2010年06月27日

最終ＦＸ候補からＦ１５ＳＥが外れる。ＦＸはユーロファイター・タイフーンか？

http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.gif

次期戦闘機の予算計上へ　来年度防衛費、数機分　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【東京新聞】2010年6月26日朝刊

Ｆ-35Ａ

次期戦闘機（ＦＸ）の選定作業を進めている防衛省は、来年度の防衛費にＦＸ数機の購入費を盛り込む方向で最終調整に入った。総額一兆円近い「巨大航空商戦」の入り口となる機種選定には、米政府の意向や防衛産業の思惑が複雑に絡む。菅政権にとって「第二の普天間問題」ともいえる難問となりそうだ。　
　候補機種は当初の六機種から、米国のＦ３５（ロッキード・マーチン社）、ＦＡ１８Ｅ／Ｆ（ボーイング社）、欧州共同開発のユーロファイター（ＢＡＥシステムズ）の三機種に絞り込まれた。
　

Ｆ18Ｅ

機種選定の基準となる要求性能を公表すれば、選定作業が本格化する。防衛省は要求性能を三機種すべてに該当する「（レーダーに映りにくい）ステルス性を持つ多目的戦闘機」とする方向だ。
　どの機種を選んでも、世界一高価とされた準国産のＦ２戦闘機（約百二十億円）を上回る一機百五十億円前後の超高額機となる見通し。数年かけて二個飛行隊分（約五十機）を導入する。年末の予算案決定までに機種が決まらない場合、予算枠だけ確保して機種決定を先送りする手法も検討されている。
　過去の戦闘機選びは、米国からの購入圧力とこれに反発する航空自衛隊、防衛産業との対立が問題になった。首相を議長とする安全保障会議で機種決定するが、今回も高度な政治判断が求められるのは必至。防衛省での作業は普天間問題で遅れており、最終的に来年度予算での購入を見送る可能性もある。
　ＦＸは航空自衛隊のＦ４戦闘機の後継機。選定作業は、最有力候補だった米国のＦ２２の輸出解禁を待ち、二年遅れた。昨年、米議会上院が輸出禁止を決定し、Ｆ２２抜きの選定を余儀なくされている。

http://www.uniqlo.jp/uniqlock/swf/blog_small.swf?user_id=Bo4uxIuSX6BfwXZCネットで検索する限り、この情報は中日新聞と東京版の東京新聞しかリークされていませんので、確実な情報ではない可能性がある。

しかも、この記事は間違ってる、ユーロファイタータイフーンであれば、最安値３５億円説もあるが、おそらく、ライセンス生産したとしても、Ｆ－３５の輸入機る８５億円程度かユーロ安となった分大きく８５億円を下回る可能性がある。

個人的にはＦＸにはＦ-22がダメなら、Ｆ15ＳＥサイレントイーグルがもっともふさわしいと考えていましたが、報道が正しければ残念です。

一時Ｆ－３５ライトニングⅡで決定との報道が流れましたが、

防衛省、次期戦闘機Ｆ３５採用へ　約４０機の導入想定　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2009/11/23 02:02 【共同通信】

防衛省は航空自衛隊の次期主力戦闘機（ＦＸ）について、次世代戦闘機Ｆ３５を採用する方向で調整に入った。１２月から選定作業を本格化させ、２０１１年度の概算要求にＦ３５の契約金など関連経費を盛り込みたい考えだ。複数の防衛省・自衛隊関係者が２２日、明らかにした。　Ｆ３５はレーダーに捕捉されにくいステルス機能が最大の特徴。中国が最新の第４世代機など航空戦力を増強させる中、防空能力の向上が不可欠と判断した。最終的には４０機程度の取得を想定している。

　ただＦ３５は開発中で配備が１０年代半ばと見込まれる。このため性能の確定まで契約を先送りすべきだとの慎重論があり、１２年度予算へ先送りされる可能性も残っている。
　政府は新たな「防衛計画の大綱」とそれに基づき部隊規模や経費などを明示する中期防衛力整備計画（中期防）の策定について、来年１２月へ１年先送りを決定している。次期中期防には、Ｆ３５の調達計画を明記する見通しだ。
　鳩山内閣は１年先送りに伴い、装備品や自衛隊の運用で暫定的な基本指針を取りまとめ、１０年度予算にはＦＸの調査費だけを計上する予定。

反米的民主党政権下で、より多くの予算を獲得する政治的な配慮から考え、防衛省は、ＦＸをユーロファイター・タイフーンにする可能性が高まったと私は思う。もしそうでなければ、Ｆ－３５で早々に決まっているはずだ。

Ｆ－３５の度重なるスケジュールの遅れもあり、Ｆ－３５では無理を重ねているＦ－４ＥＪ改の退役に間に合わない。防衛省内には単発で、マルチロール性に劣るＦ－３５に根強い反対論がある。

Ｆ－３５は９ヵ国が参画する国際共同プログラム故に、多国間共同開発という制約により、Ｆ－３５は日本でのライセンス生産は事実上不可能。よくても国内での最終組み立ての実施にとどまるとの見方が関係者の間で有力である。完成機の購入が前提では日本の航空戦闘機産業が崩壊してしまう。

2012：　・F-35（米）　運用開始　・韓国導入予定
2013：　・心神（ATD-X日）初飛行　Ｆ-35米空軍運用開始
2015：　・PAK　FA（T-50露）運用開始？
2020：　・J-XX（中）　運用開始？　
2025：　・F-15J（日）　退役開始

ＦＡ－１８では制空戦闘機としての能力に劣り、ＦＸ候補としてふさわしくない。となれば、元航空幕僚長の田母神氏が現役時代に計画したユーロファイター・タイフーンで決まりではないか？

Eurofighter Typhoon

F-15SEはボーイング社の発表では1機1億ドル（９０億円）となっていますが、F-15SEはまだ初飛行をしていませんし、F-15SEの性能がボーイング社の発表通りになるかも未知数であり、将来的にコストが上昇する可能性もあります。

Boeing F-15SE Silent Eagle Weapons Bay Test Flight

日本の航空機産業を考えると、Ｆ-１５ＳＥよりライセンス生産可能なタイフーンがやはり有利なのかもしれない。ブラックボックス（情報非開示部分）もないと発表されておりますし、ユーロファイター・タイフーン導入の最大の利点はアフターバーナーなしでも超音速巡航が可能なエンジン（ユーロジェットEJ200ターボファンエンジン)の導入が大きい。この技術移転は、ＦＸＸ心神発展戦闘機の実現に一歩前進する。

http://www.geocities.jp/eaglet_f15/MILITARY/PICTURE/ef_engine.jpg

http://m3i.nobody.jp/military/ef2000sead_menu.html#configuration

タイフーンの戦闘能力はしばしばアメリカのＦ－２２ラプターや開発中のＦ－３５ライトニングＩＩ、フランスのラファール等と比較されるが、憶測の域を出ないものが多かった。なかなか信頼に足る情報を得ることは難しいが、イギリスのＤＥＲＡ（Defence Evaluation and Research Agency）が行った調査では、タイフーンはＦ－２２Ａラプターに次ぐ能力を持つと位置づけられた。
その調査とは実際の戦闘機パイロットがＪＯＵＳＴシステムと呼ばれる戦闘シミュレーターを使用し、仮想敵機スホイＳｕ－３５と西側諸国の戦闘機が交戦したケースをシミュレートしたものだが、結果は以下の通りになった。

機体 キルレシオ（VS.Su-35）
F-22 ラプター
10.1：1.0

タイフーン 4.5：1.0
Su-35 フランカー 1.0：1.0
ラファールC 1.0：1.0
F-15C イーグル 0.8：1.0
F/A-18E/F スーパーホーネット 0.4：1.0
F/A-18C ホーネット 0.3：1.0
F-16C ファイティングファルコン 0.3：1.0
これらの数値は、例えばタイフーン１機を撃墜する間に４．５機のＳｕ－３５が撃墜されるという事を意味している。
ただしシミュレーションの詳細が公表されていないので、この結果が正確な評価を示しているかどうか証明することはできない。
更にこのシミュレーションが９０年代半ばという、まだ各機のレーダークロスセクションや、ＥＣＭ能力、レーダーについて限定的な情報しか得られない時期に行われたことを勘案すれば、実際の結果とはかなり異なる可能性がある。