全で有効であれば、一般への大量接種の準備が整ったと言えるのかを判断するのは、極めて難しい。

 もし、効果が限定的なのに生産を大幅に拡大して接種を広く呼びかければ、もっと良いワクチンを開発しようとする研究者の意欲がそがれてしまう恐れがある。2019年12月まで世界保健機関(WHO)でポリオ対策の調整官を務めていたロナルド・サッター氏は、「効果の低いワクチンで良しとしてしまえば、より効果の高いワクチンの開発が妨げられてしまうかもしれません」と懸念する。(参考記事:「新型コロナ、ワクチンはいつできるのか?」)

ワクチンの真価は承認後に判明する
 
ワクチンの臨床試験は、3段階に分けられる。第1相試験では、50人ほどの小人数を対象に、ワクチンの安全性を評価する。

 第2相試験では、もう少し被験者を増やしてワクチンの有効率(ワクチンによって発症を防げる割合)を確かめる。接種後、採血した血液を分析して、標的とする病原体を中和させる抗体などが作られているかどうかを調べる。

 第3相試験はさらに規模を拡大して、数千人を対象にその有効性と安全性を測る。多くの場合、本物のワクチンを接種する人とプラセボ(偽のワクチン)を受ける人に分けて、両者の間で発症を防ぐ効果を比較する。

 だが、ワクチンの真価が本当に明らかになるのは、正式に承認されて広く一般に接種されてからだと専門家は指摘する。

「臨床試験は、あくまでも管理された環境下で行われるものです」と話すのは、英国ロンドンを拠点とし、生物医学研究に資金提供する団体「ウェルカム」でワクチンプログラムを率いるチャーリー・ウェラー氏だ。

 ワクチンの臨床試験に参加する人々は、医師に管理されていると思うと行動に気を付けるようになり、ウイルスへの感染リスクをできるだけ回避しようとする傾向にある。「治験に参加している人は、治験に参加していることを認識していて、普段の行動を変えてしまうことがあります。ですから、ワクチンの実力が本当に試されるのは、広く一般に接種されるようになってからなんです」

さらに、たとえ臨床試験をすべてパスしたワクチンでも、効き目に違いが出てくることがある。その理由ははっきりしていないが、標的となるウイルスに本来備わっている要素、例えば変異する傾向や、体内でどう増殖するかなどに加え、人間の自然な免疫系がどう作用するかといったことも関係するのかもしれない。

 効果が高いことで知られているワクチンのひとつに、ポリオの不活化ワクチンがある。米疾病対策センター(CDC)によれば、3回の接種でその予防効果はほぼ100%とされている。麻疹(ましん)ワクチンも、1回の接種でおよそ96%の予防効果が得られる。(参考記事:「子どもたちを救い パンデミックをせき止めた偉大な科学者」)

 その他のワクチンは、予防効果がそこまで高くないまま実用化されている。インフルエンザウイルスは毎年のように変異し、毎年ワクチンを接種しなければならないが、罹患リスクを40~60%抑えるだけの効果しかない。

 マラリアワクチン「RTS,S」にいたっては、わずか3分の1しか発症を予防する効果がない。それでも、マラリアが蔓延している地域では選択肢のひとつとして有望視されている。マラリアで死にいたるのはほとんどが幼い子どもで、3分の1でも救えれば目覚ましい成果だと話すのは、米メリーランド大学ボルチモア校医学部ワクチン開発センターの小児感染症専門家マシュー・ローレンス氏だ。(参考記事:「苦戦するマラリアワクチン、根絶への道のり遠く」)

 新型コロナウイルスに関しては、WHOが今年4月に示したように、高齢者を含め少なくとも人口の70%に対して効果を見込めるワクチン候補が理想的と言えるだろう。6月28日には、米国立アレルギー感染症研究所所長のアンソニー・ファウチ氏も、70~75%でも甘んじて受け入れるだろうと発言した。(参考記事:「ファウチ氏独占インタビュー「ウイルスが中国の研究所で作られたという科学的根拠はない」」)

 一方、6月30日に、ワクチンを承認する米食品医薬品局(FDA)は、臨床試験における有効率の最低ラインを50%とするという指針を発表した。一部の研究者たちは、この指針に納得していない。「50%なんてひどすぎます」と、カナダのゲルフ大学オンタリオ校獣医学部のウイルス免疫学者バイラム・ブライドル氏は不満をあらわにした。「このパンデミックを終わらせるには、集団免疫を獲得する必要があるんです」。そのためには50%しか効かないワクチンではまるで足りないと、ブライドル氏は指摘する。

 別の専門家は、どんなワクチンであっても、それは社会的距離の確保やマスク着用などと合わせたウイルス拡大抑止への多面的な取り組みの一環にすぎないと考えている。

 免疫学者たちは、過去の経験から、新しいワクチンにはかなり神経質になっている。下痢を引き起こすロタウイルスの予防に初めて承認されたワクチンは、1999年に使用が中止された。腸の一部が別の部分に入り込んでしまい、死にいたる可能性があるという腸重積症がワクチンと関連付けられたためだ。重篤だが極めてまれなこの副反応は、治験段階では報告されていなかった。

 もっと最近では、2009年に豚インフルエンザワクチン「パンデムリックス」が、突然睡眠状態に陥るナルコレプシー(過眠症)を引き起こす恐れがあると、ヨーロッパで報告された。

 官民共同でワクチン開発の加速化を支援するヒューマン・ワクチン・プロジェクトの社長兼最高経営責任者を務めるウェイン・コフ氏は、「小規模の治験では、重篤な副反応が見られることはめったにありません」と話す。大人も子どもも、世界中で認可されたワクチンを毎年何百万本と接種しているが、重篤な副反応が出ることは極めてまれだ。

 モデルナ社の第1相試験では、45人の被験者のうち4人が著しい副反応を示した。そのうちのひとりの男性は、高熱を出して意識を失った。研究者の間では、このようなmRNAワクチンは免疫系を過剰に刺激する場合があることが知られていた。また、重い副反応を示した4人のうち3人は、治験で最も多い量を投与されていた。(参考記事:「新型コロナの遺伝子ワクチン候補、最初の臨床試験をクリア」)

ワクチン接種への理解を得ることも重要
 
コロナワクチンがWHOの基準を満たし、「ワクチンの恩恵がリスクを上回った」としても、どれだけの人が納得してワクチンを接種するかはわからない。

 5月に、AP通信・公共問題調査センター(NORC)が米国で1000人以上を対象に行った調査では、約50%の回答者が、コロナワクチンが接種できるようになったら自分も受けるつもりだと答えた。同センターが過去にインフルエンザワクチンについて調査した際にもほぼ同じ回答が得られ、ピュー研究センターが同じく5月に行った調査でも同様だった。

 だが、インフルエンザよりもコロナワクチンの方が、躊躇する人は多い。インフルエンザワクチンを接種するかどうか決めていないと答えた人は18%だったのに対して、コロナワクチンについて態度を決めかねている人は31%に上った。そのなかでも、コロナワクチンの副反応を心配する人の数は、インフルエンザワクチンの副反応を心配する人の数の2倍に及んでいた。

 さらに、女性の方がコロナワクチンに懐疑的であるという興味深い結果も出た。コロナワクチンを接種すると答えた男性は56%だったのに対し、女性は43%にとどまった。「多くの家庭で、医療に関する決定権を持つのは女性です。家族全員のワクチン接種や医療の決定権を持ち、医者へ予約を入れる女性は、潜在的影響力を持つグループです」と、AP通信・NORC副所長のジェニファー・ベンズ氏は言う。

 今後主に問題となってくるのは、有効なワクチンが受けられるようになったときに、自分が接種することでパンデミックの終焉を助けるのだということを人々にどう説明するかだと、ローレンス氏は言う。「ワクチンがどのように試験されたか、その安全性や役割、そしてそれがいかに感染症の拡大を防ぐのかといったことを広く知ってもらうために、私たちはあらゆる手を尽くさなければなりません」(参考記事:「ワクチンはなぜ重要なのか? その歴史と仕組み」)

 ワクチンへの不信感以外にも、懸念材料はある。ウェラー氏は、少なくとも最初のうちは需要が供給を大きく上回ることを想定している。

 米国メリーランド州ボルチモアにあるジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターのアメシュ・アダルジャ氏も、一般への接種開始は慎重に計画しなければ、接種希望者が殺到して混乱が起こるのではないかという。「デパートで年に一度の大セールが開催された場合を想像してみてください」

 過去に別の病気の集団予防接種運動に関わった人々は、コロナワクチンの開発過程を注意深く見守っている。ワクチンの信頼性とともに、受けたい人が受けられるようにすることが重要だ。サッター氏は警告する。「一般への接種開始は慎重にやらなければなりません。少しでも問題が起きれば、ワクチンへの信頼はあっという間に失なわれてしまいます」

私は、ワクチン接種に反対ではないのだが、反対意見もある。

 
2020/06/30 

羽賀ヒカル氏によれば、例の流行病(はやりやまい;中共ウィルス)は、ただの風邪だとのこと。
私も、日本人にとってはただの風邪であるという意見に同意しますが、欧米人にとってはただの風邪では済まされない。

超過死亡率からいえば、動画でも紹介されたが、各国の新型コロナの流行時時期の、「超過死亡率」を見てみると日本以外が酷い。
英国は、3月17日~6月5日、去年の死者数と比べるとなんと、43%増。イタリアは、2月の24日~4月26日、40%増、スペインは、3月2日~5月17日、去年の死者数に比べると50%増、ブラジルは、3月1日~5月の31日、38%増であり、このウィルスをただの風邪と済ますことはできないと思います。

超過死亡率とは、特定の母集団の死亡率が一時的に増加し、本来想定される死亡率の取りうる値を超過した割合のことである。「死亡率の変動」とも言う。 これは通常、熱波、寒波、伝染病、パンデミック、飢饉、戦争などによって引き起こされます。

中共が作成したかもしれないこのウィルスには、サーズやHIVの遺伝子が確認できるウイルスと言われています。

サーズやHIVウイルスに完全に効く特効薬もできていないのに、例の流行病(中共ウイルス)のワクチンは、たった1年で完成するのが怪しいと言っています。それこそアングロサクソンミッションという陰謀論の類だと疑う可能性はなくはありません。


アングロサクソンミッションは都市伝説か、フェイクニュースの可能性が高いと思うのですが、怪しいワクチンを国民全員に接種させるのは、いかがなものか?とも思います。

例えばベクシル 2077日本鎖国のようなワクチンで国民を奴隷化するSF は山のようにある。
ニコニコ動画



日本にも子宮がんワクチンに反対するするグループや根深いワクチン反対団体が存在している。

インフルエンザワクチンも意味が無いとワクチンを忌避する人達がいる。

1987/02/22日 朝日新聞朝刊

インフルエンザ集団接種の見直し求めてネットワーク

 小、中学生のインフルエンザ集団予防接種に、「効果が証明されておらず、大人のためにと子どもに強制し続けているのはおかしい」と反対している全国の市民グループが、21日、東京・高輪の国民生活センターに集まり、運動の全国ネットワークを結成した。
 厚生省が昨年夏、検討班を設け、集団接種を見直すのか、どうか、近く同班の結論が出るため、この時期に、反対運動側の声をまとめようという狙いだ。
 また、この日は、54年度に集団接種をやめ、以来、世界にもあまり例がない大規模な疫学調査を続けてきた群馬県前橋市医師会が、1月にまとまったばかりの報告書を紹介。
 「集団接種を中止しても、大人を含めての患者発生は他地域と変わらなかった」「子どもは実際に感染することによって高い免疫を身につけ、しかも3年ほどその効果が続いた」「健康な子にはワクチン接種は利益にならない。それを集団強制接種することで、社会を守るという政策も裏付けがない」という内容に、会場からは「この調査を国の検討班はどう評価するつもりだろう」という声が出ていた。
一種の反原発団体のような市民のヒステリー的なものかと思うと、あまり支持する気はなくなるのだが、インフルエンザワクチンを接種しているグループと接種してないグループを測ってみたら、そんなに大差がなかったかもしれないが、インフルエンザワクチンがあるからこそ、マスク手洗いでロックダウンなど過剰な経済停止状態を行わずに済んでいることも事実である。

ただ例の流行病日本においては問題ない状態でした。新型コロナウイルスの死亡者は、例年インフルエンザで亡くなる3000人より少ない死亡人数900名であり、大騒ぎすべきでないことは確かです。

例の流行病も変異が早く、もしかしたら、ワクチン接種は体に悪いだけで、意味が無いかもしれない。

最近、東京都内では、毎日毎日、連日、再び感染者数どんどん発表されていますが、あれは、ホストクラブの経営者やホスト達がビビッて、PCR検査をしまくっているから感染者を発見してしまっているだけだと言います。

重要なことは、感染は発症ではなく、
重傷者をいかに出さないか、医療崩壊を起こさないことだと思います。

ロックダウンした英伊西ブラジルと比べてロックダウンしなかったスウェーデンの死亡超過率は24%であり、日本も非常にゆるい規制であったが、超過死亡率は非常に低い。そもそもロックダウン不要であった論が出てきています。

この流れの中で、「ワクチン国民全員接種プラン」は一旦希望者だけとか、オリンピック観戦者限定でいいのではないか?

羽賀ヒカル氏が言うように、日本人にとって打つべきはワクチンではなく、健康キャンペーンと、例の流行病に対する過剰恐怖症を取り除くキャンペーンかもしれません。

そのうえで、希望者のみとすべきではなかろうかと思います。

健康キャンペーンは基本的に免疫力を高める、腸内細菌を整える、酵素食品、野菜を多く摂る、良い水、睡眠を取る、体を温める、シャワーだけではなくお風呂にも浸かる、ストレスから遠ざけるなど様々なことが考えられます。

強制的なワクチン国民全員接種プランをしたら、また、全員接種すると、アベノマスクのようにいったいいつ順番がまわってくるかわからないことになり、接種しない人は、出社に及ばないなどと、雇用面で問題を起こしたり、買い物するために店に入れない、競技場、映画館、劇場にも行けない、あらゆる社会活動が拒否され、社会から閉め出されることになってしまいます。

私は、緩やかに希望者だけ接種すべきだと思います。
日本が中共ウィルスの被害が少なかったのは、BCGワクチン接種のおかげという説もあり、私個人は、毎年インフルエンザの予防接種は受けているので、私個人も、国民の7~8割接種を済んだ段階で、ワクチンを接種を受けたいと考えます。

受けたほうがいいのか、受けない方がいいのか迷ったら、左翼や反日パヨク関係者の意見と反対を行えば、いいでしょう。最近彼らの逆神確率は磨かれ、反対をやれば必ず当たる確立が非常に高い。

PCR検査PCR検査、K防疫を見習えと騒いでいた人達は最近なんて言っているんでしょうね?


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