http://www.uniqlo.jp/uniqlock/swf/blog_small.swf?user_id=Bo4uxIuSX6BfwXZC
http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.php

http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.php

デビュー作「告白」でいきなり本屋さん大賞を受賞した湊かなえの第3作目である。
本作も”告白”同様に「フランス人形 」の最初の10ページでいきなりフルスロットルで物語に引き込まれてしまい、全253pを一気に1時間30分で読了してしまいました。私は”活字依存症”とはいえハードカバー1冊をこれだけ早く読ませてしまう湊かなえ氏の力量には感服せざるをえません。
2作目の「少女」は二番煎じで面白くないとの風評を聞いてしまい、まだ読んでいないが、この第3作目「贖罪」を読む限り、「告白」の二番煎じ三番煎じではなく、湊かなえスタイルとでも呼んでもいい独自の小説スタイルを確立しつつあると考えるべきではないでしょうか。
1つの重大な事件が発生すると、その事件に関わる様々な人々被害者・加害者・目撃者の家族・友人、学校・職場に様々な関係者が存在します。リアルな犯罪な影には、関係者それぞれの人生が存在するのです。1つの重大な事件は、被害者と加害者だけではなく、その家族や友人のそれぞれに人間としての業や罪、懺悔・後悔・贖罪の意識はさまざまな衝撃波を襲っているはずです。
被害者・加害者の2次元的視点の物語から事件関係者の複雑に絡み合う多角的視点から物語を語る構成手法はまさに”3D!”です。「湊かなえは”3D小説”という新ジャンルを構築しつつある。」と思います。
目次とあらすじ
取り柄と言えるのは”きれいな空気”というどこにでもあるような平凡な日本の田舎町。きれいな空気を求めて進出してきた日本一の精密機械会社工場、夕方六時には流れる「グリーンスリーブス」のメロディ。
そんな穏やかな田舎町で突然起きた、惨たらしい美少女殺害事件。
犯人と目される男を目撃しているにもかかわらず犯人の顔をどうしても思い出せない殺害された少女の友人であり目撃者の小学4年の四人の少女。
事件から3年がたちに事件が解決しないことにいらだった被害者の母親麻子は、中学1年生になった目撃者の4人の子供達に激情の言葉を投げつけてしまった。
その投げつけられた激情が彼女たち4人の運命、人生をを大きく狂わせることになる――
<フランス人形>:紗英(被害者エミリちゃんの死体を見守った子供)の物語
大人になることを深層心理で拒み不妊症となった紗英。そんな彼女に縁談が舞い込み結婚した相手とは・・・・
<PTA臨時総会>:真紀(先生を捜しに走ったがみつからず恐くなって自宅へ逃げ帰るった子供)の物語
やがて先生となり突然事件が襲う、ナイフを持った不審者が学校へ侵入したときに彼女の取った行動とは・・・
その事件の報告をPTA臨時総会でしている最中に麻子を発見した真紀が衝撃的なことを話す・・・
<くまの兄弟>:晶子(エミリちゃんの自宅へ走り母親麻子に知らせたが突き飛ばされた子供)の物語
事件のショックから不登校となり引きこもりがちの彼女に心通わす兄の養女若葉ちゃん。その若葉ちゃんを救おうと晶子は・・・
<とつきとおか>:由佳 (交番へ走り駐在さんに知らせた子供)の物語
家族の中で孤立した彼女を救ってくれたのは駐在さんでした。警官フェチとなってしまった彼女の前に現れた姉の結婚相手は警官でした・・・
<償い>:被害者エミリちゃんの母親麻子の物語
母親麻子の過去とエミリ出生の秘密・・・・真紀の証言に衝撃を受ける麻子、犯人は・・・
事件の連鎖を止めようとする麻子・・・
これであなたたちはわたしを許してくれるかしら。長い呪縛から開放されたかしら。
終章
由佳と真紀の15年後のバレーボール百回連続パス・・・その後、「わたしたちが一番しなければいけなかったこと。」をしたのである。
なるほど、犠牲者への追悼、これが「贖罪」の本当のテーマではなかったのかもしれない。
そんな穏やかな田舎町で突然起きた、惨たらしい美少女殺害事件。
犯人と目される男を目撃しているにもかかわらず犯人の顔をどうしても思い出せない殺害された少女の友人であり目撃者の小学4年の四人の少女。
事件から3年がたちに事件が解決しないことにいらだった被害者の母親麻子は、中学1年生になった目撃者の4人の子供達に激情の言葉を投げつけてしまった。
その投げつけられた激情が彼女たち4人の運命、人生をを大きく狂わせることになる――
<フランス人形>:紗英(被害者エミリちゃんの死体を見守った子供)の物語
大人になることを深層心理で拒み不妊症となった紗英。そんな彼女に縁談が舞い込み結婚した相手とは・・・・
<PTA臨時総会>:真紀(先生を捜しに走ったがみつからず恐くなって自宅へ逃げ帰るった子供)の物語
やがて先生となり突然事件が襲う、ナイフを持った不審者が学校へ侵入したときに彼女の取った行動とは・・・
その事件の報告をPTA臨時総会でしている最中に麻子を発見した真紀が衝撃的なことを話す・・・
<くまの兄弟>:晶子(エミリちゃんの自宅へ走り母親麻子に知らせたが突き飛ばされた子供)の物語
事件のショックから不登校となり引きこもりがちの彼女に心通わす兄の養女若葉ちゃん。その若葉ちゃんを救おうと晶子は・・・
<とつきとおか>:由佳 (交番へ走り駐在さんに知らせた子供)の物語
家族の中で孤立した彼女を救ってくれたのは駐在さんでした。警官フェチとなってしまった彼女の前に現れた姉の結婚相手は警官でした・・・
<償い>:被害者エミリちゃんの母親麻子の物語
母親麻子の過去とエミリ出生の秘密・・・・真紀の証言に衝撃を受ける麻子、犯人は・・・
事件の連鎖を止めようとする麻子・・・
これであなたたちはわたしを許してくれるかしら。長い呪縛から開放されたかしら。
終章
由佳と真紀の15年後のバレーボール百回連続パス・・・その後、「わたしたちが一番しなければいけなかったこと。」をしたのである。
なるほど、犠牲者への追悼、これが「贖罪」の本当のテーマではなかったのかもしれない。
この「贖罪」には被害者エミリちゃんと犯人の物語が無い・・・
無い方がよかったかもしれない。もしエミリちゃんと犯人の描写を描いてしまっていたならば、私は興ざめしていたかもしれません。
徹底した多角的視点による物語の構築、そこには二次元的な被害者と犯人の物語は不用だったのかもしれません。私は「3D小説」と命名させていただきますが、湊かなえさんは今後徹底して同じスタイルで、多少プロットを変えた物語を編み出してくることを期待します。4作5作と徹底した3D的手法の小説であれば「3D小説」というジャンルを確立できるかもしれません。
もう一つ湊かなえさんの物語の魅力は、その描く人格の深層でドロドロとした思わず目を背けたくなるような情念もしくはエゴを躊躇無く描いている点にあると思います。時として話題のNHK大河ドラマ龍馬伝に登場する天才”香川照之”演じる”岩崎弥太郎”以上にエゴイステックでもある。
あくまでも私は「告白」と「贖罪」という似通ったプロットの物語しか読んでいません。
しかし共通しているのは、徹底した人間のエゴ、贖罪についてはすべて女性の物語であった為に徹底した「女の情念と業」を醜くかつリアルに描いていると思う。
しかし共通しているのは、徹底した人間のエゴ、贖罪についてはすべて女性の物語であった為に徹底した「女の情念と業」を醜くかつリアルに描いていると思う。
本書の他の方の書評を読むと、好き嫌いがはっきりしています。その中で設定はありえない突拍子も無いなどと書いている方もいますが、平凡な人生であったはずの人生が平凡でなくなったから物語が生まれます。平凡な人の不倫程度の話では”みのもんた”のワイドショーで夫の浮気を愚痴る話題程度にしかなりません、何を勘違いしているのでしょうね。
本書の設定は平成の日本で日々発生している事件・事故の」一つ一つと比べ、それほど突拍子もないようには見えません。思わず事件を直視したくなくなるような事件があまりにも多すぎます。
それぞれ被害者加害者とその家族友人がいて、日常の何気ない生活が一変してしまうことが日々起きているのも事実です。事件に巻き込まれてしまった人の人生は、それぞれの物語となっているはずです。
話は変わりますが、私と家内は永年”松任谷由実さん”の日曜の夕方5時FM東京の番組サウンド・アドベンチャーをよく車のなかで愛聴しておりました。(最近のSweet Discoveryは時間帯があわずご無沙汰しておりますが・・・)なかでも大好きだったのはお便りコーナーでの不倫話・・・妊娠・別れ・離婚話・恋人への不審感・・・恋愛ソングの大家”松任谷由実”のご宣託(恋愛の分析)は実に見事でした。
お便りコーナーで視聴者からの物語、とくに結婚適齢期後期の女性の男にまつわる内緒話が佳境に達すると、キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!と私と家内はおしゃべりを止め、FMに耳を傾けるのでありました。お便りコーナーへ出された手紙一つ一つにはそれぞれ、ひとりの人生の縮図が書いてありました。平凡な人達でも経験する人生はそれぞれにドラマです。
この湊かなえさんの物語の一つ一つはユーミンのお便りコーナーで紹介されるような、一つ一つ人生のドラマを積み上げて一つの物語を構成する手法は海外のドラマなどでも見られますが、エンターテイメントと考えれば十分に楽しめる作品ではあります。
湊かなえさんの作品は、悪く言えばワイドショー的物語かもしれません。
たとえば贖罪について深く考える時思いつく物語といえば 菊地寛の「恩讐の彼方に」http://www.aozora.gr.jp/cards/000083/files/496_19866.htmlが思いつきます。
主人を切り殺した贖罪から20年かけ一人の人間の力だけで3町(327.3m)の岩をくりぬき洞門を開こうとする老僧、そして仇と狙う遺児が現れ本懐を果そうとするが、村人達の懇願から貫通後に仇を討つことで思いとどまる。1年半後二人して鎚打つ姿があったが、遂にその時が来た。「最後は二人はそこにすべてを忘れて、感激の涙にむせび合う」贖罪と許しの物語である。
「贖罪」は「恩讐の彼方に」から比べれば善悪の彼岸や、宗教的価値観を語る崇高な物語ではありません。だが、エンターテイメントとしての物語としては文句無く楽しめます。”宮部みゆき”や”小川洋子”では語れない”湊かなえ”の世界が今後構築される事を期待しています。

コメント