Ddogのプログレッシブな日々@ライブドアブログ

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タグ:軍事



○ 将来戦闘機システム開発の実現性に関する研究(24億円)

 国際共同開発の可能性を含め、開発の実現性を検討するため、各種研究の成果を踏まえた将来戦闘機の技術的成立性に関する研究(バーチャル・ビークル)の成果を活用し、機体仕様の精緻化、国内の開発体制及び海外との協力の検討等に必要な技術資料の収集を実施 

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バーチャル・ビークル(将来戦闘機)27~29DMU
下の26DMUと比べ、コックピットが小さくなったのか、全体がやや大型化した印象だ。しかし、あくまでもイメージ図であるからなんとも言えない。
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26DMU
26DMU将来戦闘機  2015/12/17(木) 午前 1:11 

26DMUの後もデジタルモックアップは微妙に改良していたようだ。F-3は25DMUを元に開発するという情報もあるが、この平成30年度概算予算の概要に描かれたデジタルモックアップは、25DMUとは異なる。25DMUを若干改良した26DMUが最終型と思ってはいたが、引き続き27DMU・28DMU・29DMUと微妙に訂正したバーチャル・ビークル(将来戦闘機)として、F-3の電子的原型機となっているようだ。

図のバーチャル・ビークル(将来戦闘機)は、おそらく27DMUではなかろうか?
今年の防衛シンポジウムでは28DMUがさりげなく将来戦闘機として描かれているこもしれない。最新型のデジタルモックアップは兵器庫の扉などを改良するなどしたと思われます。現在行われているヴァーチャヴィーグルが、しいて言えば29DMUになり、その研究を踏まえ、F-3の設計がはじまるのではないかと思われます。

26DMUと比べ垂直尾翼と尾翼が、若干大型化して、機体も大型化したのではないだろうか?
また、左右エンジン排気部の間に尾っぽのような仕切りが出来、機首も若干長くなった変化が見受けられる。

◆将来戦闘機システム開発の実現性に関する研究

○ 機体仕様の精緻化(コスト低減の追求) 
○ 国内の開発体制及び海外との協力の検討 
○ 将来の拡張性

正式には来年(2018年)夏頃に完成する搭載エンジンであるXF9-1の開発終了を待って、F-3戦闘機の開発が最終決定される。

しかし、防衛省は既にF-3は国内の主契約業者となる三菱重工業とともに、オールジャパン(川重・SUBSRU・新明和工業・日本飛行機・IHIなど)に加え、米防衛大手ボーイングとロッキード・マーチンに、英国(BAEシステムズ)、場合によってはエアバス・グループ 、伊フィンメッカニカ、スウェーデンのサーブも参加の可能性がある。

おそらくF-3戦闘機は日本主導の国際開発になる可能性が高いだろう。

ライフサイクルコストなどの費用を含め、4兆~5兆円と推定されるプロジェクトに、
200機程度のF3の開発・生産計画は、とてもペイできないので、国際共同開発の流れはやむを得ないかもしれない。

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F-4EJ改 航空自衛隊 

日本はF-4ファントム戦闘機以降、長距離飛行とミサイル内蔵を可能とする、双発のステルス戦闘機の取得に興味を示してきた。

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F-2は単発戦闘機であるが、当初FS-X構想は国産の双発戦闘攻撃機であったが、

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F-2A 航空自衛隊 

米国の政治家・産軍複合体の理不尽な圧力によって、F-16改良の日米共同開発となり、泣く泣く単発戦闘機となった。

日本はF-4ファントム後継F-X戦闘機として、ロッキード・マーチンF-22の導入を熱望したが・・・・・、
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日本側の意向にもかかわらず、米国は同機に対して禁輸出の措置を講じその上F-22の生産ラインを閉じてしまった。

単発エンジンのF-35戦闘機が予想通りポンコツであったため、今日米空・海軍は今日の戦力低下を招いてしまった。

自衛隊が求める将来戦闘機(F-3)は大量のウエポンベイを備えた戦闘機だが、現行の既存の機体のF-35等の改修でも得られない。航空自衛隊のニーズを満たす戦闘機は世界に存在しない。

このため、日本はF3を双発の戦闘機として設計と製造を国内主導で行う可能性が高い。

ただ、日本単独では計画費の高騰を招く。開発費の増加は、国家予算の重荷となるため、日本にとって障壁となる。ただ、日本政府が2015年、長年維持していた武器移転を解除したことで、将来的に輸出することでコスト軽減を図る事も念頭に国際共同開発を選択せざるを得ない。

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日本側のF-3戦闘機は有人双発大型ジェットを想定している。23DMU~26DMUの変化を考察すると、運動性よりも航続距離と滞空時間を重視し大型高性能のミサイルを搭載できる兵装庫を備えるマルチロール戦闘機の実現を目指しているように見える。

共同開発に参加するであろう英国側は、無人戦闘機を構想し、第六世代戦闘機は、有人戦闘機が、複数の無人戦闘機を引き連れミッションを行うというのが世界的な潮流だ。
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2030年F-3+無人ウイングマン構想  2016/10/6(木) 午後 11:21

F-3戦闘機には、胴体内兵装庫にAAM-4Bもしくはその後継JNAM長距離空対空ミサイル6発と、AAM-5B短距離空対空ミサイル2発を収納可能なことが求められている。さらに今回研究が開始された、島嶼防衛用新対艦誘導弾、やASM-3なども搭載すると思われる。
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策源地攻撃にも参加する場合、F-3には自衛隊が保有決定した各種誘導爆弾も搭載するであろう。
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GBU-38/B JDAM Mk.82 500ポンド爆弾にGPS/INS誘導装置を付加した精密誘導爆弾(及び追加キット)。2007年度導入。F-2A/Bに搭載可能。
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GBU-31 JDAM 2016年3月に調達が決定した2000ポンド精密誘導爆弾。

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GBU-54 LJDAM(レーザーJDAM) GBU-38にセミ・アクティブ・レーザー・ホーミング誘導(SALH)方式を追加した精密誘導爆弾。F-2A/Bに搭載可能。
2015年7月時点で築城基地第6飛行隊において訓練弾の配備が確認されている。

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GBU-39 SDB 2015年12月に調達が決定した精密誘導爆弾。

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GBU-12 ペイブウェイ 2016年3月に調達が決定した500ポンド精密誘導爆弾。


○ 将来中距離空対空誘導弾の研究(73億円)
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 戦闘機への内装化及び将来の経空脅威に対応する小型・高性 能電波シーカに関する研究を実施し、ダクテッドロケットエン ジンを搭載した誘導弾との適合性を日英共同研究により検証 

※ ダクテッドロケットエンジン:高速で飛しょうすることに より、空気取り入れ口にて圧縮した空気と、燃料反応剤が反 応して生成した高温・高圧の燃料をラム燃焼室にて混合させ ることにより燃焼させ、推力を得る推進装置
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敵を凌駕する高度な技術を持つ驚愕の新戦闘機 F-3 の正体

将来の戦闘機(F-3)に求められるのは、敵を凌駕する高度な技術を駆使した新たな戦い方が必要である。すなわち「高度に情報(Informed)化/知能(Intelligent)化され、瞬時(Instantaneous)に敵を叩く「i3 Fighter」が必要である。具体的には、

①   射撃機会を増やすのと無駄弾を無くすために、誰かが撃てる、打てば当たるクラウド・シューテイング。
②   電波妨害に負けないフライ・バイ・ライト・システム
③   世界一の素材技術を使い、敵を凌駕するステルス性。
④   世界一の半導体技術で次世代ハイパワー・レーダー。
⑤   世界一の耐熱材料技術で次世代高出力スリム・エンジン、などの開発。


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●XF9-1エンジン

平成29年6月28日 防衛装備庁が(株)IHIと契約して研究試作を実施してきた戦闘機用エンジンの研究試作(コアエンジン)が、平成29年6月28日に試作品がATLA札幌試験場に納入された。


第二次世界大戦末期 日本初のジェット機「橘花」に搭載された 推力475kgの
「ネ20」から72年、日本は世界最高水準の戦闘機用エンジン推力15トンの「XF9-1」が完成目前である。

エンジン2基合わせて30,000㎏の推進力で、F-3の想定機体重量:約20,000kg
最大離陸重量:約35,000kgを支える。スーパークルーズも可能で、推力偏向ノズルを持つ、F-3が有人機としては究極の格闘戦闘能力と、マルチロール能力を持つことになる。

ステルス戦闘機同士の空中戦にもになった場合、互いをレーダーで捕捉できないまま近づき、出合い頭に至近距離での撃ち合いになる可能性がある。その為、高運動性を備えていれば、すれ違いざまに攻撃が可能となる。

もちろん、エンジン出力不足で、ドックファイトができないF-35は、ステルス機同士の空中戦では生き残れない可能性が高い。

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将来の戦闘機用エンジンの心臓部となるコアエンジンは、7月より防衛装備庁において所内試験を開始し、その性能を確認始まっている。 今後、将来の戦闘機用エンジンを実現すべく、コアエンジンの研究成果を反映したプロトタイプエンジンXF9-1を平成30年6月までに試作し、その性能を確認していく計画だ。 

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IHIが戦闘機用「コアエンジン」、防衛装備庁に納入
【Yahooニュース】日刊工業新聞7/5(水) 7:30配信

(略)
IHIは2010年度からコアエンジンの開発を始めた。世界最先端の流体コンピューターシミュレーション技術のほか、ニッケル超合金やセラミック基複合材(CMC)など、日本独自開発の金属材料を取り入れた。15年度からは川崎重工業や三菱重工航空エンジンなどの協力を得ながら、推力15トン級ジェットエンジン「XF9―1」の開発を開始。18年6月までに試作品を納入する計画だ。           (略)
イメージ 7Tokyoexpress 2017年7月18日 
(防衛省)次世代戦闘機用エンジン「XF9-1」実証エンジンは2018年6月完成が目標。今回IHIで完成、防衛装備庁に納入されたのはエンジン全体の性能を決定する心臓部に当たる「コア」部分である。「XF9-1」の目標推力はアフトバーナ作動時15 ton+、非作動時11 ton+。直径1 m、全長4.8 mとコンパクトに纏められている。

 ■クラウド・シューテイング。
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射撃機会を増やすのと無駄弾を無くすために、誰かが撃てる、打てば当たるクラウド・シューテイング能力F-3はを持つ。

ネットワークで繋がった有人機、無人機の群れの中から、どれかが敵を探知すれば直ぐに誰かが撃てる“新データリンク”「統合火器管制」システムを搭載する。

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■   電波妨害に負けないフライ・バイ・ライト・システム
操縦系統などには電子戦に強い光ファイバーを使った「フライ-バイ-ライト」(FBL)システムを採用する。「FBL」はすでに海自の新型哨戒機「P-1」に搭載、世界で初めて実用化に成功している。

   世界一の素材技術を使い、敵を凌駕するステルス性
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機体構造には高い電波吸収機能のある「シリコン・カーバイド繊維」を採用する。コクピットキャノピ–には高い電磁遮蔽性能を持つ「プラズマテレビ用電磁シールド」を採用する。さらに機首レーダー収納部には電波反射波の方向を曲げる機能を持つ「メタマテリアル」を使う。これ等の基本素材は、我国で開発済みかあるいは開発の最終段階にある。

凌駕の アクティブレーダーステルス
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航空機の外形形状に沿ってレーダー送受信素子を配列する次世代型センサー・システム、スマートスキンにより、敵レーダーを解析し同じ電波を180度返すことで、
忍者が術を使って隠れるように、レーダー的に不可視化にする。


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■   世界一の半導体技術で次世代型ハイパワー・レーダ
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*現在世界各国で主流となっているレーダーはガリウム・砒素(GaAs)半導体素子を使ったAESAレーダーである。「F-3」に搭載するレーダーは、(GaAs)素子に代わり、出力が3倍もある、従って探知距離が飛躍的に伸びるガリウム・ナイトライド(GaN)半導体(窒化ガリウムとも云う)素子を使用する。

「GaN」送受信素子は、2012年就役した新護衛艦「あきずき」クラスに搭載された
「FCS-3A」射撃管制レーダー(三菱電機製)に使われたのが世界最初である。

また「F-2」戦闘機近代化計画の一つとして「F/APG-2」レーダーの搭載が始まっているが、これも「GaN」素子で作られている。

さらに従来の99式空対空誘導弾「AAM-4」を改良した「AAM-4B」誘導弾にも「GaN」素子製のAESAレーダーが新たに装備された。「GaN」素子製のレーダーを実用化したのは我国が最初で、米国を含む他国では未だ開発途上にある。

*「F-3」には、高出力の(GaN)レーダーと赤外線センサー(IRST)および電子支援装置(ESM)から得られるデータを融合して、ステルス機の探知、対処を可能にする「戦闘機搭載用センサー/スマートRFセンサー」を開発し、前述の「統合火器管制システム」の主装備として搭載する。



無人装備研究開発ビジョンに基づく研究開発

 ○ 高い安全性・信頼性を有する無人機に関する構想検討(0.3億円)
 我が国の国土国情に適した運用のため、安全性・信頼性を特に重視した遠距離見通し外運用型無人機の実現に向けて運用者の意見を聴取し、平成29年度作成のデジタルモックアップ及び概算コストモデルに反映


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[東京 31日 ロイター] - 防衛省は31日、2018年度予算の概算要求で、過去最高の5兆2551億円(米軍再編など含む)を計上することを正式に決めた。北朝鮮をにらんだ弾道ミサイル防衛、中国をにらんだ島しょ防衛を強化するとして、今年度予算比2.5%の増額を求める。米軍再編費を除いた要求額も、初めて5兆円を超えた。

北朝鮮が発射を繰り返す弾道ミサイルへの対応では、新たな迎撃ミサイルシステムの整備に着手する。イージス艦に搭載するシステムを陸上に配備した「イージス・アショア」の採用が有力で、年末までに正式決定し、政府予算案に設計費を計上する。複数の関係者によると、配備は2023年度になる見通しだ。

日米が共同開発し、射程や速度を向上させた新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の取得費用も、今年度に続いて要求する。現行ミサイルの後継「SM3ブロック1B」の取得費と合わせ、計657億円を計上した。ブロック2Aは21年度、ブロック1Bは22年度からの配備を予定している。

さらに自動警戒管制システムの改修費107億円を盛り込んだ。弾道ミサイルを意図的に高く飛ばしたり、複数の弾道ミサイルを同時に発射するなど、迎撃困難な攻撃への対応を強化する。

島しょ防衛の強化では、超音速で滑空する地対地弾の要素技術研究費100億円を要求する。関係者によると、尖閣諸島(中国名:釣魚島)に上陸した敵に対し、南西諸島の離島から滑空弾を発射して攻撃することを想定していうという。

新たな対艦誘導ミサイルの要素技術研究も進める。要求額は77億円。巡航ミサイルのような大型の翼を備え、敵のレーダーに見つかりにくいステルス性のあるミサイルを想定。既存の対艦ミサイルよりも射程を伸ばし、敵の攻撃が届かない位置から発射できるようにする。

このほか、護衛艦の数を増やすため、従来より小さな新型艦艇2隻の建造費964億円を要求。探知能力を向上させた潜水艦1隻の建造費715億円も盛り込んだ。

米軍再編費を含めた要求総額は、4年連続で5兆円を超えた。再編費を除いた要求額も5兆0219億円と、初めて5兆円台に乗せた。
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我が国の 防衛と予算 - 防衛省


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○ 島嶼防衛用高速滑空弾の要素技術の研究(100億円)島嶼防衛のための島嶼間射撃を可能とする、高速で滑空し、目標に命中する島嶼防衛用高速滑空弾の要素技術の研究を実施


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○ 島嶼防衛用新対艦誘導弾の要素技術の研究(77億円)諸外国が保有するミサイルの長射程化を踏まえ、その覆域外から対処が可能となるよう、現有の対艦ミサイルの射程及び残存性の向上を目的として、新たな島嶼防衛用対艦誘導弾の要素技術の研究を実施 

毎年8月末日に公開される「我が国の防衛と予算-平成○○年度概算要求の概要」をダウンロードして開く度に少なからずサプライズがある。

今年は大きなサプライズがあった「島嶼防衛用兵器」としているが、遂に策源地攻撃用兵器の研究予算を概算要求をしたことだ。

策源地攻撃は、現防衛大臣である小野寺五典氏が議員時代から強く主張してきたことだ。
防衛大臣としては、まだ憲法九条に縛られ防衛大臣として策源地攻撃についてその持論を自由に発言できていない。


20年近く前から、敵基地攻撃兵器については、トマホーク導入と言いつつ実現していないが、水面下で弾道弾と巡航ミサイル配備を研究していることは、私のような国防問題に関心がある者にとって、ほぼ既成事実ではあった。2003年の石破発言以来、北朝鮮がその危険性を増す度に、その一端は少しづつ仄めかされてきた。

北朝鮮の核ミサイルの脅威が現実となりつつあり、ついに策源地攻撃兵器保有の可能性について、ついにベールを脱ぎ始めたと言っても過言ではない。

昨年も、尖閣防衛ミサイルを導入するとリークがあり、その正体について、様々と憶測されたが、結局昨年のリークは12式地対艦ミサイルの射程延長型であると説明された。だが私は単なる地対艦ミサイルでは、どう考えても辻褄が合わないと思い続けきた。少なくとも、対地攻撃用の弾道ミサイルを検討しているのではないかと予想し記事を書いた。


XSSM-3/23式地対艦誘導弾(仮)開発へ  2016/8/15(月) 午前 1:14 


2013年の新防衛大綱の中に「敵基地攻撃能力の保有」を盛り込むか検討されたが、盛り込まれてはいなかった。

島嶼及びその周辺海域に展開する部隊等に有効に対処できる誘導弾用弾頭として、上陸用舟艇等の近傍で起爆し、数発で数百m四方の範囲にある目標を破壊する高密度EFP弾頭(Explosively Formed Projectile:爆発成形弾)や、大型艦艇の外壁を上面・側面から貫徹し、内部の構造物を破壊しうるシーバスター弾頭(先駆弾頭により艦船等の外壁を貫徹し、主弾頭により内部構造物を破壊する弾頭)について、弾頭威力及び耐衝撃性に関する基本性能を確認するための研究が行われている。

● 島嶼防衛用高速滑空弾
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島嶼防衛用高速滑空弾とは、米中が研究している超音速滑空弾ウェーブライダーそのものではないのか?

超音速滑空弾ウェーブライダーとは、米国が開発に先鞭をつけた極超音速(マッハ5以上)で飛行し、かつ精密にピンポイント攻撃が可能というコンセプトを持つ。
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Artist´s Impression of DARPA’s Hypersonic Technology Vehicle (HTV-2) in flight. Credit: DARPA
実験段階で中断しているのか、情報が伝わらないだけなのか不明だが、米空軍とDARPA国防高等研究計画局)の共同で推進する「ファルコンHTV-2計画SR-72計画」の中で事件された。
ファルコンプロジェクトの実験機は「HTV-2」という極超音速無人グライダーである。HTV-2をICBM用ロケットで打ち上げたロケットブースターから切り離して超高速で滑空させ、極超音速で、非核弾頭を攻撃目標に命中させようとした。しかし、2010年、11年に行われた過去2回の実験は不調に終わった。
アメリカ戦略軍 United States Strategic Command(USSTRATCOM)旗下の陸軍宇宙・ミサイル防衛コマンド/陸軍部隊戦略コマンドがDARPAとは別にAHW」と呼ばれマッハ5の滑空する無人グライダーを開発中である。
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Advanced Hypersonic Weapon
日本もTRDIと米国が共同で極超音速機の研究をしていたのだが、防衛装備庁のHPでは確認できなくなっている。
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2016年1月9日に中国上空で飛行が確認された、中国の極超音速飛翔体は、米国防総省によって、「WU-14」と名付けられた。これは、マッハ10程度の極超音速で飛行する無人グライダー型兵器を開発するための実験機と考えらている。

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2010/4/30(金) 午前 0:24

世界で唯一の被爆国である日本は、日本は二度と核兵器の惨禍を経験しない為にも、核兵器抑止力としてCSM(Conventional Strike Missile)非核ミサイルほど最適な兵器は無い。

 極超音速兵器は、核抑止力に取って代わる次世代の抑止力を開発する動きであり核兵器による核抑止力ではないので、開発を行っても、多くの日本人にアレルギーを起こさせない。また、極めて裾野の広い研究分野や各種産業を総動員するので、日本の技術力を再生プロジェクトとして非常に有望である。



現時点で島嶼防衛用兵器が、将来、南北朝鮮、中露の核に対する抑止力となる兵器に発展する可能性を秘めている。

あくまでも研究試作とのことだが、大きさ、飛行距離、到達高度、全て不明である。
垣島・宮古島から尖閣諸島に到達する射程300kmの12式地対艦ミサイルを射程延長型を開発中であるので該当しない。
2013年6月23日の産経新聞に「陸自に短距離弾道弾 沖縄配備で尖閣防衛」という記事が載った。※リンク切れで当ブログ記事に飛びます
防衛省が短距離弾道ミサイルの開発の検討に入ったことが25日、分かった。射程は400~500キロを想定し、沖縄本島に配備することで中国による尖閣諸島(沖縄県石垣市)など東シナ海の離島侵攻への抑止力強化を目指す。7月にまとめる防衛力整備の基本方針「防衛計画の大綱」改定案中間報告に明記、平成26年度予算案概算要求に調査研究費を計上したい考え。

実現すれば陸海空3自衛隊が保有する初の弾道ミサイルとなる。運用は陸上自衛隊が行う方向だ。

16年の防衛大綱改定の際も、防衛省は長射程ミサイルの技術研究開始を検討した。だが、公明党が敵基地攻撃能力保有と専守防衛逸脱の恐れがあるとして反対したため見送った。

今回は射程を限定することで敵基地攻撃能力に直結しないと明確化。配備場所も沖縄本島と明示し、九州に配備すれば射程内に入る韓国の反発にも配慮する。

防衛省は16年以降、長射程ミサイルについて陸自の多連装ロケットシステムの能力向上を水面下で検討した。発射台を換え、米軍のミサイルATACMSを発射可能にする案だが、ATACMSの射程は300キロで、沖縄本島から400キロ以上の尖閣には届かない。

 このため弾道ミサイル開発の検討に入ったが、低い高度を水平飛行する巡航ミサイルの長射程化ではなく、放物線を描き高速落下する弾道ミサイルを採用するのは「即応性」に優れているため。弾道ミサイルは射程500キロ以内では飛行時間は5分程度で、巡航ミサイルは低速のため同距離だと数十分かかるという。

運用方法は、特殊部隊を乗せた中国艦艇が尖閣に接近すれば近隣海域に弾道ミサイルを着弾させ不法上陸を遅らせる。不法占拠された場合でも、増援艦艇の展開を防ぎ、陸自部隊の迅速な奪還作戦を支援する。
防衛省が短距離弾道ミサイルの開発の検討に入った
ミサイルの島嶼間を飛行ということで、沖縄本島から尖閣の距離であるから500km程度と想像できるが、400-500kmであれば弾頭をわざわざ滑空させる必要がない。

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この滑空型弾頭部はHGV(超高速滑空体)、タングステン鋼などの硬い対戦車砲弾に使うような金属の塊であり核弾頭ではなく、爆薬すら入っていない。宇宙からマッハ10以上、時速1万kmの超高速で突入しスピードと重さが作り出す運動エネルギーだけで、地上目標を破壊する。

HGV(超高速滑空体)が、もしイプシロンロケットで打ち上げたのであれば、地球上のどこでも1時間以内に到達する。 打ち上げ後、大気圏外で分離されたHGVは、目標へ向かって落下を始める。 
そして、最終的にマッハ10以上、時速1万kmを超える高速で、目標にピンポイントで突入する。ミサイルというより隕石落下に等しい。放射能がでないぶんクリーンな爆弾ではありますが、2013年ロシアチェリャビンスク州の隕石落下は凄まじい破壊力であった。
亜音速のトマホークであれば1000km飛行するのにおよそ1時間かかり、その間に北朝鮮や中国の「輸送起立発射機」(TEL)が移動してしまう恐れがあるが、弾道ミサイルでHGV(超高速滑空体)を打ち上げれば、打ち上げ作業中の北朝鮮や中国の「輸送起立発射機」(TEL)を攻撃することも可能である。
普通に考えれば、これは尖閣諸島を防衛するミサイルではなく、核兵器を積んだICBMに代わる核抑止兵器であり射程500kmですらない。おそらく本州から中国全土が射程範囲となる。
また、潜水艦に積み太平洋に潜めば、中国本土どころか中央アジア付近を狙うことが可能となる。もし、太平洋に潜だとしたならば、絶対に中国海軍の対潜能力では捕捉することはできない。

●島嶼防衛用新対艦誘導弾
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LRASM 
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あきらかにトマホークより1世代新しい長距離対艦ミサイルLong Range Anti-Ship issile, LRASM
を意識した日本独自の巡行ミサイルとなる可能性が高い。
平成26年度の先進対艦・対地弾頭技術の研究に掲載されている対地弾頭弾に瓜二つである。
また、よく見ると、自衛隊の研究用無人機TACOM)にもよく似ている。
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翼をたたむので、見た目は航空機発射もしくは、離陸用補助ロケットを点け地上からの発射も可能と思われる形状をしている。
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この図にも「島嶼防衛用新対艦誘導弾」らしきイラストがあるが、地上発射用の補助ロケットが描かれており、「島嶼防衛用新対艦誘導弾」は空中発射型と地上発射型両方構想されていると思われます。

見た目でしか判断できないが、亜音速で飛翔する誘導装置付きクラスター爆弾をばら撒く対地、対舟艇用島嶼防衛兵器だと思われます

自衛隊無人機(TACOM)の航続距離は公表されていませんが、九州~尖閣往復距離の2000kmは飛ぶのではないかと私は推定しています。となると島嶼防衛用新対艦誘導弾の航続距離は500km以上飛翔する可能性もあります。ちなみにLRASMは射程800kmです。

いずれにしても「島嶼防衛用高速滑空弾」と「島嶼防衛用新対艦誘導弾」は島嶼防衛用と平成30年度概算要求の概要に書かれていますが、自衛隊がこれまで持つことを許されなかった、策源地攻撃用の長射程対地攻撃兵器の開発を意味し、政府首相官邸が核抑止力を独自に持とうと舵を切ったものと推定できます。

巡航ミサイルの命中度を高める為にGPSの精度は極めて重要となる。 日本独自のGPS衛星準天頂衛星初号機みちびきの運用が2017年2月28日をもってJAXAから内閣府に移管した。このことは今回の「島嶼防衛用高速滑空弾」と「島嶼防衛用新対艦誘導弾」導入検討とリンクしているということになる。

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今年度は実現しなかったが、独自の対地兵器を導入する下準備として、北朝鮮基地攻撃用に、米国よりトマホーク200発を200億円で導入すると言う構想も漏れ伝わる。北朝鮮の基地攻撃に、日本版GPSを活用するということであろう。

日本版GPS準天頂衛星みちびき1.2の誤差範囲はわずか6cmで、米国のGPS(10m)に比べて正確度がきわめて高い。日本政府は、今年中に位置測定用衛星の3機体制を整え、米国のGPSと併用し、GPSの24時間活用体制を整える計画だ。

2023年までには位置測定用衛星7機を運用し、米国に依存しない独自のGPS体系を完成する予定だ。

○ EMP弾に関する研究(14億円) 

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強力な電磁パルスを発生し、センサ・情報システムの機能を一時的または恒久的に無力化するEMP弾構成要素(EMP放射部)を試作するとともに、併せてEMP防護技術に関する検討を実施 
※ EMP:Electro Magnetic Pulse(電磁パルス)

よくよく見ると、昨年までEMP弾は落下傘で降下する爆弾であったのだが、今年は
地対地もしくは空対地ミサイルとなっているのだ。

島嶼防衛と策源地攻撃にEMP弾を利用しようと検討している。

4 宇宙空間における対応 

各種人工衛星を活用した情報収集能力や指揮統制・情報通信能力を強化するほか、宇宙空間の安定的利用の確保のための取組を実施する。宇宙関連経費887億円※ 
※ 弾道ミサイル防衛関連経費の宇宙関連部分を除く

今回の概算予算請求に民間衛星の軍事活用予算も見積もられている。

○ 衛星通信の利用(730億円)・ Xバンド防衛通信衛星3号機(スーパーバードC2号機の後継衛星)の一部整備・ Xバンド通信衛星に対応するための装備品等の改修等・ 商用通信衛星回線の借り上げ、衛星通信器材の整備・維持等 

○ 商用画像衛星・気象衛星情報の利用(112億円)・ 画像解析用データの取得(WorldView-4, 国産商用光学衛星,超小型地球観測衛星等) 


JAXA陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)の利用 
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などがあげられており、米軍の早期警戒衛星に頼らない独自の早期警戒・監視ネットワーク構築も進めている。
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宇宙状況監視に係る取組(44億円)・ 米国及びJAXA等の国内関係機関との連携に基づく宇宙状況監視(SSA)に必要となる宇宙監視システムの整備に係る詳細設計等・ 米国やJAXA等との連携強化のための技術支援
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○ 衛星通信の利用(730億円)・ Xバンド防衛通信衛星3号機(スーパーバードC2号機の後継衛星)の一部整備・ Xバンド通信衛星に対応するための装備品等の改修等・ 商用通信衛星回線の借り上げ、衛星通信器材の整備・維持等

○ 宇宙を利用したC4ISR(※)の機能強化のための調査・研究等(77百万円)・ 宇宙空間での2波長赤外線センサの実証研究(継続)※ C4ISR:Command(指揮),Control(統制),Communication(通信),Computer(コンピュータ),Intelligence(情報),Surveillance(監視),Reconnaissance(偵察)

○ 米空軍宇宙業務課程等への派遣(23百万円)・ 米国コロラド州の米空軍基地で実施する「宇宙業務課程」に要員を派遣し、宇宙全般に関する知見を習得。・ 宇宙分野における多国間机上演習等への参加 

サイバー空間における対応 

サイバー攻撃に対する十分なサイバー・セキュリティを常時確保できるよう、サイバー空間上の脅威情報の収集・分析体制の強化等、所要の態勢整備を行うとともに、効果的なサイバー攻撃対処のための最新技術の研究を行う。 
サイバー関連経費145億円 
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(1)体制の充実・強化 
サイバー防衛隊の体制の強化(約110名→約150名) 
○ 情報収集・分析体制の強化(約20名増)サイバー空間上の脅威に関する情報を収集・分析するための体制を強化 
○ 分析・解析体制の強化(約10名増)防衛省・自衛隊に対するサイバー攻撃を分析・解析するための体制を強化 
○ 事案対処体制の強化(約10名増)機関等に対するサイバー攻撃への対処体制を強化 

(2)運用基盤の充実・強化サイバー攻撃に対する十分なサイバー・セキュリティを常時確保できるよう、サイバー空間上の脅威情報の収集・分析体制の強化等、所要の態勢整備を行うとともに、効果的なサイバー攻撃対処のための最新技術の研究を行う。 

(3)最新技術の研究体制の充実・強化

 ○ 基地内インフラのセキュリティ対策に関する調査研究(0.5億円) 
航空自衛隊の基地内インフラ(電力制御システム等)に潜在するサイバー攻撃に対するリスクを掌握するための調査研究を実施基地内インフラのセキュリティ対策に関する調査研究

 ○ 移動系システムを標的としたサイバー攻撃対処のための演習環境整備に関する研究(45億円)防衛省・自衛隊の移動系システムを標的にしたサイバー攻撃への効果的な対処手法の検討・評価に資する、移動系サイバー攻撃対処技術に関する研究を実施 

○ 人工知能のサイバー・セキュリティへの応用に関する調査研究(0.9億円)サイバー防衛隊による防御の実効性を高めるため、深層学習等のサイバー・セキュリティへの応用に関して調査し、防衛省のネットワーク防御に人工知能を活用したソフトウェア等を応用するための調査研究を実施


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どうやら原因の一つが、イージス艦のステルス性能が仇となり、レーダーで発見しにくいという皮肉な話もあるらしい・・・・
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シンガポールのチャンギ海軍基地に到着した米イージス駆逐艦ジョン・S・マケイン=21日(ロイター)
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マラッカ海峡東方でタンカーと衝突した米イージス駆逐艦ジョン・S・マケイン=21日(ロイター)
シンガポール近くのマラッカ海峡東方で21日午前、タンカーと衝突した米イージス駆逐艦「ジョン・S・マケイン」は同日午後、シンガポールのチャンギ海軍基地に到着した。2隻の船に護衛されながら基地沖を自力で航行し、タグボートにけん引されて入港。左側の船尾付近に衝突した際に生じたとみられる直径3~5メートルほどの穴のような痕跡があった。

米海軍によると、負傷者5人のうち4人はシンガポール軍のヘリコプターで病院に搬送された。命に別条はないという。

過剰負担が背景か、事故相次ぐ米第7艦隊

米海軍横須賀基地を拠点にする第7艦隊の艦船が21日、6月に続き衝突事故を起こした。同艦隊は北朝鮮のミサイル発射実験への対応や、中国が軍事拠点化を進める
南シナ海での「航行の自由作戦」などで忙殺されている。相次ぐ事故の背景に、過剰な負担があるのではとの見方が出ている。          
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シンガポールのチャンギ海軍基地に到着した米イージス駆逐艦ジョン・S・マケイン=21日(ロイター)
「作戦の頻度が多すぎる」。米軍関係者はこう漏らす。第7艦隊は米海軍の艦隊の中で最大規模の戦力を擁するが、西太平洋からインド洋にかけての広範な海域を担当する。この関係者は「米本国の部隊に比べ負担が大きく、横須賀への異動は人気がない」と明かす。
7月下旬には横須賀基地で、第7艦隊の人員配備に関する会議が開かれた。海軍幹部は「前方展開する部隊は、やりの先端だ。すぐにでも戦えるように人員が適正に配置されていなければいけない」と強調していた。

ある米駆逐艦の元艦長は21日の事故を受け、米紙に「信じられない事故だ。米艦船の即応性や混雑した海域で慎重に航行できるかどうかについて疑問を抱かせる」と述べた。(共同)

この切迫したアジア情勢のなか、米海軍は、軍規のゆるみと思われてもしかたがない醜態を曝してしまった。

8月21日午前シンガポール近くのマラッカ海峡東方で衝突した「ジョン・マケイン」、そして3ヶ月前6月26日伊豆下田沖で事故を起こした「フィッツジェラルド」両艦とも横須賀を母港とする、第7艦隊所属のイージス艦である。

北朝鮮の弾道ミサイルをめぐり、緊張するなか、北朝鮮から日本を守るイージス艦が2隻も衝突事故を起こし、合わせて不明者を含め17人の米海軍軍人が殉職している。

艦の名前の由来である御年80歳、傘寿の米共和党の重鎮、ジョン・マケイン上院議員は脳腫瘍と診断されて療養していたのだが、7月25日、上院に復帰し、医療保険制度改革(オバマケア)改廃法案の審議入りを決める投票に加わり賛成票を投じたばかりだ。

しかし、マケイン議員はアメリカ上院軍事委員会委員長として、2010年から2014年までの間に21%の国防予算を削減し、アメリカ軍の能力が低下させた張本人でもある。なんと皮肉なはなしだろうか!

米第七艦隊横須賀に配備している弾道ミサイル迎撃(BMD)能力を備えたイージス艦は7隻であったが、2隻が脱落し、日本のBMD能力があるイージス艦4隻(今年中にあたごが加わり5隻)、合計9隻である。突貫工事であたごが早期に復帰しても10隻では、乗組員の負担が増え、それによって士気が下がる可能性がある。

 北朝鮮問題で緊張が高まる中、その他の艦隊からBMD能力を持つイージス艦が回航されてくると考えられる。しかし、単に数を合わせればいいというものでもない。新しいイージス艦の乗組員が西太平洋での作戦に慣れるには、時間がかかるであろう。二隻のイージス艦の脱落は北朝鮮問題に少なからず影響を与える可能性が高い。
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6月26日、伊豆半島沖で米海軍のイージス駆逐艦と衝突したコンテナ船の船長が、船主に提出した報告書の内容が明らかになった。写真はイージス艦「フィッツジェラルド」。横須賀で6月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)
伊豆半島沖で米海軍のイージス駆逐艦と衝突したコンテナ船の船長が、船主に提出した報告書の内容が明らかになった。コンテナ船は左舷にイージス艦を見つけ、ライトを点滅して注意喚起したものの、米艦は針路を維持。コンテナ船は右に回避しようとしたが、間に合わなかった。

報告書によると、フィリピン船籍のコンテナ船「ACXクリスタル」は時速18ノット(約33キロ)で東京湾へ向けて航行。17日午前1時15分、見張り2人が左舷40度の3カイリ(約5.6キロ)離れたところにイージス艦「フィッツジェラルド」がいるのを発見した。

その5分後、イージス艦が「突然」動き、そのままの針路では衝突しそうに見えたことから、コンテナ船は手動で操舵しながら、注意を引くためライトを点滅させた。米艦は針路を維持したままのように見えたという。コンテナ船は右へ一気に舵を切ったが、午前1時30分、両船は衝突した。

今回の衝突事故ではイージス艦の乗員7人が死亡。米海軍にとって、2000年にイエメンで起きたイージス艦爆破事件以来の惨劇となった。フィッツジェラルドの艦長は自室で負傷しており、衝突前に警報が鳴っていなかった可能性を示唆している。

ACXクリスタルの船主、大日インベスト(兵庫県神戸市)はロイターの取材に対し、「捜査状況にかかわることは回答できない」とした。事故原因を調査している米海軍、米沿岸警備隊、海上保安庁もコメントを控えた。

(ティム・ケリー 取材協力:久保信博※)


[東京 26日 ロイター]
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https://twitter.com/GregAtkinson_jp/status/875940020514734081?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=http%3A%2F%2Fwired.jp%2F2017%2F06%2F21%2Finternet-of-ships%2F

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300トン数以上の国際航海する船舶には自動船舶識別装置(AIS)を搭載する義務があり、その情報はインターネットで公開されている。今回の事故についても、コンテナ船のAISデータから事故発生時のコンテナ船の動きがわかっている。緑色の矢印がコンテナ船の動きだ。

ACXクリスタルが異常なルートでフィッツジェラルドを横切り後ろから衝突しています。

私にはどう見てもコンテナ船側に過失があるように思えてならないが、素人判断らしく、それでもフィッツジェラルド側に責任があると言う。

後ろから追突されたのだが、本来はそれでも逃げなくてはいけない。追い越し船の商船の方に回避義務があるのだが、船の世界は、『何があっても衝突をするな。衝突を避けるための最善の協力動作を取らなくてはならない』という一条がある。よって、イージス艦も危ないと思ったら逃げる義務があるらしい。

イージス艦フィッツジェラルドにもAISを搭載しているが、軍艦はその位置を知られるのを避けるため、AISを切って航行することが多い。今回フィッツジェラルドのAISは切られいたという

2000年にイエメンで小型ボートによるテロ攻撃を受けた米イージス艦「コール」は、重量物運搬船に乗せられ、米本土で修理を受け、復帰には3年かかった。今回はそんな悠長なことは言ってはいられない。


【追記】2017.8.27
この記事は追記せざるを得ない

米海軍で相次ぐ衝突事故は某国ハッカーによるものなのか
【航空宇宙ビジネス短信・T2:】2017/8/25

これが本当なら軍艦の保安体制をいかに強固にしても民間商船を乗っ取れば海軍力を脅かすことができるはずです。商船の数は膨大でかつセキュリティ対策もばらばらなため狙われやすくなってしまいます。米海軍が世界の笑いものだとまで公言してはばからない国があり、まっさきに関与を疑われるでしょう。しかし日本近海でも発生した事案までハッカー集団のしわざとすれば、日本国内に実施能力を有する協力者がいることになります。思い当たる筋はありますが、口だけの反体制派であり、批判がすきなだけの人たちなのでこの説は怪しくなっていますね。

Could hackers be behind the US Navy collisions?
米海軍海上衝突事故の背後にハッカーがいるのか


イメージ 7USSフィッツジェラルドは2017年6月17日に民間商船と衝突事故に巻き込まれた。横須賀海軍基地へ帰港した事故翌日の姿TYLER HLAVAC/STARS AND STRIPES

イメージ 8By ELIZABETH WEISE | USA Today | Published: August 24, 2017
https://www.stripes.com/news/navy/could-hackers-be-behind-the-us-navy-collisions-1.484351#.WZ_bnChJbcs


SAN FRANCISCO (Tribune News Service) — 米海軍艦船で相次いで発生した民間商船との海上衝突事故の裏にハッカーがいるのか。専門家の意見では可能性は限りなく低いながら不可能ではないとし、米海軍が調査を開始した。

ツイッターの噂では、衝突事件二件はサイバー攻撃あるいはジャミングが原因だ。

今年に入り米海軍関連の事故が連続4件発生しており、うち二件が死亡事故になったが高度なコンピュータ装備を備えた軍艦で航法上の過ちが起こったことから世界規模の米政府へのサイバー攻撃へ懸念が生まれている。

海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将もツイッターで今週月曜日にサイバー侵入や妨害活動の証拠はないが、「想定できる可能性すべてを検討する」と述べた。

技術に詳しい専門家の言ではGPSがハッキングされ艦の航法装備が悪影響を受けるシナリオは可能としながら今回の海軍事例で攻撃の証拠はないと強調する。

「証拠が見つからないため今のところは乗員の不注意が理由と見ていますが、海軍艦艇が警戒していなかったとは思いたくありません」とテキサス大オースティン校のトッド・ハンフリーズ教授が述べている。教授はGPSのセキュリティが専門だ。

米海軍が調査に乗り出す

今週月曜日にUSSジョン・S・マケインがマレーシア沖合で民間タンカーと衝突し、乗員10名が行方不明、5名が重軽傷となった。6月17日にはUSSフィッツジェラルドが民間貨物船の衝突を受け7名が死亡している。

海軍は大混乱だ。水曜日にはジョセフ・オーコイン中将が第七艦隊司令長官を解任されて、月曜日に世界規模で艦艇運用を停止し安全点検させ根本原因を探ろうとした。

航法ソフトウェアの妨害あるいは誤作動を招く技術はすでに存在するが米海軍は強固な暗号化でGPSを使い、妨害は極めて困難なはずとハンフリーズ教授は述べる。

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マラッカ海峡の衝突事故でUSSジョン・S・マケインの左舷に生じた損傷。同艦はチャンギ海軍基地(シンガポール)に到達した。 JOSHUA FULTON/U.S. NAVY

装備を出し抜くには「記録およびリプレイ攻撃」と呼ばれる技術を使うしかないと教授は述べる。つまり衛星経由で海軍艦船に送付される暗号化位置データを記録し少し遅れて記録内容を再生し艦船に指示するのだ。「これで艦船に実際の場所ではない情報を送ることになります」(ハンフリーズ)

これはきわめて高度かつ実施困難なハッキング技術で航法関連のデータストリームを各方面で記録してから二か所以上から信号を送信する。近隣を航行中の艦船が誤った情報を受けとらないように送信は対象艦船のごく近い場所で送信する必要があり、無人機複数を投入することになるはずだ。

GPSハッキングは可能

非実現性な話に聞こえるが決して不可能ではないとハンフリーズ教授は述べる。2013年に教授は時価80百万ドルするヨットのGPS装備を欺瞞し数百ヤードも航路から外れた場所に移動させ危険性を立証している

リチャードソン作戦部長も二か月未満で二回も「きわめて深刻な事件」が発生したことで「今のままでいいのかと重大な懸念が生まれた」と述べている。海軍はフィッツジェラルド事件の原因は当直乗組員の状況認識の欠如だとする。

米沿岸警備隊で海上運航装備を統括していたデイナ・ガワードもハッキングが米海軍の海上衝突事故の原因とは見ていない。

沿岸警備隊で艦長も務めた本人によれば長年の海上航法の経験からとくに交通量が多い地区では衝突につながる単純な過誤が容易に生まれるのだという。「人的エラーが発生しやすい困難な場所」だという。

ロシアのハッキング事例

サイバー攻撃で衝突したと信じる向きは軍組織に能力があると知っているからだ。例としてガワードは悪意ある勢力が商船の非暗号化航法データに目を付け短時間のジャミングで海軍艦艇に向かわせる可能性があるという。あるいはハッカー集団が貨物船のGPSを乗っ取り航路を外すよう指示するという。

「一方にだけ責任があるはずがない」と英国王立航海大学の学長を務めたデイヴィッド・ラスト教授が述べる。「脆弱な方を攻撃すればいいのです。この場合は民間商船です。実際にそうだったと言うつもりはありませんが、もし自分が実行犯ならそうしますね」

北朝鮮、中国、ロシアの軍部にGPSジャミング能力があることは知られているとガワードは述べ、GPSのジャミング、欺瞞工作は以前からあり、実際に発生している。

6月に黒海を航行中の20隻以上の艦船からGPS装備が誤作動し航路より19マイルも外れたロシアのゲレンジック空港を表示したとの報告がある。「あたかも艦船が空港上に駐機している」ようだったとラスト教授がコメントしている。ハンフリーズ教授はこの事件はほぼ全なGPS攻撃事例であり、「今後も発生する」という。■

©2017 USA Today
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逆にもしこれが北朝鮮や中国によるハッキング攻撃であれば、米軍や自衛隊は、かなり深刻な事態かもしれない。この2ヵ月で第七艦隊はBMD能力を約30%も失ったことになる。30%の損失は撤退を決意するに等しい損失率でもあるのだ。

正直なところ、この2隻のイージス艦の脱落は、9月9日開戦説を打ち消してもおかしくない損失でもある。もし、北朝鮮による仕業であれば、トランプ政権が、北朝鮮相手に安易に戦端を開けばトンデモナイしっぺ返しを喰らう恐れすらある。

以下のワイアードの記事を読むと、相次ぐイージス艦の衝突原因は、北朝鮮によるハッキングが原因であるという説の信憑性が高感じてしまいます。
米大手映画会社へのハッキング、バングラデシュ中央銀行へのサイバー強盗、世界を騒がせたランサムウェア「WannaCry」──。北朝鮮によるとみられている一連のハッカー攻撃は、なぜ無秩序で一貫性がないように見えるのか。それには実は「合理性」があるのだという。その実体に迫った。

TEXT BY ANDY GREENBERG
TRANSLATION BY YASUKO ENDO/GALILEO

WIRED(US)


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PHOTO: Bill Hinton/GETTY IMAGES

北朝鮮が、この地球上で最も謎に満ちた国であることはほぼ間違いない。同国政府が主導するハッカー集団も謎だらけだ。

彼らが世界的に展開するサイバー攻撃は、北朝鮮政府と同じくらい一貫性がなく不可解なものである。彼らは奇妙な偽装団体や架空の恐喝組織の陰に隠れている。そして、デジタル上で不当な行為を行い、莫大な金額を盗み出している。そういった手口は、政府所属のサイバースパイというよりは、組織犯罪集団が常習的につかうものだ。

2017年5月に全世界を騒がせたランサムウェア「WannaCry(ワナクライ)」で攻撃をしかけたのは北朝鮮のハッカーだと考えられている。WannaCryの無差別攻撃で世界中が危機に見舞われたが、北朝鮮がそれによって明確なメリットを得たというわけではない。

米朝間の緊張が高まりを見せるなか、北朝鮮のハッカーを監視するサイバーセキュリティの専門家や外交問題のアナリストたちは、こう考えている。北朝鮮の最高指導者である金正恩の配下にあるデジタル軍隊を、矛盾だらけの不合理な集団として切り捨てるのは賢明ではないと──と。

役立たずの外交専門家たちはすでに一度、北朝鮮の初期の軍事的挑発を無視する過ちを犯している。北朝鮮は、核の脅威をちらつかせてきたのと同じようにサイバー攻撃を利用している、とアナリストたちは警鐘を鳴らす。北朝鮮のハッカー集団は、金正恩政権全体と同様に、死に物狂いで、厚かましく、無能でありながらも、目的の追求においては抜け目なく論理的だというのだ。

ハッカー集団「Lazarus」との関係

アメリカの国土安全保障省(DHA)ならびに連邦捜査局(FBI)は2017年6月13日(米国時間)、北朝鮮の「Hidden Cobra(ヒドゥン・コブラ)」と呼ばれるサイバー集団が、米国の金融、航空宇宙、メディア業界の組織や重要なインフラをターゲットにしていたとする「テクニカルアラート」を発表した。

Hidden Cobraは多様なツールをもっている。例えば、ターゲットのウェブサイトに大量のジャンクトラフィックを送りつけるボットネットベースのサーヴィス妨害攻撃(DoS攻撃)や、リモートアクセスツール、キーロガー、データ破壊を行うマルウェアなども、そこには含まれている。

さらに重要なのは、DHAとFBIが発表したレポートで、Hidden Cobraが「Lazarus(ラザラス)」と同一集団であると考えられていることが明らかになった点だ。Lazarusは、サイバーセキュリティ業界が長年にわたって徹底追跡してきたハッカー集団で、北朝鮮とつながりがある疑いが強い。

レポート公表のちょうど24時間後には、「2017年5月に膨大な数のコンピューターが感染したランサムウェアWannaCryのワームは北朝鮮によるものであることを米国家安全保障局(NSA)が突き止めた」とワシントン・ポスト紙が報じた。セキュリティ企業のシマンテックやカスペルスキー、セキュアワークスは、すでにLazarusによる攻撃であるとしていた

北朝鮮がLazarusの活動を指図していることは明らかなように見える一方で、彼らのやり方は従来の国家主導型のハッカー集団とはまったく異なり、過去の盗みや無益な妨害には一貫性がない。しかし、彼らの動きは気まぐれに見えるかもしれないが、北朝鮮にとってはそうしたデジタル攻撃は理にかなったものだ。少なくとも、自衛のための選択肢をあまりもたず、制裁を受け、孤立する独裁国家にとっては合理的だ。

「(北朝鮮のハッカーは)合理的な集団です。北朝鮮は経済制裁を受ける“世界ののけ者”という立場にあり、デジタルツールを使ったところで失うものはほとんどありません」と話すのは、サイバーセキュリティ企業FireEyeで研究チームを率いるジョン・ハルトクイストだ。同氏は以前、米国務省のアナリストでもあった。「苦境に立たされた国がやりかねないことの一例として、北朝鮮のハッキング活動をとらえるべきです」

北朝鮮が「サイバー強盗」を繰り返す理由


北朝鮮のハッカー集団は、あからさまな窃盗行為を好んでおり、その傾向は国家主導型のサイバー集団の標準から大きく逸脱している。サイバーセキュリティ研究者たちはこの1年で、北朝鮮が自国の口座に何千万ドルものドル建て資金を送金するために、国際決済ネットワーク「SWIFT」プロトコルを使って一連の攻撃を仕掛けている証拠を積み重ねてきた。シマンテックやカスペルスキーといったセキュリティ企業のアナリストたちは、ポーランドやヴェトナムなど数十カ国における銀行への攻撃を、Lazarusと結びつけてきた

そうした攻撃のひとつには、2016年にハッカーがバングラデシュ中央銀行に侵入し、ニューヨーク連邦準備銀行の口座に不正アクセスして8,100万ドルを盗み出した事件もあった(もともとは8億5,000万ドルから8億7,000ドルを送金しようとしていたが、リクエストにタイプミスが含まれていたため発覚し[日本語版記事]、1割の被害に留まった)。

その動機ははっきりしている。北朝鮮は金を必要としているのだ。人権侵害を犯し、核開発をちらつかせる瀬戸際政策を行い、周辺国に対して社会病質的な攻撃姿勢を見せてきた結果、北朝鮮は致命的な貿易制裁を他国から科されている。北朝鮮は、ハッキング攻撃を始める前からすでに、ほかの無法国家への武器輸出に頼っていた。

さらには、独自の人身売買ビジネスや、覚せい剤の一種であるメタンフェタミンの製造にも手を染めている(国民の4割から5割がメタンフェタミン中毒だという推定もある)。サイバー犯罪は、貧窮した北朝鮮政府にとって、実入りのいい収入源なのだ。

「金を強奪することを任務の一環としている国家主導のハッカー集団が存在することを理解しなければなりません」と話すのは、カスペルスキーのセキュリティ研究者ファン・アンドレス・ゲレーロ=サーデだ。「困ったことですが、(彼らのそうしたサイバー攻撃は)単発的なものではありません」

ランサムウェアが新手の金儲け手段であるという認識が広まっているとはいえ、WannaCryの背後にある論理的根拠を推察するのは容易ではない。たとえWannaCryが制御不能に陥った未熟なランサムウェアだったとしてもだ。

世界中の膨大な数のコンピューターを麻痺させたコードの作成者たちは、結局14万ドル相当のビットコインを報酬として手にしただけで終わった。独裁国家にとっては、はした金だ。そればかりかWannaCryには、ファイルの暗号解読のためにお金を払った被害者が誰なのかを追跡する方法が欠けていた。彼らよりも熟練したランサムウェア集団が、多額の報酬を少数の被害者から集めるという信用モデルを打ち壊したわけだ。

そういったミスは、WannaCryの生みの親である北朝鮮の開発者たちが、早い段階でWannaCryのリークを許してしまったことが原因だ。コンピューターからコンピューターへと自動的に広がっていくワームは、封じ込めるのが難しいことで知られている(米国とイスラエルは、両国が独自に開発した「Stuxnet(スタックスネット)」というワームでそのことを発見した。Stuxnetは、もともと標的にしていた[日本語版記事]イラン核濃縮施設内にとどまらず、世界に広く拡散してしまった)。

セキュアワークスによると、LazarusのハッカーたちはWannaCryを世界に拡散させる前に、小規模な攻撃を実施してWannaCryをばらまいている。彼らは自ら開発したワームと、NSAから流出した強力な攻撃エクスプロイト「EternalBlue(エターナルブルー)」を組み合わせた

EternalBlueはNSAから流出後、2017年4月に「Shadow Brokers」(シャドー・ブローカーズ)というハッカー集団によってGitHubで公開されたものだ。EternalBlueを利用したことで、WannaCryの感染は、開発者の期待や制御を上回る勢いで急激に拡散するに至った可能性がある。「彼らはWannaCryを開発し、それを使ってお金を稼いでいましたが、手がつけられなくなったのです」と、カスペルスキーのゲレーロ=サーデは言う。

散見される「抜け目のなさ」

北朝鮮のハッカー集団の悪だくみは金稼ぎだけではない。彼らは2009年以降、米国と韓国を標的に、分散されたDoS攻撃もしかけてきている。2014年に起きたソニー・ピクチャーズへの攻撃[日本語版記事]と、韓国にある原子力発電所への攻撃[日本語版記事]という2つのケースは、サイバーセキュリティの専門家たちを当惑させてきた。

それらは敵に恐怖心を植えつけるための、ある種のサイバーテロのように思える。例えば、ソニー・ピクチャーズが制作した金正恩の暗殺パロディ映画『ザ・インタビュー』が公開延期され、その後も公開場所が限定されたのは、まさにこの手法による“成果”だろう。

しかし、一般的なテロ活動とは異なり、北朝鮮はそうした行為が自分たちの仕業だと認めたことは一度もない。北朝鮮のハッカー集団は、「Guardians of Peace(平和の守護者たち)」や「反核」のハッカーグループといった架空集団の陰に隠れている[日本語版記事]。さらに、被害者のコンピューターを破壊してデータを流出させると脅してお金を取ろうとさえしている。

「北朝鮮はそうした撹乱行為を行うことで、公式の外交交渉では否認しながら、彼らのターゲットは意図されたメッセージを受け取るという手段を手にしているのです」と、セキュアワークスの北朝鮮専門研究者であるジョシュア・チャンは指摘する。「IS(イスラム国)やアルカイダとは違い、北朝鮮は旗を振りかざして意思表示したりしません。しかし、科学的捜査で事態が解明されることを知っています。そのようにして取り沙汰されるたび、彼らは大きなメリットを手にするのです」

北朝鮮のサイバー攻撃はまた、同国の一般的な軍事戦略の延長線上としても合理的だ。北朝鮮の軍事戦略は、核ミサイルをはじめとした軍事増強が中心であり、それによって、より大きく資金も豊富な敵国を抑止することができる。「北朝鮮は、軍事的にも経済的にも敵国に劣っているため、相手の攻撃を食い止め、他を圧倒しつつ、軍事的反応を招くことなく力を誇示できるやり方をつかう必要があります」と話すのは、国防総省でかつて北朝鮮関連アドヴァイザーを務め、現在はジョン・ホプキンス大学高等国際関係大学院の客員研究員であるフランク・オムだ。

オムの主張によれば、北朝鮮にとってハッキングとは結局のところ、密かに実行することが可能で、公的には否認できるツールであるだけでなく、“戦場”では標的の反撃をほとんど心配しなくていいものである。「北朝鮮政権はサイバー攻撃を、報復される可能性が低いものとみているのではないでしょうか。というのも、サイバー攻撃は素早く確実に犯人が突き止められるものではないうえ、北朝鮮のネットワークの大半はインターネットから分離されている[日本語版記事]からです」とオムは述べる(北朝鮮のハッカーグループは1万人規模で、中国・瀋陽などを拠点にしていると報道されている[日本語版記事])。

これらを総合すると、北朝鮮による無秩序で一貫性のないハッカー攻撃は、今後も続くだろうことが予想される。なぜなら、攻撃が“成果”をあげているからだ。「彼らが極めて攻撃的なのは、犯人特定が難しく、彼らが窮地に陥っており、規範やタブーにとらわれていないからです」とFireEyeのハルトクイストは言う。「こうした状況では、彼らは必ずしも非合理というわけではありません。しかしいずれにしろ、極めて危険な存在なのです」



★★米駆逐艦事故は中国の電子攻撃が原因との見方広がる
【航空宇宙ビジネス短信・T2:】8/30/2017

 ついに中国の名前が出てきました。ハッキング説はトンデモ理論として日本では黙殺されていますが、米軍を「危険」としておく方が都合がよい勢力にとって良い状況です。米軍艦をハッキングしなくても防御の緩い民間船を乗っ取れば旅客機や大型トラック同様に恐ろしい攻撃が可能となるのですが。

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 事故直後のUSSジョン・S・マケイン。August 21, 2017. Photo: Reuters / Ahmad Masood
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衝突事件に中国電子戦の関与の疑い


By BILL GERTZ AUGUST 29, 2017 12:39 PM (UTC+8)
http://www.atimes.com/ship-collisions-raise-specter-chinese-electronic-warfare/

中国は艦船、航空機、ミサイルの機能を電子的に妨害する高度能力を整備し、人民解放軍(PLA)が将来の対米戦でこれを利用するのは確実だ。

立て続けに発生した米海軍艦船と民間商船の衝突事故で背後に中国がいるとの観測が生まれており、電子手段でレーダー・航法装置を妨害し衝突させたと主張する軍事専門家がいる。

ジャマー、妨害装置、サイバー手段で中国は世界最先端の装置を開発しており、電子装置で原因不明の誤作動や自損事故を起こさせられる。

今年7月30日、最新鋭電子戦装備が内蒙古でのPLA軍事パレードに参加した。中には敵防空網のレーダー、通信の妨害、地上通信かく乱用の装備があった。

「電子戦は今や戦闘の中核手段だ」と新華社で中国電子戦の中核主導者Wu Yafeiが語っている。「新型電子戦装備導入でPLAの作戦能力は大幅に引き上げられた」
2015年にはPLAは電子戦部隊、サイバー戦部隊を統合し戦略支援軍を編成した。

中国の軍事文献では電子戦関連が多数あり、2012年の論文ではPLAの「海上狼群」整備を分散型電子戦体制として敵の戦闘群攻撃に使うとしている。

2011年の中国航空宇宙科学工業公司の論文では「イージス艦対抗装備」を取り上げている。フィッツジェラルド、マケインはともにイージス艦であり、日本、韓国もイージス戦闘艦を運用している。同論文では大量の極超音速ミサイルと電子装備の併用でイージス艦を攻撃すると述べている。

「イージスへの攻撃は極めて困難だが、精密誘導技術の急速な進展とミサイル技術によりイージス防衛システムも万能とは言えなくなっている」とあり、最後には「イージスシステムが高性能装備であっても無敵の防御手段はありえない」としていた。

中国は近年では自国周辺の海域すべてでの覇権確立を目指し南シナ海、東シナ海他の周辺海域は中国の海洋主権の適用範囲だと主張し米海軍をアジアから追い出したいのだ。

連続発生した艦船衝突事故で米海軍関係者から両駆逐艦の電子機器がハッカーで妨害されたのではとの疑いが表明されていたが、実際に妨害があったのか判明していない。調査部門の主流の見方は機械的な故障あるいは乗員の人的ミスだしている。

ただし米海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将は電子防御装備が妨害または欺瞞されていたかも調査するとしている。

両艦はともに側部を衝突されている。USSジョン・S・マケインは8月21日に石油タンカーとマラッカ海峡で衝突している。USSフィッツジェラルドは日本近海で6月21日にコンテナ船に衝突された。二件で17名の乗員が死亡し、第七艦隊司令長官が罷免された。

まずフィッツジェラルドで疑問が呈された。海軍の中間報告では事故原因の言及がない。フィッツジェラルドは照明を落とした状態で航行していたが最小限の艦内照明はつけていた。当時は「月が比較的明るく」「視認距離は制限なかった」とある。

レーダーも見張り員も衝突前に貨物船を確認できなかったことから電子妨害説が出てきた。そのひとつが貨物船の自動操艦の乗っ取りで衝突コースにさせられたとする。

マケインも同様に衝突時点でレーダー数種類を使っており、当直将校が艦橋にいた。

さらに疑義が出ているのはマケインが数日前に航行の自由作戦でスプラトリー諸島ミスチーフ礁の12カイリ地点を航行し中国の主張に立ち向かっていたことだ。

マケイン事件後に中国外務省報道官Hua Chunyingは米海軍の操艦が危険だと批判していた。「たびたび米軍が発生させている事故で懸念が広がっている。米国は事故を深刻にとらえて適正な措置を取るべきだ」

米海軍が中国の電子妨害をマケイン衝突事故で疑う背景に事故直前に中国籍船がそばにいたことがある。民間商船の航路追跡データでみると同中国船はマケインに衝突した貨物船に追尾しており衝突寸前に離れている。

空軍大学で戦略安全保障論の教授デイビッド・ベンソンは中国が軍艦を電子攻撃するリスクを冒すか疑問と述べている。「中国にせよ他国にせよ海軍艦艇をハッキングする明白な動機がない」とWar on the Rocksのブログで述べている。「サイバー攻撃技術は極めて不安定であり、仮に実行犯が駆逐艦を邪魔したとしても平時に実施すれば代償は大きい」

国際評価戦略センターの上級研究員リック・フィッシャーは中国の動向を研究しておりベンソンに同意しない。                                
「中国に米軍をアジアでハッキングしたり事故を起こさせる同機が一切ないとは笑止千万だ。一連の事故で中国が裏で手を引いていたのかいなかったのかと関係なく中国国営メディアは事故を利用し米海軍に『無能』とか『危険』のレッテルを貼り、米海軍への敵意をあおりアジアからの米軍一掃をねらってくるでしょう」

調査の進展次第で海軍の業務執行状態の改善や訓練増強が必要となるだろうが、軍の立案部は引き続きサイバーや内部反逆者含む中国の各種脅威に備える努力を怠ってはならない。そのほか、新型潜水艦、対艦弾道ミサイルさらに原子力空母戦闘群の出現に備えるべきだ。■


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 8月22日、防衛省は2018年度予算案の概算要求で、過去最大の5兆2551億円(米軍再編費など含む)を計上する方針を固めた。ミサイル発射を繰り返す北朝鮮や海洋進出を強める中国をにらみ、厳しい財政事情の中でも防衛費は積み増す。写真は日米共同訓練の模様。北海道恵庭市で14日撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

18年度防衛予算、過去最大の5.2兆円を要求=関係者
【ロイター】2017年 08月 22日 14:32 JST

[東京 22日 ロイター] - 防衛省は2018年度予算案の概算要求で、過去最大の5兆2551億円(米軍再編費など含む)を計上する方針を固めた。ミサイル発射を繰り返す北朝鮮や海洋進出を強める中国をにらみ、厳しい財政事情の中でも防衛費は積み増す。

関係者によると、来年度は弾道ミサイル防衛強化のため、陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の基本設計費を要求する。金額は年末までに詰める。日米が共同開発し、速度や飛距離など能力を高めた迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」も調達する。

また、中国船の動きが活発な東シナ海の防衛力を強化するため、新たに開発した小型護衛艦2隻の建造費約1000億円を計上。ステルス戦闘機の「F35」を引き続き調達し、6機分約880億円を要求する。潜水艦1隻の建造費約700億円も盛り込む。

来年度の要求総額は、今年度予算5兆1251億円に比べ2.5%多くなる。関係者は「(前年より)減額すれば中国や北朝鮮に誤ったサインを送ることになる」と話す。

来年度は5年間の中期防衛力整備計画(中期防)の最終年。中期防は米軍再編費などを除いた防衛費を年0.8%のペースで増額する方針を定めている。

(久保信博  編集:田巻一彦)

毎年8月中旬~下旬、新聞に翌年度の防衛予算の概算のリークが始まり、防衛省のHPに30日前後に「我が国の防衛と予算-平成○○年度概算要求の概要詳細」が載る。まずは予算の大枠が、過去最大の5兆2551億円(17年度当初予算比約2.5%増)だと示された。

過去最大の5.2兆円を要求は言っていますが、実際には2017年末の名目GDPは約530兆円なので、防衛費5兆1251億円は、やはり1%に届いていません。

日本の防衛費はGDP比で計算比較すれば、先進国最低で世界でも123位、防衛費とGDP比を見る限り、安倍政権では防衛費が増額どころか減額されていて、以前より低下しています。


*「イージス・アショア」
来年度予算の目玉は陸上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」の設計費を計上だろう。
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*「SM-3-BlockⅡA」
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併せて、上自衛隊のイージス艦に搭載する改良型迎撃ミサイル「SM-3-BlockⅡA」の取得費472億円を盛り込んだ。一発約20億円なのでおおよそ24発分
来年度はBMD稼働イージス艦が6隻体制となるので一隻当たり4発が割り当てられる。まったく足らない。

*30DEX新艦艇
今後の自衛艦の主力となる4000トンクラスとなる新型護衛艦30DEX2隻分建造費約1000億円、一隻あたり500億円を計上。


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*30SS潜水艦
30SS潜水艦1隻の建造費約700億円。29SSと基本的には同型だと思われます。
新型潜水艦29SSについて 2016/8/25(木) 午後 11:13
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*F-35
ステルス戦闘機の「F35」を6機分約880億円。

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*航空自衛隊に宇宙監視部隊を創設。

イメージ 2 防衛省が、人工衛星の活用を妨げる宇宙ごみ(スペースデブリ)や衛星破壊兵器を監視する専用の地上レーダーを開発することが16日、分かった。レーダーを運用する専門部隊を航空自衛隊に新設することに向け、準備要員の配置も始めた。北朝鮮の弾道ミサイル警戒など人工衛星は安全保障上の重要性が高まっており、防衛省・自衛隊として独自に宇宙監視に取り組むことが不可欠と判断した。

宇宙監視レーダーはシステム設計の最終段階で、防衛省は今月末に締め切られる平成30年度予算案概算要求にレーダーの整備費を盛り込みたい考えだ。35年度からの運用を目指す。

 防衛省が宇宙監視レーダーの開発・運用に乗り出すのは宇宙ごみが増加しているためだ。各国の人工衛星の打ち上げが増え、活用を終えた衛星やロケット部品が地球を周回する宇宙ごみも増加し続け、その数は1億個以上と指摘される。

 19年に衛星破壊実験で約3千個の宇宙ごみを発生させた中国は衛星破壊兵器の開発を進めており、攻撃される恐れも強まっている。

 一方、日本の安全保障上、衛星の活用は欠かせず、北朝鮮のミサイルを監視する情報収集衛星が代表的。自衛隊の部隊運用で重要となる指揮・統制は通信衛星に支えられ、衛星利用測位システム(GPS)もミサイルの精密誘導に使われている。

 1センチ程度の宇宙ごみが衝突しただけで衛星の機能は失われるとされ、情報収集と自衛隊の運用・装備に壊滅的な被害が生じる。そのため宇宙ごみや衛星破壊を狙う不審な物体の接近を監視し、衛星に衝突する危険性があれば軌道を変更して回避させなければならない。

 防衛省は当初、弾道ミサイル探知用の空自の地上レーダー「FPS-5」の能力を向上させることを検討したが、高度3万6千キロの静止軌道帯の宇宙ごみを監視するには専用レーダーを開発する必要があると結論づけた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が先行してレーダーと光学望遠鏡の観測データを基に宇宙監視を行っており、防衛省は情報を共有する方針。

 ■中国を警戒、専門部隊で日米連携

 防衛省が宇宙監視で専門部隊の発足に踏み出す。宇宙ごみと人工衛星との衝突を防止するだけでなく、中国のミサイルなどの衛星破壊兵器を念頭に攻撃を抑止することも主眼に置く。宇宙監視は防衛力整備の基本指針「防衛計画の大綱」や日米両国の連携強化で新たな柱と位置づけられる。

 政府は平成25年に策定した防衛大綱を来年改定することを検討している。安倍晋三首相は今月6日、大綱改定で見直すべき分野について「宇宙、サイバーといった新たな防衛も検討課題になる」と明言した。

 現大綱は初めて宇宙空間に関する項目を設け、自衛隊が重視すべき能力として宇宙監視による人工衛星の防御能力向上を特記。新大綱ではこの方針の具体化が求められ、新型レーダーを導入した常続的な監視態勢はその第1弾となる。

 27年改定の「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」も宇宙の項目を初めて盛り込み、宇宙監視での協力強化を明記。それに沿い、防衛省は航空自衛隊が運用する新型レーダーとJAXAが保有する観測データを一元化した上で、宇宙ごみや衛星破壊兵器に関する情報を米軍と共有することを視野に入れる。

 米軍は中国が衛星破壊兵器の開発を進めていることに神経をとがらせている。衛星による偵察やGPSを駆使する精密誘導兵器は米軍の強みだが、「破壊兵器の攻撃で衛星の機能が失われれば作戦能力も著しく低下する」(自衛隊幹部)ことを踏まえれば弱点ともいえるからだ。

 防衛省幹部は「米軍は同盟国などの能力を総動員して宇宙監視機能を強化したい考えだ」と指摘。日本は新型レーダーの運用で主導的な役割を果たすことが期待される。(半沢尚久)

*最新鋭ステルス機に対応した次世代レーダーの開発約196億円
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イメージ 3レーダー(電波探知機)に映らない「ステルス機」を探知できる次世代型レーダーの開発が、日本の防衛省の手で進められている。中国やロシアが開発中のステルス機などに対応するのが当面の目的で、この防空網の強化が実現すれば日本の専守防衛の技術は世界レベルでも著しく向上する。(岡田敏彦)
最強のステルス戦闘機と評価されるF-22ラプター(ロッキード・マーチン社HPより)
                                                 戦力バランス大きく変える!? 「マイモレーダ」の研究開発


 防衛省技術研究本部が研究している「マイモレーダ」は今年6月、メディアの一部に公開された。すでに研究用の試作機材は完成し、千葉県旭市に設置、試験が続けられている。従来のレーダーと根本的に異なるのは探知の際に動員されるアンテナの「個数」だ。

 これまでのレーダーは大きな円形の「パラボラアンテナ」だったり、あるいは平板の「フェイズド・アレイ・レーダー」だったりと形や仕組みは異なるものの、電波を送受信するアンテナは1つだった。これに対し、マイモは、「サブアレイ」と呼ばれる小型のアンテナを複数個所に配置、ステルス機を探知する技術の肝としている。研究は、平成23年度に開始、28年度まで続けられる。予算は26年度に37億円、27年度は4億円が計上されている。

 現在、ステルス戦闘機は空中戦では無敵の地位を築いているが、マイモはその戦力バランスを大きく変える可能性を秘めている。

レーダー開発とステルス機

 現在、アジアの空軍力のバランスをめぐり、日米が脅威の1つとしているのは、中露のステルス機開発だ。ロシアはT-50(別名PAKFA)、中国は殲(せん)20と殲31を開発中だ。実戦配備までにはまだかなりの年数がかかるとみられているが、日本も対策を迫られているのは間違いない。

 日本領空での航空自衛隊による緊急発進回数は、26年度には943回。冷戦中の昭和59年度(944回)の数字に匹敵しており、うち中国軍機に対する発進は過去最多の464回(前年比49回増)。対ロシア軍機への発進も473回を数えた。今後、こうした中露の「挑発的飛行」にステルス機が用いられる可能性も皆無ではない。

 レーダーの開発史を振り返ると、第二次大戦初頭には実用化され、基地や都市を守る「盾」としての役割を確立した。当時、戦闘機や爆撃機などの「矛」に対する防衛力は大きかった。

 1960~70年代に入ると、地対空ミサイルもすでに開発され、ベトナム戦争では、米軍も北ベトナム軍のレーダー基地対策に苦心した。うかつに飛べばレーダー探知で、敵のミサイルが束で飛んでくるからだ。

 同じ頃、核兵器を搭載して敵地深く侵入する目的で開発が始められた米国の戦略爆撃機「B-1」は、レーダーの電波をかいくぐるべく、地表近くを飛ぶことを前提としていたが、さらにこうした攻防の陰で、根本的に発想が異なる、レーダーに映らない「ステルス機」の開発が始まった。

「ホープレス・ダイヤモンド」の登場


 レーダーの探知からいかにして逃れるか。

 そもそもレーダー探知とは電波を発信し、物体に当たって跳ね返ってきた電波を分析して、その位置を特定する技術だ。では、鏡で光を別方向へ反射させるように、レーダーが戦闘機に発する電波をすべて別方向へ跳ね飛ばせばいいのではないか-。

 米航空機メーカー・ロッキード社が当時最先端のコンピューターを駆使して1975年から設計を始めた機体は、こうした理屈で、潰れたダイヤモンドのような形の機体となった。

 理論上、電波を跳ね飛ばすことを前提とした形であったため、研究者の間では「これでは飛ぶわけがない」という別の難題が持ち上がり、計画機は「ホープレス・ダイヤモンド」(希望のないダイヤモンド)と呼ばれた。

 ところが、コンピューターによる空力補正と翼の大型化、強力なエンジンの搭載などの改良が加えられ、77年にF-117「ナイトホーク」として初飛行に成功。闇夜、レーダーに映らず突然現れ、敵中枢をピンポイントで爆撃して消えていく-。レーダーによる防空網は無力となり、「矛」と「盾」の力関係は逆転した。

無敵の“猛禽”を捕捉できる?


 そして今や最強とされるステルス機の最新版が米空軍のF-22「ラプター」(猛禽類)だ。米空軍などによると、部隊配備間もない06年6月に行われた模擬空中戦では、12機のF-22が108機の戦闘機「F-15イーグル」などを撃墜し、100%完勝した。07年の模擬戦で初めて「撃墜判定」を下されたが、総合スコアでは121機を撃墜し、被撃墜は1機だけだった。

 演習で一方的に負けたF-15は日本の航空自衛隊の主力戦闘機と同じタイプの高性能機だが、それを易々と撃墜していくF-22の強さは、演習相手のパイロットから「卑怯だ」と言われるほどだった。

 今回の次世代レーダー開発は、この最強のF-22ですら捉える可能性を秘めている。

 非ステルス機のF-16の場合、通常、レーダー画面には約5平方メートルの大きさの物体として識別される。

 速度や方向も感知し、総合的に機体を判断するわけだが、ステルス機のF-22の場合は、電波を発信源以外の方向に跳ね飛ばすため、戻ってくる電波はごくわずかにとどまり、大きさは昆虫サイズと判断されてしまう。このため事実上の識別ができないとされる。

 しかし、数カ所に強力な電波を送受信するレーダーを複数設置し、跳ね飛んだ電波を別のアンテナでキャッチすることで「見える」のではないか、という発想がマイモのアイデアだ。これは「バイスタティック・レーダー」という名称で、欧州でも研究が進んでおり、開発競争となっている。

技術的にはほぼ確立

 マイモレーダが実用化すれば、割り出した敵機の位置データを味方の戦闘機や艦船、地対空ミサイル部隊などに瞬時に伝えることで組織的な防空が可能となる。

 肝心の実用化のメドはどうだろうか。防衛省技術研究本部によると、現時点でステルス機が「見える」段階まで研究が進んでおり、技術的にはおおよそ確立している。今後は、研究が終わる平成28年度末までに性能や運用を確立。航空自衛隊から要望があれば、いつでも既存のレーダーから更新できるよう試験を進める方針という。

 この次世代レーダー開発と並行して、防衛省ではステルス戦闘機の導入も進めている。F-22の廉価版「F-35」で、42機を導入する予定。1機あたり の価格は102億円(F-15は101億円)。日本向けの1号機「AX-1」は6月に米ロッキード・マーチン社で生産が始まっており、16年夏に完成、同年度末に計4機が引き渡される予定だ。

現在以上のような内容だ。詳細が解かり次第当ブログでもウォッチしていきたいと思います。

はっきり言えば・・・トマホーク200発200億円予算化しろよ!




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【ワシントン=酒井恒平】防衛省は弾道ミサイルを大気圏外で迎撃するイージス艦搭載の迎撃ミサイルを陸上に配備する「イージス・アショア」導入を決めた。防衛省幹部が明らかにした。北朝鮮の弾道ミサイルの脅威の高まりを受け防衛網づくりを加速する。2018年度予算の概算要求に設計費を盛り込む。宇宙ごみと人工衛星の衝突などを防ぐため、自衛隊に宇宙監視部隊を新設する。

 
防衛省幹部は相次ぐ北朝鮮の弾道ミサイル発射を踏まえ「一刻も早く弾道ミサイル攻撃から全国を常時、継続的に防護する能力を抜本的に向上させる必要がある」と説明。イージス・アショアの導入方針を決定したと明言した。当初、18年度は調査費を計上する予定だったが、前倒しした。

イージス・アショアは1基あたり約800億円かかる。開発中のミサイル「SM3ブロック2A」を用いれば全国を2基でカバー可能だ。概算要求段階では米側との協議が間に合わず金額を示さない。18年度予算編成時の17年末に金額を決める。「SM3ブロック2A」は三菱重工業が開発に参画している。

北朝鮮は国際社会の警告を無視し弾道ミサイル発射を強行する。10日には米領グアム沖への弾道ミサイル発射を予告。兆候を察知しにくい移動式発射台による攻撃や、複数のミサイルを同時発射する「飽和攻撃」を繰り返す。日本にとり迎撃の難易度が上がった。

現在のミサイル防衛網は二段構えだ。まずイージス艦の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が大気圏外で迎撃。撃ち損ねると地上から地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)で撃ち落とす。イージス・アショアはイージス艦のSM3を陸上に配備する形式で、防衛網の厚みが増す。

防衛省はミサイル防衛の新装備として、イージス・アショアや地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の検討を進めてきた。現在の防衛大綱や中期防衛力整備計画(中期防)にイージス・アショア導入は明記されていない。防衛省幹部は「年末までに今回の導入方針を整理する」と話した。THAADも引き続き検討課題とする。

イージス艦に関しては、ミサイル防衛に対応するのは現在4隻で2隻が改修中だ。防衛省は18年3月までに1隻の改修を終える予定だったが、今年12月に前倒しする。

宇宙空間を巡っては、開発進展で人工衛星を破壊しかねない宇宙ごみや国籍不明の不審衛星の存在が問題となっている。防衛省は宇宙監視レーダーの開発に18年度から着手する。18年度は設計費用を計上し設置場所も決める。

宇宙関連部隊は1954年に発足した自衛隊にとって初めてで、航空自衛隊に置く。収集した情報は米軍、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共有する。安全保障上、宇宙空間の重要性は増しており日米連携を進める。

中国やロシアが開発に力を入れる最新鋭ステルス機に対応した次世代レーダー開発にも着手し、18年度に約196億円の開発費を求める。電波情報の収集能力を高め、固定式ではなく運搬可能とする。24年度からの運用を目指す。

こうした方針を日本側は17日の日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で米側に伝える見通しだ。日米防衛態勢の強化に向けた具体策に位置付ける。

▼防衛省の来年度予算の概算要求ポイント
○陸上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」導入決定。設計費を計上
○航空自衛隊に宇宙監視部隊を創設。監視レーダーの設計費用を計上
○最新鋭ステルス機に対応した次世代レーダーの開発着手。約196億円を計上

緊張高まる朝鮮半島において、日本のBMD能力の充実は喫緊の課題である。
日本を狙うミサイルの多くは直近で発射実験が繰り返されている。

従来の北朝鮮のスカッドを改良したミサイルは液体燃料を注入する為、液体燃料を注入している段階で、その兆候を衛星から察知できるので、米軍による策源地攻撃が可能であると考えられてきた。

衛星や航空偵察で察知したら、航空機や巡航ミサイル等で攻撃して排除し、それでも排除できなかった射程1500km級のノドンミサイルが、1発2発、日本に向けて発射され、それを日本のイージス艦がSM-3で迎撃し、それで迎撃が充分に可能であると考えられてきた。

日米は北朝鮮のミサイル開発能力をけっして見くびっていたわけではないが、弾道弾を開発するより、それを迎撃するミサイルの方が、数百倍開発が困難であるから、ロシアや中国のミサイルはすべて撃墜することは不可能でも、北朝鮮のミサイルは迎撃可能ではないかと、最新技術と予算を投入しBMDを開発してきた。

ところが、世界最貧国であるにもかかわらず、北朝鮮は、ウクライナから 旧ソ連の液体燃料式エンジン「RD250」を不正に入手したことで、格段の進歩を遂げてしまった。
【ワシントン時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は14日、英国際戦略研究所(IISS)のミサイル専門家などの分析に基づき、北朝鮮が発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、非合法に入手した旧ソ連製エンジンの改良型を搭載していた可能性が高いと報じた。専門家らは、ウクライナ中部ドニプロ(旧ドニエプロペトロフスク)にある工場を流出元とみているという。

北朝鮮のミサイル技術が予想を上回るペースで向上した背景には、闇ルートを通じた国外からの高性能エンジン調達があったことになる。
IISSの専門家マイケル・エレマン氏は、発射画像の分析から、北朝鮮の中距離弾道ミサイル「火星12」とICBM「火星14」は旧ソ連の液体燃料式エンジン「RD250」の改良型を搭載していたと指摘。過去2年以内にロシアを経由して鉄道で北朝鮮に持ち込まれた可能性が高いという。工場の運営企業やウクライナ当局は、同国から流出した可能性を否定している。(2017/08/15-06:51)
更に、固体ロケットエンジンの旧ソ連のSLBM SSN-6をソ連崩壊のどさくさで入手し、SLBMの開発と、その改良ミサイルを開発してしまった。

固体ロケットの場合、液体燃料と違い燃料注入する必要が無いので、巡航ミサイルや航空機による策源地攻撃が困難である。

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北朝鮮は「日本列島が焦土化されかねない」と朝鮮中央通信を通し恫喝し、あからさまに日本が標的であることを公言するようになった。まさに日本は危急存亡の危機を迎えている。

7月28日付の米国防情報局(DIA)の分析概要では「北朝鮮はICBM級を含む弾道ミサイルで運搬する核弾頭を生産した」と指摘し、「7月時点で核爆弾の数を最大60発と推定」している。

もはや北朝鮮は、ミサイル搭載可能な核弾頭を保有してしまっているのである。 
日本全土を覆域とする射程1500km級のノドンを200~360発、ムスダンを40~50発 スカッドを800発(内、西日本を射程に収める射程1000kmのスカッドERが100発程度)を保有していると推定される。

奇襲性が増し、射程も伸び、同時発射能力の向上、命中精度も格段に向上した北朝鮮の弾道弾ミサイルを迎撃することが、日々困難となってきている。

なかでも、当局が一番脅威に考えていることが、多数のミサイルを一斉に発射を行う、ミサイル飽和攻撃である。

日米海軍のイージス艦はイージス艦どうし、単なるデータリンク機能より一段高度なシステムである共同交戦能力(CEC)が付与されている。北朝鮮が、同時に複数発射した場合、一隻のイージス艦は2発程度しか対応できないのだが、共同交戦能力(CEC)によって、攻撃目標の重複を避け、複数の脅威に複数で対処することが可能であるが、ミサイル飽和攻撃にどれだけ対処できるかは、未知数である。

現在日本にはイージス艦を6隻(内BMD能力があるイージス艦が4隻、2隻がBMD搭載に改装中)保有し、2隻が建造中である。一方米海軍はイージス艦をBMD搭載艦が太平洋に16隻(横須賀母港イージス艦12隻中8隻)駐留している。

米国が北朝鮮を攻撃するのではないかと緊張した2017年4月にはBMD能力があるイージス艦が日米海軍合わせ20数隻が集結していた。その為、理論的には同時に50発程度の弾道弾を迎撃能力を持ってはいたが、もしそれ以上打たれれば、完全に迎撃することは不可能である。

2016(平成28)年2月の米国防省「朝鮮民主主義人民共和国の軍事及び安全保障の進展に関する報告」によれば、北朝鮮は、トクサ及びスカッド用のTELを合計して最大100両、ノドン用のTELを最大50両、IRBM(ムスダンを指すと考えられる)用のTELを最大50両保有しているとされる。

北朝鮮の同時ミサイル飽和攻撃に耐えるBMD体制を整える為には、一隻2000億円のイージス艦を建造するより、一基地800億円のイージスアショアを設置するほうが、圧倒的にコストパフォーマンスが高い。イージスアショアを日本の基幹防空システムである新自動警戒管制システム (JADGE: Japan Aerospace Defense Ground Environment)AWACS、開発中の日本独自の早期警戒機(ミサイル監視機)(日本版コブラボール)とリンクすることにより、まずはミサイル飽和攻撃にも耐えるBMD能力を構築すべきだと思う。

イージスアショアにはSM-3BLOCKⅡが配備されるが、1発20億円近くするSM-3BLOCKⅡであるが、大気圏外の宇宙空間で迎撃する方式であるから、日本目標のIRBM迎撃には能力を発揮すると思われる。

しかし、もし長射程のミサイルをロフテッド軌道で発射された場合は、最大射高1000kmを超え最大射高2450kmのSM-3BLOKⅡでも迎撃不能であり、ロフテッド軌道のミサイルを迎撃するには、THAADもしくはPAC3となるが、PAC-3は20-30Kmの射程しかなく気休め程度で、実質的にはTHAADしかロフテッド軌道で飛来するミサイルの迎撃はできない。

しかしながら、ロフテッド軌道で発射されるミサイルはまだ少数に留まっている為、日本がまず対応しなくてはいけない北朝鮮のミサイルで脅威で最大なものがノドンIRBMの飽和攻撃であると思う。日本が対応しなくてはならない、脅威の順番で行けば最優先課題となる。

ノドン級のIRBMを叩き落とす為、THAADよりイージスアショアが優先され配備が決まったのだと思う。THAADは必要なBMDのツールではあるが、イージスアショアよりコストがかかり、射程が200km級のレールガンと迎撃高度が重複するので、THAADに代わって、大急ぎレールガンを開発することも可能ではないかと思う。

もはやいかなる外交交渉、中国や米国と裏で何を取引したとしても、金正恩は核とミサイルは絶対放棄しないだろう。外圧で核を放棄したとあっては、独裁者としての権威は失墜する。

父、金正日は、「リビアのカダフィ、イラクのフセイン、両独裁者が米国に消されたのは核武装を放棄したからだ」と、遺訓を残した。金正恩は金王朝の存続の鍵は、核ミサイルであると父の遺訓を信じ、着実に開発を行い実用化してきている。

日本は今、北朝鮮が核ミサイル保有を前提とした弾道ミサイルの完全制圧および撃墜能力の構築を真剣に考えなければならない時に来ている。

策源地攻撃能力の取得など、憲法九条の改正を含め、日米安保におんぶにだっこの当事者意識の欠けた思考停止状態では、日本はかつてない悲劇を受ける可能性がある。

日本の核保有はすべきではないと私は信じているが、米国の「核の傘」に依存するだけでは、日本を守ることができなくなる可能性もある。これまで通り憲法九条に縛られたままで、核保有や核シェアリングの必要はないのかなど、真剣な核抑止論議が求められている。もはや森友や加計問題のような瑣末な議論をやっている場合ではない。

日本にとっては朝鮮半島の非核化は譲れない一線である。米中が裏で手をまわして決着するだろうなどという、空想的で希望的観測をしている場合ではない。

イージスアショアではロフテッド軌道のムスダンを撃ち落とすことができないので、大気圏内に突入した弾頭を撃ち落とすTHAADミサイルと、レールガンによる弾道弾撃墜能力の取得、1000mw級の高エネルギー固定レーザー照射器とPAC-3の併用などリアルで実質的な議論をする時ではないだろうか。





イージスアショア(Aegis Ashore)とは、文字通り陸に上がったイージスシステムである。イージスアショアのメリットは大きい。私が考えつくだけで7つはある。
①イージス艦を建造するよりも初期投資が圧倒的に少ない。
②貴重なイージス艦をミサイル防衛に専従させなくて済む。
③燃料費が不要、外部電力を利用できるなど、維持コストが少なくて済む
④ミサイル防衛に割く人員がイージス艦より比較的少なくて済む
⑤艦船と違いドック入りなどの長期使用不能な時期が無く、BMDに穴が開かない。
⑥イージス艦とSM-3ミサイルなどを共用するところが多く、総コストが下がる。
⑦既存の空自のレーダーサイトともリンクすることにより、より柔軟な対応ができる。



執筆中

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露海軍 新たな空母建造へ
【SPUTNIK】2017年06月28日 21:20 

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ロシア海軍は、新たな空母を建造する計画。ロシア海軍副司令官のヴィクトール・ブルスク氏が記者団に明らかにした。

ブルスク氏はペテルブルク国際海軍サロンで、「すでにクルィロフ研究所に空母のひな形が提出され、他の開発も行われている」と述べた。

また、ロシア海軍が保有する唯一の空母「アドミラル・クズネツォフ」の近代化に関する作業は来年2018年に始まる。ロシア海軍副司令官のヴィクトール・ブルスク氏が28日、記者団に明らかにした。「アドミラル・クズネツォフ」は、あと20年間は運用される見込み。

「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年10月に北東大西洋と地中海の海域へ向かった艦艇打撃グループのメンバー。同グループは11月8日からシリアでのテロとの戦いに関する任務を遂行している。

「アドミラル・クズネツォフ」空母航空団の海軍航空隊のパイロットらは、2か月の戦闘任務の間に420回出撃し、シリア国内にある国際テロ組織の施設1200カ所以上を攻撃した。
現在、ロシア海軍には30年前のソ連時代に建造された、スキージャンプ型航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」を一隻だけ保有しており、昨年シリアISIS掃討作戦に実戦投入された。

ロシアは世界の超大国に返り咲きたい。それが大帝ウラジーミループーチンの野望である。

プーチン大帝は海洋権益を守る力を重要視、ロシアを再び冷戦時代のような軍事大国として復活させる計画として、弾道ミサイル搭載原子力潜水艦8隻を含む軍艦100隻を調達する計画を立てている。ロシア海軍では、27年までに太平洋艦隊と北海艦隊にそれぞれひとつずつ空母艦隊を持つ予定である。だが、ロシアの2隻目の空母の話は出ては消え、原油価格が下がって以降その実現が危ぶまれていた。

先日初の国産空母中国国産空母(山東?)が進水し、更に3隻が計画もしくは建造中、イギリスの空母クイーンエリザベスが完成、姉妹艦プリンスオブウェールズも建造中である。インドでは2014年より元
ロシアの航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」をインドが購入し、ロシアで空母に改造したヴィクラマーディティヤが運用中で、2018年には国産空母ヴィクラントが完成し姉妹艦もあと2隻計画されている。日本海軍海上自衛隊もようやくヘリ空母大型のヘリコプター搭載護衛艦4隻を揃え、冷戦後フランス、イタリア、スペイン、オーストラリア、ブラジル等空母保有しており、ロシアは出遅れ感がでてきてしまった。ロシアもいよいよ2隻目の空母が具体化しそうだ。

以前のソ連海軍プロジェクト
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ロシア海軍の為の将来航空母艦は2024年に建造を開始する
【N.G.クズネツォフ記念・ウリヤノフスク赤旗・親衛ロシア海軍情報管理局】 2017/06/29 23:12.50

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より2017年6月29日13時44分配信
【(ロシア)海軍:新たな航空母艦の作業は2024年に始まる】

ロシア海軍の為の新たな航空母艦の建造作業の開始は、2024年に計画されている。
6月29日・木曜日、ロシア海軍副総司令官(軍備担当)ヴィクトール・ブルスク中将は、サンクトペテルブルクの海軍サロンの最中に『海軍産業』(フロートプロム)へ語った。

「プログラムの開始は、プロジェクトの技術的開発の開始を意味します」
ヴィクトール・ブルスクは説明した。

彼は、将来艦の形状は未だ定まっておらず、海軍総司令部には、海軍が如何なる航空艦を必要としてるのかの決定が控えている事を強調した。

『クリロフ研究センター』の主導により、『ネフスキー計画設計局』と共に航空母艦コンセプト・プロジェクト23000(コード名「シトルム」)が開発された。
この艦の模型はIMDS-2017で展示されている。

「シトルム」は、2016年夏にサンクトペテルブルクの『バルト工場』で進水した砕氷船「アルクチカ」で運用適性の点検が行なわれた原子炉RITM-200を受け取ると見られている。

予備データによると、艦の全長は330メートル、幅40メートル、吃水11メートル。
航空母艦の速力は30ノットに達する。


[ロシア将来航空母艦]
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]

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ロシア海軍の為の将来航空母艦Перспективный Авианосецの設計開発作業は2007年に始まりました。

現在の所、将来航空母艦は、5万トンから8万5千トンまでの3種類のヴァリエーション(軽空母、中空母、重空母)が検討されています。

重航空母艦(排水量80000-85000t、搭載機70機)
中航空母艦(排水量55000-65000t、搭載機50-55機)
軽航空母艦(排水量50000t) (搭載機30機前後)※Ddog追記wikiより            

建造費は重空母で3000億ルーブル、軽空母で1000億ルーブルと見積もられています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]
[ロシア将来空母の作成には約10年掛かり、費用は1000-3000億ルーブルになる]

将来航空母艦の艦載機は、数年後に配備予定のロシア空軍第5世代重戦闘機PAK FA(T-50)の艦上機型となり、この他に無人機も搭載されます。
[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される]
[ロシア海軍航空隊の為の有人/無人航空機が開発される]

将来航空母艦には、艦載機発進の為のカタパルトが装備されます。
[ロシア海軍の為の将来正規空母はカタパルトを装備する]

将来航空母艦の為の電磁カタパルトの開発作業も進められています。
[ロシアは将来空母用の電磁カタパルトの開発を始めている]
[ロシア海軍将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発は進められている]

将来航空母艦のアイランドは非金属複合材料製になります。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]

将来航空母艦の動力に関しては、通常動力(ガスタービンなど)と原子力推進の2つのヴァージョンが検討されていますが、ロシア海軍の要求により、ほぼ原子力推進に確定しております。
[ロシア海軍将来正規空母は原子力推進となる]
[ロシア海軍将来正規空母と将来駆逐艦リデル級は同型の原子力機関を搭載する]

将来航空母艦は、2016年6月16日にサンクトペテルブルクの『バルト工場』で進水した新型原子力砕氷船「アルクチカ」と同型の原子炉RITM-200を搭載するようです。
[ロシア海軍将来原子力空母は原子炉RITM-200を搭載するかもしれない]

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                                                                                                                                                                                     将来航空母艦の最終設計案は2020年以降に固められます。
[ロシア海軍将来原子力空母の最終設計案は2020年以降に作成される]
[新型原子力空母の建造はロシア海軍の将来計画に含まれている]

2016年11月~2017年1月には重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」がシリア軍事作戦へ参加していますが、この時の経験も将来航空母艦の設計に取り入れられます。

[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフのシリア遠征の経験は同艦の近代化改装と新たな空母の建造へ生かされる]

[正規空母アドミラル・クズネツォフを中核とする空母機動部隊のシリア遠征の経験はロシア海軍の新型艦の設計と建造へフィードバックされる]

現時点では将来航空母艦の建造開始の具体的な時期は未だ定められておらず、この件に関する決定は2025年近くに下されます。

[ロシア海軍の新たな航空母艦の建造に関する決定は2025年近くに下される]
[ロシア海軍の為の将来正規空母の建造開始は2025年よりも前にはならない]

将来航空母艦の設計作業は「2018-2025年の国家軍備プログラム」に組み込まれています。
[ロシア連邦の『2018-2025年の国家軍備プログラム』でロシア海軍の為の将来航空母艦の設計作業が進められる]

そして今回、ロシア海軍副総司令官ヴィクトール・ブルスク中将は、新たな航空母艦の建造は2024年に始まると発言しました。


将来航空母艦を何処で建造するのかは未だ決定されていませんが、候補となるのは、ロシア国内で全長300メートル以上の艦の建造が可能な乾ドックを有するセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』とサンクトペテルブルクの『バルト工場』です。
[ロシアの2つの造船所はロシア海軍の為の将来正規空母を建造できる]

『セヴマシュ』
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                                                                                    現在の所、将来航空母艦建造の中核となる可能性が最も高いのは、インド海軍向けの空母「ヴィクラマーディティヤ」の改造工事を担当したセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』であり、同社は、造船設備の近代化を進めています。
[セヴェロドヴィンスク造船所は生産設備を近代化した後にロシア海軍の為の将来正規空母を建造できるようになる]
[ロシア造船業界は2019年にはロシア海軍の為の将来正規空母の建造が可能となる]

この他、サンクトペテルブルクの『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)もドックの拡張工事を行なっており、完了後は全長350メートルまでの艦の建造が可能となります。
無論、将来航空母艦の建造も可能になります。
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                                                                               [サンクトペテルブルクの造船所はロシア海軍の将来原子力空母の建造に参加できる]
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どうやら、カタパルトを備えた、スキージャンプ併用原子力空母になるようだ。

ロシアでは、ソ連時代に蒸気カタパルト技術は完成していましたが、長年君臨したウスチーノフソ連国防相が、カタパルトを装備した全通甲板空母に多大な経費をとられるのを嫌い、カタパルトを装備した空母の建造を認めなかった。

ウスチーノフ死去後、カタパルト式空母ウリヤノフスクの建造が始まったところでソ連が崩壊となっってしまったのだ。

中国もカタパルトを備えた空母を開発中のようだが、はたして就役するまでに中国は崩壊しないでいるだろうか?

とりあえず、中国産空母の最初の2隻にはカタパルトは間に合わず、早くともカタパルトは国産空母3番艦からとの見方であったが、大連で建造する空母はスキージャンプ方式、上海の造船所の空母は電磁カタパルト方式ではなかろうかという情報も流れている。だが、ひょうとすると、中国もカタパルトを備えた、スキージャンプ併用型になる可能性もありそうである。
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搭載戦闘機はPAK・FA T-50の艦載型、F35Cで米海軍は大丈夫だろうか?
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『タス通信』より 2017年6月1日19時53分配信

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ホークアイスキー?E-2早期警戒機もどきの航空機を搭載するようだ。

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『インタファクス』より2016年12月1日9時32分配信

前方と後方の右舷と左舷の飛行甲板上それぞれにVLSの発射口と思われるものが確認できる。
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ロシア新原子力空母計画について 2011/11/27(日) 午後 0:07



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海上自衛隊の対潜水艦作戦能力は世界最高水準にある。一つには、冷戦時代、海上自衛隊は、空母や、原子力潜水艦は保有するすることを許されず、米国海軍の支援兵力として、掃海作戦能力と、対潜水艦作戦能力を求められ、その能力は米軍より突出した世界屈指の能力を持つに至った。米軍との実戦演習において日本潜水艦は一度も位置を特定されたことがない。完全なステルス性と静粛性をもっていると言われている。


第二次世界大戦末期、制空制海権を、米軍に奪われ、シーレーンを米国潜水艦に好きなようにされ、大和魂を持ってすら、国土を守れなかった。その反省により、世界に冠たるその帝国海軍の遺伝子は、冷戦時代、時代の要請もあったが、海上自衛隊においては、対潜、掃海能力は磨きに磨かれた。


終戦間際、晴嵐水上攻撃機3機搭載の、潜特型潜水艦伊400型(水中排水量6,560トン)は、米ソに限らず世界中の海軍関係者に衝撃を与え、今日の原子力戦略ミサイル潜水艦の元祖とも呼べるものであった。

海上自衛隊は、原子力潜水艦こそ保有していないが、おやしお型、そうりゅう型、そうりゅう改型、そうりゅう後継3000トンSS29型~世界屈指の静かな通常動力型潜水艦を有している。潜水艦の定数も16隻+練習潜水艦2隻の18隻体制から、2010年(平成22年度)に定数22隻+練習潜水艦2隻計24隻体制へ移行が決定した。

しかしながら、平成29年現在おやしお型11隻(内2隻が練習潜水艦)+そうりゅう型8隻の19隻体制である。まもなく2017年度中にそうりゅう9番艦せいりゅうが就役する見込みであるが、24隻体制が完成するのは2021年度になる見込みだ。

2021年度24隻完成時には、おやしお型11隻(内2隻が練習潜水艦)そうりゅう型10隻、そうりゅう改型2隻、そうりゅう後継 3000t型(SS29型)1隻となる予定である。

日本の潜水艦隊が世間の注目を集め出したのは、現在最新鋭のAIP(非大気依存推進)動力型潜水艦である「そうりゅう型(8隻+1隻艤装中+1隻+2隻改型を建造中)」がずば抜けた性能を有すると判ってからだ。そうりゅう型は3週間以上も浮上せず公称600m一部情報で最大深度900m~1000m以上まで潜航可能との情報があり、信憑性も低くはない。

総数約63隻の中国海軍の潜水艦(SSBN5隻、SSB1隻、SSN5隻、在来型潜水艦52隻)は元はロシアから技術移転あるいは譲渡されたもので、全般に雑音のレベルが高く、探知されやすい。現在、日本はジェット対潜哨戒機「P-1」12機(調達予定80機)と「P-3C」68機の計80機保有(P-3Cは101機製造)。対する中国軍は旧式の対潜哨戒機Y-8X/Y-8MPA3/4機、若干ましな大型の対潜哨戒機Y-8Q/高新6号(GX-6)を開発中でしかない。

原子力潜水艦は乗員用の食料が続く限り無限に潜り続けることができ、なおかつ通常型潜水艦が水中20ノット台に対し30ノット以上の高速を出すことが可能である。

ならば中国は攻撃型原子力潜水艦を保有してはいるので、原潜が自衛隊の潜水艦隊を殲滅できるか?というと、まったくできない。太平洋も真ん中で戦うのではなく、日本近海で戦った場合、中国の原子力潜水艦と海上自衛隊の潜水艦では、海上自衛隊の潜水艦が鎧袖一触中国の原潜を葬り去ることができる。

潜水艦同士の戦いは、正面からぶつかり合うのではなく、ゲリラ戦のようなもの。先に相手を捕捉できた方が勝利する。原子力潜水艦は原子炉と、水蒸気タービンを動力源とする為、必然的に静粛性が通常型に比べて劣る。まして、海底に鎮座したそうりゅう型はほぼ無音であり、日本の潜水艦が中国の潜水艦を補足した時点で、勝負ありなのである。

また、万が一捕捉されることが有って接近できたとしても、500m以上に潜航した潜水艦を攻撃できる兵器は、自衛隊が保有する89式魚雷と深深度爆雷以外世界中に存在しない。

中国海軍は兵力約26万人を擁し、艦艇数約1090隻、総トン数約135.2万tを誇る。だが、現代の海戦においては対潜水艦戦の能力差が勝負を分ける。ひとたび中国が、日本と刃を合わせたならば、日本の潜水艦隊がある限り、55型大型駆逐艦も、国産空母も中国の水上艦はすべて母港から出撃することはできない。




通常動力潜水艦【おやしお型

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おやしお型 世界の艦船2015年9月号「海上自衛隊の潜水艦の60年」p90-91
 涙滴型の船型から脱却、ソナーをはじめとした兵装の能力向上と静粛性を考慮して、いわゆる葉巻型の船型を採刑した。フランク・アレイ・ソナーが実用化し、これを船体側面に配置するために、精度他の条件を満たすため最も安定した耐圧殻に装備した。 したがって船体中央部の耐圧殻の構造は内フレーム方式を採用してフランク・アレイ・ソナーを装備、この前後の耐圧殻は外フレーム方式としている。
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また艦首に目を向けると、下部にソナーを装備し、上部には魚雷発射管を配置した。ソナーの窓部はラバー・ウィンドウとしている。また幅広となったセイルは側面を傾斜させることによって、音響ステルスに有利なものとした。このように船型を変えたおやしお”型は基準排水量2,750トンで、“はるしお”型より300トン増加している。水中排水量3,500トン、全長82.0メートル、幅8.9メートル、深さ10.3メートル、船底部にはバラスト、キールを設けており、これは初代“おやしお¨と同じ。“はるしお”型より全長は5メートル長いが、幅は逆に1.1メートル狭くなっており、セイルが幅広なだけに見た目の印象と異なって、実際はかなりスマートな船型である。安全潜航深度も増加している。また船体は完全複殻方式ではなく部分単殻式。船体側面(全面ではない)およびセイルには”いそしお”(うずしお型)に装備して実艦試験を行なったタイル状の吸音材と反射材が取り付けられている。なお取付けにはボルトを使用した。

主機ディーゼルぱはるしお”から採用された川崎12V 25/25 S型2基、主発電機2基、主電動機1基と構成も変わらないが出力は増加し、水中7,700馬力、水上3,400馬力となっている。速力は水中20ノット、水上12ノット主蓄電池も改良された。各部の自動化、省力化もさらに進められており、シュノーケルも遠隔操縦となった。なお操縦装置も従来の2組から1組となっている。

兵装では533ミリ水中魚雷発射管HU-605を6門艦首に装備。これは涙滴型が斜めに装備していたのと異なり、艦首尾線に平行としたため、航走中における魚雷発射ができる速度域が広がっている。また配置上発射管口から門扉までの距離が長く案内筒を装備している。

使用魚雷は89式魚雷だが、これは斜盤エンジンを用いた熱航走魚雷で有線誘導のできるホーミング魚雷である。さらにハープーンUSMも搭載。

“おやしお”には新しくフランク・アレイ・ソナーが装備されたが、これは単独で機能するのではなく各種のソナーを合わせてシステム化されている。このソナー・システムZQQ-6は艦首に装備されたアレイと船体側面のアレイ、それに曳航アレイ(TASS)によって構成される。ほかに艦首上部の逆探用ソナーや雑音監視ソナーなどもその一部である。周波数特性や機能の異なる複数のソナー等を統合することでZQQ-6は優れた捜索探知能力を有し、さらに目標の識別や追尾能力などの機能にも優れている。 この機能を発揮するため大幅な自動化が図られており、またこれによって多数の有線誘導魚雷の同時管制も可能となった。 これと連接する指揮管制装置は情報処理能力が大幅に向上した新型のZYQ-3が搭載された。潜望鏡は2本で、1本は攻撃用潜望鏡、1本は哨成川潜望鏡で、これは赤外線撮像装置が組み込まれている。

シュノーケルや操縦装置だけでなく、武器も含めた各部での自動化、省力化を進めた結果、乗員数は70名となっている。また建造が進むに従って装備の改善が図られており、後期には玉樹の一部もFRP化された。

平成5年度作画の“あやしお”(10年3月就役)から、15年度計画の“もちしお” (20年3月就役)まで11隻が建造された。同型艦としては最も隻数が多い。すでに今年3月にぱおやしお”が練習潜水艦(TSS)に種別変更されている。設計艦齢17年とこれまでの16年より延びており,潜水艦22隻体制を睨んで平成25年度から逐次艦齢延伸化か進められている。


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ちなみに、おやしお型以降の潜水艦は、2000mを潜れるしんかい2000を建造するのに用いたNS90鋼板を上回る耐力を持つNS110鋼板が用いられている。

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NS110鋼板の耐力≧110kgfmmとは、ものすごい性能なのである。ちなみに世界最高性能と言われる、原子力潜水艦シーウルフ型の最大深度は610mだが、使用している鋼材HY-100の耐力は≧70kgfmm、その前型ロサンゼルス型の鋼材はHY-80の耐力は≧50kgfmmで、最大深度が457mである。NS110鋼板の耐力≧110kgfmmを用いた潜水艦が、最大深度が1000mを超えるということは、なんら不思議ではなく、耐えられる深度なのである。最大深度900mの89式魚雷を放つおやしお型そうりゅう型や新型潜水艦が一部で1000mを超える深度まで潜航可能だと言われている根拠である。

おやしお型もそうりゅう型ほどセンセーショナルではないが、米ソの原潜でももちろん中国製の潜水艦では、歯が立たない潜水艦なのである。

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おやしお型2番艦 練習潜水艦みちしお (SS-591)→(TSS-3609) 写真:海上自衛隊 

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おやしお型3番艦 通常動力潜水艦 うずしお(SS592) 写真:海上自衛隊 

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おやしお型4番艦 通常動力潜水艦 まきしお(SS593) 写真:海上自衛隊 

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おやしお型5番艦 通常動力潜水艦 いそしお(SS594) 写真:海上自衛隊

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おやしお型6番艦 通常動力潜水艦 なるしお(SS595) 写真:海上自衛隊

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おやしお型7番艦 通常動力潜水艦 くろしお(SS596) 写真:海上自衛隊

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おやしお型8番艦 通常動力潜水艦 たかしお(SS597) 写真:海上自衛隊

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おやしお型9番艦 通常動力潜水艦 やえしお(SS598) 
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おやしお型10番艦 通常動力潜水艦 せとしお(SS599) 写真JMSDFrie 

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おやしお型11番艦 通常動力潜水艦 もちしお(SS600) 写真wiki 

通常動力潜水艦【そうりゅう型

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そうりゅう型1番艦 通常動力潜水艦 そうりゅう(SS501) 写真:海上自衛隊
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そうりゅう型 世界の艦船2015年9月号「海上自衛隊の潜水艦の60年」p91-93
 建造当初からスターリング・エンジンを装備した海上自衛隊初の実用AIP潜水艦である。前述のとおり、“そうりゅう”が建造に着手する以前に練習潜水艦“あさしお”の改造によってAIPの実艦試験を実施している。

これより前に実物大のAIP区両の模型によって、スターリング・エンジン他の関連機器の陸上試験も実施済みである。 AIP区画は上部にスターリング・エンジン4基、下部に液体酸素タンクほかを装備しており、これが耐圧殻・内殻で、この部分の外殻と上構が新規に付加されたことになる。“あさしお”による実艦試験により、問題点は解決され、また”そうりゅう”型乗員には訓練の場となった。

“そうりゅう”は平成16年度計画で建造され、21年3月就役。 6番艦“こくりゅう”が27年3月に就役し、現在さらに23~27年度計画艦の5隻の計画・建造が続けられ、28年度計画艦(最終12番艦)も“そうりゅう”型の予定とされる。

基準排水量2,950トン、満載排水量4、200トン、全長84.0メートル、幅9.1メートル、深さ10.3メートル。船型および構造ぱおやしお”型をベースとしている。

AIP区画を新しく設けたため全長は2メートル長くなった。新規に設けたAIP区画は長さ約10メートルで、艦型の大型化を抑制するためもあって、全般に“おやしお”型より艦内は窮屈になったといわれている。

AIPシステム以外にも“そうりゅう”型は新機軸の装備も多い。従来の縦横舵をX舵としたこと、非貫通型潜望鏡、永久磁石電動機の採用、艦内空気の監視装置および清浄装置、それにセイル前部と上構の取合部に整流用のフィレットを取り付けたことなどである。また船体に取り付ける吸音材、反射材の装備範囲を拡大し、ほぼ全面に装備した。

AIPは、在来型潜水艦の欠点である持続的な水中航続力の不足を補い、シュノーケルを使用しないことによる被探知の防止という点て大きな利点がある。本型の搭載するAIPがスターリング・エンジンで、これを装備することで長期間の潜航が可能となり、任務遂行上の大きな武器となる。 しかし、スターリング・エンジンは出力が小さく、高速力の発揮はできない。“そうりゅう”のスターリング・エンジンはスウェーデンの開発になるも
ので4基を搭載している。関連する装備には液体酸素およびケロシンのタンク、運転装置、排気ガス放出装置などがあり、運転には高度な制御が必要である。

機関部の主要目は、主機ディーゼル川崎12V 25/25S、2基、主発電機2基、主電動機1基これは永久磁石を用い、従来より小型化し発生雑音も少なくなった。スターリング・エンジンの機種は4V-275MR MkIII、その出力はI基75kWで4基を装備。出力は水中8、000馬力、水上3,900馬力、速力水中20ノノット、水上13ノット。推進器は7翼スキュード・プロペラ。

X舵は、従来の針路変更を司る縦舵と、艦の姿勢制御に必要な横舵を十字型に艦尾に装備していたのを、X字型に舵板を配置し、両方の操作を同時に行なうものである。このX舵の採用によって、艦が大型化したにもかかわらず旋回半径が大きくなるのを防いだとされる。舵板が船底ラインから突出しないため、沈座の際には舵が損傷しにくい利点もある。従来の舵角に応じたX舵の操作は操舵装置で制御されており、十字舵と違和感なく操縦できる。

非貫通型潜望鏡は昇降式マストが文字どおり内殻を貫通しないものである。従来の光学式潜望鏡と異なり潜望鏡マストの先端にデジタルカメラが備えられており、画像は艦内のディスプレイに表示される。画像は静止画として見ることが可能で、しかも潜望鏡の操作時間も極めて少なく、被探知防止上も有利である。“そうりゅう”型の潜望鏡は2本で、1本がこの非貫通型である。

ほかの兵装においても“おやしお”型より一段と改良されたものになっており、533ミリ水中魚雷発射管6門はHU-606(使用魚雷他ぱおやしお”型に同じ、ソナー・システムはZQQ-7となった。艦内のネットワーク化も進み、戦術情報処理装置(TDPS)によって制御システムと艦制御システムを統合している。あらゆる情報は戦術情報システム(TDS)に表示可能である。

武器制御システムは情報表示装置(MFICC)で統合管制される。発令所の配置も大きく変わり、共通化されたコンソール(MFICC)が一方に並び、もう一方には艦制御コンソール(MCC/SCC)が並ぶ。他の区画も含めて内部の配置もかなり変更されている。

本型も逐次改良が施されており、23年度艦(7番艦)からは指揮通信能力が強化され、24年度艦(8番艦)からは新しい対魚雷防御システムを搭載する。さらに27、28年度艦はAIPと鉛電池に代えてリチウム・イオン電池を搭載する艦となり、これについては後述する。

その他、大型化に伴うターゲット・ストレングスの低減にも配慮されており、例えば上構はFRPの使用範囲が拡大され、また反射材・吸音材も取り付けられている。なお乗員数も減少し65名となった。

予算の制約から装備には至らなかったものの、実用化の目処もついているものがある。この中には装備や搭載を見込んで設計上や厳装の上で配慮されているものもあるという。魚雷発射管後方の次発装填装置は、すでに開発された自動装填装置を装備できるよう配慮されている。また魚雷発射管も将来の魚雷の進化へ対応できる考慮がなされているという。

日本の潜水艦は乗員数が多いのも特徴であったが、“おやしお”型,“そうりゅう”型と大幅に自動化、省力化を進め,乗員数もかなり減少した。主機械室、主電動機室など無人運転が可能となっており,乗員数の減少は居住性の向上にもつながる。


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海上自衛隊と技術研究本部では、1950年代中盤より非大気依存推進(AIP)システムの開発に着手した。まず昭和29年度から31年度にかけて、新三菱重工と共同で軽量小型高圧燃焼ボイラー・タービン(KRT)の開発が行われた。これは液体酸素と燃料を小型のボイラーで高圧燃焼させ、蒸気タービンを駆動する方式であった。また同時期には、川崎重工も液体酸素を用いた閉サイクル・ディーゼルの研究を行っていたが、前者は酸素の取り扱いと起動時間の問題、後者はさらに経費と期間を要することから、いずれも研究は中止された。その後、技術研究本部では、昭和37年度より燃料電池の研究を開始した。当初はナトリウムアマルガム燃料電池が検討されていたが、水銀の質量が過大であったため、昭和42年度より酸素-水素型に転換した。昭和49年度までに試作・試験を行い、多孔性ニッケル・カーボン二重層電極、8セル構成で出力9キロワット、電圧6ボルト、容量1,500アンペアの燃料電池を開発した。これらの成果を踏まえて、昭和51年度計画潜水艦(51SS)への燃料電池の搭載も検討されたが、液体酸素の取り扱いに関する用兵側の不安を払拭できなかったこともあり、断念された。

これらの経緯も踏まえて、技術研究本部は、燃料電池よりもスターリングエンジンのほうが潜水艦用AIPシステムとしては実現性が高いと判断し、昭和61年度より基礎研究を開始した。同方式は、スウェーデンのコックムス社において1983年よりプロトタイプ試験に着手されており、1988年には前量産型の4V-275R Mk.Iモデルをネッケン級潜水艦(A-14型)のネームシップに搭載しての洋上試験を実施、1992年には量産型のMk.IIモデルを搭載したゴトランド級(A-19型)が起工されていた。このことから、技術研究本部では、平成3年度から9年度にかけての技術研究で、同級搭載機と同じMk.IIモデルを輸入し、独自試作の液体酸素タンクなどと組み合わせたうえで、「係留区画」と呼ばれる部分船殻模型に設置し、地上試験運転を行った。平成11年度より、スターリング機関発電システム2組(それぞれに4V-275R Mk.II×2基)および液体酸素タンク2基を備えた増設区画を試作して、平成12年度から13年度にかけて、「あさしお」にこれを搭載する特別改装を行った。平成13年度中に性能確認試験を終了、平成14年度から本格的な実証試験が実施された。この実績を踏まえて、平成16年度計画艦より、スターリングAIPシステムの搭載が開始されることになった。これによって建造されたのが本型である。

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そうりゅう型2番艦 通常動力潜水艦 うんりゅう(SS502) 写真:海上自衛隊

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そうりゅう型3番艦 通常動力潜水艦 はくりゅう(SS503) 写真:海上自衛隊

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そうりゅう型4番艦 通常動力潜水艦 けんりゅう(SS504) 写真:海上自衛隊

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そうりゅう型5番艦 通常動力潜水艦 ずいりゅう(SS505) 写真:海上自衛隊

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そうりゅう型6番艦 通常動力潜水艦 こくりゅう(SS506) 写真:海上自衛隊


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そうりゅう型7番艦 通常動力潜水艦 じんりゅう(SS507) 写真:海上自衛隊

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そうりゅう型8番艦 通常動力潜水艦 せきりゅう(SS508) 写真:海上自衛隊

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そうりゅう型9番艦 通常動力潜水艦 せいりゅう(SS509)
写真日刊工業新聞 


SS-510 平成26年度計画 (SS-26)
8125号艦 川崎重工業神戸工場 進水2017年 竣工 2019年3月予定 第2潜水隊群予定
(横須賀基地)

通常動力潜水艦【そうりゅう改型】
●27・28SS 世界の艦船2015年9月号「海上自衛隊の潜水艦の60年」p93
 “そうりゅう”型の11番艦である平成27年度計画の潜水艦、いわゆる27SSは、これまで搭載されてきた鉛蓄電池に代えてリチウム・イオン電池を搭載する。   しかも“そうりゅう”型で初めて搭載(実験艦の“あさしお”を除く)したAIPは搭載しない。

AIPは各国の潜水艦にも次第に普及しており、新しく建造される潜水艦にはAIP搭載が標準となりつつある。

実用化されたAIPには、スターリング・エンジン以外に、燃料電池を利用したものがあるが、ほかにクローズド・サイクル・ディーゼルなども開発されている。 このような情勢の中で、AIPを搭載せず、リチウム・イオン電池だけというのは奇異な感じもする。 

しかし、同電池はAIPと同等、ないしはそれを凌ぐ可能性を有するといわれる。スターリング・エンジンにしろ燃料電池にしろ、燃料にケロシン、水素、液体酸素を用い、これを消費すれば、作戦の続行に支障かおり、基地に帰投して補充しなければならない。また出力も少なく高速の発揮は不可能であり、シュノーケルを使用せず水中持続力を増すだけで、またタンクを含めたスペースも必要とする。利点も大きいが欠点もまた多い。

リチウム・イオン電池は鉛蓄電池を上回る性能を有しており、10年以上前から研究開発が進められていた。

鉛蓄電池に比べて単位重量・容積当たりの蓄電量が大きく、充電時の水素ガスの発生や様々な制限も少ない。さらに充電時間が短く完全充電も容易である。鉛蓄電池と異なり高率放電時でも電池電圧の低下傾向が緩やかで、使用可能な電池容量の減少も少なく、鉛蓄電池を大きく上回る放電電力の発揮が可能である。このため、中高速域での水中行動能力の向上が期待できる。 

リチウム・イオン電池の搭載により作戦の自由度はAIP潜水艦より大きくなり、場合によっては通常動力潜水艦の姿を変えることにもなろう。

27SSは前述のとおり“そうりゅう”型の11番艦とされており、装備に大きな変更はないようだが、リチウム・イオン電池の搭載によって電池室の配置などをかなり変える必要があるのではないだろうか。また関連する設備や給電、充電に関連する制御関係や電路系統なども変更・見直しの可能性がある。 AIPを搭載しないということで“そうりゅう”型のAIP区画は不要で、区画の再配置も考えられる。この場合は耐圧壁などの位置変更もありうる。

海上自衛隊の潜水艦はこれまで艦型が変わるたびにI、2番艦の建造により着実に当該性能を確認、そして次の段階に進み、予定した性能へと到達していく手法がとられていた。多くの新機軸を備える次期潜水艦の整備に際し、それに先行してリチウム・イオン電池を初めて実艦に搭載する27SSに注目したい。

また、現在技術開発が進められている事項に関しては装備ないし将来装備への配慮もなされよう。一つはソナーで、艦首装備のソナー、曳航型ソナーの性能向上、特に識別能力や機雷探知などの能力向上が求められている。加えて新しい魚雷の開発も進められており、特に対TCM(魚雷対抗策)関連や目標の大きさを検出するこ1による自動識別能力など、これまでにない機能・能力が求められている。これには装備母体の潜水艦自体にも、在来艦よりもさらに高度な静粛化や新しい機能に対応する性能が必要とされる。

28年度計画艦(28SS卜は27SSと同型になるとされ、“そうりゅう”型の12番艦の予定である。 29年度計画艦(29SS)から新型艦となる見込みであり、今後のわが国潜水艦整備の動向を注視したい。


SS-511 平成27年度計画 (SS-27)
8126号艦 三菱重工業 神戸造船所   進水2018年 竣工予定 2020年3月予定

SS-512 平成28年度計画 (SS-28)
8127号艦 川崎重工業 神戸工場 進水2019年 竣工予定2021年3月予定。

通常動力潜水艦【3000t型そうりゅう後継型 (SS-29)

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新型潜水艦 世界の艦船2015年9月号「海上自衛隊の潜水艦の60年」p94-96
矢野 一樹 (前潜水艦隊司令・海将)
 前述したとおり、平成27年度計画艦としでそうりゅう”型にLi電池を搭載する潜水艦の建造が決定されたが、この潜水艦は従来搭載していたスターリング機関を廃し、その余積と従来の鉛電池区画にLi電池を搭載・配列したものであり、電池以外は
”そうりゅう”そのものといえる。 したがって、潜水艦としての戦闘能力は”そうりゅう”とほぼ同等である。新型潜水艦ぱそうりゅう”とは一線を画す潜水艦であり、22隻体制を考慮したうえで(練習潜水艦も含めれば艦齢24年にわたり就役)最初から設計される潜水艦となる。

新型潜水艦への移行時期については諸説かおるものの、現行の潜水艦関係の技術研究計画を考慮すれば、大体の想像は可能である。
現行の同技術研究は次の4項目である。
●被探知防止・耐衝撃潜水艦構造研究(平成19~26年度)
●シュノーケル発電システム(平成22~27年度)
●次世代潜水艦用ソナー・システム(平成22~26年度)
●潜水艦用新魚雷の開発(平成24~29年度)
一瞥して理解できるとおり、船体格納武器である魚雷を除き、船体装備となる3項目はすべて平成27年度までに研究を完了させることになっており、これを船体設計に反映させる時間に鑑みれば、平成29~30年度計両艦が新型潜水艦になるものと予想できる。それでは、これらの技術研究における新機軸を装備した新型潜水艦の能力を推定してゆく。

まず、被探知防止・耐衝撃潜水艦構造である。これは平たくいえば浮甲板(うきこうはん)と新型推進器となる。浮甲板とは各種装備品を設置する潜水艦内の甲仮面を船体に防振・緩衝機構を介して設置し、甲板面に装備された各種装備品から船体に伝わる振動(音)を遮断し、船体を通じて外部に至る雑音を抑制、潜水艦の静粛化を図るとともに,船体外部の爆発等からの衝撃を緩和させ被攻撃に対する装備品の機能維持・人的損害の低減を企図するものである。米海軍の原子力潜水艦は20年以上前からこの種の技術を採用、潜水艦の静粛化に大きく貢献している。

新型推進器は、従来特殊な金属を使用して作成されていた推進器の構造材に諸外国と同様に複合材を使用、推進器の振動を抑制、推進器自体が発生する雑音の低減を図るものと推定され、この2つの技術を導入することにより、新型潜水艦の艦外放射雑音の大幅な低減が期待できる。

次のシュノーケル発電システムの導入は、Li電池採用に起因するものと推定される。これは、Li電池が大きな充電電流により継続的に充電が可能となる特性を最大限に利用、従来より高出力のディーゼル機関を装備することにより発電能力を増大、大電流により充電時間を短縮し、充電時間を短縮した結果として充電時の雑音発生・マスト露頂時間を局限し被探知防止に寄与するものである。

このためには新たに潜水艦用小型高出カディーゼル機関を開発し、これを中心とするシュノーケル(水中充電)システムを構築する必要がある。潜水艦用高速機関は単に入出力を求めるのみならず、急激な負荷の変動に対応する必要があり、その取得には多大の努力が必要である。

また、この機関に対応するためには、その増大する給排気量に適応したシュノーケル・マストが必要となるため、これの被探知防止対策もまた必須のものとなる。潜水艦へのLi電池の搭載自体は27年度計画艦と同じであるが、同鑑が余積に電池を搭載したのに比して新型艦では最適に設計された船体に計画的な搭載が実施できることから、より効率的な各種装備品の艦内配置が可能になるものと思料する。

次に次世代潜水艦ソナー・システムに言及する。同ソナー・システムは予算資料によれば、艦首型アレイ、側面型アレイ、曳航型アレイ、逆探アレイ、障害物監視アレイおよび広帯域送波アレイの6個アレイで構成され、目標探知能力と浅海域行動能力の向上を図るとされている。パッシブ・アレイとしては従来どおり、艦首り側面・曳航・逆探の4つのアレイを装備するが、いずれもがソナーの有効開口面積を広く確保し、可聴周波数の拡大と信号利得の増強を図っているものと推定する。

このため、ソナー自体の大型化というハード面はもちろん、このソナーヘの人力信号の処理というソフト面においても大きな改善が図られ、同艦の探知能力は大幅に向上するものと思料する。また、次世代潜水艦で特徴的なことは、障害物監視・広帯域送波アレイというアクティブ・アレイが“ゆうしお”型以来、復活したことである。これはいうまでもなく浅海域において行動する場合に備え、敷設された機雷や沈船等の障害物を回避するための装備および、静粛化された潜水艦に対して継続的なパッシブ探知が困難な場合、攻撃直前の魚雷調定諸元入力用と考えられ、将来の行動海域と、より静粛化された将来潜水艦に対応した装備として鋭意開発されたものと推定する。

アクティブ・アレイの潜水艦への装備・運用については利害得失かおり、運用試験の結果に鑑みて、最終的な決定がなされるものと思料する。

最後に潜水艦用新魚雷については、高度化する魚雷欺猫装置と浅海域における海面残響等の影響による魚雷の目標探知確率・探知距離の低下に対応すべく開発されるものであり、探知センサ一部の広帯域化等に加え、新型起爆装置を導入、潜水艦行動可能海域における如何なる目標に対しても有効な攻撃を実施できる魚雷の取得を目指すものである。

以上、述べてきた各種装備を搭載することで次世代潜水艦は将来予想される対潜捜索努力を掻い潜り、浅海域・深深度海域を問わず敵威力圏深く隠密裏に行動する能力を有するとともに、各種水上艦艇はもちろん、より静粛化の進んだ将来潜水艦に対しても対応可能な能力を有するものと推定する。ここで重要なことは、この次世代潜水艦が初の22隻体制対応艦であるという事実である。

今までの潜水艦の寿命に鑑みれば、就役期間中の装備の旧式化に伴う更新は、これを実施するか否かは艦齢に鑑みれば費用対効果上微妙な問題であった。しかしながら、次世代潜水艦は練習潜水艦も含めれば24年以上就役することが見積もられ、軍事技術の発展速度に鑑みれば、艦齢半ばに達した時点で戦力維持のための装備の更新・強化が必至となる。

幸い、現在の技術はハードウェアからソフトウェアに重点が移行しつつあり、旧型のハードも処理ソフトの更新により、能力の大幅な改善を図ることが可能(たとえば、ソナーに人力されていた音を信号処理ソフトの改善より新たに信号として検出可能)となる。しかし、このことは反面、ソフトウェアの開発と厳格な管理が、今後の戦力を維持・強化する上で最も重要な要素となることを示唆しているともいえる。



新型潜水艦29SSについて 2016/8/25(木) 午後 11:13



2017/6/25(日) 午前 10:32 


2017/7/8(土) 午後 4:27



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中国海軍の軍艦の建造ペースと規模は、冷戦終結直前のソ連のようだ。
中国の軍の関連メディアは6月28日午前、中国初の1万トン級駆逐艦が江南造船所で進水したという、重大ニュースを伝えた。

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異形の駆逐艦ズムウォルト出港 2015/12/9(水) 午前 7:08


政府は同艦の型式を明らかにしていないが、055級駆逐艦と呼ばれている同艦の進水は米国のズムウォルト級、旧ソ連のキーロフ級に相当する大型水上戦闘艦である。この艦を含め4隻が建造中で、1隻が計画中であるという。この異常な建造数は、冷戦最後のソ連のようだ。中国もいずれ軍事費で破綻して崩壊するであろう。
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VCG—VCG VIA GETTY IMAGES

PLAN最新鋭055型駆逐艦の性能、運用想定、その意義
【航空宇宙ビジネス短信・T2】2017.6.30

駆逐艦、巡洋艦という従来の区分が意味がなくなってきたのでしょうか。なんでも盛り込むと大型艦になります。同時に大型艦の艦容が十分に威圧的になる意味もあります。性能よりも面子を重視した中華価値観の表れなのかもしれませんが、軽視は許されないでしょう。

China's Type 055 Super Destroyer Is A Reality Check For The US And Its Allies 
中国の055型駆逐艦は米国、同盟国を現実に直面させる


This is one impressive ship that underlines China's changing weapons development capabilities and its emerging greater naval strategy in the region and beyond. 
中国の兵器開発状況の変化を示す艦であり中国の海軍戦略が周辺海域から外部へ伸びるあらわれだ


イメージ 3 BY TYLER ROGOWAYJUNE 28, 2017
http://www.thedrive.com/the-war-zone/11941/chinas-type-055-super-destroyer-is-a-reality-check-for-the-us-and-its-allies

中国が055型駆逐艦一号艦を本日進水させた。中国で最高水準の水上戦闘艦で公表された写真を見ると中国がここまでの偉容の艦を建造したのを見て驚く向きも多いはずだ。055型は海のJ-20ステルス戦闘機といったところで中国の急速な水上戦闘力開発能力のみならず中国の海洋戦略が現実のものになってきたことを如実に示すものだ。

中国海軍にとって055型は米タイコンデロガ級巡洋艦とズムワルト級駆逐艦の中間といったところだろう。艦体と性能はタイコンデロガ級に近いが搭載技術は中国水上艦の将来を開く点であることがズムワルト級に近い。055型の外装はステルス性がありセンサー搭載マストが一体型になっているのはアーレイ・バーク級とズムワルト級の中間といってよい。

055型は駆逐艦というより巡洋艦と言ってよい。全長590フィート排水量は10千トンから12千トンの間で、アーレイ・バーク級の最新型より全長で81フィート、排水量で2,500トンほど多く、タイコンデロガ級巡洋艦に近い。武装もタイコンデロガ級と同様に垂直発射管は128セルあり、アーレイ・バーク級の96セルより多い。このセルに陸地攻撃型(YJ-18)と対艦攻撃型(YJ-12)のミサイルさらに対潜ロケット(CY型)を搭載する。タイコンデロガ級と同様に広域防空能力と対空ミサイルが同艦の主要任務で、高性能センサー類一式は過剰といってよい装備だ。

この新型艦はデュアルバンド方式レーダーを搭載し、DDG-1000ズムワルト級で搭載予定だった装備と類似している。なお、USSジェラルド・R・フォードに同レーダーが導入される。アクティブフェイズアレイレーダーを二組搭載し、一つは大型Sバンドで艦橋に、もう一つは小型Xバンドを一体型マスト内部に搭載する。Sバンドを長距離の捜索追尾に使い、高感度Xバンドを小型ステルス機や高速飛行目標の追尾に使うが有効距離は短くなる。それぞれの特性を生かしながら冗長性も持たせる。中国海軍でここまでの高性能レーダー装備を有する艦は他にない。

海軍用のHQ-9長距離対空ミサイルが搭載されそうだ。またHQ-16中距離SAMや四発搭載のDK-10Aもありうる。DK-10AはPL-12空対空ミサイルが原型で、米海軍のRIM-162発展型シースパロウミサイル(ESSM)に近い役割を果たすのだろう。将来的に大気圏高高度で極超音速機の迎撃能力や中国の弾道ミサイル迎撃ミサイルも搭載するだろう。ここにデュアルバンドレーダー、高性能戦闘指揮機能、大量のVLSが加わると大きな意味が生まれる。

対潜能力でも従来の中国艦の水準を上回り、ヘリコプター二機を運用し(Z-18のASW仕様機が導入されそうだ)、後部格納庫があり飛行甲板も延長している。えい航式深度可変ソナーで潜水艦を狩るだろう。魚雷とロケット推進式魚雷で水中目標を破壊するはずだ。

H/PJ-38 130mm主砲一門と H/PJ-11 30mm近接対応兵器システム(CIWS)が主要兵装だ。米RIM-116回転式ミサイルに相当する「FL-3000N」を艦橋後部に搭載するのではないか。これに30mmCIWSを組み合わせ強力な近接防御能力が実現し、海面すれすれを飛ぶ飛行物体や小舟艇への守りが固まる。

055型には統合発電配電系統が搭載され、タービン発電で推進力を得る構想とすると従来の中国艦より先を行くことになる。同時に電子戦能力でも人民解放軍海軍PLANで最高性能のミッションっシステムになる。

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055型の完成想像図 果壳军事-WIKICOMMONS  .

 
055型は多用途能力があるが、主任務は中国版の空母打撃群の掩護でこの点でもタイコンデロガ級巡洋艦と同様だ。戦闘群の指揮統制機能も含み、055型は従来のPLAN艦艇に欠けていた要素を埋める存在となる。052D型駆逐艦が以前は戦闘力で最大の艦だったが055型と比べると相当見劣りがする。

PLANが最低でも四隻の空母運用を目指す中で055型も4隻建造する理由は明白だ。空母戦闘群に一隻ずつ配備し、空母が外洋に出ない場合は遠隔地に出没させ威力を示威するのだろう。また高機能の戦闘能力と指揮統制機能をPLAN部隊に提供するだろう。055型はさらに4隻建造される可能性もある。

そうなると新型055型駆逐艦は米国や域内有力国と互角の戦闘能力を目指す中国に大きな一歩となる。ただし米海軍と同等の威力を有しているとは限らない。多くの面で米海軍の水準に達していない。中国の建艦技術に問題があるといわれ、米艦の水準と比較すれば品質面で劣る。搭載センサーと兵装の一体化、ミサイルの信頼性、またミサイルの全般的性能に疑問が残る。

ただそれが本質的な問題ではない。大事なのは中国が将来の海軍兵力投射能力整備を目指し、空母二隻を建造中で今回空母と行動を共にする艦を作ったことだ。二種類の艦が就役すれば今よりも大胆かつはるかに遠隔地への航行をめざす海軍戦略の中核となる。米海軍は恐れる必要はないが、域内有力国のインドや日本にとっては意味がちがってくる。055型や空母は南シナ海、台湾海峡、インド洋さらに東シナ海で長期間にらみを利かす存在となる。

イメージ 5中国は軍艦の推進式の意義を正しく理解しているようではないか  AP


055型は同時にいわば「後追い」モードで技術ギャップを埋めるのに必死な敵対勢力ではなくなったことを示している。中国では技術国産化が進んでおり、ときには技術リスクも恐れず(例 デュアルバンドレーダー艦載化で米国に先行)挑戦している。そのため中国軍は支援に回るアン業界とともに防衛装備のコンセプトで模倣しているように見えるが、実はハードウェアや兵装の統合化でその傾向は強くなっている。

この変化がさらに進めば米国や同盟国が中国の軍事力整備に対応せざるを得なくなる状況となる。これまでの中国の軍事技術開発は米国やロシアの過去装備を後追いしているような状況だったが、今や予測自体が難しくなっており懸念をそれだけ生む状況になったといえる。■
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中国網apanese.china.org.cn


要目
基準排水量 12,000トン 満載排水量 13,200トン
全長 182.6m 全幅 20.9m  吃水  7.2m
機関方式 COGAG方式 主機関 QC-280ガスタービンエンジン×4基
推進器 スクリュープロペラ×2軸 出力 152,000馬力
兵装
H/PJ-38 130mm単装速射砲 H/PJ-11 CIWS HHQ-10 近SAM
VLS 前部64+後部64計128セル



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今回FONOPを実施した米海軍のアーレイバーク級駆逐艦「ステザム」(出所:米海軍)

 アメリカ海軍ミサイル駆逐艦「ステザム」(横須賀を本拠地とする第7艦隊所属)が、7月2日、西沙諸島のトリトン島沿岸12海里内海域を通航した模様である(アメリカ当局は公式には発表していないが中国当局は抗議と警告を発している)。5月26日に引き続いて、トランプ政権下で2度目の南シナ海における「FONOP」(公海での航行自由原則維持のための作戦)ということになる。

 南シナ海でのFONOPが2015年に始められてから6度目になるが、わずか1カ月の間を置いて実施されたのは今回が初めてである。

 北朝鮮情勢を巡って中国に対して“気を使わざるを得なくなった”トランプ政権に苛立ちを隠せなかった対中強硬派の米海軍関係者たちは、今回のFONOP実施によって、「より頻繁なFONOPの実施」が定着することを期待している。

 しかしながら、いくら中国の覇権主義的海洋進出政策を米海軍や米外交当局が牽制しようとしても、「せいぜいFONOPを南シナ海で実施するのが関の山」といった状況であるのもまた事実である。

 そして、対中国戦略家たちにとって、新たな危惧が現実のものとして突きつけられた。それは、6月28日に中国海軍が進水させた最新鋭の駆逐艦である。

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    「055型ミサイル駆逐艦」1番艦の進水式の様子(YouTubeより)

中国メディアは「アジア最強の駆逐艦」と喧伝

 中国当局側の発表によると、進水した「055型ミサイル駆逐艦」は、全て“国内技術”によって建造されたという。基本排水量1万トン、満載排水量1万4000トン、全長180メートルの055型駆逐艦は、これまで中国海軍が建造してきた水上戦闘艦(航空母艦、揚陸艦を除く駆逐艦やフリゲートなど)のうちで最大であるだけでなく、第2次大戦後にアジアで建造された最大の水上戦闘艦である。

 大きさだけではなく、様々な充実した装備も積載しており、「アジア最強の駆逐艦」あるいは「アメリカの最新鋭ズムウォルト級ミサイル駆逐艦に迫る世界最強の駆逐艦の1つ」と中国当局系のメディアなどは喧伝している。

 055型駆逐艦は(もちろん実戦に投入されたわけではないので真の戦闘能力に対する評価は誰にも分からないが)中国当局系メディアなどによる自画自賛だけではなく、アメリカ海軍関係者の間でも評価が高く、強く危惧している人々は少なくない。すなわち、「055型駆逐艦の海上戦闘における攻撃能力はアメリカ海軍のいかなる水上戦闘艦より勝っている」として、警戒を強めているのだ。

敵を侮ってはいけない

 日本では、中国の軍艦をはじめとする兵器などに対して「見かけ倒しに過ぎない」とか「張り子の虎のようなものだ」といった見方が少なくない。しかしアメリカ海軍関係機関やシンクタンクなどの軍事専門家(兵器や武器マニアの親玉といった人々ではなく、軍事戦略や安全保障政策のエキスパートたち)の多くは、「少なくとも確実なデータが入手できていない段階では、敵側の戦力などに関しての楽観的な判断は避ける」という習性を身につけている。

 1941年の日米開戦以前、当然のことながら、アメリカ軍、そしてアメリカ政府は、日本海軍が巨大な戦艦や航空母艦を建造し、ゼロ戦をはじめとする多数の航空機を手にしていることを認識していた。しかし、日本の場所さえ知らないアメリカ国民はもとより多くの軍人さえも「いくら立派な戦艦やゼロ戦を持っていても、日本人ごときにとっては宝の持ち腐れで、虚仮威(こけおど)しに過ぎない」とみくびっていた。

 そのため、太平洋方面(すなわち対日本)の最前線であるハワイ(太平洋艦隊)や、前進軍事拠点であるフィリピン(米フィリピン駐屯軍、とりわけフィリピンの米軍司令官マッカーサーは日本軍の“強さ”を過小評価していた)での対日防備は隙だらけで、結果として日本軍の先制攻撃を受けて大痛撃を被ることとなった。

 アメリカ海軍戦略家の多くはこの種の教訓を生かし、「決して敵対する勢力の戦力を『どうせ・・・ちがいない』といった具合に自分たちにとって都合が良いように見くびってはならない」と考えている。「とりわけ、敵の人的資源に対して『士気が低いようだ』『訓練が行き届いていない』『作戦立案能力が劣る』といった評価をなすことは控えるべきであり、少なくともわが軍と同等かそれ以上の存在であると考えておけば、実戦になって『こんなはずではなかった』という事態に陥ることはない」として、敵の資源を決して過少評価せず、むしろ自軍を上回っていると想定するのである。

 そのため、055型駆逐艦を論ずる米海軍関係者たちの間には、「ついに、中国海軍駆逐艦がアメリカ海軍のそれを凌駕する日がやってきてしまった」という評価が広がっているのだ。

「055型」駆逐艦の海上戦闘能力

 米海軍がとくに脅威に感じているのは、055型駆逐艦が備えている海上戦闘能力である。

 現在、アメリカ海軍最強と言われている水上戦闘艦は「ズムウォルト級ミサイル駆逐艦」である。2016年に就役したこの新鋭駆逐艦は、最新型の多機能レーダーシステム(AN/SY-3)、全ての艦内システムのネットワーク化、最新型のミサイル垂直発射装置(MK57-VLS: 発射管合計80セル)などを装備している。

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米海軍のズムウォルト級ミサイル駆逐艦「ズムウォルト」(出所:米海軍、以下同)

 MK57-VLSからは、地上攻撃用トマホーク巡航ミサイル、各種対空ミサイル、弾道ミサイル防衛用ミサイル、対潜水艦用ミサイルなどを発射することができる。このほかズムウォルト級駆逐艦は、最新推進システム、最新情報処理システム、それに高度なステルス形状を備えているため「最強の駆逐艦」と言われている。

 だが、当初は32隻の建造計画があったものの、現時点では1隻が就役しているのみで、あと2隻で建造は打ち切られることになっている。

 そのため航空母艦を除くアメリカ海軍の主力水上戦闘艦は、「アーレイバーク級ミサイル駆逐艦」(合計76隻を保有する予定、現在62隻が就役中、2018年中までに6隻が就役予定)と、「タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦」(現在22隻が就役中)ということになる。いずれの軍艦にも、ズムウォルト級駆逐艦よりも発射管数(アーレイバーク級駆逐艦は90セルあるいは96セル、タイコンデロガ級巡洋艦は122セル)の多いミサイル垂直発射装置(MK41-VLS)が装着されているが、情報処理システムやステルス形状などはズムウォルト級駆逐艦とは比べようもないレベルである。

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タイコンデロガ級巡洋艦「シャイロー」

 一方、中国の055型駆逐艦は、ズムウォルト級駆逐艦に迫るステルス形状をしており、中国が独自に開発したミサイル垂直発射装置(発射管は128セル)はMK41-VLSやMK56-VLSよりも大型のミサイルを発射することが可能である。そして、潜水艦を探知するソナー類も、米海軍や海上自衛隊の装備に勝るとも劣らない強力なシステムを搭載しており、「中華神盾」と称する対空レーダー戦闘システムもアメリカが誇るイージスシステムを凌駕するとされている。

米海軍が恐れる「YJ-18」

 このような強力な防衛手段に加え、米海軍関係者たちが大きな危惧を抱いているのは、この新型駆逐艦の128セル垂直発射管からは“超強力”な「鷹撃18型超音速巡航ミサイル」(YJ-18)が発射されることである。

 YJ-18は、地上目標も敵艦も攻撃することができる巡航ミサイルであり、最大射程距離は540キロメートル程度とされている。軍艦と軍艦による海上戦闘では500キロメートル以上も離れた敵艦を攻撃することはほとんど考えられないものの、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦や一部のアーレイバーク級駆逐艦が装備しているハープーン対艦ミサイルの射程距離が124キロメートルとされているため、055型駆逐艦は米巡洋艦や駆逐艦の脅威圏外から米艦艇を攻撃することが可能となる。

 さらに、YJ-18は攻撃目標に接近すると最終段階の40キロメートルはマッハ3以上で飛翔する「ロシア譲りの性能」を有していると推定されており、米海軍にとっては極めて深刻な脅威となる。

 このような脅威に対して、アメリカ海軍は空母打撃群を繰り出し、空母から発進する攻撃機によって敵艦艇を撃破するという基本方針に頼ってきた。そのため、巡洋艦や駆逐艦自身が搭載する対艦ミサイルを強力化する必要性は生じなかった。それよりも、防空ミサイルシステムをはじめとする防御能力に莫大な資金と最先端技術をつぎ込んできたのである。

 ところが、中国海軍との戦闘が予想されるのは南シナ海あるいは東シナ海であり、中国との有事の際に、それらの海域に空母打撃群を出動させるという米海軍の大前提そのものが怪しくなってきてしまった。というのは、中国人民解放軍ロケット軍が東風21-D型対艦弾道ミサイル(DF-21D)ならびに東風26型対艦弾道ミサイル(DF-26)の運用を開始したからである。

 まず、東シナ海は中国沿岸域から最大でも1000キロメートル程度の広がりしかない。また、南シナ海での予想戦域でも1500キロメートル程度の距離しか離れていない。そのため、東シナ海や南シナ海に進攻した米海軍空母はDF-21DやDF-26の餌食となりかねず、米海軍の伝統的な空母艦隊による作戦は極めて危険となる。したがって、中国との海上戦闘は、艦艇対艦艇の戦闘を想定すべきであるという考えが持ち上がってきている。

 すると、ハープーン対艦ミサイル程度の敵艦攻撃力しか備えていない米海軍の戦闘艦は、055型駆逐艦にはとうてい太刀打ちできないということになる(中でも、新鋭のアーレイバーク級駆逐艦とズムウォルト級ミサイル駆逐艦には、ハープーン対艦ミサイル程度の攻撃力すら備わっていないため、増設が必要となる)。

「今後5年間は隠忍自重するしかない」

 以前よりこのような状況になりかねないことを危惧していた一部の海軍戦略家たちは、「YJ-18」に匹敵する強力な対艦超音速巡航ミサイルの開発を提唱していた。しかし、その開発はようやくスタートしたばかりであり、誕生するのは早くても5年後と考えられている。

 一方、先日一番艦が進水した055型駆逐艦は3番艦までが引き続き誕生し、アメリカの新型対艦ミサイルが誕生する5年後までには、少なくとも8隻前後の055型駆逐艦が就役しているかもしれない。また、問題のYJ-18は055型駆逐艦より小型の052D型ミサイル駆逐艦(1番艦が2014年に就役し、間もなく6番艦と7番艦が就役する)にも搭載されるため、すでに2020年には20隻以上の中国海軍駆逐艦がアメリカ海軍艦艇をアウトレンジ攻撃する能力(敵の射程圏外から敵艦を攻撃する能力)を身につけることになる。

 このため、米海軍関係者からは「少なくとも今後5年間は、(中国近海域すなわち東シナ海や南シナ海における海上戦闘では)どうあがいても中国海軍優位の状況を突き崩すことが困難になってしまった」との声も上がっている。アメリカ海軍の弟分である海上自衛隊にとっても、このような“米海軍の嘆き”は、残念ながら共通する。

 このような状況に立ち至った原因は、アメリカ海軍艦艇(海自艦艇も同様)が、強力な敵艦攻撃能力を犠牲にしてまでも、超高額な予算と最高度の技術が要求される対空防御能力の充実に努力と予算を傾注しすぎたからである。この事例は、我が国の弾道ミサイル防衛態勢や、専守防衛という国防の基本方針そのものにとっても、大きな教訓とすべきである。
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China’s YJ-18 anti-ship cruise missile

YJ-18
弾頭 140-300 kg(310-660 lb)の弾頭
射程220-540 km(140-340 mi; 120-290 nmi)
速度 マッハ0.8(クルージング)マッハ2.5-3.0(ターミナル)

055型駆逐艦は日米駆逐艦を凌駕するとセンセーショナルに宣伝しているが、制空権がなければただのマトにすぎない。YJ―18だって、水平線の向こう側の艦隊を捉えることができなければ、50km超以上の射程は意味がない。実用化に耐えるAWACSを運用していない中国は、おそらくUAVなどドローンを使って日米艦隊を探査するつもりであろうが、絵に描いた月餅。国産空母に実用に耐えうるAEW機が搭載できるか否かだが、カタパルトを積んだ3隻目の空母がどの程度なものなのか・・・
それまでは、055型駆逐艦は、まるでお飾りにすぎない。

中国の中華イージスもどきのシステムはまったく機能しないのでは?と疑惑が持たれている。米国のズムウォルトやかつてのソ連のキーロフ型と比べたら、まったく平凡で、中国の現状の052D型蘭州型の倍のVLSを有する位で、前級を全て陳腐化させたかつての英国のドーレットノート型戦艦の衝撃はまるでない。騒ぎ過ぎだ。
第一、もし、日米と中国が開戦した場合、日本のそうりゅう型潜水艦が潜む海域には、055型駆逐艦は怖くて進出することはできないであろう。海戦において最強なのは、空母でも水上艦ではなくて、潜水艦なのである。




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今年だけでも既に2隻が誕生した中国海軍の054A型フリゲート

トランプ大統領は「強いアメリカの再現」のシンボルの1つとして、大統領選挙中から一貫して大海軍再建を標榜し、国防予算、とりわけ海軍関連予算の大増額計画を打ち出している。

しかしながら、トランプ政権発足後半年を経過した現在まで、大海軍再建の司令塔となるべき海軍長官(海軍と海兵隊の最高責任者でシビリアンのポスト)人事が決定していない(これまでは代理海軍長官としてシーン・スタックリー氏が代行してきた)。トランプ大統領は6月初旬に元投資会社役員のリチャード・スペンサー氏を海軍長官候補に指名し、あと数週間以内には上院で指名認可がなされる見込みとなっている。だが、大海軍再建計画が順調に滑り出すまでにはまだまだ時間がかかる状況と言わざるを得ない。

順調に進んでいる中国の大海軍建設

一方、中国においても、「中国の国益を保護するための大海軍建設」が喧伝されている。共産党独裁国家である中国では、党が打ち出した「大海軍建設」はアメリカと異なり極めて順調に進んでおり、今後も加速度的に海軍力が強化されていくものと思われる。

 ちなみに、2017年上半期に誕生した中国海軍艦(小型艇を除く)は以下の10隻である(表)。
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2017年の上半期に誕生した中国海軍艦(小型艇を除く)
                                                                                                               2016年に大小取り混ぜて30隻ほどの艦艇を誕生させた中国海軍の戦力強化は、少なくとも数の上では目覚ましいものがあるとアメリカ海軍側も認めている。

 新鋭艦艇の質に関しては「見かけ倒しではないか」「恐るるに足りない」といった評価を下している海軍首脳も少なからず存在する。だがそれに対して、「確実な情報がない以上、そのように楽観視しているととんでもないことになりかねない」「アメリカも含めて世界中から最先端技術を取り込んでいることを忘れてはならない」と警戒を促す人々も少なくない。

 いずれにせよ、対中戦略を専門とする海軍関係者たちは、「敵を過大評価して恐れおののくのは慎むべきではあるが、敵を過小評価するのはさらに良くない姿勢である」との基本姿勢を尊重している。

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          中国国産の001A型航空母艦
                                                                                                             海軍戦略達成のために強化される海軍戦力

 人民解放軍は昨年より抜本的再編成を進めている。中国国営メディア(人民日報、環球時報)によると、その一環として陸軍人員数の大幅削減を実施するという。また、海軍、ロケット軍(かつての第二砲兵部隊)、そして新設された戦略支援部隊の人員数は、今後それぞれ大幅に増強するという。空軍は現状維持とされている。

 人民解放軍再編成の方針に基づき海軍力増強が推進されていくことは間違いないものと思われる。実際に、2017年上半期だけでも上記のように多数の軍艦が誕生している。

 そもそも、中国海軍が近代的海軍(海上自衛隊など西側海軍と肩を並べるような海軍)となりうるきっかけとなったのは、1980年代に鄧小平軍事委員会主席の片腕として活躍した海軍司令員(海軍のトップ)、劉華清が打ち出した防衛戦略である。

 毛沢東時代の中国の防衛戦略は、基本的には敵勢力を中国大陸内部に引き込み、ゲリラ戦も交えつつ殲滅していくというものであった。それは自然と陸軍が中心となる戦略であった。当時はアメリカの核恫喝に自力で抵抗するため核搭載大陸間弾道ミサイルの開発運用にも多大な資源が投入された。そのため、海軍や空軍を充実させることは後回しにされ、鄧小平によって国防改革が開始された当初は、中国海軍は沿岸警備隊(それも時代遅れの)に毛が生えた程度の極めて貧弱な海軍に過ぎなかった。

 このような状況に対して劉華清は、「鄧小平による経済発展策の根幹となる幅広い交易活動を支えるには強力な海軍戦力が必要である」と力説した。そして、劉華清が打ち出したのが、「近海積極防衛戦略」と呼ばれる海軍戦略であった。

 すなわち、日本列島から台湾、フィリピン諸島、そしてカリマンタン島(ボルネオ島)を経てシンガポールに至る、いわゆる第1列島線内の東シナ海や南シナ海に進攻してきた敵(=アメリカ海軍や海上自衛隊をはじめとするアメリカ側海軍)を、それら海域のできるだけ遠方で撃破し、中国沿岸域には敵を寄せ付けない──そして、いずれは第1列島線に接近させないようにする、という戦略である。

「積極防衛戦略」の“積極”というのは、「島嶼や海岸線を防衛するには、待ち受けるのでなく、こちらから出撃しできるだけ遠方洋上で敵を迎え撃たねばならない」という海洋国家防衛の伝統的鉄則を意味している。そこで、その戦略を実施できるだけの実力を持った海軍を建設することが急務となり、1980年代後半から近代海軍建設に努力が傾注されたのである。

 海軍建設には少なくとも四半世紀はかかると言われているが、21世紀に入ると中国海軍は近代海軍の呈を成し始め、2010年を過ぎるといよいよ強力な海軍として世界中の海軍から一目置かれる存在になってきた。

 そして、昨年から正式に推し進められている人民解放軍の再編成と平行して、海軍戦略も「近海積極防衛戦略」からさらに歩みを進め、「外洋積極防衛戦略」とも表現しうる戦略へとバージョンアップされた。

 中国国防当局はアメリカや日本を強く刺激することを避けるため、この戦略を単に「積極防衛戦略」と称している。だが、要するに敵を撃破する海域を東シナ海や南シナ海からさらに遠方の西太平洋へと拡大させた戦略ということになる。

海軍戦略を欠いているアメリカ

 このように、中国の軍艦建造の目を見張るほどの勢いは、明確な海軍戦略を達成するために必要不可欠の動きということができる。

 ところが、トランプ政権が打ち出している350隻海軍建設は「偉大なアメリカの再建」という政治的目標の道具の1つとはなり得るが、確固たる海軍戦略に基づいているわけではない。

 そもそも、「近海積極防衛戦略」そして「(外洋)積極防衛戦略」といった具体的な海軍戦略を策定してきた中国軍とは異なって、アメリカ軍は「エアシーバトル」「マルチドメインバトル」といったコンセプトを打ち出してはいるが、いずれも戦略というレベルのものではない。

 達成すべき海軍戦略を構築し、それに向かって海軍戦力増強にいそしむ中国。片や、確固たる戦略なしにかつての栄光を取り戻すために大海軍を再建することを標榜しているアメリカ。これでは、少なくとも東アジア海域における海軍力バランスが逆転する日が現実のものとなってしまったとしても不思議ではない。





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【インド】
インド海軍は近年、著しい増強を行っている。2000 年代に入ってから、中国が、インドの周辺国で港湾建設を進め、中国によるインド洋への進出が進み、中国潜水艦がインド洋に展開させるようになった(インドの周辺に首飾りをかけるように港湾建設をしているため「真珠の首飾り戦略」と呼ばれている)。

インドは、日本にとってシーレーン防衛上、非常に重要なパートナーである。

もし、インドが中国のような反日的な政権であったならば、日本は、米国のような空母機動部隊を持たなければならなくなるところである。インドとの友好関係は、日米安保条約にも匹敵する、国家的重要戦略である。

 2000 年代以降、中国海軍の増強に対応する為、インドも海軍予算を着実に増やしながら、海軍の近代化に取り組み始めている。

インド海軍が保有する艦艇は、2015 年現在 137 隻であるが、2027 年には 空母や原子力潜水艦を含め200 隻以上に増強する計画である。インドの東部、西部、南部方面艦隊に、それぞれ空母 1、その護衛をする大型水上戦闘艦、原潜を配備する構想と考えられる。
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東西南の3機動部隊を備えたの場合、1 つの機動部隊が整備に当たっている間、他の 1つの空母機動部隊は寄港/移動中でも、1つの機動部隊は常に戦闘可能な状態になる。

また、戦略ミサイルを搭載した原潜 5 隻を揃え、核抑止力を整備する計画とも伝えられている。さらに揚陸艦と海兵隊の増強も計画しており、海を通じて陸上兵力を展開する能力を高める可能性がある。これらの計画は、当初の予定より遅いペースではあるが、着実に実現に近づきつつある。

原子力戦略ミサイル潜水艦アリハント型 (Arihant class submarine)
 
1960年代から秘密裡に開発を進められていたインド初の国産原潜で、2009年7月26日のネームシップの竣工によって、その存在が明らかになった。2016年8月就役。
セイル直後に射程は700kmのK-15 SLBM(発射筒4基に各3発)を搭載している。
今後より射程の長い K-4 SLBM(射程3,500 km)に換装される予定である。
5隻が計画され、1番艦が就役、2~3番艦が建造中

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要目
水中排水量:6000t
全長:111m(364フィート) 幅:15m(49フィート) 喫水:11 m(36フィート)
動力:加圧水型原子炉 83MW(111,305馬力) 主機:原子力蒸気タービン(1軸) 出力:27,000馬力 1枚の7枚羽根、高スキュープロペラ(推定)
速度:水上:15 ノット(28 km / h; 17 mph) 水中: 24 ノット(44 km / h; 28 mph)
潜行深度:350 m(1,150フィート)(推定)
乗員:95名
兵装:533mm魚雷発射管6門 K-15 Sagarika SLBM12基(4基の3連装発射筒に格納)または K-4 4基



原子力攻撃潜水艦チャクラ (Chakra class submarine)

INS チャクラ(Chakra)は原子力潜水艦潜水艦 8,110トン(8,010トン)は、ロシアのAkulaⅡ級 潜水艦をリースとして借受け運用中の潜水艦である。建造は1993年に始まりましたが、資金不足のため中断。そこでインド海軍に10年間リースして残りの建造資金を得て、2008年10月にK-152 ネルパ(Nerpa)として完成した。

ロシアは、2009年からインド海軍へ原子力潜水艦「ネルパ」をリースする計画だった。ところが、2008年11月8日、乗組員・造船所職員合計208人が乗船しての試験運航中、日本海で火災鎮火システムが誤って誤作動、フロンガスが充満し、20人の造船所職員・海軍の乗組員が死亡し、21人が負傷した。

修理後、2009年12月に同艦は一度ロシア海軍の戦闘編制に加入した後、2011年12月末、ロシアとインドが技術文書に署名し、同艦は一連の試験を完了し、インドは潜水艦の受領を表明。2012年1月にインドに引き渡され、10年間インド海軍にリース中である。
要目
排水量 水上: 8,450トン 水中: 13400トン
長さ 108.0 - 111.7 m  幅 13.6 m 吃水 9.7 m
原子炉 OK-650B/OK-650M加圧水式原子炉 (190 MW)×1基 主機関OK-7蒸気タービン×1基
OK-2タービン発電機 (2,000 kW)×2基 低速電動機 (410 shp)×2基
推進器 7翼式スクリュープロペラ×1基 出力 43,000馬力
速力 水上航行時:11,6ノット 潜行時:33ノット航海日数 100日
潜航深度 保障深度 - 450m 最大深度 - 550m 圧壊深度 - 600-660m 
乗員 73人
兵装 ・650mm魚雷発射管×4基 533mm魚雷発射管×4基 533mm外装式魚雷発射管×6基?

アクラⅠ型三番艦カシャロット(オーバーホールと近代化を受け保管中)とアクラⅠ型最終艦イビス(1994年建造開始2017年7月完成予定)は、インドとリース契約を結ぶべく交渉中。

ちなみにINS「チャクラ」(ネルパ)は2代目。
初代「チャクラ」は、1988年~1991年にソ連海軍からリースされたプロジェクト670(チャーリーI級)原子力潜水艦K-43。

通常動力型潜水艦 シシュマール型(Shishumar class submarine)
ドイツのHDWドイツ造船の輸出用潜水艦である209/1500型潜水艦をもとに、インド海軍の運用要求に応じたカスタマイズされた。就役している209型としてはもっとも大型水中1,850トン。熱帯で運用されることもあって、蓄電池も他の型より大容量化されている。209型では唯一、非常時脱出用の救難球を搭載している。更なるAIP推進付加を含む近代化改修の計画あり。同型4隻(HDW製2隻インドマザゴン造船所2隻
インド核実験の為、建造中止2隻


要目
排水量 1,450 t (水上) 1,850 t (水中)
長さ 64.4 m 幅 6.5 m 吃水 6 m
機関方式 ディーゼル・エレクトリック方式 主機関 ・MTU 16V493 TY60 ディーゼルエンジン×4基 シーメンス電動機 (6,600 kW) ×1基 推進器 スクリュープロペラ×1軸 出力 4,600馬力 電源 132セル蓄電池×4セット
速力 11 kt (浮上時) 22 kt (潜航時)
航続距離 8,000海里 (8 kt, 浮上時) 潜航深度 320 m (実用潜航深度 260 m)
乗員 40名
兵装 533mm 魚雷発射管×8(魚雷×14基)外装機雷 24基
ソナー STN アトラス CSU-83 統合ソナー
※後期建造艦2隻にはDUU-5が装備


通常動力型潜水艦シンドゥゴーシュ型 Sindhughosh class submarine)

ロシア海軍のキロ型潜水艦のインド海軍向け輸出型(Project 877EKM)であり、建造もソ連/ロシアで行われた。同型艦は10隻だが9番艦「シンドゥラクシャク」が、2013年8月13日深夜、作戦航海準備中のムンバイ海軍工廠で爆発事故を起こし大破。爆発で艦体は浸水し、乗組員18名が死亡。被害は甚大、「シンドゥラクシャク」は除籍となった。イメージ 9

要目
排水量 2,325t (水上) 3,076 t (水中)
長さ 72.6 m 幅 9.9 m 吃水 6.6 m
推進器 ディーゼル・エレクトリック方式; 5,900馬力(6,600 kW); 6枚プロペラ1軸推進 4-2DL42M型ディーゼル発電機2基 ディーゼルエンジン (1,825 shp 1,500 kw)2基 電動機1基 蓄電池120セル×2 3,650 hp (2,722 kW) 5,900 hp (4,400 kW) 低速用電動機 × 2基, 204 hp (152 kW) 燃料172 t
速力 10 kt (浮上時) 17 kt (潜航時)
航続距離 6,000海里 (7 kt, シュノーケル使用時) 400海里 (3 kt, 潜行時)
航海日数 45日 潜航深度 通常240 m 最大300 m
乗員 53名 (士官13名)
兵装 533mm 魚雷発射管×6基(魚雷ないし対艦巡航ミサイル計18本またはDM-1機雷24個) Klub-S (3M-54E) ASCM (改装艦のみ装備可能)
53-65型 パッシブ・ウェーキ誘導魚雷
TEST 71/76 対潜、アクティブ/パッシブ誘導魚雷
Fasta-4 SAMシステム(9M36M Strela-3 (SA-N-8) 携帯SAM8発)
C4ISTAR Uzel MVU-119EM魚雷管制システム
ソナー MG-519ソナー(アクティブ捜索用、高周波)
MGK-400 Rubikon ソナー(アクティブ/パッシブ捜索・攻撃用、中周波)改装艦はMGK-400EMへ換装

船体は、涙滴型船形、完全複殻構造である。6区画の水密区画から構成され、1区画の浸水に対する耐性がある。
静粛性向上の為、機関はラフトを介し船体に取り付けられている。船体及びセイルの表面は、ソナーの反響低減効果があるゴム製の吸音タイルで覆われている。同タイルは、熱帯海域における太陽光線による劣化対策として表面をオゾンにより加工処理されている。
潜舵は、ソナーへの影響を考慮し、船体中部、セイル基部前方に設置され、水平引込式となっている。
参照インドは潜水艦事故が多発している為本型は全艦電池をロシア製からドイツ製をインドでライセンス生産したものに交換している。

通常動力型潜水艦カルヴァリ型 (Kalvari class submarine
スコルペヌ型潜水艦 Scorpène-class submarine)
インド海軍は、前掲のShishumar型(U209)とSindhughosh型(Kilo)の潜水艦の後継艦を選択する必要があった。スコルペヌ型(フランスのDCNS社とスペインのナバンティア社が共同で開発した通常動力型潜水艦の設計は、Exocet対艦ミサイルを発射する能力と大気に依存しない推進(AIP)を採用したことにより、ライバルのドイツのU214を打ち負かし、契約を獲得した。前期型4隻は非AIP後期型2隻がAIP採用。
一番艦カルヴァリがまもなく2017年7-8月に就役する。

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要目
排水量 水中排水量1,800 t 全長 76.2m 全幅 6.2m 吃水 5.8m
機関 ディーゼル・エレクトリック方式; 3,808馬力MTU 16V396 SE84 ディーゼルエンジン4基 Jeumont Schneider 電動機 1基 スクリュープロペラ(7翼スクリュー)1軸
速力 水中: 20ノット以上 水上: 12ノット
連続行動 50+21日間 航続距離 6,400海里(8ノット, 浮上航行)550海里(4ノット、潜航時)
潜航深度 350m 乗員 32人                               武装 533mm 魚雷発射管(魚雷/USM×18基) 6門
C4I SUBTICS 指揮統制+SISDEF 通信
レーダー ケルビン・ヒューズ・コンパクト 航法用 1基                 ソナー TSM-2233 エレドン



【中国】

米国防総省は2017年6月6日、中国の軍事・安全保障分野の動向に関する年次報告書を公表し、中国海軍が2020年までに潜水艦69~78隻を保有すると予想した。米国防総省によれば、現在の保有艦数は63隻。報告書はさらに、中国海軍が国外に拠点を開設し、着々と活動領域を拡大していると警告している。 

 報告書は「潜水艦隊の近代化を中国海軍は優先している」と強調した。2020年代前半には弾道ミサイルを搭載可能な次世代戦略原子力潜水艦の建造が始まり、今後10年の間には海軍の対地攻撃能力を向上させる新型の攻撃型原潜も建造されると見込んでいる。

中国の潜水艦戦力は、SSBN5隻、SSB1隻、SSN5隻、在来型潜水艦52隻、合計63隻を保有。隻数だけではアメリカ(原潜73隻)に次ぐ多さである。中国海軍は他国のように保有隻数維持に悩むという状況とは無縁であるが、海上核抑止能力はまだ不十分である。

初の実用SSBN晋型Jin型4隻+1隻建造中)の搭載ミサイルJL-2(巨浪2号)の射程が7,200~8,000kmと短く、同型が基地としている海南島周辺海域から発射しても米本土に届かない。また航走雑音が大きく、比較的探知されやすいことから、米本土を射程に収めるために太平洋に進出すると米ASW戦力に探知される可能性が高く、SSBNとしての機能を果していない。

2015年に晋型が哨戒を開始したとの報道はあったが、米国防省はJL-2を搭載しているとは見ていない模様で、殆ど基地から外に出ていないとの情報もあり、米国は中国のSSBNは能力が不足しており、今のところ張り子の虎と見ている。

現在、晋型の後継SSBN唐型を開発中であり、JL-2またはJL-3を搭載するだろうとしている。どの程度静粛性を改善し、長射程のSLBMを開発しているのかが注目となる。

しかしながら、通常動力型潜水艦は保有数の約7割がミサイル発射能力を持ち、潜水艦に期待するA2/AD(接近阻止/領域拒否)能力は、ほぼ一定の水準に達したものと思われる。

中国は、インド洋・アフリカ方面にも進出を企図している。2014年9月には海賊対処を名目に宋Song型SSをアデン湾に向かわせ、スリランカのコロンボ港に停泊させた。また、同年10月には艦級不明の中国原潜が同港に停泊した。さらに2014年12月から翌年2月にかけて海賊対処名目で商Shang型SSNと思われる潜水艦をアデン湾沖まで行動させている。往復17000kmにも及ぶと思われるこうした行動実績から、中国潜水艦が長期行動に耐える耐久性、信頼性を獲得しつつあることは、我が国にとってはシーレーン防衛上大きな脅威となっている。

原子力戦略ミサイル潜水艦 094型 晋級(Jin Class)

093型原子力潜水艦(商級)の船体を延長し潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載した潜水艦であり、1隻の建造(2隻目実験中沈没)に留まった夏型原子力潜水艦に代わり、核抑止力確保のための弾道ミサイル搭載原子力潜水艦である。1番艦は2007年に就役した。2014年2月には、海南島の亜竜湾海軍基地(榆林海軍基地)に3隻の094型原子力潜水艦が結集していることが報道され、2016年までに4番艦まで就役したと見られている。2018年中に5番艦が完成予定。
要目
水上排水量 8000-9000t(推定)
水中排水量 11000t~12000t
全長 135m 全幅 12.5m 乗員120名 連続行動70日
潜航深度 300m 
最大速力 水上20+ kts 水中26kts
兵装 魚雷発射管x6, SLBMx12

原子力戦略ミサイル潜水艦 96型唐級
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JL-2またはJL-3を24発搭載 全長150m 水中排水量16,000t
2020年代後半建造予定

原子力攻撃潜水艦091型(09-1型、長征1号級)漢型(Han Class)
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1番艦は1974年に就役したが、陸上用加圧水型原子炉を潜水艦用原子炉として十分な研究なしに改造・導入したため、構造的欠陥が原因と考えられる放射能漏れ事故が頻発した。約10年間は完全に運用できる状態ではなかった。

続く4隻の潜水艦は1980年代に就役した(中国名:長征2~5号)。3番艦以降は艦体が8メートル延長されている。艦体が延長された理由は、航行時の(『割れ鐘を叩いているような』と表現されるほどの)雑音対策によるものと見られている。現在2隻が現役と見られている。
091型はアメリカ海軍のスキップジャック級攻撃原潜を範にとったような艦形で、涙滴型の船体に加圧水型原子炉1基を搭載したターボ・エレクトリック方式の1軸推進艦である。船体は複殻式で7つの防水区画に分かれており、第2区画上にあるセイルには潜舵が装備されている(耐氷能力は無い)。
要目
排水量 浮上時4,500-潜水時5,500
長さ 98 m 幅 10 m 吃水 24.2 feet
機関方式 ターボ・エレクトリック方式 推進器 加圧水型軽水炉 1基(90MW)
蒸気タービン 2基(12,000馬力)1軸推進
速力 潜水時25ノット / 浮上時12ノット
潜航深度 通常200m、限界300m
乗員 75人
兵装 533mm 魚雷発射管 6門SET-65E & Type 53-51 魚雷C-801 対艦ミサイル 36機の機雷を運べる
ソナー DUUX-5音波探信儀系統


なお本級の1隻は2004年1月に我が国の領海を侵犯して海上自衛隊から補足・追跡を受け、その運用能力の低さと機械的信頼性の無さを露呈した。

原子力攻撃潜水艦093型 商型(Shang Class)長征7

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商型「現代艦船」
旧式化した091型(漢型)の後継として開発された二番目の攻撃型原潜である。
2007年8月、中国軍の公式雑誌「現代艦船」で写真が公開され、2006年の12月に一番艦が就役(配備)されと伝えられ、存在が確認された。現在2隻が就役中で2隻が建造中である。
中国はロシアからヴィクターIII型原子力潜水艦の技術を導入した商型でが、米軍評価では静粛性等げはヴィクターIII型に劣るとのこと。
要目
排水量 6,000トン~7,000トン
全長107m 全幅11m 吃水10m
主機 原子炉2基 蒸気タービン2基一軸
最大速力 30ノット                                      乗員100名 連続行動日数80日
533㎜魚雷発射管x6


原子力攻撃潜水艦093型G 商型(Shang gai-Class)
改(gai)
中国が整備中の攻撃原潜は、2006年に1番艦が就役した第2世代の商Shang型(093型)で、現在2隻が就役し、船体を5メートル延長した改良型の093A型4隻の最初の1隻も今年中に登場するといわれる。また093A型に巡航ミサイル用の垂直発射筒を追加したのが093G型
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     093-G型 
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93G 
093G型における改良点としては、舵部分の形状を変え、水中での機動性や速度、騒音を大いに減少させたと紹介。また、対艦ミサイルのYJ-18(鷹撃-18)を搭載できるようになったとみられると指摘し、時おり紹介されてきた同艦の簡単な船内見取り図から判断して「中国の潜水艦はすでに、装備の自動化を向上させ、情報化能力の高い潜水艦用の指揮システムを装備するようになった」と論じた。

 文章は、「少なく見積もっても、改良型の093の多目標攻撃能力は西側原潜の80年代末の水準と同等になったはずだ」と主張した。

 さらに093G型原潜の就役は「わが国の原潜性能が遅れているという状況を変化させた。世界の先進的な原潜との性能の差は縮まった」と論じ、射程距離300キロメートルの対艦ミサイルを装備していることから、「ミサイルを複数同時に発射して、目標を攻撃することができる。遠距離になる爆撃機と水上艦との共同作戦で、対空母攻撃も実施できる」と主張。
原子力攻撃潜水艦095型 (Type 095 submarine

第3世代の095型の開発も進められている。2015年に一番艦の建造が始まり、5隻が計画中だと言う。こちらはさらにSSGN色が強まるようだ。 これまで静粛化か不十分といわれていた中国原潜であるが、095型では原子炉をはじめ各部の発生雑音が根本的に見直され、静粛性が大幅に改善されるという。
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Type95 
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通常動力 弾道ミサイル潜水艦 032型 清型(QingClass)
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032型弾道ミサイル潜水艦(032型試験潜艇 QING CLASS)は弾道ミサイルなど潜水艦用各種兵器の試験を行うために建造された通常動力潜水艦であるとされている。

2005年1月に研究開発作業に着手、2008年1月に建造開始、2010年9月18日に進水、2012年9月から洋上公試を開始、2012年10月16日に海軍に編入されている。
 
外観からは船体長に比べて広い艦幅を有する艦形、浮上時の乾舷の高さ、艦中央に配置された大型セイル、格納式の水平舵などロシアのキロ型潜水艦のセイルに弾道ミサイル発射筒を加えたように見える。太い船殻や船尾の十字舵はラーダ型に似ている。


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032型潜水艦は水上排水量3,797t、水中排水量6,628tと現役の通常動力潜水艦としては世界最大の潜水艦。全長92.6m、艦幅10m(セイルの幅を加えると13m)、喫水6.85m,艦の最大高度17.2m。

私はこのクラスの存在こそ、中国人民解放軍が中国共産党を無視して北朝鮮を裏で依然支援している証拠ではないかと疑問に思っている。もしくは、北朝鮮がこの清型潜水艦のノウハウをハッキングしたのではないかと思う。

ソ連のゴルフ級ホテル級無き後、世界に通常動力型の潜水艦は世界に2クラスしかない。この032型清型と北朝鮮の清浦級だ。

セイルが異なるため清型と新浦型はまったく異なるように見えるが、新浦型が多少小柄ではあるが、どちらもロシア潜水艦の系譜を引く同系に見える。

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この清型の断面図を見て、納得した清型の巨大セイルから救難塔が無ければ新浦
型とそっくりのような気がしてならない、新浦型の方が、若干格納筒が長そうだが、清型を西側が確認したのが2012年、新浦型を衛星で最初に確認したのが、2014年ほぼ一致する。普通に考えればわざわざミサイル実験用に1隻新しい潜水艦を建造するのは贅沢すぎる。北朝鮮の弾道ミサイル潜水艦建造を支援する目的が隠されているのなら、この清型潜水艦を建造したのであれば、納得できる。

ちなみに私が存在を知ったのは2015年5月北朝鮮がSLBM発射成功のニュースで、金正恩の後ろに移っていた新型の潜水艦はなんだ!と思った時である。
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話が飛んで申し訳ない。19号の満面の笑みも、申し訳ない。

通常動力型攻撃潜水艦035型(035型潛艇)明型(英: Ming-class)
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基本的には033型(ロメオ型)の設計にもとづいているが、水中速力向上のため、船体設計に微調整が施されているほか、主機関も強化されている。ロメオ型ではセイルの上部が前方に張り出していたのに対し、本型では下部が張り出しており、外見上の特徴となっている。同型艦23隻(退役9隻/現役14隻)

後継となる039型(宋型)の開発難航に伴って、3番めの改良型にあたる035B型(明改-II型)として9隻(305~313号艦)が建造された。これらは艦体を2メートル延長するとともに、フリーフラッド・ホールの再設計などによって水中放射雑音の低減を図ったものであり(水中吸音材も後日装備)、1997年5月より就役を開始した。また、035B型ではDUUX-5(タレス社TSM-2255「フェネロン」)側面アレイ・ソナーを備えているほか、一部はAIP機関も搭載しているという推測もある。
要目
排水量 水上1,584トン / 水中2,113トン
全長 76.00 m 全幅 7.60 m 吃水 5.10 m
機関方式 ディーゼル・エレクトリック方式・6E390ZC型 ディーゼル発電機×2基
・電動機×2基推進器 ・スクリュープロペラ×2軸 出力 3,500馬力
速力 浮上時15ノット / 潜没時18ノット
航続距離 330海里 (潜没・4kt巡航時)8,000海里 (シュノーケル航走・8kt巡航時)
乗員 士官9名+下士官兵46名
兵装 533mm魚雷発射管×8門(艦首6門+艦尾2門;魚雷16本または機雷32個)

通常動力型攻撃潜水艦039型(039型潛艇)宋型(英: Song-class)
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前型の033型明型中国が初めて設計に関与した潜水艦ではあるが、元設計の古さもあり、設計・性能の悪さが指摘されていた。潜水艦隊の近代化のため、初の独自設計潜水艦として開発されたのが宋型である。カタログスペック上は一線レベルの性能を確保したが、実際には用兵側を満足させるものではなく、並行してロシアから877EKM型(キロ型)12隻を導入するとともに、国産艦の整備についても、その技術を導入した039A型(元型)の建造に早期に移行している。同型艦13隻

要目
排水量 水上1,727トン / 水中2,286トン
全長 74.9 m 全幅 7.5 m 吃水 5.25 m
機関方式 ディーゼル・エレクトリック方式・MTU 16V396 SE83/84 ディーゼル発電機×4基・電動機×1基 推進器 ・スクリュープロペラ×1軸 出力 6,092馬力
速力 浮上時15ノット / 潜没時22ノット 最大潜行深度 350m
航続距離 330海里 (潜没・4kt巡航時) 乗員 士官10名+下士官兵50名
兵装 533mm魚雷発射管×6門(魚雷、機雷、USM運用可能)

通常動力型攻撃潜水艦キロ型(Kilo-class)
12隻を導入




通常動力型攻撃潜水艦039A型(039A型潛艇)元型Yuan-class)
現在建造が続けられている通常動力潜水艦は、2006年に1番艦が就役した元型で、14番艦まで完成。最終的には40隻以上建造されるらしい。自国開発の宋Song型(039/039G型)と、ロシアから輸入したキロ型をベースとし、当初プロジェクト名は041型と思われていたが、039型が正しいようだ。
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1番艦となる320号艦は1991年に起工されたが、進水は1994年となった。また海上公試で水中運動性能および放射雑音の面で大きな問題が指摘されたことから、就役は1999年まで遅れA型は1隻のみ。

通常動力型攻撃潜水艦039B型(039G型潛艇)元改型Yuan-class)
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2番艦から6番艦は改良型の039B型(039G型)結果として静粛性は改善しており
水中放射雑音は、当初はキロ型初期型(877型)よりも大幅に高く、日本の70年代き建造したうずしお型より若干高い程度まで改善された。それでも日本より30年遅れだ(笑)
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通常動力型攻撃潜水艦039C型(039G1型潛艇)改1Yuan-class)
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2012年頃に登場した039C型(7番艦以降)は、前期建造艦039A/B型の性能向上を図ったタイプで、詳細は不明だが、外観的にはセイルの基部前後に装着された整流フイレットが識別点になる。

セイル部分は039型(宋型)に類似しているが、全体的には、ロシアから輸入していたキロ型の影響が指摘されている。船型は両型と同じ、涙滴型船型・1軸推進方式が踏襲された。推進器も同じく7翼のスキュード・プロペラといわれている。構造様式は完全複殻式とされており、最大潜航深度は039型と同じく300メートルといわれている。
本型の最大の特徴が、非大気依存推進(AIP)機関であり、これはスターリングエンジンを用いたものと言われている[1]。人民解放軍海軍は1980年代よりAIPについての予備研究に着手したとされる。およそ15年の検討において、燃料電池は安全性と技術的困難、クローズド・サイクル・ディーゼル(CCD)は水中放射雑音の面から不適とされ、最終的にスターリングエンジンが選定された。1991年より、第711研究所はスターリングエンジンの研究を開始しており、1998年には理論モデル(出力75キロワット)を作成、2002年には試作機を完成させた。そして2万時間もの試験運転を経て、2004年に本型に搭載されたとされている。なお本型の搭載機については、ジェーン海軍年鑑では、確実性に疑問符をつけつつ、出力75キロワットの機関を2基搭載しているものと推測しているが、これは本型よりも一回り小型のスウェーデン海軍ゴトランド級(A-19型)と同程度の出力となる。
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要目
排水量 水上2,000トン / 水中2,400トン 
全長 72.0 m 全幅 8.4 m 吃水 5.5 m
機関方式 ディーゼル・スターリング・エレクトリック方式 ・陜西-MTU 16V396 SE83/84ディーゼル発電機×4基 ・スターリング発電機・電動機×1基
推進器 ・スクリュープロペラ×1軸 出力 6,092馬力 
速力 浮上時16ノット / 潜没時23ノット 乗員 58名
兵装 533mm魚雷発射管×6門(魚雷、機雷、USM運用可能)



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【英国】
イギリスはヴァンガードvanguard型SSBN 4隻、アスチュートAstute型SSN 3 隻、トラファルガーTrafa1garSSN 4隻の合計11隻の原子力潜水艦を保有している。

イギリスにとって最大の課題は、海上核抑止力の維持であり、潜水艦技術の維持である。特に潜水艦建造能力の劣化が激しい。

 イギリスはヴァンガードで常続的抑止哨戒を維持しているが、その後継艦建造である新型潜水艦ドーレットノート型があまりに巨額となるため、予算の承認が一時危ぶまれた。

この費用見積りは2006年時点で200億ポンド(28600億円)であったが、2010年には260億ポンド(3兆7000億円)となった。2015年にはこれがさらに310億ポンド(4兆4300億円)に増加するとともに予備費100億ポンド(1兆4300億円)が加わり、合計410億ポンド(5兆え600億円)となった。これに反対する組織は、維持費等を含めた合計費用が2,050億ポンド(29兆3000億円)に達すると批判している。後継艦建造の可否は最終的に議会投票にかけられ、2016年7月建造ようやく建造が認められた。
※1ポンド143.7円

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だが、問題はそれだけではなく、基地の問題が重なる。ブリクジット問題が英国を悩ませているが、英国がEUから離脱した場合、スコットランドの独立問題が再燃する。いや再燃しはじめている。スコットランドが独立した場合、スコットランドのファスレーンにある英国海軍クライド海軍基地を他に移動しなければならない。ところが、代替基地と考えられるデヴォンポート海軍基地は基地の5キロ以内の人口が16.6万人もあり、事故発生時の危険性が国防省の基準を超え困難が予想される。 

2014年のスコットランド独立に関する住民投票は切り抜けたが、イギリスのEU離脱がこの問題に再度火を付けかねず、これは将来的な課題になるだろう。

また、イギリス潜水艦技術の劣化は、アスチュートにおけるロールス・ロイス製原子炉の問題、BAEシステムズが監督した作業や装置の品質への懸念、浸水事故等というかたちで表面化し、アスチュートの完成が4年遅れた。

これは潜水艦建造間隔が長いことが原因という見方もある。なお、アスチュートでは設計した最高速力が出せなかった。これは東芝の再建問題に似ている。東芝の再建問題のもとを糺せば、米国の原子炉メーカーであったウェスチングハウ社を買収した為に降って湧いた災難なのである。米国がスリーマイル島事故の後、新しい原子力発電所が建設されなかった為に、買収したウェスチングハウ社が建設しようとした原子力発電所が建設できないでいる為に損失が膨らんでいる為である。

日本の航空産業のようにブランクが空いたり、ノウハウが一度失われると容易に技術を復興することは難しい。ゼロ戦や二式大艇を生んだ、日本の航空機産業も終戦から7年間の空白は70年経った今も埋められたか難しいところである。英国の造船、特に最も高度な潜水艦を英国が今後建造し続けられるか、人財や技術の継承など今後難しくなり始めてきている。ヴァンガード型後継のドーレットノート新SSBNが予定通り建造できるのか不安が残る。

原子力弾道ミサイル潜水艦ドーレットノート型

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●ヴァンガード後継 ドーレットノート型

 現在4隻就役しているヴァンガードVanguard型SSBNの代艦として、ヴァンガード後継型Vanguard Successor Classの建造計画が進められている。議会の文章ではDreadnought submarine programme:とされているが、世界の艦船などは未だにヴァンガード後継型としています。

1993年から1999年にかけて就役したヴァンガード級(トライデントD5 SLBMを16基搭載)は、25年の耐用年数を想定しているので、2018~2024年にその代替更新期を迎える。

イギリスは核抑止力2本柱のひとつ、空軍の戦略爆撃機を1998年に廃棄、2006年にヴァンガード型の退役後も潜水感による核抑止力を維持すると発表、2010年にもこの決定が再確認されたことで、ヴァンガード型の後継艦ドーレットノート型の設計が2012年にBAEシステムズ社に発注された。

ドーレットノート型新SSBNは、新型原子炉PWR 3を搭載するが、搭載するSLBMトライデントD5は16基から12基に減少する。建造計画も3隻~5隻説と決まってはいない。現時点での水中排水量は17,000トン程度といわれ、1番艦の就役は2028年を予定しているから,ヴァンガード型の艦齢延長も必要となる。ただしイギリスの昨今の財政事情や,来年にはスコットランド独立の再投票も控えていることから、計画が予定どおり進められるのか、先行きはかなり不透明だ。

ちなみに、近未来2050年の近未来のコンセプト可潜戦闘艦(The Dreadnought 2050 concept)とは名前こそ同じだが、異なる艦であると思う。

 2050年の弩級戦艦 Dreadnought 2050 2015/9/30(水) 午後 11:59

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原子力弾道ミサイル潜水艦ヴァンガード型 
Vanguard class nuclear-powered submarine

これほど個性的なフォルムの潜水艦は他に無い。レゾリューション型原子力潜水艦の後継艦で、現在全部で4隻が就役しており、常時1隻が任務についている。

要目
水中排水量 15,980 トン
全長 149.9 m 全幅 12.8 m 吃水 12 m
主機関 ロールス・ロイスPWR2型原子炉×1基/蒸気タービン×2基
推進器 ポンプジェット 1軸 出力 27,500馬力
速力 水中:25 ノット (46 km/h) 
潜行深度 600m
乗員 135名(士官14名 兵員121名)
兵装 533mm魚雷発射管 4門(スピアフィッシュ魚雷)
潜水艦発射弾道ミサイル(トライデントD5) 16基
レーダー タイプ1007 レーダー
ソナー タイプ2054 複合ソナー


原子力攻撃潜水艦 トラファルガー型(Trafalgar class submarine

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設計はスウィフトシュア型原子力潜水艦を元に、吸音タイルの利用やポンプジェット推進(タービュレント以降)の導入といった幾つかの改良が施されている。
就役は1983年から1991年にかけて7隻建造されたが、3隻が退役済で4隻が就役中である。4隻とも改装されトマホーク巡航ミサイルを発射可能である。
本艦型最後の1隻は2024年まで運用される予定である。

要目
排水量 水中:5,200t、水上:4,800 t
全長 85.4m  全幅 9.8m
機関 ロールス・ロイスPWR1型加圧水型原子炉×1基/蒸気タービン×2基/ポンプジェット推進 15,000馬力 
最大速力 水上20kt、水中29kt 潜行深度 600m
乗員 130名
探索装置 タイプ2020、2019、2007、2026 ソナー タイプ1007 レーダー
攻撃/索敵潜望鏡
兵装 533mm魚雷発射管×5 トマホーク対地巡航ミサイル ハープーン対艦ミサイル スピアフィッシュ及びタイガーフィッシュ及び機雷



原子力潜水艦アスチュート型(Astute class submarine)


最盛期には18隻を数えたイギリス海軍の攻撃原潜も現在はトラファルガーTrafalgar型4隻と、新型アスチュートAStute型3隻の計7隻である。

アスチュート級は2010年に1番艦が就役し、トラファルガー型と同数の7隻が計画されている(7番艦の就役は2024年の予定)。

建造計画は1994年から始まり、当初はトラファルガー型第2バッチと呼ばれ,兵装搭載量の5割以上増と静粛化の向上が求められた。艦の各システムは自動化を進めた結果、トラファルガー型の130名から98名へ大幅に減少した。

 潜舵は戦略原潜のように艦首船体に配され、セイルのマスト類は非貫通型である。 1番艦は2001年に起工されたが、進水は2007年,就役は2010年と建造期間は長い。現在3番艦まで就役しており、3隻が建造中、1隻は計画段階で、7番艦は2024年就役の予定。

要目
水中排水量7、519トン、全長97メートル、幅11.3メートル、主銭。兵装は533ミリ魚雷発射管(魚雷、トマホークSLCM合計38本)。
排水量 水中:7,800t 全長 97m 全幅 10.7m  
機関 ロールス・ロイスPWR2原子炉×1基/蒸気タービン2基1軸、出力27、500馬力最大速力 水中 29kt 潜行深度 300m以上
乗員 98名
探索装置 タイプ2076 統合ソナー タイプ1007 レーダー
兵装 533mm魚雷発射管×6 トマホーク対地巡航ミサイル ハープーン対艦ミサイル スピアフィッシュ 機雷(ミサイルと魚雷の合計数は38基)



【フランス】
フランスと言えば、昨年オーストラリアの次期潜水艦入札で日本のそうりゅう型と競い、オール日本を蹴落とし見事に落札したことが印象的である。12隻という大型入札に何としても勝ちたかったのは日本ではなく、国策として潜水艦を輸出したかったフランスだったのである。


フランスはイギリスと違い自国用の原子力潜水艦のと輸出用の在来型潜水艦も建造しており、自国の需要だけでは潜水艦の建造技術を維持しきれない分、潜水艦の輸出を国策として力を入れている。フランスの海軍艦艇を建造する造船企業であるDCNSの株式の過半数はフランス政府が保有している。

原潜建造を目指すブラジルでスコルペヌ改造型を建造する事業は、DCNSの業務にブランクが空かないように政府が獲得したものであるという。 DCNSはこうした環境の下で、従来ドイツ製の209型を保有していたブラジル、チリ、インド、並びに初め
て潜水艦を取得するマレーシアにスコルペヌ型潜水艦を売り込むことに成功している。

原子力弾道ミサイル潜水艦ル・トリオンファン型( Le Triomphant class submarine)

フランス海軍第2世代の戦略原潜で、1997~2010年に同型6隻が計画されたが2隻が中止となり4隻が就役した。
1~3番艦までは新造時、射程6,000kmのM45 SLBMを搭載していたが、4番艦はより長射程(9,000km)のM51.1を備えて就役しており、1番艦3番艦もこれに換装済みである。さらに新型核弾頭を有するM51.2の搭載計画も進みつつある。



要目
水上排水量 12,640t 水中排水量 14,565t 
全長 138m 全幅 12.5m 吃水 12.5m
機関 加圧水型原子炉×1基/原子力ターボ・エレクトリック方式 ポンプジェット 1軸41,500馬力(予備)発電用ディーゼルエンジン2基 1,500kW
速力 水中:25ノット
船体構造 単殻式 乗員 111人
武装 533mm魚雷発射管 4門 L5魚雷 エグゾセSSM
M45(M51(2010年以降)潜水艦発射弾道ミサイル 16基
レーダー 航海レーダー ソナー DSUV 61B 曳航パッシブソナー
DMUX 80 艦首パッシブソナー DUUX 5 舷側ソナー
その他 攻撃/探索潜望鏡

原子力攻撃潜水艦 リュビ型(Rubis class submarine)

リュビ型はフランス海軍最初の攻撃型原子力潜水艦である。
1983年~1993年にかけ6隻が就役。
排水量は水中2,670tと、攻撃型原子力潜水艦で最小である。元の船体は通常型潜水艦のアゴスタ級のそれを流用し、さらにソナーや兵装管制システムについてもほぼ同じである。

フランス海軍の原子力潜水艦の推進方式は原子力タービン・エレクトリック推進で、静粛化の面では有利だが、システムの複雑化、信頼性の低下、重量の増大などの問題がある。イメージ 16
要目
排水量 水上:2,385t 水中(原型/アメティスト改正後):2,670t/2640t
全長 72.1m/73.6m 全幅 7.6m 吃水 6.4m
原子力タービン・エレクトリック方式 - K48型加圧水型原子炉(48MW)×1基
ターボ交流発電機×2基 9,500shp
最大速力 水中25kt(46km/h) 航続距離 (平均/最大):45日/60日
運用深度 300~500m
乗員 65名(士官8名、下士官兵57名)
兵装 533mm(21inch)魚雷発射管×4基 - 魚雷(L5、F17)およびSM39エグゾセ対艦ミサイル×14、または機雷
探索装置 DMUX20(複合ソナー)DSUV62C(曳航ソナー・アレイ)DRUA33(水上探索レーダー)電子機材 TITAC(戦闘情報システム)SEAO/OPSMER(指揮支援)Minicin(統合航海)Syracuse2(衛星通信)ARUR13(ESM)

原子力攻撃潜水艦シュフラン型(Suffren class submarine)

フランス海軍第2世代の攻撃原潜で、1~4番艦が建造中、5~6番艦も計画中である。1998年に計画され2010年より建造が始まり、当初2015年には就役する予定だったが、予算上の問題もあり就役は2018~2029年の予定。
排水量は水中排水量5,300t、全長99.5mで過小過ぎたリュビ型の約2倍大型化した。その為国産のMdCN巡航ミサイルの運用能力も付与される。
要目
排水量 水上:4,765t 水中:5,300t 全長 99 m 全幅 8.8 m 吃水 7.3 m
機関 原子炉ターボ・エレクトリック方式ポンプジェット推進
最大速力 水上14kt 水中25 kt (46 km/h) 潜航深度300m以上
乗員 60名
兵装 SCALP エグゾセ F21ブラックシャーク魚雷24本                533ミリ魚雷発射管4門。



【ドイツ】

ドイツといえばUボート、潜水艦の宗主国である・・・であった。冷戦終結後の軍縮のため自国用の潜水艦が6隻になったものの、燃料電池潜水艦で世界をリードするなど技術力は高い。

212A型潜水艦(U-Boote der Klasse 212)
世界初の実用燃料電池AIP潜水艦、ドイツで6隻イタリアで4隻が2005年~2017年5月に就役したばかりである。
要目
排水量 1,450トン 水中排水量 1,830トン
全長 57 m 全幅 7m 吃水 6m
機関方式 ディーゼル・エレクトリック方式
主機関 電動機: シーメンス Permasyn×1基 (1,700kW)
推進器 ハイスキュー・プロペラ 1軸 電力 ディーゼルエンジン:MTU 16V 396×1 (3.12MW)AIP: HDW PEM燃料電池U31: 30-40kW×9基U32以降: 120kW×2基
最大速力 水上: 12ノット 水中: 22ノット
航続距離 水上: 8,000 海里 (15,000 km)/8ノット時
水中: 420 海里 (780 km)/8ノット時
乗員 27名
兵装 533mm魚雷発射管×6:(魚雷×12または機雷×24)

イメージ 22
サルヴァトーレ・トーダロ(Salvatore Todaro, S 526) 

イスラエル用のドルフィンDolphin型、シンガポールの218SG型、北欧諸国に向けた新型艦等のビジネスもあり、輸出市場で大きなシェアを持っている。いや、持っていたと過去形になる恐れがある。 

ドイツ潜水艦は、不幸にも、韓国に輸出するのではなく、ご丁寧にライセンス生産を許したが為に、例の「K国の法則」が発動してしまったのだ!

K国の法則」は、社会科学だとか、儒教の弊害とか歴史や地政学等の学問で論ずる域を超え、もはやオカルトの領域かもしれない(笑)

Kは勿論コリアのKで、K半島(国、組織、土地、人)と関われば関わるほど運勢が悪くなる、 とんでもなく不運になると言う悪の法則が発動しています。

ベストセラー209型に代わる高性能艦214型が韓国に輸出した途端に、ドイツ潜水艦輸出に暗雲が漂い出した。

 214型はドイツ海軍向けの212型をやや大型化したうえで非磁性鋼などの機微技術(武器、あるいは、民生品であっても大量破壊兵器などに転用できる物に関する技術)を除外した輸出仕様で、214型は212型の発展系ではなく、ベストセラーの輸出用潜水艦209型で開いたマーケットを維持するよう、カタログスペックを見栄え良く無理やり近代化し、大型化した為、問題が多発した。ギリシャ向け1番艦は、キールのHDWで建造され、たが、この1番艦の試験では水漏れなどの深刻な問題が発生しており、ギリシャ側が引き受けを拒否する事態となった

韓国での「孫元一」型の惨状は有名で、韓国も韓国で契約を破りブラックボックスを開けたり、未熟な冶金技術もあって、全艦稼働していない!潜水艦と言うより浸水艦である。
イメージ 24 韓国では対北朝鮮をにらみ潜水艦の建造に力を入れているが、実はその「技術」「人員」の両面で“お寒い事情”にあることが韓国メディアの報道で分かってきた。これまで4艦が完成したが、いずれも製造不良などで出撃できないなど問題が発生。しかも政府はそんな状況にあっても新たな大型潜水艦の建造を始めた。一方、本来ならエリートであるはずの潜水艦乗組員への志願も、劣悪な職場環境を嫌って減っているという。欠陥だらけの上、乗り手もいない潜水艦隊の前途は多難だ。(岡田敏彦)

潜水できない潜水艦

 韓国の潜水艦は、ドイツの独HDW社が設計した「214級」(約1800トン)をライセンス生産という形で建造、運用している。18年までに計9隻を建造する計画で、1番艦の「孫元一」は2006年に進水し、現在4番艦まで完成している。しかし厳密に言えば、一隻も“完成していない”ともいえる状態だ。

 韓国では新型艦の完成や運用開始などことあるごとにその優秀性をアピールし、マスコミと一体となって北朝鮮へのプロパガンダよろしく勇ましい活躍ぶりを宣伝するのが通例だ。しかし1番艦の孫元一は進水後、動静が聞かれなくなり、表舞台から消えてしまった。

 潜水艦といえば「海の忍者」、孫元一も秘密の任務を遂行中-と見る向きもあったが、実はこっそり工場に逆戻りしていた。

 朝鮮日報(電子版)など現地マスコミによると、試験的に運用したところ、スクリュー軸からHDW社の設計値を上回る騒音が発生した。敵艦からすれば、スクリューや動力の音は重要な探知材料となり、潜水艦にとっては致命的。このため推進軸を交換するという大がかりな修理を行った。それでも騒音は収まらず、実戦運用どころか近海を試験走行するだけだった。

 11年4月、再び修理に入ったものの解決方法が見つからず、結局20カ月以上もの間、工場内で放置されていたことが明らかになった。

 この間、2番艦の「鄭地」が07年6月、3番艦の「安重根」が08年6月に進水。1番艦の問題を解決しないまま量産するという常識外の行為がとられたが、その代償は大きかった。

3隻とも「運行停止」

 10年春ごろ、新鋭潜水艦3隻全てが運行停止になっていたことを朝鮮日報(電子版)など現地マスコミが明らかにした。問題となったのは艦橋と甲板を接続するボルトだ。

 1番艦は、航海中にボルトが緩む事故が06から09年までの間に6回発生。さらにボルトが折れたり緩んだりする事故が2年間に2番艦で6回、3番艦で3回発生。原因は当初、韓国製のボルトの強度不足とされたが、ボルトを本家ドイツのHDW社の規格に沿う物と交換しても「自然に緩む」という不可解な状況が解決できなかった。

 結局、韓国の技術者では問題を解決できず、ドイツHDW社の技術者が韓国へ出向いて調査。その結果、欠陥はボルトだけでなく、接続部本体の強度も不足していたことが判明。半年以上かけて金属板で周囲の補強を行い、ようやく解決したという。

 潜水艦の製造には特殊な超高張力鋼板を用いるが、この鋼板は加工が難しく、特に溶接の際に発生する熱の影響や残留応力で生じる問題の解決には綿密なノウハウが必要。設計図があれば作れるといった単純なものではなかったのだ。

 ともあれ、HDW社の出張サービスでなんとか修理を完了した3隻だが、本当のトラブルは深く静かに“潜行”していた。

わずか数日で「窒息」…欠陥はノンストップ


 「孫元一級潜水艦は、浮上することなく数週間の作戦行動が可能」-。海軍のこんな主張が真っ赤な嘘だったことが昨年10月、明らかになった。韓国SBSテレビなどによると、原因は動力を供給する燃料電池の不良にあった。

 潜水艦が最も脆弱(ぜいじゃく)なのは浮上した時。原子力潜水艦は浮上の必要がないが、ディーゼルなど通常動力の潜水艦は酸素を取り込むため、シュノーケル(空気取り入れ筒)を水面上に出せる浅深度まで浮上する必要がある。

 しかし近年は、こうした大気に依存せず、長期の潜行を可能にする非大気依存推進(AIP)という技術が主流だ。中でも燃料電池を用いたAIPは水素と酸素から電気を生み出すもので、民間でもクリーンエネルギーとして注目されている。

 韓国の潜水艦もAIPを採用した。しかし連続潜行期間は、軍が主張する「数週間」をはるかに下回る「数日」だった。燃料電池が欠陥品だったのが原因だ。しかも3隻の燃料電池は軍に納入前から93回も故障し、納入後も102回停止していたことが国政監査で明らかになった。

 これを受け、納入を担当する防衛事業庁は「24時間の試運転を行った上で海軍に納入する」と宣言。昨年11月末、4番艦「金佐鎮」の引き渡し前テストで実施した。しかし、こうした形式的な対応には批判もあり、韓国のネットユーザーからは「数週間潜れるといいながら、テストがたった24時間とはどういうことか」との声が上がった。

 ところが政府は、トラブルが続出し解決策が示されず、しかも批判が起きている中で、さらに大型の潜水艦建造計画に着手した。

大型艦建造でトラブルも2倍?

 新型潜水艦は3500トン級で、水中から巡行ミサイルが発射できる仕様。北朝鮮が弾道弾発射可能な新型の潜水艦の配備を始めた-との情報から対抗措置としたもので、今月に鉄板の切り始めを実施した。しかし1800トン級の孫元一も満足に建艦できないのに、2倍の大きさの艦ではトラブルも2倍になりかねない。国民からはそんな危惧も出ている。

 一方、海軍は2月1日付で潜水艦司令部を創設することを決定した。ところが潜水艦を巡っては別の問題も存在する。海軍軍人が潜水艦に乗りたがらないのだ。

 冷戦時代、レーダーとミサイルが万能とされたころは、空軍戦力に比べ海軍は軽視された。特に水上艦は「池のアヒル」と揶揄(やゆ)され、イージス艦が登場するまで水上艦艇は肩身が狭かった。しかし一方で、レーダーで探知されない潜水艦の価値は向上。いまも潜水艦乗りは海軍のエリートなのだが、マイナス面もある。

トドメは「乗り手いない」

 潜水艦は一般的に艦内が狭く、真水の使用も制限され、水上艦のように風呂があるわけでもない。空気を出せば泡で居所がばれるため、換気も論外。脱臭装置はあるものの、トイレの臭いや生活臭はつきものだ。

 各国海軍軍人は潜水艦の任務の重要性をよく承知し、さらにエリートと認知されているため、潜水艦乗組員への志願も十分あるが、韓国では任務を嫌う軍人が多い。

 韓国の電子メディア「ネイバーニュース」は、海軍の「潜水艦副士官の志願状況」という資料をもとに志願率の低下を解説。副士官の潜水艦勤務志願率は07年には67%だったが、13年には36・9%という深刻な水準まで落ちたと報じた。しかも現状の勤務者のうち2~3割は劣悪な環境に耐えきれず、転出を希望しているという。

 現場のベテランになるべき副士官が定着しないのでは、練度の向上は至難の業だ。乗り手がいない上、トラブル満載の潜水艦。韓国の実情は深刻だ。(2015年1月27日掲載)
「K国の法則」は、韓国潜水艦に留まらず、ドイツ潜水艦マーケットに害を及ぼし始めた。

214型をポルトガルに2隻契約したが、ほぼ発注すると見られていたパキスタンが中国の潜水艦にひっくり返されてしまった。

ティッセンクルップ・マリン・システムズの子会社HDWスウェーデンのコックムス社を傘下に収めていたものの、2014年7月半ば強制的にサーブ社に売却させられ、同国のA26型潜水艦建造事業も失った。

さらに、インドもフランスに取られ、注目のオーストラリア次世代潜水艦ではフランスDCNSに敗れるなど、その後新たな大型契約が纏まっていない。恐るべし 「K国の法則」!


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現代海軍戦力において最強は航空母艦ではなく、潜水艦である。

巡航ミサイルは空母の艦載機が行ってきた敵地攻撃を行うことが可能であり、以前航空母艦を撃沈するには航空母艦ではないと撃沈することが不可能と考えられていたが、長距離・極超音速・命中精度が進歩した現在、航空母艦は対艦ミサイルや魚雷の餌食でしかならない。一方潜水艦は清閑性能が進化し、静かに深く長く潜水することが出来るようになり、水上艦が潜水艦を探知撃沈することが年々難しくなりつつあります。




現代の潜水艦戦は1958年に描かれた、Uボートと米駆逐艦の戦い「眼下の敵」のように駆逐艦と潜水艦が知力を尽くして対等に戦う力関係ではなくなっている。

圧倒的に潜水艦が静穏化し、深く長く潜水可能となり、ホーミング魚雷を持つようになり、潜水艦が有利となった。特に原子力潜水艦登場後は、潜水艦側が決定的に有利となってしまったようだ。対潜哨戒機P-3Cの登場後は、水上艦、対潜ヘリと組み、発見可能となり、ハンター側が綱を引き戻したが、潜水艦側も一段と閑静化してP-3Cでも発見しにくくなりつつある。

現在の潜水艦は魚雷が長射程化、雷跡が残らないなど高性能化しており、警戒範囲は非常に広くなっている。たとえ水上艦船が被雷しても、雷撃した潜水艦の位置を特定することが難しい。

昔は、潜水艦の位置がほぼ点で把握できましたが、現在は存在圏という面(エリア)でしか把握できていません。

現代の潜水艦は複数の魚雷を同時に誘導できるので、反撃されたら、水上艦は逃げ去るしかない。対潜哨戒機は、パッシブ捜索が主ですが、近距離に味方の水上艦がいては、実行不能ですし、ヘリはアクティブソーナーを使用するため、水上艦以上に探知距離が限られます。通常型潜水艦は海底で着座したら発見は極めて難しいし、静穏なモーターで、数ノットで動いても潜水艦存在圏は毎時間存在圏は倍増し、発見は極めて困難だ。

現代の海上戦においては、潜水艦に勝るものは潜水艦しかなく、次の近代海戦では潜水艦対潜水艦の戦いになる可能性が高い。現代海戦において潜水艦が最強である。


【アメリカ合衆国】

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オハイオ級原子力潜水艦アメリカ海軍が現在保有する唯一の戦略ミサイル原子力潜水艦(SSBN)である。西側諸国で最大の排水量を誇る潜水艦であり、また全長と弾道ミサイル搭載数は現役の潜水艦で最大である。
米海軍第4世代の戦略原潜で、1981~1997年に18隻就役した。当初1~8番艦はトライデントC4 SLBM (射程7,400キロ)、9番艦以降はトライデントD5 SLBM (射程12,000キロ)を搭載していた。後に1~4番艦はSLBMを撤去してトマホークSLCM搭載艦に改造され,5~8番艦はSLBMをD5に換装した。

原子力戦略ミサイル潜水艦として最古なのが5番艦のHenry M. JacksonSSBN-730、就役は1984年である。オハイオ級の設計寿命は42年だから、同艦は2027年には寿命を迎え、以後同級は漸次退役時期を迎えることになる。
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船体は単殼式で、中央部にミサイル区画を置き、その前方に発令所、居住区画、魚雷発射管室を、後方に原子炉区画および機械室を配している。したがってセイルは船体のかなり前方に位置する。主機は原子力蒸気タービンで、原子炉1基、蒸気タービン2基。出力60、000馬力、1軸、水中速力24ノット、乗員155名。原子炉は加圧水型のS8Gで、炉心寿命は15年である。

水中排水量19,000トン,全長170.7メートル、水中速力24ノットで,兵装はトライデントD5 SLBM24基(ただしミサイルを格納しているのは20基で,4基は使用されていない)、533ミリ魚雷発射管4門。潜航深度最大300m程度?

原子力巡航ミサイル潜水艦 改良型オハイオ級潜水艦

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原子力巡航ミサイル潜水艦「オハイオ」Ohio級

オハイオ級戦略原潜の1~4番艦として就役したが、SLBMを撤去し、発射筒24基のうち22基をトマホークSLCM 7連装VLSとしたタイプ。1基のVLSに7発のトマホーク巡航ミサイルを収めた複数円形収納筒(MAC)へ換装し、残る2基の発射管を、乗艦する特殊作戦要員に使用されるロック・アウト・チェンバーに交換している。これにより最大154発のトマホーク巡航ミサイルを搭載できるだけでなく、MACからは艦の「目となり耳となる」遠隔操縦の可能な無人飛行体(UAV)や無人水中航行体(UUV)を発進させて、艦に前進展開命令・管理センターとしての機能を持たせる事が可能となる。トマホークの最大収納数154発は、水上艦でのもっとも大きな搭載量をもつタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の最大搭載可能数である122発を上回る。

特殊部隊66名分の居住区とその装備品格納スベースも備えている。また特殊部隊発進用のSDV(SwimmerDelivery vehicle)2隻を収めるDDS(Dry DeckShelter)2基を搭載することもできる。水中排水量、全長,主機はオハイオ級戦略原潜と同じ。水中速力は25ノットで,兵装はトマホークSLCM用7連装VLS22基,533ミリ魚雷発射管4門。

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原子力弾道ミサイル潜水艦 コロンビア級潜水艦(オハイオ級後継艦) 
Columbia class submarine
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★米海軍の次期戦略ミサイル潜水艦コロンビア級はこんな姿になる
【航空宇宙ビジネス短信・T2:】2017年 1月 11日 

(略)

オハイオ級核ミサイル潜水艦の後継艦は2080年代まで供用される。その役目は米本土への大量第一撃核攻撃を未然に防止することにある。

海軍は新型核弾道ミサイル搭載潜水艦SSBNの初期建造と試作を開始しており、海中に大量の抑止力を展開し世界平和を維持する姿勢を堅持する。

オハイオ級後継艦(ORP)建造事業は2021年に建造開始の予定。要求性能・技術仕様の準備、初期試作作業はすでにジェネラル・ダイナミクスのエレクトリック・ボート事業部が着手している。

全長560フィートで16発のトライデントIID5ミサイルを搭載する44フィート長の発射管を備えたORPはステルスとハイテクの核抑止力として世界の海中で哨戒する設定だ。

「供用期間を42年に設定し、2080年代まで運用することで生存性が高く信頼性の高い抑止力が実現します」とデイヴィッド・ゴギンス大佐オハイオ級後継艦建造事業主管は2016年のScout Warrior取材に発言していた。
この新型潜水艦はコロンビア級と命名され一号艦は2028年に完成し、実戦哨戒航海は2031年に開始すると大佐は述べている。最終的に12隻を建造運用し、供用は2040年代から2080年代に及ぶ。

戦略核抑止体制の維持


海軍の説明ではオハイオ級後継艦の任務はあくまでも核抑止力だという。詳細設計は2017年に完了する予定だ。新型潜水艦は核戦争の場合に第二次攻撃(報復核攻撃)を確実に行う手段となる。

12隻建造で現在のオハイオ級ミサイル潜水艦14隻と交替させるのは新型潜水艦の原子炉が改良され性能が向上するためと海軍は説明している。

このためコロンビア級は現在よりも展開回数が増え、途中での燃料交換は不要になり、42年間連続供用が可能となる。

「原子炉中核部の耐用年数が伸びて、途中での燃料交換は不要になりました。これで12隻のSSBNで現在14隻で行っているのと同じプレゼンスを維持できます。これだけでライフサイクル換算で400億ドルの費用節約になります。二隻少なくて済むことも大きく効果を上げています」(ゴギンス大佐)

エレクトリック・ボートは海軍と初期試作作業を進めており、ミサイル発射管と艦体を接続している。一体型発射管艦体構造により艦体と溶接し、最終建造の前に主要構造部品を製造する能力を評価することが目標だ。
2012年にジェネラル・ダイナミクスのエレクトリック・ボート事業部へ5カ年18.5億ドル相当の研究開発契約が発効した。契約ではコスト低減とともに建造効率の向上の実現に奨励策が講じられている。

英米両国はミサイル格納部分の共通化で協力し部品を共同購入する7.7億ドル相当の契約をエレクトリック・ボートと交わしている。米案ではORPは12隻で各16発搭載し、英国は12発のミサイルを搭載する4隻を建造する。

次世代技術の採用


コロンビア級には新技術も盛り込まれるが多くはヴァージニア級からの流用だ。攻撃型潜水艦で実証済みの装備を使いコロンビア級は最新技術を導入しつつ開発費用を節約できるとゴギンス大佐は説明。

特筆すべきはヴァージニア級で採用済みのフライバイワイヤ操艦システムと大開口アレイソナーだろう。

従来のソナーは維持費用が高い欠点があったが、大開口艦首アレイは性能が高いがライフサイクル費用は低くなると大佐は説明。「送受波器、聴音機ともに艦の供用期間を通じて交換せずに使えますので運用コストも保守コストも低く押さえられます」

ヴァージニア級攻撃型潜水艦の戦闘システムもコロンビア級に採用される。「電子監視手段」、潜望鏡、無線交信装置とコンピューターでシステムを構成する。(ゴギンス大佐)

コロンビア級では自動操艦のためフライバイワイヤ航行システムがこれもヴァージニア級から採用される。「操舵員はコンピュータに針路と深度を入力するだけでコンピュータのアルゴリズムで両方を維持できます」
またコロンビア級のシャフトは10年から12年の供用に耐える設計で艦の計画保全と同期させるとゴギンス大佐は説明。現在のシャフトは長くても8年というところだという。

コロンビア級にはヴァージニア級の次世代通信装置、アンテナ、マストが導入される。かつての潜望鏡はカメラマストになっており光ファイバーで艦内へつなぎ、潜望鏡の下に立たなくても艦外が見られる。
また新型電気モーターが推進用に導入され推進効率が上がり、戦術面で優位性が上がるとゴギンス大佐は期待する。

議会では特別予算を編成し、国家海中配備抑止力基金の詳細について議会では審議が進んでいる。コロンビア級に特別に設けた予算で海軍は12隻を建造し2085年以降も供用したい考えだ。 

初号艦は124億ドルとの試算がある。うち48億ドルは初回の技術開発コストで艦の単独での建造費用は76億ドルと海軍は説明している。.二号艦からは2010年ドル価格換算で単価49億ドルでの建造を海軍は期待している。■

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本格的に運用を開始するのは2031年とされている。オハイオ級戦略ミサイル潜水艦で最古なのが5番艦のSSBN-730Henry M. Jacksonの設計寿命42年(2026年)には間に合わないことになる。ただし後継艦の整備数は12隻だから、SSBN戦力の減勢を先に考えているのかもしれない。また新型艦のSLBM発射筒数も16基しかないので、ミサイルの合計数は20×14=280発から12×16=192発へと大幅に減少する。

なお本級は運用期間は42年ですので、(その間に戦略抑止パトロールを124回実施する計画)年1隻12年で建造した場合、2031+12+42=2086 おそらく2086年まで運用される計算となる。

すでに設計作業は進められており、公表されている主要目は、排水量 水上:不明t、水中:20,810t 全長 170.99m 全幅 13.1m 吃水 不明 潜航深度 最大300m程度?とオハイオ級と同程度である。

船体も単殻式だが,使用鋼材はHY-80高張力鋼だけでなくHY-100も使用される。主機は原子力ターボ・エレクトリック、原子炉は加圧水型のSIB 1基。炉心寿命は船体の設計寿命と同じ42年なので燃料交換の必要はないが、出力などもオハイオ級とそれほど変わらない。推進器は電気推進ポンプジェットを採用、艦尾の縦横舵はX舵となる。乗員はオハイオ級と同じ155名。

兵装は前述のようにトライデントD5 SLBMの発射筒16基で、その他は不明、ソナーは大開口艦首(LAB)アレイ・ソナーBQQ-10ほか。これらは専用品の新規開発ではなく、後述のヴァージニアvirginia級SSNなどで採用されているものを流用し、開発・建造費の低減に努めるようだ。ミサイル搭載数がオハイオ級より少ないのに排水量がやや大きいのは、将来のマージンを見込んでいるためという。建造費の高騰も予想されているが、本級の建造にはコスト削減も重要な項目となっている。


原子力攻撃潜水艦 ロサンゼルス級(Los Angeles class submarine)

 
アメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦。1972年-1995年の23年間にわたって改同型艦を含めると62隻が建造された。これは、原潜史上、単一のクラスとして最大の配備数および最長の建造期間の記録である。
本級は、段階的な改良を施されつつ建造されている。公式には、SSN-688-718のフライトI、719-725、32番艦以降750のフライトIIトマホーク巡航ミサイル用VLSの追加、40番艦以降が潜舵が移設(セイル側面から艦首かつ引込み式)した751-773のフライトIII の3ブロックに分けられる。フライトIII は改ロサンゼルス級と呼ばれる。

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全長 109.73m 全幅 10.1m
排水量(水上/水中/予備浮力)
SSN-688-699(6,080t/6,927t/13.9%)~SSN-751-770(6,300t/7,147t/13.4%)
最大速力 (水上/水中):不明/31ノット 潜航深度 457m
乗員 127-133名(士官12-13名、下士官兵115-120名)
兵装 Mk 67 533mm水圧式魚雷発射管4基
・Mk 48 魚雷/• サブロック UUM/ サブ・ハープーン USM/ トマホーク SLCM/• 各種機雷 弾薬庫容量:22基分(+発射管装填分)
・トマホーク SLCM用VLS(フライトII/III) 12基
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ソ連が開発したアクラ級潜水艦が、ロサンゼルス級潜水艦と同等の清閑性を有し、性能を上回るようになった。アクラ級を発見したロサンゼルス級潜水艦が、アクラ級を追跡するも、途中でロストする事態になりました。水中探知網SOSUS網ともかいくぐってしまったのです。一度発見した潜水艦をロスしたということは、相手に攻撃のチャンスを可能となり、敗北の可能性を意味します。米海軍は、チタン合金のアクラ級の性能すべてを凌駕する最新の潜水艦シーウルフの開発を行いました。

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排水量 水上:7,460t水中:9,150t 
全長 107.6m  全幅 12.2m 吃水 10.67m
機関 原子力ギアード・タービン推進(52,000 shp)WEC S6W型加圧水型原子炉1基 蒸気タービン 2基WEC 2次推進モーター 1基  ポンプジェットスクリュープロペラ 1軸 
最大速力(水上/水中):不明/35~39ノット 
潜航深度 610m
乗員 133名(士官12名、下士官兵121名)
兵装 660mmエア・タービン駆動水圧式Mk69魚雷発射管
• Mk 48 魚雷 /ハープーン USM /トマホーク SLCM/各種機雷/ 弾庫容量: 52基分

非常に高い性能を有する艦で合計29隻を建造する計画であったが、冷戦の終結とともに必要性は失われた。コストが21億ドル(アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の約2倍)に高騰し、技術的問題等も有り、建造計画は大きく縮小され、3隻となり、より廉価判のNSSN (New Attack Submarine) が計画され、バージニア級原子力潜水艦に発展し引き継がれた。



シーウルフ級は高価であるため量産は不可能と考えられ、シーウルフ級より性能を若干落とし価格を下げた安価な潜水艦でロサンゼルス級を代替することが計画され、計画名もセンチュリオンと名付けられた。これがバージニア級の原点となる。センチュリオンは冷戦時にはそれほど注目されていなかったが、冷戦終結に伴う予算縮小が現実化するにつれ注目されることとなり、1992年には計画名がNSSN (New Attack Submarine) へ変更され本格的な開発が開始された。

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NSSNは、静粛性はシーウルフ級並ながらロサンゼルス級より一回り小さい船体で、速力をはじめとした能力も若干低下させた潜水艦が予定されていた。だが、後に沿岸浅海域からの陸上攻撃能力を重視したアメリカ海軍の新戦略である「from the sea」に基づく陸上攻撃能力の向上やSEAL輸送能力の付与などにより、最終的には静粛性はシーウルフ級並、その他の面はロサンゼルス級以上シーウルフ級以下の性能を持つ潜水艦となった。結果として価格も高騰してしまい、調達性が低下してしまったが、現在13隻が就役し、3隻(14~16番艦)が進水し、更に2隻(17・18番艦)が建造が開始され、28番艦まで予算化されています。
今のところ30隻程度建造される見込みである。

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排水量 水中:7,800t 全長 114.8m 全幅 10.4m 吃水 9.3m 予備浮力
機関 原子力ギアード・タービン推進(40,000 shp)GE S9G型加圧水型原子炉1基
蒸気タービン 2基 スクリュープロペラ 1軸 電池
速力 公表値:水中25ノット/推定値:水中34ノット 
最大潜航深度 488m
乗員 134名
兵装 533mm水圧式魚雷発射管
• Mk 48 魚雷 / ハープーン USM / 各種機雷 / 弾庫容量: 38基分
無人潜水艇の使用も可能 4基 / トマホーク SLCM用VLS 12基


【ロシア】

ロシアは原潜38隻、在来型潜水艦21隻を保有しており、隻数的には世界第3位の潜水艦保有国である。 しかし、隻数二位の中国の原潜数は9隻(通常動力53隻合計62隻)であり、実質的には米国に次ぐ2位の潜水艦大国である。

原潜の大半はソ連時代に建造されたもので、最新鋭SSBNボレイ型は3隻が就役したものの未だパトロール活動していないとの情報があり、ソ連崩壊後の建造の空白期があったことが響いている。原子力戦略ミサイル潜水艦は6隻のデルタDeltaⅣ型、4隻のデルタⅢ型が主力である。最も若いものでも艦齢25年を過ぎて、海上核抑止能力が不十分となっている。在来型潜水艦も21隻中18隻が艦齢22年以上のキロ型である。

次の主力攻撃型原潜のヤーセン型潜水艦は、資金不足から計画全数の建造が危ぶまれている。また、在来型潜水艦ではラダLada型の開発に失敗し、カリーナKalina型を2018年に起工するとされており、当面は基本的な設計が古いキロ型に依存せざるを得ない。 


ボレイ型はロシアの第4世代の新型戦略原潜で、従来の戦略原潜の2~3倍の能力を持つと言われている。3隻が就役し、5隻が建造中である。

排水量(水上)14,720 t 排水量(水中)24,000 t
全長 170m 全幅 13.5m 全高 ? 吃水 9.0m
推進機関 OK-650V加圧水型原子炉(PWR)200MW ×2基 蒸気タービン×1基 
ディーゼル発電機×2基2.5MW  モーター4.1MW
乗員 107名 (うち士官55名)
速力 水上:15ノット 水中:25ノット 最大潜航深度 380-450m 作戦可能日数 40日
武装: 3M14ブラヴァー(SS-NX-32)SLBM発射筒×16基
SS-N-16 ヴォドパート対潜ミサイル 533mm魚雷発射管×6門



1981~89年に6隻就役した世界最大の戦略原潜。出現時、水中排水量26,925トン、全長171.5メートルと、その巨大な潜水艦に私は驚倒させられた。SLBMはSS-N-20(射程8,250キロ)20基。2~6番艦はすでに退役し、1番艦現在名 Dmitriy Donskoyだけが、R-30ブラヴァSLBMの実験艦として現役はとどまっている。

排水量 浮上時: 23,200–24,500 t 潜航時: 33,800–48,000 t
長さ 171.5 m 幅 23 m 吃水 12 m
推進器 OK-650 加圧水型原子炉2基, それぞれ190 MW (254,800 hp)2 × VV-型蒸気タービン, それぞれ37 MW (49,600 hp) 2軸推進 7枚羽根スクリュー
速力 浮上時22.22ノット、潜航時27ノット 潜航深度 400 m
航海日数 180日間潜航 乗員 163人
兵装 9K38 イグラ SAM 1基 /650mm魚雷発射管 2基 / RPK-7 Vodopad AShM / 65K型 魚雷 /533mm魚雷発射管 4基 /• RPK-2 Viyuga巡航ミサイル  53型魚雷 D-19発射装置 / RSM-52 SLBM 20基


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プロイェクト667BDR(デルタIII)型は1976年から1981年にかけて就役した。-667BDR型はそれまでの667型とは異なり搭載しているミサイルはMIRV式のR-29R/RSM-50(SS-N-18)となっており、それまでに比べて攻撃力が大きくなっている。全部で14隻が建造された。
1993年春に発表された「艦艇整備10ヵ年計画」では、戦略原潜はプロイェクト941型(“タイフーン”級)と667BDRM型のみを残し、本型も含めた他のクラスは全て退役させる方針であったが、結局、維持コストの嵩む941型を早期退役させ、1990年代前半までに順次オーバーホールを済ませていた本型は残される事になった。なお北方艦隊所属のK-129は1990年代に潜水艇母艦に改造され、KS-129となった(デルタIIIストレッチ型)。
財政難などの理由により順次除籍され、現在は北方艦隊に特務原潜KS-129、太平洋艦隊には3隻が在籍し、運用されている[1]。太平洋艦隊所属艦は、行動不能状態にあると報じられているが、時々、宗谷海峡を浮上航行する姿が海上自衛隊によって目撃されており、尚も健在であると見られる。2004年11月、同艦隊のK-223「ポドリスク」で、タンクへの過剰水圧のため飲料水タンクが爆発するという事故が起き、翌年、修理のため沿海州に向かう姿が宗谷海峡で目撃された。K-433「スヴャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセツ」は、2004年以降、毎年オホーツク海で弾道ミサイルの試射を行っており、2006年9月10日にも、千島列島のシムシル島沖でR-29Rミサイルを発射している。
全長:155m 全幅:11.7m 吃水:8.7m
水上排水量:8,940t 水中排水量:10,600t 機関:VM-4SG型加圧水型原子炉×2基/蒸気タービン×2基/プロペラ×2 出力:60,000馬力
最高速力:水上14kt(km/h)、水中25kt(km/h)
乗員:130名
兵装 533mm(21inch)魚雷発射管×4基(計18発搭載)406mm魚雷発射管×2基
D-9Rミサイル発射管×16、R-29R(RSM-50)ミサイル


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1985年から1990年にかけて就役した。667BDR型よりもかなり大型化されているが、その分は、静粛性の向上に充てられた。搭載しているミサイルは当初R-29RM/RSM-54(SS-N-23)であり、2007年以降改良型のR-29RMUシネワ(Синева)が順次搭載されている。当初は12隻建造される予定であったが、ソビエト連邦崩壊により、竣工したのは7番艦までに留まり、続いて建造中だった8、9番艦の工事は中止された。竣工した7隻は、全艦運用中である。
1990年代には財政難により定期修理が中断し、一部の艦は戦略任務に就けない状態が続いたが、2000年以降は順次、改装工事が行われるようになり、これによって艦齢は35年に延長されている。ただしK-64は戦略任務から外され、BS-411の後継の特務原潜に改造中であり、今後、戦略任務に就くのは6隻となる。
 
水上排水量11,740t、水中排水量18,200t、水中速力26ノット、最大潜航深度400m
兵装、16基の潜水艦弾道ミサイルと4門の魚雷発射管で構成。乗組員は135名。

オスカーI(ロシア名949型潜水艦)

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ソ連海軍第3世代の巡航ミサイル原潜(SSGN)であり、大射程のP-700「グラニート」(SS-N-19「シップレック」)対艦ミサイルを24発という極めて強力な対水上打撃力を備えている。
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極超音速長射程対艦ミサイル
SS-N-19 シップレック(難破船)

ミサイル直径 0.85 m ミサイル全長 10 m ミサイル重量 6,980 kg
弾頭 500 kt核弾頭 または750 kg通常HE
射程 700 km (核弾頭型)/550 km (通常弾型)
推進方式 固体燃料ロケット・ブースター+ラムジェット・サステナー
誘導方式 中途航程: INS+指令 終末航程: IRH+ARH
飛翔速度 6,500 km/h


オスカーI(ロシア名949型潜水艦)
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改良型のオスカーⅡ(ロシア名949A型潜水艦)
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大型の対艦ミサイルSS-N-19を24基、両舷に抱えるような格好で装備したミサイル原潜。原型であるⅠ型2隻を含めて。1980~1996年に13隻建造されたが。2000年8月クルクスを事故で失い。5隻が退役している。水中排水量18,594トン、全長154メートル、主機原子力蒸気タービン、水中速力28ノットで、兵装はSS-N-19USM24基、650ミリ魚雷発射管2門、533ミリ魚雷発射管4門。

ロシア名(885号計画「ヤーセン」型潜水艦)
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 ソ連時代の原潜整備は、SLBMを搭載するSSBN、巡航ミサイルを主兵装とするSSGN、対潜・対艦任務のSSNの3本立てだった。現時点におけるその最終発達型が、オスカーOscar型SSGNとアクラAkula型SSNで、両者を統合した後継艦として1985年から開発の始まったのがヤーセンyasen型(885型)である。

 1番艦セヴェロドヴィンスクSeverodvinskの起工は1995年だが、前出のボレイ型同様、進水は15年後の2010年で、就役は2014年1月となった。続く2番艦カザンは 2017年進水の予定で、これを含め5隻が建造中である。

排水量 9,500 t(水上)13,800 t(水中)全長 119 m 全幅 13.5 m 吃水 9.4 m  予備浮力 ?
機関 KPM 加圧水型原子炉(PWR)(出力195MW)1基 GT3A蒸気タービン(出力43,000hp(31.6MW))2基 DG-300型ディーゼル発電機(各出力2,000kW)2基(5,400馬力)引き込み式補助推進モーター 2基(各出力560馬力)  ポンプジェット方式7翼スキュードプロペラ 1軸推進 電池
最大速力 20ノット(水上、17ノット説有)
28ノット(水中)~35ノット以上(水中限界)潜航深度 600m
乗員 80-85(うち士官30名)
探索装置 MGK-700「アヤクス」水中聴音器
艦首アクティブ/パッシブ両用大型球状ソーナー 船体側面パッシブ・ソーナー・アレイ 曳航式パッシブ・ソーナー・アレイ 「ツカン」航跡自動追尾システム
武装 533mm魚雷発射管×8門(艦首)魚雷/対潜ミサイル×30本または機雷60個 オーニクス対艦ミサイル3連装垂直発射機- 8基(24発)



ヴィクター型は1967〜1992年の間に、改良を加えられながら合計48隻が就役し、冷戦期のソヴィエト海軍潜水艦隊の中核をなす艦型として活躍した。
ヴィクターⅠ型は1967年~1974年16隻、ヴィクターⅡ型1972年~1975年7隻、ヴィクターⅢ型は1978年~1992年にかけて26隻がそれぞれ建造され、8隻が依然現役。


ヴィクター型潜水艦の最終発展型。VA-111シュクヴァール水中ミサイルおよびRK-55グラナート(NATOコードネームSS-N-21サンプソン)巡航ミサイルの2種の新兵器の搭載、4翼二重反転プロペラの導入ほかによる静粛性の向上、コンピューターの導入、またソヴィエトの攻撃型原潜では初の曳航式ソナー・アレイ装備などが、主要な改善点である。以後のソビエト(ロシア)原潜(アクラ型)、シエラ型)の特徴となる艦尾縦舵上の巨大なソナー・アレイ収納ポッドは、この型ではじめて導入されたものである。
全長:107m 全幅:10.8m 吃水:7.66m 水上排水量:4,877t 水中排水量:7,889t
機関:VM-4P型加圧水型原子炉×2基/OK-300型蒸気タービン×1基 馬力:31,000hp
最高速力:水上18kt(33.3km/h)、水中30kt(55.5km/h)運用深度:350m
乗員:100名

兵装:533mm魚雷発射管×4、650mm魚雷発射管×2 - 魚雷(核魚雷含む)、対潜ミサイルおよび巡航ミサイル×24、または機雷×46

ロシア名:シエラⅠ型 945型潜水艦(バラクーダ)、Ⅱ型945A型潜水艦(コンドル)

当初はヴィクター3型型原潜の後継、船体はチタン合金で作られており、強度が大きいので最大水深750mの深深度潜航ができるという特徴を有するほか、磁気探知が困難になる利点がある。また、船殻に吸音タイルを用いているので秘匿性に優れている。
シエラ1型の一番艦は1984年に就役し、2隻が建造され2番艦コストロマが現役。
全長:107m 全幅:12.2m 吃水:8.8m
水上排水量:6,300t 水中排水量:8,200t
機関:ОК-650加圧水型原子炉×1基/蒸気タービン×1基 馬力:50,000hp
最高速力:水上18kt(33.3km/h)、水中36kt(66.6km/h)
運用深度:500~600m
乗員:60名
兵装:533mm魚雷発射管×4基・650mm魚雷発射管×2(魚雷、沈底機雷、対潜ミサイル(SS-N-16「スタリオン」)、対空ミサイル(SA-N-5「グレイル」・SA-N-11「グレムリン」)


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シエラⅡ型プスコフ 2隻が就役中だがプスコフは長期修理中
全長:111m前後 全幅:12.2m前後 吃水:8.8m前後
水上排水量:6,470t 水中排水量:10,400t
機関:ОК-650加圧水型原子炉×1基/蒸気タービン×1基 馬力:50,000hp
最高速力:水上14kt(26km/h)、水中33kt(61km/h)
運用深度:750m
乗員:100名
兵装:533mm魚雷発射管×6基(魚雷、沈底機雷、対潜ミサイルRPK-6「ウェテル」(SS-N-16「スタリオン」)、対空ミサイル(9K32「ストレーラ2」(SA-N-5「グレイル」)・9K34「ストレーラ3」(SA-N-11「グレムリン」))

アクラ1型 (971型潜水艦)アクラ2型 (09710型潜水艦)
アクラ型は1986年にソ連海軍に配備された攻撃型原子力潜水艦 (SSN) である。チタン製船殻を採用したアルファ型は目を見張る高性能を誇ったが、水中放射雑音が大きかった。その後に就役したシエラ型は、静粛性も向上しており、当初ソ連海軍は、シエラ型をヴィクター型の後継として大量建造しようとした。が、チタンは極めて高価なうえ工作が難しく、建造できる造船所も限られており、量産は不可能と判明した。そこで、シエラ型の設計を流用し鋼製船殻(100kgs/mm2)によって経済性を確保した新型艦971型として1977年から開発が始まった。

同型艦20隻Ⅰ型7隻、Ⅰ型改型5隻、Ⅱ型7隻、Ⅲ型1隻 (うち現役5隻、退役4隻、オーバーホール中3隻、インドへリース1、リース検討中保管2隻、建造中止3隻、計画2隻)、
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要目
排水量 水上:AkulaIとAkulaI改8,140トンAkulaⅡ8,450トンAkulaⅢ8,470トン    水中:AkulaIとAkulaI改12,770トンAkulaⅡ13,400トンAkulaⅢ13,800トン
長さ 108.0 - 111.7 m  幅 13.6 m 吃水 9.7 m
原子炉 OK-650B/OK-650M加圧水式原子炉 (190 MW)×1基 主機関OK-7蒸気タービン×1基
OK-2タービン発電機 (2,000 kW)×2基 低速電動機 (410 shp)×2基
推進器 7翼式スクリュープロペラ×1基 出力 43,000馬力
速力 水上航行時:11,6ノット 潜行時:33ノット航海日数 100日
潜航深度 保障深度 - 450m 最大深度 - 550m 圧壊深度 - 600-660m
乗員 73人
兵装 ・650mm魚雷発射管×4基 533mm魚雷発射管×4基 533mm外装式魚雷発射管×6基?

通常動力型潜水艦 キロ型(Kilo class submarine)
877型潜水艦(パルトゥース)

キロ級は言わずと知れた、ロシアの通常動力潜水艦のベストセラーである。
自国沿岸で対潜警戒任務を行う目的で計画された。搭載したミサイルにより水上艦や地上目標も攻撃できる。最初の艦が就役したのは1982年で、以来59隻 (現役52隻、退役6隻、沈没1隻)、建造中6隻 運用国はロシア海軍(20隻) インド海軍(9隻) イラン海軍(3隻) インドネシア海軍/ ポーランド海軍 / ルーマニア海軍 (各1隻) アルジェリア海軍 (4隻) 中国人民解放軍海軍 (12隻) ベトナム人民海軍 (4隻)

静粛性が高いのも大きな特長である。特にロシア海軍の純正のキロ型は非常に静粛性に優れ、外殻の外側は1枚0.8m四方のゴム製吸音タイルで覆われており、探信音の反響軽減と、船体内部からの騒音遮蔽に効果が見込まれている。

877型の改良型の636型は、エンジンの出力を向上させたターボディーゼル機関に換装している。これによりフル充電の時間を約20分程度短縮することに成功している。また推進用プロペラを6翼から7翼ハイスキュード型に変更しており、これにより推進モーターの回転数を半分に抑え騒音レベルを低減している。
 
要目
排水量 水上: 2,300-2,350 t 水中: 3,000-3,950 t (満載時)
長さ 70.0 - 74.0 m 吃水 6.5 m

速力 水上: 10-12 ノット 水中: 17-25 ノット
航続距離 シュノーケル使用時: 7ノットで6,000-7,500マイル
潜行時: 3ノットで400マイル 全速時: 21ノットで12.7マイル
航海日数 45日潜航深度 240 m (運用時) 300 m (最深)
乗員 52名 
兵装 6/553 mm 魚雷発射管 魚雷18本 機雷24基
SA-N-8 Gremlin8機、またはSA-N-10 Gimlet 地対空ミサイル8機 (輸出用には対空兵器は装備されていない可能性がある)

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不可解極まりない「時代遅れのAAV-7」大量購入
日本技術の発展にも米海兵隊にもデメリットをもたらす

【JBpress】2017.6.8(木)  北村 淳

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上陸したアメリカ海兵隊AAV-7(写真:筆者)                                                                             6月12~14日に幕張メッセで開催される「MAST Asia 2017」に、日本防衛当局の武器調達姿勢を評価する上で興味深い展示がなされる。それは、三菱重工業が社内研究として開発を進めてきた水陸両用車「MAV(Mitsubishi Amphibious Vehicle)」である。

今後高まる水陸両用車の需要

 MAVの研究開発は、長らくアメリカ海兵隊が使用してきた水陸両用車「AAV-7(水陸両用強襲車-7型)」の後継車両「EFV(遠征戦闘車)」の開発にアメリカ技術陣が失敗したため、「EFVに取って代わる車両を開発できないものか?」といった理由がスタートラインになったと筆者は推察している。

 この方向性は、軍事情勢に鑑みると極めて正しい。というのも、中国による海洋拡張戦略の伸展に伴って、日本からインドにかけての、中国周辺諸国ならびに“海のシルクロード”沿岸諸国では水陸両用作戦遂行能力の必要性が高まっている。そのため、国際的に様々な水陸両用作戦に有用な「水陸両用車」への関心が高まっており、今後はアジア太平洋地域を中心に水陸両用車の需要が高まることになるからだ(なお、本コラムでの「水陸両用車」とは、軽装甲が施され武装が可能な軍用の海上を航走できる車両を意味する)。

新型水陸両用車の開発に失敗したアメリカ

 現在、主に西側諸国の海兵隊ならびに海兵隊的組織が使用している水陸両用車は、アメリカ海兵隊が半世紀近くにわたって主要装備として使い続けてきた「AAV-7」である。AAV-7は1960年代に開発が始まり、1971年にアメリカ海兵隊に採用され(採用時には「LVTP7」と命名されていた)、以後、若干の改修は施されたものの今日に至るまで使用されている。

 ただし、AAV-7の基本コンセプトは、第2次世界大戦中に太平洋の島々でアメリカ海兵隊が日本軍との死闘を繰り広げた際に投入された水陸両用車と大差ない。すでに1980年代からアメリカ海兵隊では、各種ミサイルが発達した現代戦にはそぐわないものと考えられ始めていた。

 現代の水陸両用戦では、ミサイルやロケット砲を擁する敵が待ち構えている海岸線にAAV-7を連ねて突入する(強襲)ことはない。AAV-7の投入形態としては、敵の防御が希薄な地点に急接近する(襲撃)作戦が現実的である。だが、水上での最高速度が7ノットのAAV-7では敵に発見されて撃破されてしまう危険が極めて大きく「実際の戦闘状況では使い物にならない」とアメリカ海兵隊は考えた。

 そこで、1980年代後半に、高速で水上を航走できる新型の水陸両用車(「AAAV」:先進水陸両用強襲車)の研究にアメリカ海兵隊が着手した。その後、莫大な予算が投入され、「より早く、より遠くへ」という海兵隊のコンセプトを盛り込んだ「EFV」(遠征戦闘車)が開発された。開発したのはアメリカの重機械メーカー、ジェネラル・ダイナミクスである。

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        海上航行テスト中のEFV試作車(写真:米海兵隊)                         
 しかし、ユーザーであるアメリカ海兵隊によると問題山積の車両であり(“アメリカの恥になるため”公式には問題点は公表していないが)、かつ調達価格も考えられないくらい高額であるため、莫大な予算をかけたEFVプログラムはオバマ政権によって打ち切られた。

 結局、アメリカ海兵隊は、「時代遅れのAAV-7」に取って代わる21世紀の戦場に対応できる新型水陸両用車を手にすることができなくなってしまった。

 ただし、新型車両の調達を完全に中止してしまうと、新型車両開発予算そのものが将来にわたって消滅しかねない。そのため、とりあえずの“繋ぎ”として「ACV-1.1」(水陸両用戦闘車-1.1型)と呼ばれる新型水陸両用車を調達することにしている。だが、ACV-1.1はAAV-7の後継車両とみなすことはできず、「EFV開発以上の予算の無駄遣いになる」と多くの海兵隊関係者たちが危惧している代物である。
SAIC ACV 1 Next Generation Marine Amphibious Vehicle Presentation (Modern Day Marine 2016 Interview)
打ち砕かれた“海兵隊の期待”

 こうして、アメリカ海兵隊はEFVプログラムがキャンセルされ、“化石”のようになりつつある「時代遅れのAAV-7」を今後も(計画では2030年代まで)使い続けなければならない状況に陥った。そのため、なんとかして現代戦に適する「高速かつ長距離の水上航走可能な」かつ「EFVのような超高額でない」新型水陸両用車を手に入れたいと常々考えていた。

 そのような状況に苦しんでいた海兵隊関係者たちが、三菱重工業が社内研究していたMAVの情報に接し、極めて大きな関心を寄せたのは無理からぬところである。なぜならば、「MAVが完成した暁には、EFV以上の高速水上航走能力を持ち、EFVにはなかった諸性能をも実現させることが可能な、まさにアメリカ海兵隊が求める新型水陸両用車である」と海兵隊関係者たちの眼には写ったからである。

 ところが、それら海兵隊関係者たちの“希望の星”を破砕する“ミサイル”が日本側から発射された。すなわち、日本国防当局による50両以上にのぼる「時代遅れのAAV-7」の調達である(2015~2016年度に調達、参考「自衛隊の『AAV-7』大量調達は世紀の無駄遣いだ」)。

 各種水陸両用作戦(強襲を除く)に有用な水陸両用車の初期訓練のために、とりあえず実車が現存するAAV-7を手に入れることは自然であるし、必要である。実際に、日本が水陸両用能力を持つことに喜んだ海兵隊関係者たちの間には、自衛隊が当面の育成期間(水陸両用戦のドクトリンや組織などを構築するのに要する数年間)に必要な20両程度の訓練用AAV-7を海兵隊手持ちの1330両の中から供与するアイデアもあった。

 ところが、日本側は「中古では嫌だ」と言ってきたという。そこで、アメリカ海兵隊が「なんとかして新型に交代させなければ」と考えている「時代遅れのAAV-7」の“新車”を製造して日本に売却することになった。

 だが、とうの昔にAAV-7の製造ラインは閉じられている。製造ラインそのものを再開させなければならないため、1両あたりの調達価格は7億円という途方もない値段になってしまった。

 この調達に対し、筆者の周辺では「海兵隊から中古AAV-7を手に入れれば“タダ”だったのに」「BAE(日本向けAAV-7は全車両をBAE Systemsが製造輸出する)は笑いが止まらない」といった驚愕の声が聞こえてきたものだ。

 海兵隊関係者たちの驚きは、「時代遅れのAAV-7」が1両7億円という価格に留まらなかった。なんと自衛隊は訓練用のAAV-7だけではなく、部隊編成用に52両(実際には車両評価用6両と配備用52両の合計58両)もAAV-7を調達するというのである。水陸両用戦のエキスパートたちからは「なぜ、日本はあわてて52両ものAAV-7を手にしたがっているのか?」「水陸両用戦に関するドクトリンも誕生させていないのに、いったいAAV-7をどのように使おうとしているのか?」といった疑問がわき上がった。

海兵隊関係者がショックを受ける理由

 そして、MAVの情報を知っている海兵隊関係者たちは、次のようにショックを隠せない。

「50両以上ものAAV-7を自衛隊が手にしてしまうと、おそらくそれで水陸両用車の調達は当面ストップとなるだろう。いくら陸自が水陸両用能力を手にしようとしているといっても、水陸両用車を100両、200両あるいはそれ以上保有するような大規模な海兵隊化を目指している動きはない。とすると、MAVの開発はどうなってしまうのだろうか? 日本政府主導の開発プロジェクトが進まなければ、われわれ(アメリカ海兵隊)も、使い物にならないACV-1.1ではない『MAV』という真の新型水陸両用車候補が存在すると主張して、この窮地を乗り切ることができなくなる」

 この点こそ、まさに日本国防当局の問題点である。

 日本国内メーカーが、独自の技術を投入して新型水陸両用車の研究を進め、そのMAVに対して、水陸両用車に関しては突出した経験とノウハウを有するアメリカ海兵隊関係者たちが大いなる期待を寄せている。そのような状況下で、日本国防当局自身がアメリカ海兵隊が捨て去りたがっている「時代遅れのAAV-7」を、実戦配備用としてまとめ買いしてしまったのでは、海兵隊関係者たちがペンタゴンやトランプ政権に対して「日本には、海兵隊にとってぜひとも手に入れたい新型水陸両用車技術がある」と説得することなどできなくなってしまう。

 もしも日本政府、そして国会が、このような自国に横たわる技術の発展を阻害するような異常な兵器調達を是正して、日本製新型水陸両用車(あるいはその技術)をアメリカ海兵隊が採用するに至ったならば、少なくとも西側諸国の水陸両用車のスタンダードは日本技術ということになる。

 現代の水陸両用車は、日本政府や国会が忌み嫌う“攻撃型武器”ではなく、主として海上から海岸線への(またはその逆)の兵員輸送に用いられる軽装甲輸送車である。現在、水陸両用車の活躍が最も期待される戦闘シナリオは、混乱地域から民間人を救出し海岸線から水上の艦船へと避難させる非戦闘員待避作戦である。そして実際には、戦闘よりも大規模災害救援作戦に投入され獅子奮迅の働きをするのが水陸両用車である。したがって、軍事的見地からは噴飯物の“攻撃型兵器”を根拠に兵器の輸出に反対する勢力にとっても、国産水陸両用車(あるいはその技術)の輸出に反対する理由は見当たらない。

 日本政府は、国益を大きく損なうような、かつ正当化理由が見出しにくい「時代遅れのAAV-7」の大量輸入は、高額の違約金を支払ってでも即刻中断し、アメリカ海兵隊関係者たちも絶賛している日本技術を発展させるべきである。                           
(本コラムの見解は三菱重工業の見解とも、またアメリカ海兵隊の見解とも無関係であり、筆者個人の意見である。)  

三菱MAVとは?

三菱重工が陸上自衛隊向けに開発した16式機動戦闘車の技術を流用し、自社資金で開発した8×8装輪装甲兵員輸送車 三菱MAV(Mitsubishi Armored Vehicle)と思っていたが、防衛装備庁が開発中の新型水陸両用車両のことも
三菱MAV(Mitsubishi Amphibious Vehicle)と呼ぶのか?両方ともMAVと呼ぶと混乱してしまうので、三菱重工は正式に発表すべきだ。因みに三菱重工長崎機工(株)には防振装置シリーズのMAVがあり区別が必要である。

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Googleで”三菱MAV”と検索したところ・・・1ページのトップが私の記事だった(失笑)
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アルゴリズムで私の記事が選ばれたのは結構なことだが・・・・ちょっと・・・。

水陸両用車両が言及され、イメージ図が掲載されたのは平成25年(2013年)の防衛白書 第II部 わが国の防衛政策と日米安保体制 2 平成25年度防衛力整備の主要事項 だった
南西諸島をはじめとする島嶼を含む領土の防衛態勢の充実のため、装輪装甲車11両や軽装甲機動車44両、多用途ヘリコプター1機を取得し、迅速な展開を可能とする輸送力や機動力の強化を図るほか、水陸両用車を参考品として購入し、海上からの着上陸作戦能力の強化に向けた検討に着手する
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三菱重工は8×8の三菱MAV(Mitsubishi Armored Vehicle)も水陸両用の三菱MAV(Mitsubishi Amphibious Vehicle)どちらも陸自向けではなくワールドマーケット向けに輸出用として検討している。

実はわたくしも勘違いしていたのだが、防衛装備庁の陸上装備研究所のパンフレットの水陸両用車両と、三菱重工の水陸両用車両は別物ではないか?
形状がまるで違う、三菱重工の水陸両用MAV前部にフロートを付加するのも不自然だ。防衛装備庁の陸上装備研究所と三菱重工はそれぞれ似たような研究(装輪装甲車)を近年重複する傾向にあり、防衛装備庁の水陸両用車と三菱自工の水陸両用車は別物であると思う。
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「将来水陸両用技術の研究試作」の要旨http://www.soumu.go.jp/main_content/000000107.gif 評価書http://www.soumu.go.jp/main_content/000000107.gif 参考http://www.soumu.go.jp/main_content/000000107.gif を読む限り、やはり上記の三菱製水陸両用車とは別車両であろう。もしくは、三菱製水陸両用車は試作車両である。

参考の画像
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詳細モデル拡大
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この詳細モデルはイメージ図や陸上装備研究所のイラストに水陸両用車両↓とも異なる。
決定的なのは、事前の事業評価には日程表が提示してある。
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今は研究中であり、100歩譲っても、三菱重工の車両はあくまでもプロトタイプ以前の試作車両にすぎないのである。

将来水陸両用車輛は水際機動能力向上技術(水際での機動困難な条件を克服して機動性を高める技術)と海上高速航行技術(海上で車両が高速航行できる技術)が他国の水陸両用車両より別次元の卓越した高性能車両を目指し、EFV計画が頓挫した米海兵隊への輸出も考慮しているという。

米国でも採用されるには、現用のAAV-7の問題点も考慮することも必要かもしれない。だからといって、時代遅れのAAV-7の大量購入の理由にはならない。

なぜ時代遅れのAAV-7の大量購入を計画しているのか?その理由は軍事的必要性より、政治的必然性からだと思う。

一つは中国の尖閣上陸の危機レベルが差し迫っていること、もう一つは米国の尖閣が紛争地域になった場合、日米安保条約において参戦するラインを確認したからであると思う。

米軍は自衛隊が戦わない限り、交戦しない。マティス国防長官は尖閣が日米安保の適用範囲だとは言ってくれたが、米軍単独では戦わない。

日本が上陸作戦(尖閣ではなく石垣島や宮古島)を想定した場合、どうしても既存の車両が早急に必要だということだろう。

だが、新車にする必要はない、1輌1億円程度で導入できたはず。いったい誰が新車で7億にしたのか?、野党は加計よりそっちを追求すべきだろう。

新車で7億円としたのは、もしかしたら新水陸両用車両の価格が7億を想定すれば、新水陸車両を導入しやすいからかが理由ではないのか?清谷君出番だ!




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防衛装備庁のHPが5/31更新され、中央調達における、平成28年度調達実績及び平成29年度調達見込が掲載されていました。
 
注目は、陸上自衛隊が新たに17機を導入するV-22「オスプレイ」である。主な用途は島嶼部などへの侵攻に対処するための人員や装備品の輸送だ。島嶼防衛の要である西部方面普通科連隊(バラモン部隊)を輸送する。

大規模災害発生時にも救援など、非軍事作戦での活用大いに期待できる。滑走路を必要としない離着陸や空中静止というヘリコプターの長所と、固定翼機の長所を併せ持つティルトローター輸送機だ。   
            
 V-22の最大速度は同規模のヘリコプターCH-46のほぼ倍となる時速565kmに達する。また最大航続距離もCH-46の1110kmに対し3590kmと3倍以上長い。

ぼったくりではない日本向けオスプレイの価格
【Yahooニュース】2015/5/7(木) 1:35 JSF  | 軍事ブロガー

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陸自V-22オスプレイ
2015年5月5日、アメリカ国防安全保障協力局(DSCA)は日本向け垂直離着陸機V-22オスプレイ17機と予備エンジン、関連器材および訓練など対外有償軍事援助(FMS)での輸出案を議会に通知しました。

Japan V-22B Block C Osprey Aircraft | Defense Security Cooperation Agency

内容はオスプレイ17機とエンジン40基、赤外線前方監視装置40基、ミサイル警報システム40基など機体数を上回る予備部品とアメリカでの訓練費用なども含んだ総額の諸経費で、約30億ドルが提案されています。今現在の為替レートは1ドル120円なので約3600億円になります。

ただし、単純に30億ドル(3600億円)を機体数17で割ると1機あたり1.76億ドル(211億円)になりますが、これは前述の通り諸経費込みの価格なので機体単価ではありません。機体単品での価格は1機100億円前後で、諸経費がそれと同じくらいに掛かるという事です。

イスラエル向けオスプレイの提案価格より割安                       
参考までに、2014年1月13日にDSCAが議会に通知したイスラエル向けV-22オスプレイ6機の売却提案価格は、エンジン16基や訓練費用を含む諸経費込みで11.3億ドルでした。当時の為替レートは1ドル104円でしたので、約1175億円になります。6で割ると195億円です。

Israel - V-22B Block C Aircraft | Defense Security Cooperation Agency


昨年のイスラエル向けオスプレイの価格よりも今年の日本向けオスプレイの価格が円で比べると高くなっているのは為替レートの変動の影響によるものです。このイスラエル向けの提案価格を現在の為替レートで計算し直すと、11.3億ドルは約1356億円となり、6で割ると約226億円です。つまり実際にはイスラエル向けより日本向けの方が割安という事になります。これは一度に買う予定数が日本向けの方が数が多い事が影響しているのでしょう。

※なおイスラエルのオスプレイ購入計画は予算不足で一時中断しています。

アメリカでのオスプレイ調達価格                               
そしてアメリカ本国でのオスプレイの調達単価は、2015年度予算の海兵隊向けMV-22でフライアウェイ・コスト(飛べる状態を意味し、他の経費が入っていないコスト)は1機あたり7210万ドルとなっています。為替レートを今現在で計算すると1機あたり86億円です。数年前の為替レートの状態ではオスプレイの機体単価は60~70億円だったので、為替レートの変動は輸入価格を大きく左右するものだと言えるでしょう。

結局、アメリカ本国価格で1機86億円、日本向けは1機100億円前後(諸経費込みで211億円)という価格になります。別にボッタクリとは言わないですね。アメリカでの価格も諸経費込みならば1機当たり200億円に近いものになってしまいます。
しかしながら、オスプレイ一機 97.7億円(一式754億円)とべらぼうに高い。
※米国では一機80億円(US$7200万 ” 2015年予算”)。

そこで、CH-46輸送へリ(一機35億円・米国価格3500万USD)もH29年には6機調達する。


装輪装甲車界のレクサス 16式機動戦車

16式機動戦闘車は島嶼部に対する侵略や、突発的に発生するゲリラーコマンドによる攻撃といった事態に対処することを目的に開発された装甲車だ。
お値段は7億8000万円!実はレクサスも足元に及ばない超高級(高価格)車だ!

最近下の動画を見つけて、16式機動戦車の変体的高性能に改めて気がついた。
装輪装甲車は通常制止した状態ではないと火砲を発射発砲することができない。
しかも、射撃するたび大きく車体が揺れるのだが、16式機動戦闘車は走行しながら射撃ができるうえ、安定していて揺れない。

舗装率が高い日本においては長距離移動の際にトレーラーや鉄道による輸送が必要となる戦車と異なり、装輪(タイヤ)式の機動戦闘車は、自力で高速道路や一般道路を走行できる。全国に高速道路網も整備され、機動戦闘車は現在日本の国情に合致している。武装は陸上自衛隊が40年以上にわたって運用してきた74式戦車と同じ105mm砲を搭載しており、周辺諸国の保有するほとんどの装甲車両を撃破できる。周辺国のMBTと会戦しても撃破できるであろう。


現在の陸自は離島奪還作戦の上陸手段としてゴムボートを使用しており、敵からの攻撃に対してはもろい。そこでAAV-7の導入が決まった。AAV-7は米国・スペイン・イタリア・台湾・韓国など、多くの国の海兵隊で導入されている装軌(キャタピラ)式の装甲車だが・・・陸自ではせいぜい災害派遣用ではないかと私は思っている。

水上は低速なうえ、サンゴ礁が多い南西諸島や、先島の島嶼部で機能するのか・・・
1輌7.7億円は正直ぼったくりもいいところだ!中古なうえに米国での調達価格は
165万USD(1億9000万円)しかしていないのだ・・・



三菱重工の新水陸両用車  2015/6/25(木) 午前 1:59


まあ、三菱重工の新水陸両用車は高価であろうから、JMUの開発中の装輪式でも
OKのような気がする。
私から言わせれば10式戦車はロシアのT-14/オブイェークト148を上回る性能を有する。おそらく日本列島内で戦闘した場合、世界最強の戦車ある。世界最強の理由はその優れたC4I能力にある。

【10式戦車の特徴】 
①日本の国状(道路、橋など)に合わせて小型軽量(44t)に設計され、それにより空輸や海上輸送がしやすなっている。

②1,200馬力のディーゼルエンジンにより時速70kmで高速移動が出来る。(後退速度も他の戦車より速い)

③装甲はモジュラー式でセラミック複合材で出来ており、新型の複合材の開発に合わせて取り替えることができ、常に最先端を維持できるように設計されている。

④車体には敵のレーザーを感知する装置があり自動的に煙幕を張れるようになっている。

⑤主砲は日本製鋼所による国産の120mm滑腔砲で自動装填式。砲塔に12.7mm重機関銃と主砲同軸の7.62mm機関銃が装備されている。

⑥新たにC4Iシステムにより瞬時に他の戦車や歩兵、指令本部と情報の共有ができる。

⑦アクティブハイドロニューマッティクサスペンションシステムの採用により走行間射撃や地形に合わせた姿勢制御が可能。


10式戦車は、中国や朝鮮半島などに近い九州に配備されるとみられる。

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10式戦車
単価は約12億・・・欧米の戦車よりは高いが
16式機動戦車(7.8億)より若干高いだけで収めているのは驚異的と思う。

 いずも型ヘリコプター搭載護衛艦

いずも型は基準排水量:19500t満載排水量:24000tと、海上自衛隊史上、最も巨大な護衛艦である。武装は自衛用のseaRAM対空ミサイルとCIWS機関砲のみで、値段は1155億円(かが)。ひゅうが型(基準排水量:13950t満載排水量:19000t975億円に比べて、余計な武装を搭載しない分、大きさの割にそれほど高くはない。

専守防衛を旨とする日本にとって、戦略的に固定翼機を運用する空母は不要ではある。将来的にF-35Bの搭載もや可能ではあるが、インド洋か南シナ海のシーレーンで艦隊決戦でもする気なら別だが、自衛隊の活動範囲は陸上基地からのエアーカバーが可能である為、今のところ固定翼機戦闘機は不要だ。

対潜ヘリコプターなど最大15機のヘリコプターを搭載可能で、オスプレイのような大型機も運用できる。いずも型の持つ高い航空機運用能力は、ヘリコプター搭載護衛艦最大の任務である対潜作戦だけではなく、島嶼防衛や大規模災害での救難といった日本の国情にあった最良のヘリコプター搭載護衛艦である。

BMDの要、8隻体制になるイージス艦

 こんごう型ミサイル護衛艦4隻と、その改良型であるあたご型ミサイル護衛艦2隻、そして新たに8200t型の27DDG/28DDGが建造中である。

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本来の任務である護衛艦隊の防空目的は、あきづき型(19~21DD)に任せ、弾道ミサイル防衛の要として、日本を守る守護神と言うべき護衛艦だ。

近年、中国海軍も「中華イージス」と呼ばれるミサイル駆逐艦の建造を進めているが、防空能力はイージス艦どころか艦隊防空特化のミニイージス艦であるあきづき型の足もとに及ばないとみられる。

イージス艦こんごう
基準排水量:7,250t
満載排水量:9,485t
建造費約1,200億円

イージス艦
あたご
基準排水量:7,700t
満載排水量:10,000t
建造費 1,497億円ヘリ搭載と大型化

イージス艦8200t
基準排水量:8,200t
満載排水量:11,400トンt
建造費 1,734億円イージスシステムベース9とSM-3ブロックⅡA搭載

防空特化汎用護衛艦あきづき
基準排水量:5,050t~5100t
満載排水量:6,800t
建造費約750億円
 
海上自衛隊の主力潜水艦であるそうりゅう型は、通常動力潜水艦としては世界最高性能を有している。

平成27年度予算で発注された11番艦からは、スターリング機関の代わりに、維持整備が容易で、長時間の高速潜航を可能にするリチウムイオン蓄電池が採用されており、547億円
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新型潜水艦29SSについて 2016/8/25(木) 午後 11:13

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現在の主力哨戒機であるP‐3Cの後継機として開発された国産のP-1哨戒機は、情報伝達で電磁波の妨害を受けにくく、使用電力も抑制できる光ファイバーを用いた飛行制御システム「フライーバイこフイト」を採用した世界初の実用機だ。
P-1一機175億円


ジェット機であることからプロペラ機のP-3Cに比べて現場海域に速やかに到達できるだけでなく、P-3Cにはなかった敵潜水艦の魚雷発射管開閉音、操舵音の探知能力なども追加された。騒音の低減で発見が困難になりつつある、中国の潜水艦への対処能力が向上している。

日本の空を守るF15、F2 次期主力戦闘機のF35A

 航空自衛隊が新たに導入するF‐35Aは、最大速度や運動性といった、ドックファイト能力は駄作機の部類に入る戦闘機だ。

 しかし今のところ有効なステルス性能に加え、高性能のレーダーやセンサー類を搭載している。最近F―35の戦闘機らしからぬ能力に苛立ちを感じるのを止めた。

F-35はベトナム戦争で活躍した戦闘爆撃機F-105サンダーチーフと同じではないかという意見がある。
ドックファイトもできなくはない爆撃機だと思えばF-105は名機だという考え方だ。

F-35が戦闘機と考えるから駄作機だと思うのだが、戦闘能力があるAWACSと考えると、F-35は名機に思えてくる。F-35は凄いAWACSだと思うことにした(笑)。

2014/6/26(木) 午後 11:57 

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(2017年 ロイター/Peter Nicholls)
[東京 1日 ロイター] - 防衛省が2017年度に発注する6機のF35戦闘機について、米国政府が日本側の値下げ要請に応じていたことが分かった。日本が米国政府と武器の価格交渉をするのは異例。防衛費の大幅増が見込めない中で、F35や新型輸送機オスプレイなど米国製の高額な武器調達が急増していることが背景にある。

F35の製造元のロッキード・マーチンは、トランプ米大統領の批判を受けてコスト削減を約束しており、日本の政府内では一段の価格低減を期待する声が出ている。

日米の複数の関係者によると、防衛省は昨夏から年末にかけて米国防総省と複数回にわたって交渉した。米側から当初示された1機当たりの価格は157億円。これを最終的に146億円に引き下げた。整備部品のデータベース構築や技術者受け入れなどの関連経費も、423億円から309億円に下がった。

米国製の武器の購入には、F35のように米国防総省を窓口にする「対外有償軍事援助(FMS)」と、米メーカーと直接取引をする2通りの方法がある。日本向けのF35の価格には機体、日本国内での最終組み立て、自衛隊仕様への変更などのコストが含まれるが、FMSは価格の内訳が示されないため、値下げ交渉をするのが困難だった。日本側はこれまで値下げ要請はしてきたが、日米関係者によると、両国が本格的に価格交渉をするのは異例だという。

日本の防衛省関係者によると、今回は新たに発足した防衛装備庁が米国側に細かく情報開示を要求した。「1つ1つ項目を綿密に精査し、米国側と交渉した」と、同関係者は話す。機体の量産が軌道に乗り始めたことや、夏から年末にかけて為替が円高に振れたことも価格低減に影響した。

第2次安倍晋三政権の発足以降、日本の防衛費は年0.8%のペースで増加する一方、F35やオスプレイ、無人機のグローバルホークなど、米国製の高額で整備費もかかる武器調達が急増している。2013年に1179億円だったFMSによる取得額は、15年に4705億円、2016年に4858億円に膨らんでいる。

値下げされたとはいえ、F35の価格は当初の想定を大きく上回っている。2012年度に最初の4機を契約した際は1機当たり100億円円安も手伝い、これが徐々に上昇し、16年度は180億円まで膨らんだ。日本は共同開発国ではないうえ、最初の4機以降は国内で組み立てるため、取得価格が割高になる。3.8%のFMS手数料も発生する。

F35をめぐっては、大統領就任前のトランプ氏が昨年末、ロッキードに対してコスト削減を要求。大統領は1月30日(訂正)、米軍が新たに調達する90機について計6億ドルの値下げを実現したと発表した。1機当りたの価格が1億ドルを切るのは初めて。日本政府の中からは、「自衛隊向けも下がるかもしれない」と、一段の価格低減を期待する声が聞かれた。

日本は、現在の中期防衛力整備計画が終わる2018年3月までに28機のF35を発注する計画。最終的には42機を取得する。


約20年かけて200機を保有するF-15J/DJは一機平均約100億円、高い速度性能と運動性を兼ね備えた戦闘機。うち101機は打ちっぱなし能力があるAAM-4Bを搭載することが出来る、F-15MJであるが、前期生産型F-15preMSIP99機は、中国のSu‐30や韓国が導入したF-15の発展型F-15Kといった新型機の登場により、その抑止力は相対的に低下している。
Advanced F-15 2040C   2016/7/18(月) 午後 2:24 


 FI15J/DJは現在でも一線級の制空戦闘機だが、。そのため、航空自衛隊は約101機のF-15J/DJに、より高性能なレーダーを搭載し、射程の長い国産空対空ミサイルの運用能力を得るための近代化改修を行っている。


F-2Aは防空と、日本の領土への上陸を試みる敵の輸送船を撃破することを主な任務として開発された。大型の国産対艦ミサイルを4発搭載する能力を備えており、対艦攻撃機としては世界最高である。F-2の価格はF-15よりも高い一機119億円

 現在は周辺諸国の空軍力の強化や、開発当時は想定されていなかった島嶼防衛などの任務に対応するため、精密誘導爆弾やF-15ど同じAAM-4空対空ミサイルを搭載するための改修が急ピッチで進められている。  

      
 C-2は現在の主力輸送機であるC-1の後継機として開発され、今年4月に部隊配備されたばかりの最新鋭輸送機だ。貨物の搭載量はC-1の約8トンから約30トンへと大幅に増え、陸上自衛隊のUH-60L多用途ヘリコプターや96式装輪装甲車のような、大型貨物の輸送も可能となった。

C-1の航続距離は2.6トンの貨物を搭載した状態で約1700kmだが、C-2は18トンの貨物を搭載した状態で約8100kmの飛行が可能とされている。日本から西はインドのデリー、東はハワイのホノルルまで無着陸で飛行できる長い航続距離と大きな貨物搭載量により、自衛隊の本来任務の一つとして位置づけられた海外派遣や災害派遣の際にも、大きな戦力となることが期待されている。

日本の防衛産業も民間転用や装備品の輸出に積極的になるべきとの機運が高まる中、川崎重工業はその先頭に立っていた。それは、C‐2とP-1の開発・製造についてだ。両機種は同時に開発を進めることで部品の共通化を図り、開発期間の短縮
とコスト低減を目指しでいた。また、共に民間転用も進めることで、さらなるコスト低減と需要先の拡大を狙っていた。

30機の導入予定であるC-2一機の価格は184億円。F-35よりも高い、いいお値段です。

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 C-2は、機内を改装することで民間機として活用できるようにして、輸出をはじめ民間転用を強く念頭に置いていた。

欧州エアバス社のA400M、ブラジルーエンブラエル社のKC390などライバル機と比べて、魅力が乏しかったこともあるが、民間機に必要な型式証明や耐空証明の取得問題だった。取得には数百億円かかり、またそれまでの開発トラブルにおけるコスト増を考えると、民間で販売できるほどの価格にはならないというのが現実だった。2014年日本政府も武器輸出解禁をするなど環境作りを推し進めたが、莫大なコスト負担という現実に、川崎重工業はC-2を民間転用を断念したようだ。 武器の民間転用も、大きな壁が立ちふさり、道は平たんではないようだ。

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2015年は川重がトップであったが、2016年は三菱重工がトップを奪還したようだ。
だが上位10社は、ほぼ毎年同じ名前が並ぶ。知名度が高く、日本を代表する企業がずらりと並ぶ。

戦車や哨戒機の主契約企業は1社だが、1000~2000社超の企業が製造する部品や製品があってこそ、一つの装備品ができ上がる構造になっている。

防衛産業にはつねに先行き不透明感が強い。端的な例は、AH-64アパッチヘリである。 AH-64Dの調達は陸幕内部では62機が予定されていたが、わずか13機で調達が中止となった。しかもライセンス生産の初期にかかる費用を払う、払わないでもめて、裁判沙汰にまでなっている。これは防衛省と富士重工がどの程度の機数を生産するかの覚書も契約も交わさなかったからだ。 調達コストにしても国内生産が高いならば輸入にすべきだった。そうすれば半分程度で済んだはずだ。しかもライセンス生産とは名ばかりで、ほとんどのコンポーネントは輸入で単なる組み立て生産である。にもかかわらず1機に85億円も払っていた・・・。

このままでは、陸自の攻撃ヘリが絶滅してしまうかもしれない。自衛隊とヘリの関係は最近相次ぐ談合疑惑で・・・自衛隊の鬼門となってしまっている。



産業の性質上、市場は限られ、国の予算次第で受注動向も変わる。また、競争もほかの産業と比べれば少ない。そうした市場ゆえに、防衛産業に存在する数千社の中には安定した利益を得る企業がある一方で、中長期的に安定的な事業運営ができるのかという不安を抱える企業も少なくはない。

最近「防衛産業は食えない」「限られた予算、限られた発注を当てにしているだけでは、事業を畳む時期も遠くはない」と防衛産業から撤退する企業が相次いでいる。

中小企業では利益は確保できても、研究開発や人材育成を安定的に行うまでには至らないが多いのが現状だ。

 そこで安倍晋三政権は、長期安定的な予算執行や防衛産業の育成強化、防衛装備庁(ATLA)を設置、外国との共同開発の実施・検討を進め、さらに武器輸出を規制していた一武器輸出三原則」から「防衛装備移転三原則」へ移行し、武器輸出解禁も行った。

だが、期待した「そうりゅう」型潜水艦の豪州への輸出は、フランスに受注を奪われ、インドヘの輸出が検討されている飛行艇US-2は一艇120億円という価格が高すぎる為頓挫する寸前だ。

US-3救難飛行艇開発へ  2017/2/7(火) 午前 3:20

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なかなか、進まない武器輸出だが・・・いまホンダが開発したホンダジェットが売れまくっている!

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ホンダの航空機事業子会社「ホンダ エアクラフト カンパニー」(=HACI、Honda Aircraft Company)は、現地時間の21日、2017年第1四半期に15機のホンダジェットがデリバリーされたことを明らかにした。

小型ビジネスジェット機のカテゴリーでは最多のデリバリー数。ホンダジェットの独創性が世界で認められ始めている。HACIは数字を定期的に発表しているわけではないが、15年12月の引渡開始からの累計で17年5月17日までに43機が運用中であることを考えると、着実に支持を集めていることがわかる。

ホンダジェットが選ばれている大きな理由の一つは、クラス最高水準の最高速度にある。巡航速度は782km/h(422ノット)。大型旅客機よりも上空を飛び、速度、燃費、安定性を維持しているが、これもホンダ独自の膨張に耐える強い機体があればこそだ。

以下略

ホンダジェットは、その気にになれば偵察機・連絡樹として兵器転用も可能だ。



日本の防衛産業の方向性は若干だが見えている。日本もその気になれば得意の民生技術を武器転用して、輸出マーケットに応用すれば、武器輸出のマーケットも凌駕することになるかもしれません。

国内外で日本企業の技術を応用
センサーや無人機…知られざる「軍需企業」

【週刊東洋経済】軍事ジャーナリスト竹内修

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防衛装備(兵器)の輸出を条件付きで可能とする防衛装備移転三原則が2014年に制定されてから3年。いくつかの商談が行われてきたが、今のところ輸出は実現していない。

 一方で、日本企業の製造した民生品(非軍事の製品)は世界各国の軍や防衛産業で使用されている。日本企業が研究開発している中にも高い関心が寄せられているものがある。こうした技術を紹介しよう。                     
 日本企業が開発・生産した民生品の中で、軍用として最も使用されているのが、トヨタ自動車や日産自動車などの4輪駆動車だ。                  
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 トヨタの「ランドクルーザー」の中で70系と呼ばれるタイプは、軍用車両としての評価が高く、日本で生産が終了した後も海外では生産が継続され、フランス陸軍など各国の軍隊で採用されている。

 UAE(アラブ首長国連邦)、ヨルダンなどでは地元企業によって、トヨタのランドクルーザーや日産「パトロール」の車体を装甲化し、防弾ガラスを備えた要人輸送車両が開発・販売されている。政府や軍、民間企業に広く採用されている。   
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 現代の軍隊はIT化か著しい。各国の軍隊で重用されているのが、パナソニックのノートパソコン「タフブック」だ。耐衝撃性や防水性、防塵性などに優れ、米国防総省が定める米軍の規格に準拠している。低温や高温といったコンピュータにとって過酷な環境下でも使用でき、情報分析や無人航空機の制御など、さまざまな用途で用いられている。

 先進国の軍隊では、前線に展開する兵士の情報共有のツールとしてスマートフォンが用いられることが多く、米国防総省はスマホにも軍用規格を定めている。京セラやNECの一部のスマホがこの規格をクリアしている。                       
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 ソニーCCD製品がイスラエル兵器に 日本企業の技術が評価されているものには光学機器がある。ソニーのCCD(電荷結合素子)イメ-ジセンサー(カメラ)がその代表例だ。

 各国の軍隊や防衛産業は、民生品として購入したCCDセンサーをどのように使用しているかほとんど公表していないが、14年に中東・パレスチナのガザ地区で墜落したイスラエル軍の無人航空機の残骸の中から、ソニー製品が発見されている。

イメージ 26ソニーは17年3月にCCDから撤退し、より低コストで電力消費量の少ないCMOSセンサーに注力していく方針を発表しているが、おそらくはCMOSセンサーもさまざまな兵器で使われると推測される。
                                                                                      
 狩猟用ライフルに用いられるスコープ(照準器)も、精度の高さから日本製品に対する評価は高い。                                                                                   
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    http://www.marchscope.com/
 ディオン光学技研(長野県茅野市)のスコープの解像度は世界最高とも評されている。解像度だけでなく近距離から遠距離まで一つでカバーできるスコープや、遠距離を観察する際に生じる色のにじみを補正できるレンズなど、先進的な技術を誇り、陸上自衛隊などの狙撃銃用に採用されている。              
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    http://pselite.militaryblog.jp/e385946.html
 ライト光機製作所(長野県諏訪市)は、耐久性と精度の高いスコープを製造する能力が評価されており、各国の軍への納入実績が豊富な海外メーカーにOEM(相手先ブランドによる生産)供給している。

 高度な部品の集合体であるハイテク兵器の製造に不可欠な精密加工機械についても、日本製の評価は高い。                              
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http://www.sugino.com/site/water-jet-cutting-system/wj-cut-ajc-nc.html
                                                   スギノマシン(富山県魚津市)の製造する、ウォータージェット(水流)を使用する精密加工装置は、熱によるダメージを抑えて精密な加工ができるだけでなく、加工できる素材の種類が多い。

 12年に筆者が取材した、あるカナダの防衛関連企業の経営者は、「スギノマシンの加工機械がなければ、自社の事業は立ち行かなくなる」と述べた。このカナダ企業は、米ロッキードーマーティンや英BAEシステムズといった欧米の有力防衛メーカーに部品を納入している。

多方面で進む民生技術の転用

 ここまで述べてきた製品とは異なり、まだ軍事分野での使用実績は乏しいものの、今後、転用が進むとみられている製品や技術も存在している。その一つが無人航空機だ。
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 ヤマハ発動機の農薬散布用ラジコンヘリコプターは、赤外線暗視装置付きカメラを搭載し、イラク復興支援に派遣された陸上自衛隊の宿営地の監視を担った。米ノースロップ・グラマンは、ヤマハのラジコンヘリと自社製のぼ律制御システム・情報収集システムを組み合わせたラジコンヘリを開発した。            
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 加工機械メーカーとして創業したフジ・インバック(横浜市)も、無人航空機の技術で世界から注目されている企業の一つだ。同社が開発した「B-Ⅱ」は、東京電力の福島第一原発事故の際、放射能のため有人ヘリが近づけない発電所の様子を撮影した。陸上自衛隊は導入を前提として試験を行っている。

 富士通などが世界に先駆けて研究してきたガリウムナイトライド(窒化ガリウム)を用いた半導体も、軍事分野への応用で注目されている。

 ガリウムナイトライド半導体を電波の送受信モジュールに用いるレーダーは、現在主流となっているガリウムヒ素半導体送受信モジュールを用いるレーダーに比べて、1・5~2倍の出力を得られる。レーダーで探知されにくいステルス機を探知する能力が向上すると考えられている。                       
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 帝人が大きなシェアを持つアラミド繊維は、ボディアーマー(身体防護服)や装甲車内の内張り装甲の素材などに用いられる。

  
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  http://www.daiwahouse.co.jp/robot/hal/                                                                               イメージ 32  三菱重工業大和ハウス工業などが開発するパワードスーツは重作業や医療・介護現場向けだが、軍事分野での応用が可能とみられる。米国では兵士の負担を軽減するものとしてこうした研究が盛んだ。                                                                                                               三菱重工PAS(パワーアシストスーツ)                                                                                               


ISの宣伝ビデオにはトヨタのピックアップトラック「ハイラックス」と多目的スポーツ車(SUV)「ランドクルーザー(通称ランクル)」がよく登場する。ISの奴らはトヨタのランドクルーザーのファンというのはあまりにも有名な話だ。頑丈さ、故障しづらさ、ISにかぎらず中東では日本車それもトヨタのランクルが絶大な支持を集める。

砂漠を走行中に車が壊れて動けなくなったら命の危険に曝される。砂漠で壊れずに動くクルマとしての信頼性が高く評価される為、韓国や中国製の軍用車など論外のようだ。過激派組織だけでなく中東の一般市民にも愛されている日本が生んだスーパーSUVランクル。




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2014年6月の迎撃実験で発射された地上配備型迎撃ミサイル(GBI)=米国防総省ミサイル防衛局提供・共同
【ワシントン=黒瀬悦成】米国防総省のミサイル防衛局は26日、今月30日に太平洋上空で初の大陸間弾道ミサイル(ICBM)迎撃実験を実施すると発表した。北朝鮮は米本土に到達可能なICBMの開発を加速化させているとされ、迎撃実験は北朝鮮の脅威をにらんでミサイル防衛技術の信頼性の確立を急ぐ狙いがある。

ミサイル防衛局によると、実験では太平洋のマーシャル諸島クエゼリン環礁にある「レーガン実験場」からICBMに模した標的を発射し、米西海岸カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地から地上配備型迎撃ミサイル(GBI)を発射して迎撃する。

GBIを使ったミサイル迎撃実験は1999年以来計17回行われているが、最近の成功例である2014年6月の実験を含め9回しか成功していない。

GBIはアラスカのフォート・グリーリー基地に32基、バンデンバーグに4基が配備されている。国防総省によれば今年末までに8基を増強する予定。
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                   Exoatmospheric Kill Vehicle

2017年5月15日の『朝鮮中央通信』は、前日14日に新型の地対地中長距離弾道ミサイルKN-008(火星12)中長距離弾道ミサイルの発射実験が実施され、高度2111.5キロまで上昇し、飛距離787キロを飛んで目標とする水域に着水し、「成功した」と報じている。

到達高度2000Kmは日本を狙ったミサイルではなく、米本土を射程に収めるべく開発中の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の前段階のミサイルである。

この5月14日のミサイル発射はロフテッド軌道で行われた。真上に近く打ち上げて高度を上げると、大気圏再突入時の速度を加速させることができる。そのことから、北朝鮮が主張するように、大気圏再突入時に核弾頭が衝撃、熱などに耐えて機能を発揮するかテストしたとの見方もできる。

米国は北朝鮮のミサイルに対して、GDI(Ground Based Interceptor)対ICBM迎撃ミサイルで迎撃する予定だ。あらゆる弾道ミサイルを迎撃できるポテンシャルを持っているが、迎撃ミサイルが巨大なうえ、「迎撃ミサイル発射施設」「追跡用レーダー」「管制システム」などを別々に運用する必要が出てくるため、非常に扱いにくいとの情報も拾いました。

少数の大陸間弾道ミサイル (ICBM) によるアメリカ合衆国本土への攻撃を想定してその迎撃能力の保有を目指す本土ミサイル防衛計画 (NMD) の一環として構想され、クリントン政権下の1996年より開発が始められた。続くブッシュ政権によって本土/戦域の区別を一本化されたミサイル防衛 (MD) へ引き継がれる。

ICBMのミッドコース段階はその飛翔経路の大部分を占めるため、迎撃側の対応時間が比較的長く得られるが、迎撃用のミサイルには長射程かつ大気圏外での迎撃能力が要求される。また、迎撃対象の探知と迎撃ミサイルの誘導管制についてもカバーすべき領域が広大なため、複数の長距離レーダーと宇宙配備センサーをネットワークで結び連携させる必要がある。

実際の迎撃手順は、早期警戒衛星(DSP衛星またはその後継となるSBIRS-High衛星)で敵対国からのICBM発射を探知した後、大遠距離の探知が可能な海上配備Xバンドレーダー(SBX)や機能向上型早期警戒レーダー (UEWR) で標的ICBMのコースを追尾し、得られた弾道情報を総合して戦闘管理および指揮・統制・通信センター (BM/C3) が迎撃を判断し、GBIを発射。宇宙追尾・監視システム (STSS) と称される低軌道の赤外線センサー衛星やXバンドレーダーからの情報を元に、GBIへ最新の目標指示データを渡しつつ迎撃コースに乗せる。

大気圏外に運ばれた重量70kgの迎撃体EKVはブースターから切り離され、冷却された赤外望遠イメージセンサーで標的であるICBMの再突入体を捉えて実弾頭と囮の識別を行い、4つのスラスターで自身の軌道を修正しつつ直撃する。迎撃体は炸薬を積まない運動エネルギー兵器であり、秒速7km以上の高速で衝突する際に生じる衝撃と熱で大量破壊兵器と目されるICBMの弾頭を無力化する。

諸元・性能 

全長: 16.8 m
直径: 1.27 m
推進装置: 3段式固体ロケット
発射重量: 12,700 kg
速度: 未詳
迎撃高度: 未詳 (2000km?)
迎撃半径: 未詳
弾頭: 大気圏外迎撃体 EKV (Exoatmospheric Kill Vehicle) - 液体推進薬スラスター
2013年3月、オバマ政権は、北朝鮮の脅威に対応して、フォート・グリーリーで二基目のTPY-2レーダーの日本への配備し、GBIを26基からさらに14基の迎撃ミサイルを追加する計画を発表したが、現在のところ36基である。欧州にGBI配備の計画をオバマは潰しており、オバマ政権の8年間で米軍は大きく弱体化した。弱体化させた罪は重い。
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TPY-2レーダー

ICBM攻撃に対する国の唯一の地上発射方式のミサイル防衛であるが2014年4月30日、政府会計検査院は、GBIシステムがすぐに機能しない可能性がある旨の報告書が提出された。
今まで、北朝鮮から弾道弾など飛んでくるものかと高を括っていたから、米国は慌てている。私の印象からすると、GDIの迎撃システムはSM-3ブロック2より劣るのではないか?
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GBIはこれまで迎撃試験が失敗続きで、
2014年6月までに、18回の実験のうち9回(50%)しか成功していない。
※Englshのwikiから左の表を作成、新聞記事は誤りだと思う

2010年から2013年の飛行迎撃試験は3回連続成功しなかったが、そこで2014年の試験では「EKV-CE2」弾頭の設計をやり直して成功し、予算がついた。

5月30日に予定されているのは、弾頭がはじめてCE-II Block-Iバージョンを使用する。

SM-3やPAC-3に比べ高高度の飛翔体を迎撃するので成功率が悪いのか?
イージスシステム・SM-3より明らかに迎撃成功率が劣る。イージスシステム・SM-3をより高高度の飛翔体を迎撃できるよう改良した方が良いのではないだろうか?

北朝鮮が米本土を狙うICBM完成が目前である。GBIの改良と増強は焦眉の急である。

【6/1追記】
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5月30日、米軍は、大陸間弾道弾(ICBM)による模擬攻撃をミサイル防衛システムで迎撃する実験が初めて成功したと発表した。米カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地で撮影(2017年 ロイター/Lucy Nicholson)

米軍は30日、大陸間弾道弾(ICBM)による模擬攻撃をミサイル防衛システムで迎撃する実験が初めて成功したと発表した。北朝鮮からのミサイルに対する防衛態勢強化の取り組みが大きく前進した形だ。

実験はマーシャル諸島のクェゼリン環礁からアラスカ南部の海上に向けて発射したICBM型ミサイルに向け、カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地から迎撃ミサイルを打ち出した。

国防総省ミサイル防衛局(MDA)によると、ボーイングが運用する地上配備型ミッドコース防衛と呼ばれるミサイル防衛システムにとっては、模擬ICBMに対する初めての実射実験が「信じられない成果」を挙げたという。

MDAは「このシステムは米本土防衛にとって極めて重要で、非常に現実味のある脅威に対して有能で信頼できる抑止力をわれわれが持っていることが、実験で示された」と述べた。

北朝鮮は米本土を攻撃できるICBM開発を急ピッチで進めている。米本土と北朝鮮の距離は約9000キロメートルで、ICBMの射程距離は最長1万キロメートルを超えるものもある。

[ワシントン/バンデンバーグ空軍基地(米カリフォルニア州) 30日 ロイター]

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★米海軍レイルガン開発の最新状況
【航空宇宙ビジネス短信・T2】2017.5.22 

レイルガンは砲弾自体の運動エネルギーで標的を破壊する構想ですが、莫大な電力が必要となるのがネックですね。海軍艦艇で対応が可能な艦が限られます。一方で並行して開発がすすむ新型砲弾HVPは既存火砲での運用も可能で効果が期待できます。

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By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on May 19, 2017 at 4:00 AM
http://breakingdefense.com/2017/05/navy-railgun-ramps-up-in-test-shots/

PENTAGON: 重量35ポンドの金属の塊がマッハ5.8で飛翔すると想像してほしい。毎分10回発射でき、砲身が使えなくなるまで1,000回発射できる。これが米海軍が進めるレイルガンで二年間以内に実用化する構想の進捗は順調だ。

「大きな技術進歩に向かいつつあります」と海軍研究部門のトム・バウチャー部長は述べる。バウチャーのチームが記者にペンタゴンで背景説明をしてくれた。省内での科学技術の展示会の席上だ。

イメージ 2三年前、当時の海軍作戦部長ジョナサン・グリナート大将がレイルガン開発を発表した。                               火薬を使わない電磁パルス効果の発射手段で海上試射をすると述べた。それ以降海軍は開発の方向性を変え、高速輸送艦(JHSVあるいはEFPと呼ばれる)に臨時配備するより陸上の恒久施設でのテストが費用対効果が高いと判断した。                                                                                                  昨年11月17日にポトマック川を望む海軍水上戦センター(ヴァージニア州ダールグレン)にBAEシステムズが32メガジュールのレイルガンを設置し、初の射撃に成功した。(その時の様子はhttps://youtu.be/Pi-BDIu_umo を参照されたい)さらにレイルガン二基目が陸軍のホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ州)に搬入中で射撃用の空間が十分とれることから100カイリ以上という最大射程をためす。

ホワイトサンズが長距離射撃性能を試す一方でダールグレンは兵装装備の確認が目的だ。これまでのテストでは中世さながらに砲撃を一日数回行っているだけだ。ダールグレンはバグ修正で毎時数回の発射をしようとしており、今年末までに毎分10回という目標の実現をめざす。比較すれば標準的な5インチ艦砲は毎分20発発射が可能だが、一分間で弾倉が空になる。戦艦の16インチ主砲は毎分二回だった。

毎分10回発射が可能となれば、ダールグレンは次に研究課題の中心を砲身寿命に移す。10年前の研究段階のレイルガンは発射一回で摩耗していた。莫大な圧力に耐える新素材で砲身の実現を目指すが現時点の試験用兵器では発射100回で砲身交換となる。目標は1,000回発射に耐える砲身の実現だ。

次の課題は出力だ。現在のレイルガンは 16 kg 弾を秒速2千メートル(マッハ5.8)で発射すると32メガジュールを毎回消費する。10回発射すれば20メガワット電力が必要だ。これだけの電力を供給できるのは原子力空母11隻とズムワルト級駆逐艦の3隻しかない。

レイルガン発射には付帯設備が必要だ。一つのモデルがダールグレンにあり、海軍は20フィートコンテナー複数にバッテリーを満載し50回発射を可能とした。元海軍の戦略思考家ブライアン・クラークはレイルガンをEFP改装の輸送艦に搭載し、電源を貨物スペースに入れミサイル迎撃手段に転用できると述べている。
イメージ 3                                          レイルガン技術は現行の火砲にも応用できるので陸軍も欲しいはずだ。ペンタゴン戦略戦力整備室の支援を受けて、陸海軍は超高速発射弾Hyper-Veolocity Projectilesをレイルガンで実験しており、既存の5インチ海軍砲から155ミリ榴弾砲への応用も想定している。(HVPとしては共通だが異なる送弾筒sabotで包んでいる) 電磁インパルスの代わりに火薬を使うと初速は低くなるが5インチ砲でHVPを発射すると30カイリと通常の二倍程度の射撃が可能となる。

HVPは火薬で発射できるがあらゆる点でレイルガンには匹敵しない。電磁発射式兵器は長距離に加え命中時の打撃効果が大きく、高性能火薬弾頭は不要となる。ただし巡航ミサイル迎撃のような重要任務の際はHVPを発射する火砲が30カイリ程度の範囲で第二防衛ラインを形成する。100マイルまでの長射程では大型レイルガンが対応することになる。■




Blitzer railgun tests continue 電磁レールガン試験が続いている
【SHEPEHARD】by Alice Budge in London2017年5月12日- 14時39分

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General Atomics Electromagnetic Systems(GA-EMS)社は5月10日、3MJ (メガジュール)の電磁レールガンシステムからの超音速発射体の試験発射を成功したと発表した。

米軍Dugwayユタ州試験場で電磁レールガンから砲弾が3000ガルの加速度で複数の発射試験が行われた。

Missile Defence and Space Systems部門ニック・ブッチー副社長は、同社が「電磁レールガン・システムと極超音速発射能力の向上に過去1年間で成功を収めている」と語った。

ブッチー氏はまた、GA-EMS社は、今年後半に 10MJ(メガジュール)のレールガンシステムを使用して別の一連の試験を実施することになっていると述べた。

(砲身に当る)ガイダンスエレクトロニクスユニット(GEU)が強化された超音速発射体も、飛行中の発射体と発射機との間に連続的な力の動きを実証しました。

GEUに加えて、新しい軽量コンポジットサボットがテストされ、サボットの分離が成功し、高い加速レベルでボア構造の完全性が証明されました。

このテストは、システムがDugway 試験場に移る前に、米国陸軍のMUIX(Manuuver and Fires integration Experiment)オクラホマ試験場で、2016年4月に発射が成功したことに続くものです。

GA-EMSによって技術蓄積された電磁レールガンは、ランチャー、高密度パルス電源、武器火器管制システムを含むテストの賜物です。

GA-EMSはまた、既存のパルス電力システムのエネルギー密度を2倍にする高エネルギー脈動コンテナ(HEPPC)の開発と完成を発表しました。

HEPPCは、発射体を発射するのに必要なパルスパワーの出力を低減し、将来の海軍および軍用のレールガンアプリケーションに大きな柔軟性を提供するように設計されています。



2016/5/14(土) 午前 11:57 

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もしこのまま、レールガンが進化すると、100年前の大艦巨砲主義が復活するかもしれない。

ネットで検索していましたら、「プラモな気分」さんが戦艦 長門を近代化改修後・ヘリ搭載型にしたプラモを製作した、という画像があったので参考に、利用します。
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40cmの連装第一砲塔をそのままレールガンに利用。巨大なガスタービン用煙突はCOGLAGガスタービンエレクトリック・ガスタービン複合推進方式
模型のVLSは64セル程度だが、策源地攻撃用に巡行ミサイルも搭載するので、もうちょいとほしい。
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模型より甲板をもう一段上げ航空戦艦伊勢のように格納庫を確保したいところです。
模型では対艦ミサイルが搭載されていますが、CIWSや高出力レーザー照射機も搭載したい。
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大電力の発電プラントを積み、弾道弾迎撃用に複数のレールガンと高出力レーザー照射器を搭載する、そうなれば行き着く先は戦艦大和級の6万トンの護衛艦が誕生・・・しないかなぁ(願望)

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米国海軍のレールガン開発計画は、海軍研究プログラムのマネージャーのトム・ブーシェによれば、大きな技術的進歩を遂げているとのことです。

海軍は現在、陸上の試験場にレールガンを設置し研究に取り組んでいます。これは、予定していた高速輸送に臨時に設置するよりも、より少ないデータでより多くのデータを得ることができるからです。

バージニア州とニューメキシコ州で新たに32メガジュールのレールガンが設置され、発射された。

ホワイト・サンド(ニュー・メキシコ州)は発射体の長距離性能をテストし、Dahlgren(バージニア州)は兵器システム開発の担当をしている。以前のテストショットは1日に数回しか発砲していませんでした。Dahlgrenチームは現在、問題を解決するために1時間に複数のショットを試験しており、年末には1分あたり10ショットの目標に達する予定です.b比較のため、標準の5インチ艦砲は20発入りクイックリロードドラムが1分で空になりますが、戦艦の16インチの銃は約2分毎に発砲した。

一分間に10発発射した場合、砲身の寿命としては1000発以上レールガンから発射することが可能となる。

現在のレールガンは、毎秒2,000メートル(マッハ5.8)で16キロの砲弾を発射し、1回の発射で32メガジュールのエネルギーを奪う。
10分で20メガワットの電力が必要です。
11隻の原子力空母と3隻のZumwaltクラスの駆逐艦が、現在、レールガン用のパワーを持っています。

海軍のストラテジスト、ブライアン・クラーク(Bryan Clark)は、EFP輸送を適切なレールガン・プラットフォームに変換するために、蓄えられたミサイルを撃墜するために、バッテリーで満たされた貨物コンテナを追加することを提案している。1つの容器内の電池は、約10発の電力を供給することができる。



また、北朝鮮がミサイルを発射した。
驚くべき執念だ。戦時下である彼らは新兵器開発に時間を厭わないのであろう。

だが、金正恩君あと2年待ってくれないかなぁ
そうしたら、正恩君がロケットを纏めて打っても全部撃ち落とせるレールガンが早くもあと2年で米国で実用化するかもしれない。急ピッチで開発が進んでいるのだ。

残念ながら日本平成29年度今年から開発を始め15~20年後に実用化を目指す悠長な計画である。
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新型兵器「レールガン」は従来の武器の概念を根底から覆す                                                              火薬を使わずに長射程、高破壊力を誇り、1分間に10発の速射を低コストで実現する-。そんなSFの世界から飛び出したような新兵器の研究・開発に防衛省が本格着手する。同省が平成29年度予算案の概算要求で研究費21億円を盛り込んだレールガン(超電磁砲)だ。

レールガンは砲身のレールと、弾丸に取り付けられた電気の通り道に当たる電機子に大量の電流を流し込み、磁場を発生させる。これで得られた力が推進力となり、発射方向に弾丸が飛び出していく。火砲で発射時に用いられる火薬は不要だ。

防衛省は155ミリ榴弾砲などに代わりうる兵器開発を念頭に29年度から5年間かけて試作レールガンを作成。秒速2000メートル(時速7200キロメートル、マッハ約5.8)の高速度を実現し、砲身の耐久性向上も目指す。その後は蓄電システムの小型化や、高速の発射に耐えうる超高速飛翔体(HVP)の開発にも取り組み、15~20年後に実用化を目指す計画だ。

開発で先行する米国のレールガンは、速度がマッハ6(時速7344キロメートル)で、射程は約200キロ。高速度によって得られた運動エネルギーにより爆薬がなくても着弾時に大きな破壊力が得られる。艦載砲、地上砲双方で対地・対艦・対空すべてに活用でき、ミサイル防衛でも中心的役割を担うことが期待されている。

1分間に10発の速射が実現すれば、中国などによる大量のミサイル飽和攻撃に対処することが可能となる。火砲の砲弾と比べて重量が格段に軽いため大量の弾丸を艦艇に積み込むことができ、補給頻度が少なくなることで作戦展開する時間が長くなる。

つまり、遠くの敵に対し、破壊力抜群の弾丸で素早く大量に長時間攻撃することができるというわけだ。

こうした性能を獲得できれば、アジア太平洋地域で米軍の自由な行動を許さない接近阻止・領域拒否戦略を追求する中国の意図をくじくことにつながる。米海軍研究局がレールガンについて、戦争の様相を決定的に変える「ゲームチェンジャー」と位置づけているのはこのためだ。先端技術の圧倒的な優位を確保することで中国やロシアとのパワーバランスを有利に導く米国の「第3のオフセット戦略」でも有望な分野と目されてきた。

とはいえ、レールガンはなお開発途上にあり、年内に計画されていた米軍による洋上試射が来年以降に遅れるとの観測もある。

「われわれはレールガンを追い求めてきたが、(レールガン用に開発した)超高速飛翔体を火砲から発射してもレールガンとほとんど同じ効果を得られることが判明した」

今年5月2日、第3のオフセット戦略の旗振り役でもあるロバート・ワーク米国防副長官は、ワシントンで行われたシンクタンク・大西洋会議での講演でこう述べた。

米政府はすでに5億ドルの予算をレールガン開発に投入しているが、課題は山積している。レールガンは日本の家庭約7000世帯の年間使用電力に当たる25メガワットの電力が必要とされ、これに対応できるのは、米軍内でも最新鋭ズムワルト級ステルス駆逐艦などに限定される。レールガンが発する高熱による砲身の損傷を克服しなければ1分間で10発の速射もかなわない。

ただ、ワーク氏自身は「レールガンと火砲の両方を開発する十分な資金がある」と述べており、米国のレールガン開発は現在も続いている。同じ超高速飛翔体でも火砲よりレールガンで発射したほうが高速度を得られるのも事実だ。

防衛省が研究・開発に着手したのは、「今から準備してどこまで可能か実際にモノを作って見極める必要がある」(防衛省関係者)ためだ。実際にレールガンが実用化した場合に米国からの協力を引き出すためには、日本の技術がゼロでは米国から相手にされないか、調達価格をふっかけられかねないという事情もある。

研究開発費は米政府と比べると遠く及ばないが、防衛省内には「素材技術など民間企業の優れた技術を生かせる余地があるかもしれない。砲身の耐久性をいかに上げるかという点で貢献できる可能性はある」との声もある。5年後以降は蓄電システムの小型化などにも期待が集まる。(杉本康士)
射程200kmといえばちょうどTHAADの射程であり、PAC3よりも有効なミサイル防衛システムになるかもしれません。

原発に配備すれば原発の膨大な電力で弾道弾を叩き落とせるかもしれません。
日本も一刻も早く開発配備を願いたい。


執筆中

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