たしかこの金融危機は、100年に一度の危機ではなかったのか?

100年に一度と言われた信用危機は、ウォーレン・バフェット氏が言うように100年に一度のチャンスであった。

最近の相場を眺めると、そのような印象である。だからといって安心していられるとはとても思えないが、100年に一度の危機は今のところどこかへいってしまっている。

そうなると本屋に積まれた「米ドルが基軸通貨から外れ紙切れになる」「大量の米国国債の消化が出来なくなり金利が上昇する」「悪性のインフレになる」「大恐慌が来る」・・・なんて陰謀論者が嬉々として「世界の終わり」「米帝国の破綻」といった終末思想を書きまくった本、「恐慌前夜」などと書いた副島隆彦やベンジャミンフルフォード、田中宇、浅井隆・・・などのは売れなくなるだろう。

頭が悪いアホな読者が買い、ブログやネットで国際金融資本やユダヤが世界の終末を演出するといった、世界の終わりについてレスを書きまくることも下火となろう。

といっても、私が信頼して止まない経済学者や市場関係者も100年に一度の危機に対してはだいぶ厳しい見方をしており、まだ誰も楽観的見通しを書けないでいる。楽観的人間は少数派であることも確かである。事実私も楽観派にはなかなか成れない。

私が株式や為替相場をウォッチしだしたのは、大学で証券市場論のゼミを選択した1983~84年の頃からである。その間にプラザ合意があり、過度の円高を調整するための低金利政策をするだろう。そして未曾有の株式の上昇相場が来るだろうと経済を読み、証券業界へ足を踏み入れたのが運の尽き、その先の先までは大学生如きでは読めるはずも無かった。

ブラックマンデー、バブル崩壊、NYダウ暴騰、アジア危機、円高不況、山一拓銀、長銀、日債銀etcの破綻、新興国の勃興これは皆様とておなじ事ですが、この僅か二十数年の間に色々な経験をさせていただいた。

今私の拙い経験則から言えば最も頼りになるのは先人達の知恵の結晶である相場の格言である。相場の格言とは、どんな金融工学の話や、アナリストの詳細な分析よりも、もっとも優れた相場に対する知恵である。

相場の格言で「不景気の株高」というのがある。今回は不景気は不景気だが、100年に一度あるかないかと言われていた未経験の信用危機に、いくらなんでも「不景気の株高」は無節操な楽観主義と考えていた。

しかし「不景気の株高」は起きた!世界中の株価は今までに見たことのない強烈な上昇相場となった。
今までに誰も経験したことのない恐怖の後の株高である。株価の底値を買ってやろうと待ち構えていた投資家の多くが、市場の投資専門家と言われる人達の強気・弱気論を聞いている間にあれよあれよと相場は上がってしまったというのが実感のようである。今回は賢い人間より馬鹿になった人間の勝ちであったかもしれません。

でも、私も3月初旬に当ブログにて買いだ!と皆様に株式買い宣言をし、実際に借金して株を買いました。しかし、6月から7月に米国政府FRBが大量の国債を落札させる為に、意図的に流した経済悪化2番底到来説に私は引っかかり、7月の初旬弱気な相場観を持っていました。

株式相場が上昇・下降トレンドの中の、どちらにあるかを見定めることが重要であると痛切に反省しております。上昇トレンドの中での高値買いは先行き必ずと言ってよいほど後日買い値を越えて上昇していく。

相場が上昇トレンドにあると確信したら信念を持って投資すべきだったと思う。昨年9月から今年2月までは下降トレンドであったが、今年3月から現在の相場は上昇トレンドにあると思う。

中国・インドの景気拡大に加えて、米国も景気後退から抜け出して年後半には景気拡大はほぼ間違いなしという状況になってきたからである。

最近の不景気の株高のケースでは2003年7月末に日経平均が9500円台から8月には1万300円台に乗せ、2007年には1万8000円台まで上昇したケースがある。

この時の相場は1990年に日本のバブルが崩壊し危機に対する政策対応の遅れから日本はデフレに苦しんでいた時であり、「失われた10年」と呼ばれ、竹中・小泉は米国のブッシュ政権の世界政治戦略に全面的に協力することで、その結果、ウォール街から大量の日本株買いが発生した。外国人買いによる株価の上昇でデフレが解消し景気が立ち直ってバブル崩壊に終止符を打った時である。

夏以降には徐々に米経済の回復しそうだが、その回復が本物であるか、それとも再び悪化するか見極めは必要である。年後半「住宅販売/住宅価格・雇用の増減・消費の増減/消費者物価指数」を丹念にウォッチする必要がある。

米国の住宅問題では関連する統計数値に下落の底打ち感が強まってきた。

雇用問題については6月の雇用統計の悪化により、市場では当分だめだろうと予想していた。しかし、8月7日に発表された7月の雇用統計は市場の見方を根底から覆す「ポジティブ・サプライズ」の内容となった。その内容は失業率が6月より0.1%低下した9.4%だった。低下したのは1年3ヵ月ぶりのことである。一方、注目の雇用者(非農業部門)は6月より24万7000人減少した。減少幅は6月の44万3000人(改定値)から改善し、金融危機が起こった昨年9月以降、最も少なかった。こうした動きは、米国の雇用情勢の悪化に歯止めがかかり始めた兆候ではないかとみる向きも多くなってきた。ただ、雇用者数は19ヵ月連続で減少しており、戦後最長を更新している。

雇用者数は約670万人減少した日27週間以上の長期失業者が前月比58万4000人増加するなど、力強い雇用回復の兆しは見えていない。しかし、回復が遅れていた米国の雇用情勢が、100年に一度と言われる危機の中で最悪期を脱しつつあることだけは確かである。

米国の4-6月期の国内総生産(GDP)は市場予想の1.5%マイナスを0.5%改善して1%となった。米国のエコミストによる7-9月期見通しの上方修正が相次いでいる。景気に弱気だった米ゴールドマン・サックスは7-9月期GDPを、従来の年率1%成長から3%プラス成長へと上方修正している。

オバマ米大統領は8月7日の演説で、失業率が9.4%に低下した7月の雇用統計について、「我々は正しい方向に向かっている」と語り、米経済は最悪期を脱しつつあるとの認識を示した。さらに「最悪期は終わりつつある。しかし雇用が失われている限り真の回復はない」とも指摘し、景気対策で経済を下支えしつつ、医療保険改革などに取り組む姿を強調して、失墜しつつあるカリスマ性を維持しようと懸命である。
オバマには、ポピュリスト小泉とどこか共通する匂いを感じる

景気の後退局面は7-9月期で完全に終わる可能性が高いとの見方が強く、米議会が自動車の買い替え補助金制度の拡大を決めたことなども景気の押し上げ要因にもなる。

過去の例からみると・景気が底打ちしてから雇用環境が改善するまでには1年位かかっているが、米国景気は政府や米連邦準備理事会(FRB)が思っているよりも早いぺースで景気が回復しているのかもしれない。米政府とFRBは景気に楽観的な見方が広がるにつれて再び原油・国際商品相場が上昇することに懸念を抱いている。

これから大量国債を発行する中で、原油など商品相場投資が高まり、米国債が売られて米長期金利が上昇すると国債の消化が難しくなり将来に禍根を残してしまう。

国債の入札が高まる頃、再び米国弱気理論が噴出するかもしれません。「失業率は年後半にl0%を突破するかも知れない」との警告めいた発言は、その兆候かもしれません。

米経済統計で最もあてにならないのが雇用統計であると昔から言われていたが、長期金利上昇を抑えるため、雇用環境について米政府は年後半にはl0%を突破するであろうとの警告流す一方で、雇用が改善すれば、消費動向は急速に改善する。FRBが発表した6月の米消費者信用残高は年率換算で前月比4.9%減少した。前月水準を下回ったのは5ヵ月連続であり、家計の消費抑制と借金削減の傾向は続いている。しかし、6月までの消費関連数値は米国経済の最悪期での数字であるだけに、夏以降には徐々に米経済の活動に呼応した動きが出てくるとみている。

このところ各種経済統計や企業決算は「サプライズ」が重なり、米株式相場は大きく押し上げられて、市場は景気の先行きに対して楽観的な見方が広がってきた。楽観ムードの広がりから原油・商品なども上昇し、米国の長期金利が上昇してきている。

しかし、8月の国債発行も大量に控えている。米国の景気指標では小売売上高と消費者態度指数などの回復が遅れていると言われているが、この両指標どちらかが悪化しても米株価は下落する可能性は高い。

もし、経済指標が先月より改善されたり、またウォルマートの決算が改善されれば米国の消費動向も上向きに転じたとしてダウ平均は急伸することもありえます。

ただ、日本の景気経済、中長期的にはとても楽観視できるものではない。そして米国も、根本的に経済構造が変化したわではないので、冷静な見極めは必要です。