東京都内大規模停電 東電、ケーブル火災が原因と発表
フジテレビ系(FNN) 10月12日(水)19時11分配信
東京都内で12日午後、大規模な停電が発生した。東京電力は、停電の原因は、ケーブル火災が原因と発表している。首都圏で大規模停電が発生した。日本は世界で一番電力を安定供給できていて電気は安定供給されるのが当たり前と思っている。現代社会は電気がなくては何もできない。電気のありがたさを改めて考えさせられる。
東電担当者は、「新しい情報としまして、(埼玉県)新座市の野火止の洞道に敷設されている、当社の送電ケーブルから出火したということがわかっております」と語った。
この地下ケーブルは、6回線通っていて、新座変電所から、練馬変電所と、豊島変電所、3回線ずつ6回線があったが、その1回線が、絶縁破壊が起きたというもの。
絶縁破壊は、紙に油をまいて絶縁状態を保っているが、その油が、何らかの原因で経年劣化かもしれないということで、何らかの原因で、油がケーブルの外部に漏れた、また、何らかの原因で放電してしまった、その放電したものが、外部の油に引火して、1つのケーブルが燃えたという。
そして、残りの5回線も同じように、火災によってショートを起こしてしまい、6回線全部が使えなくなり、その下流にある35万世帯全てが、一時期停電に陥ってしまったことが原因だと発表している。
3.11直後福島原発事故で計画停電が行われたり、2006年のクレーン船が江戸川の送電ケーブルを切断して大規模停電が起きて以来となる大規模停電である。
欧米では、太陽光や風力発電の影響で電力供給が安定化せず、インフラも老朽化するなどで、度々大規模停電が起きているという。電車も正確に動き、世界的にも停電知らずでいられるのは、日本の電力会社のおかげである。
今回はケーブルの経年劣化が問題だと言う。世耕大臣が東電の社長を叱責し、ニュースキャスター達は35年間一度も取り替えていないことをまるで非難するかのような言い方をするのはいかがかと思う。
確かに地下ケーブルであるなら少なくとも50~60年は持ちそうな気がするのだが、使用目途は20~30年だと言う。参照 電線・ケーブルの耐用年数の目安
世耕経産相が東電社長を呼びつけ叱責 「東京五輪控え困る!」
【産経ニュース】2016.10.13 12:22
東京都内の約58万6千軒に影響が出た大規模停電で、世耕弘成経済産業相は13日、東京電力ホールディングスの広瀬直己社長に対し「35年以上も同じケーブルを使い続けながら、年1回の目視点検でケーブルの劣化を見抜けなかった。省としてはそれが原因とみている」と厳しく叱責した。「2020年東京五輪を控え、今回のような事態を2度と起こさないように気を引き締めていただきたい」と原因究明と再発防止を求めた。
広瀬社長は「ご迷惑をおかけして大変申し訳なく思っている」と謝罪し、同様のケーブルに対する緊急点検を開始したことを明かした。東京電力によると、今回火災を起こしたケーブルと同様のものは、設置から古いもので50年程度、平均で38~39年経過しているという。点検で劣化が見つかったものは、最新のケーブルに交換するとしている。
世耕氏は「早い段階から責任者が丁寧に情報提供するのが基本中の基本。役員が会見されたのが事故発生から5時間以上経過してからで、徹底されたとは思えない」と情報開示にも注文をつけた。
東京電力は気の毒である。世耕大臣が管直人と重なってしまった。
>年1回の目視点検でケーブルの劣化を見抜けなかった。
原発も送電インフラも電力を安定供給する為になくてはならない施設なのだ。
今後、インフラ施設が次第に劣化するなか、原発で電力会社を責めインフラ施設を疎かにすれば我々の生活は成り立たないのだ。
毎度、電力や原発、自然エネルギー問題を考える時、反原発派が理想とするドイツの惨状が反面教師となる。
ドイツの電力事情を調べて2年が経つので最近はどうか最新事情を調べてみた。
ドイツの脱原発は失敗していないと言う反原発派の強弁もあるが、結局安定しない再生可能エネルギーを補完する為に石炭発電(シェア43%)に頼っている、更に自然エネルギーと自由化によって電気料金が2倍以上に上昇したドイツが脱原発で成功したといえるのか?自由化された電力会社が売り上げを増やす唯一の方法は電気を値上げする事だけなので、市場原理に従って自由化したら電気の値段は上がるのは必然性がある。
また、ドイツは風力発電など過剰に発電した電力を外国に輸出して、不足すれば輸入する。電力が安定せず停電が頻発している。この数年で1時間程度の停電が頻発するようになり、毎週のように停電が起きているとのことです。
先進国のドイツでたびたび「停電」が起こる理由livedoorNEWS2016年4月29日11時13分
先進国のドイツで、たびたび「停電」が起こる理由を識者が分析している
電力の自由化により、発送電が分離されたことが原因だと指摘
事業者が多数参入すると、設備投資が疎かになって停電の危険が増すという
電力の自由化になっても日本人は新電力へ乗り換えた人は極めて少ない。
私も乗り換えていない。電力事業は競争原理や市場原理にそぐわないそして、東京電力が果たしてきた普段の努力を評価しているからである。
欧米の多くが電力自由化したが、自由化をすると、ず電気料金が逆に値上がりして停電と事故が頻発している現況を考えると、日本人のこの無意識の選択は正しい。
欧米で電力会社を自由化した結果、経営努力で「不要なコスト」を削減するのですが、そのしわ寄せの大部分が、点検や修理に当たる作業員を解雇する事でした。
1年に1回点検していたのを10年に一度にすればコストを10分の1にできるというのが経営努力だというのです。今回の停電も20年~30年のケーブル耐用年数を超える35年であった点も福島原発事故によるコスト増による点検修理に経営資源が向かなくなったのも原因だと思う。
これ以上政府も反原発派も電力会社を責めるべきではない。
今回の停電はインフラを支える中枢機能がまひすれば、社会が大きな影響を受けることを改めて示した。もしこれがテロだったら一大事だったが、今後インフラの中枢機能や重要施設を狙った犯罪やテロ行為が行われることは十分に考えられ、停電などが起こっても、それをすぐに補えるバックアップ体制を早急に整えるべきだ。1つの場所が使えなくなっても、別の場所がすぐにその機能を引き継ぐリスクの分散化も進めなければいけない。しかし、問題はそこではない。
東電や関電のような大手電力は最大必要量の2倍以上もの発電量を確保しているが、自由化したら合理化で余力はなくなる。この「無駄な余力」があったるからこそ日本は安定的に電力を供給できる。その偉大なる無駄があっての電力の安定供給だと言うことを我々は自覚すべきだろう。