
第三章 日本独自の文化が、人類の心を豊かにした
世界の子どもたちに夢を与えた、日本のアニメ――108
これも説明は要らないだろう。
アメリカの外交誌「フォーリンポリシー」は2002年GDP(国内総生産)をもじったGNC(国民総クール)という概念を提起し、アニメや食文化・音楽などを含めた日本のポップカルチャーのクールさ(カツコよさ)が世界的な評価を受けつつあることを指摘しました。この記事が発火点となって、『ワシントン.ポスト』やフランスの『ル・モンド』も「クールジャパン」という言葉を使って、日本のポップカルチャーを高く評価する記事を掲載しました。
日本は、トヨタの車やホンダのオートバイといったハードだけでなく、ソフトパワーでもすごいという意昧でクールジャパンが喧伝され、日本のアニメはそのシンポルとなりました。40年におよぶクリエイターたちの努力が、ここに実ったのです。
日本政府は、2003年に知的財産戦略本部を設け、2004年にはコンテンツ法(コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律)を制定して、アニメやマンガなどコンテンツ産業の育成に国を挙げて取り組んでいます。
世界的な評価を受けたアニメやマンガを国策で推進しようというわけですが、官から民へという流れが加速するなかで、これはどうもいただけません。アニメやマンガはあくまでポップカルチャーなのであって、これまでどおり自由闊達な民の力、クリエイターたちの創造カにお任せしたらどうでしょうか。
21世紀は日本の世紀であるべきではないか?いい加減憲法9条と東京裁判史観を捨て去るべきではないか?本来覇権国の文化が世界に伝播するものだ。
政治がポンコツのおかげで外交・経済がボロボロな日本であったが、日本の庶民文化は世界を魅了し続けている。
中国が覇権国になるって?へっ?少なくとも文化ではかなり道のりが遠いだろう。
ハリウッドの監督たちの手本となった、世界のクロサワ――113
黒澤作品のもうひとつの大きな功績は、現代の映画界をリードする超一流の映画監督たちの映画づくりに多大な影響を与え、映画文化の発展を後押ししたことです。
よく指摘されるのが、『羅生門』での映像のリアリズムです。墨汁入りの水を放水して土砂降りであることを表現したり、俳優にカメラのまわりをグルグル走らせることで緊迫感を出したりと、考えに考え抜いた工夫と手間暇かけた仕込みでリアリティを持った映像に仕上げています。どの作晶にも、このような芸術性の高い映像がふんだんに盛り込まれているため、黒澤を敬愛する欧米の監督たちのなかには、強く印象に残った黒澤作品の場面に似たシーンを創り出そうと試みる人も少なくありません。
スティーブン・スピルバーグの代去作『未知との遭遇』では、砂嵐で何も見えないところからジープが走ってくる場面がありますが、これは黒澤作品『蜘蛛巣城』に刺激されたシーンと見られます。スピルバーグの他の作品にも、『用心棒』や『乱』などに触発されたと見られる場面が散見されます。
ジョージ・ルーカス監督は、その代表作『スター・ウォーズ』に登場するキャラクターを考案する際、黒澤作品『隠し砦の三悪人』からヒントを得たと話していますが、悪の権化ダースベーダのヘルメットは、『七人の侍』に出てくる野武-二の兜を思い出させます。『スター・ウォーズ』のシーンのなかにも、黒澤作品から着想を得たと思われるようなシーンがいくつか見られます。
黒澤作品を敬愛したスピルバーグらは、黒澤監督が晩年に製作した作品のサポートを引き受けました。『影武者」では、ルーカスと『地獄の黙示録』などで有名なフランシス・フォード・コッポラらが外国版プロデューサーに名を連ねました。また、1990年の黒澤作品『夢』でも、スピルバーグ、ルーカス、コッポラがそれぞれ協力し、『タクシードライバー』などを監督したマーティン・スコセッシにいたっては、俳優として出演しています。
1998年、黒澤監督の計報に際し、スピルバーグは深い悲しみを表し、「クロサワはフィルムを使った画家であり、現代における映像のシェークスピアだった」とコメントしました。さすが、スピルバーグです。なぜ黒澤作品が「世界のクロサワ」として評価されたか、その核心をつく追悼の言葉でありました。
黒澤監督は『生きる』や『七人の侍』などの代表作で、映画としてのある種の手本を作りましたが、多くの名監督がその手本を真似し、踏襲しました。黒澤作品は、日本の映画文化のなかでも、世界に影響を与えた特異な部類に入ると言えるかもしれません。
今更ながら、黒澤明の偉大さを感じました・・・
将棋は世界一のボードゲーム――118
今の将棋は元禄年間の1696年に出版された『諸象戯図式』によると、天文年中(1532年-1555年)に後奈良天皇が日野晴光と伊勢貞孝に命じて、小将棋から醉象の駒を除かせ出来上がったとあるが、真偽のほどは定かではない。
応仁の乱が起きた後、国土は荒廃し、天皇といえども豊かな生活ができませんでした。このため、後奈良天皇は生活の資を得るために、せっせと宸筆(しんぴつ)、つまり直筆による書画を書き、家来に下げ渡して御礼の金品を包ませています。後奈良天皇の書画は数多く出回り、骨董の世界では一昔前まで最も安値の宸筆だったほどです。したがって、後奈良天皇は当然ながら自分を貧乏生活に追い込んだ戦争を憎み、人の戦争嫌いでした。また、当時の貴族たちは、「死穢(しえ)」というケガレに触れるとして「死」も極度に嫌っていました。
とすれば、後奈良天皇をはじめ、戦争や死を厭う貴族たちの風潮が、駒の再使用というルールを生み出し、将棋を戦争ゲームからマネーゲームに転換させた、と考えるのが、番筋の通った考え方ではないでしょうか。
つまり、将棋は中世の貴族文化の精華のひとつであり、戦争や死を厭う風潮を背景に生まれた日本の独創的な文化なのです。そして、世界各地に散らばって行ったチャトランガの末蕎を見るかぎり、将棋が世界一であることは言をさ 俟(ま)たないのです。
世界が賞賛する日本の折り紙文化――123
折り紙は日本独自の遊びです。
平安時代(794-1191)において、紙は高級品でした。貴族の間ではその紙を使って贈り物をいかに美しく包装するかが流行し、これが折紙の原点となりました。その後武家や公家ごとに礼法の流派も生まれ、折紙は生活の中に欠かせないものとなりました。その礼法は現在も婚礼や進物ののし・目録などに残り、今も様々な場で使われています。今のような折紙の形は室町時代に形成されたといわれ、その頃からある千羽鶴ややっこさんは「伝承折紙」とよばれています
第四章 世界に期待される日本の国際貢献
人類を救うためにヒトもカネも出す――130
日本は、人類を幸せにする道具として原子力を利用した――134
核戦争を回避する運動の先頭に立ってきた――139
原子力発電の普及で、エネルギー問題を解決する――145
あなたは原子カ発電に賛成ですか、反対ですか――149
日本は、人類を幸せにする道具として原子力を利用した――134
核戦争を回避する運動の先頭に立ってきた――139
原子力発電の普及で、エネルギー問題を解決する――145
あなたは原子カ発電に賛成ですか、反対ですか――149
第五章 日本が切り拓く披術と未来
iPS細胞が、世界の重病患者を救う――158
次世代型ロボットが、生活や福祉をサポートする――163
海水の淡水化で水問題が解決する――167
終章 まとめとしての日本人論――175
あとがき――181
次世代型ロボットが、生活や福祉をサポートする――163
海水の淡水化で水問題が解決する――167
終章 まとめとしての日本人論――175
あとがき――181