Ddogのプログレッシブな日々@ライブドアブログ(仮)

政治経済軍事外交、書評に自然科学・哲学・聖地巡礼・田園都市ライフ、私の脳の外部記憶媒体としてこのブログに収めています。日々感じること、発見したことを記録していきます。同時にそれが、このブログをご訪問していただいた方の知識や感性として共有できれば幸せに思います。

タグ:原発問題

★鈴木哲夫の核心リポート

小泉純一郎元首相が「脱原発」論をブチ上げたことが波紋を広げている。安倍晋三政権がアベノミクスや東京五輪招致などで高い支持を得るなか、存在感が示せなかった野党陣営に反撃のきっかけを与えそうなのだ。「脱原発=日本の産業を空洞化させ、経済を停滞させる」と指摘する識者も多いが、永田町では、小泉氏を旗頭とした「新党構想」まで流れ出した。ジャーナリストの鈴木哲夫氏が衝撃の核心に迫った。

「驚いた。(脱原発への熱意が)みなぎっているというか、興奮して話が途切れないんだ」

野党幹部は先月中旬、都内での宴席で会った小泉氏についてこう語り、続けた。

「ちょうど、脱原発発言が新聞に出た直後だった。小泉さんの隣席が空いたのであいさつに行ったら、『おぉ~、あなたも脱原発だよな。原発を止めるタイミングは今しかないんだよ』って」

小泉氏は8月に脱原発のドイツと、原発推進のフィンランドを視察したことを話し、「あれ(=原発ゼロ)しかないんだよ」と語ったという。

永田町が驚いた小泉氏の「脱原発」発言は、8月26日の毎日新聞に始まり、9月24日と10月1日の講演でも続いた。「原発ゼロと政治が決断するのはいま」と主張したのだ。これを、政界引退した元首相の「大所高所からの意見」と思ったら大間違いだ。
シンクタンク代表は「小泉さんは、脱原発を主張している野党幹部や、シンクタンク研究員、原発や再生エネルギーの技術者、有識者、官僚OBらに自ら声をかけて、会っている。そして、その場では『脱原発を軸にした政界再編』について話し合っている」と明かす。

掛け声だけで一向に進まなかった野党再編だが、脱原発で「この指とまれ」にして、一気に白か黒か2つに分けよう-という考えだ。

小泉氏の真意を、自民党のベテラン議員はこう語る。

「あくまで、小泉さんは自民党の政治家で、安倍政権を応援している。だが、『脱原発しかない』という信念も持っている。安倍首相が決断しないなら強硬策しかないと。つまり、強力な反原発野党を作ってプレッシャーをかけて、政策変更させる。いわば『弟子を思っての荒業』だ。ただ、小泉さんの怖いところは、安倍首相がそれを感じ取れないなら、本気で野党側に立って戦う覚悟があるということ。そこまで決めての行動とみていい」

小泉氏の動きに呼応するように、意外な名前が浮上してきた。細川護煕元首相だ。前出のシンクタンク代表がいう。

「細川さんは先月末、専門家など数人と会って『脱原発』の可能性を探っている。もともと、細川さんは脱原発論者だが、タイミングや内容から、専門家は『小泉さんと連絡を取っているようだ』と語っていた」

小泉、細川両氏をよく知る野党幹部が解説する。
「2人が再びバッジをつけることはないが、連絡を取り合って野党再編の話をしているようだ。顧問的な立場で『脱原発』についてメディアなどで訴え、実動部隊は現役の野党議員というイメージだ。実際、私を含め野党幹部数人が、こうしたシミュレーションで連絡を取りながら、勉強会旗揚げの準備に入っている」

小泉、細川両氏が後ろ盾となる「脱原発新党」が誕生すれば、確かに、世論の関心を高められそうだ。

「こうなると、安倍政権も『脱原発』に舵を切らざるを得ないかもしれない。小泉さんは目的達成となり、新しい二大政党が続いていく。切らないなら、徹底して攻める側でやるだろう」(前出のベテラン議員)

にわかに動向が注目され出した小泉氏は「もう国会議員には戻らないが、いつか本舞台で何かやってみたい」と周囲に話しているという。

それが「脱原発」という歴史的転換なのか。小泉氏は今月以降も、講演などを控えている。

■鈴木哲夫(すずき・てつお) 1958年、福岡県生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経て、現在、フリージャーナリスト。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「汚れ役」(講談社)、「最後の小沢一郎」(オークラ出版)など多数。

私は保守主義者ですが、以前より小泉純一郎をあまり快く思っておりませんでした。

バカ元首相は鳩山由紀夫菅直人だけかと思ったら、小泉純一郎が突然反原発宣言を行い有害元首相のお仲間入りをした。

今日、事情通の私の取引先である会社社長より
小泉純一郎情報を頂きました。真偽のほどはわかりません。

小泉純一郎は九州のバイオマス発電企業に個人的に出資しているとのことだ。個人名をでは表に出ていないそうです。
わたくしも調べてみたが確かに出ていないが、どうも発電効率が当初目論見より上手くいっていないとのこと。なんでもフィンランド製木材ペレットを使うタイプに切り替えようとしているそうだ。となると、コストが更にかさみ、出資金の回収が宜しくないようです。そこで、反原発宣言をしたそうです。

まあそんなところだと思っていました。

小泉の「原発ゼロ」宣言は引退しても趣味の政局が止められからないのだろう。
反原発の野党が嬉々として便乗している。小泉の「脱原発」発言に、小沢一郎・菅直人が相次いで賛同を表明している。小泉も所詮日本をぶっ壊した一人にすぎない。

 小泉のワンフレーズ政治(天才的なシンプルで分かりやすいメッセージを発信)に衆愚の国民ほど洗脳されやすい。 「反原発」のバカ達が小泉が味方についてくれたなんて喜んでいるが、小泉は単なる政局好きなのであって筋金入りの反原発などではないと私は見ている。某社長の情報も怪しいながら個人的損得からくる反原発表明説も信憑性がある。

 小泉は本当に愛国者なのか疑いたくなる。原発停止に伴う電力供給力の不足と不足電力を補う火力発電で使用される化石燃料費の増加について、私(Ddog)は一介の証券マンにすぎないが愛国者として憂いたい。

今年の試算で火力発電で使用される化石燃料費は3.6兆円となる見通し。これは昨年の貿易赤字6.9兆円の半分以上を占めている。 また、燃料費の増加に伴い、昨年から電力会社10社のうち6社が電気料金を値上げしている。

更に追い打ちをかけるように、日銀の異次元金融緩和による円ドル為替の適正化(円安)でコストアップは、電気料金に加算されている。原発停止の負担は国民に重くのしかかっているのだ。

2003年12月16日、電気事業連合会は「モデル試算による各電源の発電コスト比較
 
運転年数40年・設備稼働率80%の場合、原子力5.3円/kWh(以下すべて単位同じ)、石炭5.7円、LNG 6.2円となりました。
しかし従来の法定耐用年数等で試算すると、運転年数15~ 16年・設備稼働率80%として計算すると、原子力7.3円、 石炭7.2円、LNG 7.0円、となるそうです)。

さらに有価証券報告書を用いた既存発電所についての試算では原子力 8.3円、火力平均7.3円となるそうです。

3・11の原発事故の賠償や除染、廃炉の費用を考慮に入れた場合、「原発はコスト高」と反原発論者がいるが、使用済み核燃料の処理・再処理をめぐって、上掲の電気事業連合会よくわかる原子力によれば、費用の見積もりを今後80年間にわたり総額18.8兆円と試算。約20兆円を上積みして考えた場合でも原発の1キロワット時あたりの発電コストは8~13円にしかならない。参考発電コストと原発の経済性

池田信夫氏のブログの中でも述べている。
福島事故は、民主党政権の対応がまずかったために、本来の100倍以上のコストがかかっているが、それでも賠償費用より原発停止の機会費用9兆円のほうが大きい。すでに起こった事故の被害はサンクコストなので、これから原発を建設するときのリスク評価には関係ない。

今後の原発事故のリスクは、確率で割り引く必要がある。かりに原発事故のコストを10兆円とし、同じ規模の地震が今後1000年に1度起こるとすると、そのリスクは10兆円÷1000=100億円/年。これを原発の年間発電量(250TWh=2500億kWh)で割ると、0.04円/kWh。100年に1度としても0.4円で、7~10円/kWhといわれる原子力のコストの誤差の範囲内だ。
小泉氏のいうように「再生可能エネルギーを資源にした循環型社会」ができれば理想だが、今のところそのコストは原子力の10倍近く、夜間や風のないときは使えない。蓄電技術の効率が今の100倍以上に上がらないと、とても原発の代わりにはならない。技術進歩の可能性はあるが、今の高価な技術に補助金を出すより研究開発を補助すべきだ。

菅直人の太陽光発電の買い取り価格は当初は42円だった。今でも35円を超えている。 孫正義はじめ目聡い者はメガソーラー発電事業に嬉々として参入したが、送電設備の問題から太陽光発電は遅々として進んでいない。太陽光などの再生可能エネルギーで、三割近かった原発の分をすべてカバーするのは非現実的だ。

脱原発のドイツは電気料金の大幅値上げなどドイツの脱原発は失敗だった!
ドイツの脱原発政策はいざとなれば、原発大国である隣のフランスから電力を買うことができる。地続きだからできる脱原発だが日本はそれができないのに脱原発は脳天気すぎる。そもそも福島第一原発の事故で反原発を言うなら、福島第二や女川原発がなぜ無事だったか冷静に分析しなければいけないが、小泉にはその姿勢がない。原発の安全性と保守管理能力は別問題である。

世界では429基の原発が稼働しており、76基が建設中、97基が計画中の段階。中国やインドなど発展途上の各国は、伸び続ける電力需要を賄うために、積極的な原発開発を進めている。原子力発電所 

 【アンカラ=佐藤賢】安倍晋三首相は3日、トルコのアンカラでエルドアン首相と会談した。黒海沿岸シノプでの原子力発電所の建設を巡りトルコ政府が日本に優先交渉権を与えることで合意した。両政府は日本の原発輸出を可能にする原子力協定と、シノプに原発を建設する土地をトルコが無償で日本側に提供することなど政府間協力を定めた協定に調印した。
原発受注で政府間合意。署名式でトルコのエルドアン首相(右)と握手を交わす安倍首相   (3日、アンカラ)=代表撮影・共同
 原発建設に関する政府間合意を結ぶことで、三菱重工業と仏アレバ連合の受注が事実上確定した。東京電力福島第1原発事故の後、日本勢による初の海外受注案件で、日本の原発輸出に弾みがつきそうだ。総事業費は2兆円規模。出力は4基で450万キロワット程度となる見通しだ。2023年までに第1号機の稼働を目指す。
 首相は首脳会談後の記者会見で「過酷な事故の経験と教訓を世界と共有し、原子力安全の向上に貢献していくのは日本の責務だ」と述べた。
 原子力協定は核の不拡散や原発の安全利用を2国間で確認し、原発輸出の前提となる。トルコの原発計画は日中韓とカナダのメーカーが受注を目指して激しく競ってきたが、技術力や信頼性、価格などで日本勢の評価が上回った。
 両首相は両国関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げする共同宣言に署名。(1)インフラ整備や医療、農業、人工衛星打ち上げの協力(2)次官級協議の枠組みを格上げし、外相の定期協議を開催(3)防衛当局間の協議促進――を盛り込んだ。
 共同研究を進めている経済連携協定(EPA)の交渉開始に向けた検討推進や、社会保障協定の交渉促進で一致。北朝鮮問題や中東情勢に関する連携も申し合わせた。
 日本の首相のトルコ訪問は06年1月の小泉純一郎氏以来、約7年ぶり。
 トルコが建設を計画した原発は中国、韓国、カナダなど各国が落札するのにしのぎを削ったが、日本が「最高価格」で受注することになった。最低価格」ではなく最高価格でも落札したのだ!トルコ政府は安全安心な日本の技術レベルを高く評価した。日本は安全性の高い原発の供給国として責任を持たなくてはならない。
中国製や韓国製の粗悪で危険な原発は今後世界的な問題となるであろう!


2020年以降、日本の人口減少は一気に加速する。経済成長は停滞せざるを得ないし、財政危機も心配だ。国際競争力を維持していくうえで、エネルギー問題は深刻な構造問題になる。反原発問題で廃炉と使用済み核燃料の処理は大きな問題となっているのも確かだ。
 原子力発電所の解体に不安を訴える声もあるが、安全に解体する技術は確立されている。OECD/NEA(経済協力開発機構原子力機関)の二〇〇六年(平成一八年)報告は、過去二〇年の原子力施設の廃止措置の実績と経験から、「今日、廃止措置は安全に、経済的に、環境に優しく実施できること、および適用された解体技術は効果と性能において実績を示した」と結論した。この事実は、米国でも確認できる。世界で最初に解体を完了させ、サイトを解放(敷地を更地化)した米国のシッピングポート原発の例でいえば、運転終了後に直ちに解体を開始し一九八七年までの五年間で作業を完了した。電気出力一一七万キロワットのトロジャン原発は一二年でサイト解放した。出力九〇万キロワットのメインヤンキー原発は八年足らずでサイト解放した。日本のJPDR炉も独自に一〇年程度で完了した。
放射性物質が残る原発の解体は、決して容易な作業ではない。プラント設備や機器に残った放射性物質を、切断時に外部に漏れないように、また、遠隔操作機器や遮蔽(しゃへい)体をもちいて作業員を放射線から防護するなどの手立てを講じた上で、管理区域作業の法令やルールに従い作業をおこなうなど、周到な準備と慎重な作業実施が求められる。しかし、現在、原子炉解体はNEAが結論したように人類がすでに解決した既存の工学となっている。解体を迅速に、という新しい目標も一一〇万キロワット級の原発解体が一〇年程度で終了可能となっている。

使用済み核燃料で、世界で唯一着工された最終処分施設が、フィンランドの「オンカロ処分場」だ。核廃棄物を十万年にわたって地中深く保管しておく施設であり、八月中旬には小泉元首相も視察に訪れ、岩盤の固いフィンランドの地下核廃棄物処理施設「オンカロ」のような「核のゴミ捨て場」が日本にはないと以下のように発言
先日、エネルギーの地産地消が進むドイツやフィンランドの「オンカロ」という最終処分場を視察した。最終処分場は四百メートルの固い岩盤をくりぬいた地下に埋める。それでも原発四基のうち二基分しか容量がない。そもそも今、ごみを埋めても十万年後まで人類がきちんと管理できるのか。
オンカロ見学が小泉の「転向」のきっかけだったかもしれないが、小泉の言うように岩盤の固いフィンランドの地下核廃棄物処理施設「オンカロ」のような「核のゴミ捨て場」が日本にはない だからと言って、いとも簡単に「ゴミ捨て場がないんだから、原発は止めよう」なんて論法はおかしい。

 わたしは、科学の進歩でやがて宇宙投棄ができると信じている。


日本の国益を考えると、宇宙エレベーター開発は原発事故処理と絡め国家事業としての成長戦略の中心に据えてもいい事業だろう。

安倍政権で復興担当の内閣府政務官に就任した小泉進次郎は10/13、視察先の福島で、脱原発についてこう語った。
 「政治の世界というのは常に理想と現実との戦い。夢や希望を語らなくなった政治なんて、誰も見たくないですよね」
日本の政治家は理想を語るのは下手であるが、日本が求めているのは理想を語る政治家である。

だが、実現なき理想を語るだけでは、沖縄問題で日米関係、沖縄県民感情を悪化させた国民の政治不信を招いた鳩山由紀夫のようになってしまうだけだ小泉純一郎の反原発宣言については、国益を考えない趣味の政局ごっこの戯れにすぎない。

息子小泉進次郎や野党と新党を作り、再度国政への復活とは考えていないだろう。
小泉政権は2003年に特別会計のスリム化を進め、住宅向けの太陽光発電設置の補助金を05年度に打ち切る決定もした。原子力政策大綱、「原子力の利用推進」を閣議決定。原発を積極的に支持する立場だった。国政に脱原発で復活すればたちまち攻撃材料となってしまう。
プルサーマルを推進した小泉元首相 あんたにだけは言われたくない「脱原発」 小泉のいい加減さは反原発テント村住民と同レベルである。

 郵政問題の時、郵政民営化反対議員は小泉に追い出された。これを第一次安倍政権時に自民党に復党させて以降、小泉と安倍の間に溝ができたらしい。小泉は究極のナルシストであるがゆえ自分の政策を否定されることは我慢ならない。安倍内閣の支持率はマスコミ各社の世論調査で軒並み60%を超えている、泉政権では中盤以降、ここまでの高支持率は得られなかった。このことも気に入らないのだろう。安倍総理が消費増税の決断を表明したことで、今後、求心力や支持率が低下すると見て、このタイミングでの、反原発宣言を行ったのは、もしかすると小泉の反原発宣言は安倍晋三に対する嫉妬が原因かもしれない。

もし小泉の私的な動機での反原発であるならば、日本経済復活の足を引っ張るようなことは止めてほしい。さもないと今後引退総理はすべて秘密保持法により座敷牢にいれる法律を可決しないといけない。(笑)
    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


イメージ 1

天変地異への対応で為政者の値打ちが分かる

『気候で読み解く日本の歴史 異常気象との攻防1400年』 (田家康 著)

イメージ 2
山内 今夏のあまりの暑さに影響されて……というわけではありませんが(笑)、『気候で読み解く日本の歴史』。これは、気候変動や自然環境の変化によって、日本の社会がいかに影響を受けてきたかを古代から昭和にいたるまで通史的に描いたものです。まずユニークなのは著者の経歴。農林中金を経て、現在は、農林漁業信用基金にお勤めだという。しかも気象予報士の資格も持っている。そのキャリアと関心を生かした独自の視点で、豊富なエピソードを興味深く紹介しています。

 梯 紹介されているエピソードがとても面白いんですね。のっけから食べ物の話で恐縮ですが、どうしてマツタケが珍重されているかという話から古代の森林破壊に展開するのには驚かされました。もともと古代に珍重されていた茸は、日本古来の広葉樹林に生えていたヒラタケだったんですね。ところが、宮廷や巨大寺院などの木材として森林伐採が進み、奈良時代後期以降の畿内にははげ山が多くなり、そこにアカマツ林が繁るようになった結果、アカマツにだけ寄生するマツタケが増えたというんです。東大寺をはじめとする奈良や京都の古刹などが大規模な自然破壊を招いたとは。

 片山 最新の知識に基づき、世界的かつ長いスパンで、語られているのが新鮮ですね。私はこの本で「1300年イベント」というものを初めて知りました。13世紀後半からの100年間、地球は著しい気温低下に見舞われ、ヨーロッパ北部では大規模な飢饉が起きたりしています。その天変地異の様子が日蓮の『立正安国論』にも記されているというあたり、著者の面目躍如といったところでしょう。

山内 『太平記』に出てくる、新田義貞の有名な鎌倉攻めも、この「1300年イベント」の影響が大きいというんです。寒冷化が進むと海水面が低下(海退)する。普段は通れない稲村ケ崎の海沿いを「俄かに潮干して」通れたのも、この海退のおかげではないかと推測しているのも興味深い。

しかし、この本は単なる気候決定論ではないんですね。寒冷化や火山噴火、それに大地震などの天変地異は確かに人知を超えたものがある。だが、それにいかに対処してきたかが重要なんですね。著者は具体的には2つ指摘しています。1つは科学技術の発達。そしてより重要なのは為政者による有効な政策なのだと説いている。そこが最も重要な指摘なのです。

 梯 著者の念頭には、東日本大震災への対応があったと思います。たしかに天変地異は発生後の対応によって、被害の深刻さが大きく違ってきますね。

巨視的な気象史と興味深い歴史エピソード

山内 そうですね。私は、この本では2人の為政者が対置されていると見ました。その1人は江戸幕府第五代将軍徳川綱吉です。綱吉は生類憐みの令を出した犬公方として有名だけど、彼の治世には大飢饉があって、浅間山や富士山が噴火して、宝永の大地震(1707年)も起きた大変な時期でした。ところがその飢饉に際し、彼が行った政策は、弘前藩に対し金を貸し付け、近隣から米を調達せよという程度。近隣の諸藩も苦しく、換金作物となっている米は現地にないことが分かっていない。幕府の蔵から米を供出しようという発想もありませんでした。

 梯 しかも1年で10万両近い巨大な予算が飢饉・災害対策ではなく、お犬様のための犬小屋管理に投じられていたんですね。これも東北のための復興予算が筋違いのところに回されたことを連想してしまいます。

片山 生類憐みの令で、猪や鹿などの殺生と肉食が禁止されたことで、飢饉の惨状が一層酷くなったのではないかと推測しているのも頷けました。

山内 対照的に高く評価しているのが、鎌倉幕府の執権北条泰時です。寛喜の飢饉(1230年)というのは全国的規模で、京都の朝廷や寺社は読経を行うぐらいしか能がなかった時代に、泰時は非常にナショナルワイドな政策を行います。すぐに出挙米を出し、貸し渋り対策を行う。

著者は、御成敗式目の制定の眼目はそうした飢饉対策にあったとしています。飢饉の最中に、各地の地頭の過酷な年貢収奪や不法行為を抑えるために式目が制定されたのだと論じる。さらに、本来ご禁制の人身売買も、飢饉という非常時であることを鑑み、超法規的に認めた。それによって、多くの窮民が命を保つことができたというのです。泰時は決断性と迅速性を備えた優れた政治家だったことが浮かび上がる。このあたりは非常に説得力がありますね。

 私は北海道出身なので、アイヌ民族が武装蜂起したシャクシャインの乱を論じたくだりに興味を持ちました。教科書などでは、被支配民族の反乱という描かれ方をすることが多いのですが、ここでも気候変動が大きく関わって来るというのですね。この時期は世界的に異常気象が発生していて、日本でも干ばつによる凶作などが起きた。さらに蝦夷地では、蝦夷駒ケ岳や有珠山などの噴火で財政が悪化した松前藩は、アイヌとのサケと米の交換比率を一方的に変更し、アイヌに負担を押し付けるんです。足りなければ子どもを奴隷として出させた。それに怒ったアイヌが決起したと描かれています。科学的なデータと人々の姿がドラマチックに絡み合って、新鮮なリアリティを感じました。

片山 いまの歴史教科書には、そうした自然環境の変動がいかに歴史に影響したのかという視点が抜けていますね。火山噴火や飢饉の年代は覚えさせられるのですが、なぜ凶作になるのか、学際的に考えさせようという発想がない。災害大国日本としての歴史の見せ方・考え方が今こそ求められているのです。この意味で、本書の視点は貴重です。

ただあえて注文をつけるとすれば、気候決定論に傾きすぎることと、明治から昭和を描いた章がやや駆け足なのは残念です。昭和恐慌あたりを中心に、改めて一書を草して頂けると嬉しいですね。

山内 たしかに歴史家として見ると、戦国大名の後北条氏や武田信玄の代替わりを飢饉のせいと決めつけるところなど、やや性急な面も気になりますが、巨視的な気象史と興味深い歴史エピソードをうまく結び付け新しい角度から歴史を論じたところに、本書の面白さがあると思います。

私(Ddog)は一応周囲の人間からは読書家と思われていますが、よく「何か面白い本はないか?」と聞かれることがあります。ここ数年はまず最初に2010年に出版された田家康氏の「気候文明史」を推薦しております。そして実際に読んだ人たちは例外なく「良い本だった」とか「面白かった」と絶賛してくれます。

「気候文明史」は世界史ですが本書は日本史版です。人類や文明の歴史と気候がいかに密接にかかわってきたか、そして日本の歴史は気候変動でどう変化してきたか、知的好奇心を満たす一冊です。

私は反原発主義者の人達に本書ならび気候文明史を読んでほしいと思っています。

なぜなら、私たち築いたと思っている文明社会など、気候の周期的変動の前では「うたかたの夢」でしかありません。放射能や核廃棄物が人類にとって危険なものであることは十分に理解しています。しかし、宇宙から巨大隕石が落下したり、巨大火山の大噴火など運よくなかったとしても、ミランコビッチサイクルによる地軸の傾きの変化や、定期的に繰り返す太陽活動周期は、放射能と比べならないほどに文明や人類の生存を危うくするものです。

人類は大自然の前では自然を克服することなど到底できません。太陽活動には、いくつかの周期単位が存在しますが。最も知られているのが、太陽活動周期(黒点周期)と呼ばれる11年間の周期的変化で、今回の太陽活動周期(第24太陽周期)は、2008年から開始し、11年サイクルにおける極大期のピークは2013年半ばになると予想されていました。しかし、9/28現在太陽活動は予想ほど活発になっていません。

今回の太陽活動周期における太陽活動は、ここ100年強においてもっとも弱いということを考えると、活動の総体的な衰退期が始まっております。太陽黒点の記録として残っているのが、1645年から1715年の「マウンダー極小期」、1790年から1840年の「ダルトン極小期」があり、その時期は地球の気温が平均より低かった時期と一致しています。日本でも寛永の大飢饉(1642-1643)元禄の飢饉(1691年~1695年)と重なります。

これから地球は温暖化ではなく小氷期に突入しようとしています。幸い温暖化ガスのおかげで寒冷化は相殺されるのではないかなどと淡い期待もなくはありませんが、地球上で増殖しすぎた70億人の人類にとって生存するには厳しい時代が到来しようとしています。太陽光や風力といった現在実用化している再生可能エネルギーだけでは人類の生存は無理です。シェールガスやメタンハイドレードが間に合いそうですが、エネルギー源としての原子力発電のカードは廃棄するわけにはいきません。
気候の変化は戦争をもたらします。文明の発達は森林を砂漠に変えてしまいました。このままでいけば原子力発電による核廃棄物が地球上に溢れかえるはるか前に人類は滅んでしまうかもしれません。本書や「気候文明史」を読めば、太陽光宇宙発電所や核融合が実現するまで原子力エネルギーは人類にとって生き残るための貴重な選択肢だと理解することでしょう。


    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ