Ddogのプログレッシブな日々@ライブドアブログ(仮)

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朝の8時過ぎから会社を休み本日は病院へ出掛け検査三昧であった。待合室で待つ間、一気に読んでしまった。本書を読みながら周りを見回すと、待合室は老人だらけ、カンベイ氏(双日総合研究所:溜池通信管理人の著者 吉崎 達彦)には申し訳ないが、この本の主張である殖産遊民興業は・・・確かにそうかもしれないが、それでも老人が金を使うのはギャンブルとかツーリズムじゃなくて、医療費と健康食品なんだよね・・・って、ちょっと批判的に思ってしまった。

もくじ
第1章 いつの間にか先頭を走っていた日本 7
 経済の中心が「パンよりサーカス」に
 長期停滞時代の勝ち組は日本である
 アベノミクスは世界のお手本?

第2章 ツーリズムを「大産業」に育てよ 45
 インバウンドをどう活かすか
 JR九州は遊民経済学の優等生
 フェイスブックが旅の道連れに

第3章 地方には無限の可能性が眠っている 71
 富山出身者が見た金沢の強み
 水木しげると出雲大社
 「司馬遼太郎」が上げた四国の価値
 「フロンティア」でなくなった北海道の生きる道

第4章 おもちゃとゲームとお葬式 110
 「遊民経済学」を先取りしているおもちゃ業界
 ゲーム産業は「搾取される小作人」?
 サービス業化する「お葬式」
 ソニーとディズニー

第5章 ギャンブラーは経済の救世主 151
 ギャンブルとバブルと金融不安
 産業としての競馬の可能性
 日本版カジノ法案の本当のところ

第6章 それでも私は「二郎」に通う 179
 ラーメンはなぜ快楽なのか
 台湾で選挙見物を楽しむ
 夏は福島競馬に通う理由

第7章 第2の人生こそ本物の人生だ 209
 ピケティ、金持ち父さん、漱有
 どうすれば高齢者はカネを使うのか
 「第2の人生の達人」伊能忠敬
 「50代のお父さん」になった日本経済

あとがき 246
本書のタイトルである、”気づいたら先頭に立っていた日本経済”ではあるが、グローバルな経済学の話は第一章のみで、二章から遊民=富裕層老人にいかに金を使わせ、デフレを脱却するかという具体的アイデアの本である。

失われた10年の原因にはバブル崩壊、ソロス氏が大立回りをした1992年のポンド危機、1997年のアジア通貨危機などがあり大手金融機関の不良債権処理の先送りによる度重なる破綻は市場に大きなショックを与え、企業が採用を削減したことから、世代人口の多い1970年代生まれは深刻な就職難に直面、就職氷河期と呼ばれる時代が続いた。また、不況が長引くとデフレが発生し、賃金は下がり続け、非正規雇用が増加した。

デフレによって、コスパの良いユニクロや100円均一、食べ放題などバブル以前にはなかった真新しいサービス・販売方法が確立され、不況⇒賃金低下/リストラ⇒需要減⇒物価安⇒業績悪化⇒賃金低下のデフレスパイラルに陥ってしまった。

その後一時回復しかけたが、リーマンショックなど世界的不況に襲われ、失われた20年=長期停滞時代と呼ばれるに至った。この長期停滞経済は、日本固有の現象ではなくいまや世界的な現象となっている。

長期停滞時代の勝ち組は日本である
p17-25
米外交専門誌の『フォーリン・アフェアーズ』誌最新号(2016年3/4月号)が長期停滞論の特集をやっている。この雑誌、ジョージ・ケナンの『X論文』からサミュエル・ハンティントンの『文明の衝突』論文まで、以前から時代を画するような論考を掲載することで知られている。

 今回もちょっと気が利いていて、特集テーマが“The World Is Flat.”という。この表題、今から10年前にニューヨークタイムズ紙の売れっ子記者であるトマス・フリードマンが書いた本の題名と同じである。フリードマンの著書は、日本では『フラット化する世界』という書名で日本経済新聞社から出版されている。ひとことで言ってしまえば、グローバル化とIT革命を礼賛するような内容であった。ほれ、インドのバンガロールには、英語のコールセンターがいっぱいできましたよ、ぼやぼやしちゃいられませんよ、みたいなことが書いてあった。あれを読んで、「日本はまだ言語の壁があってよかった」と思った人は少なくなかったのではないかと思う。

 ところが『フォーリン・アフェアーズ』誌の“The World Is Flat.”は、「世界がペシャンコになった」とでも訳するのがお似合いだろう。英語のFlat(たいらな)には、「パンクした」という意味もあるからだ。つまり世界経済は、どこもかしこも大変なことになってしまった。「あそこはうらやましい」と言えるような存在が見当たらなくなって久しい。

2006年当時、『フラット化する世界』に対する批判として、「ビジネスクラスから見たグローバル化論」という指摘があった。トーマス・フリードマンはニューヨークタイムズ紙の花形記者であるから、きっといいホテルに泊まって、ビジネスクラス以上のフライトで世界を駆け回っているのであろう。でも、そんなことで、本当の世界経済の姿が見えるもんですかね、という嫌味である。

 10年後の今になって考えてみれば、確かにあの本は楽観的過ぎた。相次ぐテロ事件、難民問題の発生、過激なイスラム思想の浸透、主権を取り返せ、という声の高まりとイギリスのEU(欧州連合)離脱、そしてアメリカにおけるドナルド・トランプ現象……。

グローバル化やTIT時代の「負の側面」を「これでもか」と見せつけられるような口々が続いている。仮に2006年に格安ホテルとLCCで世界を、特にイスラム圏を重点的に回るジヤーナリストがいたら、『フラット化する世界』とはまったく違う、より悲観的な世界経済の未来像が描けたかもしれない。

 世界経済の雰囲気全体も、10年前とは一変している。2006年当時は米国では住宅バブルがまだ健在であったし、中国は資源爆食型の経済成長を続けていた。そして日本経済も、輸出主導型の「いざなみ景気」の最終局面にあった。世界貿易量は毎年のように2桁増を記録していたし、石油価格はIバレル60ドル台でまだ上昇途にににあった。

 ところが10年後の今日、世界経済はすっかり沈滞ムードにある。とにかく2008年のりーマンショック後の国際金融危機の痛手が大きかっと。そこから中国が4兆元の財政出動を行い、一種の「新興国バブル」を起こすことで世界経済はかろうじて回復してきた。FRB(米連邦準備制度理事会)がデフレ回避に向けて数次にわたる量的緩和政策に訴え、低利の資金が新興国に流人したという背景もあった。しかるに今では中国経済が減速しつつあり、ましてやブラジルやロシアは息も絶え絶えといったところである。
 
アメリカ経済はいちおう好調ということになっている。失業率はピーク時の2桁から5%以下にまで改善した。とはいえ国民が満足しているかというと、とてもそんな風には見えない。量的緩和政策からの出口は簡単ではなさそうだ。米大統領選挙を見る限り、これまで溜め込んできた不満がばとばしっている感がある。

 ヨーロッパ経済はようやく立ち直りつつある。が、そこヘパリやブリュッセルヘの度重なるテロ攻撃である。さらに愛想を尽かしたイギリスが国民投票でEU離脱を決めてしまった。そんな中で、ギリシヤの財政問題も片付いてはいない。むしろ当面はイタリアの銀行の不良債権問題が焦点となっている。どこまで続くぬかるみぞ。

 中国などの新興国経済にはかつてのような勢いがない。中国はまだ「減速」などと言っていられるが、ブラジルやロシアの経済はインフレも伴って惨價たるものだ。一世を風扉したBRICs経済でも、今では元気がいいのはインドくらいである。これを商社業界などでは、「BRICsは死んだが、愛(I)だけが残った」と呼んでいる。

 かくして世界中どこを見渡しても不機嫌になっている。これを称して「長期停滞論」と呼んでいるわけだ。『フォーリンーアフェアしス』誌に巻頭論文を寄稿したローレンス・サマーズ教授(ハーバード大学)によれば、これは世界的な過剰貯蓄、過少投資の結果であるという。

 貯蓄が過剰になる理由はよくわかる。先進国はとこでも高齢化が進んでいて、高齢者が資産を持っている゜それらの多くは安全資産に滞留してしまう。真面目な話、余生か短い人たちに、あんまりリスクを取らせるわけにはいかないだろう。

 それから所得格差が拡大して金持ちの資産が急増していることも、貯蓄増加の一因であるだろう。 一人の人が持つ100億円と、100人の人が持つ1億円では、当然後者のおカネの方が使われやすいっ大金持ちは得てして忙し過ぎるので、おカネを使う暇がなかったりするのである。

 過少投資になるのはなぜか。ひとことで言えば、フロンティアが枯渇したからであろう゜今世紀に入って、すぐに起きたのがハイテクバブルの崩壊であった。次にアメリカの住宅バブルがサブプライム問題となって炎上した。2008年のりIマンショック後は中国を中心とする新興国バブルで息をつないできたが、今ではそれさえも怪しくなって、2014年夏からは石油価格の暴落が始まった。つまりニューエコノミーもオールドエコノミーもダメ、先進国も新興国も失速して、いよいよ見込みのある投資先がなくなった、ということになる。

 サマ-ズ論文には、「ニューエコノミーは投資を減らす」との指摘もある。言われてみればその通りで、ネット上でほとんどの用事が済むようになると、有形資産に投資する必要がなくなってくる。

アマゾンは書店を不要にし、フェイスブックは「久しぶりにお目にかかって一杯」を省略し、Airbnb、すなわち日本でいう「民泊」は、ホテル建設の需要を減らす。ウーバーという自動車のシェアサービスは、使っていないクルマを活用してくれるわけだが、結果として新車が売れなくなってしまう。ヴァーチャルな経済が発展すると、得てしてリアルな経済を代替してくれてしまうのだっそれもお安く。

 しかも技術の進歩はむちゃくちゃ早いから、下手に箱モノを作ったりしていると後で陳腐化したり、コストが掛かったりして泣きを見るかもしれないっかくして貯蓄は増えるのに投資が増えない。結果は低成長、低インフレ、低金利である。「日本式の経済停滞は既に他人事ではない」とサマ-ズ教授はのたまう。

 そこで解決策をどうするか。マイナス金利などの金融政策ではもはやどうにもならない。サマ-ズ氏の処方箋は財政政策の発動である。世界経済の需要を管理する必要があって、足りなかったら政府が補うしかない。財政赤字が拡大しても、未来の世代には低利の長期国債という資産が残るからいいじゃないか、というのである。

 さて、それでは本当に財政政策で世界経済の夜は明けるのか、そこは何とも疑わしいと筆者は考えている。民間投資が足りない時に、政府部門が一時的に公共投資を増やして対応するのは経済政策の常道である。が、財政出動だけで今の構造的な「過剰貯蓄、過少投資」を解消できるとは考えにくい。それは財政赤字を増やしてしまうし、投資そのものも非効率であるし、持続可能でもあるまい。だいたいおカネの使い方というものは、政府よりも民間の方がよく知っているものだ。

 マネーはつまるところ、なるべく無理のない形で使ってもらう必要がある。無茶で無謀な公共投資は、あとあと緑でもないことにつながる。日本国内だけでも、その手の例は嫌というほどある。「長期停滞論」がでてきたということは、いよいよ経済政策のアイデアが枯渇してきた、ということなのかもしれない。

 「長期停滞論」特集には、ほかにも面白い論文が載っている。投資家のザチャリー・カラペルという名前は初耳だが、『フォーリンーアフェアーズ』誌はときどきこういう「抜擢」をやってくれる。題名は、『停滞を愛せよ~成長は万能ならず。日本に尋ねよ』である。

 いわく、世の中が長期停滞に見えるのは、政治家やエコノミストがあいかわらずGDP(国内総生産)中心で世の中を見ているからだ。しかしこの間に、世界的に生活に不可欠な財やサービスの価格が低下している。つまり賃金レベルが停滞しても、生活レベルを維持するか、向上させることができる。デフレと低需要は成長を抑之込むかもしれないが、それが必ずしも繁栄を損なうとは限らない。その何よりの証拠が日本経済だ。

 日本は長らく世界経済の反面教師と見なされてきた。それでも世界有数の豊かで安定した国である。平均寿命は長く、犯罪率は低い。医療と教育も優れている。所得格差は他国と同様に拡大しているが、多くの人の生活レベルが悪化したわけでもない。公的債務が金融崩壊を引き起こしたわけでもない。

 おいおい、よしとくれよ、と言いたくなるところだが、「長期停滞の世界経済における勝ち組は日本である」という見方は、意外性があってちょっと面白い。低成長で、マイナス金利で、少子・高齢化で、ちっとも明るいとは思えない日本経済だが、今のところ物価は安く、メシは旨く、公的サービスもちゃんとしている。移民や宗教やテロといったややこしい問題もとりあえずは対岸の火事である。なにより国政選挙をやれば毎度キチンと与党が勝つ、という点が今どきの先進国においては稀有の安定度と言える。

アメリカ経済は人口が増えている。それは確かに結構な話だが、移民が増えるということはいろいろ社会の負担が増える。米国の失業率は確かに改善しているが、それではなぜドナルド・トランプが大統領に当選したか説明できない。アメリカ国民が溜め込んできた不満がほとんど爆発している感がある。とりあえず、ウォルマートの店員として働き口が有っても、それでは満足できないのである。

ドイツの繁栄の為にEUがあることがバレバレになってきて、そこへ難民の増加に加えて、テロ攻撃である。イギリスが国民投票でEU(欧州連合)脱退を決め、一時はブリックスが通過して慌てたが、最近英国世論は離脱容認派が増えつつある。ギリシャの財政問題も片付いてはいない。ヨーロッパ経済はどこまで続くぬかるみぞ・・・。

 中国などの新興国経済にはかつてのような勢いがない。中国は表向き統計発表上6.5%成長となっているがまともなエコノミストは「中国はマイナス成長」だと思っている。ブラジルやロシアの経済はインフレも伴って惨憺たるものだ。一世を風靡したBRICs経済でも、今では元気がいいのはインドくらいである。これを商社の人達は「愛(I)だけが残った」というのだそうだ(笑)。でも、愛だけではご飯が食べられない。

 かくして世界経済全体が日本が最初に突入した「長期停滞」に突入しているのである。ローレンス・サマーズ教授によれば、これは過剰貯蓄、過少投資の結果であるという。

 貯蓄が過剰になる理由はよくわかる。先進国はどこでも高齢化が進んでいて、高齢者が資産を持っている。それらの多くは安全資産に滞留してしまう。所得格差が拡大して金持ちの資産が急増していることも、貯蓄増加の一因であろう。今更バブルを起こせないのである。

さらに、社会が成熟してくると、プライスレスな「お金に換算できない価値」に人々は情熱をかけるようになってくる。それは、GDPに換算できないものである。

日本は確かにバブル崩壊後、GDP上成長はしていないが、「お金に換算できない価値」は確実に増え、世界から尊敬され羨望される社会を形成している。

そして、どん底だった民主党政権の日本を復活させたのが安倍首相でありアベノミクスであって、アベノミクスは世界のお手本?かと、カンベイ氏は問いかける。

アベノミクスには色々な側面と範囲が有って、人々はその人の価値観から成功か失敗か見方が分かれ、成功か失敗かという議論がなされている。
P37
積極的な金融政策と財政政策の組み合わせ、ということになると、「4年たっても2%という物価安定目標は達成されていない。だから失敗だ」と断じるべきか。それとも「4年も続いていること自体が成功であるし、そもそも失敗していたら速やかに忘れ去られているはず」と見るべきだろうか。

 カンベイ氏は英国の高級誌『エコノミスト』が取り上げたアペノミクスに対する特集記事を紹介している。

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   The Economist 2013年5月18日号     2016年 8月5日号
表題2013年”Is it a bird? Is it a plane?  No...It's Japan!
                   (鳥か?飛行機か?日本だ!)
副題2013年”Abenomics,nationalism and the challenge to China”
                  (アベノミクス、ナショナリズム、中国への挑戦)
表題2016年“Abenomics―― What it can teach the world”
        (アベノミクスが世界に教えられること)
副題2016年“Overhyped underappreciated”
        (誇張され過ぎだが、過小評価されている)
P37-44
これまで何回かカバーストーリーで取り上げているのだが、典型的なのが2013年春と2016年夏の号である。

 2013年春にアペノミクスが始まったばかりの頃は冷やかし半分で、スーパーマンに扮した安倍首相を表紙に使っている。その上で、「ナショナリストの安倍は、明治時代のスローガン『富国強兵』の通り、豊かな日本だけが中国に対抗できると考えている。

アペノミクスは経済政策であるとともに国家安全保障政策である」などと評していた。
その上で、「安倍は厳しい国内改革を実現できるのか、そして経済だけに専念できるのか(中国に不要な喧嘩を売るのではないか)」と少々、上から目線で疑問を呈している。

これに対し、2016年夏の号では日の丸に安倍首相、その後ろを飛ぶ3本の矢、と
いう真面目な絵柄を掲げ、「アペノミクスが世界に教えられること」と題している。このタイミングで取り上げるのだから、てっきり悪口を言うのかと思ったら、逆にアペノミクスを持ち上げている。「安倍首相は誇張しがちだけれども、今のアペノミクスヘの評価は低過ぎる」と結論付けている。はて面妖な。

 2013年にアペノミクスが始まったばかりの頃は茶化して、2016年に皆が疑い始めた頃になって持ち上げている。この3年間で何か変わったかと言えば、もともとは「日本に特有の現象」だと思われていた低成長、低インフレ、低金利が、いよいよ先進国経済全体の現象になってしまい、日本経済が欧米にとって「貴重な先行事例」になったからであろう。つまり「アペノミクスが成功してくれないと、俺たち欧米経済も困る!」と思い始めたのではないか。

 実際のところ、「緩和的な金融政策」は欧米でもできないことはないが、「拡張的な財政政策」を実行できるのは日本くらいである。米国では議会が反対するし、欧州ではEU内がまとまらない(特にドイツの反対を押さえられない)。両者を組み合わせるという経済実験は、簡単そうに見えて実はそうではない。「長期停滞論」を唱えるサマ-ズ教授が、「主要経済国は協調してインフラ投資を」といくら呼びかけても、アメリカ政府自体がおいそれとは動けない。そしてまた、財政状況が悪い日本の方が公共投資に積極的、というのは皮肉な図式と言える。

 ゆえに欧米各国から見れば、「アペノミクスが成功して、日本経済がデフレから脱出してくれれば大いに結構。後から自分たちが真似することができる。仮に日本が失敗したとしても、それは自分たちには関係ない話だ」ということになる。いや、勝手なものですな。

 そこで日本としてはどうするのか。やはり財政政策を成功させなければなるまい。つまり使ったお金がちゃんと生きるようにする、ということで、これは言うは易く行うは難い。考えてみれば、日本は過去に「景気刺激策としての」公共事業をたくさんやってきた。その結果がどうであったかと言えば、あまり高い点数はつけられないだろう。維持費のかかる箱モノや、交通量の少ない高速道路や、津波の際に役に立だない防潮堤などが作られてきたのではなかったか。

 せっかく税金を投じるからには、ちゃんとその後で民間投資を誘発するようなものであるべきだろう。財政支出は永遠に続けることはできない。政府のおカネが終わったらそれでおしまい、では困る。それではデフレに逆戻りになってしまうだろう。テーマを絞った公共投資でなければならない。それはどんなものであるべきか。

 2016年5月19日、筆者は自由民主党の日本経済再生本部(本部長一稲田朋美政調会長=当時)の有識者ヒアリングに呼ばれた。余計なことだが、自民党本部で行われる朝食会にはひそかな楽しみがある。朝飯、特にコメが旨いのである。たぶん農水族のメンツが懸っているからであろう。その日はG7伊勢志摩サミットの直前で、「国際協調はどうあるべきか」がテーマであった。

 そこで筆者はひとしきり「長期停滞論」を紹介し、「政府が財政出動すべきテーマ」として、①アジアのインフラ投資、②ツーリズム(観光産業)への投資の2点を挙げた。

前者は海外の話で、おカネは需要が強くてリターンが高そうなところに投入すべき、という当たり前の話である。後者は国内で、ツーリズムという産業を育てることを国策として考えるべきであり、そこに税金を傾斜配分すべき、というものである。

 「観光立国」と言われ始めて既に久しいので、それ自体は珍しい提言ではないと思う。ただし普通のツーリズム投資といっても、道路や鉄道、ホテルといったものはちゃんと民間の資金が流れる。誰が見たって儲かる事業には、かならず手を出す人は居るものだし、おカネを出してくれる人だって見つかるのである。国費を使うからには、放っておいたらおカネが流れないところ、例えば文化財の保護という形で使ってはどうか、と言ってみた。

 おそらく「古い城を修復するプロジェクト」といった形では、いわゆる「乗数効果」
は期待しにくい。古いお城が、ある日突然、おカネを生んでくれるようになるわけではないからだ。しかし立派になった文化財を見に来てくれる人が増えるのであれば、これは立派な成長戦略ということになる。「あそこはいいぞ」という評判は、それこそGDPなどにはカウントされないが、地域のブランド価値を高めてくれるはずである。

 このアイデアは意外と好評であった。それというのも国会議員の先生方は、皆さん地元にひとつか2つ、「立派な観光資源であるはずなのに、あまり他所から客が来てくれないし、地元もありがたみを感じていない」文化財をお持ちであるからのようだった。

それでは宝の持ち腐れというものである。高速道路網が全国ほとんどできてしまい、いまさら工業団地を作るのもピント外れという今の日本では、ツーリズム投資こそが最も効率の良い投資ということになるのではないだろうか。

 本書の問題意識を改めてまとめておこう。
 今の日本経済は必要性の経済学から一歩抜け出して、遊民経済学へと踏み出すべき段階にある。そこで一番わかりやすいテーマがツーリズムであろう。幸いなことに、観光客は世界的に増えつつある。それは「インバウンド」(外国人訪問客数)の増加という形で、わが国にとっても現実のものとなりつつある。

 現在のアベノミクスは確かに途半ばであろう。金融も財政も大胆に使って、それでなおデフレから脱却できない恐れがあるとしたら、それは「こういう方向で日本経済を発展させていく」というテーマ性、もしくは物語性に欠けているからではないかと思う。

 2016年8月に閣議決定された2次補正予算においては、「訪日外国人客が利用する大型クルしス船に対応した港湾などインフラの整備などに1兆4056億円」が盛り込まれた。これなどは、まさしくツーリズム投資であり、景気対策としての「ツボ」だと思う。ただし惜しむらくは、「1000本の針」と呼ばれかねない細かな事業である。
 
もっと骨太なストーリーを描けないだろうか。それは「がっては安くて良い製品を作ることに長けていた日本経済が、遊びを軸とするサービス産業中心の経済に生まれ変わる」という大胆な絵柄である。成熟した自由主義経済であり、世界有数の金融資産を持ち、世界でもっとも高齢化した人口を持つ日本こそが、遊民経済学の時代の先頭ランナーとなる資格を有している。

と、こんな風に大きく訴えれば、デフレからの脱却も見えてくるのではないだろうか。

英エコノミスト誌の記事は次のように結んでいる。

 「ある意味で(アベノこヘラスの)誇張は必要であった。日本の停滞は自己実現的な予言の結果であった。だとしたら、アペノミクスは皆が十分に実現を信じたときこそ、成功することになる。これこそ日本の経済実験が、世界に伝えられる究極の教訓となる。それは目標は高く、ということだ」


夏目漱石は、「こころ」や「それから」といった作品の中で描いた、高等教育を受けながら、時代の風潮を受けきれず、仕事にもつかずにぶらぶらして暮らしている人たちを、「高等遊民」と呼んだが、今の富裕層の老人達はまさに21世紀の高等遊民なのかもしれない。 

特集:遊民経済学の時代?
【溜池通信】July 25, 2014 双日総合研究所 吉崎達彦

このところ日本経済において、「ツーリズム」が占める地位が高まっています。成長戦略としての「観光立国」は誰もが認めるところでしょうが、モノづくりならぬ「思い出作り」の観光ビジネスは、従来の発想が通用しない面が多々あります。

しかし割り切って考えてみると、今は経済活動全体が変質しているのかもしれません。
消費者が「生活に必要なもの」を求める機会はじょじょに減り、むしろ「感動できるもの」を求めることが多くなっている。いわば「遊び」の観点が重要になっている。

こういうときは、既存の発想の体系を一度投げ捨ててないと、「今風の経済」は見えてこないのではないか。ということで、以下は少々大胆な「試論」です。

●鳥取と島根~「遷宮」が地方経済を救う

仕事柄、地方に出張する機会をよく頂戴する。今月は、山陰中央新報紙の政経懇話会の講師として、鳥取県米子市と島根県松江市を訪れた。筆者にとっては、地方経済の現場を観察する絶好の機会である。

よく「一票の格差」問題などで引き合いに出される両県は、鳥取の人口が 57.5 万人、島根の人口が 69.8 万人である。つまり鳥取は杉並区(55.7 万人)なみ、島根は足立区(68.8万人)なみの人口に過ぎない。ただし山陰両県を昔の区分(令制国)で見ると、東から順に「伯耆」「因幡」「出雲」「石見」となり、さらに「隠岐諸島」をも含んでいる(竹島も!)。単に広いだけでなく、文化的にも多様な地域を包摂していると言える。

過疎の人口減少県である山陰地方は、今後の日本経済を考えるヒントを提供してくれそうだ。さて、どんなことが起きているのだろう。

ここでは地元の『山陰経済ウィークリー』誌 7 月 15 日号が、「大遷宮特需」を特集していることをご紹介したい。

昨年は伊勢神宮が 20 年に 1 度、出雲大社が 60 年に 1 度という、非常にめずらしい「ダブル遷宮」の年であった。伊勢神宮には史上最高の 1420 万人が訪れたが、出雲大社も 804万人が訪れ、例年の 250 万人程度を大きく上回った。普段は西日本からの参拝客が中心の出雲大社であるが、昨年は東京からの女性客が目立ったという。さすがは「縁結び」の神様というべきか。

お陰で島根県内の宿泊、運輸、食品工業などで好決算が相次いだ。日本銀行松江支店の試算によると、県内の経済波及効果は 344 億円で、県内成長率を 1%押し上げたとのこと。
県内の玉造温泉はもとより、鳥取県の皆生温泉にも好影響が及んでいたという。

ツーリズム(観光産業)の底力を思い知らせるような話であるが、それというのも島根県の人口が少なく、観光客受け入れのキャパシティも小さいからこそ、経済効果が大きく感じられることになる。早い話、東京ディズニーランドの年間 3129 万人(2013 年)の入園者数が、首都圏にいかなる経済効果をもたらしているかといえば、話が大き過ぎて見えなくなってしまう。が、地方経済の活性化という観点でいえば、観光客は少なくても確実なプラスをもたらしてくれるのである。

同様な例を挙げるならば、鳥取県の境港は近年、日本有数の漁港というよりも、「水木しげるロード」で有名である。こちらは 2010 年のピーク時(NHK の朝の連続テレビ小説が『ゲゲゲの女房』だった年)には、年間 370 万人が訪れたという。実に県の人口の 6 倍以上、地元境港市の人口の 100 倍以上である。これだけの訪問客があれば、シャッター通りも復活してくるし、「何か面白い仕事を試してみよう」と外からやってくる人もいる。
さらには商店街が、「観光地価格」のメリットを享受することができる。

思うに、「急激な人口減少」はもちろん経済にとっては痛手であるけれども、「少ない人口」で安定してくれれば、それから先の問題は意外と少ないのではないか。先般、日本創生会議(増田寛也座長)が、「2040 年までに全国の 896 自治体の半分が消滅する」という衝撃的な報告を行った。あれは「若い女性に見離された自治体は滅びる」という指摘に値打ちがあるのであって、字面通り自治体の消滅を恐れるのは過剰反応ではないかと思う。

地方都市の人口構成は既に高齢化がかなり進んでおり、今後も無制限に続くわけではない。今後はむしろ大都市圏の高齢化が本番を迎える。特に団塊世代が後期高齢者になったときに、首都圏の自治体における医療・介護の負担は相当に深刻なものになりそうだ。

もちろん、観光旅行が一過性のブームに終わってしまっては困るのだが、出雲神社にせよ水木しげるロードにせよ、他所にはない「オンリーワン」の観光商品である。特に境港市は、ありきたりな「漁業による街づくり」ではなく、「妖怪による街づくり」を目指したことがロングセラーの秘訣となった。「ナンバーワン」を目指す努力はいつか誰かに抜かれてしまうが、「オンリーワン」はそもそも誰も追いかけてこない。地方都市は弱者であるからこそ、この手のリスクを取ることができるとも言えるだろう。

●道後温泉~なにが人気になるかわからない

他方、有名な観光地だからといって安閑としてはいられない。その点で面白かったのが、5 月 22 日に愛媛日経懇話会の際に訪れた松山市道後温泉の事例である。

おそらく国内の温泉地の中でも、道後温泉ほど条件的に恵まれたところは少ないだろう。

1. 知名度:「聖徳太子が入った」と伝えられるほどに歴史が古い。
2. アクセス:松山空港から市内までクルマで 20 分。道後温泉まで市電で 15 分程度。
3. 話題性:夏目漱石『坊ちゃん』の舞台として知られ、その後も道後温泉本館が宮崎アニメ『千と千尋の神隠し』のモデルになり、さらに NHK ドラマ『坂の上の雲』で松山市が注目を集めるなど、話題が尽きない。

いわば「鉄板」の観光地なのだが、いつまでも過去の人気には頼っていられない。それというのも、道後温泉本館は国の重要文化財で、最近では近代化産業遺産にも指定されているが、今年で120周年を迎える。大還暦を機に間もなく大改修を行うことになっている。
街のシンボルが使えない間、集客をどうするかが課題になっていた。

そこで道後温泉では、温泉とアートを組み合わせたイベント「道後オンセナート」を開催中である。何か所か見学させてもらったのだが、いちばん驚いたのは宝荘ホテルだった。
国際的アーチストの草間彌生氏が内装した部屋が、海外の雑誌が取材に来るほどの反響となっている。内外の現代美術ファンがやって来るので、一泊 7 万 8000 円もする客室の稼働率は 6 割もあるとの説明であった。

○宝荘ホテル×草間彌生(5 月 22 日、筆者撮影 http://www.takaraso.co.jp/
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昔はヒット商品と言えば、見た瞬間に誰でも「ああ、これは売れるだろう」と分かったものである。最近は、「なぜこれが売れるのかサッパリ分からない」ものが多くなっている。ちなみに宝荘ホテルの社長さんは、「私は分かりませんから、全部草間さんにお任せします」と最初から言っていた由である。


こうしてみると、「どうやったら観光客を増やせるか」はそう簡単な課題ではない。「モノづくり」では直線的で地道な努力が効果を発揮するが、「感動を売る商売」には「逆転の発想」的なセンスが必要になる。「他所でうまく行ったこと」の真似をすればいいのではなく、「他所がまだやっていない面白いこと」をやらなければならない。

最近は成長戦略としての「観光立国」の議論が盛んだが、観光客を増やす努力においては、「成功のひな型」がどこかにあると錯覚してはならない。観光業における他人の成功例とは、もはや使えなくなってしまった古い手口に過ぎないのである。

●観光立国~なぜ人は旅に出るのか

かねてからの筆者の持論として、わが国では産業としてのツーリズムが過小評価されてきた。普通の国では、観光産業は GDP や雇用の 10%程度を占めるが、日本のそれは 5~6%にとどまっている。いわば「使っていない筋肉」のようなものであり、裏を返せばビジネスとしての伸び代は大きいはずである。

都市と地方の格差を縮小する、という政策課題を考える上でも、ツーリズムの有効性は明らかである。都市部のマネーを地方に再分配するために、かつて「米価」が使われた時代があった。都市住民が国際価格よりも高いコメを買うことで、「国土の均衡ある発展」
を図ったのである。あるいは「公共事業」によって、全国各地にランドマーク的な「箱モノ」が乱立した時期もあった。これらの施策には、どうしてもさまざまな弊害が付随する。
それに比べれば、ツーリズムは「人の移動を盛んにする」ことで、より健全な形でマネーの還流を加速し、地方経済を活性化することができる。

さらに外部環境も改善している。たまたま今週は、今年上半期の外国人訪問客数が史上最高の 626 万人に達したことが報じられた。前年同期比 26.4%増というから、昨年の好調さが持続しているようだ。①円安の定着や、②東南アジア向けのビザの発効要件の緩和、③LCC の普及などの効果が浸透しているのであろう。日本を訪れるリピーターも、着実に育ってきているのではないだろうか。

小泉政権が「ビジットジャパン・キャンペーン」を始めた 2003 年には、同じ上半期の訪問客数は 229 万人に過ぎなかった。おそらくこの 10 年ほどで、「世界を旅する」人口が飛躍的に増えているのであろう。

近年の新興国における経済発展は、特にアジアで分厚い中間層を勃興させつつある。航空会社の数も増えて、ネットワークも充実しつつある。それと同時に、「世界遺産」なるものが注目を集めるようになってきた。さらに言えば、スマホで撮影した観光地の写真を、SNS を通して友人たちに見せる、という新習慣も広がっている。いろんな意味で、ツーリズムは国際的に急成長しているのである。

ところが、国内の観光業者の意識はたぶんに古い時代を引きずったままである。
「奈良の大仏商法」という言葉がある。奈良には大仏があるから、放っておいても修学旅行が来てくれる。ところが修学旅行ほど、旅客業をスポイルするものはない。何しろ、大勢を狭い部屋に泊めて、お仕着せの料理を出して、去年と同じサービスで良くて、なおかつクレーム処理は学校の先生がやってくれるのである。こんな楽な商売をやっていたら、サービス業としての競争力がつくはずがない。

必然的にフリーのお客は、奈良は昼に通過して、夜は京都や大阪で宿泊することになる。
「義務で来てくれる」客が居るものだから、「遊びで来てくれる」客の気持ちが分からなくなってしまうのである。

●遊びビジネスの時代と「長期停滞論」

今日のビジネスを考える上で、最も重要なのがこの「遊び心」を読み解くことであろう。
「……しなければならない」と考えている消費者のニーズは、比較的容易に把握することができる。ところが、「何か面白いことがあればいいのに……」と思っている消費者は、どうしたらカネを使ってくれるのかが分からない。非必需品を売るときは、必需品を売るとき以上に知恵が必要になる。そして利益率は、得てして必需品よりも非必需品の方が高いのである。

最近になって誕生するネット関連の新しいビジネスには、遊びに関するものが目立つ。
フェイスブックは「社交」を商売にしてしまったし、スマホという道具が定着したことで無料ゲームの配給会社が数多く誕生し、最近では「面白いニュース」を勝手に拾い集めてくれるキュレーションメディアも誕生しつつある。

これらはすべて、生活する上で必要欠くべからざる存在ではない。強いて言えば、平凡な日常をちょっとだけ楽しくしてくれる商品やサービス群である。ゆえに料金を取るわけにはいかないので、収益は広告モデルが多くなる。が、とにかく人々の生活を変えつつあることは間違いない。

語弊を恐れずに言ってしまうと、今日の消費者は良く言えば「思い出作り」、悪く言えば「暇つぶし」のためにおカネと関心を払うようになっている。逆に「生活の上で必要欠くべからざるもの」に対する支出は、以前とそれほど変わっていない。となれば、ビジネスは当然、前者の開拓を目指すべきであろう。

ここで、「どうすれば遊び関連ビジネスを成功させられるか」という知恵は筆者にはない(あったとしても、こんなところではもちろん公表しない)。逆に関心があるのは、「日々の生活の糧を追い求める時代につくられた経済学は、これからの時代にどこまで通用するのか?」である。

昨今、景気回復途上の米国で話題になっているのが「長期停滞論(secular stagnation)」である。以下はその代表的論者であるローレンス・サマーズ御大の主張である。

* リーマンショック後の米国経済の低成長は、需要不足が顕在化したから。そしてリーマンショック以前のバブル期においても、超過需要は発生しなかった。

* その原因としては、「生産性の鈍化」「格差の拡大(富裕層は消費性向が低い)」「金融危機後のリスク回避傾向」「技術革新」などが考えられる。
* そこで考えられるのは、①サプライサイド政策(構造改革)、②金融緩和、③需要創造政策の 3 点である。①は時間がかかるし、②はバブルの危険がある。長期停滞を回避するには③が必要だ。
* 大規模な雇用の創造が喫緊の課題である。かつてのグラッドストーンやビスマルクのように、政府の役割の大変化が必要である。

米財務長官も務めた大経済学者に対し、こう言っては失礼かもしれないが、「分かっちゃいないな」である。これぞ「必需品を売る」時代の経済学の典型的な発想ではないか。
「遊び」を主要なニーズとする時代に、どうやって政府が需要を喚起できるのか。「遊び」に対する思いは、人それぞれに違っている。それらを一緒くたにして、「大規模な雇用の創造」に結び付けられるとはとても思えない。

かかるケインジアン的な発想は、筆者にはまるで「修学旅行が大勢来てくれた時代を懐かしがっている旅館の繰り言」のように思えてしまう。おそらく新興国経済であれば、まだまだ有効な思考なのかもしれない。が、これからの先進国経済を考える上では、早々に捨て去った方が良いのではないだろうか。

●「遊民経済学」へのはるかなる道

必要性ではなく、「遊び心」を主な需要とする経済を読み解くには、いわば「遊民経済学」的な発想が必要になるだろう。もちろんそんなものは現時点では存在しない。「ミネルヴァのふくろうは夕暮れに飛び立つ」というくらいだから、たぶん「遊民ビジネス」がいくつも花開くようになった後になって、ようやく理論化されるのではないか。
ところで社会学の世界では、「遊び」をテーマにした古典的名著が 2 つある。ヨハン・ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』と、ロジェ・カイヨワの『遊びと人間』である。最近になって知ったのだが、カジノ・ビジネスの世界ではこの 2 つの本が活用されている。つまりラスベガスにおいて、原始的なカジノが広い意味の総合エンタテイメント産業に育つ過程において、「遊びとは何か」が事細かに検討されているのである。だとしたら経済学はともかくとして、「遊民経営学」は既に産声を上げているのかもしれない。

遊民経済復興安のなかで是非ともと思ったのが、食堂車の復活である。
p54-55
国鉄がJRになり、ブルートレインがなくなり、いろんな路線が廃線となった中で、
食堂車もほとんど姿を消したっ軽食を提供するビュッフエくらいはまだ残っているけれども、古きよき旅の習慣は失われていった。どうせ新幹線には長時間は乗らないんだし、お弁当は種類がいっぱいあるんだし、車両を増やすとそれだけコストもかかるし、食堂用の従業員確保も手間である。それに、自出席代わりに一杯のコーヒーで粘るような客もいるしねえ、ということで合理的な経営判断なのであろう。

 その一方で、この国が本気で「観光立国」を目指すのであれば、そろそろJRは食堂車の復活を真面目に考えるべきなんじゃないか、という気がしている。

 とにかく日本という国は、弁当や軽食が異常に発達している。そのこと自体はもちろん結構なことである。実際に筆者なども、電話も来客もない新幹線車内はとっても仕事がはかどるオフィス空間だと思っていて、食事にはさほど時間をかけないのが常である。

とはいうものの、外国大観先客の身になってみたら、今の新幹線、特に東海道新幹線はちょっとビジネス仕様に過ぎるような気がする。冷たいご飯とお茶を好まない中国人観光客は、物足りない思いがしているのではないだろうか。

最後の部分は診察が終わって、最後の部分は病院のカフェテリアで読み終わった。
最終章の伊能忠敬の人生を読み、少し考えてしまった。

「第二の人生」の手本とされている伊能忠敬が50歳になってからライフワークとして『大日本沿海輿地全図』を作成した彼の生き方を、通説とは違う突っ込んだ形で紹介している。

彼の名を遺した『大日本沿海輿地全図』の測量に出掛けたのは55歳、当時の55歳はここにいる70代の老人と同じくらいの年齢感覚であったであろうし、実年齢でも私とさほど差がない・・・私も第二の人生を何に懸けるか悩みどころである。

能忠敬は隠居した時に資産が3万両あったという、現在に換算すると30億円~50億円に相当すると言う。(p234まあ・・・ということで、自分が伊能忠敬になろうなどとは思ってはいない。伊能忠敬のようなリッチな隠居になるにはまず億萬長者にならなくてはならないようだ。

日本経済の活性化は元気な老人をいかに躍らせるかである・・・カンベイこと吉崎 達彦氏の老人の高等遊民化案は、医療費と健康食品にしか金を使わない老人達を躍らせる為の提案をしているかもしれません。


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米百貨店大手のシアーズ、全店舗の閉鎖を決定
【BusinessNewsline】Harry Martin | 01/09 04:56

米百貨店大手のSears(シアーズ)は7日、クリスマス商戦が計画未達となったことを理由に傘下に置いているSearsMarcy'sKmartの全店舗を閉鎖することを発表した。

店舗閉鎖は、今週中にSearsとMarcy'sの200店舗を閉鎖し、その後、数カ月をメドに残っているSears 42店舗とKmart 108店舗も閉鎖するというものとなる。

Searsは、2011年には全米に3500店舗を有していたが、消費者の消費動向が現物店舗での買い物から、Amazonなどのオンライン店舗に流れるなかで、この数年で急速に業績を悪化させてきた。

全店舗を閉鎖するということはビジネスを終息させるということを意味するものとなるが、Searsは、法的整理を行うのかなどの今後の詳細については明らかにはしていない。

ただし、保有する工具ブランドのCraftsmanについては、同業大手のStanley Black & Deckerに対して9億ドルで売却することで、その資金を債務返済のための資金に充当するとしている。


Harry Martin is contributing writer of the Business Newsline. Send your comment to the author
おいおい、これは衝撃的な展開だ・・・米国内で手に取って商品を選べるのはウォルマートしかなくなってしまうではないか?ハワイでもアラモアナショッピングセンターや、カハラモールでも中核店が無くなってしまってはモール全体の魅力がなくなってしまうではないか!アメリカはショッピングというエンターテイメント産業を潰す気か!

アマゾンで物を買って何が楽しいのだ!俺は通販生活は嫌だ!地方に住んでいた2000年頃は海外通販を利用していたが、現在私は、まず欲しいものがないし、欲しいものがあれば、お店で出会った出会いを大切にしたいと思っている。その為現在私はほとんど利用していない。家内はいまでも海外サイトを利用してたりするが、日本のサイトも利用しているけど、リアル店舗で買う方が圧倒的に多い。

だが、我が家は世界の時流と逆らっているようだ。米国も中国もどちらも小売業が衰退し、通販が爆発的に伸びている。

中国でも、小売店百貨店は軒並み閉店店じまい、代わって通販が爆発的に伸びている。

YouTubeリンクが切れたらこちら⇒NHKスペ・中国14億人の消費革命・ネット通販 



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すでにどん底に陥っているのではないかと一部でささやかれる中国経済。無料メルマガ『石平(せきへい)のチャイナウォッチ』によると、百貨店やスーパーが驚くほどの閉店ラッシュ状態となっているとのこと。石平さんはこの事態を「中国経済そのものの低迷を表すもの」とし、「中国の未来はますます暗いものになっていく」との見方を示しています。

中国小売業は「死屍累々」の惨状 閉店ラッシュはネットの影響でなく中国経済そのものの低迷が原因だ

9月6日、北京商報というビジネス専門紙は「2016年、広がる百貨店の閉店ラッシュ」とする記事を掲載し、中国の百貨店を襲う「閉店ラッシュ」の実態を克明にリポートした。

記事はまず、8月末に山東省青島市の大型百貨店、陽光百貨と全国展開の百貨大手である百盛集団の重慶市万象台店、さらには大連で有名な久光百貨が相次いで閉店したことを取り上げ、深刻な業績不振が閉店の原因であると分析している。

大連久光百貨の場合、今年上半期の売り上げが前年同期比で48.8%も激減した。重慶市万象台店のオーナーである百盛集団全体の売上総額も前年同期比で12%減となったという。その結果、百盛集団は万象台店だけでなく、今年に入ってから西安市の東大街店と重慶市の大坪店も閉店させることとなった。

記事によると、売り上げ急落・業績不振は今、全国の百貨店業が直面する共通の問題となっている。たとえば全国展開の新華百貨は今年上半期の純利益が69.2%も減り、杭州解百集団のそれは20.5%減となった。

こうした状況を踏まえて、北京商報記事は今後、全国における百貨店の「閉店ラッシュ」はさらに広がっていくだろうと予測している。

中商情報網というビジネス専門サイトの掲載記事も7月20日、今年上半期における中国小売業の「閉店ラッシュ」を取り上げたが、その中で、中国流のブラックジョークであろうか、「2016年上半期、『陣没(閉店)店舗』最新リスト」まで作成して掲載した。

「陣没」に追い込まれた大型百貨店の中には、摩爾百貨の成都店、友誼商店の南寧店、南京八百半の南京店、世紀金花の銀川店などがあり、まさに「死屍(しし)累々」の惨状である。

「閉店ラッシュ」に襲われたのは百貨店だけではない。スーパーマーケットも同じである。

中国最大の検索サイトである「百度」は、「百度百科・閉店ラッシュ」の項目を設けているが、それによると、スーパー業の場合、華潤万家という全国チェーンが今年に入ってから727店舗を閉店させ、「閉店ラッシュ」の最高記録を更新したという。有名なカルフール・グループも中国全土で18店舗を閉店し、人人楽というスーパー大手は11店舗を閉めた。

上述の「百度百科・閉店ラッシュ」によると、中国小売業の閉店ラッシュは昨年からすでに始まっている。2015年の1年間、全国の小売業界で約865店舗も閉店の憂き目にあったが、今年に入ってから、この勢いはさらに増しているという。

「閉店ラッシュ」が来襲した理由について、一部のメディアや専門家は、近年盛んになったネット販売や通販との市場競争の激化を挙げているが、前述の北京商報や「百度百科」の分析では、それは一つの原因であっても、一番の原因ではない。最大の原因はやはり、特に昨年から顕著となった中国経済そのものの低迷である。

経済の低迷は人々の消費意欲と購買力を低減させ、結果的に小売業の業績不振と閉店ラッシュを招いたが、閉店ラッシュの広がりは失業の拡大や収入の低減につながる。悪循環はすでに始まっているのである。

今月5日、中国社会科学院財経戦略研究院は「流通青書・中国商業発展報告(2016~17)」を発表したが、その中で、今後5年以内に、中国全国の「商品交易市場」、つまり百貨店やスーパーやショッピングセンターなどは、約3分の1が淘汰(とうた)されていくと予測している。

小売業の暗澹(あんたん)たる未来ひとつを取ってみても、中国経済は今後ますます、大不況のどん底に陥っていくことが分かるであろう。
まあ、中国の場合、小売店で買うと偽物を掴まされる可能性があるし、そもそも接客が悪いから、通販に流れる理由もわかる。だがNHKの番組を見ていると商品をぞんざいに放り投げる中国の通販も・・・呆れかえってしまうが・・・

日本のデパートへ行くと目立つのは高齢者ばかり、日本もいずれ絶滅してしまうのだろうか?

私の故郷水戸市にはつい20年ほど前まで駅前から約2Kmにわたって大型商業施設が十軒ほどありましたが、西武デパートやファンッッションビルのサンプラザ水戸や旧十字屋デパートや旧東急ストア―の商業ビルも閉鎖、ダイエーの撤退、老舗の洋品店、大型書店ビル・・・そして老舗デパートの伊勢甚の閉鎖・・・子供の頃東京の繁華街と変わらない活気があった水戸の中心部は個人商店も壊滅し、いまやゴーストタウン状態です。水戸に帰る度に、変わり果てた故郷の繁華街の姿に悲しい思いをするばかりです。

東京だからと言っても、例えば町田の小田急デパートや横浜高島屋のお客さんは皆60歳以上が目立つ。おそらく、銀座のデパートは老人と中国人しかいない印象だ。

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東京には元気な商店街が多数あって、商店街を歩いて買い物をする楽しさは決してネットショッピングで代替えできるものではない。玉川高島屋で感じるハイソ感は、デパートの生き残る細道かもしれません。

大型モール横浜ららぽーなどが商店街の賑わいを継承していくのだろうが・・・活気ある街にはかなわない。街にはモールにない猥雑さや個性がある。私が好きな街は例えば自由ヶ丘や吉祥寺、町田、裏原宿、神保町、新宿、有楽町~銀座新橋・・・街には個性的な猥雑さがある。ドンキホーテやビレッジバンガードはわざと猥雑さを演出している。モールにない猥雑さがある街ほど生き残るだろう。

猥雑さがない街は街の魅力が消えてしまうかもしれない。街の魅力がなければコンビニと通販の味気ないショッピングには勝てないだろう。
でも、ネット通販では絶対に街が持つ魅力を超えることは出来ない。

シアーズ・メーシーズを閉鎖してしまうアメリカはバカである・・・トランプはこれこそ手を打つべきではないだろうか?!




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 日銀のマイナス金利政策導入から約半年。市場金利は大幅に低下しているが、企業の借り入れ意欲は伸び悩んでいる。日銀が8日発表した7月の大手銀行など「都銀等」の貸出残高(月中平均)は前年同月比0.7%増。マイナス金利がスタートした2月から6カ月連続で1%を下回ったままだ。前週末の全国銀行協会のまとめでは、都銀の7月末の貸出残高は3年9カ月ぶりに減少に転じた。

日銀の集計によると、大手銀の貸出残高は、日銀の大規模金融緩和が始まる直前の平成25年2月から一貫して1%を上回る高い伸びを記録していたが、資金需要が一巡したためか、昨年11月に1%を下回る水準に低下。マイナス金利導入後は一貫して1%に届かなくなった。

日銀は「外貨融資の多い大手銀は、円高で円換算の貸出残高が目減りしている」と説明しているが、都銀の6月の貸出金利が0.89%と2月の0.94%から低下し続けているにもかかわらず、企業の資金需要はなかなか上向かない。

日銀とやや調査対象や手法の異なる全銀協の集計でも、都銀の貸出残高は4月から3カ月連続で伸びが1%を下回り、7月は減少した。

日銀は9月の金融政策決定会合で「マイナス金利をさらに深掘りする」(エコノミスト)との観測もくすぶる。企業は貸出金利の一段の低下を期待しているとみられるが、マイナス金利の深掘りが遠のけば、金利の底打ちが意識されて逆に企業の借り入れ意欲が高まる可能性もある。(藤原章裕)
マイナス金利は劇薬か?! 急騰する円、長期金利がマイナス金利を記録  
2016/2/9(火) 午後 11:29 
予想通りの劇薬であったと思う、日本は貸出金利がもともと低く、引き下げ余地が乏しかった。内需も弱いマイナス金利が実体経済に効果をもたらすことはなかった。
金融政策で、デフレは脱却できないことはもはやわかりきったことになっている。
 
[東京 9日 ロイター] - 元日銀理事の早川英男・富士通総研エグゼクティブ・フェローは9日、ロイターとのインタビューで、日銀が9月に予定している包括的な検証では、円安などの効果をもたらさなくなっている国債買い入れなど「量」の効果を点検する必要があると指摘した。

年間80兆円の国債買い入れは行き詰まることが明白なため、長期金利ターゲットなど金利の抑制を主眼とした政策への転換が急務と強調した。

日銀は7月29日の金融政策決定会合で、次回の9月会合において2013年4月から「量的・質的金融緩和政策(QQE)」の下で進めてきた政策手段に関し、2%の物価目標を達成できていない現実を踏まえ、効果の検証を行うと公表した。

<量の拡大、もはや円安効果なし>

早川氏は、その検証において「年間80兆円のマネタリーベース(資金供給量)を拡大する『量』の政策の検証が必要」と指摘。量の拡大は、中央銀行の保有資産の量の比率が為替を決める(ソロス・チャート)という外国為替市場の誤解に基づく政策であるとし、「導入当初は一定の効果をもたらしたが、現在は米国が資産拡大を終え、日銀が拡大を続けていても全く円安は進んでいない。ずるずる量を増やしても、円安効果がない現実を評価・検証するべきだ」とした。

<マイナス金利深掘りと長期金利目標組み合わせ、利回り曲線引き上げを>

また、日銀がすでに国債発行量の4割を保有しており、いずれ現在の大量買い入れは行き詰るため、政策を持久戦モードに切り替えるためにも「量」から「金利」に政策の目標を変更すべきと強調した。

今年1月のマイナス金利導入発表で、国債の年限別利回りを結んだ利回り曲線が平坦化し、金融機関の収益を圧迫しているだけでなく「年金の存続にかかわる」事態となっているのを重視し、「短期金利のマイナス幅を拡大し、長い(超長期)国債の買い入れを減らし、利回り曲線を立たせるのが急務」と指摘した。

その際、長期金利をある水準以下に抑制する「長期金利ターゲット」の導入も一案とし指摘。米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ前議長も、ブログで推奨しているとした。

日銀はすでに大量の国債を保有しているため「年間20兆円など、今よりよほど小額の国債買い入れで、金利を低位に抑制できるだろう」との見方を示した。

量から金利への模様替えで市場が「緩和縮小」と解釈することで円高になるリスクを抑えるため「日銀が保有資産を売却はせず、バランスシートを縮小しないことを強調すればよい」と付け加えた。

<7月追加緩和は論理不明、誰も信じない物価見通しは不要>

早川氏は、日銀内でチーフエコノミストを長年務めてきた立場から、昨今の日銀の景気・物価見通しについても苦言を呈した。

7月は2017年度の消費者物価指数(生鮮除く、コアCPI)見通しを従来の1.7%のまま据え置いたにもかかわらず、追加緩和に踏み切ったのは「意味不明」と主張。

「恐らく当初は政策現状維持で貫くつもりが、政府の経済対策と平そくを合わせざるを得なくなったのだろう」と推察。7月の追加緩和が上場投資信託(ETF)増額などにとどまったのは「国債の買い増しや、マイナス金利の深掘りが難しいからだろう。そうであれば『量の拡大に限界はない』と言うべきでない」との見方を示した。

同時に「これまで物価見通しを引き下げても、追加緩和を度々見送ってきたので、政策予見性が全くない」とも述べた。

さらに早川氏は「17年度に物価が2%に達するという、誰も信じていない物価見通しを日銀がいつまでも出し続ける状態が続くと、日銀事務方の物価見通しを公表しろ、との議論がわき起こる」と指摘。

そのうえで「事務方見通しと政策委員の見通しに大きなかい離があるようであれば、日銀の信認の問題となる」と警鐘を鳴らした。                                                                                              
(竹本能文、木原麗花 編集:田巻一彦)

 日銀が7月29日の金融政策決定会合で予告した「総括的な検証」が波紋を広げている。

次回9月会合で実施するもので、黒田東彦総裁は「2%の物価上昇率目標をできるだけ早期に実現するために何が必要かという観点から、総括的な検証を行う」と説明している。黒田総裁の任期があと約1年8カ月後に迫る一方、物価は弱含んでいることから、市場では大規模な追加金融緩和を予想する声が高まっている。

日銀がこうした予見的な情報発信をするのはこれが初めてのことだ。突然の方針変更の背景には、民間エコノミストや報道機関から最近、「市場との対話のあり方に問題があるのではないか」としきりに攻められるようになったことがありそうだ。

記者会見や公表文で、その後の金融政策の方向性をにじませる手法は、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)ではよく使われている。あらかじめ一定の方向性を示唆することで、市場の急変動を和らげている効果があるとされている。

これに対し、“黒田流”は直前まで、金融政策の変更するそぶりをみじんも見せない。こうした「サプライズ」による演出は2014年10月の追加緩和までは、市場に対して劇的な効果を持ち、「黒田バズーカ」と呼ばれるようになった。

ところが、今年1月のマイナス金利政策の導入決定後は黒田バズーカの威力に変調がみられるようになった。期待されていた円安・株高効果は長持ちせず、おまけに収益面で直接影響を受ける銀行や保険会社からは嵐のように文句を言われている始末だ。

日銀の9月会合での追加緩和への期待は、黒田総裁の任期が2018年3月に迫っていることで輪をかけて大きくなっている。日銀政策委員の最新の物価上昇率見通しの中央値は、16年度が0・5%、17年度が1・7%、18年度が1・9%。日銀がターゲットにしている「2%程度」に達するのは17年度となっており、総裁の任期ギリギリで達成することになっている。

ただ、6月の全国消費者物価指数(10年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が103・0となり、前年同月比0・5%下落。黒田緩和導入前の水準の下落幅を記録した。

不安定な原油相場や国内消費の弱さから、多くの民間エコノミストは「17年度中の2%達成は無理」とみている。総裁任期中の達成に向けて、総括的な検証と併せて大胆な「黒田バズーカ」を撃ってくるのではないかという見方が浮上しているのだ。

参院選での与党圧勝と第3次安倍晋三再改造内閣の発足も、日銀の金融政策への風当たりを強くしている。安倍政権は28兆円を超える大規模な経済対策を打ち出し、黒田緩和との相乗効果で景気浮揚に持って行きたい意向だ。政権与党はここで「アベノミクス」を仕切り直したいところだろう。ただ、野党からすれば、アベノミクスの急先鋒だった黒田日銀の勢いが失速していることは、秋の臨時国会で格好の攻撃材料に映りそうだ。(B)
マイナス金利は愚策だった、意味が無いとまでは、言わないが、マイナス金利で円安を狙ったのなら失敗と云わざるを得ない。


新経済対策への評価
【経済コラムマガジン】16/8/8(903号)

新経済対策は小さな第一歩

8月2日に新経済対策が閣議決定された。国と地方の直接の財政支出(真水)が7.5兆円、財政投融資が6兆円で全体の事業規模は28.1兆円である。政府の試算では、新経済対策は実質GDPの押上げ効果は1.3%となっている。

しかしこれらの全てが16年度の第二次補正予算に計上されるのではなく、一部は17年度の当初予算などに盛込むことになっている。また仮に16年度の第二次補正予算に盛込まれたものでも、支出が翌年度にズレ込むケースも有り得る。よって政府は新経済対策が16年度の経済成長率をどの程度押上げるか試算していない。これに関し民間のシンクタンクはわずか0.4%程度と見込んでいる。


この新経済対策をどう捉え、どう評価するかが問題になってくる。消費増税延期に加え、額としては小さいが新規国債(建設国債)を発行し第二次補正予算を組んだこと自体を評価する声はある。たしかに14年度、15年度と何故か2年続けて第二次補正予算の作成を見送ったのに対し、様変わりという感想を持つ者がいても不思議はない。

しかし市場の評価は芳しくない。事前に「大型補正予算」と期待が大き過ぎたこともあるが、これに到底及ばない新経済対策の規模と市場は判断している。これを反映し、新経済対策の内容が明らかになるにつれ株価の動きは冴えなくなった。


また市場の「ヘリコプターマネー」への期待は大きかった。しかしこれに関してもほぼゼロ回答となっている。市場の最良のシナリオは、「大型補正予算」と「日銀のさらなる金融緩和」の組合せであった。ところがこれらの両方が期待に反しショボイものだったと市場は評価している。

16/7/4(第898号)「奇異な話二題」で述べたように、たしかに自民党の中に本気で「大型補正予算」を組もうという動きはあったと筆者は推測する。まず14年度以降の消費増税分のほとんどが財政再建に回されていた事実が明らかになった。筆者は、これに憤った議員が「大型補正予算」と騒ぎ始めたと見ている。


しかし財政再建派の力はまだまだ強く、この流れに対して強烈な巻き返しを図ったものと筆者は見ている。したがって新経済対策は、両者の妥協の産物になってしまったと筆者は理解している。ただ生き絶えてしまったかと思われた積極財政派が自民党内にまだ残っていたことが、今度のことで明らかになったとも言える。

安倍政権がアベノミクスと言っているのに、消費増税を実施し、その増税分の8~9割を財政再建に充てるなんて信じ難い施策である。これを推進してきた人々はアベノミクスに反対か、あるいは全く関心がないと思って良い。彼等は「成長戦略」でデフレ脱却ができるとうそぶくかもしれない。しかし3年以上も経つのに「成長戦略」とやらが何の成果も生んでいないことを彼等も十分承知している。


このように評判が芳しくない新経済対策であるが、細かく見ると財政再建派の牙城がいくつか崩れている。例えば社会保障関連の歳出に関し16/4/18(第888号)「財政問題に対する考えが大きく変る前夜」で取上げたように、「社会保障関連の歳出を増やすには、消費税の再増税が条件になる」という財政再建派が作った理不尽な概念が自民党を縛ってきた。ところが消費税の再増税を延期したにも拘らず、今回の新経済対策では「保育士の給与2%引上げ」や「年金の受給資格期間を25年から10年に短縮」が盛込まれた。

これを財政再建派の力がかなり衰えた証しと筆者は解釈している。とにかく自民党が財政再建派と構造改革派に席巻され続けた結果、日本は深刻なデフレ経済に落ち入ったのである。新経済対策はこれを撃ち破る小さな第一歩と筆者は位置付ける。先週号で唱えたようにやはり「大きな車はゆっくり回る」である。


「デフレ脱却」が最優先

正直に言って新経済対策は、筆者達の期待を下回るものであった。ただこれをきっかけにこれに続く経済対策が策定されるものと思う他はない。また今回は安倍政権の現在の力の程度を反映したものと筆者は解釈している。一強と言われる安倍政権であるが、政権実態は、色々な考えの人々や勢力の上にうまくバランスを取りながら乗っかっているのである。したがって一方向へ極端に走ることはない。

しかし今回の新経済対策は、不十分ではあるが財政政策が有効であることを踏まえて策定されたと筆者は考える。デフレ脱却を目指すアベノミクスにとって、本来、財政政策は柱となるはずである。ところがスタートの初年度の13年度を除き、これ以降、安倍政権は完全な緊縮財政に転換した。これではアベノミクスがうまく行くはずがない。


一番の問題は、安倍政権が「デフレ脱却」と「財政再建」という目標を同時に掲げていることである。しかし「デフレ脱却」と「財政再建」はほとんど相矛盾する政策目標と筆者は認識している。そして14年度以降は消費増税分の8~9割も財政再建に回して来たのである。

安倍政権は、そろそろ両者のうちどちらを優先するのかはっきりさせるべきである。当然、安倍総理は「デフレ脱却」を最優先すると筆者は思っている。消費増税を2年半も延期したことからもこのことは容易に想像がつく。後は総理の口から「デフレ脱却を優先する」とか「消費増税は延期ではなく凍結する」といった言葉がはっきりと出ることを期待する。


自民党の税調(税制調査会)がおかしい。税調が日本の税制を検討し税制改正を答申するのは仕事なのだからかまわない。しかし税制改正がマクロ経済に大きな影響を及す場合は話は違ってくる。ところが党税調は、マクロ経済への影響を完全に無視して消費増税を決め、今回の税制改正をリードしたものと見られる。

ましてやもし党税調が、消費増税分の8割を財政再建に回すといった秘密裏の取決めに加担していたとしたなら大問題である。これは明らかに越権行為であろう。また党税調には、財政再建にしか興味のない政治家だけが集って来るとしたなら、これも問題である。


先週号で元英金融サービス機構(FSA)長官アデア・ターナー氏が「統合政府(政府・日銀が一体化したもの)ベースで日本の純債務はGDP比で62%(約300兆円)になる」と言っている話を紹介した(筆者も日本の実質的債務残高は100~300兆円までに減っていると言ってきた)。これは日銀が既に300兆円以上の国債を買っているからである。これは本当の話であり、巷間言われている「日本の累積債務は1,000兆円を越え大問題」という話は真っ赤な嘘である。

ましてや長期金利までがマイナスになっているのに、日本の財政が、何故、問題になるかということである。ほとんどの人々はまだ気付いていないが、このように日本の財政問題は既に解決済みなのである。ところが大多数の日本人はいまだに「日本の財政状況は最悪」といった嘘にずっと騙され続けている。


しかし筆者達の言っていることの方が正しいと理解する人々がここに来て急速に増えている。この一つの大きな原因が「ヘリコプターマネー」の話の広がりと筆者は思っている。「ヘリコプターマネー」は多くの人々にとってまさに「目からウロコ」の話である。もし「ヘリコプターマネー」が理解できるなら、筆者達の言っていることも分るはずである。

したがって日本の財政に問題がないのなら、消費増税分の8割も財政再建に回すことがおかしいと人々は容易に気付くはずである。また財政再建派が日本の財政を純粋に心配しているとは限らない。彼等の多くがアベノミクスに反対しているか、あるいはデフレ経済が永遠に続くことを願っているとも見られる。つまり全ての人々がデフレ脱却に賛同しているわけではない。たしかに高所得が保証されている公務員や既に財を成した人々なんかも、むしろデフレ経済の方が好ましいと考えるであろう。

デフレがいつまでたっても脱却できないのはアベノミクスが真のアベノミクスになっていないからだ!日本のような経済が成熟した国の成長を考える時は、需要不足をどう解消すべきなのだが、2013年アベノミクスは大型補正予算を組み政府支出という需要を創出して劇的に変化した。

日本では経済循環における需要の注入と漏出を考える必要がある。注入には投資(設備投資や住宅投資など)、政府支出(公共投資を含む)、年金給付、輸出などがある。一方、漏出には貯蓄、税金、社会保険料、輸入などがある。

需要でも注入が漏出より大きければ経済は拡大し、反対に注入が漏出より小さければ経済は停滞に向かって均衡する(マイナス成長)。

13年度のアベノミクスの一年目は、真水で10.5兆円の補正予算に見られるように経済循環において需要の注入が大きかった。また異次元の金融緩和など(金融緩和だけでなく経常収支の赤字)による円安の経済効果もある程度あった。円安の効果としては輸出増・輸入減、株価上昇による所得効果による消費増が考えられる。

14年度のアベノミクスの2年目から一転して財政は緊縮型に大転換した。

補正予算は前年度から5兆円も減額された。これは注入の大幅減少である。また消費税率が5%から8%に引上げられ、8兆円の所得(購買力)が消費者から国・地方自治体に移転した。この8兆円は経済循環からの漏出になる。したがって14年度は注入が5兆円減り、漏出が8兆円増えた。

14年度中に大型の第二次補正予算を組むこともなくなく15年度もそのような気配は全くなかった。これではアベノミクスが頓挫するのも当たり前である。

安倍政権も財政再建派の罠に堕ち、消費税増税を行ってしまったからだ。
消費税増税を行う必要などないどころか、消費税増税は日本のデフレ脱却を妨げる要因である。

デフレを脱却したいのであれば消費税引き下げ、消費税減税である。
そもそも
 国際通貨基金(IMF)は「対日4条協議」を終え、構造改革や段階的な消費増税を提言した。仮にIMFの提言どおりに政策を実行すると日本経済はどうなるのだろうか。

IMFは通常年1回、専門家でつくる代表団を各国に派遣、各国の政府や中央銀行などと話し合い、経済運営のモニタリングの一環として声明を出す。これはIMF協定4条に基づくため「4条協議による声明」と呼ばれる。もちろん、各国政府はIMFが声明を公表することに同意している。

筆者も役人時代には、IMFの他にも国際機関が日本に関する報告書を作成する際、協議に加わったことがある。その場合、国際機関の報告書という体裁を取っているものの、実質的には日本政府の主張である。よくいえば、日本政府と国際機関の共同作業である。いずれにしても、日本政府、特に財務省の意向に反するものが書かれることはまずない。

日本はIMFに対する第2位の出資国なので、IMFのナンバー2である4人の副専務理事ポストの1つを確保している。このポストは歴代、財務省財務官の天下りポストだ。そのほかにも、日本はIMFの理事ポストを持っており、これも財務省からの出向者だ。

こうした事情から、IMFの意見には、財務省の意向が入りやすい。実際にIMFは「消費増税しても景気への悪化はなく、消費増税を行うべきだ」との提言をこれまで何回も出してきている。

安倍晋三政権は8%への消費増税を行い、手痛い目にあった。「消費増税による影響はない」とIMFは言ったが、その通りにはならなかった。ここではIMFを財務省と置き換えてもいいだろう。

その後、安倍政権は10%への再増税を2度も見送った。IMFの提言通りにしていたら、日本経済がとんでもないことになるからだ。

今回の4条協議による声明では、消費増税による悪影響はほとんど言及されていない。このため、消費低迷の原因は不明確で、構造改革や段階的な消費増税を提言しても説得力を欠いている。

もし、まともに分析して、消費増税が消費低迷の原因とわかれば、ベストな処方箋は構造改革や段階的消費増税ではなく、消費減税になるだろう。この意味で、今回の提言も検討に値しないものだ。

そもそも各国がIMFの提言を受けるのは、IMFに資金援助してもらう場合である。日本のように逆に資金提供している国は、IMFの提言など検討する必要すらない。

それでも、日本のマスコミがIMFの提言を重大事のように報じるのは、これまでの本コラムで書いたように、通常英語で行う国際機関への取材が日本語で行えるからだろう。IMF理事室のスタッフは財務省からの出向職員がいて、そこでの取材は日本語でできるので、日本のマスコミにとってIMFの記事は書きやすい。これがIMFに関する記事が財務省風味になる理由でもある。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)





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ようやく、安倍晋三首相が消費税10%への増税を再延期すると表明した。

判断が遅すぎた。デフレ脱却を実現するうえで、景気回復が遅れる中での増税実施は困難なのは当たり前すぎて、その判断自体は現実的かつ妥当なものといえよう。

 社会保障財源に充てる消費税の増税延期はこれで2度目である。最初の延期に際し、首相は再延期はないと断言してしまっているのがもんだいだった。重大な政策変更について、国民に丁寧な説明を尽くすことが欠かせない。以下が会見内容である。

安倍首相、消費増税の再延期表明 記者会見要旨
【ロイター】2016年 06月 1日 19:57 JST

[東京 1日 ロイター] - 安倍晋三首相は1日夕の記者会見で、2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを2年半延期することを正式に表明した。首相の冒頭発言の要旨は以下の通り。

<冒頭発言>

足元では新興国や途上国の経済が落ち込んでおり、世界経済が大きなリスクに直面している。こうした認識を、先般、伊勢志摩サミットに集まった世界のリーダーたちと共有した。

先般の熊本地震では、熊本や大分の観光業や農業、製造業など、九州の広い範囲にわたって経済や暮らしが打撃を受けている。これらが日本経済にとって新たな下振れリスクとなっている。最悪の場合、再びデフレの長いトンネルへと逆戻りするリスクがある。今こそアベノミクスのエンジンを最大に吹かし、こうしたリスクを振り払い、一気呵成に抜け出すためには、脱出速度を最大限まで上げなければならない。

アベノミクスをもっと加速するのか、それとも後戻りするのか。これが来る参院選の最大の争点だ。伊勢志摩で取りまとめた合意を議長国として率先して実行に移す決意である。アベノミクス3本の矢をもう一度力いっぱい放つため、総合的かつ大胆な経済対策をこの秋、講じる考えだ。

G7で協力し、世界的な需要を強化するため、将来の成長に資する分野で大胆に投資を進める。人工知能、ロボット、世界に先駆けた技術革新を日本から起こす。しっかりと内需を支える経済対策を行う考えだ。

そのうえで、来年4月に予定される消費税率の10%への引き上げについて、お話しする。1年半前の総選挙で、私は来年4月からの消費税率引き上げに向けて、必要な経済状況を作り上げると約束した。そしてアベノミクスを強力に推し進めてきた。現在、有効求人倍率は、24年ぶりの高い水準となっている。

リーマン・ショック以来、減少の一途をたどっていた正規雇用は昨年、8年ぶりに増加に転じ、26万人増えた。この春の高校生の就職率は24年ぶりの高さである。大学生の就職率は過去最高となった。

雇用を作り、そして所得を増やす。まだまだ道半ばではあるが、アベノミクスは順調にその結果を出している。

しかし世界経済は、この1年余りの間に想像を超えるスピードで変化し、不透明感を増している。最大の懸念は、中国など新興国経済に陰りが見えること。リーマン・ショックの時に匹敵するレベルで、原油などの商品価格が下落し、さらに投資が落ち込んだことで、新興国や途上国の経済が大きく傷ついている。これは世界経済が成長のエンジンを失いかねないということであり、世界的な需要の低迷、成長の減速が懸念される。世界の経済の専門家が今、警鐘を鳴らしているのはまさにこの点である。

これまで7回にわたって「国際金融経済分析会合」を開催し、ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ教授やクルーグマン教授をはじめ、米国や欧州、アジアの経済の専門家から直接意見をうかがってきた。その専門家の多くが、世界的な需要低迷によって今年そして来年、さらなる景気悪化を見込んでいる。

こうした世界経済が直面するリスクについて、G7のリーダーたちと伊勢志摩サミットで率直に話し合った。その結果、新たに危機に陥ることを回避するため、適宜にすべての政策対応を行うことで合意し、首脳宣言に明記された。

私たちが現在直面しているリスクは、リーマン・ショックのような金融不安とは全く異なる。しかし、私たちはあの経験から学ばなければならない。2009年、日本経済はマイナス成長となったが、その前年の08年時点ではIMFも4%近いプラス成長を予測するなど、リスクは十分に認識されていなかった。

プラス4%の成長予測が一気にマイナス成長になってしまう。これが、リスクが現実のものとなった時の危機の恐ろしさだ。私は世界経済の将来を決して悲観しているわけではない。しかし、リスクには備えなければならない。今そこにあるリスクを正しく認識し、危機に陥ることを回避するため、しっかり手を打つべきだと考える。

そうした中で、内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきであると、そう判断した。

いつまで延期するかについてお話しする。中国などにおいては、過剰設備や不良債権の問題など、構造的課題への対応の遅れが指摘されており、新興国経済の回復には時間がかかる可能性がある。そうした中で、世界的な需要の低迷が長期化することも懸念されることから、できるかぎり長く延期すべきとも考えた。

しかし私は財政再建の旗を降ろさない。我が国への国際的な信認を確保しなければならない。そして、社会保障を次世代に引き渡していく責任を果たす。安倍内閣のこうした立場は揺るぎないものである。20年度の財政健全化目標はしっかり堅持する。そのため、ぎりぎりのタイミングである19年10月には消費税率を10%へ引き上げることとし、30カ月延期することとする。その際に軽減税率を導入する。

3年間のアベノミクスによって、国・地方合わせて税収は21兆円増えた。その2年半の延期によって、その間にアベノミクスをもう一段加速する。そのことで、更なる税収アップを確保し、20年度のプライマリーバランスの黒字化を目指す考えである。

1年半前、衆院を解散するに当たって、まさにこの場所で私は消費税率の10%への引き上げについて、再び延期することはないとはっきりと断言した。リーマン・ショック級や大震災のような事態が発生しない限り、予定通り来年4月から10%に引き上げると繰り返し約束してきた。

世界経済は、今、大きなリスクに直面している。しかし、率直に申し上げて、現時点でリーマン・ショック級の事態は発生していない。それが事実である。熊本地震を大震災級だとして再延期の理由にするつもりももちろんない。

今回再延期するという私の判断は、これまでの約束とは異なる新しい判断である。公約違反ではないか、との批判があることも真摯に受け止めている。国民生活に大きな影響を与える税制において、これまで約束してきたことと異なる判断を行うのであれば、まさに税制こそ民主主義であり、そうであるからこそ、まず国民の皆様の審判を仰いでから実行すべきである。信なくば立たず。国民の信頼と協力なくして政治は成り立たない。新しい判断について、国政選挙であるこの参院選を通して国民の信を問いたいと思う。国民の信を問う以上、目指すのは連立与党で改選議席の過半数の獲得である。

世界経済がリスクに直面する今、ロケットが大気圏から脱出する時のように、アベノミクスのエンジンを最大限に吹かさなければならない。デフレからの脱出速度をさらに上げていかなければならない。そのためには、もう一度、国民の皆様の力が必要だ。国民の皆様のご理解とご支持をお願いする。
景気が低迷しているのは安倍政権の失政といえば失政だ、消費税を5%から8%上げたことだ、それを10%にすべきではない、どうせ上げないのならあと半年前、できたら2014年末の衆議院選挙の時に期限を決めるべきではなかった、そのことに尽きる。いやあの時に、延期ではなく、再検討とするべきだった。
 安倍晋三首相が消費税増税再延期の方針を固めたことで、低迷する個人消費がさらに冷え込み、景気が腰折れする不安は当面回避された。ただ、中国経済の失速を背景に金融市場が混乱するなど、日本経済を取り巻く環境は予断を許さない。政府は次の増税時期となる平成31年10月に向け、デフレ脱却の道筋を確実にし、不透明な環境下でも増税に耐えうる経済の体力作りを進めることが求められる。

 民間シンクタンクは、29年4月に予定されていた増税の延期により、28年度の実質国内総生産(GDP)成長率が従来予想より下方修正される一方、29年度は上方修正されるとみる。増税前の駆け込み需要が消えるが、増税後の反動減がなくなるからだ。

 大和総研は28年度は0・3ポイント押し下げられ、29年度は0・7ポイント押し上げられると試算。増税延期は「短期的には景気にプラス」(熊谷亮丸チーフエコノミスト)とする。

 足元では個人消費の低迷が予想以上に長引く。26年4月の消費税増税後、節約志向が強まった上、海外経済の減速で株安が進み「消費意欲が一段と冷えた」(内閣府幹部)からだ。

 海外などの動向が31年10月にどの程度好転しているか予測するのは難しい。市場では内需を強化し、外部環境に左右されない強固な経済を作って、増税に備えるべきだとの声が上がる。

 SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「企業の賃上げ」などにより、消費意欲の向上につなげるべきだと主張する。市場ではこのほか、成長戦略を進めて企業投資を拡大するほか、社会保障制度改革を通じて若者の将来不安をなくし、消費につなげるべきだなどの意見もある。

 国内経済に関しては、東京五輪前の特需への期待もある。ただ、プラス効果は現時点で正確に見通しにくい。経済の強化に失敗し再び増税延期に追い込まれる事態になれば、日本財政への信認も失われかねない。
マスコミや野党がアベノミクス失敗と大合唱して増税延期は当たり前すぎる政策であるのに、今度は財政をどうするんだと言って増税しなければ首相に不信任案を突き付ける・・・マスコミや野党のどうしようもない馬鹿さ加減に呆れかえってしまう。

仮に安倍首相が消費税増税に積極的で、消費税増税を推し進めたならば、マスコミや野党は消費税増税大反対の論陣を張ったに違いない。野党やマスコミはその程度の脳味噌しか持っていない。

過去の消費増税を主張していた財務省や日本の経済学者やエコノミストは、「消費増税しても景気は悪くならない」と言ってきた。だが、実際彼らの予想は大外れではないか!そういうエコノミストの話を私は信用しない。日本の増税派の経済学者やエコノミストは信用されていない。だが、不思議なのは、予測を外し信頼を失った人たちをマスコミが使い続けている。

需要が伸びず景気が低迷しているのは就労人口の減少が響いている。消費税は総需要を増加させるものではないので、引き上げるのは今のタイミングは適切ではない。

先進国の経済がいずれも弱い内需などの問題に直面して日本化(デフレ化)している。 英国のEU離脱は無いと思うが、ユーロ圏は不況と物価上昇が同時に起こるスタグフレーションが続いている。中国は政策が安定せず高成長を支えられない。
資本流出による人民元安も深刻化している。中国経済はある日突然崩壊しかねない、消費税増税で日本経済が失速すれば、中国経済崩壊も誘発しかねない。日本のデフレ脱却が、伝統的な政策手法では難しくなっているが、日銀のマイナス金利政策は私は反対だ!効果が限られ万能薬でない。、積極的な財政出動をして、今後2~3年は財政収支を気にしないで景気の回復に努めるべきだ。

長期戦略を進めて企業投資を拡大するほか、社会保障制度改革を通じて若者の将来不安をなくし、消費につなげるべきだ。東京五輪前の特需への期待はもはや萎み始めている。金融緩和をしてるときに増税という金融引き締め的なことをすると、経済がおかしくなる。財政再建派が財政出動を邪魔している間は・・・・ため息がでてしまう。


執筆中



















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2050年の日本は、総人口が1億5000万、経済成長率が4.5%、高度技術と医療などで世界に冠たる「21世紀の新型超大国」になっている。日本語と英語のバイリンガル国家であり、安全保障面でも役割を拡大して、米国だけでなくインドやオーストラリアとも同盟関係を結んでいる――。

 日本の35年後をこんなふうに予測した書が11月に米国で発行された。

 日本が、世界が羨み尊敬する立派な大国になるとするバラ色のシナリオである。書籍の筆者がかつて日本叩きで有名だった専門家であるという点も含めて、意外性のある内容に米国で関心が集まりつつある。

かつて「日本異質論」を唱えたプレストウィッツ氏

 米国大手紙のワシントン・ポストは12月18日の書評欄でクライド・プレストウィッツ氏の著書『日本復興』を詳しく紹介した。2015年11月に出版された同書は「いかに日本は自国を再興するのか、そしてなぜそれが米国や世界にとって重要なのか」という副題がついていた。

 著者のプレストウィッツ氏はワシントンのシンクタンク「経済戦略研究所」の創設者で、現在も所長を務める。1980年代のレーガン政権では商務長官顧問として、自動車や半導体に関する日本との一連の貿易交渉の実務責任者となり、その強硬な交渉ぶりから「タフネゴシエーター」と呼ばれた。

 また、日本の国家のあり方が、自由な市場経済の形をとりながら実際には官民が一体となった異端のシステムだと主張して、「日本異質論者」とも評された。米国の日本に対する見方を大きく変えようとした点で「修正主義者(リビジョニスト」とも呼ばれた。当時、カリフォルニア大学のチャルマーズ・ジョンソン教授や雑誌『アトランティック』編集者のジェームズ・ファローズ氏らとともに「リビジョニスト4人組」と称されたこともあった。

 退官後は自ら開設した経済戦略研究所を拠点に、日米関係や日本についての研究や著述、ロビー活動などを続けてきた。著書の『日米逆転』『ならず者国家アメリカ』などは日米両国で話題を呼んだ。

「21世紀の新型超大国」になっている2050年の日本

 そのプレストウィッツ氏の最新書『日本復興』は、まず2015年時点で、経済の停滞、出生率の低下、財政赤字の増大、中韓両国からの攻勢などで日本の衰退が著しいことを報告する。このまま日本の指導層が無策のままであれば、日本は経済大国の地位はおろか、主要国としての影響力も失ってしまうと警告する。

 だが、適切な政策さえとれば、日本は世界で傑出した「21世紀の新型超大国」になると明言していた。そうして勢いを取り戻した2050年の日本の姿を同書は次のように描いていた。

・出生率が2.3%、平均寿命は95歳となり、総人口は1億5000万を越える。アルツハイマー病や認知症が劇的に減り、健康な高齢者が大幅に増える。

・経済は毎年4.5%以上の成長率を保ち、GDP(国内総生産)は米国に追いつき、世界一になりつつある。中国のGDPの2倍近い規模となる。

・電子機器、電気通信機器、情報技術(IT)、ソフトウエアなどで世界をリードする。ロボットや航空機の製造でも他国を引き離す。

・医学と医薬品、医療機具の発展で世界トップの地位を保つ。とくに医療は全世界から高所得の患者を引きつけるようになる。

・女性の社会での活躍が目覚ましく、大企業の役員の半数近くを占めるようになる。同時に教育や技能の水準が高い移民の受け入れで、企業の経営陣も外国人が増す。

・英語の利用が飛躍的に広がり、英語教育の徹底と相乗して、日本語と英語のバイリンガルに近い国となる。

・日本のビジネススクールや医科大学が国際的な人気を集め、海外からの留学生や研修生が飛躍的に増加する。

 さらに『日本復興』は、2050年の日本の安全保障についても以下のように大胆に予測していた。

・日本はまず憲法解釈によって憲法9条の規制を緩和し、「普通の国」として軍事力を整備し、強化していく。

・やがて日本は憲法を改正し、防衛費はGDPの3%の水準を保ちながら、核兵器や弾道ミサイルも保有するようになる。それを進める大きな要因となったのが、中国の日本に対する軍事的な恫喝である。

・米国とだけ結んでいた同盟関係をインドやオーストラリア、フィリピン、インドネシア、韓国との集団同盟へと広げていく。背景には米国の力の衰退がある。

 プレストウィッツ氏の以上の予測に従うと、2050年の日本はあらゆる面で世界各国から畏敬され、協力相手になることを求められる枢要の存在になる。まさに「21世紀の新型超大国」として君臨しているというわけだ。

クリアしなければならないいくつもの前提条件

 ただし重要なのは、日本がそのシナリオを実現するために満たさなければならない前提条件がいくつもあるということだ。

 例えば、政府規制の緩和や撤廃に始まり、大企業と中小企業の格差の撤廃、農協制度の廃止、政府の技術革新政策の大変革、雇用システムの改革などである。この種の根本的な変革を実現しない限り、2050年の夢は実現しない、ということだ。

 ワシントン・ポストの書評は、未来予測の若手専門家アリ・ワイン氏によるものだった。ワイン氏は本書の読み方は少なくとも2つあると指摘する。

 1つは、同書の予測にどの程度の根拠があるのかを考える点だという。この点についてワイン氏は、「読者の多くはおそらく日本が2050年に大成功しているという予測は受け入れないだろう」と総括していた。

 第2の読み方は、この書を日本への勇気づけ、つまり激励のように受け取ることだという。プレストウィッツ氏は日本が現在のままだと衰退の一途をたどるという危機認識から日本への励ましとしてこの本を書いたのだろうというわけだ。

 しかしその指摘については、かつて「日本叩き」で知られた筆者が今なぜあえて日本の衰退をそこまで心配するのか、という疑問が生じる。

 『日本復興』の最後の部分には、その疑問への答えとなる文章が次のように記していた。

「日本が本書で描いたような、経済的に強大で、軍事的にも力強く、民主的な国家として国際的な役割を果たすことは、米国の利益にも大いに合致するのだ」

 つまり、プレストウィッツ氏によると、日本がこのまま衰退していけば米国も困る、ということなのだろう。
夢のような話だが、残念ながら日本がこのようになるとは思えない。今の日本の世論は大きく二つに分かれていると思う。そして日々溝が深まっている。ひとつのグループが私のような東京裁判史観から覚醒した保守・改憲派と、東京裁判史観に洗脳より覚醒していない護憲・守旧派の左翼達だ。日本人の半分弱は、護憲派で安倍内閣不支持、反安保法制、反原発、反米親中韓の愚かな日本人達が少なからず存在する。

Sealsのようなゆとり教育の弊害を受けた若者と60代の全共闘世代がいる限り。憲法改正がそう簡単に出来るとは思えない。

私は保守派を自認しているが、核兵器の保有は賛成しかねる。移民に関しても現状では難しい。

第一日本人がバイリンガルになるなんて無理な話だ。これだけ日本にはコンテンツが揃っているのだから、日本語だけで十分楽しめるので、むしろ世界が日本語を学ぶだろうと思っている。

しかも、今どきは自動翻訳が当たり前になってきて、スマホで自動翻訳が可能となってきていて2020年のオリンピックまでには相当進歩していると思う。

日本はいまだに、イノベーションという点では世界的先進国ある。研究開発費を国内総生産比で見てみると、GDPのうち、約3.75%が研究開発費に投資され日本は他の国を圧倒的に上回っている。総務省統計局

失われた20年間、企業が投資をし続けていた。スマホの外面は米国製や韓国製であっても中身は日本製であり、アップルやサムソンのスマホの50%以上は日本企業によって製造されている。そしてそれは、日本企業しか生産できないようなオンリーワンの技術である。

更に日本には航空宇宙産業が勃興しそうである。民間事業者による宇宙ビジネスへの参入促進に向けて検討する関連2法案が来年成立する予定だ。いよいよ民間市場よりで商業ベースで受注し始めたH-2ロケットイプシロンロケット日本のロケット宇宙産業が勃興しそうである。日本のこうのとりがISSの危機的状況を救い、イプシロンロケットも強化型が開発中である。


2015年は日本航空機元年と呼ばれ、ホンダジェットがFAAの型式証明を取得し1号機が米国人顧客に納入され、約50年ぶりとなる国産機MRJが初飛行、F-3将来戦闘機・・・航空産業は日本のこれからの有望成長産業である。現在でも米ボーイングの最新機「B787」は日本企業が機体の35%、エンジンの15%を供給している。航空機は耐久性や軽量化を競う先端技術が結集しており「MRJ」は自動車の100倍に当たる約300万点もの部品から成り裾野産業への波及効果は大きい。

もしかしたら「明日なき国」そう思っているのは日本人だけかもしれない。
優良外資企業が日本に殺到している。
TPPの妥結は日本と米国を中心にメキシコや南米を含む環太平洋地域が、欧州中国といった地政学的大陸国家と対峙して成長する大きな経済的メリットがある。

日本には、十分な知的財産権を持っていて、TPPにおいて競争する準備がもう出来ているという状態です。

あれ?プレストウィッツ氏の意見は空想的でちょっと突拍子もないと思っていたが、意外に結果達成できるかもしれない気がしてきた・・・・不思議だ。

そして、世間的には、あまり安倍首相の打ち出した1億総活躍政策を評価していない空気が流れているが、もし、1億総活躍社会が実現した場合プレストウィッツ氏の予測もまんざらではなくなる。1億総活躍政策を肯定的に評価しているのが木野内栄治氏だ。
[東京 18日] - 2016年は消費増税を前に株は天井との見方が多いだろう。しかし、筆者は1億総活躍政策が軌道に乗り、新たな金融政策が講じられ、日本経済や日本株がイノベーションを夢見ることができる真の長期上昇過程に入る転換点だと考えている。

16年末に日経平均株価は2万8000円をトライしてもおかしくないと計算している。

<名目GDP600兆円は夢ではない>

確かに、これまでのアベノミクスの主な目的は物価下落の阻止や需給ギャップの解消で、これらはほぼ達成された。現在の失業率は3.1%(10月)と生産能力向上の余地は少ない。よって、従来のアベノミクスは役割を終え、16年は旺盛な公共投資も効果的な金融緩和も行われず、企業業績の増益率が鈍化するとの見方を理解はできる。特に量的金融緩和に関しては現状の延長は限界を迎えつつある。

こうした前提で考えると、16年の株価の上昇は、春か最長でも参議院選挙(7月頃)までで、日経平均は最大2万3000円を上限とする短期的な上昇相場を想定することになろう。

日経平均のチャート上のフシは1996年の2万2666円で、16年度の経常増益率の1桁後半を15年の高値に掛け合わせても2万3000円まで届かない。消費増税後の景気悪化への警戒から16年後半から調整が始まり、黒田東彦日銀総裁、安倍晋三自民党総裁の後任が決まる18年まで経済や相場は動かないとの見方になろう。

しかし、それは1億総活躍政策の意味と実現性を見誤った見通しだと思う。16年に女性活躍の定着が見通せる可能性は高い。日本経済の供給能力や成長率は上昇が見込め、数年後には自動運転車やそれに先立つロボットの普及などイノベーションが花開く可能性は高い。

中でも
自動車について、17年央から強化される米カリフォルニア州の規制や、その後の世界中での厳しい規制を前に、16年にはプラグインハイブリッド車の販売が加速する見込みだ。単なるハイブリッド車と比べて電池の搭載量が桁違いに増えるので、電池の技術革新の進展が期待できる。

高性能電池の利用価値・波及効果は大きい。トヨタグループの創始者、豊田佐吉は、かつて画期的な電池開発に現在の価値で100億円もの懸賞金を掛けた程だ。現代の「佐吉電池」の開発は無人機ドローンやパワースーツなどを実用的な物にしよう。

さらに、車の自動運転技術や人工知能が進む道筋は見えたが、これらはロボット・テクノロジーの中でも極めて高度。その開発の過程で多くのロボットが利用できるようになる。次の革命的な成長産業はロボット・テクノロジーだろう。そのカギとして電池に注目だ。

さて、こうしたイノベーションが花開くと同時に、人件費は抑えられ物価抑制圧力となる。もう物価上昇や需給ギャップの縮小に狙いを絞ったこれまでの経済政策から、成長の天井を引き上げる政策に変わったのだ。20年頃の名目国内総生産(GDP)600兆円は夢ではない。

まず、ポイントとなる大家族化政策は軌道に乗る可能性が高い。大家族化とは親子孫の3世代が、同居や近居をすることで、女性の社会での活躍と子育て・介護が両立する妙案だ。アンケート結果を見ると、6割程度の人々が親の世代との同居・近居が理想の家族形態と答えており、高齢者の老後資金の使途としても希望に沿う。

16年度後半から住宅取得のための贈与に3000万円まで非課税枠を広げるなど住み替えの政策は手厚い。老後の蓄えの多くを生前贈与することは、同時に老後の面倒も任せるということで、大家族化を促すことになろう。

相続税軽減メリットを得られるため、住宅は消費増税前の駆け込み購入の反動減への不安は少ない。筆者は住宅関連株に注目している。15年は結婚披露宴の単価が上昇し、芸能人の結婚のニュースが多かった。これらは日本全体の婚姻数の先行指標となることが多いので、うまく行けば16年は結婚ブームや、その先の出生率向上の可能性すらある。
http://www.daiwatv.jp/contents/epre/kouen/ondemand/151216/seminer/download/151216_01.pdf

<ドル円は来年末に135円到達も>

労働市場に復帰する人々が増えると人件費や物価が上がっていく可能性が後退するので、新たな金融緩和策が導入されよう。筆者は消費増税1年前の16年4月頃をメドに、短期金利を長期的に低くとどめることと、長期金利の水準にコミットするなどの政策発動を想定している。1940年代に米国でとられた長期金利の釘付け政策の再現だ。需給ギャップを埋めるためのバズーカ砲から、長期的に労働市場に復帰する雇用を吸収する政策に転換する必要がある。

こうした金融緩和によって16年末までに最大1ドル=135円程度のドル高を期待している。円安のデメリットが大きい内需企業も、主に原油安によって景況感が支えられよう。インフレに抵抗感が強い高齢者は大家族化政策で将来の不安感や円安デメリットを相殺しよう。

こうした状況なら中小企業にも恩恵が回ろう。16年度の企業業績は、経常増益率で現在予想されている1桁台後半から、円安によって2桁台前半に引き上がろう。これによって、日経平均は1000円程度の上乗せが期待できる。

新たな金融政策が導入され、1億総活躍政策が軌道に乗るなら、雇用を重視したかつてのイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長のポリシーと同じで、潜在成長率や株価収益率(PER)を引き上げよう。

11―13年は日米のPERはほぼ変わらなかったが、イエレン氏の議長就任後は最大3倍ポイント程度、米国が上回るようになった。同じことが日本で起きれば日経平均は4000円強の上乗せが期待でき、16年末に2万8000円程度が期待できる計算となる。96年高値2万2666円を上抜けると、チャートのフシは2万6000―2万8000円だ。

この予想は、冒頭で指摘したコンセンサスの2万3000円とは意味が全く異なる。2万3000円は前述の通りアベノミクスが需給ギャップを埋めるだけの短期で終わる場合の高値予想水準だ。東証株価指数(TOPIX)も長年のフシである1800ポイント台を上抜けない。なお、過去に1800ポイント水準に達した場面は2000年のゼロ金利解除、06年の量的緩和解除など、今から見れば金融政策は失敗を続けてきた。

TOPIXの1800ポイントや日経平均の2万3000円で上昇場面が終わるなら、将来に禍根を残そう。例えば07年など、円安株高後に日本企業が国内で行った大きな投資は、政策が短期で終わり経営環境が悪化、多くが失敗となった。研究開発費の7割を担う企業の業績を維持しないと技術革新は遠のく。長期間、良好な経営環境を維持することは重要だ。

なお、16年の日本の景気は回復が期待できる。リーマンショック後や東日本大震災後に大量販売されたエコカーの5年目・7年目の車検を迎え、生産活動はペースアップしよう。消費増税前の駆け込みにも期待。中国景気も乗用車を中心に回復しよう。2年サイクルの中で、世界的にハイテク部門の戻りもあろう。

リスクは海外金融市場。人民元切り下げと、米連邦公開市場委員会(FOMC)投票メンバーの交代に注意が必要だ。また、米大統領選挙の年の日本株は、春先堅調でも年終盤に向けて軟調となりやすい。もちろん、日銀が今回の補完策を超える大規模なレジームチェンジ・新たな金融政策を実施すれば、16年末まで堅調だろう。

*木野内栄治氏は、大和証券投資戦略部のチーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト。1988年に大和証券に入社。大和総研などを経て現職。各種アナリストランキングにおいて、2004年から11年連続となる直近まで、市場分析部門などで第1位を獲得。平成24年度高橋亀吉記念賞優秀賞受賞。現在、景気循環学会の理事も務める。
大家族化政策はは盲点だ。・・・ 計算上日本の人口減少が続けば国立社会保障・人口問題研究所の研究では、2048年に1億人を割り、2060年には9000万をも下回って8674万人となる。さらに参考値ながら100年後の2110年には4、286万人になる。ちなみに600年後には日本人は432人しか残らない。

人口減少歯止めは北陸方式の大家族化計画が効果的かもしれない。


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アベノミクスで成功しているインバウンド観光立国は地方を振興する最適な振興策であり、地方に仕事ができれば北陸方式の大家族化も可能かもしれない。

安倍総理の大家族化計画は我々保守側の人間からすると理想的だが、日本の人口減少を食い止めるまで行かないかもしれない。

一方世界人口は爆発的に増え、現在移民を抑制して治安が良い日本は世界的な理想郷に見えてくるかもしれない。

日本国籍を売り出してはどうかと思うのだ・・・中国人に爆買いされては困るので国別にハードルを上げるのだ、中国人の超金持ちだけは特別に許してやろう・・・世界中のセレブが競って日本に住むようになるだろう。

とはいっても、高齢化社会で約70万人の医療従事者、看護師、介護士などが不足するということが言われています。介護の人手不足が問題である。その一方で、フィリピン人の看護師の2%しか看護師の認定試験を合格できない。親日国の外国人に、介護士資格で日本国籍取得のハードルを下げると言う規制緩和も必要だろう。

アベノミックスは失敗したと左翼系の親中国の経済評論家達は吹聴している。
さらに、安倍政権を倒し民主主義を取り戻せとまで叫ぶ。
偏差値が28のSEALDsのお花畑学級の生徒たちが言うなら笑えるのだが、マスコミ経済関係者が言うのだから呆れかえる。

アベノミクスによる円安の効果が実体経済に現れてくるには、時間がかかる。その効果が出てくるのを待たずに、失敗したと言うのは早計過ぎる。

だが、2017年消費増税で経済に水を差せばアベノミクスは失敗する可能性がグッと高くなってしまう。消費増税を中止にすれば、成功確率は高くなるだろう。消費税増税を止めれば、複雑化する軽減税率問題や、軽減税率取得合戦も終わる。

消費税は増税しなくていい。だって高橋洋一先生は日本は「日本の1000兆円の借金は嘘でした」と言っています。
鳥越俊太郎氏もダマされていた
先週26日(土曜日)、大阪朝日放送の番組「正義のミカタ」に出た。大阪のニュース情報番組だが、東京とは違って、自由な面白さがある。そこで、「日本経済の諸悪の根源はZ」というコーナーをやった。Zとは財務省である。

その中で筆者が強調したのは「借金1000兆円のウソ」である。借金が1000兆円もあるので、増税しないと財政破綻になるという、ほとんどのマスコミが信じている財務省の言い分が正しくないと指摘したのだ。

借金1000兆円、国民一人当たりに直すと800万円になる。みなさん、こんな借金を自分の子や孫に背負わせていいのか。借金を返すためには増税が必要だ。……こんなセリフは誰でも聞いたことがあるだろう。財務省が1980年代の頃から、繰り返してきたものだ。

テレビ番組は時間も少ないので、簡単に話した。「借金1000兆円というが、政府内にある資産を考慮すれば500兆円。政府の関係会社も考慮して連結してみると200兆円になる。これは先進国と比較してもたいした数字ではない」

これに対して、番組内で、ゲストの鳥越俊太郎さんから、「資産といっても処分できないものばかりでしょう」と反論があった。それに対して、多くの資産は金融資産なので換金できる、といった。

筆者がこう言うのを財務省も知っているので、財務省は多くのテレビ関係者に対して、「資産は売れないものばかり」というレクをしている。鳥越さんも直接レクされたかがどうかは定かでないが、財務省の反論を言ってきたのには笑ってしまった。

番組が昼にかかり15分くらいの休憩があった。そのとき、鳥越さんから、「金融資産とは何ですか」と筆者に聞いてきた。「政策投資銀行(旧日本開発銀行)やUR都市機構(旧住都公団)などの特殊法人、独立行政法人に対する貸付金、出資金です」と答えた。それに対して「それらを回収したらどうなるの」とさらに聞かれたので、「民営化か廃止すれば回収ということになるが、それらへの天下りができなくなる」と答えた。

このやりとりを聞いていた他の出演者は、CM中のほうがためになる話が多いといっていた。実際に、番組中で言うつもりだったが、時間の都合でカットせざるを得なくなった部分だ。

借金1000兆円。これは二つの観点から間違っている。

バランスシートの左側を見てみれば…
第一に、バランスシートの右側の負債しか言っていない。今から20年近く前に、財政投融資のALM(資産負債管理)を行うために、国のバランスシートを作る必要があった。当時、主計局から余計なことをするなと言われながらも、私は財政投融資が抱えていた巨額の金利リスクを解消するために、国のバランスシートを初めて作った。

財政が危ういという、当時の大蔵省の主張はウソだったことはすぐにわかった。ただし、現役の大蔵官僚であったので、対外的に言うことはなかった。

筆者の作った国のバランスシートは、大蔵省だからか「お蔵入り」になったが、世界の趨勢から、その5年くらい後から試案として、10年くらい後から正式版として、財務省も公表せざるを得なくなった。今年3月に、2013年度版国の財務書類が公表されている(http://www.mof.go.jp/budget/report/public_finance_fact_sheet/fy2013/national/hy2013_gassan.pdf)。

その2013年度末の国のバランスシートを見ると、資産は総計653兆円。そのうち、現預金19兆円、有価証券129兆円、貸付金138兆円、出資66兆円、計352兆円が比較的換金可能な金融資産である。そのほかに、有形固定資産178兆円、運用寄託金105兆円、その他18兆円。

負債は1143兆円。その内訳は、公債856兆円、政府短期証券102兆円、借入金28兆円、これらがいわゆる国の借金で計976兆円。運用寄託金の見合い負債である公的年金預り金112兆円、その他45兆円。ネット国債(負債の総額から資産を引いた額。つまり、1143兆円-653兆円)は490兆円を占める。

先進国と比較して、日本政府のバランスシートの特徴を言えば、政府資産が巨額なことだ。政府資産額としては世界一である。政府資産の中身についても、比較的換金可能な金融資産の割合がきわめて大きいのが特徴的だ。

なお、貸付金や出資金の明細は、国の財務書類に詳しく記されているが、そこが各省の天下り先になっている。実は、財務省所管の貸付先は他省庁に比べて突出して多い。このため、財務省は各省庁の所管法人にも天下れるので、天下りの範囲は他省庁より広い。要するに、「カネを付けるから天下りもよろしく」ということだ。

財政再建は、実は完了している?
第二の問題点は、政府内の子会社を連結していないことだ。筆者がバランスシートを作成した当時から、単体ベースと連結ベースのものを作っていた。現在も、2013年度版連結財務書類として公表されている(http://www.mof.go.jp/budget/report/public_finance_fact_sheet/fy2013/national/hy2013_renketsu.pdf)。

それを見ると、ネット国債は451兆円となっている。単体ベースの490兆円よりは少なくなっている。

ただし、この連結ベースには大きな欠陥がある。日銀が含まれていないのだ。日銀への出資比率は5割を超え、様々な監督権限もあるので、まぎれもなく、日銀は政府の子会社である。

経済学でも、日銀と政府は「広い意味の政府」とまとめて一体のものとして分析している。これを統合政府というが、会計的な観点から言えば、日銀を連結対象としない理由はない。筆者は、日銀を連結対象から除いた理由は知らないが、連結対象として含めた場合のバランスシート作ることはできる。

2013年度末の日銀のバランスシートを見ると、資産は総計241兆円、そのうち国債が198兆円である。負債も241兆円で、そのうち発行銀行券87兆円、当座預金129兆円である。

そこで、日銀も含めた連結ベースでは、ネット国債は253兆円である(2014.3.31末)。

直近ではどうなるだろうか。直近の日銀の営業毎旬報告(https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2015/ac151220.htm/)を見ると、資産として国債328兆円、負債として日銀券96兆円、当座預金248兆円となっている。

直近の政府のバランスシートがわからないので、正確にはいえないが、あえて概数でいえば、日銀も含めた連結ベースのネット国債は150~200兆円程度であろう。そのまま行くと、近い将来には、ネット国債はゼロに近くなるだろう。それに加えて、市中の国債は少なく、資産の裏付けのあるものばかりになるので、ある意味で財政再建が完了したともいえるのだ。

ここで、「日銀券や当座預金も債務だ」という反論が出てくる。これはもちろん債務であるが、国債と比べてほぼ無利子である。しかも償還期限もない。この点は国債と違って、広い意味の政府の負担を考える際に重要である。

滑稽すぎる 「日本の財政は破綻する」論
このようにバランスシートで見ると、日銀の量的緩和の意味がはっきりする。

政府と日銀の連結バランスシートを見ると、資産側は変化なし、負債側は国債減、日銀券(当座預金を含む)増となる。つまり、量的緩和は、政府と日銀を統合政府で見たとき、負債構成の変化であり、有利子の国債から無利子の日銀券への転換ということだ。

このため、毎年転換分の利子相当の差益が発生する(これをシニョレッジ〔通貨発行益〕という。毎年の差益を現在価値で合算すると量的緩和額になる)。

また、政府からの日銀への利払いはただちに納付金となるので、政府にとって日銀保有分の国債は債務でないのも同然になる。これで、連結ベースの国債額は減少するわけだ。

量的緩和が、政府と日銀の連結バランスシートにおける負債構成の変化で、シニョレッジを稼げるメリットがある。と同時にデメリットもある。それはシニョレッジを大きくすればするほど、インフレになるということだ。だから、デフレの時にはシニョレッジを増やせるが、インフレの時には限界がある。

その限界を決めるのがインフレ目標である。インフレ目標の範囲内であればデメリットはないが、超えるとデメリットになる。

幸いなことに、今のところ、デメリットはなく、実質的な国債が減少している状態だ。

こう考えてみると、財務省が借金1000兆円と言い、「だから消費増税が必要」と国民に迫るのは、前提が間違っているので暴力的な脅しでしかない。実質的に借金は150~200兆円程度、GDP比で30~40%程度だろう。

ちなみに、アメリカ、イギリスで、中央銀行と連結したネット国債をGDP比でみよう。アメリカで80%、65%、イギリスは80%、60%程度である。これを見ると、日本の財政問題が大変ですぐにでも破綻するという意見の滑稽さがわかるだろう。

以上は、バランスシートというストックから見た財政状況であるが、フローから見ても、日本の財政状況はそれほど心配することはないというデータもある。

本コラムの読者であれば、筆者が名目経済成長でプライマリー収支を改善でき、名目経済成長を高めるのはそれほど難しくない、財政再建には増税ではなく経済成長が必要と書いてきたことを覚えているだろう。

その実践として、小泉・第一安倍政権で、増税はしなかったが、プライマリー収支がほぼゼロとなって財政再建できた。これは、増税を主張する財務省にとって触れられたくない事実である。実際、マスコミは財務省の言いなりなので、この事実を指摘する人はまずいない。

さらに、来2016年度の国債発行計画を見ると、新規に市中に出回る国債はほぼなくなることがわかる。これは、財政再建ができた状況とほぼ同じ状況だ。こうした状態で、少しでも国債が市中に出たらどうなるのか。金融機関も一定量の国債投資が必要なので、出回った国債は瞬間蒸発する。つまり、とても国債暴落という状況にならないということだ。

何しろ市中に出回る国債がほとんどないので、「日本の財政が大変なので財政破綻、国債暴落」と言い続けてきた、デタラメな元ディーラー評論家(元というのは使い物にならなかった人たちということ)には厳しい年になるだろう。

今の国債市場は「品不足」状態
2016年度の国債発行計画(http://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2016/gaiyou151224.pdf)を見ると、総発行額162.2兆円、その内訳は市中消化分152.2兆円、個人向け販売分2兆円、日銀乗換8兆円である。

余談だが、最後の日銀乗換は、多くの識者が禁じ手としている「日銀引受」である。筆者が役人時代、この国債発行計画を担当していたときにもあったし、今でもある。これは、日銀の保有長期国債の償還分40兆円程度(短国を含めれば80兆円程度)まで引受可能であるが、市中枠が減少するため、民間金融機関が国債を欲しいとして、日銀乗換分を少なめにしているはずだ。

要するに、今の国債市場は、国債の品不足なのだ。カレンダーベース市中発行額は147兆円であるが、短国25兆円を除くと、122兆円しかない。ここで、日銀の買いオペは新規80兆円、償還分40兆円なので、合計で120兆円。となると、市中消化分は、最終的にはほぼ日銀が買い尽くすことになる。

民間金融機関は、国債投資から貸付に向かわざるを得ない。これは日本経済にとっては望ましいことだ。と同時に、市中には実質的に国債が出回らないので、これは財政再建ができたのと同じ効果になる。日銀が国債を保有した場合、その利払いは直ちに政府の納付金となって財政負担なしになる。償還も乗換をすればいいので、償還負担もない。それが、政府と日銀を連結してみれば、国債はないに等しいというわけだ。

こういう状態で国債金利はどうなるだろうか。市中に出回れば瞬間蒸発状態で、国債暴落なんてあり得ない。なにしろ必ず日銀が買うのだから。

こうした見方から見れば、2016年度予算(http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2016/seifuan28/01.pdf)の国債費23.6兆円の計上には笑えてしまう。23.6兆円は、債務償還費13.7兆円、利払費9.9兆円に分けられる。

諸外国では減債基金は存在しない。借金するのに、その償還のために基金を設けてさらに借金するのは不合理だからだ。なので、先進国では債務償還費は計上しない。この分は、国債発行額を膨らせるだけで無意味となり、償還分は借換債を発行すればいいからだ。

利払費9.9兆円で、その積算金利は1.6%という。市中分がほぼなく国債は品不足なのに、そんなに高い金利になるはずない。実は、この高い積算金利は、予算の空積(架空計上)であり、年度の後半になると、そんなに金利が高くならないので、不用が出る。それを補正予算の財源にするのだ。

マスコミはいつまで財務省のポチでいるのか
このような空積は過去から行われていたが、その分、国債発行額を膨らませるので、財政危機を煽りたい財務省にとって好都合なのだ。債務償還費と利払費の空積で、国債発行額は15兆円程度過大になっている。

こうしたからくりは、予算資料をもらって、それを記事にするので手一杯のマスコミには決してわからないだろうから、今コラムで書いておく。

いずれにしても、政府と日銀を連結したバランスシートというストック面、来年度の国債発行計画から見たフロー面で、ともに日本の財政は、財務省やそのポチになっているマスコミ・学者が言うほどには悪くないことがわかるだろう。

にもかかわらず、日本の財政は大変だ、財政再建が急務、それには増税というワンパターンの報道ばかりである。軽減税率のアメをもらったからといって、財務省のポチになるのはもうやめにしてほしい。

皆さん、2015年は如何な年だったでしょうか?

2016年は石油下落によるサウジ問題が浮上し、中国韓国経済が一段と悪化すると思われます。

そして欧州は移民難民、テロ、VW問題でどうなることか気が気ではありません。

しかし、日本は明るい未来があると信じたいと思います。

私のブログは、私が知った新たな知識を記憶する装置でもあり、皆さんにも何かしらの知的刺激になるかもしれません。

毎日1000アクセスあったのですがこのところ減りぎみで、少々凹んでおります。
是非ご声援をいただくと励みになります。

今年ヤフーがブログのアクセス分析サービスを始めたのですが、それによると私のブログのアクセスの9割が男性でご婦人のアクセスが極端に少ない。
来年は何とか改善を図りたいと思います。

2015年私のブログを読んでいただいた皆様に深く感謝します。
2016年も何卒よろしくお願いいたします。

















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年内米利上げ観測後退、来年1月確率46%=市場
【ロイター】2015年 09月 25日 00:34 JST 

[ニューヨーク 24日 ロイター] - 24日の米市場で短期金利先物が上昇し、2016年半ば、および2017年初頭に限月を迎えるフェデラルファンド(FF)金利先物が限月としての高値を付けた。

世界経済減速懸念が高まるなか、米連邦準備理事会(FRB)が年内は利上げに踏み切らないのではないかとの観測が出ていることが背景。

CMEグループのフェドウォッチによると、市場が織り込む10月利上げの確率は11%と、前日終盤から変わらず。12月利上げの確率は35%、来年1月の確率は46%となっている。
無難な意見だろう、もはや利上げに進める状況ではなくなっているのだろう。こ世界経済が悪すぎるのである。米国は急ぐ必要がない。

17日に発表されたFOMC声明文を見ると、最近の国際経済金融情勢が経済活動の制約となり、インフレの押し下げ要因になるという従来にない記述が加えられている。世界経済の不調を直視するようになった。だが依然、米国経済は良好だ。4―6月期の国内総生産(GDP)は前期比年率3.7%の強い成長を見せた。失業率は5.1%にまで低下している。

米国が利上げを始めると、世界経済や市場へのストレスになり得る。新興国市場からの資金引き揚げを加速させるかもしれない。リスクスプレッドを拡大させる恐れもある。ドル高を引き起こし、ドルで資金を調達して自国通貨を収入とする債務者の返済を難しくさせ、危機のトリガーを引く可能性もあるかもしれない。

国際金融市場を通じた影響がある。8月下旬の世界的な株価乱高下は、この不安を高めた。海外の不振が米国株の下落を引き起こし、それが逆資産効果となって米国経済にも悪影響を与える。実際、米国の株式市場のボラティリティーは、8月下旬以前の水準に戻っていない。

難民問題で揺れるEUはVWの倫理的な背徳行為で経済の回復が止まる恐れも出てきた。EUの瓦解の可能性が高まりだしている。

そして何よりも中国経済の底がまったく見えない。習近平の初の公式訪問もローマ法王の訪米も国内で宗教弾圧を行う習政権を潰す為わざとぶつけてきたバチカンと米国の連携!これは中国への最後通告に等しい。
[深セン 24日 ロイター] - 中国ではこれまで、旺盛な消費意欲が経済をけん引してきた。ところが、中国経済に陰りが出ていることに加えて、最近の株価急落で消費者心理は急速に悪化。

将来への不安を募らせる中間層がスマートフォンや自動車の買い替えを控えるなど、財布の紐(ひも)を締める動きが顕著になっている。中国の消費手控えが続けば世界経済への影響も避けられない。

中国の政策当局者にとっても頭の痛い問題だ。中国政府は、貿易や政府支出に長年依存してきた経済構造を改め、内需主導側の経済へのリバランスを図っている。政府は、リバランスに伴う輸出の減少分を補う役割を消費に期待するが、想定通りの展開にはならないかもしれない。

中国の国内消費は2015年上期に中国の経済成長率への寄与率が60%に達し、14年通年の51.2%から上昇した。中国政府が目指している経済のリバランスが順調に進んでいることが示された。

しかし、先行指標や企業の報告を見ると、先行きは明るくない。

ANZバンクと調査会社ロイ・モルガンがまとめた中国の消費者信頼感指数は8月、過去最低の水準に低下。また、中国の自動車販売台数は今年、20年ぶりに減少する見通し。消費調査会社ガートナーによると、中国のスマホ販売は第2・四半期、初の減少を記録した。

これが全国的な消費減退のサインだとすれば、影響は中国だけにとどまらない。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は先週、中国経済の鈍化への警戒感が、利上げ見送りの一因だったことを認めた。

国際通貨基金(IMF)は今年の世界の国内総生産(GDP)伸び率を3.3%と予想しているが、経済協力開発機構(OECD)が今月発表した調査によると、中国の需要が急激に減少した場合には、世界の成長率はおよそ0.5%ポイント押し下げられる可能性があるという。

OECDの調査によると、中国の内需の伸びが2年連続で2%ポイント鈍化し、同時に世界の株式市場が10%下落すれば、米GDP伸び率は2年目までに約0.25%ポイント押し下げられる見通し。日本の成長率は0.5%ポイント以上、押し下げられるとしている。

日本の中国への輸出はすでに低迷している。自動車部品の出荷減少などが響き、日本の8月の対中輸出は前年同月比で4.6%減少した。

<外国ブランド打撃>

世界の大手企業の多くは、中国の消費減少の影響を実感している。

独フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)の高級車部門アウディは今月、中国工場の生産を縮小したと発表した。ライバルのBMW(BMWG.DE)でも、中国で生産する「3シリーズ」「5シリーズ」について、生産縮小に踏み切っている。中国経済への懸念を背景に、米アップル(AAPL.O)の株価は7月21日以降、13%下落した。

それでもアップルのクック最高経営責任者(CEO)は、第3・四半期の業績は「心強い内容」だと強調している。しかし他の欧米企業の多くは、中国が厳しい市場になっていることを肌で感じているようだ。

(James Pomfret記者 翻訳:吉川彩 編集:中山陽子)

今年8月と9月に公表された、中国経済関連の一連の統計数字は、現在のこの国の実体経済の深刻さを如実に語っている。

たとえば、中国自動車工業協会が8月11日に公表した数字によると、7月における全国の自動車生産台数は151・8万台で、前年同期比では約11%減、前月比では何と約18%減となった。まさしく地滑り的な落ち込みである。

生産台数激減の最大の理由は販売台数の減少にある。7月の全国自動車販売台数は前年同期比で約7%減、前月比では約17%の減少となった。これはまた、中国全体における個人消費の急速な冷え込みぶりを示している。

消費の冷え込みは自動車市場だけの話ではない。8月20日に米調査会社が発表した、今年4~6月期の中国市場スマートフォン販売台数は、前年同期比で約4%減少、四半期ベースで初めて前年を下回った。

国家工業と情報化部(省)が9月7日に公表した数字によると、全国の移動電話の通話量は今年7月までにすでに連続7カ月間のマイナス成長となったという。

同じ9月7日の国家統計局の発表では、今年上半期において全国のビール消費量は前年同期比で約6%減となって、ここ20年来で初のマイナス成長である。

このように、ビールの消費量からスマートフォンや自動車の販売台数まで、中国の消費市場は急速に縮まっているといえよう。そして、自動車販売台数の激減が直ちに生産台数の激減につながったのと同じように、消費の冷え込みは当然、製造業全体の不況をもたらしている。

英調査会社マークイットが8月21日に発表した同月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は驚きの47・1となった。

PMIというのは好不況の分かれ目の数値で、50以下であれば不況となるが、中国のPMIはこれで6カ月連続で50を割っただけでなく、8月の47・1という数値はリーマン・ショック後の2009年3月以来、約6年半ぶりの低水準、まさに大不況の到来を示す数値であったからだ。

製造業が沈没していれば、それと一蓮托生(いちれんたくしょう)の関係にある金融業も当然、苦境に立たされる。

8月31日に中国国内メディアが伝えたところによると、不良債権の増大・業績不振などが原因で、中国工商銀行などの「中国四大銀行」で「賃下げラッシュ」が始まったという。50%程度の賃下げを断行した銀行もあるというから、金融業の苦しさがよく分かる。

こうした中で、今までは「中国経済の支柱」のひとつとして高度成長を支えてきた不動産開発業も大変な不況に陥っている。

今年上半期、中国全国の「不動産開発用地」の供給面積が、前年同期比で約38%も激減したことは、現在の「不動産不況」の深刻さを示している。莫大(ばくだい)な在庫を抱える多くの開発業者が不動産をそれ以上抱えることをしなくなったので開発用地の供給が大幅に減ったわけである。

実際、2014年1月から今年の8月まで、中国全土の不動産投資の伸び率は連続20カ月間下落している。

また、今年6月中旬から今月中旬まで、上海株が連続的な大暴落を経験したことは周知の通りである。

以上のように、今の中国では、消費・生産・金融、そして不動産や株市場、経済のありとあらゆる領域において大不況の冷たい風が吹き荒れている。国民経済を支えてきた「支柱」の一つ一つが傾いたり、崩れかけたりするような無残な光景があちこちで見られているのである。中国経済はただ今、壮大なる崩壊へ向かっている最中である。




[東京 24日] - 昨年末から2015年はリスクシナリオとして「1998年の悪夢」に気をつける必要があると指摘してきた。そして今、その時を迎えているのかもしれない。

まず、ドル円相場の長期見通しはドル高円安であり、それが2017年頃までは持続すると考えている。ただ、時にそうした基本シナリオよりも、リスクシナリオに比重を置くべき時がある。長期ドル高円安シナリオは一切揺らいでいないが、足元では短期的に115円を割り込むドル円反落にも警戒が必要な状況だ。

<2017年頃に1ドル=135円前後でピークか>

金ドル交換停止(ニクソンショック)が発表された1971年以降のドル指数の推移を見ると、7―8年下落、2―3年底ばい、5―6年上昇というサイクルを繰り返してきたことが分かる。今回はITバブル崩壊を受けて2001年から長期下落基調をたどったが、2008年のリーマンショックで下げ止まり、2011年に欧州ソブリン危機が深刻化する中で大底を確認する動きが見られた。

その後も昨年半ばまではドルは安値圏で底ばいの動きを見せていたが、過去1年、原油安に伴って進んだドル高によって、長期上昇トレンド入りしていたことが明確になった。

このことは、今回の長期ドル高の背景に米国でのエネルギー革命があることをうかがわせる。経常赤字、財政赤字の双子の赤字がドルの弱点だが、エネルギー革命はその双子の赤字を縮小、解消させる効果を持つ。米国でエネルギー生産が増え、原油輸入が減り、一方で原油安によって家計の実質所得や企業収益が押し上げられ、税収が増えるからだ。

通常5―6年上昇局面が続くことを考慮すると、今回の長期ドル高は最終的には2017年頃まで続く可能性が予感される。2017年と言えば、日本では8%から10%への消費再増税が予定されている年であり、その前後で、元財務官僚の黒田総裁率いる日銀は景気刺激のために追加緩和に踏み切る可能性がある。

筆者は135円前後を想定しているが、その頃に円安ドル高のピークをつけ、ドル指数も今回のピークを迎えるのではないかと考えている。

<ドルを取り巻く環境は90年代後半と酷似>

前回の長期ドル高局面は90年代後半だった。その時は85年プラザ合意以降の長期ドル安が、92年の米国での金融不安と欧州での通貨危機の発生で下げ止まり、94―95年の米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めによって上昇局面入り。2001年のITバブル崩壊まで6年ほど、ニューエコノミーをテーマとする長期ドル高が続いた。

今回はエネルギー革命がそれに相当する。このように90年代と2010年代のドルを取り巻く環境は極めてよく似ている。

ただ、ドル指数は長期上昇局面にあった98年、当時の高値から1割ほど調整反落し、米株も2割ほど急落したことがあった。引き金を引いたのは大手ヘッジファンド、ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の経営危機だったが、背景には97年のアジア通貨危機で世界経済が失速したことで1バレル10ドル台まで原油安が進行したことがあった。産油国のロシア経済が危機に陥り、そのロシア国債に投資していたLTCMの経営破綻につながったのだ。

お気づきだと思うが、FRBの金融緩和から引き締めへの転換に対する警戒感から、2013年以降、新興国市場が混乱。そのことが一因となって原油安が進行し、ロシアをはじめ資源国が窮地に陥り、シェール産業など米エネルギー業界でも深刻な信用リスク再評価が進んでいる。

つまり、今回と98年の金融経済環境は瓜(うり)二つなのである。例えば、投資適格級格付け「Baa」が付与されている米社債のクレジットスプレッドは、信用収縮か否かの分水嶺となってきた2%を超えて拡大を始めているが、98年にも同じように2%を超えて拡大していた。米エネルギー産業の資金調達に用いられることが多いマスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)もインデックスが1年前の高値から3割ほど値下がりし、現在は2011年以来の安値圏で推移している。

こうした信用リスク再評価に伴う投資家のリスク回避志向が、今回も米株急落や新興国市場の下落の底流にある。これが2015年に「98年の悪夢」の再来がないか警戒する必要があると筆者が主張してきた背景である。

<下落目処は112円までか、長期ドル高復帰の条件は>

さて、98年に市場の混乱を収束させたのは、その年の9月から11月にかけて行われた、緊急利下げを含むFRBの金融緩和と流動性供給だった。この金融緩和の間、上記の通り、ドル指数はその前の高値から1割ほど急落し、ドル円に至っては147円台から108円台まで40円近い暴落となった。

筆者は今回、ドル円の下落幅は125円台の高値から最大でも1割程度にとどまり、リスクシナリオとしても下値目途は112円台までと想定しているが、この数字は危機シナリオとしては、どちらかと言えば、控えめな部類に入るのかもしれない。

一方、98年当時、高値から2割ほど下落した米株は、FRBの金融緩和が始まった9月にはすでに底入れの兆しを強め、FRBがその局面で最後の利下げを実施した11月には急落前の高値水準へ値を戻していた。

その後、米株が改めて当時の史上最高値を更新して上昇を始めたことを確認してから、FRBは99年6月から金融引き締めに転じ、それがけん引役となって、ドル指数もLTCM危機前の水準を超えて上昇し、95年から続く長期ドル高トレンドに復帰した。

今回、FRBは予定していた金融引き締めペースを緩やかにする程度のことは考えられるが、98年のように一時的なものであっても、緩和措置を打ち出すことはなかろう。したがって、98年のFRBの緊急利下げに相当するような、市場安定化策は米国以外に期待するしかない。

もちろん、その中でも中国の景気・株価対策は重要であり、市場の評価はあまり高くないが、8月の人民元切り下げはそのためには必須の政策の1つだったと筆者は比較的ポジティブに評価している。それ以外には、当社が今年10月から来年1月のどこかで想定しているような日銀や欧州中銀(ECB)による追加緩和の有無も市場が安定化に向かうか否かの重要な分岐点となろう。

98年とは異なり、米国で大胆な緩和措置が期待できないということは、ドルの下落圧力は当時よりも小さくなる反面、米株の底入れは景気刺激策が発動される国にやや出遅れることになるかもしれない。

ただ、99年そうだったように、市場安定化に伴って、米株が改めて史上最高値の更新に転じてくると、いずれはFRBの金融引き締めが図られることになるはずだ。来春ぐらいではないかと想定しているが、こうしたことが現実に起こってくれば、ドル指数、ドル円がともに今回の高値を超えて上昇し、長期ドル高トレンドに復帰する可能性が高まることだろう。


執筆中










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 -アベノミクスを歴史的にどう評価するか。
  「昭和恐慌後のデフレを収束させた高橋是清蔵相の政策も、米大恐慌時のニューディール政策も基本的には同じだ。金融緩和を軸にした景気浮揚策が経済の危機を救う。逆に金融緩和をためらったり財政を絞る緊縮策はほぼ失敗乎する。にもかかわらず、不況期に緊縮論者が一世を風靡する。これも歴史の常だ
特集一歴史に学ぶ、早大教授若田部昌澄氏、緊縮政策ほぼ失敗(2013/09/29日本経済新聞)

 消費税増税をめぐっては、首相はこれまで29年4月に予定通り税率を10%まで引き上げるとしている。そんなことをしては沈没する中国経済の下方流に巻き込まれてしまうだろう。せっかく昨年、今年四月からの消費税引き上げを延期したおかげで税金は税収が上がりかつ景気が上向いているところで、消費税を上げればアベノミクスは終焉を迎えてしまうかもしれない。
中国に対する悲観論は日々強くなる一方だ。私のblogを読まれている方であればむしろ中国はよくもったとほうだと思うであろう。

アベノミクスの先行きに不透明感が漂い出してきたのは否定出来ない。安倍首相は新たな景気・経済対策をどう打ち出していくか。昨年延期を決断した消費税率10%への再増税を平成29年4月に実施するかどうかが焦点になる。

当初私はアベノミクスに懐疑的であった。消費税をぞうぜいすべきではないからだ。5%のままでいれば、税収はもっと増え景気ももっとよくなっていただろう。金融緩和をして、需要を喚起しようとしながら、一方で増税をして消費を冷え込ませる、アクセルとブレーキを同時に踏むという政策が、「アベノミクス」ではないだろう。日本には消費税は向かない税金などだ。

今年の4月から実施予定の10%への増税が延期となっっていなければ景気はもっと下押ししていただろう。
財務省は増税を先送りにして逆に税収が伸びたことなど無かったことにしようとしている。
 アベノミクスは、金融政策・財政出動・成長戦略を組み合わせた「三本の矢」を掲げ、大胆な金融緩和と財政出動は円安・株高を誘導し、企業業績を大幅に回復させた。だが、消費税の増税の影響で個人消費は萎縮してしまったのだ。
いまは強気の商いをする普通のスーパーでは高くってお買い物などできない。遠くの格安量販店まで出かけてまとめ買いをするなど我が家でもしている。以前は毎日のように利用していた吉野家やマクドナルドもあまり利用しなくなった。様々なモノや商品の値段が高い。円安と消費増税の影響を受けて値上げが起きているからだ。
 このblogで何度か書いたのだが、悲観論と危機感を訴えるリーダーではなく、希望と展望を語るリーダーが待望されているのである。いい加減安倍総理も経済対策を真剣に考えるべき時だと思う。

中国経済が崩壊していく影響もあって景気回復の勢いに陰りが見られるが、アナリストが予想する企業業績は株価が乱高下するなか依然日経平均べーすでは増加している。これを生かしながらさらなる景気の回復と支持率の回復をするには、断固たる決断が必要となる。

ただ、8月17日に発表された4~6月期の実質国内総生産(GDP)の速報値は、3四半期ぶりのマイナスに転落。個人消費は低迷し、日銀が掲げる物価上昇目標にも黄信号がともる。
 目下安全保障法案を審議中であるから、経済対策は、この法案が成立したあとだ。

すでに閣議決定した成長戦略で、頭打ちが懸念される潜在成長力の底上げを掲げたほか、日本経済の最大の不安要素となっている財政健全化にも着手するなかで、少子高齢化に伴って増大する社会保障費の抜本的な見直しを進めている為、消費税増税を財務省サイドで騒ぎだしたのだ。

昨年延期を決断した消費税率10%への再増税を平成29年4月に実施するかどうかになるが、延期すべきであろう。
 安倍政権の支持率を支えてきた大きな原動力はアベノミクスだ。金融政策・財政出動・成長戦略を組み合わせた「三本の矢」を掲げ、大胆な金融緩和と財政出動は円安・株高を誘導し、企業業績を大幅に回復させた。
 ただ最近は、中国経済が減速している影響もあって景気回復の勢いに陰りが見られる。先月17日に発表された4~6月期の実質国内総生産(GDP)の速報値は、3四半期ぶりのマイナスに転落。個人消費は低迷し、日銀が掲げる物価上昇目標にも黄信号がともる。

首相周辺では増税見送りを主張する意見も根強い。総裁選挙の対抗馬となろうとしている野田聖子は古賀誠元幹事長ら財政再建論者と近く、総裁選選挙になれば再度の先送りに反対を訴える可能性が大きい。(無投票で決まっちゃいましたね)

となれば、安倍総理は消費税増税延期を主張しやすい土壌が出来る。もしそうであれば、飯島秘書官は黒田官兵衛も一目置く智謀の持ち主かもしれません。
日本経済は、ここ30年くらい「財政破綻に瀕している」という完全に間違った妄想に引っ掻き回されてきた。「日本の財政は最悪」であり、「財政再建が急務」という脅迫観念が国中で蔓延している。ところが10年物の国債利回りは、0.335%と信じられない水準まで低下している(30年国債も1.3%台まで低下)。これでどうして国債が暴落して財政が破綻するのか誰か私に説明してもらいたいものだ。
「消費税増税が必要」「歳出のカットが重要」という財務省のプロパガンダが再び日に日に強まってきている。デフレ脱却に必要な財政政策はアベノミクスの一年目のみで、財務省に唆され消費税増税まで実施してしまった。律儀に増税するべきではなかったと思う。間違いなく!
またこの完全に間違った観念に振回され、「2020年度のプライマリーバランスの回復」「15年度の基礎的収支の赤字の半減」といった全く無意味(むしろ危険)な目標が設定され(民主党政権が騙されて設定)、これらの実現が迫られている。
日本のようにデフレギャップ(GDPギャップ)が大きい国では、財政政策によって需要が増えれば、遊休状態の設備の稼働率が上がりそのうち新規の設備投資が起る。また失業が減り、労働者はより良い条件の職に就く事が可能となり所得が増える。これらによって経済成長が高まり、最終的には税収も増え財政も健全化するという流れになる。
ところが増税を推進する財務官僚と頭が悪い経済学者・財政学者・エコノミストは、「経済が成長しても税収は増えない」とか「消費税を増税しても経済に対する影響は極めて軽微」と根本的に間違っている。
財政政策の財源を国債発行に頼っても金利がほとんど上昇しないということになる。財政政策(財政支出の増大、減税)の規模さえ大きくすれば、単純に税収がストレートに増え、財政はどんどん良くなる。残る問題は物価の上昇だけである。しかし日銀が目標とする最低の(2%)物価上昇でさえ達成が難しい今日、今の段階でこれを心配する必要は全くない。
だが、ここで再び消費税を10%にすれば間違いなく景気は失速して、あと一歩だったデフレも脱出できず、また失われたロストワールドに戻ってしまうだけだ。
消費税増税をもし行えばアベノミクスは終焉を迎えるだろう。中国経済の崩壊でで、日本経済は大きなダメージを受ける可能性が高い。その状態で、2017年4月に消費税を10%にすれば、2014年、増税したときよりも、日本経済は深刻なダメージを受ける。このタイミングでするべきではない、むしろ消費税は5%に戻すことがなによりの経済対策だと思う。




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日銀の異次元金融緩和がバレンタインで、今回がハロウィーン緩和とはいやはや・・偶然にしては出来すぎだ。まさかそこまで考えてはいないだろう。
[東京 31日 ロイター] - 日銀が予想外の追加金融緩和を決定し、市場は再び驚きに包まれた。31日の市場では「バズーカ砲」と呼ばれた前回の量的・質的量的緩和に匹敵する株高・円安をもたらした。ただ、黒田東彦総裁がこれまでの「強気の看板」を下ろしたともいえ、市場や家計の期待に働きかける力を疑問視する見方も出てきた。米国を除いた世界経済が減速感を強める中で、サプライズの余韻がどこまで続くか注目される。

<「続編」の初日は盛況>
    
 映画などで「続編」が「オリジナル」を超える評価を得るのは容易ではないが、日銀が31日の決定会合で導入を決めた追加の金融緩和策は、初日のマーケット反応という点において「バズーカ砲」と呼ばれたオリジナルの緩和策に匹敵する効果を発揮した。

31日の東京市場で日経平均 は、米株高や年金積立金管理運用独立行政法人
(GPIF)の運用比率見直しに関する報道などでもともと200円高水準にあったが、追加緩和が決定されると一時、875円まで上昇幅を拡大させた。

量的・質的量的緩和の導入が決定された昨年4月4日、日経平均は200円安水準から272円高まで上昇、トータルの上げ幅は472円となったが、今回の上げ幅は675円で単純に比較すれば前回を上回る。                    
 ドル/円 は前回と同じ2円程度の円安をもたらしており、現時点に置いては「オリジナル」に匹敵する市場へのインパクトとなっている。
    
市場にサプライズ感が広がったのは、黒田東彦日銀総裁がこれまで強気な姿勢を崩してこなかったことで、今回の決定会合でも政策は現状維持になるとの見方が多かったためだ。だが、追加緩和のメニューの「ひと工夫」も好感されたようだ。
    
 ETF(上場信託投信)を年間約3兆円、J─REITを同約900億円とこれまでの3倍増のペースで買うとし、「2倍」がキーワードだった前回を上回る緩和度合いを演出。ETF買い入れにJPX日経400 を連動対象に加えるとしたことも、日本株買いの材料となっている。
    
 <実体経済への効果に疑問>
    
    ただ、株高・円安トレンドの持続性に関しては、市場でも疑問視する声が少なくない。現在のQQE(量的、質的金融緩和)が、物価や経済に与える効果は乏しいとの見方がマーケット参加者の間でも強くなっているためだ。
    
    実際、強烈な金融緩和策を1年半導入しても、物価はなかなか上昇していない。31日朝発表された9月全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)から、消費税率引き上げによる押し上げ分2%を差し引くとプラス1.0%にとどまる。
    
SMBC日興証券・日本担当シニアエコノミストの宮前耕也氏は「今回、追加緩和を決めたことは、ある意味、日銀が物価に対する強気の看板を下ろしたともいえ、市場や消費者の期待に働きかけるという量的緩和の最大の効果が、薄れるおそれもある」と指摘。
今回の追加緩和によって、2年で2%という物価目標が達成されるかは疑問だとしている。
    
 また、1ドル110円を超えるような円安には、日本だけでなく米国からも不満の声も強くなっている。「バズーカ1」のときのような円安全面賛成の雰囲気とは異なる。円安だけでは輸出が伸びないことも明らかになった。物価上昇と消費税に圧迫され、実質所得は依然マイナスだ。
    
昨年は世界経済の回復も、株高・円安のリスクオンを後押しし、日銀緩和だけでなくアベノミクスの追い風となったが、足元の欧州や新興国の景気は減速。米国だけが堅調さを維持しているが、先行きには不透明感も強い。国際通貨基金(IMF)の予測では今年、来年ともに世界経済は中立水準の4%成長の達成は難しい。
    
<アベノミクスに不信感も>

さらに市場では、今回の追加緩和が、消費再増税や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用方針変更に密接にからんでいるとの観測が多い。「GPIFの国債運用の減額を日銀が引き受け、次の増税を支援するという合わせ技だ」(JPモルガン証券 チーフエコノミストの菅野雅明氏)との観測が根強くささやかれている。
    
効果的な政策パッケージとして海外投資家が好感してくれれば、円安による輸入物価上昇や株高による資産効果が再び期待できる。しかし「消費再増税によって景気が腰折れするとみられてしまえば、海外勢は日本株を買わないだろう。デリバティブの巻き戻しや短期筋のショート巻き戻しが一巡すれば、頭打ちになってしまう」(中銀証券・本店営業部次長の中島肇氏)との懸念もある。

昨年4月4日の「バズーカ砲第1弾」は日経平均を1万2362円(4月3日)から
1万5942円(5月23日)に3580円押し上げ、ドル/円は93円から103円に
約10円円安が進行した。今回の「バズーカ2」がそれだけの効果を発揮できるかは、やはり海外投資家次第だろう。
    
海外投資家は昨年、現物株と先物を合わせて約15兆6500億円買い越した。その背景にはアベノミクスへの期待があった。しかし、金融緩和と財政政策で時間を稼いでいるうちに、成長戦略によって日本経済を成長軌道に乗せるというシナリオは、いまだ実現できていない。
    
シティグループ証券・チーフエコノミストの村嶋帰一氏は、今回の追加緩和は、量的緩和という政策効果への懐疑論が強まるという世界的潮流の中で決定されたと指摘。「景気や物価へのインパクトが限定的なものにとどまるとすれば、今回の決定の金融市場へのインパクトも意外に短命に終わる可能性が否定できなくなる」との見方を示している。

  (伊賀大記 編集:田巻一彦)
QE3終了翌日の日銀追加緩和、超ド級のセカンドインパクトではないか!
嬉しい驚きの反面、黒田マジック、これで年末まで株価は18500円まで駆け上がる可能性が高いが、果たしていつまで効果を保てるのか・・・・一抹の不安を感じる。

今回の黒田セカンドインパクトは巧妙に仕組まれた消費税増税対策なおではないか?10%への消費税引き上げに向けて政府・日銀サイドの強い意志が感じられる。

9月の内閣改造で谷垣氏を幹事長に据えた。この時点で財務省が望む消費増税シフトが敷かれていたのではないか?この時点で安倍総理は増税の方向に踏み込んだかもしれない。だが、消費税を上げても総合的な税収増にはつながらない。
円安による輸入物価上昇と消費税増税が行われれば庶民の財布は直撃を受けてしまう。間違いなく消費が冷え込んでGDPはさらに落ち込む。




国債市場でマイナス金利が付く中で、国債買い入れ額80兆円への増額を決定した、経済が完全雇用に近い中での追加緩和は、日銀が政府支出やGPIFのリスク資産購入資金をファイナンスするマネタイゼーション政策だ。追加財政の原資が税収の自然増だと言っても、本来、税収増が国債減額に充当されるはずだったことを考えると、結局、減額されなかった国債を日銀が購入しているという点でマネタイゼーションには変わりはない。消費税の増税とGPIFのリスク資産のウエート引上げ、2014年度補正予算の編成(3―4兆円)と明らかに連携している巧妙な政策だ。

こうした政策を追求しても、トレンド成長率の上昇は期待できない、だが、間違いなく円安進展とインフレ上昇は生じる。ゼロ成長の中で、消費税増税を行えばインフレ率ばかりが高まっていくことになりスタグフレーションに陥るリスクすら感じる。

本当のサプライズ、本当にデフレから脱却したいのであれば、金融緩和をしたうえでの消費税の延期なのだが・・・・難しいだろう・・・・
[東京 31日 ロイター] - 日銀が31日に決めた追加緩和に対し、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による国債運用減額や、政府の補正予算とセットで対応が考えられていたのではないか、との声が市場で浮上している。アベノミクス推進へ政府・日銀一体となった総力戦との見立てだ。ただ、日銀が財政を支援する姿が一段と鮮明だとして批判する見方もある。

<周到な計画との見方も>

日銀の追加緩和は、市場関係者の間ではサプライズと捉えられた。だが、海外投資家の一部では「GPIFの運用改革とセットで追加緩和が行われると事前にうわさされていた」(複数の外資系証券)との指摘が出ている。

BNPパリバ証券・チーフエコノミストの河野龍太郎氏は、GPIFが株式や外貨建て資産などリスク資産のウエートを引上げるのに合わせ、ウエートを引下げる国債を日銀が吸収すべく、マネタリーベース・ターゲットを引上げる話は、過去1年、海外投資家からさんざん聞かされていた、という。

同氏によれば「今回、日銀が決定した長期国債の増額は、GPIFの国債ウエイトの引き下げから算出される30兆円と合致する。偶然ではないのだろう」とみている。

黒田総裁は今回の追加緩和を「GPIFの投資政策と金融政策は直接関係ない」と記者会見で述べているが、「事前に計画されていたものだったようだ。日銀とGPIFの合わせ技により、増税より先に手を打ち、まさに総力戦だ」(JPモルガン証券・チーフエコノミストの菅野雅明氏)との見方も出ている。

<デフレ脱却に危機感>

総力戦の背景にある危機感は、どこにあるのか──。安倍晋三政権にとって、2回の消費増税を実施してもアベノミクスの最大の課題であるデフレ脱却を達成する必要がある。その意味で、足元の物価が原油価格の下落という要因が作用しているにせよ、上昇の勢いがストップしていることには、政府・日銀ともに危機感を感じていたのは明らかだ。

原油価格がこのままで推移すれば、来年春までは消費者物価(除く生鮮、コアCPI)が1%を割れて推移する可能性が高いとの見方が広がっていた。そうなれば、日銀の物価目標の達成も遅れ、人々の期待インフレ率にも水を差しかねない。

今回の追加緩和は「とにかくデフレ脱却を達成するために、足元で2%への物価目標が遠のいたというデフレマインドの再来を阻止することが最大の目的だったはず」(RBS証券・チーフエコノミスト・西岡純子氏)との声が多い。

追加緩和発表後に円安が進行、株価も上昇したことで、輸入物価上昇による物価押し上げや、資産効果やマインド効果による消費への刺激も期待できるというわけだ。

もちろん、景気への浮揚効果が10%増税実施へ側面支援になることも見逃せない。エコノミストの間では、7─9月期の成長率は、当初見込みの年率4%台から1─2%台に下方修正する動きが相次いでいる。

すでに終わってしまった7─9月期は期待はずれの成長となってしまったが、少なくとも9月の経済指標には生産や小売販売など明るさをうかがわせる指標も出てきた。さらに雇用・労働環境のタイトな状況も続いていることが確認されている。景気失速を回避するためにも、このタイミングでの早めの対応がデフレへの逆戻りを回避するには有効との判断だったとみられる。

 <明らかなるマネタイゼーション>

しかし、政府・日銀一体となった政策に対し、懸念の声も浮上している。1つは円安の進行に関して、すでにドル高の弊害に関する指摘が米政府や米連邦公開市場委員会(FOMC)で議論されていることもあり、「あまり行き過ぎると、となりの芝生を汚すことにならないか」(第一生命経済研究所・首席エコノミスト・熊野英生氏)といった声もある。

さらに「中央銀行が政府支出や政府機関のリスク資産購入資金をファイナンスするマネタイゼーション政策である」(河野氏)といった指摘も浮上している。同氏は先進国で実際にこうした中央銀行による財政ファイナンスが行われることに驚きを禁じ得ないとし、低成長下でインフレだけが進行しかねないとの懸念を強めている。

政府にとって景気がもたつき、財政出動もなかなか効き目がない中で「安易な発想としては日銀任せという考えが出てこないとも限らない。インフレになれば財政再建にもプラスだからだ。数パーセントの物価上昇であっても、幅広い人がインフレを受忍しなければならないインフレ税になる」と指摘するのは、東京大学大学院の福田慎一教授だ。

同教授は、黒田総裁が異次元緩和の下で、財政再建に対して早い時期から取り組みを促す発言をしてきたと評価する。

消費増税への判断を控えたこの時期に、今回の追加緩和とともに、財政への警鐘を改めて鳴らすべき時かもしれないとの見方が、学識経験者の中から出ている。 (中川泉 編集:田巻一彦)

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消費税の再増税は、ほぼ既定路線になっているようだが、今回の追加緩和は、日銀がその目的のために、なんでもするという決意を示したことに等しい。

今回の追加緩和は機動性を重視したもので、中身は小ぶりの緩和だった。長期国債30兆円の追加というのは、金額としては大きくない。黒田総裁としては、絶妙のタイミングで巧妙に練った作戦を行った。少ない兵力ではあるが機動性により大きく見せることに成功したのではないか。ただ、パールハーバーと同じくその後のパワーがあるのか・・・・日銀が円安の行き過ぎを懸念しているとの市場の見方は、打ち消された。追加緩和はドル/円相場にとって円安の進行を意味し、今後どのような副作用が出るかは未知数だ。

話は下世話な話となるが、帰宅途中携帯電話から齢80を超えた父親から何の株を買ったらいいか電話で相談を受けた。そんな相談を受けたのは26.7年前バブルの真っ最中東京電力が最高値9420円をつけた時以来だ・・・猫も杓子も株を買う時代に入るのか?日本株は目先、乱高下しそうだが、昨年4月の異次元緩和実施後のように上昇基調を強めるだろう。日経平均は年内に1万8500円を目指す展開をするのではないだろうか?

円安のめどは、07年末につけた115円手前の水準。場合によっては118円─120円も視野に入ってくるだろう。基本シナリオは、日米金融政策姿勢の差による緩やかな円安だが、12月にも政府が判断する見通しの消費再増税が先送りした場合、日本は売り込まれるか復活するか議論が分かれる。成長戦略がなおざりにされ、財政健全化への意思が疑われると、長期的には真の意味での日本売りが来る可能性もある。それを防ぐにはTPPを屈辱的な妥協をせざるをえないかもしれない。

国債引き下げ電撃発表、GPIF理事長「日銀と連携ない」
【ロイター】2014年 10月 31日 20:22 JST

[東京 31日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は31日、資産127兆円の運用指針を見直すと正式発表した。デフレからの脱却を見据え、国内債券の割合を大幅に引き下げる一方、収益機会を増やすため国内外の株式での投資比率を引き上げる。

三谷隆博理事長は同日夕、都内で記者会見し、運用改革の狙いについて被保険者の利益確保が第一とし、日銀の追加金融緩和と公表が重なったのは「連携ではない」と強調した。

GPIFが運用指針を見直すのは昨年6月以来、1年4カ月ぶり。

年金財政の状況や将来のデフレ脱却を見据え、国内債券の割合をいまの60%から35%に引き下げ、国内外の株式を12%から25%にそれぞれ大幅に引き上げる。外国債券も11%から15%に変更した。

国内債券と国内外の株については一定の範囲で中心値とのかい離を容認する幅も広げ、国債は上下10%、国内株が9%、外国株は8%とし、柔軟な運用ができるようにした。外債は上下4%に狭めた。

短期資産は資産構成から外した。今後、年金給付への備えとして必要な20兆円程度の資金は、自家運用している財投債や「キャッシュアウト対応」のファンドから得られる満期償還金などでねん出する。

GPIFが運用を見直すのは安倍晋三首相の強い意向を踏まえてのことだ。今年6月に、年度末をまたずに運用指針を前倒しで見直すよう指示されてからは運用委員会(委員長、米澤康博早大院教授)と、その下に設置された作業班を計13回にわたり開催し、複数の改革案をもとに議論を重ねてきた。

厚生労働省が31日午後に開催した独法評価委年金部会(部会長、山口修横国大教授)で今回の見直し案を了承。独自にガバナンス体制を強化するなどの案も同時に示し、塩崎恭久厚生労働相の認可にこぎつけた。

GPIFの三谷理事長は記者会見で、今回のタイミングで運用指針を見直したことについて「デフレから脱却し、緩やかなインフレと経済成長が見込めるようになった」と指摘。「全額国債で運用していたら1%の金利上昇で10兆円の評価損が出る。適度なインフレ状態で経済成長が続けば株価の上昇も見込める」と語った。

日銀の追加金融緩和と重なったことに関しては、連携しているわけではないと強調。そのうえで「(追加緩和そのものには)本当に驚いた。(見直しと同じ日になったのは)偶然の一致」と述べた。

運用見直しの発表前に資産配分を行ったかどうかや、今後どのように各資産の中央値をめざすかについては具体的な言及を避けた。

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深読みしすぎかもしれないが、このセカンドインパクトは単にアベノミクスを延命する為のものではないし、株価対策、経済対策だけではない。
アメリカのルー財務長官は10月10~12日、ワシントンDCで開催されたIMF総会で「日本の財政再建のペースを注意深く調整する必要がある」との発言を行った。増税で経済を失速させるなと言っているのだ。そして日本は米国との貿易交渉と言う名の日米による政治的綱引きを行っている最中にこのセカンドインパクトを発動させたのだ!

TPP(環太平洋経済連携協定)のアメリカ側交渉責任者、通商代表部のフロマン代表は30日、11月に中国・北京で行われるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会合の場では、最終合意には至らないとの見通しを明らかにした。
アメリカ通商代表部のフロマン代表は30日、首都ワシントンで講演し、10月にオーストラリア・シドニーで行われた閣僚級会合では、交渉妥結に向けて、大きく前進したと評価した。
フロマン代表は「わたしたちは、TPPの最終合意に向け、ここ数カ月の間や、今回のシドニーでの閣僚級会合で大きく前進した」と述べた。
一方で、11月8日に中国・北京で行われるAPECでの交渉について、「政治的推進力を得る良い機会とはなるが、合意に至るとは考えていない」と述べ、最終合意の時期については、あくまで、今後の交渉次第であるとの考えを強調した。

アジア太平洋地域で巨大な自由貿易圏の構築を目指す環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉は、日本の参加から1年2カ月が経過した。だが、交渉は参加12カ国の経済規模の8割を占める日米2国間の関税協議が一向に決着せず、越年論も現実味を増している。事実上、4度目の妥結目標時期の延期となりかねない情勢で、日本政府内ではTPP交渉は「まるでオオカミ少年」との嘆き節も聞かれる。

日米閣僚協議で怒鳴り合い

「ふざけるんじゃない」。米ワシントンの通商代表部(USTR)で9月23~24日に開かれた日米閣僚協議の席上、甘利明TPP担当相はこう声を荒らげ、机をたたいた。さらに甘利氏が「日本は対等だから折れると思ったら大間違いだ」と続けたのに対し、フロマンUSTR代表も激怒し、「怒鳴り合いになった」(交渉関係者)という。

5月のシンガポールでの協議以来、4カ月ぶりに開かれた今回の協議で最大の焦点になったのは、日本の重要農産品5分野のうち牛・豚肉の関税の引き下げ幅や引き下げにかける期間、輸入急増時に関税を引き上げる緊急輸入制限(セーフガード)の扱いだ。

甘利氏は日本としてのギリギリの譲歩案を提示したが、フロマン氏は「(日本側の提案を)とりあえず突っぱねて、日本がさらに降りるかどうかを見極めようとした」(交渉筋)という。甘利氏が怒りを爆発させたのもこのためだ。

帰国後も腹の虫がおさまらなかった甘利氏は記者団に「覚悟を決めて柔軟性を示したが、それに見合った誠意ある対応が見られなかった」と吐き捨てた。

「年内合意は無理」

オバマ米大統領が6月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれる11月までにTPP交渉を大筋でまとめたいと表明したことから、交渉参加12カ国は早ければ11月、遅くとも年内の合意を目指して動いている。10月25~27日にはオーストラリアで閣僚会合を開催する予定だ。

しかし、交渉で最大のブレーキとなっている日米協議が今回の閣僚協議でも物別れに終わり、日本の交渉筋は「年内の大筋合意は無理」と断言する。

そもそもTPP交渉はこれまで、日本が合流した昨年を含め、3度にわたって妥結の目標時期が先送りされてきた。このほかにも、今年4月の日米首脳会談など妥結に向けて重要な節目とされる機会はたびたびあったが、ことごとく不調に終わった経緯がある。

「オオカミが来た」と嘘を繰り返し、だれからも信用されなくなる-。そんな羊飼いの少年を描いたイソップ童話にたとえて交渉の現状を嘆く日本の政府関係者には、このまま交渉が長期化すれば、妥結の機運が低下して暗礁に乗り上げかねないとの危機感がある。

米議会でも交渉が越年した場合、「交渉のモメンタム(勢い)はなくなる」との警戒論が浮上している。

オバマ政権は「レームダック」

それでも、日米協議で米オバマ政権が強硬姿勢を崩さない背景には、11月4日の米議会中間選挙を控え、日本側に妥協したとみなされれば、米畜産業界から突き上げられ、選挙で与党・民主党の足かせになりかねないとの懸念がある。もともと選挙は民主党の苦戦が伝えられ、日米協議の決着には民主党内の慎重論も根強い。

日本側も米国のこうした国内事情は十分承知しているが、政府内では本気で交渉をまとめようとしないオバマ政権に対する不満も募っている。

「共和党だけじゃなく民主党からも、オバマ大統領から(協力を)頼まれていないという発言が出ている」

「クリントン元大統領は偉かった。NAFTA(北米自由貿易協定)やウルグアイ・ラウンド協定といった通商協定を成立させるために、民主、共和両党の議員をホワイトハウスに呼んで朝飯、昼飯をとりながら徹底的に根回しをした。議会長老にはその時の記憶があるから、『オバマ大統領は何もやってないじゃないか』ということになる」

「議会がうるさいから日本に譲歩を迫るなんて、オバマ政権はひどいていたらくだ。早くもレームダック(死に体)化している」…。日本政府内では、オバマ氏を批判するこんな声が相次いで上がる。

このまま日米の対立が解けなければ、TPP交渉の漂流は必至だが、日本の政府高官は強気だ。

「日本が動くことはもうない。交渉がまとまるかは米国次第だ」(本田誠)








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[東京 10日 ロイター] -日本株に不利な状況となっている。早期の米利上げ観測が後退し、米株は急伸したが、米金利が上がらないために円安が進まない。

日本経済を測るマクロ指標は消費増税による「ノイズ」が入ることで不透明感が消えず、長期投資家は手掛けにくくなる。中国など新興国経済減速への懸念は「世界の景気敏感株」を相対的に重くさせやすい。政策期待が下値を支えるとしても、しばらくは決算対応の個別株物色が中心になりそうだ。

<日本株、リバウンドできず市場はショック>

10日の日経平均.N225がほぼ横ばいで終わったことは、市場関係者に少なからずショックを与えた。前日までの3日間で764円下げており、米ダウ.DJIが181ドル高と急伸したことで、日本株も反発するとの期待が事前に多かったためだ。予想株価収益率(PER)は13倍台に低下しており、バリュエーション面でも買い戻しが入ってもおかしくない水準だ。

しかし、買い戻しの勢いは弱く、先物に大口の売りが出るとあっさりマイナス圏に沈んでしまった。東証1部売買代金は1兆8321億円と薄商い。「売りがそれほど出ているわけではないが、買いが少ない。海外勢の買いは一服しているほか、新年度に入っても国内機関投資家は様子見だ」(国内投信)という。

日本株の上値を押さえる1つの要因は円安が進まないことだ。前日発表された3月の米公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、早期には利上げに踏み切らない可能性を示唆したことで、米株は急伸したが、一方で米債市場で短中期債の金利が低下。ドル/円は一時102円台を回復したあと、再び101円台後半に沈んでいる。米株高の効果を円高が打ち消す展開だ。

3月日銀短観で示された2014年度の大企業・製造業の想定為替レートは1ドル99円48銭。足元の実勢レートとの「距離」が縮まれば、今期の企業業績の上積み期待が後退する。「PER13倍台が割安と言えるのは、今期業績が1ケタ増益もしくは横ばいまでだ。もし減益ということになれば、ネガティブインパクトは小さくない」(しんきんアセットマネジメント投信・運用部長の藤原直樹氏)という。

<新興国経済、鈍化懸念強まる>

中国など新興国経済の減速懸念も「世界の景気敏感株」と位置づけられる日本株を相対的により圧迫する。日経平均が10日の市場でマイナス圏に沈んだきっかけは3月の中国貿易統計と李克強首相の発言だ。

3月の中国貿易統計は、輸出、輸入ともに予想外のマイナス。輸出は前年同月比6.6%減で2009年以来となる2カ月連続の減少となった。輸入も同11.3%減と下げが大きい。同国の景気減速が懸念される数字だが、李克強首相が「短期的な観点で景気刺激策は講じない」などと述べたことで、政策期待も後退した。

中国以外の新興国も経済に伸びを欠いている。インドは7四半期連続でGDP(国内総生産)の伸び率が5%を下回った。株価は過去最高値圏だが、経済の成長力は2000年代の半分まで鈍化しているのが実態だ。大統領選を迎えるブラジルはインフレに対し利上げで対応する一方で、財政出動により景気を支えているが、選挙が終わっても財政出動を続けるのは難しい。政府債務が急激に増加しているためだ。

中国の貿易統計に関しては「前年に水増しが指摘されていた香港向けを除くと輸出は堅調。輸入もスマートフォンの新製品待ちといった特殊要因が大きい」(SMBC日興証券・投資情報室中国担当の白岩千幸氏)との指摘もある。10日の上海総合指数.SSECはプラスで引けた。しかし、新興国懸念による日本株へのプレッシャーは大きい。コモディティー価格が上昇しなければ、米国の物価も上がりにくく、米国は金融緩和状況を続けやすくなるからだ。米低金利は円安を進みにくくする。

<日本経済、しばらく不透明感ぬぐえず>

足元の日本経済が崩れている証拠はまだない。消費増税による駆け込み需要の反動は大きくないとの強気な見方もある。3月ロイター企業調査では、消費増税の影響はその前後をならせばほぼない、との見方が64%に達した。デフレマインドの復活などに対する警戒は怠れないが、悲観論ばかりではない。

ただ、それを証明するマクロデータが得られるのはしばらく先になる。駆け込み需要とその反動が「ノイズ」となり、日本企業の実力を測るのが当面は難しい。そうした場合、今年1─3月に寒波の影響で経済指標が読みにくくなったときの米市場のように、投資家は積極的にリスクオン・ポジションを傾けにくくなる。

「こうした不透明感があるなかで、投資家の悲観を払しょくするには金融緩和など政策対応が効果的だが、8日の黒田東彦日銀総裁の会見でそれもしぼんでしまった。消費増税の影響は現時点で読みにくいが、緩和効果が薄れてきているだけに、増税の影響が大きくなる可能性もある」とT&Dアセットマネジメントのチーフエコノミスト、神谷尚志氏は指摘している。

(伊賀大記 編集:内田慎一)

焦点:物価目標達成へ自信深める日銀、需給改善で物価の「実力」に期待 【ロイター】2014年 04月 8日

日銀の黒田総裁はは4月8日の金融政策決定会合後の会見、2%の物価目標達成を「確信している」と述べたにとどまらず、物価が日銀の想定を上振れれば引き締めに転じる可能性も示唆した。
黒田総裁の態度は従来とほとんど変化はない。もともと4月には追加緩和の期待は無かった。
ただ今回初めて映像でみた投資家にとっては、文字で見ていたよりも、強いトーンを感じたかもしれない。面と向かって話される効果や、消費増税の影響をほとんど気にしないというのは本当だろうか?
追加緩和時期は6月か7月の可能性があると思う。日銀が追加緩和を判断する軸はたった一つで、2%の物価目標が達成できそうかどうかにあり、それは展望リポートと中間評価の時期に限られる。4月の展望リポート時はまだ見極めるには尚早だが、会見後株価が下落し、消費増税の反動減が長引く可能性がつよく、物価上昇を抑制する要因はいくらでもある。
8%に上がったばかりの消費税率は、法律では2015年10月に10%まで引き上げると定めている。「経済状況の好転」を条件としている。政府財務省はどうしても消費税を10%にしたい。どう誰が考えても6-7月に追加緩和は必要だ。どうせするなら、緩和を匂わせない態度をとった方がより効果的であろう。6-7月に追加緩和をやるからこそ逆に黒田総裁の態度は物価上昇に自信を示したのだと思う。


執筆中
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[東京 6日 ロイター] 2014年の東京市場は、波乱の幕開けとなった。ヘッジファンドなど海外勢とみられる利益確定売りで、日本株は急落し、ドル/円も軟化した。

過熱感のあった日経平均.N225のゆがみ解消が一因だが、米量的緩和縮小による影響があらためて懸念されており、新興国市場が不安定化していることも背景だ。米経済は堅調で相場が大崩れする懸念は小さいものの、超金融緩和に支えられてきたリスク資産市場だけに、米金融政策への見方が落ち着くまでは振れの大きい展開が続く可能性もある。

<日経平均だけが大きく下落>

日本株の下落は、予想外だったわけではない。日経平均は前年末までに9連騰と短期過熱感が台頭。さらに日本が長期休場中の米株市場で調整色が強まったことで、3日のシカゴの日経平均先物3月限(円建て)は、昨年末の大証終値比で250円安の1万6070円となっていた。新年初日の日本株市場で利益確定売りが先行するのは、ほぼ予想された動きだった。

東証1部の値上がり銘柄数は906と値下がり銘柄数の761よりも多く、一時400円安となった日経平均の下げ幅から受ける印象とは異なる。「地合いが急激に悪化しているわけではない」(岡三証券・日本株式戦略グループ長の石黒英之氏)という。下落率でみると、日経平均の2.35%に対し、TOPIXは0.78%と3分の1にとどまっている。

日経平均の下げが突出したのは、昨年まで拡大していた日経平均とTOPIXの「ゆがみ」の修正が一因とみられている。両指数の比率であるNT倍率は前年末、2000年以降で最高水準に達していた。「昨年まで日経平均先物を買っていた海外勢が利益確定売りを出しているようだ」(大手証券トレーダー)という。引け後、明らかになった手口でも、前年終盤に日経平均先物を大きく買い越していた欧州系証券の売りが目立った。

「ゆがみ」の解消が株価下落の主因であれば、相場の大幅調整への懸念は小さくなる。消費増税という大きなハードルが待ち構えてはいるものの、日本の景気は依然底堅く、NISA(少額投資非課税制度)の開始など1月は日本株にとって需給面の好材料もある。

ドル/円についても「堅調地合いが維持される公算が高い」(JPモルガン・チェース銀行チーフFX/EMストラテジストの棚瀬順哉氏)と強気な声は健在だ。円安基調が続けば、来期以降も企業業績の増益が期待できる。

<米金融政策への不安>

ただ、大発会の株価の値動きはその年の相場動向を示唆することも多く、単なる調整や、1日だけの値動きと片づけにくいのも確かだ。大発会で日経平均がマイナスに終ったのは2008年以来、6年ぶりのことだ。

08年は米国のサブプライム問題が深刻化し、9月のリーマン・ショックを経て世界的な金融危機を引き起こした。当時と今では経済状況は大きく異なるが、米株が前年に過去最高値を付け、リスクオン相場が成熟期を迎えているという状況はよく似ている。

現在のリスク資産市場は、米国や欧州、中国、そして日本などグローバルな景気回復に支えられているとはいえ、米国の金融緩和策にも大きく依存している。昨年12月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、量的緩和第3弾(QE3)の縮小(テーパリング)が決定され、新年のマーケットにどのような影響を及ぼすかはまだ不透明だ。

日本が年末年始の長期休暇に入っている間、インドなど一部の新興国市場が不安定化した。物価高や成長鈍化への懸念が要因だが、大きな背景には米国のテーパリング開始による影響が懸念されていることがあるとみられている。

シティグループ証券・チーフエコノミストの村嶋帰一氏は、米国の物価上昇が今年の大きなリスク要因と指摘する。「金融緩和環境がしばらく続くとみていた市場のコンセンサスが、大きく揺らぐことになる」という。

足元で米国はディスインフレ的な状況だが、天候要因や診療報酬の2%削減など特殊要因がはく落した後でも、低位で物価が推移するかには不透明感が漂う。米物価が上昇すれば、早期の米利上げの思惑が浮上してくる可能性がある。新興国からの資金流出が加速し、経済が不安定化すれば、先進国経済も無傷ではいられない。

米連邦準備理事会(FRB)は先行きの政策指針となるフォワード・ガイダンスを明確化させたが、その効果はさほど表れていない。3カ月物などドル金利は上昇気味だ。

米上院は連邦準備理事会(FRB)の次期議長に指名されたイエレン副議長の承認採決を6日午後5時半(日本時間7日午前7時半)ごろ行う見込みだ。景気が回復するなかで、物価や金利を押え込むという難題が新議長を待ち受けている。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)
2014年の大発会は大波乱であった。正月休み中の米国株式市場は軟調、そしてテレビ東京のモーニングサテライトでシカゴCMEをチェックすると、200円以上下げていました。寄り付き前の外資系証券会社6社動向売り1,150万株買い2,520万株 差引+1,370万株の買い越しであったことから、寄り付きは安くとも、最後はご祝儀相場で、後場は戻すのではないかと高を括って(たかをくくって)いました。でもさすがに一時400円以上下げ15908.88円の382.43円安で終わるとは思ってもみませんでした。
超楽観的な年末であったので、些かショックである。米国でも個人投資家が年末まで節税売りをするので、値上がりしたファンドなどは年末には利食い売りも出やすく、値上がりした翌年の年初は米国投信などの売りが発生しやすく年初から米系の利食いが集中することがたまにある。だが今回は、米国投信には12月中旬までに相当な規模で売りが出ていた。すでに米株投信に関しては売りが溜まっていないと考えられていたので些か油断でありました。

過去を紐解くとバブル最高値をつけた翌年1990年年初大発会に暴落した記憶がある。大幅上昇した翌年は冴えないことが多いが、2014年は金融引き締め方向で、デフレ脱却になるので引き続き上昇相場のままの確率が高い。
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新聞等でアナリストや経営者などの
今年の高値予想皆は18000~18500円に集中。
大概こういった場合はそうならないことが多い。いやほとんどその通りになった例がない。18000円に届かないか、大きく超えていくかのどちらかだろうと思う。

 18000円水準は13%程度の予想されている増益率を当てはめた水準であることから、自然体の水準である。その予想が当たらないと仮定すれば、PERが高くなるか低くなるかによって市場関係者の予想が見事に外れるわけだ。

 デフレ脱却時には金利が上昇しながらPERが上昇することが経験的にも理論的にも言える。 日本ではここ20年程度、米国でも10年以上、金利上昇時はPER上昇だ。金利低下=PER上昇などということは起きていない。


 2014年は米FRBによるテーパジングと、日米金融当局による資産価格上昇を促す政策が期待でき、PER上昇の可能性が高いだろう。

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 ドル建て日経平均は一本の明瞭な傾向線が上値抵抗線となってきた。より確からしい傾向線で、既に上方に突破した。 2011年からの三角保ち合いを中断保ち合いとする同率二段上げを想定すると、ドル建て日経平均は200ドルどころが想定される。
  2014年は金融引き締めが考えられず、外生ショックも中国と地政学的リスクがあるものの・・・小競り合い程度のことは起きなくもないが、本格的な戦争状態になるとは考えにくい。デフレ脱却の見通しがついてきたので大幅続伸となる可能性が高い。 

景気循環論で著名な嶋中雄二氏(三菱UFJモルガン・スタンレー証券参与、景気循環研究所長)は、これから日本経済は4つの景気循環がすべて重なるゴールデン・サイクルに突入し、2020年の東京五輪に向けて、日露戦争・神武景気以来の歴史的勃興期がやってくるという。

同氏によると、世界経済は50~60年周期の超長期循環で2011年を分水嶺(れい)として上昇期に突入する。その牽引(けんいん)役は、世界的なエネルギー革命であり、主として米国のシェールガス、日本のメタン・ハイドレートなど日米基軸で展開するという。

しかも日本の場合は、その超長期循環の上昇局面に加えて、建設投資の長期循環(12~40年)、設備投資の中期循環(8~12年)、在庫投資の短期循環(3~8年)がいずれも上昇局面となり、4つの景気循環がすべて重なるというのである。

その歴史的なサイクルは、日露戦争(1904~05年)の大底から第一次世界大戦(1914~18年)までの好況期と、戦後は神武景気(1954~57年)から第1次石油ショック(74年)までの高度成長期であり、今回は戦後2度目のゴールデン・サイクルが2013年から始まったという。

2013年はアベノミクス(安倍政権の経済政策)に明け暮れた格好だが、その2年目を迎えて、「三本の矢」成長戦略の効き目がとかく問題にされている。4月から実施される消費税増税によって回復しかけた景気に水をさすとの懸念も取り沙汰される。そうした中で嶋中氏は、2020年の東京五輪が第4の矢として景気を浮揚させると期待している。その波及効果は29兆円に上るという。
2014年は大幅続伸相場に期待したい。
①キッチン サイクル     約3.7 年 (在庫投資循環サイクル)
②ジュグラー サイクル    約11年周期 (設備投資循環サイクル)
③クズネッツ サイクル    約22年周期 (建設投資循環サイクル)
④コンドラチェフ サイクル  約55年周期 (技術革新循環サイクル)

いま、日本経済は1967年以来、実に46年ぶりにゴールデン・サイクルに突入しています。4.4年周期と短期循環のキチン・サイクル(在庫投資循環)と9.4年周期と中期循環のジュグラー・サイクル(設備投資循環)がともに2012年に谷をつけ、上昇に向かいだしました。
25.5年周期の長期循環、クズネッツ・サイクル(建設投資循環)は10年に谷をつけ、56.5年周期と超長期循環のコンドラチェフ・サイクルも01年に谷となりました。

■ゴールデン・サイクルは過去に5回だけ

日本でこのゴールデン・サイクルが発生したのは、日露戦争時の1904~05年、第1次大戦時の16年、高度成長期の3つの景気、すなわち神武景気時の57年と、岩戸景気時の60~61年、いざなぎ景気時の67年の5回しかありません。

しかも、今後10年の間に日本経済は3回のゴールデン・サイクルを迎えます。2020年の東京オリンピックに向けて日露戦争や神武景気以来といえるような歴史的勃興期がやってこようとしているのです。

そんな黄金の時代が来るなら、わざわざ日銀に黒田東彦総裁、岩田規久男副総裁を登用しての「異次元緩和」など必要なかったのではないか、と思われるかもしれませんが、それは違います。景気サイクルの転換にはしばしば政策転換も伴うものです。それも織り込んで景気サイクルは動いているともいえるでしょう。

エコノミストの間では、黒田日銀総裁が打ち出している「2年で消費者物価(生鮮品を除く)の前年比上昇率を2%にする」との目標の実現に懐疑的な人がまだまだ多いようです。しかし、本書のなかでも指摘していますが、私は実現に向けて着々と進んでいると思っています。

■黒田緩和はこれから波及し始める

多くのエコノミストはマネーが政策的に増加し始めてから経済を動かすのに1年程度のタイムラグが存在することを忘れてしまっています。黒田緩和はまさにこれから効果的に波及し始めるのです。

本書のなかで、「東京オリンピックの経済効果は29兆円」との試算も紹介し、アベノミクスの第4の矢になると指摘しました。そうした効果もあって、2012年を底にする戦後7番目のジュグラー景気サイクルが始まろうとしています。私は、それが「観光・文化発信の波」になるとみています。

本書を通じて私は、長く続いた低成長とデフレによって現状を決して抜け出せない、構造的で宿命的な状況であると認識しつつあった多くの日本人の諦めの気持ちに対して、もっと明るい上昇波が優勢となるような将来があることを示そうとしています。ゴールデン・サイクルに向けて、読者の皆さんが気持ちを切り替えるきっかけになればと願っています。

これから日本は4つの景気循環がすべて重なる。 - 8 ページ







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大納会に出席した安倍晋三首相が「午の尻さがりという人がいますが皆さん忘れてください。来年も『うま』くいきます」と、発言。小渕総理が蕪を両手に持って「株よ上がれ」とパフォーマンスして以来のダジャレには恐れ入った。案外このダジャレ一つで来年午尻下がりの相場の流れを同じ午でも特別にすぐれた馬=優駿のような相場に変えたかもしれません。

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2014年は米国景気の好転で米国金利が30年ぶりに上昇します。しかし、金利が上昇してもPERが上昇するので株価は上昇する。

抜粋                                             <資産バブルと金融政策の役割>

全般的に見て、主要セクターで少なくとも金融安定を脅かすような資産価格の不均衡が出ているとの証拠は現時点では見られない。

資産価格の不均衡への対処にあたり、金融政策を利用することは排除しない。ただ、金融政策は矛先が鈍いツールであり、また、FRBは議会から非常に重要な目標である
最大雇用物価安定の達成に向けこうしたツールを利用するよう要請されているため、議会がわれわれに委託したこれらの目標の達成に金融政策をまず利用し、その他のツールを金融安定に対する脅威に対処するために利用するべきと考えている。

低金利環境によりリスクの高い行動が触発される可能性がある。金融政策が役割を果たさなければならない可能性は排除しない。

<株価、バブル>

株価は力強く上昇したが、われわれが採用している
株価収益率(PER)に似た伝統的な価値評価指標でみると、まだバブルの状況ではない。

株の予想リターンと国債などの安全資産との差でみても、バブルの域には達していない
イエレン次期FRB議長は資産価格の容認を行っている。
また日銀の黒田総裁 は4月には市場に供給する資金量を2年間で倍増させる「異次元」の金融緩和を導入した。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」で第1の矢に位置付けられ、2年で2%程度の物価上昇率の達成を目指す。だが、市場では来年度にも追加緩和に踏み切るとの予測が早くも強まっている。
PERが横ばいでも企業業績の上昇で日経平均は18000円、PERの上昇が容認していくと1/2戻りの22900円も可能性はゼロではない。

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2012年後半のアベノミクススタート時から1年で市場で日経平均は約二倍の16291円で終わった。アベノミクススタート時に騒がれていた短期での崩壊論は最近姿を消している。アホノミクスと下品な言葉を発する浜矩子の信憑性は無くなっている。
アベノミクスを批判する経済学者は批判するだけでその代替え経済モデルを持っていない。あったとしても、日本が縮小困窮していくシナリオのなかでいかに安楽死するかしか提示できない。

 私を含めてまだ2014年春頃には2%の物価上昇率目標に黄信号が灯ると読んでいる市場関係者は多いが、日銀は弱気の見方はしておらず実現の可能性を強調している。

日銀は来春に物価上昇率が大きく鈍ることはないと考えている。アベノミクスは批判めいたことを言われたが物価は日銀のシナリオ通りに動いている。日銀の内部でも円安の効果は過去の例から見てどこかで一巡すると自覚していた。しかし、アベノミクスは人々の心理を変化させた。

2013年4月の異次元緩和以降、緊縮派の保守的な経済学者からはアベノミクスは単なるばら撒きに過ぎないと批判されている。そのことは経済学をかじったことがある人間であれば誰でもわかることだ。だが、最近隆盛してきている行動経済学では人間の心理を経済行動の大きな要因に加えている。

長い間、デフレ経済に慣れ親しんでしまった経済環境は「乾いた薪」である。 20年近く放置され十分に乾燥した薪である。火がつけられれば一気に燃えあがってしまうことは間違いない。また、燃えあがってしまった薪も新しい薪が加えられれぱかまどの火は再び燃え上がる。アベノミクスは日銀を使って乾いた薪に火をつけたのである。

日銀は物価上昇の芽はその他の乾いた物にも点火していくことは間違いないと
見ている。今後、幅広い物に点火し、乾いた薪が燃え上がることは間違いない。
2013年4月から物価は日銀のシナリオ通りに動いているとの見方が強まっている。
[東京 30日 ロイター] -日銀は30日、年内最後の営業日となる同日のマネタリーベース(資金供給量)の残高を公表した。今年4月に導入した異次元緩和によって積極的な資金供給を続けた結果、201兆8500億円となり、年末目標の200兆円を突破。前年末に比べて1.5倍程度に膨らんだ。

日銀は2%の物価安定目標の早期実現に向け、来年も大規模な金融緩和を継続する。

今年3月に就任した黒田東彦総裁の下、日銀は長期国債の大量購入を柱に、マネタリーベースを年間で60─70兆円増加させる異次元緩和を導入。マネタリーベースの残高と長期国債、株価指数連動型上場投資信託(ETF)の保有額をそれぞれ2年間で2倍に拡大することを目指し、大規模な資金供給を継続している。

この結果、同日に公表した主要勘定によると、30日の国債保有額(短期国債含む)は181兆3958億円となり、前年末の約113.7兆円に比べて1.6倍程度に増加した。

異次元緩和の狙いは、日銀が掲げている2%の物価安定目標を2年程度で実現すること。足元では、消費者物価(生鮮食品除く、コアCPI)の前年比上昇率が1%を超えてきており、順調に道筋をたどっていると評価している。日銀では、早期の目標達成に向けて「来年も引き続き、量的・質的緩和をしっかり実施していく」(黒田総裁)と大規模な金融緩和を続ける方針で、2014年末のマネタリーベースは270兆円に拡大すると見込んでいる。

(伊藤純夫 編集:田中志保)
考えてみると、20年近くにおよんだ円高と株安で日本経済は「成長」という言葉を忘れたカナリアになってしまった。1990年までのバブル以降に就職した若者達は正規の就職先を失い、不安定な生活基盤しか持てない。例え就職したとしても給与は下がることしかなく、物価も下がる場面しか経験したことがない。
バブルを知らない40代前半以下の世代の働き盛りで消費の中心となる世代が最も乾いた薪になってしまっている。この世代は物を買ってちょっと贅沢をしようなどとの考えは生れない。なるベく消費をせずお金も使わないという行動パターンが身についてしまっている。
また企業経営者も若者達と同じようにバブルに浮かれるような人は少なく、デフレ時代に合った会社をいかに作っていくか毎日考えている。社員を人員整理し、給与をいかに低くしてデフレ時代に見合った経営ををしないと会社が倒産してしまう。

日本はバブル崩壊以降、個人も会社もこの負の連鎖で日本社会をデフレスパイラルにしていったのである。成長という言葉が「死語」のデフレ社会がバブル崩壊以降20年弱続いてきたのである。こんな社会に陥ってしまった日本経済を歴代の政治家は見て見ぬふりをしながら今日まで来てしまったのである。

バブル崩壊後、バブル時代に蓄えた莫大な財産を使い果して、超円高で多額の資産を失った場面で、2011年11月に安倍首相が意を決してアベノミクスを立ち上げて日本経済再建に動き始めたのである。
アべノミクスを始めたからといって、すぐに効果がでてくるものではない。デフレスパイラルに陥ってしまって、国民が「成長」という言葉を忘れた状況の中で発した成長戦略である。アベノミクスとは「無という経済の中で有という経済」を作る仕事であると思う。

日本経済が復活するであろう最大の要素は「日本そのものの魅力」であると私は思う。クールジャパンはもはや完全に定着し、円安に動けば日本に外国人観光客が大挙訪れる素地は出来上がっている。観光を中心としたインバイドビジネスがこれからの日本の成長産業となることは必至だと思います。

今の40代以下の外国人の多くは子供の頃から日本アニメで育ち、日本製品を使ってきた世代です。日本に興味を持たないわけがありません。日本にこれまで来れなかったのは円高だったからです。今年外国人観光客は1000万人を突破しました、外国人観光客が1年に2000万人来るのも予想より早いかもしれません。

外国人ははじめは、秋葉原や日光、浅草などから増え始めているかもしれませんが、日本には外国人に見てもらえるような観光地や古い歴史が沢山ある。それに以上に何気ない普通の日本が外国人にとっては非常に魅力的に映っているらしい。地方の名もない温泉が外国人で溢れかえる時代がもうすぐそこかもしれません。

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話を戻します。

2014年はウインドウズXPの買い替え特需が発生します。パソコンではなくタブレットに置き換わるかもしれませんが、パソコン関連産業も活気付きます。

不動産も、2014年は東京の一部のプレミアムが付く場所から周辺に広がりだしてきました。事実2013年の秋まではまったく動いていなかった横浜近辺の不動産が、私の取引先の不動産関係の社長さんたちからの話では、秋ごろから遂に動き出しました。これもインフレ期待のアベノミクス効果かもしれません。

また、リニア新幹線着工、首都高の補修など道路橋梁のインフラ補修で建設関連も動き出したのは事実です。高額高級品も売れるようになりはじめてはいますが、消費税が上がったあと、消費は落ち込む可能性があり、状況を見て日銀は追加緩和を4月以降してくる可能性は非常に高い。

また、次の消費税10%に向け更なる景気対策も期待できる。私は反対だが1月の国会ではカジノ関連法案が審議される。

嶋津洋樹 SMBC日興証券 シニアマーケットエコノミスト(2013年12月31日)

デフレ脱却こそがアベノミクスの核心だと考える筆者にとって、2013年は小さいながらも重要な一歩を踏み出したと評価できる年となった。

そのことは、当初「願望リポート」と揶揄された黒田日銀の最初(4月26日公表)の「展望リポート」のうち、13年度の見通しが現実味を帯びたことからも明らかだろう。長らく米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)をウォッチしてきた立場からみると、日銀の金融政策の効果に否定的で「願望リポート」と批判していた側の見通しこそが、金融政策には効果がないという「願望」に基づいたものだったようにみえる。

もっとも、足元の消費者物価指数(CPI)の上昇を「物価面での好転」と素直に評価しているのは、黒田日銀総裁ぐらいだろう。大方の見方は、円安やそれに伴う輸入物価の上昇に主な原因を求めている。公共料金など、必ずしも需給を反映しない財やサービスの上昇も指摘されている。しかし、そうした説明も上昇品目が50%に迫ってくるなかで説得力を失いつつあるようだ。最近は、CPIが上昇し続けても日銀が「量的・質的金融緩和」で目指す「2年で2%」の達成は難しいと、矛先を変えたうえで金融政策の効果に疑問を投げかけているのも耳にする。

黒田日銀の最初の展望リポートが民間の経済予測よりも正確だったことを踏まえると、15年度のCPI上昇率(消費税率引き上げの影響を除く)が政策委員予想の中央値であるプラス1.9%に近づく可能性を否定することは難しい。FRBやECBの金融政策運営が物価安定のピンポイントでの達成を目指していないことからも、黒田日銀が「2年で2%」を達成する可能性は十分にあると考えている。

<重要なのは為替変動より世界景気動向>

もちろん、「景気回復の実感がない」という声に代表される通り、デフレ脱却からの一歩が日本全体に行きわたっているわけではない。「日用品の値上がりで、かえって生活が苦しくなった」との批判があるのも承知している。しかし、株式や不動産などの資産価格が上昇し、大企業や都心部が中心とはいえ、景気の回復が続いているのは事実だろう。

そのすべてを黒田日銀の成果というつもりは毛頭ないが、バーナンキFRB議長が金融緩和策の波及経路として「住宅およびその他の資産の価格上昇は順次、家計の富と消費者の信頼感を回復させ、消費支出を押し上げ、生産と雇用の増加に貢献する」(5月22日議会証言)と説明したことに日本の現状が重なるのは偶然ではないはずだ。

そもそも筆者からみると、「量的・質的金融緩和」で為替相場に影響を与えることはできないとか、株価上昇は続かないといった批判がいつの間にか、「設備投資は増えない」「賃金は増えない」「景気回復を実感できるのは大企業や都市部だけだ」などに、すり替わったことが不思議でならない。その設備投資や賃金に関する批判も今では、「更新投資に過ぎない」「所定内給与が増えない」といった具合に、視点や定義が変わっている。それほど頻繁に評価方法が変わるのでは、「量的・質的金融緩和」の効果が見つからないのも当然だ。

最近は、日本企業が長引く円高に適応したことで、円安に伴う輸出増の効果が大幅に低下したとの批判もある。筆者もその可能性は否定しない。しかし、それで説明できるのは、全体のうちのわずかだろう。

実際、日本の輸出にとっては、為替相場の変動以上に世界景気の動向そのものが重要だ。そして、世界景気に連動すると考えられる輸出(輸出金額/輸出価格)は11年8月から13年9月までほぼ横ばい圏で推移。この間、輸出の伸び悩みは中国や台湾、韓国、ドイツなどでも観察されている。日本だけが輸出の伸び悩みに直面しているわけではない。しかも、その世界輸出も13年10月にようやく11年8月の水準を上回った。このまま増加が続くという前提に立つと、日本の輸出が今のまま伸び悩むとは考えにくく、世界景気の回復とともに足取りをしっかりさせる可能性は高い。

<株価が冴えなかった福井総裁2年目>

それにしても、黒田日銀に対する批判はなぜいつも金融政策の直接的な効果が及びにくい物価以外へも向かうのだろうか。FRBは「物価の安定」と並び「雇用の最大化」を金融政策の目標としているが、同時に物価以外は財政や税制、規制などの非金融政策で決まるとの立場も明確にしている。

筆者は中央銀行が、金融政策の直接的な効果が及びにくい「物価の安定」以外を目標とすることに慎重だ。金融政策の効果に否定的な意見が多い日本で、それを万能薬とみなす傾向が強いという矛盾は、「量的・質的金融緩和」に効果(作用)がないとしつつ、副作用を指摘する構図にも反映されているように思える。

黒田日銀総裁は12月25日の講演で「日本経済にとって、現在は、実体経済や金融市場、人々のマインドや期待など、好転の動きが幅広くみられており、デフレ脱却に向けた千載一遇のチャンスである」と発言。「経済界・産業界においても、経済の好循環の実現に向けた前向きな動きが拡がっていくことを強く期待している」と締めくくった。

筆者も14年は、13年に踏み出した小さな一歩が次の大きな前進につながることを期待している。金融政策が実体経済へ波及するには1年から1年半の時間がかかるという一般論に比べて、「量的・質的金融緩和」の効果が早く顕在化してきたことを踏まえると、なおさらだ。

ただ一方で、黒田日銀は14年に試練を迎える可能性が高いと警戒している。1年目にブレークした新人が陥りやすい「2年目のジンクス」だ。たとえば、黒田総裁が上述の講演で言及した米国のニューディール政策の時代を振り返ると、ルーズベルト大統領の就任2年目の株式市場は不調だった。日本でも、デフレからの脱却に最も近づいたとされる福井日銀総裁時代の株式市場を振り返ると、就任2年目のみが冴えなかった。

それぞれを取り巻く政治的、経済的な環境は違うものの、期待のハードルが低かった1年目に比べ、2年目はやりにくさがあるだろう。成功による慢心はケアレスミスを引き起こしやすい。また、そこに付け入る「敵」も現れやすいだろう。筆者は依然として黒田日銀がデフレ脱却に成功し、物価の安定を達成する可能性が高いと予想しているが、それにはまだいくつもの試練を乗り越える必要がありそうだ。

*嶋津洋樹氏は、1998年に三和銀行へ入行後、シンクタンク、証券会社へ出向。その後、みずほ証券、BNPパリバアセットマネジメントを経て2010年より現職。エコノミスト、ストラテジスト、ポートフォリオマネージャーとして、日米欧の経済、金融市場の分析に携わる。


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アべノミクスは完全に正しい! 世界で最も著名な経済学者が金融緩和の力、日銀の使命、日本経済の未来を解析。山形浩生氏の解説も必読。

「日本人が耳を傾けなかった天才・鬼才のアイデア」浜田宏一氏(イェール大学名誉教授)「アベノミクスの未来は本書のなかにある!」宮崎哲弥氏(評論家) 

アベノミクスによって日本経済の風景は一変した。黒田東彦日本銀行総裁による「異次元の金融緩和」は人びとの度肝を抜いたが、その黒田日銀が打ち出す「2年間で2パーセントの物価上昇」というインフレーションターゲットを最初期に提唱した人物こそ、ノーベル賞経済学者であるポール・クルーグマン氏である。

バブル崩壊以降、政府・日銀の無為無策をクルーグマン氏は痛烈に批判しつづけた。1998年の論文「It's Baaack!」で示された処方箋を15年越しでいま、「アベノミクス」という政策で日本が実践している。自らの申し子ともいえるアベノミクスをクルーグマン氏はどのように評価しているのだろうか。

「失われた20年」は人為的な問題であり、デフレ期待がいかに悲惨な結末をもたらすか。論議を呼んでいる「中央銀行の独立性」をどう考えればよいのか。そうした本質論はもちろん、「インフレ率2パーセント達成後の日本」をもクルーグマン氏は大胆に見通す。そこで日本の財政、株価、人びとの暮らしはどう変わるのか。

さらには早くも語られはじめた金融緩和の「出口戦略」や、「歳出削減」「増税」に対するクルーグマン氏の知見から、いまの日本が学べるものは少なくない。そして日本経済の未来のみならず、10年後のアメリカ、中国、そして新興国の未来までをも本書は射程に収めている。

「この政策実験がうまくいけば、まさに日本は世界各国のロールモデルになることができる」。世界最高の知性がアベノミクスのもつ世界史的な意義までを見据え、日本の読者のためだけに語り下ろした一冊。クルーグマン氏の業績をいち早く日本に紹介した山形浩生氏の本質を突いた解説も必読である。

〔内容例〕世界標準の方法論に反対した日本の識者たち/リーマン・ショック時の政策対応は正しかったか/アメリカはアベノミクスを支持している/金利の議論は経済学理論のよいテスト/デフレ化での独立性はむしろ有害だ/さらなる金融緩和競争のすすめ/緊縮政策推進派の学者はいまや冷笑の的/日本はOECDのアドバイスを無視すべき/オバマはなぜ「チェンジ」できなかったか/中国のボトルネックは環境破壊/いまこそ世界は日本を必要としている


当ブログにおいてポール・クルーグマンは蛇蠍のごとく批判させていただいている。正直単純に私は保守主義者としてポール・クルーグマンが嫌いなのである。

わたくしが作成した下記パロディ画像はグーグルでポール・クルーグマンを画像検索するとよくヒットします。

しかし、侮日的な態度が鼻についたクルーグマンが一転日本経済とアベノミックスを絶賛しているので、私は彼に敬意を払い本書を購入し、印税を払ってやった。

14~15年前、ポール・クルーグマンやバーナンキFRB議長は、日本は積極的な金融緩和で不況を乗り切るべきであり、一向にそうせず、財政出動ばかりに頼っている日本を強く批判していた。 積極的な金融緩和策をとることを拒否している日銀を頑迷固陋と批判していたのだった。

ところが、2009年リーマンショックが発生すると米国経済学界の主流派を自負していたこの2人が、金融政策は万能ではなく財政出動も必要な時があることに気付いた。バーナンキFRB議長は直ちに金融緩和を行うとともにあれほど批判していた財政出動を行った。

ポール・クルーグマンも金融政策万能論であったが、彼もリーマンショック後バーナンキと同じく金融政策偏重から財政政策+金融緩和へといつの間にかスタンスを変え、今では異次元金融緩和と財政出動がセットのアベノミックスを絶賛している
厚顔無恥としか言いようがない!

文芸春秋1999年11月号でポール・クルーグマン教授とリチャード・クー氏の対談が載っていた。その中で今後日本政府が採るべき経済政策、つまり景気対策の方法についての対談であった。経済コラムマガジンにその記録評論が残っています。

リチャード・クー氏
企業や個人のバランスシートは、バブル崩壊に伴って相当傷がついている。このような状態では、今日の低金利でも、人々は債務の返済を優先し、投資は伸びない。したがって現状では金融政策だけでは限度がある。したがってバランスシートの改善が済むまで、大胆な財政出動により景気の下支えを行うべきである。

ポール・クルーグマン教授
当分財政支出による需要の喚起も必要であるが、これにも限度がある。また日本は現在深刻なデフレの状態である。そこで今一番必要なのは大胆な金融の緩和である。

まず日本の経済の深刻な現状については、両者の認識は一致している。また日本の経済は流動性のワナにかかっており、金利政策の有効性が失われていることについても両者の意見はほぼ一致している。
しかしそれに対する政府が採るべき政策について、両者の間に大きな相違が存在するのである。リチャード・クー氏は一段と大胆な財政支出を、そしてクルーグマン教授は、金融政策の有効性が小さくなっていることは承知しているが、一段と大胆な金融の緩和を柱にすべきとそれぞれ主張している。特にクルーグマン教授は持論の「調整インフレ」の必要性を強調している。

日本においては昔から、不況時の景気対策について何を重点に行うかがいつも議論になった。ちょうど両者がここで議論しているようなことが、日本ではこれまでも何度となく論争のテーマとなったのである。
従来は、日本の経済が金利の動向にあまり敏感に反応しない体質にあり、景気対策の柱はやはり財政政策と言うのが一般的であった。たしかに最初に機動性に富む金融政策、例えば公定歩合の引下げが行われが、これはこれから景気対策を行うと言うアナウンスメント効果となるが、本格的な景気対策は予算の執行を伴う財政政策であった。
例外的なのは、プラザ合意以降の円高不況時の景気対策である。当時、財政再建に固執する財政当局は、財政出動による景気対策をある程度渋った。その分金融政策の負担が大きくなり、これがバブルの原因ともなった。

両者の主張には大きな違いがある。これは両者の日本経済の現状の見方が異なるからと筆者は考えている。つまり議論する上で、両者が想定している前提条件に違いがあるからである。リチャード・クー氏はこれ以上の金融緩和は無効と考え、財政政策に重点を置くべきと考えている。一方、クルーグマン教授は、たしかに日本は流動性のワナにかかっているが、人々が想像する以上の大胆な金融緩和を行えば、必ず効果があると考えている。そして財政政策だけでなく、日銀の一段の金融緩和が必要と主張しているのである。

両者の議論は、この一点、つまりこれ以上の金融緩和が効果的であるのかどうかで白熱する。バランスシートの改善が済むまで、どれだけ金融緩和を行っても、準備預金が積み上がるだけで、実体経済には影響を及さないとリチャード・クー氏は主張する。これに対してクルーグマン教授は、全ての企業や人のバランスシートがバブルで傷ついた訳ではないのだから、金融の量的緩和は必ず効果があると反論する。さらにこれに対してリチャード・クー氏は、土地などの資産価格の下落が続いている現状では、余裕のある者も投資を控えており、どれだけ金融緩和を行っても、資金需要はないと反論する具合である。


筆者の感想と意見
両者の議論は、他に為替動向や米国の日本の経済政策に対する姿勢などにも及んだが、これらの具体的な内容については割愛する。ところで両者のような有力なエコノミストの議論に、筆者ごとき者がコメントするのはおこがましいと承知しているが、筆者にも若干の意見があり、それらをここで述べることにしたい。

どちらの考えが正しいかと言えば、筆者の考えでは、それはリチャード・クー氏の方である。まさに正論である。しかし両者の考えを同時に実現する方法もあると筆者は考える。大きな財政支出を行い、それに伴う国債を日銀が直接引受けるのである。これにより財政政策による需要の増加と、仲介機能が不全になっている銀行を飛び越え、市中に資金を供給することが同時に実現するはずである。しかしリチャード・クー氏は国債の日銀引受けの可能性については、どうも触れたがらないようである。筆者は、国債の大量発行と言うことになれば、どうしても日銀引受けと言う話が浮上してくると思われる。筆者は、リチャード・クー氏がニューヨーク連銀、つまり中央銀行の出身と言うことが影響し、どうしても中央銀行による国債の引受けと言う事態に抵抗があるのではないかと考えている。

まあ、本ブログでいままで批判してきたポール・クルーグマンへの総括はここまでとして、本書の内容にはいりたい。


p48-53
 アメリカはアベノミクスを支持している

日本に視点を戻そう。はたして「アベノミクス」は人びとの「期待」を動かせるのか。留保すベきは、アウトサイダーが財政政策を診断するのは難しい、ということである。それほど多くの財政刺激策が計画されていない、という懸念は当然あるだろう。そこで絶対的に必要な矢が、すでに欠けているかもしれないというわけだ。

だが「第三の矢」といわれる構造改革がそれを決めるとは、私は思わない。というのも、ほとんどすベての人がそうみなしているほど、それは重要な矢ではないからだ。為政者は誰もが構造改革を約束するが、そうした態度自体を私は疑っている。

ほんとうに国民に大きなショックを与えたければ、フランスのように出産を奨励し、移民を開放するような手段が必要になる。そうすれば、国民の期待は大きく動く。しかしそうした施策を日本はとりそうもない。私かいまもっとも関心を抱くのは、その政策を信用あるものにするためには何か重要なのか、ということだ。

アベノミクスは「日本がはまった罠」から脱却するためには必要だが、十分なものかどうかはまだわからない。OECD(経済協力開発機構)は日本経済の見通しについて、二〇一三年度の実質経済成長率を〇・七パーセントから一・六パーセントヘと大幅に上方修正したが、これを「アベノミクス効果」と呼ベるのか。

アベノミクスがもたらしたもっともわかりやすい変化は円安である。投資の分野でもある程度の変化がみられた。しかし、これは対照実験ではない。いまの段階で何かを語るのは時期尚早だろう。

二パーセントというインフレ目標の数値についてはどうか。以前から私は四パーセントのインフレ目標が適切だ、と主張してきた。日本だけではなく、OECD諸国全体にとってもそうである。

しかし、いますぐ四パーセントのインフレ目標を提示することが政治的に不可能であるなら、まずはニパーセントという数字は妥当だ。しばらく様子をみたうえで、さらに大きな数字を主張する、というかたちでもよいだろう。

他国のインフレ目標も、公式、あるいは非公式に二パーセントを目標としている。現在インフレ目標を採用している二〇力国の中位値も二パーセントだ。二パーセントの根拠は何か、と聞かれることも少なくないが、端的にいうなら、歴史の偶然といってよい。

二パーセントのインフレ目標は、理論上も「流動性の罠」に陥らない「ちょうどよい数字」である。しかしいま、明らかになっているのは二パーセントではもはや十分ではない、ということだ。もちろん、より高いインフレ目標をもつことは不健全、とみなす人もいるが、ローレンスーボール(ジョンズーホプキンス大学教授)はもっと高い目標こそ必要だ、と主張している。オリビエーブランチャード(IMFチーフェコノミスト)も高いインフレ目標は合理的、と慎重に提案している。

元財務長官のローレンスーサマーズも、彼の書いたものから判断するにアペノミクスを支持している。先に述べたマイケルーウッドフォードも、アペノミクスのような政策こそが求められている、と示唆している。

どんな問題についても、アメリカには反対の立場をとる経済学者がみつかるだろう。おそらくFRBは金利を上げるべき、と考えている人たちは、アベノミクスを好ましく思ってはいない。しかし、いま述べたアペノミクスに対する考え方は、けっして異端ではない。それを支持する人びとは、相当数存在している。

世界各国のロールモデルになれるか

二〇一三年五月二十四日、私は『ニューヨークータイムズ』紙に「モデルとしての日本」というコラムを書いた。かいつまんで紹介しよう。

「ある意味では、安倍政権によって採用された金融・財政刺激政策への急転換である『アペノミクス』についてほんとうに重要な点は、他の先進国が同様なもの(注)コーディネートされた金融・財政政策)をまったく試していないということだ。じつのところ、西洋世界は経済的な敗北主義に圧倒されてしまっているように思われる。

日本の政策当局者が、北大西洋周辺で聞かれるような無策と同じ言い訳をするのは容易なはずだ。急速に高齢化する人口に縛られてしまっているとか、経済は構造的な問題によって押しつぶされているとか(そして日本の構造的問題、とくに女性に対する差別などは伝説的だ)、負債が大きすぎるとか(経済規模でみて、ギリシヤよりも大きい)、そして過去においては日本の当局者は実際に、そうした言い訳をするのが大好きだった。

しかし、安倍政権がどうやら理解したらしい真実は、こうした問題のすベては経済の停滞によって悪化してしまっている、というものだ。短期的な成長の押し上げは日本の病のすベてを恥したりはしないが、それが実現できれば、はるかに明るい未来へ向けての最初の一歩になりうる。

経済を立て直そうとする日本の努力についての全体的な評価は、これまでのところ良好だ。そしてこの評価がこのまま維持され、時とともに高まっていくことを望もうではないか。もしアベノミクスがうまくいくなら、それは日本にとって不可欠な成長の押し上げをもたらし、その他の世界には政策の無気力さに対して必要な解毒剤を与えるという、二つの目的を果たしてくれるのだから」

そう、この政策実験がうまくいけば、まさに日本は世界各国のロールモデルになることができる。アベノミクスによってほんとうにデフレから脱却できるなら、それは将来同じ状況に陥った国に対しても、大きな示唆になるからだ。

私はかつて”日本がスーパーマンだった時代”を覚えている。日本がやることなすことにかなうはずがない、と痛感した世代なのだ。その後、日本経済が窮地に陥ったとき、その混乱は甚だしいものだった。アメリカやヨーロッパの経済学者の一部には、もはや日本から見習うものは何もない、と考えている人たちもいる。

しかし一方で、その日本がいま、世界各国から注目を浴びている。日本の成功は自国のみならず、世界経済にとっても、大きな貢献になりうるからだ。
そして日本経済が世界の希望になるとのお題目なのだが、本書を読んでいるとほとんど、「俺が言っていることが正しい」、「俺の言うことを聞かなかったから20年もデフレだったんだ」という歪んだ自意識が鼻につく・・・P48-52はそういったところが少ないのでコピペしました。

ポール・クルーグマンはデフレの根本原因を少子高齢化だと藻谷浩介氏の著書「デフレの正体」と同じようなことを言っています。 しかし、同じ少子高齢化のドイツがデフレで悩んではいない。日本がデフレになる必然性もない。

この点をクルーグマンはP34で
少子高齢化によって労働力人口が減少すると、労働力が減少し その結果、労働分配率が上昇し、効率的な資本の動きを示す資本の限界生産力(企業が一単位の資本を追加的に増やしたときに得られる生産量)は低下する。
ゆえに少子高齢化が進む経済においては、企業が資本を過度に蓄積しないよう、実質金利を低く抑えなければならない。そのためには、むしろマイルドなインフレが必要とされている・・・
と説明している。

 

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[東京 27日 ロイター] - 安倍晋三首相が10月1日に消費税率の引き上げとあわせて表明する経済対策の概要が明らかになった。対策規模は5兆円程度で、増税による景気下振れリスクに対応するとともに、デフレ脱却や経済再生への道筋を示すことが狙い。

政府・与党間ではすでに、投資減税などの政策減税や低所得者対策として現金を給付する「簡素な給付措置」などの大枠が固まった。政府提案の復興特別法人税の1年前倒し廃止をめぐって調整が続いている。

1日夕の臨時閣議で、来年4月から消費税率を現行の5%から8%に引き上げると決定し、その後、安倍晋三首相が記者会見で経済対策と合わせて増税の狙いなど説明する予定。

<経済対策規模5兆円程度、13年度補正で追加国債発行回避へ>

関係者によると、対策の財源は、前年度の剰余金や今年度の税収増、不用分など一般会計で3兆円超が見込まれるほか、復興予算の使い残し1兆円台が想定されており、全体で5兆円規模の財源は確保できる見込み。来年度予算・税制改正とあわせて具体化し、補正予算を編成する。13年度の補正予算規模については税収の上振れが固まる年末に向けて精査するが、対策に伴う「追加国債発行は回避する」(政府筋)方針。

<復興法人税の前倒し廃止めぐり29日も協議、財源は税収の上振れで対応>

経済対策の目玉として政府が提案する「復興特別法人税の1年前倒し廃止」については調整が最終段階に入った。自民党は野田毅税調会長への一任となったが、公明党税調で反対論が根強い。27日午後に開かれた公明党税制調査会総会でも、賃金引き上げの確約が得られない企業優遇策と反対論が相次いだ。

ただ、安倍晋三首相はじめ政府は、消費増税に伴う景気腰折れを回避し経済成長を軌道に乗せる起爆剤として経済対策の重要な柱と位置付けている。野田自民税調会長は27日午前に開かれた与党税制協議会後の会見で「ただ反対で終われるものではない。両党でさらなる対応をどうするか協議していく」と指摘。自民・公明両党は29日夕に再度、与党税制協議会を開き詰めの協議を行う。

復興法人増税の前倒しに伴う必要財源は9000億円程度。政府は一般会計の税収の上振れ分を特別会計に繰り入れて対処する方針で、対策規模にも「復興財源の補てんを含めて5兆円程度」(政府原案)とした。

<企業減税や「簡素な給付措置」で企業・家計に支援へ>

デフレ脱却を最優先課題とする政府は、今回の経済対策を消費増税による経済の落ち込みを埋め合わせるだけでは不十分と判断。経済成長を軌道に乗せて成長力を底上げする施策を対策の重要な柱と位置付けている。

これまでに政府・与党間で生産性向上のための設備投資促進、ベンチャー投資促進、研究開発促進、中小企業の投資活性化などの投資減税(3500億円─3600億円程度)や、事業再編促進税制などで大筋合意した。

また、企業に賃上げを促す税制について「給与総額を5%以上増やした企業」としている適用要件を緩和し、今年度と来年度は「2%以上」、15年度は3%以上、16、17年度は5%以上とする。企業減税については、10月15日に召集予定の臨時国会に、産業競争力強化法案と併せて成長促進のための税制改正案を提出する予定。

一方、消費増税の逆進性に配慮した「簡素な給付措置」(3000億円程度)や住宅取得の給付措置(4000億円程度)などの家計への支援策、投資補助金などの競争力強化策や高齢者や女性、若者向けの施策、復興・防災安全対策の加速なども盛り込む。

このうち、消費増税に伴う低所得者対策として導入が決まっている「簡素な給付措置」の概要も大枠固まった。住民非課税世帯に対し1人1万円とし、65歳以上の年金受給者には1人1.5万円に加算する。

ただ、公明党は、年金を繰り上げ受給する60歳以上の対象者への配慮を求めており、政府側との調整が続いている。

<法人実効税率引き下げ、なお流動的>

財界が主張する「法人実効税率引き下げ」は、なお流動的だ。首相周辺が導入に前向きな姿勢を示す一方で、麻生太郎財務相や財務省は一段の税収減につながる税率引き下げに慎重姿勢。与党内でも「国際競争力強化の観点から主張するのであれば、実効税率の引き下げについて真正面から議論するのが筋」(公明党筋)との声がある一方で、自民党は公約通り、中長期的な課題との位置づけを崩していない関係者が多く、将来の検討課題としての表現方法をめぐって温度差もみられる。

方向性を明確にするために「早急に検討開始」とする案も一部で浮上しているが、対策では引き下げの時期や幅についての明記は見送る。最終的な表記については流動的だ。もっとも、この場合でも複数の関係者は「課税ベース拡大と合わせた多面的な議論であって減税一辺倒とは異なる」とし、引き下げに向けた調整が本格化するのは早くても2015年度以降の課題とみられている。

そもそも、私は当ブログにて消費税増税に反対し続けてきた。
しかしながら、アベノミクスで財政再建策が無ければ唯のばら撒き政策ともなりかねない。今回は外堀は埋められここで消費税増税を中止したら、外国人投資家は資金を逆流させ、日本は円高株安の時代へ逆戻りとなってしまう可能性がある。   腹立たしいのは、財務省によるIMF操作と民主党と自民党を巻き込み消費税増税への道筋である。まるで詰将棋のように完全に増税以外選択肢が無く、私ですら今回はやむを得ないとあきらめざるを得ない。
 FRBがQE3を縮小しようとする中で世界はジャパン・マネーを欲しがっている。 日本は失われた20年間デフレが続き、家計は消費を抑えて現預金をためてきた。消費税増税で、下手をするとデフレ不況は克服されず、国内では貯蓄が投資用に使われないので、再び低金利のマネーが海外へと供給されることになる。

そう考えると、消費税増税はデフレを終わらせるのではなく、デフレを長引かせてしまうのではないだろうか?折角復活してきた景気回復の芽を再び摘んでしまうリスクをはらんでいる。

景気回復の芽を摘まない為の経済対策であり、その為のオリンピック招致であったのだ。
(略)

消費増増税も、ようやく上向いてきた消費マインドを損ないかねないと警戒されている。政府は消費増税を実施する際の影響を軽減する経済対策を検討しているが、現在、各種報道から、市場で予想されているメニューは公共事業や設備投資減税や法人税減税など企業関連などが中心だ。

雇用を確保することは賃金上昇にもつながるため、日本企業の体力を上げることは重要だが、効果が出るには時間がかかる。消費税増税のインパクト軽減ということに関しては「ここまで景気回復をけん引してきたのは消費。消費よりも企業に重点を置いた経済対策では、消費腰折れの懸念は消えない」との見方も多い。

消費増税は、日本の財政問題をめぐる不透明感を1つ減らすことになるため、海外投資家などは好感するとの指摘もあるが、8兆円とみられる消費増税の影響が経済を圧迫することは避けられない。今後、策定される経済対策や成長戦略がどの程度、マイナス要因を軽減できるかを投資家は見極めようとしている。

格付け会社のS&Pは27日、「日本のソブリン格付けの見通し」について説明会を開き、デフレ脱却しただけでは格上げできないとし、成長率がある程度の水準になることが必要と述べた。

三井住友アセットマネジメントのチーフエコノミスト、宅森昭吉氏は、デフレ脱却は経営者がカギを握ると指摘する。「企業が保有するキャッシュは豊富で、オリンピックなどビジネスチャンスもある。ここで賃金を上げていけばいい循環になる。コスト削減を優先すれば、日本経済は成長軌道に乗れず、『合成の誤謬(ごびゅう)』となって企業に返ってくる」という。

給与総額を増やした企業に対して減税を行うという税制案も浮上しているが、反対も多く実現するかは不明だ。また政府に後押しされて渋々、賃金を上げるようでは、日本の「未来」はまだ暗い。数字合わせではなく、縮こまっている家計や企業のマインドを解き放つような政策が求められている。

法人実効税率下げ、給与増に回る保証なければ困難=麻生財務相

(略)
消費増税による景気の腰折れを回避するための経済対策をめぐり焦点に浮上している法人実効税率の引き下げについて、コメントできる段階ではないと述べた。
税率の引き下げが設備投資や雇用拡大、給与引き上げにつながる保証がなければ世間で通用しないと慎重な見方をあらためて示した。
(略)
正論である。消費税が上がるのに法人税が下がり、下がった法人税をひたすら内部留保するのであれば、アベノミクスは破綻する。

財務省は金融機関から円資金を調達して米国債に投資するし、金融機関自体も外国債券で資金運用する。対外金融資産はことし3月時点でリーマン・ショック直後に比べ、約1兆5000億ドル増えた。この規模はFRBが増刷したドル資金約1兆7000億ドルに迫るが、FRBマネーは紙切れであり、量的緩和の縮小とともに消え去るのに対し、日本のカネは家計貯蓄に裏付けられたマネーである。それゆえ、依然円高に振れやすい状況にある。

広がる日銀追加緩和期待、一部に「来年1月」の声

[東京 27日 ロイター] - 日銀が来年初めにも追加金融緩和に踏み切るのではないか、との観測が市場関係者の一部で浮上している。賃金の大幅な上昇がなければ、2年で2%の物価上昇目標の達成が難しいという見方が多くなっているためだ。

一部では、政府が消費税を引き上げる2014年4月を前に、1月にも追加緩和を決断するのではないかという声もある。

市場関係者の間では、物価が日銀の想定ペースでは上がらないとのコンセンサスがで形成されつつある。

以下略
アベノミクスを批判する学者は浜矩子増田悦佐小幡 績・etcと多いが、そういった学者達はアベノミクスに代わる具体的政策案を持っていない。円高デフレ政策の無策のままいれば日本を代表するSONYやパナソニック・シャープ・NECといった大企業が次々に潰れてしまうところだった。ギリギリのタイミングで民主党政治と言う暗黒時代に終止符を打ち、黒田日銀総裁を起用し、超円高を是正したのだ。アベノミクスを批判するのは簡単だが、もし1ドル70円で野田政権が続いていたら、大企業が倒産し、オリンピックは日本に招致できなかっただろう。
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浜矩子氏は高橋乗宣氏との共著で 2012年自民党が大勝してアベノミクスが始まる前に2013年世界経済総崩れの年になる」という悲観本を書いている。
まだ2013年は3ヶ月ほど残っているが経済は総崩れになるどころか日米欧は回復し、一旦落ち込んだ中国を含めて新興国経済まで夏が過ぎたころから底打ちをしている。
両氏は世界経済が総崩れになっていない現状をどう言い訳するのだろう。総崩れにならなかった要因はもしかしたらアベノミクス効果ではないだろうか(笑)
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浜矩子は、失われた30年に突入する、改革しなければ国家破綻が待っていると自ら書いている。大胆な改革を断行中の安倍総理を批判するのは明らかに大いなる矛盾である
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デフレの正体を書いた藻谷 浩介氏が最近主張している里山資本主義如何なものだろうか?資本主義を否定し、自給自足的な暮らしに戻れというのは情緒的には賛成だが、まったく現実的ではない。好き嫌いにかかわらず、我祖国日本の未来はアベノミクスに託されているのだ。5兆円の経済対策は発表後の株価が評価を下すだろう。NY証券取引所で安倍総理が演説をしたが、外国人投資家にも期待が持てる内容だった。


消費税が8%となっても、安倍政権中の日本経済は復活するだろう。

ちなみにエンターサンドマンとは、リベラ投手の入場テーマソングである。



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アベノミクス、始まりの終わり

景気回復の実現には時間がかかる金融引き締めや消費税引き上げで回復を邪魔しないことが成功の鍵だ

いま世界で最高に強い政治家は誰か半年前なら、たぶんアンケラ・メルケル(ドイツ首相)やウラジーミループーチン、ロシア大統領の名か挙がったことだろう。順繰りで誰にも歌う順番か回ってくるカラオケーバーみたいな日本の政界から強い指導者が出現するとは、誰も予想だにしていなかった。

それがどうだ。先進国でも途上国でも政治家が景気に振り回されている今、なぜか強い指導力を発揮しているのは日本の安倍晋三首相だ。市場が政策転換を促すのはよくあることだが、日本では今、政策転換が金融市場を動かすという好ましい現象が起きている。

アベノミクスが目指すのは「管理されたインフレ」の実現だ。物価上昇率の目標を定め、達成するまでは大胆な金融緩和続ける。そうすることで15年来のデフレから脱却し、経済を再生して強い日本を取り戻す。順調にいけは 誰もが長きにわたりその恩恵に浴するたろう。

だか、ここまで長く続いたゼ口成長を反転さヤるのは容易なことではない。その実現にはすべての人の気持ちを・前向きに変える必要がある。投資家も貯蓄家も、経営者も労働者も、銀行も起業家も、もちろん毎食がラーメンの庶民も、みんなが前を向く必要がある。

それには、いつもの日本のおとなしいやり方ては駄目だ ガツンと一発かますくらいの勢いで臨まなければ成功はおばつかない、誰からも不満が出ず、誰もが今までどおり「管理されたデフレ」のぬるま湯に漬かっているようだと、アベノミクスの失速は時間の問題だ。


政策の大転換が起きれば、必ず勝者と敗者が生まれる。敗者の声が勝者の声より大きいのは世の常だ。しかし勝者は耳を貸さず、黙々と勝利を重ねる。

荒れ相場さえも良い兆候

株式市場のこのところの乱高下に慌てた人たちからは、この世の終わりだという悲観論や、デフレの日々を懐かしむ声が上がっている。

「株価は5月末に急落し、住宅ローン金利は上昇している。アベノミクスは大失敗だ!」 「日本はギリシヤと同じ道をたどっている。国債も通貨も落ちるところまで落ちるぞ」                                                             (略)
アベノミクスの第1段階で、こうした不満の声が上がるのは無理もないことだ。この時期に起こる最大の変化は金融市場の激しい動きなのだから。

一般の国民が景気の回復を実感できる第2段階に入るまでには時間がかかる。一般論として、金融政策の効果が実感できるようになるには9ヵ月から1年ぐらいかかるものだ。

通常、景気回復の兆候は市場金利のヒ昇として表れる。日本銀行の黒田東彦総裁は早過ぎる金利上昇を警戒しているようだが、アベノミクスが成功して賃金や物価、不動産価格が上がるためには金利の上昇が避けられないことくらい、誰でも分かっている。すっかり慣れ親しんだ超低金利を永遠に続ければ、景気後退が永続するだけだ。

実際、金利に上昇圧力がかかっているのは、2%の物価上昇に懸ける日銀の本気度を市場が確信している証拠だ。

一方、アベノミクスがいくらすごくても株価が毎月10%ずつ上がり続けることはなく、どこかで必ず調整が入る。上げ相場になれば懐疑心や不安が頭をもたげる。誰もが強気で安心しきっているときが一番危ない。

このところの株価急落も、市場がアベノミクスの第2段階に身構えている証拠にすぎない。

それに、株安の動きは、FRB(連邦準備理事会)のベン・バーナンキ議長による「量的緩和の縮小」発言が原因の一つとも言われているくらいだ。

アペノミクスの第1段階を主導した不動産と金融株は(日本が円高不況から抜け出した87年前半と同じように)既に失速しかけている。今後は真に利益率を改善させた企業が牽引役となるしかない。

第二次大戦中に英国の首相ウィンストン・チャーチルが戦争について語った言葉を借用するなら、最近の荒れ相場はアベノミクスの「終わりではなく、終わりの始まりでもなく、始まりの終わり」なのだ。

(略)

長く続いた悪いサイクル

今から考えると信しられない話だが、当時の日本では資産価格が崩壊しても実体経済の活動に影響はないと広く信じられていた。大蔵省(現在の財務省)、日銀、大半の経済界の指導者は、不動産や株のような「象徴経済」における投機の行き過ぎを是正しつつ企業の競争力を維持できると信じていた。

しかしこれほど的外れな考えはなかった。彼らが見逃したのは資産市場と実体経済の活動には複雑で相互的な関係があるということだ。株と不動産が暴落しても負債はそのまま残っていたから、企業や世帯のバランスシートには大きな穴が開いた。

企業は現金を捻出して借金を返すために設備投資を減らし、国民は消費を控えた。おかげで経済成長は弱まり、企業利益も家賃収入も減って、株価と不動産価格はさらに下がる。これが長期にわたるデフレースパイラルの始まりである。

日本の関係官庁が座視してきた円高も拍車を掛けた。90年のバブル崩壊時、円相場は1ドル=150円。それがゼロ成長の果ての野田政権下では77円にまでなった。結果として日本の競争力はさらに低下し、日本のバランスシートも一段と悪化することになった。

円高のおかげで日本の膨大な海外資産の価値は下がり続けた。膨れ上がった不良債権は帳簿から除かれ、特別損失として計上された。

もしアベノミクスが効果を発揮したら、こうした悪循環は解消されるだろう。資産価値は今よりも上がって経済成長を後押しし、それが資産価値をさらに高めるという好循環に転じる。バランスシート不況から「バランスシート景気」への転換だ。

現在までのところは驚くほど順調だ、日経平均株価は6ヵ月で約70%上昇し、市場全体の価値は約150兆円も増えた。それに比べれば、最近の調整は大したものではない。                                      


日本の海外純資産残高(企業や政府、個人が国外に所有している資産から負債を引いた額)は世界で断トツの1位。日本がギリシャの二の舞いになるなどという予測は見当違いも甚だしい。円安だと海外純資産の円換算価値は上昇する。今のように対ドル為替レートで30%の円安になると海外純資産は約70兆円増えることになる。
                                                最初は疑惑の目で 見ていた世界も今では賛意を示すいずれ自分たちも利益を受けるからだ                           
キーワードは「持続可能」

それだけではない。現在の日本の資産が最も集まっているのは不動産市場(最大で株式市場の約3倍)で、大半が都市部に集中している。15%いう不動産価格の上昇は約180兆円の増加につながるだろう。

いずれも大まかな数字だが、全部合わせると日本のGDPが約90%も増える計算になる。

アベノミクスが国の「自己資本」をこの規模で持続的に増やせるなら、日本の経済・社会には劇的な変化が起きるだろう。
潤沢な資金を持つ企業は攻めに転じるだろう。設備投資を増やし、大胆な企業買収に乗り出し、従業員の賃金を上げ、株主への配当も上げるかもしれない。

銀行は融資を増やし、リスクを取るようになる。消費者は財布のひもを緩め、価格よりも品質を求めるようになる。労働市場も売り手市場になるから、特に若い労働者には朗報だろう。

楽観的で積極的になった日本は、デフレによる停滞の長いトンネルを抜ける。時がたてば景気回復によって日本の国際的な地位も高まり、大きな戦略的利益がもたらされる。

だが本当に「持続可能」だろうか。資産価値の上昇が持続可能なものかどうかは、時がたってみないと分からない。日本の持つ資産価値が既に過大評価されているとすれば、これは危険な戦略といえる。だが日本の株価は今でも28年前の水準を回復していない。そしてOECD(経済協力開発機構)による最近の調査では、日本の住宅価格は調査対象の27力国の中で最低だった。この状況で資産バブルを心配するのは見当違いだ。

別の危険もある。経済が成長軌道に乗る前に金融引き締めに転ずるという大きな過ちを、日本政府が再び犯す危険だ。

アベノミクスの基本である金融緩和、財政出動、成長戦略の「3本の矢」のうち、最初の金融緩和は(金融市場の動きが示すように)成功だった。

3本目の矢である成長戦略は結果を出すまでに時間がかかる。
安倍の提案に対する有識者の反応は総じて批判的だったが、彼はすごい数の問題に収り組んでいる。TPP交渉への参加、対外直接投資の倍増、薬のオンライン販売の解禁、育児支援の強化、電力産業と農業の再編、海外留学生数の倍増などなど。1年前の日本とは大違いだ。これらの目標の4分の1でも実現すれば素晴らしい成果といえる。

消費税引き上げの陥穽(かんせい:おとしあな)

最も問題なのは、2本目の矢である財政出動だ、景気悪化を導いた97年のように、消費税の引き上げは景気の失速を招きやすい。ここ数年のイギリス経済は、財政引き締めの悪影響が金融緩和のメリットを上回った恰好の例だ。

GDPの2%分にすぎない増税のために、なぜ資産価値の大幅な増加を犠牲にするのか。1930年代にデフレ脱却を達成し、アベノミクスの手本になったといわれる時の大蔵大臣、高僑是清ならそんなことはしないだろう。当時と同じ低成長期の今、早過ぎる金融引き締めのリスクは遅過ぎるリスクをはるかに上回る。

国際的な意味合いもある。安倍政権は外交で見事な成果を挙げている。日本の主要な貿易相手国や主要先進国、IMF(国際通貨基金)などは、最初の頃こそ疑惑の目で見ていたが、今ではアベノミクスに賛意を示している、日本経済の復活は日本を利するだけではなく内需の増加を通じて諸外国の輸出産業も恩恵を受けると考えるからだ。

しかし日本の内需が低迷したら、このシナリオは通らない。その時点で世界経済がまだ低迷していれば(その可能性は高い)、日本は他の地域から成長を盗み取り通貨戦争の炎をかき立てていると非難されかねない。安倍が日本経済を真の復活に導くには、その「3本の矢」を文字どおり矢継ぎ早に射続ける必要がある。少なくとも3%の名目成長率を何年か続けて維持できるまでは手を緩められない。
そうしてこそ未来は明るくなる。(略)

http://www.uniqlo.jp/uniqlock/swf/blog_small.swf?user_id=Bo4uxIuSX6BfwXZC
6月13日自分の予想を上回る下落に自信を無くしかけていたが、久々にピータータスカ氏の評論に目から鱗が落ちた。

最近週刊誌の悲観論記事をいくつもコピペしているが、アベノミックス金融緩和政策に批判的な評論家達は「バブルは終わった!」と暴落に嬉々としている。特に同志社大学大学院教授浜矩子「アホノミクス」と揶揄する始末。浜矩子「1ドル=50円」説をとなえていたがアベノミクスに粉砕されてしまい逆切れしたのだろう。

メディアは個人投資家は株を高値でつかんだ末、ヘッジファンドの売り抜けに貢献させられたと被害妄想を掻き立てられているのだが、現在、外国人の持ち株比率は
3割近くに達しているのだから、日本の個人投資家だけが被害者というロジックはちょっと違うだろう。

外国人投資家にとっていわゆるライブドア事件によって「日本は株主を大事にしない」とのイメージが強まった。外資の日本株担当アナリストが減らされ、日本株はウオッチされない真空地帯だという。ここにきた外資は世界第三位の経済大国である日本株を再評価しだしたと思う。株価暴落後も、外国人投資家は、株価が割安になる機会を待っている。

1987年のブラックマンデーでは一時的に日米とも1~2割株価を下げて荒れたが、実体経済に影響はなかった、経済政策で問われるべきは株価でなく生産や雇用なのだ。

 株価が時に乱高下するのは、経済に体温が戻ったからこそ。
アホな評論家に右往左往せず扇情的なメディアの見出しに踊らされず、長期的に実体経済の行方を見定めようと思う。


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5/29水曜日の帰りの電車の中で週刊文春の中吊り広告を見て、前週の木曜日に1143.28円さげたこともあって憂欝だった。5/30木曜日は14時過ぎから売り込まれ結果
737.43下げ、嫌な予感が的中し二週間連続の魔の木曜日であった。そして本日5/31金曜日の注目は10ヶ月連続月足陽線になるか否かであった。月初値13,837.72円に対し結果13,774.54円で終わり、10ヶ月連続陽線にはならなかった。程よい月足陰線で終わってくれた。これで、短期的過熱感はなくなり来週は底値を固める週となると思う。

「安部バブル破裂5大リスク」副題:知らないと大火傷だが、中身はありきたりで今更ながらの内容で・・・驚くようなことは何も書いてはありませんでした。確かに文春の記事に書いてある内容も知らずに株に投資するようだったら大火傷するだろう。

記事を要約しながら私が解説します。

【1】中国アングラ融資 500兆円が世界恐慌を引き起こす!

確かに、中国経済は習近平政権の交代とともに奈落の底に落ちるであろう。
中国は「世界の工場」のではなくなりつつある。人件費年率15%で高騰し中国で生産するメリットが何も無くなったため、日本を始め外資系メーカーが一斉に撤退を開始しはじめた。
中国はあの手この手で撤退を妨害する、撤退する企業には過去に遡って税務調査を執拗に行い徹底的に搾り取ろうとするので、撤退コンサルタントが大盛況という。

中国企業への生産委託も激減、輸出とインフラや過剰な設備投資と不動産投機に支えら成長していた。

人件費高騰の背景には物価の高騰(インフレ)があり、更にその裏には中国政府と地方が抱える巨額債務問題がある。
「元財政相の項懐誠氏が四月に開催されたフォーラムで『地方政府の債務は現在、二十兆元(約三百三十兆円)超』と明かし注目されました。公表されている10年末の債務残高が十・七兆円なので、財務トップが明かした数字はそれの二倍になります。ここまで債務が膨らんだのは、不動産開発プロジェクトや地下鉄、道路などのインフラへの投資が主な理由です。しかし、収益性を考えていない無駄な投資も多い」
中国の借金は中央政府、民間銀行、年金債務、地方政府が隠していると思われる債務など少なく見積もっても中国の昨年のGDP五十二兆元(約八百六十兆円)の九割近く七百兆円~少なく見積もっても五百兆円はくだらない。借金は自己増殖するので世界一の借金大国となるのは時間の問題であろう。

野放図な借金が過剰生産を生みインフレを引き起こしている。更に悲劇的にも中国は今後人口の減少と高齢化が日本以上に進む人口構造である。
インフレと不況の同時進行であるスタグフレーションに突入しないと考える方がおかしい。社会保障制度も無い中国でスタグフレーションが発生するとそこには繁栄という文字は過去のものとなり、革命か内乱もしくは対外戦争しか残されていないというのが人類の歴史である。


【2】個人投資家をシャブり尽くすハゲタカ外資の「ユニクロ」相場

正直に言えば私はバイオ相場には乗れなかった、無責任にお客様に投機を勧めることなどできやしない。確かにバイオ関連は山中教授のノーベル賞受賞もあり日本の成長分野とtなることは間違いないのだが、相場の格言「電気(機)が消えるとオバケ(薬品バイオ)が出る」業績相場が終わると噂だけで買われる材料株相場になるということなのだが、今回は金融相場と業績相場とその上材料株相場が同時に来てしまったことが異常であった。

材料株相場は大化けするが消えてしまうものである・・・百戦錬磨の大口外国人投資家に個人株主は敵う訳が無く、外資が一気に売り崩して相場が崩れてしまった。個人株主はバイオ株で大怪我を負ってしまったようだ。アベノミックス相場のバイオハザードと今後呼ばれるらしい。

なぜユニクロかといえば日経平均は225銘柄の平均株価は値嵩株ほど日経平均の影響力が大きい特性があり、日経225先物主導の相場では値嵩株を買いあがると先物が押し上げられる。文春記事では外国人が売りを仕掛けたみたいに書かれているが、私の記事ヘッジファンド自爆で狼狽売り でも書いたが、日銀が仕掛けたと考えるべきだと思う。

【3】長期金利上昇 住宅ローン「変動」→「固定」借り換えに待った!

これを安部バブル崩壊リスクに数えるのには抵抗がある。
中身は住宅ローンの「固定金利」は10年国債金利に連動し、「変動金利」は短期プライムレートと連動なので日銀がゼロ金利を解除しない限り変動金利を固定金利に慌ててしなくてもいいということが書いてあります。

【4】日銀 黒田総裁「チョー弱気発言」連発で”異次元相場”が乱高下

「通常、中央銀行はバブルの火消しを行う。消防署ですが、今の日銀はまるで。放火魔のようにバブルを作り出しているのです」 ウォール街の投資銀行ロバーツーミタニの創業者である神谷秀樹氏は、黒田東彦日銀総裁が打ち出した金融緩和策の行方にこう警鐘を鳴らす。

三月二十日に日銀総裁に就任した黒田氏は、「今後二年で二%の消費者物価上昇率を達成する」との目標を掲げ、異次元の金融緩和を進めてきた。

日銀が大量に国債を買い入れてし年でベースマネーを二倍に緩和するという内
容で、まさに人為的にバブルを引き起こす政策と言えます。行き場を失ったお金がリスク資産である株に向かったことが、株価上昇の背景にあります。東京電力の株価がストップ高となったことは象徴的でした。

ただ、黒田総裁の目標は『長期金利上昇は抑えながら、物価上界を目指す』ことでしたが、長期金利(十年物国債)は五月二十三日に一時一%を超えました」(金融ジャーナリスト) 慶応義塾大学准教授の小幡績氏は、「黒田総裁のバズーカ砲によって、日本国債の安定構造は崩れた」と指摘する。

「もっとも重要な点は、本来は金利低下を狙ったはずの異次元緩和の発表直後に、長期金利が上昇していること。乱高下する債券市場の変動幅の大きさを嫌って、金融機関が国債を手放したことも原因の一つです。また、今後も円安トレンドが続けば、円資産は相対的に目減りするので、日本国債から外国債に運用先を変える動きも出てくるでしょう」

長期金利上昇のリスク

黒川総統への評価も潮目が変わり始めている。五月二十二日に行われた黒田総裁の定例記者会見では、金利高騰の原因分析や影響をめぐって実に九つの質問が飛び交った。黒田総裁は「物価上昇や景気回復の期待が、おそらく次第に金利を上昇させていく要素。必要に応じて弾力的なオペ運営を行っていくことで、長期金利が跳ねることは十分防止できる」と打ち消しに回った。

ただ「長期金利は、短期金利のように中央銀行が完全にコントロールできるものとは違う」と弱気をのぞかせる場面も。

さらに、二十六日の講演ではこんな発言も飛び出した。 「長期金利が一から三%程度上昇しても、経済・物価情勢の改善をともなえば、金融システムが不安定化する懸念は大きくない」

小幡氏は、この黒田発言を「明らかに言い訳」と一刀両断にする。
「財政破綻懸念が高まったわけでも、景気が改善しているわけでもない中で金利が上昇している状態こそが問題なのです。日銀が異常に国債を買いすぎる金融政策によって、国債市場を混乱に陥れて金利上昇につながったことの説明から逃れています。さらに、マーケットから日銀が国債の金利上昇を容認すると受け止められる恐れがあります」 前出の金融ジャーナリストも驚きを隠さない。

「三%の長期金利上昇ともなれば日本経済に大きなダメージを与えます。日銀試算によると、長期金利が一%上昇すると国債を多く保有するメガバンク全体で三・七兆円の含み損が出る。特に百五十兆円分の日本国債を抱えているゆうちよ銀行にとっては死活問題。

黒田氏は、当初の目標だった『長期金利の上昇を抑える』ことが難しくなったことへの言い訳を用意しておきたいのではないでしょうか」 ある市場関係者は、日銀の手法にも疑問を呈する。 「これだけ大胆な金融政策を採るのだから市場担当者との意見交換は欠かせないが、日銀側の事前アナウンスは一切ない。同様に金融緩和を行うアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は、一ヵ月間の予定開示も行うし、一回の買い入れ額を小さくする一方で回数を増やして、市場の混乱を回避している。

日銀は、四月四日に『明日以降、買い入れを行う』と表明したものの、翌五日ではなく、週明けの月曜日に買いオペを行っています。この間、『買い入れはないのか』との疑心暗鬼から売りがかさみ、十年物国債の金利が〇・三五%から○・六二%まで跳ね上がった。

(略)

財政と違って金融にはフレキシブルな対応が求められる部分があるはずですが、諌めるような意見は”聞きおく”のが黒田流。 ある財務省OBは『国民を巻き込んで壮大な実験をやることになるが、結果に責任を取れるのか』と不安視していました」 異次元緩和という劇薬で日本経済はどうなるのか”黒田リスク”からも目を背けてはならない。
最近小幡績氏は日銀の黒田総裁を非難する急先鋒だが、自著で『「ねずみ講」これが、お金が殖える理由であり、経済成長を持続するメカニズムであり、資本主義の本質なのです。』『金融資本の自己増殖は、経済成長が永遠に続かない限り、バブル以外には維持不可能』と自著「すべての経済はバブルに通じる」で書いていた。

日本はデフレという停滞社会に陥り、健全な経済でなくなっていたわけです。このまま衰弱死を待つ日本をなんとかしたいというのがアベノミクスであり、資本主義社会にしようというのであるからバブルになって当然ではないか?と私は思っています。

20年日銀が実験を続けた結果これ以上デフレを続けられないというのが経済界の結論ではないでしょうか?小幡教授が日銀総裁だったら日本は益々衰退するだけだろう。人生も経済もギャンブルに通じるのである!

【5】消費税先送り 安倍側近が明言で日本国債が世界から見放される・・・

・・・っていっても、日本国債は93%以上国内で消化している。見放しても現在のところ大問題ではない。

アベノミクスの理論的支柱浜田宏一名誉教授は「増税して景気が良くなったという例はない」 「無理してやるべきではない。慎重にやっていただきたい」と言っている。正論である。Ddogも浜田名誉教授に一票!

 同じく内閣官房参与の本田悦朗教授も、「せっかくアベノミクスによる効果が出始めているのに、来年増税してしまえば、景気回復が中折れしてデフレ脱却どころで
なくなる。来年の増税を先送りして再来年に一気に10%に上げてはどうか」といっている。消費税増税は財務省の省益の為の施策であり財政再建の特効薬どころか抗癌剤のような毒薬だと私(Ddog)は思っています。

記事の概要は書いたつもりですが、文春の「安倍バブル破裂5大リスク」の記事は、個人投資家の狼狽を誘うだけの「雑誌を売る為の見出し」に過ぎませんでした。





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