「少年の不思議な角笛」<A Boy Playing The Magical Bugle Horn>(1986)
格付け:A 音大出身バンドのテクと素養に敬服する1枚。
少年の不思議な角笛はdrumsの桜井さんの発想によるコンセプトアルバムです。江古田にあるM野音大出身は、川口貴さん (violin) 塚本周正さん (key)そして設立時と現メンバーである杉本正さん(bs)である。現在、杉本正さんは神奈川フィルハーモニー管弦楽団でコントラバスを、川口貴さんは日本フィルハーモニー交響楽団でヴァイオリンを演奏している現役のクラシック音楽奏者です。
オルガン科出身の塚本さん(現Gacktのキーボード&オーケストラアレンジ)がOuter Limitsの楽曲の多くを手がけているとのことです。そして、このコンセプトアルバムを発想した桜井さんは、伝説の日本人ドラマー、ジョージ川口の弟子である。桜井さんは塚本さんと高校の同級生で、Outer Limitsの前身バンドメビウスのメンバーでM音大ではなく、K沢大学だそうですが、「少年の不思議な角笛」をコンセプトアルバムとしてセカンドアルバムとして出そうと発案するところをみると、音大出ではないが、並みのクラシックの素養では思いつかないのではないだろうか。[確か1986年当時マーラーは映画音楽などで取り上げられることが多かった時期で流行った(私の周辺?)時期だったかもしれません。]
「少年の不思議な角笛」は(ドイツ語:Des Knaben Wunderhorn)は、ルートヴィヒ・アヒム・フォン・アルニムとクレメンス・ブレンターノが収集した、ドイツの民衆歌謡の詩集である。この詩集には、多くの作曲家によって曲が付けられた。恐らくもっとも注目すべきものは、グスタフ・マーラーによるものである。これはオーケストラの伴奏の付いた歌曲集で、1899年に初版が出版された。また、彼の交響曲第2番、交響曲第3番、交響曲第4番のいくつかの楽章にも、詩が使われている。(このことから、これら3作の交響曲を「角笛交響曲」と呼ぶことがある)また彼は、ピアノ伴奏の多くの作品を、この詩集から作曲している。この詩集を用いたそのほかの作曲家には、メンデルスゾーン、シューマン、カール・レーヴェ、ブラームス、ツェムリンスキーがある。(From Wiki)
4曲目のリリスは特に美しい歌曲で、アルバム全体として美しい川口さんのヴァイオリンの音色もさることながら、クラシックを基調として、音楽の基礎教育とクラシックの素養無しには生まれなかった楽曲ばかりです。やはり英欧のプログレバンドの水準を抜くにはクラシックの素養は必要不可欠な部分かもしれません。
すこし話はそれますが、リリスとはエバンゲリオンでも登場しますが、神が創った最初の女性です。アダムの最初の妻で、リリスは男性優位を主張するアダムに嫌気がさし逃げた。リリスが逃げたのはメソポタミア地方とされる。神は3人の天使を遣わせ、リリスがアダムのもとに戻るよう説得したが、リリスは拒否した。また、魔王ルシファーはリリスの夫とする説も有名であり、リリスを最初の吸血鬼とするブルガリアの神話もある。(変形3面開きのアルバムにアニメ風の挿絵で物語が展開しています)
1.少年の不思議な角笛 (magical bugle horn)
夢の旅人 (the voice of wanderer)
出発 (Julius going to)
2.像の谷 (the silent valley)
3.雲の塔 (tower over the cloud)
4.リリス (Liris)
5.古城 (out of the old castle)
6.影の映らない湖 (sail and the shadow)
7.笛の森 (whispering in the wind)
8.善悪を越えて (beyond good and evil)
•塚本周正 (keyboards)
•荒牧隆 (guitars,bass)
•上野知己 (vocals,keyboards)
•桜井信行 (drums,percussions)
•川口貴 (violin)
コメント