Ddogのプログレッシブな日々@ライブドアブログ

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タグ:その他経済


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本書第四章 増税への洗脳は、まさに私がこのブログでも度々指摘していることが私が感じているだけのことではないと思った。


新聞もテレビでも財務省の増税シフト。メディアは増税を正当化する財務省の洗脳情報を垂れ流す道具となっている。

特にNHKのクローズアップゲンダイが1/10に放映したクローズアップ現代「2012年 岐路に立つ世界経済」の日本の国債について言及した部分は日本の国債暴落を防ぐ為に増税が必要なんだという洗脳番組になっていた。私は怒りすら感じた・・・

地銀あたりから国債の引き受けを止める動きがある、国債は暴落の危機にある。それを防ぐ為の財政再建は待った無しだとの屁理屈だ。国債の日銀引き受けをすればいいだけのこと・・・

増税なき財政再建を果した土光敏夫は地獄の釜の底で嘆いておられるに違いない。

事ある毎に財政再建に結びつけ増税しようと企む。

財務省は菅直人が財務大臣の時に菅直人のあまりの無知に付け込んだ。
乗数効果も知らず消費性向と混同した菅直人・・・

p80-83
本来、官僚機構は政治が決めた政策を実行するための実務集団に過ぎないが、この国では長らく官僚主導の政治加続いてきた。政策を行うには、それを裏付ける法案を通さなければならない。政策には多くの場合、予算が必要なので、政策も法案も予算も同義語だ。

たとえ法案や予算案を実際に書くのは官僚でも、成立させるのは国会議員なので、政は官の上位である。また、役人の人事権も各省庁の大臣に委ねられているので、制度的には政は官に強い。

ところが実際は、法律案や予算案を作成する官僚のほうが実権を握っている。法案には内閣が提出する開法と国会議員が提出する議員立法がある。日本では圧倒的に前者が多く、法案の九割を占めている。

閣法を作成するのは官僚で、国会議員には中身がよくわからない。対して官僚はいくらでも自分たちの都合のよいよう法案や予算案を作成する技術を身につけている。こうなると、官僚が国会議員を編すのはいとも簡単だ。指示に従っているふりをして、予算案や法案の中身には触れさせなければいいのだから。
要するに、法案や予算案を作成する官僚が事実上、政治の実権を持ってしまう構造になっているのだ。裏を返すと、閣法が法案の大半を占めていること自体が、官僚政治になっている証拠でもある。

さらに、役人の人事権も大臣の権限だとはいえ、自民党時代から人臣は事務次官が推薦するリストを承認するだけで、実質的な人事権はないに等しかった。気骨のある大臣が役所の推薦を拒否し、自分の思い通りの人事をしようとすると、役人は反発し、サボタージュで抵抗する。

役人は働かなくても、身分保障に守られているのでクビになることはないが、大臣はそうはいかない。部下がサボつて仕事が滞ると、大臣の失点になり、ド千をすると罷免されかねない。しかも、大臣の座に居られるのは、せいぜい二年ぐらいなので、初めのうちは、役人に対抗するぞと威勢が良くても、つい妥協して任期をまっとうしたいと考えるようになる。

大臣が役人の意に添わない政策をやろうとしたときも、同様に官僚はサボタージュで徹底抗戦するので、思い通りにならない。
民主党政権は、この官僚主導を政治主導に変えると公約し、国民の支持を受けたが、結局、看板倒れに終わったばかりか、自民党時代よりもむしろ、官僚に収り込まれている。万年野党だった民主党には、政権を担当できるだけの人材が育っていない。勢い官僚に頼らざるを得なかった。

脱官僚依存から親官僚へ  

民主党政権が一八〇度方向転換したのは、菅政権に代わって増税の人合唱が始まったことで明らかになった。鳩山由紀夫総理は、就任記者会見で「脱官僚依存」といった。対して鳩山氏から政権をバトンタッチされた菅総理は、記者会見で「官僚は
政策のプロ」と持ち上げ、脱官僚は一切口にしなかった。

そして鳩山政権は増税を封印したが、菅総理は一転して、就任早々から消費税一〇パーセントに触れた。
実は「脱官僚」は小さな政府を目指すということなので、増税の話はしにくくなるのに対して、「親官僚」は大きな政府志向なので増税と結びつきやすい。
普天間問題との関係でいえば、鳩山政権のときには沖縄の負担軽減を打ち出したが、これは外務・防衛両省の官僚には好ましく思われていなかった。
対して菅政権は一転して対米追随路線。これは親官僚路線でもある。つまり鳩山政権から菅政権への交代は、内政では「増税しない」から「増税する」へ、外交では「沖縄負担軽減」から「対米追随」へと路線転換した瞬間だった。
とくに消費税一〇パーセント発言は、政権が「財務省の代弁者」になったことを意味していた。(略)

財務省以外は地盤沈下の霞が関

ただし、政権が親官僚に舵を切ったことで、霞が関の全体の力がアップしたというわけではない。財務省を除く省庁は、相対的に地盤沈下している。
皮肉なことに、財務省の一極支配に大きく貢献したのは、民主党政権がいまも建て前とする「脱官僚依存」である。脱官僚依存を実現するためには、財務省に頼らざるを得ないからだ。
財務省は「脱官僚依存」を楯にとって、容赦なく他の省庁を叩ける。とくに国土交通省、厚生労働省といった金食い虫は徹底的にやられた。文部科学省も、対立する日教組が民主党の支援団体だけに、辛い立場に追い込まれている。
しかも、自民党時代のように強力な応援団だった族議員の援護はもう受けられない。どの省庁も、防戦一方を強いられている。

財務官僚にとってはありとあらゆることを増税の理由づけとしてしまう。未曾有の東日本大震災など国民が悲しみに沈んでいる傍で財務官僚は欣喜雀躍して財政再建をの格好の材料にしてしまった。

ギリシャ危機も財務官僚にとっては消費税引き上げの格好の理由としてしまう。

ギリシャと日本では根本的に財政危機の質が根本的に違うなど一般国民には理解できていない。

2011年6月にIMFが日本に消費税を段階的に15%へ引き上げるよう要請したのは財務省のIMF出向者によるマッチポンプ詐欺である。

これは、財務省による洗脳以外なにものではない。消費税の段階的引き上げなど財務省の主張そのものなのだ!p156

p164-165
赤字はなるべく早期に解消し、財政再建をすべきだ。ただ、増税の前に金融政策、政府資産の売却など、踏むべき手順かおる。それを抜きにして、いきなり消費税をアツプし、国民に負担を強いるのはおかしい。

財務省は財政再建、社会保障維持のためには増税しかないという。だが、財務省がひたすら増税に向けて邁進する理由は他にある。消費税率アップによって、財務省が自由に使えるカネを増やし、権限強化をすることだ。

さらにいえば、税率アップが財務省利権にとって重要だ。というのは、消費税率がアップすると、必ず軽減税率やゼロ税率の話が出てくるからだ。典型的な例が新聞業界だ。社会的使命を主張し、消費税の軽減税率を財務省に働きかけている。これはもちろん新聞では報道されない事実だ。

どの業界に軽減税率を適用するかどうかは財務省の胸先三寸だ。これが財務省利権になる。
前述した丹呉氏が読売新聞に天下りしたのは、消費税率引き上げと新聞業界の軽減税率・ゼロ税率の願望と無縁とはいえない。新聞業界だけが軽減税率の恩恵を受け、ネットの報道機関は恩恵を受けない。そのため新聞業界では消費税増税に賛成なのだ。

ちなみに、日本新聞協会は二〇一一年七月一二日、経済産業省が募集していた二〇〇 一年度の税制改正要望に対して要望書を提出し、消費税については軽減税率の適用を求めている。

税率を高くして、その例外措置で財務省の権限を高める--。これが財務省が狙う増税の真の目的だ。だから、政府資産の売却も、金融政策も選択肢には入らない。ましてや特殊法人などの民営化け、天下り先がなくなるので、絶対に行いたくない話だ。

税の増収は財務官僚のボーナス

財務省が腹のなかでは財政再建など二の次だと考えているのは、その矛盾している行動からも明らかだ。
民主党政権は、いわゆる4K(子ども手当、高校授業料無償化、農家戸別油償、高速道路無料化)という野党が非難するバラマキ政策を掲げた。財務省が財政再姓を願っているようなら、このような政策をやろうとしている民主党政権に対して、公務員改革のときのように激しく抵抗してもよさそうだが、文句もいわず協力した。
(略)
p166
 財務省主計局が望んでいるのは、自分たちの財布をパンパンにしてくれる恒久的なシステム、すなわち消費税率アップである。それで、消費税率の軽減税率を求める業界が増えて、あわよくば天下りができれば万々歳だ。
彼らにとって税の自然増収は臨時ボーナスでしかない。景気は、どう動くかわからない。来年も同じ額が入ってくるという保証はない。そんなものは自分たちの権力強化に使ってしまえというのが、主計局の考え方だ。
この主計局の思考回路からすると、消費税率を上げたところで、財政再建は後回しにされる可能性が高い。そして、まだ足りないからと再び増税を国民に求めてくる。財務省の権限維持のために国民に負担を強いるのは、到底許されない。




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欧州債務危機が大恐慌引き起こす恐れ=ソロス氏


[15日 ロイター] 著名投資家のジョージ・ソロス氏は、ユーロ圏首脳が欧州の債務危機解決に向けて「欧州財務省」の創設を含む抜本的な措置を講じない限り、債務危機が大恐慌を引き起こす恐れがあると警告した。

ソロス氏は、ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックスとロイター・ドットコムに寄稿し、政策当局者はギリシャ、ポルトガル、そしておそらくアイルランドがデフォルト(債務不履行)に陥り、ユーロ圏離脱に追い込まれる可能性に備えなければならないと指摘。「たとえ破滅を回避できたとしても、赤字削減の必要性がユーロ圏を長期的なリセッション(景気後退)に導くことは間違いない。それは計り知れない政治的結末をもたらすだろう」と述べた。

ソロス氏はそのうえで、1)弱小国家の銀行破たんを防ぐため、銀行預金を保護する必要がある、2)デフォルトした国の経済を支えるため、一部の銀行の機能を維持する必要がある、3)欧州の銀行システムの資本再編を実施し、国家でなく「欧州」の監督下に置く、4)赤字を抱えた他の国の政府債を保護する必要がある──とする4つの大胆な政策措置を提言。「それらはすべてコストがかかるが、課税権限を持ち、借り入れもできる『欧州財務省』を創設する以外に選択肢はない」と述べた。
日本は、復興増税が大恐慌の引き金になりかねない。私は、しいて言えば上げ潮派的な考え方で反増税的立場の考え方です。
財務省は被災地の復興ではなく財政の復興=省益の復興しか考えていない。東日本大震災復興財源を印籠代わりに反増税派を威嚇する。

東日本大震災が発生し、リーマンショックから3年新たに世界恐慌なるかもしれないと言う時に、財政再建を口に出すのは論外だ!正気の沙汰ではない。今増税を行えば、日本は、国家として衰退が加速することになりかねない。

財源は超長期国債を発行すればいいではないか・・・復興予算は赤字国債と異なりは将来に資産を残さず、ツケだけを残すものではなく公共投資のように資産を残すための借金である。

公共投資は次世代に明確に便益を与え続けることになる財政支出ならば、次世代に対して受益に見合った負担ともいえる。

消費税率のUPは反対だが、どうしてもなら毎年経済成長率分上げていくとしたらどうであろうか?財政を再建したいなら経済成長という発想になるのではないかと思うのです。
 
とはいえ、これだけ世界中で新たな金融危機に対して警戒していればなんとか持ちこたえるだろう。世界中で警戒していれば金融危機が発生しないというのが過去の経験則。
 
とりあえず、9月10月は乗り越えるとは思うが・・・その先は未知数である。
 
 
 
 

執筆中


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「菅財政」へ厳しい目 国債格下げ、安定消化に影響も

 米格付け/会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による日本国債の格下げは、日本の財政運営に対する海外の厳しい視線を浮き彫りにした。政府の債務残高(一般政府ベース)は名目国内総生産(GDP)の2倍強で、先進国の中では突出している。菅直人首相は社会保障と税制の抜本改革を目指すが、衆院と参院で多数派が異なる「逆転国会」の下で実現への道筋を示せない。財政健全化が遅れれば、国債の安定消化に支障が生じる恐れもある。

「民主党政権には債務問題に対する一貫した戦略が欠けている」。S&Pが格下げの理由に挙げたのが、現政権の財政運営に対する不信感だ。社会保障と税制の一体改革についても「政府の(債務)支払い能力が大幅に改善する可能性は低い」と厳しい評価を示した。
これに関連し、民主党の岡田克也幹事長は27日の記者会見で「残念だ。きちんと受け止めながら、社会保障と税制の一体改革、財政再建の道筋を実現するようしっかり伝えていく必要がある」と語った。
日本の財政が抱える最大の問題は巨額の政府債務残高にある。経済協力開発機構(OECD)によると、国・地方に社会保障基金を加味した一般政府ベースの債務残高のは名目GDPの約204%に達する。先進国のほとんどが80~90%台で、2番目に高いイタリアでも約133%にとどまる。
 
 財務省が今国会に提出する平成26年度までの財政状況の試算が26日、明らかになった。それによると、社会保障関係費や借金の返済などにあてる国債費の増加で一般会計総額は26年度に100兆9000億円と初めて100兆円を突破。歳入不足を補う新規国債発行額は23年度の44兆3000億円を10兆円近く上回る54兆2000億円に膨らむ見通しだ。
試算は名目経済成長率が26年度まで年1%台半ばで推移すると仮定。23年度は28兆7000億円だった社会保障関係費が高齢化で増え続け、26年度には31兆5000億円に増大する見込み。国債発行残高の増加で国債費も23年度の21兆5000億円から27兆1000億円に達する。
一方、歳入面では26年度の税収は43兆1000億円と23年度の40兆9000億円から小幅な回復にとどまり、税外収入を足しても54兆2000億円の歳入不足が生じる。
政府の財政運営戦略に沿って国債費を除く政策的な経費を毎年71兆円以下に抑えたとしても、歳入不足は25年度に49兆8000億円と50兆円に迫る。国債増発を避けるには政府が目指す社会保障と税の一体改革が避けられない情勢だ。
ついにS&Pは「やりやがったな!」というのが第一報を聞いた感想である。
 
以前から日本国債(JGB)がいつ格下げになってもおかしくないとの見方があった。だが、Moodysは海外から資金を調達していないので、日本国債(JGB)の格下げはしないとの評価であった。S&Pはやるだろうとは言われていたので格下げ自体に驚きはない。
 
それにしても、リーマンショックの元凶であるサブプライムローンをAAAとしていたり、そのリーマンブラザーズを倒産に至るまでAAAの格付けをしていた。未だに米国国債はAAAをつけているS&Pの格付けなど、権威もあったものではない。誰が今後信用しようか?
 
ただ、為替市場は欧州のソブリン問題で敏感になっていることもあり、JGBの格下げについては、円売りで反応している。
 
もともと外国人投資家の日本国債JGB保有はほとんど無く、格下げをきっかけに、外国人がJGBを売却したとしても、相場にほとんど関係ない。 
 
イメージ 1現時点では、投機筋が依然、円ロングのポジションを抱えている。今後、こうした投機筋が円ショートに傾いたり、個人を含む資本筋が円キャリー取引を拡大するという流れになれば、一段の円安が進む可能性がある
 
2011年予算案は92兆4116億円となり過去最大。税収は40兆9270億円を見込み、国債発行額は44兆2980億円。2年連続で国債発行額が税収を上回る。足りない分は「平成の埋蔵金」などで7兆円強を補う。こんな無茶苦茶な予算はない。
 
こんないい加減の予算、無能な民主党政権、この期に及んで・「そういうことに疎いので…」と言う菅首相、深刻化する日本の財政問題はやむを得ないとしか言いようが無い。
 
中長期的に大きなメスを入れなくてはならないテーマであるため、予備的な措置による日本国債の格下げに反論はあってもそれなりの素地は否定できない。問題は他の格付け機関が追随するか否かかもしれません。
 
今後はS&Pが付与している銀行債や事業債にも格付けの下方圧力が強まりやすい。新発債市場でもスプレッド拡大などを通じて資金調達コストの上昇につながる可能性も否定できない。だが、市場では国債とトヨタキャノンなどの国際優良銘柄との格付けの逆転も起きている。
 
CDS市場は年明け後、日本国債(JGB)と、社債のプレミアムも広がっている。その背景には、中国経済の悪化と日本財政問題の暴発という中長期的な視点に基づいた仕掛け的な動きがあると思う。
 
菅政権は政策として掲げる社会保障コストの低減と消費税引き上げを言ったからには実行しないと、何もできない無能内閣であるとより強く認識されてしまう。ひいては海外からの日本の信頼を著しく毀損させるものである。いままで日本国債(JGB)の国内消化に対して懸念していなかったが、国内金融機関での消化も懸念が出てくる可能性もある。
 
1月4日THE WALLSTREETJOURNAL記事抜粋
一部のヘッジファンドは、今後日本にとって厳しい状況が続くことに賭け始めている。
これらの投資会社の中には、ここ数年間リスクの高い住宅ローンや金融機関への投資で収益を上げてきたところもあるが、彼らは日本の金融システムの先行きには暗雲が立ち込めているとみている。日本政府の借金は引き続き拡大するなかで、日本国債に対する需要が減少する可能性があると考えている。
米テキサス州ダラスにあるヘッジファンド、ヘイマン・アドバイザーズのカイル・バース氏は、「(日本の国債価格の暴落は)必ず起きる。問題はいつ起こるかだ」と語った。同氏は起こる方に賭けている。バース氏やグリーンライト・キャピタルのデービッド・アインホーン氏やペレラ・ワインバーグ・パートナーズのダニエル・アーベス氏などは、日本国債市場が破綻(はたん)した場合に利益が出る様々な投資商品を購入している。
世界金融危機の後遺症で悪化する各国政府の財政状況に対する懸念が高まるなか、ここ数カ月でギリシャやアイルランドなど各国の国債価格の下落に賭ける投資に注目が集まった。
S&Pからのインサイダー情報も疑惑として残るが、このヘッジファンドの強欲馬鹿どもは、この日本国債の格下げに賭けていたのだろうが、ご愁傷様・・
今頃これらヘッジファンドの強欲馬鹿達は日本国債(JGB)格下げになっても暴落していないので逆に慌てているだろう。(笑)
 
彼らは、なんとか儲ける為に、政治からマスコミまで手を回し、自分達に有利な情報を流そうとしている。米国もかなりのインサイダー社会であるというのが私の認識です。3月にアイルランド総選挙が行なわれるようで、春には欧州の財政問題に火がつきそう。それが一巡したところで、6月には米国のQEⅡが打ち止めになる。美味しい蜜を舐めまくった強欲主義者達は日本国債(JGB)格下げ攻撃を仕掛けているのである。
 
人口高齢化が進むなか、日本が資金調達面で安定性を維持するには、より信頼に足る財政再建策を立案する能力が不可欠であることは確かであるが、日本国債の格付けがスペイン国債より下だという理屈はどう考えても納得できない。
 

日本国債(JGB)の保有構造

家計と金融機関の資産・負債構造

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http://www.uniqlo.jp/uniqlock/swf/blog_small.swf?user_id=Bo4uxIuSX6BfwXZC日本国債の95%が国内の投資家による保有であるので、今回の格下げは国債市場に大きく影響しないのである。そのことを理解できないヘッジファンドは仕掛けては潰され、JGBを売りを仕掛けたヘッジファンドは皆破綻し死屍累々と重ねてきたのである。それを理解していない新たな強欲主義者たちには、また日本国債(JGB)の売り仕掛けている。どうぞ大損してもらおうじゃないか!
 
いずれ適当な時期にこっそり修正されると思われるが、ただ、今の菅民主党政権が政権を取っているうちは修正されないであろう。
 
今回の格下げは実質べつにどってことはないが、一刻も早い民主党の解体と、政権再編なくば、日本はますます疲弊してしまうと思います。
 
 

 <おまけ!>
【そんなナオトに騙されて!】
 
消費税は増税しないと♪
選挙で言った♪
そんな直人に騙され♪
なにさ!とたたずむ。
 
居眠りが上手で ウブなふりをした♪
そんな直人が得意な♪
えいと?ブーメラン自爆芸ダス!
 
泣いたりしたらいけないかもね♪
ねじれ国会は 夜通し熱い♪
だから一言下さい♪
国会の行方は解散♪
だからお前は素敵さ♪
民主が消えていく与謝野とともに♪
 
小粋な公約で国民を誘った♪
あんな男を今更♪
ゆるせるでしょうか♪
 
民主政権は永遠だもの♪
国民世論は怒り続けている♪
だから直人に伝えて♪
解散だけを待っている♪
向かい風が激しい♪
サイテーな奴 与謝野に♪
 
 
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ノーベル経済学賞に米英3氏


 【ロンドン時事】スウェーデン王立科学アカデミーは11日、2010年のノーベル経済学賞を、米マサチューセッツ工科大(MIT)のピーター・ダイヤモンド教授(70)、米ノースウェスタン大のデール・モーテンセン教授(71)の米国人2氏と、英国とキプロスの二重国籍を持つ英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のクリストファー・ピサリデス教授(62)の計3氏に授与すると発表した。
授賞理由について同アカデミーは、「市場における(需給間の)摩擦の分析」を挙げ、特に労働市場の複雑な需給関係や政策が失業問題に与える影響に関する分析を評価した。
ダイヤモンド氏は、モノの売り手と買い手の希望が合わない市場では取引相手を見つけるために時間とコストがかかり、市場に摩擦が生じるとの「サーチ理論」の基礎を確立。モーテンセン氏とピサリデス氏がこれを労働市場に応用した。
これにより大量の求職があるにもかかわらず失業者が増加する事態を説明。失業手当を増やすほどに失業が増加して求職期間も長期化するとの結論を示した。欧米各国で失業問題が長期化する中、一段と注目を集めそうだ。
ダイヤモンド氏はオバマ米大統領に次期連邦準備制度理事会(FRB)理事に指名され、現在は上院の承認待ち。
賞金は1000万スウェーデンクローナ(約1億2300万円)で、3等分される。授賞式は12月10日にストックホルムで行われる
 
 
今年のノーベル経済学賞はダイヤモンド氏ら3名に決定した。同賞は時代を反映していることが多い。2008年は変節の卑劣漢クルーグマンが受賞したが・・・今回のノーベル賞は労働市場の分析であり、雇用問題が世界的な焦点であることが改めて認識される結果になったと思う。

労働市場の様に市場が分散されていると、雇用のミスマッチが生じ、更には就職活動や雇用そのものが減少すると言う。リーマンショクによる金融危機は各中央銀行がすばやい緩和と連携を行うと同時に積極財政を行ったために恐慌に至らずに済んだ。だが、依然先進各国の失業問題は改善に向かっていない。
 
リーマンショックの際FRBバーナンキ議長はじめ中央銀行や各金融関係者が日本のバブル崩壊にともなう失われた10年を的確に分析したリチャードクー氏のバランスシート不況を理解していいた為世界恐慌には至らなかった。バーナンキは恐慌の研究を行ったからこそバランスシート不況説に沿った処方箋を書き、バランスシート不況本家の日銀と協調し、ECBをはじめ各国中央銀行を説得し各国の協調があったからこそ恐慌は回避できたと思っている。私はノーベル経済学賞にリチャードクー氏が推薦されるべきと考えているが、今のところまったく話もでなかった。
 
ノーベル賞は時代の鏡であると同時に欧米の政治的意思の現われでもある。
それゆえ、今年は積極財政支持が減少していると考えてるべきであろう。
 
欧州は財政破綻したギリシャ危機の薬が効きすぎて積極財政から財政再建へ舵を大きく切り返し始めたのだ。最近ECBのトルシエ総裁が積極財政は間違っているような発言をしていることなどはその象徴であろう。しかしこれは間違った方向へ動き出している。
 
積極財政を行うには自ずと限界があり、日本のように膨大な個人金融資産を持たない国が積極財政を行うにも限界がある。積極財政ができなければ、内需による雇用を創出し確保することが出来ない。勢い外需に需要を求めざるを得ず、グローバルには通貨安競争とか為替戦争と言われる近隣窮乏化政策を執らざるを得ない。
 
米国FRBによる積極的な通貨供給策もドル安の理由でもあり、中国も人民元の切り上げに難色を示し、欧州は6月までの南欧金融危機でのユーロ安で景気が押し上げられていて、ユーロ高にしたくはない。一方無能な民主党政権を見透かして為替相場は円高へ振れやすくなってしまった。
 
こうした通貨安競争はやがて保護主義へと傾いていくことになり、自由貿易はやがて終焉する可能性がある。1930年の世界大恐慌は自由貿易を阻害し結局第二次世界大戦への原因のひとつとなったのである。

近隣窮乏化やブロック経済化は非難されるべきだが、通貨安競争も各国が協調すれば近隣窮乏化ではなく、資金供給競争を通じた経済浮揚効果可能性もある。
 
しかし、今積極財政を中途半端な状態で断ってしまうと世界中が日本の経験したバランスシート不況を経験することとなるであろう。
 
バランスシート不況はバブル崩壊によって民間が一斉に利益の最大化から債務の最小化にシフトすることで起きる。バブル崩壊により資産価値が暴落すると、借金までして投資に走った人々には負債だけが残り、債務超過となる。そのような状況に置かれた企業や個人は、当然のことながら毀損したバランスシートを修復するため、必死に債務を減らす行動をとるようになる。

誰かが貯金や借金返済をしているのなら、別の誰かがそのお金を借りて設備投資や消費などに使わなけれぱ、内需は減少し、実体経済は悪化の一途をたどる。だが、民間のパランスシートが壊れている状態では、みんなが同時に債務の最小化を目指す。この行為は個々の企業や個人にとっては正しいことだが、それが一斉に行われると、需要が消えてしまい、政府による財政政策が需要を補う形となる。
 
この不況の特徴は、民間のバランスシートがきれいになるまでは絶対に自律回復に入らないという点にある。各国で盛んになった財政再建論は、景気はこのまま自律回復に向かうというのが大前提であった。この議論は、リーマン・ショックという金融の「事故」と、バプル崩壊からくるパランスシート不況というマクロ経済の問題を完全に混同してしま一っていた。
 
ここにきてリーマン一ショックからの回復が一巡し、バランスシート不況の本来の姿が見えてきたわけだが、このことが一般に理解され、財政出動の必要性が支持されるようになるには、さらなる時間と「悪い景リーマン・ショック後、各国は財政出動に乗り出した。民間が債務の最小化に走り、民需が否応なく減少するなかでは、政府自らによる需要創出が、GDP水準の維持に不可欠となる。だが、バランスシート不況のメカニズムを理解したうえで財政出動を行うのと、たんに景気が悪く、金融政策が効果を上げていないから財政出動するのとでは、雲泥の差がある。その差は財政出動で景気が上向いたときに出てくる。
 97年に橋本龍太郎政権が財政再建をやって大失敗したのが、そのいい例である。日本はバブル崩壊後も、阪神大震災や円高などいろいろな問題があつたが、それでもなんとか経済を維持していた。ところが橋本政権が財政再建を打ち脳したとたん、景気は5期連続マイナス成長という降下に陥った。
 
欧州の経済はまさに政策を誤ろうとしています。2010年のノーベル賞はそういった意味で興味深いと思います。
 
 
 
 
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【経済教室】[日本経済新聞2010.05.17(月曜)]

『社会保障で成長』は誤り

負担先送りは不可能 景気対策の効果も疑問
http://www.uniqlo.jp/uniqlock/swf/blog_small.swf?user_id=Bo4uxIuSX6BfwXZC。社会保障費拡大は潜在成長率を高めない
。民主党の政策、一時的「財政政策」にすぎず
。低所得者への再分配も消費拡大はわずか
 
鈴木亘 学習院大学教授
 
すずきわたる 70年生まれ。
上智大卒大阪大博士。専門は社会保障論・医療経済学
6月に始まる子ども手当の支給や、10年ぷりの診療報酬のプラス改定など、民主党が衆院選で公約した社会保障費拡大は、今年度の政府予算を過去最大の92・3兆円にまで押し上げた。しかし、政権公約(マニフェスト)に盛り込んだ項目のうち、今年度予算に反映されたのは、まだほんの一部にすぎない。本格的に反映される来年度予算は100兆円規模になることが見込まれている。

問題は、こうした社会保障費の再膨張が、消費税など「負担」の引き上げ無しに行われていることである。このため、今年度は過去最大の44.3兆円にのぽる新規赤字国債を発行する。菅直人副総理・財務相は来年度の国債発行額を今年度以下に抑制する方針を打ち出したが、実際にはさらに多額の増発が予想される。

財政上の制約を考えれば①負担を引き上げない代わりに社会保障費を抑制するか②社会保障費を拡大させる代わりに負担を引き上げるかの2つの選択肢しか存在しない。負担を引き上げずに社会保障費だけを拡大させるとすれば、借金を重ねて将来世代に負担を先送りする無責任極まる政策運営となる。そのような政策は持続可能でもない。
 
◆◆◆  ◆◆◆

こうした批判に対して、民主党政権は最近、それを回避する良い口実を見つけたようである。すなわち、借金による社会保障費拡大を「中長期的な成長戦略」や「景気回復策」であると位置づけ、「福祉経済」なる呼称で、自身の政策を正当化しようとしている。この理論は、昨年12月末に閣議決定された「新成長戦略」で示された。

しかし、これは科学的根拠を欠く典型的な「まじない経済学(Voodoo Economics)」であり、問題が多い。
まず、成長戦略とは通常「潜在成長率」を高める政策を指す。潜在成長率とは民間が自力で維持できる成長率のことであり、規制緩和や社会資本の整備などによって高められる。財政政策による一時的な要刺激とは全く異なる概念である。

医療費や介護費を増大させることは、潜在成長率を引き上げるだろうか。日本の場会、自由診療や私費介讃の割台が極端に低く、保険診療・介護の自已負担率も低いため、医療・介護費の大部分は保険給付費である。このうち、後期高齢考医療制度や国民健康保険の給付費の半分は公費で賄われるため、実は、医療保険全体の約4割を公費で負担している。介護保険に至っては、公費の負担割台が6割近い。

つまり、日本の医療・介護産業は、多額の公費投入によって支えられている産業であり、自律的な成長が期待できる分野ではない。医療・介護費を増やせば自動的に多額の財政支出増となることを考えれば、これは成長戦略というより、一時的な財政政策と見るべきである。
 
もちろん、基礎年金財源の半分も公費負担であるから、年金についても同様である。
しかも、赤字国債発行により将来世代に負担を先送りして社会保障費拡大を行っている状況では、これらは単なる「需要の先食い」というべきであり、成長戦略からは程遠い。

また、社会保障費支出は基本的に消費だから、将来の成長につながる杜会資本も整備されない。もちろん、不足している介護施設の建設など投資の側面も皆無ではない。しかし、例えぱ規制だらけの特別養護老人ホーム建設費はーベッド当たり約2000万円に上るなど、公費の使い道として恐ろしく非効率である。

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それでは、景気対策という観点からは妥当であろうか。当然、公費をかければそれだけの政府支出増となるから、実際の国内総生産(GDP)成長率が潜在成長率を下回る状況下では、財政支出以上にGDPを押し上げる乗数効果はある。特に介護分野への政府支出は、産業連関表を用いた研究によって、公共工事よりも乗数効果が若干大きく、雇用増加率も高いことが知られており、優れた景気対策であるといわれている。しかし、雇用増加率が高いのは、単に介護分野で非正規労働者が多く、賃金が安いことを意味しているにすぎない。

景気対策としては「社会保障費を増大させれば、国民が年金などに不安を感じて保有している過剰貯蓄(予備的貯蓄)を取り崩して消費拡大が起き、とりわけ高齢者の消費拡大が大きい」との主張もある。確かに、約1400兆円の家計金融資産のうち、60歳以上の高齢者が保有している金頷は約785兆円にも上るから、それに期待する気待ちはよく分かる。

しかし、筆者と労働政策研究・研修機構の周燕飛氏が行った研究によれば、高齢者の年金不安による予備的貯蓄は、景大限見積もっても35兆~45兆円程度にすぎない。また、予備的貯蓄はストックの資産であるから、1回使ってしまえばそれっきりである。

例えば、10年かけてゼロにするとしても、その間のGDPへのインパクトは毎年0.8%程度にすぎない。
さらに、予備的貯蓄があるからといって、社会保障費拡大により高齢者がそれを取り崩すかどうかは全く別問題である。資産選択行動の諸研究が明らかにしているように、日本の高齢者の危険回避度は非常に高いため、多少の社会保障費増大では高齢者の安心を勝ち取ることは難しい。
 
筆者と経済産業省の小滝一彦氏、児玉直美氏が行った研究では、介護保険の設立前後における高齢者の予備的貯蓄の変化をみているが、驚くべきことに、介護保険ほどのインパクトの大きな政策に対して、日本の高齢者は貯蓄を全く減らさなかったのである。

現在の社会保障費拡大に伴う赤字国債の増発で、将来の増税や社会保障費削減のリスクがかえって高まり、高齢者の予備的貯蓄が減らない可能性もある。また、日本の場合、年金をはじめとする社会保障制度はすべて、事実上の賦課方式で運営されているため、現在の社会保障費拡大は、若者世代のより大さな負担増を意味する。このため、高齢者の予備的貯蓄が仮に滅少したとしても、若者世代の貯蓄率は確実に増加し、一定程度の相殺が起こるであろう。

仮に、民主党政権が高齢者の消費を拡大させることに成功したとしても、投資などGDPを構成する他の需要項目がクラウドアウト(締め出し)される可能性がある。2009年度末現在、日本政府の債務残高は883兆円と、GDPの2倍近くになっているが、政府が発行する国債の大半は国内で消化され、低金利が保たれている。
 
しかし、高齢者の貯蓄取り崩しにより家計金融資産が減少すると、国債市場の需給が悪化して長期金利が上昇し、設備投資、住宅投資、耐久消費財消費を減少させることになるだろう。また、金利上昇は国債の利払い費も増大させ、政府の財政状況をさらに悪化させ、政府支出の自由度を失わせる。

◆◆◆  ◆◆◆

イメージ 1最後に、「社会保障費拡大で消費性向の高い低所得者に対する所得再分配を増やせば、消費が増えて景気が回復する」という主張はどうであろうか。もちろん、日本のように再分配機能が極端に低い社会では、低所得者への税還付や手当支給は、公平性の観点から重要な政策である。しかし、景気対策としての効果は疑問といわざるを得ない。

グラフは、総務省「家計調査年報」による所得階級別の平均消費性向(可処分所得のうち消費に回る割合)の推移である。09年度は全体として家計の消費性向が上昇する中で、下から20%の低所得者に当たる年収352万円以下の層だけは消費性向が低下し、その上の所得階層との逆転現象が生じている。このように、消費性向は所得階級による差が小さくなっており、所得再分配によって得られる消費拡大効果もわずかにとどまる。

このように考えてゆくと、民主党政権の「福祉経済理論」は妥当性が低く、借金による社会保障費再膨張を正当化するものではない。民主党政構は、本来の財政制約に立ち戻って、負担を引き上げるか、社会保障費の大盤振る舞いをやめるか、どちらかの責任ある選択をすべきである。
と読み比べていただくと面白い。
 
私はこれまで、民主党が行おうとしていた経済対策に対し一定評価をしてきた。子供手当てはケイジアン的政策であると思っていたが、鈴木教授の論文を読むと、どうも私の認識が誤っていた可能性がある。
 
民主党の経済政策の理念だけは間違いではないと思っていたが、社会保障費拡大は潜在成長率を高めない という事実に気がつかなかった。鈴木教授の論文を読み自分の認識の甘さを確認してしまった。
 
法人税減税を行い、消費税を増税する政策は国民感情からすると許されないものではあるが、民主党が行っているポピュリズム政治のおかげで、消費税引き上げやむなし、法人税引き下げ容認のニューマ(空気)ができつつある。ただし、管直人が言っている「増税は不況にならない」というのは、詭弁どころか根拠がない。消費税を増税すればますます不況となるであろう。しかし、大きな政府であれば増税はやむをえない。民主党の鳩山首相は一つのアンチテーゼで、我々日本国民に、現実の厳しさを自覚させる為に使わされた使徒かもしれない。
 
大きな政府を選ぶのか、小さな政府を選ぶかは、それこそ民意の世界である。
 
また、JBpressのリンク「法人税率の引き下げで税収は増える」にも書いてあるが、これまで法人税の減税が見送られてきたのは、財政が苦しい中で財務省が税収減をいやがるためだ。特に消費税の増税とセットになると、「消費者に増税して大企業を優遇するのか」という批判を受けることを恐れ、法人税はタブーになってきた。
 
しかし、もはや日本はそんなことを言ってられない事態となってきている。成長政策はどうしても必要なのである。今回民主党が政権を担当したことにより、やはり理想論は通用しない事を国民が納得したうえで、耐えがたきを耐え、忍び難きを忍ぶ覚悟ができた上で、本物の政治家が登場してくれることを期待しよう。
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http://www.uniqlo.jp/uniqlock/swf/blog_small.swf?user_id=Bo4uxIuSX6BfwXZC
亀井担当相、経団連批判 「家族間殺人事件」増加で2009/10/06 00:03 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009100501001032.html
 亀井静香金融・郵政改革担当相は5日、東京都内の講演で「日本で家族間の殺人事件が増えているのは(企業が)人間を人間として扱わなくなったためだ」と述べた。その上で日本経団連の御手洗冨士夫会長と会談した際に「そのことに責任を感じないとだめだ」と言ったというエピソードを披露し、経団連を批判した。

 小泉政権の構造改革に協力した財界が日本社会を荒廃させたと言いたかったとみられるが、経営者にその責任を負わせるような指摘が議論を呼びそうだ。会談の時期は明らかにしなかった。

 亀井氏は御手洗会長との会談で「昔の経営者は景気の良いときに中小企業に(資金を)分け与えたが、今は内部留保としてため込んでリストラしている」と述べ、派遣契約の解除などを実施した大企業を批判した。これに対し御手洗会長は「私どもの責任ですか」と答えたという。

マスコミは亀井大臣を批判するが、いたって正論であると思う。日本における経営者とは利益のみ追求される事は許されない。

官僚とマスコミが癒着していると漸く昨今騒がれだした。マスコミが過剰に亀井静香を攻撃の獲物としているのは、面構えが攻撃に値する絵になる政治でもあるせいだが、官僚が亀井氏を叩こうと抵抗していると考えるほうが納得性がある。

私は銀行に公的資金を注入したのだから、亀井氏がモラトリアムを提案しても金融業界は受け入れるべきではないのか?亀井氏はけして横暴ではない。

欧米は契約社会
   神とも契約の関係
     (例:旧約、新約聖書。翻訳ではない 契約)
   同じ神を信じる、その神が行動規範。
   契約不履行も契約の下に解決する。失敗は金銭で解決


 チャイナは地縁血縁そして義兄弟の社会 (バン)
   国家も神も頼りにできない、信頼できるのは濃く繋がった仲間のみ。
   仲間内の約束は命懸けで果たす= 仲間(組織)が大事。


 日本は和(人間関係)で動く社会
   問題が生じれば誠意を以って解決する・・・誠意なければ信用失墜、村八分
     (日本人の間では これで通じていた、問題はなかった。)
     (欧米に対しては極めて曖昧、後に課題を残す そこで契約が詳細になる。)
  [小室直樹著の「中国原論」]
このところの冴えない株価は、ひとえに民主党政権に政権が交代したことによります。

自民党政権時代の企業成長の重視から個人の生活重視に変わったが、産業界の活力低下による企業の成長カの鈍化、さらには中小企業救済のためのモラトリアム問題など経済成長していくための政権の基本的な姿勢がマスコミや産業界から反発がでているためではないだろうか。またばら撒きすぎた公約の予算の手当ができっこないという財政面からの問題も先行きに大きな壁として立ちはだかってきた。

さらには円高の問題への政権の対処が第2点としてあげられる。藤井裕久財務相は為替不介入発言をしたが、この発言が円高容認論として一人歩きしている。この発言裏を返せばドルを買い支えない宣言であるからだ。

1ドル=85円を更に上回る円高(70円台後半)にでもなれば日本経済は壊滅的な状態になってしまう。財務相は慎重の上にも慎童な発言をしないことには円は世界の投機集団の格好の餌食となり、日本企業は総崩れの状態になってしまう。

次に日本の金融機関の資本不足の問題がBlS(国際決済銀行)による自己資本強化策で浮上し、銀行の増資が本格化する気配が高まってきた点である。金融機関はもとより産業界もこれから資本の充実を果たさ
なければならない。早くも、こうした動きに便乗してヘッジファンド勢はカラ売りを増やしているという情報も入っている。民主党新政権の政策方針が米国の意図するものと合致せず、米国の投資家の一部ではもはやかつての日米関係の構築は難しいとの見方が多い。

今年3月以来拡大してきた日本株投資から資金を引き揚げる動きが、ここ数日高まってきたと米国友人の情報が入ってきた。かつて、米民主党、クリントン政権時代の日米通商問題で探られた米国の円高政策が復活しそうな状況も強くなってきた。一方、米国に忠誠を示した韓国は米国からの産業投資が大量に流入して、このところ景気は着実に回復の気配を強めている。日本の新政権の出方次第では日本は韓国とは対照的に経済の冬の状況を迎えなければならないかもしれない。

その時には70円台のドル安円高も覚悟しておいた方が良さそうである。

NY市場では日本物のカントリーファンドが下落している。新政権に対する期待相場が示現するとしても時間が掛かることになってしまったように感じるが、短期的には東証1部の騰落レシオ(25 日)が2日現在で70%を下回り底値圏に達したことや、シミュレーションからは今週中にも底値形成となる見通しであること、また各月のSQ算出日前後で短期的な株価の方向が反転するパターンなどが指摘される。東京市場の当面の底打ちは近いと考えています。

今週中にも例の中小企業等の返済猶予に関する法案の一次案が作成されると伝えられており、より現実的なかたちでの法案作成が望まれています。

中小企業に対する金融面からの「常道」と言うべき対策は既に随分と実施済みなのだ。金融危機を受けて、保証協会による保証が全国で大掛かりに行われている。そして、銀行が中小企業から受け取る手形をほぼ自動的に日銀からバックファイナンスしてもらい、「銀行間資金取引の市場レート並み」というケタ外れの好条件で3カ月の貸し出しに応じ、その規模は巨額に達している。

確かに、自民党政権化で中小企業資金繰り対策は手厚く出来ているのだが、どうしてマスコミはG20で国債会計基準が強化され、今後金融機関の貸し渋りが予想されていることを考慮にいれないのであろうか?

金融機関に対する自己資本規制の強化に向け、国際社会は走り出した。自己資本不足を恐れて貸し出し資産を抑制しようという心理が銀行に働き、万が一貸し渋り的な現象が起こる可能性がある。

モラトリアム問題は、亀井大臣の思い付きではないと私は思い、擁護したいと思います。
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鳩山総務相が、かんぽの宿オリックス売却問題で異議をとなえた。鳩山邦夫大臣は、福田内閣では法務大臣として、国賊朝日新聞などの妨害工作に凛として臨み、職務責任を全うした。鳩山大臣が法務大臣であった2007年6月に「犯罪対策閣僚会議」が設置され、企業が反社会的勢力による被害を受けることを防止するための指針が策定された。ビジネスや契約書に「暴力団排除条項」を盛り込むことや、反社会勢力データベースの構築。2007年9月施行の金融商品取引法の改正には、反社会勢力を株式などのマーケットから闇勢力を排除するという、強力な官民の強い意思が感じられる。(事実証券会社の約款には反社会的な勢力と判明した場合は、一方的に口座を解約できる条項が盛り込まれている。)鳩山大臣も十分熟知したうえでの、オリックス排除発言であったと思う。もし私が鳩山氏の選挙区であれば、今回いかに自民党に逆風でも鳩山氏に投票したい。日本の政治家も捨てたものではないかもしれない。

今日のヤクザの経済界の進出のきっかけを作ったターニングポイントは、1992年(平成4年)3月1日に施行された暴対法である。

暴対法によって、暴力団員の数そのものは減少し、暴力団事務所の撤去も進んだ。また、対立抗争事件数も減少した。問題は、暴力団員による従来型資金獲得活動=「シノギ」(金融・博打・売春)も困難になったことによる弊害だ。いわば、暴対法という抗生物質に耐性をもつものに変異してしまったのだ。暴対法が暴対法耐性暴力団を作り出す結果となってしまった。

弱肉強食的感覚、仁義道徳を叩き込まれ、鍛え上げられた強固な組織を背景に、組の為自らの欲望の為、腑抜けなサラリーマンより、企業舎弟は金儲けに対してウォール街の連中同様貪欲に、金儲け活動を行った。特にまやかしの小泉改革時代、勘違いのホリエモンらが跋扈した間違った新自由主義的風潮(私は反ケインジアン)は彼らの追い風になった、一般企業社会への進出(企業舎弟の増加)や組織擬装が増加するなど、組織の不透明化・マフィア化(一般人との区別がつかない)が進んだ。ブラックマネーは金融工学を駆使し国際化した結果、山口組の一人勝ち状態となってしまった。

BRICs経済研究所の門倉氏の推計によるとは、日本の地下経済は23兆円に達しているという。新興市場に投資され自己増殖をしていた。ここまで来ると、裏も表も境界が曖昧になりそうだが、暴力団マネーは普通の投資資金と違って「ノーリスク、ハイリターン」の「損を認めないカネ」である。(※暴対法施行前Ddogがお付き合いがあった博徒の流れを組む土建屋の社長さんは、株の負けに関してイイガカリをつけるようなことは一度も無く、極めて男気のある紳士的な方だったが・・・)

マフィアと暴力団のとの違いは、暴力団の方は、道の反対側からでもすぐに判別できる自己主張がある服装や、わかりやすい事務所を構えるのに対し、マフィアは特別な事務所を持たず、普段は一般市民と見分ける事が極めて困難な点にある)

暴対法以降暴力団がマフィア化していったのである。マフィア化は、暴力団本体だけに留まらず、暴力団関係者が経営するフロント企業(その利益は暴力団の活動資金となる)も及んでいる。

フロント企業自体、もともと堅気の企業と見分けがつかない事が多く、新興市場に公開した企業が、暴力団関係企業であってはならない。投資家がフロント企業を判別する事は難しい。暴力団関係者だとわざわざ書く会社側公開資料などあるわけ無い。フロント企業を公開させた取引所側の責任は非常に大きい。

堀江貴文の国策逮捕は、ブラックマネーの資金の流れを白日の下に曝す目的があった、野口英昭氏は東京地検特捜部の重要なキーマンだった。
自殺した野口氏はアイ・シー・エフ(現オーベン)幹部や関係者の資金100億円を香港などで運用していた。その中には出所不明の資金もあり裏社会との繋がりが噂された。

暴力団関係者は、新興市場が出来る前からすでに動いていた。マザース初の上場企業リーキッドオーデオジャパンは、公開前から食い物にされていた。

【リキッド・オーディオ・ジャパンの闇】
http://j_coffee.at.infoseek.co.jp/kabutochou3.html#liquid

関西アングラマネーのキーマンの一人、パチンコ梁山泊の豊臣春國氏、同じく梁山泊のキーマンで、京都駅前の地上げで名を馳せた同和団体役員川上八巳(やつみ)氏、元ライブドア取締役で日本人初のソユーズ観光宇宙旅行者になるはずだった、榎本大輔氏そのほかにライブドア堀江とその周辺の人物たちが、ICFがらみでの入り組んで、いかに錬金術をおこなったか、わかりやすく書いてあります。

【アドテックス事件】
http://blogs.dion.ne.jp/albatross_works/archives/5120068.html
コンピューター関連機器メーカー「アドテックス」が06年4月民事再生法を申請し、違反事件。元副社長の下村容疑者は、指定暴力団山口組弘道会系の元組長(2001年ごろまで)だった。元社長前田大作容疑者(51)は格闘技雑誌「週刊ゴング」の社長も務めていた。民事再生手続き中の06年5~6月、下村容疑者が経営する別の会社から不必要なコンピューターシステム(ERP)を購入し、アドテックスの資産から計6300万円を支払い債権者に損害を与えた疑い。
【ゆびとま事件】
その下村容疑者が06年4月、前田容疑者から、インターネット上の同窓会サイト「この指とまれ!」の運営会社の経営権を取得したうえ、半年後に他社に売却しようとしていたことも分かった。
プライムシステム(現サンライズテクノロジー)事件
マチ金から資金調達して手形が暴力団に流れてしまい闇勢力に乗っ取られてしまった。
マチ金から資金調達した60億円は東証の子会社TCS買収に使われた。

新興市場で繰り広げられた事件簿が書いてある。ただし発覚したものだけで、暴力団に蚕食されている実態に比べれば氷山の一角らしい。

本書は、メガバンクと闇勢力のことに関しても説明がある。

『みずほ銀行で多発する問題融資』の理由は興味深かった。
みずほがデイワンダーランドに不正に融資の問題、TBSのメーンバンクのみずほコーポレーションだが、TBSを買収しようとする楽天に同じグループのみずほ銀行が融資するような構図になってしまったケース、先のスルガや、グッドウィル社など問題が多い企業への融資はみな、みずほが絡む。興銀と第一勧銀と富士銀の3社合併の為、合併後ホールセール(大企業)のみずほコーポレー銀行とリテール(個人中小)に再分割し、支店間の横の連携に欠け、融資の要である審査能力まで極端に低くなってしまいさまざまな問題が勃発している実態がかかれています。

極めつけは巨額詐欺事件を起こし07年10月380億円の負債を抱え倒産した伊豫商事への融資である。保証書の偽造や書類の偽造による粉飾決算を見抜けず、やすやすとみずほ銀行は265億円の資金を焦げ付かせたのである。当然裏社会へその資金の一部は流れている。

みずほ銀行がこのありさまなら、石原都知事が始めた、新銀行東京は、闇社会からすれば、まさに財布代わり、1000億円が消えてなくなるのは、経営の失敗や、行員の無能というよりも、失うべくして失ったようなものだ。私(Ddog)個人的には石原都知事の理念は賛成で、セーフティーネットは必要だと思うが、結果的に闇社会の勢力に対し新銀行の審査能力など無いに等しかったのだ。闇社会と新銀行東京では、最初から相撲にならなかったのだ。

日本の銀行は、多額の焦げ付き、巨額詐欺事件に巻き込まれ、再び貸し渋りを行っている。
しかし問題なのは、中小企業融資や、ベンチャー企業への融資など、リスクを適切に算定できない日本の金融機関のバンカーとしての能力不足に問題がる。その弱点に闇勢力が付け込んでいくのである。

本書は、少し懐かしい平成電電詐欺事件とドリームテクノロジーの件なども取り上げ、とても内容が濃い。
P244
日米同時不況がいよいよ本格化しそうな雰囲気となっているが、不況というのは暴力団など闇勢力にとっては・大きなビジネスチャンスにもなりうる。
多くの場合、闇勢力は経営陣の内紛や経営状態の極端な悪化による資金不足などに乗じて企業に食い込んでくるものだが、不況期にはこうしたことが起きやすくなる。そして、一且企業に取りつけば、僅かに残った資産を売り払ったり手形を振り出させたり、様々な方法で食い尽くすのである。
一方、不良債権化した不動産も闇勢力にとっては大いに狙い目となる。特に銀行などの大手金融機関ばかりではなく、金融ブローカーなど複数の業者が絡んだ物件では抵当権をめぐるトラブルが発生することも考えられるから、つけいる隙ができる。
また、差し押さえ前の所有者から賃借権を手に入れ、それを盾に不動産に居座り法外な立ち退き料を求めるというようなやり方も、バブル崩壊後にはしばしば見られた。現在では暴対法により露骨には出来ないだろうが、暴力団系企業による地上げが復活していることを考えれば、今回のミニ土地バブルの崩壊局面で占有ビジネスが息を吹き返してもおかしくはないだろ。
P246-247
現在の金融界で主流となっているフアンドの組成や証券化のためのSPC(特定目的会杜)を駆使した様々な投資活動自体が、匿名性を大きな特徴としていることもあって、暴力団マネーには格好の隠れ蓑となりかねない。さらに、最新の金融工学のテクニックを用いてデリバティブを利かせることで、匿名化された暴力団マネーは何倍にも増幅される。
こうした資金が、前述した山口組旧五菱会系のヤミ金融グループによるマネロン事件で見られたような手法により海外に持ち出され、タックスヘイブンを絡めることで、極めてトレースしづらくなるのだ。
規制や税金を逃れた巨額の資金が、ものすごいスピードで世界中を駆け巡っているというのが近年の「ファンド資本主義」の大きな特徴だが、闇勢力の共生者となった金融マンたちの協力により、暴力団マネーも完全にその流れに乗っかった形となっている。
そして、海外の秘密口座に隠された暴力団マネーの大部分も、さらなる投資先を求めてホットマネーとして世界中を駆け巡ることになるのである。
すでにこの種の暴力団マネーが中国やインドなどを中心とする経済成長著しい新興国に相当規模で流入していることは、常識となっている。

暴力団は「機を見るに敏」新興証券市場から不動産へ恐るべき情報力で、巨額な資金力を迅速に動かす。逆説的に考えると、ブラックマネーは一種のHOTマネーの役割を演じている。この金融危機でブラックマネーも相当打撃はうけているはずである。しかし、闇経済の住人達は挫けていないはずだ。次の波に備えて、したたかに準備していることだけは、間違いない。
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それでは通貨とは何か、政府紙幣とは何か、根本的なことを考えるのに非常によい過去の事件がある。
バブル崩壊の歴史的事例として18世紀のフランスで起きたミシシッピ事件があげられます。


今日読んだ門倉貴史氏の「偽造・贋作・ニセ札とやみ経済」(講談社文庫)P174~178にミシシッピー会社事件のことが載っていました。安易に政府発行紙幣を発行していいものか皆さん考えてください。

【ミシシッピー会社事件】
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=167495

ニセ札をまいたと糾弾された男

いうまでもないことだが、紙幣というのは物理的にはただの紙であり、その物質自体には紙切れとしての価値しか備わっていない。紙幣は、国に対する信用があってはじめて価値が生まれ、流通していくものなのである。したがって、たとえ国が発行する公式の紙幣であっても、人々が国家を信用していなければ、その国の紙幣はただの紙切れとしての価値しか備わっていないニセ札ということになってしまう。かつて、フランスでは、国の紙幣がニセ札になりさがるという前代未聞の事件が発生した。以下にその概要を紹介しよう。

「太陽王」と呼ばれたルイ一四世が浪費の限りを尽くしたことから、彼が死去した当時1715年のフランス財政は危機的状況にあった。国債残高は30億リーブル、国債の平均金利を4%とすれば、利払い費だけでも1億2000万リーブルに達していた。当時の王室の歳入が1億4500万リーブル、利払い以外の歳出が1億4200万リーブルであったから、国家財政から利払い費に当てられるのは、わずか300万リーブル。(=1億4500万―1億4200万) 利払い費の1億2000万リーブールは、ほとんどそっくり新規の国債発行でまかなわなくてはならないというありさまだった。
こうした悲惨な状況下、フランス経済の舵取りという重荷を背負うことになったのが、オルレアン公フィリップであった。ルイ一四世の跡を継いだルイ一五世が幼少であったことから、彼が全権摂政の座についたのである。オルレアン公ははじめ、貨幣の改鋳(金貨と銀貨の貴金属含有量をそれぞれ80%に落とした)や汚職にたずさわった役人の取り締まり強化によって国家財政の好転を目指したが、そのプラス効果は合計でたった1億5000万リーブルにしかならなかった。一年分の国債利払い費を捻出するのがようやくだったのである。

困惑したオルレアン公フィリップは、フランス財政の危機を打開するための究極の手段として、ジヨン.ローという名の人物が提案する新システムの導入を受け入れることに同意した。そのシステムとは、これまで欧州諸国では試みられたことがない紙幣を導入するというものであった。今でこそ、紙幣はどこの国においても一般的な交換手段となっているが、当時は金属として額面と同一の価値を備えた金属貨幣の使用が一般的であり、ただの紙切れを貨幣として使用するなどということは言語道断、夢にも考えられなかった。

1716年、ジョン・ローの名前をつけた「ロー銀行」が設立され、この銀行が紙幣の発行業務を行うこととなった。そして、次のような約束事を取り決めた。
1紙幣は、いつでもその満額が硬貨と交換できる。
2国に納める税金は「ロー銀行」発行の紙幣でなければならない。
この結果、人々はすぐに紙幣を受容するようになり、紙幣を使った経済取引はみるみるうちに活発化していった。かわりに、それまで貨幣として使われていた硬貨は経済取引のオモテ舞台から姿を消していった。

また、ロー銀行は株式を発行してその4分の1を紙幣で、4分の3を民衆に国債で買いとってもらうことにした。なぜ株式を国債で買い取らせるかといえば、発行株式を人々が保有する国債と交換していけば、国は国債による借金を減らすことができるからだ。もちろん、銀行の株式だけでは膨大な量に上る国債のすべてを償還することはできない。そこで、ジョン・ローは、オルレアン公の承認を取りつけたうえで、北米ルイジアナとカナダの植民地を結ぶミシシッピ会社を設立し、この会社の株式をすべて国債で購入してもらうことにした。これで、国は国債をすべて償還できることになり、膨大な借金は帳消しになる。

その後も、新紙幣に対する需要はどんどん高まっていったので、オルレアン公とローは紙幣の増刷に踏み切ることにした。これまでの発行額の実に16倍にも及ぶ額の紙幣が発行されることになったのである。また、ミシシッピ会社は、フランス東インド会社の支配権も取得するなど、事業領域を大幅に拡張し、それに伴い発行株式数もうなぎのぼりに増えていった。植民地物産に対する高い収益期待を背景に、人々は株式の購入に躍起になり、株価は発行価格の10倍にまで上昇した。

しかし、冷静に考えれば、このような状態が長く続くはずはなかった。紙幣が人々から信用されるために最も重要な条件は、国家が破産しないということである。しかし、当時のフランス財政はまさに破綻に瀕していた。このような国家を誰が無制限に信用できるのか。
案の定、金もうけをした人の一部が紙幣を硬貨に換金すると、追随者が次々に現れるようになった。いつのまにか、紙幣に対する信用は紙幣に対する不安へと変化していった。いまや、人々は口―銀行の発行している紙幣が信用の裏付けのないニセ札であったということに気づいてしまったのだ。

国民の問で紙幣を硬貨に交換しようという動きが強まってきたことを懸念したオルレアン公は、紙幣の価値を硬貨に対して五%切り上げることとした。その後もう一度、追加的に五%の切り上げを実施したがほとんど効果が出なかったので、今度は人々が硬貨を使用することを全面的に禁止することにした。

さらには、紙幣を増刷して人々に紙幣を強制的に使わせようとしたが、一度失った国民の国家への信頼を取り戻すことはもはや不可能であった。

この時点で、フランス国内に存在する硬貨の量は紙幣との交換に必要な分の半分にも満たなかったため(しかもその多くは国民によって退蔵されていた!)、オルレアン公は覚悟を決めて、紙幣の価値を硬貨に対して半分に切り下げることにした。紙幣の価値が切り下げられたことで人々は銀行に殺到し、次々に紙幣を硬貨へと換えていった。最終的には、紙幣と株式はただの紙切れに戻ってしまったのである。
フランスには未曾有の信用恐慌が発生し、オルレアン公とジョン.ローは国家を破綻に追いやった張本人として民衆の目の敵となった。暴動を恐れたジヨン・ローはパリを離れ、ベネチアに逃げていった。その後のローは賭博などをして不遇の余生を送ったという。
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②サミットが終わって思う ■FRBの戦い から
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/12699395.html
  
■日本はいかにすべきか?そして株、日本経済の行方。

現状の株式市場はサイコロゼロを経験し、騰落率も60%台の鍋の底をはっている状況であって、短期的にはいつ自律反発していくかの時にさしかかっている。

7月17日頃から米欧の金融機関の決算が発表になるがその辺が大底となって目先反発に向かう可能性だけは十二分にある。

しかし、外国人投資家が7月第一週再び売りこしに転じてきた。
http://www.tse.or.jp/market/data/sector/index.html

外国人の売り越しは、世界的な売りの一環であって、あたかも本格的な外国人離れを言う人違が多くなって不安感が強まっているが、スタグフレーションの指数でもある悲惨指数からいって、外国人の日本株買いのスタンスには大きな変化はないとは思うが、長期的に日本株が上昇する見通しは苦しい。

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日本経済の処方箋は「円高政策」と「賃上げ政策」に尽きる。

日本は米国に輸出して得た貿易黒字分をドルで受け取り国内に還流してきたが、85年のプラザ合意の大幅な円高にもかかわらず、競争力を失わない日本輸出企業の稼いだ外貨は貿易黒字となり、還流した資金は国内に投資され、80年代末日本はバブル景気に沸いた。米国からの貿易問題の圧力は大きく、1995年4月1米ドル80円を切る大幅な円高になった。


輸出企業は、国内にドルで得た代金輸出で得たドルを円に交換して国内に持ちかえろうとすると、日本は輸出超過で海外において保有されている円が少ないのでドル安・円高になる。円高が続くと日本の製造業の競争力が悪化する。米国にそのまま工場を国内に維持していればよかったのだが、米国の製造業は、新興工業国に工場を移し、そういった国は米ドルとのペック制であるため、日本の製造業は、為替+コスト安との戦いであるために、そこで、日本が国全体としてやってきたことは、受け取ったドルを米国に還流することで、円高を回避する方法であった。日本は輸出した代金を米国から回収していないに等しい。そうすることで、円高を回避することは出来るが、日本国内に資金が回らず、失われた10年を迎えてしまったのである。

長引くトンネルから脱出できなかったのは、日本が準備通貨として海外でドル保有していることにより、ドルを支えていれば、日本より利回りの高い米国債などを購入した方が運用上も有利だ。米国以外の国への支払いにも使える。そうしたこともあってドルのまま持ち続けた。

本来、そのドルを為替市場で売却し、円に換えて国内に持ちかえれば、所得や消費を増やし、日本経済は内需を喚起し、もっと高く成長することが出来たはずだ。それを阻止したのは、日銀の三重野であり、土地の総量規制の愚策をやった橋本龍太郎であったが、私は、土地の値上がりにヒステリックに騒いだ、日本国民自身に最大の責任があるのではないかと考えています。

確かに、円安は輸出メー力一にとってはプラスだろう。しかし、日本経済全体にとっては決してプラスではない。米国より資金が還流しないので銀行システムの流動性が不足する。国内でおカネが上手く回らなくなるうえに、実質輸出代金分の資本が回収出来ていないから日本の購買力が失われる。円安で輸入物価が上昇し、消費者の購買力はますます弱まる。日本で最も雇用の多い小売卸などの非製造業の中小企業は、収益基盤の国内市場が円安によって購買力が失われ縮小しているので、利益が上がらず賃金を増やせない。製造業の大企業は輸出で儲けられるだろうが、資金が還流してこないので、国内の賃上げには生かされない。輸出企業が利益を出しても国全体の賃金上昇にはつながらない。賃金が上がらなければ消費は増えない。そうして日本経済全体が落ち込んでいく。つまり、経常収支の黒字が定着すればするほど、逆に、日本経済の活力がなくなり成長カが下がる悪循環に陥ったのであった。日本の民間企業で賃上げが出来る企業はためらわず賃上げを行い、人材を確保すべきである。

一方、資本輸入国の米国は、毎年貿易赤字を続けながら、90年代以降その繁栄を謳歌してきた。日本は海外に工場を移転してまで、優秀で割安な製品を供給し、その上資本まで供給してくれるのだから、米国の消費水準が上がるのは当然だ。米国の繁栄と日本の停滞はワンセットであった。

そして、永年の悪事がたたり米国経済が遂に変調し始め、資源が高騰し始めた。今後の日本は円高こそ、国益とする政策が必要になるかもしれない。

日本の対米輸出は減速し、経常収支の黒字が縮小し、同時に資本輸出は減少する。外需は減退しよう。しかし、日本の内需は弱い。そういう時にはどうするだろうか。手っ取り早いのは、ドルを売って円に換えて国内に持ちかえることだ。これでは、橋龍と同じく米国に首を切られてしまうだろうが、米国が拉致問題を無視し、日米安保条約を踏みにじり、北朝鮮をテロ支援国家から除外しようとしている。

このことは日本にとって千載一遇の、チャンスである。私は日米安保条約は堅持すべきであるとは考えてはいるが、今度は日本が、より同盟関係を強めるのか、弱めるのか米国に対して対等にものが言えるチャンスであり、対等な日米同盟となる、第一歩とすべきではなかろうか?

ドルを防衛したい米国の思惑を最大限に利用すべき時ではないのではないかと思う。日本は着々とその準備に取り掛かっている。日本版HIAである。
http://www.asyura2.com/08/hasan56/msg/572.html


ドルで滞留した資金を日本国内で使えば、円高となり内需が増えて、円高は輸入コストを下げ、輸入コストの減少は、消費者の購買力を拡大する。円高でガソリン代が下がれば、その分は新しい購買力となって新たな消費に向けられよう。これは日本国内景気浮揚にとってかなりメリットがある。景気が浮揚すれば円高を受け入れる方向に動く。

円高による製造業への打撃は避けられない。特に、ドルペック制の韓国企業との競争が激しい半導体、薄型TVは苦境となるかもしれないが、韓国は今、ウォン安の弊害に苦慮しており、チャンスかもしれない。しかし、アジアとの過当競争による価格下落、さらに円高が重なると輸出額は大きく減少する。

日本は輸出頼みの経済では低賃金国との競争を絶えず意識していたため、賃上げには慎重にならざるを得ず、また日本国内の人口減に備え、内需振興のスローガンを叫んでも、内需型経済に転換することに失敗し、日本経済回復の力強さに欠けてきた。逆に言えば、賃金水準を国内で上昇出来るようになれば、消費が牽引する内需の拡大に結びつけることができる可能性を秘めている。

人件費抑制の原価低減ではなく、高付加価値の日本にしかできない価格決定権を獲得している製品に輸出を特化していくことであろう。

現在の資源バブルの時代は、産油国やオールドインダストリーに資金が集中する。資源国における活発なインフラ投資は、今後の世界経済のけん引役となるだろ。巨額の経常黒字を有し、省エネ先進国であり、輸送用機器や建設機械など産油国向けに「売れる」商品を持つ日本は、その中でも恵まれた存在といえる。また、資源国のSWF(ソブリン・ウェルス・ファンド)などの資金を、誰がどうやって惹きつけるかという点にも注目が必要となる。

そうなれば、賃金を抑える必要がなくなる。そうなると内需が喚起され企業としても利益が出やすくなる。所得が増え、消費が増え、消費者の二一ズを満たす新商品が創出されるという好循環に入る可能性がある。

国際間の競争も、いかにしてコストを低くするかではなく、いかにして付加価値を高めるかに切り替えることが必要だ。円高が進むと、製造業は円の手取り額を減らさないようにドルベースでの価格を引き上げようとする。そのためには、品質改良を行う。

金融に勤めている脳天気な人間の戯言かもしれないが、コストダウンの限界を超える円高に対しては、技術革新によって競争の少ない新製品を作り出す。「円高は製造業の新たな面を切り開く」とはそういうことだ。私が知りうる限りそのような企業は数限りなく存在するが、日本経済の浮揚と、国内株式の長期トレンドが上向くには、もう一度円高の洗礼を受けてからかもしれない。

円高政策と、高賃金政策は、日本経済の将来に楽観をもたらし、少子化対策にも役立ち、ついでに財政問題まで解決する可能性を秘めている。

円高によってもっと日本の本来持つ良いほうの可能性が前面に出てくるかもしれない。
円高により購買力が増し、国内市場が拡大すると、世界的なクールジャパンと評価される日本文化を背景に、新技術や新製品の開発がすすむかもしれない。日本の消費者の目が要求した品質の高いクオリティは、たとえガラパゴスと揶揄されても。かまわない。iフォンにはワンセグもついてはいないだろう。

東京は世界的な食の都とされ、京都・大阪・福岡・札幌も含めたら「食在日本」(食は日本にあり)世界一高級な食事は日本食だとも言われている。

日本の山々が緑で青々しているのは、けして環境に恵まれただけではない。江戸時代の人口の爆発期において、厳しい治水山林対策を行い、国土を維持してきたからである。
そして、日本も高度成長期公害問題が今の中国のように各地で問題化したが、元来日本人は八百万の神々を祭る国民であるため、環境問題にも厳しい。環境ビジネスは日本のお家芸として発展していくであろう。

日本人は世界一厳しい消費者で、高いクオリティーと伝統のセンスを持っている。依然日本市場は高い競争力を維持している。クールジャパンは日本の仕組み、制度、文化というものが、世界中に評価されているということだ。日本の文化というのは、世界でも特色のある文化だ。今後も新しい製品や技術がたくさん出てくることが期待出来る。

サブプライムローンで経済に変調を来たしている米国はこれまでのように新興国製品を買えなくなる。円高は、米国に代わる個人消費大国への変容する可能性がある。円高政策を打ち出せば、米ドルに代わり円を持とうとする国が増え円の流通量が増え、いずれはこけるであろう、ユーロや中国の人民元より、通貨としての価値は認められるかもしれない。世界的な個人金融資産を持ち、資産価格もしっかりしてくる。日本は衰退するのではなく、米ドルに代わって20年後基軸通貨になっている可能性もある。(基軸通貨には軍事力の裏づけが必要なので核兵器保有と憲法改正が前提だが・・・日本では無理か)


とはいえ、日本の輸出偏重の外需主導型の経済はそう簡単に止めるのは難しいだろう。
貿易黒字は製造業にプラスに見えるが、国全体の利益を押し下げて、結局、製造業の利益にならない可能性がある。「貿易黒字、円安政策」という産業構造を日本は真剣に再考すべき時がやってきたかもしれない。

①サミットが終わって思う。■米国のジレンマ へ戻る
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/12699034.html
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2008年3月26日日経新聞経済教室
日本の財政維持可能性の試算 『100年後の「破綻確率」6割』基礎収支悪化で債券市場は危険水域に

日本の財政を維持できる可能性が後退している。試算では、最も楽観的なシナリオをべースにしても、百年後の「破綻確率」は六二%と一年則より一八%も悪化した。債券市場ではこうした財政破綻の可能性の高まりが相場に織り込まれておらず、何らかの弾みに急落する危険がある。

金利と成長率の大小関係が重要日本の昨年末の政府債務残高は、八百三十八兆円と、国内総生産(GDP)の約一・六倍に達し、経済協力開発機構(OECD)諸国の中で圧倒的に高い水準にある。政府は、二〇〇六年度の『骨太の方針』で「11年度には国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバ一ンス)を確実に黒字化する」との目標を掲げた。だが、今年一月には早くもこの目標の達成が困難との見通しを公表した。政府の財政健全化へ熱意は後退しつつあるようにもみえる。

経済財政諮問会議でかつて「利子率・成長率論争」が繰り広げられたが、財政の維持可能性を考える上で重要なのは、国債の金利と経済成長率との大小関係である。金利が成長率を下回れば、公的債務のGDP比は減少し公的債務の維持可能は高まる。逆に、金利が成長率を上回れば、維持可能性は低くなる。

標準的なマクロ経済理論を使って試算すると、金利のほうが成長率より2~3%ほど高くなる。だが、下図が示すように、過去二十五年間の関係を見ると、その差はわずかで、日本では、成長率に比べ利子率はあまり高くない傾向がみられる。

標準的マクロ経済理論では、通常金融仲介のコストを考慮しない。しかし、日本の金利と成長率の関係を考える上で、この点は見逃せない。預金者と企業を銀行一仲介する際、資金がより円滑に流れるためにかかる審査や債権管理などの費用を負担すべく、預金金利は低く据え置かれる。国債は預金と代替的な金融資産であり、その金利も低い預金金利にさや寄せされる。このため、国債金利も、成長率をわずかに上回る程度に低く据え置かれがちになる。

こうした金融仲介コストを考慮して改良された理論モデルを使い、日本の財政が将来も維持可能かどうか調べるため試算を行った。まず政府の目標値に沿って、今後の平均的な実質成長率と基礎的財政収支を設定。次に成長率と整合的な金利を算定した上で、将来のG
DPと債務残高(GDP比)をシミュレーションし、最後に百年後の債務残高の分布を描き、それが現時点を上回り維持が不可能になる割合を「破綻確率」として算出した。

まず、昨年一月に公表された見通しのうち最も望ましい成長・歳出削減ケースである「11年度の実質GDP成長率二・五%、基礎的財政収支(GDP比)O・二%の黒字」を目標数値として計算した(〇七年試算)。

破綻の防止には厳しい努力必要
百年間の実質金利の平均は二・五七%と実質GDP成長率をわずかながら上回るが、百年後の公的債務残高(GDP比)は〇五年時点のO・九八倍とわずかだが下回り、財政は維持可能である。だが、この数字はあくまで経済成長率の平均が11年水準を保った場合であり、不況が続いた場合は必ずしもこの限りではない。

平均成長率が二.五%を下回り現状より公的債務残高が増えて財政が破綻する可能性(確率)は、我々の試算では四四%ある。

では、今年一月に公表された見通しをベースにするとどうか(O八年試算)。同見通しでは最
も望ましいケースの場合、〇七年見通しと比べ11年度の実質成長率はO・1%引き上げられたが、基礎的財政収支はO・三ポイント悪化し、黒字化は果たせないとの結果が提示された。試算では、平均実質金利は二・六四%と実質成長率をわずかに上回る程度だが、基礎的収支が赤字なため、百年後の公的債務残高(GDP比)は現状の一・二一倍となり、財政の維持は困難になる。さらに六二%の確率で財政は破綻することとなり、〇七年試算のと比べ18ポイントも増えた。このように日本の財政の維持可能性は確実に悪化しているのである。

いずれのケースも・財政破綻防止法に必要な基礎的な財政収支を計算すると(破綻確率を五%以下に抑える場合の試算)、対GDPで一%程度黒字にし続ける必要がある。これは消費税率に換算すると、約二・五%に相当する。今後、年金や医療、介護などの支出増や少子
高齢化の進展に伴う成長率や貯蓄率の低下が予想されることを踏まえれぱ、かなり厳しい努力が求められるといえよう。なおこの試算結果は、あくまで政府見通しの中
で、「最も楽観的なシナリオ」を基にしていることに注意すべきである。

さて、財政破綻の確率が二割近くも高まっているのに、昨年末以降、国債の利回りはほとんど変、化していない。破綻確率の上昇は、本来ならリスクプレミアムの高まりを映し、国債利回りの上昇圧力となるはずである。

そもそも、一九九五年度にGDP比約O・七倍だった公的債務残高は、いまや一・六倍とほぼ倍増するなど、バブル崩壊以降、国債残高は経済成長率をはるかに超えるペースで増え続けてきた。

一方十年国債利回りは、ほぼ二%以下で極めて安定して推移している。つまり、市場は財政破綻の可能性に関して、まったく楽観的であった。

この理由として、国民がこれまでの二倍の税金を支払う覚悟を決めたので、投資家も安心して国債を買い続けたという仮説が考えられる。その場合、国民は将来の増税に備えて消費を手控え、特に公的憤務残高(GDP比)が急上昇した2000年以降、消費の成長率は鈍化しているはずだ。実際は、むしろ景気が回復した〇三年以降、消費は堅調である。とする
とやはり、市場はこれまとやはり、市場はこれまで財政危機を楽観的に見てきた、換言すれぱ、国債の利回りは低すぎる(価格が高すぎる)のであり、債券相場はバブルということになる。

国債売り浴びせは財政破綻に直結

国債バブルが長期化した理由は、様々あるだろうが、日銀が買いオペを通じ、大量発行による値崩れを防ぐ「大口の買い手」として行動してきた側面が強いと思われる。

いざとなったら、日銀が引き受けるので国債は安心だという認識を投資家は明らかに共有している。割高感があれば、すぐ売りを仕掛ける外国人投資家の比率が少ないという事実も、バブルの存続を可能にしている。

ファンドの台頭で様変わりしつつある国際金融市場は、サブブライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)問題を契機に不安定さを増している。

財政再建努力を怠ると、何かのきっかけで海外ファンドが売りを仕掛けてくるかもしれない。ファンドの売り浴びせに対し、日銀は国債買いオペで支えるだろうが、機動的に対応できるかどうか疑問である。

国債を大量に保膏する日本の機関投資家は、安全資産とみなしており、価格下落でリスクが表面化した国債に積極的に買いを入れる行動をとるとは思えない。機能していないゆえに、ファンドの動き次第でもろさが露呈する恐れがあるのだ。国債価格が暴落し、金利は
急騰すると、即座に財政破綻に追い込まれよう。

成長戦略で財政危機を克服しようとする考え方魅力的だが、過去の事例を見る限り、高齢化が進行する中で成長率を上昇させるのは容易ではない。財政再建路線の手綱を決して緩めてはいけないのである。

櫻川 昌哉 慶応義塾大学教授
細川 薫  学習院大学教授
財政破綻シュミレーション http://www.econ.keio.ac.jp/staff/masaya/index.html


100年前の1908年は明治41年 明治38年に日露戦争が終わりT型フォードがはじめて作られた年でした。はたして、明治41年に今日の日本の様子が想像できますでしょうか?ましてやその間、米国相手に戦争をし、敗戦となり、高度成長も経験し、ベビーブームや少子化など、100年前に今日を予測する意味があったのだろうか?

現状の日本はけして楽観できるものではないことは確かだ。ただ、100年後日本は破綻していますという論法で、財政再建論を論ずるのは滑稽だろう。第一、最近の世論で、米国の紙幣は紙屑同然であるとの、ドル暴落論がでているが、それではユーロや円、まして人民元も紙切れにすぎないのではないだろうか?国債も、全部返済する意味があるのだろうか?100年後日本人の人口は半減している予測もあるが、人口減=衰退の構図は成立しているとは断言できないはずだ。

100年先の国家財政を予測するのは滑稽と表現しましたが、研究対象とするのは、間違っていませんし、国家百年の大計を考えるには重要な研究だと思います。それゆえ、わざわざスキャナーで読み込んでwebで保存しました。しかしながら、緊縮財政派の官僚政治家の自説補強材料とされてしまうと問題があります。それゆえ滑稽と表現しました。私はこの記事を執筆された先生をリスペクトしてますので、誤解なきようお願いします。
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