Ddogのプログレッシブな日々@ライブドアブログ

政治経済軍事外交、書評に自然科学・哲学・聖地巡礼・田園都市ライフ、脳の外部記憶媒体としてこのブログを利用しています。2020/11/30以前はGoogle検索でキーワードを入れると常に上位にありましたが、日本のトランプ大統領デモを紹介した記事が米国でバズって以降検索アルゴリズムから排除され検索ヒットされにくい状態です。是非ブックマークをお願いします。このブログをご訪問していただいた方の知識や感性として共有できれば幸せに思います。

タグ:FX、為替



[東京 28日 ロイター] - 日銀の追加金融緩和見送りで進んだ円高・株安は、いわゆる「日銀プレー」の巻き戻しだ。失望ムードに広がりはなく、市場では現状維持決定を評価する声も少なくない。

実体経済に対する追加緩和の効果に期待しにくいなか、市場に最大限のインパクトを与えることのできるタイミングは今回ではなかったとの指摘が出ている。

<「失望ムード」はあくまで一部>

日銀の現状維持決定を受け、28日の日経平均.N225は後場に入り600円を超す下落。前場高値からは900円以上の下げとなった。ドル/円JPY=も111円台後半から一時108円台前半へ、3円を超える円高が一気に進んだ。

株式市場で後場に最も下落したのは銀行や証券、保険など金融セクター。追加緩和期待の盛り上がりとともに買われたセクターで、「予想外の追加緩和見送りで海外短期筋などが売りに転じた」(大手証券トレーダー)という。

しかし、市場全体に「失望ムード」が広がっているわけではない。「熊本地震による被災地オペを除くと予想通り」(東海東京証券チーフ債券ストラテジストの佐野一彦氏)との声も出ている。日銀追加緩和を見込んでいた短期筋にとっては見込みはずれの結果となったが、足元の株安・円高は、あくまで彼らのポジションの巻き戻しだ。

実際、4月6─12日にロイターがエコノミストやアナリスト16人を対象に行ったアンケート調査では、今回の追加緩和予想は5割と予想は半々に分かれていた。今回の追加緩和決定が市場の完全なコンセンサスになっていたわけではない。

さらに追加緩和を見送ったことを評価する声も市場には少なからずある。「見送れば失望、追加緩和決定でもサプライズがなければ材料出尽くし。いずれにせよ日銀プレーの巻き戻しで円高・株安が進んだ可能性が大きい。そうなれば緩和限界論の勢いが増すことは明らか」とSMBC日興証券のチーフ株式ストラテジスト、阪上亮太氏は話す。

<期待高まらぬ追加緩和の経済効果>

ただ、追加緩和見送りを評価する声が挙がるのは、経済や物価に対する追加緩和の効果への期待の低さの裏返しでもある。

28日朝に発表された3月全国コアCPIは前年比マイナス0.3%。2013年4月4日に導入された異次元緩和直前に並ぶ下落率となった。黒田東彦日銀総裁は強気を崩さないが、物価のトレンドは弱いままだ。

日銀が発表する貸出・預金動向によると、銀行・信金計の貸出平残の伸び率は今年に入って、1月2.4%、2月2.2%、3月2.0%、と落ちてきている。日銀は、金融緩和効果の波及経路として「実質金利の低下」を強調するが、貸出を大きく押し上げるには至っていない。国内総生産(GDP)も15年暦年でプラス0.5%にとどまっている。

量的・質的金融緩和やマイナス金利政策に対する「結果」が経済データのかたちで次々と表れるなかで、追加緩和による物価押し上げ効果について市場の期待は一向に高まらない。市場では「異次元緩和の失敗は明白」(みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏)と厳しい指摘も出ている。

<残された「ルート」>

残された「ルート」は資産効果による消費刺激や円安による物価の押し上げといった市場を通じた効果だ。市場に与える効果が最大化されるタイミングで追加緩和を決定することが有効な選択肢となる。

実際、「異次元緩和」がもっとも効果を発揮したのは金融市場だ。13年4月のいわゆる「バズーカ1」は日経平均.N225を約1カ月で3867円、ドル/円JPY=を11円押し上げた。14年10月末の「バズーカ2」も日経平均を1カ月強で2372円、ドル/円は12円上昇させた。

しかし、日銀の金融緩和に対する市場の反応はここにきて冷ややかになってしまっている。昨年12月に打ち出した量的・質的金融緩和の補完策、今年1月末のマイナス金利に対する市場の反応は円高・株安。市場の期待を上回る、よほどのサプライズがなければ、かつての「バズーカ」のような効果は期待しにくい。

「アベノミクス相場」をけん引してきた海外投資家は年初から約5兆円、日本株を売り越している。投機筋の円ロングポジションも過去最高に達している。

シティグループ証券チーフエコノミストの村嶋帰一氏は「量・質・金利の3次元セットの追加緩和を実施すれば、円高・株安局面においては、それなりの効果は出る」とみる。ただ、将来的なビジョンをもった財政政策などと組み合わせないと実体経済への効果は乏しく、「日銀の、日銀による、日銀のための追加緩和」にならないよう注意が必要だと指摘している。

(伊賀大記 編集:石田仁志)

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今年も目前ですセルインメイ!だが今年は下がりきっているのでミニセルインメイといったところでしょう。むしろどこで仕込むかと思います。

回帰トレンドの
+2σ線にぶつかっての反落なので回帰トレンドをチェックしている投資家にとっては非常にわかり易い相場だ!反落すべきタイミングで反落したにすぎない。

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週足の回帰トレンドは幸いにも上昇波動のままだ。
買い場は
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もう一度週足の回帰トレンドの-2σ線付近16220円か黄金分割比0.382押しの15757円の間あたりではないだろうか?
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日足も回帰トレンド期間を125日から目先の底値2/12からになるよう引いた54日に直すと上昇トレンドが現れる。回帰トレンドの125日の上昇波動も次の上昇時には現れるので次の底値は買いタイミングである。おそらく伊勢志摩サミットの5月26.27日あたりではないだろうか?

ジムロジャースが3/10日暴落するといい、ウォーレンバフェットが米国の将来が明るいと言い放った2月下旬が大底であった。

結局またもや大外しの逆神ジムロジャースであった。いい加減ジム・ロジャースを著名投資家扱いするのを止めた方がいいだろう。

彼の相場観に従うと一文無しになってしまうだろう。むしろジムロジャースの言う逆をやれば一財産できそうだ(大爆笑)


話が逸れてしまった。

本題である。

しかし、依然イエレンFRBが利上げのタイミングをうかがう一方、黒田日銀は追加緩和を検討する可能性を示唆している。FRBは利上げを続ける一方で、日銀は金融緩和を続けるという構図は健在だ。5月に入り米国や中国を中心に世界景気の持ち直し機運が強まることで、市場の不安心理は後退し、ドル円は下値の堅い展開を続けるかもしれない。

だが、米国景気については「減速しているようだ」と、前回声明での「拡大している」から下方修正。インフレについては「最近上昇している」との文言が削除された。FOMCが米景気の減速を懸念していると考えてもおかしくはない。

6月23日には英国で欧州連合(EU)残留・離脱を問う国民投票が実施され、11月8日には米大統領選が実施される。金融市場の混乱が十分に予想され、FRBが利上げ先送りを余儀なくされ、米国のデフレが進行し利上げが無くなる可能性がありえる。

日銀の超不評なマイナス金利が経済を悪化させていると考える人間が増え始め、参議院選挙に向けマイナス金利を見直す可能性を私は予想する。

黒田総裁は会見で、国債市場の流動性低下やマイナス金利による金融機関の収益悪化などを指摘する声があるものの、現在の金融政策で大きな問題が生じているわけではないと明言し、今後も必要であれば毎会合で追加緩和の是非を判断するとも述べ、これまでと同様に、さらなる追加緩和に前向きな姿勢を示した。

この会見は黒田日銀総裁が市場の声を遮断する発言と思える。日本の経済はもはや金融緩和で改善しないことは誰の目にも明らかで、すべきことは消費税の増税の延期でなく中止と、伊勢志摩サミットにおいて世界経済のために財政政策を打ち出すことだろう。

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このシカゴ筋の超円高予想からして、4月29日から日本は大型連休に突入するので、為替市場の流動性が薄くなりがちな隙を突き、ドル円が年初来安値である107円台を割り込み心理的な節目である105円ちょうどを割り込む可能性もでてくるだろう。現にこの記事を書いている現在のドル円はNYで107円30銭台である。

もはや、日銀の金融緩和では円安にならず、景気の回復は難しい。
これ以上の金融緩和は無意味であり逆効果であると私は思う。

円高を止めるのは、更なる金融緩和ではなく、大型の財投と消費税の増税中止しかないのである。

なんで、そんなことも日銀とあろうものが解らないのか?

デフレが終わっていないのに消費税増税を画策する財務省はなんと愚かなのか!
偏差値20のSEALDsと同じ**********だ!(激怒) **********!! 財務省は日本を滅ぼす気か!

*******はヘイトスピーチ部分ですので、皆さま勝手に入れてください!





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まえがき
 2016年1月29日、日本銀行は政策決定会合でマイナス金利を準備預金に導入することを決定した。年初来の株安・円高のトレントに何とか歯止めをかけようと、意表を突いた政策の導入である。

 黒田総裁の心意気や良しであるが、残念ながらまったく無駄な行為である。
 2013年4月、2014年10月と、過去2度の金融緩和は、その後の円安・株高を生
み、絶大な効果を発揮したと評価されてきた。
 「アペノミクスの一環として日銀によるアグレッシブな金融緩和は不可欠な要素」として、そのために黒田総裁を指名した安倍政権は、出だし好調で円相場は80円から125円、日経平均は8000円から2万1000円近辺までの、円安・株高を演出した。
 したがってアベノミクスは、学界においても一定の評価を得ることができ、今後も期待されている。
 しかし、この円安・株高とアベノミクスはまったくIrrelevant(無関係)なのである。
 本来アベノミクスに関係なく、円か暴落し、株が暴騰するタイミングにあっただけの話である。アベノミクス、が役に立ったわけでも、邪魔したわけでもない。ひたすらに無関係だったのである。

 2012年12月に上梓した拙著『不連続の日本経済』のなかで、”経済の低迷から脱するには何か起こらなければならないのか。いちばん大事なのは時間の経過である。経済も相場も時間の関数であるから時間の経過が最重要のファクターである。時間が十分経過すればバーティカル(垂直的な上昇)な動きの端緒、が出てくること、その後の動きを正しく予測していた。アベノミクスも黒田日銀総裁もないときである。
 要は、2012年暮れ以降は円か暴落し、株価が暴騰する時間帯に入ったのである。
 アベノミクスや黒田日銀といった人為ではなく、神意あるいは宇宙のルールでそうなっただけなのである。

 しかし、宇宙のルールで、2015年の半ばに円は125円86銭をつけ、日経平均は2万952円をつけ、天井をみてしまった。

 もともとアベノミクスなどというもので円安や株高になったわけではなく、自然のリズムでそうなっただけのものが、2015年半ばには自然のリズムで天井をつけてしまったのである。

 したがって、当然のことながら大幅な株安・円高の流れに入っている。
それを人為そのものであるマイナス金利などで止めようというのは、まったく見当違いな政策である。つまり政策では何をやっても止まらないのである。

 ところが相場も捨てたものではない。
 日本はすでにデフレを脱却している経済であるため、この株式相場の下げの日柄が終わる2016年末には底をみて、再び日経平均が上昇に転じるのである。そうなると、この日銀によるマイナス金利も、場合によっては「賢明な措置だった」と評価されることになる可能性もある。そのあたりが、経済学で相場を律するという、見当違いな作業が生み出す悲喜劇である。

 日本の株式相場はすでに大底を2008年10月にみているので、いまから始まる世界デフレのなかでも相対的に安定した推移をたどるものと思われる。


 問題は為替相場である。
2011年10月の75円53銭が円の最高値であるが、黄金分割で律すると、1949年4月の1ドル360円の決定からの62年目の日柄で出た、由緒正しき時間を踏んだ円の最高値である。ところが、為替相場はドルの時間帯でも由緒正しき時間を踏む必要かおる。

 そのドルからみた由緒正しき時間は、米国デフレが最も深化する2022年と考えるのが正しいだろう。ドルの非公式の切下げが始まった1968年3月の金二重価格制の導入からの54年目という由緒である。

 いまから6年後の2022年3月にドルの底がくることが考えられる。では、円の天井75円53銭と2022年3月のドルの底と、どちらがより円高なのか。

 次なるドル安の底を黄金分割で律すると、360円の固定相場から計ると65円(47ページ)、2015年6月5日の高値125円86銭から計ると、ペンタゴンの高さ59円を減じて66円86銭となる。

 したがって、どうも次のドルの底は65円か良いレベルではないかと思い始めている。

 なぜ65円になるのか。「相場がそこまで行きたがっているから」というの、が答えだろう。

 為替相場は記号である。ファンダメンタルズで為替をみるのは間違いである。
 ゼロ金利時代にマイナス金利にしたからといって、いまさらファンダメンタルズでもないだろう。すでに世界はゼロ金利なのだから、金利は役目を終え、為替相場がもっぱら、景気の安全弁としてつかわれる時代である0金利の世界で景気が調節できたインフレ時代とは別のデフレ時代の発想が必要だろう。

 全判がゼロに固定されるとき、世界景気のスタビライザーあるいはイクオライザーして為替相場の振幅が増大するのは不可避だろう。
 覚醒する大円高である。

 二〇一六年二月
                                        若林 栄四

   覚醒する大円高◎目次
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Chapter
まえがき

 私はこうして
 相場をとらえている


    多くの人が「絶対に」と思っているときは疑うべきである

    利上げに踏み切った米国と緩和を続ける日欧……011 
    金利を上げればドル高になるのか?……………015
    「絶対に起こらない」と思うことが起こるのが相場である……017

    長期の値動きをみなければ相場はわからない

    上がったものは下がり、下がったものは上がる……019
    5年程度の分析では本質は何もわからない……020
    ノイズ・トレーディングでは大きく儲けることはできない……022

    経済指標よりも相場の動きが先である

    相場は自ら動きたいほうへ動く……………024  
    デフレ下での利上げという米国の愚かな政策……026
    2016年は米国発の波乱相場が幕を開ける…………028

    「相場を予測する」ということの意味

    「いつ、いくらになるのか」でなければ意味がない……030
    黄金分割とペンタゴンとの出会い……031
    黄金分割とは「自然な均衡」である……033
    ペンタゴンの形は黄金分割に則っている……038
    30年近く研究しても、まだ新たな発見が出てくる……040                
    1995年4月の1ドル=79円75銭に秘められた意味                 
    ベストセラー『大円高時代』の内容はただのカンだった……043
    1995年4月はエポックメイキングな日柄だった……045

    相場の波動を読む方法

    チャートは四半期足がふさわしい……049
    なぜ為替相場にはテクニカル分析なのか……053
    相場の世界の主語は「人」ではなく「相場」である……056

Chapter
  私はこうして
  相場と対峙している


    欲望と恐怖のゲームに打ち勝つ方法                       
    損切りよりも利益確定がむずかしい……060
    「どうせ銀行のカネだから」という考え方がいい結果を生んだ……062

    勝って当然、負けても当然

    負けるときには理由がある……067
    運を長持ちさせるコツ……070
    相場と博打は別物……071

    相場の流れに乗るための心構え

    【心構え その 1】上がると思ったら買い、下がると思ったら売る……074
    【心構え その2】相場観に間違いがないなら我慢する……075
     【心構え その3】ポジションは儲かっているときに増やすもの……076
     【心構え その4】少数派に身を置く……077
    【心構え その5】波動に乗り遅れたら様子をみる……07

Chapter
覚醒する大円高
―――為替相場の時期と水準を予測する

    125円86銭は完璧なドルの高値

    2011年末から続いたドル高(円安)の波動は終れっている……082
    値頃と日柄が見事に黄金分割に一致している……084

    2016年は”大ドル安”の始まりである

    利上げに関するニュースがノイズとなった……090
    1ドル=100円ぐらいまでは道理に合う……091
    2016年後半には米国経済の弱さが世間でも明らかになる……093
    ドル/円にはドルと円の2つの日柄が関係している……096
    最後の大円高(大ドル安)は短期で終わる……099
    ユーロ/ドルは2017年第3四半期まで下げ基調
    2016年4~6月から下げのタイミングに入る……102
    ユーロは「ドルの裏側」という存在に過ぎない……103
    2022年にユーロは解体される……107

    ユーロ/円と豪ドル/円も2017年の第3四半期に転機がくる

    ユーロは対円で100円を割り込む……109
    豪ドル/円の90円超えは困難……113

Chapter 
米国発の波乱相場が訪れる
―――株式相場の時期と水準を予測する


    日経平均は1万4000円まで下がる

    日経平均の日柄の起点は1989年がふさわしい……118
    値頃と日柄の両面から天井を打った……122
    米国株の日柄に支えられた日経平均……125

   デフレの本格化とともに暴落する米国株

   2008年から2022年はデフレが深化する時期である……に127
   長期金利も株価も大きく下がる……131
   チャートもNYダウが暴落する予兆を示している……134

   米国の株価はとこまで下げるのか

   2016年末に1万2500ドルまで下がる……140
   2022年第1四半期に6700ドルまで下がる……146

   テックバブルの崩壊が米国株価急落の引き金になる

   景気に関する指標は頭打ちである……148
   「ユニコーン」という名のバブル企業……150

   2022年の米国発デフレショックと日本株への影響

   すでにデフレを脱却している日本への影響は少ない……154
   2017年以降、日経平均は上昇に転じる……156
   米国や欧州とは異なる時間軸を進んでいる……157

   日本経済の将来は明るい

   他の多くの国に比べれば日本はまともである……159
   国としての運気が上昇しつつある……160

   中国株が世界に与える影響は軽微

   公表されている経済指標は信用できない国……164
   2017年第4四半期に1000ポイントとなる……168

Chapter
下落する原油と暴騰する金(ゴールド)
―――コモディティ相場の時期と水準を予測する


    40年半の日柄のすさまじさを物語る原油相場

    2008年7月の147ドルは歴史的な天井……172
    2017年の第3四半期に20ドルまで下落する……174 

    金(ゴールド)は米国のデフレを背景に暴騰する

    1920ドルは理由のある天井だった……178
    2016年6月から2000ドルに向けて暴騰する……181
    FRBが駆け込み利上げをした背景……185


Chapter
相場は神意に基づいている
―――「マッドードッグ(狂犬)・ワカ」奮戦記


    ゴルフ三昧で太平楽を決め込む……190
    相場観よりも相場学が重要だと気付く……192
    相場は謙虚な人間を好む……196
    上司達に恵まれて生き残れたカ-ター・ショック……199
    身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ……201
    相場の運の分かれ目はほんの紙一重……210
    人間の運命も相場も神意に基づいている……211

付録
2016年の
米国大統領選挙について

    なぜトランプは高い支持平を得たのか……222   
    共和党のその他の大統領候補者の顔ぶれ……221
    今後も共和党は民王党に勝てない……226


「1ドル65円になる」伝説のディーラーが断言
若林栄四氏が為替相場の行方を大予測

鈴木 雅光 :JOYnt代表 【東洋経済オンライン】2016年03月08日

「2011年末から続いたドル高の波動は完全に終わった」

旧東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)時代などに、「伝説の為替ディーラー」としてその名をとどろかせた若林栄四氏。最近では、2011年の円高から円安への転換をズバリ的中させたことでも知られる。現在、ワカバヤシFXアソシエイツ代表取締役である同氏は、今のドル円相場について、ベストセラーとなっている「覚醒する大円高」(日本実業出版社)で冒頭のように断言する。

歴史的に見てドル安の流れは止まらない

それに続いて、若林氏の口から出た言葉は、さらに衝撃的だった。

2月に入り、ドルは一時1ドル110円台まで売り込まれた。足元では、ドル安は一服したようにも見える。だが、ドル安の流れはこれで止まらず、さらにドル安が進むと言うのだ。

「相場は波動なので、上がったものは下がり、下がったものは上がる。ドルは1ドル75円54銭という安値から約3年8カ月で、66%も上昇した。これだけ上がれば、今度は下がるのが自然の流れだ」。

過去、ドルが暴騰した後には必ず暴落が来ている。

第1次ドル暴騰は1978年10月から1982年10月で、この間、ドル円は1ドル176円から278円まで56%のドル高となり、その後は20%程度のドル暴落となった。

第2次ドル暴騰は1995年4月から1998年8月で、この時のドル円は、1ドル79円から147円まで85%のドル高になった後、31%のドル暴落となっている。

「今回は2011年10月から2015年6月までの66%ものドル高であり、その後のドル下落率が20~30%と想定すると、20%のドル安なら1ドル100円程度、30%のドル安なら1ドル88円程度までドル安円高になる。相場は一度走り出すと19カ月くらいは一方向に進むので、目先は2017年1月にかけて、1ドル88~100円のドル安は十分に起こりうる」

しかも、2017年1月前後でいったん反発したとしても、最終的にはドル安のクライマックスが2022年2月に示現すると若林氏は予測する。それが、1ドル65円という大円高だ。

「今、この数字を言っても笑われるだけだが」と前置きをしながらも、「黄金分割で計ったところ、1ドル65円は十分にありうる水準」と言う。
なぜ2016年末前後が、大きな節目になるのか。

「多くの人は、現在の1ドル113円台を見て、『いくら何でも65円はない』と考える。しかし、1990年4月の時点で1ドル160円前後だったドル円は、1995年4月に79円75銭になった。ドルは対円でほぼ半値になったのだ。それを考えれば、現在の1ドル113円が6年後に1ドル65円になっても不思議はない。それが相場だ」

しかし、気になるのは、この大円高が株式などのマーケットに及ぼす影響だろう。目先で見ても、1ドル88~100円までドル安が進めば、日本経済への影響は無視できない。株価の行方が気になるところだ。

「黄金分割の重要日柄(=日数、期間)のひとつに27年というのがある。これは162カ月の2倍に相当する。日経平均株価が平成バブル後の安値である7604円(当時)をつけた2003年4月は、バブル天井1989年12月29日の3万8957円からの160カ月目だ。誤差の範囲だが、ほぼ162カ月と見て良いだろう。そして、そこからさらに162カ月目が、2016年12月にあたる。ここに向かって、株価は再び下落する。

その時の日経平均株価は、場合によっては1万円を割り込むかも知れない。逆に言えば、27年という日柄が整理されれば、その後は上昇へと転じる可能性がある。したがって今、日本株の買いポジションを持っている投資家なら、今夏前後までの戻りでいったん、手持ちの日本株を売却。キャッシュポジションを高め、2017年1月から再び日本株のポジションを増やすべきだろう」。

ただ、無傷で済まないのが米国の株式市場だ。若林氏は、2022年にかけて米国経済が大デフレ局面に突入することを指摘する。その根拠を、米国の長期金利に求めている。

過去に遡って米国の長期金利を見ると、

1861年=6.45%(天井)

1901年~1902年=1.98%(底)

1920年=5.67%(天井)

1941年=1.85%(底)

1981年=15.84%(天井)

となっている。

日本株が2017年初から上昇に転じるワケ

「天井をつけたのが1861年、1920年、1981年であり、インフレの60年サイクルとほぼ一致している。一方、底を付けたのは、インフレピークから見て40年半前後のサイクルだ。1920年から1941年は例外で、これは1920年がインフレの60年サイクルにあったからだが、1941年の底から1981年の天井までは、見事に40年半となっている。このサイクルをあてはめると、1981年の天井から2022年にかけて、金利が大底に向かって進む。この間、米国経済は大デフレに陥っているだろう」。

大デフレが進むなか、NYダウは「2016年12月末までに1万2500ドル。そこでいったん戻すだろうが、米国経済が大デフレに突入したことを確認したうえで、2022年第1四半期にかけて6700ドルまで下がる」というのが、若林氏の見方だ。

それにしても、米国が大デフレ、株価暴落に見舞われるなか、なぜ日本株は2017年1月から上昇に転じられるのか。

「日本は一足早く大デフレを経験した。下がり続けたものはいつか上昇に転じる。デフレも行き着くところまで行き、均衡が破れれば、物価の下落に歯止めが掛り、上昇へと転じる。その時、世界の投資家は日本の株式市場に注目し、日本株は長期上昇局面の入り口に立つ」

そのチャンスを逃さないようにするためにも、日本株のポジションを持つ投資家は、今のうちから徐々にキャッシュポジションを高めておくのが良さそうだ。
さすがに現時点で1ドル65円になると言われてもリアリティがない、だが若林栄四氏は65円を予想している。www

円高が進行する最中、長期的に円安になると一人逆張りの主張したのは若林栄四氏だった。時に当らない部分もあるが、若林氏の相場観は無視できないというより、私は若林氏の言動には常に注意している。若林氏は常に少数派に身を置き、逆張りの若林氏が今度は円高と言い出した。

ちなみに1997年の著書”ドルの復活 円の失速―1ドル200円、長期円安時代の到来”という本をだしています。1998年までの円安は当てていますが、この本によれば今頃1ドル200円です。

若林栄四氏の著作
黄金の相場学 2005~2010 2004/12 円安予想(2006年1ドル161円で外すが、その後円高と2004年12月の時点で、米国のサブプライムローン問題を明確に指摘)
「10年大局観」で読む 2019年までの黄金の投資戦略2009/2/17(2011年に、1ドル=74円の円高と予測、2011年に株価の大底を当てる)
・2012年2月円高の最終局面であり、1ドル74円になったら全力でドルを買え。
・対ユーロでも円安は進むが、大きな変動はない。
・高金利通貨は急落のリスクがある。
・日経平均は2012年10月に12000円になる。
・2013年まではニューヨークダウは弱含みが続く。
・金価格は2000ドルになる。
・日本株の買い時は2013年10月になる。
当り外れはあるが1ドル74円がドルの底値というのは当たった。
この本では75円が円の大天井と言っていたはずですが・・・その後の株高は当たっています。

1ドル65円に現時点ではなるとは思えないが、2007年124円だったドル円が、2011年75円まで円高が進んだことを考えれば・・・・無きにしも非ず。もし1ドル65円になれば次はまた1ドル140円かもしれない。為替相場は大変動する。

私は海外居住をしたことはないが旅行には行く。大好きなハワイも円高が来るまで行く気がしない。2014年ハワイに行った時に1ドル=100円でも物価が高いと思っていた。120円台で行く人たちの気がしれなかった。実感からする円の価値は1ドル90円~100円あたりが妥当かと思います。

日本の企業業績はこれから下方修正になるかもしれない。米国は利上げが間違いでこれからリセッションに向かうと若林氏は主張する。米国の利上げこれ以上なければ1ドルは100円近辺は妥当になる。

だが、若林氏の米国のリセッション説は少数派であり、相場を大きく外す名人ジムロジャースが米国のリセッションを主張しているので、私はトランプが大統領にならない限り2016年米国のリセッションはないと思う。ドル安円高が米国景気を下支えし始めたのだ。

円高になると来日外国人数が頭打ちし減少するかもしれない?しかし、私は懸念していない。一度日本の良さを知ってしまった外国人観光客そう簡単に訪日を止めないだろう。なぜなら世界で一番安全な日本は旅行先として魅力的だからだ。欧州はテロの標的であり、中近東も全て危ない。日本は安心できる観光地なのである。

さて、某大手証券の無能なアナリスト、今泉某、吉野某が1ドル=130円と未だに言っている。あんな馬鹿に高い給料と経費をかける必用などない。初めから聞く耳を持っていなかったが、昨年から円高を予想している有能なアナリスト亀岡氏を冷遇する大和某大手D証券は馬鹿だ!


[東京 7日] - 新年度早々、ドル円相場は急落。5日にはハロウィーン緩和が実施された2014年10月31日以来、1年5カ月ぶりの円高・ドル安水準を記録した。理由は様々あろうが、一義的には米国金融政策の正常化プロセスへの不信が招いた動きと考えられる。

米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの政策金利見通し(ドットチャート)を見れば、長期見通し(Longer Run)のフェデラルファンド(FF)金利や実質国内総生産(GDP)成長率は、13年5月にバーナンキ前連邦準備理事会(FRB)議長が量的緩和縮小の方針を示唆し、正常化プロセスが始まって以降、低下の一途をたどっている。

引き締めを検討している最中に経済の地力が落ち込むという状況を見る限り、そもそも正常化という方向性自体が正しいのか疑問が抱かれて当然だ。かかる状況下、年内の米利上げは、よくて1回、順当にいけばゼロ回というのが筆者の想定である。

こうした状況下でのドル円の見通しは当然、円高方向であり、今後1年間で100円割れを臨む地合いも警戒したい。昨年央以降、ドル高が明らかに米経済を蝕み始めている兆候があるため、16年は円高の年になると考えてきたが、こうした見方はFRBではブレイナード理事が頻繁に口にしており、筆者も為替見通し作成上、同氏の主張を大いに参考にしている。

今次正常化プロセスの最大の特徴はその異様に長い助走期間であり、13年5月のバーナンキ議会証言から利上げまでに実に2年7カ月もかかった。だが、期待を織り込みやすい為替市場では実際の利上げ前からドル高が進み、実質実効ドル相場はその間、約18%も上昇した。

ブレイナード理事は講演で、ドル高が「FF金利にして75ベーシスポイント(bp)相当の金融状況の引き締め」になったと言及しているが、筆者も同感だ。FRBによる「孤高の正常化」が世界の運用資金を米国に惹きつけ、結果としてドル全面高を招き、これが製造業を中心として同国経済を痛めつけている印象は拭えない。これは要するに、ドル高を通じた「不況の輸入」であり、米国とて利上げで無傷ということはない。

足元ではドル相場の騰勢は小康を得ているものの、その実態はまだ「高止まり」と言った方が正しく、これが時間差を伴いながら金融引き締め効果を発揮し始めているのが現状と見受けられる。3月のドットチャート大幅下方修正は結局、過去2年余りのドル高相場が2、3回程度の利上げ効果を有し、これ以上の引き締めが難しくなっている実情を映し出しているのだろう。

<基軸通貨の意向は絶対、日銀の抵抗は無駄か>

1―3月期を振り返って改めて痛感することは基軸通貨ドルの影響力の大きさに尽きる。08年の金融危機以降の円高局面を振り返れば明らかだが、基軸通貨を司るFRBがハト派化する状況で、日銀側がどのような抵抗をしても、円高の流れを変えるのは難しい。

言い換えれば、「日米金利差拡大が見通せない状況で円安を展望してもほとんど無駄」というのが経験則だ。これは予想というよりも摂理に近い。

身もふたもない言い方だが、ドル円相場の趨(すう)勢を決するのは今や黒田日銀総裁ではなくイエレンFRB議長となっている感が強い。上述したように、FRBの正常化プロセスが始まって以降、FOMCメンバーが想定する中立金利、平たく言えば「利上げの終点」は徐々に切り下がっている。

FRBにとっての「利上げすべき余地」が着実に縮小している中で、円安・ドル高シナリオを描くのが難しくなっているのは当然だ。また、足元では日本の貿易収支が断続的に黒字化し、相応の経常黒字が安定的に確保される状況が続いている。歴史に学べば、FRBのハト派化と日本の経常黒字の安定化は円高要因として盤石の存在感を示す可能性が高い。

こうした理屈は、3月10日にフルパッケージの包括緩和を決定しながら通貨上昇に見舞われたユーロ相場にも当てはまる。実際、ドルインデックスのウェイトに関し、ユーロが60%弱を占めていることを踏まえれば、FRBのハト派化によるドル安の按(あん)分は基本的にユーロに寄せられやすい。

かねて指摘してきたように、世界最大の経常黒字などに代表される通貨ユーロのファンダメンタルズの強さを踏まえれば、買われるだけの理由があるため、なおのこと、FRBのハト派化に応じてユーロは買われがちになる。

1―3月期における日米欧三極の中央銀行で起きたことを客観的に振り返れば、日銀がマイナス金利を導入し、欧州中銀(ECB)がマイナス金利幅の拡大や資産購入額拡大など踏み込んだ決定を行ったのに対し、FRBはメンバーのドットチャートにおけるドット(点)の位置をずらしただけだ。結果、為替市場では3月中旬のFOMC後、ドル相場が大きく値を下げており、その見合いでユーロ高や円高が進んだ格好になっている。

こうした動きを見る限り、「いかに策を弄しても、FRBのハト派化という大きな流れの前では無力」という事実を感じざるを得ない。日銀やECBによる踏み込んだ追加緩和や、通貨当局による為替介入も各通貨の通貨安要因に足り得るが、それは「FRBの正常化プロセスが続く限りは」という条件付きだ。13年4月以降の日銀による量的・質的緩和や14年6月以降のECBによるマイナス金利が円安・ユーロ安を演出できたのは、同じタイミングでFRBが正常化プロセスを推進していたからである。

ドルインデックスを一瞥すれば分かるが 14年半ば以降のドル相場上昇は誰が見ても一方的であり、イエレン議長をして「驚いた」と言わしめたほどのペースだった。この先、ドル相場の水準が調整すること自体、さほど不自然なことではないだろう。為替相場は常に「相手がある話」だが、その相手がドルである場合はもう片側の主張はほとんど斟酌されないという事実が1―3月期の為替相場が教えてくれた最大の教訓だ。

加えて、10―12月期には次期米大統領の顔が見えてくる。クリントン氏にしろ、トランプ氏にしろ、ドル高をけん制する姿勢では一致している。10年にオバマ大統領が打ち出した5年にわたる輸出倍増計画が、結果としてその後の円高局面とほぼ符合したことは苦い思い出である。

<購買力平価が示すドル円下落の「今後の節目」>

では、ドル円相場の下値はどこまであり得るのか。考え方はいろいろあるが、例えば実質実効為替相場(REER)で見れば円相場は直近2月分において長期平均(過去20年平均)から10%以上、下方乖離(かいり)した状態にあるため、「調整は始まったばかり」という状況に見受けられる。

正確には2月分のREERは長期平均に照らして約13%、下方乖離しているが、円が対ドル以外の通貨に対しても同様の調整を経験すると仮定した場合、ドル円は95円程度まで下落することで長期平均に収斂(しゅうれん)するイメージになる。

また、経済協力開発機構(OECD)や世界銀行が示す購買力平価が105円付近であるほか、歴史的に、ドル円の上値目途として機能してきた企業物価ベース購買力平価(1973年基準)が100円付近である。

つまり、110円割れは「物価尺度に照らした然るべき節目」に向けた第一歩にも思われる。むしろ、今後1年のドル円の最大のテーマは100円割れを試すかどうかにあると考えたい。

*唐鎌大輔氏は、みずほ銀行国際為替部のチーフマーケット・エコノミスト。日本貿易振興機構(ジェトロ)入構後、日本経済研究センター、ベルギーの欧州委員会経済金融総局への出向を経て、2008年10月より、みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)。欧州委員会出向時には、日本人唯一のエコノミストとしてEU経済見通しの作成などに携わった。2012年J-money第22回東京外国為替市場調査ファンダメンタルズ分析部門では1位、13年は2位。著書に「欧州リスク:日本化・円化・日銀化」(東洋経済新報社、2014年7月)
若林栄四氏は少数派が勝というのなら、今は円高が主流派ではないだろうか?
皆が円高を言い出した。

コラム:円高で懸念される外国人訪日客数、3兆円消費に影響も
【ロイター】田巻 一彦2016年 04月 8日 15:48 

[東京 8日 ロイター] - 外為市場で円高が進行している。市場関係者の多くは輸出企業の業績に対する打撃を心配しているが、もう1つ重大な懸念がある。アベノミクスの大きな果実である訪日外国人客が、減少に転じるリスクだ。昨年は3兆円の購買があったとの試算が出ており、足元でぐらついている国内消費の足を引っ張るようなら、景況感悪化に直結しかねない。

<円高に複合要因>

円高進展は急ピッチで、7日のNY市場では約1年5か月ぶりにドル/円JPY=EBSが107円台に下落した。

この背景として、1)米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースがより緩慢になるとの観測、2)世界経済の停滞によるリスクオフ心理の高まり──などが市場関係者から出ている。  

しかし、直近の市場をみていると、ドル安というよりも円独歩高の色彩が強くなっている。ある外資系金融機関の関係者は「アベノミクスに期待し、この3年間で円安と日本株高のポジションを構築してきた海外勢が、本格的にポジションをまき戻してきた可能性がある」と話す。

また、安倍晋三首相が米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで「通貨安競争は絶対避けなければならない」、「恣意(しい)的な為替市場への介入は慎まなければならない」と述べ、市場の介入警戒感が後退したことも影響しているようだ。

外為市場では、105円が意識され出し、輸出系を中心に日本企業の業績に対する懸念が台頭している。3月日銀短観によれば、大企業・製造業の今年度の想定レートが117円台と足元の水準から10円近く円安方向に設定されているからだ。

<円安効果はく落、外国人動向にリスク>

だが、もう1つ心配な分野がある。それは訪日外国人客の増加ペースに影響が出て、インバウンド効果に影が差すリスクだ。

2015年の外国人訪日客は、前年比プラス47.1%の1973万7000人と過去最高を記録。観光庁の試算では、外国人旅行客の日本国内における消費額は、同プラス71.5%の3兆4771億円にのぼった。

ビザ要件の緩和など政府の規制緩和策の効果が出て、国内消費を大幅に押し上げた。アベノミクスの果実の有力な1つと言える。

しかし、ある旅行関係者は、このインバウンド効果の増加の背景には「円安効果もかなり貢献している」と話す。その関係者が心配するのは、かつての超円高局面で外国人旅行客は急減したからだ。

急速に円高が進展した2009年、訪日外国人客は同マイナス18.7%の6789万人に落ち込んだ。11年は円高に原発事故も重なって同マイナス27.8%の6218万人に減った。

今回の円高が長期間継続した場合、訪日外国人客数に影響は出るのだろうか──。別の旅行関係者は、3─4カ月の時間差を伴って増加ペースが鈍る可能性があると予想する。

政府は2020年までの訪日外国人客数の目標を従来の2000万人から4000万人に倍増させたが、円高基調が定着してしまうと、この目論見に狂いが生じかねないだろう。

<外国人1人当たり消費額にも不安>

さらに直近では世界経済の減速感が強まっており、世界貿易機関(WTO)は7日、2016年の世界貿易量の見通しが前年比プラス2.8%と従来の同3.9%から伸びが鈍ると発表した。

中国など新興国経済の減速の影響が色濃く出ており、この「経済減速」が、インバウンド消費に打撃を与えそうだ。

この3年間は、訪日外国人客数と1人当たり消費額の両方が大幅に伸びてきたが、円高と「経済減速」によって、どちらも増勢に陰りが出かねないとの予想が関係方面から出ている。

足元における消費動向は、停滞感が強まっており、今年1─3月期の国内総生産(GDP)が2期連続でマイナスになると予想するエコノミストも少なくない。そこにインバウンド消費の鈍化が加わると、国内景気の下押し圧力が想定以上に強まることも想定される。

これから毎月、訪日外国人客数のチェックが必要になるだろう。







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猛烈な円高株安が止まらない。休日明け12日の東京株式市場も円高や米株安を受けて売りが先行、日経平均株価の下げ幅は一時800円を超す大幅続落となり、終値は休日前の10日終値比760円78銭安の1万4952円61銭だった。終値の1万5000円割れは、2014年10月以来、約1年4カ月ぶり。日経平均は一時847円安の1万4865円まで下落した。

安倍晋三首相と日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は12日昼、首相官邸で会談し、円高株安の一段の進行を阻止するため対応を協議したとみられる。世界経済への不安が高まるなかで安全資産の日本円が買われ、外国為替市場の円相場は11日に一時1ドル=110円台をつけるなど円高が加速、市場では当局による為替介入観測が広がるなど疑心暗鬼が強まった。

12日の東京外国為替市場の円相場は正午現在は、休日前の10日に比べ2円61銭円高ドル安の1ドル=112円27~28銭。

麻生太郎財務相は12日の閣議後の記者会見で、円相場の動きについて「荒い値動きは好ましくない。引き続き緊張感をもって市場の動向を注視していく」と牽制。今月下旬の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で「金融市場の状況を踏まえた政策協調の検討を進めたい」との意向を表明した。

昨年12月調査の日銀短観で、大企業・製造業が想定する通年の為替レート1ドル=119円40銭を大幅に上回っており、輸出関連企業の業績悪化が懸念される。

私のブログでも取り上げたがFRBは利上げ政策を変更する可能性もでてきた。
イエレンFRB議長が米議会証言で利上げペースの減速に言及したことをきっかけに、世界的な景気減速懸念が台頭。 12日の日経平均株価は一時847円安の1万4865円まで下落。約1年4カ月ぶりに1万5000円を割り込み、総崩れの展開となった。円が買われ2月11日海外で1ドル=110円台を付けた、2014年10月以来の円高水準に達したことから、当時の株価水準である日経平均15000円前後への下落は、ある程度は整合的といえる。

日本経済新聞によれば「世界で株安鮮明、時価総額1600兆円減 」世界で株価の時価総額は過去最大だった2015年5月末に比べて1600兆円も減少したという。

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是非左下端をクリックして拡大して見てほしいアベノミクスが始まって以来のテクニカルグラフだ。

もはやテクニカルで後日****ショックと語られる相場だが、チャート面では、重要なフシである日経平均の16000円前後や円/ドルレートの115円/ドル前後を下回ってきた。黄金分割比0.382押し14953円押し1/3の14499円の間で止まっているので目先はこれ以上のテクニカルの節は無い。強いて言えば2014年4/11下値13885円しかない。

一部にこの暴落をチャイルショック(チャイナ+逆オイル+ショック)と呼んでいるが今一つしっくりこない。石油価格暴落も中国が震源地なので普通にチャイナショック/中国暴落/チャイナショックでいいのではないか?

日経平均株価に関しては、アベノミクス相場が始まって以降の株価上昇幅の半値押し水準や、26週(130日)移動平均かい離率の▲18.7%、52週(1年)移動平均かい離率の▲21.93%と20%割れと明らかに売られ過ぎだ。

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日経平均ベースのPBR1倍の水準は15102円今の日経平均のPER14倍~16倍水準は16140円~18446円マイナス金利のご時世に配当利回りは1.95%だ。テクニカルで言えば明らかに売られ過ぎだ。

日本の休場中の海外市場で、円/ドルレートは一時110円/ドル台を記録した。企業業績やアベノミクス相場を支えてきた為替市場での大きな動きは、株価にも影響が避けられないと見られる。

イメージ 3

 ただし、足もとの円/ドルの動きにはさすがに突っ込み感が出てきている。円/ドルレートでは52週(約1年間)移動平均が中長期のトレンドとして機能する中で、同移動平均から8%かい離した水準は歯止めとなりやすい。52週移動平均は現在120.8円前後であることから、今回のドル安値で既に▲8%水準に達しており、ドルは目先のボトムに達した可能性がある。

一部にこの暴落をチャイルショック(チャイナ+オイル+ショック)と呼んでいるが今一つしっくりこない。石油価格暴落も中国が震源地なので普通にチャイナ暴落で/シナショックでいいのではないか?


左翼マスコミがアベノミクスが悪いとトンチンカンなことを書いている。朝日新聞のWEB RONZAでは経済変調はアベノミクスの行き詰まりだと左翼系の投稿者達が嬉々として書いている。毎日新聞の社説も「マイナス金利(が)逆に不安を広げている」と中国経済の変調による世界的な経済変調を政敵ともいえる安倍政権のアベノミクスを暴落の原因だと主張している。

日本だけが暴落しているなら理解できるが中国を筆頭に欧米市場など世界中で株価が暴落しているのだ。株価の時価総額は過去最大だった2015年5月末に比べて
1600兆円も減少している。

世界は一気にリスクオフに突入した。リスクオフの為替の序列は円が最も選好される、”日本円>米ドル>ユーロ>資源国通貨>新興国通貨”である。

アベノミクスは今回の暴落の原因ではない、ならば何故円が選好され暴騰するのか?左翼は経済が解っていない。

問題は春節明けの中国で15日に1月貿易収支の発表があり上海は暴落必至だ。
18日に1月消費者物価などが発表される。米国では現地16日に2月NY連銀製造業景気指数、同17日に1月鉱工業生産が開示される。

CMEは240円高15,435.00 円なので日本株は一時的な反発も考えられるが、本格的な底打ちと依然断言できない。ただし、誰も底では底だとわからない。

相場の格言

野も山も皆一面に弱気なら、阿呆になって相場を買うべし

これで消費税増税が長期延期となるだろう!そうと決まれば早めの宣言が肝要ではないかと思う


[東京 12日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は12日の衆院財務金融委員会で、足元の市場で株安・円高が急速に進行していることについて「過度なリスク回避」との認識を示し、市場変動による経済や物価への影響を「しっかり注視する」と語った。

1月29日に決定したマイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)は所期の効果を発揮しているとし、2%の物価安定目標の実現に必要なら、量・質・金利の3つの次元で追加緩和を行う方針をあらためて示した。

総裁は、急速に不安定化している最近の金融市場について、これまでの原油価格の下落や新興国経済の不透明感に加え、米利上げ動向や欧州の銀行問題などが焦点になっていると語った。

最近の急激な市場変動は、投資家の「過度なリスク回避」との見方を示し、それによる日本の経済・物価への影響を「しっかり注視」していくと指摘。為替相場は経済のファンダメンタルズを反映し、安定して推移することが望ましいとの認識を示した。

マイナス金利の効果については、直接的な狙いであるイールドカーブ全体の低下が実現しており、「所期の効果が表れている」と評価。実質金利の低下によって消費や投資が刺激されると説明した。

また、マイナス金利導入に伴って当座預金残高を3階層に区分したことで、日銀による資金供給で当座預金残高が増加しても、マイナス金利が適用される部分は限界的と指摘。金融機関収益に配慮した仕組みにしたと理解を求めた。

もっとも、イールドカーブ低下による利ざや縮小で、マイナス金利に限らず金融緩和は「金融機関の収益にマイナスのインパクトがある」と指摘。今後の金融機関の収益動向を十分注視するとし、早期のデフレ脱却と物価2%の実現で利ざやが拡大することで、金融機関収益の改善につながると語った。

ただ、物価2%実現は「まだ道半ば」とし、引き続き大規模な金融緩和を継続する方針を表明。物価目標の早期達成に必要と判断した場合は、量・質・金利の3つの次元でちゅうちょなく追加緩和を含めて政策対応していく方針を示した。

QQE導入以降の2度の追加緩和について「戦力の逐次投入とは思っていない」と断言。戦力の逐次投入は「その時点で必要なだけの金融緩和なり引き締め」をせずに、同じ環境で政策対応を繰り返すこととの認識を示した。

(伊藤純夫)
折角の切り札をみすみす流されたようなもの、今回ばかりはマイナス金利政策は半月早かったと思う。
[東京 12日 ロイター] - ドル/円JPY=が1年3カ月ぶりに一時110円台に下落した背景について、みずほ銀行のチーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は、中国の景気減速懸念が根幹にあると指摘する。これが原油安や米景気減速懸念に波及しているとの見方だ。ドル/円は購買力平価などの観点から、中期的に100円を目指す可能性があると見込んでいる。

12日午前、ロイターのインタビューで答えた。

――市場に広がるリスク回避機運の背景には何があるのか。

根幹は中国の景気減速懸念だとみている。米国の追加利上げ期待が後退しているのも、元をただせば中国の景気が減速し、これに付随して商品価格が急落していることなどに起因している。さらに足元では、欧州の金融システム不安が悪材料として加わっている。欧州中央銀行(ECB)が導入したマイナス金利の悪影響と原油安による低インフレが背景にあるが、これも根っ子にあるのは中国の景気減速である」

中国の景気減速懸念の解消のめどは、早々には立たない。日本のバブル崩壊後の経験では、設備、雇用、債務は3大過剰と言われた。中国でも過剰設備や雇用問題の調整局面が訪れている。四半期単位でなく、年単位で捉える必要がある」

――3月末までのドル/円の下値めどはどのあたりか。

「100─105円への下落があってもおかしくないだろう。たしかに、2週間足らずで10円の下落はペースとしては急すぎるといえる。ただ、歴史的にドル/円の上値目途は企業物価ベースで見た購買力平価だった。これが今、100円である。また、経済協力開発機構(OECD)や世銀算出の購買力平価は105円だ

「アベノミクスが盛り上がっている局面では『今後物価が上がり、購買力平価も、そのうち円安になるから問題ない。もはや経験則は通用しない』との見方が流布されてきたが、1月末、日銀は3度目の物価目標達成時期を先送りした。もうインフレが期待できないとなれば、『経験則が通用する世界』を想定すべきであり、購買力平価への回帰を想定したい」

――相場安定に効果が期待できる政策はあるか。

「震源地は日本ではないため、日本が政策発動しても根本解決につながらず、効果は限られる。リスク回避の根幹が中国なので、中国が政策を打つのが一番早い。ただ、中国の景気減速の発端は、リーマン・ショック後に打ち出された4兆元の景気対策から生じた過剰投資にある。さらに投資を促進したとしても実際の経済効果は期待しにくいが、目先の市場心理は改善するかもしれない。米国が追加利上げを諦め、再び緩和策に転じる場合、株価にはプラスだとしてもドル/円は下押しされる」

(平田紀之)
中国からの資本流出、そして人民元暴落、その結果起きるであろう世界デフレ。
世界の同時株安は中国発の世界同時不況という仮説が織り込まれようとしている。要はこの相場下落は中国の崩壊の一事象だということだ。
 日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁が個人的見解としたうえで、中国の人民元について「国内金融政策に関して一貫性があり適切な方法として、資本規制が為替相場の管理に役立つ可能性がある」と述べたと報じられた。

 物やサービスの移転を伴わない対外的な金融取引のことを資本取引という。日本の外為法では、居住者と非居住者との間の預金契約、信託契約、金銭の貸借契約、債務の保証契約、対外支払手段・債権の売買契約、金融指標等先物契約に基づく債権の発生等に係る取引、および証券の取得または譲渡-などが定められている。

 このほかにも、居住者による外国にある不動産もしくはこれに関する賃借権、地上権、抵当権等の権利の取得、または非居住者による本邦にある不動産もしくはこれに関する権利の取得も、資本取引とされている。

 こうした取引は、金融機関を通じて行われるので、資本取引を規制しようとすれば、金融機関を規制することとなる。規制の方法としては、全面禁止、取引許可、取引届出、取引報告などがあり、前者から後者にいくにつれて規制が弱くなる。

 黒田総裁が指摘した、為替管理と資本取引の関係を理解するには、「国際金融のトリレンマ(三すくみ)」を知る必要がある。それは、「独立した金融政策」「固定為替相場制」「自由な資本移動」のうち、2つまでしか同時に達成することはできないというものだ。

 この法則に従うと、資本取引規制によって自由な資本移動をあきらめれば、独立した金融政策と固定為替相場制を達成できる。つまり、国内物価の安定のために金融政策を使うことが可能となり、為替相場も安定させられるというわけだ。

 中国の資本規制は原則として許可制で、先進国が原則として報告だけなのに比べて格段に規制が強い。それでも香港などを経由した資本流出の動きを食い止められないようだ。

 もっとも、中国が本気になれば規制強化は容易だろう。なにしろ、中国では、問題を起こしたとして摘発された場合、政治的失脚までありえるからだ。

 筆者はかつて中国でのコーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する国際会議に出席した際、強烈な思い出があった。国有企業ばかりの国で、コーポレート・ガバナンスなんて所詮無理と思っていたところ、中国政府関係者が「中国では粉飾は死刑にもなります」と説明したのだ。さすがに、この発言には度肝を抜かれた。その延長線で、資本流出を勝手に行えば、重罰というのもあり得るだろう。

 先進国では、貿易自由化の後に資本を自由化するというのが一般的な流れだ。しかし、中国の場合、貿易の自由化を進めたが、ここに来て資本規制が必要となったことで、貿易も規制せざるを得なくなるかもしれない。

 すでに水面下では強烈な資本取引規制が行われているともいわれている。それでも資本流出が続いているのであれば、中国経済はかなり重篤だろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

武者氏は中国が資本規制を行えば株は底打つ可能性があると主張するが・・・
IMFのSDR加入の条件は十分な資本の自由化なのだ、中国はSDRを捨て資本規制をするのか・・・???


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緊急市場調査:ドル112円・日経平均1万8500円の声も
【ロイター】2014年 09月 19日 18:45 JST

[東京 19日 ロイター] - 円安・株高が急ピッチで進み、年末までにドルは111─112円、日経平均は1万7500─1万8500円まで上昇するとの予想が広がっている。

ただ、海外短期筋が利益確定の反対売買を展開するのをきっかけに、調整色が濃くなるとの懸念も出ている。市場の注目は、米経済の回復度合いと米金利上昇の行方、国内経済の足取りに集まりそうだ。

識者の見方は以下の通り。

●急速な株高、流動性相場継続期待で投機的

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券 シニア投資ストラテジスト 折見世記氏>

米連邦公開市場委員会(FOMC)後に日本株は上昇ピッチが加速しているが、ドル建ての日経平均はほぼ横ばいで推移し、昨年末の高値を抜けていない。これは最近鈍かった日経平均の為替感応度が突如上がったということを意味している。買いの主体はヘッジファンドを中心とする投機筋と考えざるを得ない。

FOMC後の声明では、資産買い入れ終了後も「相当な期間」、事実上のゼロ金利を維持する方針があらためて示された。一方、欧州中央銀行(ECB)は前日、長期資金供給オペ(TLTRO)による流動性供給を実施した。市場にはグローバルな流動性相場継続への期待が高まり、一部には実現の可能性が低いにも関わらず、ECB版の量的緩和(QE)策まで期待する見方が出ているようだ。スコットランド住民投票は独立回避の見通しとなり、リスクオンのムードが高まる条件がそろったといえる。

だが、ここまでの株高のプロセスは危うい。いいとこ取りの集大成ともいえる相場だ。TLTROは応札が少なく供給量は予想を下回っている。10月に米国のQE3が終了し、グローバル流動性が拡大しないとの認識が広がれば、株式市場にはリスク要因になる。為替相場にも達成感が出て、10月はいったん株価調整がありそうだ。現状、世界で景気モメンタムが強いのは米国ぐらいだろう。欧州、日本、中国はむしろ下向きだ。ミューチュアルファンドなど海外実需勢で日本株を積極的に買う動きはまだ出ていない。景気改善の前提で日経平均は年末1万7500円と予想している。

●日経平均は10月FOMC前に調整、年末は1万8000円台も

<エース経済研究所社長 子幡健二氏>

これまでQE1(量的緩和第1弾)、QE2の終了時にはダウが下がっている。こうした意識から、米国市場では10月中旬ごろにQE3の終了をにらんだ利益確定売りの動きが出る可能性があり、米金融市場の影響で日本株はいったん調整局面に入るだろう。

その後は10月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、ゼロ金利政策をめぐり「相当な期間」というフォワードガイダンスの文言が外れ、米金利が上昇しドル高が進むとみている。米株以上に日本株が上昇する可能性がある。

一方、国内では企業の中間期決算の時期に差し掛かる。円安効果で企業業績予想の相次ぐ上方修正が期待できる。年末にドルが112─115円で推移しているという前提でいけば、日経平均は1万7500円─1万8500円のレンジとなるとみている。

●ドル年末112円、日米金利差と貿易赤字拡大で円安

<野村証券 チーフ為替ストラテジスト 池田雄之輔氏>

ドル/円は、110円から上では、投機筋がけん引する相場にはなりにくく、上昇速度も緩やかになりそうだ。ただ、日米金利差と日本の貿易赤字の拡大を背景にドル高基調は継続し、年末までには112円に達すると見る。

米ジャクソンホールのシンポジウムや米連邦公開市場委員会(FOMC)、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の新基本ポートフォリオといった、明確なドル高/円安のイベントは、間もなく出尽くす。いったんは利益確定の動きが出やすくなるだろう。

ただ、米金利の上昇余地は十分ある。FOMCメンバーのうち、ややハト派よりのFFレート見通しの水準でみても16年末に2.00─2.25%としている。FF金利先物は1.8%にとどまっており、米金利がさや寄せしていくだけで、2円程度の円安余地がある。さらに今後は、利上げのタイミングが近づくだけで金利は上昇していく。金利差拡大による円安圧力も期待できる。月間1兆円を越える日本の貿易赤字も基調的な円売り圧力として継続する。

リスク要因をあえて挙げれば、米景気の回復が遅れるシナリオがある。仮にこれまでの回復基調が年初の悪天候による景気減速からの単なる反動増だった場合だ。この場合、利上げをしても小幅にとどまったり、利上げのタイミングが16年以降に後ずれする可能性があり、円安が進まなくなる。中国の成長率が3%程度へと、極端に失速するシナリオもゼロではない。コモディティ価格が下落し、日本の貿易赤字を歪んだ形で縮小させかねない。米国は利上げどころではなくなって投機マネーが巻き戻しに動き、ドルは95─100円程度まで下落しかねない。ただ、中国政府は成長の維持を死守しようと政策対応するだろうから、確率としては低いと見ていいだろう。

●ドル高基調継続、短期では110円で頭打ち感も

<メリルリンチ日本証券 チーフFXストラテジスト 山田修輔氏>

為替市場では基本的にドル高基調が続くとみている。低水準にある米長期金利が年末にかけて上昇し、ドルの支援要因になる。ただ、ここまで為替の方が先走る形で上がってきたので、米金利に比べて上昇余地は少ない。

ドル高/円安が進めばマクロ的に米金利への上昇圧力が低下するほか、日銀に対する追加緩和のプレッシャーも小さくなる。短期的に110円を超えて加速していくかというとそうでもなさそうだ。年末までのレンジは106─111円としたい。

昨年の秋から今年の年末の水準は108円とみている。足元では109円半ばまで上昇しており、108円より上で終わる可能性はあるが、シナリオを大幅に覆すには至っていない。

●ドル買い継続、FRBの利上げスタンス浸透

<あおぞら銀行 為替マーケットメイク課課長 諸我晃氏>

ドル/円は、米景気の回復がメーンシナリオになる。米連邦準備理事会(FRB)の利上げスタンスが徐々に浸透していくなかで、ドル買いが継続するだろうし、日本の貿易赤字や消費税再増税、日銀追加緩和への思惑などが円安方向に働くだろう。ドル/円にとって、上昇材料がかなり多くなりそうだ。

とりわけ、利上げ開始のタイミングや出口戦略の詳細が明らかになっていく12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)が重要になる。それまでは、米経済指標をにらみながらの相場展開となる。

目先では、ドルはリーマン・ショック前の高値110.66円が節目になる。米長期金利は、上昇しても2.8%程度だろう。緩やかな金利上昇となれば、株価も上昇してリスクオンのドル買いとなる。112円程度への上昇を試す可能性もある。ただ、金利や株価に比べ、為替が先行している面があるほか、110円を超えれば、政府・日銀からもさすがに円安を抑える方向の発言が出てくると想定され、上昇ペースはダウンするだろう。高値を付けた後、上昇力が衰えるようなら利食いの売りが優勢になりやすくなってくる。

下落した場合、8月までの年初来高値105.50円付近が、07年6月の高値124円と11年10月の75円の61.8%戻しでもあるので、かなり堅いサポートになるだろう。リスクオフ要因としては、ウクライナや中東の地政学リスクがある。足元では兆候が見られないとはいえ、米株価が崩れる事態もありえなくはない。ドルの調達コストが上昇していることも気がかりだ。9月末や12月末にドルファンディングへの不安が出るほどひっ迫すれば、波乱要因になるかもしれない。

●年末までの長期金利予想レンジ0.5─0.8%

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

英国からの独立の是非を問うスコットランド住民投票は独立反対で決まりのようだが、10日の段階で、ポンド売りは終わっているので、投票前の段階で、ある程度答えは出ていた。それを再確認したという感じだ。

年末まで円安・株高が持続しそうだ。つまり、株安にならない限り、円安は続くと思う。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革への期待感や、米経済が急激に悪くならない見通しにあることなどが影響しそうだ。となれば、円債を取り巻く環境は芳しくないのではないか。

一方、円安・株高に対する円債の感応度は高くはない。これは、日銀の「量的・質的金融緩和(QQE)」が需給を支えているためだ。金利上昇には限度がある。

金利の低下余地に関しても、直近で試した10年最長期国債利回り(長期金利)の0.5%割れの滞空時間が非常に短かったことを考慮に入れると、物理的に限界がある。長期金利の年末までの予想レンジは0.5─0.8%とみている。

●米金利上昇圧力と需給タイト化の綱引き継続

<みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト 上野泰也氏>

米長期金利の上昇と国債需給のタイト化の綱引きが継続。10年最長期国債利回り(長期金利)は年末にかけて0.5─0.7%のレンジを予想している。

日本国債(JGB)市場は、日銀が進める大規模な国債買入に加えて、過去最高規模に上る銀行の預貸ギャップによって、需給相場の色彩が濃いため、基本的に金利が上がりにくい構造だ。

一方で、外部環境が大きく動いてきたことも事実。米国では、10月にも量的緩和縮小(テーパリング)が終了。その後は利上げをにらみながら、米金利に上昇圧力が強まるとみている。特に、米国の10年や30年といった長期・超長期ゾーンの金利水準は、ファンダメンタルズから判断しても低すぎるため、短期筋のポジション調整とともに水準訂正が起きても不思議ではない。JGBにとってもベアスティープ化の要因だ。

国内の注目材料は、消費再増税の政府判断。再増税延期の判断が下された場合、債券相場が揺れ動く可能性がある。長期金利は0.7%にワンタッチする場面があるかもしれない。しかし、今のJGB市場は、財政警告シグナル機能が失われているため、増税延期を手掛かりに売る参加者がいても、一時的でかつ限定的だろう。むしろ、金利が上がった局面では押し目買いが殺到しそうだ。

(ロイターニュース 金融マーケットチーム)

コラム:円安「容認と反対」の分岐点は115円超え             【ロイター】2014年 09月 19日 13:57 JST

田巻 一彦

[東京 19日 ロイター] - 円安が進展している。19日にドル/円JPY=EBSは6年ぶりの109円台となった。政府・日銀には「円安容認」の見方が多いが、ここにきてコスト増を意識した「円安反対」の声もじわりと広がり出した。

容認と反対の勢力図が逆転する水準はどこか。政策当局内に120円の円安は行き過ぎとの指摘があることを踏まえれば、115円を超えて円安が進めば、政府から何らかのメッセージが出てくるかもしれない。

<円安めぐり意見の対立鮮明に>

外為市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)、スコットランド独立をめぐる住民投票などイベントをこなしつつ、ドル高が進んでいる。対円でも6年ぶりの109円台を付け、節目の110円台まで大きな障害はないとの見方が、市場の多数派だ。

この円安をめぐり、日本経済にとってプラスなのかマイナスなのかという意見の対立が、次第に鮮明になってきた。

政府・日銀内にある「円安容認」の考え方を総括すれば、輸出企業を中心に外貨建て資産や収益の円評価のかさ上げ効果で、メリットを受ける企業の株価が上がるとともに、企業マインドも好転。こうしたメリットが設備投資や雇用・所得環境にプラスとして働き、経済の好循環を生み出す原動力になるとの見方だ。

  
また、円安とは逆方向の円高に振れ、デフレ心理が復活し、設備投資や個人消費にマイナスの影響を与えるケースと比較すれば、円安の効果は、マイナスの要素を差し引いてもかなりな規模になるとみている。

一方、地方で活動する企業や大都市圏も含めた中小企業などからは、ガソリン代に代表される燃料費、輸入品を中心にした原材料費の上昇で、企業収益が圧迫されているとの声が挙がっている。

また、大企業400社を対象にした9月ロイター企業調査では、約75%の企業が105円を超えない程度の円安相場が「望ましい」と回答。「円安は進めば進むほどプラス」とは、受け止めていない現状を浮き彫りにした。

さて、どちらの見方が正しいのだろうか。毎月1兆円程度の貿易赤字を計上するようになった日本経済にとって、かつてのような貿易黒字国の時代と比べ、円安のデメリットが大きくなったことは間違いないだろう。

原発が止まっていて、LNG(液化天然ガス)の輸入量が増大し、その分のコストが円安でさらに膨らんでいるということもある。

外貨建ての収益がない国内の中小企業にとって、見た目にはコスト増だけを招く「円安」と映る構図が出来上がっているとみることもできる。

他方、円高が進んでさらに製造業の海外移転が加速すれば、国内に残っている中小企業が受注先を失い、そのことで国内雇用がさらに下押しされるというシナリオの実現性が高まる。

また、円高を起点にした企業や個人のマインドの冷え込みで、「デフレに逆戻りする」との心理が急速に広がれば、縮小方向への逆回転が始まって、黒田日銀が始めた量的・質的金融緩和(QQE)の効果が、あっという間に雲散霧消する懸念も、根強くあると推測できる。

<甘利再生相も急激な動きをけん制>

このように見てくると、円安の功罪を一刀両断に結論付けることは困難であると言わざるを得ない。

特に水準とテンポの2つの変数の動向で、他に波及する影響の度合いが大幅に違ってくる為替の場合、複雑さが増幅される。

19日の会見で、甘利明経済再生相が「急激に為替が動くことは好ましくない」「実力に見合って安定的に推移することが望ましい」と発言したのも、足元の円安進展のテンポが、当局からみて「スピード違反」に映っている証拠だろう。

ただ、政府・日銀内の多数意見が「円安反対」に変わったわけではないだろう。ゆっくりとしたテンポで円安が進むなら、110円は容認できる水準とみているのではないか。

だが、青天井で円安進行を認めるということもないだろう。まだ、かなり先にあるが、120円は当局にとって容認できない水準と映っていると予想する。

円安のメリットとデメリットのバランスが、デメリット方向に大きく傾くのは115円を超えたあたりではないかと考える。

この水準まで円安になると、電気・ガスなどの料金が為替変動を反映してかなり値上げされることになり、世論が円安への批判を強める方向になる可能性も出てくる。

円安の動向次第では、今後の財政・金融政策の展開にも大きな影響を与えそうだ。
執筆中





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[東京 12日 ロイター] - 来週の東京株式市場はじり高基調が継続しそうだ。ドル高/円安基調が引き続き日本株を支援するという。日経平均は心理的節目の1万6000円を回復する公算が大きい。

一方、米利上げ時期を探るうえで米連邦公開市場委員会(FOMC)への関心が高く、FOMC後の動向を警戒する声も出ている。

日経平均の予想レンジは1万5700円─1万6300円。

日経平均とダウ工業株30種.DJIの値動きを比較するNN倍率(終値ベース)は11日に0.933となり、8月29日の0.902を底に反転上昇。8月4日以来、約1カ月ぶりの高値水準となった。米早期利上げ観測を背景に米国株はやや調整含みにあるが、ドル高/円安基調が日本株を押し上げている構図だ。

東海東京調査センター・チーフストラテジストの隅谷俊夫氏は「ドル/円JPY=EBSはいったんトレンドができると10円程度動く傾向がある。今回の円安局面ではまだ5円程度に過ぎず、一段の円安が日本株の追い風になる」との見方を示す。円安による業績改善期待から輸出株が買われ、日経平均は昨年末高値1万6320円をうかがう可能性があるという。

一方、注目は16─17日の米FOMCだ。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見も予定されており、米利上げ時期についてタカ派的な見方が出てくるのではないかとの観測が高まっている。「米国にインフレリスクが乏しいため、市場を荒らすような発言は想定しづらいが、マネーフローが変調すれば、株売りにつながりかねない」(国内証券)と警戒する声が出ている。

また東京市場では秋の新規株式上場(IPO)シーズンが始まる。17日にロックオン(3690.T: 株価, ニュース, レポート)、18日にリアルワールド(3691.T: 株価, ニュース, レポート)、19日にAMBITION(3300.T: 株価,ニュース, レポート)がいずれも東証マザーズに上場する。11日に上場したジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)(7172.T: 株価, ニュース, レポート)が好発進となっただけに、IPO人気が高まりそうだ。

主なスケジュールでは、16日に8月首都圏新規マンション販売、18日に8月貿易統計や4─6月資金循環統計、19日に8月全国百貨店売上高が発表される。

海外では、16─17日のFOMCのほか、15日に8月米鉱工業生産、18日に8月米住宅着工件数と9月フィラデルフィア地区連銀業況指数、19日に8月景気先行指数(コンファレンス・ボード)などの発表が予定されている。
米国経済の順調な回復を見据えてドルを買う動きが強まり、1カ月間で約5円も円安ドル高が進んだ。
上野泰也 みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト

[東京 10日] - ドル円相場が上昇余地を断続的に模索している。米連邦公開市場委員会(FOMC)が10月下旬に量的緩和縮小、いわゆるテーパリングのプロセス完了を決めるよりもかなり前という予想以上に早いタイミングだ。

先週後半以降のドル円の動きをざっと振り返れば、5日の日本時間早朝、仕掛け的なドル買いから一時105.71円まで上昇。1月2日に記録した年初来の円安値105.45円を突破した。8月の米雇用統計発表後に一時104円台後半まで売り戻されたが、市場のドル買い意欲は根強く、8日のニューヨーク市場で106円台に乗せ、10日の東京市場では午後2時現在106円台半ばで推移している。

今回の円安ドル高局面の根底には2つの「期待先行」があると、筆者は整理している。

まず、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革が円売り需要に結びつくという思惑が広がった。具体的には、運用改革積極派として知られる塩崎恭久氏が3日の内閣改造でGPIFを所管する厚生労働相に起用されたことにより、国内株式や外国株式・外国債券の比率を引き上げる方向のGPIF基本ポートフォリオ見直しの「早期実施」期待が強まった。

次いで、日米金利差の拡大を通じて円安が進むとの期待感が急速に広がった。着実な景気回復を背景に米国の利上げが市場のこれまでの想定よりも早く開始されて米長期金利が大幅上昇する一方、日銀の追加緩和観測が再び強まっている日本では長期金利の低位安定状態がこのまま続くとの予想からだ。

むろん、現在の世界経済を見渡した場合、米国経済(および米ドル)の相対的な優位は明らかである。ユーロ圏の景気はウクライナ情勢の影響もあって回復が止まり、日本の4―6月期は大幅なマイナス成長で景気下振れリスクが顕在化し、英国ではスコットランド独立住民投票の行方が不透明さを増している。

消去法で「ドルは買い」となるのは自然の流れであり、これが全般的なドル高局面に結びついている。そうした中であえて対円でドルを買い進む理由は、上記の2点というわけだ。

したがって、今回の円安ドル高局面に持続性が伴うのか、平たく言うと、このまま大きな調整を経ることなく108―110円を目指す「円安の波」が形成されていくのかどうかが、当面の焦点になる。先行した期待に現実の動きがキャッチアップしてくる場合には、このまま円安が進むことになるだろう。一方、期待に現実がキャッチアップしてこない場合には、ドル円はいったん円高方向に揺り戻すことになる。

<GPIF改革めぐる円安期待は行き過ぎ>

まず、2つの「期待先行」のうち、公的年金運用改革について述べると、それが株価上昇や円安につながるとの市場の期待感は、明らかに過大である。

公的年金の運用は国民の大事な財産を預かって行われているわけであり、市場で「高値つかみ」をするようなことがないよう慎重にマネージされるはずだ。委託を受けた運用会社のポートフォリオマネージャーが「上昇相場を作る」ような買い方をして、これに売り向かった海外の短期筋などが結果的に甘い汁を吸うようなことが大規模に起きるのは、当然回避されるだろう。

さらに、GPIFの基本ポートフォリオ見直し問題では、運用資産区分ごとの比率(パーセンテージ)もさることながら、その比率への「移行期間」と「許容かい離幅」が、きわめて重要なポイントになる。要するに、新しい基本ポートフォリオへの移行期間を十分に長くしておき、許容かい離幅も大きな数字にしておけば、日本株や外国資産を短期間で無理に買い増す必要性が薄れるため、その分「高値つかみ」を余儀なくされる可能性も小さくなる。

関係者のコメントを見ていると、話はそうした方向に進みつつあるとの推測は十分可能である。期待先行で日本株買いや円売りが進められた部分は、遅かれ早かれ剥落するだろう。

<年末に向けた日米金利差急拡大は期待薄>

では、米長期金利の上昇を主因とする日米金利差の拡大についてはどうか。こちらについては現時点で明確な結論を出しにくいものの、少なくとも金利差が年末にかけて急拡大するとは考えにくい情勢である。

今月9日、米2年債利回りは早期利上げを警戒して0.56%に上昇し、米10年債利回りは独10年債利回りが1.00%まで上昇するのと連動する形で2.50%まで上昇した。欧州中央銀行(ECB)による量的緩和への過剰な期待から独10年債が水準感を半ば喪失して0.9%割れまで買い進められ、米10年債が2.30%まで急低下した局面が終わったことを、はっきりと印象付ける動きである。

米国と日本の2年債の利回り格差は、9日に0.49%まで拡大した。同日の10年債の利回り格差は1.97%で、節目とみられる2%超えまで、あと一息である。

念のために説明しておくと、2年債利回りはその国の当面の金融政策(政策金利)の方向感を示す代表的な指標の1つとして重要である。また、米国の10年債や30年債の利回り水準や日本との利回り格差は、国内大手生保などが運用先を国内債から米国債にシフトするかどうかを探る上で重要な手がかりになる。

利回り格差が拡大して投資妙味が大きくなれば、日本からの投資マネー流出が増えて、円安が進みやすくなる。米2年債利回りがこのまま強含みで推移し、米10年債利回りが米国のファンダメンタルズに沿った水準とみられる3%以上へと順調に切り上がるならば、ドル円は現在の動きの延長線上で108―110円台を目指すトレンドを形成するだろう。

だが、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長のハト派寄り姿勢、すなわち、利上げを慌てて開始し、それを積み重ねて失敗するよりも、利上げのタイミングやペースが遅すぎて失敗することのほうが、米国経済にとってコストは小さいという基本的な考え方は、今後も変わりがないだろう。イエレン議長がタカ派になびくのではないかというような市場の思惑は、強く否定される可能性が高い。これは米長期金利の一段の上昇を抑制する要因である。

また、米10年債についてはこれまでの相場動向から考えて、2.65%前後で邦銀勢を含む買い需要が厚そうである。この水準を抜けた場合でも、2.75―2.80%を抜けるためには、それなりに大きな材料が必要になる。

さらに言えば、「逆金融相場」入りを警戒して米国株がまとまった幅で調整するシナリオが、年末にかけて意識される。そうなった場合、米国債の利回りは当然上がりにくくなる。決算をにらんだヘッジファンドのポジション手仕舞いの動きも警戒されるところである。

以上のように整理して考えると、先行して広がった期待に対する現実のキャッチアップ度合いが不十分なものにとどまる中で、遅かれ早かれ、ドル円はいったん円高ドル安方向に揺り戻す可能性が高い。
唐突にも麻生財務大臣が、消費税の10%への増税のショックを和らげるため年末に補正予算を編成するという話を出してきた。例のように4兆円くらい予算が余るからである。この財源はいつもの通り、税収見積もりを過小に行い、また国債利回りを高く見積もってきたことから生まれる。このような小手先のことをずっと続けていてもしょうがない。本予算でしっかりとした総合的な経済政策を打出すべきと思う。
田巻 一彦

[東京 12日 ロイター] - 円安進展の波及効果をめぐり、株式市場にばかり注目が集まりがちだが、別のマーケットにもエネルギーが溜まり出している。それは日本国債市場だ。

日銀の量的・質的金融緩和(QQE)で長期金利には低下圧力がかかり続けてきたが、円安が110円方向に一段と進めば、輸入物価を中心に消費者物価指数(CPI)を押し上げ、0.5%台の長期金利とは整合しなくなるとの見方が、国内勢の中でジワリと広がりつつある。

<黒田総裁、円安はマイナスにならずと発言>

日銀の黒田東彦総裁は、足元でドル/円JPY=EBSが107円台を付ける円安局面に関連し、11日のテレビ番組で「今の円安が日本経済にマイナスになるということはない」と述べた。

この発言は、日銀が円安進展を容認していると市場では受け止められ、12日の東京市場でも107円前半での推移となっている。

市場では、この円安が輸出企業の業績を押し上げ、株式市場にとってプラスの材料であるとし、円安が株高に波及するルートに着目する声が多い。

実際、12日の日経平均.N225は、1万6000円台目前の水準に切り上げている。

<円安で意識され出したCPIへの波及効果>

だが、マーケットを取り巻く個人投資家らがあまり注目していないところで、静かに動き出しているのが、長期金利JP10YTN=JBTCだ。いったん0.485%まで低下していたが、12日は0.570%に上昇している。

米長期金利の上昇との連動性を指摘する声や、9月中間期末を控えた調整売りなど市場には多様な声が出ているが、ここから先の展開では、円安がポイントになるとの指摘が国内勢の一部から出ている。

107円台まで上がってきたドル/円が、110円を目指してさらに上昇した場合、CPIに影響を与え出すのではないか、との見方だ。

日銀とエコノミストの物価をめぐる見通しで、最も見方が分かれていたのが、今年秋以降のトレンドだ。エコノミストの中では、昨年の円安進行の効果が1年たってはく落し、その部分のCPI下押し効果と景気減速で、CPI上昇率は1%割れもあると予想されていた。

日銀は1%前半での推移が継続し、やがて上昇率が拡大する過程に入るとみている。足元における約1カ月間での5円近い円安進行は、CPI上昇率の低下を見込んでいた向きにとっては、想定外だったはずだ。

また、一部の国内勢は、110円を突破するような円安が年内に実現するようなら、CPI上昇率は日銀の見通しよりもやや上振れる可能性もあるのではないかと予想しだした。

<国内勢の目線上がる可能性>

今後、半年から1年を見通した場合、円安の進行─CPIの上振れが多くの人の目にはっきりしてくると、財政赤字拡大や経常赤字転落を材料に日本国債を売り仕掛けしようとする海外勢とは別に、国内勢の動向が注目されることになるだろう。

日銀が見通しているように2015年度中にCPI上昇率の2%が視野に入ってくれば「0.5%の長期金利は、整合性があるとは言えなくなる」(国内金融機関の関係者)という声が増えてくると予想される。

長期金利が一足飛びに1%台に上がる可能性は低いだろうが、国内勢の長期金利に対する「視線」が変化し、0.6%台─0.8%台に取引レンジがシフトする可能性が十分にあると予想する。

一方、日銀のQQEの効果で、3カ月物や6カ月物の一部では、マイナス金利が付いており、金融緩和効果が一段と鮮明になっている。

この先、円安が進み続ければ、短期ゾーンは低下し、長期ゾーンは上昇するというイールドカーブのスティープ化が一層鮮明になるだろう。

いったん、そうした金利が形成された時に、その先に市場が何を意識するのか──。1)消費再増税の負担を予想して、長期金利は再び低下していく、2)補正予算などの財政出動で景気がそこそこの回復基調をたどって、1%に向けじわじわ上昇する、3)財政赤字の膨張を意識して急上昇する、という3ルートが予想される。

政府が2)のルートに誘導させようとするなら、消費再増税とその後のマクロ政策はどうなるのか。政府・日銀と市場との神経戦が、一段と熱を帯びて来ることになるだろう。

「アベノミクス」を過少評価されているが、日本経済は「経済の大変化」が起っているかもしれない

米国の実体景気の回復の姿はFRBのベージュブックでは前月に続き、揺るぎない成長見通しが発表された。米連邦準備理事会(FRB)が9月16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、資産買い入れプログラム終了後も事実上のゼロ金利を「相当な期間(considerable time)」維持するとの確約を解除し、来年6月の利上げ開始に向けた下地を整えるとの観測が、有力エコノミストの間で高まっている。
市場参加者の間でFOMC声明のタカ派色が強まるとの見方が強まる中、JPモルガンのエコノミスト、マイケル・フェロリー氏は12日、投資家向けノートの中で、「相当な期間」の文言変更はもはや行き過ぎた考えには見えないとし、イエレン総裁がFOMC後の会見で「穏やかな表現を用い文言を変更することは可能だろう」と指摘した。

9月 19日配達分のアイフォーン大画面版iPhone6プラス」が、事前注文が受け付け開始後数時間で殺到したり、2日に発表された米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業景況感指数は3年5ヵ月ぶりの高水準、7月の世界の半導体売上高は前年同月比9.9%増となり、単月の実積としては過去最高を更新し、5ヵ月連続で全地域で前年を上回った。また、米国の新車販売では8月の新車販売台数は前年同月比5.5%増となり、8月としては2003年以来11年ぶりの高水準となった。。米国では新車の販売が好調であり、米国では中産階級家庭の収入が株高で急速に増え自動車の新車需要が急速に高まっている。 

今年に入って米国の景気の回復状況を示すものとして米国では雇用統計が重要視されてきた。昨年後半、米国の歴史の中でかつてない積雪を記録した大雪は米国経済に大きな被害をもたらした。しかし、9月5日発表された8月の雇用統計では、前月に比べ14万2000人増え(増加幅は市場予測22万5000人)、市場予測を大幅に下回る弱い数字となった。だが、失業率6.1%という水準で推移していけば、米国でほぼ完全雇用状態といわれる5%台前半は現状では来年春にも到達する可能性は高い。

 過去の金融引き締めの過程への動きをみるとインフレ化を恐れて早めに資金の供給を絞りデフレを招いて失敗に終わっているケースが多い。 ましてや今回は信用危機を終演するためにドルを外国にまでタレ流して、財政を使い果した結果、デフレを発生させずに景気をなんとか回復させてきた。イエレンFRB議長によればデフレ経済を起こさずに大量の資金を供給した初期の景気回復には雇用数値が高く出るのはあたりまえである。数値が高いからといってその数値をへし折る政策をとれば再び2-3倍のデフレの種がまきちらされることになる。
 
その種を取り除<ためにさらに大量のマネーがいることになる。日本のようにデフレが長期化してしまった日銀の政策をFRBは反面教師としている点である。一歩間違えれば15年に及ぶ日本のデフレ時代に突入するからである。インフレもこわいがデフレは更にこわいとイエレン議長はみている。

 米株式相場が再び最高値を更新し始めるなど資産価格の上昇が鮮明になる中で、FRB内部でも早期の金融引き締めを求める意見も出始めた。労働市場が改善しても労働参加率の上昇は見込めないという、今までにFRB内で聞えてこなかった動きも生れてきている。労働問題を引き締めの材料にしようとするFRBの結論の声はまだ先になりそうだ。

スコットランド独立問題やウクライナを中心とする地政学リスクで、欧州のマネーが米国に流入して米国債が買われ米国の金利が低下する現象が生まれ、世界的に低金利状態が続<状況が生まれている。景気が拡大化する国での現象と違う流れが生まれ始めている。

 1980年以降バブルの崩壊で約20年近<デフレスパイラルが続いた日本の経済のようになりたくないと、米国や欧州も日本を反面教師として必死に現状戦っている。
 日本は先週、米国のドル安で円相場は急速に円安になり、日経平均は急上昇している。いよいよドル・円相場は年末には1ドル=110円の時代に突入していきそうであるが、多少スピード違反ぎみである。

日本経済はここ15年間で経験したことのないドル高・円安・株高の時代が到来する可能性が高い。

「日本の4-6月期GDPが年率6.8%減 アベノミクス、完全に失敗!」 「試練のアベノミクス4~6月期GDP大幅減 頼みの個人消費も黄信号」 
「力強さ欠く個人消費…政府シナリオに狂い」             
 消費税の反動減がある程度見込まれていたとはいえ、「実質GDPマイナス6.8%」という2014年4-6月期のGDP統計で、「デフレ大好き学者」、「反アベノミクスメディア」から「なんでも批判政党」までが俄然勢いを盛り返しているようです。一部大手メディアや外国メディアもここぞとばかり、アベノミクス批判を繰り広げています。              
 しかし、内閣府が発表したデータを直接調べてみると、“識者”コメントの受け売りだらけの新聞報道とは異なり、「アベノミクスは結構うまくやっている」こと、「GDPをもっと増やすための課題は輸入削減にある」ことが見えてきます。                         
■“実質GDP”は生活実感と大きく乖離              
 「最近、どの行楽地もレストランも混んでいる」 
 「株価もまずまず、企業業績は順調」 
 「不動産業者や人材派遣業者がものすごく強気」 
 という皮膚感覚と、“GDP大幅マイナス成長”の差がどこから出るのか、GDPの推移を見てみましょう(図1)。
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(出所:内閣府)                          
 これをみると、確かに2014年の第二四半期はマイナス6.8%で、2008年のリーマンショックほどではないものの、2011年の東日本大震災直後に匹敵する落ち込みです。でも、この数字だけを見て喜んだり、悲しんだりしていては、受け売りメディアと同じ表層だけの理解にとどまってしまいます。
 実は、この数字には4つ“トリック”があります。 
 まず、消費税の駆け込み需要で第一四半期(1-3月)がプラス6.1%だったので、その反動減です。1-3月に先食いで+6.1%と水膨れしているので、その分が減れば“大幅減”に見えてしまうという点です。 
 加えてこの数字は“季節調整値”で、かつ“年率換算”されています。年末の書き入れ時となる第4四半期は例年GDPの数字が増えるので、それを数学的に平準化するのが“季節調整値”で既にモトの数字ではありません。だから消費税の駆け込みで、いつもは数字が低い第一四半期が多ければその分修正後の数字は大きくなります。また3か月分の数値を概ね4倍にしてみせるのが“年率換算”です。消費税の反動減は今年は1回しかないと分っていても年率にすると効果が4倍大きく見えます。 
4つめは、“実際の数字(名目GDP)ではなく、実質GDPというところ”
です。実質GDPはインフレやデフレの影響を排除するもので、経済学者からみれば“正しい”数字でしょう。でも、実質GDPで行われる操作は、企業経営や投資、実際の生活実感とは相容れないのです。
 例えば、 
 「え~、当事業部の売上は前年と同額ですが、5%デフレだったので実質5%増です!」 
 と事業部長が言えば、まずクビになります。 
 また、 
 「貴方の運用リターンは+8%でしたが、インフレが3%だったので、実質パフォーマンスは5%。これで今期のボーナスを決めます」 
 といわれたらファンドマネージャーは顔を真っ赤にして怒ることでしょう。 
 日常生活でも、 
 「ダイコンの値段が税込150円から154円になっても、消費増税分4円は財布から払っていないのと同じなので値上がりと考えるのは間違いです」 
 といわれて、 
 「へぇ~、そうなんですか」 
 と納得するオメデタイ方はまずいません。
 また、ドル円相場の10年チャートを見るときも、TOPIXの推移を見るときも、インフレ・デフレを調整した数字は机上の空論に過ぎません。このため、投資を考える際にはそのままの数字を使います。さらに言えば、この“実質値”に換算するための係数(GDPデフレーター)も、「ハードディスクの性能が倍になったら価格が同額でも50%価格が下がったとみなす」といった数字遊び的な要素を含んだものなのです。 
 つまり、「実質GDPマイナス6.8%」という新聞の見出しに出る“似て焼いて作った数字”は、アカデミックの世界では意味があっても、投資、経営、会計といった用途には使えないシロモノなのです。                                                
■GDPのモトの数字でみたら「あれっ増えている!」               
 実質ではなくそのままの数字を(名目)、季節調整や年率換算する前のものを見ると、どうしてもアベノミクスを批判したい一部マスコミの説明とは違い、実態は悪くなさそうです(図2)。
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(出所:内閣府)                          
まず、メディア報道から受ける印象と異なるのが、“駆け込み需要があった第一四半期よりも第二四半期の方が多い”ということです。消費税増税や便乗値上げ、円安の影響も入っているのですが、企業の売上や公共投資、実際に消費者が財布から支払う金額はこの数字の方が実感に近くなります。 
さらに言えば、過去の同じ四半期の数値どうしを比較したが、季節的な要因の影響もなく、機械的な季節調整の年率換算なしに、経済の状況を正しく見ることができるはずです。そこで、リーマンショックの影響も一段落し、東日本大震災が起こる前の2010年の各四半期を基準として、対応する四半期の名目GDPとの差額をみたのが図3です。
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(出所:内閣府、eワラント証券)                  
 2010年の各四半期との差額を見ると、リーマンショック前の2008年は今より桁違いに経済活動が活況であったことが見て取れます。また、翌年の2009年各四半期の落ち込みが大きいことと、2011年の東日本大震災やその後も続いたデフレ政策が経済を痛めつけていた事も一目瞭然です。
 ところが、2012年末から始まったアベノミクスによって、2013年第一四半期には目に見えて落ち込みが小さくなっています。とはいえ、2014年第一四半期の駆け込み需要でようやく2010年の水準比でプラスに転じました。驚くべき点は、そこで需要を先食いしてしまったにも拘わらず、第二四半期は2010年の同時期よりも経済活動が活発であったことです。これを見るなら「アベノミクスで日本経済は順調に回復中」ということになり、メディアに溢れる報道と全く逆の結論になります。                                              
■内需も輸出も順調に拡大中、GDPを増やしたいなら輸入削減が不可欠  
 「実体経済が良い方向に進んでいるにも拘わらず、マスコミの受け売り報道に惑わされるな」というと、「ん…まだ信じられない」という声が聞こえてきそうです。そこで、名目GDP(修正前のモトの数字)の内訳を、2010年の各四半期との差額でみたのが図4です。
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(出所:内閣府、eワラント証券)                  
 まず目に付くのが内需合計額(白黒の斜線)の急拡大です。マスコミがなんといっても、デフレ願望学者が政権批判をしても、アベノミクス後の内需は急拡大しています。また、「消費税導入で消費者の財布の紐が固くなった」、「性急な増税で日本の景気が減速した」と特定の海外メディアが大喜びしても、実態はそうではありません。家計の消費(緑の棒グラフ)を見ると、消費税導入後に落ち込んだとはいえ2010年よりも高い水準で、消費者の財布から出ているお金はかえって増えていることになります。 
 また、「アベノミクス第二の矢である財政出動はバラマキばかりで役に立っていない」という声があっても、政府最終支出(黄色に黒の斜線)と公的資本形成(オレンジに黒の横線)は、2013年第一四半期以降、内需拡大をしっかり支えています。「円安で輸出が増える時代ではない」「日本の産業構造が変わった」というのもちょっと的が外れています。確かに東日本大震災以降、日本企業の現地生産の加速、海外企業の日本離れが顕著とされていますが、図4の輸出(茶色)は着実に増加しています。
 それでも課題はあります。「TPPを導入し、国家の枠を超えて行こうというご時勢にGDPという指標に頼るべきか」という意見もありえます。しかし、GDPで株価が動き、国力の目安とされている以上、「内需拡大だけでなくGDPを増やすことも同様に重要」なのです。現在、日本のGDPを大きく増加させることへの最も大きな障害は輸入の急拡大(図4の赤字に黒横線のグラフ)です。せっかくの内需拡大を輸入が喰ってしまっているわけです(日本が世界経済の拡大に貢献しているとはいえます)。 
 つまり、「GDPの計算上、どんなに内需が増えても輸入品を買えばGDPが減る」のです。簡単に言えば、GDP(国内総生産)=国内の経済活動+輸出-輸入です。だから輸出はGDPにプラス、輸入はマイナスになります。 
 このため、現在輸入総額の1/3を占める鉱物性燃料(原油や液化天然ガス)の価格が上がって輸入代金がさらに増えれば、計算上、日本のGDPは目に見えて減ります。また、スマホを買うときに、国産のスマホを買えばGDPが増えますが、中国産のiPhoneや韓国産アンドロイド端末を買えばGDPは製品輸入で減ります(部品の日本からの輸出より製品代金の方が高いので)。もちろん、日本のメーカーのスマホでも、外国製で輸入価格が小売売上の過半を占めていればその分GDPは減ります。 
 同様に、欧米から最先端の医療機器を買い、外国製の衣服を買い、外国産のワインを飲めば国内流通業者の付加価値を除いた輸入代金分GDPが減ることになります。また、どんなに再生可能エネルギーが高くついても、国産の太陽光パネルを使って鉱物燃料の輸入を減らせばGDPがその分大きく増加することになります。                                                      
■GDPの観点から投資を考えるなら              
 輸出入とGDPに着目して投資を考えるなら、以下のようなイベントに注目すべきといえます。                        
◎原発再稼動:鉱物性燃料の輸入減に直結するので、GDP急上昇、日本株復活のきっかけになりえます。 
◎石油、天然ガス価格の低下:直接的に鉱物性燃料の輸入代金が減るので、GDP増加、株高要因になります。 
◎スマホの売上不振:スマホが行き渡り、価格が低下し、新機種を買うことがなくなれば、近年輸入額が急増していた外国産スマホの輸入が減りその分GDPが増えることになります。 
◎中国の環境規制:現在大幅な貿易赤字となっている中国で環境規制が強化されれば、製品価格に転嫁され、中国からの衣類、電気機器、食品などの輸入が減り、一部が国産品に代替されれば日本のGDPが増える可能性があります。また、中国への環境関連の輸出も増えることが予想され、日本株にはプラス要因です。 
◎米ドル・ユーロ・人民元・ウォンに対する円安進展:短期的な株高に加え、輸出企業の採算向上、連結決算への海外子会社の貢献拡大という中期的な影響もあります。さらに、輸入インフレによる名目GDP増加(=株高)に加えて、従来より時間がかかりそうですが輸入品代替・輸入抑制により、長期的にGDPが増加する要因になります。 
◎防衛装備の輸入:政府がどんなに防衛予算を増やしても大部分が高価な外国産航空機の輸入代金に消えればGDPは減ります。すると回り回って株安要因になります。 
◎消費税増税第二弾が1%づつ2回に変更:駆け込みと反動減が少なくなるので、実質GDPの数字操作によるマスコミや受け手の誤解が減り、増税が日本株にとってのかく乱要因となりにくくなります。
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 チーフ・オペレーティング・オフィサー 土居雅紹(どい まさつぐ)

執筆中

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武者陵司 武者リサーチ代表

[東京 12日] - 円安・株高の勢いがいまひとつ戻ってこないことを受けて、アベノミクスの前途を不安視する見方が再び強まっているように思える。成長戦略や日銀追加緩和への過度な期待はその裏返しだろう。

しかし、ファンダメンタルズに表れている様々な好材料は、安倍政権や黒田日銀のここまでの施策が奏功し、いずれ市場心理が劇的に好転する可能性を強く示唆している。筆者は、年末にかけてドル110円程度まで円安が再加速し、日本株(日経平均株価)は1万8000円から2万円に到達する可能性が高いとみている。

2012年11月から13年5月までの円安・株高相場を「アベノミクス期待相場」と名づけるならば、今後始まるのはファンダメンタルズの改善を織り込む「アベノミクス現実相場」と言えよう。その意味で、ここからしばらくは「絶好の仕込み場」となりそうだ。

<デフレ脱却宣言は時間の問題>

そもそも、デフレ脱却を示唆する証拠は続出している。第一に、大企業で16年ぶりの月額7000円台、2.4%という高水準の賃上げ(定期昇給とベースアップの合計)が進行しており、ボーナス分まで含めると、3%の消費税率引き上げ分を上回る所得増が見込めそうな気配だ。

消費者物価も上昇基調を続けている。値動きの大きい「生鮮食品を除く総合」は4月、前年同月比で3.2%上昇。日銀が試算する消費増税影響分(1.7ポイント)を除いても、上昇率は1.5%程度に達した計算だ。東大物価指数では、消費税率引き上げ分を上回る物価上昇が起きていたことも確認できる。デフレの原因として長らく指摘されてきた価格の上方硬直性(デフレ継続予想のもとで価格を抑え込む傾向)がついに解消されつつあることが分かる。

また、インフレと賃金に大きく影響する需給ギャップは、政府・日銀それぞれの試算で大幅に改善し、リーマンショック前の水準に近づきつつある。有効求人倍率はすでに06年7月以来の高水準である1.08倍(4月)まで上昇している。

加えて、デフレの最大の原因だった超円高が大きく修正され、再び過度の円高状態に戻る気配はない。中銀の貨幣発行速度、貿易収支、実質長期金利といった為替水準を決定する主要因のいずれもが完璧に円安ベクトルでそろっている。

悲観論者はいまだに日銀の「2%インフレ目標」達成に疑問を呈しているようだが、これらの証拠を見れば、「デフレ脱却宣言」はもはや時間の問題と言ってよいだろう。

<賃上げの好循環スタートへ>

では、デフレ下とデフレ後で、日本経済をとりまく景色はどのように変わるのだろうか。劇的な変化、言い換えればデフレ脱却後の「成長のけん引役」は主に二つ存在すると考える。

ひとつは、日本企業のグローバル展開確立による付加価値創造。もうひとつは、ライフスタイル向上がもたらす豊かな国内需要の創造である。後者は、労働分配率の上昇と実質賃金の増加が推進役となる。そして需要創造の先には、これまで国内に閉じこもっていたサービス産業の中からもグローバルな競争力を持つセクターが多数育つ可能性がある。観光業などはその代表例となろう。

振り返れば、これまでのデフレ下における最大の被害者は労働者とサービス産業だった。持続的な物価下落は労働者への所得配分、サービス産業に対する資源配分を著しく損ね、需要を抑制し続けたのである。

先進主要国の賃金・物価・生産性の推移を比較すれば、デフレに陥った1997年以降の日本の異常性は一目瞭然だ。海外の常識に照らせば、物価上昇率よりも賃金上昇率は大きく(生活水準の向上)、生産性の伸びよりも賃金上昇率が大きくなる(単位労働コストの上昇)はずなのに、日本では97年頃を境にすべてが逆さまになっている。労働生産性は伸びているのに、賃金は下落を続け、またその下落率は物価の落ち込みよりも大きい。

もとよりその最大の理由は、デフレ下で売価とコストの持続的な引き下げを余儀なくされた企業が労働者にしわ寄せをしたことだ。そして、その背景には、売価下落の引き金を引いた超円高があった。

だが今、この景色が一変しつつある。前述したように、円安基調は根付き、需給ギャップは改善し、労働市場も急速にタイト化している。インフレに転じていく環境下で、企業が着実に値上げを実現するためには、優良な労働力を確保することによってクオリティの高いサービスや商品を提供する必要がある。そのためには、ふさわしい対価を労働者に支払わなければならない。

デフレ下での勝負は「どれだけ売価・コストそして労働者報酬を下げるか」だった。したがって、ブラック企業がはびこったが、インフレ下での勝負は「いかに賢く売価を上げていくか」であり、労働者報酬引き上げによる優良労働の確保はより付加価値の高い商品提供のために必須となる。このようにデフレからインフレにシフトすれば、労働市場に対する経営者のビヘイビアが180度変わることは目に見えている。

ちなみに、長年に及ぶデフレ経済において日本の労働者は決して「無意味な被害者」ではなかったと言いたい。20年前と比較した、日本企業のビジネスモデルの転換ぶりは驚嘆に値する。特に製造業は、国内の低コスト生産・輸出モデルから、グローバルサプライチェーン確立による現地生産・販売マーケティングモデルにシフトした。言うなれば、日本の労働者は実質賃金低下を受け入れることで、企業の将来価値創造に向けたビジネスモデル転換コストの一部を負担したのである。

いまや日本企業の収益性は過去最高水準にある。再び労働分配率を引き上げて、労働者に対する所得配分を高めることが可能な状況に来ている。

<成長戦略の正しい姿>

もう一つ、デフレ後の経済で期待を持てるのがサービス産業の再生だ。前述したように、サービス産業は労働者と並ぶデフレの大きな被害者だった。

そもそも、日本の国内総生産(GDP)の7割は内需であり、その大半はサービス産業である。労働者報酬引き下げに伴う購買力低下は、サービス産業にこそ大きな打撃を与えた。

よくデフレの震源地として「ユニクロ」などの製造小売業が躍進した衣料品や、国際競争が激しい家電・自動車などが指摘されるが、そうした分野は実は他国でも価格下落に見舞われている。日本の特殊性は、教育、娯楽、交通、住宅、医療といった内需系サービス分野においてデフレが深刻化したことである。

製造業の雇用が失われているのは洋の東西を問わないが、欧米では非製造業の雇用が着実に創造され続けている。一方、97年以降の日本ではそうした流れはまったく止まってしまった。それもそのはずで、サービス産業は製造業に比べて生産性向上が容易ではない。したがって、サービス産業に属する多くの企業が収益を伸ばすためには値段を上げるしかない。欧米でもサービス産業の雇用増加や価値創造の推進力は値上げであり、その結果として人々はより豊かなサービスを享受できている。それが先進国内需の中核部分である。

一部には、日本ではもう車やテレビはさほど売れないから、需要増にあまり期待しないほうがいいといった悲観論が聞かれるが、もともとそうした分野に成長の起爆剤を求める必要はない。よりレベルの高い教育や娯楽、介護といった、要するに「クオリティ・オブ・ライフ」を高めてくれるような分野にこそ有望な需要はある。

政府に必要なことは、そうしたクオリティ・オブ・ライフの実現のために、需要と供給のミスマッチを解消してあげることだ。モノはもうそれほどいらないと言っている人に、同じモノを押しつけても何も生まれない。必要とされる分野へと資源の再配分を促すことこそが正しい成長戦略の姿である。
20年ほど前、武者氏のレポートを読むと悲観的なことしか書かず「弱気武者」と揶揄していた。それが、リーマンショック前後から俄かに強気の見方をするようになった。最近は強気すぎるのではと思うレポートもあるのだが、このコラムはまともなことを書いてある。
日本のバブルの崩壊後、日銀や政治の混迷で、日本経済はデフレによる物価の下落で企業収益が悪化、人員や賃金が削減され、それに伴って失業の増加、需要の減衰が起こり、さらにデフレが進むという連鎖的な悪循環であるデフレスパイラルに陥っていた。
消えてしまった国内需要を財政で補填しながらなんとか20年近く生き延びてきた。しかし、民主党政権の3年と、東日本大震災で日本経済は、超円高で、財政再建主義者達のおかげで日本経済は滅亡の渕に追いやられてしまった。
私は当初自民党の安倍晋三に期待していなかった。20年間の混迷は自民党の無能な政治家達にも多大な責任があったからだ。まして、政権を1年で放り出した第一次安倍内閣の印象から、ある程度期待はしたが、アベノミクスで日本経済の再建できるとは思っていなかった。小泉政権、民主党政権が行った不十分な金融緩和政策で財政再建政策をとったことによって、日本は長いデフレを継続してしまいました。お金の価値は上がり続け、信用縮小を継続し続けたわけです。
1981年元映画俳優の大統領レーガンが、ベトナム戦争以降低迷した米国経済をレーガノミックスで再建し、今日の米国の繁栄を取り戻したように、アベノミクスは、異次元の緩和を打ち出し、円安と株高で経済はみるみるうちにデフレから脱出しそうな現状となってきた。安倍首相は米国中興の祖レーガン大統領のように日本中興の祖になれるかもしれない。
アベノミクスとレーガノミクスについては実は正反対の概念であることに注目すべきと言うことです。

レーガン大統領が就任した1981年、アメリカはインフレ率10.3%、失業率7.6%という状態のいわゆるスタグフレーションに陥っていた。
レーガノミクスでは、「小さな政府」、「規制緩和」、「民営化」、「供給能力側(サプライサイド)強化」を並行して行うことを政策としたのです。インフレ対策であり、インフレ時には教科書とおりの政策であった。

しかし、安倍首相就任時2012年にはインフレ率▲0.04%失業率4.34%のデフレであった。デフレの場合は、民間の需要が無くなっているから、政府信用でお金を借りて公共事業などに投資して、お金の循環を作り出し、民間の需要回復を計るようにする・・・というのがケインズ経済学です。

お金を発行して国民にばら撒くことです。それを合理的に行うのが公共投資という方法と言うわけです。大量に発行されるお金は、お金の価値を下げていきます。バブルで発生したマネーをリアルマネーで吸収し中和するのですから、莫大な金融緩和とマネー供給が必要であり、アベノミクスはケインズの経済学の教科書通りに進めていると思います。

今のところ財政出動で需要の縮小を止め、2%のインフレ目標で立ち直らせることが出来るかどうか。それが安倍政権の命運を決めることになるでしょう。政府の借金が大きく増加します。ただ、今のところ財政赤字については財務省がプロパガンダするほど問題ではない。できれば消費税10%増税はすべきではない。

財政赤字も日本経済は円安・株高によって、2013年度の法人税収が政府の見込みより最大1兆円上振れしそうな状況になってきた。 2014年3月期決算の上場企業の日本での納税額は前期比5割増えたようだ。回復が遅れている中小企業の納税額は小幅増にとどまる見通しであるが、2013年度の法人税収は最大11兆円強と4年連続で増えそうだ。こうした流れを知ってか安倍首相は外遊先のローマで記者会見し、法人税の実効成立引き下げについて「来年度に着手する」と初めてはっきりと明言した。

これは第三の成長戦略の一環であるが、経済財政運営の基本方針(骨太の方針)でもあるだけにメッセージ性のあるものにしたいようだ。減税については海外でも注目され、アベノミクスの成功、不成功にもかかわる問題だけに日本株の行方にも影響のある問題として注目される。法人税が最大1兆円上振れしたことがはっきりしてきたことで減税論議に弾みがつきそうである。

法人税減税は海外の投資家も注目しているので、減税幅が拡大すれば日経平均株にも影響がでてきそうである。
村田雅志 ブラウン・ブラザーズ・ハリマン 通貨ストラテジスト

[東京 11日] - 為替市場では昨年末、今年はドルが対円を中心に上昇基調を続けるとの見方が大勢だった。たとえばドル円の場合、年末には110円を見込む声が強く、一部からは115円や120円といった威勢のいい見通しも示されていた。

しかし、こうした予想に反し、ドル円は年明けからわずか1カ月で年初に記録した105円台前半から102円ちょうど近辺に下落。4月上旬に104円程度まで上昇する場面もあったが、総じてみれば2月以降は102円を挟んで方向感に欠ける動きを続けている。

今年も半分が過ぎようとする中、こうした相場の流れを受けて、見通しを変更する動きが強まってきた。ドル円は上昇したとしても今年夏場まで103円程度で上値が重く推移するという見通しが市場のコンセンサスとなっている。秋口以降は再び上昇するとの見通しが多いが、それでも年末水準は106円程度と、年初来高値の105円台前半を小幅上回る予想となっている。

ちなみに、為替市場関係者の一部は、昨年末の見通しを変えず、110―120円程度まで上昇するとの見方を維持しているようだが、その達成時期は今年末ではなく、いつのまにか「中期的に」などに後ずれしている。

昨年末にドル円の上昇を見込む声が強かったのは、今年に入っても円売りとドル買いの動きがともに続くとの見方が、それなりの説得力を持っていたためだった。市場関係者の多くは、4月の消費税率引き上げなどを受けて日本の物価が伸び悩むとの見通しから日本銀行が早ければ5月にも追加緩和に動くと予想。追加緩和の方法は定かではないものの、昨年4月に打ち出された量的・質的金融緩和と同様に、相当の円安効果を期待した。

しかし、市場の見通しとは裏腹に、消費者物価(CPI)は堅調な伸びを維持。今年4月のCPIは前年同月比プラス3.4%(総合指数)で、日銀が試算した消費税率引き上げの影響を除いても3月から伸びが加速した。黒田東彦日銀総裁は、基調として労働需給ひっ迫や中長期的な物価予想の高まりが実際の賃金・物価形成に影響を与えていると指摘。4月8日の会見では満面の笑みで2%の物価目標達成への自信を示した。一方、岩田規久男日銀副総裁は物価が2%を恒常的に上回り続ければ、政策を調整すると述べ、直近の日銀首脳発言としては初めて出口戦略に言及した。

早ければ5月と言われていた日銀の追加緩和観測は7月に先送りされたが、最近では年内の追加緩和は見送られるとの見方が増えている。

<米金利低下「中ロ犯人説」の誤謬>

しかし、それでも上述したように「ドル円は夏場まで伸び悩むが、秋口以降は上昇する」との期待が続いている。それは、たとえ日銀の追加緩和期待が後退し、円売りの動きが望めなくとも、ドル買いの動きは続くとの期待が維持されているからだろう。

米国では連邦準備理事会(FRB)が2013年12月に債券買い入れ額を月額850億ドルから750億ドルに縮小することを決定。バーナンキFRB議長(当時)は会合後の記者会見で、雇用の伸びが予想通り継続すれば、債券買い入れは14年の大半を通じて慎重なペースで縮小を続ける公算が大きいとの見方を示した。

3月18―19日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)は声明で、資産買い入れ策終了後も、現行のフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジを「相当な期間」維持することが適切になるとの見解を表明。しかし、FOMC後の記者会見でイエレンFRB現議長が「相当な期間」に関する質問に対し、「おそらく6カ月程度を意味している」と回答したことから早ければ年内にも利上げが実施されるとの見方すら出た。

その後、同議長は早期利上げに対し否定的な姿勢を示したものの、一部地区連銀総裁は15年での利上げに前向きな姿勢を示したままだ。FRBが14年に債券買い入れの縮小を続け、15年の利上げが視野に入るならば、米長期債利回りは上昇するとの期待が強まるのも無理はない。米長期債利回りが上昇するならば、ドル買いの動きも続くとの期待が維持されるのは自然なことである。

しかし、こちらも市場関係者の思惑とは裏腹に、米長期債利回りは今年に入って低下基調で推移。米10年債利回りは年初の3.0%ちょうど近辺から2月初めには2.6%割れ。その後は2.7%を挟んでの上下動が続いたが、5月半ばには節目とされる2.5%を割り込み、5月29日には一時的とはいえ2.4%近辺と13年6月以来の低水準に低下。その後は反発したものの、6月に入っても2.6%近辺で上値が重いままである。

米長期債利回りが今年に入り低下した理由はいくつか指摘されている。一つはベルギーに本社を置く清算機関ユーロクリアを通じ、中国やロシアが米国債の保有額を拡大させているという見方だ。米財務省が発表している米国債国別保有残高によると、ベルギーの保有残高は確かに増加基調で推移しており、今年に入り、中国、日本に次ぎ3位に位置している。

ただ、この見方が仮に正しいのであれば、米国債利回りが低下すると同時にドル買いの動きが強まることになり、ドルの上値が重いという現実を説明できない。中国やロシアが米国債保有額を拡大させていることは否定できないものの、FRBが証券買い入れ枠を淡々と縮小させているにもかかわらず、米長期債利回りが低下基調で推移している理由を中国やロシアの動きだけで説明するのは無理があるように思える。

<10年前の「謎」との共通点>

むしろ説得力が高いのは、FRBタカ派メンバーの見方とは異なり、米国のインフレは今後も当分、低い伸びにとどまるとの期待が強まっているという推測だ。

米国景気は第1四半期に厳冬の影響で大きく減速したものの、第2四半期は市場の期待通りに持ち直した。仮に米景気の拡大期待を背景に市場のリスク選好姿勢が強まり、過剰流動性相場の様相が強まっているのであれば、資金は米国債ではなく米国株により多く回るはずである。しかし、現実には米国株だけでなく米国債にも資金は流れている。

おそらく米国の投資家は、景気拡大期待を維持しながらも、米国でのインフレが当分、弱いとの見方から米国債を買い戻しているのだろう。現に米個人消費支出(PCE)コアデフレータは4月でも前年比プラス1.4%と2カ月連続で加速したとはいえ2%を大きく下回る水準のままだ。

5月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が21.7万人増と堅調な伸びとなったが、平均時給は前年比プラス2.1%と伸び悩み。週平均労働時間は34.5時間と12年以降、同水準を上回ることができておらず、労働参加率は62.8%と1978年3月以来の低水準に低下したままである。これでは米インフレが、FOMCが利上げの基準とする2%を早期に超えることは期待しにくく、FRBは利上げに対して慎重にならざるを得ない。

市場予測によると米利上げ時期は15年後半との見方が有力視されているが、筆者は市場予想より後ずれする可能性があるとみている。イエレンFRB議長やニューヨーク連銀のダドリー総裁は、賃金の伸び悩みなどを理由に金利上昇に対し引き続き非常に慎重な姿勢を崩していない。

また、米中古住宅販売は13年半ば以降、弱含みでの推移となっている。筆者は米利上げ時期が早くても15年第4四半期で、雇用や住宅市場に変調の兆しが見られれば、16年まで見送られる可能性も十分にあると考えている。

債券市場関係者の一部は、米長期債利回りが上昇しない足元の状況が、利上げを10回繰り返したにもかかわらず、米長期債利回りが上昇せず、当時のグリーンスパンFRB議長が「コナンドラム(謎)」と表現した状況に似ていると指摘している。確かに当時(約10年前)も今も、FRBは金融政策を緩和から引き締め方向にシフトさせながらも、そのペースは非常に緩やかなものにすると半ば公言。この見方が正しいのであれば、米長期債利回りは少なくとも今年いっぱい低位安定となり、ドル買いの動きは強まらず、ドル円は低いボラティリティのまま方向感に欠ける動きが続くことになる。

ただ、周知の通り「コナンドラム」の後に起きたのは、市場が予期しない形での米住宅市場の崩壊と世界的な金融不安だった。FRBは慎重に利上げを続けたつもりだったが、実体経済はその重みに耐えきれなかった。

今回もFRBが総意として利上げに前向きな姿勢を示すそのタイミングで、米長期債利回りが上昇し、ドル買いの動きが強まるだろう。しかし、それは09年6月から始まった米景気の拡大局面が終了に近づく合図となり、低ボラティリティが続いたドル円相場に大きな波乱を呼び寄せるかもしれない。

今後の予期せぬ波乱から身を守るためにも、現在のドル円の低ボラティリティを前提とした高金利通貨買いの動きは限定的なものにすべきだろう。
しかし、2014年にはいって、株価は下落しもみ合っている。そしてここ数カ月は歴史的に低いボラティリティとなっている。欧州中央銀行(ECB)によるマイナス金利導入と米雇用統計の発表という重大イベントがあったが、ドル円相場は102円台、ユーロドル相場も1.36ドル前後と最近のレンジ内の動きにとどまっている。
公的年金は9 -10月に債券から株への大転換が始まり、年金を扱う外国人投資家の長期投資が日本株を買いだした。
金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がようやく時代の波に適合した投資と運用をしようという流れになったのを受けて、株価のあり方が大きく変わってくのではないかとみている。すでに投資方針の変更についても、運用委員長である米沢康博早大教授も129兆円の資産運用を時代に合った見直しへと変えていかねぱならないとしている。すでに民間企業と個人は2年前から資産の投資と運用は債券から株投資へと運用の大転換の時代に突入して大イノベーション時代へと変身している。しかし日本の公的年金資産の運用方法は数十年前の投資のままで時代の流れに合わせていなかった。金利が高い債券に投資さえすれば元本を傷つけずに高利回りで運用できる時代は終わった。
現状、デフレ経済で高金利の時代は終わった。物価安の時代は長引く公的資産の年金も考える投資で稼いでいく時代の到来である。 129兆円の運用を低い金利で運用する時代はすぎた。株式の配当にも超優良株で3-5%の利回りの株式投資がある。今年の日経平均株価は個人・企業の投資で株価が上昇すると同時に、公的年金(日本の場合には)の運用の大イノペーションで(債券から株式への投資変更)日経平均が上昇する時代になってきた。現状、GPIFの基本的な資産構成で日本株比率は12%である。これが最低でも20%、平均で25%に上がり、国債などを処分するようだ。 1%比率を高めれば1兆円のようだ。 20%になれば約8兆円、
25%にすれば13兆円も株式に流入することになり、株価は大幅に押し上げられる。 20%上げても7-8兆円流入となると2015-16年には日経平均は2万円は固く、3万円になろう。公的年金の流入は9-10月頃のようだ。
それに最近5月中旬頃から海外の年金を扱う長期的投資目的の資金が4月以降増え始め、5月以降アベノミクスの第3矢の実現間違いなしとみての投資が拡大してきている。先物買いの投機的買いはないが、長期投資の年金の日本株投資が増えている。さらに円については日米の金利差の縮小はそんなに長く続かないとみて、円を売る動きが強まっている。9月以降円安は拡大化するであろう。年末の日経平均は1万8500-9000円、ドルは1ドル=105-110円とみている。
それではリスクが無いのか?中国の不動産バブル崩壊は、社会主義中国国内で起きているので、あまり大きくない。私が考える最大のリスクは無能なオバマ大統領である。
 【ワシントン=青木伸行】緊迫するイラク情勢をめぐるオバマ米大統領の対応の遅さと曖昧さに、米国内で批判が高まっており、11月の中間選挙をにらみ野党・共和党は攻撃を強めている。

大統領は13日、ホワイトハウスで、地上部隊を派遣しないこと以外、具体策を何ら示さず、決定まで「数日を要する」と言い残し、ヘリコプターで遊説先のノースダコタ州へ向かった。

共和党のベイナー下院議長は「下院と国防総省は、イラクの情勢悪化をホワイトハウスに警告してきた。だが、何もせず、イスラム過激組織が首都バグダッドへと迫っているときに、大統領は昼寝をしている」と痛烈に批判した。

マケオン下院議員(共和党)は大統領の言葉をとらえ「ホワイトハウスには、何も決められずに、『あらゆる選択肢を検討している』と言う歴史がある」と皮肉った。

マケイン上院議員(同)に至っては、「大統領は国家安全保障チームを一新すべきだ」とし、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)や、デンプシー統合参謀本部議長らの辞任を要求。過激派組織の脅威増大は「イラクから米軍が撤退した代償であり、大統領はアフガニスタンでも同じ破滅的な過ちを犯そうとしている」と非難した。

一方、ウォールストリート・ジャーナル紙は「(大統領就任から)5年以上がたち、われわれはこの大統領に指導力、戦略的な望みを期待すべきではないということを知るようになった」と批判している。


執筆中



なお、投資等については自己責任でお願いします。


















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麻生財務相が海外の円安批判に反論、「筋としておかしい」

[東京 28日 ロイター] 麻生太郎財務相は28日午前の臨時閣議後の会見で、最近の円安は極端な円高が修正される過程だとして、海外当局関係者の円安批判は「筋としておかしい」と反論した。

<円安は付随的な結果>

財務相は、これまで日本が国際通貨基金(IMF)などを通じて欧州救済に向けた資金拠出を続けてきたことに触れ、「日本はやるべき時にちゃんとやっている」と主張。最近の円安は「デフレ不況からの脱却が優先順位の一番であって、円が結果として安くなっているというのは、付随的に起きている話」だと位置付けた。

さらに、リーマン・ショック前後に対ドルで100円付近だった円相場が、その後75円付近まで上昇する間、ドルやユーロが下落したことに対して日本は「ひとことも文句を言わなかった」とし、「たかだかそれが、10円か15円戻したのを、いちゃいちゃ(批判を)言ってくるのは、筋としておかしい。直接聞かれたら言う」と退けた。円安は「極端に円高に振れていた、行き過ぎていた円高が修正されつつある」動きだとあらためて述べた。

<日銀の金融緩和のみでは市中にお金が出回らない>

政府がこの日の臨時閣議で了解した経済見通しに関しては「世界経済の下振れリスク懸念が以前より薄らでいる」ことや、緊急経済対策の実行などを通じて「現実のものになってくる」との見通しを示した。

政府の2013年度経済見通しは、実質成長率見通しがプラス2.5%。消費者物価指数(総合)がプラス0.5%と5年ぶりに上昇に転じ、国内総生産(GDP)デフレータもプラス圏に浮上することで、物価変動を含む名目成長率はプラス2.7%と16年ぶりに実質成長率を上回る見通し。

財務相は来年度の2.5%成長について「状況としては、可能性を高めてきている外部的な要素もある。こうした見方を反映した」と説明。「まずは緊急経済対策を速やかに実施するところから始めないといけない」とした上で「いくら日銀の金融が緩和されても、実需がなければ、市中にお金が出回ることはない」とも述べ、成長戦略が必要との認識を重ねて示した。

<通常国会、最大の課題は補正と来年度予算>

きょう召集の通常国会では、安倍政権の課題として「極めて停滞していた経済、不況からいかに脱却し、成長軌道に乗せるかが一番大きい」として、今年度補正予算案や来年度予算案を「1日も早く実行せしめて、結果として、景気が回復していく実感を国民に持ってもらう。日本が再び元気を取り戻せる状況となるには、これにかかっている。一番大きな問題はこの一点」と述べた。

来年度予算の政府案で、一般会計総額が92兆6100億円と過去最大規模へ膨らむことには「(これまでの予算で)公債発行額が税収より大きかったのが、逆転できて収まったところが、やっと少し一歩、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の話(赤字削減目標)に対して近づいたかな、との感じがある。予算編成をやったものとしては、そちらのほうが大きい」と回答。「この(国債発行額と税収が)逆転できるかと、1月末までに(編成が)できるかが、正直私の最大の関心だった。その点は一応よかった」と表明した。

<世論調査、予算編成のスピード感評価か>

報道各社が週末に実施した世論調査で、安倍政権が60%を超える高い支持率を得たことには「景気対策が優先順位の一丁目一番と思っていた。安倍内閣で補正、続けて本予算と、経済対策に絞って集中的に、かなりスピード感を持ってやってこられたことが、支持率が上がっている状況になっているのではないか」と分析した。

(ロイターニュース 基太村真司;編集 宮崎亜巳)
ギリシャ危機にあおられてユーロ安の恩恵を大いに受けていたドイツや、断続的な為替介入でウォン相場の低位安定を図っていた韓国に、最近の円相場の動きを批判する資格があるとは考え難い。少なくとも今の日本は為替介入をしているわけではない。
リーマンショック後、円の実質実効為替レート水準はウォンより4割程度高いイメージだ。為替を主たる背景として日本の輸出企業が窮地に追い込まれたことは想像に難くない。
1月24日に発表された12年貿易収支で改めて確認されたように、日本はもはや巨大な貿易赤字国であり、通貨が安くなること自体に十分な道理はある。そもそも政治要因が浮上する昨年11月以前から、日米金利差が無くても円安は進んでおり、その背景には需給構造が円売りに傾斜しつつあるという事実があった。
また、需給のみならず、日銀と米連邦準備理事会(FRB)の置かれた状況に鑑みれば、円安基調が根付くために必要な日米金利差は今後1―2年以内に動き出す芽も出始めている。そう考えると、円相場は放って置いても緩やかに軟化する筋合いにありそうである。
政財界の要人が言及する「90円」の節目に達したのを機に、露骨な金融緩和策や踏み込んだ高官発言で海外勢を刺激し、国内政策の変更を強いられないよう、「巧い立ち回り」を考える時期に差し掛かっているのかもしれない。
麻生太郎副総理・財務金融相は、「平成の高橋是清」を目指しているのだろうか---。一般会計の総額が92兆6,115億円に達する2013年度政府予算案は、1月29日の臨時閣議で承認された。翌日30日の『読売新聞』(朝刊)に目を通した麻生氏はほくそ笑んだに違いない。なぜか。

同紙本社グループ会長兼主筆の「ナベツネ」こと渡邉恒雄氏が主宰する夕食会「山里会」は、時の権力者をはじめ有力政治家をゲストとして招くことから永田町で知らぬ者はいない。

渡邉氏が心を許す大手メディア出身の評論家を中心に構成される同会の歴史は古い。故人で言えば、『東京タイムズ』出身の早坂茂三、『毎日新聞』OBの三宅久之氏らもメンバーだった。現在のメンバーは、『毎日』特別編集委員の岩見隆夫、時事通信社出身の屋山太郎、『読売』特別編集委員の橋本五郎各氏の他、現役のシニアクラスも参加している。

その山里会に麻生氏が招かれたのは、政府予算案の閣議決定が行われた数日前のことだった。ところが、渡邉氏はその席に『読売』の政治部長を同道してきたのである。そして件の政治部長に「麻生さんの言っておられることをよく聞くように」と命じたという。従って、同紙の論調がアベノミクス(安倍政権の経済政策)はもとより、政権交代後初めての新年度予算編成の中身に"好意的"となったのは自然の成り行きである。

三面トップの横大見出し「安倍流 苦心の編成―重点分野"民主と違う"」や二面の縦見出し「身近な施策も配慮」、さらに「デフレ脱却へ問われる積極策―中長期の財政健全化を怠るな」と題した社説も安倍予算に肯定的であった。だから麻生氏はニンマリとなったのだろう。

■高橋是清と同じコースを歩む麻生氏

ここで本題に入る。では、なぜ、麻生氏が高橋是清元首相を意識しているのか、である。1921年(大正10年)11月4日、原敬首相が東京駅で刺殺された。与党・政友会総裁の座に就いた高橋が後継首班に指名されたのは同13日。が、ワシントン軍縮会議条約調印・内閣改造失敗などで高橋内閣は7ヵ月の短命に終わる。

その高橋が再び表舞台に登場したのは犬養毅内閣が発足した1931年12月。ほぼ10年後のことだ。蔵相に就任した高橋は内閣発足当日に、浜口雄幸民政党内閣の井上準之助蔵相が決定した金本位制復帰を覆した。そして犬養は翌年1月に衆院解散を断行、不況脱出と景気回復をシングルイシューにした衆院選で少数与党の政友会に大勝をもらした。

高橋が行なった金輸出再禁止決定と積極財政が奏功したのだ。そこで登場するのが、当時の深井英五日本銀行副総裁である(後に総裁)。私大出身の国際派である深井は、自分の後継人であった高橋に積極財政を要請したのだ。来年からの無制限金融緩和と物価目標2%を盛り込んだ1月22日の政府・日銀の「共同声明」を想起させる。

ところで、坂野潤治東大名誉教授の名著『日本近代史』(ちくま新書)に次のような件がある。

〈 経済政策を唯一の争点とする選挙戦が功を奏するには、よほど特別な状況が必要であるが、1932年初頭にはその特別な状況が存在していた。世界大恐慌の下で金本位制に復帰した井上財政によって、不景気は都市部でも農村部でも深刻化し、失業者は街にあふれていた---。 〉


何やらデフレ不況に苦しむ昨年12月の総選挙が想起されるが、アベノミクスの喧伝によって株高・円安が実現して自民党大勝・第2次安倍内閣誕生の結果となったことだ。首相経験者である麻生氏が同内閣の副総理・財務金融相に就いたのは、まさに高橋是清と同じコースを歩んでいると言っていいだろう。

その麻生氏が次期日銀総裁人事のキーマンと言われている。同氏が武藤敏郎大和総研理事長(元財務事務次官・66年旧大蔵省入省)を推し、菅義偉官房長官は岩田一政日本経済研究センター理事長を推し、閣内に対立があると喧伝されている。だが、麻生氏は先述の「共同声明」発表にこぎつけたことで、みんなの党(渡辺喜美代表)が財務省、特に主計畑出身者の総裁指名に強く反対していることもあり、「武藤総裁」には拘っていないという。

では、誰が有力なのか。2月15日からモスクワで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議までに決定されるが、筆者の得ている情報では、渡辺博史国際銀行副総裁・CEO(元財務官・72年)が急浮上しているというのだ。国際性(英語力)と市場とのコミュニケーション力を求める麻生氏の条件に最適任である。決定はもちろん、安倍首相が行なう
2月15~16日にモスクワで開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議では日本がとっている政策について、ロシア側はG20の主要な議題にはならないと言明。現時点で財務次官級会合で取り上げる予定はまったくないとしています。
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[東京 19日 ロイター] 来週の外国為替市場では、日米の重要経済指標を受けてドル/円が80円を奪回する可能性がある。ただ、一本調子の上昇に懐疑的な見方も多く、需給面やテクニカル面から上値の重い展開になるシナリオもくすぶる。

(略)

来週、日本では9月貿易収支、米国では第3・四半期実質国内総生産(GDP)速報値、9月耐久財受注と重要指標が相次いで発表される。短期筋を中心に「円売り材料探し」(外為アナリスト)の様相が強まるなか、結果次第ではドル/円が80円を奪回する可能性があるとみられている。来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、量的緩和第3弾(QE3)決定直後で注目度は低い。一方、30日の日銀金融政策決定会合を前に追加緩和観測はくすぶり続けるとみられ、過度な円買いにはなりにくいとされている。

ただ、ドル/円が一本調子の上昇を続けるかについては懐疑的な見方が多い。ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「世界経済の先行き不透明感は根強く、一方的にドル高が進むという展開となるのはまだ早い」と指摘。「日銀会合というイベントに賭ける形でのドル買いは多少入るだろうが、それが上昇の大きな波になるのは時期尚早だ。足元で米国の指標が強くても、『財政の崖』の問題は何も解決されておらず、経済や金融市場への影響は読み切れない。今年いっぱいは大きな不確定要素として残る」と話している。

テクニカル面では、200日移動平均線(79.42円付近)、8月20日の高値79.66円と複数のテクニカルの関門が控える。「(ドル/円が上昇して)新しいレベルに入ってくると実需の売りが出てくる」(大手信託銀行)とされ、手掛かり材料に欠ければドル/円の上昇ピッチは鈍り、80円回復に時間を要することになりそうだ。

ユーロ/ドルは今週、株高やスペイン格下げ回避で上伸したものの、週後半は上値が重くなった。「(21日の)スペインの地方選挙やスペイン政府の支援要請の可能性も踏まえ、ショートにはしにくい」(大手証券)との声が出ている一方で、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの村田雅志シニア通貨ストラテジストは、EU首脳会議を経て、市場の目線が財政統合やユーロ圏の銀行監督の一元化をめぐる独仏の深い溝に向かえば、ユーロ売りに傾くとみている。

今週発表された中国の第3・四半期実質GDPは市場予想に一致し、市場参加者のセンチメントに大きな影響を及ぼさなかった。しかし、来週発表される10月のHSBC中国製造業PMI速報値の内容次第では中国景気の先行き懸念が再燃しやすく、リスク要因として警戒されている。

[東京 17日 ロイター] 日本経済が慢性的なデフレから脱却するための政策展開の本筋は、本来、実物経済における「過少需要・過剰供給」構造の地道な改善であるべきだ。需要サイドでは多面的な人口対策によって国内消費の縮小を食い止める一方で、供給サイドでは不採算企業の退場を促しつつ新しいビジネスを積極的に育成・支援することによって産業構造の新陳代謝を促す必要がある。

ところが、政府は政策の優先順位をトップダウンで大胆に決めることができず、半ば硬直的な予算編成を続ける一方で、日本銀行に対して、もっぱら「のれんに腕押し」的な金融市場への資金供給上積みを求めている。あたかも金融政策を「アリバイ作り」的にデフレ対策の主軸とみなしているかのようだ。

そうした中で、最近、一種の流行のように唱えられているのが、他でもない、「日銀による外債購入」案である。たとえば、次の総選挙で議席を大幅に増やすとみられている自民党は8月31日に発表した「日本経済再生プラン」の中で、「デフレ・円高から脱却するため、従来の常識を超えた大胆な金融緩和措置を実行」すると明記した。具体的には、日銀法の改正も視野に、政府・日銀の物価目標(2%程度)協定の締結、そして日銀による外債購入などの措置を講じるとした。

しかし、結論から言えば、筆者は、日銀による外債購入はいわば「無理筋」の主張だと考えている。

確かに、「資金供給手段の多様化」という観点からはいくつかのメリットがあるし(日銀当座預金との代替性の低さ、名実ともに「銀行券ルール」の対象外であることなど)、日銀法の解釈上も日銀が独自に外国為替の売買を行う余地をまったく見出せないわけではない。

しかし、日銀が金融市場に供給するマネタリーベース(ベースマネー)の「量」それ自体に景気・物価に対する意味のある刺激効果は伴わないという前提をとる限り、後述するさまざまな問題点を含む外債購入にまで日銀があえて踏み出していく意義は見出しにくい。これは、10年以上も前、2001年10月―02年3月開催の日銀金融政策決定会合で展開された議論を経て、とうの昔に決着がついた話であるはずだ。

<円高是正効果は期待薄、日銀のリスクは増大>

重要なことなので、ここで当時の議論から浮かび上がったポイントを改めて整理しておく。

まず、表面的には資金供給手段の拡充という位置付けであっても、事実上「円高是正」を狙った措置として日銀が外債購入を開始する場合、市場介入も含む為替政策を一元的に所管している財務省とのすみ分けが、極めてあいまいになる。欧米諸国や市場は「第2介入」(いわば「裏口」からの事実上2つめの種類の為替介入)が導入されたと受け止めるだろう。少なくとも欧米の通貨当局者の理解を事前に十分得ておく必要があるが、これは極めて難しい課題だ。

これに対して、かつて中原伸之・日銀審議委員(当時)が提案したように、月2000―3000億円といった定額で定期的に外債購入を行えば、「第2介入」ではないかといった疑惑を薄められるという議論がある。しかし、限定規模で定期的に発生する為替需給の変化を市場はあらかじめ十分に織り込んでしまうことから、円高を是正する効果は極めて限られたものになる可能性が高い。その一方、日銀が抱え込む為替リスクは徐々に累積していくため、日銀決算(日銀納付金)の振れが従来に比べて大きくなるリスクもある。

また、時限措置として導入するか、それとも恒久的な措置として導入するのかも論点になる。仮に前者だとした場合、「出口戦略」が問題となろう。たとえば、一定水準の円安ドル高が実現した場合にとりやめるとした場合、そのことは「第2介入」だという本質を露呈することにつながる。

一方、恒久的な措置とした場合には、須田美矢子日銀審議委員(当時)が2001年11月の決定会合で指摘したように、日銀が事務の取扱いを行う者として財務省の指示に基づき逆介入(円買い介入)を実行しつつ、自己勘定では日銀が外債購入を続けるという政策として極めてバランスの悪い事態が現出してしまうリスクがある。

さらに、そもそも論として、円高是正によってどこまで本源的なデフレ圧力を緩和できるのかも論点であるべきだ。日本の実物経済における過少需要と過剰供給の組み合わせ(デフレ構造)は、為替相場が多少人為的に動くだけで解消する類の話ではないだろう。

<外債購入案お蔵入り後に量的緩和拡大か>

こうした中で筆者が最近ひとつ気になっているのは、財務省出身の国際機関高官の発言だ。財務省の独占的な為替政策管轄権を崩しかねない日銀による外債購入という議論に対し、足並みを揃えて反対を唱える一方で、その代わりと言うべきか、資産買入等基金が買い入れを行う資産の範囲を拡大すべきだという主張を展開している。

アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁(元財務官)は9日、日銀が「緩和するための手段は山のように」あるとした上で、外債購入については法律上の問題があるとして消極的な姿勢を示しつつ、国債のほかに「民間の債権(債券とした報道もある)、ABS(資産担保証券)、インデックス債、株式もある」と述べた。

また、国際通貨基金(IMF)の篠原尚之副専務理事(元財務官)は11日、ロイターとのインタビューで、日銀による外債購入は継続的な為替市場への介入につながりかねないとして「メッセージとして間違っている」と発言。日銀には「他に買えるものがたくさんある」と述べ、資産買入等基金による買い入れの対象や期間の多様化を具体例として挙げた。

総選挙の結果いかんにかかわらず、デフレ脱却に向けて一段の追加緩和を日銀に求める政治的な圧力が、2014年4月に予定されている第一弾の消費増税に向けて一段と強まることが予想される。外債購入というアイディアに対しては、財務省が強硬に反対する可能性が高いために、資産買入等基金が買い入れる資産(長期国債や信用リスクを伴う各種資産)の範囲を大幅に拡大する方向へと、話は傾斜しやすくなる。

日銀の金融政策はなし崩し的に、日銀券の信認への疑念や財政規律の弛緩といった、長い目で見た場合の弊害や副作用が危惧される「危うい世界」へと足を踏み入れつつあるように思える。筆者の見立て通りならば、市場へのインプリケーションは、為替市場では悪い円安、債券市場では国債イールドカーブのベアスティープ化(超長期国債を中心とする利回り上昇)ということになりそうだ。
米国のQEが実施されようがされまいが日銀は10月30日の決定会合で何らかの追加緩和策を打ち出すのかが大きな転換点となるかもしれません。白川日銀総裁は先般の決定会合の後「外国債の購入はしない」とはっきり明言したのが・・・・
10月30日、日銀が決定会合で緩和に転換すればドル・円相場は年末には90円台も。円安に弾みがつくことになるのだが・・・%の目標をたててその目標に見合うような金融緩和策を実施する事になるかもしれない。
20年を上回るデフレスパイラルの中で、世界は未曾有の景気の悪化に苦しんでおり、日本も未だに経験したことのない円高に企業は悩まされて日本国内で事業を継続することが困難な状況である。
去年の10月5日には日経平均は8343円の安値をつけ、月末には9000円台を回復した。この時日銀は非伝統的な手段の緩和政策を導入して欧州債務危機やタイの洪水への対応策でなんとか危機的状況を乗り越えた。前回の決定会合では9月の債券買入れ拡大の様子をみるためとして、緩和政策を見送った。
中国の景気回復には長期間かかるとみられるので、日銀が何らかの緩和策を実行しなければ市場では株買いが発生するような状況ではない。
IMF(国際通貨基金)による2012年-13年の世界経済見通しの下方修正も投資家心理を冷やし、世界各国の株価は急落した。弱材料に敏感な地合が続いている。
年末には米国ではFRBが財政の崖を乗り切るためにGE4が実施されるが、日本も10月30日に非伝統的な今までにない追加緩和に踏み切ることが期待され始めた。市場の一部で投機筋が煽っているような円高・ドル安はないとみている。
9月米FRBはGE3を実施したが投機筋が煽っていたドル売り圧力はほとんどなかった。 ドル高は9月に大きなドル安のヤマ場を越したとみている。もうドル安を仕掛けようとしてもドル安の玉がない状態となってしまった。
 ECBの政策・ユーロ対応策の進展で円を買う動きも一服している。日本の原発廃止論に伴う世論の高まりでガス輸入が拡大しており、貿易赤字が毎月拡大しており、輸入企業による円売りが増加しているために円安にあふれる確率が高まりを増している。
米国では大統領選が終わり、大統領が決定すれば来年初めの「財政の崖」問題も年末までには結着がつくためドルは強さを増してこよう。米国は来春、実体経済が自立的に改善して金利が上昇し、ドルは自然体の流れとしてドル高に転換していこう。
10月30日、日銀が決定会合で緩和に転換すればドル・円相場は年末には90円台も。円安に弾みがつくことになろう。




相場観はちょっと願望と妄想が混じっている場合もありますので、最後は自分で判断してください。





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[東京 11日 ロイター] 日本経済が低迷から抜け出すためには、円高の是正と商業・サービスの生産性向上が欠かせないとハーバード大学のデール・ジョルゲンソン教授は語る。計量経済学の世界的権威である同氏の見解は以下の通り。

<行き過ぎた円高>

為替市場での円レートの過大評価が、日本経済の低パフォーマンスの主因であることは明白だ。日本銀行がより積極的な金融緩和策を講じなければ、この行き過ぎた円高は日本の潜在成長力にとって今後も大きな壁となり続けるだろう。

2008年の国際的な金融危機以降、円は対ドルの名目為替レートで1985年のプラザ合意前後に匹敵する勢いで上昇した。輸出や生産の落ち込みは、主要先進国の中で最も激しかった。

率直に言って、日銀はこのことに対して重大な責任を負っている。金融危機からほどなくして、米連邦準備理事会(FRB)に追随し、実質ゼロ金利政策を復活させたものの、資産購入を増やし量的金融緩和の観点でバランスシートを拡大し始めたのはようやく最近になってからだ。FRB、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(英中央銀行)は、2008―09年の金融危機の最中にバランスシート拡大の方向に大胆に舵を切っている。しかし、日銀は主要中銀の中では唯一、そうした動きに同調しなかった。その結果が、円レートの急上昇である。

日銀はその後遅ればせながら量的緩和に踏み出し、今年2月には消費者物価の前年比上昇率1%という事実上のインフレ目標を導入した。遅きに失したとまでは言わない。しかし、この程度で日本経済が2008年以降の円高で被った初期のダメージを修復できるかといえば、答えはノーだ。他の主要中銀、何よりFRBがより積極的な量的緩和を推し進めていることを考えれば、日銀の政策は不十分としか言いようがない。

資産バブルの発生リスクなど量的緩和の副作用をめぐる懸念があることは私も理解している。しかし、現実の問題として、FRBが9月に発表した量的緩和第3弾は実施期間について期限を設けないという極めてアグレッシブなものだ。円高の長期トレンドを逆行させようとするならば、日銀に躊躇(ちゅうちょ)している暇はないはずだ。

<製造業凋落の主因>

むろん、ゼロ金利下での金融政策の効果を疑問視する声があるのはうなずける。だが、主要国の中で日本に限っては、量的緩和不足が(円高を招き)経済成長を阻害していることは明らかである。

企業の収益悪化の主因をマネジメントの失敗に求める声も多いようだが、それも間違いだ。たとえば、日本の電機メーカーの大半は、円がこれほどまでに過大評価されていなければ、アジアのサプライチェーンの中でもっと役割を拡大できていただろう。これら輸出セクターが、金融危機以降の日銀の失策で最も酷い被害を受けたことは明白だ。言い換えれば、日銀がより強力な金融政策を推進するようになれば、彼らが取り返せるものも大きい。

日本企業はいまだに素晴らしい技術と洗練された製造ノウハウ、そして能力の高い人材を有している。アジアのサプライチェーンの中でより良いポジションを確保できれば、韓国や台湾の企業を相手にもっと効果的に戦うことが可能なはずだ。その意味では、私は日本企業の将来をさほど悲観していない。

しかし、円の過大評価を是正する措置なくして、輸出企業のトップに起死回生策を期待するのは酷というものだろう。彼らは、金融政策を担っているわけでも、お札を刷っているわけでもない。電化製品や部品を作っているのだ。たとえば、ソニー(6758.T)の現実の競争相手は、米アップル(AAPL.O)ではなく、韓国のサムスン電子(005930.KS)だ。

幸い、世界は今、経済危機的な状態にはない。むろん、中国、インド、欧州の経済は減速の兆しを示しているし、米国の景気は恐らく横ばいの状態がしばらく続く。しかし、先の金融危機のような事態が再発するリスクは現時点では低いし、世界経済は低成長のステージにいるだけだ。日銀が正しい政策へとシフトを図るのに遅すぎはしない。

<成長戦略に欠けている論点>

最後に成長戦略に触れておく。私は今こそ日本が構造改革に着手すべき絶好のタイミングだと考えている。

確かに、日本は「失われた20年」をもたらした経済・財政上の問題をいまだに解決できたわけではない。しかし、だからといって、成長のための構造改革を先送りする理由にはならない。構造改革がなければ、今年7月に閣議決定した「日本再生戦略」の中で「望ましい経済成長」として掲げた実質成長率2%(2020年度までの平均)など実現できないだろう。

日本が構造改革すべき分野は明白だ。誰もが同じリストを持っている。たとえば、国際通貨基金(IMF)は、女性や高齢者の労働参加率向上、労働市場改革、移民受け入れの強化、保護対象業種の開放(規制緩和)といった政策を推奨している。いずれも日本国内で過去に何度も議論されてきたことだ。

IMFの提案のうち、私は、最後の項目である規制緩和が日本の将来にとって最も役立つものだと考えている。IMFは対象業種に農業とサービスを挙げたが、私は卸売業や小売業を特に強調したい。日米間に存在する生産性ギャップの大半は、商業・サービス分野に集中している。これらの分野は、構造改革の最初のターゲットにすべきだ。

日本の商業・サービスは、県その他の地方自治体レベルの規制によって、(自治体の境を越えた)国内競争からある程度守られてきた経緯がある。この仕組みの形成は実は終戦直後にまでさかのぼる。何百万人という戦地からの引き揚げ者に対する雇用創出という側面もあったろう。しかし、少子高齢化が進む日本は今後、ただでさえ労働力不足に直面することが確実であり、これらの壁はその観点からも取り払われるべきだ。

この解決策に、欧州連合(EU)が域内サービス市場の活性化を目指して掲げていた「本国法主義」の原則を応用してはどうだろうか。この原則は欧州できちんと実行されたわけではないが、簡単に言えば、本国で認可されたサービスは他の加盟国の認可を得ることなく提供しうるというものだ。

これを日本国内の文脈で語れば、ある企業のサービスが出身自治体で認可されれば、他の自治体で改めて認可を取らずとも全国で事業展開できるというものだ。こうした改革は、何より中小企業にとって重要である。日本の国内総生産(GDP)の過半を生み出す商業・サービス分野の主力プレーヤーは、中小企業なのだ。

強いものが生き残る。要するに、そういうことだ。成功した中小企業は日本各地で新しい大きな商機にどんどん挑める一方で、成功できなかった中小企業はライバルへの事業売却などを通じて退出が容易になる。こうしたシンプルかつ率直なアプローチによって、日本にとって極めて重要な商業・サービス分野の競争は促進され、イノベーションと生産性の向上が図られるはずだ。

最近消費者心理の改善や住宅価格の上昇、雇用の改善など投資家が12月まで買いあがる買い安心感がでている。米小売業による年末商戦期の臨時雇用者数は75~85万人になるとみている。今年12月と来年1-2月の雇用の伸びが一段と注目され、米国の自律的回復は一段と早まる可能性が高い。11月6日の大統領選にむけて米国の超優良株は一段と買われていく可能性は高い。

米国のFRBバーナンキ議長は10月1日、9月に決めた追加金融緩和第3弾(QE3)について、「雇用見通しが大幅に改善するまで続ける」と改めて強く強調した。
QE3でドル安誘導を狙っているとの新興国などからの批判には「強いドルの維持とFRBの政策に矛盾はない」などと反論している。
過去信用危機に陥った国は自国の通貨の切り下げを行って負債を縮小させ危機を凌いできたのである。米国もドル安を急速に進めた結果、リーマン・ショック後4年でなんとか回復の見通しが出てきたのである。
日本は1ドル120円台にあった円がドルの代替通貨とされたことで現状は70円台半ばまで円高となってしまった。その間に失ったマネーは語り尽くしがたい額である
QE3はドル安誘導効果を持つと見られており、米国以外の各国(中国なども近いうちに)も輸出への悪影響を防ぐために通貨安を目指す可能性が長期化すればするほど高まることは間違いない。
12月米国は1月の「財政の崖」を越えるために国債介入に踏み切る可能性が高い。その様なことになれば日本は12月の決定会合で9月に引き続き10~20兆円前後の国債介入に踏み切らねばならないであろう。
ただ米国のFRB議長が10月1日唐突的に「米国はドル安を誘導していない」と発言した裏には米国のドル安政策も米国の自律的な景気の改善で「ほぼドル安」が頂点にきたとの見方を示したのではないかとの解釈をするアナリストもいる。
こうしたFRBの見方を裏書きするかのように外為市場では円安シナリオが高まっている。
米政府が5日に発表した9月の雇用統計で失業率は3年8ヵ月ぶりに7%台に低下し、過去発表された7月・8月の雇用者数も上方修正された。市場では11月6日投票に間に合うための政治的なパフォーマンスであるとの見方が強い。 
7月と8月の雇用が発表された時には米国景気の悪化を映して雇用の伸びが悪いと言っていたのに、11月6日の大統領選で雇用数値が最大限の影響を与えることがはっきりすると、一転して両月とも大きく上方修正してしまった。さらに9月の失業率は2009年1月以来の8%割れと8月までの雇用統計が考えられないほど雇用の改善が進んだ。実に不思議な動きであるが信じるしか他に方法はない。
大型減税が失効する「財政の崖」で米景気の下押しを懸念する声も根強いが、米信用危機の解消の根源となる「雇用と住宅」の指標に持ち直しの兆しも見えてきた上に、足元の欧州情勢も落ち着きが見えてきたことから世界の投資家はリスクオンヘの姿勢を一段と強め、ドル高は一段と進んでいくとの見方が拡大している。
日銀は今こそ発想の転換を目指す時である。10月末以降には待って久しい円安のシナリオが浮上してくる。また、そうならなければ日本の景気回復の道は途絶えてしまう。日銀の独立は保つべきとは思うが、もう過剰な円高に対して日銀は物価目標を設定したり、直接外債購入を行うなど、思い切った策をとるべきである。
民主党の前原経済財政相がパフォーマンスとはいえ10/5の日銀の政策決定会合に参加した。政府は日銀の中立性を犯せないとはいえ、日銀はここで大きく政策を転換して蛇口さえ開いてもらえば、円高は終了する可能性が高いのだ!



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日銀は19日の金融政策決定会合で追加緩和を決定し、資産買い入れ基金を10兆円増額した。ちょっとした粗品か福袋をマーケットにばら撒いた。

だが、効果は1日しか持たなかった。反日暴動をしてお茶を濁す中国経済の炎上が止まらないことがマーケットを冷やす要因だと思う。

正直なところ日本の株式マーケットは機能していない。参加者がいないのだ。
昔仕手株で10億ロットで動かしていたようなお客様も今は個人向け国債や銀行預金に資金を寝かすだけ・・・・夢や希望が極端にないマーケットは無味乾燥である。

だが、世界は見えないところで動き出しているかもしれない。欧州中央銀行(ECB)が南欧諸国の国債を無制限に買い入れることを表明し、QE3が実施された。
そしてQE3に対し定石通りに日銀の追加緩和は円高を阻止した。

欧州ではドイツ憲法政判所が、欧州安定メカニズム(ESM)を合憲とし、ECB(欧州中央銀行)による国債購入への道が開けた。10月上旬にはESMが発足し、要請する国があれば、国債購入が実施される見込みだ。

しかし、不幸なことにスペインは折角の国債購入支援を財政緊縮を拒否しようとしている。ECBの無制限の国債購入の支援条件としての財政緊縮が規模だけでなく分野も指定しているのが支援拒否の理由出そうだ。スペインはECBの無制限の国債購入 を拒否しESMやECBの国債購入には至らず、欧州の信用不安は再び高まる可能性はある。だが、背に腹は代えられず最終的には受け入れると思う。

ドイツのメルケル首相の発言からは、ドイツが以前に比べて危機対策に積極化している様子がうかがえるが、欧州の景気減速が広がる中、債務危機対策に時間をかける余裕はどの国にもなく、でも結局スペインはESMに国債購入を要請し、ECBによる無制限の国債購入も可能となるだろう。国債購入というセーフティネットの構築によって信用不安は抑制され、景気は回復しやすい状況となるだろう。

QE3の規模が小さいなど悪口を言われているQE3だが、住宅を中心に景気回復は進んでいる。 QE3では政府機関発行モーゲージ債(MBS)を、雇用が改善
するまで毎月400億ドル買い続けるというもので、景気回復期待を高め、リスク選好に働くだろう。GDP(国内総生産)の7割を占める個人消費は、株価や住宅価格など資産価格の影響を受けやすい。

今年半ば以降の株高を受けて個人消費は上向きつつあり、QE3がそうした傾向を強めることになるだろう。

 来年初めに「財政の崖」で景気が後退するリスクもあることから、雇用に慎重な企業も少なくないが、資産効果で個人消費が回復すれば、連動するように雇用も増加ベースが加速すると思う。

 FRBによる資産購入で、ドルが市場に供給されるため、QE3は米金利低下やド
ル安を生む要因となる。が、一方で市場のリスク選好度を高め、景気回復期待を通じて米株価上昇や金利上昇を生む要因にもなる。当面は後者の効果が優勢となるだろう。そして、リスク選好の下で、ドルは多くの通貨に対して下落するだろうが、円はドル以上に下落するだろう。

リスク選考時の相場
新興国←資源国← ユーロ← ドル  ← 円

危機発生リスク回避の相場
新興国⇒ ユーロ  ⇒ 資源国 ⇒ ドル  ⇒ 円

 まもなく、リスク選好の円安(全面安)相場が始まると考えたい。  



 これはあくまでの個人の相場観です。相場による損失の責任は負いません。あしからず!
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円相場が1ドル=80円を上回る「超円高」時代に突入してから7月13日で1年が経った。政府の円売り介入、日銀の追加金融緩和で円が若干下落する場面があったが、主用格付機関が国債の格付けの引下げたにもかかわらず、ユーロ危機、中国バブル崩壊、米国経済の先行き不透明感から消去法的に円に資金が流入しやすい状況は続く。

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バブルが崩壊しデフレ超低金利に陥り円高が日本経済を直撃して久しい。
今年2月14日バレンタインデーに日銀が「サプライズ緩和」に踏み切ってから円高修正の流れが一時起きたが、3月半ばに84円台前半を付けたところで日銀が追加策が出ないと見るや、円売りは失速。1年間通じてみると、80円を中心に上下4円程度でもみ合ったにすぎない。2006~10年の年間の平均値幅15.7円に比べると、異常にボラティリティ(上下振率)が低い。
 
 更なる超々円高なのか円安になるのか多くの市場関係者は円相場の方交感が読めなくなっている。日米の政策金利がともにゼロ近辺とあって、日米金利差が一方向に縮小して円買い・ドル売りを誘う環境にはない。ドイツ証券の田中泰輔チーフ為替ストラテジストは「米2年物国債利回りは0.3%中心に小幅な上下動を繰り返し、円相場が80円前後で推移するのと整合的」と算出する。
 
 欧州債務問題の影響も見逃せない。低金利で調達通貨とされる円とドルは、市場のリスク選好度に対し同じ方向に動く。リスク回避に傾くと円とドルがともに買われ、リスク選好度が上がればともに売られるといった具合だ。

そのなかで円安を主張する藤巻氏の円安論は円安を期待する我々にとっては頼もしい?説だが・・・毎度毎度藤巻説には突っ込みをいれたくなってしまう。

「円が大暴落すると思うこれだけの理由」           フジマキ・ジャパン社長 藤巻健史氏 nikkeinet

【要約】2012/7/12 7:00
 「財政破綻というハードランディングは奇跡でも起こらない限り不可避」
消費税の増税法案が6月26日に衆院を通過した。ポピュリズム政治(衆愚政治)でないならば国民に不人気な増税法案であろうと最後の最後まで財政再建のために努力するのが政治家の責務だ。
とは言いながらも、この消費税の10%への上げは財政破綻の時期を遅らせるだけで根本的解決策にはならない。焼け石に水だ。財政破綻というハードランディングは奇跡でも起こらない限り不可避である。
 
消費税収は現在5%で10兆2000億円(2011年度)であるから消費税1%あたり2兆円の税収となる(注参照)。だとすると、昨年度の単年度赤字の44兆円、今年度予算でも44兆円の赤字である財政を黒字化するためには消費税を22%上げなければならない。さらには959兆円もたまった累積赤字を96年で返すためには毎年10兆円ずつ返済しなければならないが、このためにはさらに5%の消費税増税が必要だ。ここまでで消費税は32%となる。
 
 
さらには、今でこそゼロ金利だからいいようなものの959兆円も借金がたまった以上、金利が上がり始めれば大変なことになる。1%金利が上がれば、すぐにではないものの、いずれは9.56兆円の支払い金利増だ。金利が1%上昇するごとに5%ずつの消費税上げが必要になる。
 
(注)正確にいうと5%の内4%が国税で1%が地方税であるから消費税1%あたり国税収入は2.5兆円ともいえる。しかし地方財政の赤字も考えると今後の消費税増税分はすべてが国の収入というわけにもいくまい。今まで通り4:1の割合で国と地方で4:1で分けるとなると、やはり消費税1%当たりの国の税収は2兆円と考えるのが妥当だと思われる。
 
 
■消費増税による歳入増の大半は金利支払いに消える
 
景気が良くなれば税収が増えるだろうとおっしゃるかもしれないが、狂乱経済とまでいわれたバブルのまっ最中の1989年でも税収は60兆円しかない。歳入が200兆円とか300兆円に増えるのなら話は別であるが70兆円ぽっちでは、歳入の大半は金利支払いに消えてしまう。
 
だからこそ消費税を10%に上げる程度では焼け石に水だ。国民が今日から40%とか50%の消費税を受け入れるのならともかく、そんなことはありえないだろうから私は財政破綻近し、と言っている。
 
 
ちなみに2012(平成24)年度予算の法人税収見込みが8兆8000億円、所得税収見込みが13兆500億円であるから法人税と所得税の税率を2倍というとんでもないことにしても、44兆円の赤字は単純計算で22兆円しか減らない。ちなみに「所得税率を2倍」ということは1800万円以上の収入は、現在「所得税と住民税合わせて50%」だから全部税金で没収ということだ。
 
 
法人税を2倍にすれば大企業はすべて海外に逃げ出すだろうし、所得税を2倍にすれば個人は働かなくなる。 
したがって税収増は消費税増税に頼らざるを得ない。
 
借金というものはいくら「借りるぞ」と宣言しても貸す方に金がなくなればできなくなる。いずれ未達(国債が入札時に完売できない)が起きると思うのだ。これこそ財政破綻である。
 
■財政破綻の回避には……
 
財政破綻とは「満期になった国債元本を返済できない」ことだと思っている方が多いようだが日本での財政破綻とはそれだけでは済まない。予算の半分は借金という状態であるから、満期国債の元本返済を停めても、まだ日々のお金が不足する。すなわち政府機能がシャットダウンするということだ。地方交付税も止まるから警察、消防士、ごみ収集の人たちの給料も出なくなる。さらには銀行への取り付け騒ぎが起きるだろうから社会は大混乱である。
 
 この事態を回避するには日銀が紙幣を刷るしかない。未達とは民間金融機関が国債を買い切れないことだから売れ残りを日銀が買うのである。 
そもそも中央銀行の国債引き受けはマネタイゼーションといって、過去、間違いなくハイパーインフレを引き起こしている。
 
■タクシー初乗り100万円の世界
 
ハイパーインフレとはタクシー初乗り100万円の世界である。年金が月々20万円から30万円に上がるとしてもタクシー初乗りが100万円になれば30万円など無きに等しい。
 
勤めていたら給料も上がるだろうと安心するわけにはいかない。給料は毎月上がるにしてもパン代は毎日上がる。1923年のドイツでは1月にパン1個が250マルクだったものが12月には3990億マルクにもなっているのだ。
 
国民の生活は困窮する一方、政府の借金は実質無くなる。国民の犠牲のもとでの財政再建だ。959兆円の累積赤字もタクシー初乗りが(ちょっと大げさな例ではあるが)9兆円になれば政府の債務は実質ゼロになるからだ。
 
政府機能がマヒするのが悪夢ならハイパーインフレも悪夢なのである。
 
  ちなみに消費税増税を「逆進性が高い(所得の低い人ほどダメージが大きいこと)」と反対することは、その結果、ハイパーインフレというとんでもなく逆進性が高い時代をおびき寄せていることに気が付くべきだ。
 
汗水たらして10年間で100万円貯めた人はタクシー1回ですべてがパーだ。100万円では不動産も株も買えないだろうし、きっと外貨建て資産を買う余裕もないからだ。
 
何はともあれ財政破綻が起きれば「財政破綻による社会的混乱」か「ハイパーインフレ」か、という悪夢の選択を迫られる。
 
ちなみに現在のデフレに対処するために「日銀が国債を引き受けろ」と主張する識者や政治家がいるが、それは今まで述べてきたようにハイパーインフレを引き起こす禁じ手なのだ。 
■日銀の国債引き受け、最後の最後には……
 
福島原発で高濃度汚染水を貯めるために低濃度汚染水を海に流した。。これと同様、最後の最後には日銀は「国債引き受け」をやむをえず行うことになるだろう。しかし、それも修羅場だということだ。
 
  財政破綻が起これば「円」は大暴落である。破綻した国の通貨など誰もいらないからだ。日銀は今、大量に国債を保有している。 
一方、ハイパーインフレを選択しても「円」は暴落する。お金とは日本ではドルでもユーロでもなく円である。「お金の価値が急落する」ということは「円が急落すること」だ。
 
  「国債バブル」と「円バブル」は同時にはじけるわけで、その時期は近いと私は考える。年金資金も国債で運用されているし、生命保険料も40%以上が国債で運用されているし、銀行も大量に国債を保有している。ゆうちょ銀行などは資産の80%を国債で運用している。
 
「国債バブル」と「円バブル」が同時にはじければ、国民にとっては2重パンチである。
 
以上

いまだに、藤巻氏は財務省の増税の為のプロパガンダである国家破綻論を振り回している。本当に信じているのか意図的に協力しているのかは不明だ。
日本の場合1000兆円の国の借金は1000兆円の国民の資産である。最近は外人が保有し始めたので1000兆円の国の借金は920兆円の国民の資産である。

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外国人投資家の日本国債の保有比率は急増しているのだ!

藤巻氏の主張は世界には日本人と日銀しか存在していないから誰も引き受ける人がいないと仰っている。米国の10年国債の金利もゼロに近づけば日本の金利が上がればハイパーインフレの前に日本国債が買われる。1000兆円の借金があっても700兆円の資産がある。紛いなりにも日本は世界一の225兆円の債権国(世界一金を貸している国)だ、どうして日本が国家破綻してハイパーインフレになるのか私には理解できない。もし日本がジンバブエみたいにハイパーインフレになるなら世界経済は存在しないであろう。
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日本のが破綻寸前ならなぜ円が買われているのか藤巻氏の説明では納得できない。

100歩譲って日本の金利が上昇し円安傾向になったら日本に工場が回帰してきて製造業が復活する可能性もある。藤巻説は単に外債を買えというセールストークを書いているにすぎない。

実質実効為替レートからすれば「現在の円レートが歴史的にも際立って円高である」という考えが間違っている。それどころか、1995年頃に経験した過去最高の円高に比べて、実質的に30%以上も円安である。
1995年に1ドル=80円を切ったことがある。それから現在までに、米国の物価水準はおおよそ40%上昇したが、日本でデフレが日本の物価はまったく上昇していない。95年から今までに、40%も物価の開きが生じている。95年の80円は80÷1.4=57円になる。日米の物価の開きを考えれば、今の1ドル=79円という数値は、過去のピークの95年に比べて、まだ30%以上も円安である。
私も円安になる可能性を信じているのだが藤巻氏の説明では円安を語れないのである。

円高になっている要因として、英国から日本に対する巨額の資金流入(2012年第1・四半期のネットベースでは年率換算で8365億ドル)があるが。英国資本による対日投資の内訳を見ると、そのほとんどがわが国の債券市場(同7857億ドル)に流入している。

加えて日本、アジア、英国という3地域からの主に米国の債券に対する投資が、米国の経常赤字のファイナンスを支えている。2007年時点との比較では、今回は2011年第3・四半期以降、日本国内での資金運用難などを背景に、日本から米国への資金流入のパイプが太くなっている点が特徴的である。

英国から日本への巨額のマネーフローが「逆流」を起こすと、「円債相場の下落(=長期金利の上昇)」が懸念されている。また、世界的な金利低下で日本、アジア、英国などからの米国への資金流入が細っている。米国資本が「リスクオフ」の動きを強め、中南米、アジア、オセアニアなどに向けたリスクマネーが収縮し「新興国株の下落」が目立ち国際的マネーの逆流が起きつつある。これが円安要因ではないだろうか?

藤巻氏が伝説のトレーダーというのは自称ではないだろうか?私には理解できない。




執筆中


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日経平均週足
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8,200円近辺の水準で止まらなければチャート上では8月7000円台前半まで落ち込む可能性は否定できない。アメリカの雇用者数は昨年も4月まで20万人台のプラスが続いていた雇用者数は昨年5月も突如5万人台まで急減し、6月は回復した。た。ちなみ今年も6月は回復するのではないかと言われている。

TOPIX月足
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日柄は十分なのだが、下げ余地はもう少しだけある。

[東京 4日 ロイター] 午前の東京株式市場で日経平均は4日続落。下げ幅は一時200円を超えた。米景気の減速懸念や欧州債務不安を背景に主力株中心に売りが先行した。

日経平均は1月6日に付けた取引時間中の年初来安値8349円33銭を更新。TOPIX.TOPXは、2009年3月12日に付けたリーマンショック後の安値698.46ポイントを割り込み、1983年12月以来、29年ぶりの安値水準となった。市場関係者の見方は以下の通り。

●理屈を超えた下落、政策催促の動きを受けた当局の対応に期待

<マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏>

TOPIXがリーマン・ショック後の安値を下回り29年ぶりの水準となった。米国株などの下げにつれ安した格好だが、日本株は理屈を超えた下げとなっている。世界的にみてリーマン・ショック後の安値を割り込んでいるのはギリシャやスペインだが、日本の情勢はそこまで悪くはない。欧州や新興国に続き米国の景気回復鈍化が懸念され、国内企業業績の回復が揺らいでいるとの見方があるが、現状の株価水準は株価純資産倍率(PBR)1倍を割り込んでおり、今期の赤字計上を想定している水準。足元の外部環境はリーマン・ショック時のような信用収縮まで至っておらず、国内企業業績の赤字計上を織り込むほどの株価の下落は過度なリスク回避としか言いようがない。同様に異常な金利水準となっている日米の債券市場を含め、いずれ水準訂正の動きが想定されよう。今週はECB理事会やバーナンキFRB議長の証言などが予定されているほか、6月中旬には日米の決定会合を控え、世界的な催促相場を受けた当局による具体的な対応策が期待される。

●短期的な悪材料出尽くし、下値もみあいへ

<ドイツ証券 チーフ・エクイティ・ストラテジスト 神山直樹氏>

5月雇用統計の悪化により米景気減速への懸念が強まったのは否定できない。輸出環境が厳しくなるうえ、日本株にとってはQE3(量的緩和第3弾)による円高リスクも意識しなければならなくなる。欧州不安より米国の問題の方がリスクは大きいとみている。今後は17日のギリシャ再選挙、6月中旬から下旬の米FOMCやEU首脳会合などの結果を待つ必要がある。短期的には悪材料が出そろい、大きく売り込むような材料も出ない。日経平均が8000円を割り込むこともなく、下値もみあいの展開となりそうだ。欧米での何らかの政治的な判断次第があれば、反発のきっかけを探ることになる。

●日銀は金融政策面でサポートの用意あると表明必要

<コモンズ投信 代表取締役社長 伊井哲朗氏>

先週金曜はキャッシュアウトの印象だ。全般的にキャッシュ化が進んだのではないかとみている。

グローバルな景気減速感を反映して市場がここまで悪化し、キャッシュアウトとなると、あとは政策でしか対応できない。欧州中銀(ECB)、米連邦準備理事会(FRB)、そして日銀も為替の介入も含めて、金融政策面での必要なサポートを考えているというメッセージを出す必要がある。

一方、こうした場面では基本的にバーゲンハンティングに入ってきているとみている。恐らく、グローバルなバリュー投資家などは動き出しているのではないか。

日本企業をみると、外部環境は悪いが、個別業績はそれほど悪くない。現在投資している30名柄のうち、約3分の1は最高益更新企業だ。業種や企業により好業績銘柄はある。キャッシュアウトになり、つれ安になっているいい銘柄をを淡々と買っていくスタンスだ。


[東京 4日 ロイター] 米中経済指標の悪化が鮮明となり、ギリシャ再選挙後の欧州情勢が深刻化した場合に景気悪化の緩衝剤となる国がなくなりつつある。このため各国の金融緩和と通貨安競争が加速する「6月危機」の気配が濃厚となり、日銀への追加金融緩和の圧力は高まりそうだ。

ただ金利はすでに大きく低下、その効果はすでに減衰しているため、世界各国が痛みを緩和するための金利や為替を通じた相対価格の調整は「円高」という形に集約されることになりそうだ。6月危機のあおりを受けるにも関わらず「円」は過大評価に苦しむ展開が予想される。

<米中経済は陰りが鮮明、世界経済見通し下振れ>

6月に入り、日本経済への悪材料が急速に目立ってきた。このところ唯一好調だった輸出先は米国だが、5月の米国内自動車販売は今年初めて1400万台を割れ、予想を大きく下回った。5月雇用統計が精彩を欠く内容だったこともあり、米個人消費に不安を感じさせる内容だ。最大の輸出先である中国向け実質輸出も昨年秋以降2四半期連続で減少を続けてきたが、足元でこれまで底堅いとみられていた小売販売も大きく落ち込み、専門家を落胆させている。

こうした米中経済の指標悪化を受けて、JPモルガン証券では、2012、13年の世界経済成長率を下方修正した。

つい1週間前まで、日本経済は内需に加えて当面米国向け輸出がけん引し、年後半には中国経済の回復で外需も回復軌道を取り戻すというのが、大方の見立てだった。特に、中国経済については、今や世界の成長の源泉であるだけに、RBS証券チーフエコノミストの西岡純子氏は「日本経済の今後について、下振れリスクとして懸念すべきは中国経済の動向」だとみている。

アジア開発銀行研究所の河合正弘所長は、ギリシャ再選挙後のアジア情勢を非常に懸念するという。輸出減速に拍車がかかることに加えて、香港経由で中国企業に投資されていたホットマネーがこれまで以上に引き揚げられる可能性もあるためだ。「中国は景気減速に対応して金利引き下げや内需振興策など政策を打つ用意があるが、ギリシャの再選挙後の情勢次第では非常に深刻な事態に陥る可能性も懸念される」と憂慮を隠さない。

<グローバルな金融緩和避けられず>

世界経済全体が減速感を強める中、最大の焦点となるギリシャの再選挙がその後の世界経済を一層深刻な事態に陥れる「6月危機」に対する警戒感が一層高まっている。選挙で反緊縮派が勝利すればギリシャの欧州離脱シナリオが現実味を帯び、スペイン、イタリアへと波及すれば欧州の安全網で用意された金額では収集がつかない事態に陥り、金融システムも動揺することになる。

こうした中で各国とも追加金融緩和を実施するとの見方が強まっている。JPモルガン証券・チーフエコノミスト・菅野雅明氏は、日米欧の中央銀行は金融追加緩和に早晩踏み切る見込みだと予想。すでに市場ではそうした動きを織り込み、対ユーロはもちろん、対ドルでの円高が進行。第一生命経済研究所・主席エコノミストの熊野英生氏は「世界各国の相対価格の調整は全て円で調整することになりそうだ」とみている。

日米欧がいずれも緩和方向に舵を切るとしても、円の独歩高となりやすいのは、各国の中では復興需要もあって雇用環境や消費動向など内需の好調が極めて明るいこともあるが、デフレの国の通貨が上昇しやすいという定石通りの動きとなっているとの理解もできる。

<「円」の過大評価、止められず>

今のところ為替介入への警戒感が短期的に円の上昇を食い止めている面もあろうが、日銀の金融緩和が為替に与える効果への期待は小さい。

菅野氏は「金融政策の景気下支え効果が次第に減衰していく傾向にあるのは否めない」と指摘する。「イールドカーブが急速にフラット化する状況の下で、長期金利をさらに低下させることは可能だが、金利低下幅は次第に縮小し、長期金利がもうこれ以上下がらない水準まで低下するのは時間の問題かもしれない」という。

日銀自身、追加緩和を繰り返しても円高圧力をうまく止められないことは百も承知。高水準に積み上げた資産買入基金をもっと上積みしても、ドル買い圧力に寄与しないため、ごく短期的なインパクトしか行使し得ず、基金の積み増しを繰り返すことになることは、金融市場参加者もわかっている。

経済ファンダメンタルズは「雇用と消費は日本だけが世界の中で特別に良い状況」(政策当局)にあるとはいえ、米中経済の減速が足を引っ張り、円高で失われつつある企業収益を考えれば、世界の痛みを一手に引き受ける「円」の過大評価には首をかしげたくなる。政府はすでに円高を「一方的な動き」(野田佳彦首相)とみているが、これまでの追加緩和や介入でも円高バイアスは止まっておらず、有効な円高対応策を見つけられずにいる。

(ロイターニュース 中川泉;編集 宮崎亜巳)
5月末まで欧州の債務危機や新興国の景気変調を尻目に比較的改善傾向にあった米国景気と米株式市場であった。だが米政府が6月1日に発表した5月の米雇用統計の雇用者数約15万人と予想が予想の半分以下であった。あまりにひどい数値は誰も予想していなかった。市場では「世界景気減速」と判断した。米国経済は欧州と新興国同様にリセッションの波をはじくことができず一夜にして日経平均株はついに年初来安値を更新してしまった。

ギリシャはユーロから離脱しても、もはやマーケットは容認するだろう。スペインはもともと財務は優等生であったので、スペインを救済する方策は水面下で話し合われていると思われる。

 かつて日本の日銀がバブル崩壊後にそうであったと同じように、金融緩和は効果がなくとも中央銀行が動かないとマーケットでは批判される。それゆえFOMCでQE3も実施される可能性が高い。だが日米金利差はもうほとんど無い。米10年債が1.529%で日本が0.85%約0.7%しかない。米国が金利を下げても大幅な円高になる水準ではない。現状市場ではFRBの追加金融緩和策にあまり期待をしていない。FRB がいくら大量の緩和資金を注入しても効果はない。どんな手を打ったとしても長期金利はもはや下げ余地が少ない。

安全な資金は日本とドイツと米国の国債への資金集中が続いている。国債利回り
に連動する住宅ローン金利も最低を更新中である。従って住宅関連株には追い風となるはずであるが、株価の面では住宅関連の株価も下がっている。市場で金利がいくら下がっても米国民に職がなければ家は買えないのだ!

米国では雇用の悪化から弱いドル路線よりは強いドル路線へと変更するという発想も生まれ始めている。いつまでもドルを安くする方法からドル高という発想の転換を主張する声も11月の大統領選を前に生まれてくる可能性も高まってきた。バーナンキ議長が大統領選を前にどちらに方向転換するかである。

 21世紀の世界信用危機の発端となった米国発の信用危機はリーマン・ショック後に思い切った2兆3250億ドルに及ぶ財政支出策が実施されて、昨年の夏には実体経済はドル安・金利安によって回復の息吹が高まってきた。

 一方、ドル安・ユーロ安を一段と長期化させることをねらいに仕掛けられたギリシャの財務危機はすでに2年半の長さに亘たるが、一向に収まる気配はなく次々にEU諸国に広がっていく気配である。2年半まえギリシャの財務危機はユーロ安を助長するための一環としての仕掛けられたギリシャ危機であったが、もやは世界のマネーはギリシャから逃げ出したおかげで本当のギリシャ危機が生まれてしまった。現状、ギリシャにマネーを投資する国はなくなってしまった。

 この流れが変わるのはやはり6/17のギリシャの選挙が一つのきっかけとなる可能性は高い。

当ブログは個人的相場観を個人的に書いているものであり、勧誘行為とは一切関係ありません。相場等による損益の一切責任は負いません。
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追加緩和でも円高・株安招いた白川総裁の「自負」
日経新聞編集委員 小栗太 2012/05/04 6:00

日銀が4月27日に追加金融緩和に踏み切って1週間。市場が期待した円安・株高効果はあっという間に消えうせ、その間に円相場は一時、約2カ月ぶりに1ドル=80円を突破した。2月の追加緩和が大幅な円安・株高の起点になったことは、市場参加者の記憶に新しい。なぜ今回は効かなかったのだろうか。

まず27日の追加緩和発表直後の市場の値動きを改めて振り返ってみる。
市場参加者の間では当初、長期国債の購入額を5兆円増やすとの予想が大勢だった。ところが日銀はその2倍の10兆円を増額し、株式市場を刺激するために上場投資信託(ETF)の購入まで盛り込んだ。

■たった1時間の円安・株高

「日銀サプライズ」に驚いた市場は、一気に円安・株高に傾いた。円相場は80円台から81円台半ばに急落し、日経平均株価の上昇幅も100円を超えた。2月の追加緩和が再現されるような激しい値動きだった。

だが次第に勢いは弱まり、円安・株高にブレーキがかかり始める。そして1時間後。円相場も日経平均株価も追加緩和発表前の水準に逆戻りしていた。
「結局のところ、日銀の白川方明総裁はセントラルバンカー過ぎた」。クレディ・スイス証券の深谷幸司氏は円安・株高が失速した理由をこう表現する。

市場が円安・株高にブレーキをかけたきっかけは、日銀が追加緩和の発表文に、金融緩和を強力に推進する目標に置く消費者物価上昇率1%について「遠からず達する可能性が高い」と明記したことだ。市場は「次回の追加緩和のハードルが上がった」と受け止め、日銀が引き続き円安・株高を後押ししてくれることへの期待は急速に薄らいでしまった。

白川総裁は追加緩和後の記者会見でも、一段の追加緩和に消極的と受け取れる発言を繰り返した。「年末までに銀行券を上回る状況になろうかと思います」。日銀は国債を際限なく買って財政拡大に拍車がかかる事態を避けるため、国債の保有額を銀行券の発行額以内にとどめる「銀行券ルール」を定めている。

今回の追加緩和は基金を設けて国債を購入するため、日銀は「ルールに抵触しない」との立場。だが市場は白川総裁の財政リスクへの言及を追加緩和継続への危機感の表れと受け止めた。「物価と金融の番人」という生粋のセントラルバンカーとしての自負が表に出て、結果的に市場の追加緩和期待は縮んだ。

■株価高騰でも追加緩和期待

これに対し、弁舌の鋭さでならした学者出身の米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長はしたたかだった。日銀の追加緩和の2日前の記者会見で、追加緩和の可能性について「引き続きテーブルに載っている」と強調。5月に入ってダウ工業株30種平均が一時、約4年4カ月ぶりの高値を付けたにもかかわらず、市場はなお追加緩和期待を抱き続けている。日米の中央銀行トップの記者会見を比べ、市場が「円安よりも円高」を意識するのも無理なかった。
もっとも日米の中銀トップの姿勢だけが円安・株高の抑制要因になったわけではない。構造的にも日銀の追加緩和は円安効果を発揮しづらくなっている。

市場が金融政策から円相場を見通す際に最も強く意識するのが2年物国債利回りで比べた日米金利差だ。「3年先の経済予測は一般にかなり精度が落ちる」(白川総裁)ため、金融政策運営を反映しやすい2年債の金利差が為替売買の重要な手がかりになる。実際、市場が金利差を強く意識している証しに、これまで円相場と日米金利差は高い連動性を示してきた。

だが市場には「いくら日銀が追加緩和を続けても、2年債利回りは下がらない」(みずほ証券の上野泰也氏)との見方が広がっている。直近の2年債利回りは0.1%強。日銀は金融機関から預かる超過準備預金に0.1%の利子を付けており、市場金利は0.1%を下回りづらい状況にある。つまり日銀が追加緩和を続けても、2年債利回りの低下余地は皆無で、円安を後押しする効果は限りなく小さくなっているわけだ。

日銀の追加緩和による円安誘導効果はなくなったのだろうか。実は必ずしも「ない」と言い切れない。

■追加緩和効果はタイミング次第

2月と4月の追加緩和を比べると、市場環境に違いがあることが分かる。1つは、世界経済への見方だ。2月はギリシャの債務不安が一服し、市場がリスク投資を増やしやすい状態だった。日銀の追加緩和と相まって市場心理も円安・株高に傾きやすかったわけだ。一方、4月はスペイン国債の格下げで欧州債務不安が再燃の兆しを見せ、市場のリスク回避が強まった矢先。むしろ避難通貨とされる円が買われやすい環境にあった。

それだけではない。短期的な相場動向に大きな影響力を持つヘッジファンドの持ち高にも違いがあった。2月は円の買い持ちを積み上げたタイミングで、大規模な円売りを仕掛けやすかった。逆に4月は円の売り持ちが膨らみ、一段の円売りに動きづらい状況だった。

白川総裁は2月の追加緩和以降の大幅な円安・株高について「日銀の政策姿勢も1つの要因だが、基本的には大きな環境の変化、世界経済の変化が影響している」との認識を示す。つまり追加緩和と外部環境のタイミングさえ合えば、再び大幅な円安・株高が実現する可能性が見えてくるわけだ。

日銀が次に追加緩和に動くのはいつだろうか。その際には売買を判断するうえで外部環境をじっくり見極めることが重要になる。

日本の長期金利(10年最長期国債利回り)が0.8%台に低下し、市場ではさらに低下余地を探る動きも出ている。米、独国債も利回り低下基調を鮮明にしており、マネーの安全資産買いは一段と加速する気配を見せている。

だが、消費税増税に反対する小沢一郎・元民主党代表の党員資格停止処分の解除方針も決まり、同法案に反対する民主党議員が勢い付いている。衆院での同法案採決が先送りされる展開になれば、政治情勢を無視して国債買いを継続することのリスクが増大するだろう。「国債バブル」が膨張したところで、政治的なショックが加わると"想定外"の市場反応が起きかねない。これから先の展開は、市場参加者のリスク感覚も問われることになる。


8日の10年日本国債入札は応札倍率が3.74倍と順調で、長期金利は入札結果の発表後も0.860%付近での推移となり、根強い国債需要を見せつけた。円債市場でのこの動きは、米独での国債買い人気と歩調を合わせているとみることができる。米連邦準備理事会(FRB)と日銀は長期間のゼロ金利政策維持を約束する「時間軸効果」を目いっぱい効かせる政策を展開。欧州中銀(ECB)も3年物資金供給オペ(LTRO)を2度も実施して、大量の資金供給で金融システム不安を封じ込めている。

その結果、世界のマーケットにはかつてない規模のマネーが供給されているが、リスクオン市場になり切れない情勢になっている結果、米独日の国債は安全資産としてマネー流入の受け皿になっている。特に日銀の超金融緩和政策に慣れきっている東京市場では、金利反転のリスクに対する警戒感が、米欧市場に比べ格段に弱い。市場の一部では、長期金利が2010年10月に付けた0.820%の直近での最低水準を割り込むのではないかとの観測も出ているようだ。

<日本国債の弱点、政治的な優柔不断>

だが、国の公的債務残高が国内総生産(GDP)の200%に達しようとしている日本にとって、「政治的な優柔不断」は、多くの市場関係者が想定している以上に日本国債のウイークポイントとなっていると指摘したい。

日本国債が市場で現在の信認を確保し、長期金利1%割れの水準を実現している大きな要因の1つは、40兆円台の税収をかさ上げできる手段としての消費税率引き上げの余地が大きいことだ。ところが、肝心の消費増税法案成立のメドが5月になっても、全く立っていない。

衆院本会議が8日午後に開かれ、消費税増税法案を含む関連法案の趣旨説明が始まり、ようやく審議が開始された。しかし、衆院に設置した社会保障と税の一体改革特別委員会で、実質審議がスタートするのは16日。6月21日の通常国会会期末までは、残すところ1カ月余りで、早くも通常国会の会期延長に関する思惑が与野党の間で浮上。早期成立への機運は高まっていない。

野党多数の参院で議決しない限り、消費税増税法案は成立しない。言い換えれば、自民党や公明党の賛成がなければ、ゴールテープを切ることができない。しかし、自公両党は、参院で問責決議案を可決された田中直紀防衛相と前田武志国交相の辞任を要求し、消費税増税法案の可決に向けたシナリオは描き切れていない。

日本国債(JGB)を空売った外人ヘッジファンドはまたまた、今頃夜逃げである。
何度カラ売りを仕掛けても、JGBが暴落しないのである・・・私は愉快で愉快で笑が止まらないのである。世の中に財務省のプロパガンダに乗り不安を煽る連中がいかに馬鹿げているか・・・
日本国債暴落論は財務省のプロパガンダの最大の被害者はJGBを空売ったヘッジファンドの皆さんのような気がします。
日本国債の外国人の保有はほとんどなく(全体の5%程度)、国債の保有の大半は日本政府の息のかかった国内の金融機関である。もちろん日銀が国債を買うという選択肢もある。百歩譲って日本の金融機関が国債を売ったとしても、売却で得た資金の運用先がない。再び日本国債を買う他はないのである。
だいたいS&PやMoodysなどの格付機関の信頼性はサブプイムローン問題などで地に落ちている。

海外の投資家が日本国債を買えば、当然、それは円高要因となる。一方で財務省は円高阻止のための為替介入をやって借金を増やしておきながら、海外に日本国債をセールスして資金を集めるといった本当にばかげたことをやっている。
海外勢の日本国債の保有が増える度に、財政が悪化し米国債の保有額が増えるという図式になる。
今日、莫大な金余りを背景に金融業界はゼロサムゲームの「どろどろ」の世界になっている。投資家や金融機関は「騙すか騙されるか」の情報戦をやりながら収益を上げる他はない。そのなかでも財務省は札付きの嘘つき野郎ということだろうか?
いずれにしても、ユーロ崩壊リスクが高り、再び世界的にリスク回避の気運が高まり円が買われている。
S&PやMoodysに頼らずとも、世界中のマネーは各通貨のリスクを十分に承知している。これほどまでに日本国の体たらくを目撃しても依然円の信頼に揺るぎがない。現在円がドルに代わって実質的な基軸通貨の役割を果たしているのである。ある意味では喜ぶべきことかもしれない。
 
財務省や日銀はこのことを逆手にとって円建の国債を償還分を何割か米ドル建に置き換えることはできないであろうか?どうせ政府短期証券は当面円に戻ることがないのだから、ドル建の国債で資金を調達すれば簡単に円安となると思うのだが?

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為替
2012/05/01(火) 10:41 JST
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ドル・円相場は昨日、79.74まで下落。89週移動平均線と週足雲の上限があった 80円台半ばを下回っただけでなく日足雲の下限と節目の 80.00も下抜きつつある。
昨日のドル下落はちょうど 89日移動平均線(昨日時点で 80.75)で止められた格好。したがって、目先の焦点はこの移動平均線も破られるかどうかに絞られる。破られた場合、もう一段の下押しリスク。このときのターゲットは 79.55。これも破られると今週に関しては 78.90/79.20ゾーンへの続落リスクに要注意。このゾーンには上表に示した短期のチャンネル下限と中期のチャンネル下限が来ている。また、[76.03⇒84.18]の上昇幅に対する 61.8%戻し、79.14もこのゾーンにある。いわば、吸着力の強いポイントであると同時に非常に強いサポート帯といえよう。
節目をあっさり破ったドル・円相場はまだ下落リスクを抱える。ただ、ここからの下値余地は大きくないのでは。79円台半ば付近からの追っかけ売りは避けたい。

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シカゴ筋は依然円売りポジションのようです。


ドル円が2月24日以来、約2ヵ月振りに80円の大台を割り込み、NY市場では一時79円74銭まで下落しました。80円の大台では何度も押し戻され、底固さもありましたが、シカゴ購買部協会景況指数が予想を大きく下回ったことで、大台割れを示現し、その後もドルのジリ安の展開が続いています。 

世界の主要株式市場の中で、大き<出遅れていた日本株は、昨年末以降上昇に
転じました。 2/14に日銀が実質的なインフレ目標政策を採用してからは、為替市場において、円安が進行し、日経平均は騰勢を強めた。3/27に終値で10、255円15銭まで上昇し、東日本大震災後の戻り高値を更新しました。

 しかし、4月に入り、スペインの財政再建の遅れをきっかけとした欧州債務懸念が
再燃。5月6日のフランス大統領選挙(決選投票)やギリシャ総選挙を前にした政局不透明感などもあり、欧州発のリスクが強く意識されています。

調整の最大の原因は、昨年冬以降沈静化していた欧州債務懸念が再燃していることである。 ECB(欧州中央銀行)は2度に亘る3年物資金供給オペ(LTRO)で合計1兆ユーロ(12/21実施:4892億ユーロ、2/29実施:5295億ユーロ)を上回る資金供給を行い、金融機関の資金繰り懸念は後退。スペインやイタリアなどの重債務国の国債利回りも大幅に低下した。

 しかし、3月以降、両国の国債利回りも上昇に転じた。景気下振れと地方政府の財政難を背景に、スペインのラホイ政権は今年の財政赤字比率の見通しを当初の4.4%から5.3%に引き上げることを決定。赤字削減を目指し、3/30に過去40年間で最も緊縮的な予算案を閣議決定した。

 スペイン国債の入札(4/4)が不調となると、同国を含め重債務国の国債利回りが急上昇。イタリアでも、4/18に政府は景気低迷により財政収支の均衡目標を2014年に1年先送りする方針を決めている。

 4/26に米大手格付け会社(S&P500)はスペインの長期格付けを「A」から「BBB+」に引き下げている。スペイン経済が縮小する中、同国政府が銀行セクターヘの追加支援を余儀なくされると同社は分析している。

財政再建のための緊縮財政が景気低迷を招き、景気低迷に伴う税収減や社会保障費の増大が欧州重債務国の財政目標の達成を一段と困難にしている。

 多くの先進国は緊縮財政に舵を切っているにもかかわらず、右図にあるように、先進国(G7)の公的債務対GDP比は2015年まで上昇が続く見通しである。一方、新興国は高い経済成長に伴う税収増が期待され、公的債務の対GDP比は低下傾向が強まる見通しである。

 欧州の財政懸念は長期化が見込まれ、スペインやイタリアなど欧州重債務国の国債入札の結果に一喜一憂する状況が続くと思います。

 しかし、これまでのECBなどによる積極的な資金供給の結果、流動性は潤沢であり、銀行間金利などは依然低位に留まっている。財政赤字を金融政策で解決することは不可能だが、金融緩和により「時間を買う」ことは可能かもしれません。

IMFも日本をはじめ追加の資本が増強され、ECBなどによる追加の対応も考えられ、昨年後半のような危機は当面ないかもしれません。

4/30発表のシカゴ購買部協会景況指数が予想を大きく下回ったり、4/6に発表された3月米国雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比12万人増となり、2月の24万人増から増加ペースが大幅に鈍化した(昨年12月より月間20万人を超えるペースで雇用が増えてきた)り、米景気への期待が失望感に変わってしまった。

米国ではこれまで期待を上回る経済指標の発表が続いていた。そのため、市場の期待が一層高まることになり、逆に経済指標でポジティブ・サプライズは生まれ難い状況となっってしまった。

 しかし、依然として個人消費は堅調であり、米国経済全体で見れば、緩やかな回復基調に変化はないと考えている。過度の期待感が剥落すれば、徐々にポジティブ・サプライズは生まれやすい環境にはなっている。

 米国株は予想を上回る1-3月期の決算発表などもあり、相対的に堅調に推移し
ている一方、新興国株は大きく下落している。また、為替市場においても、投資家
のリスク回避姿勢が強まる場面では、相対的に下落幅が大きくなる傾向がある新
興国通貨の下落が足元でも顕著である。

新興国の代表である中国の2012年第1四半期の実質GDP成長率は前年同期比+8.1%となり、5四半期連続で伸び率が鈍化している。1-3月累計でEU向け輸出が▲1.8%となるなど、欧州向けなどを中心に外需が低迷している。加えて、これまでの不動産価格抑制を目的とした金融引き締め策や中央政府による公共投資縮減の影響などから、固定資産投資も減速している。

 しかし、仮に経済成長率が政府目標の7.5%近<まで減速するようなことがあれ
ば、2009年9月のリーマン・ショック後、直ぐに発表された「4兆元(約60兆円)の
景気対策(11月9日発表)」の時と同様に大胆な景気刺激策が打たれる可能性も
ある。

3月の主要70都市新築住宅価格は70都市中37都市が前年同月比で下落し、
全国加重平均の新築住宅価格も2010年に中国政府が住宅価格抑制策を導入し
て以来、初めてマイナスとなった。

 3/14の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)後の温家宝首相の会見で、「
中国の不動産は未だに合理的価格に回復していないためマクロ調整を緩めては
いけない」と強調するなど、これまでのところ中国政府は不動産価格抑制策を堅
持する姿勢に変化はない。

 しかし、中国政府は1軒目の住宅購入者向けのローン金利の引き下げを打ち
出すなど、投機目的以外の住宅購入を支援する姿勢を示している。3月の人民
元建て新規融資は、事前予想を大き<上回る1兆100億元となり、2011年1月以来
の1兆元突破となった。マネーサプライ(M2)の伸び率も拡大しつつあるなど、引
き締め一辺倒だったこれまでと比べて、変化も見られます。

中国では、昨年12月と今年2月に預金準備率を引き下げているが、利下げはま
だ実施していない。一方、ブラジルでは昨年9月から6回連続で利下げを実
施、インドでは、インド準備銀行が4/17に2009年4月以来となる3年ぶりの利下げ
に踏み切った。

 足元インフレ圧力がやや緩和していることで、多くの新興国では、金融緩和の
動きが広がっている。欧州を中心に先進国では緊縮財政による財政再建が急が
れているが、新興国には財政面で健全な国が多く、景気の先行き不透明感が強
まった場合でも、金融・財政の両面で政策余地が大きいことは強みかもしれない。

 日銀が2/14に追加金融緩和と実質的なインフレ目標政策を採用して以降、日銀の金融政策に対する注目度が高まっている。これまで追加緩和に及び腰とも言える発言を繰り返していた政策委員会のメンバーもデフレ脱却へ向けて並々ならぬ決意を示している。

 4/27の日銀金融政策決定会合では、「資産買入れ基金」の枠を総額5兆円増額。内訳は、①国債購入を10兆円増額(19.0429.0兆円)、対象国債の残存期間を「1~2年」から「1~3年」に拡大、②株価指数連動型上場投資信託(ETF)を2、000億円増額(1.441.6兆円)、③不動産上場投信(J-REIT)を100億円増額(0.1140.12兆円)、を決定。応札額が未達となるケースが発生していることから、期間6ヵ月の固定金利オペについては5兆円程度減額した。

 総額5兆円程度の資産買入れ基金の枠の拡大については、事前にマーケットも織り込んでいたこともあり、大きなサプライズとはならなかったものの、長期の資金供給を手厚<したことや、ETFやJ-REITといったリスク資産の買い入れの枠を増額したことはポジティブに評価できよう。

 日銀が実質的なインフレ目標に設定した消費者物価上昇率1%を達成し、デフレ脱却を現実のものとするために、今後も日銀が積極的な対応をとり続けるか否かに世界の投資家は注目している。

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円ドルの一目均衡表上では厳しい位置にあるが、ゴールデンウィークの谷間でもあり、日米首脳会談が開催されたということも考慮すべきかもしれません。

5/2が終った時点での日足の一目均衡表である。
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危ない、あぶない・・・・
首の皮一枚繋がって底抜けせずに雲の下限で留まっている・・・

2012/5/1 23:27
当局が行き過ぎた円高と認める水準はどこか。1ドル=79円台に突入した外国為替市場の関心は、政府・日銀による次の行動に向かいつつある。 

イメージ 8日銀が意識する円高の節目について、UBS証券の会田卓司シニアエコノミストがこんな分析をする。日銀が追加緩和を見送った4月10日の会合までと、追加緩和を決めた27日の会合までの環境変化で一番大きかったのは、円が80円台まで上昇したことだという。ここから「日銀にとって円高の防衛ラインは80円だったのではないか」と推測。「円高が一段と進んで80円から遠ざかれば、日銀に追加緩和圧力がかかる」と会田氏はみる。
市場の一角では、円上昇に関する防波堤とも言うべき新たな水準が意識され始めている。

野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストが4月19日に顧客・社内向けに送ったリポートが話題になっている。「1ドル=78円を割り込む円高が進めば、政府・日銀は円売り介入に踏み切る」という要旨だ。

昨年秋から今年2月ごろまで、市場で介入に踏み切る目安とされていたのは75円台。昨年10月31日に付けた過去最高値(75円32銭)の近辺だ。そこから介入の照準が3円程度、円安方向になっているというのが池田氏の見立てだ。

2000年以降の円売り介入について、どのタイミングで実施されたかを調べると「1週間で3%かつ6週間で5%の円高が進んだとき」だった。この計算式を今に当てはめると、4月上旬に82円前後だったことから逆算して5月中旬ごろに78円前後まで円高が進めば、介入が視野に入る。

介入への警戒感が強まれば円買いが抑えられる。実際、76~77円台で推移していた昨年秋から今年初めまで、介入を巡る観測が一段の円高を食い止めた。その時相次いだのが安住淳財務相による「口先介入」だ。

1日、中尾武彦財務官は「必要な場合には適時適切に対応できるよう、緊張感を持って市場動向を注視していく」と発言。口先介入を始めた印象を与えた。「今後『無秩序な動きに断固たる措置』など、踏み込んだ発言が出てくるかどうかが注目」と池田氏は話す。

じわり現実味を帯びる78円介入説。会田氏が言う「日銀の防衛ライン」と符合しているようにもみえる。

(秋山文人)






当ブログは個人的相場観を個人的に書いているものであり、勧誘行為とは一切関係ありません。相場等による損益の一切責任は負いませんので悪しからず。
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改めまして あけましておめでとうございます。

巷では2012年はユーロ発の大恐慌を迎えるのではないかと経済誌や週刊誌が恐怖を煽りに煽っております。国民の信任も得ないまま民主党は勝手に消費税増税を決めてしまい、世界経済が恐慌に陥るかもしれないという時期に財政再建をすれば、日本経済は二度と立ち直れないほどのダメージをうける危険性があることは確かです。財政再建どころか日本経済が再建できなくなってしまいます。

昨年は円高に欧州債務危機が加わり、日経平均は2年連続の下落。リーマン・ショックがあった2008年の42.12%以来の下落率-17.3%となった。
世界的な景気回復期待と円安期待で2月17日に1万0891円60銭の年初来高値を付けたが、東日本大震災で株価が急落。売られ過ぎの反動でいったん1万円を回復したものの、欧州債務問題などの深刻化でグローバルなリスク資産売却の動きが再び加速し、11月25日には8135円79銭の年初来安値を付けた。その後も反発力は弱く、8500円を割り込んで1年を終えた。

お先真っ暗夢も希望もないように見える日本経済だが現在が陰の極ではないのだろうか?歴史的なタイミング(ヒストリカル・モーメント)を最初に知らせてくれるのは相場だが、振り返ってみて理由が解説され裏付けられるのは数年後である。私の勘ピューターも大恐慌ではなく、民主党政権崩壊で日経平均の回復を支持したい。

その意味からいえば当然、現時点において、底にいるのかどうかは判断が付かない。 しかし、日本経済、デフレの最悪期は、あくまでも2003年であったと考える。つまり、ここが真正の底ではなかったろうか?

 日経平均株価の動きを追っていくと、2008年10月のリーマンショック時に6994円という過去最安値を更新しているが、これもあくまでも余震に過ぎなかった。2011年11月につけた8135 円が二番底になる可能性もあるが、2003年の余震に過ぎない。

 現在はセキュラー・ベアーマーケットではないかと云われている。 セキュラー(Secular)というのは、日本語言言うと、永続的という意味になる。永続的という言葉どおり、セキュラー・ベアーマーケットを表しているのだが、ここ言言う永続的」とは、ピークからボトムまでの期間が非常に長い底なし状態のイメージというよりも、ボトムは打ったものの、なかなか上昇に転じることができず、ダラダラと底ばいのなべ底状態が続く状況を意味している。

 このセキュラー・ベアーマーケットという状態は、1929年の大暴落後1932年大底を打った後17年間ダラダラと底ばいのなべ底が続き米国が本格上昇に転じたのは1949年17年後であった。1966年NYダウは1000ドルを越え1973年に底打ちした後1982年まで16年間600ドルと1000ドルのボックスで推移した。

日本に当てはめれば1989年末にピークを付け一番底が2003年で二番底が2008年20年相場が低迷したとはいえ相場の反発エネルギーは溜っている。

日本の国債を暴落させたいヘッジファンドと財務省の走狗の御用学者の財政再建派と悲観論者が絡んで現在日本国債が大暴落すると叫んでいるが私には理解できない。 
日本国債を空売りしているが一向に暴落しないヘッジファンドの焦りを表している。

世界的にお金が余っているからである。余ったお金は、必ず運用先を求めて動く。株式、債券、コモディティ不動産など、投資対象にはさまざまなものがあるが、世界的に余剰となった大量のマネーが向かう先は、債券市場しかない。 「財政赤字が深刻化している日本の国債なんて買われるはずがない」と考えている方もいるかもしれないが、ユーロ・ドルと比べて日本国債が単独で高いリスクを抱えているのか比較すればよい。

株式市場の市場規模もかなり大きいが、 債権の市場規模は、株式市場の比ではない。ましてや「金」「石油」を含めたコモディティや不動産ともなると、市場規模が小さすぎて、世界的な余剰資金を吸収するのは不可能だ。したがって、日本国債をはじめとする債券市場に資金が流れざるを得ない。

 たとえば、世界の機関投資家は、グローバルーボンドーインデックスと呼ばれている債券指数をペースにして、債券市場での運用を行なっている。グローバルーボンドーインディクスとは、世界中の債券市場の値動きを合成した指数のことだが、ここには日本国債も当然のことなから含まれている。しかも、日本国債のマーケットは市場規模が非常に大きいため、グローバルーボンドーインデックスに占める比率も高い。

 こうしたインディクス運用を通じて日本国債に流人してくる資金だけでもかなりの額になるため、たとえ日本国内の貯蓄が減って日本国債の買い余力が低下したとしても、それを十分に補えることになる。

 したがって、日本の長期金利は上昇するものの、パニック的な国債売りにはつなからない。結果的に長期金利の上昇は、急騰とまではいかず、それは物価かある程度、落ち着いた水準で推移するであろうということを意味すします。

国債は当面日銀が買い支えればいいのである。そうなれば諸悪の根源であるデフレが終わってもハイパーインフレにならなければ、インフレはむしろ日本経済にとってプラスの方向に働くはずです。

消費税を上げるのではなく、日銀が国債を引き受ければいいのです。国債を発行し円を供給するタイミングである。円安傾向に転換すれば、日本の輸出産業の競争力が復活し、日本に工場が戻り日本の財政問題地方の空洞化など諸問題が解決するのである。

故に、国債の暴落など心配無用である。

テクニカルな日柄の指標では2012年が円の歴史的天井で、75.31円を越える1ドル=70円を瞬間割るあたりが大天井?もしくは既に天井を打っている可能性が考えられる説を信じたい。

2012年は地震の復興予算の効果で極端な円高が進行しなければ、普通経済はV字回復してもおかしくはない。日々感じる実感と勘からすれば相場は2003年の小泉偽改革の最中に感じた絶望感に近い。2012年は2003年と同じく歴史的千載一隅の日本株式の買いのチャンスになるかもしれません。

幾つかの変化は確認できる。意外に米国経済は堅調であり、円高も足踏み状態にある。QEⅡが行われたにもかかわらず、米国はデフレスパイラルに堕ちていない。

その証拠に、NYSEは年間で6%上昇と群を抜いたパフォーマンスを示している。欧州の主要株価指数、英国.FTSEは5%、ドイツ.DAXは15%下落、フランス.FCHIは17%下落と大きく下げた。債務懸念が強まったイタリア.FTMIBは26%安、ギリシャ.ATGは52%安だ。アジアでも景気減速懸念が強まっており、上海株.SSECは22%下落、香港.HSIも19%下落、韓国株.KS11が約11%下落している。

米ドルもユーロも当面は崩壊しないが世界的にはインフレの芽が出始めている。

1月に台湾の総統選挙。3月初旬にロシア大統領選挙。3月中旬には中国の国家主席の交代。5月にフランスで大統領選挙。11月にアメリカ大統領選挙、12月に韓国で大統領選挙がある。日本も3月解散ではないかなぁ・・・いやしてほしい・・・欧州の危機も正念場を迎える。

米国はオバマの再選が焦点となるが、オバマはなりふり構わず米国の景気回復に全力を挙げる。だが再選は難しいと私は思う。もはや米国民はオバマに幻想を抱いて得いない。ただ資金力にものを言わせ力ずくでの再選もありうる。しかし、共和党の大統領になる確率が高いと私は思う。そして共和党の大統領になれば強いドルに戻るかもしれない。

円ドルに関しては私はドル高の可能性があるような気がします。

ユーロは直ぐには崩壊しないがいずれ崩壊すると考えています。、円ユーロはユーロは更に弱くなると思う。

1999年1月に誕生した統一通貨ユーロは、そもそも不純な動機でできあがった通貨である。どういうことかというと、かつての西ドイツ首相コールとフランス大統領ミミッテランとのあいだで交わされた密約によってできあがった通貨という一側面もあるからだ。もちろん、両者の密約がすべてなどというつもりはないが、誕生の背景には、かなり政治的な思惑があった。
 どういう密約だったのか。
 当時、西ドイツ首相のコールにとって最大の悲願は、ドイツの統一を成し遂げることだった。当時はまだ自由主義の西ドイツと、社会主義の東ドイツに分裂していたが、これを何とか統一したいということを、コールは常日頃から考えていた。
 もちろん、これに対して大反対を唱える声があったのも事実だ。現在のユーロ圏内において、ドイツと並ぶ大国であるフランスのミッテラン大統領は、東西ドイツの統合には絶対反対の姿勢を貫いていた。
 それはそうだろう。フランスといえば第二次世界大戦において、ナチスドイツの占領下に置かれたこともある。東西ドイツの統一は、再び軍事的、経済的に強いドイツを生み出す恐れがあるのではないか、それを引き金にして、再びヒトラーの悪夢が蘇るのではないか、といった危惧の念を抱くのも、無理のない話だ。
もちろん、フランスだけでなく、欧州域内の多くの国々からも、ドイツの東西統一については、強く反対する声か多くあかっか。
 そこでコールは、自国通貨のドイツマルクを人質にしたのだ。つまり、ユーロという統一通貨を誕生させるとともに、ドイツは世界最強通貨のひとつとされてきたドイツマルクを捨てるという交換条件を、ミッテラン 大統領に対して提案した。これにより、世界最強通貨のドイツマルクは消滅し、1999年1月、ユーロの誕生とともに、そこに組み込まれることになった。

政治的妥協の産物であるユーロが崩壊するのは時間の問題だ。

日本が生き残っていくためには、①民主党政権を即刻終らせる事。②財政再建は時期尚早③TPPに加盟交渉を行い、こびりついた既得権益を廃し、規制緩和を進める必要がある。TPPは政治経済的にも需要なキーになると思う。TPP議論は避けていては新たな成長戦略は見えてこない。④憲法改正議論をすべき⑤時間がかかるが教育改革

国民の信任も得ないまま民主党は勝手に消費税増税を決め、日本は政府が機能しないばかりか民主主義もまるで機能していない・・・。このまま国会を通過するとは思えないが、国会の議員定数を半減し、公務員の給与水準を大幅に下げない限り消費税は増税すべきではない。

超円高が進みTPPや沖縄の基地問題どれをとっても誠にお先真っ暗・・・?せめて民主党が政権を投げ出してはくれないかとひたすら願うばかりです。

もう少し土日に書き足します。

政治の転換についてはその2へ


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