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ページェント<PAGEANT>
「奈落の舞踏会」<Abysmal Masquerade>(1994)MJC1008
格付け:AA+ 幻の名盤と呼べる傑作 

永井博子(Vo・Kye)中嶋一晃(G)引頭英明(Ds), 山田和彦(B)・長嶋伸行(B)on 3
ゲスト:塩谷博之(Sax) 宮武和広(Fl:ミスターシリウス)on 3.8
アルバムイラスト須藤あや

1人形地獄 (1987NewVersion)
2真夏の夜の夢
3ヴェクサシオン(1987NewVersion)
4奈落の舞踏会 (LiveVersion)
5仮面の笑顔 (LiveVersion)
6木霊 (LiveVersion)

7奈落の舞踏会
8仮面の笑顔 (FluteVersion)
9蜘蛛の館 (LongVersion)

伝説のバンド ページェントの事実上の2ndアルバムとして1887年発表されたミニアルバムの「奈落の舞踏会」MIJ-1015(1~6)を完全CD化したさいに12インチ「仮面の笑顔」VICE18EC-5(7~9)を収録

ページェントといえば、企画アルバム「ファイナルファンタジー」で活躍する大木理沙さんが永井博子として、元フロマージュ現.浪漫座別館の中島一晃(G)氏と結成した関西最高峰の伝説のプログレ・バンドです。1986年にMADE IN JAPAN レーベルより発売された1ST Album[螺鈿幻想] は日本のプログレ・シーンに君臨する伝説の永久的名盤です。

日本のプログレッシブロックシーンにおける男性ボーカルの逸材不足は新月の北山真を除くと日本サッカーのFwの決定力不足より深刻だと感じています。ところが、なでしこJapanを見渡すと、このカルメンマキさんを筆頭に永井博子(大木理沙)五人一首の松岡あの字、浪漫座別館のひなさんなどキラ星のごとくいます。

永井さんはそのなかでも、超一流のヴォーカリストではないでしょうか?カルメンマキはプログレに分別するよりも、日本女性ロック・ヴォーカリストの草分け的カリスマであり、プログレロック女性ヴォーカリストというジャンル分けをしたとするなら永井博子(大木理沙)はNo1であると思います。

私の音楽的嗜好はプログレに限らず、例えば楽聖リーッチーブラックモアのギタープレイに漂うようなダークなイングランドの湖水地方の晩秋に漂う霧のごとき湿度を感じさせる雰囲気が好みです。日本人のロックの嗜好でもカリフォルニアの燦々とした青空を感じさせる音と、この英国の湿度を感じるものと両極端が存在すると思っています。日本のアンダーグランドで生息するプログレというマイナーな音楽嗜好にはダークでイングランドの湿度がとても心地よくマッチします。永井博子のヴォーカルにはダークな「湿気」とともに「魔性」と「毒」を感じさせる特徴があり、プログレのヴォーカルには最適な雰囲気をもっています。彼女のヴォーカルと卓越したキーボード・ピアノプレイは最高にたまらない。また、「奈落の舞踏会」「仮面の笑顔」「蜘蛛の館」は作詞・作曲を手がけ、コンポーザーとしての才能も開花したアルバムです。

このアルバムに関しては1stが中島色で私好みの暗く湿度を感じる作風に対しよりこの2ndは永井色が強くなり、ジャジーな大人の垢抜けた雰囲気になっていると思います。

もう一つアルバムの裏ジャケットの永井博子の写真ですが
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                                 永井博子


大木理沙公式ホームページ
http://www.kasaya.com/lisa.htm

このアルバムにおいのキーワード「仮面の笑顔」この裏に潜む永井博子のヴォーカリストとの本能は、プログレッシブロックのジャンルで成長しようとしたページェントという殻を内側から食い破り成長しようとした彼女の深層心理の表れではないかと思っています。事実、「奈落の舞踏会」では永井博子さんが台頭し、後にリーダー中嶋一晃氏が脱退してしまい、中島氏抜きの「夢の報酬」でページェントの活動には終止符がうたれてしまいました。

私は、Dsのジョンボーナム亡き後、ジミーペイジとロバートプラントがどんなに頑張ってもツェペリンを越えられないように、ロック音楽がロックたる所以として重要なのはリズム隊だと思っています。'90年代以降は海外でも日本でも急速にリズム重視のダンサブルな音楽が主流を占めるようになったのは事実ですし、ヒップホップのようなジャンルもすっかり定着してしまいましたが、このプログレッシブロックに関しては、重要なのはメロディーラインだと思います。神の偶然の微笑みによって授かったメロディーラインの美しさこそ、プログレッシブロックの魅力そのものです。また神のグレイス(恩恵)は極限られたアーチストにしか降り注ぐことはありません。ページェントは、ほんのひと時ではあるが神に微笑まれたバンドであったと思います。

ページェントといえば中嶋一晃氏だが、彼の泣きのギターはファンタスティックなプレイはプログレロックシーンの名だたるテクニカルなギタリストとは格別なメロディラインに訴える味がある。それゆえ本来ページェントを語る場合、先に語らなくてはならないのだが[螺鈿幻想]を書くときは中島氏から語ろうと思います。

中嶋一晃氏の「浪漫座」のオフィシャルホームページ
http://www1.odn.ne.jp/romanza/top.htm




元々は、日本のプログレッシブロックのブログを作ろうと思ってこのブログを作り始めたのですが、気がつくと金融危機専門のブログになってしまいました。

このアルバムは新品ではあちこと見かけたのですが、中古ではなかなか出会えずにいましたが、先週遂に、神保町のディスクユニオンで1120円(1250円の1割引セール)にて入手したので、久々にプログレについて書くことにしました。