Ddogのプログレッシブな日々@ライブドアブログ

政治経済軍事外交、書評に自然科学・哲学・聖地巡礼・田園都市ライフ、脳の外部記憶媒体としてこのブログを利用しています。2020/11/30以前はGoogle検索でキーワードを入れると常に上位にありましたが、日本のトランプ大統領デモを紹介した記事が米国でバズって以降検索アルゴリズムから排除され検索ヒットされにくい状態です。是非ブックマークをお願いします。このブログをご訪問していただいた方の知識や感性として共有できれば幸せに思います。

タグ:食べ物



相撲部屋でちゃんこ体験したり、ビストロスマップのスタジオ見学をして東京で3週間東京の過ごしたマイケル・ブース一家は次に北海道を訪れた。

[3of3]日本食の旅~北海道~2011「日本語吹き替 

8 カニとラーメン――北海道 1

サッポロの新ラーメン横丁でマイケル・ブース氏は、カニとバターコーンみそラーメンの洗礼を受ける。
p102-103
適当に店を選んで入り、カウンターの前に腰かけて待つと、熱々の鉢に入ったバターコーンラーメンが現れた。うず高く重なったスライスしたローストポーク、冷たいバターのキューブ、缶詰のスイートコーン、細く刻んだネギ、のりのシート、半分に切った茹で卵、それが全部、たっぷり入って絡み合う縮れた麺の上に載っている。

センセーショナルだった。それまでに食べたラーメンのなかで最高だった。最初に陶器のスプーンで汁をすくったとき、油が浮いているのが気になったが、それを□に入れたとたん、ラーメン天国にいる気分になった。ポークの味がして、ほどよく脂ぎっていて、塩とニンニクがしっかりと効いて、冷たいバターとコーンが焼けるように熱いスープにさらされた口のなかにショックを与えてくれる。ネギはピリリとした辛みで歓迎してくれ、ラー油はマゾヒズム的余韻を残してくれる。これほど満足なスープはない。

本当は、ラーメン店を少なくとも3つは回るつもりでいた。でも、この最初のラーメンを最後のひと口まですべて食べ尽くしたいという衝動を抑え切れず、ものすごい量を全部食べてしまったせいで、支払をしようと立ち上がったらお腹がチャポチャポとみっともない音を立てて、これ以上何かを食べるなんてもう考えられなかった。


p104-105
この経験のおかげで、その後数週間、僕は奇妙な感覚に襲われ続けた。北海道から南へ向かって移動するにつれて、北海道の力二が恋しくなったのだ。列車のなかで、飛行機のなかで、順にはあのとらえ難い風味がよみがえった。その風味の大部分を占めるのは食感で、生の力二身の半分液体で半分固体の不思議な味わいは、舌の上で余韻を楽しもうにも、早々にかき消されてしまう。 

こういうことからも、日本人の食感に対する意識が異常なほど洗練されていることがはっきりとわかる。日本人は口に入れた食べ物の舌触りを味と同じように重視し、料理の温度についてはさほどではないものの(なにしろ、温かい料理はやけどするほど熱々にするのが、デフォルト設定だから)、食感についてはとてもきめ細かいニュアンスを大切にする。クラゲの奇妙な噛みごたえとか、もち(米粉のお菓子)の柔らかいゴムみたいな感触とか、パン粉のサクサクとした小気味よい感じとか。もっとすごいのは、たとえば、さまざまなお菓子やデザートに詰め物として使われる小豆ペーストや調理したヤマイモのパサついた食感も、日本人は喜ぶということだ。                                                  
食感のバリエーションとコントラストは、今回の日本食べ歩き旅行で得た最大の発見だった。ひとつの料理のなかで、あるいは食事全体のなかで異なる食感を組み合わせることについては、日本人から学ぶべきことがとてもたくさんあるはずだ。それを学べば、食に対する身体の感性は鋭くなるに違いない。

札幌の力二は、味覚倒錯しそうなくらい官能的だった。僕は今でもあの力二万恋しくて、なぜ札幌にいる間に、もう見るのもいやだと思うようになるくらい毎日でもたらふく食べなかったのかと心から思う。気に入った食べ物を見つけたときの僕にしては珍しいことで、僕の食べるキャリアのなかでもずっと後悔していることのひとつだ。昔から僕は、ミルキーウェイから玉ねぎのピクルスに至るあらゆるジャンルの食べ物で、好きなものと出会ったら最後、うんざりするまでとことんそれを食べ続ける。なのにこのときは、飽きるほど食べる価値があるものにせっかく出会えたというのに、一度味見をしただけですませてしまったのだ。今後の教訓にしたいものだ。 

30分後、リスンや子どもだちとと合流した僕は、ラーメンを絶賛した。膨らんだ腹と消化不良で苦しそうにしている僕を尻目に、3人はラーメン横丁へ連れていけと要求した。

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日本人の食感のこだわりを見抜いたマイケル・ブース氏の感性は鋭い。
ところが、食感を大切にする日本蕎麦の記述がない・・・マイケル・ブース氏に極上の日本蕎麦を食べさせてあげたかった。





9 海藻のキング――北海道 2

p114-115
 僕は、太平洋に面する町、南茅部町に着いてからも、2メートル80センチほどもある毛むくじゃらの肉食動物がいはしないかと、展望台から恐る恐る周りを見渡した。南茅部町は、北海道でも最高級の昆布の生産地として有名だ・日本の昆布の15パーセント以上――年間売上額100億円規模――がこの地域で収穫され、天皇にも献上しているらしい。                             
この大きくて緑色をした動物の皮のような姿の海藻が、日本の食事にとってどれほど大切かは計り知れない。日本人は50種類もの海藻を食べるが、昆布はそのなかのキングだ。だし汁に、必ず使われる材料でもある・伝統的な精進料理では、本のなかにひと切れの昆布を数時間浸しておいただけのだし汁を使う場合もある――繊細で禅らしい清涼感加ある海の味わいがして、うまい。         
昆布の使い道はだし汁を取るだけじゃない――汁物、ソース、酢の物、ころもとつゆなど、無数に用途があるところをみると、日本料理においては聞違いなく相当高い地位にある。酢に浸してから乾燥させて薄く削ればとろろ昆布となり、それを、のりの代わりに味噌汁に入れたりもする。水、醤油、みりんに砂糖を加えて煮てから塩をまぶせば、塩昆布のでき上がりで、家庭のおやつとして食べる。サバ鮨を包むのにも使われる。そして、味の素社を懲らしめてやろうと思って訪問したときに知ったのだが、昆布には、言うまでもなく、天然物質のなかでも特にグルタミン酸が豊富に含まれていて、そのことがMSG「グルタミン酸ナトリウム]の開発につながった。

健康と長寿で知られる日本人にとって、昆布がとても重要な食材に違いないと思うのには、ちゃんとした理由がある。日本人が食するもののなかで、昆布は、カリウム、鉄、 ヨウ素、 マグネシウム、カルシウムなどのミネラルを何よりも多く含んでいて、ビタミンBやビタミンCも豊富で、そのうえ、解毒作用もあると考えられている。海藻には、がんの予防効果があるとされるリグナンも含まれている。しかも、あたり前だけど、脂質もカロリーもゼロだ。2ヵ月ほど後に知ることだが、
沖縄県のひとり当たりの昆布消費量は日本一多い。日本一どころか、世界一長寿なのはどこの住民か? 答えは沖縄だ(熊の数がずっと少ないことが、長寿の理由のひとつだと思えてならないけど)。
昆布に言及していることは、本書が外国人の見る和食の本としてレベルが高いことを物語る。





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イギリスの「食いしん坊(グルマン)」が服部幸應、辻芳樹から饗されたご馳走とは? 
デパ地下の夕張メロン、思い出横丁の焼きそば、相撲部屋のちゃんこ、道頓堀のお好み焼き、札幌ラーメン、博多ラーメン、京都の鯖鮨、那覇の紅芋アイス、鯨の刺身、生タラバ……。日本の食の現場を「食いしん坊」と「ジャーナリスト」の眼で探し、見つめ、食べまくったイギリス人による異色の食紀行!
村上春樹の「女のいない男たち」に続いて一気読みする本に出会えた。

味音痴のアングロサクソンに日本食の奥深さがわかるか!と思って読みだしたのだが、とても面白い!何か面白い本はないかと聞かれれば、この本をお勧めします。
著者マイケル・ブースはパリの名門料理学校「ル・コンドン・ブルー」で1年修業を積み、ミシュラン三ツ星レストラン、ジュエル・ロブションのレストランで働いた経験を持つ、イギリス人のフードジャーナリスト兼トラベルジャーナリスト。

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本書はいわゆる日本料理の名店をめぐるようなガイドブックではない。著者マイケル・ブースが家族とともに日本中を食べ歩きした旅行記。3カ月の間、東京、北海道、京都、大阪、福岡、沖縄と移動をしながら、多種多様な日本食をとにかく食べまくる。日本食に夢中になった外国人は数多いるが、三ツ星レストランの元シェフで、口の悪いフードジャーナリストが、日本人も知らない日本食の神髄を味わい尽くす美食旅行記だ。
ちなみに原書名は ”Sushi and Beyond:   What the Japanese Know About Cooking”
ちょっと・・・酷いタイトルだ

1 トシがくれた一冊の本――パリ
p8-9
「ふん、そんなにデブつてるんじゃ、自分のあそこだって、もう何年も拝んでねえだろ!ズボンだってパンパンじゃないか。月みたいにまん丸な巨体を見せつけられちゃあ、お天とうさまは沈むしかないぜ!」

トシの口の悪さは相変わらずだ。しかも、フランス料理と日本料理の相対的価値に関するきわめて節度ある議論をしていたはずなのに、こんなにいい加減な結論になるなんて。

先日トシと一緒に、ノルマンディ海岸の港町、オンフルールにある、Sa・Qua・Na(サカナ)という名のあるフレンチ・レストランヘ行った。シェフのアレクサンドルーブールダは、フランスで人気急上昇中の料理界のスターで、僕としては、彼の軽やかなタッチや食材の鮮度について無邪気な感想を言っただけなのだが、彼の料理を日本料理と比べてしまったのは、考えてみれば軽はずみではあった。ブールダが3年ほど日本で働いていたのを知ってたものだから、彼の料理は、彼自身が日本で□にした食べ物の影響を受けているとやんわり匂わせることが、さほど見当違いだとは思えなかったのだ。

そういう話が友人のカツトシ・コンドウを怒らせるということは、初めからわかっていたはずなのに。

「おまえに、日本料理の何かわかるっていうんだよ、えっ?」トシは、吐き捨てるように言った。「日本料理について、何か知ってるとでも言うのか? 日本でなきゃだめなんだよ! このヨーロッパじゃ、味わえないさ。あの男が作ってるのは、日本料理とは似ても似つかないね。あれに伝統があるのか? 季節があるのか? 精神があるってのか? Tu connais rien de la cuisine Japonaise. Pas du tout!〔おまえには日本料理なんてわかりっこない。わかるもんか!〕」これまでのつき合いから、こういうようにいきなリフランス語が飛び出すのは、よくないサインだとわかっていた。トシが爆発しないうちに、何とか反撃しないといけない。

「充分わかってるさ、すごく味気ないってことは。日本料理なんて見かけばっかりで、風味のかけらもないじゃないか。あれに楽しみがあるのか? 温もりがあるのか? もてなしの心があるってのか? 脂肪もなけりや味わいもない。どこがいいんだよ? 生の魚に、ヌードルに、揚げた野菜だろ、しかもみんな、盗んだ料理だ。タイとか、中国とか、ポルトガルから。まあ、どこだって関係ないか。だって、何でもかんでもショウユに突っ込むだけだから、みんな同じ味だよ。いい魚屋がいて、切れる包丁さえあれば、日本料理なんて誰だって作れるね。違うか? タラの精巣にクジラの肉だって?ぜひともお目にかかりたいものだね」

導入部として、本当に著者が日本料理に対する偏見を口悪く書いておいて、日本に来るや否や日本食に魅了されるという構成だ。だが、この偏見は10~20年前日本食に対する知識がなかったころの欧米人の日本食に対する一般的な見方であったろうと思う。

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トシから1980年に出版された辻静雄Japanese Cooking:A Simpie Art』という本を手渡され、読み進むうちにどうしても日本に行って日本食を知らなければ、という気持ちになり、妻(リスン)に打診すると、思いもよらなかった返答が。

日本にバカンス気分で同行することを熱望した妻とすでに偏食のキライのある長男アスガー(6歳)とやたら吐くクセのある次男ミエル(4歳)と3ヶ月間という期間で、日本食の調査という名目で、家族での大移動・・・・
2.新宿・思い出横丁――東京1

思い出横丁は外人の日本グルメの定番のような気もします。些かエスニックな思い出横丁を子ずれの外人家族が体験する初の日本食・・・として日本人を知っている読者の興味をそそる掴みとしてはGood Job!

p29-30
新宿駅は、それ自体が自己完結したひとつの街だといってもいい。デパート、レストラン、オフィス、バーなど、すべてが線路の上と下にそろっている。電車に乗らずに、1日中駅のなかですごせるほどだ。僕らはたちまち歩道の迷路で迷ってしまったものの、運よく日本最大級のデパートの食料品売り場、いわゆる「デパ地下」にたどり着いた。
日本の有名デパートには、たいてい、巨大なスーパーマーケットとさまざまなテイクアウトショップが合体したような売り場が地下にある。ありとあらゆる生鮮品、思いつく限りの加工食品、そして欧米人やアジア人の想像を超えるようなでき合いの料理が数限りなくある、驚くべき場所だ。
しばらくぶらぶらしただけで、僕は食品誘導性のトランス状態に陥リ、他の3人は興味がなさそうにしながらも感動していた。鮨屋並みのクオリティーがある、パック入りの作りたての鮨、ずらりとならんだ天麩羅、とんかつ、豆腐、おぎにり、黒くて甘いたれの下でギラギラ輝く焼いた鰻――そこには現代日本の食が凝縮されていた。
その通りである。

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p34に載っている思い出横丁のワンショットだが、立ち読みをした時にこの写真が最初に目に飛び込んできた。このワンショットこそ本書の魅力かもしれない。
p35-36
僕にとって、バーベキューはいつも心配の種だ。肉はたいてい焼けすぎか、生焼けか、焦げているかのいずれかで、ときにはその3つがそろっていることもあり、普通にオーブンで焼くのに比べると概してできがよくない。けれども日本人は、他のどの国の人よりも炭火の扱いに長けているうえに、単純ながらも画期的な工夫をしている――良材を小さくしているのだ。
「焼き鳥」というのは、文字通り焼いた鶏肉だが、アスパラガスやウズラの卵、トマト、その他のいろいろな野菜なども同じようにして焼く。大切なのは、肉をひと口大にカットして串に刺してあるということでヽ1本の串に肉が3切れほど刺してあり、肉と肉の間に短く切ったネギ――とても柔らかいリーキ(※ネギ)――が挟まっている。串はどれも炭焼きグリルで数分焼き、たれをつけてもう一度炭火にかざしてから客に出す。特別身体にいい食事ではないけれど、クリスタル・メス(※覚せい剤)みたいに病みつきになるので、麻酔薬を使わずに子どもたちに野菜を食べさせるにはなかなかいい方法だった――薬を使うなんてコストパフォーマンスが悪いし、リスンには倫理的に問題だと言われた。
レバー、歯ごたえのある砂肝(鶏にある筋肉でできた器官で、食べたものを消化器に送る前にすりつぶす役割を果たす)、皮、心臓などは、どれも焼き鳥のメニューには欠かせないものだが、その日、ガラスケースのなかに、ひとつだけ何かわからない素材があった。僕は、せっかくの機会逃したくなかったので、それをひとつ注文した。たれがかかっているせいで特別な風味は感じられなかったが、プラスチックをバリバリ噛んでいるような、変わった食感があった。
それは軟骨――鶏の胸肉の先端部だった。いかにもおいしそうというわけではなかったが、エミルはすべての串を熱心にかじり、結局レバーまで平らげた――甘いたれのパワーには、ひざまずくしかない。

焼き鳥に対するマイケル・ブース氏の分析もなるほどと思った。それに焼き鳥は野菜嫌いのこどもにネギを食べさせる最良の方法かもしれない。

5.特上級の天ぷら――東京4
p69-71
注文したのは、シラス、イカ、ウナギ、エビだ。エビの頭は後から出てくると聞いて、アスガーとエミルは仰天していた。どれもこれも、絶妙の味わいだった。カリッとしていて、衣が油で光っているのに食べてみると全然油っぽくない。なかの魚は、しっとりとして熱々で、最高だ。最後に登場したのは、思わず舌鼓を打つ、小さなアサリが入った香りのいい味噌汁と、エミルの手の指先はどのホタテがごろごろしている栗色のフリッターがご飯の上に載っか、かき揚げの天丼というものだった。これが出てくるのは、食事がもう終わるという合図だ。アスガーとエミルでさえ、あんなに歩いたかいがあったと認めた。そして天ぷらは、パスタとケチャップを押しのけて、彼らの好物のトップに躍り出た。

(略)

新しい客が何人か入っていたが、厨房での仕事を見せてもらえないかと頼んでみ
た。
 あんなにカリカリした、ちょっと大目の小枝みたいなきつね色の衣のなかに、ふわふわで熱々の野菜や魚が入っているのはなぜか。僕はその秘密を知りたくてうずうずしていた。イギリスのフィッシュ&チップの衣と、どうしてこんなにも違うのだろう?
フィッシュ&チップの衣は、ぺったんとして油でべとべとで、中身はたいてい火が通りすぎている。

「魚の知識があるかどうかで決まります」料理人は狭いオープンキッチンのなかで、そう説明してくれた。火にかけた油の熱気で、顔がほてってくる。「それから、野菜ですね。季節と。油もね。
それに、衣。私は10年修行しました。衣を混ぜるのを許してもらったのは、つい1年前です。
僕はランチタイムの間に、何とかしてマスターしたかった。辻静雄の本には、「もともと揚げ物の技術は、何世紀も前にヨーロッパや中国から日本に入ってきたものですが、日本人はそれを最高に洗練された料理に高めたのです」と書いてあった。そして、そこから先には、できあがっか天ぷらを載せる紙の折り方が念入りに記されていた。すごいこだわりだ。

その日、その料理人も、ちゃんと秘訣を教えてくれた。まずは衣だ。材料は、小麦粉と水と卵だけだが、水は冷たく冷えていないといけない。彼が使う粉は、彼のオリジナルのブレンドで、ベーキングパウダーや米粉が入っている。そして卵は、日本の濃厚な卵を使う。ボウルに入れるのは、粉、水、卵の順だ。作った衣は直ちに使う(フィッシュ&チップスによく使うビール入りの衣のように、冷蔵庫で寝かせたりはしない)。

もうひとつの秘訣は、何があっても絶対に衣を混ぜすぎないことだ。その店の料理人は、箸でさっと混ぜただけだった。
「ボウルの縁に、粉の塊がくっついているじゃないですか」と僕は言った。混ざっていない衣の塊は、とても気になる。泡だて器を突っ込んで混ぜたくなってしまう。でも、彼は、謎めいた微笑みを浮かべて言った。「塊があっても構いませんよ。それを箸で油のなかへ入れて、温度を確かめるんです。ころもを混ぜたりつけたりする箸と揚げる箸は別にして、使い分ける必要があります」
贅沢な!毛唐には天丼てんやで十分だろう。フィッシュアンドチップスと比べるなら てんやでもマイケル・ブース一家は涙を流すほど旨いと絶賛するだろう。 

執筆中


[2013.6#1]トピックス 「英国一家 日本を食べる」 


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某駅前のウェンディーズ

<東証>ゼンショーが小動き 「ウェンディーズ」撤退はプラス評価も
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/chumoku.aspx?id=ASFL11020%2011122009
(9時20分、コード7550)小動き。前日終値である623円近辺で推移している。前日にハンバーガー店「ウェンディーズ」事業から撤退すると発表したが、現時点で目立った反応は出ていない。ウェンディーズは現在、国内で約70店舗を展開しているが、運営子会社の日本ウェンディーズ(東京・港)の2009年3月期の売上高は62億円と、ゼンショーの同期(3101億円)に比べると規模は小さい。ゼンショーも「今期(10年3月期)業績への影響は軽微」としており、株価を大きく動かす材料としては受け止められていないようだ。

 ただ、市場では「収益への影響こそ限られるが『選択と集中』の決断は評価できる」(SMBCフレンド調査センターの田中俊主任研究員)との声も聞かれる。ウェンディーズは1月以降は営業せず、グループの牛丼「すき家」などに転換もしくは閉鎖する計画。目先の改装費用などはかさむものの、将来的にはウェンディーズより集客や収益の増加につながる可能性もある。田中氏は今後の株価について「牛丼の値下げで12月の既存店売上高が回復するかを見極めたい」と話していた。〔NQN〕

いったいどこのどいつがプラス評価だと云うのだ!バカヤロウ!

原宿の交差点から少し青山通り寄りにある表参道の「ウェンディーズ」が「すき家」になるのはなんとなく抵抗あるな・・・表参道のブランドが下がりそうだ。

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「ウェンディーズ」全店、年内で閉店
ハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」の全71店舗が12月31日に閉店する。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0912/11/news057.html
日本ウェンディーズは12月11日、ハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」の全71店舗を31日に閉店すると発表した。

 「約30年間、みなさまの温かいご支援のもと『パティのおいしいウェンディーズ』として営業を続けさせていただいたことを、心から感謝申し上げます」とし、「ぜひ一度今月中にウェンディーズへお越しください」と呼び掛けている。

 ウェンディーズは、ダイエー創業者の中内功氏(故人)が米国でWendy'sを知ったのを機に、ダイエーグループが1980年5月、東京・銀座で1号店をオープン。2002年12月からゼンショー傘下に入った。

 ゼンショーは10日、事業の選択と集中のためウェンディーズ運営から撤退すると発表していた


【ウェンディーズ】
http://www.nihon-wendies.co.jp/


私は、チリビーンズ、正式には「チリ・スパイシーソース付き」(S:¥99-) (M:¥190-)(L:¥290-)が大好物でございました。

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ゼンショーに買収される前のウェンディーズのチリにはトッピングメニューにオニオンがあって、オニオンたっぷりで・・・旨かったなぁ・・・。(オニオンのトッピングを無くすからこんなことになってしまうんだ!なんてことないか。)
【ウェンディーズ メニュー】http://www.nihon-wendies.co.jp/menu_hamburgers/index.html
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地方に転勤していた時にも渋谷の宮益坂を上がって歩道橋を越え金王坂上のウェンディーズ(今は無い)で何度チリを堪能しただろうか。東京・神奈川でしか見かけないウェンディーズは「ウェンディーズ=東京」というイメージすらあった。改めて店舗マップhttp://www.nihon-wendies.co.jp/shop/index.htmlを見たら地方にもありましたね。京都にあったなんて知らなかった南久世のダイエーに入っていたんだ・・。

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新宿御苑でプチピクニックをするときも、ウェンディーズでいろいろと買い込み、青い空と超高層ビルと美しい庭園を眺めながらチリを食べた。彼女が変っても新宿御苑とウェンディーズはセットだった。

先日村上春樹の1Q84を読み終えたのもウェンディーズであった。ウェンディーズで1Q84を読み終えようとたぶん本能的に思った。ウェンディーズは私にとってどこか素晴らしい80年代東京のイメージそのものであったのかもしれない。

先日アイスランドの住民がマクドナルドがアイスランドから撤退して食べられなくなるニュースを他人事のように聞いて気の毒にと思っていましたが、それが・・・自分自身にも降りかかろうとは、ウェンディーズのチリが食べられなくなるなんて・・・思ってもみなかった。

時々手づくりチリビーンズを作るのですが、目標はウェンディーズの味でした。でもウェンディーズような美味しいチリはなかなかできませんでした。

ゼンショーの馬鹿野郎!


頼むからせめて「チリ・スパイシーソース付き」だけでも、すき家で扱ってくれよ!

映画最高の人生の見つけ方 http://wwws.warnerbros.co.jp/bucketlist/で末期がん患者のジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンがたしか「人間はひとつひとつ大切なものを失いながら、人生のゴール近づくんだよ」と、映画の台詞で云っていたと思う?(未確認)・・・
チリビーンズも私の大切なひとつであったのかもしれません。笑わないでください・・・真剣です。
先日も学生時代コックのアルバイトをしていた「すかいらーく」が無くなり・・私はロイホの株主だがロイホがなくなるなんて考えるだけ恐ろしい。

当然この後チリビーンズを食べにウェンディーズへ行くしかない!
ああ、ウェンディーズのチリビーンズが食べたい!

道のまさに行われんとするも、命なり。道のまさに廃れんとするも、命なり。 「論語」
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